(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-21
(45)【発行日】2024-01-04
(54)【発明の名称】光学読取帳票および光学読取帳票の情報管理方法
(51)【国際特許分類】
B42D 25/29 20140101AFI20231222BHJP
B42D 25/305 20140101ALI20231222BHJP
B42D 25/382 20140101ALI20231222BHJP
B42D 15/00 20060101ALI20231222BHJP
G06K 19/06 20060101ALI20231222BHJP
G06K 7/12 20060101ALI20231222BHJP
G06K 7/14 20060101ALI20231222BHJP
G07D 7/12 20160101ALI20231222BHJP
【FI】
B42D25/29
B42D25/305
B42D25/382
B42D15/00 341B
G06K19/06 037
G06K19/06 140
G06K7/12
G06K7/14 017
G07D7/12
(21)【出願番号】P 2020037892
(22)【出願日】2020-03-05
【審査請求日】2023-02-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000186566
【氏名又は名称】小林クリエイト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135460
【氏名又は名称】岩田 康利
(74)【代理人】
【識別番号】100084043
【氏名又は名称】松浦 喜多男
(74)【代理人】
【識別番号】100142240
【氏名又は名称】山本 優
(72)【発明者】
【氏名】垣ヶ原 円美
(72)【発明者】
【氏名】杉本 正光
(72)【発明者】
【氏名】小川 純生
【審査官】稲荷 宗良
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06386457(US,B1)
【文献】特開2017-001246(JP,A)
【文献】特開平11-059043(JP,A)
【文献】特開平11-227367(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42D 25/27
B42D 25/305
B42D 25/382
B42D 15/00
G06K 19/06
G06K 7/12
G06K 7/14
G07D 7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤外領域の光で光学的に読取可能かつ可視領域の光で光学的に読取不能に設けられ、第一の必要情報が記憶された透明または淡色の第一情報光学コードと、
赤外領域の光で光学的に読取不能かつ可視領域の光で光学的に読取可能に設けられ、前記第一の必要情報と異なる第二の必要情報が記憶された第二情報光学コードと
が、シート状基材の表面上で、上下に重ねられてなる必要情報記憶部と、
前記シート状基材の表面の、前記必要情報記憶部と異なる部位に、前記第一の必要情報及び/又は第二の必要情報を有効とするための許可情報が記憶された許可用光学コードが、光学的に読取可能に設けられてなる許可情報記憶部と
を備え、
さらに、前記許可用光学コードの全域または一部を覆うように設けられ、赤外領域の光を透過しない有色のスクラッチ層を備えてなるものであることを特徴とする光学読取帳票。
【請求項2】
許可用光学コードは、赤外領域の光で光学的に読取可能かつ可視領域の光で光学的に読取不能な透明または淡色であることを特徴とする請求項1に記載の光学読取帳票。
【請求項3】
第二情報光学コードに記憶された第二の必要情報は、許可用光学コードの許可情報に関わらず有効とされる、所定のデータ記憶装置にアクセス可能な照会情報を含むものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光学読取帳票。
【請求項4】
許可用光学コードは、所定数のコードワードにより構成され、誤り訂正機能を有するものであり、
スクラッチ層は、前記許可用光学コードの、予め設定された誤り訂正レベルを示す許容数よりも多数のコードワード上に、夫々の該コードワード全体または一部分と重なるように形成されたものであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の光学読取帳票。
【請求項5】
赤外領域の光で光学的に読取可能かつ可視領域の光で光学的に読取不能に設けられ、第一の必要情報が記憶された透明または淡色の第一情報光学コードと、
赤外領域の光で光学的に読取不能かつ可視領域の光で光学的に読取可能に設けられ、前記第一の必要情報と異なる第二の必要情報が記憶された第二情報光学コードと
が、シート状基材の表面上で、上下に重ねられてなる必要情報記憶部と、
前記シート状基材の表面の、前記必要情報記憶部と異なる部位に、前記第一の必要情報及び/又は第二の必要情報を有効とするための許可情報が記憶された許可用光学コードが、光学的に読取可能に設けられてなる許可情報記憶部と
を備え、
さらに、前記第一情報光学コードと第二情報光学コードとの少なくとも一方の全域または一部を覆うように設けられ、赤外領域の光を透過しない有色のスクラッチ層を備えてなるものであることを特徴とする光学読取帳票。
【請求項6】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の光学読取帳票の情報管理方法であって、
許可情報記憶部に設けられたスクラッチ層が削り取られた後に、所定の光学読取手段により許可用光学コードを読み取る許可情報読取ステップと、
前記許可情報読取ステップで読み取った許可用光学コードに記憶された許可情報を、予め設定された許可基準に基づいて正否判定し、正判定した場合に第一の必要情報及び/又は第二の必要情報を有効とする許可判定ステップと、
赤外領域の光を用いた赤外光読取手段により、第一情報光学コードを読み取る第一情報読取ステップと、
可視領域の光を用いた可視光読取手段により、第二情報光学コードを読み取る第二情報読取ステップと、
前記許可判定ステップにより有効とした場合に、前記第一情報読取ステップで読み取った第一の必要情報及び/又は前記第二情報読取ステップで読み取った第二の必要情報を、予め設定された正否判定基準に基づいて正しい情報か否か判定して、正判定した場合に取得する必要情報取得ステップと、
を備えていることを特徴とする光学読取帳票の情報管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、未使用か否かを容易に判別できると共に偽造を防止し得る光学読取帳票および該光学読取帳票の情報管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
物品の購入に利用されるプリペイドカードは、一般的に、複数の文字からなる文字コードや光学的に読取可能な光学コード(バーコードや二次元コード等)が印刷され、該コードを覆い隠すようにスクラッチ層が設けられている。かかるプリペイドカードは、スクラッチ層を削ることによって、該スクラッチ層で隠蔽された前記文字コードや光学コードを露出させた後に、該文字コードや光学コードが入力されることによって、所望の物品の購入に利用される。
【0003】
また、こうしたプリペイドカードの構成として、例えば特許文献1の構成が提案されている。この構成は、前記文字コードと光学コードとが別々の領域に印刷され、且つ該文字コードを覆い隠すようにスクラッチ層が設けられたものであり、光学コードを読み取って入力するか、該スクラッチ層を削り取って文字コードを入力するかのいずれかによって、所望の物品を購入できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前述した従来構成のプリペイカードにあっては、スクラッチ層によって文字コードや光学コードが隠蔽されているものの、該スクラッチ層を削り取ることで露出した該文字コードや光学コードを視認でき、コピー機により該文字コードや光学コードを複写することができる。そして、複写したもの(複写物)にスクラッチ層(銀膜など)を設けることによって、複製することが可能である。このようにスクラッチ層を備えた従来構成は、比較的容易に偽造できるという問題があった。
【0006】
本発明は、前述した問題を解決し得るものであって、プリペイドカードに適用可能な光学読取帳票、および該光学読取帳票の情報管理方法を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第一発明は、赤外領域の光で光学的に読取可能かつ可視領域の光で光学的に読取不能に設けられ、第一の必要情報が記憶された透明または淡色の第一情報光学コードと、赤外領域の光で光学的に読取不能かつ可視領域の光で光学的に読取可能に設けられ、前記第一の必要情報と異なる第二の必要情報が記憶された第二情報光学コードとが、シート状基材の表面上で、上下に重ねられてなる必要情報記憶部と、前記シート状基材の表面の、前記必要情報記憶部と異なる部位に、前記第一の必要情報及び/又は第二の必要情報を有効とするための許可情報が記憶された許可用光学コードが、光学的に読取可能に設けられてなる許可情報記憶部とを備え、さらに、前記許可用光学コードの全域または一部を覆うように設けられ、赤外領域の光を透過しない有色のスクラッチ層を備えてなるものであることを特徴とする光学読取帳票である。
ここで、スクラッチ層は、コイン等を用いて削り取ることができるものである。そして、スクラッチ層の「赤外領域の光を透過しない」は、赤外領域の光を吸収すること、又は該赤外領域の光を反射することを示す。また、許可用光学コードの許可情報が第一の必要情報と第二の必要情報との一方を有効とするものである構成にあっては、他方が該許可情報に関わらず有効とされる構成が好適である。
【0008】
かかる構成にあっては、視認可能な第二情報光学コードと重なる第一情報光学コードが透明または淡色であることから、該第一情報光学コードを隠蔽する効果が極めて高い。すなわち、必要情報記憶部では、第二情報光学コードを目視できることにより、目視できない第一情報光学コードの存在に気付き難く、該第一情報光学コードを隠蔽する効果が高くなる。
【0009】
そして、本構成は、コピー機により複写された場合に、第二情報光学コードを複写できるものの、第一情報光学コードを複写できない。そのため、仮に、コピー機により複写されたとしても、第一の必要情報を光学的に読み取ることができない。詳述すると、例えば、本構成の光学読取帳票のスクラッチ層を削り取ってコピー機により複写された後に、この複写物にスクラッチ層を設けることにより偽造されたとする。この偽造カードでは、仮にスクラッチ層を削って許可情報を得られたとしても、第一の必要情報を光学的に読み取ることができないために使用不能となる。
尚、偽造する者が、もし仮に第一情報光学コードの存在を知っているとしても、該第一情報光学コードを正確に認識し難いこと、および赤外領域の光で読取可能かつ可視領域の光で読取不能な透明または淡色の赤外光吸収塗料が一般的に入手困難な特殊な塗料であることから、該第一情報光学コードを複製することが極めて難しい。
【0010】
したがって、本構成の構成にあっては、容易に偽造することができないことから、カード偽造を抑制することができ、高い信頼性を有するものである。
【0011】
前述した第一発明の光学読取帳票にあって、許可用光学コードは、赤外領域の光で光学的に読取可能かつ可視領域の光で光学的に読取不能な透明または淡色である構成が提案される。
【0012】
かかる構成にあっては、許可用光学コードが透明または淡色の赤外光吸収塗料により形成されていることから、スクラッチ層を削っても該許可用光学コードを視認不能または視認困難であると共に、該許可用光学コードをコピー機により複写できない。これにより、本構成のスクラッチ層を削ってコピーされた複写物に新たなスクラッチ層が設けて偽造されたとしても、この偽造カードでは、該スクラッチ層を削っても許可情報を読み取ることができないから、必要情報記憶部から読み取った必要情報を使用できない。さらに、前述したように、コピー機により複写された偽造カードでは、第一の必要情報を読み取りできない。
ここで、本構成の許可用光学コードは、前記第一情報光学コードと同様に、可視領域の光で読取不能であることから、該許可用光学コードの存在を知っていたとしても、精度良く複製することが極めて難しい。これによっても、前記したカード偽造を抑制するという作用効果が向上する。
【0013】
このように、本構成によれば、許可用光学コードと第一情報光学コードとを正確に複写することが極めて困難であることから、偽造を防止する効果が一層向上する。そして、仮にコピー機により偽造されたとしても、許可用光学コードの許可情報を使用できないため、第一情報光学コード及び/又は第二情報光学コードの各必要情報を使用できず、偽造カードが利用されることを防止できる。こうしたことから、本発明の構成は、極めて高い信頼性を有し、該信頼性を要求される用途(例えば、プリペイドカード等)に好適に用いることができる。
【0014】
尚、本構成にあって、スクラッチ層が許可用光学コードの一部を覆うように形成された構成では、該スクラッチ層が削られていない状態(以下、非削除状態という)で、該許可用光学コードが露出している。そのため、赤外領域の光を用いて撮像する機器を用いることにより、許可用光学コードの有無を確認することができる。すなわち、スクラッチ層の非削除状態で、前記機器を用いて許可用光学コードの有無を確認することにより、比較的容易に真贋判定することができる。これにより、コピー機による偽造カードが金券ショップ等で転売されてしまうことを防止できる。
【0015】
前述した第一発明の光学読取帳票にあって、第二情報光学コードに記憶された第二の必要情報は、許可用光学コードの許可情報に関わらず有効とされる、所定のデータ記憶装置にアクセス可能な照会情報を含むものである構成が提案される。
ここで、第二の必要情報は、照会情報のみからなるものであっても良いし、照会情報以外の情報を有するものであっても良い。また、データ記憶装置は、インターネット等のネットワークを介してアクセスされるものであっても良いし、該ネットワークに非接続のものであっても良い。
【0016】
かかる構成にあっては、スクラッチ層の非削除状態で、第二情報光学コードから読み取った照会情報(第二の必要情報)により、データ記憶装置へアクセスすることができる。これにより、スクラッチ層の非削除状態であっても、第二情報光学コードから前記照会情報を読み取ることにより、前記データ記憶装置に記憶された所定データを読み出して報知することが可能である。例えば、物品の購入に用いられるプリペイドカードに適用された本構成にあって、前記照会情報により該データ記憶装置に記憶された残高情報を読み出し可能とすることにより、スクラッチ層に有無(許可情報)に関わらず、容易に残高情報を確認することできる。このようにデータ記憶装置にアクセスして所定データを容易に読み出し可能なことから、該データによって本構成の有する価値を容易に確認できる。
【0017】
前述した第一発明の光学読取帳票にあって、許可用光学コードは、所定数のコードワードにより構成され、誤り訂正機能を有するものであり、スクラッチ層は、前記許可用光学コードの、予め設定された誤り訂正レベルを示す許容数よりも多数のコードワード上に、夫々の該コードワード全体または一部分と重なるように形成されたものである構成が提案される。
【0018】
ここで、許可用光学コードとしては、二次元コードが好適であり、誤り訂正機能としては、該許可用光学コードの使用態様に応じた誤り訂正レベルのものを適宜用いることができる。例えば、二次元コードのQRコード(登録商標)により許可用光学コードが構成された場合には、予め定められた四個の誤り訂正レベル(L,M,Q,H)のいずれかが適用され得る。
【0019】
かかる構成にあっては、スクラッチ層により誤り訂正レベルの許容数よりも多数のコードワードが覆われていることから、スクラッチ層の非削除状態で許可用光学コードを読み取ることができず、該許可用光学コードの許可情報を取得不能である。そのため、スクラッチ層を削らなければ、許可用光学コードから許可情報を取得できず、第一必要情報及び/又は第二の必要情報を用いることできない。したがって、本構成によれば、許可用光学コードおよび第一,第二情報光学コードのセキュリティ性を高めることができる。
【0020】
尚、本構成にあって、許可用光学コードを覆うスクラッチ層は、誤り訂正レベルの許容数より多くのコードワードを覆っていれば良いことから、該許容数と同じ又は僅かに多くのコードワードを覆う構成とすることが好適である。具体的には、前記許容数の1~1.5倍のコードワードを覆うようにスクラッチ層を形成する構成が好適である。これにより、スクラッチ層のサイズ(面積)を可及的に小さくすることができるため、正規の利用者がスクラッチ層を削る際に、この削る作業にかかる負担を軽減できる。
【0021】
本発明の第二発明は、赤外領域の光で光学的に読取可能かつ可視領域の光で光学的に読取不能に設けられ、第一の必要情報が記憶された透明または淡色の第一情報光学コードと、赤外領域の光で光学的に読取不能かつ可視領域の光で光学的に読取可能に設けられ、前記第一の必要情報と異なる第二の必要情報が記憶された第二情報光学コードとが、シート状基材の表面上で、上下に重ねられてなる必要情報記憶部と、前記シート状基材の表面の、前記必要情報記憶部と異なる部位に、前記第一の必要情報及び/又は第二の必要情報を有効とするための許可情報が記憶された許可用光学コードが、光学的に読取可能に設けられてなる許可情報記憶部とを備え、さらに、前記第一情報光学コードと第二情報光学コードとの少なくとも一方の全域または一部を覆うように設けられ、赤外領域の光を透過しない有色のスクラッチ層を備えてなるものであることを特徴とする光学読取帳票である。
ここで、スクラッチ層は、前記第一発明と同様のものであり、「赤外領域の光を透過しない」も、前記第一発明と同様である。また、前記第一発明と同様に、許可情報が第一の必要情報又は第二の必要情報を有効とするものである構成にあっては、他方が該許可情報に関わらず有効とされる構成が好適である。
【0022】
かかる構成にあっては、スクラッチ層を削ると、第二情報光学コードを視認できるものの、第一情報光学コードを視認不能または視認困難であることから、該スクラッチ層下に二種類の光学コードが存在することを隠蔽する効果が極めて高い。すなわち、スクラッチ層を削り取ることで第二情報光学コードを目視できることにより、目視できない第一情報光学コードの存在に気付き難く、該第一情報光学コードを隠蔽する効果が高くなる。さらに、スクラッチ層を削った状態でコピー機により複写された場合には、第二情報光学コードを複写できるものの、第一情報光学コードを複写できない。そのため、仮に、コピー機による複写で偽造されても、この偽造カードでは、第一の必要情報を読み取りできないために使用不能である。ここで、もし仮に、偽造する者が第一情報光学コードの存在を知ったとしても、該第一情報光学コードを正確に認識し難いこと及び前記赤外光吸収塗料を入手困難であることから、精度良く複製することが極めて難しい。
【0023】
このように第二発明の構成にあっても、前記した第一発明と同様に、容易に偽造することができないため、カード偽造を抑制することができ、高い信頼性を有する。
【0024】
尚、第二発明の構成にあって、
「許可用光学コードは、赤外領域の光で光学的に読取可能かつ可視領域の光で光学的に読取不能な透明または淡色である」構成が好適である。
かかる構成にあっては、許可用光学コードが視認不能または視認困難であることから、その存在に気付かれ難いと共に、コピー機により複写できない。そのため、コピー機により偽造された偽造カードでは、許可用光学コードを読み取ることができない。これにより、偽造を防止する効果が高く、極めて高い信頼性を有する。さらに、本構成にあっては、赤外領域の光を用いて撮像する機器を用いて許可用光学コードの有無を確認することによって、真贋判定できる。これにより、コピー機により偽造されたカードが金券ショップ等で転売されてしまうことを抑制できる。
【0025】
また、第二発明の構成にあって、
「許可用光学コードは、所定数のコードワードにより構成され、誤り訂正機能を有するものであり、
スクラッチ層は、前記第一情報光学コードと第二情報光学コードとの少なくとも一方の、予め設定された誤り訂正レベルを示す許容数よりも多数のコードワード上に、夫々の該コードワード全体または一部分と重なるように形成されたものである」構成が好適である。ここで、許可用光学コードとしては、二次元コードが好適であり、誤り訂正機能としては、該許可用光学コードの使用態様に応じた誤り訂正レベルのものを適宜用いることができる。
かかる構成にあっては、スクラッチ層により、第一情報光学コードと第二情報光学コードとの少なくとも一方を読み取ることができず、第一の必要情報と第二の必要情報との少なくとも一方を取得不能である。これにより、第一,第二情報光学コードのセキュリティ性を高めることができる。
尚、本構成にあって、スクラッチ層が、誤り訂正レベルの許容数の1~1.5倍のコードワードを覆うように形成される構成が好適である。これにより、スクラッチ層の面積を可及的に小さくできるため、該スクラッチ層を削る作業にかかる負担を軽減できる。
【0026】
本発明の第三発明は、前述した第一発明にかかる光学読取帳票の情報管理方法であって、 許可情報記憶部に設けられたスクラッチ層が削り取られた後に、所定の光学読取手段により許可用光学コードを読み取る許可情報読取ステップと、前記許可情報読取ステップで読み取った許可用光学コードに記憶された許可情報を、予め設定された許可基準に基づいて正否判定し、正判定した場合に第一の必要情報及び/又は第二の必要情報を有効とする許可判定ステップと、赤外領域の光を用いた赤外光読取手段により、第一情報光学コードを読み取る第一情報読取ステップと、可視領域の光を用いた可視光読取手段により、第二情報光学コードを読み取る第二情報読取ステップと、前記許可判定ステップにより有効とした場合に、前記第一情報読取ステップで読み取った第一の必要情報及び/又は前記第二情報読取ステップで読み取った第二の必要情報を、予め設定された正否判定基準に基づいて正しい情報か否か判定して、正判定した場合に取得する必要情報取得ステップと、を備えていることを特徴とする光学読取帳票の情報管理方法である。
【0027】
ここで、許可判定ステップと、第一情報読取ステップおよび第二情報読取ステップとは、どちらを先に行っても良い。そして、許可判定ステップを先に行う場合には、許可情報を正判定した場合にのみ、第一,第二情報読取ステップにより第一,第二情報光学コードを読取可能とするようにしても良い。また、許可判定ステップによる第一,第二の必要情報を有効とするとは、前記した第一,第二情報光学コードを読取可能とすること、又は第一,第二情報読取ステップにより読み取った第一,第二の必要情報を、必要情報取得ステップで使用可能とすることのいずれであっても良い。
【0028】
かかる方法によれば、許可用光学コードから読み取る許可情報と第一,第二情報光学コードから読み取る必要情報とを夫々正否判定することにより、高精度で真贋判定できると共に、正しい第一,第二の必要情報を安定して取得することができる。したがって、本発明の方法によれば、前述したように偽造された場合に、比較的容易かつ確実に偽物であると判定できることから、光学読取帳票のセキュリティ性を高め、該光学読取帳票から取得できる情報の信頼性を高めることができる。
【発明の効果】
【0029】
第一発明および第二発明の光学読取帳票によれば、前述したように、コピー機により偽造された場合に、第二の必要情報を読み取りできないことから、該偽造を防止できる。このように、本発明の構成は、容易に偽造できないことから、カード偽造を抑制することができ、高い信頼性を有する。
【0030】
また、第三発明の光学読取帳票の情報管理方法によれば、前述したように、前記光学読取帳票を高精度で真贋判定でき、かつ正しい必要情報を安定して取得できることから、該光学読取帳票のセキュリティ性と信頼性とを高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図2】スクラッチ層12、カモフラージュ層13、および第二情報光学コード16を省略して、許可用光学コード11と第一情報光学コード15とを視認可能に表示した説明図である。
【
図3】許可用光学コード11を視認可能に表示した許可情報記憶部4と、第一情報光学コード15を視認可能に表示した必要情報記憶部5との分解斜視図である。
【
図4】スクラッチ層12と許可用光学コード11との位置関係を示す説明図である。
【
図5】必要情報利用システム51を示す説明図である。
【
図6】必要情報利用システム51による情報利用処理を示すフローチャートである。
【
図7】実施例3の光学読取帳票81の、(A)平面図と、(B)スクラッチ層82、カモフラージュ層13、および第二情報光学コード16を省略して、許可用光学コード11と第一情報光学コード15とを視認可能に表示した説明図である。
【
図8】実施例3の、許可用光学コード11を視認可能に表示した許可情報記憶部84と、第一情報光学コード15を視認可能に表示した必要情報記憶部85との分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明にかかる実施形態を、以下の実施例1~3により説明する。
【実施例1】
【0033】
実施例1の光学読取帳票1は、書店で書籍購入に利用できるプリペイドカードを具体例とするものであり、その平面図を
図1に示す。この光学読取帳票1は、
図1,2に示すように、シート状基材2の表面に、許可用光学コード11およびスクラッチ層12が印刷された許可情報記憶部4と、第一情報光学コード15および第二情報光学コード16が印刷された必要情報記憶部5とが夫々設けられている。さらに、
図3に示すように、シート状基材2の表面全域には、前記許可用光学コード11、第一情報光学コード15、および第二情報光学コード16を覆うコーティング層7が設けられており、該コーティング層7上に前記スクラッチ層12が設けられている。
【0034】
本実施例1にあって、許可用光学コード11、第一情報光学コード15、および第二情報光学コード16は、QRコード(登録商標)により構成されており、専用の読取手段(装置)で読み取られることによって各QRコードに記憶された情報を取得できる。
ここで、許可用光学コード11、第一情報光学コード15、および第二情報光学コード16の各QRコードは、所定数のコードワードにより構成されており、誤り訂正機能を備えたものである。本実施例1のQRコードは、全コードワード数が200個、誤り訂正できるコードワード数の上限(以下、許容数)が50個であり、誤り訂正率が25%(誤り訂正レベルQ)として設定されている。こうしたQRコードのコードワードや誤り訂正機能などは、該QRコードに設定された機能として一般的に知られていることから、その詳細については省略する。
【0035】
シート状基材2は、上質紙や中質紙などの普通紙、合成紙、又はプラスチック製の薄板から構成される不透明なシートであり、本実施例では、白色系の普通紙を用いている。また、コーティング層7は、赤外領域の光(以下、赤外光という)と可視領域の光(以下、可視光という)とを透過する透明な樹脂塗料(OPニス)からなり、該樹脂塗料が前記シート状基材2の全域に均等な薄厚で塗布されることによって形成される。
【0036】
前述した必要情報記憶部5には、シート状基材2の表面に、第一情報光学コード15がプリンタにより印刷され、該第一情報光学コード15上に重なるように第二情報光学コード16がプリンタにより印刷されている(
図3参照)。第一情報光学コード15と第二情報光学コード16とは、相互に異なる情報が記憶されたQRコードであり、互いにQRコードの形態が異なる。これら第一情報光学コード15と第二情報光学コード16とは、外形サイズが同じであるものの、完全に重ならずに、部分的に重なった状態となっている。
ここで、本実施例1にあって、第一情報光学コード15と第二情報光学コード16とには、予め定められた複数の文字や数字が配列されたID情報が夫々記憶されている。すなわち、第一情報光学コード15には、第一ID情報を含む第一必要情報が記憶され、第二情報光学コード16には、第二ID情報を含む第二必要情報が記憶されている。尚、前記第一必要情報の第一ID情報と第二必要情報の第二ID情報とは、前記文字や数字の配列が互いに異なる情報である。
【0037】
前記第一情報光学コード15は、赤外領域の光を吸収し且つ可視領域の光を透過する透明の赤外光吸収塗料により印刷されてなる。これにより、
図1に示すように、シート状基材2の表面に印刷された第一情報光学コード15は視認不能である。尚、この赤外光吸収塗料は、赤外領域の光を吸収する顔料(例えば、トリフェニルメタン系のレーキ顔料や錫ドープ酸化インジウム粉など)を含有したものであり、カーボンが含有されていない。一方、第二情報光学コード16は、赤外領域の光を透過し且つ可視領域の光を吸収する有色の赤外光非吸収塗料により印刷されてなる。この赤外光非吸収塗料は、黒色や青色などの有色の顔料を含有したものであり、カーボンが含有されていない。そのため、この赤外光非吸収塗料により印刷された第二情報光学コード16は視認できる。
【0038】
こうした必要情報記憶部5は、第一情報光学コード15と第二情報光学コード16とが重なっているものの、該第一情報光学コード15が透明であることから、該第二情報光学コード16のみが視認される。尚、このように印刷された第一情報光学コード15と第二情報光学コード16とを覆うように、前記コーティング層7が設けられており(
図3参照)、該コーティング層7によって第一情報光学コード15と第二情報光学コード16とが保護されている。
【0039】
また、前述した許可情報記憶部4には、
図3に示すように、シート状基材2の表面に、許可用光学コード11がプリンタにより印刷され、該許可用光学コード11の略全域を覆うようにカモフラージュ画像13がプリンタにより印刷されている。そして、許可用光学コード11とカモフラージュ画像13とを覆うように、前記コーティング層7が設けられており、さらに、該コーティング層7上に、許可用光学コード11の一部に重なるように前記スクラッチ層12が印刷機により印刷されている(
図4)。ここで、許可用光学コード11は、QRコードであり、前記第一情報光学コード15に記憶された第一必要情報と第二情報光学コードに記憶された第二必要情報とをアクティベーションするための認証情報が記憶されている。すなわち、後述する管理サーバ52にアクセスして、許可用光学コード11から読み取った認証情報を認証処理し、この認証処理により認証完了すると、前記第一情報光学コード15から読み取る第一必要情報と第二情報光学コード16から読み取る第二情報とが有効とされる。尚、許可用光学コード11には、前記認証情報を含む許可情報が記憶されている。
【0040】
許可用光学コード11は、前記第一情報光学コード15と同じ赤外光吸収塗料により印刷されており、視認不能である。一方、カモフラージュ画像13は、赤外領域の光を透過し且つ可視領域の光を吸収する複数色(有色)の赤外光非吸収塗料により印刷されており、視認できる。また、スクラッチ層12は、赤外領域の光を吸収(又は反射)する有色の塗料により印刷されており、コイン等で削り取ることができるものである。このスクラッチ層12は、例えば、アルミペーストを用いた銀色塗料により印刷されてなり、該スクラッチ層12により覆われた部位を視認不能に隠蔽する。すなわち、前記許可用光学コード11とカモフラージュ画像13とは、スクラッチ層12に重なる部位が隠蔽されており、該スクラッチ層12を削り取ることにより、該部位が露出される。尚、許可用光学コード11とカモフラージュ画像13とが前記コーティング層7により覆われており、該コーティング層7上にスクラッチ層12が設けられていることから、コイン等で該スクラッチ層12が削り取られる際に、許可用光学コード11とカモフラージュ画像13とが損傷することを防止できる。
【0041】
前記スクラッチ層12は、許可用光学コード11の前記許容数(誤り訂正可能なコードワードの上限数)以上のコードワードに重なるように設けられている(
図4参照)。具体的には、本実施例1にあって、許可用光学コード11の許容数の約1.2倍のコードワードが、スクラッチ層12により覆われている。これにより、前記スクラッチ層12により覆われている状態では、赤外領域の光によりQRコードを読取できる専用の光学読取装置を用いても、許可用光学コード11を読み取ることができない。尚、スクラッチ層12は、該スクラッチ層12で覆う各コードワードの全域または一部と夫々重なるように形成されている。
【0042】
さらに、本実施例1にあっては、
図1に示すように、前記スクラッチ層12の表面に複数の文字からなる地紋20が印刷されている。この地紋20は、スクラッチ層12の銀色と異なる有色の塗料により印刷されており、該スクラッチ層12上で容易に視認できるようになっている。
【0043】
本実施例1の構成は、前述した許可情報記憶部4と必要情報記憶部5とが、シート状基材2の表面の、互いに異なる部位に設けられている。
【0044】
次に、前述した光学読取帳票1から読み取られる情報を管理する情報管理システム51について説明する。尚、本実施例1の光学読取帳票1は、前述したようにプリペイドカードであり、情報管理システム51は、該プリペイドカードから読み取った情報に基づいて、書籍などを購入できるようにしたものである。
【0045】
情報管理システム51は、当該システムを管理する管理サーバ52と、該管理サーバ52にインターネットを介して接続されるパソコン等の端末53と、光学コード11,15,16を読み取る光学読取装置54とを備える。そして、前記端末53に光学読取装置54が接続されており、該光学読取装置54から読み取った情報が該端末53に入力される。
ここで、前記端末53および光学読取装置54は、光学読取帳票1が使用される場所で利用される。具体的には、プリペイドカードである光学読取帳票1により書籍等を購入可能な店舗で、前記端末53および光学読取装置54が利用される。
【0046】
前記管理サーバ52は、前記第一情報光学コード15の第一ID情報と第二情報光学コード16の第二ID情報とが記憶された記憶装置と、該記憶装置に記憶された情報を処理する中央制御装置と、インターネットを介して情報(データ)を送受信する送受信装置とを備える。ここで、中央制御装置は、端末53から受信した情報と、記憶装置から読み出した情報とに従って、所定の演算処理を実行する機能を有する。また、記憶装置は、光学読取帳票(プリペイドカード)1の正規利用を認証するための認証判定情報と、各光学読取帳票1の利用情報とが記憶されている。この利用情報は、前記第一ID情報と第二ID情報とを正否判定するためのID情報、書籍等の購入に利用される残高情報、および利用日時を示す情報等を含み、これら情報が紐付けされて前記記憶装置に記憶されている。これにより、光学読取帳票1毎に利用情報が管理される。
【0047】
前記端末53は、モニターと制御装置と記憶装置とを備え、さらに、インターネットを介して前記管理サーバ52との間で情報やコマンドを送受信する送受信装置を備える。そして、この端末53には、前記光学読取装置54が接続されており、該光学読取装置54との間でデータやコマンドの入出力が行われる。こうした端末53の記憶装置には、制御装置で起動させる各種プログラムと記憶する領域と、前記光学読取装置54や管理サーバ52から取得した情報を一時的に記憶する領域とを備える。さらに、端末53には、インターネットを介して管理サーバ52と情報の送受信と、光学読取装置54から取得した情報の演算処理とを実行するアプリケーションソフトがインストールされている。
【0048】
光学読取装置54は、赤外光センサを備え、該赤外光センサによりQRコードを読み取る赤外光読取手段55と、可視光センサを備え、該可視光センサによりQRコードを読み取る可視光読取手段56とを備え、該赤外光読取手段55と可視光読取手段56とにより読み取った情報を前記端末53へ出力するものである。ここで、赤外光センサは、赤外領域の光を照射する赤外発光部と、照射した赤外領域の光の吸収を検出する機能を有する赤外受光部とを備え、赤外光読取手段55は、該赤外光センサの検出によりQRコードに記憶された情報を読み取る。可視光センサは、可視領域の光を照射する可視発光部と、照射した可視領域の光の吸収を検出する機能を有する可視受光部とを備え、可視光読取手段56は、該可視光センサの検出によりQRコードに記憶された情報を読み取る。
【0049】
こうした情報管理システム51により、光学読取帳票(プリペイドカード)1の利用時に行われる情報利用処理について、
図6のフローチャートを用いて説明する。
尚、情報利用処理は、端末53で起動される前記アプリケーションソフトにより実行される処理である。
【0050】
情報利用処理は、S10で、光学読取装置54により光学読取帳票1の許可用光学コード11から認証情報(許可情報)が入力された否かを判定する。そして、認証情報が入力された場合には(肯定判定)、S15の認証処理に進む。一方、認証情報が入力されていない場合には(否定判定)、情報利用処理を終了する。
【0051】
S15の認証処理では、管理サーバ52の記憶装置に記憶された前記認証判定情報に基づいて、光学読取装置54により入力された認証情報が有効か否か判定する処理を実行する。そして、S15で認証情報が有効判定されると、認証完了となって、S20を介してS25に進む。一方、認証情報が有効判定されなかった場合には、非認証となって、S20を介してS60に進む。
【0052】
S25では、認証完了報知処理を実行し、端末53のモニターで認証完了を示す表示を行う。さらに、このモニターで、光学読取帳票1の第一情報光学コード15と第二情報光学コード16との読み取りを促す表示を行う。
一方、S60では、エラー報知処理を実行し、該端末53のモニターで非認証を示す表示を行う。さらに、このモニターで、許可用光学コード11の再読み取りを促す表示を行う。
【0053】
S30では、前記S25の後に、光学読取装置54により第一情報光学コードの第一ID情報と第二情報光学コードの第二ID情報とを入力したか否かを判定する。そして、第一ID情報と第二ID情報とを入力した場合には(肯定判定)、S35に進む。
【0054】
S35では、ID判定処理を実行する。このID判定処理では、第一ID情報と第二ID情報とを合わせてID情報を生成して、該ID情報を、管理サーバ52の記憶装置に記憶されているID情報と一致するか否かによって真贋判定する。そして、この判定結果が肯定判定の場合には、S40を介してS45に進む。一方、否定判定の場合には、S40を介して前記S60に進む。S60では、エラー報知処理を実行して、モニターでID情報のエラーを表示する。さらに、再入力を促す表示を行う。
【0055】
S45では、残高情報表示処理を実行する。この残高情報表示処理では、前記第一ID情報と第二ID情報とからなるID情報に紐付けされた残高情報を、管理サーバ52の記憶装置から読み出して、モニターで表示する。
S50では、カード利用処理を実行する。このカード利用処理では、光学読取帳票(プリペイドカード)1による購入で利用する費用情報(購入額)が入力されることによって、前記管理サーバ52に記憶された前記残高情報から当該費用情報を減算させて、該残高情報を更新させる。そして、このカード利用処理により、前記入力された購入額に応じた物品(書籍)の購入手続きが行われる。
【0056】
次に、こうした情報利用処理により光学読取帳票(プリペイドカード)1を利用する流れを、具体例により説明する。
例えば、所定の利用金額(1000円など)が設定された光学読取帳票(プリペイドカード)1を購入した利用者は、該光学読取帳票1を利用する際に、許可情報記憶部4のスクラッチ層12をコイン等で削り取る。そして、購入品の店舗で、当該光学読取帳票1の許可情報記憶部4の許可用光学コード11が、前記光学読取装置54により読み取られると、該許可用光学コード11の認証情報による認証が行われる。ここで、光学読取帳票1では、スクラッチ層12を削除しても、カモフラージュ画像13が視認できるのみで、許可用光学コード11を視認できない。同様に、第二情報光学コード16が視認できるものの、第一情報光学コード15を視認できない。
【0057】
前記認証情報による認証が完了すると、光学読取装置54により、第一情報光学コード15から第一ID情報を読み取ると共に、第二情報光学コード16から第二ID情報を読み取る。これら第一ID情報と第二ID情報とにより真贋判定し、正判定されると、当該光学読取帳票1で利用可能な残高(1000円)が、前記端末53のモニターで表示される。そして、当該光学読取帳票1により購入する物品の購入額を入力することにより、当該光学読取帳票1の残高が減算処理される。このようにして、利用者は、光学読取帳票(プリペイドカード)1により所望の物品を購入できる。
【0058】
一方、光学読取帳票(プリペイドカード)1が金券ショップ等で売買される場合には、スクラッチ層12が削り取られているか否かによって、未使用品か否かを判別できる。ここで、本実施例1では、スクラッチ層12に地紋20が印刷されているか否かによって、真贋判定することもできる。これは、使用品を未使用品と偽るためにスクラッチ層12が偽造されることがあり得るが、該スクラッチ層12を偽造したのみでは地紋20が無いことから、該地紋20を確認することによって、スクラッチ層12の偽造を見分けることができるためである。
【0059】
さらに、金券ショップでは、赤外領域の光を用いて撮像する赤外線ビデオ鑑定機を用いて、スクラッチ層12が残留する前記許可情報記憶部4を撮像することによって、真贋判定できる。すなわち、本実施例1の光学読取帳票1は、前述したように、スクラッチ層12が、赤外光吸収塗料により印刷された許可用光学コード11の一部と重なるように設けられていることから、該スクラッチ層12に重なっていない部分が、前記赤外線ビデオ鑑定機で確認できる。このように赤外線ビデオ鑑定機を用いることによって、金券ショップで光学読取帳票1の真贋判定を容易に行うことができる。
尚、光学読取帳票1の必要情報記憶部5は、前述したように、第一情報光学コード15と第二情報光学コード16とが重なっていることから、前記赤外線ビデオ鑑定機を用いても、該第一情報光学コード15と第二情報光学コード16との両方が撮像されることから、真贋判定が難しい。
【0060】
このように光学読取帳票1は、金券ショップ等で売買される場合に、スクラッチ層12により未使用品か否かを判別できると共に、前記赤外ビデオ鑑定機で許可情報記憶部4を撮像することにより容易に真贋判定することができる。
【0061】
実施例1の光学読取帳票1は、前述したように、可視領域の光により光学的に読み取り不能な許可用光学コード11と第一情報光学コード15とを備えていることから、コピー機により偽造されても、該許可用光学コード11と第一情報光学コード15とを複写できない。これにより、コピー機により偽造された偽造カードは、認証情報が記憶された許可用光学コード11を読み取りできないことから、プリペイドカードとして使用できない。
ここで、本実施例1の構成は、目視不能な第一情報光学コード15と目視可能な第二情報光学コード16とを重ねて印刷されたものであるから、該第一情報光学コード15の存在が気付かれ難く、さらにコピー機により複写された場合に第二情報光学コード16が正確に複写されるため、容易に偽造できると偽造者を騙すことができる。そして、コピー機により偽造されたとしても、偽造カードは前記のように使用不能であるから、該偽造は無駄となる。同様に、スクラッチ層12の削除後にコピー機により複写された場合にも、カモフラージュ画像13によって該許可用光学コード11の存在に気付かれ難い。そのため、カモフラージュ画像13がコピー機により正確に複写されることで、偽造者を騙すことができる。そして、コピー機により偽造されても無駄となる。
尚、許可用光学コード11と第一情報光学コード15とを印刷する透明な赤外光吸収塗料は、一般的に入手困難な特殊な塗料である。そのため、例え、許可用光学コード11や第一情報光学コード15の存在を偽造者が知ったとしても、前記特殊な塗料により該光学コード11,15が複製される可能性は極めて低い。
【0062】
また、実施例1の光学読取帳票1は、スクラッチ層12を削除して許可用光学コード11から認証情報(許可情報)を取得することが、プリペイドカードとして利用するために必須であることから、該スクラッチ層12が削除されているか否かによって未使用品か否かを容易に判別することができる。さらに、本実施例1では、スクラッチ層12の表面に地紋20が印刷されていることから、該スクラッチ層12の偽造を防止する効果もある。これにより、スクラッチ層12による前記判別の信頼性を高めることができる。
さらに、光学読取帳票1は、許可用光学コード11の一部のみがスクラッチ層12により覆われていることから、前記した赤外線ビデオ鑑定機を用いて該許可用光学コード11を撮像することによって容易に真贋を判別できる。これは、前述したように、コピー機による偽造では許可用光学コード11を複写できないことに因る。
【0063】
こうしたことから、本実施例1の光学読取帳票1は、コピー機により容易に偽造され難く、かつ偽造された場合にも容易に真贋を判別できることから、複写による偽造を抑制する効果が極めて高い。したがって、本実施例1の構成は、セキュリティ性が高く、極めて高い信頼性を有するものであり、前述したプリペイドカードとして好適に利用できる。
【0064】
また、実施例1では、情報管理システム51により、光学読取帳票1の許可用光学コード11から読み取った認証情報により認証完了した場合に、第一情報光学コード15と第二情報光学コード16とから読み取る第一ID情報と第二ID情報とを有効とし、これらID情報による真贋判定を介して、該光学読取帳票1をプリペイドカードとして物品の購入に使用可能となる。このように許可用光学コード11による認証と、第一情報光学コード15および第二情報光学コード16により真贋判定との二段階で確認を行うことによって、極めて高いセキュリティ性が発揮され、光学読取帳票1の信頼性を一層高めることができる。
【0065】
尚、実施例1にあって、第一情報光学コード15に記憶された第一必要情報(第一ID情報を含む)が、本発明にかかる第一の必要情報に相当し、第二情報光学コード16に記憶された第二必要情報(第二ID情報を含む)が、本発明にかかる第二の必要情報に相当する。
また、情報管理システム51の光学読取装置54が、本発明にかかる光学読取手段の一例に相当する。また、光学読取装置54により許可情報(認証情報)を読み取って入力すること(情報利用処理のS10)が、本発明にかかる許可情報読取ステップの一例に相当し、情報利用処理のS15~S20が、本発明にかかる許可判定ステップの一例に相当する。そして、前記管理サーバ52に記憶された認証判定情報が、本発明にかかる許可基準の一例に相当する。また、光学読取装置54により第一必要情報(第一ID情報)を読み取って入力すること(情報利用処理のS30)が、本発明にかかる第一情報読取ステップの一例に相当し、該光学読取装置54により第二必要情報(第二ID情報)を読み取って入力すること(情報利用処理のS30)が、本発明にかかる第二情報読取ステップの一例に相当する。また、情報利用処理のS35~S50が、本発明にかかる必要情報取得ステップの一例に相当する。
【実施例2】
【0066】
実施例2の光学読取帳票1は、前記実施例1と同様のプリペイドカード(書店で書籍購入に利用できるもの)であって、第一情報光学コード15にID情報が記憶されると共に、第二情報光学コード16に、管理サーバ52の記憶装置から残高情報を取得するための残高照会情報が記憶されたものである。そして、実施例2の情報管理システム51は、許可用光学コード11の認証情報に関わらず、前記第二情報光学コード16の残高照会情報に基づいて管理サーバ52から残高情報を取得可能とする機能と、該認証情報に基づいて認証完了することによって、第一情報光学コード15のID情報を有効として物品の購入に利用できる機能とを備える。
【0067】
尚、実施例2の光学読取帳票1は、前記第一情報光学コード15と第二情報光学コード16とに夫々記憶された情報が異なる以外、前述の実施例1の光学読取帳票1と同じであることから、同じ構成要素に同じ符号を記し、その説明を適宜省略する。また、実施例2の情報管理システム51は、前記第一情報光学コード15と第二情報光学コード16とに夫々記憶された情報の使用態様が異なる以外、前述の実施例1の情報管理システム51と同じであることから、同じ構成要素に同じ符号を記し、その説明を適宜省略する。
【0068】
実施例2の光学読取帳票1は、必要情報記憶部5に印刷された第一情報光学コード15に、複数の文字や数字が配列されたID情報を含む第一必要情報が記憶されている。第二情報光学コード16には、残高情報の取得を求める残高照会情報と、インターネットを介して情報管理システム51の管理サーバ52にアクセスするためのアドレス情報とを含む第二必要情報が記憶されている。
【0069】
実施例2の情報管理システム51にあっては、光学読取装置54により許可用光学コード11から認証情報が入力されると、管理サーバ52に記憶された認証判定情報に基づいて該認証情報を判定し、認証完了すると、該光学読取装置54により第一情報光学コード15から読み取るID情報を有効とする。そして、このID情報を、管理サーバ52に記憶されたID情報と一致するか否かによって、真贋判定し、正しい情報と判定された場合に、該ID情報に基づいて管理サーバ52の記憶装置から残高情報を読み出して、モニターで該残高情報を表示する。この後に費用情報(購入額)の入力によって、該残高情報を更新すると共に、該費用情報に応じた物品の購入手続きが行われる。
【0070】
また、本実施例2にあっては、許可用光学コード11から認証情報を読み取ること無く、管理サーバ52に記憶された残高情報を確認することが可能である。具体的には、光学読取装置54により第二情報光学コード16から残高照会情報を入力すると、端末53では、残高照会情報に基づいて、管理サーバ52の記憶装置から残高情報を読み出して、モニターで該残高情報を表示する。ここで、光学読取装置54で必要情報記憶部5を読み取る際には、第一情報光学コード15からID情報も入力されるが、認証完了できないために、該ID情報を無効処理する。また、第二情報光学コード16から前記アクセス情報も入力されるが、前記アプリケーションソフトの起動中の端末53では、該アクセス情報を利用しない。
一方、光学読取帳票1の第二情報光学コード16は、前述したように可視領域の光により読取可能であることから、可視光読取手段を備えた一般的な光学読取装置(例えば、QRコード読取用のアプリがインストールされたスマーフォン等)で読み取ることができる。こうした一般的な光学読取装置で第二情報光学コード16を読み取った場合には、前記残高照会情報とアクセス情報とが入力される。そして、アクセス情報に従って前記管理サーバ52にアクセスされ、該残高照会情報に従って残高情報を取得できる。そして、この光学読取装置(スマートフォン等)により、管理サーバ52から取得した残高情報が表示される。尚、一般的な光学読取装置(スマートフォン等)では、赤外光吸収塗料で印刷された第一情報光学コード15を読取不能であることから、ID情報を読み取りできない。
【0071】
このように実施例2の光学読取帳票1にあっては、許可用光学コード11から認証情報を読み取ること無く、第二情報光学コード16から読み取った残高照会情報とアドレス情報とに基づいて、管理サーバ52に記憶された残高情報を取得することができる。これにより、プリペイドカードである光学読取帳票1を購入した利用者は、物品を購入する店舗以外であっても(例えば、自宅など)、スマートフォン等を用いて当該プリペイドカード(光学読取帳票1)で利用可能な残高を確認することができる。
また、実施例2の構成では、許可用光学コード11から読み取った認証情報により認証完了した場合に、第一情報光学コード15から読み取るID情報を有効とし、該ID情報による真贋判定を介して、光学読取帳票1をプリペイドカードとして物品の購入に使用できる。
【0072】
また、実施例2の光学読取帳票1は、前述した実施例1と同様に、許可用光学コード11と第一情報光学コード15とが赤外光吸収塗料で印刷されたものであることから、複写による偽造を防止する効果を奏する。そして、地紋20が表面に印刷されたスクラッチ層12によって、許可用光学コード11の一部が覆われていることから、スクラッチ層12の偽造を防止でき、該スクラッチ層12による未使用か否かの判別に対する信頼性を向上できる。さらに、前記した赤外ビデオ鑑定機を用いることにより、容易に真贋を判別できる。
したがって、実施例2の光学読取帳票1にあっても、前述した実施例1と同様に、セキュリティ性が高く、極めて高い信頼性を有するものであるから、前述したプリペイドカードとして好適に利用できる。
【0073】
さらに、実施例2にあっても、情報管理システム51により、許可用光学コード11と第一情報光学コード15とから読み取る情報を用いて二段階で確認を行うことから、セキュリティ性が高く、光学読取帳票1の信頼性を一層高めることができる。
【0074】
尚、実施例2にあって、第二情報光学コード16に記憶される残高照会情報とアクセス情報とが、本発明にかかる照会情報の一例に相当する。そして、管理サーバ52が、本発明にかかるデータ記憶装置の一例に相当する。
【実施例3】
【0075】
実施例3の光学読取帳票81は、
図7,8に示すように、必要情報記憶部85に、第一情報光学コード15と第二情報光学コード16との一部を被覆するスクラッチ層82が設けられたものである。そして、許可情報記憶部84には、許可用光学コード11を覆うスクラッチ層が設けられていない。
【0076】
光学読取帳票81の必要情報記憶部85には、前述した実施例1と同様に、シート状基材2の表面に第一情報光学コード15と第二情報光学コード16とが重ねて印刷され、該第一情報光学コード15と第二情報光学コード16とがコーティング層7により覆われている(
図8)。そして、このコーティング層7上に、該第一情報光学コード15と第二情報光学コード16との一部を覆う前記スクラッチ層82が印刷機により印刷されている。ここで、スクラッチ層82は、第一情報光学コード15の前記許容数(誤り訂正可能なコードワードの上限数)以上のコードワードに重なり且つ第二情報光学コード16の前記許容数(誤り訂正可能なコードワードの上限数)以上のコードワードに重なるように、設けられている(
図7)。本実施例3では、スクラッチ層82によって、第一情報光学コード15の許容数の約1.1~1.2倍のコードワードが覆われていると共に、第二情報光学コード16の許容数の約1.1~1.2倍のコードワードが覆われている。これにより、スクラッチ層82が削除されていない状態(
図7(A))では、前記した光学読取装置54によって該第一情報光学コード15と第二情報光学コード16とを読み取ることができない。
尚、こうした必要情報記憶部85の第二情報光学コード16は、前記実施例1と同様に有色の赤外光非吸収塗料により印刷されていることから、前記スクラッチ層82に覆われた部位を視認できないものの、該スクラッチ層82に覆われていない部位を視認できる。一方、第一情報光学コード15は、前記実施例1と同様に透明の赤外光吸収塗料により印刷されていることから、前記スクラッチ層82の有無に関わらず、視認できない。
【0077】
また、実施例3にあっても、スクラッチ層82の表面には、実施例1と同様に地紋20が印刷されている。
【0078】
一方、光学読取帳票81の許可情報記憶部84には、シート状基材2の表面に、許可用光学コード11が印刷され、該許可用光学コード11の略全域を覆うようにカモフラージュ画像13が印刷されており、さらに、該許可用光学コード11とカモフラージュ画像13とがコーティング層7により覆われている(
図8参照)。実施例3では、許可情報記憶部84にスクラッチ層が設けられていないものの、許可用光学コード11が、実施例1と同様の透明な赤外光吸収塗料で印刷されていることから、その存在が隠されている。そして、視認可能なカモフラージュ画像13が設けられていることにより、許可用光学コード11を隠す効果が高くなっている。尚、許可用光学コード11がカモフラージュ画像13と重なっていることから、該カモフラージュ画像13上で前記光学読取装置54を操作することにより、該許可用光学コード11を比較的容易に読み取ることができる。
【0079】
実施例3の光学読取帳票81は、前述したように必要情報記憶部85にスクラッチ層82が設けられかつ許可情報記憶部84にスクラッチ層を設けていないこと以外、前述した実施例1と同じであることから、同じ構成要素に同じ符号を記し、その説明を適宜省略する。すなわち、許可用光学コード11には認証情報が記憶され、第一情報光学コード15には第一ID情報が記憶され、第二情報光学コード16には第二ID情報が記憶されている。
【0080】
また、こうした実施例3の光学読取帳票81は、前述した実施例1と同様に、情報管理システム51によって前記各光学コード11,15,16から夫々の情報を取得することで利用され得る。
すなわち、光学読取装置54により許可用光学コード11から認証情報を読み取り、該認証情報に基づいて認証完了すると、該光学読取装置54により第一情報光学コード15と第二情報光学コード16とから夫々読み取った第一ID情報と第二ID情報とを有効として真贋判定する。そして、この判定により正しいとされると、管理サーバ52に記憶されている残高を、物品の購入に使用できる。ここで、実施例3の光学読取帳票81は、前述したように許可用光学コード11がスクラッチ層で覆われていないことから、いつでも光学読取装置54により読み取りできる一方、第一情報光学コード15と第二情報光学コード16とはスクラッチ層82に覆われていることから、該スクラッチ層82を削除することによって読み取り可能となる。そのため、光学読取帳票81の利用者は、少なくとも利用時までにスクラッチ層82を削り取ることが必要である。
【0081】
実施例3の光学読取帳票81は、前述した実施例1と同様に、許可用光学コード11と第一情報光学コード15とが赤外光吸収塗料で印刷されたものであることから、複写により偽造を防止する効果を奏する。ここで、許可用光学コード11は、実施例1のようにスクラッチ層で覆われていないものの、透明の赤外光吸収塗料で印刷されていること、およびカモフラージュ画像13が重ねられていることから、その存在が気付かれ難い。さらに、こうした許可用光学コード11は、前述した実施例1と同様に、赤外ビデオ鑑定機を用いることにより確認できる。そのため、この赤外ビデオ鑑定機により許可用光学コード11を確認することによって、光学読取帳票1を容易に真贋判別できる。
【0082】
また、実施例3の光学読取帳票81は、スクラッチ層82を削除することにより、第一情報光学コード15と第二情報光学コード16とを読み取りできることから、該スクラッチ層82が削除されているか否かによって未使用品か否かを容易に判別できる。さらに、実施例1と同様に、スクラッチ層82の表面には地紋20が印刷されていることから、該スクラッチ層82の偽造を防止することができ、該スクラッチ層82による前記判別の信頼性を高めることができる。
【0083】
このように本実施例3の光学読取帳票81にあっても、前述した実施例1と同様に、コピー機により容易に偽造され難く、かつ偽造された場合にも容易に真贋を判別できることから、複写による偽造を抑制する効果が極めて高い。したがって、実施例3の光学読取帳票81は、セキュリティ性が高く、極めて高い信頼性を有するものであるから、前述したプリペイドカードとして好適に利用できる。
【0084】
また、実施例3にあっても、前述した実施例1と同様に、情報管理システム51によって、許可用光学コード11、第一情報光学コード15、および第二情報光学コード16から読み取る情報を用いて二段階で確認を行うことから、セキュリティ性が高く、光学読取帳票1の信頼性を一層高めることができる。
【0085】
本発明にあっては、前述した実施例1~3に限定されるものではなく、該実施例1~3以外の構成についても本発明の趣旨の範囲内で適宜変更して実施可能である。
例えば、実施例1~3の光学読取帳票1は、書籍等の購入に使用できるプリペイドカードであるが、これに限らず、テーマパークの入場券やアイドルの握手券などのように他の用途にも適用可能である。
【0086】
また、前述の実施例1,2の光学読取帳票1は、許可用光学コード11の許容数(誤り訂正可能なコードワードの上限数)の約1.2倍のコードワードを覆うように、スクラッチ層12を設けたが、これに限らず、該許容数と同数のコードワードを覆うように設けたり、該許容数の約1.1倍や約1.5倍のコードワードを覆うように設けたりすることも可能である。さらには、前記許容数と同数(1.0倍)や約2倍のコードワードを覆うようにスクラッチ層12を設けても良い。いずれにせよ、スクラッチ層12が、許可用光学コード11の一部を覆うように設ければ、前記した赤外ビデオ鑑定機を用いて真贋判定を行うことが可能である。
同様に、実施例3の光学読取帳票81にあっても、第一情報光学コード15と第二情報光学コード16との各許容数と同数や約1.5倍のコードワードを覆うようにスクラッチ層82を設けたり、該各許容数の約2倍のコードワードを覆うようにスクラッチ層82を設けたりすることも可能である。
【0087】
また、前述の実施例1,2の光学読取帳票1は、スクラッチ層12が許可用光学コード11の一部を覆うように設けられたが、これに限らず、該許可用光学コード11の全域を覆うようにスクラッチ層12を設けることも可能である。かかる構成にあっても、実施例1,2と同様に、コピー機により容易に偽造され難く、複写による偽造を抑制できることから、極めて高い信頼性を有するものとなる。
同様に、実施例3の光学読取帳票81にあっても、スクラッチ層82が第一情報光学コード15と第二情報光学コード16との全域を覆うように設けられた構成とすることも可能であり、同様の作用効果を奏し得る。
【0088】
また、前述の実施例1~3の光学読取帳票1,81は、スクラッチ層12,82の表面に地紋20を印刷した構成であるが、これに限らず、該地紋20が印刷されていない構成とすることも可能である。
【0089】
また、前述の実施例1~3の光学読取帳票1,81は、許可情報記憶部4,84にカモフラージュ画像13を設けた構成であるが、これに限らず、該カモフラージュ画像13を設けない構成とすることもできる。
【0090】
また、前述の実施例2の光学読取帳票1にあって、必要情報記憶部5に印刷された第二情報光学コード16に、残高照会情報を含み且つアドレス情報を含まない第二必要情報が記憶された構成とすることもできる。この構成の場合には、インターネットを介して管理サーバ52へアクセスされたパソコンやスマードフォン等の端末により、前記第二情報光学コード16から第二必要情報を読み取られることで、該第二必要情報の残高照会情報に従って残高情報を取得可能となっている。
ここで、パソコンやスマートフォン等の端末には、前述した実施例1~3の端末53と同様に、インターネットを介して管理サーバ52と情報を送受信できる機能を備えたアプリケーションソフトがインストールされているものが適用できる。又は、こうしたアプリケーションソフトをインストールしてないスマートフォン等の携帯用端末では、Web上のアプリケーションソフトから前記第二情報光学コード16を読み取ることによっても、本構成から残高情報を取得できる。
【0091】
また、前述した実施例3の光学読取帳票81にあって、実施例2と同様に、第一情報光学コード15にID情報を記憶し且つ第二情報光学コード16に残高照会情報とアクセス情報とを記憶した構成としても良い。かかる構成によれば、実施例2と同様の作用効果を奏し得る。
【0092】
また、前述した実施例1~3の光学読取帳票1,81は、許可用光学コード11、第一情報光学コード15、および第二情報光学コード16をQRコードとしたものであるが、これに限らず、許可用光学コード、第一情報光学コード、および第二情報光学コードをバーコードとしても良いし、いずれか一又は二をQRコードとし且つ他をバーコードとしても良い。さらには、データマトリックス(DataMatricx)等の二次元コードとすることも可能である。
【0093】
また、前述した実施例1~3の光学読取帳票1,81は、許可用光学コード11を、赤外領域の光を吸収し且つ可視領域の光を透過する透明の赤外光吸収塗料により印刷されたものとしたが、これに限らず、淡色の赤外光吸収塗料(赤外領域の光を吸収し且つ可視領域の光を透過するもの)により印刷されたものとすることもできる。かかる構成では、許可用光学コードが視認困難となるため、実施例1~3と同様の作用効果を奏し得る。
さらには、許可用光学コード11を、赤外領域の光を透過し且つ可視領域の光を吸収する有色の赤外光非吸収塗料により印刷されたものとすることも可能である。かかる構成にあっては、許可用光学コードが視認可能となるものの、第二情報光学コード16が視認不能であることから、コピー機による偽造を抑制するという前述した実施例1~3と同様の作用効果を奏し得る。
【0094】
また、前述した実施例1~3の情報管理システム51は、赤外光読取手段55と可視光読取手段56とを具備する光学読取装置54を備えた構成であるが、これに限らず、該赤外光読取手段を具備する光学読取装置と、可視光読取手段を具備する光学読取装置とを別部材として備えた構成とすることもできる。
【符号の説明】
【0095】
1,81 光学読取帳票
2 シート状基材
4 許可情報記憶部
5 必要情報記憶部
11 許可用光学コード
12,82 スクラッチ層
15 第一情報光学コード
16 第二情報光学コード
52 管理サーバ(データ記憶装置)
54 光学読取装置(光学読取手段)