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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-21
(45)【発行日】2024-01-04
(54)【発明の名称】ピンファスナー
(51)【国際特許分類】
   F16B 19/00 20060101AFI20231222BHJP
【FI】
F16B19/00 Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020038216
(22)【出願日】2020-03-05
(65)【公開番号】P2021139445
(43)【公開日】2021-09-16
【審査請求日】2023-02-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000108708
【氏名又は名称】タキゲン製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001564
【氏名又は名称】フェリシテ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】瀬川 志朗
【審査官】田村 佳孝
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05904462(US,A)
【文献】米国特許第01659992(US,A)
【文献】英国特許出願公告第01139807(GB,A)
【文献】米国特許第01349344(US,A)
【文献】米国特許第04348790(US,A)
【文献】独国特許出願公開第19820181(DE,A1)
【文献】特表2007-524019(JP,A)
【文献】特開昭49-133750(JP,A)
【文献】特開2014-081031(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の部材に形成した取付孔から他方の部材に形成した取付孔に通され、前記他方の部材の前記取付孔の縁部又は縁部周囲に係止されて、前記一方の部材を他方の部材に接合又は取り付けるピンファスナーであって、
前記一方の部材及び前記他方の部材の各取付孔に挿通可能な軸部と、
前記軸部の基端部に前記軸部の周囲に張り出されて、前記方の部材の前記取付孔の周囲に係合可能な頭部と、
前記軸部の外周面に出没可能に設けられ、前記他方の部材の前記取付孔の縁部又は縁部周囲に係合可能な取付フックと、
を備え、
前記取付フックは、
前記軸部の外周面任意の位置から前記軸部の内部に前記軸部の軸方向と平行にスリットを形成されて、前記スリットの両側に設けられる一対の軸受部と、
前記軸部の前記スリット内に嵌合可能に略コマ状に形成され、前記スリット内に一端部を前記各軸受部の先端部側に向けて他端部を前記各軸受部の基端部側に向けて嵌合配置された状態で前記スリットより外側に表れる外面部から前記他端部にかけてを係止爪とし、前記スリット内に前記一対の軸受部の先端部側で一対の軸を介して回動可能に支持されて、前記係止爪を前記スリットから出没可能に配置されるフックと、
前記一対の軸受部と前記フックとの間に介装され、前記フックを常態として前記スリットから外側に突出可能に回動付勢するばね部材と、
前記軸部のスリット内に前記フックと係合可能に設けられ、前記フックの係止爪を常態として前記スリットから所定の突出位置まで突出させて当該突出位置で前記フックの外側への回動を規制するロック部と、
を備え、
前記フックの回動中心を前記フックの先端部、基端部間の中間部で前記先端部寄りに設けられ、前記フックの他端縁部は円の中心を前記フックの回動中心よりも前記各フックの先端部側でかつ外面部とは反対側の内面部寄りの位置におく円弧状に形成されて、
前記軸部を前記一方の部材に形成した取付孔から前記他方の部材に形成した取付孔へワンプッシュで通し、前記フックの係止爪を前記他方の部材の取付孔の縁部又は縁部周囲に係合させる、
ことを特徴とするピンファスナー。
【請求項2】
軸部は円筒形をなす請求項1に記載のピンファスナー。
【請求項3】
フックの外面部は軸部の外周面のスリットの開口面に沿って形成され、前記フックの一端部は前記外面部側が内面部側よりも突出されて略刀の刃先状に斜めに形成され、前記フックの前記内面部は先端部側が前記フックの回動中心に中心をおく円弧状に形成される請求項1又は2に記載のピンファスナー。
【請求項4】
フックの内面部の基端部側はばね部材受け部としてコ字形形状に形成され、軸部の一対の軸受部の各内側面で前記フックの前記ばね部材受け部に対応する位置に、ばね部材挿通保持部として、一端が軸部の外周面で開放され、他端が前記一対の軸受部の一部により閉塞される前記一対の軸受部間に仮想円筒状の孔の一部をなす断面円弧状の溝が対にして形成され、ばね部材としてコイルスプリングが採用され、前記コイルスプリングは前記一対の軸受部間の前記ばね部材挿通保持部に挿通されるとともに、前記コイルスプリングの一端が前記フックの前記ばね部材受け部に保持され、他端が前記ばね部材挿通保持部の他端に保持されて、前記一対の軸受部と前記フックとの間に介装される請求項1乃至3のいず
れかに記載のピンファスナー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2枚のパネルなど複数の部材を接合したり取付板その他の各種の部材を支柱やフレームなど各種の部材に取り付けたりするのに使用するピンファスナーに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、2枚のパネルなど複数の部材を接合したり取付板その他の各種の部材を支柱やフレームなど各種の部材に取り付けたりするのにボルト、ナットが使用される。ところが、これらの部材をボルト、ナットで締結する場合、ボルトを一方の部材側から各部材間を通して、他方の部材側でナットを合わせ、工具を使ってボルトをナットに締め込むため、ボルト止めの数量が多いと、ボルトの締め込み作業が容易でなく、ボルトの締め込みに多くの時間を要する。また、このような作業のために、ボルトの締め忘れが少なくない。このため、組み立て後の製品の輸送中に、製品からボルトが脱落したり脱落したボルトを紛失したりするといったことも発生する。
【0003】
そこで、従来より、複数のパネルからなる組み立て式のラックやキャビネットなどの組み立てに、2枚のパネル間を手早くかつ簡単に接合するための、ファスナーが提案されている。この種のパネルファスナーが特許文献1に開示されている。
【0004】
この文献1のファスナは、中心回転軸と、中心回転軸のパネル挿入方向の先端部に設けた鎖錠片と、中心回転軸のパネル挿入方向末端部に設けたファスナ回転操作部と、中心回転軸より鎖錠片と同方向に延出して形成され、ファスナを取付パネルに固定する保持機構と、ファスナの回転を規制する係止部とを備える。このファスナはまた、ファスナ回転操作部の表面側に、コインやマイナスドライバで操作可能な溝部が形成される。保持機構として、中心回転軸に直交して腕部が形成される。
一方、取付パネルのファスナ取り付け位置には、取付孔部が形成される。この場合、取付孔部は、ファスナの中心回転軸を保持する一対の張出部からなる回転軸支持部と、鎖錠片および腕部が通り抜け可能な貫通部と、ファスナに形成された係止部を係止する回転規制部とを有する。回転軸支持部の一対の張出部は、中心回転軸を保持するために細径の孔部を形成している。一方の回転規制部は、ファスナの回転を反時計方向で規制し、他方の回転規制部は、ファスナの回転を時計方向で規制し、ファスナの最大回転角度を90度に規制する。また、本体パネルのファスナ取り付け位置には、係止孔部が形成される。この場合、係止孔部は、ファスナの中心回転軸が通り抜け可能な回転軸貫通部と、鎖錠片が通り抜け可能な鎖錠片貫通部を有する。さらに、本体パネルの両端には折曲部を形成し、取付パネルとの間に形成される空間部でファスナの腕部の厚みを吸収する構造としている。
このようにしてファスナを取付パネルに形成された取付孔部に取付パネルの表面側から挿入し反時計方向に回転してファスナを保持した後、取付パネルの裏面側を本体パネルに当接させて、ファスナの先端部を本体パネルに形成された係止孔部に挿入し時計方向に回転して、取付パネルを本体パネルに固定するようになっている。
このようなパネルの取付構造により、2枚のパネルを手早くかつ簡単に接合することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2010-270770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来のファスナーで2枚のパネルを接合する場合、既述のとおり、ファスナーを2枚のパネルの取付孔に通し回転させて固定するので、ファスナーを回転させるための工具又はコインなどの代用品を必要とし、ファスナーの取付作業が煩雑になる、という問題がある。また、2枚のパネルの一方を取付孔部とし、他方を係止孔部として、各孔を異なる特殊な形状とするため、孔の形状が複雑になり、孔明けに要するコストが増大する、という問題もある。
【0007】
本発明は、このような従来の問題を解決するもので、この種のファスナーにおいて、2枚のパネルなど複数の部材を接合したり取付板その他の各種の部材を支柱やフレームなど各種の部材に取り付けたりする場合に、ファスナーを工具又はその代用品を用いることなしに各部材に設けた取付孔にワンプッシュで通し係止させるようにすることで取付作業を簡単にし、2枚のパネルなど複数の部材の接合や取付板その他の各種の部材の支柱やフレームなど各種の部材への取り付けを、従来にも増して手早くかつ簡単に行えるようにすること、併せて各部材の取付孔を単純な形状とし、孔明けに要するコストを低減することなど、を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、
一方の部材に形成した取付孔から他方の部材に形成した取付孔に通され、前記他方の部材の前記取付孔の縁部又は縁部周囲に係止されて、前記一方の部材を他方の部材に接合又は取り付けるピンファスナーであって、
前記一方の部材及び前記他方の部材の各取付孔に挿通可能な軸部と、
前記軸部の基端部に前記軸部の周囲に張り出されて、前記方の部材の前記取付孔の周囲に係合可能な頭部と、
前記軸部の外周面に出没可能に設けられ、前記他方の部材の前記取付孔の縁部又は縁部周囲に係合可能な取付フックと、
を備え、
前記取付フックは、
前記軸部の外周面任意の位置から前記軸部の内部に前記軸部の軸方向と平行にスリットを形成されて、前記スリットの両側に設けられる一対の軸受部と、
前記軸部の前記スリット内に嵌合可能に略コマ状に形成され、前記スリット内に一端部を前記各軸受部の先端部側に向けて他端部を前記各軸受部の基端部側に向けて嵌合配置された状態で前記スリットより外側に表れる外面部から前記他端部にかけてを係止爪とし、前記スリット内に前記一対の軸受部の先端部側で一対の軸を介して回動可能に支持されて、前記係止爪を前記スリットから出没可能に配置されるフックと、
前記一対の軸受部と前記フックとの間に介装され、前記フックを常態として前記スリットから外側に突出可能に回動付勢するばね部材と、
前記軸部のスリット内に前記フックと係合可能に設けられ、前記フックの係止爪を常態として前記スリットから所定の突出位置まで突出させて当該突出位置で前記フックの外側への回動を規制するロック部と、
を備え、
前記フックの回動中心を前記フックの先端部、基端部間の中間部で前記先端部寄りに設けられ、前記フックの他端縁部は円の中心を前記フックの回動中心よりも前記各フックの先端部側でかつ外面部とは反対側の内面部寄りの位置におく円弧状に形成されて、
前記軸部を前記一方の部材に形成した取付孔から前記他方の部材に形成した取付孔へワンプッシュで通し、前記フックの係止爪を前記他方の部材の取付孔の縁部又は縁部周囲に係合させる、
ことを要旨とする。
また、このピンファスナーは、軸部が円筒形をなすことが好ましい。
さらに、このピンファスナーの取付フックは各部が次のように構成されることが好ましい。
(1)フックの外面部は軸部の外周面のスリットの開口面に沿って形成され、前記フックの一端部は前記外面部側が内面部側よりも突出されて略刀の刃先状に斜めに形成され、前記フックの前記内面部は先端部側が前記フックの回動中心に中心をおく円弧状に形成される。
)フックの内面部の基端部側はばね部材受け部としてコ字形形状に形成され、軸部の一対の軸受部の各内側面で前記フックの前記ばね部材受け部に対応する位置に、ばね部材挿通保持部として、一端が軸部の外周面で開放され、他端が前記一対の軸受部の一部により閉塞される前記一対の軸受部間に仮想円筒状の孔の一部をなす断面円弧状の溝が対にして形成され、ばね部材としてコイルスプリングが採用され、前記コイルスプリングは前記一対の軸受部間の前記ばね部材挿通保持部に挿通されるとともに、前記コイルスプリングの一端が前記フックの前記ばね部材受け部に保持され、他端が前記ばね部材挿通保持部の他端に保持されて、前記一対の軸受部と前記フックとの間に介装される。
【発明の効果】
【0009】
本発明のピンファスナーによれば、上記の構成により、軸部を一方の部材に形成した取付孔から他方の部材に形成した取付孔にワンプッシュで通し、フックの係止爪を他方の部材の取付孔の縁部又は縁部周囲に係合させるようにしたので、2枚のパネルなど複数の部材を接合したり取付板その他の各種の部材を支柱やフレームなど各種の部材に取り付けたりする場合に、このピンファスナーを工具又はその代用品を用いることなしに各部材の各取付孔にワンプッシュで通すだけの簡単な作業でよく、作業時間も短くて済み、2枚のパネルなど複数の部材の接合や取付板その他の各種の部材の支柱やフレームなど各種の部材への取り付けを、従来にも増して手早くかつ簡単に行うことができる、という本発明独自の格別な効果を奏する。また、軸部を円筒形とすることで、各部材の取付孔が単純な円形状でよく、孔明けに要する手間を少なくしてコストを低減することができる、という利点を併せて有する。そして、このピンファスナーでは特に、フックの回動中心がフックの先端部、基端部間の中間部で先端部寄りに設けられて、フックの基端縁部は円の中心をフックの回動中心よりもフックの先端縁部側でかつ外面部とは反対側の内面部寄りの位置におく円弧状に形成されるので、一対の軸受部をフックとともに複数の部材の各取付孔に通しワンプッシュした後のフックは、係止爪の外側への回動とともにこの係止爪の円弧状の基端縁部が取付孔の内周縁部に向けて迫り出し、この基端縁部を取付孔の内周縁部に食い付かせることができ、これにより、一対の軸受部を複数の部材の各取付孔に各部材の外側一方の面側から内側他方の面側に引き寄せ、頭部のフランジを各部材の一方の取付孔の内周縁部の周辺に圧接して、各部材を頭部とフックとの間で締め付けて接合することができ、各部材の板厚に多少のバラつきがあっても、このピンファスナーで各部材間をガタツクことなく確実に接合することができる、という本発明独自の顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施の形態に係るピンファスナーの全体構成を示す図((a)は側面図(b)は一部断面平面図(c)は側面断面図)
図2】同ピンファスナーの特に頭部、軸部の各構成を示す図(斜視図)
図3】同ピンファスナーの特に頭部、軸部の各構成を示す図((a1)は正面図(a2)は側面図(b1)は(a2)のC-C線断面図(b2)は(a1)のA-A線断面図(c1)は(a1)とは異なる向きの正面図(c2)は平面図(d1)は(a2)のD-D線断面図(d2)は(a1)のB-B線断面図)
図4】同ピンファスナーの特にフックの構成を示す図((a)は底面図(b)は側面図(c)は平面図)
図5】同ピンファスナーの特に頭部、軸部の各構成を示す図((a)は正面図(b)は平面図(c)は側面断面図)
図6】同ピンファスナーの使用例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、この発明を実施するための形態について図を用いて説明する。図1に本発明の一実施の形態に係るピンファスナーの全体構成を示し、図2乃至図5に同ピンファスナーの各部の構成を示している。
【0012】
図1に示すように、ピンファスナー1は、一方の部材に形成した取付孔から他方の部材に形成した取付孔に通され、他方の部材の取付孔の縁部に係止されて、一方の部材を他方の部材に接合又は取り付ける形式で、軸部11と、頭部10と、取付フック12と、を備えて構成される。
【0013】
図1に示すように、軸部11は、一方の部材及び他方の部材の各取付孔に挿通可能になっている。この場合、軸部11は、図2に示すように、円筒形をなす。軸部11を円筒形にすることにより、一方の部材及び他方の部材の各取付孔を単純な円形にすることができる。これにより、各取付孔を、各取付孔の内径が軸部11の外径と略同じかそれよりも僅かに大きい円形に開ければよい。
【0014】
この軸部11には、図2図3に示すように、後述する取付フック12を取り付けるためのスリット110が形成される。スリット110は軸部11の外周面21任意の位置から軸部11の内部に向けて軸部11の軸方向と平行に形成される。このスリット110により、スリット110の両側に一対の軸受部2が設けられる。この場合、軸部11は所定の外径、長さを有し、スリット110は、軸部11の先端部先端面中央の直径ライン上から所定の一定の幅で一文字状に基端部方向に所定の長さまで切り込まれて、正面視一文字状でかつ側面視軸部11の軸方向に細長いコ字形に形成され、軸部11の外周面21でスリット110の両端が開放される。このスリット110の両側が一対の軸受部2になり、スリット110の各内側面、すなわち、一対の軸受部2の相互に対向する各内側面22が平行になっている。また、これら軸受部2と頭部10との間は柱状の基部、この場合は円柱状の基部111になっている。この基部111の長さは2部材の板厚、つまり、2部材の各取付孔間の長さに応じて決められ、各取付孔間の長さと同じ又は短い長さが設定される。この場合、基部111は2部材の各取付孔間の長さよりも短い所定の長さを有する。
【0015】
図1に示すように、頭部10は、軸部11の基端部に軸部11の周囲に張り出されて、一方の部材の取付孔の周囲に係合可能になっている。この場合、頭部10は、図2図3に示すように、軸部11の基端部に、軸部11の軸方向に対して略直角方向に比較的薄い肉厚の円形に張り出し形成される。この頭部10の軸部11とは反対側の面は円形の平坦面状に形成され、軸部11側の面は円環形(言い換えれば、ドーナツ形)の平坦面状に形成されて、その全面がフランジ101として方の部材の取付孔の周辺に接触可能になっている。
【0016】
なお、この場合、軸部11と頭部10とはSWCH鋼などにより一体に形成される。
【0017】
図1に示すように、取付フック12は、一対の軸受部2と、フック3と、ばね部材4と、ロック部5と、を備えて構成される。
【0018】
一対の軸受部2は、既述のとおり、軸部11の外周面21任意の位置から軸部11の内部に軸部11の軸方向と平行にスリット110を形成されて、スリット110の両側に設けられる。また、この一対の軸受部2には、図2図3に示すように、軸部11の一対の軸受部2の各内側面22で後述のフック3のばね部材受け部330に対応する位置に、ばね部材挿通保持部200が設けられる。このばね部材挿通保持部200は、一端を軸部11の外周面21で開放され、他端を一対の軸受部2の一部により閉塞され、一対の軸受部2間に仮想円筒状の孔の一部をなす断面円弧状の溝201が対にして形成されてなる。
【0019】
この場合、一対の軸受部2は、頭部10の軸部11側の円環形の面に基部111を介在して一体に設けられる。これらの軸受部2はそれぞれ、頭部10の軸部11側の円環形の面をフランジ101として、平行に延びるもので、外周面21が断面円弧状の面に、内側面22が平坦な面に形成されてなる。これらの軸受部2は、全体として、各取付孔91、92(図6参照)に嵌装可能な大きさを有し、この各取付孔91、92を通り抜け可能に所定の長さを有する。そして、各軸受部2の突出端側(つまり、頭部10とは反対側の先端部側)にそれぞれ、軸S1(図1参照)を挿通可能に軸挿通部23が形成される。ここで、一対の軸受部2の一方の軸挿通部23は他方の軸挿通部23よりも少し小さい径に形成される。一方、軸S1は、図1に示すように、各軸挿通部23に対応して、一端が他端側よりも小径に形成され、一端が各軸受部2の一方の軸挿通部23に通され、他端側が各軸受2の他方の軸挿通部23に通される。そして、この軸S1は、他方の軸挿通部23の外側開口縁部で相互に対向する2箇所231がカシメられて、各軸挿通部23間に抜け止めされて取り付けられる。また、この場合、ばね部材挿通保持部200は、図3に示すように、一対の軸受部2の各内側面22で後述するフック3のばね部材受け部330に対応する位置として一対の軸受部2の軸方向中間部に、コイルスプリングを挿通可能に設けられる。このばね部材挿通保持部200は、一端が軸部11の外周面21、言い換えれば、一対の軸受部2の一側縁部で開放され、他端が一対の軸受部2の他側縁部に近接する一部で、言い換えれば、一対の軸受部2の一側縁部から見て他側縁部の少し手前の近接位置で(当該近接位置から他側縁部までの各軸受部2内側面22の肉厚を残して)閉塞され、一対の軸受部2間に仮想円筒状の孔の一部をなす断面円弧状の溝201を対にして形成されてなる。なお、ばね部材挿通保持部200(各溝201)の他端は閉塞され、ばね部材受け部になっている。
【0020】
図1に示すように、フック3は、軸部11のスリット110内に嵌合可能に略コマ状に形成され、スリット110内に一端部を各軸受部2の先端部側に向けて他端部を各軸受部2の基端部側に向けて嵌合配置された状態でスリット110より外側に表れる外面部32から他端縁部34にかけてを係止爪301とし、スリット110内に一対の軸受部2の先端部側で一対の軸S1を介して回動可能に支持されて、係止爪301をスリット110から出没可能に配置される。また、このフック3は、フック3の回動中心がフック3の一端部、他端部間の中間部で一端縁部31寄りに設けられ、フック3の他端縁部34が円の中心をフック3の回動中心よりもフック3の一端縁部31側でかつ外面部32とは反対側の内面部33寄りの位置におく円弧状に形成される。フック3の外面部32は軸部11の外周面21のスリット110の開口面に沿って平面状に形成される。フック3の一端縁部31は外面部32側が内面部33側よりも突出されて略刀の刃先状に斜めに形成される。フック3の内面部33は一端部側がフック3の回動中心に中心をおく円弧状に、他端部側がばね部材受け部330としてコ字形形状に、それぞれ、形成される。なお、このフック3と軸部11との位置関係から、以下の説明の便宜上、フック3の一端部、一端縁部31、他端部、他端縁部34をそれぞれ、先端部、先端縁部31、基端部、基端縁部34という。
【0021】
この場合、フック3は、図4に示すように、概ね全体として、一対の軸受部2間のスペース内に収められる大きさのコマ形状に形成され、このフック3の回動中心がフック3の先端部、基端部間の中間部で先端部寄りに設けられて、ここに軸S1を挿通可能に軸挿通部23が形成される。このフック3の具体的な形状は先端縁部31から基端縁部34にかけて、順次、次のとおりとなる。先端縁部31は外面部32側が内面部33側よりも突出されて略刀の刃先形状に斜めになっている。外面部32は軸部11の外周面21のスリット110の開口面に沿う平面になっている。内面部33は先端部側がフック3の回動中心に中心をおく円弧状で、基端部側がばね部材受け部330としてコ字形形状になっている。基端縁部34は円の中心をフック3の回動中心よりもフック3の先端部側でかつ外面部32とは反対側の内面部33側の位置におく断面円弧状になっている。なお、外面部32から基端縁部34にかけての係止爪301は断面略カマ形状をなす。かくしてフック3は、軸部11のスリット110内に一対の軸受部2の先端部側で一対の軸S1を介して回動可能に取り付けられて、係止爪301がスリット110から出没可能に配置される。
【0022】
図1に示すように、ばね部材4は、一対の軸受部2とフック3との間に介装される。このばね部材4により、フック3を常態としてスリット110から外側に突出可能に回動付勢する。この場合、ばね部材4としてコイルスプリングが採用される(以下、コイルスプリング4という。)。コイルスプリング4は一対の軸受部2間の各溝部201内、すなわち、ばね部材挿通保持部200内に挿通されるとともに、コイルスプリング4の一端がフック3のばね部材受け部330に保持され、他端がばね部材挿通保持部200の他端(ばね部材受け部)に保持されて、一対の軸受部2とフック3との間に介装される。このコイルスプリング4の付勢力により、フック3は常態として軸部11のスリット110から外側へ突出される。
【0023】
図1に示すように、ロック部5は、軸部11のスリット110内にフック3と係合可能に設けられる。このロック部5により、フック3の係止爪301を常態としてスリット110から所定の突出位置まで突出させて当該突出位置でフック3の外側への回動を規制する。この場合、ロック部5は、図5に示すように、一対の軸受部2の各内側面22の先端側で、フック3の先端縁部31の特に斜めの縁部311の回動経路上に、フック3の係止爪301が常態としてスリット110から所定の突出位置まで突出されて当該突出位置で係合可能に、突状に設けられる。また、この場合、ロック部5は、一対の軸受部2の他側縁部(既述のばね部材挿通保持部200の他端と同じ側の他側縁部)の先端をカシメにより外側から内側に向けて略90°圧し潰すことにより、各軸受部2間に各軸受部2の内側面に対して略直角に突出する一対のロック片51として形成される。この場合、これらのロック片51に、軸部11のスリット110から突出されるフック3の先端縁部31斜めの縁部311(図1参照)が(当該斜めの縁部311の内面部33寄り所定の位置で)係合される。このロック片51とフック3との係合により、軸部11のスリット110からコイルスプリング4により常態として回動付勢されてスリット110の外部に突出されるフック3がスリット110外部の所定の突出位置まで、この場合、係止爪301の一部(係止爪301をなす2面の接合角部から外面部32にあっては2分の1程度の長さ、基端縁部34にあっては4分の3乃至5分の4程度の長さ)が突出されて外側方向への回動を規制される。
【0024】
このようにして取付フック12は構成され、軸部11を一方の部材に形成した取付孔から他方の部材に形成した取付孔にワンプッシュで通し、フック3の係止爪301を他方の部材の取付孔の縁部に係合させるようになっている。
【0025】
図6にこのピンファスナー1を用いて2枚のパネルなどの2部材を接合する場合を例示している。なお、このピンファスナー1の使用前の通常の状態を図6(1)に併せて示している。通常、ピンファスナー1は、軸部11の一対の軸受部2の間でフック3が各軸受部2間とフック3との間のコイルスプリング4により一対の各軸受部2の外側に向けて押圧付勢されるとともに、一対の軸受部2間先端側のロック部5にフック3の先端縁部斜めの縁部311が(当該斜めの縁部311の内面部33寄り所定の位置で)係合されて、フック3が一対の軸受部2の外部所定の突出位置で回動規制され、一対の軸受部2間から係止爪301の一部(係止爪301をなす2面の接合角部から外面部32にあっては2分の1程度の長さ、基端縁部34にあっては4分の3乃至5分の4程度の長さ)が突出される。
【0026】
まず、図6(1)に示すように、2部材の所定の位置にそれぞれ、取付孔91、92を開ける。この場合、ピンファスナー1の軸部11を円筒形にしてあるので、2部材の各取付孔91、92を単純な円形にすることができる。したがって、各部材に各取付孔91、92を、各取付孔91、92の内径が軸部11の外径と略同じかそれよりも僅かに大きい円形に開ければよい。
【0027】
そして、図6(3-1)又は(3-2)に示すように、ピンファスナー1の軸部11、すなわち、一対の軸受部2をフック3ととも2部材の一方の取付孔91から他方の取付孔92に差し込み押し込む(ワンプッシュする)。このようにすると、取付フック12は一対の軸受部2が、各軸受部2の外周面21の先端、中間、基端が順次、2部材間の各取付孔91、92の各内周縁部を摺動しつつ、2部材の各取付孔91、92間を通過する。この場合、図6(2)に示すように、一対の軸受部2間から外側に突出されるフック3の係止爪301は2部材の各取付孔91、92の内周縁部に接触して押圧され、係止爪301が一対の軸受部2とフック3との間のコイルスプリング4の付勢力に抗して(コイルスプリング4を圧縮しながら)漸次各軸受部2間に向けて回動し各軸受部2間に没入されて、フック3が各軸受部2間に完全に没入された状態で各軸受部2が2部材の各取付孔91、92間に通される。しかして、図6(3-1)又は(3-2)に示すように、頭部10の軸部11側の面、すなわち、フランジ101が2部材の一方の取付孔91の内周縁部の周辺に当接し、各軸受部2間のフック3が2部材の各取付孔91、92を通り抜けて一対の軸受部2とフック3との間のコイルスプリング4の付勢力(コイルスプリング4の弾性復帰)により各軸受部2間から外側へ回動し、係止爪301が各軸受部2間から外側に突出されて、2部材の他方の取付孔92の内周縁部に弾性係止される。ここで、取付フック12は、図4に示すように、フック3の回動中心がフック3の先端部と基端部との間の中間部に設けられ、フック3の基端縁部34が円の中心をフック3の回動中心よりもフック3の先端縁部31に近く内面部33寄りの位置におく円弧状に形成されることで、フック3は、図6(3-1)又は(3-2)に示すように、係止爪301の外側への回動とともにこの係止爪301の円弧状の基端縁部34が他方の取付孔62の内周縁部に向けて迫り出し、他方の取付孔92の内周縁部に食い込んでいく。この係止爪301の迫り出しにより、一対の軸受部2は、一方の部材の外側一方の面から内側他方の面側に引き寄せられて、頭部10のフランジ101は一方の部材の外側一方の面の取付孔91の内周縁部の周辺に圧接され、2部材は強固に接合される。なお、図6(3-1)には、2部材の一方の厚みが小さい場合を例示し、図6(3-2)には、2部材の一方の厚みが大きい場合を例示している。このように2部材の各軸挿通部91、92間の長さが異なる場合でも、ピンファスナー1の軸部11の基部111(の長さ)で調整可能である。
【0028】
なお、このピンファスナー1で2部材を接合させた後、一方の部材を他方の部材から取り外す場合、一方の部材の外側一方の面側で一方の手でピンファスナー1の頭部10を掴み、一方の部材の内側他方の面側で他方の手でフック3を各軸受2間に押し込みながら、片側一方の手で頭部10を引いてピンファスナー1を引き抜けばよい。この引き抜きにより、ピンファスナー1は使用前の通常の状態に戻される。
【0029】
以上説明したように、このピンファスナー1では、軸部11の外周面21に取付フック12を備える。この取付フック12は、既述のとおり、一対の軸受部2と、フック3と、コイルスプリング4と、ロック部5とからなる。このようにして、ピンファスナー1の軸部11を一方の部材に形成した取付孔91から他方の部材に形成した取付孔92にワンプッシュで通し、フック3の係止爪301を他方の部材の取付孔92の縁部に係合させるようにしたので、2枚のパネルなどの複数の部材を接合する場合に、ピンファスナー1を工具又はその代用品を用いることなしに各部材の各取付孔91、92にワンプッシュで通すだけの簡単な作業でよく、作業時間も短くて済み、2枚のパネルなどの複数の部材の接合を、従来にも増して手早くかつ簡単に行うことができる。そして、軸部11を円筒形としたことで、各部材の取付孔91、92が単純な円形状でよく、孔明けに要する手間を少なくしてコストを低減することができる。
【0030】
また、このピンファスナー1ではさらに次のような利点を有する。
(1)フック3の回動中心がフック3の先端部、基端部間の中間部で先端部寄りに設けられて、フック3の基端縁部34は円の中心をフック3の回動中心よりもフック3の先端縁部31側でかつ外面部32とは反対側の内面部33寄りの位置におく円弧状に形成されることで、一対の軸受部2をフック3とともに2部材の取付孔91、92に通しワンプッシュした後のフック3は、係止爪301の外側への回動とともにこの係止爪301の円弧状の基端縁部34が取付孔92の内周縁部に向けて迫り出し、この基端縁部34を取付孔92の内周縁部に食い付かせることができる。これにより、一対の軸受部2を2部材の各取付孔91、92に2部材の外側一方の面側から内側他方の面側に引き寄せ、頭部10のフランジ101を2部材の一方の取付孔91の内周縁部の周辺に圧接して、2部材を頭部10とフック3との間で締め付けて接合することができ、2部材の板厚に多少のバラつきがあっても、このピンファスナー1で2部材間をガタツクことなく確実に接合することができる。
(2)フック3の外面部32は軸部11の外周面21のスリット110の開口面に沿って形成され、フック3の先端縁部31は外面部32側が内面部33側よりも突出されて略刀の刃先状に斜めに形成され、フック3の内面部33は先端縁部31側がフック3の回動中心に中心をおく円弧状に形成される。このようにしたことで、フック3を軸部11の一対の軸受部2内に係止爪301のみが各軸受部2間から出没可能に配置することができる。
この場合、軸部11のスリット110内にフック3の係止爪301を常態としてスリット110から所定の突出位置まで突出させて当該突出位置でフック3の外側への回動を規制するロック部5が設けられるので、フック3の各軸受部2からの飛び出しを確実に防止することができ、フック3の係止爪301を各軸受部2間から確実に出没させることができる。
また、この場合、フック3の内面部33の基端縁部34側はばね部材受け部330としてコ字形形状に形成され、軸部11の一対の軸受部2の各内側面22でフック3のばね部材受け部330に対応する位置に、ばね部材挿通保持部200として、一端が軸部11の外周面21で開放され、他端が一対の軸受部2の一部により閉塞され、一対の軸受部2間に仮想円筒状の孔の一部をなす断面円弧状の溝201が対にして形成される。ばね部材としてコイルスプリング4を採用され、コイルスプリング4が一対の軸受部2間のばね部材挿通保持部200内に挿通されるとともに、コイルスプリング4の一端がフック3のばね部材受け部330に保持され、他端がばね部材挿通保持部200の他端に保持されて、一対の軸受部2とフック3との間に介装される。このようにしたことで、フック3を簡単な構造で各軸受部2から外側方向に確実に回動付勢することができる。
【0031】
なお、この実施の形態では、ピンファスナー1の軸部11を円筒形をなすものとしたが、この軸部11は角筒形であってもよい。このようにしても、各部材において取付孔の加工が円形の孔の加工に比べて複雑になるが、その他の点では、上記実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。また、この軸部11には、スリット110が、軸部11の先端部先端面中央の直径ライン上から所定の一定の幅で一文字状に基端部方向に所定の長さまで切り込まれて、正面視一文字状で側面視軸部11の軸方向に細長いコ字形に形成され、スリット110の両端が開放されるものとしたが、軸部の先端部先端面中央の直径ライン上から所定の一定の幅でコ字形に基端部方向に所定の長さまで切り込まれて、正面視コ字形状で側面視軸部の軸方向に細長いコ字形に形成され、軸部の外周面でスリットの一端のみが開放されるものとしてもよい。この場合、スリットの他端が軸部の外周面により閉塞されるので、この他端を閉塞する外周面の一部をロック部とすることができ、このロック部にフックの先端縁部又は内面部を係合させることができる。このようにしても上記実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0032】
また、この実施の形態では、ばね部材にコイルスプリング4が用いられ、コイルスプリング4が一対の軸受部2とフック3との間に介装されるものとしたが、このばね部材にトーションスプリングや板ばねなどを用い、一対の軸受部とフックとの間に介装されるものであってもよい。このようにしても上記実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0033】
さらに、この実施の形態では、ロック部5が、一対の軸受部2の他端縁部(既述のコイルスプリング挿通保持部200の他端と同じ側の他端縁部)の先端をカシメにより外側から内側に向けて略90°圧し潰すことにより、各軸受部2間に各軸受部2の内側面に対して略直角に突出する一対のロック片51として形成され、これらのロック片51に、軸部11のスリット110から突出されるフック3の先端縁部31斜めの縁部311が(当該斜めの縁部311の内面部33寄り所定の位置で)係合されるものとしたが、例えば、頭部の軸部側の平面で一対の軸受部間の一端部に凸段状にストッパーが形成され、フックの基端縁部の内面部側の端部に頭部のストッパーに係合可能に凸状の回動規制部が設けられるものであってもよい。このようにしても上記実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0034】
さらに、この実施の形態では、軸部11を一方の部材に形成した取付孔91から他方の部材に形成した取付孔92にワンプッシュで通し、フック3の係止爪301を他方の部材の取付孔92の縁部に係合させるものとしたが、フックの係止爪を他方の部材の取付孔の縁部周囲に係合させるようにしてもよい。このようにしても上記実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0035】
またさらに、この実施の形態では、ピンファスナー1の使用例として、2枚のパネルなど複数の部材を接合する場合を例示したが、このピンファスナー1は、取付板その他の各種の部材を支柱やフレームなど各種の部材に取り付ける場合にも、同様に適用することができ、同様の作用効果を奏することができることは勿論である。
【符号の説明】
【0036】
1 ピンファスナー
10 頭部
101 フランジ
11 軸部
110 スリット
111 基部
12 取付フック
2 軸受部
200 ばね部材挿通保持部
201 溝
21 外周面
22 内側面
23 軸挿通部
S1 軸
3 フック
301 係止爪
31 一端縁部(先端縁部)
311 斜めの縁部
32 外面部
33 内面部
330 ばね部材受け部
34 他端縁部(基端縁部)
4 ばね部材(コイルスプリング)
5 ロック部
51 ロック片
91、92 取付孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6