(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-20
(45)【発行日】2023-12-28
(54)【発明の名称】衝撃吸収式の車両投光器システム
(51)【国際特許分類】
B60Q 1/04 20060101AFI20231221BHJP
B60R 21/34 20110101ALI20231221BHJP
【FI】
B60Q1/04 A
B60R21/34
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022194104
(22)【出願日】2022-12-05
【審査請求日】2023-01-05
(32)【優先日】2021-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】593045569
【氏名又は名称】ツェットカーヴェー グループ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】マルクス ツォイナー
(72)【発明者】
【氏名】フローリアン ヴァーグナー
(72)【発明者】
【氏名】ベメルル マルクス
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開平3-208738(JP,A)
【文献】特開平11-165581(JP,A)
【文献】特開平9-30321(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0324684(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 1/00-1/56
B60R 21/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
衝撃吸収式の車両投光器システム
であって、
- 車両と固定的に接続可能な少なくとも1つの車両フレーム要素(2)と、
- 前記車両フレーム要素(2)に摺動可能に保持された車両投光器ハウジング(3)とを有し、前記車両投光器ハウジング(3)は、前記車両投光器ハウジング(3)と接続された少なくとも1つのピン部材(4)を備え、
前記車両フレーム要素(2)は、前記ピン部材(4)を受容して直線的に案内するための少なくとも1つの案内部(2a)を有し、前記ピン部材(4)は、前記案内部(2a)と係合状態にあり、前記車両投光器ハウジング(3)は、前記ピン部材(4)の摺動により前記案内部(2a)に沿って案内され、それにより前記車両フレーム要素(2)に関して摺動可能であり、
- 更に車両の緩衝器と機械的に接続可能な少なくとも1つのトリガ要素(5)と、
- 前記車両フレーム要素(2)と固定的に接続された少なくとも1つのトリガ機構(6)とを有し、前記トリガ機構(6)は、前記トリガ要素(5)と前記ピン部材(4)を受容するように構成され、且つ少なくとも前記トリガ要素(5)の位置に依存し、前記ピン部材(4)を抑止する状態(S1)と、前記ピン部材(4)を解放する状態(S2)との間を切り替えるように構成されており、前記ピン部材(4)を解放する状態(S2)において前記車両投光器ハウジング(3)は、前記ピン部材(4)とともに前記車両フレーム要素(2)に関して摺動可能である構成であり、
前記トリガ機構(6)は、以下の構成を含むこと、即ち
- 前記トリガ機構(6)は、前記トリガ機構(6)内で回転可能に支持された回転アーム(6a)を含み、前記回転アーム(6a)は、前記ピン部材(4)を受容するための係合領域(6a’)を有し、前記回転アーム(6a)は、2つの位置の間で回転されるように構成され、即ち前記係合領域(6a’)内に受容された前記ピン部材(4)による前記案内部(2a)に沿った運動に対して前記回転アーム(6a)が対抗作用する保持位置(D1)と、前記案内部(2a)に沿った前記ピン部材(4)の運動を前記回転アーム(6a)が解放する解放位置(D2)との間で回転されるように構成されており、
- 更に前記トリガ機構(6)は、ロック要素(6b)を含み、前記ロック要素(6b)は、前記トリガ機構(6)内で直線的に摺動可能に保持されており、前記ロック要素(6b)は、前記回転アーム(6a)に抑止位置(D1)で係合するように構成され、且つ前記回転アーム(6a)を前記トリガ要素(5)の位置に依存してこの抑止位置(D1)でロックするか又は前記解放位置(D2)への切り替えを可能にするように構成されており、但し前記ロック要素(6b)は、前記回転アーム(6a)を抑止するためのロック位置(V1)と、前記解放位置(D2)への前記回転アーム(6a)の切り替えを可能にするためのロック解除位置(V2)との間で摺動可能であり、更に第1ばね要素(6c)が設けられており、前記第1ばね要素(6c)は、前記ロック要素(6b)に対し、前記ロック要素(6b)を前記ロック位置(V1)に押圧するばね力(F
F1)を加え、前記ロック要素(6b)は、前記トリガ要素(5)と次のように機械的に連結され、即ち前記トリガ要素(5)の初期位置(P1)では前記ロック要素(6b)が前記第1ばね要素(6c)を用いて前記ロック位置(V1)に保持されており、そしてトリガ位置(P2)への前記トリガ要素(5)の位置摺動に基づいて前記ロック要素(6b)が前記ばね力(F
F1)に抗して前記ロック解除位置(V2)に摺動されているように、機械的に連結されており、それにより前記保持位置(D1)から前記解放位置(D2)への前記回転アーム(6a)の回転が可能とされ、そして前記トリガ機構(6)は、解放する状態(S2)に切り替わること、
を特徴とする衝撃吸収式の車両投光器システム
。
【請求項2】
前記車両フレーム要素(2)及び前記車両投光器ハウジング(3)と接続された第2ばね要素(7)が設けられており、前記第2ばね要素(7)は、前記車両投光器ハウジング(3)に対して復元ばね力(F
F2)を加えるように構成されており、それにより前記ピン部材(4)は、前記回転アーム(6a)の方向に押圧されること、
を特徴とする、請求項1に記載の衝撃吸収式の車両投光器システム
。
【請求項3】
前記トリガ機構(6)は、第3ばね要素(6d)を有し、前記第3ばね要素(6d)は、前記回転アーム(6a)に対し、前記保持位置(D1)の方向に前記回転アーム(6a)を押圧する力(F
F3)が加えられるように配設されていること、
を特徴とする、請求項
1に記載の衝撃吸収式の車両投光器システム
。
【請求項4】
前記トリガ機構(6)は、摺動可能な保持要素(6e)と第4ばね要素(6f)を有し、前記保持要素(6e)は、前記第4ばね要素(6f)を用い、次のように構成され、即ち前記解放位置(D2)にある前記回転アーム(6a)に対してばね力(F
F4)が加えられ、このばね力(F
F4)が第3ばね要素(6d)のばね力(F
F3)に対して対抗作用し且つそのばね力(F
F3)を超えることにより、前記解放位置(D2)から前記抑止位置(D1)への前記回転アーム(6a)の切り替えを阻止するように構成されており、それにより前記ピン部材(4)を介して加えられる第2ばね要素(7)の復元力(F
F2)の付加によりようやく、前記第4ばね要素(6f)のばね力(F
F4)に抗した前記保持要素(6e)の摺動により前記回転アーム(6a)の戻りが可能とされること、
を特徴とする、請求項
1に記載の衝撃吸収式の車両投光器システム
。
【請求項5】
前記トリガ要素(5)は、突出部材として、
又はピン部材として構成されていること、
を特徴とする、請求項
1に記載の衝撃吸収式の車両投光器システム
。
【請求項6】
前記ロック要素(6b)は、前記回転アーム(6a)に係合するためのフック(6b’)を有すること、
を特徴とする、請求項
1に記載の衝撃吸収式の車両投光器システム
。
【請求項7】
前記車両フレーム要素(2)内の前記案内部(2a)は、溝部又は長穴部として構成されていること、
を特徴とする、請求項
1に記載の衝撃吸収式の車両投光器システム
。
【請求項8】
前記ロック要素(6b)は、前記ロック要素(6b)内への前記トリガ要素(5)の進入により前記ロック要素(6b)が前記第1ばね要素(6c)の力に抗して前記ロック解除位置(V2)に押圧されるように、前記トリガ要素(5)と機械的に連結されていること、
を特徴とする、請求項
1に記載の衝撃吸収式の車両投光器システム
。
【請求項9】
前記車両投光器ハウジング(3)は、配光を放出するように構成されている少なくとも1つのライトモジュールを取り囲むこと、
を特徴とする、請求項
1に記載の衝撃吸収式の車両投光器システム
。
【請求項10】
前記案内部(2a)と前記ピン部材(4)は、前記案内部(2a)に沿った前記車両投光器ハウジング(3)の最大ストロークが3cmと10cmの間、
又は5cmと7cmの間の値をとるように設計されていること、
を特徴とする、請求項
1に記載の衝撃吸収式の車両投光器システム
。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載の衝撃吸収式の車両投光器システム
を少なくとも1つ含んだ自動車。
【請求項12】
前記自動車は、ロービーム配光並びにハイビーム配光を生成するための2つの前照灯ユニットを有し、前記自動車は、請求項1~10のいずれか一項に記載の衝撃吸収式の車両投光器システムを2つ有し、これらの2つの衝撃吸収式の車両投光器システムの2つの車両投光器ハウジング(3)は、両方の前照灯ユニットの車両投光器ハウジングを構成すること、
を特徴とする、請求項11に記載の自動車。
【請求項13】
前記自動車は、バンパを有し、各トリガ要素(5)は、前記バンパと接続されており、それにより衝突に起因した前記バンパの摺動の場合には、前記トリガ要素
(5)が車両投光器の方向に摺動され、従って車両の主走行方向とは反対方向の車両投光器の摺動が可能とされていること、
を特徴とする、請求項12に記載の自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の記載)
本出願は、2021年12月16日出願の欧州特許出願第21215092.4号(DAS Code: FF6E)の優先権主張に基づくものであり、同出願の全記載内容は、引用をもって本明細書に組み込み記載されているものとする。
【0002】
本発明は、衝撃吸収式の車両投光器システムに関し、該車両投光器システムは、車両と固定的に接続可能な少なくとも1つの車両フレーム要素と、車両フレーム要素に摺動可能に保持された車両投光器ハウジングとを有し、車両投光器ハウジングは、車両投光器ハウジングと接続された少なくとも1つのピン部材を備え、ピン部材は、好ましくは車両投光器ハウジングと固定的に接続されており、この際、車両フレーム要素は、ピン部材を受容して直線的に案内するための少なくとも1つの案内部を有し、この際、ピン部材は、案内部と係合状態にあり、車両投光器ハウジングは、ピン部材の摺動により案内部に沿って案内され、それにより車両フレーム要素に関して摺動可能であり、更に車両の緩衝器(バンパ)と機械的に接続可能な少なくとも1つのトリガ要素(作動要素)と、車両フレーム要素と固定的に接続された少なくとも1つのトリガ機構(作動機構)とを有し、トリガ機構は、トリガ要素とピン部材を受容するように構成され、且つ少なくともトリガ要素の位置に依存し、ピン部材を抑止(ホールド)する状態と、ピン部材を解放(リリース)する状態との間を切り替えるように構成されており、この際、ピン部材を解放する状態において車両投光器ハウジングは、ピン部材とともに車両フレーム要素に関して摺動可能である。
【背景技術】
【0003】
衝撃吸収式の車両投光器は、衝突の場合には車両投光器の摺動により衝撃エネルギーを吸収することができるので、歩行者を保護するために用いられる。下記特許文献1(EP 1 332 915 B1)は、先行技術による衝撃吸収式の車両投光器を示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】欧州特許第1332915号
【文献】特開平03-208738号
【文献】特開平09-030321号
【文献】仏国特許出願公開第2983142号
【文献】欧州特許出願公開第3501894号
【文献】特開平11-165581号
【文献】特開2021-079770号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
既存の衝撃吸収式の車両投光器システムは、多くの場合、投光器ハウジングが所定の位置に固定されることなく弾性的に保持されるという欠点を有する。それにより投光器ハウジングは、そのような運動が全く望まれない又は目的に適わないという状況でも運動されることになる。つまり例えば、走行稼働時の衝撃や振動、或いは洗浄時に手で加えられる押圧力又は自動洗車装置で加えられる押圧力などは、投光器の摺動をもたらす可能性がある。この容易な摺動可能性は、低価値で不安定な印象を与えてしまう。しかしシステムの剛性の増加は、歩行者保護機能を低下させることになるだろう。
【0006】
従って、本発明の課題は、信頼性のある歩行者保護機能を提供し、同時に高価値印象を有する衝撃吸収式の車両投光器システムを創作することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題は、冒頭に記載した形式の衝撃吸収式の車両投光器システムにおいて、トリガ機構が本発明により以下の構成を含むことにより解決される。即ちトリガ機構は、トリガ機構内で回転可能に支持された回転アームを含み、回転アームは、ピン部材を受容するための係合領域を有し、この際、回転アームは、2つの位置の間で回転されるように構成され、即ち係合領域内に受容されたピン部材による案内部に沿った運動に対して回転アームが対抗作用する保持位置と、案内部に沿ったピン部材の運動を回転アームが解放する解放位置との間で回転されるように構成されており、更にトリガ機構は、ロック要素を含み、ロック要素は、トリガ機構内で直線的に摺動可能に保持されており、この際、ロック要素は、回転アームに抑止位置で係合するように構成され、且つ回転アームをトリガ要素の位置に依存してこの抑止位置でロックするか又は解放位置への切り替えを可能にするように構成されており、但しロック要素は、回転アームを抑止するためのロック位置と、解放位置への回転アームの切り替えを可能にするためのロック解除位置との間で摺動可能であり、更にこの際、第1ばね要素が設けられており、第1ばね要素は、ロック要素に対し、ロック要素をロック位置に押圧するばね力を加え、この際、ロック要素は、トリガ要素と次のように機械的に連結され、即ちトリガ要素の初期位置ではロック要素が第1ばね要素を用いてロック位置に保持されており、そしてトリガ位置へのトリガ要素の位置摺動に基づいてロック要素がばね力に抗してロック解除位置に摺動されているように、機械的に連結されており、それにより保持位置から解放位置への回転アームの回転が可能とされ、そしてトリガ機構は(ピン部材を)解放する状態に切り替わる。
【0008】
即ち本発明の第1の視点により、
衝撃吸収式の車両投光器システムであって、
- 車両と固定的に接続可能な少なくとも1つの車両フレーム要素と、
- 前記車両フレーム要素に摺動可能に保持された車両投光器ハウジングとを有し、前記車両投光器ハウジングは、前記車両投光器ハウジングと接続された少なくとも1つのピン部材を備え、前記ピン部材は、好ましくは前記車両投光器ハウジングと固定的に接続されており、前記車両フレーム要素は、前記ピン部材を受容して直線的に案内するための少なくとも1つの案内部を有し、前記ピン部材は、前記案内部と係合状態にあり、前記車両投光器ハウジングは、前記ピン部材の摺動により前記案内部に沿って案内され、それにより前記車両フレーム要素に関して摺動可能であり、
- 更に車両の緩衝器と機械的に接続可能な少なくとも1つのトリガ要素と、
- 前記車両フレーム要素と固定的に接続された少なくとも1つのトリガ機構とを有し、前記トリガ機構は、前記トリガ要素と前記ピン部材を受容するように構成され、且つ少なくとも前記トリガ要素の位置に依存し、前記ピン部材を抑止する状態と、前記ピン部材を解放する状態との間を切り替えるように構成されており、前記ピン部材を解放する状態において前記車両投光器ハウジングは、前記ピン部材とともに前記車両フレーム要素に関して摺動可能である構成であり、
前記トリガ機構は、以下の構成を含むこと、即ち
- 前記トリガ機構は、前記トリガ機構内で回転可能に支持された回転アームを含み、前記回転アームは、前記ピン部材を受容するための係合領域を有し、前記回転アームは、2つの位置の間で回転されるように構成され、即ち前記係合領域内に受容された前記ピン部材による前記案内部に沿った運動に対して前記回転アームが対抗作用する保持位置と、前記案内部に沿った前記ピン部材の運動を前記回転アームが解放する解放位置との間で回転されるように構成されており、
- 更に前記トリガ機構は、ロック要素を含み、前記ロック要素は、前記トリガ機構内で直線的に摺動可能に保持されており、前記ロック要素は、前記回転アームに抑止位置で係合するように構成され、且つ前記回転アームを前記トリガ要素の位置に依存してこの抑止位置でロックするか又は前記解放位置への切り替えを可能にするように構成されており、但し前記ロック要素は、前記回転アームを抑止するためのロック位置と、前記解放位置への前記回転アームの切り替えを可能にするためのロック解除位置との間で摺動可能であり、更に第1ばね要素が設けられており、前記第1ばね要素は、前記ロック要素に対し、前記ロック要素を前記ロック位置に押圧するばね力を加え、前記ロック要素は、前記トリガ要素と次のように機械的に連結され、即ち前記トリガ要素の初期位置では前記ロック要素が前記第1ばね要素を用いて前記ロック位置に保持されており、そしてトリガ位置への前記トリガ要素の位置摺動に基づいて前記ロック要素が前記ばね力に抗して前記ロック解除位置に摺動されているように、機械的に連結されており、それにより前記保持位置から前記解放位置への前記回転アームの回転が可能とされ、そして前記トリガ機構は、解放する状態に切り替わること、
を特徴とする衝撃吸収式の車両投光器システムが提供される。
更に本発明の第2の視点により、前記衝撃吸収式の車両投光器システムを少なくとも1つ含んだ自動車が提供される。
尚、本願の特許請求の範囲に付記された図面参照符号は、専ら本発明の理解の容易化のためのものであり、図示の形態への限定を意図するものではないことを付言する。
【発明の効果】
【0009】
上記の構成により、一方では事故の場合に車両投光器ハウジングの摺動を可能にし、他方では望まれない摺動を車両投光器ハウジングのロックにより防止する、衝撃吸収式の車両投光器システムの好適な構成が創作される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明において、以下の形態が可能である。
(形態1)
衝撃吸収式の車両投光器システムであって、
- 車両と固定的に接続可能な少なくとも1つの車両フレーム要素と、
- 前記車両フレーム要素に摺動可能に保持された車両投光器ハウジングとを有し、前記車両投光器ハウジングは、前記車両投光器ハウジングと接続された少なくとも1つのピン部材を備え、前記ピン部材は、好ましくは前記車両投光器ハウジングと固定的に接続されており、前記車両フレーム要素は、前記ピン部材を受容して直線的に案内するための少なくとも1つの案内部を有し、前記ピン部材は、前記案内部と係合状態にあり、前記車両投光器ハウジングは、前記ピン部材の摺動により前記案内部に沿って案内され、それにより前記車両フレーム要素に関して摺動可能であり、
- 更に車両の緩衝器と機械的に接続可能な少なくとも1つのトリガ要素と、
- 前記車両フレーム要素と固定的に接続された少なくとも1つのトリガ機構とを有し、前記トリガ機構は、前記トリガ要素と前記ピン部材を受容するように構成され、且つ少なくとも前記トリガ要素の位置に依存し、前記ピン部材を抑止する状態と、前記ピン部材を解放する状態との間を切り替えるように構成されており、前記ピン部材を解放する状態において前記車両投光器ハウジングは、前記ピン部材とともに前記車両フレーム要素に関して摺動可能である構成であり、
前記トリガ機構は、以下の構成を含むこと、即ち
- 前記トリガ機構は、前記トリガ機構内で回転可能に支持された回転アームを含み、前記回転アームは、前記ピン部材を受容するための係合領域を有し、前記回転アームは、2つの位置の間で回転されるように構成され、即ち前記係合領域内に受容された前記ピン部材による前記案内部に沿った運動に対して前記回転アームが対抗作用する保持位置と、前記案内部に沿った前記ピン部材の運動を前記回転アームが解放する解放位置との間で回転されるように構成されており、
- 更に前記トリガ機構は、ロック要素を含み、前記ロック要素は、前記トリガ機構内で直線的に摺動可能に保持されており、前記ロック要素は、前記回転アームに抑止位置で係合するように構成され、且つ前記回転アームを前記トリガ要素の位置に依存してこの抑止位置でロックするか又は前記解放位置への切り替えを可能にするように構成されており、但し前記ロック要素は、前記回転アームを抑止するためのロック位置と、前記解放位置への前記回転アームの切り替えを可能にするためのロック解除位置との間で摺動可能であり、更に第1ばね要素が設けられており、前記第1ばね要素は、前記ロック要素に対し、前記ロック要素を前記ロック位置に押圧するばね力を加え、前記ロック要素は、前記トリガ要素と次のように機械的に連結され、即ち前記トリガ要素の初期位置では前記ロック要素が前記第1ばね要素を用いて前記ロック位置に保持されており、そしてトリガ位置への前記トリガ要素の位置摺動に基づいて前記ロック要素が前記ばね力に抗して前記ロック解除位置に摺動されているように、機械的に連結されており、それにより前記保持位置から前記解放位置への前記回転アームの回転が可能とされ、そして前記トリガ機構は、解放する状態に切り替わること。
(形態2)
前記車両フレーム要素及び前記車両投光器ハウジングと接続された第2ばね要素が設けられており、前記第2ばね要素は、前記車両投光器ハウジングに対して復元ばね力を加えるように構成されており、それにより前記ピン部材は、前記回転アームの方向に押圧されること、
を特徴とする、形態1に記載の衝撃吸収式の車両投光器システム。
(形態3)
前記トリガ機構は、第3ばね要素を有し、前記第3ばね要素は、前記回転アームに対し、前記保持位置の方向に前記回転アームを押圧する力が加えられるように配設されていること、
を特徴とする、形態1又は2に記載の衝撃吸収式の車両投光器システム。
(形態4)
前記トリガ機構は、摺動可能な保持要素と第4ばね要素を有し、前記保持要素は、前記第4ばね要素を用い、次のように構成され、即ち前記解放位置にある前記回転アームに対してばね力が加えられ、このばね力が第3ばね要素のばね力に対して対抗作用し且つそのばね力を超えることにより、前記解放位置から前記抑止位置への前記回転アームの切り替えを阻止するように構成されており、それにより前記ピン部材を介して加えられる第2ばね要素の復元力の付加によりようやく、前記第4ばね要素のばね力に抗した前記保持要素の摺動により前記回転アームの戻りが可能とされること、
を特徴とする、形態1~3のいずれか1つに記載の衝撃吸収式の車両投光器システム。
(形態5)
前記トリガ要素は、突出部材として、特にピン部材として構成されていること、
を特徴とする、形態1~4のいずれか1つに記載の衝撃吸収式の車両投光器システム。
(形態6)
前記ロック要素は、前記回転アームに係合するためのフックを有すること、
を特徴とする、形態1~5のいずれか1つに記載の衝撃吸収式の車両投光器システム。
(形態7)
前記車両フレーム要素内の前記案内部は、溝部又は長穴部として構成されていること、
を特徴とする、形態1~6のいずれか1つに記載の衝撃吸収式の車両投光器システム。
(形態8)
前記ロック要素は、前記ロック要素内への前記トリガ要素の進入により前記ロック要素が前記第1ばね要素の力に抗して前記ロック解除位置に押圧されるように、前記トリガ要素と機械的に連結されていること、
を特徴とする、形態1~7のいずれか1つに記載の衝撃吸収式の車両投光器システム。
(形態9)
前記車両投光器ハウジングは、配光を放出するように構成されている少なくとも1つのライトモジュールを取り囲むこと、
を特徴とする、形態1~8のいずれか1つに記載の衝撃吸収式の車両投光器システム。
(形態10)
前記案内部と前記ピン部材は、前記案内部に沿った前記車両投光器ハウジングの最大ストロークが3cmと10cmの間、特に5cmと7cmの間の値をとるように設計されていること、
を特徴とする、形態1~9のいずれか1つに記載の衝撃吸収式の車両投光器システム。
(形態11)
形態1~10のいずれ1つに記載の衝撃吸収式の車両投光器システムを少なくとも1つ含んだ自動車。
(形態12)
前記自動車は、ロービーム配光並びにハイビーム配光を生成するための2つの前照灯ユニットを有し、前記自動車は、形態1~10のいずれか1つに記載の衝撃吸収式の車両投光器システムを2つ有し、これらの2つの衝撃吸収式の車両投光器システムの2つの車両投光器ハウジングは、両方の前照灯ユニットの車両投光器ハウジングを構成すること、
を特徴とする、形態11に記載の自動車。
(形態13)
前記自動車は、バンパを有し、各トリガ要素は、前記バンパと接続されており、それにより衝突に起因した前記バンパの摺動の場合には、前記トリガ要素が車両投光器の方向に摺動され、従って車両の主走行方向とは反対方向の車両投光器の摺動が可能とされていること、
を特徴とする、形態12に記載の自動車。
【0011】
特に、車両フレーム要素及び車両投光器ハウジングと接続された第2ばね要素が設けられていることができ、第2ばね要素は、車両投光器ハウジングに対して復元ばね力を加えるように構成されており、それによりピン部材は、回転アームの方向に押圧される。従ってピン部材が回転アーム内で保持されているときには、車両投光器ハウジングは、静止位置にある。トリガ要素による作動化(活動化)の場合に、回転アームは解放され、車両投光器ハウジングは、ピン部材とともに、典型的には車両投光器の主放射方向とは反対方向に摺動されることが可能である。この際、ばね(第2ばね要素)は、例えば衝突の場合に、歩行者から車両に、特に車両投光器ないし車両投光器のハウジングに伝達される衝撃エネルギーも吸収する。
【0012】
更に、トリガ機構は、第3ばね要素を有することができ、第3ばね要素は、回転アームに対し、保持位置の方向に回転アームを押圧する力が加えられるように配設されている。それにより回転アームの自動的な戻り(リセット)を行うことができる。特に、トリガ機構は、摺動可能な保持要素と第4ばね要素を有することができ、保持要素は、第4ばね要素を用い、次のように構成され、即ち解放位置にある回転アームに対してばね力が加えられ、このばね力が第3ばね要素のばね力に対して対抗作用し且つそのばね力を超えることにより、解放位置から抑止位置への回転アームの切り替えを阻止するように構成されており、それによりピン部材を介して加えられる第2ばね要素の復元力の付加によりようやく、第4ばね要素のばね力に抗した保持要素の摺動により回転アームの戻り(リセット)が可能とされる。
【0013】
更に、トリガ要素は、突出部材として、特にピン部材として構成されていることができる。
【0014】
特に、ロック要素は、回転アームに係合するためのフックを有することができる。
【0015】
更に、車両フレーム要素内の案内部は、例えば溝部又は長穴部として構成されていることができる。
【0016】
特に、ロック要素は、ロック要素内へのトリガ要素の進入によりロック要素が第1ばね要素の力に抗してロック解除位置に押圧されるように、トリガ要素と機械的に連結されていることができる。
【0017】
更に、車両投光器ハウジングは、配光を放出するように構成されている少なくとも1つのライトモジュールを取り囲むことができる。それにより投光器が構成される。従って当該システムは、同様に投光器を含んでいる。
【0018】
更に、案内部とピン部材は、案内部に沿った車両投光器ハウジングの最大ストローク(最大移動量)が3cmと10cmの間、特に5cmと7cmの間の値をとるように設計されていることができる。
【0019】
更に、本発明は、請求項のいずれか一項に記載した衝撃吸収式の車両投光器システムを少なくとも1つ含んだ自動車に関する。
【0020】
更に、当該自動車は、ロービーム配光並びにハイビーム配光を生成するための2つの前照灯ユニットを有することができ、この際、当該自動車は、2つの衝撃吸収式の車両投光器システムを有し、更にこの際、2つの衝撃吸収式の車両投光器システムの2つの車両投光器ハウジングは、両方の前照灯ユニットの車両投光器ハウジングを構成する。
【0021】
更に、当該自動車は、バンパを有することができ、この際、各トリガ要素は、バンパと接続されており、それにより衝突に起因したバンパの摺動の場合には、トリガ要素が車両投光器の方向に摺動され、従って車両の主走行方向とは反対方向の車両投光器の摺動が可能とされている。
【0022】
以下、図面に具体的に図示された例示の非限定的な実施形態に基づき、本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】第1位置において本発明による衝撃吸収式の車両投光器システムの一実施形態の概略図を示す図である。
【
図2】第2位置において
図1の本発明による衝撃吸収式の車両投光器システムの概略図を示す図である。
【
図3】第3位置において
図1と
図2の本発明による衝撃吸収式の車両投光器システムの概略図を示す図である。
【
図4】
図1~
図3の本発明による衝撃吸収式の車両投光器システムの概略側方図を示す図である。
【実施例】
【0024】
添付の図面では、特に明記しない限り、同じ参照符号は、同じ構成要素を示している。
【0025】
図1は、第1位置において本発明による衝撃吸収式の車両投光器システムの一実施形態の概略図を示している。衝撃吸収式の車両投光器システム1は、車両と固定的に接続可能な少なくとも1つの車両フレーム要素2と、車両フレーム要素2に摺動可能に保持された車両投光器ハウジング3とを有し、車両投光器ハウジング3は、車両投光器ハウジング3と接続された少なくとも1つのピン部材4を備え、ピン部材4は、好ましくは車両投光器ハウジング3と固定的に接続されている。車両フレーム要素2は、ピン部材4を受容して直線的に案内するための少なくとも1つの案内部2aを有し、この際、ピン部材4は、案内部2aと係合状態にあり、車両投光器ハウジング3は、ピン部材4の摺動により案内部2aに沿って案内され、それにより車両フレーム要素2に関して摺動可能である。
【0026】
更に衝撃吸収式の車両投光器システム1は、車両の緩衝器(バンパ;図面では非図示)と機械的に接続可能な少なくとも1つのトリガ要素(作動要素)5と、車両フレーム要素2と固定的に接続された少なくとも1つのトリガ機構(作動機構)6とを有する。トリガ機構6は、トリガ要素5とピン部材4を受容するように構成され、且つ少なくともトリガ要素5の位置に依存し、ピン部材4を抑止(ホールド)する状態S1(
図1を参照)と、ピン部材4を解放(リリース)する状態S2(
図3を参照)との間を切り替えるように構成されている。ピン部材4を解放する状態S2において車両投光器ハウジング3は、ピン部材4とともに車両フレーム要素2に関して摺動可能であり、つまり好ましくは車両の主走行方向とは反対方向に摺動可能であり、それにより車両投光器ハウジング3を含んだ投光器は、歩行者と衝突した場合に車両内に押し込まれることが可能である。
【0027】
図1では、トリガ機構6が、トリガ機構6内で回転可能に支持された回転アーム6aを含むことが見てとれる。回転アーム6aは、ピン部材4を受容するための係合領域6a’を有し、この際、回転アーム6aは、2つの位置の間で回転されるように構成され、即ち係合領域6a’内に受容されたピン部材4による案内部2aに沿った運動に対して回転アーム6aが対抗作用する保持位置D1(回転アーム6aがピン部材4を保持する位置)と、案内部2aに沿ったピン部材4の運動を回転アーム6aが解放する解放位置D2(回転アーム6aがピン部材4を解放する位置;
図3を参照)との間で回転されるように構成されている。更にトリガ機構6は、ロック要素6bを含み、ロック要素6bは、トリガ機構6内で直線的に摺動可能に保持されており、この際、ロック要素6bは、回転アーム6aに抑止位置D1(回転アーム6aがロック要素6bにより抑止される位置)で係合するように構成され、且つ回転アーム6aをトリガ要素5の位置に依存してこの抑止位置D1でロックするか又は解放位置D2への切り替えを可能にするように構成されている。そのためにロック要素6bは、回転アーム6aを抑止するためのロック位置V1(ロック要素6bが回転アーム6aをロックする位置)と、解放位置D2への回転アーム6aの切り替えを可能にするためのロック解除位置V2(ロック要素6bが回転アーム6aをロック解除する位置;
図3を参照)との間で摺動可能であることができる。また第1ばね要素6cが設けられており、第1ばね要素6cは、ロック要素6bに対し、ロック要素6bをロック位置V1に押圧するばね力F
F1を加える。ロック要素6bは、トリガ要素5と次のように機械的に連結され、即ちトリガ要素5の初期位置P1ではロック要素6bが第1ばね要素6cを用いてロック位置V1に保持されており、そしてトリガ位置P2(
図3を参照)へのトリガ要素5の位置摺動に基づいてロック要素6bがばね力F
F1に抗してロック解除位置V2に摺動されているように、機械的に連結されており、それにより保持位置D1から解放位置D2への回転アーム6aの回転が可能とされ、それによりトリガ機構6は(ピン部材4を)解放する状態S2に切り替わる。
【0028】
衝撃吸収式の車両投光器システム1の側方図を示す
図4では、車両フレーム要素2及び車両投光器ハウジング3と接続された第2ばね要素7が設けられていることが見てとれる。第2ばね要素7は、車両投光器ハウジング3に対して復元ばね力F
F2を加えるように構成されており、それによりピン部材4は、回転アーム6aの方向に押圧される。従ってピン部材4が回転アーム6a内で保持されているときには、車両投光器ハウジング3は、静止位置にある。トリガ要素5に衝撃が加えられた場合に、回転アーム6aは解放され、車両投光器ハウジング3は、ピン部材4とともに、典型的には車両投光器の主放射方向とは反対方向に摺動されることが可能である。この際、ばね(第2ばね要素)7は、例えば衝突の場合に、歩行者から車両に、特に車両投光器に伝達される衝撃エネルギーも吸収する。
【0029】
また
図1に関して、トリガ機構6は、第3ばね要素6dを有することができることに言及すべきであり、第3ばね要素6dは、回転アーム6aに対し、保持位置D1の方向に回転アーム6aを押圧する力F
F3が加えられるように配設されている。それにより回転アーム6aの自動的な戻り(リセット)を行うことができる。
【0030】
更にトリガ機構6は、摺動可能な保持要素6eと第4ばね要素6fを有することができる。保持要素6eは、第4ばね要素6fを用い、次のように構成され、即ち解放位置D2にある回転アーム6aに対してばね力FF4が加えられ、このばね力FF4が第3ばね要素6dのばね力FF3に対して対抗作用し且つそのばね力FF3を超える(より大きい)ことにより、解放位置D2から抑止位置D1への回転アーム6aの切り替えを阻止するように構成されており、それによりピン部材4を介して加えられる第2ばね要素7の復元力FF2の付加によりようやく、第4ばね要素6fのばね力FF4に抗した保持要素6eの摺動により回転アーム6aの戻り(リセット)が可能とされる。トリガ要素5は、突出部材として、特にピン部材として構成されていることが可能である。ロック要素6bは、回転アーム6aに係合するためのフック6b’を有することができる。
【0031】
さて、
図1~
図3を参照して、衝撃吸収式の車両投光器システム1のトリガ経過(作動過程)を説明する。この際、衝撃吸収式の車両投光器システム1は、自己回復するように構成されている。
図1から出発し、ある衝撃が、トリガ要素5と接続されたバンパないし緩衝器に加えられると、それによりトリガ要素5は、トリガ機構6の方に摺動することになる。進入するトリガ要素5の傾斜面部5’(単純に概略的な図示)によりロック要素6bは、ばね力F
F1に抗して左方にずらされ(
図2では中間位置P12及び
図3ではトリガ位置P2を参照)、それによりフック6b’は、もはや回転アーム6aには係合していない。そしてその衝撃が車両投光器ハウジング3にも作用すると、車両投光器ハウジング3は、ピン部材4とともに案内部2aに沿って車両中心の方向に摺動されることになる。ピン部材4により加えられた力は、回転アーム6aをばね力F
F3に抗して解放位置D2(
図3を参照)に押圧し、この解放位置D2でピン部材4は解放され、それによりピン部材4は、ばね力F
F2に抗して案内部2aに沿って車両中心の方向に最大ストロークに達するまで滑動することができる。案内部2aとピン部材4は、案内部2aに沿った車両投光器ハウジング3の最大ストローク(最大移動量)が3cmと10cmの間、特に5cmと7cmの間の値をとるように設計されていることが可能である。車両フレーム要素2内の案内部2aは、例えば溝部又は長穴部として構成されていることが可能である。換言すると、ロック要素6bは、ロック要素6b内へのトリガ要素5の進入によりロック要素6bが第1ばね要素6cの力に抗してロック解除位置V2に押圧されるように、トリガ要素5と機械的に連結されている。
図2は、トリガ機構6を中間位置P12において示しており、この中間位置P12においてピン部材4は、まだ回転アーム6a内で保持されるが、回転アーム6aは、位置D12ではもはやロック要素6bによりロックされてなく、それによりばね力F
F3の方向にもこの力の反対方向にも運動することができる。その運動方向は、車両投光器ハウジング3に対し、衝突に基づく外力が作用するか否かに依存する。衝突に基づく外力が作用しない場合には、ピン部材4は、回転アーム6a内に押圧され、それにより回転アーム6aは、ピン部材4とともに再び保持位置(初期位置)D1に戻る。この際、トリガ要素5は、中間位置P12を離れ、再び初期位置P1に戻ることになる。
【0032】
車両投光器ハウジング3は、配光を放出するように、特にロービーム配光及び/又はハイビーム配光を放出するように構成されている少なくとも1つのライトモジュールを取り囲むことができる。
【0033】
更に、本発明は、本発明による衝撃吸収式の車両投光器システム1を少なくとも1つ含んだ、図面では非図示の自動車に関する。
【0034】
当該自動車は、ロービーム配光並びにハイビーム配光を生成するための2つの前照灯ユニットを有することができ、この際、当該自動車は、本発明による2つの衝撃吸収式の車両投光器システムを有することができ、更にこの際、2つの衝撃吸収式の車両投光器システムの2つの車両投光器ハウジング3は、両方の前照灯ユニットの車両投光器ハウジングを構成する。
【0035】
更に、当該自動車は、バンパを有することができ、この際、各トリガ要素5は、バンパと接続されており、それにより衝突に起因したバンパの摺動の場合には、トリガ要素5が車両投光器の方向に摺動され、従って車両の主走行方向とは反対方向の車両投光器の摺動が可能とされている。
【0036】
本発明は、示された実施形態に限定されるものではなく、請求項の保護範囲全体により規定される。また本発明ないし実施形態の個々の構成要件を取り上げて、互いに組み合わせることもできる。請求項に記載された参照記号は、例示であり、請求項を限定することなく、単に請求項をより容易に分かりやすくするためのものである。
【0037】
尚、本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、更にその基本的技術思想に基づいて、実施形態の変更・調整が可能である。また本発明の全開示の枠内において、種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ、ないし選択が可能である。即ち本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想に従って当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。特に本書に記載した数値範囲については、当該範囲内に含まれる任意の数値ないし小範囲が別段の記載のない場合でも具体的に記載されているものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0038】
1 車両投光器システム
2 車両フレーム要素
2a 案内部
3 車両投光器ハウジング
4 ピン部材
5 トリガ要素
5’ 傾斜面部
6 トリガ機構
6a 回転アーム
6a’ 係合領域
6b ロック要素
6b’ フック
6c 第1ばね要素
6d 第3ばね要素
6e 保持要素
6f 第4ばね要素
7 第2ばね要素
S1 ピン部材4を抑止する状態
S2 ピン部材4を解放する状態
D1 保持位置/抑止位置
D2 解放位置
D12 1つの位置
V1 ロック位置
V2 ロック解除位置
P1 初期位置
P2 トリガ位置
P12 中間位置
FF1 ばね力
FF2 ばね力
FF3 ばね力
FF4 ばね力