(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-21
(45)【発行日】2024-01-04
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理装置の制御方法およびプログラムと検品システム及び検品システムの制御方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20231222BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20231222BHJP
H04N 1/387 20060101ALI20231222BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20231222BHJP
B41J 29/393 20060101ALI20231222BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20231222BHJP
【FI】
G06F3/12 375
G06F3/12 308
G06F3/12 329
G06F3/12 337
G06F3/12 343
G06F3/12 344
G06F3/12 373
G06F3/12 385
H04N1/00 002A
H04N1/387 110
B41J29/38 201
B41J29/393 105
G03G21/00 396
(21)【出願番号】P 2020003948
(22)【出願日】2020-01-14
【審査請求日】2023-01-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小橋 和文
【審査官】白石 圭吾
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-152745(JP,A)
【文献】特開2019-104117(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/09-3/12
H04N 1/00
H04N 1/38-1/393
B41J 29/00-29/70
G03G 13/34;15/00;15/36;21/00;21/02;21/14;21/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置が有する、印刷ジョブに含まれた検品指示に応じてシート面に形成された画像を読み取る読み取り機能を用いて前記画像の検品を行う情報処理装置であって、
着目印刷ジョブについて検品指示がされており、かつ前記画像形成装置が前記読み取り機能を有している場合には、前記着目印刷ジョブの設定が、検品を実行できない条件を満たしているかを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記着目印刷ジョブの設定が、前記条件を満たしていないと判定した場合に、前記着目印刷ジョブの内容に検品指示を示す情報を設定する設定手段と、
前記着目印刷ジョブを前記画像形成装置に送信する送信手段と、
前記画像形成装置から送信される画像に基づいて検品処理を実行する検品手段と
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記条件は、用紙タイプと秤量と用紙サイズと特殊加工の少なくともいずれかを含むことを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の情報処理装置であって、
前記設定手段による設定の後で前記着目印刷ジョブへの前記印刷ジョブの送信先となる画像形成装置が変更された場合には、前記判定手段による判定と前記設定手段による設定とをやり直すことを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記着目印刷ジョブの設定を表示するユーザインターフェース手段をさらに有し、
前記ユーザインターフェース手段により、前記着目印刷ジョブについて前記読み取り機能を用いた検品指示を設定できることを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の情報処理装置であって、
前記ユーザインターフェース手段により表示される情報には、印刷ジョブの識別情報と、検品方法と出力先の画像形成装置を示す情報とが含まれることを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記設定手段は、前記着目印刷ジョブの設定が、前記条件を満たしていると判定した場合にも前記着目印刷ジョブの内容に前記検品指示を示す情報を設定し、さらに、前記条件を満たしているか否かを示す情報を前記着目印刷ジョブに設定し、
前記検品手段は、前記着目印刷ジョブが、前記条件を満たしていない場合に、前記画像形成装置から送信される画像に基づいて検品処理を実行することを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
着目印刷ジョブについて検品指示がされており、かつ前記画像形成装置が前記読み取り機能を有している場合には、検品方法を示す情報を印刷させる手段をさらに有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
請求項7に記載の情報処理装置であって、
前記検品方法を示す情報を印刷させる手段は、前記着目印刷ジョブに対応する指示書の印刷ジョブがある場合には、前記指示書に前記検品方法を示す情報を追加することを特徴とする情報処理装置。
【請求項9】
請求項7に記載の情報処理装置であって、
前記検品方法を示す情報を印刷させる手段は、前記着目印刷ジョブによる印刷物に余白がある場合には、前記余白に前記検品方法を示す情報を追加することを特徴とする情報処理装置。
【請求項10】
請求項7に記載の情報処理装置であって、
前記検品方法を示す情報を印刷させる手段は、前記着目印刷ジョブに対応する指示書の印刷ジョブがなく、かつ、前記着目印刷ジョブによる印刷物に余白がない場合には、前記検品方法を示す情報を含む、前記着目印刷ジョブに対応する指示書の印刷ジョブを生成することを特徴とする情報処理装置。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記検品手段により検品した結果を含む検査ログを生成する手段をさらに有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項12】
請求項11に記載の情報処理装置であって、
前記検査ログには、前記着目印刷ジョブにより印刷した総部数と、検品の結果、不良と判定された部数と、前記画像形成装置から受信した画像とを含むことを特徴とする情報処理装置。
【請求項13】
請求項1乃至12のいずれか一項に記載の情報処理装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項14】
画像形成装置が有する、印刷ジョブに含まれた検品指示に応じてシート面に形成された画像を読み取る読み取り機能を用いて前記画像の検品を行う情報処理装置の制御方法であって、
着目印刷ジョブについて検品指示がされており、かつ前記画像形成装置が前記読み取り機能を有している場合には、前記着目印刷ジョブの設定が、検品を実行できない条件を満たしているかを判定し、
前記着目印刷ジョブの設定が、前記条件を満たしていないと判定した場合に、前記着目印刷ジョブの内容に検品指示を示す情報を設定し、
前記着目印刷ジョブを前記画像形成装置に送信し、
前記画像形成装置から送信される画像に基づいて検品処理を実行する
ことを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項15】
印刷ジョブから画像を生成し、前記生成した画像を印刷する印刷手段
を有する複数の画像形成装置と、前記画像形成装置と通信可能な情報処理装置とで構成されている検品システムであって、
前記印刷手段により画像を印刷した印刷物を読み取りスキャン画像を生成する生成手段と、
前記スキャン画像と、予め登録している正解画像とに基づいて前記印刷物を検品する検品手段と、
を備え、
前記印刷ジョブ
に対して検品指示がある場合に、前記印刷ジョブは、すくなくとも前記検品システムで検品
が可能か否かの
判定結果を含み、前記
判定結果に基づいて、前記検品手段で検品を行うかを制御する制御手段と
を有することを特徴とする
検品システム。
【請求項16】
前記印刷ジョブが
、検品
が可能でない情報を含む場合に、
前記制御手段は、前記生成手段により印刷物の読み取りをしないことにより検品しないように制御する
ことを特徴とする請求項15に記載の
検品システム。
【請求項17】
前記印刷ジョブが
、検品
が可能でない情報を含む場合に、
前記制御手段は、前記生成手段により前記スキャン画像を生成しないことにより検品しないように制御する
ことを特徴とする請求項15に記載の
検品システム。
【請求項18】
前記印刷ジョブが
、検品
が可能である情報を含む場合に、
前記制御手段は、前記生成手段により印刷物を読み取り、前記スキャン画像を生成することにより前記検品手段での検品を行うよう制御する
ことを特徴とする請求項15乃至17のいずれか1項に記載の
検品システム。
【請求項19】
前記印刷ジョブは、画像と画像に関する印刷設定の情報とで構成されており、
前記印刷設定の情報と、印刷条件の異なる複数の前記画像形成装置の印刷条件とを参照することにより決定した、印刷ジョブの送信先に印刷ジョブを送信する送信手段と、
を有することを特徴とする請求項1
5乃至18のいずれか1項に記載の
検品システム。
【請求項20】
前記画像形成装置で検品が可能か否かの情報は、前記決定された画像形成装置で検品できない条件を参照することにより前記印刷ジョブに付される情報である
ことを特徴とする請求項19に記載の検品システム。
【請求項21】
印刷条件の異なる複数の画像形成装置と、前記画像形成装置と通信可能な情報処理装置とで構成されている検品システムの制御方法であって、
複数の前記画像形成装置の印刷条件を参照することにより決定した印刷ジョブの送信先に印刷ジョブを送信する送信工程と、
前記印刷ジョブから画像を生成し、前記生成した画像を印刷する印刷工程と、
前記画像を印刷した印刷物を読み取りスキャン画像を生成する生成工程と、
前記スキャン画像と、予め登録している正解画像とに基づいて前記印刷物を検品する検品工程と、
を備え、
前記印刷ジョブは、少なくとも
決定された前記画像形成装置で検査が可能か否かの情報を含み、前記情報に基づいて、前記印刷物の検品をするか否かの制御を行うことを特徴とする
検品システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置および検査装置を含む印刷システムを制御するワークフローソフトウェア等に関するものである
【背景技術】
【0002】
近年、印刷装置により印刷されたシートを搬送中に検品装置によって検査可能とした印刷システムが知られている。印刷シートの検査では、検品装置が搬送された印刷シートの画像を読み取り、読み取った画像の画像解析により品質を評価し、評価結果に基づいて印刷シートの品質が基準を満たしているか、すなわち正常であるか否かを判定する。検品装置は、評価対象の項目として、例えばバーコードや罫線の欠け、画像抜け、印刷不良、ページ抜け、色ずれなどを検出することが可能である。こうして印刷シートが、基準を満たしていない品質の欠陥シートであると判定された場合には、当該欠陥シートは正常シートとは別の排紙先に排紙される。これにより欠陥シートが正常シートに混入することが防がれ、オペレータが欠陥シートを廃棄することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている印刷システムでは、印刷装置に複数種の検査(例えば画像品質検品と名寄せ検品)を処理する検品装置を保持し、印刷ジョブの種類に応じて適切な検品装置を使用して検査を実行することが可能となる。しかしながら、印刷装置の検品装置の特性上、印刷ジョブの属性によっては適切な検査を実行することが困難な場合が存在する。例えば、用紙の表面性が一枚ごとに異なるエンボス紙のような特殊な用紙属性を使用している印刷ジョブでは、印刷シートの画像を読み取った結果が一枚ごと異なる。そのため、印刷装置の検品装置で読み取った画像を元に検査してしまうと、正常な検査が実行できず、不必要に欠陥と判断されたシートが多量に排出されてしまう可能性がある。
【0005】
本発明な上記従来例に鑑みて成されたもので、検品装置を用いた検品に適していない出力物に対しては検品装置による検品を実施しないことで、検品の信頼性をより高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明は以下の構成を有する。すなわち本発明の一側面によれば、画像形成装置が有する、印刷ジョブに含まれた検品指示に応じてシート面に形成された画像を読み取る読み取り機能を用いて前記画像の検品を行う情報処理装置であって、
着目印刷ジョブについて検品指示がされており、かつ前記画像形成装置が前記読み取り機能を有している場合には、前記着目印刷ジョブの設定が、検品を実行できない条件を満たしているかを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記着目印刷ジョブの設定が、前記条件を満たしていないと判定した場合に、前記着目印刷ジョブの内容に検品指示を示す情報を設定する設定手段と、
前記着目印刷ジョブを前記画像形成装置に送信する送信手段と、
前記画像形成装置から送信される画像に基づいて検品処理を実行する検品手段と
を有することを特徴とする情報処理装置が提供される。
また本発明の他の側面によれば、印刷ジョブから画像を生成し、前記生成した画像を印刷する印刷手段を有する複数の画像形成装置と、前記画像形成装置と通信可能な情報処理装置とで構成されている検品システムであって、
前記印刷手段により画像を印刷した印刷物を読み取りスキャン画像を生成する生成手段と、
前記スキャン画像と、予め登録している正解画像とに基づいて前記印刷物を検品する検品手段と、
を備え、
前記印刷ジョブに対して検品指示がある場合に、前記印刷ジョブは、すくなくとも前記検品システムで検品が可能か否かの判定結果を含み、前記判定結果に基づいて、前記検品手段で検品を行うかを制御する制御手段と
を有することを特徴とする検品システムが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、検品装置を用いた検品に適していない出力物に対しては検品装置による検品を実施しないことで、検品の信頼性をより高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】本発明の情報処理装置のハードウェア構成を示す図
【
図3】本発明の画像形成装置のハードウェア構成を示す図
【
図5A】本発明の第一の実施形態における検品方法設定処理を示したフローチャート
【
図5B】本発明の第一の実施形態における検品方法設定処理を示したフローチャート
【
図9】ワークフローアプリケーションのUI画面の一例を示す図
【
図11】本発明の第二の実施形態における検品方法設定処理を示したフローチャート
【
図13】(A)印刷ログ画面の一例を示す図、(B)検査ログ画面の一例を示す図
【
図14】本発明の第三の実施形態における検品方法設定処理を示したフローチャート
【
図16】指示書ジョブを含む印刷ジョブ情報リストの一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0010】
<第一の実施形態>
図1は本発明の実施形態におけるシステム構成図を示した図である。本実施例のシステム構成は、情報処理装置101・102、画像形成装置103・104、外部コントローラ105を備える。情報処理装置101・102と画像形成装置103・104と外部コントローラ105は、ネットワーク100を介して互いに接続される。情報処理装置101は、顧客からの注文を管理する注文管理サーバーの役割を担う。情報処理装置102は、画像形成装置103・104、外部コントローラ105と接続され、注文管理サーバーから受信した注文に基づく印刷ジョブを生成し、印刷データを送信する役割を担う。画像形成装置103は、情報処理装置102から送信される印刷データを解析し、1ページずつドットイメージに変換(ラスタライズ処理)して印刷する。画像形成装置102から出力された印刷物は、後処理装置(不図示)で断裁、折りなどの後加工が施されたり、オペレータにより印刷物の検査、梱包、配送などの処理が行われたりする。外部コントローラ105は、情報処理装置102から印刷指示を受け取ると、印刷データ解析やラスタライズ処理を行い、画像形成装置104に対して印刷データを投入し印刷指示を行う。画像形成装置は、本体内の印刷データ解析・ラスタライズ処理を外部コントローラ105側で行うことで、大容量の印刷データを高速で処理することが可能となる。なお、
図1では情報処理装置101と102を別に分けているが一つの情報処理装置で構成されても構わない。また、画像形成装置に関しても一つの構成でも、二つ以上の複数の構成であっても構わない。
【0011】
●情報処理装置の構成
図2は情報処理装置101・102および外部コントローラ105のハードウェア構成図である。CPU201はROM202に記憶された制御プログラムを読み出して各種制御処理を実行する。RAM203はCPU201の主メモリ、ワークエリアなどの一時記憶領域として用いられる。HDD204は画像データや各種プログラムを記憶する。キーボード205は指示入力手段である入力装置であり、本発明の後述するアプリケーションに対して制御コマンドの命令やテキスト入力などを指示する。ポインティングデバイス206はキーボード205とともに指示入力手段である入力装置であり、後述するアプリケーションに対して制御コマンドの命令を指示する。ディスプレイ207は表示手段である出力装置であり、キーボード205やポインティングデバイス206から入力されたコマンドや本発明の後述するアプリケーションの状態などを表示する。ネットワークI/F208は情報処理装置101・102および外部コントローラ105をネットワーク(Local Area Networkやインターネットなど)に接続する。情報処理装置101・102および外部コントローラ105はネットワークI/F208を用いてネットワーク上の他の装置と各種情報を送受信する。
【0012】
●画像形成装置の構成
図3は、画像形成装置103・104のハードウェア構成図である。画像形成装置103・104は、操作部304、認証部305、NIC306、CPU309、RAM310、ROM311、記憶部312、画像読取部307、印刷部308、撮影部313を備え、制御部301を介して接続されている。
【0013】
制御部301は、画像形成装置全体を制御する装置制御部302と、画像データを処理する画像処理部303とを有する。操作部304は、例えばソフトウェアキーボード、タッチパネル、その他入出力装置によって構成され、各種の設定値の入力、および表示をすることが可能である。CPU309は、ROM311内に記憶されたプログラムや、記憶部312からRAM310にロードされたアプリケーション等のプログラムを実行する。すなわち、CPU309が、読み取り可能な記憶媒体に格納されたプログラムを実行することにより、各処理部として機能する。RAM310は、CPU309のメインメモリであり、ワークエリア等として機能する。画像読取部307は、例えばスキャナーによって構成され、紙文書等を読取ることにより画像データ形式の文書画像を取得することができる。
【0014】
制御部301は、記憶部312に記憶された文書画像を操作部304に提供し、操作部304上に文書画像を出力する処理を実行する。また、制御部301は同様に記憶部312に記憶された文章画像を、印刷部308に提供し、印刷部308は、種々の形式で文書画像を出力する処理を実行する。例えば、印刷部308は、文書画像に係る画像データを、記憶媒体に出力する処理を実行することができる。あるいはまた、印刷部308は印刷機能を備え、紙媒体等の出力媒体に文書画像を出力する処理を実行してもよい。撮影部313は、本画像形成装置の検品装置に該当し、例えばスキャナーによって構成され、印刷部308で出力された出力媒体の文書画像を読み取る処理を実行する。すなわち撮影部313はシートに形成された画像を読み取る読み取り機能を有する。また、画像形成装置103・104は、NIC306を介して、ネットワークと接続し、データの送受信を可能とする。NIC306を介して得られたデータは、操作部304上に表示することも可能である。
【0015】
●情報処理装置の構成(ソフトウェア)
図4は情報処理装置101・102のソフトウェア構成図である。注文管理アプリケーション401は情報処理装置101にインストールされて動作し、実行される場合にRAM203にロードされ、CPU201により実行されるプログラムモジュールである。UI部402はグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)の構築やユーザーからの各種入力操作を受け付けて対応する処理の実行指示を行う。注文処理部403はUI部402を介してユーザーから入力された注文情報を元に、後述する注文情報リストを生成する。注文送信部404は注文処理部403で作成された後述する注文情報リストを、ネットワーク100を経由して情報処理装置102にインストールされたワークフローアプリケーション405へ送信する。
【0016】
ワークフローアプリケーション405は、情報処理装置102にインストールされて動作し、実行される場合にRAM203にロードされ、CPU201により実行されるプログラムモジュールである。UI部406はグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)の構築やユーザーからの各種入力操作を受け付けて対応する処理の実行指示を行う。注文受信部407は、注文管理アプリケーション401の注文送信部404から送信された注文管理リストを受信し、注文内容から印刷ジョブを生成する処理を行う。印刷ジョブ生成処理の詳細は後述する。外部通信部408は、情報処理装置102に接続されるバーコード等の外部装置から送信される情報を受信する。
【0017】
ジョブ管理部409は、注文受信部407で生成した印刷ジョブを管理し、後述するジョブ制御部410から受信される印刷ジョブの各種操作に応じて印刷ジョブの情報を変更する。ジョブ制御部410は、UI部406から受信した印刷ジョブに対するユーザーからの入力内容に応じて、対応する処理を実行する。デバイス管理部411はワークフローアプリケーション405が出力する画像形成装置などのデバイス情報を管理する。印刷処理部412はジョブ制御部410から印刷ジョブの印刷処理が指示されると、対象の印刷ジョブを指定の画像形成装置に送信する。
【0018】
検査処理部413は印刷処理部412で送信した印刷ジョブの印刷結果の画像データを画像形成装置から受信し、印刷結果が正常であるか否かを判定する。印刷結果が正常であるか否かの検査方法には、幾通りかの方法がある。例えば、印刷ジョブの(紙媒体に出力して目視で正常と判断した)出力媒体を画像形成装置の画像読取部307でスキャンした画像データを予め準備しておき、印刷時に撮影部313で読み取った画像データと画像比較し欠陥の有無を判定する方法がある。また例えば、外部コントローラ105や画像形成装置で生成した印刷ジョブのラスタライズ画像と、印刷時に撮影部313で読み取った画像データと画像比較して判定する方法などがある。いずれの方法も、シート表面に形成された画像を光学的に読み取ってディジタル化し、それを基準となる画像データ(基準画像あるいは基準画像データなどと呼ぶ)と比較することで印刷品質を評価する。本実施形態では、画像形成装置の印刷結果を自動で検査する方法であれば、いずれの検査方法であっても構わない。検査情報管理部414は、検査処理部413の検査結果など印刷ジョブの検査に関わる情報を管理する。
【0019】
デバイス情報データ415は、デバイス管理部411で管理している画像形成装置の各種情報を格納するデータベースであり、名称やIPアドレスなどの基本情報に加え、後述する検査条件テーブル(
図8)の情報を格納する。ジョブ情報データ416は、ジョブ管理部406で管理している印刷ジョブの情報を格納するデータベースであり、ワークフローアプリケーション405が印刷対象としている印刷ジョブや、印刷済みの印刷ジョブのログ情報などを格納する。検査情報データ417は、検査情報管理部414が管理する印刷ジョブの検査結果や、検査に関わる情報(例えば印刷ジョブを検査するための基準となる画像データなど)を格納する。
【0020】
●検査処理手順
図5A、
図5Bはワークフローアプリケーションの印刷ジョブの検査設定処理及び印刷処理を示したフローチャートである。
図6、
図7、
図8にそれぞれ示す注文情報リスト、印刷ジョブ情報リスト、検査条件テーブル、
図9に示すワークフローアプリケーションのUI画面、および
図10に示すジョブチケット例を用いて各処理ステップに関して説明する。なお
図5A、
図5Bは一連の処理を表すフローなので、以下の説明ではこれらをまとめて
図5と呼ぶ。この手順は主として情報処理装置102により実行される。なお説明上、着目した印刷ジョブを特に着目印刷ジョブと呼ぶ。
【0021】
S501は、ワークフローアプリケーション405の注文受信部407が注文管理アプリケーション401の注文送信部404から送信された注文情報リストを受信する処理ステップである。
図6は注文情報リストの一例を示している。[受注ID]は注文を一意に識別するIDすなわち識別情報である。[顧客名]は注文を依頼した顧客名である。商材名は顧客が注文した商品(成果物)を特定する識別子を示している。例えば"Book_A4_D_P"は、仕上がりサイズA4の無線綴じ製本の成果物を示す識別子を示している。[部数]は顧客が指定した注文数、[用紙タイプ]は使用される用紙種類を示している。[加工]は当該注文において特殊な加工が使用されるか否かを示しており、例えばUVライトを照射することで色が変化するインビジブルトナーなどの特色加工や、ホログラム加工、エンボス加工などがある。[検品]は当該注文において成果物の検品要望があるか否かを示している。一定基準以上の品質を満たすことを検査して納品されることを希望する場合は[検品]の値が"する"に設定される。[データ]は当該注文で使用されるコンテンツデータのファイル名やファイルパスを示している。
【0022】
注文送信部404は、UI部402を介してユーザーから注文情報の入力を受信して、注文処理部402で入力された注文情報に基づいて作成された注文情報リストを、ネットワーク100を通じてワークフローアプリケーション405へ送信する。ワークフローアプリケーション405の注文受信部407は、注文送信部404から送信された注文情報リストを受信し、RAM203上に展開する。
【0023】
S502は、受信した注文情報リストを解析し、ワークフローアプリケーション405が扱う印刷ジョブ情報リストを作成する処理ステップである。注文受信部407は、注文情報リストに含まれる各注文の内容を解析して、印刷ジョブ情報を作成しRAM203上に展開する。
図6の注文情報リストに基づいて作成された印刷ジョブ情報リストを
図7に示す。本処理ステップでは、印刷ジョブ情報リストの初期状態である
図7(A)を作成する。
【0024】
例えば、
図6の[受注ID]="20190522001-001-001"は、[商材名]="Book_A4_D_P"が指定されている。また、ワークフローアプリケーション405で予め定義されている商材情報(不図示)では、[商材名]="Book_A4_D_P"は、用紙サイズSRA3のCoverと、用紙サイズSAR4のBodyの2つの部品から構成されている。そのため、それぞれの部品について印刷ジョブ(
図7(A)の[ジョブID]="001"と"002")が生成される。
図7(A)の印刷ジョブ情報リストの[顧客名]、[商材名]、[部数]など、
図6の注文情報リストに同じ値が存在するものはそのままの値を引き継ぐ。一方、[印刷方法]、[カラー]など商材情報(不図示)に定義された情報は、商材情報の定義に基づいて適宜設定される。
【0025】
[出力先]は印刷ジョブを出力する画像形成装置を識別する情報となり、デバイス管理部411を介してデバイス情報データ415へアクセスし、ワークフローアプリケーション405が接続している画像形成装置を設定する。複数の画像形成装置と接続している場合、[出力先]には予め初期値として決められた画像形成装置を設定しても良い。あるいは、ある条件(例えばカラー印刷のジョブであればカラー機、モノクロ印刷のジョブであればモノクロ機)に従って設定するようにしても構わない。また、注文管理アプリケーション401側で出力先を設定可能として、
図6の注文情報リストに出力先の情報を追加し、その情報に基づいて印刷ジョブ情報リスト(
図7(A))へ設定しても構わない。[検品対象]、[検品方法]に関しては、本処理ステップの段階では不定を示す値が設定される。
【0026】
S503は受信した注文情報リストに検品を行う検品要望が設定されているか否かを判断する処理ステップである。注文受信部407は、受信した注文情報リストの[検品]の設定値を確認し、"する"が指定されている場合は、S504へ進む。一方、注文情報リストの[検品]に"しない"が設定されている場合は、S505へ進む。
【0027】
S504は該当する印刷ジョブを検品対象に設定する処理ステップである。注文受信部407は、S503で注文情報リストの[検品]の設定値が"する"となっている注文に対応する印刷ジョブ情報リストの[検品対象]の値を"対象"に設定する。
S505は、該当する印刷ジョブを検品非対象に設定する処理ステップである。注文受信部407は、S503で注文情報リストの[検品]の設定値が"しない"となっている注文に対応する印刷ジョブ情報リストの[検品対象]の値を"非対象"に設定する。
図7(B)は、S504およびS505で[検品対象]の値が設定された印刷ジョブ情報リストを示している。[検品対象]の値が、注文情報リストの[検品]の値に基づいて入力された状態となる。
【0028】
S506は検品条件テーブルの情報を取得する処理ステップである。検品条件テーブルは、ワークフローアプリケーション405が接続している画像形成装置での検品実行条件を定義したテーブルである。画像形成装置ごとに検品能力が異なるため、接続する画像形成装置ごとに検品条件テーブルが定義される。
図8(A)、(B)は検品条件テーブルの一例を示している。
【0029】
図8(A)は画像形成装置(iPRCxxxxx)の検品条件テーブルを示しており、検品が実行できない条件がテーブルに設定されている。例えば、[用紙タイプ]が"エンボス"や"タブ紙"の時は画像形成装置で検品が実行できない旨を示している。同様に用紙の[坪量]が200gsm以上、[用紙サイズ]が"330.2mm × 487.7mm以上"、[特殊加工]が"特色"である場合も検品が実行できない。
図8(B)は画像形成装置(VPxxxxx)の検品条件テーブルを示している。検品条件テーブルはデバイス情報データ415に格納され、デバイス管理部411を介して取得され、本フローチャートを実行中に一時的にRAM203に展開される。検品条件テーブルは予め定義されたものを保持しておく形態でも、接続する画像形成装置から取得して作成する形態でも構わない。また、検品条件テーブルは、
図8(A)、(B)のような検品が実行できない条件を定義する形式ではなく、検品が実行可能な条件が定義される形式でも構わない。また
図8では、条件として用紙タイプと秤量と用紙サイズと特殊加工とを含むが、これらの少なくともいずれかを含んでもよいし、さらに別の条件を含んでもよいし、これら以外の他の条件であってもよい。
【0030】
S507からS511は、印刷ジョブ情報リストの[検品方法]を設定する処理ステップであり、印刷ジョブ情報リストに登録された印刷ジョブ毎にループして処理ステップが実行される。S507、S511は印刷ジョブに順次着目して印刷ジョブ情報リストの印刷ジョブにすべてについて処理を終了したならループを抜けることを示す。
【0031】
S508は着目印刷ジョブが画像形成装置の検品装置を用いて検品を実施可能か否か判断する処理ステップである。ジョブ管理部409は、当該印刷ジョブの出力先に対応するデバイス情報データ415を、デバイス管理部411を介してRAM203から読み出し、印刷ジョブの各種設定に基づいて、検品可能か否かを判断する。例えば、
図7(B)の印刷ジョブ情報リストのジョブID"0001"は、[出力先]"iPRCxxxxx"である。そのため、
図8(A)で示した検品条件テーブルの情報を参照し、印刷ジョブの各設定[用紙サイズ]・[用紙タイプ]・[加工]などが検品できない条件に合致していないかを判定する。ジョブID"0001"の各設定は、検品条件テーブルに定義された条件に合致しないため、ジョブID"0001"は画像形成装置"iPRCxxxxx"の検品装置を用いて検品可能と判断する。一方、ジョブID"0003"に関しては[出力先]"iPRCxxxxx"の検品条件テーブル(
図8(A))で検品できない条件として定義されている[用紙タイプ]"エンボス"の設定がされている。そのため、画像形成装置"iPRCxxxxx"の検品装置を用いて検品不可と判断する。本明細書では以後、画像形成装置の検品装置を用いて検品することを"インライン検品"、画像形成装置の検品装置を使用せずに(例えば、目視やオフラインの測色機を使うなど)検品することを"オフライン検品"と記述する。インライン検品可能と判断した場合はS509、インライン検品が不可であり、オフライン検品と判断した場合はS510へ進む。
【0032】
S509は、インライン検品実行可能と判断した印刷ジョブの[検品方法]を"インライン検品"に設定する処理ステップである。ジョブ管理部409は、インライン検品実行可能と判断した印刷ジョブのジョブIDの[検品方法]を"インライン検品"に設定する。
【0033】
S510は、インライン検品実行不可能と判断した印刷ジョブの[検品方法]を"オフライン検品"に設定する処理ステップである。ジョブ管理部409は、インライン検品実行不可能と判断した印刷ジョブのジョブIDの[検品方法]を"オフライン検品"に設定する。
【0034】
S511は印刷ジョブ毎のループ処理の終了を示しており、印刷ジョブ情報リストのすべての印刷ジョブに関して処理が終了していればS512へ進む。処理が終了していない印刷ジョブが残っていれば、処理が終了していない印刷ジョブに関してS508、S509、S510の処理を実行する。
図7(C)は、
図7(B)の印刷ジョブ情報リストのすべての印刷ジョブに対して、S508、S509、S510の処理が実行された状態の印刷ジョブ情報リストを示している。検品対象のすべての印刷ジョブに対して[検品方法]が設定された状態となっている。
【0035】
S512は生成した印刷ジョブ情報リストに基づいてワークフローアプリケーション405に印刷ジョブを登録する処理ステップである。ジョブ管理部409はRAM203上に生成された印刷ジョブ情報リストをジョブ情報データ416へ格納する。ジョブ管理部406はジョブ情報データ416の印刷ジョブ情報リストにアクセスし、UI部406を介してワークフローアプリケーション405のUI画面に印刷ジョブを表示する。
【0036】
図9は、ワークフローアプリケーション405のユーザインターフェース(UI)画面例を示している。画面901はワークフローアプリケーション405のメインウインドウを示している。領域902は各種機能を実行するボタンが配置されるメニューボタンエリアを示している。ボタン903は印刷ジョブの送信を実行する印刷ボタンを示している。ボタン904はワークフローアプリケーションの印刷ジョブのログ情報を表示するログボタンを示している。ボタン905は印刷ジョブを削除する削除ボタンを示している。リスト906は印刷対象の印刷ジョブをリストした印刷ジョブリストを示している。ボタン907は印刷ジョブの[検品方法]の設定値を手動で変更するためのドロップダウンボタンを示している。ドロップダウンボタン907を押下すると検品方法を指定するための選択肢(インライン、オフライン、しない)が表示されユーザーが任意に変更することを可能にする。ボタン908は印刷ジョブの[出力先]の設定値を手動で変更するためのドロップダウンボタンを示している。ドロップダウンボタン908を押下すると、ワークフローアプリケーション405が接続している画像形成装置が選択肢として表示され、[出力先]をユーザーが任意に変更することを可能にする。
【0037】
領域909はワークフローアプリケーション405で接続している画像形成装置をリストするデバイス一覧領域を示している。アイコン910はワークフローアプリケーション405が接続している画像形成装置を示している。印刷ジョブリスト906は、
図7(C)の印刷ジョブ情報リストに基づいて表示された例を示している。印刷ジョブリスト906は、印刷ジョブ情報リストに存在するすべての設定項目を表示しなくても構わない。例えば、印刷ジョブ情報リストの[データ](コンテンツデータのファイル名)などは印刷オペレータに意識させる必要が無いためUI画面には表示しないように設定可能であってよい。一方、印刷ジョブ情報リストに存在しない設定値を追加して表示しても構わない。例えばジョブリスト906の[ステータス]は印刷ジョブのステータスを示している。ステータスには印刷ジョブを送信可能な状態を示す"準備完了"や、送信した印刷ジョブがエラーになっている状態を示す"送信エラー"などがある。ステータスには、ワークフローアプリケーション405の状態よって動的に変化する項目を追加して表示するようにしている。
【0038】
S513は、検品対象の印刷ジョブの出力先が変更されたか否かを判断する処理ステップである。UI部406はドロップダウンリスト908が操作され、出力先の画像形成装置の変更指示を受信すると、ジョブ制御部410を介して該当印刷ジョブの画像形成装置の変更を実行する。ジョブ制御部410は、ジョブ管理部409を介して印刷ジョブ情報リストへアクセスし、該当する印刷ジョブの[出力先]を変更後の画像形成装置の値に変更する。ジョブ管理部409は印刷ジョブ情報リストを参照し、[出力先]を変更した印刷ジョブの[検品対象]の値が"対象"であるか否かを判断する。印刷ジョブの[検品対象]の値が"対象"である場合、S507へ進み前述した検品方法を設定する処理ステップを、変更した画像形成装置の検品条件に基づいて実行する。それ以外の場合はS514へ進む。
【0039】
S514は、印刷ジョブの検品方法が変更されたか否かを判断する処理ステップである。UI部406はドロップダウンリスト(907)が操作され、[検品方法]の変更指示を受信すると、印刷ジョブの検品方法の変更を受信したと判断し、S515へ進む。それ以外の場合は、S517へ進む。
【0040】
S515は、S514で受信した印刷ジョブの検品方法の変更を実行する処理ステップである。ジョブ制御部410は、UI部406から受信した変更後の検品方法の値を受信し、ジョブ管理部409を介して、印刷ジョブ情報リストの該当する印刷ジョブの[検品方法]の値を変更後の値に更新する。
【0041】
S516は、S515で変更した検品方法が"インライン"であるか否かを判断する処理ステップである。検品方法が"しない"もしくは"オフライン"から、"インライン"に変更された場合は、S507へ進み前述した検品方法を設定する処理ステップを再実行する。それ以外の場合はS517(
図5B)へ進む。
【0042】
S517は印刷ジョブを出力先の画像形成装置に送信する指示を受信する処理ステップである。UI部406は、印刷ボタン903の押下を受信するとジョブ制御部410へ印刷ジョブの送信処理を指示する。ジョブ制御部410は印刷ジョブの送信処理を受け付けると、UI部406を介して送信対象として選択されている印刷ジョブの情報を受信して、受信した印刷ジョブを送信対象に設定し、印刷処理部412へ印刷ジョブの送信を指示する。
【0043】
S518は送信対象の印刷ジョブの[検品方法]が"インライン"であるか否かを判断する処理ステップである。印刷処理部412は印刷ジョブの[検品方法]の設定値を、ジョブ管理部409を介して印刷ジョブ情報リストから取得する。印刷ジョブの[検品方法]が"インライン"である場合、すなわち検品要望があり且つ検品可能である場合は、S519へ進む。一方、"オフライン"すなわち検品要望はあるが検品可能ではない場合、もしくは検品非対象である場合すなわち検品要望がない場合はS520へ進む。
【0044】
S519は画像形成装置へ送信する印刷ジョブの設定内容を包含したジョブチケットに対して、検品実行を指示する記述(すなわち検品指示)を追加する処理ステップである。印刷処理部412はS518で印刷ジョブの[検品方法]が"インライン"であることを判断すると、送信するジョブチケットに画像形成装置の検品装置を用いて検品する旨の記述すなわち検品指示を追加する。
図10(A)、(B)はジョブチケットの一例を示している。
図10(A)はS519の処理実行前のジョブチケットを示している。タグ<PrintSettings>1001の中に印刷ジョブの各種印刷設定が定義されている。例えば、[Copies]は部数のパラメータを示し値に"10部"が設定されている、また[Duplex]は片面両面印刷のパラメータを示し値に"Simplex=片面"が設定されている状態を示している。
図10(B)はS519の処理実行後のジョブチケットを示している。[Inspection]1002は、画像形成装置で検品を実行するためのパラメータを示しており、値を"ON"にすることで検品実行の指示となる。[Inspection]1002のパラメータが存在しない、もしくは値が"OFF"の時は検品を実行しない指示となる。ここにおいてジョブチケットは画像形成装置への指示が可能な形式であれば、独自の形式であっても、業界標準の形式(例:JDF)でも構わない。画像形成装置では、受信した印刷ジョブ(特にジョブチケット)に含まれた[Inspection]タグ1002の値が"ON"であれば、検品装置を用いてシートに形成された画像を撮影し、その画像を情報処理装置102に送信する。なお撮影指示は[Inspection]タグとは限らず、他のパラメータたとえば[PrintedImage]タグをオンとすることで行ってもよい。
【0045】
S520は印刷ジョブの送信先として設定された画像形成装置へ印刷ジョブを送信する処理ステップである。印刷処理部412は対象の印刷ジョブのコンテンツデータとジョブチケットデータを出力先で指定される画像形成装置へ送信する。
【0046】
S521は画像形成装置で印刷した紙媒体を撮影部313で読み取った画像データを、ワークフローアプリケーション405が受信したか否かを判断する処理ステップである。画像形成装置は検品実行指示が記述されたジョブチケットを受信すると、装置制御部302を介して印刷部308で印刷した出力物を撮影部313で撮影し、取得した画像データをワークフローアプリケーション405へ送信する。ワークフローアプリケーション405の検品処理部413が画像形成装置から画像データを受信した場合はS522へ進み、画像データを受信しない場合(画像形成装置の検品装置を用いて検品を実行しない場合)は本処理ステップを終了する。
【0047】
S522は検品処理を行うステップである。すなわちS522は、画像形成装置から受信した画像データに基づいて印刷結果が正常であるか否かを、例えば印刷された画像の品質が所定の基準を満たしているか否かに基づいて判定する処理ステップである。検査処理部413は画像形成装置から受信した画像データと、基準となる画像データと比較し画像に欠陥が無いかを判定する。ここで基準となる画像データは前述したように、予め試し印刷を行い目視で正常と判断した出力媒体をスキャンした画像データや、外部コントローラや画像形成装置で生成した印刷ジョブデータに基づいたラスタライズ画像などであって良い。また、品質評価の項目、たとえば画像の欠陥の例に関してはバーコードや罫線の欠け、画像抜け、印刷不良(黒ポチ、スジなど)、ページ抜け、色ずれなどとなる。
【0048】
S523は画像形成装置から受信した画像データおよび、S522の検査結果をログデータとして記録する処理ステップである。検査情報管理部414はS520で送信した印刷ジョブ情報と関連付けて、S521で受信した画像データと、S522の検査結果を検査情報データ417へ格納する。例えば、
図7(C)の[ジョブID]"0001"の印刷ジョブであれば、片面のCover(1ページ)を10部となる。そこで、10ページ分の画像データが関連付けて保持され、各部ごとに欠陥の有/無、欠陥が有る場合は欠陥の位置と内容などの情報が格納される。
【0049】
●検査ログ
図13(A)は印刷ジョブのログ情報を表示する印刷ログ画面を表示している。本画面は、ワークフローアプリケーション405のメインウインドウ901の印刷ジョブリスト906で対象の印刷ジョブを選択しログボタン904を押下することで表示される。画面1301は印刷ログ画面を示している。領域1302は印刷ログ画面で表示している印刷ジョブのジョブIDを示している。領域1303は印刷ジョブの総部数と印刷エラーの件数を示している。領域1304は検査総数と検査方法(インライン、オフライン)、検査でNG(不合格すなわち基準に不適合)となった件数を示している。リスト1305は各印刷ログをリスト表示している印刷ログリストを示している。部毎に印刷時刻、印刷結果、検査結果などを表示する。ボタン1306は検査ログ詳細ボタンを示しており、印刷ログリストで選択した印刷ログに対して、さらに詳細な検査結果(
図13(B)の検査ログ画面)を表示するためのボタンである。ボタン1307はバーコード入力ボタンを示している。バーコード入力ボタン1307を押下するとバーコード入力モードとなり、出力された印刷物に印字されているバーコードをバーコードリーダー(不図示)で読み取る。こうすることで、出力物に対応した検査ログを登録するための検査ログ画面(
図13(B))を自動で表示することを可能にする。ボタン1308は本印刷ログ画面を閉じるための閉じるボタンを示している。
【0050】
図13(B)は印刷ジョブの各部における検査の詳細ログを表示する検査ログ画面を示している。画面1309は検査ログ画面を示している。領域1310は検査ログ画面で表示している印刷ジョブのジョブIDと部番号を示している。領域1311はNG項目一覧を示しており、検出された検査NGの項目と件数を一覧表示する。領域1312は印刷画像を表示するエリアを示しており、画像形成装置の検品装置で撮影された印刷画像データの内容が表示される。なお、複数ページで構成される印刷ジョブの場合は、印刷画像エリア1312に複数ページ分の画像がページ送り可能な形式で表示される。ボタン1313は検査ログを手動登録するための手動登録ボタンを示している。手動登録ボタン1313を押下すると、印刷画像エリア1312に表示されている画像データ上の指定した場所にゴミやスジなどの汚れがあることを手動で登録することが可能となる。ボタン1314は本検査ログ画面で編集した内容を保存して閉じるための保存ボタンを示している。ボタン1315は本検査ログ画面で編集した内容を保存せずに閉じるためのキャンセルボタンを示している。インジケータ1316および1317は検品作業によって検出されたNG項目を示すインジケータを示している。インジケータ1316黒ポチがある旨を示し、インジケータ1317は縦スジがある旨を示している。例えば、インライン検品を実行した印刷ジョブについては、
図13(A)の印刷ログリスト1305の検査結果、および
図13(B)の検査ログ画面の内容はS522の検査結果から自動的に入力された状態となる。
【0051】
以上の処理により、検品対象となっている印刷ジョブが出力先の画像形成装置の検品装置を用いて検品可能か否かを判断し、検品可能な設定の時のみ画像形成装置の検品装置を用いて検品を実行することが可能となる。これにより、画像形成装置の検品装置を用いた検品が不適当な印刷ジョブを誤って検品し、欠陥と判定される出力物を多量に生成してしまうことを防ぐことが可能となる。なお、本実施例では、画像形成装置で画像データを生成し、印刷の欠陥を検査する処理はワークフローアプリケーション405側という構成で説明したが、検査処理に関しても画像形成装置側で実行する構成でも構わない。
【0052】
<第二の実施形態>
本発明の第二の実施形態に関して説明する。なお、第一の実施形態と同一の構成に関しては説明を省略する。第二の実施形態では、インライン検品を実行しないオフライン検品の印刷ジョブも、画像形成装置で撮影した画像データを検査ログに登録可能とする処理に関して説明する。
【0053】
●検査処理手順
図11はワークフローアプリケーションの印刷ジョブの検査設定処理及び印刷処理を示したフローチャートである。なお、
図11は、第一実施形態の
図5Bに代えて本実施形態で実行される手順であり、
図5Aの続きとなるので、
図5Aに記載した手順については説明を省略する。また
図11についても、第一の実施形態の
図5Bと同一の処理に関しては同一の符号を使用して説明を省略する。
図5Aで印刷ジョブ情報リストの設定が完了すると、S517で印刷ジョブを出力先の画像形成装置に送信する指示を受信する。
【0054】
S1101は送信対象の印刷ジョブが検品対象か否かを判断する処理ステップである。印刷処理部412は印刷ジョブの検品方法の設定値を、ジョブ管理部409を介して印刷ジョブ情報リストから取得する。印刷ジョブの[検品方法]が"インライン"もしくは"オフライン"である場合は、S1102へ進み、検品非対象である場合はS520へ進む。
【0055】
S1102は画像形成装置へ送信する印刷ジョブの設定内容を包含したジョブチケットに対して、検品実行および印刷画像の撮影を指示する記述を追加する処理ステップである。印刷処理部412はS1102で印刷ジョブの検品方法が"インライン"であることを判断すると、送信するジョブチケットに画像形成装置の検品装置を用いて検品する旨の記述を追加する。さらに、印刷処理部412はS1102で印刷ジョブが検品対象("インライン"もしくは"オフライン")であることを判断すると、送信するジョブチケットに画像形成装置の検品装置で印刷画像を撮影する旨の記述を追加する。
【0056】
図12(A)、(B)はジョブチケットの一例を示している。
図12(A)はインライン検品のジョブチケット、
図12(B)はオフライン検品のジョブチケットを示している。本処理ステップで、インライン検品のジョブチケットにおいては、
図12(A)で示すように、パラメータ[Inspection]1002でインライン検品が指定される。さらに画像形成装置の検品装置で印刷画像を撮影するための指示となる[PrintedImage]1201のパラメータが追加される。パラメータ[PrintedImage]1201は、インライン検品実行時は画像形成装置の検品装置での印刷画像の撮影が実行されることになるため、値が"ON"となる。オフライン検品のジョブチケット(
図12(B))においては、
図12(A)で示すようなインライン検品の実行を指示するパラメータ[Inspection]1002は指定されない。しかし、画像形成装置の検品装置で印刷画像を撮影するパラメータ[PrintedImage]1202は、値が"ON"で設定される。このように、本実施形態では、検品対象の印刷ジョブであれば印刷画像の撮影の指示を印刷ジョブに設定する。それとともにインライン検品とオフライン検品とを識別するための情報、すなわち検品条件を満たしているか否かを示す情報を印刷ジョブに設定する。検品条件を満たしているとは、
図8に例示した条件に合致するということであり、この場合にはオフライン検品とされ、そうでなければインライン検品とされる。そして検品対象でない印刷ジョブや、検品に関する設定をし終えた印刷ジョブをS520で画像形成装置に送信する。
【0057】
S1103は画像形成装置で印刷した紙媒体を撮影部313で読み取った画像データを、ワークフローアプリケーション405が受信したか否かを判断する処理ステップである。画像形成装置は画像形成装置で印刷画像の撮影指示が記述されたジョブチケットを受信すると、装置制御部302を介して印刷部308で印刷した出力物を撮影部313で撮影する。そして、取得した画像データをワークフローアプリケーション405へ送信する。ワークフローアプリケーション405の検品処理部413が画像形成装置から画像データを受信した場合はS1104へ進み、画像データを受信しない場合は本処理ステップを終了する。
【0058】
S1104は、送信対象の印刷ジョブの検品方法がインラインか否かを判断する処理ステップである。印刷処理部412は印刷ジョブの検品方法の設定値を、ジョブ管理部409を介して印刷ジョブ情報リストから取得する。印刷ジョブの[検品方法]が"インライン"である場合は、S522へ進んで検品処理を実行し、"オフライン"である場合はS1105へ進む。
【0059】
S1105は画像形成装置から受信した画像データおよび、S522の検査結果をログデータとして記録する処理ステップである。検査情報管理部414はS520で送信した印刷ジョブ情報と関連付けて、S1103で受信した画像データと、S522の検査結果を検査情報データ417へ格納する。なお、オフライン検品の印刷ジョブに関しては、S522の検査結果の情報は存在しないため、画像データのみを印刷ジョブと関連付けて格納する。
【0060】
●検査ログ
本実施形態の検査ログは、内容的には第一実施形態で説明した
図13と同様である。しかしながら本実施形態では、オフライン検品の対象となる印刷ジョブについても、シート面に形成した画像を撮影し、それをジョブ情報と関連付けて保存しておくことができる。オフライン検品の印刷ジョブの場合、
図13(A)の印刷ログリスト1305の検査結果、および
図13(B)の検査ログ画面の内容は未入力の状態となる。しかし、画像形成装置の検品装置で撮影した印刷画像データは登録された状態となるため、各部に対して
図13(B)の検査ログ画面の印刷画像エリア1312に印刷画像データが表示可能となる。そのため、出力された印刷物を目視、もしくはオフラインの検査装置などを使用して検査を行い、手動登録1313の機能を使用して検査ログを手動で登録することが可能となる。
【0061】
以上の処理により、オフライン検品の印刷ジョブに関しても印刷画像データをワークフローアプリケーション405で管理することが可能となる。そして、インライン検品・オフライン検品どちらの印刷ジョブに関しても、ワークフローアプリケーション405において検査ログを一元管理することが可能となる。
【0062】
<第三の実施形態>
本発明の第三の実施形態に関して説明する。なお、第一および第二の実施形態と同一の構成に関しては説明を省略する。第三の実施形態では、検品方法がインラインもしくはオフラインと判断した印刷ジョブに関して、判断した検品方法を指示書等に出力可能とする処理に関して説明する。
【0063】
●検査処理手順
図14はワークフローアプリケーションの印刷ジョブの検査設定処理及び印刷処理を示したフローチャートである。なお、
図14も
図5Aの続きである。第一の実施形態の
図5、および第二の実施形態の
図11と同一の処理に関しては同一の符号を使用して説明を省略する
本実施形態では、
図11のS517の前にS1401を実行する。S1401はワークフローアプリケーション405で設定された検品方法を指示書等の印刷物に追加するための処理ステップとなる。詳細な処理ステップは、
図15のフローチャートで説明する。
【0064】
図15は、検品方法を指示書等の印刷物に追加するための処理を示したフローチャートである。各処理ステップに関して説明する。S1501~S1510は、検品方法を指示書等の印刷物に追加するための処理ステップであり、検品対象の印刷ジョブに対して、印刷ジョブ毎にループして処理ステップが実行される。S1501、S1510は検品対象の印刷ジョブを処理の対象とすることを記述したステップであり、検品対象の印刷ジョブに順次着目して全ての対象を処理し終えたならこのループを抜けることを示す。
【0065】
S1502は、着目した印刷ジョブの[検品方法]が"インライン"であるか否かを判断する処理ステップである。ジョブ管理部409は印刷ジョブの検品方法の設定値を、印刷ジョブ情報リストから取得する。印刷ジョブの[検品方法]が"インライン"である場合は、S1503へ進み、"オフライン"である場合はS1504へ進む。
【0066】
S1503は、インライン検品用の追加文字列を設定する処理ステップである。ジョブ管理部409は、指示書等に追加するインライン検品の印刷ジョブ用の追加文字列をRAM203に一時的に設定する。ここで、追加文字列とは、指示書等に追加することで印刷後の出力物を印刷オペレータが処理する際に、その出力物がインライン検品されたものなのか、もしくはオフラインで検品が必要なのか、を判断するための文字列となる。この目的が達成可能であれば、文字列に関してはシステム固定で持つ形式でも、ユーザーによって任意に設定可能にしても構わない。本実施例では、インライン検品用の文字列を「画像形成装置で検品を実施」、後述するオフライン検品用の文字列を「印刷後に検品が必要」と表現する。S1503では文字列「画像形成装置で検品を実施」がRAM203に一時的に設定される。S1504は、オフライン検品用の追加文字列を設定する処理ステップである。ジョブ管理部409は、指示書等に追加するオフライン検品用の追加文字列(「印刷後に検品が必要」)をRAM203に一時的に設定する。
【0067】
S1505は、当該印刷ジョブに対応する指示書ジョブが存在するか否かを判断する処理ステップである。ジョブ管理部409は、印刷ジョブ情報リストにアクセスし、当該印刷ジョブに指示書ジョブが存在するか否かを判定する。
図16は指示書ジョブを含む印刷ジョブ情報リストの例を示している。[部品]="WI"は指示書ジョブであることを示しており、[ジョブID]="0003"は、[受注ID]="20190522002-002-001"に対する指示書となる。例えば、[ジョブID]="0004"は検品対象ジョブであり、[受注ID]="20190522002-002-001"であるため、同受注IDの指示書が存在するかを検索する。[ジョブID]="0003"が同じ受注IDを持つ指示書として検索されるため、[ジョブID]="0004"は指示書ジョブが存在する印刷ジョブであると判断される。一方、指示書ジョブが検索できない場合は当該印刷ジョブの指示書ジョブは存在しないと判断される。指示書ジョブが存在する場合はS1508へ進み、指示書ジョブが存在しない場合はS1506へ進む。
【0068】
S1506は、当該印刷ジョブの印刷データに文字列を追加する領域が存在するか否かを判断する処理ステップである。印刷データは、後工程での加工(断裁、折りなど)を考慮して、大きい用紙サイズにコンテンツデータ(断裁ズレなどを考慮した余白領域含む)を面付けして作成されるケースがある。そのようなケースでは、実際の成果物となるコンテンツの領域外に余白が存在する。ジョブ管理部409は、当該印刷ジョブの面付け情報(出力用紙サイズ、コンテンツの配置位置など)を印刷ジョブ情報リストから取得し、コンテンツの領域外の余白の領域を算出する。そしてジョブ管理部409は、前述した追加文字列をレイアウトするために必要な領域が存在するか否かを判断し、追加文字列をレイアウト可能と判断した場合S1509へ、追加文字列をレイアウト不可能と判断した場合S1507へ進む。ここで、コンテンツ領域外の余白にはバーコードやカラーチャートなど別のコンテンツを追加するケースも存在するため、それらのコンテンツのレイアウト領域も考慮したうえで、追加文字列のレイアウト領域が存在するか否かを判断するようにする。
【0069】
S1507は当該印刷ジョブに対応した指示書ジョブを生成する処理ステップである。ジョブ管理部409は、印刷ジョブに対応した指示書ジョブを生成し、印刷ジョブ情報リストへ追加する。指示書ジョブは
図16の説明で前述した通りで、当該印刷ジョブの受注IDと関連付けた、[部品]="WI"に設定されたジョブとなる。
【0070】
S1508は、指示書ジョブの印刷データに追加文字列を追加する処理ステップである。ジョブ管理部409は、指示書ジョブの印刷データにアクセスし、S1503もしくはS1504でRAM203に一時的に設定した追加文字列を指示書ジョブの印刷データ上に追加する。
図17(A)は指示書ジョブの印刷データの例を示している。印刷データには、出力物を仕様が明示され、印刷オペレータの後工程の作業をアシストする情報が記載される。
図17(B)は指示書ジョブの印刷データにインライン検品用の文字列("画像検査装置で検品を実施")1701が、追加された例を示している。
図17(C)は指示書ジョブの印刷データにオフライン検品用の文字列("印刷後で検品が必要")1702が、追加された例を示している。なおS1507で生成する指示書ジョブも、その印刷内容は
図17に示したものでよい。ただし、ジョブID、受注ID、顧客名や仕様などは、元となる印刷ジョブから取得して複製される。
【0071】
S1509は、印刷ジョブの印刷データの余白領域に追加文字列を追加する処理ステップである。ジョブ管理部409は、指示書ジョブの印刷データにアクセスし、S1503もしくはS1504でRAM203に一時的に設定した追加文字列を印刷データの余白領域に追加する。
図18(A)は印刷ジョブの印刷データの例を示している。本例では、用紙に2ページ分のコンテンツがレイアウトされ断裁して成果物が得られる仕様となっている。
図18(B)は、印刷データにインライン検品用の文字列("画像検査装置で検品を実施")1801が、追加された例を示している。
図18(C)は印刷データにオフライン検品用の文字列("印刷後で検品が必要")1802が、追加された例を示している。
【0072】
以上の処理により、検品処理をインラインで実施、もしくは印刷後にオフラインで実行する旨の情報を指示書あるいは製品等の出力物に印字することが可能となる。それにより、印刷オペレータによるオフラインでの検品漏れや、インラインで検品済みの出力物をオフラインで二重で検品してしまうことを防ぐことが可能となる。なお本実施例ではインライン検品とオフライン検品を示す情報を、指示書や印刷データに追加する方法を示した。しかし、同様の効果を得るために、印刷オペレータが閲覧するワークフローアプリケーションの画面上に表示する形式や、印刷ログに追記する形式であっても構わない。また、インライン検品またはオフライン検品を示す情報を指示書や印刷データ、印刷ログなどのどこに追加するかを、ユーザーに指示に従って判断するようにしても構わない。
【0073】
なお、
図14のS1401を、
図5のS517の直前に実行してもよい。そのようにすることで、第一実施形態のケースについても、検品方法を記載した印刷指示書を出力することや、或いは印刷物の余白に検品方法を記載することができる。
【0074】
[その他の実施例]
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0075】
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
【符号の説明】
【0076】
101,102:情報処理装置、103,104:画像形成装置、401:注文管理アプリケーション、405:ワークフローアプリケーション、406:UI部、413:検査処理部