(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-21
(45)【発行日】2024-01-04
(54)【発明の名称】情報端末、通信システム、及び端末制御方法
(51)【国際特許分類】
H04M 11/00 20060101AFI20231222BHJP
H04M 1/00 20060101ALI20231222BHJP
H04W 4/38 20180101ALI20231222BHJP
H04W 92/18 20090101ALI20231222BHJP
G08C 17/00 20060101ALI20231222BHJP
H04W 52/02 20090101ALI20231222BHJP
【FI】
H04M11/00 302
H04M1/00 U
H04W4/38
H04W92/18
G08C17/00 Z
H04W52/02
(21)【出願番号】P 2019204128
(22)【出願日】2019-11-11
【審査請求日】2022-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】中原 正守
(72)【発明者】
【氏名】河野 正司
【審査官】石井 則之
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-124745(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 11/00
H04M 1/00
H04W 4/38
H04W 92/18
G08C 17/00
H04W 52/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信システムに備えられる複数の端末のうちの1の端末である情報端末であって、
前記複数の端末のうちの前記情報端末以外の端末である他の端末と通信するための通信部と、
前記他の端末のうち前記通信部と通信することが確立された端末に関する情報である縁組情報を取得する取得処理を行う取得部と、
前記取得部が前記縁組情報を取得できたか否かを判定する判定処理を行う判定部と、
前記判定処理の結果に基づいて、前記通信部を停止させるか否かを決定する決定処理を行う決定部と
、
メモリユニットが着脱可能に装着される装着部と
を備え、
前記メモリユニットは、前記縁組情報を記憶し、
前記取得部は、前記装着部に装着中の前記メモリユニットから前記縁組情報を取得する、情報端末。
【請求項2】
前記取得部が前記縁組情報を取得できたと前記判定部が判定すると、前記決定部は、前記通信部を停止させないことを決定し、
前記取得部が前記縁組情報を取得できなかったと前記判定部が判定すると、前記決定部は、前記通信部を停止させることを決定する、請求項1に記載の情報端末。
【請求項3】
前記装着部に前記メモリユニットが未装着の場合、前記決定部が前記通信部を停止させることを決定する、請求項
1又は請求項2に記載の情報端末。
【請求項4】
前記装着部に装着中の前記メモリユニットに前記縁組情報が記憶されていない場合、前記決定部が前記通信部を停止させることを決定する、請求項
1から請求項3のいずれか1項に記載の情報端末。
【請求項5】
前記通信部は、複数設けられ、
前記装着部は、複数設けられ、
前記複数の通信部は、それぞれ、前記複数の装着部と対応し、
前記複数の装着部の各々には、対応する前記通信部の前記縁組情報を記憶した前記メモリユニットが着脱される、請求項
1から請求項
4のいずれか1項に記載の情報端末。
【請求項6】
前記通信部毎に前記取得処理、前記判定処理、及び前記決定処理を行う、請求項
5に記載の情報端末。
【請求項7】
前記複数の通信部のうちの所定の通信部に対して、前記取得処理、前記判定処理、及び前記決定処理を行う、請求項
5に記載の情報端末。
【請求項8】
複数の端末を備える通信システムであって、
前記複数の端末は、請求項1から請求項
7のいずれか1項に記載の情報端末を含む、通信システム。
【請求項9】
通信システムに備えられる複数の端末を制御する端末制御方法であって、
前記複数の端末のうちの1の端末である情報端末が、前記情報端末に備えられる通信部を用いて、前記複数の端末のうちの前記情報端末以外の端末である他の端末と通信する工程と、
前記情報端末が、前記他の端末のうち前記通信部と通信することが確立された端末に関する情報である縁組情報を取得する取得処理を行う工程と、
前記情報端末が、前記縁組情報を取得できたか否かを判定する判定処理を行う工程と、
前記情報端末が、前記判定処理の結果に基づいて、前記通信部を停止させるか否かを決定する決定処理を行う工程と
を含
み、
前記情報端末は、メモリユニットが着脱可能に装着される装着部を備え、
前記メモリユニットは、前記縁組情報を記憶し、
前記取得処理では、前記装着部に装着中の前記メモリユニットから前記縁組情報を取得する、端末制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報端末、通信システム、及び端末制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の無線テレメータシステムは、親機を有する。親機は、不揮発性メモリーと、メモリー装着部と、無線通信ユニットとを有する。メモリー装着部には、不揮発性メモリーを脱着可能である。不揮発性メモリーには、縁組情報が記憶される。縁組情報は、無線通信で交信相手の認識に使用する固有情報である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、メモリー装着部に不揮発性メモリーが装着されていない場合、親機は、不揮発性メモリーから縁組情報を取得できない。親機は、この状態で通信を行った場合、交信相手を認識できないので、無線通信ユニットを無用に稼働させることになる。その結果、親機の消費電力が増加する可能性がある。
【0005】
本発明は、情報端末の消費電力が増加することを抑制できる、情報端末、通信システム、及び端末制御方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の局面によれば、情報端末は、通信システムに備えられる複数の端末のうちの1の端末である。前記情報端末は、通信部と、取得部と、判定部と、決定部とを備える。前記通信部は、前記複数の端末のうちの前記情報端末以外の端末である他の端末と通信する。前記取得部は、前記他の端末のうち前記通信部と通信することが確立された端末に関する情報である縁組情報を取得する取得処理を行う。前記判定部は、前記取得部が前記縁組情報を取得できたか否かを判定する判定処理を行う。前記決定部は、前記判定処理の結果に基づいて、前記通信部を停止させるか否かを決定する決定処理を行う。
【0007】
本発明の第2の局面によれば、通信システムは、複数の端末を備える。前記複数の端末は、上記情報端末を含む。
【0008】
本発明の第3の局面によれば、端末制御方法は、通信システムに備えられる複数の端末を制御する。前記端末制御方法は、前記複数の端末のうちの1の端末である情報端末が、前記情報端末に備えられる通信部を用いて、前記複数の端末のうちの前記情報端末以外の端末である他の端末と通信する工程を含む。前記端末制御方法は、前記情報端末が、前記他の端末のうち前記通信部と通信することが確立された端末に関する情報である縁組情報を取得する取得処理を行う工程を含む。前記端末制御方法は、前記情報端末が、前記縁組情報を取得できたか否かを判定する判定処理を行う工程を含む。前記端末制御方法は、前記情報端末が、前記判定処理の結果に基づいて、前記通信部を停止させるか否かを決定する決定処理を行う工程を含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、情報端末の消費電力が増加することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態に係るテレメータシステムの構成を示すブロック図である。
【
図3】センタ側網制御装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0012】
図1を参照して、本発明の実施形態に係るテレメータシステム100について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るテレメータシステム100の構成を示すブロック図である。
【0013】
テレメータシステム100は、サーバ10と、親機30及び子機40とがセンタ側網制御装置20を介して通信するシステムである。テレメータシステム100は、本発明の通信システムの一例である。通信システムは、複数の端末間の通信を介して情報を収集するシステムである。
【0014】
図1に示すように、テレメータシステム100は、サーバ10と、センタ側網制御装置20と、親機30と、複数の子機40と、複数の計測装置50とを備える。
【0015】
親機30は、センタ側網制御装置20を介してサーバ10と通信可能に接続される。複数の子機40の各々は、親機30及びセンタ側網制御装置20を介してサーバ10と通信可能に接続される。複数の子機40は、それぞれ、複数の計測装置50と通信可能に接続される。
【0016】
サーバ10は、親機30、及び複数の子機40を介して、複数の計測装置50の各々が計測した計測値を収集する。
【0017】
センタ側網制御装置20は、サーバ10が親機30と通信するための通信処理を仲介する。センタ側網制御装置20と親機30とは、例えば、PHS網、FOMA網、及びLTE網のような広域無線網N1に接続される。センタ側網制御装置20と親機30とは、広域無線網N1を介して互いに無線通信を行う。なお、サーバ10とセンタ側網制御装置20と親機30とは、有線接続されてもよい。
【0018】
本実施形態では、センタ側網制御装置20と親機30とを広域無線網N1により接続する。なお、広域無線網N1に複数の親機30が接続されてもよい。
【0019】
センタ側網制御装置20は、例えば、通信事業者の公衆網に設けられる。センタ側網制御装置20は、広域無線網N1を介して親機30のような端末側の装置の通信を制御する。
【0020】
センタ側網制御装置20がサーバ10から電文を受信した場合、センタ側網制御装置20は、広域無線網N1の通信規格に準拠した通信方式で端末側の装置へ電文を送信する。また、センタ側網制御装置20は、広域無線網N1を介して端末側の装置から電文を受信した場合、受信した電文をサーバ10へ送信する。
【0021】
親機30は、広域無線網N1を介して、センタ側網制御装置20及びサーバ10のようなセンタ側の装置に接続される。親機30は、狭域無線網を介して複数の子機40の各々に接続される。
【0022】
親機30は、複数の子機40の各々と無線接続される。親機30は、複数の子機40の各々と無線通信可能である。
【0023】
親機30は、本発明の通信装置の一例である。
【0024】
狭域無線網、及びセンタ側網制御装置20を介して子機40がサーバ10から電文を受信した場合、子機40は、受信した電文が自機宛の電文であるか否かを判定する。子機40が受信した電文の宛先アドレスとして自機の識別子(ID番号)が指定されている場合、受信した電文が自機宛の電文であると子機40が判定する。そして、子機40は、受信した電文に含まれるデータの内容に基づいて各種の処理を実行する。
【0025】
複数の子機40は、それぞれ、複数の計測装置50と有線又は無線で接続される。本実施形態では、複数の子機40は、それぞれ、複数の計測装置50と電線1により有線接続される。
【0026】
計測装置50は、需要家毎に設置される。計測装置50は、例えば、水道の使用量、ガスの使用量、又は電気の使用量を計測する。
【0027】
複数の子機40は、それぞれ、複数の計測装置50と対応する。複数の子機40は、それぞれ、対応する計測装置50に接続され、対応する計測装置50の計測値を取得する。
【0028】
次に、
図2を参照して、サーバ10について説明する。
図2は、サーバ10の構成を示すブロック図である。
【0029】
図2に示すように、サーバ10は、記憶部11と、制御部12と、通信部13とを有する。
【0030】
記憶部11は、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)のような主記憶装置(例えば、半導体メモリー)を含み、補助記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ)をさらに含む。記憶部11は、制御部12によって実行される種々のコンピュータープログラムを記憶する。
【0031】
制御部12は、CPU(Central Processing Unit)及びMPU(Micro Processing Unit)のようなプロセッサーを含む。制御部12は、記憶部11に記憶されたコンピュータープログラムを実行することにより、サーバ10の各要素を制御する。
【0032】
通信部13は、センタ側網制御装置20に有線又は無線で接続され、センタ側網制御装置20と通信を行う。
【0033】
次に、
図3を参照して、センタ側網制御装置20について説明する。
図3は、センタ側網制御装置20の構成を示すブロック図である。
【0034】
図3に示すように、センタ側網制御装置20は、記憶部21と、制御部22と、通信部23とを有する。
【0035】
記憶部21は、主記憶装置を含み、補助記憶装置をさらに含んでもよい。記憶部21は、制御部22によって実行される種々のコンピュータープログラムを記憶する。
【0036】
制御部22は、プロセッサーを含む。制御部22は、記憶部21に記憶されたコンピュータープログラムを実行することにより、センタ側網制御装置20の各要素を制御する。
【0037】
通信部23は、サーバ10に接続され、サーバ10と通信を行う。通信部23は、広域無線網N1に接続され、広域無線網N1を介して端末側の装置と通信を行う。通信部23は、例えば、LANボードのような通信モジュールである。
【0038】
次に、
図4及び
図5を参照して、親機30について説明する。
図4は、親機30の構成を示すブロック図である。
図5は、親機30の外観を示す図である。
【0039】
図4及び
図5に示すように、親機30は、記憶部31と、制御装置32と、操作部33と、表示部34と、広域無線通信部35と、狭域無線通信部36と、接続部38と、メモリユニット設置部39とを有する。
【0040】
記憶部31は、主記憶装置を含み、補助記憶装置をさらに含んでもよい。記憶部31は、制御装置32によって実行される種々のコンピュータープログラムを記憶する。
【0041】
制御装置32は、プロセッサーを含む。制御装置32は、記憶部31に記憶されたコンピュータープログラムを実行することにより、親機30の各要素を制御する。
【0042】
制御装置32は、取得部32aと、判定部32bと、決定部32cと、処理部32dとを有する。具体的には、制御装置32のプロセッサーが、記憶部31に記憶されたコンピュータープログラムを実行することにより、取得部32a、判定部32b、決定部32c、及び処理部32dとして機能する。
【0043】
操作部33は、外部からの親機30に対する指示を受け付ける。操作部33は、例えば、ディップスイッチ33aと、プッシュスイッチ33bとを含む。ディップスイッチ33aは、親機30に対する指示を受け付ける。プッシュスイッチ33bは、ディップスイッチ33aが受け付けた指示を、制御装置32に実行させる。
【0044】
表示部34は、例えば、保守作業を行う作業者に通知すべき情報を表示する。表示部34は、例えば、LED(Light Emitting Diode)、及び/又は、液晶表示パネルを含む。
【0045】
広域無線通信部35は、電波を送信及び受信することによって、広域無線網N1を介した無線通信を行う。広域無線通信部35は、例えば、FOMA又はLTEのような広域通信可能な通信モジュールである。
【0046】
広域無線通信部35は、電波を受信した場合、受信した電波をデコードすることにより電文を取得する。広域無線通信部35は、デコードして得られる電文を制御装置32へ出力する。制御装置32は、例えば、広域無線通信部35から電文を取得した場合、取得した電文に応じた処理を行う。
【0047】
狭域無線通信部36は、アンテナを介して電波を送信及び受信することによって、子機40との間で、所定の無線通信方式にて通信を行う。無線通信方式としては、例えば、特定小電力無線方式が採用される。特定小電力無線方式では、429MHz帯域の他、より通信速度の速い920MHz帯域が用いられる。狭域無線通信部36は、例えば、920MHz帯域通信用のRF-LSIを有する通信モジュールである。
【0048】
狭域無線通信部36は、本発明の通信部の一例である。
【0049】
狭域無線通信部36は、互いに異なる無線通信方式を採用する複数の通信部を含む。本実施形態では、狭域無線通信部36は、第1通信部36aと、第2通信部36bとを含む。第1通信部36aと、第2通信部36bとは、互いに異なる帯域の無線通信方式を採用する。本実施形態では、第1通信部36aは、429MHz帯域の無線通信方式を採用する。第2通信部36bは、920MHz帯域の無線通信方式を採用する。
【0050】
接続部38は、1又は複数のポートを備える。接続部38は、電線1によって計測装置50と有線接続される。接続部38は、電線1を介して計測装置50の計測値を取得する。
【0051】
メモリユニット設置部39には、メモリユニットが設置される。メモリユニット設置部39は、複数の装着部を含む。本実施形態では、メモリユニット設置部39は、第1装着部39aと、第2装着部39bとを含む。第1装着部39a、及び第2装着部39bの各々は、スロットを含む。スロットには、メモリユニットが着脱可能に装着される。メモリユニットは、例えば、EEPROM(登録商標)のような読み書き可能な記憶装置と、スロットに着脱される端子と、記憶装置及び端子が設置される基板とを含む。
【0052】
第1装着部39aには、第1メモリユニットM1が着脱可能に装着される。第1メモリユニットM1には、第1縁組情報が記憶される。第1縁組情報は、複数の子機40のうち、第1通信部36aと通信することが確立された子機40のID情報である。第1縁組情報にID情報が登録されている子機40は、第1通信部36aと同様の帯域(429MHz帯域)の無線通信方式を採用している。
【0053】
第2装着部39bには、第2メモリユニットM2が着脱可能に装着される。第2メモリユニットM2には、第2縁組情報が記憶される。第2縁組情報は、複数の子機40のうち、第2通信部36bと通信することが確立された子機40のID情報である。第2縁組情報にID情報が登録されている子機40は、第2通信部36bと同様の帯域(920MHz帯域)の無線通信方式を採用している。
【0054】
親機30は、第1縁組情報、及び第2縁組情報に基づいて、複数の子機40との間で通信する。第1縁組情報、及び第2縁組情報の各々は、本発明の縁組情報の一例である。
【0055】
第1メモリユニットM1、及び第2メモリユニットM2の各々には、設定情報が記憶される。設定情報は、例えば、計測装置50を定期的に検針する時間や周期などの運用条件を表す情報である。第1メモリユニットM1に第1縁組情報、及び設定情報が記憶されることで、親機30の交換の際に、交換前の親機30に装着されていた第1メモリユニットM1を、交換後の親機30に装着するだけで、交換後の親機30に対して、交換前の親機30で設定された第1縁組情報、及び設定情報の内容を承継させることができる。また、第2メモリユニットM2についても同様に、交換後の親機30に装着するだけで、交換後の親機30に対して、第2縁組情報、及び設定情報の内容を承継させることができる。これにより、親機30の交換の際に、縁組情報、及び設定情報の再設定を行う手間を省くことができる。その結果、親機30の保守管理が容易になる。
【0056】
また、メモリユニット(第1メモリユニットM1、及び第2メモリユニットM2)は、装着部(第1装着部39a及び第2装着部39b)に着脱可能に構成されるので、メモリユニットが装着部に装着されているか否かを、作業者は容易に確認できる。その結果、メモリユニットを装着し忘れるような作業者のヒューマンエラーを低減できる。
【0057】
次に、
図6を参照して、子機40について説明する。
図6は、子機40の構成を示すブロック図である。
【0058】
図6に示すように、子機40は、記憶部41と、制御部42と、操作部43と、表示部44と、狭域無線通信部45と、接続部46と、装着部49とを有する。
【0059】
記憶部41は、主記憶装置を含み、補助記憶装置をさらに含んでもよい。記憶部41は、制御部42によって実行される種々のコンピュータープログラムを記憶する。
【0060】
制御部42は、プロセッサーを含む。制御部42は、記憶部41に記憶されたコンピュータープログラムを実行することにより、子機40の各要素を制御する。
【0061】
操作部43は、外部からの子機40に対する指示を受け付ける。操作部43は、例えば、ディップスイッチと、プッシュスイッチと、リセットスイッチとを含む。
【0062】
表示部44は、例えば、保守作業を行う作業者に通知すべき情報を表示する。表示部44は、例えば、LED、及び液晶表示パネルを含む。
【0063】
狭域無線通信部45は、電波を送信及び受信することによって、親機30との間で、所定の無線通信方式にて通信を行う。本実施形態の狭域無線通信部45は、429MHz帯域の無線通信方式、及び920MHz帯域の無線通信方式のうちのいずれか一方の無線通信方式を採用する。
【0064】
接続部46は、1又は複数のポートを備える。接続部46は、電線1によって計測装置50と有線接続される。接続部46は、電線1を介して計測装置50の計測値を取得する。
【0065】
装着部49は、メモリユニットMが着脱可能なスロットを含む。メモリユニットMには、縁組情報、及び設定情報が記憶される。縁組情報は、親機30、及び複数の子機40のうち、自機と通信することが確立された端末のID情報を示す。
【0066】
次に、
図4、
図5、及び
図7を参照して、親機30の第1動作について説明する。
図7は、親機30の第1動作を示すフロー図である。
【0067】
親機30の第1動作は、第1通信部36a(
図4参照)を停止させるが否かを決定するために行われる。
【0068】
本実施形態では、第1動作は、第1通信部36aが稼働している状態から開始される。
【0069】
第1通信部36aを稼働させることは、第1通信部36aの通信機能を有効とし、第1通信部36aが信号を送受信可能な状態にすることを示す。第1通信部36aを停止させることは、第1通信部36aの通信機能を無効とし、第1通信部36aが信号を送受信不能な状態にすることを示す。
【0070】
図4、
図5、及び
図7に示すように、ステップS10において、親機30の取得部32aは、第1取得処理を行う。第1取得処理は、取得部32aが第1装着部39aに装着中の第1メモリユニットM1にアクセスして、第1メモリユニットM1に記憶されている第1縁組情報を取得する処理である。
【0071】
ステップS20において、判定部32bは、取得部32aが第1縁組情報を取得できたか否かを判定する。
【0072】
取得部32aが第1縁組情報を取得できたと判定部32bが判定すると(ステップS20で、Yes)、処理がステップS40に移行する。
【0073】
取得部32aが第1縁組情報を取得できなかったと判定部32bが判定すると(ステップS20で、No)、処理がステップS30に移行する。
【0074】
例えば、第1装着部39aに第1メモリユニットM1が未装着の場合、取得部32aが第1メモリユニットM1にアクセスできないので、取得部32aが第1縁組情報を取得できなかったと判定部32bが判定する。
【0075】
また、第1装着部39aに装着中の第1メモリユニットM1に第1縁組情報が記憶されていない場合にも、取得部32aが第1縁組情報を取得できなかったと判定部32bが判定する。第1メモリユニットM1に第1縁組情報が記憶されていない場合には、第1装着部39aに第1メモリユニットM1が装着された当初から第1メモリユニットM1に第1縁組情報が記憶されていなかった場合のみならず、第1装着部39aに第1メモリユニットM1が装着された当初は、第1メモリユニットM1に第1縁組情報が記憶されていたが、第1取得処理が行われた時点では、第1メモリユニットM1から第1縁組情報が消去されていた場合も含まれる。
【0076】
ステップS30において、決定部32cは、第1通信部36aを停止させることを決定する。そして、処理部32dは、第1通信部36aを停止させる。ステップS30に示す処理が終了すると、処理がステップS10に移行する。
【0077】
ステップS40において、決定部32cは、第1通信部36aを稼働させることを決定する。そして、処理部32dは、第1通信部36aが稼働している状態を継続させる。ステップS40に示す処理が終了すると、処理がステップS10に移行する。
【0078】
以上、
図4、
図5、及び
図7を参照して説明したように、
図7に示す第1動作において、決定部32cは、判定部32bの判定結果に基づいて、第1通信部36aを停止させるか否かを決定する。そして、取得部32aが第1縁組情報を取得できない場合に、決定部32cが第1通信部36aを停止させることを決定する。これにより、処理部32dが、第1通信部36aを停止させる。その結果、第1装着部39aに第1メモリユニットM1が未装着の状態で、第1通信部36aが稼働することが防止されるので、親機30の消費電力が増加することを抑制できる。
【0079】
次に、
図4、
図5、及び
図8を参照して、親機30の第2動作について説明する。
図8は、親機30の第2動作を示すフロー図である。
【0080】
親機30の第2動作は、第2通信部36b(
図4参照)を停止させるか否かを決定するために行われる。
【0081】
本実施形態では、
図8に示す第2動作は、第2通信部36bが稼働している状態から開始される。
【0082】
第2通信部36bを稼働させることは、第2通信部36bの通信機能を有効とし、第2通信部36bが信号を送受信可能な状態にすることを示す。第2通信部36bを停止させることは、第2通信部36bの通信機能を無効とし、第2通信部36bが信号を送受信不能な状態にすることを示す。
【0083】
ステップS50において、親機30の取得部32aは、第2取得処理を行う。第2取得処理は、取得部32aが第2装着部39bに装着中の第2メモリユニットM2にアクセスして、第2メモリユニットM2に記憶されている第2縁組情報を取得する処理である。
【0084】
ステップS60において、判定部32bは、取得部32aが第2縁組情報を取得できたか否かを判定する。
【0085】
取得部32aが第2縁組情報を取得できたと判定部32bが判定すると(ステップS60で、Yes)、処理がステップS80に移行する。
【0086】
取得部32aが第1縁組情報を取得できなかったと判定部32bが判定すると(ステップS20で、No)、処理がステップS70に移行する。
【0087】
ステップS70において、決定部32cは、第2通信部36bを停止させることを決定する。そして、処理部32dは、第2通信部36bを停止させる。
【0088】
ステップS70に示す処理が終了すると、処理がステップS50に移行する。
【0089】
ステップS80において、決定部32cは、第2通信部36bを稼働させることを決定する。そして、処理部32dは、第2通信部36bが稼働している状態を継続させる。
【0090】
ステップS80に示す処理が終了すると、処理がステップS50に移行する。
【0091】
以上、
図4、
図5、及び
図8を参照して説明したように、
図8に示す第2動作において、取得部32aが第2縁組情報を取得できない場合に、処理部32dが第2通信部36bを停止させる。その結果、第2装着部39bに第2メモリユニットM2が未装着の状態で、第2通信部36bが稼働することが防止されるので、親機30の消費電力が増加することを抑制できる。
【0092】
以上、図面(
図1~
図8)を参照しながら本発明の実施形態について説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である(例えば、(1)~(4))。また、上記の実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の個数等は、図面作成の都合から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0093】
(1)親機30が
図7に示す第1動作を行うタイミングについては特に限定されない。例えば、親機30は、所定期間が経過する毎に第1動作を行ってもよく、又は、親機30の起動時に第1動作を行ってもよい。
【0094】
(2)親機30が
図8に示す第2動作を行うタイミングについては特に限定されない。例えば、親機30は、所定期間が経過する毎に第2動作を行ってもよく、親機30の起動時に第2動作を行ってもよく、又は、第1動作と同期させて第2動作を行ってもよい。
【0095】
(3)以下では、第1通信部36aと第2通信部36bとを総称して通信部と記載し、第1縁組情報と第2縁組情報とを総称して縁組情報として記載し、第1メモリユニットM1と第2メモリユニットM2とを総称してメモリユニットと記載し、第1装着部39aと第2装着部39bとを総称して装着部と記載することがある。
【0096】
本実施形態では、通信部毎に、取得処理、判定処理、及び決定処理が行われる。取得処理は、
図7のステップS10、及び
図8のステップS50に示すように、装着部に装着中のメモリユニットから、取得部32a(
図4参照)が縁組情報を取得する処理である。判定処理は、
図7のステップS20、及び
図8のステップS60に示すように、取得部32aが縁組情報を取得できたか否かを、判定部32b(
図4参照)が判定する処理である。決定処理は、
図7のステップS30及びステップS40、並びに、
図8のステップS70及びステップS80に示すように、判定処理の結果に基づいて、通信部を停止されるか否かを、決定部32c(
図4参照)が決定する処理である。しかし、本発明は、これに限定されない。
【0097】
複数の通信部(第1通信部36a及び第2通信部36b)のうちの所定の通信部に対してのみ、取得処理、判定処理、及び決定処理が行われるように構成してもよい。例えば、今後、使用される子機40が、429MHz帯域の無線通信方式を採用する子機40から、920MHz帯域の無線通信方式を採用する子機40へ移行していくことが予定されている場合は、429MHz帯域の無線通信方式を採用する通信部(第1通信部36a)に対してのみ取得処理、判定処理、及び決定処理が行われ、920MHz帯域の無線通信方式を採用する通信部(第2通信部36b)に対しては取得処理、判定処理、及び決定処理が行われないように構成する。この場合、親機30の制御装置32は、
図7に示す第1動作を行うが、
図8に示す第2動作を行わない。その結果、制御装置32の負荷を軽減できる。
【0098】
(4)本実施形態では、親機30が、第1通信部36aを稼働させるか否かを判定する処理と(
図7のステップS10~ステップS40参照)、第2通信部36bを稼働させるか否かを判定する処理とを行う(
図7のステップS50~ステップS80参照)。しかし、本発明はこれに限定されない。
【0099】
図6に示すように、子機40が、狭域無線通信部45を稼働させるか否かを判定する処理を行ってもよい。この場合、子機40の制御部42が、本発明の取得部、判定部、及び決定部に相当する。具体的には、制御部42は、装着部49に装着中のメモリユニットMから縁組情報を取得できたか否かを判定する。そして、制御部42は、縁組情報を取得できたと判定すると、狭域無線通信部45を稼働させることを決定して、狭域無線通信部45を稼働させる。これに対し、制御部42は、縁組情報を取得できなかったと判定すると、狭域無線通信部45を停止させることを決定して、狭域無線通信部45を停止させる。その結果、子機40の消費電力が増加することを抑制できる。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明は、情報端末、通信システム、及び端末制御方法の分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0101】
40 子機
30 親機
32a 取得部
32b 判定部
32c 決定部
36a 第1通信部
36b 第2通信部
100 テレメータシステム