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特許7407279個別ゲートインパネル回路を有するディスプレイ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-20
(45)【発行日】2023-12-28
(54)【発明の名称】個別ゲートインパネル回路を有するディスプレイ
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20231221BHJP
   H10K 59/12 20230101ALI20231221BHJP
   G09F 9/302 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
G09F9/30 338
G09F9/30 365
H10K59/12
G09F9/302 C
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022519053
(86)(22)【出願日】2019-11-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-05
(86)【国際出願番号】 US2019060497
(87)【国際公開番号】W WO2021091570
(87)【国際公開日】2021-05-14
【審査請求日】2022-08-22
(73)【特許権者】
【識別番号】502208397
【氏名又は名称】グーグル エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Google LLC
【住所又は居所原語表記】1600 Amphitheatre Parkway 94043 Mountain View, CA U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャン,スン-イル
(72)【発明者】
【氏名】チョイ,サンム
【審査官】川俣 郁子
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第104238214(CN,A)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0036447(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0025070(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0189607(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0068629(US,A1)
【文献】特開2017-120401(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0193893(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第104240658(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0076654(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0293956(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0164478(US,A1)
【文献】特開2017-058671(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F9/30-9/46
H05B33/00-33/28
44/00
45/60
H10K50/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルであって、
複数の行および複数の列に配置された発光画素のアレイを備え、前記アレイは、第1の画素密度を有する第1の連続領域と、前記第1の画素密度よりも小さい第2の画素密度を有する第2の連続領域と、前記第1の連続領域と前記第2の連続領域との間に延在する前記発光画素の複数の連続とを含み、前記表示パネルはさらに、
前記第2の連続領域に設けられた複数のゲートインパネル(GIP)回路を備え、前記第2の連続領域の各行は、少なくとも1つの発光画素によって分離された少なくとも2つのGIP回路を含み、各行の前記GIP回路は、前記アレイの前記第1の連続領域および前記第2の連続領域の両方において、対応する行の発光画素に信号を提供するよう構成され、前記表示パネルはさらに、
前記発光画素のアレイに接続された複数のデータ線を備え、前記データ線の各々は各行の単一の画素を電気的に接続し、前記表示パネルはさらに、
前記発光画素のアレイに接続された複数の信号線を備え、前記信号線の各々は、対応する行の発光画素およびGIP回路の各々を電気的に接続する、表示パネル。
【請求項2】
前記第2の連続領域は、前記表示パネルの縁部と前記第1の連続領域との間に位置する、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項3】
前記第2の連続領域の画素密度は、前記第1の連続領域の画素密度の25%~75%の範囲である、請求項1または2に記載の表示パネル。
【請求項4】
前記第1の連続領域の、前記行の方向に沿った幅は、前記第2の連続領域の、前記行の方向に沿った幅よりも大きい、請求項1~3のいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項5】
前記表示パネルの縁部と前記第2の連続領域との間に第3の連続領域をさらに備え、前記第3の連続領域には前記発光画素がない、請求項1~4のいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項6】
前記第3の連続領域の、前記行の方向に沿った幅は、前記第2の連続領域の、前記行の方向に沿った幅よりも小さい、請求項に記載の表示パネル。
【請求項7】
前記第2の連続領域内の各行は、交互する発光画素およびGIP回路を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項8】
隣接する行における交互する発光画素およびGIP回路は、前記複数の列のうちの対応する列に配置される、請求項に記載の表示パネル。
【請求項9】
隣接する行における交互する発光画素およびGIP回路は、市松模様パターンでオフセットされる、請求項に記載の表示パネル。
【請求項10】
隣接する行における交互する発光画素およびGIP回路は、菱形パターンでオフセットされる、請求項に記載の表示パネル。
【請求項11】
前記第2の連続領域内の行の各画素は、1つより多いGIP回路によって分離される、請求項1~10のいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項12】
前記第2の連続領域内の行の各GIP回路は、1つより多い発光画素によって分離される、請求項1~11のいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項13】
各発光画素は発光ダイオード(LED)を含む、請求項1~12のいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項14】
各LEDは、有機LED(OLED)である、請求項13に記載の表示パネル。
【請求項15】
前記複数の信号線は、複数の走査線と、複数の発光制御線とを含み、各走査線および各発光制御線は、対応する行に関連付けられる、請求項1~14のいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項16】
各発光画素は、複数の副画素を含み、
各行は、複数の対応する発光制御線を有し、前記発光制御線は、前記複数の副画素の各々に対して1つであり、
前記発光制御線の各々は、対応する行において前記発光画素の各々の対応する副画素を電気的に接続する、請求項15に記載の表示パネル。
【請求項17】
各発光画素は、複数の副画素を含み、
前記副画素の各々は前記複数の信号線のうちのある信号線に接続される、請求項1~16のいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項18】
各発光画素は、少なくとも1つの薄膜トランジスタ(TFT)を含み、
前記複数のデータ線のうちのあるデータ線は、当該データ線が電気的に接続される各発光画素のTFTに接続され、
前記複数の信号線のうちのある信号線は、当該信号線が電気的に接続される各発光画素のTFTに接続される、請求項1~17のいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項19】
前記第1の連続領域内のデータ線の各々は、対応する列における発光画素の各々を電気的に接続し、
前記第2の連続領域内のデータ線の各々は、複数の列における発光画素を電気的に接続する、請求項1~7のいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項20】
前記第2の連続領域内のデータ線は、第1の列の奇数行ごとの発光画素の各々と、第2の列の偶数行ごとの発光画素の各々とに電気的に接続する、請求項1~7のいずれか1項に記載の表示パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、発光画素を有するディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
背景
従来、ディスプレイは、アクティブな表示領域と、アクティブな表示領域を囲む処理コンポーネントを含むベゼルとを含む。ベゼルが大きいほど、アクティブな表示領域は小さくなり、ディスプレイの有効サイズは小さくなる。したがって、ベゼルは、ディスプレイおよび/またはディスプレイを含むデバイスの美観も損なうとともに、ユーザ体験を制限する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
概要
いくつかの実現例では、表示装置は、画素のアレイを有するアクティブな表示領域を備える。アクティブな表示領域は、第1のアクティブな表示領域と、第2の拡張されたアクティブな表示領域とを含む複数のセクションを有してもよい。拡張されたアクティブな表示領域は、いくつかの埋込み画素をゲートインパネル(GIP:gate-in-panel)回路とともに含んでもよい。画素のアレイ内の画素の各行は、拡張されたアクティブな表示領域内に2つ以上のGIP回路を含んでもよい。GIP回路は、画素の所与の行の1つ以上の画素に隣接して配置されてもよい。拡張されたアクティブな表示領域とは異なり、第1のアクティブな表示領域はGIP回路を含まない。第1のアクティブな表示領域は、画素のアレイの、いくつかの埋込み画素を含む。
【0004】
いくつかの実現例では、画素のアレイ中の画素の所与の行のためのGIP回路は、その行の画素にゲート信号を与える。これらのゲート信号は、例えば、走査信号および発光制御(EM:emission control)信号を含んでもよい。
【0005】
いくつかの実現例では、第1のアクティブな表示領域は、拡張されたアクティブな表示領域の解像度よりも大きい解像度、たとえば画素密度を有する。
【0006】
1つの一般的な態様において、表示パネルは、複数の行および複数の列に配置された発光画素のアレイを備え、アレイは、第1の画素密度を有する第1の連続領域と、第1の画素密度よりも小さい第2の画素密度を有する第2の連続領域と、第1の連続領域と第2の連続領域との間に延在する発光画素の複数の連続行とを含み、表示パネルはさらに、第2の連続領域に設けられた複数のゲートインパネル(GIP)回路を備え、第2の連続領域の各行は、少なくとも1つの発光画素によって分離された少なくとも2つのGIP回路を含み、各行のGIP回路は、アレイの第1および第2の連続領域の両方において対応する行の発光画素に信号を提供するよう構成され、表示パネルはさらに、発光画素のアレイに接続された複数のデータ線を備え、データ線の各々は各行の単一の画素を電気的に接続し、表示パネルはさらに、発光画素のアレイに接続された複数の信号線を備え、信号線の各々は、対応する行の発光画素およびGIP回路の各々を電気的に接続する、表示パネルである。
【0007】
実現例は、以下の特徴のうちの1つ以上を含んでもよい。たとえば、いくつかの実現例では、第2の連続領域は、ディスプレイの縁部と第1の連続領域との間に位置する。
【0008】
いくつかの実現例では、第2の連続領域の画素密度は、第1の連続領域の画素密度の25%~75%の範囲内である。
【0009】
いくつかの実現例では、第1の連続領域の、行の方向に沿った幅は、第2の連続領域の、行の方向に沿った幅よりも大きい。
【0010】
いくつかの実現例では、表示パネルは、表示パネルの縁部と第2の連続領域との間に第3の連続領域をさらに含み、第3の連続領域は発光画素を含まない。
【0011】
いくつかの実現例では、第3の連続領域の、行の方向に沿った幅は、第2の連続領域の、行の方向に沿った幅よりも小さい。
【0012】
いくつかの実現例では、第2の連続領域中の各行は、交互する発光画素およびGIP回路を含む。
【0013】
いくつかの実現例では、隣接する行における交互する発光画素およびGIP回路は、複数の列のうちの対応する列に配置される。
【0014】
いくつかの実現例では、隣接する行の交互する発光画素およびGIP回路は、市松模様パターンでオフセットされる。
【0015】
いくつかの実現例では、隣接する行の交互する発光画素およびGIP回路は、菱形パターンでオフセットされる。
【0016】
いくつかの実現例では、第2の連続領域内の行の各画素は、1つより多いGIP回路によって分離される。
【0017】
いくつかの実現例では、第2の連続領域内の行の各GIP回路は、1つより多い発光画素によって分離される。
【0018】
いくつかの実現例では、各発光画素は発光ダイオード(LED)を含む。
いくつかの実現例では、各LEDは有機LED(OLED)である。
【0019】
いくつかの実現例では、複数の信号線は、複数の走査線と複数の発光制御線とを含み、各走査線および各発光制御線は、対応する行に関連付けられる。
【0020】
いくつかの実現例では、各発光画素は複数の副画素を含み、各行は、複数の対応する発光制御線を有し、発光制御線は、複数の副画素の各々に対して1つであり、発光制御線の各々は、対応する行において発光画素の各々の対応する副画素を電気的に接続する。
【0021】
いくつかの実現例では、各発光画素は複数の副画素を含み、副画素の各々は複数の信号線のうちのある信号線に接続される。
【0022】
いくつかの実現例では、各発光画素は、少なくとも1つの薄膜トランジスタ(TFT)を含み、複数のデータ線のうちのあるデータ線は、そのデータ線が電気的に接続される各発光画素のTFTに接続され、複数の信号線のうちのある信号線は、その信号線が電気的に接続される各発光画素のTFTに接続される。
【0023】
いくつかの実現例では、第1の連続領域中のデータ線の各々は、対応する列の発光画素の各々を電気的に接続し、第2の連続領域中のデータ線の各々は、複数の列の発光画素を電気的に接続する。
【0024】
いくつかの実現例では、第2の連続領域内のデータ線は、第1の列の奇数行ごとの発光画素の各々と、第2の列の偶数行ごとの発光画素の各々とに電気的に接続する。
【発明の効果】
【0025】
有利な実現例は、以下の特徴のうちの1つ以上を含むことができる。例えば、非表示領域(例えばベゼル)ではなくアクティブな表示領域にGIP回路を設けることで、アクティブな表示領域のサイズを大きくし、非表示領域のサイズを小さくすることができる。アクティブな表示領域のこの拡張は、例えば、そのようなディスプレイを収容するデバイスの機能性および美観を改善する、より小さなベゼルを含む、いくつかの利益を提供し、同じ有効表示サイズを有する、より小さいデバイスの作成を可能にする。具体的には、これらの技法は、表示装置のベゼルのサイズを50%から75%超縮小するために用いられ得る。同じ有効表示サイズを有する、より小さいデバイスを有することは、例えば、必要とされる材料の量の低減、人間工学的改善、美観の改善といった、それ自体の利点のセットを提供する。
【0026】
さらに、第1のアクティブな表示領域(例えば、フル解像度表示領域)と表示装置のベゼルとの間に拡張された表示領域(例えば、低解像度表示領域)を配置することは、拡張された表示領域を異なる位置に配置することと比較して、表示装置およびそのようなディスプレイを収容するデバイスの美観を改選し、なぜならば、人間の目は、例えば、表示装置の中心よりも、表示装置の縁部においての方が、不均一性に対して、より敏感でないからである。
【0027】
本発明の1つ以上の実施形態の詳細は、添付の図面および以下の記載において記載される。本発明の他の特徴および利点は、明細書の記載、図面、および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】発光画素およびGIP回路を有するディスプレイの例示的な概略ブロック図である。
図2】複数のアクティブな表示領域を有するディスプレイを示す例示的な図である。
図3A】個別ゲートインパネルのアクティブな表示領域を有するディスプレイのアクティブな表示領域の例示的な図である。
図3B】個別ゲートインパネルのアクティブな表示領域を有するディスプレイのアクティブな表示領域の例示的な図である。
図3C】個別ゲートインパネルのアクティブな表示領域を有するディスプレイのアクティブな表示領域の例示的な図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
様々な図面における同様の参照番号および名称は、同様の要素を示す。
詳細な説明
ディスプレイは、アクティブな表示領域と、拡張されたアクティブな表示領域と、例えば1mm以下の薄いベゼルとを含む。拡張されたアクティブな表示領域は、ゲートインパネル(GIP)回路と、発光ダイオード(LED)(たとえば、マイクロLED)または有機発光ダイオード(OLED)(たとえば、マイクロLED)などの埋込み発光画素とを含む。拡張されたアクティブな表示領域内にGIP回路を設ける結果、ディスプレイは、ベゼル領域が低減され、アクティブな表示領域と拡張されたアクティブな表示領域との組み合わせによって形成される全体的なアクティブな表示領域が増加し、アクティブな表示領域と比較して拡張されたアクティブな表示領域内の解像度がより低くなる。
【0030】
図1は、発光画素およびGIP回路を有する例示的なディスプレイ100の概略ブロック図である。ディスプレイ100は、アクティブな表示領域110と、プロセッサ104およびメモリ106を有するコントローラ102と、ソースまたはデータドライバ108と、多数のGIP回路112と、多数の発光画素116とを含む。加えて、ディスプレイ100は、画素116に電気的に接続され、それに電力を提供する電源を含む。画素116は、複数の行および列を有する、アクティブな表示領域110内のアレイとして配列される。アクティブな表示領域110の一部において、GIP回路112は、各行がGIP回路112のうちの少なくとも1つのGIP回路を含むように、画素116のアレイに設けられる。
【0031】
GIP回路112は、各画素116が電気的に接続されるゲート線114にゲート信号を供給する。ゲート線114を介して、画素116はゲート信号を受け取る。ゲート信号は、走査信号および発光制御(EM)信号を含む。したがって、GIP回路112は、スキャンドライバおよびEMドライバとして機能する。具体的には、ある特定の行のGIP回路は、その行の画素のための走査ドライバおよびEMドライバとして機能する。GIP回路112は、1つ以上の薄膜トランジスタ(TFT)を含んでもよい。
【0032】
画素116は、発光ダイオード(LED)、有機発光ダイオード(OLED)、マイクロ発光ダイオード(マイクロLED)、またはマイクロ有機発光ダイオード(マイクロOLED)であってもよい。各画素116は、2つ以上の副画素要素を含んでいてもよい。例えば、画素116の各々は、1つ以上の赤色マイクロLED、1つ以上の緑色マイクロLED、および1つ以上の青色マイクロLEDを含んでもよい。画素116の各々は、1つ以上のTFTを含んでもよい。例えば、各画素116は、1つ以上の回路切換用TFT、および駆動用TFTを有していてもよい。画素116の各々は、1つ以上のキャパシタ、たとえばストレージキャパシタなどの他の電子構成要素を含んでもよい。
【0033】
図1の例に示されるようなディスプレイ100のアクティブな表示領域110は、数百個、数千個、または数百万個の画素116を含んでもよい。同様に、ディスプレイ100のアクティブな表示領域110は、数百個または数千個のGIP回路112を含んでもよい。
【0034】
コントローラ102は、画像データをデータドライバ108に提供し、データドライバ108の動作を制御してもよい。画像データは、クロック信号などのタイミング情報を含んでもよい。代替的に、コントローラ102は、クロック信号などのタイミング情報をデータドライバ108に与えてもよい。コントローラ102は、プロセッサ104およびメモリ106を含んでもよい。
【0035】
データドライバ108は、コントローラ102から画像データを受け取る。データドライバ108は、クロック信号をクロック線118を介してGIP回路112に供給してもよい。データドライバ108は、画像データをデータ線120を介して画素116に供給してもよい。
【0036】
本文書に開示される技法は、ベゼルまたは非表示領域に対するアクティブな表示領域の比率がより大きい表示装置に提供するために使用されることができる。拡張されたアクティブな表示領域内にGIP回路を設け、その領域を発光画素で埋め込むことによって、表示装置のアクティブな表示領域の量を増加させることができ、ディスプレイのベゼル領域を低減させることができる。具体的には、これらの技法は、表示装置のベゼルのサイズを50%から75%超縮小するために使用され得る。アクティブな表示領域を増大させることおよび/またはベゼル領域のサイズを低減することは、ユーザ体験を改善し、ディスプレイおよび/またはディスプレイを含むデバイスの美観を改善するという利益が追加される。
【0037】
アクティブな表示領域を増やすことおよび/またはベゼル領域のサイズを縮小することは、デバイスサイズの縮小も可能にする。例えば、ベゼル領域に対するアクティブな表示領域の比率がより大きい、より小さいディスプレイを有するデバイス、例えば、拡張されたアクティブな表示領域を有するデバイスは、ベゼル領域に対するアクティブな表示領域の比率がより小さい、より大きいディスプレイを有する、より大きいデバイスと同じアクティブな表示領域を有することができる。したがって、より大きなデバイスの代わりに、改善された表示を有する、より小さなデバイスを選択してもよい。より小さいデバイスの利点は、例えば、材料要件およびコストの低減、重量の低減、人間工学的改善などを含む。
【0038】
図1に示されるように、ディスプレイ100は、受け取られた画像データに少なくとも部分的に基づいて、それのアクティブな表示領域110内の画素116の輝度を制御することによって、画像フレームを表示してもよい。画像フレームの表示を容易にするために、コントローラ102は、画像データをデータドライバ108に提供し、タイミングコントローラが、画像データに少なくとも部分的に基づいて、クロック信号を決定して、クロック線118を介してGIPゲートドライバに送信してもよい。例として、タイミングコントローラは、データドライバ108に含まれてもよい。別の例として、タイミングコントローラは、コントローラ102に含まれてもよい。この例では、コントローラ102は、タイミング情報および画像データをデータドライバ108に供給してもよい。代替的に、タイミング情報は、画像データの一部として含まれてもよい。
【0039】
コントローラ102からデータドライバ108によって受信される画像データは、画像フレームを表示するための1つ以上の表示画素116の所望の輝度を示してもよい。データドライバ108は、画像データを分析して、GIP回路112に提供されるクロック信号を決定してもよい。クロック信号を決定することは、画像データがどの表示画素116に対応するかに少なくとも部分的に基づいてもよい。データドライバ108は、クロック信号をクロック線118を介してGIP回路112に送信してもよい。代替的に、タイミングコントローラがコントローラ102の一部として含まれる場合、コントローラ102は、クロック信号を、データドライバ108を介してではなく、直接GIP回路112に与えてもよい。図3A図3Cに関して以下でより詳細に説明するように、クロック線は概して、ゲート線114に対して垂直に走る。受信されたクロック信号に少なくとも部分的に基づいて、GIP回路112は、次いで、ゲート線114を介して画素116内の画素の行を活性化するためにゲート活性化信号を送信してもよい。例えば、GIP回路112aは、ゲート線114aを介して第1の行の画素116aを活性化してもよい。GIP回路112bは、ゲート線114bを介して第2の行の画素116bを活性化してもよい。GIP回路112cは、ゲート線114cを介して最終行の画素116bを活性化してもよい。ゲート線114の各々は、走査線およびEM線を含んでもよい。たとえば、ゲート線114aは、ディスプレイ100の第1の走査線および第1のEM線を含んでもよく、ゲート線114bは、ディスプレイ100の第2の走査線および第2のEM線を含んでもよく、ゲート線114cは、ディスプレイ100の最終走査線および最終EM線を含んでもよい。
【0040】
活性化されると、画素116のうちの1つ以上の画素の輝度が、データ線120を介して受信される画像データによって調整されてもよい。いくつかの実施形態では、データドライバ108は、コントローラ102からデジタル画像データを受け取ることによって電圧データを生成してもよい。次いで、データドライバ108は、画像データを、活性化された表示画素116に供給してもよい。したがって、図示のように、画素116の各表示画素は、ゲート線114のうちのあるゲート線(たとえば走査線)とデータ線120のうちのあるデータ線(たとえばソース線)との交点に位置してもよい。受け取られた画像データに基づいて、表示画素116のうちの1つ以上は、電源から供給される電力を用いて、それらの輝度を調整してもよい。
【0041】
画素116における各表示画素は、1つ以上の回路切換用薄膜トランジスタ(TFT)と、ストレージキャパシタと、複数の副画素要素からなってもよいLEDと、駆動用TFTとを含んでもよい。各表示画素はまた、1つ以上の追加のキャパシタ、たとえば、駆動用TFTのゲートとLEDとの間のゲートソースキャパシタなどの追加の構成要素を含んでもよい。輝度の調整を容易にするために、各画素116の駆動用TFTおよび各画素116の1つ以上の回路切換用TFTは、各々、そのそれぞれのゲートに印加される電圧によってオンオフが制御可能な切換素子として機能してもよい。例として、画素116aの行の所与の画素の回路切換用TFTのゲートは、ゲート線114aに電気的に接続されてもよい。画素の回路切換用TFTのソースは、データ線120aなどの、データ線120の1つに電気的に結合されてもよい。したがって、画素の回路切換用TFTが、閾値電圧を超えるゲート活性化信号をゲート線114aから受け取ると、回路切換用TFTは、オンになり、それによって、画素を活性化し、そのストレージキャパシタを、そのデータ線120aで受け取られた画像データで充電してもよい。ゲート活性化信号は、GIP回路112aによって提供されてもよい。
【0042】
具体的には、ゲート活性化信号は、ゲート線114aの走査線を介して供給される走査信号であってもよい。ゲート線114aの走査線に走査信号が供給されると、ディスプレイ100の画素116aの行の画素のうちの1つ以上が選択され、それぞれ、データ線120から供給されるデータ信号を受け取る。それぞれのデータ信号を受け取った画素116aの行の画素は、データ信号に応じた輝度で光を生成し、それによって、画像(例えば所定の画像)を表示する。ここで、各画素の発光時間は、ゲート線114aのEM線から供給されるEM信号によって制御される。画素116aの行における1つ以上の画素に供給されるEM信号は、GIP回路112aによって与えられてもよい。一般に、EM信号は、1本または2本の走査線に供給される走査信号と重なり、データ信号が供給される画素を非発光状態とする。
【0043】
いくつかの実施形態では、所与の画素のための駆動用TFTのゲートは、ストレージキャパシタに電気的に結合される。本実施形態において、ストレージキャパシタの電圧は、駆動用TFTの動作を制御してもよい。例として、駆動用TFTは、電源から画素の対応するLEDを通って流れる供給電流の大きさを制御するために、活性領域において動作されてもよい。ゲート-ソース間電圧差(例えば、ストレージキャパシタ電圧)の大きさがその閾値電圧を上回って増加すると、駆動用TFTは、電力を伝導するために利用可能なそれのチャネルの量を増加させ、それによって、LEDに流れる供給電流を増加させてもよい。ゲート-ソース間電圧差の大きさが、依然としてそれの閾値電圧を上回りながら減少するにつれて、駆動用TFTは、電力を伝導するために利用可能なそれのチャネルの量を減少させ、それによって、LEDに流れる供給電流を減少させてもよい。このようにして、ディスプレイ100は、画像フレームを表示するために各表示画素116の輝度を制御してもよい。
【0044】
図示されるように、画素116は、複数の行および複数の列を有する、アクティブな表示領域110内のアレイとして配列される。図2に関して以下でより詳細に説明するように、アクティブな表示領域110の第1の部分において、複数のGIP回路112は、各行が複数のGIP回路112のうちの少なくとも1つのGIP回路を含むように、画素116のアレイに設けられる。アクティブな表示領域110は、GIP回路を含まない第2の部分を含んでもよい。アクティブな表示領域110のこの第2の部分は、画素およびそれらの対応する回路のみを含んでもよい。上述したように、GIP回路112は、たとえば走査信号およびEM信号を含むゲート信号を画素116に供給する。GIP回路112は、各々TFTを含んでもよく、アクティブな表示領域110の境界において、隣接する画素間、例えば同じ画素行の画素間に設けられてもよい。
【0045】
GIP回路112は、データドライバ108からクロック線118を介してクロック信号を受信してもよい。GIP回路112は、それらが画素116に提供するゲート信号を生成する際に、クロック信号を用いてもよい。いくつかの実現例では、クロック信号は、コントローラ102によってデータドライバ108に与えられていることがある。いくつかの実現例では、コントローラ102は、クロック信号を、データドライバ108を通してではなく、直接GIP回路112に与えてもよい。
【0046】
図2は、複数のアクティブな表示領域を有するディスプレイ200を示す例示的な図である。いくつかの実現例では、ディスプレイ200は、図1に示すディスプレイ100である。
【0047】
ディスプレイ200は、非表示領域であるベゼル領域202と、アクティブな表示領域210とを含む。ベゼル領域202は、発光画素を含まない。しかしながら、ベゼル領域202は、ディスプレイ200のいくつかの構成要素を収容してもよい。例えば、電源線または封入構造が、ベゼル領域202内に配置されてもよい。
【0048】
アクティブな表示領域210は、第1のアクティブな表示領域222と拡張されたアクティブな表示領域224とを含む。アクティブな表示領域210は、発光画素のアレイを含んでもよい。いくつかの実現例では、アクティブな表示領域210は、図1に示すアクティブな表示領域110である。いくつかの実現例では、アクティブな表示領域210は、図3Aに示すアクティブな表示領域310aである。いくつかの実現例では、アクティブな表示領域210は、図3Bに示すアクティブな表示領域310bである。いくつかの実現例では、アクティブな表示領域210は、図3Cに示すアクティブな表示領域310cである。
【0049】
いくつかの実現例では、ベゼル領域202は、アクティブな表示領域の幅よりも小さい幅を有する。いくつかの実現例では、ベゼル領域202は、1mm未満の幅を有する。
【0050】
アクティブな表示領域222は、埋込み画素を個別GIP回路なしで有するアクティブな表示領域210の一部に対応する。拡張されたアクティブな表示領域224は、埋込み画素を個別GIP回路とともに有するアクティブな表示領域210の一部に対応する。拡張されたアクティブな表示領域224は、ディスプレイ200の縁部とアクティブな表示領域222との間に位置する。例えば、拡張されたアクティブな表示領域224は、ディスプレイ200のベゼル領域202とアクティブな表示領域222との間に位置する。GIP回路は、拡張されたアクティブな表示領域224内の隣接する画素間に設けられてもよい。したがって、拡張されたアクティブな表示領域224内には個別GIP回路によって占有されるいくらかの空間があるため、アクティブな表示領域222は、拡張されたアクティブな表示領域224の解像度よりも大きい解像度、例えば、画素密度を有することが可能である。すなわち、アクティブな表示領域222は、拡張されたアクティブな表示領域224よりも高密度の画素を収容することができる。具体的には、拡張されたアクティブな表示領域224の解像度は、アクティブな表示領域222の最大可能解像度の25%~75%に達し得る。したがって、拡張されたアクティブな表示領域224は、アクティブな表示領域222の解像度または画素密度の25%~75%である解像度または画素密度を有してもよい。拡張されたアクティブな表示領域224の解像度は、拡張されたアクティブな表示領域224内のGIP回路の密度と、拡張されたアクティブな表示領域224内のGIP回路および画素の配置とに依存してもよい。
【0051】
アクティブな表示領域222は、拡張されたアクティブな表示領域224の幅よりも大きい幅を有してもよい。図示のように、アクティブな表示領域222は、拡張されたアクティブな表示領域224の幅よりも大きい幅を有する。両方のアクティブな表示領域222および224の幅は、アクティブな表示領域210の画素のアレイにおける画素の行の方向にあるように定義されてもよい(図3A図3C参照)。同様に、アクティブな表示領域222は、拡張されたアクティブな表示領域224の面積よりも大きい面積を有してもよい。加えて、アクティブな表示領域222は、ベゼル領域202の幅よりも大きい幅、例えば、1mm以上の幅を有してもよい。さらに、拡張されたアクティブな表示領域224は、ベゼル領域202の幅よりも大きい幅、たとえば、1mm以上の幅を有してもよい。
【0052】
アクティブな表示領域222が拡張されたアクティブな表示領域224よりも高い画素密度を有することに起因して、および/またはアクティブな表示領域222が拡張されたアクティブな表示領域224よりも大きい面積を占有することに起因して、アクティブな表示領域222は、ディスプレイ200の画素の大部分または膨大な大部分を含んでもよい。膨大な大部分の画素は、例えば、全画素の75%以上、全画素の80%以上、全画素の90%以上、全画素の95%以上、全画素の97%以上、全画素の97%以上などとして定義されてもよい。
【0053】
図3A図3Cは、個別ゲートインパネルのアクティブな表示領域を有するディスプレイのアクティブな表示領域の例の図である。
【0054】
図3Aは、表示装置のアクティブな表示領域310aを示す。アクティブな表示領域310aは、画素116のアレイを含む。表示装置は、図1に示すディスプレイ100であってもよい。表示装置は、図2に示すディスプレイ200であってもよい。アクティブな表示領域310aは、アクティブな表示領域322aおよび拡張されたアクティブな表示領域324aを含む。拡張されたアクティブな表示領域324aは、画素316の埋込み画素を、個別GIP回路312のすべてとともに含む。アクティブな表示領域322aは、個別GIP回路312のいずれも含まない。代わりに、アクティブな表示領域は、画素316の一部のみ、およびそれらのそれぞれの回路を含む。
【0055】
拡張されたアクティブな表示領域324a内の各行は、複数の画素316のうちの少なくとも1つの発光画素によって分離された、複数のGIP回路312のうちの少なくとも2つのGIP回路(ここでは、各行は3つのGIP回路を含む)を含む。各行のGIP回路は、拡張されたアクティブな表示領域324aおよびアクティブな表示領域322aの両方における対応する行の発光画素に信号を提供するよう構成される。例えば、第2の行の画素に対応するGIP回路312bは、ゲート線314bを介して画素316bの行の画素の各々にゲート信号を供給するよう構成される。具体的には、GIP回路312bは、画素316bの行の画素の各々に、走査線330bを介して走査信号を供給し、EM線332bを介してEM信号を供給してもよい。
【0056】
図3Aに示されるように、拡張されたアクティブな表示領域324aは、所与の行の画素およびGIP回路が、後続の行の画素およびGIP回路に対して1だけオフセットされるように、市松模様パターンに配置される。図示のように、アクティブな表示領域310aの第1の行は、画素316aおよびGIP回路312aの行を含む。例として、拡張されたアクティブな表示領域324aは、第1の行の配置については、第1の行が画素で始まり、第1のGIP回路が続き、第2の画素が続き、第2のGIP回路が続き、第3の画素が続き、第3のGIP回路が続き、...というように配置される。アクティブな表示領域310aの第2の行は、画素316bおよびGIP回路312bの行を含む。拡張されたアクティブな表示領域324a内の第2の行の画素およびGIP回路は、拡張されたアクティブな表示領域324a内の前行(例えば第1の行)ならびに後続行の画素およびGIP回路に対して1だけオフセットされ、それによって、拡張されたアクティブな表示領域324aの残りの全体にわたって連続する市松模様パターンを形成する。例えば、拡張されたアクティブな表示領域324aは、第2の行の配置については、第2の行がGIP回路で始まり、画素が続き、第2のGIP回路が続き、第2の画素が続き、第3のGIP回路が続き、第3の画素が続き、...というように配置される。
【0057】
この市松模様配置では、アクティブな表示領域322a内の複数のデータ線320のうちの各データ線、例えばデータ線320e~320iの各々は、対応する列の発光画素の各々を電気的に接続する。例えば、データ線320eは、アクティブな表示領域310aの画素アレイの7列目の発光画素の各々を電気的に接続する。
【0058】
この市松模様配置では、拡張されたアクティブな表示領域324a内の複数のデータ線320のうちの各データ線、例えばデータ線320a~320dの各々は、複数の対応する列の発光画素の各々を電気的に接続する。たとえば、データ線320aは、アクティブな表示領域310aの画素アレイの第1および第2の列の発光画素の各々を電気的に接続する。
【0059】
画素316の各々は、データ線320のうちの1つに電気的に結合される。データ線320は概して垂直であるが、それらは、拡張されたアクティブな表示領域324aが図示のように市松模様パターンで配置される場合のように、アクティブな表示領域310aの画素アレイの複数の列の画素に電気的に結合されてもよい。画素316は、ゲート線314にも電気的に結合される。ゲート線314は、各々、複数の走査線330のそれぞれの走査線および複数のEM線332のうちのEM線を含む。したがって、画素316の各々は、走査線330のうちのある走査線およびEM線332のうちのあるEM線に電気的に結合される。たとえば、画素316aの行の画素の各々は、走査線330aおよびEM線332aに電気的に結合される。
【0060】
各GIP回路312は、クロック線118のうちのあるクロック線に電気的に接続される。GIP回路312は、ゲート線314にも電気的に結合される。したがって、GIP回路312の各々は、複数の走査線330のうちのある走査線および複数のEM線332のうちのあるEM線に電気的に結合され、それを通してGIP回路312は信号を画素316に提供することができる。
【0061】
図3Bは、表示装置のアクティブな表示領域310bを示す。アクティブな表示領域310bは、画素116のアレイを含む。表示装置は、図1に示す表示装置100であってもよい。表示装置は、図2に示す表示装置200であってもよい。アクティブな表示領域310bは、アクティブな表示領域322bおよび拡張されたアクティブな表示領域324bを含む。拡張されたアクティブな表示領域324bは、画素316の埋込み画素を、個別GIP回路312のすべてとともに含む。アクティブな表示領域322bは、個別GIP回路312のいずれも含まない。代わりに、アクティブな表示領域は、画素316の一部のみ、およびそれらのそれぞれの回路を含む。
【0062】
拡張されたアクティブな表示領域324b内の各行は、画素316のうちの少なくとも1つの発光画素によって分離されたGIP回路312のうちの少なくとも2つのGIP回路(ここでは、各行は3つのGIP回路を含む)を含む。各行のGIP回路は、拡張されたアクティブな表示領域324bおよびアクティブな表示領域322bの両方における対応する行の発光画素に信号を提供するよう構成される。例えば、第2の行の画素に対応するGIP回路312bは、ゲート線314bを介して画素316bの行の画素の各々にゲート信号を供給するよう構成される。具体的には、GIP回路312bは、画素316bの行の画素の各々に、走査線330bを介して走査信号を供給し、EM線332bを介してEM信号を供給してもよい。
【0063】
図3Bに示されるように、拡張されたアクティブな表示領域324bは、拡張されたアクティブな表示領域324b内の所与の列が画素またはGIP回路のいずれかを含むが、両方は含まないように、ストライプパターンで配置される。図示のように、アクティブな表示領域310aの第1の行は、画素316aおよびGIP回路312aの行を含む。例として、拡張されたアクティブな表示領域324bは、第1の行の配置については、第1の行が画素で始まり、第1のGIP回路が続き、第2の画素が続き、第2のGIP回路が続き、第3の画素が続き、第3のGIP回路が続き、...というように配置される。アクティブな表示領域310bの第2の行は、画素316bおよびGIP回路312bの行を含む。拡張されたアクティブな表示領域324b内の第2の行の画素およびGIP回路は、拡張されたアクティブな表示領域324b内の前行(例えば第1の行)ならびに後続行の画素およびGIP回路に対してオフセットされず、それによって、拡張されたアクティブな表示領域324bの残りの全体にわたって連続するストライプパターンを形成する。例えば、拡張されたアクティブな表示領域324bは、第2の行の配置については、第2の行が画素で始まり、GIP回路が続き、第2の画素が続き、第2のGIP回路が続き、第3の画素が続き、第3のGIP回路が続き、...というように配置される。
【0064】
このストライプ配列では、アクティブな表示領域322b内の複数のデータ線320のうちの各データ線、例えばデータ線320e~320iの各々は、対応する列の発光画素の各々を電気的に接続する。例えば、データ線320eは、アクティブな表示領域310bの画素アレイ(ここで、各列は、画素またはGIP回路のいずれかを特徴とする)の7列目の発光画素の各々を電気的に接続する。
【0065】
このストライプ配置では、拡張されたアクティブな表示領域324b内の複数のデータ線320のうちの各データ線、例えばデータ線320a~320dの各々も、対応する列の発光画素の各々を電気的に接続する。例えば、データ線320aは、アクティブな表示領域310bの画素アレイの第1の列における発光画素の各々を電気的に接続する。
【0066】
画素316の各々は、データ線320のうちの1つに電気的に結合される。拡張されたアクティブな表示領域324bが図示のようにストライプパターンに配置される場合、データ線320は垂直であり、1列の画素に電気的に接続される。画素316は、ゲート線314にも電気的に結合される。ゲート線314は、各々、複数の走査線330のそれぞれの走査線および複数のEM線332のうちのEM線を含む。したがって、画素316の各々は、複数の走査線330のうちのある走査線および複数のEM線332のうちのあるEM線に電気的に結合される。たとえば、画素316aの行の画素の各々は、走査線330aおよびEM線332aに電気的に結合される。
【0067】
各GIP回路312は、複数のクロック線118のうちのあるクロック線に電気的に接続される。GIP回路312は、ゲート線314にも電気的に結合される。したがって、GIP回路312の各々は、複数の走査線330のうちのある走査線および複数のEM線332のうちのあるEM線に電気的に結合され、それを通してGIP回路312は信号を画素316に提供することができる。
【0068】
図3Cは、表示装置のアクティブな表示領域310cを示す。アクティブな表示領域310cは、画素116のアレイを含む。表示装置は、図1に示す表示装置100であってもよい。表示装置は、図2に示す表示装置200であってもよい。アクティブな表示領域310cは、アクティブな表示領域322cおよび拡張されたアクティブな表示領域324cを含む。拡張されたアクティブな表示領域324cは、画素316の埋込み画素を、個別GIP回路312のすべてとともに含む。アクティブな表示領域322cは、個別GIP回路312のいずれも含まない。代わりに、アクティブな表示領域は、画素316の一部のみ、およびそれらのそれぞれの回路を含む。
【0069】
拡張されたアクティブな表示領域324c内の各行は、複数の画素316のうちの少なくとも1つの発光画素によって分離された複数のGIP回路312のうちの少なくとも2つのGIP回路を含む。各行のGIP回路は、拡張されたアクティブな表示領域324cおよびアクティブな表示領域322cの両方における対応する行の発光画素に信号を提供するよう構成される。例えば、第2の行の画素に対応するGIP回路312bは、ゲート線314bを介して画素316bの行の画素の各々にゲート信号を供給するよう構成される。具体的には、GIP回路312bは、画素316bの行の画素の各々に、走査線330bを介して走査信号を供給し、EM線332bを介してEM信号を供給してもよい。
【0070】
図3Cに示すように、拡張されたアクティブな表示領域324cは、拡張されたアクティブな表示領域324cにおいて、所与の行の1つ以上の画素が後続の行の1つ以上の画素と重なり、所与の行の1つ以上のGIP回路が後続の行の1つ以上の画素に重なるように、菱形パターンで配置される。図示のように、アクティブな表示領域310aの第1の行は、画素316aおよびGIP回路312aの行を含む。例として、拡張されたアクティブな表示領域324cは、第1の行の配置については、第1の行が画素で始まり、第1のGIP回路が続き、第2の画素が続き、第3の画素が続き、第2のGIP回路が続き、第4の画素が続き、...のように配置される。アクティブな表示領域310cの第2の行は、画素316bおよびGIP回路312bの行を含む。拡張されたアクティブな表示領域324c内の第2の行の画素およびGIP回路は、拡張されたアクティブな表示領域324c内の前行(例えば第1の行)ならびに後続行の画素およびGIP回路に関して上記で説明された配列に従い、それによって、拡張されたアクティブな表示領域324cの残りの全体にわたって継続する菱形パターンを形成する。例えば、拡張されたアクティブな表示領域324cは、第2の行の配置については、第2の行が画素で始まり、第2の画素が続き、GIP回路が続き、第3の画素が続き、第4の画素が続き、第2のGIP回路が続き、...のように配置される。
【0071】
この菱形配置では、アクティブな表示領域322c内の複数のデータ線320のうちの各データ線、例えばデータ線320f~320jの各々は、対応する列の発光画素の各々を電気的に接続する。例えば、データ線320fは、アクティブな表示領域310cの画素アレイの7列目の発光画素の各々を電気的に接続する。
【0072】
この菱形構成では、拡張されたアクティブな表示領域324c内の複数のデータ線320のうちの各データ線、例えばデータ線320a~320eの各々は、複数の対応する列の発光画素のうちの少なくともいくつかを電気的に接続する。例えば、データ線320aは、アクティブな表示領域310cの画素アレイの第1の列における発光画素の各々を電気的に接続し、アクティブな表示領域310cの画素アレイの第2の列における発光画素のうちのいくつかを電気的に接続する。
【0073】
画素316の各々は、複数のデータ線320のうちの1つに電気的に結合される。データ線320は、概して垂直であるが、拡張されたアクティブな表示領域324cが図示のように菱形パターンで配置される場合のように、アクティブな表示領域310cの画素アレイの複数の列の画素に電気的に結合されてもよい。画素316は、ゲート線314にも電気的に結合される。ゲート線314は、各々、複数の走査線330のそれぞれの走査線および複数のEM線332のうちのEM線を含む。したがって、画素316の各々は、複数の走査線330のうちのある走査線および複数のEM線332のうちのあるEM線に電気的に結合される。たとえば、画素316aの行の画素の各々は、走査線330aおよびEM線332aに電気的に結合される。
【0074】
各GIP回路312は、複数のクロック線118のうちのあるクロック線に電気的に接続される。GIP回路312は、ゲート線314にも電気的に結合される。したがって、GIP回路312の各々は、複数の走査線330のうちのある走査線および複数のEM線332のうちのあるEM線に電気的に結合され、それを通してGIP回路312は信号を画素316に提供することができる。
【0075】
いくつかの実現例では、図3A図3Cに示す画素316の各々は、複数の副画素要素を含む。これらの実現例では、所与の行のためのゲート線114の各々は、複数のEM線を含んでもよい。複数のEM線の各々は、画素のアレイの画素の行の各画素の特定の副画素要素に個々のEM信号を送信することが可能であってもよい。たとえば、ゲート線114aは、画素116aの第1の行に対応する3つのEM線を含んでもよい。第1の行の第1のEM線は、画素116aの行の画素の各々の赤色副画素要素に電気的に結合されてもよく、および/またはEM信号を当該赤色副画素要素に転送することが可能であってもよい。第1の行の第2のEM線は、画素116aの行の画素の各々の緑色副画素要素に電気的に結合されてもよく、および/またはEM信号を当該緑色副画素要素に送信することが可能であってもよい。第1の行の第3のEM線は、画素116aの行の画素の各々の青色副画素要素に電気的に結合されてもよく、および/またはEM信号を当該青色副画素要素に転送することが可能であってもよい。
【0076】
いくつかの実現例について説明した。それにもかかわらず、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、様々な修正がなされ得ることが理解されるであろう。例えば、上に示されたフローを、ステップを並べ替え、追加し、または除去して、様々な形態で用いてもよい。
【0077】
本発明の実施形態および本明細書に記載される機能的動作のすべては、デジタル電子回路において、または本明細書に開示される構造およびそれらの構造的等価物を含むコンピュータソフトウェア、ファームウェア、もしくはハードウェアにおいて、またはそれらの1つ以上の組み合わせにおいて実現されてもよい。本発明の実施形態は、1つ以上のコンピュータプログラム製品、たとえば、データ処理装置によって実行するために、またはデータ処理装置の動作を制御するために、コンピュータ可読媒体上にエンコードされたコンピュータプログラム命令の1つ以上のモジュールとして実現され得る。コンピュータ可読媒体は、機械可読記憶装置、機械可読記憶基板、メモリデバイス、機械可読伝搬信号をもたらす物質の組成、またはそれらの1つ以上の組み合わせとすることができる。「データ処理装置」という用語は、例として、プログラマブルプロセッサ、コンピュータ、または複数のプロセッサもしくはコンピュータを含む、データを処理するためのすべての装置、デバイス、および機械を包含する。装置は、ハードウェアに加えて、当該コンピュータプログラムのための実行環境を作成するコード、例えば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム、またはこれらの1つ以上の組合せを構成するコードを含むことができる。伝搬信号は、人工的に生成された信号、例えば、好適な受信機装置への送信のために情報をエンコードするために生成される、機械生成電気、光学、または電磁信号である。
【0078】
コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、スクリプトまたはコードとしても公知である)は、コンパイル型または解釈型言語を含む任意の形式のプログラミング言語で記述され得、それは、スタンドアロンプログラムとして、または、モジュール、コンポーネント、サブルーチン、もしくは、コンピューティング環境で使用するのに好適な他のユニットとして、任意の形態で展開され得る。コンピュータプログラムは、必ずしもファイルシステム内のファイルに対応するとは限らない。プログラムは、他のプログラムまたはデータを保持するファイルの一部分(例えば、マークアップ言語ドキュメントに格納された1つ以上のスクリプト)、当該プログラムに専用の単一ファイル、または複数の協調ファイル(たとえば、1つ以上のモジュール、サブプログラム、もしくはコードの一部を記憶するファイル)に記憶することができる。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ、または1つのサイトに位置し、もしくは複数のサイトにわたって分散され、通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータ上で実行されるように展開され得る。
【0079】
本明細書に記載されるプロセスおよび論理フローは、入力データを操作し出力を生成することにより機能を実行するよう1つ以上のプログラマブルプロセッサが1つ以上のコンピュータプログラムを実行することによって実行され得る。本プロセスおよび論理フローの実行、ならびに本装置の実施は、さらに、たとえばFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)またはASIC(特定用途向け集積回路)といった特殊目的論理回路系によってもなされ得る。
【0080】
コンピュータプログラムの実行に好適であるプロセッサは、例として、汎用マイクロプロセッサおよび特殊目的マイクロプロセッサの両方、ならびに任意の種類のデジタルコンピュータの任意の1つ以上のプロセッサを含む。一般に、プロセッサは、リードオンリメモリもしくはランダムアクセスメモリまたはその両方から命令およびデータを受取ることになる。コンピュータの必須要素は、命令を実行するためのプロセッサ、ならびに命令およびデータを記憶するための1つ以上のメモリデバイスである。一般に、コンピュータはさらに、たとえば磁気ディスク、光磁気ディスクまたは光ディスクといった、データを格納するための1つ以上の大容量記憶装置を含むか、当該1つ以上の大容量記憶装置からデータを受取るかもしくは当該1つ以上の大容量記憶装置にデータを転送するよう作動的に結合されるか、またはその両方を行うことにもなる。しかしながら、コンピュータはそのような装置を有する必要はない。さらに、コンピュータは、別のデバイス、たとえば、ほんの数例を挙げると、タブレットコンピュータ、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、モバイルオーディオプレーヤ、全地球測位システム(GPS)受信機に組み込まれ得る。コンピュータプログラム命令およびデータを記憶するのに好適なコンピュータ可読媒体は、例として、半導体メモリデバイス、たとえば、EPROM、EEPROM、およびフラッシュメモリデバイス;磁気ディスク、たとえば内蔵ハードディスクまたはリムーバブルディスク;光磁気ディスク;およびCD ROMおよびDVD-ROMディスクを含む、あらゆる形態の不揮発性メモリ、媒体、ならびにメモリデバイスを含む。プロセッサおよびメモリは、特殊目的論理回路によって補足され得るか、または特殊目的論理回路に組み込まれ得る。
【0081】
ユーザとの対話を提供するために、本発明の実施形態は、たとえばCRT(陰極線管)またはLCD(液晶ディスプレイ)モニタといったユーザに対して情報を表示するための表示デバイスと、たとえばマウス、トラックボールといったユーザがコンピュータに入力を提供可能であるキーボードおよびポインティングデバイスとを有するコンピュータ上で実現され得る。他の種類のデバイスを用いて、ユーザとの対話を提供することもでき、たとえば、ユーザに提供されるフィードバックは、任意の形態の感覚フィードバック、たとえば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、または触覚フィードバックであり得、ユーザからの入力は、音響入力、音声入力、または触覚入力を含む、任意の形態で受信することができる。
【0082】
本発明の実施形態は、たとえばデータサーバとしてバックエンドコンポーネントを含む計算システムにおいて実現され得るか、たとえばアプリケーションサーバといったミドルウェアコンポーネントを含む計算システムにおいて実現され得るか、たとえば本発明の実現例とユーザが対話することが可能であるグラフィカルユーザーインターフェイスもしくはウェブブラウザを有するクライアントコンピュータといったフロントエンドコンポーネントを含む計算システムにおいて実現され得るか、または1つ以上のそのようなバックエンドコンポーネント、ミドルウェアコンポーネントもしくはフロントエンドコンポーネントの任意の組合せの計算システムにおいて実現され得る。システムのコンポーネントは、たとえば通信ネットワークといったデジタルデータ通信の任意の形態または媒体によって相互接続され得る。通信ネットワークの例は、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)および広域ネットワーク(「WAN」)、例えばインターネットを含む。
【0083】
コンピューティングシステムは、クライアントおよびサーバを含むことができる。クライアントとサーバとは一般に互いから遠隔にあり、典型的には通信ネットワークを通じて対話する。クライアントとサーバとの関係は、それぞれのコンピュータ上で実行されるとともに互いに対してクライアント-サーバ関係を有するコンピュータプログラムによって生ずる。
【0084】
本明細書は多くの詳細を含むが、これらは、本発明の範囲または特許請求され得るものの範囲に対する限定として解釈されるべきではなく、むしろ、本発明の特定の実施形態に特有の特徴の説明として解釈されるべきである。本明細書において別々の実施形態の文脈で記載される特定の特徴は、単一の実施形態において組合せでも実現され得る。反対に、単一の実施形態の文脈において記載されるさまざまな特徴は、複数の実施形態において別々に、または任意の好適な部分的組合わせでも実現され得る。さらに、特徴は、ある組合せにおいて作用すると上で記載され、最初はそのように請求されていさえする場合もあるが、請求される組合せからの1つ以上の特徴はいくつかの場合には当該組合せから削除され得、請求される組合せは、部分的組合わせまたは部分的組合わせの変形例に向けられ得る。
【0085】
同様に、動作が図においては特定の順に示されているが、そのような動作は、望ましい結果を達成するために、示された当該特定の順もしくは連続した順で実行される必要があると理解されるべきではなく、または、すべての示された動作が実行される必要があると理解されるべきではない。特定の状況では、マルチタスク化および並列処理化が有利である場合もある。さらに、上述の実施形態における様々なシステムコンポーネントの分離は、すべての実施形態においてそのような分離を必要とすると理解されるべきではなく、記載されるプログラムコンポーネントおよびシステムは一般に単一のソフトウェア製品に統合され得るかまたは複数のソフトウェア製品にパッケージ化され得ることが理解されるべきである。
【0086】
HTMLファイルが言及される各事例では、他のファイルタイプまたはフォーマットが代用されてもよい。たとえば、HTMLファイルは、XML、JSON、平文、または他のタイプのファイルによって置き換えられてもよい。さらに、テーブルまたはハッシュテーブルが言及される場合、他のデータ構造(スプレッドシート、リレーショナルデータベース、または構造化ファイルなど)を用いてもよい。
【0087】
本発明の特定の実施形態について説明してきた。他の実施形態は以下の請求の範囲内にある。たとえば、請求項において記載されるステップは、異なる順で実行され得、それでも望ましい結果を達成し得る。
図1
図2
図3A
図3B
図3C