IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 華為技術有限公司の特許一覧

特許7407292ワイヤレス充電方法、送信端装置、及びワイヤレス充電装置
<>
  • 特許-ワイヤレス充電方法、送信端装置、及びワイヤレス充電装置 図1
  • 特許-ワイヤレス充電方法、送信端装置、及びワイヤレス充電装置 図2
  • 特許-ワイヤレス充電方法、送信端装置、及びワイヤレス充電装置 図3
  • 特許-ワイヤレス充電方法、送信端装置、及びワイヤレス充電装置 図4
  • 特許-ワイヤレス充電方法、送信端装置、及びワイヤレス充電装置 図5
  • 特許-ワイヤレス充電方法、送信端装置、及びワイヤレス充電装置 図6
  • 特許-ワイヤレス充電方法、送信端装置、及びワイヤレス充電装置 図7
  • 特許-ワイヤレス充電方法、送信端装置、及びワイヤレス充電装置 図8
  • 特許-ワイヤレス充電方法、送信端装置、及びワイヤレス充電装置 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-20
(45)【発行日】2023-12-28
(54)【発明の名称】ワイヤレス充電方法、送信端装置、及びワイヤレス充電装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20231221BHJP
   H02J 50/20 20160101ALI20231221BHJP
   H02J 50/40 20160101ALI20231221BHJP
   H02J 50/80 20160101ALI20231221BHJP
【FI】
H02J7/00 301D
H02J50/20
H02J50/40
H02J50/80
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2022540497
(86)(22)【出願日】2019-12-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-02
(86)【国際出願番号】 CN2019130805
(87)【国際公開番号】W WO2021134611
(87)【国際公開日】2021-07-08
【審査請求日】2022-07-28
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ヨーンジュイン
【審査官】高野 誠治
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-523453(JP,A)
【文献】特開2018-082568(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0259447(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第106992813(CN,A)
【文献】特表2014-516243(JP,A)
【文献】特開2018-129875(JP,A)
【文献】特開2016-181953(JP,A)
【文献】特開2014-212603(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
H02J 50/00 -50/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信端装置により、ワイヤレス充電装置から第1の電磁波信号を受信し、
前記送信端装置により、前記第1の電磁波信号の全て又は一部に対して電力増幅を実行して、第3の電磁波信号を取得し、
前記送信端装置により、前記第3の電磁波信号を前記ワイヤレス充電装置に送信し、前記第3の電磁波信号が、前記ワイヤレス充電装置を充電するのに使用され、
前記送信端装置により、前記ワイヤレス充電装置から、前記第3の電磁波信号を分割した一部である第5の電磁波信号を受信する、
ことを有する方法。
【請求項2】
前記送信端装置により、前記第1の電磁波信号の全て又は一部に対して電力増幅を実行して、第3の電磁波信号を取得することは、
前記第1の電磁波信号を分割して第2の電磁波信号及び第4の電磁波信号を取得し、
前記送信端装置により、前記第4の電磁波信号に基づいて利得係数を決定し、
前記送信端装置により、前記利得係数に基づいて前記第2の電磁波信号に対して電力増幅を実行して、前記第3の電磁波信号を取得する、
ことを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
当該方法は更に
記第5の電磁波信号の信号強度が所定値以下であるとき、前記送信端装置により、前記ワイヤレス充電装置を充電することを停止する、
ことを有する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
当該方法は更に、
前記送信端装置により、前記ワイヤレス充電装置から充電接続要求を受信し、前記充電接続要求は、前記ワイヤレス充電装置の充電電力要求情報を有し、
前記送信端装置により、前記充電電力要求情報に基づいて、前記送信端装置が前記ワイヤレス充電装置を充電することが可能であるかを決定し、
前記送信端装置により、充電接続応答メッセージを前記ワイヤレス充電装置に送信し、前記充電接続応答メッセージは、前記送信端装置が前記ワイヤレス充電装置を充電することが可能であるかを指し示す、
ことを有する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記送信端装置が前記ワイヤレス充電装置を充電することが可能でないことを前記充電接続応答メッセージが指し示すとき、前記充電接続応答メッセージは更に、充電接続を再構築するための遅延期間を有する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
当該方法は更に、
前記送信端装置により、充電ブロードキャスト情報を送信し、前記充電ブロードキャスト情報は、前記送信端装置の充電能力を有し、
前記送信端装置により、前記ワイヤレス充電装置から充電接続要求を受信し、前記充電接続要求は、前記ワイヤレス充電装置を充電することを要求するために使用される、
ことを有する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
ワイヤレス充電装置により、送信端装置から第3の電磁波信号を受信し、
前記ワイヤレス充電装置により、前記第3の電磁波信号を分割して、前記第3の電磁波信号を分割した一部である第5の電磁波信号及び前記第3の電磁波信号を分割した他の一部である第6の電磁波信号を取得し、
前記ワイヤレス充電装置により、前記第5の電磁波信号を前記送信端装置に送信し、
前記ワイヤレス充電装置により、前記第6の電磁波信号に基づいて充電を実行する、
ことを有する方法。
【請求項8】
当該方法は更に、
前記ワイヤレス充電装置により、充電接続要求を前記送信端装置に送信し、前記充電接続要求は、前記ワイヤレス充電装置の充電電力要求情報を有し、
前記ワイヤレス充電装置により、前記送信端装置から充電接続応答メッセージを受信し、前記充電接続応答メッセージは、前記送信端装置が前記ワイヤレス充電装置を充電することが可能であるかを指し示す、
ことを有する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記送信端装置が前記ワイヤレス充電装置を充電することが可能でないことを前記充電接続応答メッセージが指し示すとき、前記充電接続応答メッセージは更に、充電接続を再構築するための遅延期間を有し、当該方法は更に、
前記遅延期間が経過したときに、前記ワイヤレス充電装置により、前記充電接続要求を前記送信端装置に再送信する、
ことを有する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
当該方法は更に、
前記ワイヤレス充電装置により、充電ブロードキャスト情報を受信し、前記充電ブロードキャスト情報は、前記送信端装置の充電能力を有し、
前記送信端装置の前記充電能力が前記ワイヤレス充電装置の電力要件を満たすとき、前記ワイヤレス充電装置により、充電接続要求を前記送信端装置に送信し、前記充電接続要求は、前記ワイヤレス充電装置を充電することを要求するために使用される、
ことを有する、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
ワイヤレス充電用の送信端装置であって、
ワイヤレス充電装置からの第1の電磁波信号を受信し、該第1の電磁波信号の全て又は一部を電力増幅モジュールに転送するように構成されたトランシーバアンテナと、
前記第1の電磁波信号の全て又は一部に対して電力増幅を実行して第3の電磁波信号を取得し、該第3の電磁波信号を前記トランシーバアンテナに送るように構成された前記電力増幅モジュールと、
を有し、
前記トランシーバアンテナは更に、前記第3の電磁波信号を前記ワイヤレス充電装置に送信するように構成され、前記第3の電磁波信号が、前記ワイヤレス充電装置を充電するのに使用される、
前記トランシーバアンテナは更に、前記ワイヤレス充電装置から、前記第3の電磁波信号を分割した一部である第5の電磁波信号を受信するように構成される、
送信端装置。
【請求項12】
当該送信端装置は更に、電力配分モジュール及び利得制御モジュールを有し、
前記電力配分モジュールは、前記第1の電磁波信号を分割して第2の電磁波信号及び第4の電磁波信号を取得し、前記第4の電磁波信号を前記利得制御モジュールに送るように構成され、
前記利得制御モジュールは、前記第4の電磁波信号に基づいて利得係数を決定し、該利得係数を前記電力増幅モジュールに送るように構成され、
前記電力増幅モジュールは具体的に、前記利得係数に基づいて前記第2の電磁波信号に対して電力増幅を実行して前記第3の電磁波信号を取得し、該第3の電磁波信号を前記トランシーバアンテナに送るように構成される、
請求項11に記載の送信端装置。
【請求項13】
記第5の電磁波信号の信号強度が所定値以下であるときに前記ワイヤレス充電装置を充電することを停止するように構成されたプロセッシングモジュール、
更に有する請求項11又は12に記載の送信端装置。
【請求項14】
前記トランシーバアンテナは更に、前記ワイヤレス充電装置からの充電接続要求を受信するように構成され、前記充電接続要求は、前記ワイヤレス充電装置の充電電力要求情報を有し、
当該送信端装置は更に、前記充電電力要求情報に基づいて当該送信端装置が前記ワイヤレス充電装置を充電することが可能であるかを決定するように構成されたプロセッシングモジュールを有し、
前記トランシーバアンテナは更に、充電接続応答メッセージを前記ワイヤレス充電装置に送信するように構成され、前記充電接続応答メッセージは、当該送信端装置が前記ワイヤレス充電装置を充電することが可能であるかを指し示す、
請求項11乃至13のいずれか一項に記載の送信端装置。
【請求項15】
前記送信端装置が前記ワイヤレス充電装置を充電することが可能でないことを前記充電接続応答メッセージが指し示すとき、前記充電接続応答メッセージは更に、充電接続を再構築するための遅延期間を有する、請求項14に記載の送信端装置。
【請求項16】
前記トランシーバアンテナは更に、充電ブロードキャスト情報を送信するように構成され、前記充電ブロードキャスト情報は、当該送信端装置の充電能力を有し、
前記トランシーバアンテナは更に、前記ワイヤレス充電装置からの充電接続要求を受信するように構成され、前記充電接続要求は、前記ワイヤレス充電装置を充電することを要求するために使用される、
請求項11乃至13のいずれか一項に記載の送信端装置。
【請求項17】
送信端装置からの第3の電磁波信号を受信し、該第3の電磁波信号を電力配分モジュールに転送するように構成されたトランシーバアンテナと、
前記第3の電磁波信号を分割して、前記第3の電磁波信号を分割した一部である第5の電磁波信号及び前記第3の電磁波信号を分割した他の一部である第6の電磁波信号を取得し、該第5の電磁波信号を前記トランシーバアンテナに転送するとともに該第6の電磁波信号を充電モジュールに転送するように構成された前記電力配分モジュールと、
を有し、
前記トランシーバアンテナは更に、前記第5の電磁波信号を前記送信端装置に送信するように構成され、
前記充電モジュールは、前記第6の電磁波信号に基づいて充電を実行するように構成される、
ワイヤレス充電装置。
【請求項18】
前記トランシーバアンテナは更に、充電接続要求を前記送信端装置に送信するように構成され、前記充電接続要求は、当該ワイヤレス充電装置の充電電力要求情報を有し、
前記トランシーバアンテナは更に、前記送信端装置からの充電接続応答メッセージを受信するように構成され、前記充電接続応答メッセージは、前記送信端装置が当該ワイヤレス充電装置を充電することが可能であるかを指し示す、
ことを有する、請求項17に記載のワイヤレス充電装置。
【請求項19】
前記送信端装置が当該ワイヤレス充電装置を充電することが可能でないことを前記充電接続応答メッセージが指し示すとき、前記充電接続応答メッセージは更に、充電接続を再構築するための遅延期間を有し、
前記トランシーバアンテナは更に、前記遅延期間が経過したときに、前記充電接続要求を前記送信端装置に再送信するように構成される、
請求項18に記載のワイヤレス充電装置。
【請求項20】
前記トランシーバアンテナは更に、充電ブロードキャスト情報を受信するように構成され、前記充電ブロードキャスト情報は、前記送信端装置の充電能力を有し、
前記トランシーバアンテナは更に、前記送信端装置の前記充電能力が当該ワイヤレス充電装置の電力要件を満たすときに、充電接続要求を前記送信端装置に送信するように構成され、前記充電接続要求は、当該ワイヤレス充電装置を充電することを要求するために使用される、
請求項17に記載のワイヤレス充電装置。
【請求項21】
送信端装置とワイヤレス充電装置とを有するワイヤレス充電システムであって、
前記送信端装置は、前記ワイヤレス充電装置から第1の電磁波信号を受信し、該第1の電磁波信号の全て又は一部に対して電力増幅を実行して第3の電磁波信号を取得し、該第3の電磁波信号を前記ワイヤレス充電装置に送信するように構成され、
前記ワイヤレス充電装置は、前記第3の電磁波信号を分割して、前記第3の電磁波信号を分割した一部である第5の電磁波信号及び前記第3の電磁波信号を分割した他の一部である第6の電磁波信号を取得し、該第5の電磁波信号を前記送信端装置に送信し、該第6の電磁波信号に基づいて充電するように構成される、
ワイヤレス充電システム。
【請求項22】
前記送信端装置は更に、前記ワイヤレス充電装置から、前記ワイヤレス充電装置の充電電力要求情報を有する充電接続要求を受信し、前記充電電力要求情報に基づいて、前記送信端装置が前記ワイヤレス充電装置を充電することが可能であるかを決定するように構成され、
前記ワイヤレス充電装置は更に、前記送信端装置から、前記送信端装置が前記ワイヤレス充電装置を充電することが可能であるかを指し示す充電接続応答メッセージを受信するように構成される、
請求項21に記載のワイヤレス充電システム。
【請求項23】
前記送信端装置は更に、前記送信端装置の充電能力を有する充電ブロードキャスト情報を送信するように構成され、
前記ワイヤレス充電装置は更に、前記送信端装置の前記充電能力が前記ワイヤレス充電装置の電力要件を満たすときに、前記ワイヤレス充電装置を充電することを要求するために使用される充電接続要求を前記送信端装置に送信するように構成される、
請求項21に記載のワイヤレス充電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、ワイヤレス充電分野に関し、より具体的には、ワイヤレス充電方法、送信端装置、及びワイヤレス充電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インテリジェント技術の発達に伴い、端末の数が増加している。例えば、携帯電話、タブレット、パーソナルコンピュータ、車両、及び大型スクリーンなどの装置に加えて、スマートホームセンサ、家電製品、及び健康モニタリング装置などの様々な小型端末が存在する。バッテリは頻繁に使用されるため、バッテリを更新する必要がある。従って、ワイヤレス充電技術の使用がますます人気があるものになるであろう。
【0003】
従来ソリューションでは、送信端装置が電磁波信号を送信し、ワイヤレス充電装置が該電磁波信号に基づいて充電を実行し得る。例えば、ワイヤレス充電技術は近距離場(near-field)ワイヤレス充電に広く適用されている。しかしながら、遠距離場(far-field)ワイヤレス充電においては、送信端装置とワイヤレス充電装置との間の位置関係により、ワイヤレス充電技術の充電性能は良好ではない。従って、ワイヤレス充電技術の適用の人気が高まるのに伴い、ワイヤレス充電の充電性能をどのように改善するかという問題を喫緊に解決する必要がある。
【発明の概要】
【0004】
この出願は、ワイヤレス充電の充電性能を改善するための、ワイヤレス充電方法、送信端装置、及びワイヤレス充電装置を提供する。
【0005】
第1の態様によれば、ワイヤレス充電方法が提供される。当該方法は、送信端装置が、ワイヤレス充電装置から第1の電磁波信号を受信することと、送信端装置が、第1の電磁波信号の全て又は一部に対して電力増幅を実行して第3の電磁波信号を取得することと、送信端装置が、第3の電磁波信号をワイヤレス充電装置に送信し、第3の電磁波信号がワイヤレス充電装置を充電するのに使用されることと、を含む。
【0006】
この出願のこの実施形態において、送信端装置とワイヤレス充電装置との間での充電プロセスは巡回的プロセスとし得る。具体的には、送信端装置は、充電のためにワイヤレス充電装置に電磁波信号を送信する。ワイヤレス充電装置は、該電磁波信号の一部を充電に使用するとともに、該電磁波信号の他の部分を増幅のために送信端装置にフィードバックし、そして、増幅された電磁波信号を用いてワイヤレス充電装置を充電する。斯くして、送信端装置及びワイヤレス充電装置は、ワイヤレス充電を行うための安定した電力範囲に到達することができ、その結果、充電性能が改善される。
【0007】
第1の態様を参照するに、一部の取り得る実装において、送信端装置が第1の電磁波信号の全て又は一部に対して電力増幅を実行して第3の電磁波信号を取得することは、送信端装置が、第1の電磁波信号を分割して第2の電磁波信号及び第4の電磁波信号を取得することと、送信端装置が、第4の電磁波信号に基づいて利得係数を決定することと、送信端装置が、利得係数に基づいて第2の電磁波信号に対して電力増幅を実行して、第3の電磁波信号を取得することと、を含む。
【0008】
送信端装置は、第4の電磁波信号の電力に基づいて利得係数を調節することができる。例えば、第4の電磁波信号の電力が低い(例えば、低いレベルにある)ときには、利得係数は増加され、第4の電磁波信号の電力が高い(例えば、高いレベルにある)ときには、利得係数が減少される。例えば、送信端装置は、所定の電力閾値を設定し、第4の電磁波信号と所定の電力閾値との間の値関係に基づいて、第4の電磁波信号のレベルの値を決定し得る。斯くして、送信端装置は、第3の電磁波信号の電力が安定した電力範囲に到達することができるように、利得係数に基づいて第3の電磁波信号の電力を調節することができる。これは、ワイヤレス充電の充電性能を改善する助けとなる。
【0009】
理解され得ることには、第4の電磁波信号は第1の電磁波信号の一部とすることができ、第4の電磁波信号は第2の電磁波信号とは異なる。換言すれば、第1の電磁波信号が第2の電磁波信号と第4の電磁波信号とに分割され得る。例えば、特定の実装において、第2の電磁波信号及び第4の電磁波信号を得るために、電力分割器を用いることによって、第1の電磁波信号に対して電力又はエネルギー配分を実行することができ、あるいは、結合器を用いることによって、第1の電磁波信号の電力又はエネルギーに対して電磁結合を実行することができる。エネルギーは、第2の電磁波信号と第4の電磁波信号とに等分に又は不等分に割り当てられ得る。
【0010】
これまた理解され得ることには、実際の用途では、第2の電磁波信号及び第4の電磁波信号を得るために、結合器を用いて第1の電磁波信号の電力又はエネルギーに対して電磁結合が行われる。また、第4の電磁波信号のエネルギーは、一般に、第2の電磁波信号のエネルギーよりも低い。
【0011】
第1の態様を参照するに、一部の取り得る実装において、当該方法は更に、送信端装置が、ワイヤレス充電装置から、ワイヤレス充電装置により第3の電磁波信号を分割することによって取得される第5の電磁波信号を受信することと、第5の電磁波信号の信号強度が所定値以下であるときに、送信端装置が、ワイヤレス充電装置を充電することを停止することと、を含む。
【0012】
送信端装置は、第5の電磁波信号の信号強度と第1の所定の信号強度閾値との間の値関係に基づいて、ワイヤレス充電装置を充電することを続けるべきかを決定し得る。あるいは、送信端装置は、現在受信した電磁波信号の信号強度と以前の電磁波信号の信号強度との差と、第2の所定の信号強度閾値との間の値関係に基づいて、ワイヤレス充電装置を充電することを続けるべきかを決定してもよい。遮蔽が特定の程度に達したときに、電磁波信号の継続した送信によって引き起こされる電磁波信号の放射汚染を回避することができる。また、この出願のこの実施形態では、障害物が人体である場合に、人体への放射の危険性を低減させることができる。
【0013】
理解され得ることには、第5の電磁波信号は、第3の電磁波を分割することによって得られる。
【0014】
第1の態様を参照するに、一部の取り得る実装において、当該方法は更に、送信端装置が、ワイヤレス充電装置から、ワイヤレス充電装置の充電電力要求情報を含む充電接続要求を受信することと、送信端装置が、充電電力要求情報に基づいて、送信端装置がワイヤレス充電装置を充電することが可能であるかを決定することと、送信端装置が、送信端装置がワイヤレス充電装置を充電することが可能であるかを指し示す充電接続応答メッセージをワイヤレス充電装置に送信することと、を含む。
【0015】
ワイヤレス充電装置は能動的に、必要な電力を示す充電電力要求情報を搬送する充電接続要求を送信し得る。送信端装置は、充電接続要求を受信し、充電接続要求内の充電電力要求情報に基づいて、電力要求を満たすことができるかを決定し、そして、充電接続応答メッセージを用いて、結果をワイヤレス充電装置に通知する。送信端装置がワイヤレス充電装置を充電することが可能であると送信端装置が決定した場合、充電接続応答メッセージは、送信端装置がワイヤレス充電装置を充電することが可能であることを指し示す。斯くして、送信端装置は、ワイヤレス充電装置への充電接続を構築することができる。
【0016】
第1の態様を参照するに、一部の取り得る実装において、送信端装置がワイヤレス充電装置を充電することが可能でないことを充電接続応答メッセージが指し示すとき、充電接続応答メッセージは更に、充電接続を再構築するための遅延期間を含む。
【0017】
送信端装置がワイヤレス充電装置を充電することが可能でないことを充電接続応答メッセージが指し示すとき、充電接続応答メッセージは更に、充電接続を再構築するための遅延期間を含む。斯くして、遅延期間が経過すると、ワイヤレス充電装置は、充電接続要求を送信端装置に再送信し得る。従って、送信端装置が充電サービスを提供することができないときに、ワイヤレス充電装置の何度もの要求によって引き起こされる電力消費オーバヘッドが回避される。
【0018】
一部の取り得る実装において、ワイヤレス充電装置が充電接続要求を送信端装置に送信する前に、ワイヤレス充電装置は更に、送信端装置から、送信端装置が充電能力を持っていることを指し示す充電ブロードキャスト情報を受信してもよい。
【0019】
充電ブロードキャスト情報は、ワイヤレス充電装置の識別子を含み得る。換言すれば、送信端装置は、充電接続要求を起こすようにワイヤレス充電装置をトリガするように構成される。斯くして、充電能力を持たない送信端装置にワイヤレス充電装置が充電接続要求を送信することが防止される。これは、充電接続構築遅延を減らす助けとなる。
【0020】
第1の態様を参照するに、一部の取り得る実装において、当該方法は更に、送信端装置が、送信端装置の充電能力を含む充電ブロードキャスト情報を送信することと、送信端装置が、ワイヤレス充電装置から、ワイヤレス充電装置を充電することを要求するために使用される充電接続要求を受信することと、を含む。
【0021】
送信端装置は能動的に充電ブロードキャスト情報を送信することができ、ワイヤレス充電装置は、受信した充電ブロードキャスト情報に含まれる充電能力に基づいて、ワイヤレス充電装置の電力要件が満たされ得るかを決定する。送信端装置の充電能力がワイヤレス充電装置の電力要求を満たさない場合、ワイヤレス充電装置は充電接続要求を送信端装置に送信しないとし得る。これは、ワイヤレス充電装置の電力消費オーバヘッドを低減させる。
【0022】
第2の態様によれば、ワイヤレス充電方法が提供される。当該方法は、ワイヤレス充電装置が、送信端装置から第3の電磁波信号を受信することと、ワイヤレス充電装置が、第3の電磁波信号を分割して第5の電磁波信号及び第6の電磁波信号を取得することと、ワイヤレス充電装置が、第5の電磁波信号を送信端装置に送信することと、ワイヤレス充電装置が、第6の電磁波信号に基づいて充電を実行することと、を含む。
【0023】
この出願のこの実施形態において、送信端装置とワイヤレス充電装置との間での充電プロセスは巡回的プロセスとし得る。具体的には、送信端装置は、充電のためにワイヤレス充電装置に電磁波信号を送信する。ワイヤレス充電装置は、該電磁波信号の一部を充電に使用するとともに、該電磁波信号の他の部分を増幅のために送信端装置にフィードバックし、そして、増幅された電磁波信号を用いてワイヤレス充電装置を充電する。斯くして、送信端装置及びワイヤレス充電装置は、ワイヤレス充電を行うための安定した電力範囲に到達することができ、その結果、充電性能が改善される。
【0024】
理解され得ることには、第5の電磁波信号及び第6の電磁波は別々に第3の電磁波信号の一部でとし得る。換言すれば、第3の電磁波信号が第5の電磁波信号と第6の電磁波信号とに分割され得る。例えば、第5の電磁波信号及び第6の電磁波信号を得るために、電力分割器を用いることによって、第3の電磁波信号に対して電力又はエネルギー配分を実行することができ、あるいは、結合器を用いることによって、第3の電磁波信号の電力又はエネルギーに対して電磁結合を実行することができる。エネルギーは、第5の電磁波信号と第6の電磁波信号とに等分に又は不等分に割り当てられ得る。
【0025】
これまた理解され得ることには、実際の用途では、第5の電磁波信号及び第6の電磁波信号を得るために、結合器を用いて第3の電磁波信号の電力又はエネルギーに対して電磁結合が行われる。また、第5の電磁波信号のエネルギーは、一般に、第6の電磁波信号のエネルギーよりも低い。
【0026】
第2の態様を参照するに、一部の取り得る実装において、当該方法は更に、ワイヤレス充電装置が、ワイヤレス充電装置の充電電力要求情報を含む充電接続要求を送信端装置に送信することと、ワイヤレス充電装置が、送信端装置から、送信端装置がワイヤレス充電装置を充電することが可能であるかを指し示す充電接続応答メッセージを受信することと、を含む。
【0027】
ワイヤレス充電装置は能動的に、必要な電力を示す充電電力要求情報を搬送する充電接続要求を送信し得る。送信端装置は、充電接続要求を受信し、充電接続要求内の充電電力要求情報に基づいて、電力要求を満たすことができるかを決定し、そして、充電接続応答メッセージを用いて、結果をワイヤレス充電装置に通知する。送信端装置がワイヤレス充電装置を充電することが可能であると送信端装置が決定した場合、充電接続応答メッセージは、送信端装置がワイヤレス充電装置を充電することが可能であることを指し示す。斯くして、送信端装置は、ワイヤレス充電装置への充電接続を構築することができる。
【0028】
第2の態様を参照するに、一部の取り得る実装において、送信端装置がワイヤレス充電装置を充電することが可能でないことを充電接続応答メッセージが指し示すとき、充電接続応答メッセージは更に、充電接続を再構築するための遅延期間を含む。当該方法は更に、遅延期間が経過したときに、ワイヤレス充電装置が、充電接続要求を送信端装置に再送信することを含む。
【0029】
送信端装置がワイヤレス充電装置を充電することが可能でないことを充電接続応答メッセージが指し示すとき、充電接続応答メッセージは更に、充電接続を再構築するための遅延期間を含む。斯くして、遅延期間が経過すると、ワイヤレス充電装置は、充電接続要求を送信端装置に再送信し得る。従って、送信端装置が充電サービスを提供することができないときに、ワイヤレス充電装置の何度もの要求によって引き起こされる電力消費オーバヘッドが回避される。
【0030】
第2の態様を参照するに、一部の取り得る実装において、当該方法は更に、ワイヤレス充電装置が、送信端装置の充電能力を含む充電ブロードキャスト情報を受信することと、送信端装置の充電能力がワイヤレス充電装置の電力要件を満たすときに、ワイヤレス充電装置が、ワイヤレス充電装置を充電することを要求するために使用される充電接続要求を送信端装置に送信することと、を含む。
【0031】
送信端装置は能動的に充電ブロードキャスト情報を送信することができ、ワイヤレス充電装置は、受信した充電ブロードキャスト情報に含まれる充電能力に基づいて、ワイヤレス充電装置の電力要件が満たされ得るかを決定する。送信端装置の充電能力がワイヤレス充電装置の電力要求を満たさない場合、ワイヤレス充電装置は充電接続要求を送信端装置に送信しないとし得る。これは、ワイヤレス充電装置の電力消費オーバヘッドを低減させる。
【0032】
第3の態様によれば、ワイヤレス充電用の送信端装置が提供される。ワイヤレス充電用の当該送信端装置は、ワイヤレス充電装置からの第1の電磁波信号を受信し、該第1の電磁波信号の全て又は一部を電力増幅モジュールに転送するように構成されたトランシーバアンテナと、第1の電磁波信号の全て又は一部に対して電力増幅を実行して第3の電磁波信号を取得し、該第3の電磁波信号をトランシーバアンテナに送るように構成された電力増幅モジュールと、を含む。トランシーバアンテナは更に、第3の電磁波信号をワイヤレス充電装置に送信するように構成され、第3の電磁波信号が、ワイヤレス充電装置を充電するのに使用される。
【0033】
この出願のこの実施形態において、送信端装置とワイヤレス充電装置との間での充電プロセスは巡回的プロセスとし得る。具体的には、送信端装置は、充電のためにワイヤレス充電装置に電磁波信号を送信する。ワイヤレス充電装置は、該電磁波信号の一部を充電に使用するとともに、該電磁波信号の他の部分を増幅のために送信端装置にフィードバックし、そして、増幅された電磁波信号を用いてワイヤレス充電装置を充電する。斯くして、送信端装置及びワイヤレス充電装置は、ワイヤレス充電を行うための安定した電力範囲に到達することができ、その結果、充電性能が改善される。
【0034】
第2の態様を参照するに、一部の取り得る実装において、送信端装置は更に、電力配分モジュール及び利得制御モジュールを含む。電力配分モジュールは、第1の電磁波信号を分割して第2の電磁波信号及び第4の電磁波信号を取得し、第4の電磁波信号を利得制御モジュールに送るように構成される。利得制御モジュールは、第4の電磁波信号に基づいて利得係数を決定し、該利得係数を電力増幅モジュールに送るように構成される。電力増幅モジュールが、第1の電磁波信号の全て又は一部に対して電力増幅を実行して第3の電磁波信号を取得し、該第3の電磁波信号をトランシーバアンテナに送るように構成されることは、具体的に、電力増幅モジュールが、利得係数に基づいて第2の電磁波信号に対して電力増幅を実行して第3の電磁波信号を取得し、該第3の電磁波信号をトランシーバアンテナに送るように構成される、ことである。
【0035】
送信端装置は、第4の電磁波信号の電力に基づいて利得係数を調節することができる。例えば、第4の電磁波信号の電力が低い(例えば、低いレベルにある)ときには、利得係数は増加され、第4の電磁波信号の電力が高い(例えば、高いレベルにある)ときには、利得係数が減少される。例えば、送信端装置は、所定の電力閾値を設定し、第4の電磁波信号と所定の電力閾値との間の値関係に基づいて、第4の電磁波信号のレベルの値を決定し得る。斯くして、送信端装置は、第3の電磁波信号の電力が安定した電力範囲に到達することができるように、利得係数に基づいて第3の電磁波信号の電力を調節することができる。これは、ワイヤレス充電の充電性能を改善する助けとなる。
【0036】
理解され得ることには、第4の電磁波信号は第1の電磁波信号の一部とすることができ、第4の電磁波信号は第2の電磁波信号とは異なる。換言すれば、第1の電磁波信号が第2の電磁波信号と第4の電磁波信号とに分割され得る。例えば、第2の電磁波信号及び第4の電磁波信号を得るために、電力分割器を用いることによって、第1の電磁波信号に対して電力又はエネルギー配分を実行することができ、あるいは、結合器を用いることによって、第1の電磁波信号の電力又はエネルギーに対して電磁結合を実行することができる。エネルギーは、第2の電磁波信号と第4の電磁波信号とに等分に又は不等分に割り当てられ得る。
【0037】
これまた理解され得ることには、実際の用途では、第2の電磁波信号及び第4の電磁波信号を得るために、結合器を用いて第1の電磁波信号の電力又はエネルギーに対して電磁結合が行われる。また、第4の電磁波信号のエネルギーは、一般に、第2の電磁波信号のエネルギーよりも低い。
【0038】
第3の態様を参照するに、一部の取り得る実装において、トランシーバアンテナは更に、ワイヤレス充電装置からの第5の電磁波信号を受信するように構成され、第5の電磁波信号は、ワイヤレス充電装置により第3の電磁波信号を分割することによって取得される。送信端装置は更に、第5の電磁波信号の信号強度が所定値以下であるときにワイヤレス充電装置を充電することを停止するように構成されたプロセッシングモジュールを含む。
【0039】
送信端装置は、第5の電磁波信号の信号強度と第1の所定の信号強度閾値との間の値関係に基づいて、ワイヤレス充電装置を充電することを続けるべきかを決定し得る。あるいは、送信端装置は、現在受信した電磁波信号の信号強度と以前の電磁波信号の信号強度との差と、第2の所定の信号強度閾値との間の値関係に基づいて、ワイヤレス充電装置を充電することを続けるべきかを決定してもよい。遮蔽が特定の程度に達したときに、電磁波信号の継続した送信によって引き起こされる電磁波信号の放射汚染を回避することができる。また、この出願のこの実施形態では、障害物が人体である場合に、人体への放射の危険性を低減させることができる。
【0040】
理解され得ることには、第5の電磁波信号は、第3の電磁波を分割することによって得られる。
【0041】
第3の態様を参照するに、一部の取り得る実装において、トランシーバアンテナは更に、ワイヤレス充電装置から、ワイヤレス充電装置の充電電力要求情報を含む充電接続要求を受信するように構成される。送信端装置は更に、充電電力要求情報に基づいて送信端装置がワイヤレス充電装置を充電することが可能であるかを決定するように構成されたプロセッシングモジュールを含む。トランシーバアンテナは更に、送信端装置がワイヤレス充電装置を充電することが可能であるかを指し示す充電接続応答メッセージをワイヤレス充電装置に送信するように構成される。
【0042】
ワイヤレス充電装置は能動的に、必要な電力を示す充電電力要求情報を搬送する充電接続要求を送信し得る。送信端装置は、充電接続要求を受信し、充電接続要求内の充電電力要求情報に基づいて、電力要求を満たすことができるかを決定し、そして、充電接続応答メッセージを用いて、結果をワイヤレス充電装置に通知する。送信端装置がワイヤレス充電装置を充電することが可能であると送信端装置が決定した場合、充電接続応答メッセージは、送信端装置がワイヤレス充電装置を充電することが可能であることを指し示す。斯くして、送信端装置は、ワイヤレス充電装置への充電接続を構築することができる。
【0043】
第3の態様を参照するに、一部の取り得る実装において、送信端装置がワイヤレス充電装置を充電することが可能でないことを充電接続応答メッセージが指し示すとき、充電接続応答メッセージは更に、充電接続を再構築するための遅延期間を含む。
【0044】
送信端装置がワイヤレス充電装置を充電することが可能でないことを充電接続応答メッセージが指し示すとき、充電接続応答メッセージは更に、充電接続を再構築するための遅延期間を含む。斯くして、遅延期間が経過すると、ワイヤレス充電装置は、充電接続要求を送信端装置に再送信し得る。従って、送信端装置が充電サービスを提供することができないときに、ワイヤレス充電装置の何度もの要求によって引き起こされる電力消費オーバヘッドが回避される。
【0045】
第3の態様を参照するに、一部の取り得る実装において、トランシーバアンテナは更に、送信端装置の充電能力を含む充電ブロードキャスト情報を送信するように構成される。トランシーバアンテナは更に、ワイヤレス充電装置から、ワイヤレス充電装置を充電することを要求するために使用される充電接続要求を受信するように構成される。
【0046】
送信端装置は能動的に充電ブロードキャスト情報を送信することができ、ワイヤレス充電装置は、受信した充電ブロードキャスト情報に含まれる充電能力に基づいて、ワイヤレス充電装置の電力要件が満たされ得るかを決定する。送信端装置の充電能力がワイヤレス充電装置の電力要求を満たさない場合、ワイヤレス充電装置は充電接続要求を送信端装置に送信しないとし得る。これは、ワイヤレス充電装置の電力消費オーバヘッドを低減させる。
【0047】
第3の態様を参照するに、一部の取り得る実装において、トランシーバアンテナは、バン・アッタ(Van Atta)・アンテナアレイを含む。
【0048】
トランシーバアンテナは、バン・アッタ・アンテナアレイを使用して実装され得る。バン・アッタ・アンテナアレイは、逆信号伝送を実現することができるように、隣接するアンテナアレイ素子間に-φの位相差を実装することができる。斯くして、送信端装置とワイヤレス充電装置との間での電磁波信号の伝送性能を改善することができるとともに、エネルギー伝送の指向性を実現することができる。
【0049】
第3の態様を参照するに、一部の取り得る実装において、トランシーバアンテナは、複数のアンテナアレイ素子を含み、該複数のアンテナアレイ素子の各々が、アンテナと、1つ以上のフィルタと、1つ以上の周波数ミキサとを含む。
【0050】
トランシーバアンテナは代わりに、周波数ミキシングアンテナアレイを使用して実装されてもよい。換言すれば、逆信号伝送が実現される。斯くして、送信端装置とワイヤレス充電装置との間での電磁波信号の伝送性能を改善することができるとともに、エネルギー伝送の指向性を実現することができる。
【0051】
第3の態様を参照するに、一部の取り得る実装において、電力配分モジュールは、アンテナのアンテナフィードポイントと周波数ミキサとの間にセットされる。
【0052】
電力配分モジュールとトランシーバアンテナとの間の接続位置が、アンテナのアンテナフィードポイントの近くにセットされ得る。斯くして、エネルギー損失を低減させることができる。
【0053】
第3の態様を参照するに、一部の取り得る実装において、各アンテナアレイ素子が、アンテナと、1つのフィルタと、1つの周波数ミキサとを含むとき、周波数ミキサの第1の入力信号の周波数は第2の入力信号の周波数の2倍であり、第2の入力信号は、トランシーバアンテナの入力信号がアンテナを通り過ぎた後に得られる出力信号であり、周波数ミキサの出力信号は、フィルタの入力信号であり、そして、フィルタがフィルタリング除去するように構成される周波数は、第2の入力信号の周波数の3倍である。
【0054】
周波数ミキシングアンテナアレイは、周波数ミキサの入力信号及びフィルタのフィルタリング能力に対して特有の要求を有する。例えば、周波数ミキサの第1の入力信号の周波数が第2の入力信号の周波数の2倍に設定され、且つフィルタがフィルタリング除去するように構成される周波数が第2の入力信号の周波数の3倍に設定される場合、位相反転を実現することができる。換言すれば、信号伝送用のビームが逆になる。斯くして、送信端装置とワイヤレス充電装置との間での電磁波信号の伝送性能を改善することができるとともに、エネルギー伝送の指向性を実現することができる。
【0055】
第3の態様を参照するに、一部の取り得る実装において、アンテナアレイ素子が、アンテナと、2つのフィルタと、2つの周波数ミキサとを含むとき、2つの周波数ミキサのうちの第1の周波数ミキサの第1の入力信号の周波数は、所定の周波数と第2の入力信号の周波数との和であり、第2の入力信号は、アンテナの出力信号であり、第1の周波数ミキサの出力信号は、2つのフィルタのうちの第1のフィルタの入力信号であり、第1のフィルタの出力信号は、2つの周波数ミキサのうちの第2の周波数ミキサの第3の入力信号であり、第2の周波数ミキサの第4の入力信号の周波数は、第2の入力信号の周波数と所定の周波数との差であり、第2の周波数ミキサの出力信号は、2つのフィルタのうちの第2のフィルタの入力信号であり、第1のフィルタがフィルタリング除去するように構成される周波数は、所定の周波数と第2の入力信号の周波数の2倍との和であり、そして、第2のフィルタがフィルタリング除去するように構成される周波数は、第2の入力信号の周波数と所定の周波数の2倍との差である。
【0056】
周波数ミキシングアンテナアレイは、周波数ミキサの入力信号及びフィルタのフィルタリング能力に対して特有の要求を有する。例えば、各アンテナアレイ素子が2回の周波数ミキシングを実行し得る。斯くして、位相反転が実現される。換言すれば、信号伝送用のビームが逆になる。斯くして、送信端装置とワイヤレス充電装置との間での電磁波信号の伝送性能を改善することができるとともに、エネルギー伝送の指向性を実現することができる。
【0057】
第3の態様を参照するに、一部の取り得る実装において、各アンテナアレイ素子が、アンテナと、1つのフィルタと、1つの周波数ミキサとを含むとき、周波数ミキサの第1の入力信号の周波数は、第2の入力信号の周波数と所定の周波数との和の2倍であり、第2の入力信号は、アンテナの出力信号であり、そして、フィルタがフィルタリング除去するように構成される周波数は、第2の入力信号の周波数の3倍と所定の周波数の2倍との和である。
【0058】
トランシーバアンテナは更に、アップリンク信号とダウンリンク信号との間の干渉を回避するために、出力信号の周波数を入力信号の周波数と異なるように設定するよう構成され得る。
【0059】
第3の態様を参照するに、一部の取り得る実装において、電力増幅モジュールは、1つ以上の電力増幅器を含む。
【0060】
電力増幅モジュールは、1つ以上の電力増幅器を用いて実装され得る。例えば、より大きい利得を提供することができるように、複数の電力増幅器を直列に接続して多段増幅を実装し得る。あるいは、線形性を改善することができるように、及びより広い範囲での利得調節をサポートすることができるように、複数の電力増幅器が並列に接続される。
【0061】
第3の態様を参照するに、一部の取り得る実装において、電力配分モジュールは結合器又は電力分割器を含む。
【0062】
結合器を用いて電力配分モジュールを実装する場合、電磁結合機能を持つワイヤを伝送線の近くに配置することで、主伝送線と結合ワイヤ線との間に電力を配分する機能を実現できるようにし得る。
【0063】
第4の態様によれば、ワイヤレス充電装置が提供される。当該ワイヤレス充電装置は、送信端装置からの第3の電磁波信号を受信し、該第3の電磁波信号を電力配分モジュールに転送するように構成されたトランシーバアンテナと、第3の電磁波信号を分割して第5の電磁波信号及び第6の電磁波信号を取得し、該第5の電磁波信号をトランシーバアンテナに転送するとともに該第6の電磁波信号を充電モジュールに転送するように構成された電力配分モジュールと、を含み、トランシーバアンテナは更に、第5の電磁波信号を送信端装置に送信するように構成され、充電モジュールは、第6の電磁波信号に基づいて充電を実行するように構成される。
【0064】
この出願のこの実施形態において、送信端装置とワイヤレス充電装置との間での充電プロセスは巡回的プロセスとし得る。具体的には、送信端装置は、充電のためにワイヤレス充電装置に電磁波信号を送信する。ワイヤレス充電装置は、該電磁波信号の一部を充電に使用するとともに、該電磁波信号の他の部分を増幅のために送信端装置にフィードバックし、そして、増幅された電磁波信号を用いてワイヤレス充電装置を充電する。斯くして、送信端装置及びワイヤレス充電装置は、ワイヤレス充電を行うための安定した電力範囲に到達することができ、その結果、充電性能が改善される。
【0065】
理解され得ることには、第5の電磁波信号及び第6の電磁波は別々に第3の電磁波信号の一部でとし得る。換言すれば、第3の電磁波信号が第5の電磁波信号と第6の電磁波信号とに分割され得る。例えば、第5の電磁波信号及び第6の電磁波信号を得るために、電力分割器を用いることによって、第3の電磁波信号に対して電力又はエネルギー配分を実行することができ、あるいは、結合器を用いることによって、第3の電磁波信号の電力又はエネルギーに対して電磁結合を実行することができる。エネルギーは、第5の電磁波信号と第6の電磁波信号とに等分に又は不等分に割り当てられ得る。
【0066】
これまた理解され得ることには、実際の用途では、第5の電磁波信号及び第6の電磁波信号を得るために、結合器を用いて第3の電磁波信号の電力又はエネルギーに対して電磁結合が行われる。また、第5の電磁波信号のエネルギーは、一般に、第6の電磁波信号のエネルギーよりも低い。
【0067】
第4の態様を参照するに、一部の取り得る実装において、トランシーバアンテナは更に、ワイヤレス充電装置の充電電力要求情報を含む充電接続要求を送信端装置に送信するように構成される。トランシーバアンテナは更に、送信端装置から、送信端装置がワイヤレス充電装置を充電することが可能であるかを指し示す充電接続応答メッセージを受信するように構成される。
【0068】
ワイヤレス充電装置は能動的に、必要な電力を示す充電電力要求情報を搬送する充電接続要求を送信し得る。送信端装置は、充電接続要求を受信し、充電接続要求内の充電電力要求情報に基づいて、電力要求を満たすことができるかを決定し、そして、充電接続応答メッセージを用いて、結果をワイヤレス充電装置に通知する。送信端装置がワイヤレス充電装置を充電することが可能であると送信端装置が決定した場合、充電接続応答メッセージは、送信端装置がワイヤレス充電装置を充電することが可能であることを指し示す。斯くして、送信端装置は、ワイヤレス充電装置への充電接続を構築することができる。
【0069】
第4の態様を参照するに、一部の取り得る実装において、送信端装置がワイヤレス充電装置を充電することが可能でないことを充電接続応答メッセージが指し示すとき、充電接続応答メッセージは更に、充電接続を再構築するための遅延期間を含む。トランシーバアンテナは更に、遅延期間が経過したときに、充電接続要求を送信端装置に送信するように構成される。
【0070】
送信端装置がワイヤレス充電装置を充電することが可能でないことを充電接続応答メッセージが指し示すとき、充電接続応答メッセージは更に、充電接続を再構築するための遅延期間を含む。斯くして、遅延期間が経過すると、ワイヤレス充電装置は、充電接続要求を送信端装置に再送信し得る。従って、送信端装置が充電サービスを提供することができないときに、ワイヤレス充電装置の何度もの要求によって引き起こされる電力消費オーバヘッドが回避される。
【0071】
第4の態様を参照するに、一部の取り得る実装において、トランシーバアンテナは更に、送信端装置の充電能力を含む充電ブロードキャスト情報を受信するように構成される。トランシーバアンテナは更に、送信端装置の充電能力が当該ワイヤレス充電装置の電力要件を満たすときに、ワイヤレス充電装置を充電することを要求するために使用される充電接続要求を送信端装置に送信するように構成される。
【0072】
送信端装置は能動的に充電ブロードキャスト情報を送信することができ、ワイヤレス充電装置は、受信した充電ブロードキャスト情報に含まれる充電能力に基づいて、ワイヤレス充電装置の電力要件が満たされ得るかを決定する。送信端装置の充電能力がワイヤレス充電装置の電力要求を満たさない場合、ワイヤレス充電装置は充電接続要求を送信端装置に送信しないとし得る。これは、ワイヤレス充電装置の電力消費オーバヘッドを低減させる。
【0073】
第4の態様を参照するに、一部の取り得る実装において、トランシーバアンテナは、バン・アッタ(Van Atta)・アンテナアレイを含む。
【0074】
トランシーバアンテナは、バン・アッタ・アンテナアレイを使用して実装され得る。バン・アッタ・アンテナアレイは、逆信号伝送を実現することができるように、隣接するアンテナアレイ素子間に-φの位相差を実装することができる。斯くして、送信端装置とワイヤレス充電装置との間での電磁波信号の伝送性能を改善することができるとともに、エネルギー伝送の指向性を実現することができる。
【0075】
第4の態様を参照するに、一部の取り得る実装において、トランシーバアンテナは、複数のアンテナアレイ素子を含み、該複数のアンテナアレイ素子の各々が、アンテナと、1つ以上のフィルタと、1つ以上の周波数ミキサとを含む。周波数ミキシングアンテナアレイコンビネーションは、1つ以上の周波数ミキシングアンテナアレイを含む。
【0076】
トランシーバアンテナは代わりに、周波数ミキシングアンテナアレイを使用して実装されてもよい。換言すれば、逆信号伝送が実現される。斯くして、送信端装置とワイヤレス充電装置との間での電磁波信号の伝送性能を改善することができるとともに、エネルギー伝送の指向性を実現することができる。
【0077】
第4の態様を参照するに、一部の取り得る実装において、電力配分モジュールは、周波数ミキシングアンテナアレイコンビネーションのアンテナフィードポイントと周波数ミキサとの間にセットされる。
【0078】
電力配分モジュールとトランシーバアンテナとの間の接続位置が、アンテナのアンテナフィードポイントの近くにセットされ得る。斯くして、エネルギー損失を低減させることができる。
【0079】
第4の態様を参照するに、一部の取り得る実装において、各アンテナアレイ素子が、アンテナと、1つのフィルタと、1つの周波数ミキサとを含むとき、周波数ミキサの第1の入力信号の周波数は第2の入力信号の周波数の2倍であり、第2の入力信号は、トランシーバアンテナの入力信号がアンテナを通り過ぎた後に得られる出力信号であり、周波数ミキサの出力信号は、フィルタの入力信号であり、そして、フィルタがフィルタリング除去するように構成される周波数は、第2の入力信号の周波数の3倍である。
【0080】
周波数ミキシングアンテナアレイは、周波数ミキサの入力信号及びフィルタのフィルタリング能力に対して特有の要求を有する。例えば、周波数ミキサの第1の入力信号の周波数が第2の入力信号の周波数の2倍に設定され、且つフィルタがフィルタリング除去するように構成される周波数が第2の入力信号の周波数の3倍に設定される場合、位相反転を実現することができる。換言すれば、信号伝送用のビームが逆になる。斯くして、送信端装置とワイヤレス充電装置との間での電磁波信号の伝送性能を改善することができるとともに、エネルギー伝送の指向性を実現することができる。
【0081】
第4の態様を参照するに、一部の取り得る実装において、各アンテナアレイ素子が、周波数ミキシングアンテナアレイコンビネーションと、2つのフィルタと、2つの周波数ミキサとを含むとき、2つの周波数ミキサのうちの第1の周波数ミキサの第1の入力信号の周波数は、所定の周波数と第2の入力信号の周波数との和であり、第2の入力信号は、トランシーバアンテナの入力信号がアンテナを通り過ぎた後に得られる出力信号であり、第1の周波数ミキサの出力信号は、2つのフィルタのうちの第1のフィルタの入力信号であり、第1のフィルタの出力信号は、2つの周波数ミキサのうちの第2の周波数ミキサの第3の入力信号であり、第2の周波数ミキサの第4の入力信号の周波数は、第2の入力信号の周波数と所定の周波数との差であり、第2の周波数ミキサの出力信号は、2つのフィルタのうちの第2のフィルタの入力信号であり、第1のフィルタがフィルタリング除去するように構成される周波数は、所定の周波数と第2の入力信号の周波数の2倍との和であり、そして、第2のフィルタがフィルタリング除去するように構成される周波数は、第2の入力信号の周波数と所定の周波数の2倍との差である。
【0082】
周波数ミキシングアンテナアレイは、周波数ミキサの入力信号及びフィルタのフィルタリング能力に対して特有の要求を有する。例えば、各アンテナアレイ素子が2回の周波数ミキシングを実行し得る。斯くして、位相反転が実現される。換言すれば、信号伝送用のビームが逆になる。斯くして、送信端装置とワイヤレス充電装置との間での電磁波信号の伝送性能を改善することができるとともに、エネルギー伝送の指向性を実現することができる。
【0083】
第4の態様を参照するに、一部の取り得る実装において、各アンテナアレイ素子が、アンテナと、1つのフィルタと、1つの周波数ミキサとを含むとき、周波数ミキサの第1の入力信号の周波数は、第2の入力信号の周波数と所定の周波数との和の2倍であり、第2の入力信号は、トランシーバアンテナの入力信号がアンテナを通り過ぎた後に得られるアンテナの出力信号であり、そして、フィルタがフィルタリング除去するように構成される周波数は、第2の入力信号の周波数と所定の周波数の2倍との差の3倍である。
【0084】
トランシーバアンテナは更に、アップリンク信号とダウンリンク信号との間の干渉を回避するために、出力信号の周波数を入力信号の周波数と異なるように設定するよう構成され得る。
【0085】
第4の態様を参照するに、一部の取り得る実装において、電力配分モジュールは結合器又は電力分割器を含む。
【0086】
結合器を用いて電力配分モジュールを実装する場合、電磁結合機能を持つワイヤを伝送線の近くに配置することで、主伝送線と結合ワイヤ線との間に電力を配分する機能を実現できるようにし得る。
【0087】
第5の態様によれば、ワイヤレス充電システムが提供される。当該ワイヤレス充電システムは、第1の態様に従った送信端装置と、第2の態様に従ったワイヤレス充電装置とを含む。
【0088】
前述の技術的ソリューションに基づいて、この出願のこの実施形態において、送信端装置とワイヤレス充電装置との間での充電プロセスは巡回的プロセスとし得る。具体的には、送信端装置は、充電のためにワイヤレス充電装置に電磁波信号を送信する。ワイヤレス充電装置は、該電磁波信号の一部を充電に使用するとともに、該電磁波信号の他の部分を増幅のために送信端装置にフィードバックし、そして、増幅された電磁波信号を用いてワイヤレス充電装置を充電する。斯くして、送信端装置及びワイヤレス充電装置は、ワイヤレス充電を行うための安定した電力範囲に到達することができ、その結果、充電性能が改善される。
【図面の簡単な説明】
【0089】
図1】この出願に従ったワイヤレス充電の適用シナリオの概略図である。
図2】この出願の一実施形態に従ったワイヤレス充電方法の概略フローチャートである。
図3】この出願の一実施形態に従ったワイヤレス充電用の送信端装置の概略ブロック図である。
図4】この出願の一実施形態に従ったバン・アッタ・アンテナアレイの概略図である。
図5】この出願の一実施形態に従った周波数ミキシングアンテナアレイの概略図である。
図6】この出願の一実施形態に従った他の周波数ミキシングアンテナアレイの概略図である。
図7】この出願の一実施形態に従った更なる他の周波数ミキシングアンテナアレイの概略図である。
図8】この出願の一実施形態に従った周波数ミキシングアンテナアレイと電力配分モジュールとの間の接続関係の概略図である。
図9】この出願の一実施形態に従ったワイヤレス充電装置の概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0090】
以下、添付の図面を参照して、この出願の技術的ソリューションを説明する。
【0091】
この出願の実施形態におけるワイヤレス充電装置は、ユーザ装置、アクセス端末、加入者ユニット、加入者局、移動局、移動コンソール、遠隔局、遠隔端末、モバイル装置、ユーザ端末、端末、無線通信装置、ユーザエージェント、又はユーザ機器とし得る。端末装置は代わりに、携帯電話、コードレス電話、セッション初期化プロトコル(Session Initiation Protocol,SIP)電話、ワイヤレスローカルループ(Wireless Local Loop,WLL)局、携帯情報端末(Personal Digital Assistant,PDA)、無線通信機能を有するハンドヘルド装置、コンピューティング装置、無線モデムに接続された他のプロセッシング装置、車載装置、ウェアラブル装置、5Gネットワークにおける端末装置、将来の発展型の公衆陸上モバイルネットワーク(Public Land Mobile Network,PLMN)における端末装置であってもよい。これは、この出願の実施形態において限定され ることではない。
【0092】
この出願の実施形態における送信端装置は、ワイヤレス充電装置を充電するように構成された装置、例えば、ワイヤレス電力送信器、ワイヤレス充電ボード、モバイル電源、又は車載装置とし得る。これは、この出願の実施形態において限定されることではない。
【0093】
図1は、この出願に従ったよるワイヤレス充電の適用シナリオの概略図である。当該適用シナリオは、少なくとも1つの充電装置(例えば、ワイヤレス充電装置10、ワイヤレス充電装置20、及びワイヤレス充電装置30)と、送信端装置40とを含み得る。送信端装置40は、電磁波信号を送信するように構成されることができ、ワイヤレス充電装置は、受信した電磁波信号に基づいて充電されることができる。ワイヤレス充電装置10はタブレットとすることができ、ワイヤレス充電装置20は携帯電話とすることができ、ワイヤレス充電装置30はウェアラブル装置(例えば、時計又はイヤホン)とすることができる。
【0094】
また、ワイヤレス充電装置20は送信端装置ともみなされ得る。斯くして、ワイヤレス充電装置20もワイヤレス充電装置30を充電し得る。
【0095】
なお、この出願の実施形態は、1つ以上の送信端装置を含むワイヤレス充電システムに適用されてもよいし、1つ以上の充電装置を含む通信システムに適用されてもよい。これは、この出願において限定されることではない。
【0096】
図2は、この出願の一実施形態に従ったワイヤレス充電方法の概略フローチャートである。
【0097】
201:送信端装置が、ワイヤレス充電装置から第1の電磁波信号を受信する。対応して、ワイヤレス充電装置が、第1の電磁波信号を送信端装置に送信する。
【0098】
202:送信端装置が、第1の電磁波信号の全て又は一部に対して電力増幅を実行して、第3の電磁波信号を取得する。
【0099】
具体的には、送信端装置は、第1の電磁波信号に基づいて、第1の電磁波信号の全て又は一部(例えば、以下では第2の電磁波信号として参照する)を取得し得る。例えば、第2の電磁波信号は、第1の電磁波信号の一部とすることができ、あるいは、第2の電磁波信号は第1の電磁波信号と同じである。
【0100】
なお、第の電磁波信号に対して電力増幅を行うために送信端装置が必要とする利得係数が、第1の電磁波信号の電力に基づいて決定され得る。換言すれば、利得係数は、第1の電磁波信号の電力とともに変化する。例えば、利得係数は、第1の電磁波信号の電力が増加するにつれて減少し、第1の電磁波信号の電力が減少するにつれて増加する。あるいは、利得係数は、事前に設定され、又は柔軟に変更される。これは、この出願において限定されることではない。
【0101】
理解され得ることには、第2の電磁波信号が第1の電磁波信号の一部であることは、第2の電磁波信号のエネルギーが第1の電磁波信号のエネルギーより低いこととして理解され得る。
【0102】
オプションで、送信端装置は更に、第4の電磁波信号に基づいて利得係数を決定することができ、第4の電磁波信号は、第1の電磁波信号を分割することによって得られる。斯くして、送信端装置は具体的に、利得係数に基づいて第2の電磁波信号に対して電力増幅を実行して、第3の電磁波信号を取得し得る。
【0103】
具体的には、送信端装置は、第4の電磁波信号の電力に基づいて利得係数を調節することができる。例えば、第4の電磁波信号の電力が低い(例えば、低いレベルにある)ときには、利得係数は増加され、第4の電磁波信号の電力が高い(例えば、高いレベルにある)ときには、利得係数が減少される。例えば、送信端装置は、所定の電力閾値を設定し、第4の電磁波信号と所定の電力閾値との間の値関係に基づいて、第4の電磁波信号の高いレベル又は低いレベルの値を決定し得る。斯くして、送信端装置は、第3の電磁波信号の電力が安定した電力範囲に到達することができるように、利得係数に基づいて第3の電磁波信号の電力を調節することができる。これは、ワイヤレス充電の充電性能を改善する助けとなる。
【0104】
理解され得ることには、第4の電磁波信号は第1の電磁波信号の一部とすることができ、第4の電磁波信号は第2の電磁波信号とは異なる。換言すれば、第1の電磁波信号が第2の電磁波信号と第4の電磁波信号とに分割され得る。第2の電磁波信号と第4の電磁波信号とのエネルギー配分は、等しくてもよいし、等しくなくてもよい。これは、この出願において限定されることではない。例えば、第2の電磁波信号の信号エネルギーは、第1の電磁波信号の信号エネルギーの80%とし得る。
【0105】
これまた理解され得ることには、“第1の電磁波信号が第2の電磁波信号と第4の電磁波信号とに分割される”における、“分割”は、“ブレイク”、“分解”、又は“抽出”として理解されてもよい。例えば、第2の電磁波信号及び第4の電磁波信号を得るために、電力分割器を用いることによって、第1の電磁波信号に対して電力又はエネルギー配分を実行することができ、あるいは、結合器を用いることによって、第1の電磁波信号の電力又はエネルギーに対して電磁結合を実行することができる。
【0106】
これまた理解され得ることには、他の信号が、第1の電磁波信号から分割されてプロセッシングモジュールに入力されてもよく、プロセッシングモジュールは、例えばコマンド又はデータを抽出するといった信号処理を実行してもよい。
【0107】
これまた理解され得ることには、第4の電磁波信号の高いレベル又は低いレベルの決定は、所定レベルの閾値を使用することによって実施され得る。例えば、第4の電磁波信号のレベルが所定レベルの閾値よりも高いとき、第4の電磁波信号は高いレベルにあり、第4の電磁波信号のレベルが所定レベルの閾値よりも低いとき、第4の電磁波信号は低いレベルにある。あるいは、この出願のこの実施形態において、送信端装置は、複数のレベルインターバルと利得係数との間の対応関係を設定してもよい。斯くして、送信端装置は、第4の電磁波信号のレベルが属するレベルインターバルに基づいて、対応する利得係数を決定し得る。
【0108】
203:送信端装置が、第3の電磁波信号をワイヤレス充電装置に送信し、第3の電磁波信号がワイヤレス充電装置を充電するのに使用される。対応して、ワイヤレス充電装置が、送信端装置によって送信された第3の電磁波信号を受信する。
【0109】
オプションで、第3の電磁波信号のビーム方向は、第1の電磁波信号のビーム方向とは逆である。
【0110】
具体的には、ワイヤレス充電装置は、全方向性ビーム又はワイドビームを用いることによって、送信端装置に開始信号を送信し得る(例えば、開始信号は第1の電磁波信号とし得る)。何らかのビームを用いた開始信号のみが送信端装置によって受信され得ることが可能である。あるいは、送信端装置は、フルビーム又はワイドビームを用いて開始信号を送信し、何らかのビームを用いた開始信号のみがワイヤレス充電装置によっては受信され得る。斯くして、送信端装置及びワイヤレス充電装置は、互いの位置を見つけることができる。送信端装置は、受信した第1の電磁波信号のビーム方向とは逆も向きを持つビームを用いて、第3の電磁波信号をワイヤレス充電装置に送信する。斯くして、送信端装置とワイヤレス充電装置との間での電磁波信号の伝送性能を改善することができるとともに、エネルギー伝送の指向性を実現することができる。
【0111】
オプションで、第3の電磁波信号の周波数は、第1の電磁波信号の周波数と異なる。
【0112】
具体的には、送信端装置が第3の電磁波信号を送信する周波数は、送信端装置が第1の電磁波信号を受信する周波数と異なり得る。斯くして、アップリンク信号とダウンリンク信号との間の伝送干渉を低減させることができ、充電性能をさらに改善することができる。
【0113】
204:ワイヤレス充電装置が、第3の電磁波信号を分割して第5の電磁波信号及び第6の電磁波信号を取得する。
【0114】
具体的には、ワイヤレス充電装置は、第3の電磁波信号に基づいて、第5の電磁波信号と第6の電磁波信号とを得ることができる。例えば、第5の電磁波信号及び第6の電磁波信号は別々に第3の電磁波信号の一部とし得る。
【0115】
理解され得ることには、第5の電磁波信号が第3の電磁波信号の一部であることは、第5の電磁波信号のエネルギーが第3の電磁波信号のエネルギーより低いこととして理解され得る。
【0116】
これまた理解され得ることには、第5の電磁波信号及び第6の電磁波信号を得るために第3の電磁波信号が分割される方式は、第2の電磁波信号及び第4の電磁波信号を得るために第1の電磁波信号が分割される方式と同じとし得る。繰り返しを避けるために、詳細をここで再び説明することはしない。
【0117】
205:ワイヤレス充電装置が、第5の電磁波信号を送信端装置に送信する。対応して、送信端装置が、ワイヤレス充電装置からの第5の電磁波信号を受信する。
【0118】
一実施形態において、送信端装置は更に、第5の電磁波信号の信号強度に基づいて、ワイヤレス充電装置を充電することを続けるべきかを決定し得る。
【0119】
具体的には、送信端装置は、第5の電磁波信号の信号強度と第1の所定の信号強度閾値との間の値関係に基づいて、ワイヤレス充電装置を充電することを続けるべきかを決定し得る。例えば、第5の電磁波信号の信号強度が第1の所定の信号強度閾値以下である場合、送信端装置は、ワイヤレス充電装置を充電することを停止する。第5の電磁波信号の信号強度が、第1の所定の信号強度閾値以上である場合、送信端装置は、ワイヤレス充電装置を充電し続ける。換言すれば、送信端装置は、ワイヤレス充電プロセスにおいてワイヤレス充電装置によってフィードバックされる第5の電磁波信号に基づいて、送信端装置とワイヤレス充電装置との間に障害物が存在するかを判定し得る。遮蔽が特定の程度に達したときに、電磁波信号の継続した送信によって引き起こされる電磁波信号の放射汚染を回避することができる。また、この出願の実施形態では、障害物が人体である場合に、人体への放射の危険性を低減させることができる。
【0120】
理解され得ることには、送信端装置がワイヤレス充電装置を充電するのを停止する。例えば、ワイヤレス充電装置への充電信号(例えば、第5の電磁波信号)の送信を停止した後に、送信端装置は更に、ワイヤレス充電装置への充電接続の構築を再び開始してもよい。あるいは、ワイヤレス充電装置を充電するために別の送信端装置が探索される。これは、この出願において限定されることではない。
【0121】
他の一実施形態において、送信端装置は更に、第5の電磁波信号の信号強度と第1の電磁波信号の信号強度との差と、第2の所定の信号強度閾値との間の値関係に基づいて、ワイヤレス充電装置を充電することを続けるべきかを決定してもよい。
【0122】
具体的には、送信端装置は、現在受信した電磁波信号の信号強度と以前の電磁波信号の信号強度との差と、第2の所定の信号強度閾値との間の値関係に基づいて、ワイヤレス充電装置を充電することを続けるべきかを決定してもよい。例えば、第5の電磁波信号の信号強度と第1の電磁波信号の信号強度との差が第2の所定の信号強度閾値以下であるとき、送信端装置は、ワイヤレス充電装置を充電するのを停止する。第5の電磁波信号の信号強度と第1の電磁波信号の信号強度との差が第2の所定の信号強度閾値より大きいとき、送信端装置は、ワイヤレス充電装置を充電し続ける。換言すれば、送信端装置は、ワイヤレス充電プロセスにおいてワイヤレス充電装置によってフィードバックされる第5の電磁波信号及び第1の電磁波信号に基づいて、送信端装置とワイヤレス充電装置との間に障害物が存在するかを判定し得る。遮蔽が特定の程度に達したときに、電磁波信号の継続した送信によって引き起こされる電磁波信号の放射汚染を回避することができる。また、この出願の実施形態では、障害物が人体である場合に、人体への放射の危険性を低減させることができる。
【0123】
なお、第1の電磁波信号は、先行する充電中にワイヤレス充電装置によって送信端装置にフィードバックされた電磁波信号とし得る。
【0124】
206:ワイヤレス充電装置が、第6の電磁波信号に基づいて充電を実行する。
【0125】
具体的に、送信端装置とワイヤレス充電装置との間での充電プロセスは巡回的プロセスとし得る。具体的には、送信端装置は、充電のためにワイヤレス充電装置に電磁波信号を送信する。ワイヤレス充電装置は、該電磁波信号の一部を充電に使用するとともに、該電磁波信号の他の部分を増幅のために送信端装置にフィードバックし、そして、増幅された電磁波信号を用いてワイヤレス充電装置を充電する。斯くして、送信端装置及びワイヤレス充電装置は、ワイヤレス充電を行うための安定した電力範囲に到達することができ、その結果、充電性能が改善される。
【0126】
また、第1の電磁波信号のうちの第3の電磁波信号の割合をtと仮定し、送信端装置の電力増幅の倍率をAと仮定する。送信端装置とワイヤレス充電装置との間の経路損失により、送信端装置から送信された第3の電磁波信号のうちワイヤレス充電装置に到達する第3の電磁波信号の割合をcとし、受信した第3の電磁波信号のうちの第5の電磁波信号の割合をrとし、ワイヤレス充電装置によって送信された第5の電磁波信号のうちの、送信端装置によって受信される第5の電磁波信号の割合をcとする。従って、送信端装置とワイヤレス充電装置との間の往復の利得はAtrcである。従って、Atrc>1は、往復して信号電力を増幅することができる。送信端装置とワイヤレス充電装置との間に障害物が存在する場合、チャネル損失がかなり増加する。換言すれば、c及びcの値がかなり減少する。言い換えれば、この出願の実施形では、送信端装置とワイヤレス充電装置との間に障害物が存在するとき、信号電力が、遮られるまで往復で減少し得る。換言すれば、この出願の実施形態では、例えば遮蔽などの異常イベントに対して時間内に応答することができ、nsの時間長さ以内で信号伝送を打ち切ることができる。斯くして、ワイヤレス充電装置が電磁波信号を送信するときに生じる電磁波信号の放射汚染が回避される。また、この出願の実施形態では、障害物が人体である場合に、人体への放射の危険性を低減させることができる。
【0127】
これまた理解され得ることには、“第3の電磁波信号が第5の電磁波信号と第6の電磁波信号とに分割される”における、“分割”は、“ブレイク”、“分解”、又は“抽出”として理解されてもよい。例えば、第5の電磁波信号及び第6の電磁波信号を得るために、電力分割器を用いることによって、第3の電磁波信号に対して電力又はエネルギー配分を実行することができ、あるいは、結合器を用いることによって、第3の電磁波信号の電力又はエネルギーに対して電磁結合を実行することができる。
【0128】
これまた理解され得ることには、他の信号が、第3の電磁波信号から分割されてプロセッシングモジュールに入力されてもよく、プロセッシングモジュールは、例えばコマンド又はデータを抽出するといった信号処理を実行してもよい。
【0129】
オプションで、ワイヤレス充電装置が充電し続ける必要がない(例えば、充電を完了した)とき、ワイヤレス充電装置は、充電完了インジケーションを送信端装置に送信する。
【0130】
具体的には、送信端装置がワイヤレス充電装置からの充電完了インジケーションを受信した場合、送信端装置は、充電信号をワイヤレス充電装置に送信するのを停止する。斯くして、ワイヤレス充電装置が充電される必要がないときに送信端装置が依然として充電信号を送信するために引き起こされる放射汚染が回避される。
【0131】
一実施形態において、例えばステップ201の前といった、送信端装置がワイヤレス充電装置への充電接続を構築する前に、ワイヤレス充電装置は、ワイヤレス充電装置の充電電力要求情報を含む充電接続要求を送信端装置に送信し得る。送信端装置は、充電電力要求情報に基づいて、送信端装置がワイヤレス充電装置を充電することが可能であるかを決定し、そして、充電接続応答メッセージをワイヤレス充電装置に送信することによって、当該送信端装置がワイヤレス充電装置を充電することが可能であるかを指し示す。
【0132】
具体的には、ワイヤレス充電装置は能動的に、必要な電力を示す充電電力要求情報を搬送する充電接続要求を送信し得る。送信端装置は、充電接続要求を受信し、充電接続要求内の充電電力要求情報に基づいて、電力要求を満たすことができるかを決定し、そして、充電接続応答メッセージを用いて、結果をワイヤレス充電装置に通知する。例えば、送信端装置がワイヤレス充電装置を充電することが可能でないと送信端装置が決定した場合、充電接続応答メッセージは、送信端装置がワイヤレス充電装置を充電することが可能でないことを指し示す。送信端装置がワイヤレス充電装置を充電することが可能でないことを指し示す充電接続応答メッセージを受信すると、ワイヤレス充電装置は更に、送信端装置を選択し直したり、あるいは、他の動作を実行したりすることができる。送信端装置がワイヤレス充電装置を充電することが可能であると送信端装置が決定した場合、充電接続応答メッセージは、送信端装置がワイヤレス充電装置を充電することが可能であることを指し示す。斯くして、送信端装置は、ワイヤレス充電装置への充電接続を構築することができる。
【0133】
理解され得ることには、送信端装置がワイヤレス充電装置への充電接続を構築する前のフェーズは“準備フェーズ”と称され得る。
【0134】
オプションで、送信端装置がワイヤレス充電装置を充電することが可能でないことを充電接続応答メッセージが指し示すとき、充電接続応答メッセージは更に、充電接続を再構築するための遅延期間を含む。斯くして、遅延期間が経過すると、ワイヤレス充電装置は、充電接続要求を送信端装置に再送信し得る。
【0135】
オプションで、ワイヤレス充電装置が充電接続要求を送信端装置に送信する前に、ワイヤレス充電装置は更に、送信端装置から、送信端装置が充電能力を持っていることを指し示す充電ブロードキャスト情報を受信してもよい。
【0136】
具体的には、充電ブロードキャスト情報は、ワイヤレス充電装置の識別子を含み得る。換言すれば、送信端装置は、充電接続要求を起こすようにワイヤレス充電装置をトリガするように構成される。斯くして、充電能力を持たない送信端装置にワイヤレス充電装置が充電接続要求を送信することが防止される。これは、充電接続構築遅延を減らす助けとなる。
【0137】
他の一実施形態において、例えばステップ201の前といった、送信端装置がワイヤレス充電装置への充電接続を構築する前に、ワイヤレス充電装置は更に、送信端装置から、送信端装置の充電能力を含む充電ブロードキャスト情報を受信し得る。送信端装置の充電能力がワイヤレス充電装置の電力要求を満たすとき、ワイヤレス充電装置は、充電接続要求を送信端装置に送信する。
【0138】
具体的には、送信端装置は能動的に充電ブロードキャスト情報を送信することができ、ワイヤレス充電装置は、受信した充電ブロードキャスト情報に含まれる充電能力に基づいて、ワイヤレス充電装置の電力要件が満たされ得るかを決定する。送信端装置の充電能力がワイヤレス充電装置の電力要求を満たす場合、ワイヤレス充電装置は、充電接続要求を送信端装置に送信する。充電接続要求を受信すると、送信端装置はワイヤレス充電装置を充電する(例えば、第3の電磁波信号を送信する)。送信端装置の充電能力がワイヤレス充電装置の電力要求を満たさない場合、ワイヤレス充電装置は充電接続要求を送信端装置に送信しないとし得る。
【0139】
理解され得ることには、送信端装置は、充電ブロードキャスト情報を継続的に送信してもよいし、充電ブロードキャスト情報を周期的に送信してもよい。これは、この出願において限定されることではない。
【0140】
更に理解され得ることには、通信システムの初期動作時点において、送信端装置は、電磁波信号を生成し、該電磁波信号を増幅し得る。
【0141】
オプションで、充電ブロードキャスト情報は更に、送信端装置の識別子を含み得る。
【0142】
この明細書に記載される実施形態は、独立したソリューションとしてもよいし、内部ロジックに基づいて組み合わせてもよい。これらのソリューションは全て、この出願の保護範囲内にある。
【0143】
理解され得ることには、前述の方法実施形態において、送信端装置によって実装される方法及び動作は、代わりに、送信端装置内で使用されることができるコンポーネント(例えば、チップ又は回路)によって実装されてもよい。ワイヤレス充電装置によって実装される方法及び動作は、ワイヤレス充電装置内で使用されることができるコンポーネント(例えば、チップ又は回路)によって実装されてもよい。
【0144】
以上では主に、この出願の実施形態で提供されるソリューションを様々なインタラクションの観点から記述した。理解され得ることには、前述の機能を実装するために、例えば送信端装置又はワイヤレス充電装置などの各ネットワーク要素が、各機能を実行するための対応するハードウェア構造及び/又はソフトウェアモジュールを含む。当業者が認識することには、この明細書に開示された実施形態にて説明された例と組み合わせて、ユニット及びアルゴリズムステップが、この出願におけるハードウェア又はハードウェアとコンピュータソフトウェアとの組み合わせによって実装され得る。機能がハードウェアによって実行されるのか、それともコンピュータソフトウェアによって駆動されるハードウェアによって実行されるのかは、これらの技術的ソリューションの具体的な用途及び設計制約条件に依存する。当業者は、記載された機能を、具体的な用途ごとに異なる方法を用いて実装し得るが、それらの実装はこの出願の範囲を超えるものであると見なされるべきでない。
【0145】
この出願の実施形態において、送信端装置又はワイヤレス充電装置は、前述の方法例に基づいて機能モジュールに分割され得る。例えば、各機能モジュールを、対応する各機能に基づく分割を通じて得てもよいし、2つ以上の機能を1つの処理モジュールへと統合してもよい。統合モジュールは、ハードウェアの形態で実装されてもよいし、ソフトウェア機能モジュールの形態で実装されてもよい。なお、この出願の実施形態において、モジュールへの分割は一例であり、単なる論理機能分割である。実際の実装では、別の分割のやり方が用いられ得る。以下では、対応する各機能に基づく分割を通じて各機能モジュールが得られる例を用いることにより、説明を提供する。
【0146】
理解されるべきことには、この出願の実施形態における具体的な例は、当業者がこの出願の実施形態をよりよく理解する助けとすることを意図しているに過ぎず、この出願の実施形態の範囲を限定することを意図していない。
【0147】
理解されるべきことには、前述のプロセスのシーケンス番号は、この出願の実施形態における実行シーケンスを意味するものではない。プロセスの実行シーケンスは、プロセスの機能及び内部ロジックに従って決定されるべきであり、この出願の実施形態の実装プロセスに対する限定として解釈されるべきでない。
【0148】
この出願の実施形態で提供される方法を、図2を参照して詳細に上述している。この出願の実施形態で提供される装置を、図3から図9を参照して詳細に後述する。理解されるべきことには、装置実施形態の説明は方法実施形態の説明に対応する。従って、詳細に説明されていない内容については、前述の方法実施形態を参照されたい。簡潔にするために、詳細をここで再び説明することはしない。
【0149】
図3は、この出願の一実施形態に従ったワイヤレス充電用の送信端装置300の概略ブロック図である。
【0150】
理解されるべきことには、送信端装置300は、図1に示した各送信端装置若しくは送信端装置内のチップ、及び図2に示した実施形態における送信端装置若しくは送信端装置内のチップに対応し得る。送信端装置300は、図2に示した方法実施形態における送信端装置の機能を有し得る。送信端装置300は、トランシーバアンテナ310及び電力増幅モジュール320を含む。
【0151】
トランシーバアンテナ310は、ワイヤレス充電装置から第1の電磁波信号を受信し、該第1の電磁波信号の全て又は一部を電力増幅モジュールに転送するように構成される。
【0152】
電力増幅モジュール320は、第1の電磁波信号の全て又は一部に対して電力増幅を実行して第3の電磁波信号を取得し、該第3の電磁波信号をトランシーバアンテナに送るように構成される。
【0153】
トランシーバアンテナ310は更に、第3の電磁波信号をワイヤレス充電装置に送信するように構成され、第3の電磁波信号が、ワイヤレス充電装置を充電するのに使用される。
【0154】
理解され得ることには、トランシーバアンテナ310は逆方向アンテナとし得る。逆方向アンテナは、第3の電磁波信号の送信ビームのビーム方向が第1の電磁波信号の受信ビームのビーム方向と反対になることを実現するように構成されることができる。
【0155】
オプションで、送信端装置300は更に、電力配分モジュール330及び利得制御モジュール340を含む。電力配分モジュール330は、第1の電磁波信号を分割して第2の電磁波信号及び第4の電磁波信号を取得し、第4の電磁波信号を利得制御モジュールに送るように構成される。利得制御モジュール340は、第4の電磁波信号に基づいて利得係数を決定し、該利得係数を電力増幅モジュールに送るように構成される。電力増幅モジュール320が、第1の電磁波信号の全て又は一部に対して電力増幅を実行して第3の電磁波信号を取得し、該第3の電磁波信号をトランシーバアンテナに送るように構成されることは、具体的に、電力増幅モジュール320が、利得係数に基づいて第2の電磁波信号に対して電力増幅を実行して第3の電磁波信号を取得し、該第3の電磁波信号をトランシーバアンテナに送るように構成される、ことである。
【0156】
一例において、電力配分モジュール330は結合器とし得る。
【0157】
他の一例において、電力配分モジュール30は電力分割器とし得る。
【0158】
理解され得ることには、電力分割器が電磁波信号を分割した後に得られる2つ以上の電磁波信号のエネルギーは等しくてもよい。結合器が電磁波信号を分割した後に得られる2つ以上の電磁波信号のエネルギーは一般に等しくない。例えば、結合器の電磁結合方式で得られる2つの電磁波のうちの一方の電磁波信号のエネルギーは、他方の電磁波信号のエネルギーよりも遥かに低い。
【0159】
オプションで、トランシーバアンテナ310は更に、ワイヤレス充電装置からの第5の電磁波信号を受信するように構成され、第5の電磁波信号は、ワイヤレス充電装置により第3の電磁波信号を分割することによって取得される。送信端装置300は更に、第5の電磁波信号の信号強度が所定値以下であるときにワイヤレス充電装置を充電することを停止するように構成されたプロセッシングモジュール350を含む。
【0160】
理解され得ることには、プロセッシングもジュール350は更に、シグナリング、データ、又はこれらに類するものを抽出するように構成され得る。これは、この出願において限定されることではない。
【0161】
オプションで、トランシーバアンテナ310は更に、ワイヤレス充電装置から、ワイヤレス充電装置の充電電力要求情報を含む充電接続要求を受信するように構成される。送信端装置300は更に、プロセッシングモジュール350を含み、プロセッシングモジュール350は、充電電力要求情報に基づいて送信端装置300がワイヤレス充電装置を充電することが可能であるかを決定するように構成される。トランシーバアンテナ310は更に、送信端装置300がワイヤレス充電装置を充電することが可能であるかを指し示す充電接続応答メッセージをワイヤレス充電装置に送信するように構成される。
【0162】
オプションで、送信端装置300がワイヤレス充電装置を充電することが可能でないことを充電接続応答メッセージが指し示すとき、充電接続応答メッセージは更に、充電接続を再構築するための遅延期間を含む。
【0163】
オプションで、トランシーバアンテナ310は更に、送信端装置の充電能力を含む充電ブロードキャスト情報を送信するように構成される。トランシーバアンテナ310は更に、ワイヤレス充電装置から、ワイヤレス充電装置を充電することを要求するために使用される充電接続要求を受信するように構成される。
【0164】
一実施形態において、トランシーバアンテナは、バン・アッタ・アンテナアレイを含む。
【0165】
具体的には、トランシーバアンテナは、送信信号及び受信信号のビーム反転を実現するように構成される。ビーム反転はまた、送信信号及び受信信号の位相反転を通じて実現されてもよい。斯くして、トランシーバアンテナは、バン・アッタ・アンテナアレイとし得る。図4に示すように、バン・アッタ・アンテナアレイは、一般にリニアアレイであり、偶数個のアレイ素子を有する。対応し合うアンテナアレイ素子間に同じ信号接続遅延が存在し、隣接し合うアンテナアレイ素子間に同じ遅延が存在する。従って、同じ位相差φが発生する。例えば、受信する際に、アンテナ1a、アンテナ2a、…、アンテナNa、アンテナNb、…、アンテナ2b、及びアンテナ1bの受信信号の位相が、それぞれ、θ、θ+φ、…、θ+(N-1)φ、θ+Nφ、…、θ+(2N-2)φ、及びθ+(2N-1)φであり、接続遅延位相が全てαであると仮定する。この場合、送信する際に、アンテナ1a、アンテナ2a、…、アンテナNa、アンテナNb、…、アンテナ2b、及びアンテナ1bの送信信号の位相は、それぞれ、α+θ+(2N-1)φ、α+θ+(2N-2)φ、…、α+θ+Nφ、α+θ+(N-1)φ、…、α+θ+φ、及びα+θである(例えば、アンテナ1aによって送信される信号はアンテナ1bの受信信号であり、アンテナ1aによって送信される信号の位相は、アンテナ1bの受信信号の位相に接続遅延位相を加えたものである)。斯くして、隣接し合うアンテナアレイ素子間の位相差は-φであり、その結果、逆信号伝送が実現される。
【0166】
他の一実施形態において、トランシーバアンテナは、複数のアンテナアレイ素子を含み、該複数のアンテナアレイ素子の各々が、アンテナと、1つ以上のフィルタと、1つ以上の周波数ミキサとを含む。
【0167】
理解され得ることには、トランシーバアンテナは、周波数ミキシングアンテナアレイである。
【0168】
一例において、各アンテナアレイ素子が、アンテナと、1つのフィルタと、1つの周波数ミキサとを含む。
【0169】
オプションで、周波数ミキサの第1の入力信号の周波数は第2の入力信号の周波数の2倍であり、第2の入力信号は、トランシーバアンテナの入力信号がアンテナを通り過ぎた後に得られる出力信号であり、周波数ミキサの出力信号は、フィルタの入力信号であり、そして、フィルタがフィルタリング除去するように構成される周波数は、第2の入力信号の周波数の3倍である。
【0170】
具体的には、i=1,…,nとして、図5に示すように、複数のアンテナアレイ素子のうちi番目のアンテナアレイ素子の入力信号はcos(2πft+φi)である。入力信号は、アンテナを通り過ぎた後に周波数ミキサの第2の入力信号として使用され得る。また、周波数ミキサは更に、別の入力信号(以下、第1の入力信号と称する)を有し、第1の入力信号はcos(4πft+θ)とし得る。斯くして、第1の入力信号及び第2の入力信号に対して周波数ミキシングが行われた後に周波数ミキサによって出力される信号は、第2の入力信号は0.5×[cos(6πft+θ+φi)+cos(2πft+θ-φi)]である。ある周波数の3倍の周波数を持つ成分がローパス又はバンドパスフィルタリングによってフィルタリング除去された後、信号は0.5×cos(2πft+θ-φi)となる。このフィルタが、送信用の信号をアンテナに出力する。斯くして、位相反転が実現され、換言すれば、信号伝送のビームが反対になる。
【0171】
理解され得ることには、トランシーバアンテナ内のアンテナは、1つの物理ユニットを用いることによって信号を送信したり受信したりしてもよいし、2つの物理ユニットをそれぞれ用いることによって信号を送信したり受信したりしてもよい。
【0172】
他の一例において、各アンテナアレイ素子が、アンテナと、複数のフィルタと、複数の周波数ミキサとを含む。
【0173】
オプションで、トランシーバアンテナが、アンテナと、2つのフィルタと、2つの周波数ミキサとを含むとき、2つの周波数ミキサのうちの第1の周波数ミキサの第1の入力信号の周波数は、所定の周波数と第2の入力信号の周波数との和であり、第2の入力信号は、トランシーバアンテナの入力信号がアンテナを通り過ぎた後に得られる出力信号であり、第1の周波数ミキサの出力信号は、2つのフィルタのうちの第1のフィルタの入力信号であり、第1のフィルタの出力信号は、2つの周波数ミキサのうちの第2の周波数ミキサの第3の入力信号であり、第2の周波数ミキサの第4の入力信号の周波数は、第2の入力信号の周波数と所定の周波数との差であり、第2の周波数ミキサの出力信号は、2つのフィルタのうちの第2のフィルタの入力信号であり、第1のフィルタがフィルタリング除去するように構成される周波数は、所定の周波数と第2の入力信号の周波数の2倍との和であり、そして、第2のフィルタがフィルタリング除去するように構成される周波数は、第2の入力信号の周波数と所定の周波数の2倍との差である。
【0174】
具体的には、各アンテナアレイ素子は代わりに2回の周波数ミキシングを実行し得る。例えば、図6に示すように、説明のための例としてアンテナアレイ素子を用いる。i=1,…,nとして、周波数ミキサ1の第2の入力信号はcos(2πft+φi)であり、第1の入力信号はcos(2πft+2πft+θ)である。第1の入力信号及び第2の入力信号に対して周波数ミキシングが行われた後に得られる信号は0.5×[cos(4πft+2πft+θ+φi)+cos(2πft+θ-φi)]である。(2f+f)の周波数成分がフィルタ1によってフィルタリング除去された後、信号は0.5×cos(2πft+θ-φi)となる。信号0.5×cos(2πft+θ-φi)が周波数ミキサ2を通過し、周波数ミキサ2の別の入力信号はcos(2πft-2πft+θ)である。斯くして、これら2つの信号に対して周波数ミキサ2によって周波数ミキシングが行われた後に、信号0.25×[cos(2πft+θ+θ-φi)+cos(2πft-4πft-θ+θ+φi)]が得られる。周波数ミキサ2の出力信号がフィルタ2を通過する。周波数成分(f-2f)がフィルタリング除去された後、信号は0.25×cos(2πft+θ+θ-φi)となる。斯くして、位相反転が実現され、逆信号伝送が実現される。
【0175】
理解され得ることには、fの値はfよりも小さいとし得る。これは、第1の入力信号を生成することの難しさを減らす助けとなる。
【0176】
オプションで、トランシーバアンテナが、アンテナと、1つのフィルタと、1つの周波数ミキサとを含むとき、周波数ミキサの第1の入力信号の周波数は、第2の入力信号の周波数と所定の周波数との和の2倍であり、第2の入力信号は、トランシーバアンテナの入力信号がアンテナを通り過ぎた後に得られる出力信号であり、そして、フィルタがフィルタリング除去するように構成される周波数は、第2の入力信号の周波数の3倍と所定の周波数の2倍との和である。
【0177】
具体的には、トランシーバアンテナは更に、アップリンク信号とダウンリンク信号との間の干渉を回避するために、出力信号の周波数を入力信号の周波数と異なるように設定するよう構成され得る。例えば、図7に示されるように、説明のための例としてトランシーバアンテナ内のi番目のアレイ素子を用いる。i=1,…,nとして、i番目のアレイ素子の入力信号はcos(2πft+φi)であり、該信号がアンテナを通り過ぎた後に周波数ミキサへと出力される。周波数ミキサの別の入力信号はcos[4π(f+Δf)t+θ]である。斯くして、これら2つの信号に対して周波数ミキサによって周波数ミキシングが行われた後に、0.5×[cos(6πft+4πΔft+φi)+cos(2πft+4πΔft+θ-φi)]が取得され得る。ある周波数の3倍の周波数を持つ成分をフィルタがフィルタリング除去した後、信号は0.5×cos[2π(f+2Δf)t+θ-φi]となる。斯くして、位相反転が実現され、トランシーバアンテナの出力信号の周波数は入力信号の周波数と異なるものとなる(すなわち、2Δfが増加される)。
【0178】
なお、図7に示すシナリオにおいて、ワイヤレス充電装置のトランシーバアンテナ内の周波数ミキサの第1の入力信号は、cos[4πft+θ]又はcos[4π(f+Δf)t+θ]とし得る。ワイヤレス充電装置のトランシーバアンテナ内の周波数ミキサの第1の入力信号がcos[4π(f-Δf)t+θ]である場合、送信端装置の第1の入力信号に対して2Δfの周波数が増加され、ワイヤレス充電装置の第1の入力信号に対して2Δfの周波数が低下される。より高い周波数がアンテナアレイのサイズをより小さくすることができると考えられる場合、ワイヤレス充電装置がいっそうコンパクトになるように、送信端装置が低めの周波数を使用し、ワイヤレス充電装置が高めの周波数を使用してもよい。
【0179】
理解され得ることには、Δfの値は、正の数であってもよいし、負の数であってもよい。
【0180】
オプションで、電力配分モジュール330は、アンテナのアンテナフィードポイントと周波数ミキサとの間にセットされる。
【0181】
具体的には、図8に示すように、電力配分モジュールとトランシーバアンテナとの間の接続位置が、アンテナのアンテナフィードポイントの近くにセットされ得る。斯くして、エネルギー損失を低減させることができる。
【0182】
オプションで、電力増幅モジュールは、1つ以上の電力増幅器を含む。
【0183】
具体的には、電力増幅モジュールは、1つ以上の電力増幅器を用いて実装され得る。例えば、より大きい利得を提供することができるように、複数の電力増幅器を直列に接続して多段増幅を実装し得る。あるいは、線形性を改善することができるように、及びより広い範囲での利得調節をサポートすることができるように、複数の電力増幅器が並列に接続される。
【0184】
オプションで、電力配分モジュールは結合器又は電力分割器を含む。
【0185】
具体的には、結合器を用いて電力配分モジュールを実装する場合、電磁結合機能を持つワイヤを伝送線の近くに配置することで、主伝送線と結合ワイヤ線との間に電力を配分する機能を実現できるようにし得る。
【0186】
理解され得ることには、図3は、送信端装置の単純化した設計を示すのみである。実際の適用において、送信端装置は更に、以下に限られないが、任意数のトランシーバアンテナ、プロセッサ、電力分割器、結合器、電力増幅器、及びメモリなどを含め、他の必要なコンポーネントを含むことができ、この適用を実装することができる全ての端末が、この出願の保護範囲内にある。
【0187】
この出願の一実施形態は更に、送信端装置を提供する。当該送信端装置は端末又は回路とし得る。当該送信端装置は、前述の方法実施形態において送信端装置によって行われる動作を実行するように構成され得る。
【0188】
図9は、この出願の一実施形態に従ったワイヤレス充電装置900の概略ブロック図である。
【0189】
理解されるべきことには、ワイヤレス充電装置900は、図1に示した各ワイヤレス充電装置若しくはワイヤレス充電装置内のチップ、及び図2に示した実施形態におけるワイヤレス充電装置若しくはワイヤレス充電装置内のチップに対応し得る。ワイヤレス充電装置900は、図2に示した方法実施形態におけるワイヤレス充電装置の機能を有し得る。ワイヤレス充電装置900は、トランシーバアンテナ910と、電力配分モジュール920と、充電モジュール930とを含む。
【0190】
トランシーバアンテナ910は、送信端装置から第3の電磁波信号を受信し、第3の電磁波信号を電力配分モジュールに転送するように構成される。
【0191】
電力配分モジュール920は、第3の電磁波信号を分割して第5の電磁波信号及び第6の電磁波信号を取得し、第5の電磁波信号をトランシーバアンテナに転送し、第6の電磁波信号を充電モジュールに転送するように構成される。
【0192】
トランシーバアンテナ910は更に、第5の電磁波信号を送信端装置に送信するように構成される。
【0193】
充電モジュール930は、第6の電磁波信号に基づいて充電を実行するように構成される。
【0194】
オプションで、トランシーバアンテナ910は更に、ワイヤレス充電装置の充電電力要求情報を含む充電接続要求を送信端装置に送信するように構成される。トランシーバアンテナ910は更に、送信端装置から、送信端装置がワイヤレス充電装置を充電することが可能であるかを指し示す充電接続応答メッセージを受信するように構成される。
【0195】
オプションで、送信端装置がワイヤレス充電装置を充電することが可能でないことを充電接続応答メッセージが指し示すとき、充電接続応答メッセージは更に、充電接続を再構築するための遅延期間を含む。トランシーバアンテナは更に、遅延期間が経過したときに、充電接続要求を送信端装置に送信するように構成される。
【0196】
オプションで、トランシーバアンテナ910は更に、送信端装置の充電能力を含む充電ブロードキャスト情報を受信するように構成される。トランシーバアンテナ910は更に、送信端装置の充電能力が当該ワイヤレス充電装置の電力要件を満たすときに、ワイヤレス充電装置を充電することを要求するために使用される充電接続要求を送信端装置に送信するように構成される。
【0197】
オプションで、トランシーバアンテナ910は、バン・アッタ・アンテナアレイを含む。
【0198】
オプションで、トランシーバアンテナは、複数のアンテナアレイ素子を含み、該複数のアンテナアレイ素子の各々が、アンテナと、1つ以上のフィルタと、1つ以上の周波数ミキサとを含む。
【0199】
オプションで、電力配分モジュールは、アンテナのアンテナフィードポイントと周波数ミキサとの間にセットされる。
【0200】
オプションで、各アンテナアレイ素子が、アンテナと、フィルタと、周波数ミキサとを含むとき、周波数ミキサの第1の入力信号の周波数は第2の入力信号の周波数の2倍であり、第2の入力信号は、トランシーバアンテナの入力信号がアンテナを通り過ぎた後に得られる出力信号であり、周波数ミキサの出力信号は、フィルタの入力信号であり、そして、フィルタがフィルタリング除去するように構成される周波数は、第2の入力信号の周波数の3倍である。
【0201】
オプションで、各アンテナアレイ素子が、アンテナと、2つのフィルタと、2つの周波数ミキサとを含むとき、2つの周波数ミキサのうちの第1の周波数ミキサの第1の入力信号の周波数は、所定の周波数と第2の入力信号の周波数との和であり、第2の入力信号は、アンテナの出力信号であり、第1の周波数ミキサの出力信号は、2つのフィルタのうちの第1のフィルタの入力信号であり、第1のフィルタの出力信号は、2つの周波数ミキサのうちの第2の周波数ミキサの第3の入力信号であり、第2の周波数ミキサの第4の入力信号の周波数は、第2の入力信号の周波数と所定の周波数との差であり、第2の周波数ミキサの出力信号は、2つのフィルタのうちの第2のフィルタの入力信号であり、第1のフィルタがフィルタリング除去するように構成される周波数は、所定の周波数と第2の入力信号の周波数の2倍との和であり、そして、第2のフィルタがフィルタリング除去するように構成される周波数は、第2の入力信号の周波数と所定の周波数の2倍との差である。
【0202】
オプションで、各アンテナアレイ素子が、アンテナと、1つのフィルタと、1つの周波数ミキサとを含むとき、周波数ミキサの第1の入力信号の周波数は、第2の入力信号の周波数と所定の周波数との差の2倍であり、第2の入力信号は、アンテナの出力信号であり、そして、フィルタがフィルタリング除去するように構成される周波数は、第2の入力信号の周波数の3倍と所定の周波数の2倍との和である。
【0203】
オプションで、電力配分モジュールは結合器又は電力分割器を含む。
【0204】
理解され得ることには、図9は、ワイヤレス充電装置の単純化した設計を示すのみである。実際の適用において、ワイヤレス充電装置は更に、以下に限られないが、任意数のトランシーバアンテナ、プロセッサ、電力分割器、及びメモリなどを含め、他の必要なコンポーネントを含むことができ、この適用を実装することができる全ての端末が、この出願の保護範囲内にある。
【0205】
この出願の一実施形態は更に、ワイヤレス充電装置を提供する。当該ワイヤレス充電装置は端末又は回路とし得る。当該送信端装置は、前述の方法実施形態において送信端装置によって行われる動作を実行するように構成され得る。
【0206】
この出願において、“少なくとも1つ”は1つ以上を意味し、“複数の”は2つ以上を意味する。“及び/又は”は、関連するオブジェクト間の連関関係を記述するものであり、3つの関係が存在し得ることを表す。例えば、A及び/又はBは、以下のケース、すなわち、Aのみが存在する、AとBの両方が存在する、及びBのみが存在する、というケースを表し得るものであり、A及びBは単数であっても複数であってもよい。文字“/”は、通常、関連するオブジェクト間の“又は”の関係を指し示す。また、“以下のアイテム(ピース)のうち少なくとも1つ”又はこれに類する表現は、単数のアイテム(ピース)又は複数のアイテム(ピース)の任意の組み合わせを含め、それらのアイテムのうちの任意の組み合わせを指し示す。例えば、a、b、又はcのうちの少なくとも1つは、a、b、c、a及びb、a及びc、b及びc、又はa、b、及びcを指し示し得るものであり、a、b、及びcは単数であっても複数であってもよい。
【0207】
理解されるべきことには、明細書全体で言及される“一実施形態”又は“ある実施形態”は、その実施形態に関係する特定の機構、構造、又は特性がこの発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。従って、明細書全体を通して現れる“一実施形態において”又は“ある実施形態において”は、同一の実施形態を指すものではない。さらに、それら特定の機構、構造、又は特性は、何らかの適切なやり方を用いて、1つ以上の実施形態において組み合わされ得る。理解されるべきことには、前述のプロセスのシーケンス番号は、この発明の実施形態における実行シーケンスを意味するものではない。プロセスの実行シーケンスは、プロセスの機能及び内部ロジックに従って決定されるべきであり、この発明の実施形態の実施プロセスに対する限定として解釈されるべきでない。
【0208】
この明細書で使用される例えば“コンポーネント”、“モジュール”、及び“システム”などの用語は、コンピュータ関連エンティティ、ハードウェア、ファームウェア、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせ、ソフトウェア、又は実行中のソフトウェアを示すために使用される。例えば、コンポーネントは、以下に限られないが、プロセッサ上で走るアプリケーション、プロセッサ、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、プログラム、及び/又はコンピュータとし得る。図を用いることによって示されるように、コンピューティング装置及びコンピューティング装置上で走るアプリケーションはどちらもコンポーネントであり得る。1つ以上のコンポーネントがプロセス及び/又は実行スレッドの中に存在することができ、コンポーネントは、1つのコンピュータ上に位置してもよいし、及び/又は2つ以上のコンピュータ間で分散されてもよい。また、それらのコンポーネントは、様々なデータ構造を格納した様々なコンピュータ読み取り可能媒体によって実行され得る。例えば、それらのコンポーネントは、ローカル及び/又はリモートのプロセスを用いることによって、及び、例えば、1つ以上のデータパケット(例えば、ローカルシステム内で、分散システム内で、及び/又は、信号を用いて他のシステムとインタラクトする例えばインターネットなどのネットワークを横切って、他のコンポーネントとインタラクトする2つのコンポーネントからのデータ)を持つ信号に基づいて、通信し得る。
【0209】
更に理解されるべきことには、この明細書における“第1の”、“第2の”、及び様々な数値記号は、単に、説明の容易さのために区別するために使用されるに過ぎず、この出願の実施形態の範囲を限定することを意図するものではない。
【0210】
なお、用語“及び/又は”は、関連するオブジェクト間の連関関係を記述するものであり、3つの関係が存在し得ることを示す。例えば、A及び/又はBは、以下のケース、すなわち、Aのみが存在する、AとBの両方が存在する、及びBのみが存在する、というケースを示し得る。Aのみ又はBのみが存在するとき、A又はBの数は限定されない。Aのみが存在する例において、それは、1つ以上のAが存在すると理解され得る。
【0211】
当業者が認識し得ることには、この明細書に開示された実施形態にて説明された例と組み合わせて、ユニット及びアルゴリズムステップが、エレクトロニクスハードウェア又はコンピュータソフトウェアとエレクトロニクスハードウェアとの組み合わせによって実装され得る。機能がハードウェアによって実行されるのか、それともソフトウェアによって実行されるのかは、これらの技術的ソリューションの具体的な用途及び設計制約に依存する。当業者は、記載された機能を、具体的な用途ごとに異なる方法を用いて実装し得るが、その実装はこの出願の範囲を超えるものであると見なされるべきでない。
【0212】
当業者によって明確に理解されるべきことには、簡便で簡潔な説明のため、前述のシステム、装置、及びユニットの詳細な動作プロセスについては、前述の方法実施形態における対応するプロセスを参照されたい。詳細をここで再び説明することはしない。
【0213】
この出願で提供される幾つかの実施形態において、理解されるべきことには、開示されたシステム、装置、及び方法は、他の方式で実装されてもよい。例えば、前述の装置実施形態は単なる例である。例えば、ユニットへの分割は、単なる論理機能分割であり、実際の実装においては別の分割であってもよい。例えば、複数のユニット又はコンポーネントが他のシステムへと結合又は統合されてもよいし、あるいは、一部の機構が無視されたり実行されなかったりしてもよい。また、図示又は説明された相互の結合、直接的な結合、又は通信接続は、何らかのインタフェースを介して実装されてもよい。装置又はユニット間の間接的な結合又は通信接続は、電気的な形態、機械的な形態、又は他の形態で実装されてもよい。
【0214】
別々の部分として記載されたユニットは、物理的に分離されてもよいし、されなくてもよく、また、ユニットとして図示された部分は、物理的なユニットであってよいし、なくてもよく、1つの位置に置かれてもよく、あるいは、複数のネットワークユニット上に分散されてもよい。ユニットの一部又は全てが、実施形態のソリューションの目的を達成するための実際の要求に基づいて選択され得る。
【0215】
また、この出願の実施形態における複数の機能ユニットが1つの処理ユニットへと統合されてもよく、それらのユニットの各々が物理的に単独で存在してもよく、あるいは、2つ以上のユニットが1つのユニットへと統合される。
【0216】
機能がソフトウェア機能ユニットの形態で実装されて、独立したプロダクトとして販売又は使用される場合、それらの機能はコンピュータ読み取り可能記憶媒体に格納され得る。このような理解に基づき、この出願の技術的ソリューションは本質的に、又は従来技術に寄与する部分は、又は技術的ソリューションの一部は、ソフトウェアプロダクトの形態で実装され得る。ソフトウェアプロダクトは、記憶媒体に記憶され、この出願の実施形態に記載された方法におけるステップの全て又は一部を実行するようにコンピュータ装置(これは、パーソナルコンピュータ、サーバ、ネットワーク装置、又はこれらに類するものとし得る)に指示するための幾つかの命令を含む。前述の記憶媒体は、例えば、USBフラッシュドライブ、リムーバブルハードディスク、読み出し専用メモリ(read-only memory,ROM)、ランダムアクセスメモリ(random access memory,RAM)、磁気ディスク、又は光ディスクといった、プログラムコードを格納することができる任意の媒体を含む。
【0217】
以上の説明は、単にこの出願の特定の実装であり、この出願の保護範囲を限定する意図ではない。この出願にて開示された技術範囲内で当業者が容易に考え付く如何なる変更又は置換もこの出願の保護範囲に入るものである。従って、この出願の保護範囲は請求項の保護範囲に従うものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9