(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-20
(45)【発行日】2023-12-28
(54)【発明の名称】強化された抗湿疹有効性を有する皮膚局所用組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 36/185 20060101AFI20231221BHJP
A61K 36/899 20060101ALI20231221BHJP
A61K 36/73 20060101ALI20231221BHJP
A61K 36/28 20060101ALI20231221BHJP
A61K 31/4166 20060101ALI20231221BHJP
A61K 31/045 20060101ALI20231221BHJP
A61K 31/164 20060101ALI20231221BHJP
A61K 31/16 20060101ALI20231221BHJP
A61K 31/047 20060101ALI20231221BHJP
A61K 31/01 20060101ALI20231221BHJP
A61P 17/04 20060101ALI20231221BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20231221BHJP
A61K 8/31 20060101ALI20231221BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20231221BHJP
A61K 8/42 20060101ALI20231221BHJP
A61K 8/49 20060101ALI20231221BHJP
A61K 8/9789 20170101ALI20231221BHJP
A61K 8/9794 20170101ALI20231221BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
A61K36/185
A61K36/899
A61K36/73
A61K36/28
A61K31/4166
A61K31/045
A61K31/164
A61K31/16
A61K31/047
A61K31/01
A61P17/04
A61P43/00 121
A61K8/31
A61K8/34
A61K8/42
A61K8/49
A61K8/9789
A61K8/9794
A61Q19/00
(21)【出願番号】P 2022506230
(86)(22)【出願日】2020-07-16
(86)【国際出願番号】 CN2020102293
(87)【国際公開番号】W WO2021017844
(87)【国際公開日】2021-02-04
【審査請求日】2022-04-25
(31)【優先権主張番号】201910697708.X
(32)【優先日】2019-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511203248
【氏名又は名称】浙江養生堂天然薬物研究所有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】魏 双 萍
(72)【発明者】
【氏名】王 莎 莎
【審査官】春日 淳一
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第108670878(CN,A)
【文献】特開2008-074796(JP,A)
【文献】Science and Technology of Food industry,2002年,Vol.23, No.10,p.62-63
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K,A61P
CAplus/REGISTRY(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗湿疹有効性を有する皮膚局所用組成物
であって、
(A)
1.2~8倍の濃縮度を有する濃縮カバノキ樹液と(B)カラスムギ(エンバク)穀粒抽出物、プリンセピア油、キンセンカ抽出物、アラントイン、ビサボロール、セラミド、パンテノール、グリセロールおよびスクアランからなる群から選択される1つまたは複数の活性物質
を含み、
さらに添加される水を一切含まない、皮膚局所用組成物。
【請求項2】
前記濃縮カバノキ樹液は1.2~4倍の濃縮度を有する、請求項1に記載の
皮膚局所用組成物。
【請求項3】
前記濃縮カバノキ樹液は1.2~2倍の濃縮度を有する、請求
項2に記載の
皮膚局所用組成物。
【請求項4】
前記構成成分(A)濃縮カバノキ樹液の含有量が、前記皮膚局所用組成物の総重量に対して、18~98重量%である、請求項1に記載の皮膚局所用組成物。
【請求項5】
前記構成成分
(B)の含有量が、前記皮膚局所用組成物の総重量に対して、0.01~10%である、請求項
1に記載の皮膚局所用組成物。
【請求項6】
前記構成成分(B)の含有量が、前記皮膚局所用組成物の総重量に対して
、0.1~6
%である、請求
項5に記載の皮膚局所用組成物。
【請求項7】
前記構成成分(B)の含有量が、前記皮膚局所用組成物の総重量に対して、0.5~5%である、請求
項6に記載の皮膚局所用組成物。
【請求項8】
前記皮膚局所用組成物が医薬組成物または化粧用組成物である、請求項
1から7のいずれか1項に記載の皮膚局所用組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、強化された抗湿疹有効性を有する皮膚局所用組成物であって、(A)約1.05~8倍、好ましくは約1.1~4倍、より好ましくは約1.2~2倍の濃縮度を有する濃縮カバノキ樹液、ならびに(B)カラスムギ(エンバク(Avena sativa))穀粒抽出物、プリンセピア(Prinsepia Utilis Royle)油、キンセンカ(Calendula officinalis)抽出物、アラントイン、ビサボロール、セラミド、パンテノール、グリセロールおよびスクアランからなる群から選択される1つまたは複数の活性物質を含む、皮膚局所用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
湿疹は、様々な内部および外部因子により引き起こされ、明らかなかゆみ、異常な皮膚バリア機能を伴い、容易に再発する、明らかな滲出性の傾向を有する炎症性皮膚疾患である。現在市販されている湿疹のための化粧品のうち、カラスムギ(エンバク)穀粒抽出物、キンセンカ抽出物、アラントイン、ビサボロール、セラミド、パンテノール、グリセロール、スクアラン、プリンセピア油および他の成分は、最も一般的な抗湿疹および保湿成分であるが、これらの効果は多くの場合不満足なものである。
【0003】
カバノキは、カバノキ科の落葉樹であり、現在世界中に約100種が存在し、主に北温帯地域および冷温帯に分布する。これらのうち、約29種が中国に存在し、主に北東、北西および南西に分布する。これは、土壌侵食の防止、環境の改善ならびに風および砂の防止において重要な役割を果たす。カバノキの木は、主に、人の干渉がほぼなく、産業汚染がない、離れた山岳地域で成長する。カバノキ樹液は、切断されたカバノキの木皮からの、またはドリルで穴を開けられた幹からの新鮮な液汁である。カバノキ樹液は、無色または淡黄色であり、沈殿物も不純物も有さず、わずかなカバノキの芳香を有する。これは栄養に富み、ヒトの体内に摂取された後、亜健康の人々に対する健康管理効果を達成するように、代謝されて健康に有益な因子となることができるため、これは良好な栄養および健康管理効果を有し、飲料、アルコールおよび他の飲料を作製するために使用されることが多い。カバノキ樹液は、多数の化合物、例えば糖、アミノ酸、ビタミン、ビオチン、サイトカイニン、微量無機元素、芳香油、ベツリンおよびサポニンを含有し、良好な保湿、抗湿疹および他の有効性を有する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様では、本発明は、強化された抗湿疹有効性を有する皮膚局所用組成物における(A)濃縮カバノキ樹液と(B)カラスムギ(エンバク)穀粒抽出物、プリンセピア油、キンセンカ抽出物、アラントイン、ビサボロール、セラミド、パンテノール、グリセロールおよびスクアランからなる群から選択される1つまたは複数の活性物質との組合せの使用であって、濃縮カバノキ樹液が約1.05~8倍、好ましくは約1.1~4倍、より好ましくは約1.2~2倍の濃縮度を有する、使用に関する。
【0005】
別の態様では、本発明は、強化された抗湿疹有効性を有する皮膚局所用組成物であって、(A)約1.05~8倍、好ましくは約1.1~4倍、より好ましくは約1.2~2倍の濃縮度を有する濃縮カバノキ樹液、ならびに(B)カラスムギ(エンバク)穀粒抽出物、プリンセピア油、キンセンカ抽出物、アラントイン、ビサボロール、セラミド、パンテノール、グリセロールおよびスクアランからなる群から選択される1つまたは複数の活性物質を含む、皮膚局所用組成物に関する。
【0006】
本発明に関与するカバノキ樹液は、ベツラ・アルバ(Betala alba)、ベツラ・プベセンス(Betula pubescens)、ベツラ・ペンドラ(Betula Pendula)およびベツラ・プラチフィラ(Betula platyphylla)の4つの変種を含む、カバノキ属カバノキ科(Betula Betulaceae)から得られる。カバノキ樹液は、雪が溶け始める時期から木が葉を出す時期までの、人工的な穿孔およびカバノキの木の幹の基部からの収集により得られる、無色透明であり、沈殿剤も不純物も有しない栄養に富む液汁である。カバノキ樹液は市販されており、そのまま使用され(この場合、カバノキ樹液原液(original fluid)と呼ばれる)、例えば、Daxinganling Chaoyue Wild Berry Development Co.,Ltd.から購入することができる。
【0007】
本発明による濃縮カバノキ樹液は、上述の市販のカバノキ樹液原液製品を濃縮することにより得られる。濃縮方法は当該技術分野において公知であり、例えば加熱濃縮、低温および真空濃縮、ならびに膜濃縮である。本発明では、濃縮は、好ましくは低温凍結濃縮または膜濃縮法により行われる。例えば、市販のカバノキ樹液原液は、異なる濃縮度を有する濃縮カバノキ樹液を得るための低温および真空濃縮法のために、低温乾燥デバイスに導入され、約-40~-70℃に冷却され、約0.1~30Paまで真空にされる。
【0008】
さらに、本発明者らは、濃縮カバノキ樹液の抗湿疹有効性は、その濃縮度と単純な直線関係になく、濃縮度の増大に伴い、初めは増大するがその後に低減することも発見した。したがって、カバノキ樹液の濃縮度を調整することが重要である。本発明では、カバノキ樹液の濃縮度は、約1.05~8倍、好ましくは約1.1~4倍、より好ましくは約1.2~2倍に調整される。
【0009】
意外なことに、本発明者らは、濃縮カバノキ樹液およびカラスムギ(エンバク)穀粒抽出物、プリンセピア油、キンセンカ抽出物、アラントイン、ビサボロール、セラミド、パンテノール、グリセロールまたはスクアラン単独の使用と比較して、濃縮カバノキ樹液、カラスムギ(エンバク)穀粒抽出物、プリンセピア油、キンセンカ抽出物、アラントイン、ビサボロール、セラミド、パンテノール、グリセロールおよび/またはスクアランの組合せが、これらの付加効果よりもはるかに高い有意により良好な抗湿疹有効性を有し、これらの間に相乗効果があることを示すことを発見した。
【0010】
構成成分(A)濃縮カバノキ樹液の含有量は、皮膚局所用組成物の総重量に対して、約18~98重量%、好ましくは約20~95重量%、より好ましくは約22~90重量%、最も好ましくは約30~90重量%である。
【0011】
構成成分(B)カラスムギ(エンバク)穀粒抽出物、プリンセピア油、キンセンカ抽出物、アラントイン、ビサボロール、セラミド、パンテノール、グリセロールおよびスクアランは、すべて当該技術分野において公知であり、市販されている。
【0012】
構成成分(B)の含有量は、皮膚局所用組成物の総重量に対して、約0.01~10%、好ましくは0.1~6%、より好ましくは0.5~5%である。
【0013】
皮膚局所用組成物は、医薬組成物または化粧用組成物を含む。
皮膚局所用組成物は、さらに添加される水を一切含まないが、構成成分の各々に本質的に含有される水分を除外しない。
【0014】
好ましい一実施形態では、皮膚局所用組成物は、キレート化剤、例えばEDTA塩、リン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウムおよびグルコン酸を含まない。
【0015】
構成成分(A)および(B)に加えて、皮膚局所用組成物は、場合により、(C)限定されるものではないが、ビヒクル、活性成分および賦形剤等を含む、皮膚局所用組成物に一般的に使用される成分を含んでもよい。構成成分(C)は、当該技術分野において公知である。当業者は、必要に応じて、その種類および量を選択することができる。例えば、構成成分(C)の総含有量は、通常、皮膚局所用組成物の総重量に対して約2~80%である。
【0016】
ビヒクルには、例えば希釈剤、分散剤または担体等が挙げられる。例には、限定されるものではないが、エタノール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール等が挙げられる。皮膚局所用組成物中のビヒクルの含有量は当該技術分野において公知であり、例えばこれは、典型的に構成成分(C)の総重量の約0.5~20%である。
【0017】
活性成分には、皮膚軟化剤、保湿剤、抗湿疹活性成分等が挙げられる。
皮膚軟化剤の例には、限定されるものではないが、オリーブ油、マカデミアナッツ油、スイートアーモンド油、ブドウ種子油、アボカド油、トウモロコシ油、ゴマ油、大豆油、ピーナッツ油、メドウフォーム種子油、ベニバナ種子油、イヌバラ(rosa canina)果実油、アルガンノキ(argania spinosa)核油、ホホバ(simmondsia chinensis)種子油、ヒマワリ種子油、オオミテングヤシ(mauritia flexuosa)果実油、スクアラン、パルミチン酸エチルヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、硬化ポリイソブチレン、イソセタン、イソドデカン、炭酸ジエチルヘキシル、炭酸ジオクチル、イソプロピルラウロイルサルコシネート、イソノナン酸イソノニル、硬化ポリデセン、トリエチルヘキサノイン、エチルヘキサン酸セチル、ビス-ジエトキシジグリコールシクロヘキサン1,4-ジカルボキシレート、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、エルカ酸オレイル、ミリスチン酸オクチルドデカノール、オクチルドデカノール、ポリジメチルシロキサン、オクチルポリメチルシロキサン、セチルジメチコン、シクロペンタジメチルシロキサン等の1つまたは複数が挙げられる。固形の皮膚軟化剤の例には、限定されるものではないが、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セテアリルアルコール、ベヘニルアルコール、スクアリルアルコール、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ミツロウ、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ラノリン、オゾケライト、ホホバ種子ワックス、パラフィンワックス、微結晶ワックス、硬化米糠ワックス、硬化ココグリセリド、グリセリルベヘネート/エイコサジオエート、ミリスチルミリステート、ビス-ジグリセリルポリアシルアジペート-2、シアーバターノキ(butyrospermum parkii)(シアバター)およびアストロカリウム・ムルムル種子バターの1つまたは複数が挙げられる。皮膚局所用組成物中の皮膚軟化剤の含有量は当該技術分野において公知であり、例えばこれは、典型的に構成成分(C)の総重量に対して1~50%である。
【0018】
保水剤の例には、限定されるものではないが、グリセリン、ジグリセリン、ブチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、1,2-ペンタンジオール、ポリエチレングリコール-8、ポリエチレングリコール-32、メチルグルセス-10、メチルグルセス-20、PEG/PPG-17/6コポリマー、グリセレス-7、グリセレス-26、グリセリルグルコシド、PPG-10メチルグルコースエーテル、PPG-20メチルグルコースエーテル、PEG/PPG/ポリブチレングリコール-8/5/3グリセロール、スクロース、トレハロース、ラムノース、マンノース、ラフィノース、ベタイン、エリスリトール、キシリトール、尿素、グリセレス-5ラクテート、ヒアルロン酸ナトリウム、加水分解ヒアルロン酸ナトリウム、アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム、ポリグルタミン酸ナトリウム、加水分解スクレロチウムガム、プルラン、トレメラム(tremellam)および、タマリンド種子多糖体、1,2-ヘキサンジオール、天然保湿剤、セラミド2、セラミド3、コレステロール、リン脂質等の1つまたは複数が挙げられる。皮膚局所用組成物中の保水剤の含有量は当該技術分野において公知であり、例えばこれは、典型的に構成成分(C)の総重量の約1~30%である。
【0019】
抗湿疹活性成分の例には、限定されるものではないが、グリチルリチン酸二カリウム、スベリヒユ(PORTULACA OLERACEA)抽出物、生物学的シュガーガム-1(biological sugar gum-1)、β-グルカン、フルクタン、コガネバナ(SCUTELLARIA BAICALENSIS)根抽出物、セイヨウトチノキ(AESCULUS HIPPOCASTANUM)抽出物、4-tert-ブチルシクロヘキサノール、セラミド3、スペインカンゾウ(GLYCYRRHIZA GLABRA)抽出物、加水分解ロイヤルゼリータンパク質、オリザノール、フィトスフィンゴシン、ケルセチン、ショウガ根抽出物、ローズマリー葉抽出物等の1つまたは複数が挙げられる。皮膚局所用組成物中の抗湿疹活性成分の含有量は当該技術分野において公知であり、例えばこれは、通常構成成分(C)の総重量の約0.01~10%である。
【0020】
賦形剤には、例えば乳化剤、増粘剤、保存剤、香料等が挙げられる。
乳化剤の例には、これらに限定されるものではないが、オリーブ油脂肪酸セテアリル、オリーブ油脂肪酸ソルビタン、ポリソルベート-60、ポリソルベート-80、セスキステアリン酸メチルグルコース、セスキステアリン酸PEG-20メチルグルコース、PEG-40硬化ヒマシ油、PPG-26-ブテス-26、ステアリン酸PEG-4ポリグリセリル-2、PEG-60硬化ヒマシ油、ステアレス-2、ステアレス-21、PPG-13-デシルテトラデセス-24、セテアリルグルコシド、ステアリン酸PEG-100、ステアリン酸グリセリル、ステアリン酸グリセリルSE、ココグルコシド、セテアレス-25、ステアリン酸PEG-40、ジステアリン酸ポリグリセリル-3メチルグルコース、クエン酸ステアリン酸グリセリル、ステアリン酸ポリグリセリル-10、ミリスチン酸ポリグリセリル-10、ジオレイン酸ポリグリセリル-10、ラウリン酸ポリグリセリル-10、イソステアリン酸ポリグリセリル-10、オレイン酸ポリグリセリル-10、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-10、ラウリン酸ポリグリセリル-6、ミリスチン酸ポリグリセリル-6、ステアリン酸スクロースおよびポリステアリン酸スクロースの1つまたは複数が挙げられる。皮膚局所用組成物中の乳化剤の含有量は当該技術分野において公知であり、例えばこれは、典型的に構成成分(C)の総重量の0.5~10%である。
【0021】
増粘剤の例には、限定されるものではないが、高分子ポリマー、例えばカルボマー、アクリレートおよびその誘導体、キサンタンガム、アラビアガム、ポリエチレングリコール-14M、ポリエチレングリコール-90M、スクシニル多糖、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースの1つまたは複数が挙げられる。皮膚局所用組成物中の増粘剤の含有量は当該技術分野において公知であり、例えばこれは、典型的に構成成分(C)の総重量の0.1~10%である。
【0022】
保存剤の例には、限定されるものではないが、ヒドロキシ安息香酸メチル、ヒドロキシ安息香酸プロピル、フェノキシエタノール、ベンジルアルコール、フェニルエタノール、ビス(ヒドロキシメチル)イミダゾリジニル尿素、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、クロロフェネシン(chlorophenesin)、デヒドロ酢酸ナトリウム、カプリルヒドロキサム酸、1,2-ヘキサンジオール、1,2-ペンタンジオール、p-ヒドロキシアセトフェノン、カプリリルグリコール、カプリル酸グリセリル、ウンデシレン酸グリセリル、カプリル酸ソルビタン、エチルヘキシルグリセロール、シャクヤク根抽出物等の1つまたは複数が挙げられる。皮膚局所用組成物中の保存剤の含有量は当該技術分野において公知であり、例えばこれは、典型的に構成成分(C)の総重量の0.01~2%である。
【0023】
本発明による強化された抗湿疹有効性を有する皮膚局所用組成物は、当該技術分野において公知の好適な方法のいずれかにより調製することができる。例えば、これは、化粧品の分野において一般的に使用されるデバイス、例えば溶解タンク、乳化ポット、分散機、移送ポンプ等を使用して調製することができる。調製中、水溶性物質を水相溶解ケトルに装入し、油溶性物質を油相溶解ケトルに装入し、2つのケトルをそれぞれ約80℃に加熱し、容易に凝集する原料については、分散機を使用して事前に分散させることができる。溶解が完了したら、油相および水相を乳化ポットに移し、約5~15分均質化および乳化する。乳化が完了したら、バルクを室温に冷却し、場合により芳香剤、保存剤等を添加し、必要に応じて生成物のpHを調整する。
【0024】
上記の調製方法は、剤形の要件に応じて変更または調整することができる。本発明の皮膚局所用組成物は、必要に応じて、様々な剤形、例えば軟膏、クリーム、エマルション、ローション、エッセンス、スプレー、ゲルに調製することができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明を、実施例を参照して、以下にさらに詳細に説明する。しかし、これらの実施例および比較例は、本発明を具体的に例示するためのみに使用されることが理解されるべきであり、どのような形であっても本発明の添付の特許請求の範囲を限定するものと理解されるべきではない。
【0026】
実施例1:異なる材料系における、保湿およびバリア修復に関連する遺伝子の発現
この実施例では、ケラチノサイトトランスグルタミナーゼTGM1、表皮密着結合タンパク質(ZO-1およびCLDN1)、フィラグリンFLGおよびアクアポリンAQP3に対する、カラスムギ(エンバク)穀粒抽出物またはキンセンカ抽出物とカバノキ樹液との組合せの効果を調査した。
【0027】
実験方法は以下のとおりであった:
1.実験機器:蛍光定量PCR機器(Roche)、クリーンベンチ(Su Jing)、CO2インキュベーター(Binder)、マイクロプレートリーダー(BIO-TEK)、マイクロオシレーター。
【0028】
2.実験試薬および材料:ケラチノサイト、6ウェル培養プレート、細胞培養培地、RNA抽出キット、逆転写キット、Trizol溶解溶液等。
【0029】
3.ケラチノサイトをベースとする遺伝子発現の分析ステップは以下のとおりであった:
(1)接種:細胞を6ウェルプレートに2E5個の細胞/ウェルの密度で接種し、5%CO2を含有するインキュベーター中、37℃で終夜インキュベートした;
(2)処方:特定の試験処方を、以下の表に示した:
【0030】
【0031】
(3)投与:6ウェルプレート中の細胞播種率が約50%に達した場合、各群の試験物質を添加し、試験物質の各群に4つの複製ウェルを用意した;
(4)試料収集:5%CO2を含有するインキュベーター中に37℃で24時間接種した後、培養培地を廃棄し、各ウェルに1mLのTrizolを添加し、細胞を溶解した後、試料を収集した;
(5)PCR検出:RNAを抽出し、cDNAに逆転写し、蛍光定量PCRにより検出した;
(6)分析:結果を、2-△△CT法を使用して算出し、T検定法を統計分析に使用した。得られた結果を以下の表に示した。
【0032】
【0033】
1.2倍、4倍および9倍濃縮のカバノキ樹液を、カバノキ樹液原液を濃縮することにより得た。濃縮方法は以下のとおりであった:Daxinganling Chaoyue Wild Berry Development Co.,Ltd.から購入した新鮮なカバノキ(ベツラ・アルバ)樹液原液を、低温乾燥デバイスに供給し、-65℃に冷却し、0.1Paに真空化し、それぞれ1.2倍、4倍および9倍に濃縮した。
【0034】
表1の結果は、カラスムギ(エンバク)穀粒抽出物またはキンセンカ抽出物とカバノキ樹液との組合せが、保湿およびバリア修復に関連する遺伝子の発現、例えばケラチノサイトトランスグルタミナーゼTGM1、表皮密着結合タンパク質(ZO-1およびCLDN1)、フィラグリンFLGおよびアクアポリンAQP3を有意に増大することを示した。さらに、カバノキ樹液原液と比較して、1.2倍濃縮カバノキ樹液との組合せは、より良好な有効性を示した。
【0035】
実施例2:保湿およびバリア修復に関連するタンパク質の発現に対する、カバノキ樹液の効果
この実施例では、ケラチノサイトトランスグルタミナーゼTGM1、表皮密着結合タンパク質(ZO-1およびCLDN1)、フィラグリンFLGおよびアクアポリンAQP3の発現に対する、アラントインまたはビサボロールとカバノキ樹液との組合せの効果を調査した。
【0036】
実験方法は以下のとおりであった:
1.実験機器:クリーンベンチ(Su Jing)、マイクロプレートウォッシャー(BIO-RAD)、マイクロプレートリーダー(BIO-TEK)、CO2インキュベーター(Binder)。
【0037】
2.実験試薬および材料:ヒト初代ケラチノサイト、12ウェル培養プレート、ケラチノサイト用培養培地、様々な指標用のELISAキット等。
【0038】
3.試験ステップは以下のとおりであった:
(1)接種:細胞を12ウェル培養プレートに2E5個の細胞/ウェルの密度で接種し、5%CO2を含有するインキュベーター中で、37℃でインキュベートし、培養培地を2日毎に交換した;
(2)投与:細胞融合が再び60%超に達した場合、異なる濃度の試験物質を添加し、試験物質の各群に6つの複製ウェルを用意し、処方は以下のとおりであった:
【0039】
【0040】
(3)試料収集:5%CO2を含有するインキュベーター中に37℃で48時間接種した後、培養培地を廃棄し、各ウェルに1mLのTrizolを添加し、細胞を溶解した後、試料を収集した;
(4)検出:指標はELISAキットの決定方法に従って決定した。
【0041】
(5)分析:T検定法を統計分析に使用した。試験の結果を、以下の表に示した。
【0042】
【0043】
上記の表における結果は、アラントインまたはビサボロールとカバノキ樹液との組合せが、保湿およびバリア修復に関連するタンパク質の発現、例えばケラチノサイトトランスグルタミナーゼTGM1、表皮密着結合タンパク質(ZO-1およびCLDN1)、フィラグリンFLGおよびアクアポリンAQP3を有意に増大することを示した。さらに、カバノキ樹液原液と比較して、1.2倍濃縮カバノキ樹液との組合せは、より良好な有効性を示した。
【0044】
実施例3:ケラチノサイトの増殖および分化に対するカバノキ樹液の効果
この実施例では、ケラチノサイトの増殖および分化に対するセラミドまたはグリセロールとカバノキ樹液との組合せの効果を、試験および比較した。
【0045】
実験方法は、以下のとおりであった。
1.細胞:HACAT(ヒト不死化表皮ケラチノサイト)。
【0046】
2.実験機器および材料:96ウェルプレート、1mlピペット、5mlピペット、1mlピペットチップ、5mlピペットチップ、15ml遠心管、細胞計数装置、0.22μmフィルタ、フィンピペット、フィンピペットスロット、DMEM細胞培養培地、FBS、100×三次抗体、100×マイコプラズマ阻害剤、CCK-8試薬。
【0047】
3.実験ステップは以下のとおりであった:
(1)培養HACAT細胞を、96ウェルプレート中、ウェルあたり100ul、3000個の細胞/ウェルの細胞密度で接種した;
(2)5%CO2を含有するインキュベーター中、37℃で24時間培養した;
(3)100ul/ウェル中に投与し、処方は以下のとおりであった:
【0048】
【0049】
(4)72時間インキュベートした後、上清を廃棄し、各ウェルに10%cck-8を含有する100ulの培地を添加した;
(5)37℃で2時間インキュベートし、次にOD値をマイクロプレートリーダーにより450nmで検出した;
上記の実験を、3つの並行群で行った。細胞は3つの培養フラスコに由来し、細胞計数および実験操作を独立して行った。得られた結果を以下の表に示した。
【0050】
【0051】
上記の表の結果は、セラミドまたはグリセロールとカバノキ樹液との組合せが、ケラチノサイトの増殖および分化を有意に増大することを示した。さらに、カバノキ樹液原液と比較して、1.2倍濃縮カバノキ樹液との組合せは、より良好な有効性を示した。
【0052】
実施例4:マスト細胞の脱顆粒化に対するカバノキ樹液の効果
この実施例では、マスト細胞の脱顆粒化に対するパンテノールまたはスクアランとカバノキ樹液との組合せの効果を、ゼブラフィッシュ若齢アレルギーモデルを使用することにより、試験および比較した。
【0053】
実験方法は以下のとおりであった。
1.実験動物:ゼブラフィッシュ。
【0054】
2.実験ステップは以下のとおりであった:AB野生型ゼブラフィッシュ胚を収集し、28.5℃のインキュベーター中でE3緩衝液とともに5dpf(受精後の日数)まで培養し、緩衝液を毎日交換し、5dpfのゼブラフィッシュを、48ウェル細胞培養プレートに、ウェルあたり10尾の群、群あたり4つの複製ウェルで、以下のように群分けして無作為に移した:
モデル群:RO水+15μg/ml SP
陽性群:ケトチフェン+15μg/ml SP
試験される試料群:処方は以下のとおりであった:
【0055】
【0056】
SPを有する上記の脱顆粒化群と対応して、SPを有しない陰性対照群を、群あたり4つの複製ウェルで確立し、SPを導入した脱顆粒化群およびSPを有しない陰性対照群と対応して、バックグラウンド対照群(ゼブラフィッシュ幼生なし)を、群あたり2つの複製ウェルで確立した。各群のウェルに残存するE3緩衝液を吸収し、各群に対応する250μlの溶液を添加し、暗所で28.5℃のインキュベーター中で60分反応させた。60分後、各群の200μlの上清を96ウェル細胞培養プレートに入れ、酵素反応基質BAPNAをそれぞれ添加し、400μg/mlの濃度を達成した。96ウェルプレートを暗所で覆い、28.5℃のインキュベーター中に入れ、2時間反応させた。全部のプレートを2時間後に405nmでの光吸収値について測定し、値は、ゼブラフィッシュのマスト細胞中のトリプターゼ放出を反映する。
【0057】
ゼブラフィッシュ若齢マスト細胞保護モデルの実験結果を、以下の表に記録した。
【0058】
【0059】
上記の表の結果は、パンテノールまたはスクアランとカバノキ樹液との組合せが、マスト細胞の脱顆粒化を有意に阻害することを示した。さらに、カバノキ樹液原液と比較して、1.2倍濃縮カバノキ樹液との組合せは、より良好な有効性を示した。
【0060】
実施例5:湿疹の発症における炎症因子の産生に対するカバノキ樹液の効果
この実施例では、2,4-ジニトロフルオロベンゼン(DNFB)を使用して感作し、マウス湿疹モデルの確立を促し、1%ヒドロコルチゾン軟膏を陽性対照として与え、炎症因子Th2(IL-4、13、17)およびTSLPの産生に対するカラスムギ(エンバク)穀粒抽出物またはプリンセピア油とカバノキ樹液との組合せの効果を調査した。
【0061】
実験方法は以下のとおりであった:
1.実験動物:ICRマウス、雄。
【0062】
2.実験材料:0.5%DNFBアセトン溶液、脱毛クリーム、イエダニ抽出物、カバノキ樹液、カラスムギ(エンバク)穀粒抽出物、プリンセピア油。
【0063】
3.実験ステップは以下のとおりであった:ICRマウスを、体重により各群中12匹のマウスで無作為に群分けし、正常群、モデル群および試料群へと分けた。各群における実験マウスについて、モデリングの1日前に、マウスの背部約2*2cmの面積の毛を、脱毛クリームを使用して除去した。マウスの背部に対する実験の範囲を決定し、スコッチテープを8回繰り返し被着することにより、角質層を除去した。次に、第1週では、1、3、5および7日に、すべての実験動物をイエダニ抽出物の注射により感作した。実験の第2週では、10日目および13日目に、感作のためにイエダニ抽出物を注射し、実験の第3~6週では、週1回、感作のためにイエダニ抽出物を注射し、アセトンパッチを誘導のために使用した。アセトン(DNCB)を、再蒸留水を用いて0.5%アセトン溶液に希釈した。マウスを、第2週では隔日に1回、各回100μlで、第2週から隔日70μlで、0.5%DNCBに曝露した。感作を6週続けた。
【0064】
12時間のモデリングが成功した後、1日3回、連続7日間、エアロゾル瓶を用いて、異なる濃度を有するカバノキ樹液を実験マウスの背部に均一に噴霧した。モデル群に、連続7日間、1日3回、蒸留水を噴霧した。
【0065】
試験試料の処方は以下のとおりであった:
【0066】
【0067】
4.試験指標:7日の処置の後、マウス血清を採取し、マウスの血清炎症因子TSLPおよびTh2(IL-4、13、17)の含有量を、ELISAキットを用いて検出した。得られた結果を以下の表に示した。
【0068】
【0069】
上記の表の結果は、カラスムギ(エンバク)穀粒抽出物またはプリンセピア油とカバノキ樹液との組合せが、有意な抗湿疹有効性を示すことを示した。さらに、カバノキ樹液原液と比較して、1.2倍濃縮カバノキ樹液との組合せは、より良好な有効性を示した。
【0070】
実施例6:抗湿疹顔用クリーム組成物
抗湿疹顔用クリーム組成物の処方を以下のとおりに示した:
【0071】
【0072】
【0073】
抗湿疹顔用クリーム組成物を、以下のとおりに調製した:
1.原料4を、原料11とともに均一に分散させた;
2.原料7を加熱し、原料10により溶解した;
3.原料1および25を水相ポットに装入し、原料12とともに撹拌しながら拡散させ、原料12が完全に溶解した後に原料2、3、4、5、6、7、8、9、10、11および25を添加し、最大80℃に加熱した;
4.原料13、14、15、16、17、18、19、20、21、22を油相ポットに装入し、80℃に加熱した;
5.水相ポット中の原料を乳化ポットにポンプ注入し、高速で5分均質化した;
6.油相ポット中の原料を乳化ポットにポンプ注入し、高速で5分均質化し、10分保持した;
7.撹拌しながら50℃に冷却し、原料23および24を装入し、ゆっくりと3分均質化した;
8.撹拌しながら40℃に冷却した;
9.生成物を、排出する前に試験した。
【0074】
この実施例では、3~15歳の、軽度湿疹を有する12名の小児および中等度湿疹を有する12名の小児を、3週の処置のために選択した。彼らのうち、軽度湿疹を有する6名の小児および中等度湿疹を有する6名を、抗湿疹顔用クリームを1日2~3回、各回100~200gで塗布して処置し、残りの患者を、カバノキ樹液を有しないスキンケアクリーム(対照製品、処方は上記の表において記載されているものとちょうど同じであるが、すべてのカバノキ樹液を水と置き換えた)で連続3週処置し、疾患の重症度を14日目にスコア付けした。
【0075】
結果は、対照製品と比較して、抗湿疹顔用クリームが皮膚の状態を有意に改善し(p<0.05)、21日目ではさらに有意に改善する(p<0.01)ことを示した。これは、抗湿疹顔用クリームが軽度から中等度の湿疹を処置することができることを示す。
【0076】
実施例7:抗-湿疹エキス組成物
抗湿疹エキス組成物の処方は、以下のとおりであった:
【0077】
【0078】
抗湿疹エキス組成物を、以下のとおりに調製した:
1.原料3を、原料11とともに均一に分散させた;
2.原料1を乳化ポットに装入し、原料14および15を撹拌しながら拡散させ、原料14および15が完全に膨張した後に原料2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12および13を添加し、撹拌しながら最大80℃に加熱し、高速で5分均質化し、10分保持した;
3.撹拌しながら50℃に冷却し、原料16、17および18を添加し、高速で5分均質化した;
4.撹拌しながら50℃に冷却し、原料19および20を添加した;
5.撹拌しながら40℃に冷却した;
6.生成物を、排出する前に試験した。
【0079】
この実施例では、3~15歳の、軽度湿疹を有する12名の小児および中等度湿疹を有する12名の小児を、3週の処置のために選択した。彼らのうち、軽度湿疹を有する6名の小児および中等度湿疹を有する6名を、抗湿疹エキスを1日2~3回、各回100~200gで塗布して処置し、残りの患者を、カバノキ樹液を有しないエキス(対照製品、処方は上記の表において記載されているものとちょうど同じであるが、すべてのカバノキ樹液を水と置き換えた)で連続3週処置し、疾患の重症度を14日目にスコア付けした。
【0080】
結果は、対照製品と比較して、抗湿疹エキスが皮膚の状態を有意に改善し(p<0.05)、21日目ではさらに有意に改善する(p<0.01)ことを示した。これは、抗湿疹エキスが軽度から中等度の湿疹を処置することができることを示す。
【0081】
実施例8:抗湿疹ローション組成物
抗湿疹ローション組成物の処方は、以下のとおりであった:
【0082】
【0083】
抗湿疹ローション組成物を、以下のとおりに調製した:
1.原料4を、原料9とともに均一に分散させた;
2.原料1を乳化ポットに装入し、原料11を撹拌しながら拡散させ、原料11が完全に膨張した後に原料2、3、4、5、6、7、8、9、10を添加した。
【0084】
3.撹拌しながら80℃に加熱し、高速で5分均質化し、10分保持した。
4.原料12を添加し、高速で5分均質化し、10分保持した。
【0085】
5.撹拌しながら60℃に冷却し、原料13を添加した。
6.50℃に冷却し、原料14および15を添加し、ゆっくりと3分均質化した。
【0086】
7.撹拌しながら40℃に冷却した;
8.生成物を、排出する前に試験した。
【0087】
この実施例では、3~15歳の、軽度湿疹を有する12名の小児および中等度湿疹を有する12名の小児を、3週の処置のために選択した。彼らのうち、軽度湿疹を有する6名の小児および中等度湿疹を有する6名を、抗湿疹ローションを1日2~3回、各回100~200gで塗布して処置し、残りの患者を、カバノキ樹液を有しないエマルション(対照製品、処方は上記の表において記載されているものとちょうど同じであるが、すべての濃縮カバノキ樹液をカバノキ樹液原液と置き換えた)で連続3週処置し、疾患の重症度を14日目にスコア付けした。
【0088】
結果は、対照製品と比較して、抗湿疹ローションが皮膚の状態を有意に改善し(p<0.05)、21日目ではさらに有意に改善する(p<0.01)ことを示した。これは、抗湿疹ローションが軽度から中等度の湿疹を処置することができることを示す。
【0089】
実施例9:抗湿疹軟膏
抗湿疹軟膏の処方は、以下のとおりであった:
【0090】
【0091】
抗湿疹軟膏を、以下のとおりに調製した:
1.原料3を、原料8とともに均一に分散させた。
【0092】
2.原料5を、原料6により溶解した。
3.原料1を水相ポットに装入し、原料2、3、4、6、7および8を撹拌しながら添加し、80℃に加熱した。
【0093】
4.原料9、10、11、12、13、14、15、16、17を油相ポットに装入し、80℃に加熱した。
【0094】
5.水相ポット中の原料を乳化ポットにポンプ注入し、高速で5分均質化した。
6.油相ポット中の原料を乳化ポットにポンプ注入し、高速で5分均質化し、10分保持した。
【0095】
7.撹拌しながら50℃に冷却し、原料5、19および18を装入し、3分ゆっくりと均質化した。
【0096】
8.撹拌しながら40℃に冷却した。
9.生成物を、排出する前に試験した。
【0097】
この実施例では、3~15歳の、軽度湿疹を有する12名の小児および中等度湿疹を有する12名の小児を、3週の処置のために選択した。彼らのうち、軽度湿疹を有する6名の小児および中等度湿疹を有する6名を、抗湿疹軟膏を1日2回塗布して処置し、残りの患者を、カバノキ樹液を有しない軟膏(対照製品、処方は上記の表において記載されているものとちょうど同じであるが、すべてのカバノキ樹液を水と置き換えた)で連続3週処置し、疾患の重症度を7日目にスコア付けした。
【0098】
結果は、対照製品と比較して、抗湿疹軟膏が皮膚の状態を有意に改善し(p<0.05)、14日目ではさらに有意に改善する(p<0.01)ことを示した。これは、抗湿疹軟膏が軽度から中等度の湿疹を処置することができることを示す。
【0099】
上述の実施例の技術的解決法は、本発明の好ましい実施形態であった。いくつかの改善および変更を、本発明の原理から逸脱することなく行うことができ、これらの改善および変更も、本発明の保護範囲内に当てはまると考えられるべきである。