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特許7407660ねじの螺合部構造、及び、被固定部材の固定構造
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  • 特許-ねじの螺合部構造、及び、被固定部材の固定構造 図1
  • 特許-ねじの螺合部構造、及び、被固定部材の固定構造 図2
  • 特許-ねじの螺合部構造、及び、被固定部材の固定構造 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-21
(45)【発行日】2024-01-04
(54)【発明の名称】ねじの螺合部構造、及び、被固定部材の固定構造
(51)【国際特許分類】
   F16B 43/00 20060101AFI20231222BHJP
   F16B 5/02 20060101ALI20231222BHJP
   F16B 5/08 20060101ALI20231222BHJP
   F16B 35/00 20060101ALI20231222BHJP
   E04F 11/18 20060101ALI20231222BHJP
【FI】
F16B43/00 C
F16B5/02 Y
F16B5/08 Z
F16B35/00 Q
E04F11/18
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020095463
(22)【出願日】2020-06-01
(65)【公開番号】P2021188693
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2022-11-25
(73)【特許権者】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大山 雄也
【審査官】松林 芳輝
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-350584(JP,A)
【文献】実開昭61-163810(JP,U)
【文献】特開2016-079990(JP,A)
【文献】実開昭50-143322(JP,U)
【文献】特開2003-003619(JP,A)
【文献】特開2001-159217(JP,A)
【文献】特開2002-071025(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0366473(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 23/00-43/02
F16B 5/00-5/12
E04F 11/18
E04B 1/62-1/99
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
防水シートで覆われた木質部に螺合されているねじの螺合部構造であって、
前記防水シートと前記木質部との間に介装される介装部材を有し、
前記ねじは、頭部側に、前記ねじにおける谷径にねじ山の高さを加えた幅よりも大きな直径をなしてねじ山が設けられていない円柱部を有して、前記防水シートと前記介装部材とを貫通し、
螺合された状態で前記円柱部が前記介装部材に進入し、ねじ部により形成されたねじ穴を押し広げるように貫通し
前記介装部材は、貫通している前記円柱部を外周側から押圧していることを特徴とするねじの螺合部構造。
【請求項2】
請求項に記載のねじの螺合部構造であって、
前記介装部材と前記防水シートとの間、及び、前記介装部材と前記木質部との間、の少なくともいずれか一方に粘着剤が設けられていることを特徴とするねじの螺合部構造。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のねじの螺合部構造であって、
前記介装部材は、ゴムシートであることを特徴とするねじの螺合部構造。
【請求項4】
請求項に記載のねじの螺合部構造であって、
前記ゴムシートは、内部に芯材を有していることを特徴とするねじの螺合部構造。
【請求項5】
請求項1乃至請求項のいずれかに記載のねじの螺合部構造であって、
前記防水シートに当接させて配置した被固定部材が、前記ねじとの間に挟持されて固定されていることを特徴とする被固定部材の固定構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防水シートで覆われた木質部に螺合されているねじの螺合部構造、及び、被固定部材の固定構造に関する。
【背景技術】
【0002】
防水シートで覆われた木質部に螺合されているねじの螺合部構造としては、例えば、ルーフバルコニーの基礎部分を形成し防水シートにより覆われたパネルの上端面に、笠木受金物及び笠木を上方からビス止めしているルーフバルコニーの手摺り取り付け構造が知られている(たとえば、特許文献1参照)。笠木には、長さ方向に沿って溝が成形されており、溝の底面には、複数のビス穴が設けられている。そして、ビス穴に挿通されたビスにより笠木が固定された後に、溝はシール材が嵌め込まれて塞がれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平11-350584号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように固定された笠木は、笠木の上部がシール材により塞がれているが、ビスにより防水シートに穴が空いているため、いずれかから雨水等が防水シート上に浸入してしまうと、防水シートの穴からパネル側に浸入する虞があり、止水性が低いという課題がある。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、より止水性に優れたねじの螺合部構造、及び、被固定部材の固定構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる目的を達成するための主たる発明は、防水シートで覆われた木質部に螺合されているねじの螺合部構造であって、前記防水シートと前記木質部との間に介装される介装部材を有し、前記ねじは、前記防水シートと前記介装部材とを貫通し、前記介装部材は、貫通している前記ねじを外周側から押圧していることを特徴とするねじの螺合部構造である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、より止水性に優れたねじの螺合部構造、及び、被固定部材の固定構造を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明のねじの螺合部構造の一例である笠木の取り付け構造を示す斜視図である。
図2】笠木が取り付けられている手摺り壁の構成を示す縦断面図である。
図3図2におけるA部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態に係るねじの螺合部構造、及び、被固定部材の固定構造について図面を参照して説明する。
本実施形態のねじの螺合部構造を、図1に示すように、笠木1を保持する被固定部材としてのホルダー2の手摺り壁3への取り付けに適用する例にて説明する。
図1に示すように、笠木1は、手摺り壁3の木質部3aにねじ4により固定されているホルダー2に嵌合されて取り付けられている。
【0009】
木質部3aは、バルコニーの内外を仕切る手摺り壁3を形成し、外周面が防水シート3bにより覆われ、バルコニーの内面側と外面側とに表面材3cが設けられている。
以下の説明においては、手摺り壁3の壁面に沿う方向を面内方向、壁面と直交する方向を面外方向として説明する。
【0010】
笠木1は、手摺り壁3の面内方向(長手方向)に沿って手摺り壁3の全長にわたって設けられており、図2に示すように、手摺り壁3の上方を覆う天面部1aと、天面部1aにおける面外方向の端部からほほ鉛直に繋がって手摺り壁3の上部において側面と対向する側面部1bと、を有している。笠木1の側面部1bの内面には、内側に向かって突出しホルダー2に係止される係止部1cが設けられている。
【0011】
ホルダー2は、手摺り壁3の面内方向に互いに適宜間隔を空けて複数設けられている。すなわち、ホルダー2は、手摺り壁3の長手方向における幅が手摺り壁3より十分に狭い部材である。
【0012】
ホルダー2は、木質部3aにねじ止めされる矩形状の天端固定部2aと、天端固定部2aの面外方向における両端部から上方に延出された2つの上方延出部2bと、2つの上方延出部2bの上端部から各々、面外方向においてバルコニーの内外方向に各々延出されて略水平な面を形成する水平面部2cと、水平面部2cから各々延出され先方側が低くなるように湾曲する延出腕部2dと、を有している。延出腕部2dは、先端が手摺り壁3の上方よりも外側に位置するように延出されており、その先端に笠木1の係止部1cが係止される。
【0013】
ホルダー2は、木質部3aの天端を覆う防水シート3bの下に、貫通したねじ4の周面に対する押圧力が防水シート3bより高い介装部材としてのゴムシート5を介してねじ4により固定されている。ここで防水シート3bは、薄いシート状をなす、例えばイー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー製TYVEK\タイベック(登録商標)であり、ゴムシート5は、当該防水シート3bよりも厚く、締め込まれたねじ4の周面をねじ4の軸側に押圧している。また、ゴムシート5と防水シート3bとの間には、粘着剤6が設けられている。
【0014】
ホルダー2の天端固定部2aには、ねじ4を挿通可能な4つの長穴2eが設けられており、本実施形態では、4つの長穴2eのうちの2つの長穴2eにねじ4を挿通してホルダー2を固定している。長穴2eは、天端固定部2aの四隅近傍に面外方向に沿って設けられており、対角に位置する2つの長穴2eにねじ4が挿通される。ここで、ねじ4が挿通される穴は、長穴に限るものではない。
【0015】
図3に示すように、防水シート3bと木質部3aの天端との間には、長穴2eよりも十分大きなサイズのゴムシート5が介装されている。ゴムシート5は、2枚のゴム製のシート部材間に不織布、布、網などのシート状の芯材5aが介在されて一体に形成されている。2枚のシート部材は、厚み、弾性、素材等が同一の部材であっても互いに異なる部材であっても構わない。また、本実施形態では、ゴムシート5が個々の長穴2eに対応してそれぞれ設けられているが、4つの長穴2eが納まるサイズの1枚のゴムシート5であっても構わない。
【0016】
ねじ4は、頭部4a側にねじ山4bが設けられていない円柱部4cを有する、所謂半ねじである。円柱部4cの直径Dは、ねじ部4dにおける谷径にねじ山の高さを加えた幅Wよりも僅かに大きく形成されている。また、円柱部4cの長さL1は、天端固定部2aの厚みt1、ゴムシート5の厚みt2、防水シートの厚みt3を合わせた厚みt1+t2+t3よりも長く形成されている。このため、ねじ4が、天端固定部2aの長穴2e、ゴムシート5、防水シート3bを貫通し、木質部3aに螺合されて締め込まれた状態で、ねじ4の円柱部4cの下端部側の部位が木質部3aに進入している。このとき、円柱部4cのゴムシート5を貫通している部位は、周面がゴムシート5により円柱部4aの軸側に押圧されている。
【0017】
本実施形態のねじ4の螺合部構造を適用した笠木1の取り付け方法は、木質部3aの天端上に粘着剤6を介してゴムシート5を配置し、ゴムシート5とともに木質部3aを防水シート3bにより覆う。このとき、ゴムシート5の上面と防水シート3bとの間にも粘着剤6を設けておく。
【0018】
次に、防水シート3b及びゴムシート5を貫通し木質部3aに至る、ねじ外径に対応する下穴(不図示)を形成する。
【0019】
次に、下穴と、長穴2eの位置を合わせてホルダー2を配置し、長穴2e及び下穴に上方からねじ4を挿入して木質部3aに螺合し、ねじ4の頭部4aにて天端固定部2aを木質部3a側に押圧してホルダー2を手摺り壁3に固定する。このとき、ねじ4の円柱部4cの先端側の部位は木質部3aに進入し、円柱部4aにおいてゴムシート5を貫通している部位はゴムシート5により周面が円柱部4aの軸側に押圧されている。また、ゴムシート5と防水シート3bとの間、及びゴムシート5と木質部3aとの間がいずれも粘着剤6により水密になる。
次に、手摺り壁3及びホルダー2の上方から笠木1を被せ、笠木1をホルダー2に係止して、笠木1を手摺り壁3に取り付ける。
【0020】
本実施形態のねじの螺合部構造によれば、木質部3aを覆う防水シート3bと木質部3aとの間に介装されているゴムシート5が、貫通しているねじ4の円柱部4cを外周側から押圧しているので、防水シート3bとゴムシート5とをねじ4が貫通し、防水シート3bのねじ穴から水がゴムシート5側に浸入したとしてもゴムシート5により木質部3a側に水が浸入することを防止することが可能である。このため、木質部3a側に雨水等が浸入することを防止することが可能である。このため、より止水性に優れたねじ4の螺合部構造を提供することが可能である。
【0021】
また、木質部3a側に浸入する雨水等をホルダー2とねじ4の頭部4aとの間ではなく、ねじ4の円柱部4cの周面とゴムシート5との間にてゴムシート5が円柱部4cの周面を押圧して止水するので、より確実に木質部3a側に雨水等が浸入することを防止することが可能である。
【0022】
また、螺合されたねじ4は、ねじ4における谷径にねじ山の高さを加えた幅Wよりも僅かに大きな直径Dをなしてねじ山4bが設けられていない円柱部4cがゴムシート5を貫通しているので、ゴムシート5を貫通したねじ部4dにより形成されたねじ穴を押し広げるように円柱部4cがゴムシート5を貫通している。このため、円柱部4cはゴムシート5により、外周側からより強く押圧されるため隙間が生じ難い。このため、ねじ4の頭部4a側から木質部3a側に雨水等が浸入することをより確実に防止することが可能である。
【0023】
また、ゴムシート5と防水シート3bとの間、及び、ゴムシート5と木質部3aとの間に粘着剤6が設けられているので、ゴムシート5と防水シート3bとの間、及び、ゴムシート5と木質部3aとの間は水密になる。このため、ゴムシート5と防水シート3bとの間、及び、ゴムシート5と木質部3aとの間から雨水等が浸入することを防止して、より高い止水性を備えることが可能である。
【0024】
このとき、粘着剤6は、必ずしもゴムシート5の両面側に設けられていなくともよく、たとえば、ゴムシート5の少なくとも一方の面側に粘着剤6が設けられていれば、粘着剤が設けられているゴムシート5と防水シート3bとの間またはゴムシート5と木質部3aとの間が止水されるので、ゴムシート5のいずれの側にも粘着剤6が設けられていない場合よりも高い止水性を備えることが可能である。
【0025】
また、防水シート3bと木質部3aとの間には、防水シート3bよりも高い弾性を備えたゴムシート5が介装されているので、螺合されたねじ4をより強く押圧し、ゴムシート5のねじ穴からの雨水等の浸入をより確実に防止することが可能である。
【0026】
また、ゴムシート5の内部に芯材5aを有しているので、ねじ4が螺合されてゴムシート5にねじ穴が形成される際に、ゴムシート5が裂けて伝播していくことを防止することが可能である。このため、ねじ穴からの雨水等の浸入をより確実に防止することが可能である。
【0027】
上記実施形態においては、ねじ4の円柱部4cが木質部3aに進入するように木質部3aに螺合される例について説明したが、これに限らず、例えば、ねじの円柱部が木質部に至らずゴムシートに進入して、進入している円柱部が外周側からゴムシートにより押圧されている形態であっても構わない。また、ねじが円柱部を有しておらず、ゴムシートを貫通するねじ部が外周側からゴムシートにより押圧されている形態であっても構わない。
【0028】
上記実施形態においては、介装部材をゴムシート5としたが、これに限らず、例えば、合成樹脂のシート材など、貫通したねじに対する押圧力が防水シートより高い、すなわち、締め込まれたねじのねじ部の周面をねじ部の軸側に押圧して、貫通しているねじの周面に隙間が、防水シートよりも生じ難い部材であれば構わない。このとき、押圧力は、弾性によるもののほか、防水シートよりも厚みを備えていることにより進入していくねじの周面に押圧力が作用する形態であってもよく、ねじの周面に隙間が生じ難い部材であればゴムシートでなくとも構わない。
【0029】
上記実施形態においては、手摺り壁3が有する木質部3aへのホルダー2の固定に本発明のねじの螺合部構造を適用する例について説明したが、これに限るものではない。すなわち、ねじが螺合される木質部は、手摺り壁に限らず、また、ねじにより固定される部材はホルダーに限るものではなく、ねじが螺合される部材側への水の浸入を防ぎつつねじを螺合する部位であれば、いずれの部位であっても適用可能である。このため、何らかの部材を固定する場合ばかりでなく、ばねやワイヤーなどの部材を引っ掛けるためなど、ねじ頭部の座面が、防水シートと間隔を空けた状態でねじが設けられる場合にも適用可能である。
【0030】
上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。
【0031】
本実施形態には、少なくとも以下の発明が含まれる。
防水シートで覆われた木質部に螺合されているねじの螺合部構造であって、前記防水シートと前記木質部との間に介装される介装部材を有し、前記ねじは、前記防水シートと前記介装部材とを貫通し、前記介装部材は、貫通している前記ねじを外周側から押圧していることを特徴とするねじの螺合部構造である。
【0032】
このようなねじの螺合部構造によれば、木質部を覆う防水シートと木質部との間に介装されている介装部材が、貫通しているねじを外周側から押圧しているので、防水シートと介装部材とをねじが貫通し、防水シートのねじ穴から水が介装部材側に浸入したとしても介装部材により木質部側に水が浸入することを防止することが可能である。このため、ねじの螺合部から木質部側に雨水等が浸入することを防止することが可能である。このため、より止水性に優れたねじの螺合部構造を提供することが可能である。
【0033】
かかるねじの螺合部構造であって、前記ねじは、前記頭部側に、前記ねじにおける谷径にねじ山の高さを加えた幅よりも大きな直径をなしてねじ山が設けられていない円柱部を有し、螺合された状態で前記円柱部が前記介装部材に進入していることを特徴とする。
【0034】
このようなねじの螺合部構造によれば、螺合されたねじは、ねじにおける谷径にねじ山の高さを加えた幅よりも大きな直径をなしてねじ山が設けられていない円柱部が介装部材に進入しているので、螺合されたねじのねじ部により介装部材に形成されたねじ穴を押し広げるように円柱部が介装部材に進入している。このため、円柱部は介装部材により、外周側からより強く押圧されるため隙間が生じ難い。このため、ねじの螺合部から木質部側に雨水等が浸入することをより確実に防止することが可能である。
【0035】
かかるねじの螺合部構造であって、前記介装部材と前記防水シートとの間、及び、前記介装部材と前記木質部との間、の少なくともいずれか一方に粘着剤が設けられていることを特徴とする。
このようなねじの螺合部構造によれば、介装部材と防水シートとの間、及び、介装部材と木質部との間、の少なくともいずれか一方に粘着剤が設けられているので、介装部材において粘着剤が設けられている側の防水シートまたは木質部との間は水密になる。このため、介装部材が木質部と防水シートとの間に単に介装されている場合よりも、介装部材において粘着剤が設けられている側の部材との間から雨水等が浸入することを防止して、より高い止水性を備えることが可能である。
【0036】
かかるねじの螺合部構造であって、前記介装部材は、ゴムシートであることを特徴とする。
このようなねじの螺合部構造によれば、介装部材はゴムシートなので、螺合されたねじをより強く押圧し、ゴムシートのねじ穴からの雨水等の浸入をより確実に防止することが可能である。
【0037】
かかるねじの螺合部構造であって、前記ゴムシートは、内部に芯材を有していることを特徴とする。
このようなねじの螺合部構造によれば、ゴムシートの内部に芯材を有しているので、ねじが螺合されてゴムシートにねじ穴が形成される際に、ゴムシートが裂けて伝播していくことを防止することが可能である。
【0038】
また、前記ねじの螺合部構造により、前記防水シートに当接させて配置した被固定部材が、前記ねじとの間に挟持されて固定されていることを特徴とする被固定部材の固定構造である。
このような被固定部材の固定構造によれば、被固定部材が、ねじと防水シートとの間に挟持されて固定されている場合に、たとえ防水シートと介装部材とをねじが貫通し、防水シートのねじ穴から水が介装部材側に浸入したとしても介装部材により木質部側に水が浸入することを防止することが可能である。すなわち、ねじを外周側から押圧している介装部材よりも木質部側に水が浸入することを防止することが可能である。
【符号の説明】
【0039】
2 ホルダー、3a 木質部、3b 防水シート、4 ねじ、4a 頭部、
4b ねじ山、 4c 円柱部、5 ゴムシート、5a 芯材、6 粘着剤、
D 円柱部の直径、W ねじにおける谷径にねじ山の高さを加えた幅、
図1
図2
図3