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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-21
(45)【発行日】2024-01-04
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 23/02 20060101AFI20231222BHJP
   F25D 23/00 20060101ALI20231222BHJP
   F25D 11/00 20060101ALI20231222BHJP
   F25D 29/00 20060101ALI20231222BHJP
【FI】
F25D23/02 306J
F25D23/00 307
F25D23/00 301P
F25D23/02 306M
F25D11/00 101B
F25D29/00 Z
F25D23/00 305Z
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020024362
(22)【出願日】2020-02-17
(65)【公開番号】P2021127887
(43)【公開日】2021-09-02
【審査請求日】2022-10-03
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】金子 尚太
【審査官】西山 真二
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-146178(JP,A)
【文献】特開2014-199173(JP,A)
【文献】特開2006-046742(JP,A)
【文献】特開2017-161143(JP,A)
【文献】特開2017-120177(JP,A)
【文献】特開2019-049366(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 11/00 - 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯蔵室と、
前記貯蔵室の開口部を開閉する扉と、
外部機器が接続される外部機器接続部と、
前記外部機器接続部に前記外部機器が接続され、且つ、所定条件が満たされている場合に、前記扉が開くことを抑制可能である開扉抑制部と、
氷を製造する製氷機と、
を備え
前記開扉抑制部は、前記製氷機に供給される水が不足している場合には、前記扉が開くことを許容する冷蔵庫。
【請求項2】
前記開扉抑制部は、前記外部機器接続部に前記外部機器が接続され、且つ、前記外部機器が充電中である場合に、前記扉が開くことを抑制可能である請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記開扉抑制部は、前記外部機器接続部に前記外部機器が接続され、且つ、前記外部機器が通信中である場合に、前記扉が開くことを抑制可能である請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記開扉抑制部は、前記外部機器接続部に前記外部機器が接続され、且つ、前記外部機器がデータを更新中である場合に、前記扉が開くことを抑制可能である請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記開扉抑制部は、所定の解除操作が行われた場合に、前記扉が開くことを許容する請求項1から4の何れか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項6】
前記開扉抑制部は、所定の機能が終了した場合に、前記扉が開くことを許容する請求項1からの何れか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項7】
前記扉にユーザが接触することに応じて当該扉を自動的に開扉させる自動開扉装置を備え、
前記開扉抑制部は、前記自動開扉装置を動作させないことにより、前記扉が開くことを抑制する請求項1からの何れか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項8】
前記扉が開くことを規制する開扉規制部を備え、
前記開扉抑制部は、前記開扉規制部を動作させることにより、前記扉が開くことを抑制する請求項1からの何れか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項9】
前記所定条件が満たされているか否かを報知する報知部を備える請求項1からの何れか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項10】
前記報知部は、前記外部機器接続部に前記外部機器が接続されているときに、前記所定条件が満たされているか否かを報知する請求項に記載の冷蔵庫。
【請求項11】
前記報知部は、前記開扉抑制部によって前記扉の開扉が抑制されているときに、前記所定条件が満たされているか否かを報知する請求項に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に開示されているように、貯蔵室を開閉する扉に、外部機器を接続可能なUSBコネクタを備えた冷蔵庫が考えられている。この冷蔵庫によれば、USBコネクタにケーブルを介して外部機器を接続することで、冷蔵庫から給電しながら外部機器を動作させることができ、外部機器のバッテリ残量を気にすることなく動作させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-120177号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、USBコネクタにケーブルを介して外部機器が接続された状態で扉が開かれると、外部機器に対する接続が緩んでしまったり、例えば冷蔵庫周辺の壁や物と扉との間にケーブルが挟まれてしまったりする場合があり、接続不良を招く可能性がある。
【0005】
そこで、本実施形態は、外部機器が接続される外部機器接続部を備えた冷蔵庫について、その外部機器接続部に接続された外部機器が接続不良となることを抑制できるようにした構成を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態に係る冷蔵庫は、貯蔵室と、前記貯蔵室の開口部を開閉する扉と、外部機器が接続される外部機器接続部と、前記外部機器接続部に前記外部機器が接続され、且つ、所定条件が満たされている場合に、前記扉が開くことを抑制可能である開扉抑制部と、氷を製造する製氷機と、を備え、前記開扉抑制部は、前記製氷機に供給される水が不足している場合には、前記扉が開くことを許容する
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態に係る冷蔵庫の構成例を概略的に示す正面図
図2】第1実施形態に係る冷蔵庫の制御系の構成例を概略的に示す図
図3】第1実施形態に係る冷蔵庫の制御例を概略的に示すフローチャート
図4】第2実施形態に係る冷蔵庫の構成例を概略的に示す平面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、冷蔵庫に係る複数の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、複数の実施形態において実質的に同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0009】
(第1実施形態)
図1に例示する冷蔵庫10は、その外郭を構成する矩形箱状の断熱箱体11の内部に、食品類が貯蔵される複数の貯蔵室を備えている。断熱箱体11は、冷蔵庫10の本体部を構成する冷蔵庫本体の一例であり、内箱と外箱との間に真空断熱パネルや発泡ウレタンなどの断熱材を備えた構成である。断熱箱体11には、例えば食品類などの貯蔵物を収容する貯蔵室として、冷蔵温度帯に維持される冷蔵室12が設けられている。また、断熱箱体11には、冷蔵室12以外の貯蔵室として、さらに、冷蔵温度帯に維持される野菜室13、冷凍温度帯に維持される冷凍室14、小冷凍室15、製氷室16などの各種の貯蔵室が設けられている。
【0010】
冷蔵室12の前面開口部は、左右方向に回動する、いわゆる観音開き式の2つの冷蔵室扉12R,12Lによって開閉されるようになっている。冷蔵室扉12R,12Lには、当該冷蔵室扉12R,12Lを開くときにユーザが手指を挿入する手掛け部12Daがそれぞれ設けられている。この場合、手掛け部12Daは、冷蔵室扉12R,12Lの自由端側の下部に位置して設けられている。
【0011】
野菜室13の前面開口部は、引き出し式の野菜室扉13Dによって開閉されるようになっている。冷凍室14の前面開口部は、引き出し式の冷凍室扉14Dによって開閉されるようになっている。小冷凍室15の前面開口部は、引き出し式の小冷凍室扉15Dによって開閉されるようになっている。製氷室16の前面開口部は、引き出し式の製氷室扉16Dによって開閉されるようになっている。なお、これら冷蔵室扉12R,12L以外の扉にも、当該扉を開くときにユーザが手指を挿入あるいは把持する手掛け部が設けられている。
【0012】
また、製氷室16の内部には、製氷機20が設けられている。この製氷機20には、例えば冷蔵室12内に着脱可能に設けられた貯水タンク21から図示しない給水経路を介して水が供給されるようになっている。そして、製氷機20に供給された水は、製氷室16内の冷凍温度帯に維持された冷気によって冷却され、これにより、氷が製造される。
【0013】
また、冷蔵庫10は、USB接続部30を備えている。USB接続部30は、外部機器100が接続される外部機器接続部の一例である。USB接続部30は、USBコネクタ31を備えている。USBコネクタ31には、各種の外部機器100が例えばケーブル101を介して接続される。USB接続部30のUSBコネクタ31に接続される外部機器100としては、例えば、スマートフォン、タブレット端末、携帯端末、小型扇風機、USBメモリなど、USB規格に準拠した様々な機器が考えられる。
【0014】
本実施形態では、USB接続部30は、冷蔵室扉12Rの下端部のうち当該冷蔵室扉12Rの幅方向のほぼ中央部に位置して設けられている。より具体的に説明すると、冷蔵室扉12Rの下端部のうち回動基端側の部分には凹部32が設けられている。凹部32は、冷蔵室扉12Rの表面、この場合、冷蔵室12の前面開口部を閉塞した閉塞状態において前面となる面に対し傾斜するように窪んでいる。また、凹部32は、冷蔵室扉12Rの回動基端側から中央部側に向かって窪みが徐々に深くなる傾斜状となっている。また、凹部32を構成する壁面、この場合、冷蔵室扉12Rの中央部側の壁面には図示しない接続口が設けられている。そして、USB接続部30は、この接続口の奥部に備えられており、この接続口を通してUSBコネクタ31を凹部32内に臨ませている。
【0015】
以上の構成例によれば、冷蔵室扉12Rが冷蔵室12の前面開口部を閉塞した閉塞状態において、凹部32が左右方向の一方側、この場合、右側に向かって開放された構成が実現される。よって、特に右利きのユーザによれば、右手で持った外部機器100から延びるケーブル101の先端部を右方から左方に向けて、つまり、接続口に向けて凹部32内に挿入しやすく、従って、外部機器100の取り付けを円滑に行うことができる。また、外部機器100の取り外しも、右手で持った外部機器100から延びるケーブル101の先端部を左方から右方に向けて引き出すようにして円滑に行うことができる。なお、接続口は、着脱可能な図示しない接続口蓋によって閉塞可能となっている。また、外部機器100は、例えば冷蔵室扉12Rの表面に着脱可能に設けられた図示しないスタンドに載置するようにするとよい。
【0016】
また、冷蔵庫10は、操作部50を備えている。本実施形態では、操作部50は、冷蔵室扉12Lの表面、この場合、冷蔵室12の前面開口部を閉塞した閉塞状態において前面となる面において、例えば静電容量式のいわゆるタッチパネルとして設けられている。操作部50には、冷蔵温度を設定するためのボタン、冷凍温度を設定するためのボタンなど各種のボタンが設けられている。また、操作部50には、所定の機能を実行するための各種のボタンが設けられている。所定機能としては、例えば、製氷室16において通常よりも短期間のうちに製氷を完了する周知の急速製氷機能、冷蔵室12内のチルド室において食品類の解凍を行う周知の解凍機能など、周知の種々の機能を適用することができる。
【0017】
また、操作部50には、解除ボタン51が設けられている。解除ボタン51は、詳しくは後述する「自動開扉抑制モード」を解除して「通常モード」に復帰するためのボタンである。また、操作部50には、報知部52が設けられている。報知部52は、例えばLEDランプなどで構成されており、詳しくは後述する「所定条件」が満たされているか否かを報知する。
【0018】
図2にも例示するように、冷蔵庫10は、さらに、閉扉検知センサー41、接触検知センサー42、水供給量検知センサー43などといった各種のセンサー類を備えている。これらのセンサー類は、冷蔵庫10の動作全般を制御する制御装置40に接続されている。制御装置40は、マイクロコンピュータを主体として構成されており、制御プログラムに基づいて冷蔵庫10の動作全般を制御する。また、制御装置40には、上述したUSB接続部30や操作部50などが接続されている。
【0019】
閉扉検知センサー41は、閉扉検知部の一例であり、冷蔵室扉12R,12Lが冷蔵室12を閉じることに応じてオンまたはオフするように構成されている。これにより、閉扉検知センサー41は、冷蔵室扉12R,12Lが冷蔵室12を閉じた状態である閉扉状態を検知する。
【0020】
接触検知センサー42は、接触検知部の一例であり、この場合、冷蔵室扉12R,12Lの手掛け部12Da内に設けられている。接触検知センサー42は、ユーザの手指が冷蔵室扉12R,12Lの手掛け部12Da内に挿入されて、そのユーザの手指が接触することに応じてオンまたはオフするように構成されている。これにより、接触検知センサー42は、ユーザの手指が冷蔵室扉12R,12Lの手掛け部12Daに接触した状態である接触状態を検知する。
【0021】
水供給量検知センサー43は、例えば製氷機20と貯水タンク21との間を接続する図示しない給水経路に設けられており、貯水タンク21から製氷機20に供給される水の量を検知する。制御装置40は、水供給量検知センサー43による検知結果に基づいて、製氷機20に供給されている水が不足しているか否か、換言すれば、製氷機20に製氷に必要な所定量の水が供給されているか否かを判定可能となっている。なお、水供給量検知センサー43は、製氷機20に設けられ、当該製氷機20に供給された水量を検知する構成としてもよい。また、水供給量検知センサー43は、貯水タンク21に設けられ、当該貯水タンク21内に溜められている水量、あるいは、当該貯水タンク21内から排出された水量を検知する構成としてもよい。
【0022】
冷蔵庫10は、さらに、ユーザによる扉の開扉操作を補助するための自動開扉装置44を備えている。冷蔵庫10は、冷蔵室扉12R,12Lに対応して、それぞれ自動開扉装置44を備えた構成例となっている。制御装置40は、閉扉検知センサー41によって冷蔵室扉12R,12Lが閉扉状態であることが検知されている状態において、接触検知センサー42によってユーザの手指が接触したことが検知されると、自動開扉装置44を動作させて冷蔵室扉12R,12Lを開扉させる。なお、冷蔵庫10は、冷蔵室扉12R,12L以外の扉、例えば、野菜室扉13D、冷凍室扉14D、小冷凍室扉15D、製氷室扉16Dに対応して自動開扉装置44を備えた構成としてもよい。また、冷蔵庫10は、複数の扉のうち少なくとも1つの扉に対応して自動開扉装置44を備えた構成としてもよいし、2つ以上の複数の扉に対応して複数の自動開扉装置44を備えた構成としてもよい。
【0023】
また、制御装置40は、制御プログラムを実行することにより、開扉抑制部46をソフトウェアによって仮想的に実現している。なお、開扉抑制部46は、ハードウェアにより構成されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの組み合わせにより構成されてもよい。
【0024】
開扉抑制部46は、USB接続部30に外部機器100が接続され、且つ、「所定条件」が満たされている場合に、開扉つまり扉が開くことを抑制可能に構成されている。本実施形態では、開扉抑制部46は、USB接続部30に外部機器100が接続され、且つ、「所定条件」が満たされている場合には、冷蔵室扉12Rの接触検知センサー42によってユーザの手指が接触したことが検知されたとしても、冷蔵室扉12R用の自動開扉装置44を動作させないように構成されている。これにより、開扉抑制部46は、冷蔵庫10が備える複数の扉のうち、USB接続部30が備えられている冷蔵室扉12Rが自動開扉装置44によって自動的に開かれてしまうことを抑制可能に構成されている。
【0025】
次に、上述した「所定条件」について詳細に説明する。本実施形態では、上述した「所定条件」として、「接続された外部機器100が充電中であること」、「接続された外部機器100が通信中であること」、「接続された外部機器100がデータを更新中であること」が設定されている。
【0026】
よって、図3に例示するように、開扉抑制部46は、USB接続部30に外部機器100が接続されると(A1:YES)、接続中の外部機器100が充電中であるか否か(A2)、接続中の外部機器100が通信中であるか否か(A3)、接続中の外部機器100がデータを更新中であるか否か(A4)を判定する。
【0027】
ここで、USB接続部30が備える図示しない集積回路は、外部機器100が接続されると、外部機器100が接続されていることを示す接続中信号を制御装置40に出力するようになっている。これにより、制御装置40の開扉抑制部46は、USB接続部30から受信する接続中信号に基づき、USB接続部30に外部機器100が接続されているか否かを判定可能となっている。
【0028】
また、USB接続部30が備える図示しない集積回路は、接続された外部機器100に電力を供給している場合、つまり、充電中である場合には、外部機器100が充電中であることを示す充電中信号を制御装置40に出力するようになっている。これにより、制御装置40の開扉抑制部46は、USB接続部30から受信する充電中信号に基づき、USB接続部30に接続されている外部機器100が充電中であるか否かを判定可能となっている。
【0029】
また、USB接続部30が備える図示しない集積回路は、接続された外部機器100との間で通信つまりデータの送信や受信を行っている場合には、即ち、通信中である場合には、外部機器100が通信中であることを示す通信中信号を制御装置40に出力するようになっている。また、USB接続部30に接続された外部機器100は、冷蔵庫10以外の外部の機器と通信を行っている場合には、USB接続部30を介して制御装置40に通信中信号を出力するようになっている。これにより、制御装置40の開扉抑制部46は、USB接続部30あるいは外部機器100から受信する通信中信号に基づき、USB接続部30に接続されている外部機器100が通信中であるか否かを判定可能となっている。
【0030】
また、USB接続部30に接続された外部機器100は、冷蔵庫10以外の外部の機器との間でデータの更新を行っている場合、および、更新したデータをUSB接続部30に転送している場合には、USB接続部30を介して制御装置40に更新中信号を出力するようになっている。これにより、制御装置40の開扉抑制部46は、USB接続部30あるいは外部機器100から受信する更新中信号に基づき、USB接続部30に接続されている外部機器100が更新中であるか否かを判定可能となっている。
【0031】
そして、制御装置40の開扉抑制部46は、USB接続部30に外部機器100が接続されている場合(A1:YES)において、さらに、外部機器100が充電中であると判定(A2:YES)、または、外部機器100が通信中であると判定(A3:YES)、または、外部機器100がデータを更新中であると判定(A4)すると、冷蔵室扉12R用の自動開扉装置44の動作モードを「通常モード」から「自動開扉抑制モード」に切り替える(A5)。
【0032】
ここで、「通常モード」は、接触検知センサー42によってユーザの手指が接触したことが検知されることに応じて、冷蔵室扉12R用の自動開扉装置44を動作させるモードである。従って、この「通常モード」によれば、ユーザは、冷蔵室扉12Rの手掛け部12Daに手指を掛けて接触検知センサー42に接触することによって、自動開扉装置44により冷蔵室扉12Rを自動的に開くことができる。
【0033】
一方、「自動開扉抑制モード」は、接触検知センサー42によってユーザの手指が接触したことが検知されたとしても、冷蔵室扉12R用の自動開扉装置44を動作させないモードである。従って、この「自動開扉抑制モード」によれば、ユーザは、冷蔵室扉12Rの手掛け部12Daに手指を掛けて接触検知センサー42に接触したとしても、自動開扉装置44が動作せず、冷蔵室扉12Rを自動的に開くことができない。
【0034】
制御装置40の開扉抑制部46は、冷蔵室扉12R用の自動開扉装置44の動作モードを「自動開扉抑制モード」に切り替えることによって、冷蔵室扉12Rが自動的に開かれてしまうことを抑制する自動開扉抑制状態を形成する。なお、制御装置40の開扉抑制部46は、当該制御装置40への通電が継続されている限り、以上に例示した制御フローを繰り返し実行する。
【0035】
また、制御装置40の開扉抑制部46は、冷蔵室扉12R用の自動開扉装置44の動作モードを「自動開扉抑制モード」に切り替えている状態において、所定の解除操作、具体的には、操作部50において解除ボタン51の操作が行われた場合には、「自動開扉抑制モード」を解除して自動開扉装置44の動作モードを「通常モード」に復帰させるように構成されている。これにより、制御装置40の開扉抑制部46は、USB接続部30に外部機器100が接続されていても、自動開扉装置44によって冷蔵室扉12Rが自動的に開かれることを許容する。即ち、制御装置40の開扉抑制部46は、接触検知センサー42によってユーザの手指が接触したことが検知されることに応じて、冷蔵室扉12R用の自動開扉装置44を動作させて冷蔵室扉12Rを自動的に開く状態となる。
【0036】
また、制御装置40の開扉抑制部46は、冷蔵室扉12R用の自動開扉装置44の動作モードを「自動開扉抑制モード」に切り替えている状態において、製氷機20に供給される水が不足していると判定した場合も、「自動開扉抑制モード」を解除して自動開扉装置44の動作モードを「通常モード」に復帰させるように構成されている。これにより、制御装置40の開扉抑制部46は、USB接続部30に外部機器100が接続されていても、製氷機20に供給される水が不足している場合には、自動開扉装置44によって冷蔵室扉12Rが自動的に開かれることを許容する。
【0037】
また、制御装置40の開扉抑制部46は、冷蔵室扉12R用の自動開扉装置44の動作モードを「自動開扉抑制モード」に切り替えている状態において、所定の機能、例えば、上述した「急速製氷機能」や「解凍機能」が終了した場合も、「自動開扉抑制モード」を解除して自動開扉装置44の動作モードを「通常モード」に復帰させるように構成されている。これにより、制御装置40の開扉抑制部46は、USB接続部30に外部機器100が接続されていても、所定の機能が終了した場合には、自動開扉装置44によって冷蔵室扉12Rが自動的に開かれることを許容する。
【0038】
「急速製氷機能」が終了した場合、冷蔵室12内の貯水タンク21内の水が減少していることが想定される。そのため、「急速製氷機能」の終了後に自動開扉装置44によって冷蔵室扉12Rが開かれることを許容することで、ユーザは、冷蔵室扉12Rを開いて貯水タンク21内に水を補充することができる。また、「解凍機能」が終了した場合、解凍された食材が調理に供されることが想定される。そのため、「解凍機能」の終了後に自動開扉装置44によって冷蔵室扉12Rが開かれることを許容することで、ユーザは、冷蔵室扉12Rを自動的に開いて解凍後の食材を取り出すことができる。
【0039】
また、制御装置40は、USB接続部30に外部機器100が接続されているときに、上述した「所定条件」が満たされているか否かを、報知部52を介して報知するように構成されている。また、制御装置40は、開扉抑制部46によって冷蔵室扉12Rの自動的な開扉が抑制されているときに、上述した「所定条件」が満たされているか否かを、報知部52を介して報知するように構成されている。
【0040】
具体的には、制御装置40は、USB接続部30に外部機器100が接続されると、報知部52を「点灯」させることにより、外部機器100が所定条件の一例である「充電中」であることを報知する。また、制御装置40は、外部機器100が「充電中」であるとき、つまり、自動開扉装置44による冷蔵室扉12Rの開扉が抑制されているときに冷蔵室扉12Rの接触検知センサー42が操作されると、報知部52を「点滅」させることにより、外部機器100が所定条件の一例である「充電中」であることを報知する。
【0041】
以上に例示した本実施形態に係る冷蔵庫10によれば、制御装置40の開扉抑制部46は、USB接続部30に外部機器100が接続され、且つ、「所定条件」として、この場合、「充電中」、「通信中」、「データの更新中」の何れかの条件が満たされている場合には、自動開扉装置44によって冷蔵室扉12Rが自動的に開かれることを抑制可能に構成されている。
【0042】
この構成によれば、USB接続部30に接続された外部機器100が「充電中」または「通信中」または「データの更新中」であるときに、その外部機器100が接続されている冷蔵室扉12Rが自動開扉装置44によって自動的に開いてしまうことを抑制することができる。よって、外部機器100に対する接続が緩んでしまったり、例えば冷蔵庫10周辺の壁や物と冷蔵室扉12Rとの間にケーブルが挟まれてしまったりすることを回避することができ、USB接続部30に接続された外部機器100が接続不良となることを抑制することができる。
【0043】
また、冷蔵庫10によれば、「所定条件」の例として、「接続された外部機器100が充電中であること」、「接続された外部機器100が通信中であること」、「接続された外部機器100がデータの更新中であること」を設定している。これにより、外部機器100がいわゆる「動作中」である状況を殆どあるいは完全にカバーすることができ、外部機器100が特に「動作中」であるときに自動開扉装置44によって冷蔵室扉12Rが自動的に開いてしまうこと、ひいては、外部機器100の接続不良が発生してしまうことを抑制することができる。
【0044】
また、冷蔵庫10によれば、所定の解除操作が行われた場合、この場合、ユーザによって解除ボタン51が操作された場合には、自動開扉装置44によって冷蔵室扉12Rが自動的に開かれることを許容するように構成した。この構成によれば、外部機器100が動作中であっても冷蔵室扉12Rを開きたいというユーザの意思を確認した上で、自動開扉装置44による冷蔵室扉12Rの自動的な開扉を可能とすることができ、冷蔵室扉12Rの自動的な開扉が必要以上に制限されてしまうことを回避することができる。
【0045】
また、冷蔵庫10によれば、製氷機20に供給される水が不足している場合には、自動開扉装置44によって冷蔵室扉12Rが自動的に開かれることを許容するように構成した。この構成によれば、ユーザは、自動開扉装置44によって冷蔵室扉12Rを自動的に開かせることができ、冷蔵室12内の貯水タンク21への水の補充を円滑に行うことができる。
【0046】
また、冷蔵庫10によれば、所定の機能が終了した場合には、自動開扉装置44によって冷蔵室扉12Rが自動的に開くことを許容するように構成した。この構成によれば、所定の機能の終了後において、ユーザは、自動開扉装置44によって冷蔵室扉12Rを自動的に開かせることができ、所定の機能の終了後の対応、例えば、冷蔵室12内の貯水タンク21への水の補充や解凍後の食材の取り出しを円滑に行うことができる。なお、所定の機能は、上述した「急速製氷機能」や「解凍機能」に限られるものではなく、冷蔵庫に搭載される種々の機能を適用することができる。
【0047】
また、冷蔵庫10によれば、冷蔵室扉12R用の自動開扉装置44を動作させないことにより、冷蔵室扉12Rが自動的に開くことを抑制するように構成した。この構成によれば、あくまでも自動開扉装置44による冷蔵室扉12Rの自動的な開扉を抑制するだけであり、ユーザの手動による冷蔵室扉12Rの開扉は許容される。よって、ユーザの意思に基づく冷蔵室扉12Rの手動による開扉が必要以上に制限されてしまうことを抑制することができる。つまり、USB接続部30に外部機器100が接続され、且つ、「所定条件」が満たされている場合であっても、ユーザは、手動であれば冷蔵室扉12Rを開くことができる。このとき、ユーザは、接続されている外部機器100やケーブル101に注意を払うことで、外部機器100の接続不良の発生を抑制することができる。
【0048】
また、冷蔵庫10によれば、「所定条件」が満たされているか否かを報知する報知部52を備えている。この構成によれば、ユーザは、自動開扉装置44による冷蔵室扉12Rの自動的な開扉が行われない理由、つまり、「所定条件」が満たされているから行われないのか、あるいは、他の理由で行われないのかを、報知部52の報知内容に基づき容易に確認することができる。
【0049】
また、冷蔵庫10によれば、USB接続部30に外部機器100が接続されているときに、「所定条件」が満たされているか否かを報知部52を介して報知する。この構成によれば、「所定条件」が満たされていること、換言すれば、自動開扉装置44による冷蔵室扉12Rの自動的な開扉が抑制されていることを、ユーザに視覚的に伝えることができる。
【0050】
また、冷蔵庫10によれば、開扉抑制部46によって冷蔵室扉12Rの開扉が抑制されているときに、「所定条件」が満たされているか否かを報知部52を介して報知する。この構成によれば、「所定条件」が満たされていることに基づき、自動開扉装置44による冷蔵室扉12Rの自動的な開扉が抑制されていることを、ユーザに視覚的に伝えることができる。
【0051】
なお、報知部52は、例えば音声を出力可能なスピーカを備え、「所定条件」が満たされているか否かを聴覚的な情報としてユーザに伝えるようにしてもよい。
【0052】
(第2実施形態)
本実施形態は、自動開扉装置44による自動的な開扉が抑制された冷蔵室扉12Rについて、さらに、ユーザの手動による開扉も抑制するようにした実施形態である。図4に例示するように、冷蔵庫10は、開扉規制部200を備えている。開扉規制部200は、ロック部201および被ロック部202を備えている。
【0053】
ロック部201は、断熱箱体11のうち閉扉状態にある冷蔵室扉12の裏面に対向する位置において回動可能に設けられている。本実施形態では、ロック部201は、左右方向に回動可能に設けられているが、例えば、上下方向に回動可能に設けてもよいし、左右方向および上下方向に対して傾斜する方向に回動可能に設けてもよい。ロック部材201の回動は、例えば図示しないモータなどによって行われるようになっており、その制御は制御装置40によって行われる。
【0054】
一方、被ロック部202は、冷蔵室扉12の裏面のうちロック部201に対向する部分に孔状に設けられている。開扉規制部200は、ロック部201を回動させて被ロック部202に係止させることにより、冷蔵室扉12Rが開くことを規制する。換言すれば、開扉規制部200は、冷蔵室扉12Rを閉扉状態にてロックする。
【0055】
制御装置40の開扉抑制部46は、自動開扉装置44を「自動開扉抑制モード」に切り替えて、自動開扉装置44による冷蔵室扉12Rの自動的な開扉を抑制した状態にすると、さらに、開扉規制部200を動作させてロック部201を被ロック部202に係止させる。ロック部201が被ロック部202に係止したロック状態においては、冷蔵室扉12Rは、自動開扉装置44によっても開くことができず、また、ユーザの手動によっても開くことができない。
【0056】
以上に例示した本実施形態に係る冷蔵庫10によれば、さらに、ユーザの手動によって冷蔵室扉12Rが開かれてしまうことも抑制することができる。そのため、冷蔵室扉12Rが開かれることに伴いUSB接続部30に接続された外部機器100が接続不良となってしまうことを一層抑制することができる。
【0057】
なお、冷蔵庫10は、ロック部201が被ロック部202に係止したロック状態を解除するための解除ボタンを備える構成としてもよい。これにより、ユーザは、解除ボタンを操作することによってロック状態を解除することができ、手動による冷蔵室扉12Rの開扉が必要以上に制限されてしまうことを回避することができる。また、開扉規制部200のロック状態を解除するための解除ボタンは、上述した解除ボタン51と兼用で設けてもよいし、別のボタンとして設けてもよい。
【0058】
開扉規制部200用の解除ボタンを自動開扉装置44用の解除ボタン51と兼用で設けた場合、ユーザは、解除ボタン51を1回操作することにより、冷蔵室扉12Rの自動による開扉のロックおよび手動による開扉のロックの双方を解除することができる。一方、開扉規制部200用の解除ボタンを自動開扉装置44用の解除ボタン51とは別のボタンとして設けた場合には、冷蔵室扉12Rの自動による開扉のロックのみを解除、あるいは、冷蔵室扉12Rの手動による開扉のロックのみを解除、といったように、ロックの解除を個別にきめ細かく行うことができる。
【0059】
(その他の実施形態)
なお、本実施形態は、上述した複数の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変更や拡張を行うことができる。例えば外部機器100を接続するための規格は、USBに限られるものではなく、その他の規格であってもよい。
【0060】
また、冷蔵庫10は、USB接続部30を冷蔵室扉12Lに備える構成としてもよい。また、冷蔵庫10は、USB接続部30を冷蔵室扉12R,12L以外の扉、例えば、野菜室扉13D、冷凍室扉14D、小冷凍室扉15D、製氷室扉16Dに備える構成としてもよい。また、冷蔵庫10は、USB接続部30を断熱箱体11に備える構成としてもよい。この場合、USB接続部30は、断熱箱体11の外郭を構成する平面、例えば、上面、左側面、右側面などに備えるとよい。また、USB接続部30は、断熱箱体11の貯蔵室内から外部機器を接続可能に設けてもよい。
【0061】
また、通常、自動開扉装置44は、閉扉検知センサー41によって扉が閉扉状態であることが検知されている状態において、接触検知センサー42によってユーザの手指が接触したことが1回検知されることに応じて作動するように構成される。しかしながら、自動開扉装置44は、外部機器接続部に外部機器が接続され、且つ、所定条件が満たされている場合には、接触検知センサー42によってユーザの手指が接触したことが複数回連続して検知されることに応じて作動するように構成してもよい。なお、自動開扉装置44は、外部機器接続部に外部機器が接続されている場合には、所定条件が満たされているか否かに関わらず、このような作動形態を行うように構成してもよい。
【0062】
また、自動開扉装置44は、ユーザの手指の接触を検知したことに応じて直ちに扉を開放させる通常作動モードと、ユーザの手指の接触を検知したことに応じて通常作動モードよりも緩やかに扉を開放させる特別作動モードと、に切り替え可能に構成し、外部機器接続部に外部機器が接続され、且つ、所定条件が満たされている場合には、接触検知センサー42によってユーザの手指が接触したことが1回検知されることに応じて特別作動モードで作動つまり通常よりも緩やかなスピードで扉を開放し、接触検知センサー42によってユーザの手指が接触したことが複数回連続して検知されることに応じて通常作動モードで作動つまり通常のスピードで扉を開放するように構成してもよい。なお、自動開扉装置44は、外部機器接続部に外部機器が接続されている場合には、所定条件が満たされているか否かに関わらず、このような作動形態を行うように構成してもよい。
【0063】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。本実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0064】
図面中、10は冷蔵庫、12は冷蔵室(貯蔵室)、12R,12Lは冷蔵室扉(扉)、13は野菜室(貯蔵室)、13Dは野菜室扉(扉)、14は冷凍室(貯蔵室)、14Dは冷凍室扉(扉)、15は小冷凍室(貯蔵室)、15Dは小冷凍室扉(扉)、16は製氷室(貯蔵室)、16Dは製氷室扉(扉)、20は製氷機、30はUSB接続部(外部機器接続部)、44は自動開扉装置、46は開扉抑制部、52は報知部、100は外部機器、200は開扉規制部を示す。
図1
図2
図3
図4