(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-20
(45)【発行日】2023-12-28
(54)【発明の名称】真空ガラス支持物の分離配置装置及び方法
(51)【国際特許分類】
C03C 27/06 20060101AFI20231221BHJP
E06B 3/663 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
C03C27/06 101C
E06B3/663 A
(21)【出願番号】P 2022560512
(86)(22)【出願日】2021-03-04
(86)【国際出願番号】 CN2021079067
(87)【国際公開番号】W WO2021208628
(87)【国際公開日】2021-10-21
【審査請求日】2022-10-04
(31)【優先権主張番号】202010284983.1
(32)【優先日】2020-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】513128442
【氏名又は名称】ルオヤン ランドグラス テクノロジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】ヂャオ,イェン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ヂャンシャン
(72)【発明者】
【氏名】リー,ジンユー
(72)【発明者】
【氏名】ウー,ハイイェン
【審査官】酒井 英夫
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第108503241(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第106045286(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第103253874(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03C 27/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空ガラス支持物の分離装置であって、台座と、バイブレータと、分離チャンバアセンブリと、分離アクチュエーターと、フィードチューブと、駆動装置とを含み、台座の一方側に分離アクチュエーターと接続される駆動装置が設けられ、台座の他方側に分離チャンバアセンブリ、分離アクチュエーター、及びフィードチューブが上から順に設けられ、バイブレータは分離チャンバアセンブリに設けられ、分離チャンバアセンブリに投入口と、収容タンクと、排出口とが設けられ、投入口は収容タンクと連通し、排出口はフィードチューブと連通し、分離チャンバアセンブリは水平面に対して斜めに設けられ、分離アクチュエーターは分離チャンバアセンブリを貫通し、収容タンクの下部に往復移動可能に設けられ、分離アクチュエーターの排出口に近い側の上縁に単一の支持物を収納する凹溝が設けられ、分離アクチュエーターが往復移動している間に、収容タンクは分離アクチュエーターの凹溝を介して排出口と連通する、ことを特徴とする、真空ガラス支持物の分離装置。
【請求項2】
さらに、ホッパーと、位置規制用ストッパとを含み、前記分離チャンバアセンブリは位置規制用ストッパを介して水平面に対して斜めのベース板に設けられ、前記分離チャンバアセンブリは平行して設けられる上分離チャンバプレートと、下分離チャンバプレートとを含み、上分離チャンバプレートに前記投入口が設けられ、下分離チャンバプレートに前記排出口が設けられ、前記収容タンク
は上分離チャンバプレートのホッパーから遠い端面及び/又は下分離チャンバプレートのホッパーに近い端面に設けられ、前
記収容タンクの上
端にホッパーと連通する前記投入口が設けられ、
前記収容タンクの下部に前記分離アクチュエーターの凹溝と連通する前記排出口が設けられ、前記分離アクチュエーターは
前記収容タンクの下部に沿って往復移動する、ことを特徴とする、請求項1に記載の真空ガラス支持物の分離装置。
【請求項3】
前
記収容タンクの厚みをdとし、支持物の厚みをd1とし、支持物の横断面における任意2点の最大距離をd2としたとき、d1<d<d2、且つd<2d1となることを特徴とする、請求項2に記載の真空ガラス支持物の分離装置。
【請求項4】
前記分離アクチュエーターの凹溝の高さをhとし、前記分離アクチュエーターの凹溝の幅をwとし、支持物の横断面における任意2点の最大距離をd2としたとき、d2<h、d2<wとなり、且つd2とhとの差の範囲は0.01mm~0.5mmであり、d2とwとの差の範囲は0.01mm~0.5mmである、ことを特徴とする、請求項1に記載の真空ガラス支持物の分離装置。
【請求項5】
d2とhとの差の範囲は0.1mm~0.2mmであり、d2とwとの差の範囲は0.1mm~0.2mmである、ことを特徴とする、請求項4に記載の真空ガラス支持物の分離装置。
【請求項6】
前記フィードチューブは透明のチューブであり、フィードチューブの管壁にセンサーが設けられる、ことを特徴とする、請求項1に記載の真空ガラス支持物の分離装置。
【請求項7】
前記フィードチューブの内径をrとし、支持物の横断面における任意2点の最大距離をd2としたとき、r>d2となり、且つrとd2との差の範囲は0.01mm~0.5mmである、ことを特徴とする、請求項1又は6に記載の真空ガラス支持物の分離装置。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の真空ガラス支持物の分離装置を採用する真空ガラス支持物の分離方法であって、
バイブレータを起動し、ホッパーにある支持物を投入口を通過させ、収容タンク内で順に分散させて単一層に配列させるステップ1と、
駆動装置を起動し、分離アクチュエーターを押し出し、バイブレータの作動によって、収容タンクの最下層にあるいずれか1つの支持物顆粒を分離アクチュエーターの凹溝に快速且つ精確に入らせ、分離アクチュエーターの凹溝と排出口とが重なると、駆動装置の駆動を停止するステップ2と、
支持物をフィードチューブに落下させ、センサーが支持物の通過を検出した場合、分離動作を完成するステップ3と、
センサーが支持物の通過を検出できなかった場合、センサーが支持物の通過を検出して分離動作を完成するまで、ステップ1からステップ3を繰り返すステップ4とを含む、ことを特徴とする、真空ガラス支持物の分離方法。
【請求項9】
真空ガラス支持物の配置システムであって、輸送エリアと、制御システムと、複数の請求項1~7のいずれか1項に記載の真空ガラス支持物の分離装置とを含み、前記輸送エリアはフレームと、フレームに設けられる輸送ローラテーブルとを含み、フレームに支持ビームが設けられ、前記分離装置は、間隔を空けて支持ビームに線状に配列され、支持物の分離操作を同時に行い、一回又は複数回の動作によって真空ガラス支持物の一列配置を完成し、あるいは、複数の請求項1~7のいずれか1項に記載の真空ガラス支持物の分離装置は、支持ビームにアレイ状に配列され、支持物の分離操作を同時に行い、一回又は複数回の動作によって一つのエリアの支持物配置を完成する、ことを特徴とする、真空ガラス支持物の配置システム。
【請求項10】
請求項9に記載の真空ガラス支持物の配置システムを採用するガラス支持物の配置方法であって、
請求項8に記載の真空ガラス支持物の分離方法を採用して、支持物を分離するステップ1と、
前記分離装置をガラスに対してステップ移動させるステップ2と、
ガラス表面が支持物に敷き詰められ、配置動作を完成するまで、ステップ1とステップ2を繰り返すステップ3とを含む、ことを特徴とする、真空ガラス支持物の配置方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空ガラスの製造デバイスという分野に属し、具体的には、支持物顆粒を分離する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
真空ガラスの製造中において、2枚のガラスの間は真空状態にあるので、外部からの大気圧に耐えられるように真空層に支持物を設ける必要があり、中間支持物の粒子径の範囲は0.1 mm~0.5 mmである。現在使用されている分離方法として、顆粒物を螺旋振動定盤で整列して、圧縮空気の間欠的な気流流通/遮断によって、顆粒物を一つずつフィードチューブに送り込んで、ガラスの表面に配置する。分離中において、気流の強さによっては分離の精確度が影響され、ガラス表面に余分な顆粒物が残ってしまうことがあり、配置後、ガラス表面における支持物の数をチェックし、余分な支持物を除去してから、再び補完する必要があるので、検査のコストが増大し、生産リズムが延び、生産効率が低くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、新規で独特な構造を有し、使用が便利で、且つ支持物顆粒を一つずつ分離できる真空ガラス支持物の分離装置を提供することであり、その具体的な技術方案は下記のとおりである。
【0004】
真空ガラス支持物の分離装置であって、台座と、バイブレータと、分離チャンバアセンブリと、分離アクチュエーターと、フィードチューブと、駆動装置とを含み、台座の一方側に分離アクチュエーターと接続される駆動装置が設けられ、台座の他方側に分離チャンバアセンブリ、分離アクチュエーター、及びフィードチューブが上から順に設けられ、バイブレータは分離チャンバアセンブリに設けられ、分離チャンバアセンブリに投入口と、収容タンクと、排出口とが設けられ、投入口は収容タンクと連通し、排出口はフィードチューブと連通し、分離チャンバアセンブリは水平面に対して斜めに設けられ、分離アクチュエーターは分離チャンバアセンブリを貫通し、収容タンクの下部に往復移動可能に設けられ、分離アクチュエーターの排出口に近い側の上縁に単一の支持物を収納する凹溝が設けられ、分離アクチュエーターが往復移動している間に、収容タンクは分離アクチュエーターの凹溝を介して排出口と連通する。
【0005】
さらに、ホッパーと、位置規制用ストッパとを含み、前記分離チャンバアセンブリは位置規制用ストッパを介して水平面に対して斜めのベース板に設けられ、前記分離チャンバアセンブリは平行して設けられる上分離チャンバプレートと、下分離チャンバプレートとを含み、上分離チャンバプレートに前記投入口が設けられ、下分離チャンバプレートに前記排出口が設けられ、前記収容タンクは「凸」状収容タンクであり、上分離チャンバプレートのホッパーから遠い端面及び/又は下分離チャンバプレートのホッパーに近い端面に設けられ、前記「凸」状収容タンクの上端の突出部にホッパーと連通する前記投入口が設けられ、「凸」状収容タンクの下部に前記分離アクチュエーターの凹溝と連通する前記排出口が設けられ、前記分離アクチュエーターは「凸」状収容タンクの下部に沿って往復移動する。
【0006】
さらに、前記「凸」状収容タンクの厚みをdとし、支持物の厚みをd1とし、支持物の横断面における任意2点の最大距離をd2としたとき、d1<d<d2、且つd<2d1となる。
【0007】
さらに、前記分離アクチュエーターの凹溝の高さをhとし、前記分離アクチュエーターの凹溝の幅をwとし、支持物の横断面における任意2点の最大距離をd2としたとき、d2<h、d2<wとなり、且つd2とhとの差の範囲は0.01 mm~0.5 mmであり、d2とwとの差の範囲は0.01 mm~0.5 mmである。
【0008】
さらに、d2とhとの差の範囲は0.1 mm~0.2 mmであり、d2とwとの差の範囲は0.1 mm~0.2 mmである。
【0009】
さらに、前記フィードチューブは透明のチューブであり、フィードチューブの管壁にセンサーが設けられる。
【0010】
さらに、前記フィードチューブの内径をrとし、支持物の横断面における任意2点の最大距離をd2としたとき、r>d2となり、且つrとd2との差の範囲は0.01 mm~0.5 mmである。
【0011】
さらに、rとd2との差の範囲は0.1 mm~0.2 mmである。
【0012】
さらに、前記フィードチューブの下部に中間継手がさらに設けられ、前記中間継手の内腔に逆円錐形の中間エリアが設けられ、前記中間継手の内腔の底部はラッパ状である。
【0013】
さらに、前記センサーは、光ファイバセンサーである。
【0014】
さらに、前記分離アクチュエーターは、板状又はロッド状である。
【0015】
さらに、支持物の厚みをd1とし、前記分離アクチュエーターの厚みをd3とし、前記分離アクチュエーターの凹溝の幅をwとし、前記分離アクチュエーターの幅をw1としたとき、d3>d1、w<w1となる。
【0016】
さらに、前記分離チャンバアセンブリと水平面との夾角は、5°~75°である。
【0017】
さらに、前記分離チャンバアセンブリと水平面との夾角は、25°~75°である。
【0018】
さらに、前記位置規制用ストッパと前記分離チャンバアセンブリとの間に、隙間が存在する。
【0019】
さらに、前記分離チャンバアセンブリは耐摩耗性を有する非磁性の材料によって製造され、前記上分離チャンバプレートに、前記収容タンク内の支持物の状態と前記分離アクチュエーターによる支持物の搬送状況を観察するための観察用のぞき窓が設けられる。
【0020】
さらに、真空ガラス支持物の配置システムであって、輸送エリアと、制御システムと、複数の前記いずれかの真空ガラス支持物の分離装置とを含み、前記輸送エリアはフレームと、フレームに設けられる輸送ローラテーブルとを含み、フレームに支持ビームが設けられ、前記分離装置は、間隔を空けて支持ビームに線状に配列され、支持物の分離操作を同時に行い、一回又は複数回の動作によって真空ガラス支持物の一列配置を完成し、あるいは、複数の前記いずれかの真空ガラス支持物の分離装置は、支持ビームにアレイ状に配列され、支持物の分離操作を同時に行い、一回又は複数回の動作によって一つのエリアの支持物配置を完成する。
【0021】
さらに、真空ガラス支持物の配置システムであって、フレームに設けられ、ガラスの輸送方向及び/又はガラスの輸送方向に垂直な方向に沿って動くように支持ビームを制御するための移動制御機構をさらに含む。
【0022】
さらに、前記いずれかの真空ガラス支持物の分離装置を採用する真空ガラス支持物の分離方法であって、バイブレータを起動し、ホッパーにある支持物を投入口を通過させ、収容タンク内で順に分散させて単一層に配列させるステップ1と、駆動装置を起動し、分離アクチュエーターを押し出し、バイブレータの作動によって、収容タンクの最下層にあるいずれか1つの支持物顆粒を分離アクチュエーターの凹溝に快速且つ精確に入らせ、分離アクチュエーターの凹溝と排出口とが重なると、駆動装置の駆動を停止するステップ2と、支持物をフィードチューブに落下させ、センサーが支持物の通過を検出した場合、分離動作を完成するステップ3と、センサーが支持物の通過を検出できなかった場合、センサーが支持物の通過を検出して分離動作を完成するまで、ステップ1からステップ3を繰り返すステップ4とを含む。
【0023】
さらに、前記真空ガラス支持物の配置システムを採用する真空ガラス支持物の配置方法であって、前記真空ガラス支持物の分離方法を採用して、支持物を分離するステップ1と、前記支持ビームをガラスに対してステップ移動させるステップ2と、ガラス表面が支持物に敷き詰められ、配置動作を完成するまで、ステップ1とステップ2を繰り返すステップ3とを含む。
【0024】
本発明に係る真空ガラス支持物の分離装置で配置する場合、分離アクチュエーターによる一回の往復動作によって搬送できる支持物は一つのみであり、一回の動作によって複数の支持物が配置されることはない。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明に係る真空ガラス支持物の分離装置の構造模式図である。
【
図3】本発明に係る真空ガラス支持物の分離装置の分離原理の模式図である。
【
図4】「凸」状収容タンクの上端の突出部の両側が斜面とされた場合の模式図である。
【
図5】「凸」状収容タンクの上端の突出部の一方側が斜面とされた場合の模式図である。
【
図7】真空ガラス支持物の配置システムの構造の模式的な正面図である。
【
図8】真空ガラス支持物の配置システムの構造の模式的な左側面図である。
【
図9】真空ガラス支持物の配置システムの構造の模式的な平面図である。
【
図13】
図13(a)は支持物の横断面が四角形状である場合の模式図である。
図13(b)は支持物の横断面が五角形状である場合の模式図である。
図13(c)は支持物の横断面が六角形状である場合の模式図である。
図13(d)は支持物の横断面が円形状である場合の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、実施例により、本発明をより全面的に説明する。本発明は様々な形式によって表現でき、ここで記述された例示的な実施例に限られていると理解すべきではない。
【0027】
ここで、説明の便宜上、図示される一つの要素又は特徴に対する別の要素又は特徴の関係を説明するために、例えば「上」、「下」、「左」、「右」等の空間上の相対的な用語が使用される。空間用語は、図示される方位の他、装置の使用又は操作時の異なる方位も含むことを意図されるように理解すべきである。例えば、図示される装置を上下反転した場合、他の要素又は特徴の「下」に位置すると記述された要素は、他の要素又は特徴の「上」に位置するようになる。したがって、「下」という例示的な用語は、上と下との両者を含むことができる。装置は他の姿勢(90度回転する、あるいは他の方位に位置する)としてもよいが、ここで使用される空間上の相対的な説明はそれに応じて解釈される。
【0028】
支持物12の外見は、円盤状又は横断面が多角形な盤状(例えば、
図12、
図13に示すように)であってよく、ここで、横断面の直径が0.5 mm~0.9 mm、厚みが0.2 mm~0.4 mmである円盤状のものを例に説明する。
【0029】
図1、
図2に示すように、本実施例に係る真空ガラス支持物の分離装置は、台座1と、ホッパー6と、バイブレータ11と、分離チャンバアセンブリ7と、位置規制用ストッパ13と、分離プレート5と、フィードチューブ8と、エアシリンダー3とを含む。台座1の一方側にエアシリンダー3が設けられ、台座1の他方側にホッパー6、分離チャンバアセンブリ7、分離プレート5、及びフィードチューブ8が上から順に設けられている。支持物のブロッキングを回避するために、分離チャンバアセンブリ7にバイブレータ11が設けられ、バイブレータ11が振動することで、分離チャンバアセンブリ7を振動させ、分離チャンバアセンブリ7は耐摩耗性を有する非磁性の材料によって製造され、振動によって支持物顆粒の流動性が向上し、支持物12が分散した状態で配列することを確保する。
【0030】
分離チャンバアセンブリ7は、平行して設けられる上分離チャンバプレート71と、下分離チャンバプレート72とを含み、上分離チャンバプレート71に、「凸」状収容タンク内の支持物の状態と分離プレート5による支持物の搬送状況を観察するための観察用のぞき窓が設けられる。分離チャンバアセンブリ7は水平面に対して斜めのベース板14に設けられ、分離チャンバアセンブリ7の外部に位置規制用ストッパ13が設けられ、位置規制用ストッパ13と分離チャンバアセンブリ7との間に隙間が存在することで、分離チャンバアセンブリ7が振動できるように確保する。
【0031】
上分離チャンバプレート71にホッパー6と連通する投入口が設けられ、下分離チャンバプレート72にフィードチューブ8と連通する排出口が設けられる。上分離チャンバプレート71のホッパー6から遠い端面及び/又は下分離チャンバプレート72のホッパー6に近い端面に「凸」状収容タンクが設けられる。分離プレート5は「凸」状収容タンクの下部に移動可能に設けられ、エアシリンダー3と接続され、エアシリンダー3の駆動によって収容タンクの下部に沿って往復移動する。
【0032】
「凸」状収容タンクの上端の突出部は投入口を介してホッパー6と連通する。分離プレート5の「凸」状収容タンクの上端の突出部に近い側の上縁に分離凹溝51が設けられ、分離プレート5が位置する平面において、往復移動する方向を幅方向とし、往復移動する方向に垂直な方向を高さ方向とし、分離プレート5が位置する平面方向に垂直な方向を厚み方向とする。分離プレート5は「凸」状収容タンクの下部の隙間と対応し、隙間が支持物12の厚みd1より小さいことによって、分離プレート5が往復運動している間に支持物12が隙間から「凸」状収容タンクの上端の突出部を離れることを回避する。
【0033】
「凸」状収容タンクの厚みdが支持物12の厚みd1よりも大きく、且つ「凸」状収容タンクの厚みdが支持物12の横断面の直径d2よりも小さいことで、支持物12が、水平面に対して斜めに設けられた分離チャンバアセンブリの振動によって、必ず底面で下分離チャンバプレート72に接触するように配列されることを確保する。「凸」状収容タンクの厚みdが支持物12の厚みd1の二倍より小さいことによって、「凸」状収容タンク内の支持物が二層に配列されることを回避する。
【0034】
分離凹溝51の幅wが分離プレート5の幅w1よりも小さく、分離プレート5の厚みd3が支持物12の厚みd1よりも大きい。分離凹溝51の高さhが支持物12の横断面の直径d2よりも大きく、両者の差が0.1 mm~0.2 mmであり、分離凹溝51の幅wが支持物12の横断面の直径d2よりも大きく、両者の差が0.1 mm~0.2 mmであり、これによって、支持物12が分離凹溝51にスムーズに入り込むようになり、且つ分離凹溝51が単一の支持物のみ収納できることを確保する。
【0035】
駆動機構は台座1に取り付けられ、駆動機構はエアシリンダー3であってよく、エアシリンダー3のボディはエアシリンダー取り付け用フレーム2によって台座1に固定され、ピストンロッドと分離プレート5とは分離プレートの固定ブロック4によって固定接続される。
【0036】
分離チャンバアセンブリ7の外部に上ストッパ131と下ストッパ132とが設けられ、L形の上ストッパ131と下ストッパ132とによって、上分離チャンバプレート71と、下分離チャンバプレート72と、ベース板14とが一体に組み立てられる。ベース板14は、水平面に対して傾斜するように台座1に固定される。
【0037】
分離プレート5は、分離凹溝51が「凸」状収容タンクから支持物12を取得した後、下分離チャンバプレート72のフィードチューブ8と接続する通路の排出口まで支持物12を搬送できるように往復運動する。
【0038】
図4、
図5に示すように、「凸」状収容タンクの上端の突出部の両側又は一方側は斜面とされてもよく、斜面の底部の通路を介して分離プレート5と連通することで、分離プレートが支持物12を載置する時の走行抵抗がさらに低下される。
【0039】
分離アクチュエーターは、図示される板状に限らず、ロッド状であってもよい。丸棒とした場合、取り付け時に凹溝が頂面に位置するように確保するために、端部に対して、例えば穿孔のような処理を行う必要がある。
【0040】
図3に示すように、分離アクチュエーターの「凸」状収容タンクの上端の突出部から遠い側の下縁に単一の支持物を収納する分離凹溝51が設けられてもよく、分離プレート5の「凸」状収容タンクの上端の突出部に近い側に設けられる凹溝が摩耗された場合、それをひっくり返して使用できるので、分離アクチュエーターの寿命は長くなる。
【0041】
前記フィードチューブ8は、分離異常を即時に発見できるように、ガラス又は他の透明の材質によって製造された透明のチューブを採用し、フィードチューブ8の管壁に、支持物の落下があるか否かを検出するセンサーが設けられる。センサーは、フィードチューブのチャック10によってフィードチューブ8に固定される。
【0042】
前記センサーは光ファイバセンサー9を採用することで、検出の感度はより高くなる。
【0043】
ベース板14と水平面との夾角を25°~75°とすることで、重力の作用によって支持物顆粒を支持できるとともに、支持物に対する重力の過剰な押圧を低減させて支持物を分散させやすくなり、支持物顆粒の順調な流動を確保する。
【0044】
フィードチューブ8の内径は支持物12の直径よりも大きく、両者の差は0.1 mm~0.2 mmであり、これによって、支持物12のスムーズな通過を確保する。
【0045】
実施例では、エアシリンダー3によって分離プレート5を往復運動させるが、電動シリンダーによって駆動してもよく、あるいは、ステッピングモーターによって分離プレート5をクランクトレイン機構と連動させて往復運動させてもよい。
【0046】
作業する時、消磁処理された支持物12を頂部のホッパー6から入れる。バイブレータを起動し、支持物12を「凸」状収容タンクに入る順で分散させて単一層に配列させる。エアシリンダー3を起動し、分離プレート5を押し出し、バイブレータの作動によって、支持物12を分離プレート5の、「凸」状収容タンクの上端の突出部に近い側に設けられる分離凹溝51に落下させ、分離プレート5を右へ移動させ、分離凹溝51内の支持物12を排出口までに搬送し、エアシリンダー3による駆動を停止させ、支持物12を排出口からベース板14を通過してフィードチューブ8に入らせ、フィードチューブ8の最下端から排出する。エアシリンダー3を逆方向駆動させることで、分離プレート5を戻し、分離凹溝51を「凸」状収容タンクの上端の突出部内に入らせる。
【0047】
ガラスの輸送方向を縦方向とし、ガラスの輸送方向に垂直な方向を横方向とする。
図7~
図9に示すように、本実施例に係る真空ガラス支持物の配置システムは、輸送エリアS1と、制御システム(未図示)と、分離装置S6とを含む。輸送エリアS1は、輸送フレームS11と、輸送フレームS11に設けられる輸送ローラテーブルS13とを含む。
【0048】
輸送動力装置S12は、輸送ローラテーブルS13へ駆動力を提供し、一般的に、モーターは減速器を介してベルト又はチェーンギアによって、輸送ローラテーブルS13を駆動させるが、サーボモータを採用する場合、減速器を省略してもよい。前記制御システムはPLC制御システムであり、真空ガラスの生産ラインの電気制御キャビネットに位置し、PLC制御システムは輸送ローラテーブルS13の輸送動力装置S12、及び分離装置S6と電気的に接続され、輸送ローラテーブルS13の回転と支持物12の分離配置を制御する。
【0049】
ガラスS2は輸送ローラテーブルS13に配置され、輸送ローラテーブルS13に沿って前後に移動できる。輸送フレームS11の頂面、輸送ローラテーブルS13の左右両側にはそれぞれ、横方向移動フレームS3がさらに設けられ、支持ビームS5は横方向移動フレームS3に架設される。支持ビームS5の一端に横方向移動制御機構S4が設けられることで、分離装置S6は支持ビームS5に沿って横方向に移動できる。
【0050】
横方向移動フレームS3は水平に設けられる。図示では、横方向移動フレームS3はガラスS2の運動方向と垂直に設けられるが、ガラスS2の運動方向と45度、30度等の角度をなして斜めに設けられてもよい。分離装置S6は台座1によって支持ビームS5に設けられ、分離装置S6は一つでもよく、複数でもよいが、本実施形態では、分離装置S6は6つであり、分離装置S6は間隔を空けて支持ビームS5に線状に配列されるが、本発明に係る他の実施形態では、間隔を空けて支持ビームS5にアレイ状に配列されてもよい。
【0051】
支持物12を配置するために、システムにフィードチューブ昇降機構S7がさらに設けられる。配置する時、材料落下アセンブリS71を下降させ、分離装置S6によって支持物12を分離することで、支持物12をフィードチューブ8から落下させ、光ファイバセンサー9によって、支持物が通過し、材料落下アセンブリS71からガラスS2表面まで落下することを検出する。一つ又は複数の分離装置S6の光ファイバセンサー9が支持物の通過を検出できなかった場合、PLC制御システムは対応する分離装置S6を制御して、光ファイバセンサー9が支持物の通過を検出するまで、分離動作を再び実行する。
【0052】
そして、ガラスS2が前へ運動する時に支持物12と材料落下アセンブリS71の下端部との衝突を回避するように、材料落下アセンブリS71を上昇させる。材料落下アセンブリS71を特定な位置まで上昇させた後、輸送ローラテーブルS13を回転させて、ガラスS2を一つのステップ距離だけ前へ進行させ、その後再び支持物12を配置する。
【0053】
それによって、ガラスS2表面に支持物アレイを形成する。本発明に係る他の実施形態では、ガラスを移動させないようにしてもよく、移動制御機構は横方向移動制御機構S4と、縦方向移動制御機構とを含み、そのうち、縦方向移動制御機構は縦方向でステップ移動させるように支持ビームS5を制御し、縦方向移動制御機構はPLC制御システムと電気的に接続され、材料落下アセンブリS71を特定な位置まで上昇させた後、支持ビームS5は一つのステップ距離だけ縦方向移動制御機構を移動させ、その後再び支持物12を配置し、それによって、ガラスS2表面に支持物アレイを形成する。
【0054】
図10に示すように、材料落下アセンブリS71は、フィードチューブS711と、ガイドブッシュS712と、圧縮バネS713と、中間継手S714とを含む。分離装置S6のフィードチューブ8は、フィードチューブS711の中心のフィード貫通孔に挿入され、フィードチューブ8の外壁とフィード貫通孔内壁の間に隙間が設けられる。フィードチューブS711の上端部に段階面が設けられ、段階面は上端の外径が大きく、下端の外径が小さい。ガイドブッシュS712はフィードチューブS711の小さい端に套設され、その下に圧縮バネS713及び中間継手S714が順に設けられる。中間継手S714は、ネジ山、マウント又はカシメピンによってフィードチューブS711の下端に固定され、ガイドブッシュS712と中間継手S714とによって圧縮状態の圧縮バネS713が挟持される。ガイドブッシュS712は固定プレートS74に固定され、固定プレートS74を下降させた場合、中間継手S714は圧縮バネS713によって押され、中間継手S714の下端面とガラスS2表面とが緊密に接触するように確保される。固定プレートS74を上昇させた場合、ガイドブッシュS712は段階面によってフィードチューブS711を上昇させる。
【0055】
支持ビームS5にフィードチューブ昇降機構S7がさらに設けられる。フィードチューブ昇降機構S7は、ガイドアセンブリS72と、昇降動力装置S73と、固定プレートS74とを含む。ガイドアセンブリS72はガイドブッシュとガイドロットとによって構成される。昇降動力装置S73は電動シリンダー又はエアシリンダーを採用する。昇降動力装置S73によって固定プレートS74を上下移動させる。
【0056】
図11に示すように、中間継手S714の内腔に逆円錐形の中間エリアが設けられ、中間継手S714の内腔の底部はラッパ状であり、これによって、支持物12が中間エリアによる調整によってガラスS2における落下点に精確に位置決めされるように確保し、支持物が跳ね返って位置ずれが発生したり、ガラスS2から飛び離れたりすることを回避する。
【0057】
有益な効果
1、「凸」状収容タンクと水平方向とが一定の夾角をなすことで、支持物は投入される時から自動的に単一層に配列される状態になることが可能である。
2、振動によって、支持物は分離中に隙間ができ、分離プレートの凹溝に迅速且つ精確に入ることが容易になり、支持物の分離成功率が向上する。
3、支持物の厚みが分離プレートの厚みよりも小さいことで、支持物は分離中に「凸」状収容タンクとの間に小さな隙間ができ、摩耗されにくくなる。
4、配置時、分離プレートの一回の往復動作によって搬送できる支持物は一つのみであり、一回の動作によって複数の支持物が配置されることはない。
5、光ファイバ検出を増加することで、支持物の落下がないとき、支持物の落下を検出するまで、分離動作の再起動を確保し、分離に漏れがないように確保する。
【0058】
前記例示は本発明を説明するためのものに過ぎず、それ以外に、異なる様々な実施形態もあり、これらの実施形態はいずれも、本分野における技術者が本発明の思想を理解したうえで想到できるものであるので、ここでは列挙しない。
【符号の説明】
【0059】
1 : 台座
2 : エアシリンダー取り付け用フレーム
3 : エアシリンダー
4 : 分離プレートの固定ブロック
5 : 分離プレート
51 : 分離凹溝
6 : ホッパー
7 : 分離チャンバアセンブリ
71 : 上分離チャンバプレート
72 : 下分離チャンバプレート
8 : フィードチューブ
9 : 光ファイバセンサー
10 : フィードチューブのチャック
11 : バイブレータ
12 : 支持物
13 : 位置規制用ストッパ
131 : 上ストッパ
132 : 下ストッパ
14 : ベース板
S1 : 輸送エリア
S11 : 輸送フレーム
S12 : 輸送動力装置
S13 : 輸送ローラテーブル
S2 : ガラス
S3 : 横方向移動フレーム
S4 : 横方向移動制御機構
S5 : 支持ビーム
S6 : 分離装置
S7 : フィードチューブ昇降機構
S71 : 材料落下アセンブリ
S711 : フィードチューブ
S712 : ガイドブッシュ
S713 : 圧縮バネ
S714 : 中間継手
S72 : ガイドアセンブリ
S73 : 昇降動力装置
S74 : 固定プレート