特許 7407552 シート折畳装置およびシート折畳方法

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2023-12-21

(45)【発行日】2024-01-04

(54)【発明の名称】シート折畳装置およびシート折畳方法

(51)【国際特許分類】

   H01L 21/683 20060101AFI20231222BHJP

【ＦＩ】

H01L21/68 N

【請求項の数】 4

(21)【出願番号】P 2019184573

(22)【出願日】2019-10-07

(65)【公開番号】P2021061315

(43)【公開日】2021-04-15

【審査請求日】2022-08-01

(73)【特許権者】

【識別番号】000102980

【氏名又は名称】リンテック株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】110000637

【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所

(72)【発明者】

【氏名】荒井 善男

【審査官】湯川 洋介

(56)【参考文献】

【文献】特開２０１２－０６４８５０（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０１８－００６５０５（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０１１－０２０８５５（ＪＰ，Ａ）

【文献】米国特許出願公開第２００８／０３０２４８０（ＵＳ，Ａ１）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ｈ０１Ｌ ２１／６８３

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

接着シートに屈曲部を形成し、前記接着シートの一方の面を相互に折り重ねて当該接着シートを折り畳む折畳手段と、
前記一方の面が折り重ねられて折り畳まれた接着シートに固定用部材を付加し、当該固定用部材で前記屈曲部の屈曲姿勢を維持させる屈曲姿勢維持手段とを備えていることを特徴とするシート折畳装置。

【請求項2】

前記折畳手段は、前記接着シートにおける一方の外周部に対して他方の外周部をずらして当該接着シートを折り畳み、
前記屈曲姿勢維持手段は、前記折畳手段でずらして折り畳んだことによって表出した前記接着シートの一方の面と、前記接着シートの他方の面とに前記固定用部材を貼付することを特徴とする請求項１に記載のシート折畳装置。

【請求項3】

前記屈曲姿勢維持手段は、被着体に貼付された前記接着シートに前記固定用部材を貼付し、当該固定用部材を介して前記被着体から前記接着シートを剥離するとともに、当該固定用部材で前記屈曲部の屈曲姿勢を維持させることを特徴とする請求項１または請求項２に記載のシート折畳装置。

【請求項4】

接着シートに屈曲部を形成し、前記接着シートの一方の面を相互に折り重ねて当該接着シートを折り畳む折畳工程と、
前記一方の面が折り重ねられて折り畳まれた接着シートに固定用部材を付加し、当該固定用部材で前記屈曲部の屈曲姿勢を維持させる屈曲姿勢維持工程とを実施することを特徴とするシート折畳方法。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、シート折畳装置およびシート折畳方法に関する。

【背景技術】

【0002】

従来、接着シートを折り畳んで廃棄する装置が知られている（例えば、特許文献１参照）。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【文献】特開２０１７－１０７９４５号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

特許文献１に記載されたシート剥離装置１０（シート折畳装置）では、接着シートＡＳ（接着シート）を折り畳んで回収箱５０（廃棄位置）に廃棄するものの、接着シートにおける屈曲部が元の形に戻ろうとして屈曲姿勢が崩れ、その分接着シートがかさばって廃棄位置がすぐに接着シートでいっぱいになってしまうという不都合がある。

【0005】

本発明の目的は、折り畳んだ接着シートの屈曲部が元の形に戻ろうとして屈曲姿勢が崩れることを防止することができるシート折畳装置およびシート折畳方法を提供することにある。

【課題を解決するための手段】

【0006】

本発明は、請求項に記載した構成を採用した。

【発明の効果】

【0007】

本発明によれば、接着シートにおける屈曲部の屈曲姿勢を固定用部材で維持させるので、折り畳んだ接着シートの屈曲部が元の形に戻ろうとして屈曲姿勢が崩れることを防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【0008】

【図1】本発明の一実施形態に係るシート折畳装置の説明図。

【図2】シート折畳装置の動作説明図。

【図3】シート折畳装置の動作説明図。

【発明を実施するための形態】

【0009】

以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、本実施形態におけるＸ軸、Ｙ軸、Ｚ軸は、それぞれが直交する関係にあり、Ｘ軸およびＹ軸は、所定平面内の軸とし、Ｚ軸は、前記所定平面に直交する軸とする。さらに、本実施形態では、Ｙ軸と平行な図１の手前方向から観た場合を基準とし、方向を示した場合、「上」がＺ軸の矢印方向で「下」がその逆方向、「左」がＸ軸の矢印方向で「右」がその逆方向、「前」がＹ軸と平行な図１中手前方向で「後」がその逆方向とする。

【0010】

シート折畳装置ＥＡは、接着シートＡＳに屈曲部ＡＳ２（図３（Ａ）参照）を形成し、接着シートＡＳの一方の面ＡＳ１を相互に折り重ねて当該接着シートＡＳを折り畳む折畳手段１０と、折り畳まれた接着シートＡＳに固定用部材としての剥離用テープＰＴを付加し、当該剥離用テープＰＴで屈曲部ＡＳ２の屈曲姿勢を維持させる屈曲姿勢維持手段２０とを備え、被着体ＷＫを支持する被着体支持手段３０と、折り畳まれた接着シートＡＳを廃棄するシート廃棄手段４０との上方に配置されている。なお、屈曲部ＡＳ２とは、接着シートＡＳを折り畳んだ際に形成される当該接着シートＡＳが折れ曲がった部位のことである。

【0011】

折畳手段１０は、駆動機器としてのリニアモータ１１のスライダ１１Ａに回転可能に支持された当接ローラ１２と、駆動機器としてのリニアモータ１３のスライダ１３Ａに支持された支持フレーム１４と、支持フレーム１４に支持された駆動機器としての直動モータ１５と、直動モータ１５の出力軸１５Ａに支持された押圧部材としての上チャック部材１６と、支持フレーム１４の下部に支持された押圧部材としての下チャック部材１７とを備え、接着シートＡＳにおける一方の外周部ＡＳ３に対して他方の外周部ＡＳ４をずらして当該接着シートＡＳを折り畳む構成となっている。

【0012】

屈曲姿勢維持手段２０は、感熱接着性の剥離用テープＰＴを繰り出す繰出手段２１と、剥離用テープＰＴを接着シートＡＳに押圧して貼付する押圧手段２２と、剥離用テープＰＴを切断する切断手段２３と、剥離用テープＰＴが貼付された接着シートＡＳを案内する案内手段２４とを備え、折畳手段１０でずらして折り畳んだことによって表出した接着シートＡＳの一方の面ＡＳ１と、接着シートＡＳの他方の面ＡＳ５とに剥離用テープＰＴを貼付する構成となっている。
なお、本実施形態の場合、屈曲姿勢維持手段２０は、被着体ＷＫに貼付された接着シートＡＳに剥離用テープＰＴを貼付し、当該剥離用テープＰＴを介して被着体ＷＫから接着シートＡＳを剥離するとともに、当該剥離用テープＰＴで屈曲部ＡＳ２の屈曲姿勢を維持させる構成になっている。

【0013】

繰出手段２１は、回転軸２１Ａを中心に回転可能な回転アーム２１Ｂに支持され、剥離用テープＰＴを支持する支持ローラ２１Ｃと、駆動機器としての回動モータ２１Ｄの図示しない出力軸に支持された駆動ローラ２１Ｅと、回転アーム２１Ｂを駆動ローラ２１Ｅ方向に付勢する付勢手段としてのばね２１Ｆと、駆動機器としての直動モータ２１Ｇの出力軸２１Ｈに支持された収容手段２１Ｊと、収容手段２１Ｊ内に収容され、収容手段２１Ｊの底面である吸着面２１Ｋに形成された吸引孔２１Ｌを介して剥離用テープＰＴを吸引する減圧ポンプや真空エジェクタ等の吸引手段２１Ｍと、駆動機器としての直動モータ２１Ｎの出力軸２１Ｐに支持され、剥離用テープＰＴを吸着面２１Ｋに当接させる補助ローラ２１Ｑとを備えている。
押圧手段２２は、収容手段２１Ｊ内に収容された駆動機器としてのリニアモータ２２Ａと、リニアモータ２２Ａのスライダ２２Ｂに支持され、収容手段２１Ｊの底面から突没可能に設けられた押圧ヘッド２２Ｃと、押圧ヘッド２２Ｃに設けられたコイルヒータやヒートパイプの加熱側等の加熱手段２２Ｄとを備えている。
切断手段２３は、収容手段２１Ｊ内に収容された駆動機器としてのリニアモータ２３Ａと、リニアモータ２３Ａのスライダ２３Ｂに支持され、収容手段２１Ｊの底面から突没可能に設けられた切断刃２３Ｃとを備えている。
案内手段２４は、駆動機器としてのリニアモータ２４Ａと、リニアモータ２４Ａのスライダ２４Ｂに支持された駆動機器としての回動モータ２４Ｃと、回動モータ２４Ｃの図示しない出力軸に支持された押え付けローラ２４Ｄと、駆動機器としての直動モータ２４Ｅの出力軸２４Ｆに支持された支持部材２４Ｇと、支持部材２４Ｇに回転可能に支持されたピンチローラ２４Ｈと、支持部材２４Ｇに支持され、その上面に切断刃２３Ｃの進入を受容する溝２４Ｊが形成されたシート支持部材２４Ｋとを備えている。

【0014】

被着体支持手段３０は、駆動機器としてのリニアモータ３１と、リニアモータ３１のスライダ３１Ａに支持され、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段によって吸着保持が可能な支持面３２Ａを有するテーブル３２とを備えている。

【0015】

シート廃棄手段４０は、被着体ＷＫから剥離した接着シートＡＳを回収する回収箱４１を備えている。

【0016】

以上のシート折畳装置ＥＡの動作を説明する。
先ず、図１中実線で示す初期位置に各部材が配置されたシート折畳装置ＥＡに対し、当該シート折畳装置ＥＡの使用者（以下、単に「使用者」という）が同図のように剥離用テープＰＴをセットした後、図示しない操作パネルやパーソナルコンピュータ等の入力手段を介して自動運転開始の信号を入力する。すると、屈曲姿勢維持手段２０が吸引手段２１Ｍを駆動し、吸着面２１Ｋでの剥離用テープＰＴの吸着保持を開始する。

【0017】

次いで、使用者または、多関節ロボットやベルトコンベア等の図示しない搬送手段が、図１中実線で示すように、接着シートＡＳが貼付された被着体ＷＫを支持面３２Ａ上の所定の位置に載置すると、被着体支持手段３０が図示しない減圧手段を駆動し、支持面３２Ａでの被着体ＷＫの吸着保持を開始する。その後、被着体支持手段３０がリニアモータ３１を駆動し、テーブル３２を右方に移動させ、図１中二点鎖線で示すように、接着シートＡＳの一方の外周部ＡＳ３が押圧ヘッド２２Ｃの直下に位置した時点で、リニアモータ３１の駆動を停止する。次に、屈曲姿勢維持手段２０が直動モータ２１Ｎを駆動し、図１中二点鎖線で示すように、補助ローラ２１Ｑを収容手段２１Ｊの下方から退避させた後、回動モータ２１Ｄおよび直動モータ２１Ｇを駆動し、剥離用テープＰＴを繰り出しながら、収容手段２１Ｊを接着シートＡＳの直上の所定位置まで下降させる。そして、屈曲姿勢維持手段２０が加熱手段２２Ｄおよびリニアモータ２２Ａを駆動し、図２（Ａ）に示すように、加熱された押圧ヘッド２２Ｃを下降させ、接着シートＡＳの他方の面ＡＳ５における外周部ＡＳ３に剥離用テープＰＴを押圧して貼付する。

【0018】

接着シートＡＳへの剥離用テープＰＴの貼付が完了すると、屈曲姿勢維持手段２０が吸引手段２１Ｍの駆動を停止するとともに、リニアモータ２２Ａおよび直動モータ２１Ｇを駆動し、押圧ヘッド２２Ｃおよび収容手段２１Ｊを初期位置に復帰させる。次いで、屈曲姿勢維持手段２０が直動モータ２４Ｅを駆動し、ピンチローラ２４Ｈと押え付けローラ２４Ｄとで剥離用テープＰＴを所定の押圧力で挟み込む。その後、被着体支持手段３０がリニアモータ３１を駆動し、テーブル３２を左方に移動させ、当該接着シートＡＳの外周部ＡＳ３を押え付けローラ２４Ｄの最下部の直下に位置させる。次に、屈曲姿勢維持手段２０が回動モータ２１Ｄを駆動し、剥離用テープＰＴを所定長さ巻き取るとともに、リニアモータ２４Ａを駆動し、図２（Ｂ）に示すように、押え付けローラ２４Ｄの最下部で剥離用テープＰＴを折り曲げながらその折り曲げ部を押圧する。そして、屈曲姿勢維持手段２０および被着体支持手段３０が回動モータ２４Ｃおよびリニアモータ３１を駆動し、テーブル３２を左方に移動させながら、押え付けローラ２４Ｄを反時計回転方向に回転させるとともに、折畳手段１０がリニアモータ１１を駆動し、当接ローラ１２を剥離用テープＰＴや接着シートＡＳに当接させつつ右方に移動させる。これにより、接着シートＡＳは、剥離用テープＰＴに続いて接着シートＡＳが押え付けローラ２４Ｄの最下部で押え付けられながら被着体ＷＫから剥離され、当接ローラ１２によって折り返されて一方の面ＡＳ１が相互に対向した状態となる。

【0019】

被着体ＷＫから接着シートＡＳ全体が剥離されると、折畳手段１０、屈曲姿勢維持手段２０および被着体支持手段３０がリニアモータ１１、回動モータ２４Ｃおよびリニアモータ３１の駆動を停止し、押え付けローラ２４Ｄとピンチローラ２４Ｈとで接着シートＡＳの他方の外周部ＡＳ４を挟み込んだ状態で、回動モータ２４Ｃの回転をロックさせる。次いで、屈曲姿勢維持手段２０および折畳手段１０が回動モータ２１Ｄおよびリニアモータ１１を駆動し、当接ローラ１２を左右方向に移動させるとともに、剥離用テープＰＴを繰り出したり巻き取ったりして、当該剥離用テープＰＴにおける接着シートＡＳの外周部ＡＳ３付近の領域を押圧ヘッド２２Ｃの直下に位置させる。その後、屈曲姿勢維持手段２０が回動モータ２１Ｄの回転をロックさせた状態で、折畳手段１０および屈曲姿勢維持手段２０がリニアモータ１１および回動モータ２４Ｃを駆動し、押え付けローラ２４Ｄとピンチローラ２４Ｈとの間から接着シートＡＳの他方の外周部ＡＳ４を脱出させ、図２（Ｂ）中二点鎖線で示すように、接着シートＡＳの外周部ＡＳ４を押圧ヘッド２２Ｃの直下に位置させる。次に、折畳手段１０がリニアモータ１３を駆動し、上チャック部材１６および下チャック部材１７を図２（Ｂ）に示す位置に移動させた後、折畳手段１０がリニアモータ１１を駆動し、当接ローラ１２を初期位置に復帰させる。

【0020】

そして、折畳手段１０および屈曲姿勢維持手段２０が直動モータ１５、２１Ｇを駆動し、図３（Ａ）に示すように、上チャック部材１６と収容手段２１Ｊとを下降させ、接着シートＡＳの一方の面ＡＳ１を相互に折り重ねて当該接着シートＡＳを折り畳む。次いで、屈曲姿勢維持手段２０が加熱手段２２Ｄおよびリニアモータ２２Ａを駆動し、加熱された押圧ヘッド２２Ｃを下降させ、図３（Ａ）に示すように、接着シートＡＳの一方の面ＡＳ１における外周部ＡＳ４に剥離用テープＰＴを押圧して貼付する。その後、屈曲姿勢維持手段２０がリニアモータ２２Ａおよび直動モータ２１Ｇを駆動し、押圧ヘッド２２Ｃを収容手段２１Ｊ内に収容するとともに、当該収容手段２１Ｊを所定位置まで上昇させる。次に、屈曲姿勢維持手段２０および折畳手段１０が回動モータ２１Ｄおよびリニアモータ１３を駆動し、剥離用テープＰＴを繰り出しながら上チャック部材１６および下チャック部材１７を右方に移動させ、接着シートＡＳの左方からはみ出ている剥離用テープＰＴを切断刃２３Ｃの直下に位置させる。

【0021】

そして、屈曲姿勢維持手段２０が直動モータ２１Ｇおよびリニアモータ２３Ａを駆動し、収容手段２１Ｊおよび切断刃２３Ｃを下降させ、図３（Ｂ）に示すように、剥離用テープＰＴを切断する。次いで、屈曲姿勢維持手段２０が直動モータ２１Ｇおよびリニアモータ２３Ａを駆動し、収容手段２１Ｊおよび切断刃２３Ｃを初期位置に復帰させた後、直動モータ２１Ｎを駆動し、補助ローラ２１Ｑを初期位置に復帰させる。その後、折畳手段１０がリニアモータ１３および直動モータ１５を駆動し、上チャック部材１６および下チャック部材１７を初期位置に復帰させる。これにより、２つ折りにされた接着シートＡＳは、図３（Ｃ）に示すように、その自重によって回収箱４１内に落下して回収される。次に、使用者または図示しない搬送手段がテーブル３２上の被着体ＷＫを次工程に搬送すると、各手段がそれぞれの駆動機器を駆動し、各部材を初期位置に復帰させ、以降同様の動作が繰り返される。

【0022】

以上のような実施形態によれば、接着シートＡＳにおける屈曲部ＡＳ２の屈曲姿勢を剥離用テープＰＴで維持させるので、折り畳んだ接着シートＡＳの屈曲部ＡＳ２が元の形に戻ろうとして屈曲姿勢が崩れることを防止することができる。

【0023】

以上のように、本発明を実施するための最良の構成、方法等は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。また、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれる。

【0024】

例えば、折畳手段１０は、接着シートＡＳを２回以上折り曲げて３つ折り以上としてもよいし、被着体ＷＫに当接していた面の反対側の面同士が対向する２つ折りとした上で、３つ折り以上となるように接着シートＡＳを折り曲げてもよいし、当接ローラ１２に代えてまたは併用して、棒状部材や板状部材等を採用してもよいし、上チャック部材１６および下チャック部材１７に代えてまたは併用して、ローラ等の他の部材を採用してもよいし、上チャック部材１６および下チャック部材１７の少なくとも一方に屈曲部ＡＳ２を保持する屈曲部保持手段を備えてもよく、このような屈曲部保持手段は、例えば、屈曲部ＡＳ２を吸着保持したり、針や突起物などの貫通部材を当該屈曲部ＡＳ２に貫通させたりして屈曲部ＡＳ２を保持するもの等、どのようなものでもよい。
折畳手段１０は、エアの吹き付けで接着シートＡＳを圧着して折り畳んでもよいし、接着シートＡＳの全体または一部を圧着して接着シートＡＳを折り畳んでもよいし、固定用テープ（剥離用テープＰＴ）が貼付されていない接着シートＡＳを折り畳んでもよく、この場合、屈曲姿勢維持手段２０は、接着シートＡＳが折り畳まれた後に一方の外周部ＡＳ３および他方の外周部ＡＳ４に固定用テープを貼付してもよい。
折畳手段１０は、接着シートＡＳの一方の外周部ＡＳ３に対して他方の外周部ＡＳ３をずらすことなく当該接着シートＡＳを折り畳んでもよく、この場合、屈曲姿勢維持手段２０は、接着シートＡＳの他方の面ＡＳ５同士に剥離用テープＰＴを貼付すればよい。

【0025】

屈曲姿勢維持手段２０は、剥離用テープＰＴに代えてまたは併用して剥離用テープＰＴ以外の固定用部材で接着シートＡＳにおける屈曲部ＡＳ２の屈曲姿勢を維持させてもよく、このような固定用部材としては、例えば、接着剤、粘着剤、ペースト等であってもよいし、クリップ、ステープラ、リベット、ボルト、ナット、針、針金等、屈曲部ＡＳ２の屈曲姿勢を維持できるものであれば何でもよい。
屈曲姿勢維持手段２０は、折り畳まれた接着シートＡＳにおける外周部ＡＳ３、ＡＳ４に固定用部材を付加して当該接着シートＡＳの屈曲姿勢を維持させてもよいし、折り畳まれた接着シートＡＳにおける中央部や屈曲部ＡＳ２近辺に固定用部材を付加して当該接着シートＡＳの屈曲姿勢を維持させてもよいし、収容手段２１Ｊおよびシート支持部材２４Ｋ以外の部材で接着シートＡＳを圧着してもよい。
屈曲姿勢維持手段２０は、枚葉の剥離用テープを接着シートＡＳに貼付する構成でもよいし、剥離用テープＰＴを介することなく、駆動機器や吸着保持等で接着シートＡＳを直接保持して剥離してもよいし、回動モータ２１Ｄの駆動、回動モータ２４Ｃの駆動およびリニアモータ３１の駆動のうち、少なくとも１つの駆動で接着シートＡＳを剥離してもよいし、被着体ＷＫに貼付された接着シートＡＳに剥離用テープＰＴを貼付する機能および、剥離用テープＰＴを介して被着体ＷＫから接着シートＡＳを剥離する機能のうち少なくとも一方の機能がなくてもよい。

【0026】

繰出手段２１は、付勢手段としてばね２１Ｆに代えてまたは併用して、ゴム、樹脂等の弾性部材、駆動機器や、駆動ローラ２１Ｅとで剥離用テープＰＴを挟み込むピンチローラを採用してもよいし、補助ローラ２１Ｑに代えてまたは併用して、棒状部材、板状部材、エアの吹き付けで剥離用テープＰＴを吸着面２１Ｋに当接させる構成を採用してもよいし、剥離用テープＰＴを吸引手段２１Ｍのみで保持可能であれば、補助ローラ２１Ｑを備えていなくてもよいし、回転アーム２１Ｂを駆動ローラ２１Ｅ方向に付勢することなく剥離用テープＰＴを支持してもよく、この場合、駆動ローラ２１Ｅとで剥離用テープＰＴを挟み込むピンチローラ等を採用すればよい。
押圧手段２２は、収容手段２１Ｊに収容されていなくてもよいし、剥離用テープＰＴとして感圧接着性のものが採用された場合、加熱手段２２Ｄがあってもよいし、なくてもよい。
切断手段２３は、収容手段２１Ｊに収容されていなくてもよいし、他の装置で剥離用テープＰＴを切断する場合、なくてもよい。
案内手段２４は、接着シートＡＳにおける被着体ＷＫから剥離された領域を被着体ＷＫに貼付されている領域に接触するように押え付けてもよいし、接触しないように押え付けてもよいし、接着シートＡＳの左端部、中間部、右端部等、どの位置で接着シートＡＳを押え付けてもよいし、押え付けローラ２４Ｄの最下部以外の位置で接着シートＡＳの折り曲げ部を押え付けてもよいし、ピンチローラ２４Ｈに代えてまたは併用して、板状部材やエアの吹き付け等で押え付けローラ２４Ｄとで剥離用テープＰＴ等を挟み込んでもよいし、直動モータ２４Ｅ以外の駆動機器でシート支持部材２４Ｋを移動させてもよいし、シート支持部材２４Ｋに溝２４Ｊが設けられていなくてもよい。

【0027】

被着体支持手段３０は、被着体ＷＫを移動させずにまたは移動させつつ、剥離用テープＰＴを移動させてもよいし、リニアモータ３１に代えてまたは併用して、多関節ロボット等の他の駆動機器で被着体ＷＫと剥離用テープＰＴとを移動させてよいし、本発明のシート折畳装置ＥＡに備わっていてもよいし、備わっていなくてもよい。

【0028】

シート廃棄手段４０は、折り畳まれた接着シートＡＳを１枚ずつ保持し、回収箱４１内に重ねて収納するベルトコンベアや多間接ロボット等の重ね収納手段を備えていてもよいし、剥離した接着シートＡＳを搬送する単数または複数の駆動機器で構成されてもよいし、なくてもよいし、本発明のシート折畳装置ＥＡに備わっていてもよいし、備わっていなくてもよい。

【0029】

接着シートＡＳ、剥離用テープＰＴおよび被着体ＷＫの材質、種別、形状等は、特に限定されることはない。例えば、接着シートＡＳおよび剥離用テープＰＴは、円形、楕円形、三角形や四角形等の多角形、その他の形状であってもよいし、感圧接着性、感熱接着性等の接着形態のものであってもよい。また、このような接着シートＡＳや剥離用テープＰＴは、例えば、接着剤層だけの単層のもの、基材シートと接着剤層との間に中間層を有するもの、基材シートの上面にカバー層を有する等３層以上のもの、更には、基材シートを接着剤層から剥離することのできる所謂両面接着シートのようなものであってもよく、両面接着シートは、単層又は複層の中間層を有するものや、中間層のない単層又は複層のものであってよい。また、被着体ＷＫとしては、例えば、食品、樹脂容器、シリコン半導体ウエハや化合物半導体ウエハ等の半導体ウエハ、回路基板、光ディスク等の情報記録基板、ガラス板、鋼板、陶器、木板または樹脂板等、任意の形態の部材や物品なども対象とすることができる。なお、接着シートＡＳを機能的、用途的な読み方に換え、例えば、情報記載用ラベル、装飾用ラベル、保護シート、ダイシングテープ、ダイアタッチフィルム、ダイボンディングテープ、記録層形成樹脂シート等の任意の形状の任意のシート、フィルム、テープ等を前述のような任意の被着体ＷＫに貼付することができる。

【0030】

本発明における手段および工程は、それら手段および工程について説明した動作、機能または工程を果たすことができる限りなんら限定されることはなく、まして、前記実施形態で示した単なる一実施形態の構成物や工程に全く限定されることはない。例えば、折畳手段は、接着シートに屈曲部を形成し、当該接着シートの一方の面を相互に折り重ねて当該接着シートを折り畳むものであれば、出願当初の技術常識に照らし合わせ、その技術範囲内のものであればなんら限定されることはない（他の手段および工程についての説明は省略する）。
また、前記実施形態における駆動機器は、回動モータ、直動モータ、リニアモータ、単軸ロボット、多関節ロボット等の電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダおよびロータリシリンダ等のアクチュエータ等を採用することができる上、それらを直接的又は間接的に組み合せたものを採用することもできる（実施形態で例示したものと重複するものもある）。
前記実施形態において、ローラ等の回転部材が採用されている場合、当該回転部材を回転駆動させる駆動機器を備えてもよいし、回転部材の表面や回転部材自体をゴムや樹脂等の変形可能な部材で構成してもよいし、回転部材の表面や回転部材自体を変形しない部材で構成してもよいし、ローラの代わりに回転するまたは回転しないシャフトやブレード等の他の部材を採用してもよいし、押圧ローラや押圧ヘッド等の押圧手段や押圧部材といった被押圧物を押圧するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、ローラ、丸棒、ブレード材、ゴム、樹脂、スポンジ等の部材を採用したり、大気やガス等の気体の吹き付けにより押圧する構成を採用したりしてもよいし、押圧するものをゴムや樹脂等の変形可能な部材で構成してもよいし、変形しない部材で構成してもよいし、支持（保持）手段や支持（保持）部材等の被支持部材（被保持部材）を支持（保持）するものが採用されている場合、メカチャックやチャックシリンダ等の把持手段、クーロン力、接着剤（接着シート、接着テープ）、粘着剤（粘着シート、粘着テープ）、磁力、ベルヌーイ吸着、吸引吸着、駆動機器等で被支持部材を支持（保持）する構成を採用してもよいし、切断手段や切断部材等の被切断部材を切断または、被切断部材に切込や切断線を形成するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、カッター刃、レーザカッタ、イオンビーム、火力、熱、水圧、電熱線、気体や液体等の吹付け等で切断するものを採用したり、適宜な駆動機器を組み合わせたもので切断するものを移動させて切断するようにしてもよい。

【符号の説明】

【0031】

ＥＡ シート折畳装置
１０ 折畳手段
２０ 屈曲姿勢維持手段
ＡＳ 接着シート
ＡＳ１ 一方の面
ＡＳ２ 屈曲部
ＡＳ３ 一方の外周部
ＡＳ４ 他方の外周部
ＡＳ５ 他方の面
ＰＴ 剥離用テープ（固定用部材）

【図1】

【図2】

【図3】