(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-21
(45)【発行日】2024-01-04
(54)【発明の名称】記録パラメータを提供するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 6/00 20240101AFI20231222BHJP
A61B 6/42 20240101ALI20231222BHJP
A61B 6/51 20240101ALI20231222BHJP
G01T 1/00 20060101ALI20231222BHJP
G01T 1/20 20060101ALI20231222BHJP
G06K 7/10 20060101ALI20231222BHJP
G06K 7/14 20060101ALI20231222BHJP
【FI】
A61B6/00 303K
A61B6/00 300T
A61B6/00 320R
A61B6/14 300
G01T1/00 B
G01T1/20 K
G06K7/10 264
G06K7/14 013
G06K7/14 017
(21)【出願番号】P 2019513779
(86)(22)【出願日】2017-09-12
(86)【国際出願番号】 EP2017072840
(87)【国際公開番号】W WO2018046750
(87)【国際公開日】2018-03-15
【審査請求日】2020-06-16
【審判番号】
【審判請求日】2022-04-07
(31)【優先権主張番号】102016117051.8
(32)【優先日】2016-09-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】507063595
【氏名又は名称】デュール デンタル ソシエタス オイロペア
【氏名又は名称原語表記】DUERR DENTAL SE
【住所又は居所原語表記】Hoepfigheimer Str. 17, 74321 Bietigheim-Bissingen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル ベーバー
(72)【発明者】
【氏名】ベルント フィリップス
【合議体】
【審判長】石井 哲
【審判官】櫃本 研太郎
【審判官】伊藤 幸仙
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-65347(JP,A)
【文献】特開2006-48072(JP,A)
【文献】特開平8-87085(JP,A)
【文献】特表2012-521238(JP,A)
【文献】特開平7-92584(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0212107(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00-6/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
-イメージングプレート(13)上にX線画像を記録するためのX線記録装置(12)、及び
-前記イメージングプレート(13)
を読み出すための
読出し光源を有する読出し装置(14)、
を有するシステム(10)
であって、
前記イメージングプレート(13)が、光学的に読み取り可能な標識をデータ担体(16)として有し、かつ
前記標識が、前記読出し光源からの読出し光のための増大された反射性を有する領域と、より小さい反射性を有する領域とを有するように形成されており、前記増大された反射性を有する領域が散乱領域として作用し、
前記読出し装置(14)は、前記読出し光源からの読み出し光を利用して前記標識を読み取り可能なデータ装置(
20)を有しており、
前記読出し装置(14)が前記読出し光源を用いて前記イメージングプレート(13)を読み出す前に
、前記データ装置(20)が前記標識の前記散乱領域で生じる前記読み出し光の散乱光を利用して
前記標識を読み取るように
設計されている、ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記
標識に記録された情報が、前記イメージングプレート(13)を一義的に識別する識別コードである、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記データ装置(20)が、読み取った前記
標識に記録された情報を前記読出し装置(14)へ伝達するように、整えられている、請求項1又は2
に記載のシステム。
【請求項4】
前記
標識が、バーコードである、請求項1から3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
X線画像を記憶するための、感光性の層を有するイメージングプレート(13)であって、前記イメージングプレート(13)が光保護ケース内に保管されるように設計されている、前記イメージングプレート(13)において、
前記イメージングプレート(13)が光学的に読み取り可能な標識を有し、
前記標識が、読出し光源からの読出し光のための増大された反射性を有する領域と、より小さい反射性を有する領域とを有するように形成されており、前記増大された反射性を有する領域が散乱領域として作用し、
前記
標識が、
読出し装置(14)にとって、
前記読出し光源を用いて前記イメージングプレート(13)を読み出す前に、データ装置(20)が前記標識の前記散乱領域で生じる前記読出し光源からの読み出し光の散乱光を利用して前記標識を読み取り可能であるように、取り付けられている、イメージングプレート(13)。
【請求項6】
読出し装置(14)用の情報を提供する方法であって、
X線記録装置(12)を用いて、イメージングプレート(13)の露光プロセスを実施し(S1)、
前記読出し装置(14)によって前記イメージングプレート(13)を読み出
す(S3)、ステップを有
し、
前記イメージングプレート(13)が光学的に読み取り可能な標識を有し、
前記標識が、読出し光源からの読出し光のための増大された反射性を有する領域と、より小さい反射性を有する領域とを有するように形成されており、前記増大された反射性を有する領域が散乱領域として作用し、
前記読出し装置(14)は、前記読出し光源からの読み出し光を利用して前記標識を読み取り可能なデータ装置(20)を有しており、前記読出し装置(14)が前記読出し光源を用いて前記イメージングプレート(13)を読み出す前に、前記データ装置(20)が前記標識の前記散乱領域で生じる前記読み出し光の散乱光を利用して前記標識を読み取るように設計されている、方法。
【請求項7】
前記イメージングプレート(13)を読み出すステップが、前記
標識の読出し結果を考慮する、請求項6に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イメージングプレート上にX線画像を記録するためのX線記録装置とイメージングプレート用の読み出し装置とを有するシステムに関する。この種のシステムは、今日では、X線技術において、たとえば歯科医療において、X線画像を記録するために使用される。イメージングプレートは、X線画像を記録するためにリン材料を有し、そのリン材料が透明なマトリクス内に埋め込まれている。それによってメモリセンターが生じ、そのメモリセンターは入射するX線光によって刺激されたメタステーブル状態へ移行することができる。たとえば患者の咬翼を記録するために、この種のイメージングプレートをX線装置内で露光する場合に、イメージングプレートは刺激されたメモリセンターと刺激されないメモリセンターの形式のX線潜像を得る。
【背景技術】
【0002】
イメージングプレートを読み出すために、イメージングプレートが読み出し装置、たとえばスキャン装置内で読み出し光によって点状に走査され、それによって刺激されたメモリセンターのメタステーブル状態が、蛍光を放出してリラックスする状態へ移行される。この蛍光が検出ユニットによって検出されるので、それに応じた評価エレクトロニクスによってX線画像が見えるようになる。
【0003】
医療においては、イメージングプレートの一義的な追跡と対応づけがきわめて重要である。この目的のために、ここでは-多くの他のロジスティック領域においてもそうであるように-識別システムが使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、取り扱いが容易で信頼でき、かつコスト的に好ましい、読み出し装置用の情報を提供するシステムと方法を示すことである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、独立請求項1に記載のシステムにより、他の独立請求項に記載のイメージングプレートにより、かつ独立した方法請求項に記載の方法によって、解決される。本発明の他の形態が、従属請求項に記載されている。
【0006】
本発明に係るシステムは、イメージングプレート上にX線画像を記録するためのX線記録装置とイメージングプレート用の読出し装置とを有している。本発明によれば、イメージングプレートはデータ担体として光学的に読み取り可能な標識を有している。さらに、X線記録装置及び/又は読出し装置は、データ担体上に記憶された情報を読むためのデータ装置を有しており、その場合にデータ装置は、光学的に読み取り可能な標識を読出し装置によって検出するように、設計されている。光学的に読み取り可能な標識は、たとえばバーコード又はQRコード(登録商標)とすることができる。読取り装置の二重の利用は、データ担体上に記憶されている情報を、特にコスト的に好ましく、同時に効率的に読み出すことを可能にする。もともと設けられている読出し装置は、データ装置によって次のように、すなわちバーコード、QRコード(登録商標)などのような、光学的に検出可能な標識の読出しも検出することができるように、駆動することができる。したがって本発明に係るシステムによって、イメージングプレートによってX線画像を記録するために、適切な情報をデータ担体から取り出すことが、可能である。その情報はたとえば記録パラメータとすることができ、その記録パラメータがX線装置によって記録するために使用される。さらに読み出すべき情報を用いて、イメージングプレートの使用数を検出することができ、それによってイメージングプレートの推定上の摩耗を計算し、あるいは見積もることができる。
【0007】
システムの実施形態において、情報はイメージングプレートを一義的に識別する識別コードを表すことができる。したがってデータ担体上に記憶されている情報を読み出すことによって、イメージングプレートを一義的に識別することができる。これによって、たとえば摩耗データの生成及び/又は検出のような、他のように検出されたデータのイメージングプレートに関する結合が可能になる。さらに一義的な識別によって、それと結合された、他のように記憶された、イメージングプレートのデータ又はイメージングプレート上に記憶されているX線画像も結合することができる。付加的に、たとえば記録パラメータ、摩耗データなどのような、データ担体上に記憶された情報も、一義的な識別と結合することができる。
【0008】
本発明の展開においてデータ装置は、読み取った情報を読み出し装置へ伝達するように、整えられている。したがってイメージングプレート用の読出し装置には、たとえば読出しプロセス前にすでに、データ担体上にある情報が提供され、かつイメージングプレートの読出しは、たとえばすでに、X線画像を記録する際に使用された記録パラメータに適合させることができる。記録パラメータは、たとえば中央に格納されたデータとして存在することができ、かつ読み出された情報によって識別可能とすることができる。
【0009】
記録パラメータは、たとえば電圧、電流強さ、露光時間、線量、線量面積積、絞り指数、患者についてのデータ及び/又は注文についてのデータとすることができる。上述した記録パラメータのリストは、上述したパラメータとイメージングプレート上にあるX線画像との結合を表し、したがってX線記録の追跡を許す。
【0010】
本発明に係るイメージングプレートは、特にX線画像を記憶するための、感光層を有し、かつ光保護ケース内に保管されるように、設計されている。本発明によれば、イメージングプレートは光学的に読むことのできる標識、特にバーコード又はQRコード(登録商標)を有している。したがってこの光学的に読むことのできる標識は、イメージングプレートの通常の取り扱いにおいては読むことのできない箇所に取り付けられている。というのはイメージングプレートは、通常、保護ケース内に収容されているからである。もちろん光学的に読み取り可能な標識の取り付けは、たとえばイメージングプレートを読み出す場合にそれを検出する可能性を提供する。イメージングプレートを読み出す場合に、感光層は読出しレーザー光によって能動化される。したがってこれに関連して、イメージングプレートは保護ケースの外部にあって、したがって光学的に読み取り可能な標識を検出するために接近することができる。好ましくは読出しは、イメージングプレートの読出し光によって直接実施することができる。代替的に、たとえば読出しプロセスに影響を与えない波長を有する、他の光源も使用することができる。光学的に読み取り可能な標識は、たとえばイメージングプレートの識別とすることができる。
【0011】
読出し装置用の情報を提供する、本発明に係る方法は、以下のステップを有している:X線記録装置によってイメージングプレートの露光プロセスが実施されるので、イメージングプレート上にX線画像が形成される。イメージングプレートが読出し装置によって読み出される。データ担体が読出し装置によって読み出される。その場合に上述した順序は絶対的なものではない。すなわちたとえば、X線記録する場合に使用すべき記録パラメータは、イメージングプレートの露光前にデータ担体から読み出すことができる。さらに露光前又は露光後に、イメージングプレートを特徴づけるイメージングプレートの標識をデータ担体から読むことができる。
【0012】
さらにイメージングプレートを読み出すステップは、データ担体の読出し結果を考慮することができる。イメージングプレートを読み出す場合に、たとえば、イメージングプレート上にX線画像を露光した記録パラメータが考慮される場合には、場合によってはイメージングプレート用の読出し条件を最適化することができる。
【0013】
添付の図面を参照して、本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1A】本発明に係るシステムの一部を示す図式的な表示である。
【
図1B】本発明に係るシステムの一部を示す図式的な表示である。
【
図2A】本発明に係るイメージングプレートの実施形態を示す図式的な表示である。
【
図2B】本発明に係るイメージングプレートの他の実施形態を示す図式的な表示である。
【
図2C】本発明に係るイメージングプレートの他の実施形態を示す図式的な表示である。
【
図2D】本発明に係るイメージングプレートの他の実施形態を示す図式的な表示である。
【
図3】読み出し装置の実施形態を示す図式的な表示である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1Aと1Bには、情報を提供するシステム10が示されている。システム10は、たとえば歯科医療において使用されるように、イメージングプレート13にX線画像を露光するためのX線記録装置12(
図1A)と、イメージングプレート13上にあるX線画像を読み出すための読み出し装置14とを有している。X線画像を記録するためにイメージングプレート13は、通常、患者の口腔内の適切な箇所に、図示されない保持装置によって配置されて、X線記録装置12を介して露光される。露光のために、X線記録装置12においてそれぞれの記録状況に適した記録パラメータが調節される。これらの記録パラメータは、たとえば電圧、電流強さ、露光時間、線量、線量面積積及び/又は絞り指数を含み、そのようにして記録条件を定める。記録パラメータには、患者固有あるいは注文固有の情報も含むことができる。
【0016】
イメージングプレート13は、本来のX線ビームを感受する構造の他に、FRIDトランスポンダー16を有している。FRIDトランスポンダー16は、通常のように設けられた光を通さない保護ケースに、あるいはその中に配置することができる。FRIDトランスポンダー16は、X線記録装置12に設けられた書込み/読出し装置18及び読出し装置14に設けられた読出し器具20と協働する。その代わりに、あるいはそれに加えて、イメージングプレート13は、たとえばバーコードのような光学的に読み取り可能な構造を有することができる。
【0017】
X線記録装置12に設けられた書込み/読出し装置18は、記録パラメータの一部又はすべてをRFIDトランスポンダー13上へ書き込むように、設計されている。そのためにたとえば、露光プロセス前に調節された目標値及び/又は露光プロセス中又はその後に検出された測定値を、記録パラメータとして検出して、RFIDトランスポンダーに16上へ書き込むことができる。付加的に、書込み/読出し装置18は、RFIDトランスポンダー上にある情報を読み出すこともできる。たとえばイメージングプレート13上にX線記録を準備する際にすでに、たとえば患者、注文、X線システム及び/又はシステム全体に関する情報又は類似の情報をRFIDトランスポンダー16上に格納することができ、それらをその後X線記録装置12によって読み出して、場合によってはイメージングプレート13の露光プロセスのコンフィグレーション内に入力することができる。
【0018】
露光が行われた後には、イメージングプレート13上にあるX線画像を読み出さなければならない。そのために、システム10の図示される実施形態において、読出し装置14が設けられている。読出し装置14は、たとえばスキャン装置とすることができ、そのスキャン装置は案内されるレーザービームを用いてイメージングプレートマトリクス内のメタステーブル状態を能動化し、そのようにしてX線画像の読出しを可能にする。RFIDトランスポンダー16内に設けられた記録パラメータは、読出し装置14に設けられた読出し器具20によって、たとえばイメージングプレート13の読出しプロセス前にすでに読み出して、場合によっては読出し/スキャンプロセスのために使用することができる。記録パラメータの認識は、場合によっては読出しプロセスの調節を容易にすることができる。
【0019】
読出し装置14に設けられた読出し器具20は、書込み/読出し装置18と同様に書込み/読出し装置として形成することができる。すなわちイメージングプレート13の読出し後に、まだRFIDトランスポンダー16上にある情報を再び消去することができる。その代わりに、あるいはそれに加えて、読取り結果の一部又は全部を再びRFIDトランスポンダー上に書き込んで、それによって記憶させることができる。イメージングプレート13がすでに読み出されていることを指摘するメモを、RFIDトランスポンダー16上に残すこともできる。
【0020】
図2A-Dは、イメージングプレート30の実施形態を示している。イメージングプレート30は、
図2Aに示すように、それを取り扱う間保護ケース32内に挿入されている。保護ケース32は、敏感なイメージングプレート30をひっかきや折れ曲がりから保護するために、機械的な保護として用いられる。同時に保護ケース32は、イメージングプレート30を望ましくない光入射から保護し、その光入射はイメージングプレート30上にあるメモリ潜像を破壊し、あるいは未露光のイメージングプレートを望ましくないやり方で露光してしまうものである。読み出すために、イメージングプレート30は保護された環境にある保護ケースから取り出され、読出し光によって点状又は行状に走査され、それによって刺激されたメモリセンターのX線画像を記憶するメタステーブル状態が弛緩して、蛍光を放出する。
【0021】
図3は、このようなイメージングプレート30を読み出すためのスキャン装置100を示しており、そのイメージングプレートはX線放射によって刺激されたメタステーブルのメモリセンターの形式でX線潜像を担っている。
【0022】
スキャン装置100は、イメージングプレート30のための支持装置114を有している。たとえば、メモリ泊30は支持装置114上に負圧で、一般的にフレキシブルなイメージングプレート30が支持面114上に平坦に密着するように、固定することができる。
【0023】
スキャン装置100は、さらに読出し光源としてレーザー116を有しており、そのレーザーは赤内にある波長を有する読出し光ビームを発生させ、それによってイメージングプレート30のメタステーブルのメモリセンターを刺激して発光させることができる。この蛍光120は、典型的に青である。
【0024】
スキャン装置100のこの実施形態においてレーザー116は、読出し光ビーム118を制御可能な偏向ユニットへ向けるように、配置されている。制御可能な偏向ユニットは、ここではミラー122として形成されている。しかしまた、たとえば光学系又は同種のもののような、ミラー以外の他の偏向ユニットも考えられる。ミラー122は、マイクロミラーとして、特にMEMSコンポーネントとして形成することができ、それによってミラー122と支持装置114の間の相対運動なし、あるいはわずかな相対運動をもって、イメージングプレート30の面の走査を可能にする。代替的にミラー122は、ドラムスキャナのための従来の回転するミラーとして設けることもできる。この場合においては、支持装置114とミラー122の間の相対運動は、移送装置(図示せず)によって実現される。
【0025】
スキャン装置100は、さらに、図において破線で示唆されるリフレクタ124を有しており、そのリフレクタがイメージングプレート30を取り巻く測定室全体を光が入らないように包囲しているので、イメージングプレート30から放出される蛍光120が光検出器126へ反射される。散乱した読出し光118が光検出器126内へ達することを阻止するために、たとえばダイクロイックフィルタ材料のような、適切な措置を設けることができる。
【0026】
読出しプロセスを制御するために、スキャン装置100は制御装置128を有しており、その制御装置は制御機能の他に評価あるいは補正機能も引き受けることができる。しかしまた、制御ユニット128自体又は評価及び/又は補正機能は、別のコンピュータ上に実装することもできる。制御ユニット128は、導線130によって支持装置114、検出器126、レーザー116及びミラー122と接続されている。
【0027】
読み出すために、制御ユニット128はレーザー116とミラー112を駆動して、イメージングプレート30を読出し光ビーム118によってシーケンシャルに点状に走査する。その場合に放出される蛍光120の強度が光検出器126によって検出されて、制御ユニット128内で出力するために編集される。
【0028】
図2B-Dには、イメージングプレート30の3つの異なる実施形態が示されている。
図2Bに示すイメージングプレート30は、その上エッジにバーコード構造34を有しており、そのバーコード構造が走査行の方向35において実質的にイメージングプレート30の幅全体に広がっている。バーコード構造34は次のように、すなわちたとえばスキャン装置100によってイメージングプレートを読み出す場合に、読出し光ビーム118の走査方向において読出し光ビーム118のための増大された反射性を有する領域36と、より小さい反射性を有する、たとえばノーマルな反射性を有する領域38とを有するように、形成されている。増大された反射性を有する領域36は、たとえば散乱領域として作用することができる。したがってイメージングプレートを走査する場合に、たとえばノーマルな読取りプロセスの前に、行状に走査する場合にバーコード構造34から生じた散乱光を検出することができる。このプロセスにおいては高い場所解像度は重要ではないので、散乱光はたとえば単純なフォトダイオード(図示せず)によって検出することができる。その代わりに、あるいはそれに加えて、場合によっては、必要とされる感度が低い場合に、もともと設けられている光検出器1126がこの課題を引き受けることもできる。
【0029】
図2Cと2Dは、変形例を示している。
図2Bのバーコード構造とは異なり、このバーコード構造40は走査方向35においてイメージングプレート30の表面の一部のみを覆っている。
図2Dに示す変形例においては、バーコード構造42は行状の走査方向35に対して垂直に延びており、したがって各走査行の始端において生じる散乱光の検出が必要である。
【0030】
バーコード構造の読出しもしくは検出によって獲得された情報は、たとえば中央に格納されている、たとえば記録パラメータのような、データを識別するために用いることができる。したがってイメージングプレート自体を介して間接的に得ることのできる情報を用いても、本来のX線画像の読取りの改良を達成することができる。
【0031】
図4は、読出しプロセスのための情報を提供する方法の実施形態を記述している。方法は、以下のステップを有している:
【0032】
イメージングプレートが、X線装置によって露光される(S1)。露光プロセスにおいて、X線画像がイメージングプレート内に潜在的に形成される。
【0033】
イメージングプレートに堅固に対応づけられたRFIDトランスポンダーに、露光プロセスの記録パラメータが書き込まれる(S2)。RFIDトランスポンダー上に調節すべき目標値のみが格納される場合には、書込みのプロセス(S2)は、露光のステップ(S1)の前に行うことができる。その代わりに、あるいはそれに加えて、書込みのプロセス(S2)は、露光プロセス(S1)の間、あるいはその後に行うことができ、かつその代わりに、あるいはそれに加えて、露光プロセス(S1)の間に検出された測定値をRFIDトランスポンダー上に記憶することができる。RFIDトランスポンダーに書き込むために、イメージングプレートはX線装置内に残すことができ、あるいはX線装置からすでに取り出しておくこともできる。
【0034】
RFIDトランスポンダー上にある記録パラメータが読み出される(S3)。イメージングプレートは、露光プロセス(S1)が終了し、かつRFIDトランスポンダーの書込みの後に読出し装置へ移動されて、そこで記録パラメータが読み出される。
【0035】
イメージングプレート上にあるX線画像が適切な読出し装置によって読み出される(S4)。読出し装置は、たとえばスキャン装置とすることができ、そのスキャン装置がレーザーによってX線潜像を能動化させて、それによって読出しを可能にする。記録パラメータの読出し(S3)とイメージングプレートの読出し(S4)のステップは、互いに独立して行うことができる。記録パラメータからイメージングプレートを読み出すための適切な調節を推定することができるようにするために、イメージングプレートの読出し(S4)の前に記録パラメータをRFIDトランスポンダーから読み出す(S3)ことができる。