(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-21
(45)【発行日】2024-01-04
(54)【発明の名称】帳票管理装置及び帳票管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/02 20230101AFI20231222BHJP
【FI】
G06Q40/02
(21)【出願番号】P 2020200479
(22)【出願日】2020-12-02
【審査請求日】2020-12-02
【審判番号】
【審判請求日】2022-10-07
(73)【特許権者】
【識別番号】598049322
【氏名又は名称】株式会社三菱UFJ銀行
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 宏俊
(72)【発明者】
【氏名】島野 浩平
(72)【発明者】
【氏名】福山 明子
(72)【発明者】
【氏名】澤田 健太
【合議体】
【審判長】佐藤 智康
【審判官】古川 哲也
【審判官】相崎 裕恒
(56)【参考文献】
【文献】特開2002- 63350(JP,A)
【文献】特開2007-280205(JP,A)
【文献】特開2007-316907(JP,A)
【文献】特開2009-205477(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
口座開設書類を収納する帳票収納容器
および前記口座開設書類に口座開設時に明細番号が付された後に、前記帳票収納容器内の前記口座開設書類と前記明細番号とを読み取る読取部と、
前記読み取った口座開設書類の画像、および、前記読み取った明細番号を格納し、前記明細番号に関連付けて前記口座開設書類の画像を管理する帳票画像管理部と、
を有する帳票管理装置。
【請求項2】
前記読取部は、スキャナによって前記口座開設書類と前記明細番号とを読み取る、請求項1に記載の帳票管理装置。
【請求項3】
口座開設書類を収納する帳票収納容器
および前記口座開設書類に口座開設時に明細番号が付された後に、前記帳票収納容器内の前記口座開設書類と前記明細番号とを読み取るステップと、
前記読み取った口座開設書類の画像、および、前記読み取った明細番号を格納し、前記明細番号に関連付けて前記口座開設書類の画像を管理するステップと、
をコンピュータが実行する帳票管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金融技術(フィンテック)に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、金融機関において、窓口等で口座開設、預入や払戻、振込、公共料金の支払いなどの各種取引を行う際、顧客は、取引に応じた帳票に必要事項を手書きにより記入したり、印鑑を押印して手続きを行っている。例えば、口座開設の際に顧客によって記入及び押印された口座開設書類については、印影、口座番号、氏名、住所等の一部の情報は、金融機関サイドで電子化されるものの、その原本は紙媒体として保管されている。
【0003】
保管コストなどの観点から、帳票の電子化が促進され、帳票電子化のための各種技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-181225号公報
【文献】特開2020-87112号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
顧客によって記入及び/又は押印された帳票の原本は、典型的には、包袋、ファイル、フォルダなどの帳票収納容器に収納され、書庫や倉庫などで保管及び管理されている。例えば、窓口等で口座開設等の手続の際、顧客によって記入及び押印された帳票は、必要事項が電子化された後、帳票収納容器に収納され、帳票収納容器単位で保管及び管理されている。
【0006】
本発明の課題は、帳票収納容器単位で保管及び管理される帳票を効率的に電子化するための技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の一態様は、帳票と前記帳票を収納する帳票収納容器に付された識別情報とを読み取る読取部と、前記識別情報に関連付けて前記帳票の画像を管理する帳票画像管理部と、を有する帳票管理装置に関する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、帳票収納容器単位で保管及び管理される帳票を効率的に電子化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施例による帳票管理装置を示す概略図である。
【
図2】本発明の一実施例による帳票管理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の一実施例による帳票管理装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図4】本発明の一実施例による帳票読取例を示す概略図である。
【
図5】本発明の一実施例による管理情報を示す図である。
【
図6】本発明の一実施例による帳票管理処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0011】
以下の実施例では、帳票収納容器に収納される帳票を電子化する帳票管理装置が開示される。
【0012】
[概略]
本発明の一実施例による帳票管理方法を概略すると、包袋、ファイル、フォルダなどの帳票収納容器において保管及び管理されている帳票が電子化される。
【0013】
例えば、処理対象の帳票が口座開設書類である場合、典型的な口座開設手続では、顧客は口座開設書類に氏名等の必要事項を記入すると共に、登録したい口座届出印を口座開設書類の所定の領域に押印する。金融機関における銀行員等は、顧客から記入及び押印済みの口座開設書類を受け取ると、氏名等の入力事項を端末等に入力し、口座開設書類に明細番号等の識別情報を付与した上で、印影をスキャナ等によって画像化することによって印影情報をデータベースに登録する。また、銀行員等は、口座開設書類の原本を保管するため、包袋、ファイル、フォルダなどの帳票収納容器に識別情報又は識別情報を符号化したバーコード、RFIDなどを付属又は貼り付け、口座開設書類を付属書類と共に帳票収納容器に収納及び保管する。このようにして、口座開設書類などの帳票の原本は、帳票収納容器に保管され、帳票収納容器単位で管理される。
【0014】
以下の実施例では、帳票管理装置100は、
図1に示されるように、識別情報を符号化したバーコードやRFIDが付属された帳票収納容器と、当該帳票収納容器に収納されている帳票とについて、スキャナ等の読取装置による読み取りを制御し、帳票収納容器から読み取られたバーコードやRFIDから識別情報を抽出すると共に、抽出した識別情報と関連付けて、帳票から読み取られた帳票画像を管理する。なお、以下において、帳票管理装置100が読取装置による読み取りを制御することを、単に、「読み取る」という。
【0015】
ここで、帳票管理装置100は、サーバによって実現され、例えば、
図2に示されるようなハードウェア構成を有してもよい。すなわち、帳票管理装置100は、バスBを介し相互接続されるドライブ装置101、補助記憶装置102、メモリ装置103、CPU(Central Processing Unit)104、インタフェース装置105及び通信装置106を有する。
【0016】
帳票管理装置100における後述される各種機能及び処理を実現するプログラムを含む各種コンピュータプログラムは、CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory)などの記録媒体107によって提供されてもよい。プログラムを記憶した記録媒体107がドライブ装置101にセットされると、プログラムが記録媒体107からドライブ装置101を介して補助記憶装置102にインストールされる。但し、プログラムのインストールは必ずしも記録媒体107により行う必要はなく、ネットワークなどを介し何れかの外部装置からダウンロードするようにしてもよい。補助記憶装置102は、インストールされたプログラムを格納すると共に、必要なファイルやデータなどを格納する。メモリ装置103は、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置102からプログラムやデータを読み出して格納する。プロセッサとして機能するCPU104は、メモリ装置103に格納されたプログラムやプログラムを実行するのに必要なパラメータなどの各種データに従って、後述されるような帳票管理装置100の各種機能及び処理を実行する。インタフェース装置105は、ネットワーク又は外部装置に接続するための通信インタフェースとして用いられる。通信装置106は、外部装置と通信するための各種通信処理を実行する。
【0017】
しかしながら、帳票管理装置100は、上述したハードウェア構成に限定されるものでなく、他の何れか適切なハードウェア構成により実現されてもよい。例えば、後述される帳票管理装置100は、スキャナなどの読取装置を備えてもよいし、あるいは、外部装置としてのスキャナによって読み取られたデータをネットワーク等を介し取得し、後述される処理を実行してもよい。
【0018】
[帳票管理装置]
次に、
図3~5を参照して、本発明の一実施例による帳票管理装置100を説明する。本実施例では、帳票管理装置100は、スキャナ等によって帳票と当該帳票を収納する帳票収納容器に付された識別情報とを読み取り、読み取った帳票画像と識別情報とを関連付けて管理する。
図3は、本発明の一実施例による帳票管理装置100の機能構成を示すブロック図である。
【0019】
図3に示されるように、帳票管理装置100は、読取部110及び帳票画像管理部120を有する。
【0020】
読取部110は、帳票と当該帳票を収納する帳票収納容器に付された識別情報とを読み取る。具体的には、
図4に示されるように、読取部110は、顧客によって記入及び押印された口座開設書類の原本を読み取り、スキャナから口座開設書類の画像データを帳票画像の一例として取得する。さらに、読取部110は、包袋、ファイル、フォルダなどの当該口座開設書類を保管している帳票収納容器を読み取り、当該口座開設書類を識別するための明細番号を取得する。例えば、読取部110は、帳票収納容器に付属又は貼り付けられたRFID又はバーコードを読み取り、当該RFID又はバーコードに符号化された明細番号を抽出してもよい。読取部110は、取得した口座開設書類の画像と明細番号とを帳票画像管理部120に入力する。
【0021】
帳票画像管理部120は、識別情報に関連付けて帳票画像を管理する。例えば、帳票が口座開設書類である場合、帳票画像管理部120は、読取部110によって取得した口座開設書類の画像を明細番号に関連付けて格納及び管理する。また、明細番号が、
図5に示されるように、店番、科目等の口座情報及び当該顧客を識別するための顧客番号と関連付けて管理されている場合、帳票画像管理部120は、当該口座情報及び/又は顧客番号と関連付けて口座開設書類の画像を管理してもよい。これにより、顧客番号等によって当該口座開設時の口座開設書類の画像を抽出することが可能になる。
【0022】
なお、
図5に示されるような管理情報の各レコードは、口座開設時に金融機関における銀行員等によって登録されてもよい。すなわち、顧客が口座開設書類に必要事項を記入し、届出印を押印すると、金融機関における銀行員等は、記入及び押印済みの口座開設書類を受け取り、当該口座開設書類に明細番号を付与し、さらに当該顧客を識別するための顧客番号を割り当てる。そして、銀行員等は、付与した明細番号と関連付けて、開設した口座の店番、科目、口座番号等の口座情報及び顧客番号を管理情報に登録する。
【0023】
また、複数の帳票収納容器が段ボール箱などの帳票収納容器の保管容器にまとめて保管される場合、管理情報には、明細番号に関連付けて、保管先の保管容器の識別情報が管理情報に登録されてもよい。これにより、所望の帳票が保管されている保管容器を容易に検出することが可能になる。
【0024】
[帳票管理処理]
次に、
図6を参照して、本発明の一実施例による帳票管理処理を説明する。当該処理は、例えば、上述した帳票管理装置100によって実現されてもよく、特に、帳票管理装置100のプロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することによって実現されてもよい。
図6は、本発明の一実施例による帳票管理処理を示すフローチャートである。
【0025】
図6に示されるように、ステップS101において、帳票管理装置100は、処理対象の帳票と、当該帳票を収納する帳票収納容器とをそれぞれ読み取る。例えば、処理対象の帳票が口座開設書類である場合、帳票管理装置100は、処理対象の口座開設書類の原本と、当該原本を収納した帳票収納容器に付された明細番号が符号化されたRFID又はバーコードとをスキャナによって読み取る。
【0026】
ステップS102において、帳票管理装置100は、帳票画像と識別情報とを取得する。具体的には、帳票管理装置100は、口座開設書類の原本から口座開設書類の画像データを取得し、RFID又はバーコードから明細番号を取得する。
【0027】
ステップS103において、帳票管理装置100は、識別情報に関連付けて帳票画像を管理する。具体的には、帳票管理装置100は、明細番号と関連付けて口座開設書類の画像データを格納及び管理する。また、明細番号が口座情報や顧客番号と関連付けされている場合、帳票管理装置100は、口座開設書類の画像データを口座情報や顧客番号と関連付けて管理してもよい。
【0028】
このようにして、帳票収納容器に保管されている口座のための帳票を、当該口座の口座情報や顧客情報と関連付けて効率的に電子化することが可能になる。
【0029】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は上述した特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0030】
100 帳票管理装置
110 読取部
120 帳票画像管理部