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特許7407245チャージ管理システム、チャージ管理方法及びチャージ管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-20
(45)【発行日】2023-12-28
(54)【発明の名称】チャージ管理システム、チャージ管理方法及びチャージ管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/28 20120101AFI20231221BHJP
   G06Q 20/38 20120101ALI20231221BHJP
【FI】
G06Q20/28
G06Q20/38 330
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022111129
(22)【出願日】2022-07-11
【審査請求日】2022-07-11
(73)【特許権者】
【識別番号】592052416
【氏名又は名称】株式会社 みずほ銀行
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 真
(72)【発明者】
【氏名】石塚 裕貴
【審査官】酒井 優一
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-091838(JP,A)
【文献】特許第7066904(JP,B1)
【文献】特開2021-162887(JP,A)
【文献】特開2005-250899(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが利用する第1決済手段に関する情報を登録するユーザ情報記憶部と、
前記第1決済手段による決済が可能な加盟店での決済を管理する加盟店ゲートウェイサーバ、ユーザ端末、及び第2決済手段を管理する加盟店の第2決済サーバに接続される制御部と、を備えたチャージ管理システムであって、
前記制御部が、
前記ユーザ端末から、前記ユーザの前記第1決済手段の第1アカウントID、取引先の加盟店ID、決済金額に関するデータを含む取引予約を取得し、
前記加盟店ゲートウェイサーバから、前記取引予約に応じた取引IDを取得し、
前記取引先の加盟店IDの加盟店の第2決済サーバに対して、前記取引ID、前記決済金額についての一時保管依頼を送信して、前記第2決済サーバから一時保管IDを取得し、
前記取引IDについて、前記ユーザ情報記憶部における前記第1アカウントIDの残高から前記決済金額を差し引き、前記加盟店のアカウントの残高に加算し、
前記ユーザ端末から、前記決済の結果に基づいて、前記第2決済サーバに前記一時保管IDを引き継ぐことにより、前記ユーザ端末で用いられる前記第2決済手段の第2アカウントIDに対して、前記決済金額をチャージ金額としてチャージさせ、前記第2決済サーバから前記一時保管IDについてのチャージの完了通知を受信して、前記第1決済手段から前記第2決済手段へのチャージを完了することを特徴とするチャージ管理システム。
【請求項2】
前記制御部が、前記第2アカウントIDを前記第1アカウントIDに関連付けて前記ユーザ情報記憶部に記録することを特徴とする請求項に記載のチャージ管理システム。
【請求項3】
前記制御部が、前記第2アカウントIDを前記第1アカウントIDに関連付けて前記ユーザ端末に保持させることを特徴とする請求項に記載のチャージ管理システム。
【請求項4】
ユーザが利用する第1決済手段に関する情報を登録するユーザ情報記憶部と、
前記第1決済手段による決済が可能な加盟店での決済を管理する加盟店ゲートウェイサーバ、ユーザ端末、及び第2決済手段を管理する加盟店の第2決済サーバに接続される制御部と、を備えたチャージ管理システムを用いて、チャージ管理を行なうための方法であって、
前記制御部が、
前記ユーザ端末から、前記ユーザの前記第1決済手段の第1アカウントID、取引先の加盟店ID、決済金額に関するデータを含む取引予約を取得し、
前記加盟店ゲートウェイサーバから、前記取引予約に応じた取引IDを取得し、
前記取引先の加盟店IDの加盟店の第2決済サーバに対して、前記取引ID、前記決済金額についての一時保管依頼を送信して、前記第2決済サーバから一時保管IDを取得し、
前記取引IDについて、前記ユーザ情報記憶部における前記第1アカウントIDの残高から前記決済金額を差し引き、前記加盟店のアカウントの残高に加算し、
前記ユーザ端末から、前記決済の結果に基づいて、前記第2決済サーバに前記一時保管IDを引き継ぐことにより、前記ユーザ端末で用いられる前記第2決済手段の第2アカウントIDに対して、前記決済金額をチャージ金額としてチャージさせ、前記第2決済サーバから前記一時保管IDについてのチャージの完了通知を受信して、前記第1決済手段から前記第2決済手段へのチャージを完了することを特徴とするチャージ管理方法。
【請求項5】
ユーザが利用する第1決済手段に関する情報を登録するユーザ情報記憶部と、
前記第1決済手段による決済が可能な加盟店での決済を管理する加盟店ゲートウェイサーバ、ユーザ端末、及び第2決済手段を管理する加盟店の第2決済サーバに接続される制御部と、を備えたチャージ管理システムを用いて、チャージ管理を行なうためのプログラムであって、
前記制御部を、
前記ユーザ端末から、前記ユーザの前記第1決済手段の第1アカウントID、取引先の加盟店ID、決済金額に関するデータを含む取引予約を取得し、
前記加盟店ゲートウェイサーバから、前記取引予約に応じた取引IDを取得し、
前記取引先の加盟店IDの加盟店の第2決済サーバに対して、前記取引ID、前記決済金額についての一時保管依頼を送信して、前記第2決済サーバから一時保管IDを取得し、
前記取引IDについて、前記ユーザ情報記憶部における前記第1アカウントIDの残高から前記決済金額を差し引き、前記加盟店のアカウントの残高に加算し、
前記ユーザ端末から、前記決済の結果に基づいて、前記第2決済サーバに前記一時保管IDを引き継ぐことにより、前記ユーザ端末で用いられる前記第2決済手段の第2アカウントIDに対して、前記決済金額をチャージ金額としてチャージさせ、前記第2決済サーバから前記一時保管IDについてのチャージの完了通知を受信して、前記第1決済手段から前記第2決済手段へのチャージを完了する手段として機能させることを特徴とするチャージ管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、第1決済手段から第2決済手段にチャージするためのチャージ管理システム、チャージ管理方法及びチャージ管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザ端末に格納された決済アプリケーションによって、光学的に読み取り可能な情報コードを提示し、ユーザ間で電子的な送金を行なう技術が検討されている(例えば、特許文献1を参照)。この文献に記載された技術においては、アカウント識別情報と残高情報とを関連付けて記憶するサーバを用いる。そして、第1のユーザ端末は、送金元ユーザのアカウント識別情報に関連する情報、送金金額情報及び第1のユーザ端末の撮像装置を用いて、送金先ユーザの媒体から読み取られた送金先のアカウント識別情報を含む送金命令をサーバに送信する。サーバは、送金命令を受信すると、送金金額に基づいて、送金元ユーザのアカウント識別情報及び送金先のアカウント識別情報に紐付けられた残高情報を記憶して電子的送金を行なう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-125287号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子マネーやコード決済手段等の多様な決済手段を用いる場合、ユーザのアカウントの残高を維持しておく必要がある。そして、残高が不足している場合、残高への補充(チャージ)が必要となる。しかしながら、このチャージに手間がかかっていたのでは、決済手段の使い勝手が悪くなる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するチャージ管理システムは、ユーザが利用する第1決済手段に関する情報を登録するユーザ情報記憶部と、ユーザ端末、第2決済手段を管理する加盟店の第2決済サーバに接続される制御部と、を備える。そして、前記制御部が、前記ユーザ端末から、チャージ元としての前記第1決済手段の第1アカウントID、チャージ先としての前記第2決済手段及びチャージ金額に関するデータを含むチャージ依頼を取得し、前記チャージ依頼に取引IDを付与し、前記取引IDについて、前記ユーザ情報記憶部における前記第1アカウントIDの残高から前記チャージ金額を差し引き、前記第2決済手段を管理する加盟店に対する決済を行ない、前記決済の結果に基づいて、前記第2決済サーバにおいて、前記ユーザ端末で用いられる前記第2決済手段の第2アカウントIDに対して、前記チャージ金額をチャージさせる。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、決済手段の残高へのチャージを効率的に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態のチャージ管理システムの説明図である。
図2】第1実施形態のハードウェア構成の説明図である。
図3】第1実施形態の情報記憶部の説明図であって、(a)はユーザ情報記憶部、(b)は一時保管情報記憶部、(c)は加盟店情報記憶部、(d)は取引情報記憶部である。
図4】第1実施形態の処理手順の説明図である。
図5】第1実施形態の処理手順の説明図である。
図6】第1実施形態の処理手順の説明図である。
図7】第1実施形態の処理手順の説明図である。
図8】第2実施形態の処理手順の説明図である。
図9】第2実施形態の処理手順の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1実施形態)
以下、図1図7に従って、チャージ管理システム、チャージ管理方法及びチャージ管理プログラムを具体化した第1実施形態を説明する。本実施形態では、第1決済手段(チャージ元)の残高を用いて、第2決済手段(チャージ先)の残高へのチャージを行なう場合を想定する。本実施形態の決済手段は、それぞれ、例えば、2次元コードによるキャッシュレス決済に用いられる決済手段である。
図1に示すように、本実施形態では、ネットワークを介して接続されたユーザ端末10、第1決済サーバ20、加盟店GW30、第2決済サーバ40等を用いる。
【0009】
(ハードウェア構成)
図2を用いて、ユーザ端末10、第1決済サーバ20、加盟店GW30、第2決済サーバ40を構成する情報処理装置H10のハードウェア構成を説明する。情報処理装置H10は、通信装置H11、入力装置H12、表示装置H13、記憶部H14、プロセッサH15を備える。なお、このハードウェア構成は一例であり、他のハードウェアにより実現することも可能である。
【0010】
通信装置H11は、他の装置との間で通信経路を確立して、データの送受信を実行するインタフェースであり、例えばネットワークインタフェースや無線インタフェース等である。
【0011】
入力装置H12は、ユーザ等からの入力を受け付ける装置であり、例えばマウスやキーボード等である。表示装置H13は、各種情報を表示するディスプレイ等である。タッチパネルディスプレイ等は、入力装置H12、表示装置H13として機能する。
【0012】
記憶部H14は、ユーザ端末10、第1決済サーバ20、加盟店GW30、第2決済サーバ40の各種機能を実行するためのデータや各種プログラムを格納する記憶装置である。記憶部H14の一例としては、ROM、RAM、ハードディスク等がある。
【0013】
プロセッサH15は、記憶部H14に記憶されるプログラムやデータを用いて、ユーザ端末10、第1決済サーバ20、加盟店GW30、第2決済サーバ40における各処理を制御する。プロセッサH15の一例としては、例えばCPUやMPU等がある。このプロセッサH15は、ROM等に記憶されるプログラムをRAMに展開して、各処理のための各種プロセスを実行する。
【0014】
プロセッサH15は、自身が実行するすべての処理についてソフトウェア処理を行なうものに限られない。例えば、プロセッサH15は、自身が実行する処理の少なくとも一部についてハードウェア処理を行う専用のハードウェア回路(例えば、特定用途向け集積回路:ASIC)を備えてもよい。すなわち、プロセッサH15は、以下で構成し得る。
【0015】
(1)コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って動作する1つ以上のプロセッサ
(2)各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する1つ以上の専用のハードウェア回路、或いは
(3)それらの組み合わせ、を含む回路(circuitry)
プロセッサは、CPU並びに、RAM及びROM等のメモリを含み、メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコード又は指令を格納している。メモリすなわちコンピュータ可読媒体は、汎用又は専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。
【0016】
(システム構成)
次に、図1を用いて、ユーザ端末10、第1決済サーバ20、加盟店GW30、第2決済サーバ40の機能を説明する。
【0017】
ユーザ端末10は、ユーザが用いるコンピュータ端末(例えば、携帯端末)である。このユーザ端末10は、アプリ実行部11を備え、記憶部に格納されたアプリケーションを実行する。本実施形態では、第1決済アプリ111、第2決済アプリ112を実行する。
【0018】
第1決済アプリ111は、第1決済手段のアカウントを管理するアプリケーションプログラムである。本実施形態では、第1決済手段はチャージ元として用いられる。
第2決済アプリ112は、第2決済手段のアカウントを管理するアプリケーションプログラムである。本実施形態では、第2決済手段は、第1決済手段によるチャージ先として用いられる。
【0019】
第1決済アプリ111、第2決済アプリ112は、それぞれユーザ端末10のユーザのアカウントを特定するための第1アカウントID、第2アカウントIDを保持する。
第1決済サーバ20は、第1決済手段による第1決済サービスを提供する第1サービスプロバイダのコンピュータシステムである。この第1決済サーバ20は、第1決済アプリ111のユーザが保有するアカウントの残高を管理する。このユーザの中には、第1決済サービスを用いた決済により、商品やサービスを提供する加盟店も含まれる。この第1決済サーバ20は、制御部21、ユーザ情報記憶部22、一時保管情報記憶部23を備える。
【0020】
制御部21は、第1アカウント管理プログラムを実行することにより、ユーザ管理部211、取引管理部212として機能する。
ユーザ管理部211は、ユーザのアカウントを管理する処理を実行する。
取引管理部212は、ユーザのアカウントを用いた決済を管理する処理を実行する。
【0021】
図3(a)に示すように、ユーザ情報記憶部22には、ユーザ管理レコード220が記録される。このユーザ管理レコード220は、ユーザ情報が登録された場合に記録され、アカウントを用いたチャージや送金が行なわれた場合に更新される。ユーザ管理レコード220には、第1アカウントID、ユーザ口座、残高に関するデータが記録される。
【0022】
第1アカウントIDデータ領域には、第1決済アプリ111の各ユーザを特定するための識別子に関するデータが記録される。この第1アカウントIDにより、ユーザのアカウントが特定される。
【0023】
ユーザ口座データ領域には、このユーザが保有している金融機関口座を特定するための識別子(金融機関コード、本支店コード、口座種別、口座番号等)に関するデータが記録される。このユーザ口座は、例えば、第1決済手段の残高へのチャージを行なうために用いられる。
【0024】
残高データ領域には、このユーザの第1決済手段のアカウント(第1アカウント)の残高に関するデータが記録される。
更に、ユーザ情報記憶部22には、ユーザ管理レコード220に関連付けて、取引履歴レコード221、他決済手段管理レコード222が記録されている。
【0025】
取引履歴レコード221は、ユーザのアカウントを利用して取引が行なわれた場合に記録される。取引履歴レコード221には、取引ID、取引日時、取引内容、金額に関するデータが記録される。
【0026】
取引IDデータ領域には、各取引を特定するための識別子に関するデータが記録される。
取引日時データ領域には、取引が行なわれた年月日及び時刻に関するデータが記録される。
【0027】
取引内容データ領域には、取引の種類(決済、送金等)、送金元、送金先のアカウントIDに関するデータが記録される。
金額データ領域には、取引が行なわれた金額に関するデータが記録される。
【0028】
他決済手段管理レコード222は、このユーザが利用している他の決済手段(本実施形態では、第2決済アプリ)が登録された場合に記録される。他決済手段管理レコード222には、決済手段ID、第2アカウントIDに関するデータが記録される。
【0029】
決済手段IDデータ領域には、このユーザが利用している他の決済手段(ここでは、第2決済手段)を特定するための識別子に関するデータが記録される。
第2アカウントIDデータ領域には、他の決済手段(第2決済手段)において、このユーザのアカウントを特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0030】
図3(b)に示すように、一時保管情報記憶部23には、第2決済サーバ40に一時保管される預かり金に関する一時保管管理レコード230が記録される。一時保管管理レコード230は、一時保管の依頼を行なった場合に記録される。一時保管管理レコード230には、一時保管依頼ID、ディレード処理ID、第1アカウントID、取引ID、金額、一時保管ID、ステータスに関するデータが含まれる。
【0031】
一時保管依頼IDデータ領域には、各一時保管依頼を特定するための識別子に関するデータが記録される。
ディレード処理IDデータ領域には、この一時保管依頼についてのディレード処理を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0032】
第1アカウントIDデータ領域には、この一時保管の依頼を行なう第1決済サービスのユーザのアカウントを特定するための識別子に関するデータが記録される。
取引IDデータ領域には、この一時保管の取引を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0033】
金額データ領域には、一時保管を行なう預かり金の金額に関するデータが記録される。
一時保管IDデータ領域には、一時保管依頼に基づいて行なわれた預り金を特定するための識別子に関するデータが記録される。
ステータスデータ領域には、一時保管の状態を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0034】
図1に示す加盟店GW30は、第1決済サービスの加盟店での取引を管理するコンピュータシステム(ゲートウェイサーバ)である。加盟店GW30は、加盟店情報記憶部32、取引情報記憶部33を備える。
【0035】
図3(c)に示すように、加盟店情報記憶部32には、第1決済サービスを利用して取引を行なう加盟店についての加盟店管理レコード320が記録される。この加盟店管理レコード320は、加盟店の登録が行なわれた場合に記録される。加盟店管理レコード320には、加盟店ID、連絡先、精算金額等に関するデータが記録される。
【0036】
加盟店IDデータ領域には、各加盟店を特定するための識別子に関するデータが記録される。
連絡先データ領域には、この加盟店の連絡先に関するデータが記録される。連絡先としては、例えば、加盟店サーバのアドレスを用いることができる。
精算金額データ領域には、この加盟店で行なわれた決済について、所定期間の総額に関するデータが記録される。
【0037】
図3(d)に示すように、取引情報記憶部33には、取引のための取引IDを発行するための取引管理レコード330が記録される。この取引管理レコード330は、取引が行なわれる場合に記録される。取引管理レコード330には、取引ID、取引日時、送金元ID、送金先ID、決済額に関するデータが記録される。
【0038】
取引IDデータ領域には、各取引を特定するための識別子に関するデータが記録される。
取引日時データ領域には、この取引を受け付けた年月日及び時刻に関するデータが記録される。
【0039】
送金元IDデータ領域には、送金元のユーザを特定するための識別子に関するデータが記録される。
送金先IDデータ領域には、送金先のユーザを特定するための識別子に関するデータが記録される。
決済額データ領域には、取引において、送金元から送金先に支払う金額に関するデータが記録される。
【0040】
図1に示す第2決済サーバ40は、第2決済手段による第2決済サービスを提供する第2サービスプロバイダのコンピュータシステムである。本実施形態では、上述したように、第2サービスプロバイダは第1決済サービスの加盟店である。そして、第2決済サーバ40は、第2決済アプリ112のユーザが保有するアカウントの残高を管理する。この第2決済サーバ40は、制御部41、ユーザ情報記憶部42を備える。
【0041】
制御部41は、第2アカウント管理プログラムを実行することにより、ユーザ管理部、取引管理部として機能する。
また、ユーザ情報記憶部42には、ユーザ情報記憶部22と同様に、ユーザ管理レコード、取引履歴レコード等が記録される。
【0042】
(チャージ管理方法)
次に、図4図7を用いて、チャージ管理方法を説明する。ここでは、第1チャージ処理、第2チャージ処理について説明する。第1チャージ処理は、第1、第2決済手段の連携が行なわれた場合(例えば、初めてチャージを行なう場合)に実行される。第2チャージ処理は、第1チャージ処理において第1、第2決済手段の連携が行なわれた後でチャージを行なう場合に実行される。なお、第1、第2決済手段の連携が行なわれていない場合には、2回目以降のチャージにおいても第1チャージ処理が実行される。
【0043】
(第1チャージ処理)
まず、図4図5を用いて、第1チャージ処理を説明する。
ここでは、図4に示すように、ユーザがユーザ端末10を利用し、第1決済手段のアカウントの残高を用いて、第2決済手段のアカウントの残高へのチャージを行なう場合を想定する。
【0044】
まず、ユーザ端末10のアプリ実行部11は、第1決済アプリの起動処理を実行する(ステップS101)。具体的には、第1決済の残高を用いて、第2決済手段の残高へのチャージを行なう場合、ユーザ端末10の第1決済アプリ111を起動する。そして、第1決済のアプリ画面において、第2決済手段のチャージボタンを選択する。この場合、第1決済アプリ111は、表示装置H13にチャージ画面を出力する。このチャージ画面は、チャージ金額欄を含む。そして、チャージ金額が入力されて、実行ボタンが選択された場合、第1決済アプリ111は、チャージ依頼を第1決済サーバ20に送信する。このチャージ依頼には、第2決済サービスの加盟店ID、チャージ金額(決済金額)、決済内容(チャージ)に関するデータを含む。
【0045】
次に、第1決済サーバ20の制御部21は、取引予約処理を実行する(ステップS102)。具体的には、制御部21の取引管理部212は、取引番号を採番する。そして、取引管理部212は、加盟店GW30に対して、取引予約を送信する。この取引予約には、取引番号、加盟店ID、決済金額、決済内容に関するデータを含める。
【0046】
次に、加盟店GW30は、取引ID発行処理を実行する(ステップS103)。具体的には、加盟店GW30は、取引IDを発行して、取引管理レコード330を生成し、取引情報記憶部33に記録する。この取引管理レコード330には、取引ID、取引日時(現在日時)、送金元ID(第1アカウントID)、送金先ID(加盟店ID)、決済額(チャージ金額)に関するデータを記録する。そして、加盟店GW30は、第1決済サーバ20に対して、取引予約の完了通知を送信する。この完了通知には、取引番号、取引IDに関するデータを含める。
【0047】
次に、第1決済サーバ20の制御部21は、一時保管依頼登録処理を実行する(ステップS104)。具体的には、制御部21の取引管理部212は、ディレード処理ID、一時保管依頼IDを記録した一時保管管理レコード230を生成し、一時保管情報記憶部23に記録する。一時保管管理レコード230には、第1アカウントID、取引ID、チャージ金額、ステータス(処理開始)に関するデータを更に含める。
【0048】
次に、第1決済サーバ20の制御部21は、ディレード通知処理を実行する(ステップS105)。具体的には、制御部21の取引管理部212は、ユーザ端末10に対して、ディレード通知を送信する。このディレード通知には、ディレード処理IDに関するデータを含める。
【0049】
次に、ユーザ端末10のアプリ実行部11は、ディレード処理を実行する(ステップS106)。具体的には、アプリ実行部11の第1決済アプリ111は、ディレード処理IDを保持するとともに、後続の処理を実行するために所定時間の待機を行なう。
【0050】
次に、第1決済サーバ20の制御部21は、一時保管依頼処理を実行する(ステップS107)。具体的には、制御部21の取引管理部212は、一時保管登録依頼を、第2決済サーバ40に送信する。一時保管登録依頼には、一時保管依頼ID、取引ID、チャージ金額に関するデータを含める。
【0051】
次に、第2決済サーバ40は、一時保管処理を実行する(ステップS108)。具体的には、第2決済サーバ40は、一時保管依頼IDに対して一時保管IDを付与して、チャージ金額を関連付けて記録する。これにより、第2決済サーバ40は、第2決済手段への入金(チャージ)を一時的にサーバで預かる。そして、第2決済サーバ40は、第1決済サーバ20に対して、一時保管登録完了通知を送信する。この一時保管登録完了通知には、一時保管IDに関するデータを含める。
【0052】
次に、第1決済サーバ20の制御部21は、残高更新処理を実行する(ステップS109)。具体的には、制御部21の取引管理部212は、一時保管情報記憶部23の一時保管管理レコード230に、一時保管ID、ステータス(一時保管完了)に関するデータを記録する。更に、取引管理部212は、ユーザの第1アカウントの残高からチャージ金額を引き落として、加盟店のアカウントの残高に加算する。そして、取引管理部212は、加盟店GW30に決済完了通知を送信する。この決済完了通知には、取引IDに関するデータを含める。
【0053】
次に、加盟店GW30は、ステータス更新処理を実行する(ステップS110)。具体的には、加盟店GW30は、取得した取引IDが記録された取引管理レコード330のステータスを取引完了に変更する。そして、加盟店GW30は、この加盟店について、加盟店情報記憶部32の加盟店管理レコード320において、取引IDに関連付けたチャージ金額を、精算金額に加算する。
【0054】
また、ユーザ端末10のアプリ実行部11は、一時保管照会処理を実行する(ステップS111)。具体的には、アプリ実行部11の第1決済アプリ111は、ディレード処理による所定期間の待機後に、第1決済サーバ20に対して、一時保管照会を送信する。この一時保管照会には、ディレード処理IDに関するデータを含める。
【0055】
次に、第1決済サーバ20の制御部21は、一時保管状態報告処理を実行する(ステップS112)。具体的には、制御部21の取引管理部212は、ディレード処理IDが記録された一時保管管理レコード230を一時保管情報記憶部23から取得する。次に、取引管理部212は、一時保管管理レコード230のステータスを取得する。そして、取引管理部212は、ユーザ端末10に対して、一時保管状態報告を送信する。一時保管状態報告には、一時保管の処理開始又は一時保管完了の何れかのステータスに応じたメッセージを含める。
【0056】
次に、ユーザ端末10のアプリ実行部11は、一時保管状態表示処理を実行する(ステップS113)。具体的には、ユーザ端末10の第1決済アプリ111は、第1決済サーバ20から取得した一時保管状態報告を、表示装置H13に出力する。ステータスが「処理開始」で、一時保管の処理中の場合には、一時保管を完了していないことを示すメッセージが含まれる。一方、ステータスが「一時保管完了」で、一時保管を完了している場合には、未受取の一時保管があることを示すメッセージが含まれる。このメッセージには、第2決済アプリを起動するためのdeeplinkを備える。このdeeplinkには、一時保管IDに関するデータを含める。
【0057】
一時保管の完了を確認したユーザは、ユーザ端末10において、一時保管状態報告をタップする。
この場合、図5に示すように、ユーザ端末10のアプリ実行部11は、第2決済アプリへのリンク処理を実行する(ステップS201)。具体的には、ユーザ端末10の第1決済アプリ111は、deeplink機能により、第2決済アプリ112を起動する。この場合、第1決済アプリ111は、第2決済アプリ112に一時保管IDを引き継ぐ。
【0058】
次に、ユーザ端末10のアプリ実行部11は、受取依頼処理を実行する(ステップS202)。具体的には、ユーザ端末10の第2決済アプリ112は、deeplink機能により、一時保管IDに応じて、一時保管の受取確認メッセージを出力する。このメッセージがタップされた場合、第2決済アプリ112は、第2決済サーバ40に、受取依頼(チャージ指示)を送信する。この受取依頼には、一時保管ID、第2アカウントIDに関するデータを含める。
【0059】
次に、第2決済サーバ40の制御部41は、受取処理を実行する(ステップS203)。具体的には、制御部41は、一時保管IDに関連付けられた金額を、第2アカウントIDの残高に加算する。
【0060】
次に、第2決済サーバ40の制御部41は、受取完了通知処理を実行する(ステップS204)。具体的には、制御部41は、第1決済サーバ20に受取完了通知を送信する。この受取完了通知には、一時保管ID、完了日時に関するデータを含める。
【0061】
次に、第1決済サーバ20の制御部21は、ステータス更新処理を実行する(ステップS205)。具体的には、制御部21の取引管理部212は、一時保管情報記憶部23のステータスを「チャージ完了」に更新する。そして、取引管理部212は、第1決済アプリ111にチャージ完了メッセージを送信する。
【0062】
更に、ユーザが第1決済手段と第2決済手段との連携を希望する場合には、ユーザ端末10のアプリ実行部11は、連携選択処理を実行する(ステップS206)。具体的には、ユーザ端末10の第2決済アプリ112において、連携希望ボタンを選択する。この場合、第2決済アプリ112は、第2決済サーバ40に連携希望通知を送信する。
【0063】
次に、第2決済サーバ40の制御部41は、連携通知処理を実行する(ステップS207)。具体的には、制御部41は、ユーザ端末10に連携通知を送信する。この連携通知には、第1決済アプリ111へのdeeplinkを含める。このdeeplinkには、第2アカウントIDに関するデータを含める。
【0064】
次に、ユーザ端末10のアプリ実行部11は、第1決済アプリへのリンク処理を実行する(ステップS208)。具体的には、ユーザ端末10の第2決済アプリ112は、deeplink機能により、第1決済アプリ111を起動し、第1決済アプリ111に第2アカウントIDを引き継ぐ。そして、第1決済アプリ111は、deeplink機能により、第1アカウントIDに基づいて第1決済サーバ20にアクセスする。このアクセス時には、第1決済アプリ111は、第2アカウントに関するデータを第1決済サーバ20に提供する。
【0065】
次に、第1決済サーバ20の制御部21は、第2アカウントID保存処理を実行する(ステップS209)。具体的には、制御部21の取引管理部212は、ユーザ情報記憶部22において、第1アカウントIDに関連付けた他決済手段管理レコード222に、決済手段IDとして第2決済手段、第2アカウントIDを記録する。
【0066】
(第2チャージ処理)
次に、図6図7を用いて、第2チャージ処理を説明する。
図6に示すように、ユーザ端末10のアプリ実行部11は、ステップS101と同様に、第1決済アプリの起動処理を実行する(ステップS301)。
【0067】
次に、第1決済サーバ20の制御部21は、ステップS102と同様に、取引予約処理を実行する(ステップS302)。
次に、加盟店GW30は、ステップS103と同様に、取引ID発行処理を実行する(ステップS303)。
【0068】
次に、第1決済サーバ20の制御部21は、ステップS104、ステップS105と同様に、一時保管依頼登録処理(ステップS304)、ディレード通知処理(ステップS305)を実行する。
【0069】
次に、ユーザ端末10のアプリ実行部11は、ステップS106と同様に、ディレード処理を実行する(ステップS306)。
次に、第1決済サーバ20の制御部21は、アクセス処理を実行する(ステップS307)。具体的には、制御部21の取引管理部212は、第2決済サーバ40に対して、アクセス要求を送信する。このアクセス要求には、第2アカウントに関するデータを含める。
【0070】
次に、第2決済サーバ40の制御部41は、アカウントの確認処理を実行する(ステップS308)。具体的には、制御部41は、第2アカウントの認証を行なう。そして、制御部41は、第2アカウントの認証を完了した場合、第2アカウントに関連付けてIDアクセストークンを発行し、第1決済サーバ20に返信する。
【0071】
次に、第1決済サーバ20の制御部21は、一時保管依頼処理を実行する(ステップS309)。具体的には、制御部21の取引管理部212は、一時保管登録依頼を、第2決済サーバ40に送信する。この一時保管登録依頼には、第2決済サーバ40から取得したアクセストークン、一時保管依頼ID、チャージ金額に関するデータを含める。
【0072】
次に、第2決済サーバ40の制御部41は、ステップS108と同様に、一時保管処理を実行する(ステップS310)。
次に、第1決済サーバ20の制御部21は、ステップS109と同様に、残高更新処理を実行する(ステップS311)。
【0073】
次に、加盟店GW30は、ステップS110と同様に、ステータス更新処理を実行する(ステップS312)。
次に、図7に示すように、第1決済サーバ20の制御部21は、受取要求処理を実行する(ステップS401)。具体的には、制御部21の取引管理部212は、受取要求を第2決済サーバ40に送信する。この受取要求には、アクセストークン、一時保管依頼IDに関するデータを含める。
【0074】
次に、第2決済サーバ40の制御部41は、受取処理を実行する(ステップS402)。具体的には、制御部41は、一時保管IDの金額を、アクセストークンに関連付けられた第2アカウントIDの残高に加算する。
【0075】
次に、第2決済サーバ40の制御部41は、結果通知処理を実行する(ステップS403)。具体的には、制御部41は、第1決済サーバ20にチャージ結果を返信する。
次に、第1決済サーバ20の制御部21は、ステータス更新処理を実行する(ステップS404)。具体的には、制御部21の取引管理部212は、一時保管情報記憶部23のステータスを更新する。
【0076】
また、ユーザ端末10のアプリ実行部11は、ディレード状態照会処理を実行する(ステップS405)。具体的には、ユーザ端末10の第1決済アプリ111は、第1決済サーバ20に対して、ディレード処理の状態を確認する。
【0077】
次に、第1決済サーバ20の制御部21は、ステータス確認処理を実行する(ステップS406)。具体的には、制御部21の取引管理部212は、一時保管情報記憶部23のステータスを確認する。そして、取引管理部212は、ステータスを返信する。
【0078】
次に、ユーザ端末10のアプリ実行部11は、詳細情報取得処理を実行する(ステップS407)。具体的には、ユーザ端末10の第1決済アプリ111は、詳細情報を表示装置H13に出力する。
【0079】
以上、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1-1)第1実施形態では、第1決済サーバ20の制御部21は、取引予約処理を実行する(ステップS102,S302)。そして、加盟店GW30は、取引ID発行処理を実行する(ステップS103,S303)。これにより、加盟店側に第1アカウントIDを提供することなく、取引(決済)を行なうことができる。
【0080】
(1-2)第1実施形態では、第1決済サーバ20の制御部21は、一時保管依頼登録処理(ステップS104,S304)、一時保管依頼処理(ステップS107,S309)を実行する。次に、第2決済サーバ40は、一時保管処理を実行する(ステップS108,S310)。次に、第1決済サーバ20の制御部21は、残高更新処理を実行する(ステップS109,S311)。これにより、第2アカウントへのチャージを行なうための預かり金を、第1アカウントの残高を用いた決済により提供することができる。
【0081】
(1-3)第1実施形態では、ユーザ端末10のアプリ実行部11は、一時保管照会処理を実行する(ステップS111)。これにより、預かり金の一時保管状態に応じて、チャージのタイミングを把握することができる。
【0082】
(1-4)第1実施形態では、ユーザ端末10のアプリ実行部11は、第2決済アプリへのリンク処理を実行する(ステップS201)。これにより、第2決済サーバ40における預り金を受け取って、第2アカウントの残高にチャージすることができる。
【0083】
(1-5)第1実施形態では、ユーザ端末10のアプリ実行部11は、連携選択処理(ステップS206)を実行し、第2決済サーバ40の制御部41は、連携通知処理(ステップS207)を実行する。そして、ユーザ端末10のアプリ実行部11は、第1決済アプリへのリンク処理(ステップS208)、第2アカウントID保存処理(ステップS209)を実行する。これにより、第1アカウントを用いて第2アカウントへのチャージを繰り返す場合に、アカウント間の連携を図ることができる。この連携により、効率的にチャージを行うことができる。
【0084】
(1-6)第1実施形態では、第1決済サーバ20の制御部21は、アクセス処理(ステップS307)を実行し、第2決済サーバ40の制御部41は、アカウントの確認処理(ステップS308)を実行する。これにより、第1決済サーバ20は、第2アカウントとしてのアクセストークンを用いて、第2決済サーバにアクセスすることができる。
【0085】
(1-7)第1実施形態では、第1決済サーバ20の制御部21は、受取要求処理を実行する(ステップS401)。これにより、預かり金の受取時に、ユーザ端末10の操作が不要になり、効率的にチャージを行なうことができる。
【0086】
(第2実施形態)
次に、図8図9に従って、チャージ管理システム、チャージ管理方法及びチャージ管理プログラムを具体化した第2実施形態を説明する。第1実施形態では、ユーザ端末10のアプリ実行部11は、連携選択処理(ステップS206)に応じて、第1決済アプリへのリンク処理(ステップS208)を実行する。そして、第1決済サーバ20の制御部21は、第2アカウントID保存処理を実行する(ステップS209)。第2実施形態は、第1決済サーバ20と第2決済サーバ40との連携方法を変更した構成であり、上記第1実施形態と同様の部分については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。第2実施形態では、第1決済アプリ111に、第2決済アプリ112との連携を示す情報(第2アカウントID)を保持させる。このため、第1決済サーバ20のユーザ情報記憶部22において、第2アカウントIDを保持させなくてもよい。
【0087】
まず、図8に示すように、ユーザ端末10のアプリ実行部11は、第1決済アプリの起動処理を実行する(ステップS501)。具体的には、第1決済の残高を用いて、第2決済手段の残高へのチャージを行なう場合、ユーザ端末10の第1決済アプリ111を起動する。そして、第1決済のアプリ画面において、第2決済手段のチャージボタンを選択する。この場合、アプリ実行部11は、連携先である第2アカウントIDの保持の有無により、第1決済手段と第2決済手段との連携の有無を確認する。そして、第2アカウントIDを保持しておらず、連携がない場合には、連携要求を第1決済サーバ20に送信する。
【0088】
次に、第1決済サーバ20の制御部21は、第2決済アプリ起動情報の送信処理を実行する(ステップS502)。具体的には、制御部21の取引管理部212は、第2決済取引IDを生成する。次に、取引管理部212は、第2決済アプリを起動するための起動用URLを生成する。この起動用URLには、第2決済取引IDが含まれる。そして、取引管理部212は、起動用URLをユーザ端末10に提供する。
【0089】
次に、ユーザ端末10のアプリ実行部11は、第2決済アプリの起動処理を実行する(ステップS503)。具体的には、ユーザ端末10のアプリ実行部11は、起動用URLを用いて、第2決済アプリ112を起動する。そして、第2決済アプリ112は、第2決済サーバ40に対して、第1決済手段との連携要求を送信する。この連携要求には、第2決済取引IDに関する情報を含める。
【0090】
次に、第2決済サーバ40は、第2アカウントID払い出し処理を実行する(ステップS504)。具体的には、第2決済サーバ40は、第2決済アプリ112で用いられている第2アカウントIDを特定する。
【0091】
次に、ユーザ端末10のアプリ実行部11は、第1決済アプリへのリンク処理を実行する(ステップS505)。具体的には、ユーザ端末10の第2決済アプリ112は、第1決済アプリ111とのdeeplinkにおいて、第2決済取引ID、第2アカウントIDを設定する。
【0092】
次に、ユーザ端末10のアプリ実行部11は、第1決済アプリでのID保存処理を実行する(ステップS506)。具体的には、ユーザ端末10の第1決済アプリ111は、第2決済アプリ112と連携するために、第2決済取引IDに対応した第2アカウントIDを保持する。そして、第1決済アプリ111は、第1決済サーバ20にチャージ要求を送信する。
【0093】
次に、第1決済サーバ20の制御部21は、取引可能額の取得処理を実行する(ステップS507)。具体的には、制御部21の取引管理部212は、ユーザ情報記憶部22のユーザ管理レコード220に記録された残高により、取引可能額を特定する。そして、取引管理部212は、ユーザ端末10に取引可能額に関する情報を返信する。
【0094】
次に、ユーザ端末10のアプリ実行部11は、第1決済アプリにおいて、チャージ依頼処理を実行する(ステップS508)。具体的には、ユーザ端末10の第1決済アプリ111は、表示装置H13にチャージ画面を出力する。このチャージ画面は、チャージ金額欄を含む。そして、取引可能額内のチャージ金額が入力されて、実行ボタンが選択された場合、第1決済アプリ111は、チャージ依頼を第1決済サーバ20に送信する。このチャージ依頼には、第2決済サービスの加盟店ID、チャージ金額(決済金額)、決済内容(チャージ)に関するデータを含める。ここで、加盟店IDは、第2決済サービスの第2サービスプロバイダの識別子を用いる。
【0095】
次に、第1決済サーバ20の制御部21は、ステップS102と同様に、取引予約処理を実行する(ステップS509)。
次に、加盟店GW30は、ステップS103と同様に、取引ID発行処理を実行する(ステップS510)。
【0096】
次に、第1決済サーバ20の制御部21は、ステップS104と同様に、一時保管依頼登録処理を実行する(ステップS511)。
次に、第1決済サーバ20の制御部21は、ステップS105と同様に、ディレード通知処理を実行する(ステップS512)。
【0097】
次に、ユーザ端末10のアプリ実行部11は、第1決済アプリにおいて、ステップS106と同様に、ディレード処理を実行する(ステップS513)。
次に、第1決済サーバ20の制御部21は、ステップS108と同様に、一時保管依頼処理を実行する(ステップS514)。
【0098】
次に、第2決済サーバ40は、ステップS109と同様に、一時保管処理を実行する(ステップS515)。
次に、図9に示すように、第1決済サーバ20の制御部21は、ステップS509と同様に、残高更新処理を実行する(ステップS601)。
【0099】
次に、加盟店GW30は、ステップS110と同様に、ステータス更新処理を実行する(ステップS602)。
次に、ユーザ端末10のアプリ実行部11は、第1決済アプリにおいて、ステップS111と同様に、一時保管照会処理を実行する(ステップS603)。
【0100】
次に、第1決済サーバ20の制御部21は、ステップS112と同様に、一時保管状態報告処理を実行する(ステップS604)。
次に、ユーザ端末10のアプリ実行部11は、第1決済アプリにおいて、ステップS113と同様に、一時保管状態表示処理を実行する(ステップS605)。
【0101】
次に、ユーザ端末10のアプリ実行部11は、第1決済アプリにおいて、ステップS201と同様に、第2決済アプリへのリンク処理を実行する(ステップS606)。
次に、ユーザ端末10のアプリ実行部11は、ステップS202と同様に、第1決済アプリにおいて、受取依頼処理を実行する(ステップS607)。
【0102】
次に、第2決済サーバ40は、ステップS203と同様に、受取処理を実行する(ステップS608)。
次に、第2決済サーバ40は、ステップS204と同様に、受取完了通知処理を実行する(ステップS609)。
【0103】
次に、第1決済サーバ20の制御部21は、ステップS205と同様に、ステータス更新処理を実行する(ステップS610)。
【0104】
以上、第2実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(2-1)第2実施形態では、第1決済サーバ20の制御部21は、第2決済アプリ起動情報の送信処理を実行する(ステップS502)。これにより、第1決済アプリ111と第2決済アプリ112とを連携させることができる。そして、第1アカウントを用いて第2アカウントへのチャージを繰り返す場合に、アカウント間の連携を図ることができる。この連携により、効率的にチャージを行うことができる。
【0105】
(2-2)第2実施形態では、第1決済サーバ20の制御部21は、取引予約処理を実行する(ステップS509)。そして、加盟店GW30は、取引ID発行処理を実行する(ステップS510)。これにより、加盟店側に第1アカウントIDを提供することなく、取引(決済)を行なうことができる。
【0106】
(2-3)第2実施形態では、第1決済サーバ20の制御部21は、一時保管依頼登録処理(ステップS511)、一時保管依頼処理(ステップS514)を実行する。次に、第2決済サーバ40は、一時保管処理を実行する(ステップS515)。次に、第1決済サーバ20の制御部21は、残高更新処理を実行する(ステップS601)。これにより、第2アカウントへのチャージを行なうための預かり金を、第1アカウントの残高を用いた決済により提供することができる。
【0107】
(2-3)第2実施形態では、ユーザ端末10のアプリ実行部11は、一時保管照会処理を実行する(ステップS603)。これにより、預かり金の一時保管状態に応じて、チャージのタイミングを把握することができる。
【0108】
(2-4)本実施形態では、ユーザ端末10のアプリ実行部11は、第2決済アプリへのリンク処理を実行する(ステップS606)。これにより、第2決済サーバ40における預り金を受け取って、第2アカウントの残高にチャージすることができる。
【0109】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記第1、第2実施形態では、第1決済手段、第2決済手段を用いる場合を想定したが、決済手段は複数種類あればよく、2種類に限定されるものではない。
【0110】
・上記第1、第2実施形態では、ユーザ端末10、第1決済サーバ20、加盟店GW30、第2決済サーバ40を用いるが、ハードウェア構成はこれに限定されるものではない。例えば、第1決済サーバ20内に加盟店GW30を設けてもよい。
【0111】
・上記第1、第2実施形態では、第2決済サーバ40に預かり金を一時保管することによりチャージを行なう。チャージ方法はこれに限定されるものではない。例えば、第2決済サービスを提供する加盟店における決済に基づいて、第2アカウントの残高にチャージするようにしてもよい。
【符号の説明】
【0112】
10…ユーザ端末、11…アプリ実行部、20…第1決済サーバ、21…制御部、211…ユーザ管理部、212…取引管理部、22…ユーザ情報記憶部、23…一時保管情報記憶部、30…加盟店GW、32…加盟店情報記憶部、33…取引情報記憶部、40…第2決済サーバ。
【要約】
【課題】決済手段の残高に、効率的にチャージするためのチャージ管理システム、チャージ管理方法及びチャージ管理プログラムを提供する。
【解決手段】第1決済サーバ20の制御部21が、ユーザ端末10から、チャージ元としての第1決済手段の第1アカウントID、チャージ先としての第2決済手段及びチャージ金額に関するデータを含むチャージ依頼を取得する。制御部21は、チャージ依頼に取引IDを付与し、取引IDについて、ユーザ情報記憶部22における第1アカウントIDの残高からチャージ金額を差し引き、第2決済手段を管理する加盟店に対する決済を行なう。制御部21は、決済の結果に基づいて、第2決済サーバ40において、ユーザ端末10で用いられる第2決済手段の第2アカウントIDに対して、チャージ金額をチャージさせる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9