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  • 特許-自動ドアの駆動装置及び方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-21
(45)【発行日】2024-01-04
(54)【発明の名称】自動ドアの駆動装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   E05F 15/632 20150101AFI20231222BHJP
   E05F 15/73 20150101ALI20231222BHJP
【FI】
E05F15/632
E05F15/73
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022020360
(22)【出願日】2022-02-14
(65)【公開番号】P2023117670
(43)【公開日】2023-08-24
【審査請求日】2023-03-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000238197
【氏名又は名称】扶桑電機工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076255
【弁理士】
【氏名又は名称】古澤 俊明
(72)【発明者】
【氏名】田口 清城
(72)【発明者】
【氏名】梅村 賢
(72)【発明者】
【氏名】山澤 淳
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-56548(JP,A)
【文献】特開2012-31600(JP,A)
【文献】国際公開第2011/155405(WO,A1)
【文献】特開2021-130904(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05F 15/00-15/79
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動ドア制御器内のCPUに自動ドアの開閉動作パラメータを記憶したメモリを接続し、このメモリの開閉動作パラメータによりモータードライバーを介して自動ドア開閉用のモーターを制御する自動ドアの駆動装置において、
前記モーターと前記自動ドア制御器を接続するコネクタに、前記モーターの複数機種に対応した識別コードを生成する識別コード生成部を有し、前記メモリに、前記複数の識別コードに対応した開閉動作パラメータを記憶し、前記自動ドア制御器にて前記コネクタに接続された複数機種の前記モーターを駆動可能にしたことを特徴とする自動ドアの駆動装置。
【請求項2】
前記メモリに記憶した前記複数の識別コードに対応した開閉動作パラメータは、前記複数の識別コードに対応した加速割合、減速割合、ブレーキ位置を含むことを特徴とする請求項1記載の自動ドアの駆動装置。
【請求項3】
前記開閉動作パラメータとして、さらに前記モーターの過負荷判定閾値を記憶するようにしたことを特徴とする請求項2記載の自動ドアの駆動装置。
【請求項4】
前記過負荷判定閾値は、モーター電流値及び/又はドア速度低下割合からなることを特徴とする請求項3記載の自動ドアの駆動装置。
【請求項5】
自動ドア制御器内のCPUに自動ドアの開閉動作パラメータを記憶したメモリを接続し、このメモリの開閉動作パラメータによりモータードライバーを介して自動ドア開閉用のモーターを制御する自動ドアの駆動方法において、
前記モーターを、コネクタを介して前記自動ドア制御器に接続する工程と、
前記コネクタに接続された前記モーターの複数機種に対応した識別コードを、前記コネクタ内の識別コード生成部にて生成する工程と、
前記識別コード生成部にて生成された識別コードを前記自動ドア制御器内の識別コード読み取り部で読み込み、前記CPUにて、前記メモリに記憶された前記複数の識別コードに対応した開閉動作パラメータを選択する工程と、
前記開閉動作パラメータを選択する工程で選択された前記開閉動作パラメータに基づきモーター電流測定部を介して前記モーターを駆動可能にする工程と
からなることを特徴とする自動ドアの駆動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動ドアを駆動する大出力、中出力、小出力、高速、低速などの複数種類のモーターに対応可能な自動ドアの駆動装置及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動ドア装置のモーターは、駆動するドアの質量、機械的負荷の大小、使用目的の相違等によって必要とする出力や特性の異なるものが使用される。
例えば、小型で高速開閉する軽量のドア、大型で低速開閉する重量あるドア、室内設置のドア、屋外設置の風圧に耐えるドアなど使用目的に応じて複数種類のモーターの中から適正なモーターが選択される。
【0003】
従来の自動ドアの制御装置は、図4に示すように、1つの機種のモーター3に、専用の制御ユニット8が対応しており、モーター3の機種が異なる毎に専用の制御ユニット8が設けられていた。
この図4において、開閉駆動部20では、制御ユニット8によりモーター3を駆動すると、駆動プーリ4が回転し、駆動プーリ4と従動プーリ5に掛け回されたベルト6が回転する。このとき、ベルト6に固定されたドアハンガー7に吊り下げられたドア2が水平方向へ往復移動することができる。
【0004】
前記モーター3のケーシング内部に設けられているホール素子9は、モーター3の回転量に応じて信号を発生させる。
前記位置検出部15は、ホール素子9からの検知信号からモーター3の回転角度を算出し、さらに、そのモーター3の回転角度に基づいてドア2の位置を算出する。
前記制御ユニット8は、モーター3の駆動を制御することにより、ドア2の開閉を制御するユニットで、CPU12と、メモリ13と、走行抵抗測定部14とを有している。
【0005】
前記CPU12は、モーター3の駆動を制御する中央演算部で、位置検出部15で求めたモーター3の回転角度を時間で微分してモーター3の回転数を算出し、さらに、そのモーター3の回転数からドア2の速度を算出する。
前記メモリ13は、ドア2の全閉位置、全開位置、走行抵抗、および走行プログラムなどを記憶する。
【0006】
ドア2の全閉位置および全開位置については、工場出荷時にあらかじめそれらの設計値がメモリ13に記憶されている。ドア2の速度Vは、基本的には、図5(a)に示されるドア2の走行プログラムに基づいて第1速度V1の後に第2速度V2へ移行するように2段階に制御される。例えば、図5(b)に示される曲線Aのようにモーター3への印加電圧Eを駆動開始から急激に最大値Emaxまで上昇させると、図5(a)に示されるドア速度Vは、最初の加速域V1(時間0~t1)では、所定の加速度で急速に上昇する。ついで、図5(b)に示される曲線Aのように印加電圧Eを少し下げて一定値Econstで維持すると、図5(a)に示される高速域V2(時間t1~t2)では、所定の第1速度VHを維持する。その後、図示されていないが、印加電圧Eを一定値Econstからさらに下げることにより、減速域V3(時間t2~t3)では、所定の加速度で減速し、その後、低速域V4(時間t3~最後のt4)は、所定の第2速度VLを維持して最後に0に戻る。
【0007】
走行抵抗測定部14は、ドア2の走行抵抗を測定する。本実施形態では、モーター3への印加電圧Eとモーター3の回転数Rから、モーター3のトルクQを算出し、モーター3のトルクQからドア2の走行抵抗を算出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2012‐31600号公報。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
自動ドア装置では、使用目的に応じて30W、50W、100Wなどの出力や特性の異なるモーターが選択されるが、特許文献1に示すような従来の装置は、モーターの出力や特性に応じて多数の異なる専用の制御ユニットが用意され、メモリ13には、そのモーター専用のプログラムが記憶されていた。
そのため、モーターの出力や特性に応じて多数の異なる制御ユニットが用意されなければならないという問題があった。
本発明は、このような従来の問題点を解決するもので、1個の自動ドア制御器で、複数種類のモーターに対応できるようにした自動ドアの駆動装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明による自動ドアの駆動装置は、
自動ドア制御器21内のCPU26に自動ドアの開閉動作パラメータを記憶したメモリ28を接続し、このメモリ28の開閉動作パラメータによりモータードライバー27を介して自動ドア開閉用のモーター22を制御する自動ドアの駆動装置において、
前記モーター22と前記自動ドア制御器21を接続するコネクタ23に、前記モーター22の複数機種に対応した識別コードを生成する識別コード生成部32を有し、前記メモリ28に、前記複数の識別コードに対応した開閉動作パラメータを記憶し、前記自動ドア制御器21にて前記コネクタ23に接続された複数機種の前記モーター22を駆動可能にしたことを特徴とする。
【0011】
前記メモリ28に記憶した前記複数の識別コードに対応した開閉動作パラメータは、前記複数の識別コードに対応した加速割合、減速割合、ブレーキ位置を含むことを特徴とする。
【0012】
前記開閉動作パラメータとして、さらに前記モーター22の過負荷判定閾値を記憶するようにしたことを特徴とする。
【0013】
前記過負荷判定閾値は、モーター電流値及び/又はドア速度低下割合からなることを特徴とする。
【0014】
本発明による自動ドアの駆動方法は、
自動ドア制御器21内のCPU26に自動ドアの開閉動作パラメータを記憶したメモリ28を接続し、このメモリ28の開閉動作パラメータによりモータードライバー27を介して自動ドア開閉用のモーター22を制御する自動ドアの駆動方法において、
前記モーター22を、コネクタ23を介して前記自動ドア制御器21に接続する工程と、
前記コネクタ23に接続された前記モーター22の複数機種に対応した識別コードを、前記コネクタ23内の識別コード生成部32にて生成する工程と、
前記識別コード生成部32にて生成された識別コードを前記自動ドア制御器21内の識別コード読み取り部35で読み込み、前記CPU26にて、前記メモリ28に記憶された前記複数の識別コードに対応した開閉動作パラメータを選択する工程と、
前記開閉動作パラメータを選択する工程で選択された前記開閉動作パラメータに基づきモーター電流測定部33を介して前記モーター22を駆動可能にする工程と
からなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1記載の発明は、
自動ドア制御器内のCPUに自動ドアの開閉動作パラメータを記憶したメモリを接続し、このメモリの開閉動作パラメータによりモータードライバーを介して自動ドア開閉用のモーターを制御する自動ドアの駆動装置において、
前記モーターと前記自動ドア制御器を接続するコネクタに、前記モーターの複数機種に対応した識別コードを生成する識別コード生成部を有し、前記メモリに、前記複数の識別コードに対応した開閉動作パラメータを記憶し、前記自動ドア制御器にて前記コネクタに接続された複数機種の前記モーターを駆動可能にしたので、1台の自動ドア制御器を用意するだけで複数機種のモーターの変更に対応できる。また、ドアの交換等に伴うモーターの交換があっても即座に対応できる。機器の共通化によりメンテナンスが容易になる。
【0016】
請求項2記載の発明は、
前記メモリに記憶した前記複数の識別コードに対応した開閉動作パラメータは、前記複数の識別コードに対応した加速割合、減速割合、ブレーキ位置を含むので、ドアの種類に応じて加速割合、減速割合、ブレーキ位置などの開閉動作パラメータを任意に選択できる。
【0017】
請求項3記載の発明は、
前記開閉動作パラメータとして、さらに前記モーターの過負荷判定閾値を記憶するようにしたので、障害物の接触等の事故を最小限に抑えることができる。
【0018】
請求項4記載の発明は、
前記過負荷判定閾値は、モーター電流値及び/又はドア速度低下割合からなるので、常時最適な過負荷判定閾値を設定することができる。
【0019】
請求項5記載の発明は、
自動ドア制御器内のCPUに自動ドアの開閉動作パラメータを記憶したメモリを接続し、このメモリの開閉動作パラメータによりモータードライバーを介して自動ドア開閉用のモーターを制御する自動ドアの駆動方法において、
前記モーターを、コネクタを介して前記自動ドア制御器に接続する工程と、
前記コネクタに接続された前記モーターの複数機種に対応した識別コードを、前記コネクタ内の識別コード生成部にて生成する工程と、
前記識別コード生成部にて生成された識別コードを前記自動ドア制御器内の識別コード読み取り部で読み込み、前記CPUにて、前記メモリに記憶された前記複数の識別コードに対応した開閉動作パラメータを選択する工程と、
前記開閉動作パラメータを選択する工程で選択された前記開閉動作パラメータに基づきモーター電流測定部を介して前記モーターを駆動可能にする工程と
からなるので、請求項1と同様の作用効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明による自動ドアの駆動装置及び方法の実施例1を示すブロック図である。
図2】本発明によるドアの種類に対応した開閉動作パラメータの特性図である。
図3】本発明による自動ドアの駆動装置及び方法の動作のフローチャートである。
図4】従来の自動ドア制御装置の説明図である。
図5】(a)は、図4におけるドアの速度の変化を示す説明図、(b)は、図4におけるモーター電圧の変化を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の請求項1記載の発明は、
自動ドア制御器21内のCPU26に自動ドアの開閉動作パラメータを記憶したメモリ28を接続し、このメモリ28の開閉動作パラメータによりモータードライバー27を介して自動ドア開閉用のモーター22を制御する自動ドアの駆動装置において、
前記モーター22と前記自動ドア制御器21を接続するコネクタ23に、前記モーター22の複数機種に対応した識別コードを生成する識別コード生成部32を有し、前記メモリ28に、前記複数の識別コードに対応した開閉動作パラメータを記憶し、前記自動ドア制御器21にて前記コネクタ23に接続された複数機種の前記モーター22を駆動可能にしたことを特徴とする自動ドアの駆動装置である。
【0022】
請求項1記載の発明において、
前記メモリ28に記憶した前記複数の識別コードに対応した開閉動作パラメータは、前記複数の識別コードに対応した加速割合、減速割合、ブレーキ位置を含むことを特徴とする自動ドアの駆動装置である。
【0023】
請求項2記載の発明において、
前記開閉動作パラメータとして、さらに前記モーター22の過負荷判定閾値を記憶するようにしたことを特徴とする自動ドアの駆動装置である。
【0024】
請求項3記載の発明において、
前記過負荷判定閾値は、モーター電流値及び/又はドア速度低下割合からなることを特徴とする自動ドアの駆動装置である。
【0025】
請求項5記載の発明は、
自動ドア制御器21内のCPU26に自動ドアの開閉動作パラメータを記憶したメモリ28を接続し、このメモリ28の開閉動作パラメータによりモータードライバー27を介して自動ドア開閉用のモーター22を制御する自動ドアの駆動方法において、
前記モーター22を、コネクタ23を介して前記自動ドア制御器21に接続する工程と、
前記コネクタ23に接続された前記モーター22の複数機種に対応した識別コードを、前記コネクタ23内の識別コード生成部32にて生成する工程と、
前記識別コード生成部32にて生成された識別コードを前記自動ドア制御器21内の識別コード読み取り部35で読み込み、前記CPU26にて、前記メモリ28に記憶された前記複数の識別コードに対応した開閉動作パラメータを選択する工程と、
前記開閉動作パラメータを選択する工程で選択された前記開閉動作パラメータに基づきモーター電流測定部33を介して前記モーター22を駆動可能にする工程と
からなることを特徴とする自動ドアの駆動方法である。
【実施例1】
【0026】
本発明による自動ドアの駆動装置及び方法の実施例1を図面に基づき説明する。
図1において、21は、本発明による自動ドア制御器で、この自動ドア制御器21には、CPU26とモータードライバー27とメモリ28を有する。
また、室内側の内センサー24と室外側の外センサー25は、前記自動ドア制御器21内のセンサーインターフェイス29を介して前記CPU26に接続されている。
前記モータードライバー27には、前記自動ドア制御器21内のモーター電流測定部33が設けられ、このモーター電流測定部33は、コネクタ23を介してモーター22に接続されている。前記コネクタ23には、前記モーター22を接続すると、接続されたピン番号により前記モーター22の機種に応じた固有の識別信号を発生する識別コード生成部32を有する。また、前記モーター22には、ホールIC31を有し、このホールIC31は、前記コネクタ23を経て、前記自動ドア制御器21内のドア速度低下割合測定部34に接続され、このドア速度低下割合測定部34は、コネクタインターフェイス30を経て前記CPU26に接続されている。そして、ホール素子31は、モーター22の回転量に応じて信号を発生し、このホール素子31の検知信号でモーター22の回転角度を算出し、モーター22の回転角度に基づいて自動ドアの位置が求められる。
また、前記CPU26は、モーター22の駆動を制御するもので、前記ホール素子31の検知信号でモーター22の回転角度から回転数を算出し、モーター22の回転数から自動ドアの速度が求められる。
【0027】
前記識別コード生成部32は、前記コネクタ23に接続されたモーター22の種類を識別し、例えば、3個のピンとグランド間で3ビット分の種別を識別する。具体的には、コネクタ23にモーター22を接続すると、コネクタ23を経て識別コード生成部32により、30W、50W、100Wなどの接続されたモーター22の容量の種類その他の使用目的に対応したモーターの識別コードが生成され、前記自動ドア制御器21内の識別コード読み取り部35に送られてモーター識別信号が読み取られてコネクタインターフェイス30を経てCPU26に送られる。
前記メモリ28には、前記モーター22の識別コードに対応して、加速割合、減速割合、ブレーキ位置、過負荷判定閾値(モーター電流値及び/又はドア速度低下割合)等を設定した開閉動作パラメータが記憶されている。
【0028】
前記モーター22に内蔵されているホールIC31の検知信号でモーター22の回転角度を算出してコネクタ23とドア速度低下割合測定部34とコネクタインターフェイス30を経てCPU26に出力し、このCPU26で自動ドアの位置を算出する。
【0029】
前記モーターの種別に対応した開閉動作パラメータとして、例えば、図2に示すように、A1、A2、A3のような特性曲線を持つ開閉動作パラメータを設定するものとする。
具体的には、特性曲線A1は、小型のモーター22の場合を示し、内センサー24又は外センサー25からセンサー信号が自動ドア制御器21に入力すると、ドアが閉じた状態からt1時に開放速度Va1になり、その後一定速度で開放し、全開放位置に近づいたブレーキ位置Da1に至ると、速度Va2に減速し、完全開放位置の数cm手前から速度0に落としてドアが全開放する。
ドアが完全開放してから一定時間が経過すると、特性曲線A2をたどって元の全閉鎖位置に戻るという一連の開閉動作パラメータが記憶される。開放時の特性曲線A1と、閉鎖時の特性曲線A2は、互いに反転した状態でもよいが、速度Va1と速度Va3、速度Va2と速度Va4、ブレーキ位置Da1とDa2は、異なっていてもよい。
【0030】
特性曲線B1、B2は、中型のモーター22の場合の開閉動作パラメータを示し、特性曲線C1、C2は、低速運転のための大型のモーター22の場合の開閉動作パラメータを示しているが、これらの特性曲線は図示の例に限られるものではない。
【0031】
このような構成における自動ドア制御器21の開閉動作パラメータの設定について図3に基づき説明する。
図3において、電源を投入すると、自動ドア制御器21のCPU26が初期設定される。
コネクタ23にモーター22を接続すると、識別コード生成部32は、コネクタ23に接続されたモーター22の機種に対応した識別コードを生成し、この識別コードを識別コード読み取り部35で読み込み、読み込まれたモーター22の識別コードを自動ドア制御器21のCPU26に送る。このCPU26は、入力した識別コードに対応した開閉動作パラメータがメモリ28から選択設定され、CPU26を経てモータードライバー27に送られる。このモータードライバー27の出力で接続されたモーター22の機種に対応して、図2の特性曲線A1、A2、A3、…における、モーター22の加速割合、モーター22の減速割合、モーター22のブレーキ位置などのモーターの動作パラメータが設定されて駆動される。
【0032】
図2の特性曲線のモーター22の加速割合、モーター22の減速割合、モーター22のブレーキ位置以外に、ドアが障害物に接触するなどの過負荷判定閾値を設定する場合には、モーター電流測定部33で測定したモーター電流測定値とドア速度低下割合測定部34で測定したドア速度低下割合測定値に基づき設定された過負荷判定閾値をモーター22の機種に応じてメモリ28に記憶する。
モーター以外の開閉動作パラメータについても必要に応じて設定し、メモリ28に記憶する。このモーター以外の動作パラメータとは、例えば、室内空気の入れ替えのために、ドアを半開位置で開閉制御するときの自動換気動作パラメータ、ドアの自動開閉時に障害物に接触しドアモーターの電流値が過負荷を検知したときの過負荷検知パラメータなどがある。
【0033】
モーターの開閉動作パラメータ及びモーター以外の開閉動作パラメータについても設定した後、ドアの開閉動作を開始する。
コネクタ23にて自動ドア制御器21に接続されたモーター22の機種が小型であるものとすると、識別コード生成部32で識別コードが出力し、識別コード読み取り部35で読み込まれ、メモリ28における小型モーター用開閉動作パラメータとして図2の動作曲線A1が選択される。この動作曲線A1の開閉動作パラメータによりモーター22が制御される。
コネクタ23に接続されたモーター22が中型であれば、識別コード生成部32から中型の識別コードが出力し、動作曲線A2のパラメータによりモーター22が制御される。
同様に、コネクタ23に接続されたモーター22が大型であれば、識別コード生成部32から大型の識別コードが出力し、動作曲線A3のパラメータによりモーター22が制御される。
【符号の説明】
【0034】
1…自動ドア、2…ドア、3…モーター、4…駆動プーリ、5…従動プーリ、6…ベルト、7…ドアハンガー、8…制御ユニット、9…ホール素子、10…制御装置、11…取っ手、12…CPU、13…メモリ、14…走行抵抗測定部、15…位置検出部、20…開閉駆動部、21…自動ドア制御器、22…モーター、23…コネクタ、24…内センサー、25…外センサー、26…CPU、27…モータードライバー、28…メモリ、29…センサーインターフェイス、30…コネクタインターフェイス、31…ホールIC、32…識別コード生成部、33…モーター電流測定部、34…ドア速度低下割合測定部、35…識別コード読み取り部。
図1
図2
図3
図4
図5