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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-20
(45)【発行日】2023-12-28
(54)【発明の名称】情報処理装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20230101AFI20231221BHJP
   G06Q 20/06 20120101ALI20231221BHJP
【FI】
G06Q30/06
G06Q20/06 300
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022102772
(22)【出願日】2022-06-27
(62)【分割の表示】P 2018100951の分割
【原出願日】2018-05-25
(65)【公開番号】P2022118266
(43)【公開日】2022-08-12
【審査請求日】2022-07-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中神 清次
【審査官】塩田 徳彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-145423(JP,A)
【文献】国際公開第2017/033264(WO,A1)
【文献】特開2013-206414(JP,A)
【文献】特開2017-146706(JP,A)
【文献】特開2007-233740(JP,A)
【文献】国際公開第2012/002490(WO,A1)
【文献】米国特許第07016864(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
小売りの店舗に設置された商品運搬用の籠またはカートに設けられた情報処理装置であって、
情報を表示する表示部と、
前記表示部に表示された情報に応じた操作を受け付ける操作部と、
商品の外観を撮像した撮像画像または商品に付されたコードシンボルを読み取ったコード情報の少なくとも一方から、商品を認識可能な情報を取得する商品情報取得部と、
前記商品情報取得部が取得した情報で特定される商品を購入対象として購入対象記録ファイルに記録する商品情報記録部と、
前記購入対象記録ファイルを最後から前にさかのぼって順次、当該購入対象記録ファイルに記録された商品の名称と同じ文言が含まれた商品を代替候補として、当該代替候補の商品の情報を、前記操作部により選択可能かつ価格順に並べ替え可能に前記表示部に一覧表示させることにより提示する候補提示部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
電子マネー機能を備える記憶媒体から読み取られた電子マネーの残額を所定の記憶領域に記憶させる記憶処理部と、
前記商品情報記録部が前記購入対象の記録を行う都度、前記購入対象として記録されている全商品の合計額を、前記電子マネーの残額から、引いた金額を算出する試算処理部と、
をさらに備える請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記候補提示部は、前記試算処理部が算出した金額が所定の金額に比べて少なくなった場合に、前記購入対象として記録された商品よりも低価格の代替候補を提示する
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記候補提示部は、前記試算処理部が算出した金額が所定の金額に比べて少なくなった場合に、電子マネーのチャージを勧める
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
小売りの店舗に設置された商品運搬用の籠またはカートに設けられ、情報を表示する表示部と、前記表示部に表示された情報に応じた操作を受け付ける操作部とを備える情報処理装置のコンピュータを、
商品の外観を撮像した撮像画像または商品に付されたコードシンボルを読み取ったコード情報の少なくとも一方から、商品を認識可能な情報を取得する商品情報取得部と、
前記商品情報取得部が取得した情報で特定される商品を購入対象として購入対象記録ファイルに記録する商品情報記録部と、
前記購入対象記録ファイルを最後から前にさかのぼって順次、当該購入対象記録ファイルに記録された商品の名称と同じ文言が含まれた商品を代替候補として、当該代替候補の商品の情報を、前記操作部により選択可能かつ価格順に並べ替え可能に前記表示部に一覧表示させることにより提示する候補提示部と、
して機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品の登録や支払いは、チェックアウトレーンなどと呼ばれる所定の場所で行われるのが一般的である。しかしながら、時間帯などによってはチェックアウトレーンが混みあうことがあり、この場合には並んで待つなど、支払い完了までの所用時間が長くなる不都合がある。このような課題を、レジでの会計業務の簡略化を図ることにより解決しようとするもの(例えば特許文献1)がある。すなわち、ショッピングカートなどに商品の登録を行うための装置を取り付け、当該装置を用いて客が、ショッピングカートに商品を入れる際に商品を登録する。
【0003】
また、電子マネーでの支払いを行う場合、レジで金額の不足を指摘されることがある。この場合、チャージしたり、あるいは現金での支払いに切り替えたりなど、支払い完了までの所要時間が長くなる不都合がある。
【0004】
さらに、買い回り時、手に取った商品の他に、希望により沿った商品が近くに販売されていても気づかないことがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、レジでの会計業務を簡略化するとともに、希望により沿った商品に顧客が気づきやすくすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の情報処理装置は、小売りの店舗に設置された商品運搬用の籠またはカートに設けられたものであって、情報を表示する表示部と、表示部に表示された情報に応じた操作を受け付ける操作部と、商品情報取得部と、商品情報記録部と、候補提示部と、を備える。商品情報取得部は、商品の外観を撮像した撮像画像または商品に付されたコードシンボルを読み取ったコード情報の少なくとも一方から、商品を認識可能な情報を取得する。商品情報記録部は、前記商品情報取得部が取得した情報で特定される商品を購入対象として記録する。候補提示部は、前記購入対象記録ファイルを最後から前にさかのぼって順次、当該購入対象記録ファイルに記録された商品の名称と同じ文言が含まれた商品を代替候補として、当該代替候補の商品の情報を、前記操作部により選択可能かつ価格順に並べ替え可能に前記表示部に一覧表示させることにより提示する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1の実施形態における情報処理装置の一例である情報処理端末の外観を示す斜視図である。
図2図2は、情報処理端末の構成を示すブロック図である。
図3図3は、情報処理端末が有する機能の構成を示すブロック図である。
図4図4は、表示デバイスの表示内容の一例を示す図である。
図5図5は、制御部が行う制御処理の流れを概略的に示すフローチャートである。
図6図6は、第2の実施形態における制御部が行う制御処理の流れを概略的に示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施形態)
第1の実施形態について図面を用いて説明する。図1は、本実施形態における情報処理装置の一例である情報処理端末1の外観を示す斜視図である。情報処理端末1は、小売りの店舗に設置されて商品の運搬に用いられるカート(ショッピングカート)100や籠(買物籠)に取り付けて用いられる。また、情報処理端末1は、購入する商品の情報を記録(登録)する販売データ処理装置であるとともに、代替可能な商品の情報を提示する商品情報提示装置でもある。
【0009】
情報処理端末1は、いわゆるタブレット型コンピュータ(タブレット端末)のような外観および機能を有するものであって、板状の表示デバイスの表面にタッチ入力デバイス(タッチパネル)が設けられたものである。また、情報処理端末1の本体部11には、着脱可能な読取装置2が接続されている。
【0010】
読取装置2は、商品の情報を読み取る。より詳しくは、読取装置2は、情報処理端末1に対して、商品の表面に付されたバーコードや二次元コードなどのコードシンボルを読み取った(デコードした)コード情報を出力し、また、商品の外観を撮像した撮像画像を出力する。なお、読取装置2は、例えば、撮像範囲に商品が検知されると、まずコードシンボルを探す処理を開始し、当該処理の開始から所定時間内にコードシンボルが検知されない場合、処理を商品の外観の撮像画像の出力を行う処理に切り替える。
【0011】
顧客は、読取装置2に商品を読み取らせた後に、ショッピングカート100に商品を入れる。なお、ショッピングカート100は、当該ショッピングカート100が運搬する商品の合計重量を計測する秤を備えていてもよい。そして、情報処理端末1が、秤の出力を受けて、読取装置2が読み取った商品に対応する分だけ増えたか確認するようにしてもよい。
【0012】
図2は、情報処理端末1の構成を示すブロック図である。情報処理端末1は、表示デバイス12、タッチパネル13、カードリーダ14、CPU(Central Processing Unit)21、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)23、および不揮発性メモリ24を備えている。
【0013】
表示デバイス12は、顧客に向けて情報を表示する表示部の一例である。タッチパネル13は、表示デバイス12に表示された情報に応じた操作を受け付ける操作部の一例である。
【0014】
カードリーダ14は、電子マネー機能を備えたICカード(記憶媒体の一例)などから情報(金額情報など)を読み取る。カードリーダ14が読み取った情報は、制御部20(記憶処理部の一例として機能)が、RAM23(所定の記憶領域の一例)に記憶させる。
【0015】
CPU21は、ROM22や不揮発性メモリ24に記憶されたプログラムを実行することにより、上記各部(表示デバイス12、タッチパネル13、カードリーダ14、ROM22、RAM23、不揮発性メモリ24、読取装置2)を統括的に制御する。ROM22は、CPU21によって実行されるプログラムなどを記憶する。RAM23は、プログラムの実行に必要な値などを一時的に記憶するワークエリアとして、CPU21に使用される。
【0016】
不揮発性メモリ24は、例えばHDD(Hard Disc Drive)やフラッシュメモリ等、電源が切られても記憶情報を保持するものであって、各種プログラムやデータなどを記憶する。また不揮発性メモリ24は、PLUファイルや購入対象記録ファイルを記憶している。
【0017】
PLUファイルは、各商品に一意に割り当てられた商品コードと、その商品の名称、価格(単価)、商品分類等の商品に関する情報とを対応付けて格納している。また、情報処理端末1が商品を一般物体認識(オブジェクト認識)により特定する構成である場合は、PLUファイルは、更に、各商品の特徴量または基準画像等を記憶する。尚、特徴量とは、商品の基準画像から読み取られた、商品の色合いや商品の表面の凹凸状況等のデータである。
【0018】
購入対象記録ファイルは、読取装置2が読み取った情報に基づいて情報処理端末1が認識した商品の情報を記憶するファイルである。
【0019】
図3は、情報処理端末1が有する機能の構成を示すブロック図である。CPU21、ROM22およびRAM23は、制御部20を構成する。制御部20は、CPU21がプログラムを実行することにより、商品情報取得部201、商品情報記録部202、試算処理部203、候補提示部204、および入替処理部205として、機能する。
【0020】
商品情報取得部201は、読取装置2から入力された撮像画像やコード情報に基づいて、商品の情報を取得する。より詳しくは、商品情報取得部201は、商品に添付されたバーコードやQRコード(登録商標)等のコードシンボルを読取装置2が読み取って得たコード情報か、または読取装置2が撮像した商品の画像(撮像画像)に基づいて一般物体認識を行うことにより、撮像画像に含まれる商品を特定する。
【0021】
また、商品の特定にあたって具体的には商品情報取得部201は、PLUファイルを参照し、コードシンボルを読み取ったコード情報に含まれる商品コードに対応する商品を一意に特定する。
【0022】
なお、画像中に含まれる物体を認識する一般物体認識(generic object recognition)については、例えば下記の文献において認識技術が解説されている。
柳井 啓司,“一般物体認識の現状と今後”、情報処理学会論文誌、Vol.48、No.SIG16 [平成30年1月5日検索]、インターネット<URL:http://mm.cs.uec.ac.jp/IPSJ-TCVIM-Yanai.pdf>
【0023】
また、制御部20は、商品情報取得部201が特定した商品の確認や、個数等の入力を受け付ける画面を、表示デバイス12に表示する。
【0024】
商品情報記録部202は、商品情報取得部201が取得した情報で特定される商品を購入対象として、当該商品の情報を記録(登録)する。当該記録は、商品の情報を、例えば不揮発性メモリ24の所定の領域(購入対象記録ファイル)に記録することで実現される。なお、商品の情報は、例えば、PLUファイルから読み出した商品の商品コードと、その商品の個数(購入数)等と関連付けたものである。
【0025】
試算処理部203は、カードリーダ14が読み取った電子マネーの金額から、購入対象記録ファイルに情報が記録された商品の代金の合計値を引いた値(残額)を算出する。当該算出値(残額)を、制御部20は、表示デバイス12の残額欄37(図4参照、後述)に表示する。なお、試算処理部203は、電子マネー機能を備えたICカードの金額情報を書き換えることはしない。
【0026】
候補提示部204は、商品情報取得部201が取得した情報で特定される商品に所定の基準において類似すると判断できる商品を、代替候補として提示(すなわち表示デバイス12の代替候補一覧32(図4参照、後述)に表示)する。所定の基準とは、例えば、商品の名称に同じ文言が含まれていることでもよいし、或いは、PLUファイルに、分類を示すカラムを含めておき、当該分類のカラムの値が同じことでもよい。
【0027】
入替処理部205は、候補提示部204が提示した代替候補が選択されて、さらに当該代替候補の商品の情報が読取装置2から入力された場合に、当該選択された候補の情報と、商品情報記録部202が購入対象記録ファイルに記録した直近の商品の情報とを、入れ替える。この入れ替えは、例えば、購入対象記録ファイルに記録された直近の商品の情報を代替候補の情報で上書きすることによって実現してよい。
【0028】
図4は、表示デバイス12の表示内容の一例を示す図である。表示デバイス12は、制御部20の制御に従って、図4に示すような画面30を表示する。画面30は、登録商品一覧31、代替候補一覧32、価格順ソートボタン33、売れ筋順ソートボタン34、商品代金合計欄35、電子マネー金額欄36、残額欄37、注記38,39などを含んでいる。
【0029】
登録商品一覧31は、購入対象記録ファイルに記録された商品の情報を一覧表示する欄である。ここに表示される商品の情報は、例えば、JANコードなどの商品コード、商品の名称、個数、単価などである。
【0030】
代替候補一覧32は、候補提示部204が、商品情報取得部201が直近に取得した情報の商品に所定の基準において類似すると判断した商品の情報を、一覧表示する欄である。ここに表示される商品の情報は、例えば、商品コード、商品の名称、個数、単価などである。また、この例では、代替候補である商品の情報を各々1行で表示しており、いずれかの行の表示位置が触れられると、これを、当該行に表示された代替候補の選択操作として、タッチパネル13を介して制御部20が受け付ける。
【0031】
価格順ソートボタン33は、代替候補一覧32に表示された商品の情報を、単価の昇順に並べ替えることを指示するためのボタンである。この価格順ソートボタン33は、タッチパネル13によって操作を受け付ける。タッチパネル13の価格順ソートボタン33が表示されている位置が操作を受けると、制御部20は、代替候補一覧32に表示される商品の情報の並べ替えを行って表示デバイス12に表示し直させる。
【0032】
売れ筋順ソートボタン34は、代替候補一覧32に表示された商品の情報を、売上の降順に並べ替えることを指示するためのボタンである。この売れ筋順ソートボタン34は、タッチパネル13によって操作を受け付ける。タッチパネル13の売れ筋順ソートボタン34が表示されている位置が操作を受けると、制御部20は、代替候補一覧32に表示される商品の情報の並べ替えを行って表示デバイス12に表示し直させる。
【0033】
商品代金合計欄35は、登録商品一覧31に表示された商品すなわち購入対象記録ファイルに記録された商品の代金の合計額(試算処理部203が算出する)を表示する。電子マネー金額欄36は、電子マネー機能を有するICカードからカードリーダ14が読み取った電子マネーの金額を表示する。残額欄37は、電子マネー金額欄36が表示する金額から、商品代金合計欄35が表示する金額を引いた値(残額:試算処理部203が算出する)を表示する。
【0034】
注記38,39は、情報処理端末1を使用する顧客、つまりショッピングカート100を使用する顧客へ向けた説明である。注記38は、例えば、「商品を認識すると、他の候補を自動的に表示します。」である。また、注記39は、例えば、「候補は、価格順や売れ筋順に並べ替えることができます。」である。
【0035】
図5は、制御部20が行う制御処理の流れを概略的に示すフローチャートである。まず、制御部20は、商品情報の読み取りを待機する(ステップS1のNo)。読取装置2が商品の外観から情報を読み取り、当該情報から特定される商品の情報を商品情報取得部201が取得すると(ステップS1のYes)、当該商品の情報を商品情報記録部202が記録(登録)する(ステップS2)。続いて、試算処理部203が電子マネーの残額を試算した値を残額欄37に表示し(ステップS3)、候補提示部204が代替候補である商品を提示する(ステップS4)。
【0036】
代替候補が選択されなければ(ステップS5のNo)、読取装置2が次の商品を読み取るなど他の処理が行われたのをきっかけに、制御部20は本処理を終了する。
【0037】
代替候補が選択されてさらに当該代替候補の商品の情報が読取装置2から入力された場合(ステップS5のYes)、入替処理部205は、選択された代替候補である商品の情報と、購入対象記録ファイルに最も後に記録された商品の情報とを、入れ替える(ステップS6)。そして、試算処理部203が、入替後の商品の代金の合計値にて電子マネーの残額を試算し直し、残額欄37を書き換える(ステップS7)。
【0038】
このような構成において、ショッピングカート100を使用する顧客は、カードリーダ14に、電子マネー機能を備えたICカードの情報を読み取らせる。顧客はまた、ショッピングカート100に商品を入れる際、読取装置2によって、商品の情報を読み取らせる。
【0039】
すると、情報処理端末1は、電子マネーとしてICカードに記憶された金額から、商品の代金を引いた残額を表示する。また、情報処理端末1は、今しがた読取装置2が読み取った商品に所定の基準において類似する他の商品(代替候補)を、表示する。
【0040】
顧客がタッチパネル13を介して代替候補の一つを選択して当該代替候補の商品を読取装置2に読み取らせると、情報処理端末1は、当該代替候補である商品の情報と、直近に登録した商品とを入れ替える。この場合、電子マネーの残額も更新される。
【0041】
以上のように、本実施形態の情報処理端末1によれば、レジでの会計業務の簡略化とともに、希望により沿った商品に顧客が気づきやすくできる。また、本実施形態の情報処理端末1によれば、電子マネーの金額で購入対象の商品を支払い可能であるか、レジでの会計業務前に分かるので、レジで電子マネーの金額の不足を指摘されることによる不都合を回避することができる。
【0042】
なお、上記実施形態では、電子マネーの金額を表示したり、当該金額から商品の代金の合計額を引いた値(残額)を表示したりしているが、実施にあたり、これらの処理を行わない装置として構成されてもよい。つまり、情報を読み取って記録した商品の代替候補を提示する装置であってもよい。この場合、顧客が、手に取った商品の他の商品が案内されることで、今いる場所の近くに、希望により沿った商品が販売されていることに、気づく可能性を高くすることができる。よって、顧客の買物後の満足度を向上させる可能性を高くできる。
【0043】
(第2の実施形態)
第2の実施形態について図面を用いて説明する。本実施形態は第1の実施形態の変形例であるので、本実施形態の説明においては、第1の実施形態と異なる点についてのみ説明し、同じ点についての説明を省略する。また、本実施形態の説明において、第1の実施形態と同じ箇所には、第1の実施形態において用いた符号を用いる。
【0044】
図6は、第2の実施形態における制御部20が行う制御処理の流れを概略的に示すフローチャートである。ステップS11~S13は、図5のステップS1~3と同じであるので、説明を省略する。
【0045】
ステップS14において、制御部20は、残額が、所定の金額に比べて少ない(この例では0円以下)か、判断する。残額が0円よりも大きい場合(ステップS14のNo)、制御部20は、本処理を終了する。
【0046】
ステップS14において、残額が0円以下である場合(ステップS14のYes)、制御部20は、処理をステップS15に進める。ステップS15において、制御部15は、ステップS12で登録した商品よりも低価格の代替候補を提示する。代替候補は、第1の実施形態のときと同じく、所定の基準において類似する商品である。
【0047】
図6のステップS16~S18は、図5のステップS5~S7と同じであるので、説明を省略する。
【0048】
ステップS16において、代替候補が選択されないうちに読取装置2から次の商品の情報が入力された場合には(ステップS16のNo)、制御部20は、電子マネーの金額を追加するチャージを勧める文や画像を表示デバイス12に表示させる(ステップS19)。
【0049】
このような実施形態によれば、購入予定に対して電子マネーの金額が不足の場合の対応を、顧客に対して提示することができる。対応としては、例えば、低価格の商品と交換することや、電子マネーのチャージがある。
【0050】
なお、上述の実施形態では、ステップS14で残額と比較する金額を例えば0円として説明したが、実施にあたってはこの金額でなくともよく、例えば100円未満などであってもよい。
【0051】
さらに、実施にあたっては、代替候補を提示するにあたり、購入対象記録ファイルの記録を最後からさかのぼるようにし、最後に記録された商品の代替候補、その前に記録された商品の代替候補、さらに前に記録された商品の代替候補…というように表示させてもよい。このようにすると、顧客は、今いる場所から移動経路をさかのぼりながら、入れ替えてもよいと思う商品を選び取ることができる。本変形例によれば、金額不足時の対応の自由度をさらに向上させることができる。
【0052】
なお、実施形態の情報処理端末1で実行されるプログラムは、ROM22等に予め組み込まれて提供される。
【0053】
実施形態の情報処理端末1で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0054】
さらに、実施形態の情報処理端末1で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、実施形態の情報処理端末1で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0055】
実施形態の情報処理端末1で実行されるプログラムは、上述した各部(商品情報取得部201、商品情報記録部202、試算処理部203、候補提示部204、および入替処理部205)を含むモジュール構成となっている。CPU21(プロセッサ)は、記憶媒体からプログラムを読み出して実行することにより、上記各部を主記憶装置上にロードする。これにより、商品情報取得部201、商品情報記録部202、試算処理部203、候補提示部204、および入替処理部205が、主記憶装置上に生成される。
【0056】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0057】
1 …情報処理端末(情報処理装置)
11 …本体部、12…表示デバイス、13…タッチパネル、14…カードリーダ
21 …CPU、22…ROM、23…RAM、24…不揮発性メモリ
20 …制御部、201…商品情報取得部、202…商品情報記録部
203…試算処理部、204…候補提示部、205…入替処理部
30 …画面、31…登録商品一覧、32…代替候補一覧
33 …価格順ソートボタン、34…売れ筋順ソートボタン
35 …商品代金合計欄、36…電子マネー金額欄、37…残額欄、38,39…注記
2 …読取装置
100…ショッピングカート
【先行技術文献】
【特許文献】
【0058】
【文献】特開2012-14734号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6