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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-21
(45)【発行日】2024-01-04
(54)【発明の名称】ベーンモータ
(51)【国際特許分類】
   F03C 2/00 20060101AFI20231222BHJP
   F04C 2/344 20060101ALI20231222BHJP
【FI】
F03C2/00 A
F04C2/344 331J
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019229390
(22)【出願日】2019-12-19
(65)【公開番号】P2021095902
(43)【公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-10-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000227803
【氏名又は名称】日本アキュムレータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002169
【氏名又は名称】彩雲弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】杉村 健
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 理人
【審査官】北村 一
(56)【参考文献】
【文献】特開昭51-020102(JP,A)
【文献】特開2004-076691(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03C 1/00-99/00
F04C 2/30- 2/352;18/30-18/352;18/48-18/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主軸と、ロータと、ハウジングと、カムリングと、少なくとも1つの溝部と、少なくとの1つのサイドプレートと、を備え、
該ロータは、該主軸が貫装されると共にベーンが取付けられ、
該ハウジングは、第1のポートと、第2のポートとを有し、
該第1のポートと該第2のポートの内、一方が作動流体を該ロータに供給する供給孔として、他方が該作動流体を排出する排出孔として働く様に構成されており、
該カムリングは、内方に該ロータの収容部が設けられると共に外面に少なくとも1つの切欠部が設けられており、
該収容部は、第1の側端を有しており、該第1の側端の少なくとも一部が、該サイドプレートによって覆われており、
該溝部の少なくとも1つは、該供給孔と該収容部とを連通可能に設けられていると共に該作動流体が流通可能に設けられ、
該切欠部は、該供給孔と該収容部とを連通する該溝部を構成しており、
該供給孔と該収容部とを連通する該溝部は、一方の側壁が、該切欠部の側面によって形成され、他方の側壁が、該ハウジング及び/又は該サイドプレートによって形成されているベーンモータであって、
エンドカバーを更に備え、
該溝部は、少なくとも2つ設けられており、
該溝部の少なくとも1つは、該排出孔と該収容部とを連通可能に設けられていると共に該作動流体が流通可能に設けられており、
該サイドプレートは、少なくとも2つ設けられ、
該カムリングは、外面に少なくとも2つの切欠部が設けられており、
該収容部は、第2の側端を有し、該第2の側端は、該サイドプレートよって、覆われており、
該切欠部の一方は、該供給孔と該収容部とを連通する該溝部を構成し、
該切欠部の他方は、該排出孔と該収容部とを連通する該溝部を構成しており、
該供給孔と該収容部とを連通する該溝部は、一方の側壁が、該切欠部の一方によって、他方の側壁が、該ハウジング及び/又は該サイドプレートの一方によって形成されており、
該排出孔と該収容部とを連通する該溝部は、一方の側壁が、該切欠部の他方によって、他方の側壁が、該ハウジング及び/又は該エンドカバー及び/又は該サイドプレートの他方によって形成されることを特徴とするベーンモータ。
【請求項2】
主軸と、該主軸の軸受と、ロータと、ハウジングと、カムリングと、少なくとも1つの溝部と、少なくとも1つのサイドプレートと、を備え、
該ロータは、該主軸が貫装されると共にベーンが取付けられ、
該ハウジングは、第1のポートと、第2のポートとを有し、
該第1のポートと該第2のポートの内、一方が作動流体を該ロータに供給する供給孔として、他方が該作動流体を排出する排出孔として働く様に構成されており、
該カムリングは、内方に該ロータの収容部が設けられると共に外面に少なくとも1つの切欠部が設けられており、
該収容部は、該主軸の先端側に位置する第1の側端を有し、該第1の側端の少なくとも一部は、該サイドプレートによって覆われており、
該溝部の少なくとも1つは、該供給孔と該収容部とを連通可能に設けられていると共に該作動流体が流通可能に設けられており、
該切欠部は、該供給孔と該収容部とを連通する該溝部を構成しており、
該供給孔と該収容部とを連通する該溝部は、一方の側壁が、該切欠部の側面によって形成され、他方の側壁が、該ハウジング又は該第1の側端を覆う該サイドプレートによって形成され、
該ロータと該サイドプレートとの間には、間隙が設けられ、
該軸受は、該先端側に設けられると共に転動体が納められたベアリング室が設けられており、
該ベアリング室は、入口部と出口部を有し、
少なくとも該間隙から該軸受の該ベアリング室を経て該排出孔に至る該作動流体の流路が設けられ、該軸受を冷却可能に設けられていることを特徴とするベーンモータ。
【請求項3】
主軸と、ロータと、ハウジングと、カムリングと、エンドカバーと、少なくとも2つのサイドプレートと、少なくとも2つの溝部と、を備え、
該ロータは、該主軸が貫装されると共にベーンが取付けられ、
該ハウジングは、第1のポートと第2のポートとを有し、
該カムリングは、外面の該第1のポート側と該第2のポート側の各々に切欠部が設けられると共に内方に該ロータの収容部が設けられており、
該収容部は、該主軸の先端側に位置する第1の側端と、該主軸の基端側に位置する第2の側端と、を有し、該第1の側端と該第2の側端の各々は、その少なくとも一部が、該サイドプレートによって覆われており、
該エンドカバーは、該第2のポートと連通可能に設けられた第3のポートを有しており、
該溝部は、該ロータに供給される作動流体が流通可能に設けられ、一方は、該第1のポートと該収容部とを連通可能に設けられ、他方は、該第2のポートと該収容部と連通可能に設けられており、
該第1のポート側の該切欠部は、該第1のポートと該収容部とを連通可能に設けられた該溝部を構成し、
該第2のポート側の該切欠部は、該第2のポートと該収容部とを連通可能に設けられた該溝部を構成しており、
該第1のポートと該収容部とを連通可能に設けられた該溝部は、一方の側壁が、該第1のポート側の該切欠部の側面によって形成され、他方の側壁が、該ハウジング及び/又は該先端側に設けられた該サイドプレートによって形成され、
該第2のポートと該収容部とを連通可能に設けられた該溝部は、一方の側壁が、該第2のポート側の該切欠部の側面によって形成され、他方の側壁が、該ハウジング及び/又は該エンドカバー及び/又は該基端側に設けられた該サイドプレートによって形成されており、
該ロータと該先端側に設けられたサイドプレートとの間には、間隙が設けられ、
該ハウジングに対する該エンドカバーの取付角度を変えることで、少なくとも第1の流路と第2の流路との何れかを選択可能に設けられており、
該第1の流路は、該第1のポートから該間隙を経て該第2のポートから該作動流体が排出される流路であり、
該第2の流路は、該第1のポート又は該第2のポートから該間隙を経て該第3のポートから該作動流体が排出される流路であることを特徴とするベーンモータ。
【請求項4】
主軸と、該主軸の軸受と、ロータと、ハウジングと、カムリングと、少なくとも1つの溝部と、少なくとも1つのサイドプレートと、を備え、
該ロータは、該主軸が貫装されると共にベーンが取付けられ、
該ハウジングは、第1のポートと、第2のポートとを有し、
該第1のポートと該第2のポートの内、一方が作動流体を該ロータに供給する供給孔として、他方が該作動流体を排出する排出孔として働く様に構成されており、
該カムリングは、内方に該ロータの収容部が設けられると共に外面に少なくとも1つの切欠部が設けられており、
該収容部は、該主軸の先端側に位置する第1の側端を有し、該第1の側端の少なくとも一部は、該サイドプレートによって覆われており、
該溝部の少なくとも1つは、該供給孔と該収容部とを連通可能に設けられていると共に該作動流体が流通可能に設けられており、
該切欠部は、該供給孔と該収容部とを連通する該溝部を構成しており、
該供給孔と該収容部とを連通する該溝部は、一方の側壁が、該切欠部の側面によって形成され、他方の側壁が、該ハウジング又は該第1の側端を覆う該サイドプレートによって形成され、
該ロータと該サイドプレートとの間には、間隙が設けられ、
該軸受は、該先端側に設けられると共に転動体が納められたベアリング室が設けられており、
該ベアリング室は、入口部と出口部を有し、
少なくとも該間隙から該軸受の該ベアリング室を経て該排出孔に至る該作動流体の流路が設けられたベーンモータであって、
エンドカバーを更に備え、
前記溝部は、少なくとも2つ設けられており、
前記溝部の少なくとも1つは、前記排出孔と前記収容部とを連通可能に設けられていると共に前記作動流体が流通可能に設けられており、
前記サイドプレートは、少なくとも2つ設けられ、
前記カムリングは、外面に少なくとも2つの切欠部が設けられており、
前記収容部は、第2の側端を有し、該第2の側端は、該サイドプレートよって、覆われており、
該切欠部の一方は、該供給孔と該収容部とを連通する該溝部を構成し、
該切欠部の他方は、該排出孔と該収容部とを連通する該溝部を構成しており、
該供給孔と該収容部とを連通する該溝部は、一方の側壁が、該切欠部の一方によって、他方の側壁が、前記ハウジング及び/又は該サイドプレートの一方によって形成されており、
該排出孔と該収容部とを連通する該溝部は、一方の側壁が、該切欠部の他方によって、他方の側壁が、該ハウジング及び/又は該エンドカバー及び/又は該サイドプレートの他方によって形成されることを特徴とするベーンモータ。
【請求項5】
前記主軸は、中空部を有しており、
前記流路は、少なくとも前記間隙から前記ベアリング室及び該中空部を経て前記排出孔に至るものであることを特徴とする請求項2又は4に記載のベーンモータ。
【請求項6】
前記主軸の基端側に設けられると共に転動体が納められたベアリング室が設けられた第2の軸受を更に備え、
該第2の軸受のベアリング室は、入口部と出口部を有し、
前記サイドプレートは、少なくとも2つ設けられ、
前記収容部は、基端側に位置する第2の側端を有し、該第2の側端の少なくともその一部は、該サイドプレートによって覆われており、
前記ロータと該第2の側端を覆うサイドプレートとの間には、第2の間隙が設けられ、
該第2の間隙から該第2の軸受の該ベアリング室を経て前記排出孔へと至る前記作動流体の流路が設けられていることを特徴とする請求項2又は4乃至5の何れかに記載のベーンモータ。
【請求項7】
エンドカバーを更に備え、
前記サイドプレートは、第1のサイドプレートであり、
前記収容部は、前記主軸の基端側に位置する第2の側端を有し、
該第2の側端は、第2のサイドプレートによって覆われており、
前記溝部は、前記他方の側が、前記ハウジング又は前記第1の側端を覆う前記サイドプレートによって形成される代わりに該ハウジング及び/又は該エンドカバー及び/又は該第2の側端を覆う該第2のサイドプレートによって形成されていることを特徴とする請求項2又は5乃至6の何れかに記載のベーンモータ。
【請求項8】
前記主軸の軸受を更に備え、
該軸受は、該主軸の先端側に設けられると共に転動体が納められたベアリング室が設けられており、
該ベアリング室は、入口部と出口部を有し、
前記第1の流路及び前記第2の流路は、該ベアリング室を経ることを特徴とする請求項3に記載のベーンモータ。
【請求項9】
切替手段を更に備え、
該切替手段によって、前記第1のポートを、前記作動流体を前記ロータに供給する供給孔とし、前記第2のポートを、該作動流体を排出する排出孔とするか、又は、該第1のポートを、該排出孔とし、該第2のポートを、該供給孔とするか、を切替可能に設けられていることを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載のベーンモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベーンモータに関し、より詳細には、水圧式のベーンモータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水を作動流体(以下、単に流体ともいう)とする水圧式のベーンモータがある(特許文献1を参照)。ベーンモータは、主軸を回動させるためのロータを有しており、該ロータのベーンに流体を当てることによって、該ロータを回動させ、主軸を回動させるモータである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-76691号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ベーンモータは、通常、ロータがカムリング内に収容されており、カムリングの外面には、流体の供給孔と連通可能に形成された作動流体の流路である溝が設けられている。この溝の幅が広い程、該流体の圧力損失が低減できるが、カムリングのサイズはベーンモータのサイズで自ずと決まってしまうため、該溝の幅及び高さを広くとるのが困難であり、従来のベーンモータは、比較的大きいな圧力損失が生じており、その圧力損失を低減することが求められている。
【0005】
そこで、本発明は、作動流体の供給際の圧力損失を低減できるベーンモータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、主軸と、ロータと、ハウジングと、カムリングと、少なくとも1つの溝部と、少なくとの1つのサイドプレートと、を備え、該ロータは、該主軸が貫装されると共にベーンが取付けられ、該ハウジングは、第1のポートと、第2のポートとを有し、該第1のポートと該第2のポートの内、一方が作動流体を該ロータに供給する供給孔として、他方が該作動流体を排出する排出孔として働く様に構成されており、該カムリングは、内方に該ロータの収容部が設けられると共に外面に少なくとも1つの切欠部が設けられており、該収容部は、第1の側端を有しており、該第1の側端の少なくとも一部が、該サイドプレートによって覆われており、該溝部の少なくとも1つは、該供給孔と該収容部とを連通可能に設けられていると共に該作動流体が流通可能に設けられ、該切欠部は、該供給孔と該収容部とを連通する該溝部を構成しており、該供給孔と該収容部とを連通する該溝部は、一方の側壁が、該切欠部の側面によって形成され、他方の側壁が、該ハウジング及び/又は該サイドプレートによって形成されていることを特徴とするベーンモータ。
【0007】
又、主軸と、該主軸の軸受と、ロータと、ハウジングと、カムリングと、少なくとも1つの溝部と、少なくとも1つのサイドプレートと、を備え、該ロータは、該主軸が貫装されると共にベーンが取付けられ、該ハウジングは、第1のポートと、第2のポートとを有し、該第1のポートと該第2のポートの内、一方が作動流体を該ロータに供給する供給孔として、他方が該作動流体を排出する排出孔として働く様に構成されており、該カムリングは、内方に該ロータの収容部が設けられると共に外面に少なくとも1つの切欠部が設けられており、該収容部は、該主軸の先端側に位置する第1の側端を有し、該第1の側端の少なくとも一部は、該サイドプレートによって覆われており、該溝部の少なくとも1つは、該供給孔と該収容部とを連通可能に設けられていると共に該作動流体が流通可能に設けられており、該切欠部は、該供給孔と該収容部とを連通する該溝部を構成しており、該供給孔と該収容部とを連通する該溝部は、一方の側壁が、該切欠部の側面によって形成され、他方の側壁が、該ハウジング又は該第1の側端を覆う該サイドプレートによって形成され、該ロータと該サイドプレートとの間には、間隙が設けられ、該軸受は、該先端側に設けられると共に転動体が納められたベアリング室が設けられており、該ベアリング室は、入口部と出口部を有し、少なくとも該間隙から該軸受の該ベアリング室を経て該排出孔に至る該作動流体の流路が設けられ、該軸受を冷却可能に設けられていることを特徴とするベーンモータである。
【0008】
又、本発明は、主軸と、ロータと、ハウジングと、カムリングと、エンドカバーと、少なくとも2つのサイドプレートと、少なくとも2つの溝部と、を備え、該ロータは、該主軸が貫装されると共にベーンが取付けられ、該ハウジングは、第1のポートと第2のポートとを有し、該カムリングは、外面の該第1のポート側と該第2のポート側の各々に切欠部が設けられると共に内方に該ロータの収容部が設けられており、該収容部は、該主軸の先端側に位置する第1の側端と、該主軸の基端側に位置する第2の側端と、を有し、該第1の側端と該第2の側端の各々は、その少なくとも一部が、該サイドプレートによって覆われており、該エンドカバーは、該第2のポートと連通可能に設けられた第3のポートを有しており、該溝部は、該ロータに供給される作動流体が流通可能に設けられ、一方は、該第1のポートと該収容部とを連通可能に設けられ、他方は、該第2のポートと該収容部と連通可能に設けられており、該第1のポート側の該切欠部は、該第1のポートと該収容部とを連通可能に設けられた該溝部を構成し、該第2のポート側の該切欠部は、該第2のポートと該収容部とを連通可能に設けられた該溝部を構成しており、該第1のポートと該収容部とを連通可能に設けられた該溝部は、一方の側壁が、該第1のポート側の該切欠部の側面によって形成され、他方の側壁が、該ハウジング及び/又は該先端側に設けられた該サイドプレートによって形成され、該第2のポートと該収容部とを連通可能に設けられた該溝部は、一方の側壁が、該第2のポート側の該切欠部の側面によって形成され、他方の側壁が、該ハウジング及び/又は該エンドカバー及び/又は該基端側に設けられた該サイドプレートによって形成されており、該ロータと該先端側に設けられたサイドプレートとの間には、間隙が設けられ、該ハウジングに対する該エンドカバーの取付角度を変えることで、少なくとも第1の流路と第2の流路との何れかを選択可能に設けられており、該第1の流路は、該第1のポートから該間隙を経て該第2のポートから該作動流体が排出される流路であり、該第2の流路は、該第1のポート又は該第2のポートから該間隙を経て該第3のポートから該作動流体が排出される流路であることを特徴とするベーンモータである。
【0009】
尚、本発明は、エンドカバーを更に備えるものとし、前記溝部を、少なくとも2つ設け、前記溝部の少なくとも1つを、前記排出孔と前記収容部とを連通可能に設けられていると共に前記作動流体が流通可能に設け、前記サイドプレートを、少なくとも2つ設け、前記カムリングの外面に少なくとも2つの切欠部を設け、前記収容部を、第2の側端を有し、該第2の側端を、該サイドプレートよって、覆われるものとし、該切欠部の一方が、該供給孔と該収容部とを連通する該溝部を構成し、該切欠部の他方が、該排出孔と該収容部とを連通する該溝部を構成するものとし、該供給孔と該収容部とを連通する該溝部を、一方の側壁が、該切欠部の一方によって、他方の側壁が、前記ハウジング又は該サイドプレートの一方によって形成されるものとし、該排出孔と該収容部とを連通する該溝部を、一方の側壁が、該切欠部の他方によって、他方の側壁が、該エンドカバー又は該サイドプレートの他方によって形成されるものとすることが可能である。
【0010】
更に、本発明は、前記主軸は、中空部を有するものとし、前記流路を、少なくとも前記間隙から前記ベアリング室及び該中空部を経て前記排出孔に至るものとすることが可能である。又、本発明は、前記主軸の基端側に設けられると共に転動体が納められたベアリング室が設けられた第2の軸受を更に備えるものとし、該第2の軸受のベアリング室を、入口部と出口部を有するものとし、前記サイドプレートを、少なくとも2つ設け、前記収容部を、基端側に位置する第2の側端を有するものとし、該第2の側端の少なくともその一部を、該サイドプレートによって覆い、前記ロータと該第2の側端を覆うサイドプレートとの間に、第2の間隙が設け、該第2の間隙から該第2の軸受の該ベアリング室を経て前記排出孔へと至る前記作動流体の流路が設けることが可能である
【0011】
そして、本発明は、エンドカバーを更に備えるものとし、前記サイドプレートが、第1のサイドプレートであり、前記収容部を、前記主軸の基端側に位置する第2の側端を有するものとし、該第2の側端が、該第2のサイドプレートによって覆われ前記溝部が、前記他方の側が、前記ハウジング又は前記第1の側端を覆う前記サイドプレートによって形成される代わりに該ハウジング及び/又は該エンドカバー及び/又は該第2の側端を覆う該サイドプレートによって形成されているものとすることが可能である。又、本発明は、前記主軸の軸受を更に備えるものとし、該軸受に、該主軸の先端側に設けられると共に転動体が納められたベアリング室が設け、該ベアリング室を、入口部と出口部を有するものとし、前記第1の流路及び前記第2の流路が、該ベアリング室を経る様にすることが可能である。又、本発明は、切替手段を更に備えるもとし、該切替手段によって、前記第1のポートを、前記作動流体を前記ロータに供給する供給孔とし、前記第2のポートを、該作動流体を排出する排出孔とするか、又は、該第1のポートを、該排出孔とし、該第2のポートを、該供給孔とするか、を切替可能に設けることが可能である。
【0012】
尚、本発明において、「第1の」、「第2の」、「第3の」という表現を使用しているが、同表現は、各構成を区別するのに使用しているに過ぎず、その順番や数値等には特に意味はないものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、溝部の一方の側壁をカムリングの外面に設けられた切欠部によって形成し、他方の側壁をハウジング及び/又はサイドプレート、若しくは、ハウジング及び/又はエンドカバー及び/又はサイドプレートによって形成されるものとしたため、溝部の幅及び高さを従来のベーンモータよりも広くとることが可能となるため作動流体の圧力損失をより低減することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態を示す図であり、図3に示したI-I線における断面図に相当する図である。
図2図1の要部拡大図である。
図3】本発明の第1実施形態を示す図であり、図1のIII-III断面図に相当する図である。
図4】本発明の実施形態におけるカムリングを示す図であり、(a)が正面図であり、(b)が側面図である。
図5】本発明の実施形態におけるロータを示す図であり、(a)が正面図であり、(b)がb-b断面図である。
図6】本発明の実施形態における変形例を示す図であり、図2に相当する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態を図1乃至図5に基づき説明する。ベーンモータ1は、ハウジング2、エンドカバー3並びにハウジング2及びエンドカバー3内に収容されたモータ本体4を、備えている。ハウジング2には、第1のポート5及び第2のポート6が形成されている。第1のポート5及び第2のポート6は、後述するモータ本体4のロータ13を回動させるための作動流体(以下、単に流体ともいう)を供給し、そして、該流体を排出するために設けられている。尚、本実施形態においては、該流体は、水である。
【0016】
本実施形態においては、ベーンモータ1は、後述するモータ本体4の主軸7を正回転させるか、又は、逆回転させるかを選択可能に設けられており、主軸7を正回転させる場合には、第1のポート5は、前記流体の供給源、例えば、公設水道等(図示せず)に接続され、ロータ13に流体を供給する供給孔(高圧ポートともいわれる)として働き、第2のポート6は、該流体が排出される排出孔(低圧ポートともいわれる)として働く様になっている。又、主軸7を逆回転させる場合においては、逆に、第2のポート6が、該供給源が接続され、該供給孔として働き、第1のポート5が該排出孔として働く様になっている。
【0017】
モータ本体4は、主軸7、軸受8,9、カムリング10、サイドプレート11,12、ロータ13を有している。ロータ13は、中心部に主軸7を挿通可能に設けられた軸穴14が形成された略円筒形状をなしており、周方向に間欠的に設けられた複数のベーンスロット15が形成されていると共に収容孔部13aが設けられている。
【0018】
ベーンスロット15には、図4中に一点鎖線で示している様に流体を受けてロータ13を回動させるためのベーン16が、収容孔部13aに収容された、例えば、コイルバネや板バネ等の発条16aに代表される弾性部材で付勢されることでロータ13より出没自在に挿入されている。本実施形態において、ロータ13は、サイドプレート11,12との間に、間隙17,18が形成される様に収容されている。
【0019】
カムリング10は、その内方にロータ13を収容可能に形成された収容部19が設けられており、その外面に切欠部20,21が形成されている。収容部19は、ロータ13より僅かに大きく形成された、略楕円形状をなしている。
【0020】
収容部19は、主軸7の先端7a側に位置する側端19a(以下、第1の側端19aという)及び主軸7の基端7b側に位置する側端19b(以下、第2の側端19bという)を有している。該側端19a,19bの内、該供給孔側に位置する側端の少なくとも一部が、サイドプレートによって覆われている。
【0021】
又、収容部19は、ロータ13によって区画された収容部19の上方の空間19cは、後述する溝部22及び連通孔24を介して前記供給孔と連通されており、高圧室を形成している(以下、空間19cを高圧室19cという)。本実施形態においては、収容部19は、後述する様に、第1のポート5と第2のポート6との両方が該供給孔として働く様になっているため、第1の側端19aの少なくとも一部がサイドプレート11によって覆われていると共に第2の側端19bの少なくとも一部がサイドプレート12に覆われている。
【0022】
サイドプレート11,12は、少なくとも1つ設けられ、その少なくとも1つが該供給側に設けられると共に収容部19の前記供給孔側に位置する側端の少なくとも一部を覆うように設けられる。本実施形態においては、少なくとも2つのサイドプレート11,12が、収容部19の第1の側端19aと第2の側端19bの各々の少なくとも一部を覆う様に設けられている。
【0023】
サイドプレート11(以下、第1のサイドプレート11ともいう)は、カムリング10の主軸7の先端7a側の側面10a(以下、第1の側面10aともいう)と当接して設けられていると共に第1の側端19aの少なくとも一部を覆う様に設けられている。サイドプレート12(以下、第2のサイドプレート12ともいう)は、カムリング10の主軸7の基端7b側の側面10b(以下、第2の側面10bともいう)と当接に設けられていると共に第2の側端19bの少なくとも一部を覆う様に設けられている。本実施形態において、サイドプレート11,12は、略円環状に形成されている。
【0024】
間隙17,18は、少なくともロータ13が、サイドプレート11,12と接触し、その回動に支障が生じるのを防止可能な幅で設けられると共に本実施形態においては、後述するベアリング28の冷却に十分な前記流体を放出可能な幅に設けられている。
【0025】
切欠部20(以下、第1の切欠部20ともいう)は、カムリング10の先端7a側に形成されている。第1の切欠部20は、第1のサイドプレート11と共に溝部22(以下、第1の溝部22ともいう)を構成している。
【0026】
第1の溝部22は、第1のポート5と連通可能に設けられており、一方の側壁22aが、切欠部20の側面によって、他方の側壁22bが、第1のサイドプレート11の側面によって形成されている。即ち、本実施形態において、第1のポート5と収容部19とは、第1の溝部22を介して連通していることになる。
【0027】
切欠部21(以下、第2の切欠部21ともいう)は、基端7b側に形成されている。第2の切欠部21は、第2のサイドプレート12と共に溝部23(以下、第2の溝部23ともいう)を構成している。
【0028】
第2の溝部23は、第2のポート6と連通可能に設けられており、一方の側壁23aが、切欠部21の側面によって、他方の側壁23bが、第2のサイドプレート12の側面によって形成されている。即ち、本実施形態において、第2のポート6と収容部19は、第2の溝部23を介して連通していることになる。
【0029】
本実施形態においては、溝部22,23をこの様に形成することで、溝部22,23の大きさ、つまり、その幅及び高さ、を可能な限り大きく確保することが可能となっており、第1ポート5又は第2のポート6から前記流体をロータ13へと供給する際に、該流体の圧力損失を低減することが可能となっていることとなる。
【0030】
又、溝部22,23には、前記流体の流向に沿って先細になる形状の連通孔24が形成されており、連通孔24は、収容部19と連通している。本実施形態においては、連通孔24は、先細となる形状、例えば、略三日月状に形成されており、連通孔24を略三日月状に形成することで、溝部22,23から収容部19に該流体が流れる際の乱流の発生を低減することができ、その点においても該流体の圧力損失を低減することが可能となっている。又、連通孔24を、略三日月状に形成することで、急激な圧力の急上昇または急降下を押さえ、ベーンモータ1内部でのキャビテーション現象とベーンモータ1から発せられる騒音や振動を低減することが可能となっている。
【0031】
尚、本実施形態においては、主軸7を正逆回転できる様に、第1のポート5及び第2のポート6共に供給孔として使用可能となっているため、少なくとも2つの溝部22,23を設け、溝部22,23の両方ともを、切欠部20,21とサイドプレート11,12で構成したが、溝部22,23は、前記供給孔と収容部19とを連通する様に少なくとも1つ設けられていればよく、少なくとも供給孔側に位置する溝部22,23を切欠部20,21とサイドプレート11,12で構成すれば、流体の圧力損失を防止することが可能となる。
【0032】
主軸7は、中空部25を有しており、中空部25の先端7a側は四方に設けられた孔部26によって、主軸7外方と連通しており、基端7b側は後述する第3のポート29と連通する様に設けられている。軸受8,9は、内方にベアリング室27が形成されており、ベアリング室27内に転動体が納められている。又、ベアリング室27は、入口部27a及び出口部27bが形成されており、軸受8,9外部と連通している。
【0033】
エンドカバー3には、第3のポート29が形成されており、本実施形態においては、ハウジング2に対して取付角度を変えて固定可能に設けられており、取付角度を変えることで、後述する2つの流路31,32を切り換え可能になっている。具体的に述べれば、側路30が連通する角度でエンドカバー3を取付けると共に第3のポート29を閉塞することで、前記流体を第2のポート6側へと流通させ、逆に、側路30が連通しない既定の角度でエンドカバー3を取付けることで、該流体を第3のポート29へと流通することができる様になっている。尚、本実施形態においては、約60°エンドカバー3を回転させてハウジング2に取付けることで側路30が連通しない様にすることができる様になっている。
【0034】
この様にすることで、本実施形態においては、後述の通り、主軸7を正回転させる際には、間隙17,18から排出された前記流体は、流路31,33を経て、ロータ13の回動で使用された前記流体の排出孔である第2のポート6より排出させることが可能となっており、主に使用される正回転において、排出孔を共通化することが可能となっていることで簡便なものになっている一方、主軸7を逆回転させる際には、エンドカバー3の取付角度を変えることで、側路30が連通していない様になっているため、供給孔である第2のポート6より、該流体が、側路30を介して、流路32,34を逆流することを防止できる様になっている。尚、本実施形態においては、主軸7を正回転させる際に、間隙17,18から排出された前記流体を流路32,流路34を経て第3のポート29より排出させることも可能となっている。
【0035】
ベーンモータ1は、供給孔(本実施形態においては、第1のポート5又は第2のポート6の一方)からロータ13の回動に十分な圧力の前記流体を収容室15内に供給して、該流体をロータ13のベーン16に当てることによって、ロータ13を回動させ、その後、排出孔(本実施形態においては、第1のポート5又は第2のポート6の他方)から該流体を排出することで、主軸7を回動させ、モータとしての機能を果たす様になっている。
【0036】
一方、ベアリング室27内の転動体は、主軸7の回動に伴って、摩擦熱等に起因する熱が発生するためそれを冷却する必要がある。本実施形態においては、ベアリング28の冷却は、ベアリング室27内に前記流体を流通させることで行っており、この様にすることで、本実施形態においては、グリース等を用いることなく、ベアリング28を冷却できる様になっている。そのため、サイドプレート11,12は、その少なくとも1つが、先端7a側に設けられると共に第1の側端19aの少なくとも一部を覆う様に設けられている。
【0037】
具体的に述べれば、ベアリング28の冷却は、第1のポート5を供給孔とし、第2のポート6を排出孔とする場合、つまり、主軸7を正回転させる場合は、流路31(以下、第1の流路31ともいう)又は流路32(以下、第2の流路32という)を形成することで、ベアリング28の冷却が行われ、第2のポート6を供給孔とし、第1のポート5を排出孔とする場合、つまり、主軸7を逆回転させる場合は、第2の流路32を形成することで行われる。
【0038】
第1の流路31は、前記供給孔として選択された第1のポート5から間隙17を経て前記排出孔として選択された第2のポート6に至る前記流体の流路であり、間隙17から、ハウジング2内に放出された前記流体は、入口部27aよりベアリング室27に入って、出口部27bより再度ハウジング2内へと放出され、中空部27、第3のポート29及び側路30を経由して、排出孔である第2のポート6へと流れ、ベーンモータ1外へと排出されることとなる。尚、この場合、前記供給孔側に位置するサイドプレートと先端7a側に位置するサイドプレートは、同一のサイドプレート11ということになる。
【0039】
第2の流路32は、前記供給孔として選択された第1のポート5又は第2のポート6の何れかから間隙17を経て第3のポート29に至る前記流体の流路であり、間隙17から、ハウジング2内に放出された前記流体は、入口部27aよりベアリング室27に入って、出口部27bより再度ハウジング2内へと放出され、中空部27を経て第3のポート29へと流れ、ベーンモータ1外へと排出されることとなる。この場合、第3のポート29は、第2の排出孔(低圧ポート)として機能することとなる。
【0040】
尚、第2の流路32を形成した際、側路30は、第2のポート6と第3のポート29とを連通しない様になっていることが重要となる。仮に、第2のポート6と第3のポート29とが側路30よって連通しているとすると、第2のポート6を前記供給孔として選択した場合、流体が、第2のポート6より第1の流路31を逆流することとなり、ハウジング2やエンドカバー3内を流体がオーバーフローすることとなってしまうが、本実施形態においては、第2のポート6と第3のポート29は連通していないため、第1の流路32を流体は逆流することを防止されている。
【0041】
又、本実施形態においては、収容室15に供給された前記流体の一部は、間隙18からエンドカバー3内に放出され、その後、軸受9の入口部27aからベアリング室27を経て出口部27bから再度エンドカバー3内に放出され、上記と同様に第2のポート6又は第3のポート29の何れかより、再度エンドカバー3内に放出された前記流体が排出される第3の流路33又は第4の流路34が形成されており、軸受9も軸受8と同様に該流体によってベアリング28が冷却される様になっている。つまり、本実施形態においては、エンドカバー3のハウジング2に対する取付角度を変えることで、第1の流路31及び第」2の流路32を切り換えると同時に第3の流路33及び第4の流路34とを切り換え可能になっていることとなる。
【0042】
本発明を上記実施形態に基づき説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更可能である。
【0043】
例えば、(1)上記実施形態においては、エンドカバー3をハウジング2に対して取付角度を変えて固定可能に設け、主軸7を正逆に回転できるものとしたが、主軸7を逆回転させる必要がなければ、主軸7が正回転のみに回る様にすることも可能である。この場合、第1ポート5と第2ポート6のどちらを前記供給孔(高圧ポート)として、どちらを前記排出孔(低圧ポート)として使用するかは必要とする主軸7の回動方向に合わせて適宜選択可能である。
【0044】
この場合において、(i)溝部22,23は、前記供給孔(高圧ポート)と収容部19とを連通する様に少なくとも1つ設けられていればよく、更に、第1のポート5を供給孔(高圧ポート)として選択した場合においては、サイドプレート11,12,は、側端19aの少なくとも一部を覆うように、先端7a側に少なくも1つ設けられていればよい。(ii)エンドカバー3をハウジング2に対して取付角度を変えて固定可能としなくてもよい。(iii)第1のポート5を供給孔(高圧ポート)として選択した場合においては、常時、側路30を連通させるものとすることが可能である。(iv)第3のポート29をエンドカバー3に設けない様にすることも可能である。(v)前記排出孔と収容部19とを連通する溝部22,23を設けずに、その代わりに、カムリング10の表面に溝を形成し、該溝を介して前記排出孔と収容部19とを連通する様にしてもよい。
【0045】
(2)主軸7の回動方向を任意に切り替えることができる様に、前記流体の供給源が接続されるポート5,6を任意に切り替えることができる切替バルブ等(図示せず)を設けることも可能である。この場合において、少なくとも常時は、第2の流路32が形成される様になっていることが望ましい。この様にすることでより迅速に該流体の供給源が接続されるポート5,6を切り替えることが可能となる。尚、ヒューマンエラー等によって、該流体が、第2のポート6より第1の流路31を逆流すること防止するために、側路30を設けないようにし、第1の流路31を形成しない様にしてもよい。
【0046】
(3)上記実施形態において、主軸7に中空部25を設け、そこを流路31,32として活用したが、主軸7に中空部25を設けずに、ハウジング2に別途流路を形成してもよい。
【0047】
(4)第1の流路31及び第2の流路32は、必要に応じて適宜設けることができるものである。又、第1の流路31及び第2の流路32は、共にベアリング室27に入口部27a及び出口部27bを設けて、ベアリング室27を経る流路として構成したが、ベアリング室27を経ない流路として構成することも可能である。そして、第1の流路31及び第2の流路32から、ベアリング室27へと分岐する側路を設けることも可能であり、前記排出孔と別の排出孔に排出される様にしてもよい。
【0048】
(5)上記実施形態においては、溝部22,23の他方の側壁22b、23bをサイドプレート11,12により形成したが、側壁22bをハウジング2によって、側壁23bをハウジング2又はエンドカバー3によって、形成することも可能である。この際、サイドプレート11,12の頂面を切欠部20,21の底面と略水平になる様に形成し、溝部22,23の幅をより広く設けることも可能である(図6を参照)。
【0049】
(6)上記実施形態においては、ハウジング2を一体物として設けたが、複数の部材によって構成する様にしてもよい。この場合において、例えば、ハウジング2を第1のポート5と第2のポート6を有する本体部と、該本体部の先端7a側に設けられたトップカバーとで構成することも可能である。又、溝部22の側壁22bを、該トップカバーの側面によって形成することも可能である。
【0050】
(7)上記実施形態において、主軸7の軸受8,9としてベアリング28を採用したが、滑り軸受等の他の軸受も適宜採用可能である。又、軸受8,9に異なる種類の軸受けを採用することも可能である。
【符号の説明】
【0051】
1 ベーンモータ 2 ハウジング 3 エンドカバー
4 モータ本体 5 第1のポート 6 第2のポート
7 主軸 7a 先端 7b 基端
8 軸受 9 軸受 10 カムリング
10a 側面 10b 側面 11 サイドプレート
12 サイドプレート 13 ロータ 13a 収容孔部
14 軸穴 15 ベーンスロット 16 ベーン
16a 発条 17 間隙 18 間隙
19 収容部 19a 側端 19b 側端
19c 高圧室(空間) 20 切欠部 21 切欠部
22 溝部 22a 側壁 22b 側壁
23 溝部 23a 側壁 23b 側壁
24 連通孔 25 中空部 26 孔部
27 ベアリング室 27a 入口部 27b 出口部
28 ベアリング 29 第3のポート 30 側路
31 流路 32 流路 33 流路
34 流路
図1
図2
図3
図4
図5
図6