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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-21
(45)【発行日】2024-01-04
(54)【発明の名称】衣服用ハンガー
(51)【国際特許分類】
   A47G 25/40 20060101AFI20231222BHJP
   F16B 21/04 20060101ALI20231222BHJP
【FI】
A47G25/40 A
F16B21/04 C
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023100751
(22)【出願日】2023-06-20
【審査請求日】2023-06-22
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519366237
【氏名又は名称】NatureArchitects株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】弁理士法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡 要平
【審査官】粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】実開昭53-044528(JP,U)
【文献】特開2006-008033(JP,A)
【文献】実開昭59-016540(JP,U)
【文献】特開2010-284482(JP,A)
【文献】登録実用新案第3217447(JP,U)
【文献】実開平07-030856(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 25/40
F16B 21/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状部を有する本体部と、前記本体部に繋がっている吊下部とを備え、前記本体部を折畳状態と展開状態とで切替可能な衣服用ハンガーであって、
前記本体部および前記吊下部は、一体成形されており、
前記環状部は、第1、第2剛体部と、前記第1、第2剛体部に繋がっている第1、第2連結部の互いの連結により構成され且つ前記第1、第2剛体部の相対回動の許容と規制とを切替可能なヒンジロック部と、前記第1、第2剛体部に対して前記ヒンジロック部とは反対側の少なくとも一部分であり且つ弾性変形可能な弾性部とを有し、
前記衣服用ハンガーは、前記本体部が前記展開状態のときに前記第1、第2剛体部の前記ヒンジロック部を介した相対回動の規制により前記本体部を前記展開状態で保持可能であると共に、前記第1、第2剛体部の前記ヒンジロック部を介した相対回動と前記弾性部の弾性変形とを伴って前記本体部を前記折畳状態と前記展開状態とで切替可能であり、
前記第1連結部は、突起部を有し、
前記第2連結部は、前記突起部の回動を許容する第1穴部と、前記第1穴部に繋がり且つ前記突起部の回動を規制する第2穴部とを有し、
前記第1、第2穴部は、前記本体部が前記折畳状態から前記展開状態に切り替えられるときに前記弾性部の弾性力によって前記第1,第2剛体部を介して前記ヒンジロック部に作用する力により前記突起部が前記第1穴部内から前記第2穴部内に移動するように形成されている、
衣服用ハンガー。
【請求項2】
環状部を有する本体部と、前記本体部に繋がっている吊下部とを備え、前記本体部を折畳状態と展開状態とで切替可能な衣服用ハンガーであって、
前記本体部および前記吊下部は、一体成形されており、
前記環状部は、第1、第2剛体部と、前記第1、第2剛体部に繋がっている第1、第2連結部の互いの連結により構成され且つ前記第1、第2剛体部の相対回動の許容と規制とを切替可能なヒンジロック部と、前記第1、第2剛体部に対して前記ヒンジロック部とは反対側の少なくとも一部分であり且つ弾性変形可能な弾性部とを有し、
前記衣服用ハンガーは、前記本体部が前記展開状態のときに前記第1、第2剛体部の前記ヒンジロック部を介した相対回動の規制により前記本体部を前記展開状態で保持可能であると共に、前記第1、第2剛体部の前記ヒンジロック部を介した相対回動と前記弾性部の弾性変形とを伴って前記本体部を前記折畳状態と前記展開状態とで切替可能であり、
前記第1連結部は、突起部を有し、
前記第2連結部は、前記突起部の回動を許容する第1穴部と、前記第1穴部に繋がり且つ前記突起部の回動を規制する第2穴部とを有し、
前記第1、第2穴部は、前記本体部が前記展開状態であるときに前記弾性部の弾性力によって前記第1,第2剛体部を介して前記ヒンジロック部に作用する力により前記突起部が前記第2穴部内で保持されるように形成されている、
衣服用ハンガー。
【請求項3】
環状部を有する本体部と、前記本体部に繋がっている吊下部とを備え、前記本体部を折畳状態と展開状態とで切替可能な衣服用ハンガーであって、
前記本体部および前記吊下部は、一体成形されており、
前記環状部は、第1、第2剛体部と、前記第1、第2剛体部に繋がっている第1、第2連結部の互いの連結により構成され且つ前記第1、第2剛体部の相対回動の許容と規制とを切替可能なヒンジロック部と、前記第1、第2剛体部に対して前記ヒンジロック部とは反対側の少なくとも一部分であり且つ弾性変形可能な弾性部とを有し、
前記衣服用ハンガーは、前記本体部が前記展開状態のときに前記第1、第2剛体部の前記ヒンジロック部を介した相対回動の規制により前記本体部を前記展開状態で保持可能であると共に、前記第1、第2剛体部の前記ヒンジロック部を介した相対回動と前記弾性部の弾性変形とを伴って前記本体部を前記折畳状態と前記展開状態とで切替可能であり、
前記第1連結部は、突起部を有し、
前記第2連結部は、前記突起部の回動を許容する第1穴部と、前記第1穴部に繋がり且つ前記突起部の回動を規制する第2穴部とを有し、
前記第1、第2穴部は、前記本体部が前記展開状態であり且つ前記本体部に衣服が掛けられたときに、前記衣服から前記本体部に作用する力により前記突起部が前記第2穴部内で保持されるように形成されている、
衣服用ハンガー。
【請求項4】
環状部を有する本体部と、前記本体部に繋がっている吊下部とを備え、前記本体部を折畳状態と展開状態とで切替可能な衣服用ハンガーであって、
前記本体部および前記吊下部は、一体成形されており、
前記環状部は、第1、第2剛体部と、前記第1、第2剛体部に繋がっている第1、第2連結部の互いの連結により構成され且つ前記第1、第2剛体部の相対回動の許容と規制とを切替可能なヒンジロック部と、前記第1、第2剛体部に対して前記ヒンジロック部とは反対側の少なくとも一部分であり且つ弾性変形可能な弾性部とを有し、
前記衣服用ハンガーは、前記本体部が前記展開状態のときに前記第1、第2剛体部の前記ヒンジロック部を介した相対回動の規制により前記本体部を前記展開状態で保持可能であると共に、前記第1、第2剛体部の前記ヒンジロック部を介した相対回動と前記弾性部の弾性変形とを伴って前記本体部を前記折畳状態と前記展開状態とで切替可能であり、
前記第1連結部は、突起部を有し、
前記第2連結部は、前記突起部の回動を許容する第1穴部と、前記第1穴部に繋がり且つ前記突起部の回動を規制する第2穴部とを有し、
前記ヒンジロック部は、前記本体部が前記展開状態であるときに、前記突起部が前記第2穴部内から前記第1穴部内に移動させられることにより、前記本体部を前記折畳状態に切替可能とする、
衣服用ハンガー。
【請求項5】
請求項1ないし4のうちの何れか1つの請求項に記載の衣服用ハンガーであって、
前記本体部は、繋がり部を介して互いに繋がっている左肩支持部および右肩支持部と、前記左肩支持部の第1部位に繋がっている第1連絡部と、前記右肩支持部の第2部位に繋がっていると共に前記第1連絡部と連結される第2連絡部とを有し、
前記吊下部は、前記繋がり部に繋がっており、
前記第1、第2連絡部の一方は、前記第1剛体部および前記第1連結部を有し、
前記第1、第2連絡部の他方は、前記第2剛体部および前記第2連結部を有し、
前記左肩支持部および前記右肩支持部は、前記弾性部を有し、
前記本体部は、前記展開状態において、三角形状または四角形状である、
衣服用ハンガー。
【請求項6】
請求項1ないし4のうちの何れか1つの請求項に記載の衣服用ハンガーであって、
前記本体部は、互いに連結される左肩支持部および右肩支持部と、前記左肩支持部の第1部位と前記右肩支持部の第2部位とに繋がっている連絡部とを有し、
前記左肩支持部および前記右肩支持部の一方の少なくとも一部は、前記第1剛体部および前記第1連結部を有し、
前記左肩支持部および前記右肩支持部の他方の少なくとも一部は、前記第2剛体部および前記第2連結部を有し、
前記連絡部は、前記弾性部を有し、
前記本体部は、前記展開状態において、三角形状であり、
前記吊下部は、前記第1、第2連結部の一方に繋がっている、
衣服用ハンガー。
【請求項7】
請求項1ないし4のうちの何れか1つの請求項に記載の衣服用ハンガーであって、
前記本体部を前記折畳状態で保持可能な保持部を更に備える、
衣服用ハンガー。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、衣服用ハンガーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、衣服の肩部を支持する左肩支持棒および右肩支持棒から構成される肩支持棒と、肩支持棒の中央部に設けられた吊着具と、肩支持棒の外側端部同士を連結する左下部連結棒および右下部連結棒から構成される下部連結棒と、を備える衣服用ハンガーが提案されている(特許文献1参照)。この衣服用ハンガーでは、左肩支持棒および右肩支持棒は、上側に凸の上部連結部に連結され、左下部連結棒および右下連結棒は、下部連結部に連結され、左下部連結棒および右下部連結棒の外側端部は、それぞれ外側に凸の左側連結部および右側連結部を介して左肩支持棒および右肩支持棒に連結されている。そして、上部連結部、下部連結部、左側連結部、側連結部は、弾性体であり、左肩支持棒および右肩支持棒が互いに接近するように押圧されることにより、左下部連結棒および右下部連結棒も接近して折畳まれ、押圧解除により左肩支持棒、右肩支持棒、左下部連結棒、右下部連結棒が元の位置に復する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実用新案登録第3174738号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の衣服用ハンガーでは、掛けられる衣服に対する耐荷重が、上部連結部、下部連結部、左側連結部、側連結部の曲げ剛性に依存している。このため、ある程度重い服が掛けられると、折り畳まれてしまう場合がある。
【0005】
本開示の衣服用ハンガーは、服が掛けられたときに展開状態から折畳状態に切り替わるのを抑制することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の衣服用ハンガーは、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本開示の衣服用ハンガーは、
環状部を有する本体部と、前記本体部に繋がっている吊下部とを備え、前記本体部を折畳状態と展開状態とで切替可能な衣服用ハンガーであって、
前記本体部および前記吊下部は、一体成形されており、
前記環状部は、第1、第2剛体部と、前記第1、第2剛体部に繋がっている第1、第2連結部の互いの連結により構成され且つ前記第1、第2剛体部の相対回動の許容と規制とを切替可能なヒンジロック部と、前記第1、第2剛体部に対して前記ヒンジロック部とは反対側の少なくとも一部分であり且つ弾性変形可能な弾性部とを有し、
前記衣服用ハンガーは、前記本体部が前記展開状態のときに前記第1、第2剛体部の前記ヒンジロック部を介した相対回動の規制により前記本体部を前記展開状態で保持可能であると共に、前記第1、第2剛体部の前記ヒンジロック部を介した相対回動と前記弾性部の弾性変形とを伴って前記本体部を前記折畳状態と前記展開状態とで切替可能である、
ことを要旨とする。
【0008】
本開示の衣服用ハンガーでは、本体部が展開状態のときに、第1、第2剛体部のヒンジロック部を介した相対回動の規制により、本体部を展開状態で保持することができる。これにより、本体部に衣服が掛けられたときに展開状態から折畳状態に切り替わるのを抑制することができる。また、第1、第2剛体部のヒンジロック部を介した相対回動と弾性部の弾性変形とを伴って、本体部を折畳状態と展開状態とで切り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態の衣服用ハンガーの正面図である。
図2】第1実施形態の衣服用ハンガーの正面図である。
図3】第1実施形態の衣服用ハンガーの正面図である。
図4図1の衣服用ハンガーを右前方から見た斜視図である。
図5図1の衣服用ハンガーを左後方から見た斜視図である。
図6】本体部が折畳状態から展開状態に切り替わるときのヒンジロック部周辺の様子を示す説明図である。
図7】変形例の衣服用ハンガーの正面図である。
図8】変形例の衣服用ハンガーの正面図である。
図9】変形例の衣服用ハンガーの正面図である。
図10】第2実施形態の衣服用ハンガーの正面図である。
図11】第2実施形態の衣服用ハンガーの正面図である。
図12】第2実施形態の衣服用ハンガーの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[第1実施形態]
本開示の第1実施形態について図面を参照しながら説明する。図1図3は、第1実施形態の衣服用ハンガー10の正面図である。図4は、図1の衣服用ハンガー10を右下前方から見た斜視図である。図5は、図1の衣服用ハンガー10を左下後方から見た斜視図である。図1は、衣服用ハンガー10の成形時(組立前)の状態であり、図2は、衣服用ハンガー10の組立後かつ本体部12が折畳状態であり、図3は、衣服用ハンガー10の組立後かつ本体部12が展開状態である。
【0011】
第1実施形態の衣服用ハンガー10は、一体成形品であり、例えば、樹脂材料の射出成形、ブロー成形、押出し成形、3D印刷などにより一体成形される(図1参照)。図1図5に示すように、衣服用ハンガー10は、本体部12およびフック部90(吊下部)を備える。本体部12は、左肩支持部20(弾性部)と右肩支持部30(弾性部)と第1、第2連絡部40,60とを備える。
【0012】
左肩支持部20および右肩支持部30は、繋ぎ部14を介して互いに繋がっており、繋ぎ部14には、フック部90も繋がっている。左肩支持部20および右肩支持部30は、第1、第2連絡部40,60の第1、第2剛体部42,62に比して低剛性(低強度)に形成されており、上下左右方向に延在する平面に沿って弾性変形可能となっている。なお、左肩支持部20および右肩支持部30は、その少なくとも一部が弾性変形可能であればよいが、その全体が弾性変形可能に構成されているのがより好ましい。左肩支持部20および右肩支持部20のうちの一部だけを弾性変形可能に構成する場合、その部分の肉厚を他の部分に比べて薄くする必要があり、射出成形等による作製の難易度が高まる可能性がある。これに対して、左肩支持部20および右肩支持部20の全体を弾性変形可能に構成することにより、こうした懸念を無くすことができる。繋ぎ部14の剛性は、左肩支持部20および右肩支持部30と同程度であってもよいし、異なっていてもよい。
【0013】
第1、第2連絡部40,60は、第1、第2剛体部42,62と第1、第2連結部44,64と爪部52,72と被係止部54,74とを有する。第1剛体部42は、左肩支持部20の繋ぎ部14とは反対側の端部(第1部位)に繋がっている。第2剛体部62は、右肩支持部30の繋ぎ部14とは反対側の端部(第2部位)に繋がっている。第1、第2剛体部42,62を前後上下方向に延在する平面でそれぞれ切断したときの断面は、何れもT字状に形成されている。これにより、第1、第2剛体部42,62は、左肩支持部20および右肩支持部30に比して高剛性(高強度)に形成されている。なお、この断面は、T字状に限定されるものではなく、十字状などであってもよい。
【0014】
第1連結部44は、第1剛体部42の左肩支持部20側とは反対側の端部に繋がっている。第1連結部44は、平板部45と突起部46とを有する。平板部45は、前後方向に一定の厚みで第1剛体部42の延在方向に沿って延在する平板状に形成されている。突起部46は、平板部45から前方に延在するように形成されている。突起部46の前後方向における中央部を上下左右方向に延在する平面で切断したときの断面は、半径R1の円形状から一対の弓形状を切り欠いた形状に形成されている。具体的には、この断面は、半径R1の一対の円弧と、半径R1の2倍よりも短い距離L1の間隔をおいて互いに並行な一対の直線(弓形状の弦の部分)と、を外形とする形状に形成されている。以下、突起部46のこの部分を所定外形部47という。突起部46の先端部(前端部)には、半径R1の2倍よりも短い距離L2(例えば、距離L1と同一)の幅かつ前後方向に一定の厚みで、第1剛体部42の延在方向(図2の上下方向)および突起部46の延在方向(図2の前後方向)に直交する方向(図2の左右方向)のうち衣服用ハンガー10の組立後かつ本体部12の折畳状態(図2参照)における第2連結部64側(図2の左側)に延在する矩形平板状の凸部48が形成されている。
【0015】
第2連結部64は、第2剛体部62の右肩支持部30側とは反対側の端部に繋がっている。第2連結部64は、平板部65と第1、第2穴部66,67と突起部68とを有する。平板部65は、前後方向に一定の厚みで第2剛体部62の延在方向に沿って延在する平板状に形成されている。第1穴部66は、半径R1よりも僅かに大きい半径R2の円形状に形成されている。第2穴部67は、第1穴部66から、半径R1の2倍よりも短くかつ距離L1,L2よりも僅かに長い距離L3の幅で、第2剛体部62側(図2の下側)に延在するように形成されている。突起部68は、平板部65の第1穴部66よりも先端側から前方に延在するように形成されている。
【0016】
突起部46の所定外形部47が第1穴部66内に位置するときには、所定外形部47は、第1穴部66内で回動可能となり、第1、第2剛体部42,62の相対回動が許容される。また、所定外形部47が第2穴部67内に位置するときには、所定外形部47は、第2穴部67内で回動が規制され且つ第2穴部67の延在方向に沿って移動可能となり、第1、第2剛体部42,62の相対回動が規制される。したがって、第1、第2連結部44,64の互いの連結により、具体的には、所定外形部47が第1穴部66内または第2穴部67内に位置することにより、第1、第2剛体部42,62の相対回動の許容と規制とを切替可能なヒンジロック部82が構成される。そして、右肩支持部30(弾性部)と繋ぎ部14と左肩支持部20(弾性部)と第1剛体部42とヒンジロック部82(第1、第2連結部44,64、具体的には、所定外形部47および第1、第2穴部66,67)と第2剛体部62とにより、環状(一繋がり)の環状部80が構成される。
【0017】
爪部52および被係止部54は、第1剛体部42に形成されており、爪部72および被係止部74は、第2剛体部62に形成されている。また、爪部52および被係止部74は、衣服用ハンガー10の組立後かつ本体部12の折畳状態において互いに整合する位置に形成されており、爪部72および被係止部54は、衣服用ハンガー10の組立後かつ本体部12の折畳状態において互いに整合する位置に形成されている。爪部52,72は、被係止部74,54に引っ掛かり可能な形状に形成されており、被係止部74,54は、爪部52,72が引っ掛かって係止可能な形状に形成されている。第1、第2連結部44,64が互いに連結されている状態で、爪部52,72がそれぞれ被係止部74,54に係止されることにより、衣服用ハンガー10の本体部12は、折畳状態(図2参照)で保持される。即ち、爪部52,72および被係止部74,54により、本体部12を折畳状態で保持可能な保持部84が構成される。
【0018】
衣服用ハンガー10は、一体成形により、成形時(組立前)の状態(図1参照)となる。衣服用ハンガー10を本体部12の折畳状態(図2参照)に類する形状で一体成形することにより、本体部12の展開状態(図3参照)に類する形状で一体成形する場合に比して、衣服用ハンガー10の成形時の左右方向の長さが短くなるから、成型型の小型化や歩留まりの向上を図ることが可能となる。
【0019】
続いて、作業者等により、突起部46の所定外形部47および凸部48と第1、第2穴部66,67とが整合させられ(突起部46が図1の状態から反時計回りに90度回転させられると共に図1の左側に移動させられ)、突起部46が第1、第2穴部66,67内に進入させられ、所定外形部47が第1穴部66内に位置すると、第1、第2連結部44,64が連結される。そして、本体部12の変形が許容されると、第1、第2剛体部42,62のヒンジロック部82(第1、第2連結部44,64)を介した相対回動と左肩支持部20および右肩支持部30の弾性変形とを伴って、本体部12が、成形時の状態に近い折畳状態(図2参照)となる。さらに、爪部52,72がそれぞれ被係止部74,54に係止させられると、即ち、保持部84が機能を果たすと、本体部12が折畳状態で保持される。本体部12を展開状態で保持すると、弾性変形した支持部20,30に生じるクリープにより、折畳状態に戻したときに初期の折畳位置に戻らない場合が生じ得る。これに対して、保持部84を用いることにより、仮に左肩支持部20および右肩支持部30にクリープが生じた場合であっても、折畳状態に保持することが可能となる。
【0020】
その後に、作業者等により、爪部52,72がそれぞれ被係止部74,54から離脱させられ、第1、第2剛体部42,62が互いに離間するような力(本体部12を展開状態にするための力)が加えられると、第1、第2剛体部42,62のヒンジロック部82(第1、第2連結部44,64)を介した相対回動と左肩支持部20および右肩支持部30の弾性変形とを伴って、本体部12が展開状態(図3参照)に切り替わる。本体部12が展開状態のときにおいて、第1剛体部42の延在方向と第2剛体部62の延在方向とが略同一となることにより、本体部12は、全体として三角形状となる。なお、左肩支持部20および右肩支持部30は、本体部12が展開状態のときに、直線状となるように形成されてもよいし、曲線状となるように形成されてもよい。
【0021】
図6は、本体部12が折畳状態から展開状態に切り替わるときのヒンジロック部82周辺の様子を示す説明図である。図示するように、本体部12が折畳状態から展開状態に切り替わるときには、左肩支持部20および右肩支持部30の弾性変形に伴って生じる弾性力により、第1、第2剛体部42,62を介してヒンジロック部82(第1、第2連結部44,64)に、第1、第2剛体部42,62が互いに押し合う向きの力(軸力)が発生し、突起部46の所定外形部47が第1穴部66内から第2穴部67内に移動する。これにより、第1、第2剛体部42,62のヒンジロック部82を介した相対回動が規制され、本体部12が展開状態となる。
【0022】
本体部12が展開状態のときには、左肩支持部20および右肩支持部30の弾性力により、第1、第2剛体部42,62を介してヒンジロック部82(第1、第2連結部44,64)に、第1、第2剛体部42,62が互いに押し合う向きの力(軸力)が発生し、突起部46の所定外形部47が第2穴部67内で保持される。これにより、本体部12が展開状態で保持される。また、本体部12が展開状態のときに、本体部12に衣服が掛けられると、衣服から左肩支持部20および右肩支持部30に作用する力(重力)に起因して、左肩支持部20および右肩支持部30の弾性力によって、第1、第2剛体部42,62を介してヒンジロック部82に、第1、第2剛体部42,62が互いに押し合う向きの力(軸力)がより大きく発生し、所定外形部47が第2穴部67内で保持される。これにより、本体部12が展開状態で保持される。即ち、本体部12に衣服が掛けられたときに、本体部12が展開状態から折畳状態に切り替わるのを抑制することができる。
【0023】
本体部12が展開状態のときに、作業者等により、第1連絡部40の突起部46と第2連絡部60の突起部68とが接近させられ、突起部46の所定外形部47が第2穴部67内から第1穴部66内に移動させられると、所定外形部47が第1穴部66内で回動可能となることにより、第1、第2剛体部42,62のヒンジロック部82を介した相対回動が許容され、本体部12が展開状態から折畳状態に切り替わるのが可能となる。
【0024】
なお、本体部12が折畳状態や展開状態のとき、折畳状態と展開状態とで切り替わるとき(突起部46の所定外形部47が第1穴部66内で回動するとき)に、所定外形部47および凸部48と第1、第2穴部66,67とが整合しないようになっている。これにより、突起部46が第1、第2穴部66,67内から離脱する、即ち、第1、第2連結部44,64の連結が解除されるのが抑制される。
【0025】
以上説明した第1実施形態の衣服用ハンガー10では、本体部12において、第1、第2連絡部40,60の第1、第2連結部44,64の互いの連結により、第1、第2連絡部40,60の第1、第2剛体部42,62の相対回動の許容と規制とを切替可能なヒンジロック部82が構成される。そして、右肩支持部30(弾性部)と繋ぎ部14と左肩支持部20(弾性部)と第1剛体部42とヒンジロック部82(第1、第2連結部44,64)と第2剛体部62とにより、環状部80が構成される。したがって、衣服用ハンガー10では、本体部12が展開状態のときに、第1、第2剛体部42,62のヒンジロック部82を介した相対回動の規制により、本体部12を展開状態で保持することができる。これにより、本体部12に衣服が掛けられたときに、本体部12が展開状態から折畳状態に切り替わるのを抑制することができる。また、衣服用ハンガー10では、第1、第2剛体部42,62のヒンジロック部82(第1、第2連結部44,64)を介した相対回動と左肩支持部20および右肩支持部30の弾性変形とを伴って、本体部12を折畳状態と展開状態とで切り替えることができる。
【0026】
上述した第1実施形態では、衣服用ハンガー10は、本体部12が展開状態のときに、第1剛体部42の延在方向と第2剛体部62の延在方向とが同一となることにより、本体部12が全体として三角形状となるものとした。しかし、図7の変形例の衣服用ハンガー110に示すように、本体部12が展開状態のときに、第1、第2剛体部42,62が左肩支持部20、右肩支持部30側から第1、第2連結部44,64側に向かうにつれて斜め上方に延在することにより、本体部12が全体として四角形状となるものとしてもよい。また、図8の変形例の衣服用ハンガー210に示すように、本体部12が展開状態のときに、第1、第2剛体部42,62が左肩支持部20、右肩支持部30側から第1、第2連結部44,64側に向かうにつれて斜め下方に延在することにより、本体部12が全体として四角形状となるものとしてもよい。なお、図7および図8は、本体部12が折畳状態から展開状態に切り替わる際における、第1連結部44の突起部46の所定外形部47が第2連結部64の第1穴部66内から第2穴部67内に移動する直前の様子を示す。
【0027】
上述した第1実施形態では、衣服用ハンガー10は、第1、第2剛体部42,62がそれぞれ左肩支持部20、右肩支持部30の繋ぎ部14とは反対側の端部に繋がっており、右肩支持部30と繋ぎ部14と左肩支持部20と第1剛体部42とヒンジロック部82(第1、第2連結部44,64)と第2剛体部62とにより、環状部80が構成されるものとした。しかし、図9の変形例の衣服用ハンガー310に示すように、第1、第2剛体部42,62がそれぞれ左肩支持部20、右肩支持部30の中間部位20a,30aに繋がっているものとしてもよい。この場合、左肩支持部20、右肩支持部30のうち中間部位20a,30aよりも繋ぎ部14から遠い側の部分である離間部分21,31は、環状部80に含まれない。離間部分21,31の剛性は、左肩支持部20、右肩支持部30の繋ぎ部14側の端部から中間部位20a,30aまでの部分と同程度であってもよいし、異なっていてもよい。
【0028】
上述した第1実施形態では、衣服用ハンガー10は、左肩支持部20に繋がっている第1連絡部40が、第1剛体部42と突起部46を有する第1連結部44とを備えると共に、右肩支持部30に繋がっている第2連絡部60が、第2剛体部62と第1、第2穴部66,67を有する第2連結部64とを備えるものとした。しかし、第1連絡部40が、第2剛体部62および第2連結部64を備えると共に、第2連絡部60が、第1剛体部42および第1連結部44を備えるものとしてもよい。
【0029】
上述した第1実施形態では、衣服用ハンガー10は、第1、第2連絡部40,60の爪部52,72および被係止部74,54により、本体部12を折畳状態で保持可能な保持部84が構成されるものとした。しかし、衣服用ハンガー10は、こうした保持部を備えないものとしてもよい。
【0030】
[第2実施形態]
本開示の第2実施形態について説明する。図10図12は、第2実施形態の衣服用ハンガー510の正面図である。図10は、衣服用ハンガー510の成形時の状態であり、図11は、衣服用ハンガー510の組立後かつ本体部512が折畳状態であり、図12は、衣服用ハンガー510の組立後かつ本体部512が展開状態である。
【0031】
第2実施形態の衣服用ハンガー510は、第1実施形態の衣服用ハンガー10と同様の方法により一体成形された一体成形品である。図10図12に示すように、衣服用ハンガー510は、本体部512およびフック部590(吊下部)を備える。本体部512は、左肩支持部520と右肩支持部530と連絡部540(弾性部)とを備える。
【0032】
連絡部540は、左肩支持部520の第1剛体部522の第1連結部524とは反対側の端部(第1部位)と、右肩支持部530の第2剛体部532の第2連結部534とは反対側の端部(第2部位)と、に繋がっている。連絡部540は、第1、第2剛体部522,532に比して低剛性(低強度)に形成されており、上下左右方向に延在する平面に沿って弾性変形可能となっている。
【0033】
左肩支持部520、右肩支持部530は、第1、第2剛体部522,532と第1、第2連結部524,534とを有する。第1、第2剛体部522,532は、連絡部540の一端、他端に繋がっている。第1、第2剛体部522,532を前後上下方向に延在する平面でそれぞれ切断したときの断面は、何れもT字状に形成されている。これにより、第1、第2剛体部522,532は、連絡部540に比して高剛性(高強度)に形成されている。なお、この断面は、T字状に限定されるものではなく、十字状などであってもよい。
【0034】
第1連結部524は、第1実施形態の衣服用ハンガー10の第1連結部44が平板部45と突起部46(所定外形部47および凸部48)とを有するのと同様に、平板部525と突起部526(所定外形部527および凸部528(何れも図10図12中で符号省略))とを有する。平板部525と突起部526の所定外形部527とは、平板部45と突起部46の所定外形部47とそれぞれ同様の形状に形成されている。凸部528は、突起部526の先端部(前端部)から、凸部48が突起部46の先端部から延在する側とは略反対側に延在している点を除いて、凸部48と同様の形状に形成されている。即ち、凸部48は、突起部46の先端部から第2連結部64に接近する側に延在しているのに対し、凸部528は、突起部526の先端部から、第2連結部534から離間する側に延在している。
【0035】
第2連結部534は、第1実施形態の衣服用ハンガー10の第2連結部64が平板部65および第1、第2穴部66,67を有するのと同様に、平板部535および第1、第2穴部536,537を有する。平板部535および第1、第2穴部536,537は、第1、第2穴部536,537の互いの位置関係が第1、第2穴部66,67の互いの位置関係とは逆になっている点を除いて、平板部65および第1、第2穴部66,67と同様の形状に形成されている。即ち、第1、第2穴部66,67は、第2剛体部62側から第2、第1穴部67,66の順になっているのに対し、第1、第2穴部536,537は、第2剛体部532側から第1、第2穴部536,537の順になっている。平板部535には、フック部590が繋がっている。
【0036】
これにより、突起部526の所定外形部527が第1穴部536内に位置するときには、所定外形部527は、第1穴部536内で回動可能となり、第1、第2剛体部522,532の相対回動が許容される。また、所定外形部527が第2穴部67内に位置するときには、所定外形部527は、第2穴部537内で回動が規制され且つ第2穴部537の延在方向に沿って移動可能となり、第1、第2剛体部522,532の相対回動が規制される。即ち、第1、第2連結部524,534の互いの連結により、具体的には、所定外形部527が第1穴部536内または第2穴部537内に位置することにより、第1、第2剛体部522,532の相対回動の許容と規制とを切替可能なヒンジロック部582が構成される。そして、左肩支持部520とヒンジロック部582(第1、第2連結部524,534)と右肩支持部530と連絡部540(弾性部)とにより、環状部580が構成される。
【0037】
衣服用ハンガー510は、一体成形により、成形時(組立前)の状態(図10参照)となる。衣服用ハンガー510を本体部512の折畳状態(図11参照)に類する形状で一体成形することにより、本体部512の展開状態(図12参照)に類する形状で一体成形する場合に比して、衣服用ハンガー510の成形時の左右方向の長さが短くなるから、成型型の小型化や歩留まりの向上を図ることが可能となる。
【0038】
続いて、作業者等により、突起部526の所定外形部527および凸部528と第1、第2穴部536,537とが整合させられ(突起部526が図10の状態から反時計回りに45度程度回転させられると共に図10の左側に移動させられ)、突起部526が第1,第2穴部536,537内に進入させられ、所定外形部527が第1穴部536内に位置すると、第1、第2連結部524,534が連結される。そして、本体部512の変形が許容されると、第1、第2剛体部522,532のヒンジロック部582(第1、第2連結部524,534)を介した相対回動と連絡部540の弾性変形とを伴って、本体部512が成形時の状態に近い折畳状態(図11参照)となる。
【0039】
その後に、作業者等により、第1、第2剛体部522,532が互いに離間するような力(本体部512を展開状態にするための力)が加えられると、第1、第2剛体部522,532のヒンジロック部582(第1、第2連結部524,534)を介した相対回動と連絡部540の弾性変形とを伴って、本体部512が展開状態(図12参照)に切り替わる。本体部512が折畳状態から展開状態に切り替わるときには、連絡部540の弾性変形に伴って生じる弾性力により、第1、第2剛体部522,532を介してヒンジロック部582(第1、第2連結部524,534)に、第1、第2剛体部522,532が互いに引っ張り合う向きの力が発生し、突起部526が第1穴部536内から第2穴部537内に移動する。これにより、第1、第2剛体部522,532のヒンジロック部582を介した相対回動が規制され、本体部12が展開状態となる。本体部512の展開状態において、本体部512は、全体として三角形状となる。なお、左肩支持部520、右肩支持部530、連絡部540は、それぞれ、直線状であってもよいし、曲線状であってもよい。
【0040】
本体部512が展開状態のときには、連絡部540の弾性力により、第1、第2剛体部522,532を介してヒンジロック部582(第1、第2連結部524,534)に、第1、第2剛体部522,532が互いに引っ張り合う向きの力(軸力)が発生し、突起部526が第2穴部537内で保持される。これにより、本体部512が展開状態で保持される。また、本体部512が展開状態のときに、本体部512に衣服が掛けられると、衣服から左肩支持部520(第1剛体部522)および右肩支持部530(第2剛体部532)に作用する力(重力)により、ヒンジロック部82に、第1、第2剛体部42,62が互いに引っ張り合う向きの力が発生し、突起部526が第2穴部537内で保持される。これにより、本体部512が展開状態で保持される。即ち、本体部512に衣服が掛けられたときに、本体部512が展開状態から折畳状態に切り替わるのを抑制することができる。
【0041】
本体部512が展開状態のときに、作業者等により、突起部526の所定外形部527が第2穴部537内から第1穴部536内に移動させられると、所定外形部527が第1穴部536内で回動可能となることにより、第1、第2剛体部522,532のヒンジロック部582を介した相対回動が許容され、本体部512が展開状態から折畳状態に切り替わるのが可能となる。
【0042】
なお、本体部512が折畳状態や展開状態のとき、折畳状態と展開状態とで切り替わるとき(突起部526の所定外形部527が第1穴部536内で回動するとき)に、所定外形部527および凸部528と第1、第2穴部536,537とが整合しないようになっている。これにより、突起部526が第1、第2穴部536,537内から離脱する、即ち、第1、第2連結部524,534の連結が解除されるのが抑制される。
【0043】
以上説明した第2実施形態の衣服用ハンガー510では、本体部512において、左肩支持部520および右肩支持部530の第1、第2連結部524,534の互いの連結により、左肩支持部520および右肩支持部530の第1、第2剛体部522,532の相対回動の許容と規制とを切替可能なヒンジロック部582が構成される。そして、左肩支持部520とヒンジロック部582(第1、第2連結部524,534)と右肩支持部530と連絡部540(弾性部)とにより、環状部580が構成される。したがって、衣服用ハンガー510では、本体部512が展開状態のときに、第1、第2剛体部522,532のヒンジロック部582を介した相対回動の規制により、本体部512を展開状態で保持することができる。これにより、本体部512に衣服が掛けられたときに、本体部512が展開状態から折畳状態に切り替わるのを抑制することができる。また、衣服用ハンガー510では、第1、第2剛体部522,532のヒンジロック部582(第1、第2連結部524,534)を介した相対回動と連絡部540の弾性変形とを伴って、本体部512を折畳状態と展開状態とで切り替えることができる。
【0044】
上述した第2実施形態では、衣服用ハンガー510は、連絡部540が左肩支持部520、右肩支持部530の端部に繋がっており、左肩支持部520とヒンジロック部582(第1、第2連結部524,534)と右肩支持部530と連絡部540(弾性部)とにより、環状部580が構成されるものとした。しかし、左肩支持部520および右肩支持部530は、連絡部との繋ぎ部位よりも外側にも延在しているものとしてもよい。この場合、左肩支持部20、右肩支持部30のうち連絡部との繋ぎ部位よりもヒンジロック部582から遠い側の部分である離間部分は、環状部に含まれない。離間部分の剛性は、第1、第2剛体部522,532と同程度であってもよいし、異なっていてもよい。
【0045】
上述した第2実施形態では、衣服用ハンガー510は、左肩支持部520が、第1剛体部522と突起部526を有する第1連結部524とを備えると共に、右肩支持部530が、第2剛体部532と第1、第2穴部536.537を有する第2連結部534とを備えるものとした。しかし、左肩支持部520が、第2剛体部532および第2連結部534を備えると共に、右肩支持部530が、第1剛体部522および第1連結部524を備えるものとしてもよい。
【0046】
上述した第2実施形態では、衣服用ハンガー510のフック部590は、第2連結部534に繋がっているものとした。しかし、フック部590は、第1連結部524に繋がっているものとしてもよい。
【0047】
上述した第2実施形態では、衣服用ハンガー510は、第1実施形態の衣服用ハンガー10の保持部84に相当する構成を備えていないものとした。しかし、衣服用ハンガー510は、保持部84に相当する構成を備えるものとしてもよい。
【0048】
上述した第1、第2実施形態では、衣服用ハンガー10,510などのフック部90,590は、変形させることなく(成形時の形状で)バーなどに吊り下げる(引っ掛ける)ことが可能であるものとした。しかし、フック部90,590は、弾性変形をさせることによりバーなどに吊り下げることが可能であるものとしてもよい。
【0049】
実施形態の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。第1実施形態では、環状部80が「環状部」に相当し、本体部12が「本体部」に相当し、フック部90が「吊下部」に相当し、第1、第2剛体部42,62が「第1、第2剛体部」に相当し、第1、第2連結部44,64が「第1、第2連結部」に相当し、ヒンジロック部82が「ヒンジロック部」に相当し、左肩支持部20および右肩支持部30が「弾性部」に相当する。第2実施形態では、環状部580が「環状部」に相当し、本体部512が「本体部」に相当し、フック部590が「吊下部」に相当し、第1、第2剛体部522,532が「第1、第2剛体部」に相当し、第1、第2連結部524,534が「第1、第2連結部」に相当し、ヒンジロック部582が「ヒンジロック部」に相当し、連絡部540が「弾性部」に相当する。
【0050】
なお、実施形態の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施形態が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施形態は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
【0051】
以上、本開示を実施するための実施形態について説明したが、本開示はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【0052】
[付記]
[1]本開示の衣服用ハンガーは、環状部を有する本体部と、前記本体部に繋がっている吊下部とを備え、前記本体部を折畳状態と展開状態とで切替可能な衣服用ハンガーであって、前記本体部および前記吊下部は、一体成形されており、前記環状部は、第1、第2剛体部と、前記第1、第2剛体部に繋がっている第1、第2連結部の互いの連結により構成され且つ前記第1、第2剛体部の相対回動の許容と規制とを切替可能なヒンジロック部と、前記第1、第2剛体部に対して前記ヒンジロック部とは反対側の少なくとも一部分であり且つ弾性変形可能な弾性部とを有し、前記衣服用ハンガーは、前記本体部が前記展開状態のときに前記第1、第2剛体部の前記ヒンジロック部を介した相対回動の規制により前記本体部を前記展開状態で保持可能であると共に、前記第1、第2剛体部の前記ヒンジロック部を介した相対回動と前記弾性部の弾性変形とを伴って前記本体部を前記折畳状態と前記展開状態とで切替可能であることを要旨とする。
【0053】
本開示の衣服用ハンガーでは、本体部が展開状態のときに、第1、第2剛体部のヒンジロック部を介した相対回動の規制により、本体部を展開状態で保持することができる。これにより、本体部に衣服が掛けられたときに展開状態から折畳状態に切り替わるのを抑制することができる。また、第1、第2剛体部のヒンジロック部を介した相対回動と弾性部の弾性変形とを伴って、本体部を折畳状態と展開状態とで切り替えることができる。
【0054】
[2]本開示の衣服用ハンガー(上述の[1]に記載の衣服用ハンガー)において、前記第1連結部は、突起部を有し、前記第2連結部は、前記突起部の回動を許容する第1穴部と、前記第1穴部に繋がり且つ前記突起部の回動を規制する第2穴部とを有するものとしてもよい。
【0055】
[3]本開示の衣服用ハンガー(上述の[2]に記載の衣服用ハンガー)において、前記第1、第2穴部は、前記本体部が前記折畳状態から前記展開状態に切り替えられるときに前記弾性部の弾性力によって前記第1,第2剛体部を介して前記ヒンジロック部に作用する力により前記突起部が前記第1穴部内から前記第2穴部内に移動するように形成されているものとしてもよい。
【0056】
[4]本開示の衣服用ハンガー(上述の[2]または[3]に記載の衣服用ハンガー)において、前記第1、第2穴部は、前記本体部が前記展開状態であるときに前記弾性部の弾性力によって前記第1,第2剛体部を介して前記ヒンジロック部に作用する力により前記突起部が前記第2穴部内で保持されるように形成されているものとしてもよい。
【0057】
[5]本開示の衣服用ハンガー(上述の[2]ないし[4]の何れかに記載の衣服用ハンガー)において、前記第1、第2穴部は、前記本体部が前記展開状態であり且つ前記本体部に衣服が掛けられたときに、前記衣服から前記本体部に作用する力により前記突起部が前記第2穴部内で保持されるように形成されているものとしてもよい。
【0058】
[6]本開示の衣服用ハンガー(上述の[2]ないし[5]の何れかに記載の衣服用ハンガー)のにおいて、前記ヒンジロック部は、前記本体部が前記展開状態であるときに、前記突起部が前記第2穴部内から前記第1穴部内に移動させられることにより、前記本体部を前記折畳状態に切替可能とするものとしてもよい。
【0059】
[7]本開示の衣服用ハンガー(上述の[1]ないし[6]の何れかに記載の衣服用ハンガー)において、前記本体部は、繋がり部を介して互いに繋がっている左肩支持部および右肩支持部と、前記左肩支持部の第1部位に繋がっている第1連絡部と、前記右肩支持部の第2部位に繋がっていると共に前記第1連絡部と連結される第2連絡部とを有し、前記吊下部は、前記繋がり部に繋がっており、前記第1、第2連絡部の一方は、前記第1剛体部および前記第1連結部を有し、前記第1、第2連絡部の他方は、前記第2剛体部および前記第2連結部を有し、前記左肩支持部および前記右肩支持部は、前記弾性部を有し、前記本体部は、前記展開状態において、三角形状または四角形状であるものとしてもよい。
【0060】
[8]本開示の衣服用ハンガー(上述の[1]ないし[6]の何れかに記載の衣服用ハンガー)において、前記本体部は、互いに連結される左肩支持部および右肩支持部と、前記左肩支持部の第1部位と前記右肩支持部の第2部位とに繋がっている連絡部とを有し、前記左肩支持部および前記右肩支持部の一方の少なくとも一部は、前記第1剛体部および前記第1連結部を有し、前記左肩支持部および前記右肩支持部の他方の少なくとも一部は、前記第2剛体部および前記第2連結部を有し、前記連絡部は、前記弾性部を有し、前記本体部は、前記展開状態において、三角形状であり、前記吊下部は、前記第1、第2連結部の一方に繋がっているものとしてもよい。
【0061】
[9]本開示の衣服用ハンガー(上述の[1]ないし[8]の何れかに記載の衣服用ハンガー)において、前記本体部を前記折畳状態で保持可能な保持部を更に備えるものとしてもよい。
【符号の説明】
【0062】
10,110,210,310,510 衣服用ハンガー、21,521 本体部、80,580 環状部、90,590 フック部。
【要約】
【課題】服が掛けられたときに展開状態から折畳状態に切り替わるのを抑制する。
【解決手段】環状部を有する本体部および吊下部は、一体成形されている。環状部は、第1、第2剛体部と、第1、第2剛体部に繋がっている第1、第2連結部の互いの連結により構成され且つ第1、第2剛体部の相対回動の許容と規制とを切替可能なヒンジロック部と、第1、第2剛体部に対してヒンジロック部とは反対側の少なくとも一部分であり且つ弾性変形可能な弾性部とを有する。衣服用ハンガーは、本体部が展開状態のときに第1、第2剛体部のヒンジロック部を介した相対回動の規制により本体部を展開状態で保持可能であると共に、第1、第2剛体部のヒンジロック部を介した相対回動と弾性部の弾性変形とを伴って本体部を折畳状態と展開状態とで切替可能である。
【選択図】図3
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