(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-20
(45)【発行日】2023-12-28
(54)【発明の名称】店舗用端末装置、方法、プログラム及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20230101AFI20231221BHJP
【FI】
G06Q30/06
(21)【出願番号】P 2023181834
(22)【出願日】2023-10-23
【審査請求日】2023-11-08
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和4年11月1日に、株式会社セブン‐イレブン・ジャパンが、ウェブサイトにて、新居義典、安達到、由井大輔、中島崇博、阿部光太郎、及び葛西昭芳が発明したプログラムについて公開した。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591156788
【氏名又は名称】株式会社セブン-イレブン・ジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100139066
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】新居 義典
(72)【発明者】
【氏名】安達 到
(72)【発明者】
【氏名】由井 大輔
(72)【発明者】
【氏名】中島 崇博
(72)【発明者】
【氏名】阿部 光太郎
(72)【発明者】
【氏名】葛西 昭芳
【審査官】宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-191073(JP,A)
【文献】特開2020-067990(JP,A)
【文献】国際公開第2022/254769(WO,A1)
【文献】事例2 7NOW,販売革新,株式会社アール・アイ・シー,2023年04月01日,Vol.61 No.5,pp.20-23
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
実店舗の店員が用いる店舗用端末装置であって、
実店舗で取り扱っている商品の中からネットワークを介して顧客によって注文された商品を配送する配送員を呼び出す手段と、
異なる複数の保管場所を選択可能に表示する手段と、
前記選択可能に表示された前記保管場所の中から選択された一つ以上の保管場所を、前記配送員に配送を依頼する商品の保管場所として登録する手段と、
を備える店舗用端末装置。
【請求項2】
前記異なる複数の保管場所は、商品を保管する際の特性に基づいて設けられ、
前記商品を保管する際の特性には、商品を管理するための温度帯が含まれる、
請求項1記載の店舗用端末装置。
【請求項3】
顧客により注文された商品を確保する処理が完了したときに前記配送員を呼び出すためのボタンを設けた呼出画面を表示する手段を、さらに備え、
前記呼び出す手段は、前記ボタンが押下されたときに、前記配送員を呼び出す、
請求項1記載の店舗用端末装置。
【請求項4】
前記異なる複数の保管場所を表示する手段は、前記異なる複数の保管場所の中から一つ以上の保管場所を選択させるための選択画面を表示し、当該選択画面に商品の保管に関するコメントを登録するための入力欄をさらに表示する、
請求項1記載の店舗用端末装置。
【請求項5】
実店舗の店員が用いる店舗用端末装置のプロセッサにより実行される方法であって、
実店舗で取り扱っている商品の中からネットワークを介して顧客によって注文された商品を配送する配送員を呼び出すステップと、
異なる複数の保管場所を選択可能に表示するステップと、
前記選択可能に表示された前記保管場所の中から選択された一つ以上の保管場所を、前記配送員に配送を依頼する商品の保管場所として登録するステップと、
を含む方法。
【請求項6】
実店舗の店員が用いる店舗用端末装置におけるコンピュータを、
実店舗で取り扱っている商品の中からネットワークを介して顧客によって注文された商品を配送する配送員を呼び出す手段、
異なる複数の保管場所を選択可能に表示する手段、
前記選択可能に表示された前記保管場所の中から選択された一つ以上の保管場所を、前記配送員に配送を依頼する商品の保管場所として登録する手段、
として機能させるプログラム。
【請求項7】
実店舗で取り扱っている商品の中からネットワークを介して顧客によって注文された商品を配送する配送員を呼び出す手段と、
異なる複数の保管場所を選択可能に表示させる手段と、
前記選択可能に表示させた前記保管場所の中から選択された一つ以上の保管場所を、前記配送員に配送を依頼する商品の保管場所として登録する手段と、
を備える情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗用端末装置、方法、プログラム及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、ECサイトで注文された商品を円滑に配送するための方法が開示されている。この方法では、ECサイトで注文された商品を取り扱っている実店舗のうち、ユーザが指定した配送先に最も近い店舗を配送店舗に特定し、その配送店舗からユーザの配送先に商品を配送する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1の方法では、ECサイトで注文された商品を実店舗で配送する場合に、注文された商品を実店舗で取り揃え、その取り揃えた商品を配送員に受け渡すことになる。
【0005】
しかし、特許文献1には、注文された商品を実店舗で取り揃えてから配送員に受け渡すまでの店舗での作業について記載がなく、商品を配送員に受け渡す際に遅れが生ずる可能性がある。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、ネットワーク上で注文された商品を実店舗で配送員に効率よく受け渡すことができる店舗用端末装置、方法、プログラム及び情報処理装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る店舗用端末装置は、実店舗の店員が用いる店舗用端末装置であって、実店舗で取り扱っている商品の中からネットワークを介して顧客によって注文された商品を配送する配送員を呼び出す手段と、異なる複数の保管場所を選択可能に表示する手段と、選択可能に表示された保管場所の中から選択された一つ以上の保管場所を、配送員に配送を依頼する商品の保管場所として登録する手段と、を備える。
【0008】
本発明の他の態様に係る方法は、実店舗の店員が用いる店舗用端末装置のプロセッサにより実行される方法であって、実店舗で取り扱っている商品の中からネットワークを介して顧客によって注文された商品を配送する配送員を呼び出すステップと、異なる複数の保管場所を選択可能に表示するステップと、選択可能に表示された保管場所の中から選択された一つ以上の保管場所を、配送員に配送を依頼する商品の保管場所として登録するステップと、を含む。
【0009】
本発明の他の態様に係るプログラムは、実店舗の店員が用いる店舗用端末装置におけるコンピュータを、実店舗で取り扱っている商品の中からネットワークを介して顧客によって注文された商品を配送する配送員を呼び出す手段、異なる複数の保管場所を選択可能に表示する手段、選択可能に表示された保管場所の中から選択された一つ以上の保管場所を、配送員に配送を依頼する商品の保管場所として登録する手段、として機能させる。
【0010】
本発明の他の態様に係る情報処理装置は、実店舗で取り扱っている商品の中からネットワークを介して顧客によって注文された商品を配送する配送員を呼び出す手段と、異なる複数の保管場所を選択可能に表示させる手段と、選択可能に表示させた保管場所の中から選択された一つ以上の保管場所を、配送員に配送を依頼する商品の保管場所として登録する手段と、を備える。
【0011】
これらの態様によれば、実店舗の店員は、実店舗で取り扱っている商品の中からネットワーク上で注文された商品を配送する配送員を呼び出しつつ、異なる複数の保管場所の中から、注文された商品ごとに適した保管場所を選択することで、その選択した保管場所を、呼び出した配送員に受け渡す商品の保管場所として登録することができる。
【0012】
上記態様において、異なる複数の保管場所は、商品を保管する際の特性に基づいて設けられ、商品を保管する際の特性には、商品を管理するための温度帯が含まれてもよい。
【0013】
この態様によれば、実店舗の店員は、商品を管理するための温度帯に基づいて設けられる異なる複数の保管場所の中から、ネットワーク上で注文された商品の管理温度帯に適した保管場所を選択して保管することができる。
【0014】
上記態様において、顧客により注文された商品を確保する処理が完了したときに配送員を呼び出すためのボタンを設けた呼出画面を表示する手段を、さらに備え、呼び出す手段は、ボタンが押下されたときに、配送員を呼び出してもよい。
【0015】
この態様によれば、実店舗の店員は、ネットワーク上で注文された商品の全てを確保したときに表示される呼出画面のボタンを押下することで、効率よく配送員を呼び出すことができる。
【0016】
上記態様において、異なる複数の保管場所を表示する手段は、異なる複数の保管場所の中から一つ以上の保管場所を選択させるための選択画面を表示し、当該選択画面に商品の保管に関するコメントを登録するための入力欄をさらに表示してもよい。
【0017】
この態様によれば、実店舗の店員は、ネットワーク上で注文された商品に適した保管場所を選択する際に、商品の保管に関するコメントを任意に入力することができるため、配送員への商品の渡し漏れを抑制する効果を向上させることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ネットワーク上で注文された商品を実店舗で配送員に効率よく受け渡すことができる店舗用端末装置、方法、プログラム及び情報処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】実施形態に係る店舗用端末装置を含むシステム構成を例示する図である。
【
図3】店舗用端末装置に表示される画面の一例である。
【
図4】店舗用端末装置に表示される画面の一例である。
【
図5】店舗用端末装置に表示される画面の一例である。
【
図6】店舗用端末装置に表示される画面の一例である。
【
図7】店舗用端末装置に表示される画面の一例である。
【
図8】店舗用端末装置において店員の作業を支援する際の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0021】
[店舗用端末装置の概要]
図1を参照して、実施形態に係る店舗用端末装置1を含むシステムについて説明する。本実施形態では、例示的に、コンビニエンスストアの各店舗に一台以上の店舗用端末装置1を備える場合について説明する。店舗用端末装置1として、例えば、スマートフォンやタブレット端末を用いることができる。
【0022】
店舗用端末装置1は、例えば、実店舗で取り扱っている商品がネットワーク上(電子商取引)で注文されてから顧客に届けられるまでの作業を実店舗で行う際に、店員が用いる端末装置である。実店舗で行う作業として、例えば、ネットワーク上で注文された商品に関する作業が該当する。この作業には、例示的に、注文された商品を取り揃えて保管する作業、配送員に配送を依頼する作業、配送員を評価する作業、商品のキャンセルに対応する作業などが含まれる。
【0023】
店舗用端末装置1は、実店舗での作業を支援するための作業支援用のアプリケーション(以下、「作業支援アプリ」ともいう。)をインストールする。店舗用端末装置1は、作業支援アプリを実行することで表示される各種の画面を用いてサーバ装置2とデータをやり取りしながら、店員が実店舗でやるべき作業を支援する。
【0024】
店舗用端末装置1は、ネットワークNを介して接続可能なサーバ装置2から、例えば、ネットワーク上の顧客の状況や、商品の注文状況、商品の配送状況など、店員が実店舗で作業するために必要となる各種の情報を取得する。
【0025】
なお、店舗用端末装置1に作業支援アプリをインストールしない場合にも本発明を適用することができる。この場合、例えば、店舗用端末装置1がサーバ装置(情報処理装置)2の指定サイトに接続することによって店舗用端末装置1に表示される各種の画面を用いて、店舗用端末装置1とサーバ装置2との間でデータをやり取りしながら、店員が実店舗でやるべき作業を支援することが好ましい。
【0026】
ここで、店舗用端末装置1は、各実店舗に構築される店舗システムを構成する装置の一つとなる。店舗システムは、店舗用端末装置1の他に、例えば、パーソナルコンピュータなどの店舗装置や、POS(Point Of Sales)レジなどを備える。店舗システムに含まれる装置は、店舗での運用形態に合わせて適宜追加や除去することができる。店舗システムを構成する各装置は、ネットワークNを介してサーバ装置2に接続可能であり、相互に通信できるように構成される。
【0027】
サーバ装置2は、例えば、演算処理能力の高いプロセッサ及びメモリを含むコンピュータにより構成され、そのコンピュータにおいて所定のサーバ用プログラムを実行することで、サーバ機能を実現する。ここで、サーバ装置2を構成するコンピュータは、必ずしも1台である必要はなく、役割などに応じて設けられる複数のコンピュータにより分散して構成されてもよい。
【0028】
サーバ装置2は、例えば、特定サイト(ウェブサイト)にアクセスしてきた顧客に対し、実店舗で取り扱っている商品を届けるサービス(以下、「お届けサービス」ともいう。)を提供する。顧客は、このお届けサービスを、例えば、以下のように利用することができる。
【0029】
顧客は、スマートフォンなどの端末装置を操作して、サーバ装置2の特定サイトにネットワークを介してアクセスし、例えば、現在地の周辺にある実店舗の中から所望の実店舗をネットワーク上の仮想店舗として選択することで、所望の実店舗に対応する仮想店舗に来訪(入店)する。顧客は、選択した実店舗で取り扱われている商品の中から所望の商品を選択して注文する。顧客が注文した商品は、選択した実店舗で確保され、顧客が指定したお届け先に配送される。
【0030】
ネットワークNは、サーバ装置2と店舗システムの各装置との間で情報を送受信可能な通信網を含む。ネットワークNは、例えば、インターネット、LAN、専用線、電話回線、企業内ネットワーク、移動体通信網、ブルートゥース(登録商標)、WiFi(Wireless Fidelity)、その他の通信回線、それらの組み合わせなどのいずれであってもよく、有線であるか無線であるかを問わない。
【0031】
[店舗用端末装置の構成]
図2に示すように、店舗用端末装置1は、例えば、プロセッサ11と、記憶装置12と、通信部13と、撮影部14と、表示部15と、を備える。
【0032】
プロセッサ11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などである。プロセッサ11は、記憶装置12に記憶されているプログラム121を実行することで、店舗用端末装置1の各種の機能を実現する制御部111として機能する。
【0033】
記憶装置12は、例えば、半導体メモリ又はディスクドライブなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。この記憶装置12には、例えば、プログラム121や、各種データなどが格納される。プログラム121には、作業支援アプリが含まれる。
【0034】
通信部13は、ネットワークNに接続し、ネットワークN上の他の装置と通信するインターフェースである。
【0035】
撮影部14は、カメラであり、レンズ及びイメージセンサ(撮像素子)を含み、レンズで受光した被写体の光を電気信号(デジタル画像データ)に変換する。
【0036】
表示部15は、例えば、タッチパネルを有するディスプレイであり、画像や画面などを表示するとともに、撮影部14による被写体の映像を表示する。表示部15は、店員による操作指示などの入力を受け付ける入力部としての機能も兼ね備える。
【0037】
[店舗用端末装置の機能]
店舗用端末装置1が作業支援アプリを実行することで実現する機能のうち、本実施形態では、(1)商品を配送する配送員を呼び出す機能、(2)配送する商品の保管場所を登録する機能について、以下で順に説明する。
【0038】
(1)商品を配送する配送員を呼び出す機能
この機能は、店員が所属する実店舗をネットワーク上の仮想店舗として選択してお届けサービスを利用している顧客によって注文された商品を配送する配送員を呼び出す機能である。
【0039】
店員は、顧客により注文された商品の全てを実店舗で取り揃える作業が完了したときに、商品を配送する配送員を呼び出す。店員が配送員を呼び出す際に、例えば、
図3に示す呼出画面3aを用いる。呼出画面3aには、配送員を呼び出すための“OK”ボタン3bが設けられている。店員が“OK”ボタン3bを押下(タップやタッチを含む)すると、配送員が呼び出される。呼び出しは、配送員が所持する端末装置への発呼によるものであってもよいし、SNSなどを用いたメッセージ送信によるものであってもよい。呼び出された配送員の端末装置に、注文を特定する注文番号を含む注文情報を送信してもよい。
【0040】
店舗用端末装置1は、顧客により注文された商品を確保する処理が完了したときに呼出画面3aを表示させることが好ましい。商品を確保する処理は、例えば、注文された商品に付されているバーコードの情報を店舗用端末装置1のカメラで読み取りながら行うことができる。店舗用端末装置1は、注文された商品の全てが読み取られて確保されたときに、商品を確保する処理が完了したと判定し、呼出画面3aを表示させてもよい。
【0041】
また、顧客が箸やスプーンなどのカトラリーを希望して選択している場合には、注文された商品を全て確保した後に、
図4に示すカトラリー確認画面4aを表示させてもよい。カトラリー確認画面4aは、注文された商品にカトラリーを付加するように、店員に確認を促すための画面として機能する。
【0042】
店舗用端末装置1は、カトラリー確認画面4aの“OK”ボタン4bが押下されたときに、商品を確保する処理が完了したと判定し、呼出画面3aを表示させてもよい。
【0043】
さらに、保冷剤が必要な商品が注文されている時には、商品を全て確保した後に、
図5に示す保冷剤確認画面5aを表示させてもよい。保冷剤確認画面5aは、注文された商品に保冷剤を付加するように、店員に確認を促すための画面として機能する。保冷剤が必要な商品かどうかは、例えば、商品を管理するための温度帯に基づいて判定することができる。
【0044】
店舗用端末装置1は、保冷剤確認画面5aの“OK”ボタン5bが押下されたときに、商品を確保する処理が完了したと判定し、呼出画面3aを表示させてもよい。
【0045】
(2)配送する商品の保管場所を登録する機能
この機能は、配送員が配送する商品を実店舗で保管する場所を登録する機能である。
【0046】
店員は、上記(1)の機能で配送員を呼び出した後に、配送員に受け渡す商品の保管場所を登録する。商品の保管場所は、商品を保管する際の特性に基づいて複数設けることができる。
【0047】
商品を保管する際の特性には、例えば、商品を管理するための温度帯が含まれ、それぞれの温度帯に適した保管場所を設けることができる。例示的に、ファストフード什器、おでんケース、米飯ケース、ウォークイン棚、保管用冷蔵庫、バックルーム棚などを保管場所として設けることができる。
【0048】
図6に、店員が保管場所を登録する際に用いる商品保管場所選択画面の一例を示す。商品保管場所選択画面6aには、例示的に、選択可能な保管場所の表示領域6bと、コメントの入力欄6cと、“OK”ボタン6dと、が設けられている。
【0049】
選択可能な保管場所の表示領域6bには、店員が選択可能な保管場所のアイコンが表示される。アイコンを選択(タップやタッチを含む)すると、アイコンの背景色が、選択されたことを示す濃色に変わる。店員は、配送員に受け渡す商品を保管する場所に対応するアイコンを一つ以上選択することができる。
【0050】
コメントの入力欄6cには、商品の保管に関するコメントを任意に入力することができる。例えば、配送する商品をいくつの袋に分けて保管してあるのかなどを説明するコメントを入力してもよい。これにより、配送員が来店した時に、店員がコメントの内容を確認して、保管状況を詳細に把握することができるため、配送員への商品の渡し漏れを抑制する効果を向上させることができる。
【0051】
“OK”ボタン6dを押下すると、選択可能な保管場所の表示領域6bで選択されたアイコンに対応する保管場所と、コメントの入力欄6cに入力されたコメントの内容と、が商品の保管場所情報として登録される。
【0052】
図7に、配送員が来店した時に、店員が保管場所を確認するために用いる保管場所確認画面の一例を示す。保管場所確認画面7aは、
図6の商品保管場所選択画面6aで登録した内容を確認するための画面である。保管場所確認画面7aによると、商品の保管場所として、FF什器7b、保管用冷蔵庫7c及びバックルーム棚7dの3箇所が登録され、さらに“3袋に分けて保管しています。”というコメントが登録されていることが確認できる。
【0053】
[店舗用端末装置の動作]
図8を参照し、店舗用端末装置1において店員の作業を支援する際の動作の一例について説明する。本動作は、ネットワーク上の仮想店舗で注文されるたびに、注文ごとに実行される。
【0054】
最初に、店舗用端末装置1は、店員の操作指示に従って、商品を確保する処理を実行する(ステップS101)。商品を確保する処理には、例えば、注文された商品に付されているバーコードの情報を店舗用端末装置1のカメラで読み取りながら商品を確保する処理や、カトラリーを付加する処理、保冷剤を付加する処理が含まれる。
【0055】
続いて、店舗用端末装置1は、商品を確保する処理が完了したかどうかを判定する(ステップS102)。この判定がNOである場合(ステップS102;NO)に、店舗用端末装置1は、YESになるまで上記ステップS101の処理を実行する。
【0056】
上記ステップS102で商品を確保する処理が完了したと判定された場合(ステップS102;YES)に、店舗用端末装置1は、
図3に例示する呼出画面3aを表示する(ステップS103)。
【0057】
続いて、店舗用端末装置1は、呼出画面3aの“OK”ボタン3bが押下されて、配送員が呼び出されたかどうかを判定する(ステップS104)。この判定がNOである場合(ステップS104;NO)に、店舗用端末装置1は、YESになるまで待機する。
【0058】
上記ステップS104で配送員が呼び出されたと判定された場合(ステップS104;YES)に、店舗用端末装置1は、
図6に例示する商品保管場所選択画面6aを表示する(ステップS105)。
【0059】
続いて、店舗用端末装置1は、商品保管場所選択画面6aの“OK”ボタン6dが押下されると、商品保管場所選択画面6aに入力された商品保管場所に関する情報を登録するようにサーバ装置2に要求する(ステップS106)。そして、本動作を終了する。
【0060】
[実施形態の効果]
上述したように、実施形態に係る店舗用端末装置1によれば、実店舗の店員は、実店舗で取り扱っている商品の中からネットワーク上で注文された商品を配送する配送員を呼び出しつつ、商品を保管する際の特性に基づいて設けられる異なる複数の保管場所の中から、注文された商品ごとに適した保管場所を選択することで、その選択した保管場所を、呼び出した配送員に受け渡す商品の保管場所として登録することができる。
【0061】
これにより、配送員が来店した時に、実店舗の店員が複数ある保管場所の中から商品が保管されている保管場所を効率よく確認し、配送員に商品を受け渡すことが可能となる。
【0062】
それゆえ、実施形態に係る店舗用端末装置1によれば、ネットワーク上で注文された商品を実店舗で配送員に効率よく受け渡すことが可能となる。
【0063】
また、商品を保管する際の特性に、商品を管理するための温度帯を含めることで、商品を管理するための温度帯に基づいて設けられる異なる複数の保管場所の中から、ネットワーク上で注文された商品の管理温度帯に適した保管場所を選択して保管することが可能となる。
【0064】
[変形例]
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。このため、上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるべきではない。例えば、上述した各処理ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更し、又は並列に実行することができる。
【0065】
また、上述した実施形態では、異なる複数の保管場所を、商品を保管する際の特性に基づいて設けているが、異なる複数の保管場所は、必ずしも商品を保管する際の特性に基づいて設けられていなくてもよい。この場合、例えば、特性とは関係なく、異なる複数の保管場所としてロッカーを設置し、顧客Xの商品はA段の3列目、顧客Yの商品はB段の1列目などのように、保管場所を指定して区別できるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0066】
1…店舗用端末装置、2…サーバ装置、11…プロセッサ、12…記憶装置、13…通信部、14…撮影部、15…表示部、111…制御部、121…プログラム、N…ネットワーク
【要約】
【課題】ネットワーク上で注文された商品を実店舗で配送員に効率よく受け渡すことができる店舗用端末装置を提供する。
【解決手段】店舗用端末装置1は、実店舗の店員が用いる店舗用端末装置1であって、実店舗で取り扱っている商品の中からネットワークNを介して顧客によって注文された商品を配送する配送員を呼び出す手段と、異なる複数の保管場所を選択可能に表示する手段と、選択可能に表示された保管場所の中から選択された一つ以上の保管場所を、配送員に配送を依頼する商品の保管場所として登録する手段と、を備える。
【選択図】
図1