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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-21
(45)【発行日】2024-01-04
(54)【発明の名称】表示システム、制御装置および制御方法
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/36 20060101AFI20231222BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20231222BHJP
【FI】
G09G3/36
G09G3/20 691D
G09G3/20 624E
G09G3/20 621K
G09G3/20 611C
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021513638
(86)(22)【出願日】2020-04-07
(86)【国際出願番号】 JP2020015646
(87)【国際公開番号】W WO2020209246
(87)【国際公開日】2020-10-15
【審査請求日】2022-11-08
(31)【優先権主張番号】P 2019074904
(32)【優先日】2019-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123102
【弁理士】
【氏名又は名称】宗田 悟志
(72)【発明者】
【氏名】平井 敦士
(72)【発明者】
【氏名】橋本 裕司
【審査官】武田 悟
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-198892(JP,A)
【文献】特開2017-167250(JP,A)
【文献】国際公開第2018/235706(WO,A1)
【文献】特開2018-73407(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0062899(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00 - 3/38
G06F 3/044
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示システムであって、
複数のゲート線と、複数のソース線と、前記複数のゲート線と前記複数のソース線とによって区画される各領域に設けられる複数の画素電極と、前記複数の画素電極に対向して設けられ、画像表示およびタッチ検出に共用される複数の共通電極とを有する表示装置と、
前記複数の共通電極のそれぞれに対して、前記表示装置が画像を表示する表示期間に画像表示用の基準電圧を供給し、タッチ検出期間にタッチ駆動信号を供給する駆動回路と、
前記タッチ検出期間に前記複数の共通電極のそれぞれから受信したタッチ検出信号にもとづいて、前記表示装置への物体のタッチを検出するタッチ検出回路と、
前記表示システムの動作モードとして、第1モード、または、第2モードを選択する選択部と、を備え、
前記第1モードは、前記表示装置における連続した複数の単位フレーム期間それぞれに、前記表示期間と前記タッチ検出期間とが交互に配置される動作モードであり、
前記第2モードは、少なくとも1つの単位フレーム期間において、前記表示装置が画像を表示し、かつ、前記タッチ検出回路がタッチ検出を停止する動作モードであ
さらに、アンテナで受信されたノイズを検出する検出部を備え、
前記選択部は、前記検出部でノイズが検出された場合、前記第2モードを選択する、
ことを特徴とする表示システム。
【請求項2】
前記選択部は、画像表示を優先すべき場合、前記第2モードを選択する、ことを特徴とする請求項1に記載の表示システム。
【請求項3】
前記アンテナを介して無線信号を受信する受信機を備え、
前記検出部は、前記アンテナを介して前記受信機で受信されたノイズを検出し、
前記選択部は、前記検出部でノイズが検出された場合、ノイズの検出が途切れると、前記第1モードを選択する、ことを特徴とする請求項1または2に記載の表示システム。
【請求項4】
前記アンテナは、前記複数の共通電極を含み、
前記検出部は、前記複数の共通電極を介して前記タッチ検出回路で受信されたノイズを検出し、
前記選択部は、前記検出部でノイズが検出された場合、予め定められた待機期間が経過すると、前記第1モードを選択する、ことを特徴とする請求項1または2に記載の表示システム。
【請求項5】
前記第2モードにおいて、前記表示装置は単位フレーム期間にわたり画像を表示する、ことを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の表示システム。
【請求項6】
前記第2モードの単位フレーム期間は、前記第1モードの単位フレーム期間より短い、ことを特徴とする請求項に記載の表示システム。
【請求項7】
前記第2モードにおいて、前記少なくとも1つの単位フレーム期間に、前記表示期間と、前記表示装置が画像の表示を停止する表示停止期間とが交互に配置される、ことを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の表示システム。
【請求項8】
前記第2モードの前記少なくとも1つの単位フレーム期間において、前記駆動回路は、前記複数の共通電極のそれぞれに対して、前記表示期間と前記表示停止期間に前記基準電圧を供給する、ことを特徴とする請求項に記載の表示システム。
【請求項9】
前記第2モードの前記少なくとも1つの単位フレーム期間において、前記駆動回路は、前記複数の共通電極のそれぞれに対して、前記表示期間に前記基準電圧を供給し、前記表示停止期間に前記基準電圧と異なる固定電圧を供給する、ことを特徴とする請求項に記載の表示システム。
【請求項10】
前記第2モードの前記少なくとも1つの単位フレーム期間において、前記駆動回路は、前記複数の共通電極のそれぞれに対して、前記表示期間に前記基準電圧を供給し、前記表示停止期間に前記タッチ駆動信号を供給する、ことを特徴とする請求項に記載の表示システム。
【請求項11】
前記タッチ検出回路は、
前記タッチ検出信号を処理する処理回路と、
前記複数の共通電極と前記処理回路との間に接続され、前記第1モードにおいて前記複数の共通電極のうち選択された共通電極から供給される前記タッチ検出信号を前記処理回路に出力し、前記第2モードの前記少なくとも1つの単位フレーム期間において前記複数の共通電極から前記処理回路への信号の供給を遮断するスイッチ回路と、
を有し、
前記タッチ検出回路は、前記処理回路で処理された前記タッチ検出信号にもとづいてタッチを検出する、ことを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の表示システム。
【請求項12】
複数のゲート線と、複数のソース線と、前記複数のゲート線と前記複数のソース線とによって区画される各領域に設けられる複数の画素電極と、前記複数の画素電極に対向して設けられ、画像表示およびタッチ検出に共用される複数の共通電極とを有する表示装置と、前記複数の共通電極のそれぞれに対して、前記表示装置が画像を表示する表示期間に画像表示用の基準電圧を供給し、タッチ検出期間にタッチ駆動信号を供給する駆動回路と、前記タッチ検出期間に前記複数の共通電極のそれぞれから受信したタッチ検出信号にもとづいて、前記表示装置への物体のタッチを検出するタッチ検出回路と、を備える表示システムの制御装置であって、
前記表示システムの動作モードとして、第1モード、または、第2モードを選択する選択部を備え、
前記第1モードは、前記表示装置における連続した複数の単位フレーム期間それぞれに、前記表示期間と前記タッチ検出期間とが交互に配置される動作モードであり、
前記第2モードは、少なくとも1つの単位フレーム期間において、前記表示装置が画像を表示し、かつ、前記タッチ検出回路がタッチ検出を停止する動作モードであ
さらに、アンテナで受信されたノイズを検出する検出部を備え、
前記選択部は、前記検出部でノイズが検出された場合、前記第2モードを選択する、
ことを特徴とする制御装置。
【請求項13】
複数のゲート線と、複数のソース線と、前記複数のゲート線と前記複数のソース線とによって区画される各領域に設けられる複数の画素電極と、前記複数の画素電極に対向して設けられ、画像表示およびタッチ検出に共用される複数の共通電極とを有する表示装置と、前記複数の共通電極のそれぞれに対して、前記表示装置が画像を表示する表示期間に画像表示用の基準電圧を供給し、タッチ検出期間にタッチ駆動信号を供給する駆動回路と、前記タッチ検出期間に前記複数の共通電極のそれぞれから受信したタッチ検出信号にもとづいて、前記表示装置への物体のタッチを検出するタッチ検出回路と、を備える表示システムにおける制御方法であって、
前記表示システムの動作モードとして、第1モード、または、第2モードを選択するステップを備え、
前記第1モードは、前記表示装置における連続した複数の単位フレーム期間それぞれに、前記表示期間と前記タッチ検出期間とが交互に配置される動作モードであり、
前記第2モードは、少なくとも1つの単位フレーム期間において、前記表示装置が画像を表示し、かつ、前記タッチ検出回路がタッチ検出を停止する動作モードであ
さらに、アンテナで受信されたノイズを検出する検出ステップを備え、
前記選択するステップは、前記検出ステップでノイズが検出された場合、前記第2モードを選択する、
ことを特徴とする制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、タッチ検出機能を有する表示システム、制御装置および制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザのタッチ位置を検出するためのタッチセンサが表示パネル内に組み込まれたインセル型の表示装置が知られている(たとえば特許文献1参照)。この表示装置では、液晶表示パネルの画素に共通電圧を供給するための共通電極を複数に分割して、これらの共通電極をタッチセンサ電極としても利用する。画像表示期間において共通電圧が複数の共通電極に供給され、タッチ検出期間においてタッチ検出用のタッチ駆動信号が複数の共通電極に供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2018/123813号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
インセル型の表示装置において、更なる改善が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本開示のある態様の表示システムは、表示システムであって、複数のゲート線と、複数のソース線と、複数のゲート線と複数のソース線とによって区画される各領域に設けられる複数の画素電極と、複数の画素電極に対向して設けられ、画像表示およびタッチ検出に共用される複数の共通電極とを有する表示装置と、複数の共通電極のそれぞれに対して、表示装置が画像を表示する表示期間に画像表示用の基準電圧を供給し、タッチ検出期間にタッチ駆動信号を供給する駆動回路と、タッチ検出期間に複数の共通電極のそれぞれから受信したタッチ検出信号にもとづいて、表示装置への物体のタッチを検出するタッチ検出回路と、表示システムの動作モードとして、第1モード、または、第2モードを選択する選択部と、を備える。第1モードは、表示装置における連続した複数の単位フレーム期間それぞれに、表示期間とタッチ検出期間とが交互に配置される動作モードであり、第2モードは、少なくとも1つの単位フレーム期間において、表示装置が画像を表示し、かつ、タッチ検出回路がタッチ検出を停止する動作モードである。
【0006】
本開示の別の態様は、制御装置である。この装置は、複数のゲート線と、複数のソース線と、複数のゲート線と複数のソース線とによって区画される各領域に設けられる複数の画素電極と、複数の画素電極に対向して設けられ、画像表示およびタッチ検出に共用される複数の共通電極とを有する表示装置と、複数の共通電極のそれぞれに対して、表示装置が画像を表示する表示期間に画像表示用の基準電圧を供給し、タッチ検出期間にタッチ駆動信号を供給する駆動回路と、タッチ検出期間に複数の共通電極のそれぞれから受信したタッチ検出信号にもとづいて、表示装置への物体のタッチを検出するタッチ検出回路と、を備える表示システムの制御装置であって、表示システムの動作モードとして、第1モード、または、第2モードを選択する選択部を備える。第1モードは、表示装置における連続した複数の単位フレーム期間それぞれに、表示期間とタッチ検出期間とが交互に配置される動作モードであり、第2モードは、少なくとも1つの単位フレーム期間において、表示装置が画像を表示し、かつ、タッチ検出回路がタッチ検出を停止する動作モードである。
【0007】
本開示のさらに別の態様は、制御方法である。この方法は、複数のゲート線と、複数のソース線と、複数のゲート線と複数のソース線とによって区画される各領域に設けられる複数の画素電極と、複数の画素電極に対向して設けられ、画像表示およびタッチ検出に共用される複数の共通電極とを有する表示装置と、複数の共通電極のそれぞれに対して、表示装置が画像を表示する表示期間に画像表示用の基準電圧を供給し、タッチ検出期間にタッチ駆動信号を供給する駆動回路と、タッチ検出期間に複数の共通電極のそれぞれから受信したタッチ検出信号にもとづいて、表示装置への物体のタッチを検出するタッチ検出回路と、を備える表示システムにおける制御方法であって、表示システムの動作モードとして、第1モード、または、第2モードを選択するステップを備える。第1モードは、表示装置における連続した複数の単位フレーム期間それぞれに、表示期間とタッチ検出期間とが交互に配置される動作モードであり、第2モードは、少なくとも1つの単位フレーム期間において、表示装置が画像を表示し、かつ、タッチ検出回路がタッチ検出を停止する動作モードである。
【発明の効果】
【0008】
上記の態様により、更なる改善を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施の形態に係る表示システムのブロック図である。
図2図1の表示装置の回路構成を概略的に示す図である。
図3図2の共通電極の配置を示す上面図である。
図4図1の表示装置の縦断面図である。
図5図5(a)は、図1の表示装置の第1モードのタッチ検出期間の動作を説明する図であり、図5(b)は、図1の表示装置における第1モードの単位フレーム期間のタイミングおよび共通電極信号の波形を示す図である。
図6図6(a)は、図1の表示装置の第2モードの動作を説明する図であり、図6(b)は、図1の表示装置における第2モードの単位フレーム期間のタイミングおよび共通電極信号の波形を示す図である。
図7図1の表示システムのモード選択処理を示すフローチャートである。
図8】第2の実施の形態に係るホストのブロック図である。
図9】第2の実施の形態に係る表示システムのモード選択処理を示すフローチャートである。
図10】第3の実施の形態に係る第2モードの単位フレーム期間の共通電極信号の波形を示す図である。
図11】第3の実施の形態に係る表示システムのモード選択処理を示すフローチャートである。
図12】第4の実施の形態に係る第2モードの単位フレーム期間のタイミングおよび共通電極信号の波形を示す図である。
図13】第4の実施の形態に係る表示システムのモード選択処理を示すフローチャートである。
図14】第5の実施の形態に係る第2モードの単位フレーム期間のタイミングおよび共通電極信号の波形を示す図である。
図15】第5の実施の形態に係る表示システムのモード選択処理を示すフローチャートである。
図16図16(a)は、変形例に係る第2モードの複数の単位フレーム期間を表した図であり、図16(b)は、変形例に係る第2モードの単位フレーム期間Fa1の共通電極信号の波形を示す図であり、図16(c)は、変形例に係る第2モードにおける単位フレーム期間Fa2の共通電極信号の波形を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(本開示の基礎となった知見)
実施の形態を具体的に説明する前に、基礎となった知見を説明する。インセル型のタッチディスプレイでは、共通電極より観察者側には電極が存在しないため、共通電極より観察者側にタッチセンサ電極が配置されたアウトセル型の表示装置よりも、周囲の無線信号などによる外来ノイズが共通電極に到達しやすい。そのため、外来ノイズが共通電極から画像表示用の駆動回路などに伝達され、伝達されたノイズが画像表示に影響を及ぼす可能性があるという課題を本発明者は発見した。外来ノイズとしては、たとえば、電波塔や基地局などが発する強電界ノイズ、ならびに、携帯電話、GPSおよびBluetooth(登録商標)などの無線信号のノイズなどが挙げられる。共通電極より観察者側にシールド用の透明電極を設ければ共通電極に到達するノイズ量を低減できるが、タッチ位置の検出精度および検出感度が低下する恐れがある。この課題を解決するために、本開示に係る表示システムは以下のように構成される。
【0011】
以下、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、工程には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。
【0012】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係る表示システム1のブロック図である。表示システム1は、自動車などの車両に搭載された車載の表示システム1である一例について説明するが、用途は特に限定されず、携帯機器などに用いてもよい。
【0013】
表示システム1は、ホスト10と、表示モジュール20とを備える。ホスト10は、ラジオ、カーナビゲーション、Bluetooth通信などの各種機能を実行するとともに、表示モジュール20を制御する。ホスト10は、制御装置12と、受信機14と、アンテナ16とを備える。
【0014】
制御装置12は、たとえばCPUであり、ホストCPUとも呼ばれる。制御装置12は、表示システム1の動作モードを選択する選択部90を有する。選択部90は、画像表示とタッチの検出が行われる第1モード、または、画像表示は行われるがタッチの検出は停止される第2モードを選択する。
【0015】
選択部90は、画像表示を優先すべき場合以外では第1モードを選択し、画像表示を優先すべき場合、第2モードを選択する。第2モードは、表示優先モードと呼ぶこともできる。選択部90は、たとえば、車両の後部の撮像装置で撮像された画像を表示するカメラ表示機能が実行される場合、または、ユーザによる第2モードを指定する操作が行われた場合などに、画像表示を優先すべきと特定して、第2モードを選択する。第1モードと第2モードの詳細については後述する。
【0016】
制御装置12は、画像データDDと、動作モードの情報を含む制御データCDとを表示モジュール20に供給し、これらのデータをもとに表示モジュール20を制御する。制御装置12は、受信機14も制御する。
【0017】
受信機14は、アンテナ16を介して無線信号を受信する。受信機14は、たとえばラジオ受信機能、GPS受信機能、Bluetooth受信機能の少なくとも1つを含む。
【0018】
表示モジュール20は、表示装置22と、制御装置24とを備える。表示装置22は、たとえば、カーナビゲーション画面などが表示される車室内のセンターディスプレイなどとして利用される。
【0019】
表示装置22は、インセル型のIPS(In Plane Switching)方式の液晶表示装置であり、タッチディスプレイとして構成され、タッチ位置を検出可能である。表示装置22の構成は、例えば、以下に説明する周知の構成となっている。
【0020】
図2は、図1の表示装置22の回路構成を概略的に示す。図2は、各構成要素の概略的な配置も示す。表示装置22は、行方向に延びる複数のゲート線G1,G2,・・・と、列方向に延びる複数のソース線S1,S2,・・・と、複数の画素スイッチング素子30と、複数の画素電極32と、複数の共通電極34とを備える。各画素スイッチング素子30は、薄膜トランジスタであり、ゲート線とソース線の交点付近に画素に対応して設けられる。各画素スイッチング素子30において、ゲートにはゲート線が接続され、ソースにはソース線が接続され、ドレインには画素電極32が接続される。1つの共通電極34に対して、複数の画素スイッチング素子30と複数の画素電極32が配置される。画素電極32と共通電極34との間の電界により液晶層が制御される。共通電極34は、画像表示およびタッチ検出に共用される。そのため、電極の層数を削減して、表示装置22を薄く構成できる。共通電極34は、センサ電極と呼ぶこともできる。
【0021】
図3は、図2の共通電極34の配置を示す上面図である。複数の共通電極34は、マトリクス状に配置される。各共通電極34は、信号線36で制御装置24に接続される。
【0022】
表示装置22は、自己容量方式によりタッチ位置を検出する。表示装置22の表示面に指が近づくと、共通電極34と指の間に静電容量が発生する。静電容量が発生すると共通電極34における寄生容量が増加し、共通電極34にタッチ駆動信号を供給するときの電流が増加する。この電流の変動量にもとづいてタッチ位置が検出される。
【0023】
図4は、図1の表示装置22の縦断面図である。表示装置22は、厚さ方向に沿って順に重ねて配置されるバックライトユニット40、下偏光板42、薄膜トランジスタ基板(以下、TFT基板と呼ぶ)44、液晶層52、カラーフィルタ基板54、上偏光板56、接合層58、および、保護層60を備える。
【0024】
以下の説明では、表示装置22の厚さ方向のうち、TFT基板44に対して保護層60が位置する側を前面側とし、その逆を背面側とする。
【0025】
表示装置22は、バックライトユニット40から出射された光を用いて、画像光を前面側、即ち観察者側に出射する。
【0026】
TFT基板44は、ガラス基板46、ガラス基板46の前面側に配置された複数のゲート電極48、複数のソース電極50、および、複数の共通電極34を有する。図示は省略するが、TFT基板44は、図2の複数のゲート線G1,G2,・・・、複数のソース線S1,S2,・・・、複数の画素電極32および複数の画素スイッチング素子30も有する。TFT基板44の前面側に配置された液晶層52は、画素電極32と共通電極34との間に発生する横方向の電界により制御される。
【0027】
接合層58は、透光性を有し、上偏光板56と保護層60とを接合する。接合層58は、例えば、OCR(Optically Clear Resin)などの液状の透明樹脂、または、OCA(Optically Clear Adhesive)などの透明粘着シートが硬化したものである。
【0028】
保護層60は、表示装置22を保護するための透光性を有する層であり、ガラス基板またはプラスチック基板などで構成される。保護層60は、カバーレンズなどとも呼ばれる。
【0029】
表示装置22において共通電極34より前面側には電極が存在しない。そのため既述のように、表示装置22では、共通電極34より前面側に電極が配置された構成と比較して外来ノイズが共通電極34に到達しやすい。
【0030】
図1に戻る。制御装置24は、たとえばICとして構成され、ホスト10からの制御データCDと画像データDDにしたがって表示装置22を制御する。制御装置24は、制御回路70と、第1駆動回路72と、第2駆動回路74と、タッチ検出回路76とを備える。
【0031】
制御回路70は、たとえばマイコンで構成され、第1駆動回路72と第2駆動回路74の信号生成タイミング、タッチ検出回路76のタッチ検出タイミングなどを制御する。
【0032】
制御回路70は、第1モードにおいて、単位フレーム期間(1フレーム期間)に、表示画像の1フレームが表示装置22に描画され、かつ、1画面のタッチ検出が少なくとも1回実行されるよう、第1駆動回路72、第2駆動回路74およびタッチ検出回路76を制御する。単位フレーム期間は、垂直同期期間とも呼べる。単位フレーム期間の詳細は後述する。
【0033】
制御回路70は、第2モードにおいて、単位フレーム期間に表示画像の1フレームが表示装置22に描画され、タッチ検出が停止されるよう、第1駆動回路72、第2駆動回路74およびタッチ検出回路76を制御する。
【0034】
第1駆動回路72の動作は、第1モードと第2モードで共通する。第1駆動回路72は、制御回路70の制御にしたがい、基準クロック信号を生成する。第1駆動回路72は、制御回路70の制御にしたがい、ホスト10からの画像データDDにもとづいて、生成された基準クロック信号に同期したソース信号SSを生成する。第1駆動回路72は、制御回路70の制御にしたがい、生成された基準クロック信号に同期したゲート信号GSを生成する。
【0035】
第1駆動回路72は、ソース信号SSを表示装置22の複数のソース線に順次供給し、ゲート信号GSを表示装置22の複数のゲート線に順次供給する。
【0036】
第1駆動回路72は、基準クロック信号を第2駆動回路74に供給する。第2駆動回路74は、制御回路70の制御にしたがい、第1モードでは、予め定められた固定電圧である基準電圧VCOM、および、基準クロック信号に同期したタッチ駆動信号TXを生成する。なお、タッチ駆動信号TXは、矩形波でもよいし、正弦波でもよい。第2駆動回路74は、第1モードでは、図3の信号線36を介して、基準電圧VCOMまたはタッチ駆動信号TXを共通電極信号CSとして表示装置22の全体の複数の共通電極34のそれぞれに供給する。
【0037】
第2駆動回路74は、制御回路70の制御にしたがい、第2モードでは、基準電圧VCOMを生成し、信号線36を介して、基準電圧VCOMを共通電極信号CSとして複数の共通電極34のそれぞれに供給する。
【0038】
タッチ検出回路76は、第1モードでは表示装置22への物体のタッチを検出する。タッチ検出回路76は、制御回路70の制御にしたがい、各共通電極34にタッチ駆動信号TXが供給されたときの当該共通電極34から受信したタッチ検出信号RXに基づいて、当該共通電極34に対応する位置への物体のタッチを検出する。タッチ検出回路76は、検出したタッチ位置の情報を制御回路70に出力する。タッチ検出回路76は、第2モードでは表示装置22への物体のタッチの検出を停止する。
【0039】
制御回路70は、タッチ検出回路76からのタッチ位置の情報にもとづいてタッチ位置の座標データTDを導出し、その座標データTDをホスト10の制御装置12に出力する。制御装置12は、座標データTDに応じて各種処理を実行する。
【0040】
制御装置12、制御回路70の構成は、ハードウェア資源とソフトウェア資源の協働、またはハードウェア資源のみにより実現できる。ハードウェア資源としてアナログ素子、マイクロコンピュータ、DSP、ROM、RAM、FPGA、その他のLSIを利用できる。ソフトウェア資源としてファームウェア等のプログラムを利用できる。
【0041】
以下、第1モード、第2モードの順に詳しく説明する。
[第1モード]
制御回路70は、第1モードでは、画面内の複数の表示領域の1つに対する部分的な画像表示と、画面内の複数のタッチ検出領域の1つに対する部分的なタッチ検出とを交互に繰り返して、画像表示とタッチ検出を時分割に制御する。
【0042】
図5(a)は、図1の表示装置22の第1モードのタッチ検出期間の動作を説明する図である。表示装置22は、画面内の複数の共通電極34が複数のグループに分割されたタッチ検出領域R1,R2,R3,R4を含む。
【0043】
タッチ検出領域R1,R2,R3,R4は、観察者から見て水平方向に左から右に順に並ぶ。表示装置22の全体の複数の共通電極34は、タッチ検出領域R1からR4のそれぞれに複数ずつ配置される。図4に示す各タッチ検出領域に配置される共通電極34の数は一例である。表示装置22のタッチ検出領域の数は「4」に限定されない。
【0044】
タッチ検出回路76は、A/Dコンバータ761と、スイッチ回路762とを有する。スイッチ回路762は、複数の共通電極34とA/Dコンバータ761との間に接続されている。スイッチ回路762は、スイッチSW1,SW2,SW3,SW4を有し、マルチプレクサとして構成される。図示は省略するが、それぞれのスイッチは、複数組の入力端子と出力端子を有する。図4では図面を簡略化するために共通電極34と信号線36の接続を省略して描いている。
【0045】
スイッチSW1の複数の入力端子は、タッチ検出領域R1に含まれる複数の共通電極34と信号線36で1対1に接続されている。スイッチSW2の複数の入力端子は、タッチ検出領域R2に含まれる複数の共通電極34と信号線36で1対1に接続されている。スイッチSW3の複数の入力端子は、タッチ検出領域R3に含まれる複数の共通電極34と信号線36で1対1に接続されている。スイッチSW4の複数の入力端子は、タッチ検出領域R4に含まれる複数の共通電極34と信号線36で1対1に接続されている。
【0046】
スイッチSW1からSW4の出力端子は、A/Dコンバータ761の複数の入力ポートに接続されている。A/Dコンバータ761の入力ポートの数は画面内の共通電極34の数より少ないため、A/Dコンバータ761の入力ポートに接続される共通電極34がスイッチにより切り替えられる。A/Dコンバータ761の入力ポートの数は、A/Dコンバータ761が同時に処理可能な入力信号の数と等しく、入力チャンネル数とも呼べる。
【0047】
図5(b)は、図1の表示装置22における第1モードの単位フレーム期間Faのタイミングおよび共通電極信号CSの波形を示す。図5(b)に示す例は、単位フレーム期間Faに、1枚の画像を表示し、1画面のタッチ検出を2回実行する例である。本実施の形態では、60Hz駆動で画像を表示する表示装置22を想定しているため、単位フレーム期間Faは約16.7(=1/60)msに設定される。1画面のタッチ検出は単位フレーム期間Faに2回実行されるため、約8.3(=1/120)ms周期で実行される。
【0048】
単位フレーム期間Faは、2つのサブフレーム期間Fbに分割される。各サブフレーム期間Fbは、4つの表示期間Daと、4つのタッチ検出期間T1a,T2a,T3a,T4aとを含む。表示期間Daとタッチ検出期間は交互に配置される。各サブフレーム期間Fbにおいて、表示期間Da、タッチ検出期間T1a、表示期間Da、タッチ検出期間T2a、表示期間Da、タッチ検出期間T3a、表示期間Da、タッチ検出期間T4aは、この順に並ぶ。単位フレーム期間Faの表示期間Daの数とタッチ検出期間の数は、それぞれ「8」に限定されない。
【0049】
表示装置22は、表示期間Da毎に1フレームを1/8ずつ表示する。単位フレーム期間Faの8つの表示期間Daにより、1フレームが表示される。具体的には表示期間Daの間、第1駆動回路72は、複数のソース線にソース信号SSを供給し、対象のゲート線にゲート信号GSを供給し、第2駆動回路74は複数の共通電極34に基準電圧VCOMを供給する。第2駆動回路74は、表示期間Daにはタッチ駆動信号TXの供給を停止する。
【0050】
第2駆動回路74は、それぞれのタッチ検出期間の間、タッチ検出領域R1からR4の複数の共通電極34にタッチ駆動信号TXを供給する。第2駆動回路74は、タッチ検出期間には基準電圧VCOMの供給を停止する。
【0051】
制御回路70は、スイッチSW1,SW2,SW3,SW4のうちタッチ検出期間ごとに異なる1つを導通させる。導通したスイッチに入力されるタッチ検出信号RXは、A/Dコンバータ761に出力される。つまりスイッチ回路762は、複数の共通電極34のうち選択された共通電極34から供給されるタッチ検出信号RXをA/Dコンバータ761に出力する。A/Dコンバータ761は、スイッチを介して入力されるアナログのタッチ検出信号RXを、デジタルのタッチ検出信号に変換する。A/Dコンバータ761は、タッチ検出信号RXを処理する処理回路に相当する。タッチ検出回路76は、A/Dコンバータ761の出力信号であるデジタルのタッチ検出信号にもとづいてタッチを検出する。
【0052】
タッチ検出回路76は、タッチ検出期間T1aの間、タッチ検出領域R1の複数の共通電極34から受信したタッチ検出信号RXにもとづいて、タッチ検出領域R1への物体のタッチを検出する。タッチ検出回路76は、タッチ検出期間T2aの間、タッチ検出領域R2の複数の共通電極34から受信したタッチ検出信号RXにもとづいて、タッチ検出領域R2への物体のタッチを検出する。
【0053】
タッチ検出回路76は、タッチ検出期間T3aの間、タッチ検出領域R3の複数の共通電極34から受信したタッチ検出信号RXにもとづいて、タッチ検出領域R3への物体のタッチを検出する。タッチ検出回路76は、タッチ検出期間T4aの間、タッチ検出領域R4の複数の共通電極34から受信したタッチ検出信号RXにもとづいて、タッチ検出領域R4への物体のタッチを検出する。
【0054】
このようにタッチ検出回路76は、複数のタッチ検出期間のそれぞれにおいて、タッチ検出期間ごとに異なるタッチ検出領域でタッチを検出する。なお、単位フレーム期間Faのタッチ検出期間の数と同数のタッチ検出領域が表示装置22に含まれてもよく、この場合、単位フレーム期間Faの複数のタッチ検出期間により、1画面のタッチ検出が1回実行される。
【0055】
第1モードでは、タッチ検出期間においてタッチ検出回路76が共通電極34からタッチ検出信号RXに加えて外来ノイズを受信すると、外来ノイズがタッチ検出回路76から制御装置24内の第1駆動回路72、第2駆動回路74および制御回路70などに伝達されやすい。タッチ検出回路76、第1駆動回路72、第2駆動回路74および制御回路70は、信号配線や電源配線などで電気的に接続されているためである。外来ノイズが第1駆動回路72などに伝達されると、外来ノイズの強度によっては画像が乱れるなどの影響が現れる可能性がある。そこで、画像表示を優先させたい場合、第2モードに切り替えられる。
【0056】
[第2モード]
第2モードでは、表示装置22が画像を表示し、かつ、タッチ検出回路76がタッチ検出を停止する。
【0057】
図6(a)は、図1の表示装置22の第2モードの動作を説明する図である。第2モードにおいて、制御回路70は、タッチ検出回路76のスイッチSW1~SW4を非導通に制御し、A/Dコンバータ761の動作を停止させ、タッチ検出回路76にタッチ検出を停止させる。つまりスイッチ回路762は、複数の共通電極34からA/Dコンバータ761への信号の供給を遮断する。スイッチSW1~SW4が非導通になることで、複数の共通電極34から制御装置24への信号入力経路が電気的に遮断される。
【0058】
図6(b)は、図1の表示装置22における第2モードの単位フレーム期間Faのタイミングおよび共通電極信号CSの波形を示す。制御回路70は、第2モードにおいて、単位フレーム期間Faに、表示期間Daと、表示装置22が画像の表示を停止する表示停止期間Dbとが交互に配置されるように制御する。それぞれの表示期間Daの長さ、開始タイミング、終了タイミングは、第1モードと同一である。それぞれの表示停止期間Dbの長さ、開始タイミング、終了タイミングは、第1モードのタッチ検出期間の長さ、開始タイミング、終了タイミングと同一である。
【0059】
第2モードにおいて、第1駆動回路72は第1モードと同様に動作する。第2モードにおいて、第2駆動回路74は、複数の共通電極34のそれぞれに対して、表示期間Daと表示停止期間Dbに基準電圧VCOMを供給する。つまり、図示するように、第2モードの間、第2駆動回路74は基準電圧VCOMを供給し続ける。
【0060】
第2モードではタッチ検出回路76がタッチ検出を停止するので、共通電極34が受けた外来ノイズはタッチ検出回路76に入力され難くなる。スイッチSW1~SW4が非導通であることで、外来ノイズはより確実にタッチ検出回路76に入力され難くなる。そのため、外来ノイズは、タッチ検出回路76から第1駆動回路72などに伝達され難くなる。これにより、表示装置22にシールド用の電極を追加せずに、外来ノイズが画像表示に影響を及ぼすことを抑制できる。よって、第1モードでのタッチ位置の検出精度および検出感度を低下させることなく、第2モードにおいて画像が外来ノイズの影響を受け難くできる。
【0061】
たとえば、カメラ表示機能の実行中、表示装置22は車両のバック時に障害物が無いか確認するバックモニタとして機能するため、画像が乱れ難いことが望まれる。第2モードでは、外来ノイズが存在する状況でも画像が乱れ難いので、車両後方の画像をより確認しやすい。
【0062】
次に、以上の構成による表示システム1の全体的な動作を説明する。図7は、図1の表示システム1のモード選択処理を示すフローチャートである。図7の処理は、所定の頻度で定期的に行われる。選択部90は、画像表示を優先すべきではない場合(S10のN)、第1モードを選択し(S12)、処理を終了する。選択部90は、画像表示を優先すべき場合(S10のY)、第2モードを選択し(S14)、タッチ検出回路76はタッチ検出を停止し(S16)、第2駆動回路74は基準電圧VCOMを連続的に供給し(S18)、処理を終了する。
【0063】
本実施の形態によれば、画像表示を優先すべき場合、画像が外来ノイズの影響を受け難くできる。また、第2モードにおいて、第1駆動回路72の制御を第1モードから変更する必要がなく、タッチ検出を停止し、基準電圧VCOMを連続的に供給すればよい。つまり、第2モードの画像表示の時分割制御を第1モードから変更する必要がない。よって、第2モードの制御の複雑化を抑制できる。
【0064】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態では、外来ノイズが検出された場合に第2モードを選択することが第1の実施の形態と異なる。以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0065】
図8は、第2の実施の形態に係るホスト10のブロック図である。制御装置12は、選択部90および検出部92を備える。検出部92は、共通電極34を介してタッチ検出回路76で受信された外来ノイズと、アンテナ16を介して受信機14で受信された外来ノイズを検出する。共通電極34はアンテナに相当し、この処理は、検出部92がアンテナを介して受信された外来ノイズを検出することに相当する。検出部92は、タッチ検出回路76で受信された外来ノイズと受信機14で受信された外来ノイズのうち一方を検出してもよい。
【0066】
受信機14は、アンテナ16で受信された信号の強度を取得し、取得した強度を検出部92に出力する。検出部92は、受信機14から出力された強度が予め定められた第1閾値以上の場合、外来ノイズが検出されたと判定する。検出部92は、強度が第1閾値より小さい場合、外来ノイズが未検出であると判定する。ノイズの検出は周知の技術を用いて行える。
【0067】
また、第1モードのタッチ検出期間に、タッチ検出回路76がタッチ検出信号RXに加えて一定強度以上の外来ノイズを共通電極34から受信した場合、A/Dコンバータ761のデジタル値の出力信号は異常値となり得る。A/Dコンバータ761は、出力信号を制御回路70に出力し、制御回路70は、A/Dコンバータ761の出力信号を検出部92に出力する。検出部92は、A/Dコンバータ761の出力信号が予め定められた第2閾値以上の場合、外来ノイズが検出されたと判定する。検出部92は、A/Dコンバータ761の出力信号が第2閾値より小さい場合、外来ノイズが未検出であると判定する。検出部92は、検出結果を選択部90に出力する。
【0068】
第1閾値と第2閾値は、画像表示に影響し得る強度の外来ノイズを検出できるよう、実験やシミュレーションにより適宜定めることができる。
【0069】
選択部90は、検出部92で外来ノイズが未検出の場合、第1モードを選択する。選択部90は、検出部92で外来ノイズが検出された場合、第2モードを選択する。これにより、画像表示に影響し得る強度の外来ノイズが存在する状況で、画像が外来ノイズの影響を受け難くできる。
【0070】
選択部90は、検出部92で外来ノイズが検出され、第2モードを選択した場合、予め定められた復帰条件が満たされると、第1モードを選択する。具体的には、選択部90は、受信機14で受信された信号にもとづいて検出部92で外来ノイズが検出された場合、外来ノイズの検出が途切れると、第1モードを選択する。これにより、外来ノイズが減少すると第1モードに復帰して、タッチ検出を再開できる。
【0071】
選択部90は、タッチ検出回路76で受信された信号にもとづいて検出部92で外来ノイズが検出された場合、予め定められた待機期間が経過すると、第1モードを選択する。待機期間は、実験やシミュレーションにより適宜定めることができる。待機時間の経過により第1モードが選択された場合、検出部92で外来ノイズが再度検出されると、選択部90は第2モードを再度選択し、検出部92で外来ノイズが未検出であれば、第1モードが維持される。よって、外来ノイズが減少するとタッチ検出を再開できる。
【0072】
図9は、第2の実施の形態に係る表示システム1のモード選択処理を示すフローチャートである。図9の処理は、所定の頻度で定期的に行われる。タッチ検出回路76と受信機14の少なくとも一方は外来ノイズを受信し(S30)、ノイズが検出されない場合(S32のN)、選択部90は第1モードを選択し(S42)、処理を終了する。
【0073】
ノイズが検出された場合(S32のY)、選択部90は第2モードを選択し(S34)、タッチ検出回路76はタッチ検出を停止し(S36)、第2駆動回路74は基準電圧VCOMを連続的に供給する(S38)。復帰条件が満たされない場合(S40のN)、S40に戻る。復帰条件が満たされた場合(S40のY)、選択部90は第1モードを選択し(S42)、処理を終了する。
【0074】
本実施の形態によれば、画像表示に影響し得る外来ノイズが存在するか否かに応じて、動作モードを選択できる。
【0075】
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態では、第2モードにおいて単位フレーム期間Faにわたり表示装置22が画像を表示することが第1の実施の形態と異なる。以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0076】
図10は、第3の実施の形態に係る第2モードの単位フレーム期間Faの共通電極信号CSの波形を示す。第2モードにおいて、表示装置22は単位フレーム期間Faにわたり画像を表示する。つまり、制御回路70は、第2モードでは時分割制御を停止して、単位フレーム期間Faと表示期間Daを一致させる。これにより、第2モードで連続的に画像を表示できる。
【0077】
単位フレーム期間Faの長さは第1モードと第2モードで同じでもよいが、第2モードの単位フレーム期間Faは第1モードの単位フレーム期間Faより短くてもよい。この場合、第2モードの単位フレーム期間Faの長さは、第1モードの単位フレーム期間Faに含まれる複数の表示期間Daの総和と等しくてもよい。これにより、第2モードにおいて単位フレーム期間Faが短くなるので、フレームレートを高めることができ、第1モードより滑らかな動画を表示できる。滑らかな動画は、表示装置22をバックモニタとして利用する場合などに好ましい。
【0078】
図11は、第3の実施の形態に係る表示システム1のモード選択処理を示すフローチャートである。図11の処理は、所定の頻度で定期的に行われる。S10からS18の処理は第1の実施の形態と同一である。S18の後、制御回路70は時分割制御を停止し(S20)、処理を終了する。
【0079】
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態では、第2モードにおいて表示停止期間Dbに基準電圧VCOMとは異なる固定電圧を供給することが第1の実施の形態と異なる。以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0080】
図12は、第4の実施の形態に係る第2モードの単位フレーム期間Faのタイミングおよび共通電極信号CSの波形を示す。第2モードにおいて、第2駆動回路74は、複数の共通電極34のそれぞれに対して、表示期間Daに基準電圧VCOMを供給し、表示停止期間Dbに固定電圧を供給する。固定電圧は、任意の電圧でよく、接地電圧でもよい。
【0081】
図13は、第4の実施の形態に係る表示システム1のモード選択処理を示すフローチャートである。図13の処理は、所定の頻度で定期的に行われる。S10からS16の処理は第1の実施の形態と同一である。S16の後、第2駆動回路74は、表示期間Daに基準電圧VCOMを供給し、表示停止期間Dbに固定電圧を供給し(S22)、処理を終了する。
本実施の形態によれば、表示システム1の構成の自由度を向上できる。
【0082】
(第5の実施の形態)
第5の実施の形態では、第2モードにおいて表示停止期間Dbにタッチ駆動信号TXを供給することが第1の実施の形態と異なる。以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0083】
図14は、第5の実施の形態に係る第2モードの単位フレーム期間Faのタイミングおよび共通電極信号CSの波形を示す。第2モードにおいて、第2駆動回路74は、複数の共通電極34のそれぞれに対して、表示期間Daに基準電圧VCOMを供給し、表示停止期間Dbにタッチ駆動信号TXを供給する。表示停止期間Dbはタッチ検出期間と一致するので、第2駆動回路74は第1モードと第2モードで同じ動作を行う。
【0084】
図15は、第5の実施の形態に係る表示システム1のモード選択処理を示すフローチャートである。図15の処理は、所定の頻度で定期的に行われる。S10からS16の処理は第1の実施の形態と同一である。S16の後、第2駆動回路74は、表示期間Daに基準電圧VCOMを供給し、表示停止期間Dbにタッチ駆動信号TXを供給し(S24)、処理を終了する。
【0085】
本実施の形態によれば、第2モードにおいて第1駆動回路72と第2駆動回路74の制御を第1モードから変更する必要がなく、タッチ検出回路76がタッチ検出を停止するだけでよい。よって、第1の実施の形態より第2モードの制御を単純化できる。
【0086】
(変形例)
第1の実施の形態に係る第2のモードにおいて、連続した複数の単位フレーム期間の内、一部の単位フレーム期間においては、画像を表示し、かつ、タッチ検出を停止し、残りの単位フレーム期間においては、第1モードと同様に画像表示およびタッチ検出を行う、としても良い。
【0087】
図16(a)は、変形例に係る第2モードの連続した複数の単位フレーム期間を表し、連続した複数の単位フレーム期間は、単位フレーム期間Fa1とFa2とを含む。
【0088】
図16(b)は、変形例に係る第2モードの単位フレーム期間Fa1の共通電極信号CSの波形を示す。単位フレーム期間Fa1は、第1モードの単位フレーム期間と同様に、2つのサブフレーム期間Fbに分割され、各サブフレーム期間Fbは、4つの表示期間Daと、4つのタッチ検出期間T1a,T2a,T3a,T4aとを含む。すなわち、単位フレーム期間Fa1では、第1モードと同様に、画像表示およびタッチ検出が行われる。単位フレーム期間Fa1において、第1駆動回路72、第2駆動回路74、制御回路70、スイッチ回路762、および、タッチ検出回路76は、第1モードと同様に動作する。すなわち、単位フレーム期間Fa1では、画像表示およびタッチ検出が行われる。
【0089】
図16(c)は、変形例に係る第2モードの単位フレーム期間Fa2の共通電極信号CSの波形を示す。単位フレーム期間Fa2は、第1の実施の形態に係る第2モードの単位フレーム期間と同様に、表示期間Daと、表示装置22が画像の表示を停止する表示停止期間Dbとが交互に配置されている。単位フレーム期間Fa2において、第1駆動回路72、第2駆動回路74、制御回路70、スイッチ回路762、および、タッチ検出回路76は、第1の実施の形態に係る第2モードの単位フレーム期間と同様に動作する。すなわち、単位フレーム期間Fa2では、画像表示は行われるが、タッチ検出は停止される。
【0090】
第2モードにおいて、連続した複数の単位フレーム期間の内、一部の単位フレーム期間は、単位フレーム期間Fa2と同様に、表示期間Daと、表示装置22が画像の表示を停止する表示停止期間Dbとが交互に配置され、残りの単位フレーム期間は、単位フレーム期間Fa1と同様に、複数の表示期間と複数のタッチ検出期間とを含む。
【0091】
第2モードに含まれる複数の単位フレーム期間の内、タッチ検出が停止される単位フレーム期間Fa2の割合が多いほど、外来ノイズの影響を受け難くできる。そこで、画像表示を優先すべき度合いが高いほど、タッチ検出を停止する単位フレーム期間Fa2の割合を大きくしても良い。一方、画像表示を優先すべき度合いが低い場合は、タッチ検出を停止する単位フレーム期間Fa2の割合を小さくしても良い。これにより、第1モードよりは外来ノイズの影響を受け難くでき、かつ、タッチ検出の頻度も確保できる。
【0092】
また、本変形例において、選択部90は、タッチ検出の頻度を下げても良い場合に、第2モードを選択するとしても良い。例えば、タッチ検出の頻度を下げても良いモードが予め設定されていても良い。また、例えば、所定の期間の間、タッチが検出されなかった場合に、選択部90は第2モードを選択しても良い。そして、所望のタッチ検出の頻度に応じて、第2モードに含まれる複数の単位フレーム期間の内、タッチ検出を停止する単位フレーム期間Fa2の割合が設定されても良い。
【0093】
本変形例を第2の実施の形態に適用しても良い。第2の実施の形態では、外来ノイズが検出された場合に第2モードを選択する。そのため、本変形例を第2の実施の形態に適用する場合は、第2モードに含まれる複数の単位フレーム期間の内、タッチ検出が停止される単位フレーム期間Fa2の割合が多いことが好ましい。
【0094】
本変形例を第3の実施の形態に適用しても良い。つまり、第3の実施の形態に係る第2モードにおいて、連続した複数の単位フレーム期間の内、一部の単位フレーム期間においてはタッチ検出を停止して、当該一部の単位フレーム期間にわたり表示装置22が画像を表示し、残りの単位フレーム期間においては第1モードと同様に画像表示およびタッチ検出を行っても良い。具体的には、第3の実施の形態に係る第2モードの単位フレーム期間Fa2において、図10に示されるように、制御回路70は、時分割制御を停止して、単位フレーム期間Fa2と表示期間Daを一致させる。
【0095】
本変形例を第4の実施の形態に適用しても良い。つまり、第4の実施の形態に係る第2モードにおいて、連続した複数の単位フレーム期間の内、一部の単位フレーム期間においてはタッチ検出を停止して、表示停止期間Dbに基準電圧VCOMとは異なる固定電圧を供給し、残りの単位フレーム期間においては第1モードと同様に画像表示およびタッチ検出を行っても良い。具体的には、第4の実施の形態に係る第2モードの単位フレーム期間Fa2において、図12に示されるように、第2駆動回路74は、複数の共通電極34のそれぞれに対して、表示期間Daに基準電圧VCOMを供給し、表示停止期間Dbに固定電圧を供給する。
【0096】
本変形例を第5の実施の形態に適用しても良い。つまり、第5の実施の形態に係る第2モードにおいて、連続した複数の単位フレーム期間の内、一部の単位フレーム期間においてはタッチ検出を停止して、表示停止期間Dbにタッチ駆動信号TXを供給し、残りの単位フレーム期間においては第1モードと同様に画像表示およびタッチ検出を行っても良い。具体的には、第5の実施の形態に係る第2モードの単位フレーム期間Fa2において、図14に示されるように、第2駆動回路74は、複数の共通電極34のそれぞれに対して、表示期間Daに基準電圧VCOMを供給し、表示停止期間Dbにタッチ駆動信号TXを供給する。
【0097】
本変形例を第5の実施の形態に適用し、さらに第2の実施の形態を組み合わせても良い。そして、例えば、第2モードの単位フレーム期間Fa2でタッチ検出信号RXを検出し、検出したタッチ検出信号RXに基づいて、第2モードにおける第1モードへの復帰判定(図9:S40)を行っても良い。具体的には、第2モードの単位フレーム期間Fa2において、制御装置24は第1モードと同様にタッチ検出信号RXを検出部92に出力する。検出部92はタッチ検出信号RXに基づいて外来ノイズを検出する。選択部90は、外来ノイズの検出が途切れると、第1モードを選択する。
【0098】
以上、本開示について、実施の形態および変形例をもとに説明した。この実施の形態および変形例は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、また、そうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0099】
たとえば、実施の形態ではホスト10の制御装置12が動作モードを選択したが、この処理は、制御装置12に代えて表示モジュール20の制御回路70が実行してもよい。この場合、制御回路70は選択部90を有する。また、第2の実施の形態では、制御装置12に代えて制御回路70が外来ノイズを検出してもよい。この場合、制御回路70は検出部92を有する。この変形例では、表示システム1の構成の自由度を向上できる。
【0100】
第2の実施の形態を第1の実施の形態と組み合わせてもよい。第3、第4、第5の実施の形態のいずれかを第2の実施の形態、または、第1および第2の実施の形態と組み合わせてもよい。組合せによって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施の形態それぞれの効果をあわせもつ。
【0101】
また、実施の形態では制御装置24が表示モジュール20に含まれるが、制御装置24はホスト10に含まれてもよい。実施の形態では第1駆動回路72が基準クロック信号を生成するが、第2駆動回路74が基準クロック信号を生成してもよい。単位フレーム期間は、表示装置22のタッチ検出領域の数の3倍以上のタッチ検出期間を含んでもよい。これらの変形例では、表示システム1の構成の自由度を向上できる。
【0102】
本開示の一態様に係る表示システムは、
表示システムであって、
複数のゲート線と、複数のソース線と、前記複数のゲート線と前記複数のソース線とによって区画される各領域に設けられる複数の画素電極と、前記複数の画素電極に対向して設けられ、画像表示およびタッチ検出に共用される複数の共通電極とを有する表示装置と、
前記複数の共通電極のそれぞれに対して、前記表示装置が画像を表示する表示期間に画像表示用の基準電圧を供給し、タッチ検出期間にタッチ駆動信号を供給する駆動回路と、
前記タッチ検出期間に前記複数の共通電極のそれぞれから受信したタッチ検出信号にもとづいて、前記表示装置への物体のタッチを検出するタッチ検出回路と、
前記表示システムの動作モードとして、第1モード、または、第2モードを選択する選択部と、を備え、
前記第1モードは、前記表示装置における連続した複数の単位フレーム期間それぞれに、前記表示期間と前記タッチ検出期間とが交互に配置される動作モードであり、
前記第2モードは、少なくとも1つの単位フレーム期間において、前記表示装置が画像を表示し、かつ、前記タッチ検出回路がタッチ検出を停止する動作モードである。
この態様によると、第2モードではタッチ検出回路がタッチ検出を停止するので、共通電極が受けた外来ノイズがタッチ検出回路から駆動回路に伝達され難くなる。よって、画像が外来ノイズの影響を受け難くできる。
【0103】
本開示の一態様に係る表示システムにおいて、例えば、
前記選択部は、画像表示を優先すべき場合、前記第2モードを選択するとしても良い。
この場合、画像表示を優先すべき場合、画像が外来ノイズの影響を受け難くできる。
【0104】
本開示の一態様に係る表示システムにおいて、例えば、
アンテナで受信されたノイズを検出する検出部を備え、
前記選択部は、前記検出部でノイズが検出された場合、前記第2モードを選択するとしても良い。
この場合、外来ノイズが存在する場合、画像が外来ノイズの影響を受け難くできる。
【0105】
本開示の一態様に係る表示システムにおいて、例えば、
前記アンテナを介して無線信号を受信する受信機を備え、
前記検出部は、前記アンテナを介して前記受信機で受信されたノイズを検出し、
前記選択部は、前記検出部でノイズが検出された場合、ノイズの検出が途切れると、前記第1モードを選択するとしても良い。
この場合、外来ノイズが減少するとタッチ検出を再開できる。
【0106】
本開示の一態様に係る表示システムにおいて、例えば、
前記アンテナは、前記複数の共通電極を含み、
前記検出部は、前記複数の共通電極を介して前記タッチ検出回路で受信されたノイズを検出し、
前記選択部は、前記検出部でノイズが検出された場合、予め定められた待機期間が経過すると、前記第1モードを選択するとしても良い。
この場合、外来ノイズが減少するとタッチ検出を再開できる。
【0107】
本開示の一態様に係る表示システムにおいて、例えば、
前記第2モードにおいて、前記表示装置は単位フレーム期間にわたり画像を表示するとしても良い。
この場合、第2モードで連続的に画像を表示できる。
【0108】
本開示の一態様に係る表示システムにおいて、例えば、
前記第2モードの単位フレーム期間は、前記第1モードの単位フレーム期間より短いとしても良い。
この場合、第2モードにおいて第1モードより滑らかな動画を表示できる。
【0109】
本開示の一態様に係る表示システムにおいて、例えば、
前記第2モードにおいて、前記少なくとも1つの単位フレーム期間に、前記表示期間と、前記表示装置が画像の表示を停止する表示停止期間とが交互に配置されるとしても良い。
この場合、第2モードにおいて、時分割制御を第1モードから変更する必要がなく、タッチ検出を停止するだけでよい。よって、制御の複雑化を抑制できる。
【0110】
本開示の一態様に係る表示システムにおいて、例えば、
前記第2モードの前記少なくとも1つの単位フレーム期間において、前記駆動回路は、前記複数の共通電極のそれぞれに対して、前記表示期間と前記表示停止期間に前記基準電圧を供給するとしても良い。
この場合、第2モードにおいて駆動回路は基準電圧を供給し続けるので、制御の複雑化を抑制できる。
【0111】
本開示の一態様に係る表示システムにおいて、例えば、
前記第2モードの前記少なくとも1つの単位フレーム期間において、前記駆動回路は、前記複数の共通電極のそれぞれに対して、前記表示期間に前記基準電圧を供給し、前記表示停止期間に前記基準電圧と異なる固定電圧を供給するとしても良い。
この場合、表示システムの構成の自由度を向上できる。
【0112】
本開示の一態様に係る表示システムにおいて、例えば、
前記第2モードの前記少なくとも1つの単位フレーム期間において、前記駆動回路は、前記複数の共通電極のそれぞれに対して、前記表示期間に前記基準電圧を供給し、前記表示停止期間に前記タッチ駆動信号を供給するとしても良い。
この場合、第2モードにおいて、時分割制御と駆動回路の制御を第1モードから変更する必要がなく、タッチ検出回路によるタッチ検出を停止するだけでよい。よって、制御の複雑化を抑制できる。
【0113】
本開示の一態様に係る表示システムにおいて、例えば、
前記タッチ検出回路は、
前記タッチ検出信号を処理する処理回路と、
前記複数の共通電極と前記処理回路との間に接続され、前記第1モードにおいて前記複数の共通電極のうち選択された共通電極から供給される前記タッチ検出信号を前記処理回路に出力し、前記第2モードの前記少なくとも1つの単位フレーム期間において前記複数の共通電極から前記処理回路への前記タッチ検出信号の供給を遮断するスイッチ回路と、
を有し、
前記タッチ検出回路は、前記処理回路で処理された前記タッチ検出信号にもとづいてタッチを検出するとしても良い。
この場合、第2モードにおいて、共通電極が受けた外来ノイズがタッチ検出回路に入力され難くなる。
【0114】
本開示の一態様に係る制御装置は、
複数のゲート線と、複数のソース線と、前記複数のゲート線と前記複数のソース線とによって区画される各領域に設けられる複数の画素電極と、前記複数の画素電極に対向して設けられ、画像表示およびタッチ検出に共用される複数の共通電極とを有する表示装置と、前記複数の共通電極のそれぞれに対して、前記表示装置が画像を表示する表示期間に画像表示用の基準電圧を供給し、タッチ検出期間にタッチ駆動信号を供給する駆動回路と、前記タッチ検出期間に前記複数の共通電極のそれぞれから受信したタッチ検出信号にもとづいて、前記表示装置への物体のタッチを検出するタッチ検出回路と、を備える表示システムの制御装置であって、
前記表示システムの動作モードとして、第1モード、または、第2モードを選択する選択部を備え、
前記第1モードは、前記表示装置における連続した複数の単位フレーム期間それぞれに、前記表示期間と前記タッチ検出期間とが交互に配置される動作モードであり、
前記第2モードは、少なくとも1つの単位フレーム期間において、前記表示装置が画像を表示し、かつ、前記タッチ検出回路がタッチ検出を停止する動作モードである。
この態様によると、画像が外来ノイズの影響を受け難くできる。
【0115】
本開示の一態様に係る制御方法は、
複数のゲート線と、複数のソース線と、前記複数のゲート線と前記複数のソース線とによって区画される各領域に設けられる複数の画素電極と、前記複数の画素電極に対向して設けられ、画像表示およびタッチ検出に共用される複数の共通電極とを有する表示装置と、前記複数の共通電極のそれぞれに対して、前記表示装置が画像を表示する表示期間に画像表示用の基準電圧を供給し、タッチ検出期間にタッチ駆動信号を供給する駆動回路と、前記タッチ検出期間に前記複数の共通電極のそれぞれから受信したタッチ検出信号にもとづいて、前記表示装置への物体のタッチを検出するタッチ検出回路と、を備える表示システムにおける制御方法であって、
前記表示システムの動作モードとして、第1モード、または、第2モードを選択するステップを備え、
前記第1モードは、前記表示装置における連続した複数の単位フレーム期間それぞれに、前記表示期間と前記タッチ検出期間とが交互に配置される動作モードであり、
前記第2モードは、少なくとも1つの単位フレーム期間において、前記表示装置が画像を表示し、かつ、前記タッチ検出回路がタッチ検出を停止する動作モードである。
この態様によると、画像が外来ノイズの影響を受け難くできる。
【産業上の利用可能性】
【0116】
本開示は、タッチ検出機能を有する表示システム、制御装置および制御方法に利用できる。
【符号の説明】
【0117】
1…表示システム、SW1~SW4…スイッチ、12…制御装置、14…受信機、16…アンテナ、22…表示装置、24…制御装置、34…共通電極、70…制御回路、72…第1駆動回路、74…第2駆動回路、76…タッチ検出回路、90…選択部、92…検出部、761…A/Dコンバータ、762…スイッチ回路。
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