(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-21
(45)【発行日】2024-01-04
(54)【発明の名称】洗浄装置、及び洗濯機
(51)【国際特許分類】
D06F 39/08 20060101AFI20231222BHJP
【FI】
D06F39/08 301Z
(21)【出願番号】P 2020089646
(22)【出願日】2020-05-22
【審査請求日】2022-12-08
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】内山 具典
(72)【発明者】
【氏名】加藤 瞬
【審査官】粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-076442(JP,A)
【文献】中国実用新案第207362525(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2018/0274164(US,A1)
【文献】特開2017-113395(JP,A)
【文献】特開平11-267391(JP,A)
【文献】特開2019-025460(JP,A)
【文献】特開2020-025912(JP,A)
【文献】特開2008-043651(JP,A)
【文献】特開2013-052124(JP,A)
【文献】特開2016-195961(JP,A)
【文献】国際公開第2010/067454(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 39/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水槽と、
外部の給水源から供給された水に空気成分を溶解させる加圧溶解装置と、
前記加圧溶解装置の下流側を分岐して
微細気泡を含んだ機能水を前記水槽に供給する第1機能水供給経路及び第2機能水供給経路と、
前記第1機能水供給経路上に設けられて前記第1機能水供給経路を流れる水に微細気泡を発生させる第1微細気泡発生器と、
前記第2機能水供給経路上に設けられて前記第2機能水供給経路を流れる水に微細気泡を発生させる第2微細気泡発生器と、を備え
、
前記第1微細気泡発生器と前記第2微細気泡発生器とは異なる粒径の微細気泡を主として発生させる機能を有する、
洗浄装置。
【請求項2】
前記第1微細気泡発生器は、前記加圧溶解装置から流出した水に主としてウルトラファインバブルを含む微細気泡を発生させる機能を有し、
前記第2微細気泡発生器は、前記加圧溶解装置から流出した水に主としてマイクロバブルを含む微細気泡を発生させる機能を有する、
請求項1
に記載の洗浄装置。
【請求項3】
前記第1機能水供給経路から給水される単位時間当たりの水量は、前記第2機能水供給経路から給水される単位時間当たりの水量よりも多い、
請求項1
又は2に記載の洗浄装置。
【請求項4】
前記第1機能水供給経路上であって前記第1微細気泡発生器と前記水槽との間に設けられて前記第1微細気泡発生器を通って微細気泡を含んだ水と前記水槽に投入される洗濯処理剤とが混合される第1混合部を更に備える、
請求項1から
3のいずれか一項に記載の洗浄装置。
【請求項5】
前記第2機能水供給経路上であって前記第2微細気泡発生器と前記水槽との間に設けられて前記第2微細気泡発生器を通って微細気泡を含んだ水と前記水槽に投入される洗濯処理剤とが混合される第2混合部を更に備える、
請求項1から
4のいずれか一項に記載の洗浄装置。
【請求項6】
前記第1微細気泡発生器の下流側に設けられ前記微細気泡を増加させるためのエネルギーを付加するエネルギー発生源を更に備える、
請求項1から
5のいずれか一項に記載の洗浄装置。
【請求項7】
前記水槽内に回転可能に設けられた回転槽を更に備え、
前記第2機能水供給経路は前記水槽と前記回転槽との間に接続されている、
請求項1から
6のいずれか一項に記載の洗浄装置。
【請求項8】
前記水槽内の水を循環させるための循環経路と、
前記水槽内の水を排水させるための排水経路と、を更に備え、
前記第2機能水供給経路は、前記循環経路又は前記排水経路の少なくとも一方と接続されている、
請求項1から
7のいずれか一項に記載の洗浄装置。
【請求項9】
請求項1から
8のいずれか一項に記載の洗浄装置を備える、
洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、洗浄装置、及び洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
ファインバブルと称されるマイクロバブルやウルトラファインバブル等の微細気泡を含む微細気泡水を用いて洗浄を行う技術がある。しかしながら、従来の構成では、洗浄性能に改善の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、微細気泡水による洗浄性能の向上を図ることができる洗浄装置、及び洗濯機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の洗浄装置は、水槽と、外部の給水源から供給された水に空気成分を溶解させる加圧溶解装置と、前記加圧溶解装置の下流側を分岐して前記水槽に微細気泡を含んだ機能水を前記水槽に供給する第1機能水供給経路及び第2機能水供給経路と、前記第1機能水供給経路上に設けられて前記第1機能水供給経路を流れる水に微細気泡を発生させる第1微細気泡発生器と、前記第2機能水供給経路上に設けられて前記第2機能水供給経路を流れる水に微細気泡を発生させる第2微細気泡発生器と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1実施形態によるドラム式洗濯機の一例を概略的に示す図
【
図2】第1実施形態による縦型洗濯機の一例を概略的に示す図
【
図3】第1実施形態による加圧溶解装置の一例を示す断面図
【
図4】第1実施形態による加圧溶解装置の加圧タンクの一例を示す断面図
【
図5】第1実施形態による第1微細気泡発生器の一例を示す断面図
【
図6】第1実施形態による第1微細気泡発生器の一例を
図5のX6-X6線に沿って示す断面図
【
図7】第1実施形態による第2微細気泡発生器の一例を示す断面図
【
図8】第1実施形態による第2微細気泡発生器の一例を
図7のX8-X8線に沿って示す断面図
【
図9】第1実施形態による制御装置の電気的構成の一例を概略的に示す図
【
図10】第2実施形態によるドラム式洗濯機の一例を概略的に示す図
【
図11】第2実施形態による縦型洗濯機の一例を概略的に示す図
【
図12】第3実施形態によるドラム式洗濯機の一例を概略的に示す図
【
図13】第3実施形態による縦型洗濯機の一例を概略的に示す図
【
図14】第4実施形態によるドラム式洗濯機の一例を概略的に示す図
【
図15】第4実施形態による縦型洗濯機の一例を概略的に示す図
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、複数の実施形態について図面を参照しながら説明する。各実施形態では、洗浄装置の適用対象の一例である洗濯機について説明する。なお、洗浄装置の適用対象としては、洗濯機の他に、食器洗浄機や半導体等の電子部品の洗浄機等があるが、これらに限られない。なお、各実施形態において実質的に同一の要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0008】
(第1実施形態)
図1に示すドラム式洗濯機10及び
図2に示す縦型洗濯機20は、洗浄装置の適用例である。
図1に示す洗濯機10は、外箱11、水槽12、回転槽13、モータ14、排水経路15、排水弁16、フィルタ装置17、循環経路18、及び循環ポンプ19を備えている。なお、
図1において、洗濯機10の設置面側つまり鉛直下側を洗濯機10の下側とし、設置面と反対側つまり鉛直上側を洗濯機10の上側とする。洗濯機10は、回転槽13の回転軸が水平へ向かう横軸型又は後方へ向かって下降傾斜した斜め軸型のドラム式洗濯機である。この場合、水槽12及び回転槽13は、洗濯物を収納する洗濯槽として機能する。
【0009】
図2に示す洗濯機20は、外箱21、水槽22、回転槽23、モータ24、排水経路25、排水弁26、フィルタ装置27、循環経路28、及び循環ポンプ29を備えている。なお、
図2において、洗濯機20の設置面側つまり鉛直下側を洗濯機20の下側とし、設置面と反対側つまり鉛直上側を洗濯機20の上側とする。洗濯機20は、回転槽23の回転軸が鉛直方向を向いた縦型洗濯機である。この場合、水槽22及び回転槽23は、洗濯物を収納する洗濯槽として機能する。なお、循環ポンプ29に換えて、撹拌翼231の裏側に水をかき上げる羽根部材を設け、撹拌翼231の回転駆動により、回転槽23の内側面に設けた図示しない循環経路を通して水槽22内の水を揚水循環させる周知の構成としても良い。
【0010】
図1に示すドラム式洗濯機10及び
図2に示す縦型洗濯機20において、水槽12、22は、外箱11、21内に配置されて図示しないサスペンションによって弾性的に支持されている。回転槽13、23は、水槽12、22内に回転可能に配置されており、モータ14、24によって回転駆動される。
【0011】
排水経路15、25は、水槽12、22内に貯留されている水を洗濯機10、20の機外に排出するための経路である。排水経路15、25は、例えば可撓性を有する排水ホースで構成されており、一方の端部が排水弁16、26に接続され、他方の端部が洗濯機10、20の機外に引き出されている。
【0012】
排水弁16、26は、電磁的に開閉動作が可能な液体用の開閉弁である。排水弁16、26は、水槽12、22の底部に設けられた排水口121、221と、排水経路15、25との間に設けられている。排水弁16、26は、
図9に示す制御装置110からの制御信号に基づき、排水経路15、25を開閉する。
【0013】
フィルタ装置17、27は、排水口121、221と排水弁16、26との間に設けられている。フィルタ装置17、27は、内部に網目状のフィルタ171、271を有しており、そのフィルタ171、271によって、フィルタ装置17、27内を通過する水に含まれるリントやゴミを捕集する。
【0014】
循環経路18、28は、水槽12、22内に貯留されている水を汲み上げて、その汲み上げた水を水槽12、22の上部から再び水槽12、22内に供給するための経路である。循環経路18、28は、例えば水槽12、22の外部又は水槽12、22の内周面に設けられている。循環経路18、28の一方の端部は、フィルタ装置17、27を介して水槽12、22の排水口121、221に接続されており、他方の端部は、水槽12、22の上部に設けられたノズル部181、281に接続されている。ノズル部181、281は、詳細は図示しないが、ノズル部181、281から吐出された水が水槽12、22の中央側へ向かうように構成されている。
【0015】
循環ポンプ19、29は、循環経路18、28上に設けられている。排水弁16、26によって排水経路15、25が閉じられた状態で循環ポンプ19、29が駆動すると、循環ポンプ19、29は、排水口121、221を通して水槽12、22内の水を汲み上げて、ノズル部181、281から再び水槽12、22内へ注水する。これにより、循環ポンプ19、29は、水槽12、22内に貯留されている水を、循環経路18、28を通して循環させる。
【0016】
また、洗濯機10、20は、それぞれヒータ122、222を備えている。ヒータ122、222は、水槽12、22内に供給される水を加熱して温水化する機能を有する。本実施形態の場合、ヒータ122、222は、水槽12、22内に供給される水に対して熱エネルギーを与えるエネルギー発生源である。これにより、洗濯機10、20は、温水を用いて洗い工程又はすすぎ工程を実行することができる。
【0017】
本実施形態の場合、洗濯機10、20は、処理剤手動投入装置30と処理剤自動投入装置40とを有している。処理剤手動投入装置30及び処理剤自動投入装置40は、いずれも外箱11、21の上部に設けられている。処理剤手動投入装置30は、ユーザが洗濯運転の開始前に手動で投入する1回の洗濯運転に必要な洗濯処理剤を貯留しておき、洗濯運転の進行に伴い必要量の洗濯処理剤を水槽12、22に投入する機能を有する。また、処理剤自動投入装置40は、複数回分の洗濯運転に必要な洗濯処理剤を貯留しておき、洗濯運転の進行に伴い必要量の洗濯処理剤を自動で水槽12、22に投入する機能を有する。
【0018】
ユーザは、洗濯物の種類等に応じて処理剤手動投入装置30又は処理剤自動投入装置40のいずれを使用するかを適宜設定することが可能である。例えば日常的に使用する衣類つまり頻繁に洗濯する衣類を洗濯する場合、ユーザは、処理剤自動投入装置40を選択することで、毎回の洗濯において洗濯処理剤の投入の手間を省くことができる。一方、例えば傷みや型くずれ等が生じやすいデリケートな衣類のように頻繁に洗濯するものではなく、かつ、専用の洗濯処理剤が必要なものの場合、ユーザは、処理剤手動投入装置30を選択することで、普段の洗濯に使用するものとは異なる種類の洗濯処理剤を投入することができる。
【0019】
なお、本実施形態において、洗濯処理剤とは、例えば粉末洗剤や液体洗剤等の洗剤、及び柔軟剤や香り付け剤等の仕上げ剤を含む概念である。また、本実施形態において洗濯運転とは、洗い工程と脱水工程とすすぎ工程とを含む一連の工程を意味する。また、本実施形態の場合、処理剤手動投入装置30は液体洗剤と粉末洗剤との両方、及び液体の仕上げ剤に対応し、処理剤自動投入装置40は液体洗剤及び液体の仕上げ剤に対応している。
【0020】
処理剤手動投入装置30は、注水ケース31、手動用処理剤ケース32、及び注水口33を有している。注水ケース31は、処理剤手動投入装置30の外殻を構成するものであり、例えば樹脂製であって内部に空間を有する箱状に形成されている。
【0021】
手動用処理剤ケース32は、例えば樹脂製であって1回の洗濯運転に必要な洗濯処理剤を貯留可能な容器状に構成されている。また、手動用処理剤ケース32は、注水ケース31内から引出し式に出し入れ可能に設けられている。ユーザは、手動用処理剤ケース32を注水ケース31から引き出して、手動用処理剤ケース32内に洗濯処理剤を投入し、その後、手動用処理剤ケース32を注水ケース31内に押し入れる。外部の給水源から供給された水は、注水ケース31内に流入し、手動用処理剤ケース32に貯留した洗濯処理剤と混合される。注水口33は、注水ケース31の下部に設けられ、注水ケース31と外部とを連通しており、水槽12、22側へ向かって開口している。注水口33は、注水ケース31内部の手動用処理剤ケース32に流入し洗濯処理剤と混合した水を水槽12、22内に注水する機能を有する。
【0022】
処理剤自動投入装置40は、処理剤タンク41、及び投入ポンプ42を有している。処理剤タンク41は、例えば樹脂製であって、複数回分の洗濯運転に必要な液体の洗濯処理剤を貯留する機能を有する。投入ポンプ42は、例えばピストンポンプで構成されており、処理剤タンク41に貯留された洗濯処理剤を吸引して水槽12への水の供給経路、具体的には後述する混合ケース54に供給する機能を有する。
【0023】
また、洗濯機10、20は、
図1及び
図2に示すように、接続口51、水道水供給経路52、機能水供給経路53、混合ケース54、複数この場合4つの給水弁55、56、57、58、加圧溶解装置60、第1微細気泡発生器70、及び第2微細気泡発生器80を備えている。
【0024】
接続口51は、ホース100を介して水道の蛇口等の外部の給水源に接続される。水道水供給経路52及び機能水供給経路53は、接続口51の下流側で分岐してそれぞれ直接的又は他の部材を介して間接的に水槽12、22に至る経路である。
【0025】
水道水供給経路52は、接続口51から給水弁55を通り水槽12、22、この場合、回転槽13、23内に至る経路である。水道水供給経路52は、外部の給水源から供給された水を直接的又は他の部材を介して間接的に水槽12、22内、この場合、回転槽13、23内に供給する機能を有する。機能水供給経路53は、接続口51から給水弁56を通り水槽12、22、この場合、回転槽13、23内に至る経路である。機能水供給経路53は、水道水や風呂水等の外部の給水源から供給された水に微細気泡を含ませて微細気泡に起因する機能を付加した機能水この場合微細気泡水を直接的又は他の部材を介して間接的に水槽12、22内、この場合、回転槽13、23内に供給する機能を有する。
【0026】
本実施形態の場合、水道水供給経路52及び機能水供給経路53は、接続口51を起点にしてそれぞれ異なる経路を辿って注水ケース31で合流し、注水口33を介して水槽12、22に接続されている。すなわち、本実施形態において、水道水供給経路52及び機能水供給経路53は、注水ケース31を介して間接的に水槽12、22に接続されている。なお、水道水供給経路52及び機能水供給経路53の一方又は両方は、注水ケース31を介さずに直接的に水槽12、22に接続されていても良い。
【0027】
機能水供給経路53は、加圧溶解装置60を起点に分岐した複数の経路、この場合、2つに分岐した第1機能水供給経路531及び第2機能水供給経路532を有している。第1機能水供給経路531は、主としてウルトラファインバブルを含む機能水を水槽12、22に供給する機能を有する。第2機能水供給経路532は、主としてマイクロバブルを含む機能水を水槽12、22に供給する機能を有する。給水弁57、第1微細気泡発生器70、及び混合ケース54は、第1機能水供給経路531上に設けられている。
【0028】
各給水弁55、56、57、58は、電磁的に開閉動作可能な液体用の開閉弁である。
図1及び
図2に示すように、給水弁55は、水道水供給経路52上において接続口51と注水ケース31との間に設けられており、水道水供給経路52を開閉する機能を有している。給水弁56は、機能水供給経路53上において接続口51と加圧溶解装置60との間に設けられており、機能水供給経路53を開閉する機能を有している。すなわち、給水弁56は、第1機能水供給経路531と第2機能水供給経路532との分岐部分の上流側に設けられており、第1機能水供給経路531及び第2機能水供給経路532に対する水の供給を制御する。
【0029】
給水弁57は、第1機能水供給経路531上において第1微細気泡発生器70の上流側つまり加圧溶解装置60と第1微細気泡発生器70との間に設けられており、第1機能水供給経路531を開閉する機能を有している。給水弁58は、第2機能水供給経路532上において第2微細気泡発生器80の上流側つまり加圧溶解装置60と第2微細気泡発生器80との間に設けられており、第2機能水供給経路532を開閉する機能を有している。以下の説明では、機能水供給経路53に設けられている給水弁57、58のうち、第1機能水供給経路531に設けられている方を第1給水弁57と称し、第2機能水供給経路532に設けられている方を第2給水弁58と称することがある。
【0030】
ここで、第1微細気泡発生器70の下流側と第2微細気泡発生器80の下流側とはそれぞれ異なる構成で、つまり異なる経路を経て水槽12、22に接続されている。具体的には、第1微細気泡発生器70の下流側は、混合ケース54及び注水ケース31を経て水槽12、22に接続されている。これに対し、第2微細気泡発生器80の下流側は、混合ケース54を経ずに注水ケース31を経て水槽12、22に接続されている。なお、第1微細気泡発生器70の下流側と第2微細気泡発生器80の下流側とは、同様の構成つまり同様の経路を経て水槽12、22に接続されていても良い。
【0031】
混合ケース54は、第1機能水供給経路531上において第1微細気泡発生器70の下流側、この場合、第1微細気泡発生器70と注水ケース31との間に設けられている。混合ケース54は、例えば内部に一定量の洗濯処理剤を貯留可能な容器状に構成されている。処理剤自動投入装置40の投入ポンプ42の吐出側は混合ケース54に接続されており、投入ポンプ42によって処理剤タンク41から吸引された洗濯処理剤は、混合ケース54内に投入される。このとき、給水弁56、57が開かれると、外部の水源から第1機能水供給経路531に水が供給されて、第1微細気泡発生器70、混合ケース54、及び注水ケース31を介して水槽12、22に注水される。
【0032】
これにより、処理剤自動投入装置40によって混合ケース54内に投入された洗濯処理剤は、第1微細気泡発生器70を通過してウルトラファインバブルを含んだ水と混合ケース54内で混合されて、注水ケース31内を通過して注水口33から水槽12、22内に供給される。
【0033】
また、給水弁56、58が開かれると第2機能水供給経路532に水が供給されて、第2微細気泡発生器80、手動用処理剤ケース32、及び注水ケース31を介して水槽12、22に注水される。このとき、手動用処理剤ケース32内に洗濯処理剤が貯留されていると、手動用処理剤ケース32内の洗濯処理剤は、第2微細気泡発生器80を通過してマイクロバブルを含んだ水と手動用処理剤ケース32内及び注水ケース31内で混合され、注水口33から水槽12、22内に供給される。
【0034】
ここで、一般に微細気泡又はファインバブルは、その気泡の粒子径によって次のように分類されている。例えば粒子径が数μmから100μm程度つまりマイクロオーダーの気泡は、マイクロバブルと称されている。これに対し、粒子径が50nm~1,000nm未満つまりナノオーダーの気泡は、ウルトラファインバブルと称されている。
【0035】
マイクロバブルは、以下の性質を有している。マイクロバブルは、電気的特性としてマイナス電荷を帯びており、洗濯物に付着したプラス電荷を帯びた皮脂汚れ等の汚れと静電的に吸着しやすい。マイクロバブルとの電気的反応により洗濯物から引き剥がされた汚れは、マイクロバブル表面に吸着したままマイクロバブルの浮力により水面に浮上し滞留する。さらに、気泡表面がマイナスに帯電したマイクロバブル同士は反発しあい結合することがなく液体中では分散するため、洗濯物から取り除いた汚れが洗浄水中で再び洗濯物に付着することを抑制することができる。一方、マイクロバブルは水面浮上等により発生から数分後には消滅してしまう性質を有する。さらに、マイクロバブルは、洗剤と混ざり合うことでフォーム状のきめ細かい洗浄泡を形成することができる。これにより、当該洗浄泡が洗濯物の表面に付着することで過剰な機械力から洗濯物を保護する役割が期待できる。
【0036】
次に、ウルトラファインバブルは、洗剤に含まれる界面活性剤との相互作用により洗剤のミセル化を防止し洗浄能力を向上させることができる。さらに、ウルトラファインバブルは、粒径が細かいため繊維の奥の方まで浸透し、汚れや残存している洗剤成分つまり界面活性成分を洗濯物から除去する洗浄効果を発揮することができる。また、ウルトラファインバブルは、粒子径がナノオーダーであり浮力が小さいこと及びマイクロバブルと比較して疎水性が大きく水に溶けにくいため液体中での滞在時間が長いという性質を有する。
【0037】
以上のように、マイクロバブルとウルトラファインバブルとは、その特性の違いから期待される洗浄能力も異なるため、両者を洗濯の用途等に応じて適宜使い分けることで洗浄効果をより高めることが可能となる。例えば日常的な洗濯物の洗濯時には、ウルトラファインバブルと洗剤が混合した洗浄水によって繊維の奥から汚れ等を除去することで洗浄効果の向上を図ることができる。おしゃれ着等のデリケートな洗濯物の洗濯時には、マイクロバブルと洗剤が混合した洗浄水によって洗濯物を過剰な機械力から保護しつつ高い洗浄効果を得ることができる。
【0038】
さて、本実施形態の洗濯機10、20は、
図1及び
図2に示すように、加圧溶解装置60、第1微細気泡発生器70、及び第2微細気泡発生器80、を備えている。加圧溶解装置60は機能水供給経路53上であって、第1機能水供給経路53及び第2機能水供給経路532の起点部分に設けられている。加圧溶解装置60を通過した水は、給水弁57、58の開閉状態に応じて、第1機能水供給経路531及び第2機能水供給経路532のいずれか一方又は両方に供給される。
【0039】
加圧溶解装置60は、機能水供給経路53に対して例えば着脱可能に構成されている。そして、加圧溶解装置60は、外部の給水源から供給される水に対し空気成分を加圧溶解させる機能を有する。これにより、加圧溶解装置60の下流側に設けられた第1機能水供給経路531と第2機能水供給経路532、つまり第1微細気泡発生器70及び第2微細気泡発生器80のいずれか一方又は両方に対して溶存空気が増加した水を供給することができる。
【0040】
加圧溶解装置60は、
図3に示すように、矢印A方向へ水を流す流路を構成する。加圧溶解装置60は、加圧タンク61、入口部62、出口部63、及び空気導入部64を有している。加圧タンク61は、例えば気密及び水密性を有するとともに耐圧性を有する合成樹脂製の容器で構成されている。この場合、耐圧性とは、大気圧以上の圧力に耐え得ることを意味する。入口部62は、加圧タンク61の上部に設けられており、給水弁56の吐出側に接続されている。外部の給水源から接続口51を介して給水弁56に供給された水は、入口部62を通って加圧タンク61内に導入される。この場合、給水弁56と入口部62との間には大きな抵抗となる構成が存在していないため、給水弁56から吐出された水は比較的高圧の状態で加圧タンク61内に供給される。
【0041】
出口部63は、加圧溶解装置60の下部に設けられている。入口部62から加圧タンク61内に流入した水は、出口部63を通って加圧タンク61の外部に流出する。なお、本実施形態においては、出口部63からの排水は加圧タンク61に貯留した水の水圧つまり静水圧のみで行われ、排水のための専用のポンプ等の駆動源を要していない。
【0042】
空気導入部64は、加圧タンク61の上部に設けられており、加圧タンク61の内部と外部とを開閉可能に連通している。本実施形態の場合、空気導入部64は、空気導入管641及び吸気弁642を有している。吸気弁642は、例えば制御装置110からの信号に基づき開閉駆動する空気用の電磁弁で構成されている。制御装置110からの信号に基づき吸気弁642が開放されると、空気導入管641を介して加圧タンク61内に外気が補充される。
【0043】
通常、吸気弁642は、給水弁56が開放され加圧タンク61内に給水が行われているときは閉じられている。第1給水弁57及び第2給水弁58が閉じられた状態で給水弁56が開放されて加圧タンク61内に給水が開始され、その後、加圧タンク61内の水位が所定位置まで上昇又は給水時間が所定時間経過すると、制御装置110からの信号に基づき給水弁56が閉鎖し加圧タンク61内への給水が一旦停止される。そして、給水弁56を閉鎖している期間に吸気弁642を開放することにより、加圧タンク61内に新たな空気が導入される。
【0044】
加圧溶解装置60は、例えば加圧タンク61から流出する水量よりも加圧タンク61内に流入する水量を多くすることで、水道圧のみで加圧タンク61内を加圧することができる。例えば加圧タンク61内の圧力が大気圧の状態つまり加圧タンク61内に水がほとんど溜まっていない初期の段階で給水弁56、第1給水弁57、及び第2給水弁58が開放されると、入口部62から加圧タンク61内に流入した水のうち出口部63から流出しなかった残りの水が加圧タンク61内に貯留されて加圧タンク61内の水位が上昇する。このとき、加圧タンク61内の空気は上昇する水面に圧縮され、これにより加圧タンク61内の圧力が上昇する。
【0045】
その後、入口部62からの水の流入が継続されて加圧タンク61内の水位が所定水位まで上昇すると、加圧タンク61内の圧力と外部の給水源から流入する水の圧力この場合水道圧とが均衡する。その結果、入口部62から加圧タンク61内に流入する水の量と出口部63から加圧タンク61外に流出する水の量とが略等しくなり、加圧タンク61内が最大圧力この場合水道圧に近い圧力となる。
【0046】
また、加圧溶解装置60は、例えば第1給水弁57及び第2給水弁58の両方を閉じた状態で給水弁56を開放することで、加圧タンク61内を水道圧まで高めることができる。これにより、加圧タンク61内の空気が加圧タンク61内に貯留されている水に溶解し易くさせることができる。このように、加圧タンク61内の圧力が大気圧よりも上昇することにより、加圧タンク61内の空気が加圧タンク61内に貯留されている水に溶解し易くなる。すなわち、外部の給水源から供給された水を加圧溶解装置60に通すことによって、加圧溶解装置60の下流側に供給される水に対して、加圧溶解装置60を通らない通常の水に比べて多量の空気成分を溶解させた水を供給することができる。そして、例えば給水弁56を開いた状態で給水弁57、58の開閉を繰り返す、又は給水弁57、58を開いた状態で給水弁56の開閉を繰り返すことで、加圧溶解装置60は、空気成分を溶解させた水を繰り返し吐出することができる。
【0047】
図4に示すように、加圧溶解装置60は、仕切壁65を有している。仕切壁65は、加圧タンク61内の底部に設けられており、加圧タンク61内の空間のうち下部の空間を水平方向に仕切っている。すなわち、仕切壁65は、加圧タンク61内の空間のうち下部の空間を、入口部62側の空間と出口部63側の空間とに仕切っている。
【0048】
仕切壁65には、スリット651が形成されている。スリット651は、粒径の大きな泡を遮蔽する機能を有している、つまり加圧タンク61内からの空気の流出を防ぐ役割を果たしている。入口部62から加圧タンク61内に流入した水のうち仕切壁65の上端よりも下方に位置する水は、仕切壁65のスリット651を通過して出口部63側の空間に流れる。このとき、入口部62からの落下等により発生した例えばミリオーダー以上の比較的大きな気泡は、スリット651を通過せずに出口部63側の空間に流出することなく消滅する。
【0049】
なお、吸気弁642に代えて、エアーポンプにより加圧タンク61内に空気を導入する構成としても良い。また、吸気弁642は、例えば加圧タンク61の外部から加圧タンク61の内部へ向かう空気は通すが、加圧タンク61の内部から加圧タンク61の外部へ向かう空気は遮断する機能を有する逆止弁で構成することができる。この場合、吸気弁642は、加圧タンク61内の圧力が大気圧よりも高くなると閉じ、加圧タンク61内の圧力が大気圧以下になると開く構成とすることができる。これにより、給水弁55が開いて加圧タンク61内に水が流入すると、加圧タンク61内の水位の上昇に伴い加圧タンク61内が加圧される。一方、給水弁55を閉じると、加圧タンク61内の水位の低下に伴い加圧タンク61内の圧力も大気圧以下に低下し、吸気弁642が開いて外気が導入される。
【0050】
次に、第1微細気泡発生器70、及び第2微細気泡発生器80について説明する。
第1微細気泡発生器70は、水槽12、22に供給する水に主にナノオーダーの微細気泡を析出させる機能を有する。第1微細気泡発生器70は、第1機能水供給経路531に設けられている。第2微細気泡発生器80は、水槽12、22に供給する水に主にマイクロオーダーの微細気泡を生成させる機能を有する。第2微細気泡発生器80は、第2機能水供給経路532に設けられている。なお、本実施形態において、ナノオーダーの微細気泡、ウルトラファインバブル及びナノバブルは、いずれも同義であり、粒子径がナノオーダーの気泡を意味する。
【0051】
第1微細気泡発生器70の構成について、
図5及び
図6を参照しながら説明する。第1微細気泡発生器70の直径及び全長は、例えば数mm~数十mm程度、具体的には直径が最大約15mmで長さが約10mmに設定されている。そして、第1微細気泡発生器70は、第1機能水供給経路531に対して着脱可能に構成することができる。
【0052】
本実施形態において、第1微細気泡発生器70は、水の通過可能な面積を局所的に縮小することにより第1微細気泡発生器70を通過する水に主にウルトラファインバブルを含ませる。具体的には、第1微細気泡発生器70は、
図5に示すように、絞り部71、ストレート部72、及び衝突部73を有している。絞り部71及びストレート部72は、第1微細気泡発生器70の長手方向へ向かって矢印B方向へ水を流す流路を構成する。
【0053】
絞り部71は、第1微細気泡発生器70の流入側つまり上流側に設けられている。絞り部71は、第1微細気泡発生器70の長手方向の上流側端部から途中部分にかけて流路の断面積つまり内径が連続的に徐々に減少するようないわゆる截頭円錐形のテーパ管状に形成されている。ストレート部72は、絞り部71の下流側に設けられている。ストレート部72は、内径が変化しない、すなわち流路の断面積つまり液体の通過可能な面積が変化しない円筒形、いわゆるストレート管状に形成されている。
【0054】
衝突部73は、ストレート部72の下流端部分に設けられている。衝突部73は、第1微細気泡発生器70における水の通過可能な断面積を局所的に縮小することで、第1微細気泡発生器70を通過する液体中に主としてナノオーダーの微細気泡を多量に発生させることができる。
【0055】
また、本実施形態の場合、衝突部73は、
図6に示すように、例えば先端が尖った4本の棒状の部分で構成され、ストレート部72の内周面から当該ストレート部72の断面における中心方向へ向かって突出している。4本の衝突部73は、ストレート部72の断面の周方向に向かって相互に等間隔に離間した状態で配置されている。この場合、各衝突部73の下流側の面は、平坦面に形成されている。また、各衝突部73で構成される隙間の面積が、第1微細気泡発生器70における水の通過可能な最小断面積となる。
【0056】
第1微細気泡発生器70の上流側に水が流入すると、截頭円錐テーパ形状に縮小するように形成された絞り部71において流路断面積が絞られることによって、流体力学のいわゆるベルヌーイの定理に基づき流速が高められるとともに減圧によるキャビテーションが発生する。そして、その高速流が衝突部73に衝突することで作用するせん断力によって細分化された微細気泡が生成される。これにより、第1微細気泡発生器70は、第1微細気泡発生器70内を通過する水の中に溶存している空気をウルトラファインバブルとして多量に析出させて、第1微細気泡発生器70を通過する以前よりもウルトラファインバブルを多量に含んだウルトラファインバブル水を供給することができる。この場合、ウルトラファインバブル水とは、主としてウルトラファインバブルを含んだ機能水を示す。そして、本実施形態の第1微細気泡発生器70は、水圧以外には、ウルトラファインバブルを発生させるための専用のポンプ等の駆動源を要さない。
【0057】
次に、第2微細気泡発生器80の構成について、
図7及び
図8を参照しながら説明する。第2微細気泡発生器80の直径及び全長は、例えば数mm~数十mm程度、具体的には直径が最大約20mmで長さが約25mmに設定されている。そして、第2微細気泡発生器80は、第2機能水供給経路532に対して着脱可能に構成することができる。
【0058】
また、本実施形態において、第2微細気泡発生器80は、水の通過可能な面積を急激に縮小することにより第2微細気泡発生器80を通過する水に主としてマイクロバブルを析出する機能を有する。具体的には、第2微細気泡発生器80は、
図7に示すように、流入部81、小径流路部82、及び開放部83を有している。流入部81、小径流路部82、及び開放部83は、第2微細気泡発生器80の長手方向へ向かって矢印C方向へ水を流す流路を構成する。
【0059】
流入部81は、第2微細気泡発生器80の流入側つまり上流側に設けられている。流入部81は、円筒形状に形成されている。小径流路部82は、流入部81と開放部83とを接続している。すなわち、小径流路部82は、流入部81の下流側の端部と開放部83の上流部の端部とを接続している。小径流路部82の断面積は、流入部81の断面積に比べて極めて小さい断面積で構成されている。つまり、流入部81に対して小径流路部82における水が通過可能な断面積は急激に縮小している。
【0060】
第2微細気泡発生器80は、複数の小径流路部82、この場合、5つの小径流路部82を有している。この場合、各小径流路部82の断面積の合計が、第2微細気泡発生器80における水の通過可能な最小断面積となる。そして、本実施形態の場合、第1微細気泡発生器70における水の通過可能な最小断面積つまり衝突部73により形成される隙間の面積は、第2微細気泡発生器80における水の通過可能な最小断面積つまり各小径流路部82の断面積の合計よりも大きく設定されている。このため、第1微細気泡発生器70及び第2微細気泡発生器80に水道圧が印加された場合、単位時間当たりに第1微細気泡発生器70を通過する水量は、単位時間当たりに第2微細気泡発生器80を通過する水量よりも多くなる。
【0061】
開放部83は、複数の小径流路部82の下流側つまり第2微細気泡発生器80の流出側に設けられている。開放部83は、内径が変化しない、すなわち流路の断面積つまり液体の通過可能な面積が変化しない円筒形、いわゆるストレート管状に形成されている。開放部83において、複数の小径流路部82を通過した水が集合し一定量の流量となり水槽12、22内に供給される。
【0062】
このように、第2微細気泡発生器80の上流側に水が流入すると、流入部81から複数の小径流路部82に水が流入する際に流路断面積が急激に縮小することによって、ベルヌーイの定理に基づき流速が高められるとともに減圧によるキャビテーションが発生する。これにより、第2微細気泡発生器80は、第2微細気泡発生器80内を通過する水の中に溶存している空気をマイクロバブルとして多量に析出させて、第2微細気泡発生器80を通過する以前よりもマイクロバブルを多量に含んだマイクロバブル水を供給することができる。この場合、マイクロバブル水とは、主としてマイクロバブルを含んだ機能水を示す。そして、本実施形態の第2微細気泡発生器80は、第1微細気泡発生器70と同様に、水圧以外には、マイクロバブルを発生させるための専用のポンプ等の駆動源を要さない。
【0063】
第1微細気泡発生器70と第2微細気泡発生器80とは、上述したように流路を小さくし流速を高めるとともに減圧効果によるキャビテーションにより微細気泡を発生させる点は共通している。一方、第1微細気泡発生器70は、さらにせん断力によって微細気泡を細分化させる点で、第2微細気泡発生器80と異なっている。これにより、第1微細気泡発生器70と第2微細気泡発生器80とにおいて主に析出されるファインバブルの粒径つまりオーダーを異ならせることができる。
【0064】
なお、第1微細気泡発生器70は、主としてウルトラファインバブルを析出させ、第2微細気泡発生器80は主としてマイクロバブルを析出させる機能を有するが、各微細気泡発生器70、80は粒径の異なる他オーダーのファインバブルも析出し得る。つまり、第1微細気泡発生器70を通過する水には、ウルトラファインバブルの他にマイクロオーダーやミリオーダーのファインバブルが含まれ得る。一方、第2微細気泡発生器80を通過する水にはマイクロバブルの他にミリオーダーのファインバブルが含まれ得る。そのため、主として、との表現はその発生濃度が他オーダーに属するファインバブルの発生濃度よりも多いことを意味しており、例えば縦軸にファインバブルの濃度、横軸にファインバブルの粒径で表したファインバブルの濃度分布のピークが主として析出されるオーダーのファインバブルに存在することを意味している。
【0065】
また、第1微細気泡発生器70と第2微細気泡発生器80とを通過する水量の関係においては、第1微細気泡発生器70を通過する単位時間当たりの水量のほうが第2微細気泡発生器80を通過する単位時間当たりの水量よりも多い。すなわち、第1機能水供給経路531から給水される単位時間当たりの水量は、第2機能水供給経路532から給水される単位時間当たりの水量よりも多くなる。
【0066】
さらに、各微細気泡発生器70、80を通過する水に溶存している空気の量が増えるほど生成されるファインバブルの量を顕著に増加させることができる。そこで、本実施形態の場合、第1機能水供給経路531と第2機能水供給経路532との上流側、つまり各微細気泡発生器70、80の上流側に加圧溶解装置60が設けられている。これにより、加圧溶解装置60によって溶存空気が増加した水を各微細気泡発生器70、80に供給することができるため、第1微細気泡発生器70を通過した水には加圧溶解装置60を設けない場合に比べてウルトラファインバブルが多量に析出される。一方、第2微細気泡発生器80を通過した水には加圧溶解装置60を設けない場合に比べてマイクロバブルが多量に析出される。
【0067】
このように、第1機能水供給経路531から水槽12、22に供給される水には、主としてウルトラファインバブルが多量に含まれている。そして、このウルトラファインバブルを多量に含んだ水を用いて洗いやすすぎを行うことにより、洗濯物の繊維の奥の汚れや残存した洗剤成分を効果的に除去することができる。
【0068】
また、第2機能水供給経路532から水槽12、22に供給される水には、主としてマイクロバブルが多量に含まれている。そして、このマイクロバブルを多量に含んだ水を用いて洗いやすすぎを行うことにより、その水に含まれるマイクロバブルによって洗濯物に付着した皮脂汚れ等を効果的に引き剥がすことができる。さらに、汚れを吸着して取り込んだマイクロバブルは、その浮力によって水面に浮上し、また、マイクロバブル同士が反発し合うことで、洗濯物への汚れの再付着が抑制される。
【0069】
図9に示すように、洗濯機10、20は、制御装置110を備えている。制御装置110は、例えばCPUや、ROM、RAM、及び書き換え可能なフラッシュメモリなどの記憶領域を有するマイクロコンピュータを主体に構成されており、洗濯機10、20全体の動作を制御する。
図9に示すように、ヒータ122、222、モータ14、24、排水弁16、26、給水弁55、56、57、58、及び吸気弁642は、制御装置110に電気的に接続されている。そして、制御装置110は、これらヒータ122、222、モータ14、24、排水弁16、26、給水弁55、56、57、58、及び吸気弁642の動作を制御する。また、制御装置110は、制御プログラムを記憶しており、CPUにおいてその制御プログラムを実行することにより、洗濯運転を実行する。
【0070】
この場合、制御装置110は、各給水弁55、56、57、58の開閉を制御することで水道水を供給する水道水供給経路52、主としてウルトラファインバブルを含んだ機能水を供給する第1機能水供給経路531、及び主としてマイクロバブルを含んだ機能水を供給する第2機能水供給経路532、を適宜選択し組み合わせて使用することができる。
【0071】
例えば制御装置110は、給水弁55を開くことで、微細気泡発生器70、80を通過しない水を水槽12、22に供給することができる。また、制御装置110は、給水弁56、57を開くことで、第1微細気泡発生器70を通過して主としてウルトラファインバブルを含む機能水を水槽12、22に供給することができる。そして、制御装置110は、給水弁56、58を開くことで、第2微細気泡発生器80を通過して主としてマイクロバブルを含む機能水を水槽12、22に供給することができる。
【0072】
本実施形態の場合、上述したように、第1機能水供給経路531から供給される水は混合ケース54にて洗濯処理剤と混合されるのに対し、第2機能水供給経路532から供給される水は手動用処理剤ケース32にて洗濯処理剤と混合される。この場合、混合ケース54は、第1微細気泡発生器70を通って微細気泡この場合主としてウルトラファインバブルを含んだ水と水槽12、22に投入される洗濯処理剤とが混合される第1混合部として機能する。さらに、手動用処理剤ケース32は、第2微細気泡発生器80を通って微細気泡この場合主としてマイクロバブルを含んだ水と水槽12、22に投入される洗濯処理剤とが混合される第2混合部として機能する。なお、この構成に限らず、第1混合部は、注水ケース31とすることもできる。
【0073】
また、本実施形態の場合、ユーザは、処理剤自動投入装置40の処理剤タンク41に例えば使用頻度の高い通常の洗剤を貯留することができる。そして、日常的な洗濯物を洗濯する場合、ユーザは、例えば図示しない操作パネルを操作して、処理剤自動投入装置40から洗剤を供給するモードを選択することができる。このモードが選択されると、例えば水槽12、22に対して洗剤の投入を伴う給水つまり洗濯運転における最初の給水において、制御装置110は、第1給水弁57を開放し、第1機能水供給経路531を通過して主にウルトラファインバブルを多量に含んだ水と洗剤とが混合した洗濯水を水槽12、22に供給する。これにより、ウルトラファインバブルと洗剤とを組み合わせることによって、日常的な洗濯物に対して効率よく繊維の奥の汚れや残存した洗剤成分を除去することができる。
【0074】
また、例えばおしゃれ着等のデリケートな洗濯物を洗濯する場合、ユーザは、例えば図示しない操作パネルを操作して、処理剤手動投入装置30から洗剤を供給するモードを選択することができる。このモードが選択されると、例えば水槽12、22に対して洗剤の投入を伴う給水つまり洗濯運転における最初の給水において、制御装置110は、第2給水弁58を開放し、第2機能水供給経路532を通過して主にマイクロバブルを多量に含んだ水と洗剤とが混合した洗濯水を水槽12、22に供給することができる。これにより、マイクロバブルと洗剤とを混合させることでフォーム状のきめ細かい洗浄泡が形成され、その洗浄泡によって傷みやすいデリケートな洗濯物を過剰な機械力から保護することができる。
【0075】
このように、洗濯対象に応じて第1機能水供給経路531と第2機能水供給経路532との給水を使い分けることにより効果的に洗浄効果を高めることができる。なお、給水の構成はこれに限らず、第1機能水供給経路531と第2機能水供給経路532とを併用する構成つまり主としてウルトラファインバブルを含む機能水と主としてマイクロバブルを含む機能水とを併用する構成としても良い。これにより、マイクロバブルが洗濯物表面のマクロな汚れを効果的に除去し、繊維の隙間へ洗剤液を浸透しやすくしたのちにウルトラファインバブルが繊維の奥から汚れを除去するといった両者の相互作用により洗浄効果の向上を図ることができる。さらに、上述したように、本実施形態の場合、単位時間当たりの水量は第1機能水供給経路531のほうが第2機能水供給経路532よりも多い。したがって、両者を併用することで洗浄効果の向上を図りつつ、給水時間の短縮を図ることができる。
【0076】
このとき、例えば日常的な洗濯物の洗濯時に第1機能水供給経路531と第2機能水供給経路532とを併用する場合には、処理剤手動投入装置30内には洗濯処理剤を収容していない状態とし、あるいはデリケートな洗濯物の洗濯時に第1機能水供給経路531と第2機能水供給経路532とを併用する場合には、処理剤自動投入装置40内には洗濯処理剤を収容していない状態又は混合ケース54に洗濯処理剤が供給されない構成としておけば良い。これにより、洗濯処理剤を必要以上に水槽12、22内に投入することがなく過剰な泡立ち等を防ぐことができる。
【0077】
さらに、洗濯機10、20は、ウルトラファインバブルとマイクロバブルとの粒径の違いに着目して、洗濯運転の洗い工程及びすすぎ工程で使用する給水経路を使い分けることができる。すなわち、ウルトラファインバブルはマイクロバブルに比べて粒径が小さく繊維の奥まで浸透し繊維の奥の汚れを効果的に剥離することができるため、洗い工程により適している。また、マイクロバブルは、ウルトラファインバブルに比べて粒径が大きく表面積が大きいことから、マイクロバブルの表面に洗い工程で洗濯物から引きはがされた汚れを効率良く吸着することができるため、すすぎ工程により適している。そして、マイクロバブルを含む水をすすぎ工程で使用することで、すすぎ水を排水する際に、マイクロバブルの表面に汚れを吸着したまますすぎ水とともに機外へ排出することができる。
【0078】
このため、洗濯機10、20における洗濯運転は、例えば洗い工程時には第1機能水供給経路531からウルトラファインバブルを多量に含むウルトラファインバブル水を給水し、すすぎ工程時には第2機能水供給経路532からマイクロバブルを多量に含むマイクロバブル水を給水する設定とすることができる。これにより、洗い工程においてウルトラファインバブルの作用によって効率良く繊維の奥から汚れ等を除去したのちに、すすぎ工程にて洗い工程時に洗濯物から引き剥がされた汚れをマイクロバブル表面に吸着させたまますすぎ水とともに洗濯機10、20外へ排出することができる。このようにして、洗濯運転の各工程に応じて適宜給水経路を使い分けることによって、洗浄効果をより高めることができる。なお、洗い工程時のウルトラファインバブル水、すすぎ工程時のマイクロバブル水は、それら各工程で使用する水全てをそれらバブル水とする必要はなく、各工程で使用する前記バブル水が主体となって供給されればよい。
【0079】
また、一連の洗濯運転における注水の全てを第1機能水供給経路531又は第2機能水供給経路532から行う必要はない。例えばすすぎ工程においては水の入れ替えが多く発生するため、第1機能水供給経路531又は第2機能水供給経路532からの給水に加えて、外部の給水源からの水を直接水槽12、22に給水する水道水供給経路52からの給水を併用することで、給水時間の短縮を図ることができる。
【0080】
さらに、洗い工程における注水においても、第1機能水供給経路531から供給されるウルトラファインバブル又は第2機能水供給経路532から供給されるマイクロバブルの作用効果の発揮を妨げない程度であれば、水道水供給経路52からの注水が含まれていても良い。すなわち、洗浄性能よりも給水時間の短縮を優先する場合には、水道水供給経路52から給水を行うことで、給水時間を短縮することができ、ひいては洗濯時間全体の短縮を図ることができる。
【0081】
また、第1機能水供給経路531及び第2機能水供給経路532からの給水を併用する場合、第1機能水供給経路531から給水される期間と、第2機能水供給経路532から給水される期間とは、重なっていてもよいし重なっていなくても良い。すなわち、例えば第1機能水供給経路531と第2機能水供給経路532とを用いて同時に給水しても良いし、第1機能水供給経路531を用いて給水する期間と第2機能水供給経路532を用いて給水する期間とを交互に設定しても良い。
【0082】
同様に、第1機能水供給経路531または第2機能水供給経路532を用いて給水する期間と、水道水供給経路52を用いて給水する期間とは、重なっていてもよいし重なっていなくても良い。すなわち、例えば第1機能水供給経路531又は第2機能水供給経路532と水道水供給経路52を用いて同時に給水しても良いし、第1機能水供給経路531又は第2機能水供給経路532を用いて給水する期間と水道水供給経路52を用いて給水する期間とを交互に設定しても良い。このように給水する期間を交互に設定すれば、例えば給水量の多い水道水供給経路52が開くことで水路の抵抗が大きい第1機能水供給経路531又は第2機能水供給経路532側の給水量が影響を受けるといった状態を極力回避できウルトラファインバブル又はマイクロバブルの発生を安定化することができる。
【0083】
以上説明した実施形態によれば、洗濯機10、20は、水槽12、22、加圧溶解装置60、第1機能水供給経路531、第2機能水供給経路532、第1微細気泡発生器70、及び第2微細気泡発生器80を備えている。加圧溶解装置60は、外部の給水源から供給された水に空気成分を溶解させる機能を有する。第1機能水供給経路531及び第2機能水供給経路532は、加圧溶解装置60の下流側を分岐して微細気泡を含んだ機能水を水槽12、22に供給する機能を有する。第1微細気泡発生器70は、第1機能水供給経路531上に設けられており、第1機能水供給経路531を流れる水に微細気泡を発生させる機能を有する。そして、第2微細気泡発生器80は、第2機能水供給経路532上に設けられており、第2機能水供給経路532を流れる水に微細気泡を発生させる機能を有する。
【0084】
これによれば、加圧溶解装置60の下流側に設けられた第1微細気泡発生器70及び第2微細気泡発生器80を通過する水に含まれる空気の量を増大させることができる。つまり、本実施形態によれば、加圧溶解装置60を設けていない構成に比べて、第1機能水供給経路531及び第2機能水供給経路532から水槽12、22に供給する機能水に含まれる微細気泡の量を増大させることができる。これにより、水槽12、22により多量の微細気泡を供給することができ、その結果、洗濯機10、20の洗浄性能を向上させることができる。
【0085】
また、本実施形態によれば、各微細気泡発生器70、80に対し加圧溶解装置60を共有化することにより、微細気泡水の発生機構を簡素化することができる。その結果、洗濯機10、20の低コスト化を図りつつ、洗濯機10、20内部の省スペース化を図ることができる。
【0086】
また、本実施形態によれば、第1微細気泡発生器70と第2微細気泡発生器80とは異なる粒径又は濃度の微細気泡を発生させる機能を有している。これによれば、洗濯の用途や洗濯運転の状態に応じて微細気泡水の種類を使い分けることができるとともに、性質の異なる微細気泡水を水槽12、22内に供給できるため、より効率的に洗浄効果を高めることができる。
【0087】
さらに、本実施形態によれば、第1微細気泡発生器70は、加圧溶解装置60から流出した水に主としてウルトラファインバブルを含む微細気泡を発生させる機能を有している。第2微細気泡発生器80は、加圧溶解装置60から流出した水に主としてマイクロバブルを含む微細気泡を発生させる機能を有している。これによれば、ウルトラファインバブル水又はマイクロバブル水を用いることによって、洗浄効率の向上を図ることができる。さらに、洗濯の用途や洗濯運転の状態に応じてウルトラファインバブル水とマイクロバブル水とを使い分けることができるため、より効率的良く洗浄効果を高めることができる。
【0088】
第1機能水供給経路531から給水される単位時間当たりの水量は、第2機能水供給経路532から給水される単位時間当たりの水量よりも多い。これによれば、第1機能水供給経路531を第2機能水供給経路532に対して優先的に使用することにより、給水時間ひいては洗濯運転時間全体に要する時間を極力短くすることができる。
【0089】
また、洗濯機10、20は、第1機能水供給経路531上に第1混合部としての混合ケース54を更に備えている。混合ケース54は、第1微細気泡発生器70と水槽12、22との間に設けられており、第1微細気泡発生器70を通って主にウルトラファインバブルを含んだ機能水と水槽12、22に投入される洗濯処理剤とを混合する機能を有する。これによれば、ウルトラファインバブル水を水槽12、22内に供給する前に予め洗濯処理剤の洗浄成分と混合することができ、より効率良くウルトラファインバブルによる洗浄効果を高めた洗浄水を生成することができる。さらに、この洗浄水を用いることによって洗濯物の繊維の奥から汚れ等を除去することができ、洗浄効果の向上を図ることができる。
【0090】
また、洗濯機10、20は、第2機能水供給経路532上に第2混合部としての手動用処理剤ケース32を更に備えている。手動用処理剤ケース32は、第2微細気泡発生器80と水槽12、22との間に設けられており、第2微細気泡発生器を通って主にマイクロバブルを含んだ機能水と水槽12、22に投入される洗濯処理剤とを混合する機能を有する。これによれば、マイクロバブル水を水槽12、22内に供給する前に予め洗濯処理剤の洗浄成分と混合することができ、フォーム状のきめ細かい洗浄泡を形成することができる。さらに、この洗浄泡を用いることによって洗濯物を過剰な機械力から保護することができるとともに、高い洗浄効果を得ることができる。
【0091】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について
図10及び
図11を参照して説明する。
上記第1実施形態において、第1機能水供給経路531は、第1微細気泡発生器70を通過することによって生成された主としてウルトラファインバブルを含む機能水を、混合ケース54及び注水ケース31を介して水槽12、22内に供給する。一方、本実施形態において、第1機能水供給経路531は、
図10及び
図11に示すように、第1微細気泡発生器70を通過することによって生成された主としてウルトラファインバブルを含む機能水を、混合ケース54及び注水ケース31を介さずに、水槽12、22の底部に設けられたヒータ122、222を介して水槽12、22内に供給する。すなわち、第1機能水供給経路531の出口は、ヒータ122、222の近傍に設けられている。換言すれば、第1機能水供給経路531の出口は、その出口から流出した機能水がヒータ122、222に直接触れる箇所に設けられている。
【0092】
ここで、圧力が高いほど、及び温度が高いほど、液体に対する気体の溶解度は高くなる。そのため、加圧溶解装置60の高圧によって増大した溶存空気は、第1微細気泡発生器70を通過してウルトラファインバブルを析出してもなお、大気圧下で過飽和状態となりエネルギー的に不安定な状態で水中に溶存していることがある。このような過飽和状態となった気体成分にエネルギー発生源であるヒータ122、222が放出する熱エネルギーを付与することで、過飽和状態となっている気体成分のエネルギーの均衡が崩れてウルトラファインバブルとして水中に析出される。これにり、ヒータ122、222によってエネルギーを付加しない場合に比べてウルトラファインバブルを高濃度に含んだ機能水を生成することができる。
【0093】
すなわち、洗濯機10、20は、第1微細気泡発生器70の下流側に設けられウルトラファインバブルを増加させるためのエネルギーを付加するエネルギー発生源としてのヒータ122、222を更に備えている。これによれば、ウルトラファインバブルが更に増加されるため、より洗浄効果の向上を図ることができる。なお、エネルギー発生源は、ヒータ122、222に限らず、例えば超音波を発生させる超音波発生装置を設けて超音波エネルギーである超音波振動を付加する構成や、洗濯機20において撹拌翼231の裏側に水をかき上げる羽根部材を設けて当該羽根部材の回転駆動による運動エネルギーを付加する構成としても良い。
【0094】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について
図12及び
図13を参照して説明する。
上記各実施形態において、第2機能水供給経路532は、注水ケース31と接続されており、第2微細気泡発生器80を通過することによって生成されたマイクロバブル水は注水ケース31を介して回転槽13、23内に注水される。一方、本実施形態において、第2機能水供給経路532は水槽12、22と回転槽13、23との間に接続されている。具体的には、本実施形態の場合、
図12及び
図13に示すように、水槽12、22と回転槽13、23との間に第2注水口191、291が設けられている。そして、第2機能水供給経路532において生成されたマイクロバブル水は、第2注水口191、291から水槽12、22と回転槽13、23との間に注水される。ここで、上述したように、マイクロバブルは汚れと静電的に吸着しやすい性質を有しているため、固体表面に対する洗浄作用が働く。
【0095】
これによれば、第2機能水供給経路532において生成されたマイクロバブルを水槽12、22と回転槽13、23との間に注水することによって、これらの壁面に付着している汚れを除去する効果が得られる。したがって、水槽12、22及び回転槽13、23の清潔性を保つことができ、洗濯環境を清潔に維持することができる。
【0096】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について
図14及び
図15を参照して説明する。
本実施形態において、上記各実施形態と異なる点は、第2機能水供給経路532は、循環経路18、28又は排水経路15、25の少なくとも一方と接続されていることにある。この場合、第2機能水供給経路532において生成されたマイクロバブル水は、直接循環経路18、28又は排水経路15、25に供給される。ここで、マイクロバブルは比較的短寿命であり発生から数分後には消滅してしまう。そのため、水槽12、22等を経由して間接的に循環経路18、28又は排水経路15、25にマイクロバブル水が供給される場合、循環経路18、28又は排水経路15、25内におけるマイクロバブルの洗浄効果を最大限得ることは難しい。
【0097】
したがって、本実施形態によれば、第2機能水供給経路532において生成されたマイクロバブル水は、水槽12、22等を経由することなく直接循環経路18、28又は排水経路15、25に供給される。したがって、循環経路18、28又は排水経路15、25の経路内面に付着した汚れをマイクロバブルの洗浄作用により効果的に除去することができる。さらに、汚れが除去されることによる防臭効果を得ることができる。
【0098】
以上、本発明の複数の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0099】
また、上記各実施形態において、「第1」、「第2」、との語句は、同様の機能作用を有する構成を区別して表現するために便宜的に付けたものであって、何らかの優先順位を表す表現ではない。
【符号の説明】
【0100】
10、20…洗濯機、12、22…水槽、13、23…回転槽、15、25…排水経路、18、28…循環経路、31…注水ケース、531…第1機能水供給経路、532…第2機能水供給経路、54…混合ケース(第1混合部)、57…第1給水弁、58…第2給水弁、60…加圧溶解装置、70…第1微細気泡発生器、80…第2微細気泡発生器、90…ヒータ