(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-21
(45)【発行日】2024-01-04
(54)【発明の名称】複合構造板
(51)【国際特許分類】
A47B 96/20 20060101AFI20231222BHJP
B65D 6/24 20060101ALI20231222BHJP
【FI】
A47B96/20 C
B65D6/24 D
(21)【出願番号】P 2020533336
(86)(22)【出願日】2018-08-27
(86)【国際出願番号】 CN2018102464
(87)【国際公開番号】W WO2019042242
(87)【国際公開日】2019-03-07
【審査請求日】2021-08-12
(31)【優先権主張番号】201710766295.7
(32)【優先日】2017-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201820472588.4
(32)【優先日】2018-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201820480545.0
(32)【優先日】2018-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201820466837.9
(32)【優先日】2018-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201820465365.5
(32)【優先日】2018-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201820467034.5
(32)【優先日】2018-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201820466880.5
(32)【優先日】2018-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520071054
【氏名又は名称】レン,ルハオ
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】レン,ルハオ
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/045579(WO,A1)
【文献】実開平07-036767(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第106617681(CN,A)
【文献】中国実用新案第2838945(CN,Y)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 13/08
A47B 96/18-96/20
B32B 1/00-43/00
B65D 6/00-13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
実質的に同一の平面に位置する本体部分(2c)と、該本体部分(2c)を下方に折り曲げて形成され且つ前記本体部分の周りを囲んでいる周辺部分(2a)とを備えるパネル(2)であって、上面と、下面とを備える、パネル(2)と、
実質的に均一に分布している一体成型された複数の突起(3a)を具備する底板(3)であって、前記突起(3a)の頂面に、前記パネル(2)の下面が接合されて支持され、さらに、パネルの周辺部分(2a)の内面に、底板(3)の周方向縁部が水平方向に当接される、底板(3)と、
前記パネル(2)の周辺部分(2a)と前記底板(3)を一体に固定して接続する補強具(4)と、を含む複合構造板であって、
前記補強具(4)の断面形状は閉鎖された枠状であり、その上面の少なくとも一部は前記底板(3)の底面に固定されて接続され、且つ、前記補強具(4)の少なくとも一部である外側に位置する垂直な面と、前記パネルの周辺部分(2a)の下面の少なくとも一部は固定されて接続されており、
前記補強具(4)は、断面がL形状の中空枠状構造であり、該L形状の中空枠状構造における一つの直角辺が、前記パネル(2)の周辺部分(2a)に対して最内側に位置し且つ前記パネル(2)に垂直であり、前記中空枠状構造における外側に位置する階段形状の表面の最下端は、水平方向に沿って外側に僅かに突出して一体式のフランジ(4a)を形成する、
複合構造板。
【請求項2】
前記底板(3)の外側周辺は、突起を具備しない平坦な部分であり、該部分の頂面が突起の頂面と同一の平面に置かれており、前記部分が前記補強具(4)の頂面と前記パネル(2)の下面との間に挟持される、請求項1に記載の複合構造板。
【請求項3】
前記パネル(2)の周辺部分(2a)は、本体部分(2c)に実質的に垂直な方向に沿って下方に折り曲がって階段状の延出部となり、該階段状の延出部の形状と、前記中空枠状構造の階段形状の表面の形状が相互にマッチし、前記階段状の延出部の自由端(2b)が、前記フランジ(4a)の末端と前記階段状の延出部の外面とが実質的に整列されるように前記フランジ(4a)に支持されており、前記底板(3)の外側周辺は、突起を具備しない平坦な部分であり、該部分が前記補強具(4)の頂面と前記パネル(2)の下面との間に挟持される、請求項1に記載の複合構造板。
【請求項4】
実質的に同一の平面に位置する本体部分(2c)と、該本体部分(2c)を下方に折り曲げて形成され且つ前記本体部分の周りを囲んでいる周辺部分(2a)とを備えるパネル(2)であって、上面と、下面とを備える、パネル(2)と、
実質的に均一に分布している一体成型された複数の突起(3a)を具備する底板(3)であって、前記突起(3a)の頂面に、前記パネル(2)の下面が接合されて支持され、さらに、パネルの周辺部分(2a)の内面に、底板(3)の周方向縁部が水平方向に当接される、底板(3)と、
前記パネル(2)の周辺部分(2a)と前記底板(3)を一体に固定して接続する補強具(4)と、を含む複合構造板であって、
前記補強具(4)の断面形状は枠状であり、その上面の少なくとも一部は前記底板(3)の底面に固定されて接続され、且つ、前記補強具(4)の少なくとも一部である外側に位置する垂直な面と、前記パネルの周辺部分(2a)の下面の少なくとも一部は固定されて接続されており、
前記補強具(4)は、断面が二重逆L形状の枠状構造であり、断面から観察するとき、第一部分と第二部分を含み、前記第一部分と前記第二部分が互いに垂直であり、前記第一部分が二層構造であり、前記第一部分の外層の長さが前記第一部分の内層の長さよりも大きく、前記第一部分の外層の末端部は、前記第二部分に平行になるように折り曲がり且つ前記第二部分の外側に沿って前記第二部分の長さの一部まで延出することによって、前記第二部分との間に隙間が形成されており、
前記第二部分は、前記二重逆L形状の縦辺(5)をなし、該縦辺(5)が前記パネル(2)の下面に当接するまで前記本体部分(2c)に垂直な方向に沿って延出し、且つ、該縦辺(5)が前記周辺部分(2a)の内面に密着されて延出するとともに当該周辺部分の内側に位置し、
前記隙間は、前記周辺部分(2a)の延出部の少なくとも一部を緊密に収納する、
複合構造板。
【請求項5】
前記二重逆L形状の縦辺(5)の末端は、前記底板(3)の縁部にきつく押し付けられるように、前記本体部分(2c)に垂直な方向に沿って内側に水平に折り曲がってなる、請求項
4に記載の複合構造板。
【請求項6】
前記パネル(2)の周辺部分(2a)の囲まれた領域は、前記本体部分(2c)に垂直な方向において、前記パネルの周辺部分(2a)の五分の一、四分の一、又は三分の一を占める、請求項
4に記載の複合構造板。
【請求項7】
前記第一部分の外層の末端部は、前記パネル(2)の周方向に沿って該パネルの周辺部分(2a)の縁部全体を囲み、或いは該パネルの周辺部分(2a)の縁部を間欠的に囲む、請求項
4に記載の複合構造板。
【請求項8】
前記パネルは、ブリスター成型又は射出成型されたプラスチック板であり、前記均一に分布した突起を備える底板は、一体にブリスター成型されたプラスチック板である、請求項1に記載の複合構造板。
【請求項9】
さらに、前記パネル(2)を前記底板(3)に結合する粘着剤を含む、請求項1に記載の複合構造板。
【請求項10】
前記補強具(4)は、金属又は硬質プラスチックで作られる、請求項1に記載の複合構造板。
【請求項11】
前記補強具(4)は、鋼で作られる、請求項1
0に記載の複合構造板。
【請求項12】
前記パネル(2)の頂面(1a)は、天然木材又は石材を模倣した表面模様を有する、請求項1に記載の複合構造板。
【請求項13】
前記パネル(2)には、窪みを有する掴み部(5)が形成される、請求項1に記載の複合構造板。
【請求項14】
前記掴み部(5)の構造が、人間工学的に設計されている、請求項1
3に記載の複合構造板。
【請求項15】
前記複合構造板は、矩形状である、請求項1に記載の複合構造板。
【請求項16】
前記補強具のフランジ(4a)の下側には、下方に向けて延出する翼部(4b)が設置されている、請求項1に記載の複合構造板。
【請求項17】
前側板、後側板、左側板、右側板、及び底板からなる箱本体を含む、箱であって、
前記前側板、前記後側板、前記左側板及び前記右側板のうち少なくとも一つは、請求項1から請求項1
6のいずれか1項に記載の複合構造板で形成される、箱。
【請求項18】
前記箱は、
前側板、後側板、左側板及び右側板の底部補強具によって形成される、支持台(331)と、
箱本体の底板の周辺部分が水平に外側に延出することによって形成されるとともに、それぞれ対応する側板の支持台に架設される、位置決め辺(321)と、
位置決め辺における固定穴と支持台における対応する取付穴を通して、前記位置決め辺を前記支持台に固定可能な底板固定メンバ(340)とを含む、請求項1
7に記載の箱。
【請求項19】
隣接する側板には、それぞれ、位置制限柱(350)と位置制限穴(360)が設置され、前記位置制限柱が、隣接する側板が取り外し可能に一体に接続されるように、前記位置制限穴に係合可能である、請求項1
8に記載の箱。
【請求項20】
左側板と右側板は、前側板と後側板との間に位置し、左側板と右側板の側面に、位置制限柱が設置され、前側板と後側板の内側の対応する位置に、位置制限穴が設置され、前記位置制限穴は、上部が狭く下部が広い、請求項
19に記載の箱。
【請求項21】
前記箱本体の底板の中間部分が、位置決め辺に対して下方に凹んでいる、請求項1
8に記載の箱。
【請求項22】
前記箱本体の底板の中間部分に、規則的に配列された複数の凹部が形成されている、請求項2
1に記載の箱。
【請求項23】
前記底板固定メンバは、プラスチックによって作られる、請求項1
8に記載の箱。
【請求項24】
さらに、箱本体の頂部から開閉可能な箱盖を含み、前記箱盖の後部と箱本体の後側板が枢動可能に接続される、請求項1
7に記載の箱。
【請求項25】
前記箱盖は、取り外し可能なヒンジアセンブリによって後側板に枢動可能に接続され、前記ヒンジアセンブリは、
箱盖の後部補強具の底部に固定される第一ヒンジメンバ(411)と、
箱本体の後側板の頂部補強具の後側の凹部(426)に固定される第二ヒンジメンバ(421)と、
第一ヒンジメンバと第二ヒンジメンバを枢動可能に接続する枢軸メンバ(430)と、を含む、請求項2
4に記載の箱。
【請求項26】
前記第一ヒンジメンバと第二ヒンジメンバは、形状が同一であり、いずれも固定部(413、423)と、固定部からそれに垂直に延出する一つ又は複数の枢動部(412、422)とを備え、固定部が、箱盖又は箱本体に接合し固定されることに用いられ、枢動部において、固定部と平行に延出する枢動可能に枢軸を受容するための貫通穴(414、424)が設置されている、請求項2
5に記載の箱。
【請求項27】
枢動部が複数である場合、枢動部が固定部に沿って間隔をあけて分布し、枢動部を収納できるように間隔が設置され、各枢動部における貫通穴が、互いに同軸である、請求項2
6に記載の箱。
【請求項28】
前記枢軸の近端にフランジ(432)が設置され、フランジの寸法が枢動部の貫通穴よりも大きく、前記枢軸の遠端は、近い側から遠い側に向けて延出する径方向内側に撓曲可能な複数の弾性アーム(434)が枢軸の遠端に形成されるように、遠い側から近い側に向けて延出する一つ又は複数の切欠溝(438)を備え、各弾性アームの径方向外側面に凸起部(436)が設置され、前記弾性アームが湾曲状態にあるときに、前記凸起部が枢動部の貫通穴を通すことができ、前記弾性アームが伸長状態にあるときに、前記凸起部が枢動部の貫通穴を通すことができない、請求項2
6に記載の箱。
【請求項29】
各切欠溝は、枢軸の遠い側から近い側に向けてだんだん縮めて最終的に滑らかに遷移してなる、請求項2
8に記載の箱。
【請求項30】
前記凸起部は、遠側ガイド斜面(4362)と近側ガイド斜面(4364)とを備える、請求項2
8に記載の箱。
【請求項31】
前記ヒンジアセンブリは、プラスチックによって作られる、請求項2
5に記載の箱。
【請求項32】
前記箱盖と前記箱本体には鎖錠アセンブリを設置され、前記鎖錠アセンブリは、
箱盖の前部に固定される第一鎖錠メンバ(530)と、
箱本体の前側板に固定される第二鎖錠メンバ(550)と、
第一鎖錠メンバに枢動可能に取り付けられる第三鎖錠メンバ(540)と、を含む、請求項2
4に記載の箱。
【請求項33】
前記第一鎖錠メンバ(530)は、その頂部のスナップ係合装置(531)によって箱盖の前部補強具の底部に挿接されて断面逆U形状をなし、箱盖を閉じたときに、箱本体の前側板の頂部補強具の少なくとも一部が、前記逆U形状の凹部の中に受容される、請求項3
2に記載の箱。
【請求項34】
前記第一鎖錠メンバの前部に水平な接続棒(532)が設置され、第三鎖錠メンバの頂部に鉤状部(541)が設置され、前記鉤状部が、前記水平な接続棒に掛けてそれを回って所定の範囲で回転することができる、請求項3
3に記載の箱。
【請求項35】
前記第二鎖錠メンバは、その後側のスナップ係合装置(551)によって箱本体の前側板の頂部補強具の前側に挿接され、第二鎖錠メンバの頂部が後方に曲げて水平な折曲部(552)を形成し、前記水平な折曲部が箱本体の前側板の頂部における階段部(5127)に位置し、前記箱盖を閉じたときに、第二鎖錠メンバと第三鎖錠メンバが、一体にラッチロック又はロックされる、請求項3
4に記載の箱。
【請求項36】
前記鎖錠アセンブリは、プラスチックによって作られる、請求項3
2に記載の箱。
【請求項37】
前記箱には、箱本体に対する箱盖の開き角度を制限するための折り畳み位置制限メンバ(640)が設置され、前記折り畳み位置制限メンバは、細長い棒状メンバであり、第一端部(643)と、対向する第二端部(643)と、第一端部と第二端部との間に延在する折り曲げ可能な弾性本体部(642)とを具備し、前記第一端部は、箱盖の側部補強具の内側で箱本体に対する箱盖の枢動部から所定の距離で離れた位置に枢動可能に固定され、前記第二端部は、箱本体の対応する側板の頂部補強具の内側で箱本体に対する箱盖の枢動部から所定の距離で離れた位置に枢動可能に固定される、請求項2
4に記載の箱。
【請求項38】
前記折り畳み位置制限メンバの長さは、前記箱本体に対する前記箱盖の最大開き角度が90°よりも大きく且つ180°よりも小さくなるように設置される、請求項3
7に記載の箱。
【請求項39】
前記弾性本体部(642)の形状は、折曲に適する扁平なベルト状であり、前記第一端部と第二端部が前記弾性本体部(642)に垂直な扁平端部である、請求項3
8に記載の箱。
【請求項40】
前記第一端部と前記第二端部がそれぞれ、側方向突起部(641)を具備し、前記箱盖と、前記箱本体の左側板及び/又は右側板の補強具における対応する位置に、それぞれ、突起部を受容するための受容穴(6122、6222)が設置されている、請求項
39に記載の箱。
【請求項41】
前記折り畳み位置制限メンバは、一体成型されたプラスチックメンバである、請求項3
7に記載の箱。
【請求項42】
前記箱は、箱本体に対する箱盖の開き角度を任意に決められる自己位置決めアセンブリが設置され、前記自己位置決めアセンブリは、
箱本体の左側板及び/又は右側板の頂部補強具に固定される固定座(720)であって、垂直方向に延出して該固定座(720)の頂面と底面を貫通するスライド溝(721)と、横方向に延在し且つ前記スライド溝と連通して固定座(720)の箱本体内側を向く側面を貫通する保持穴(722)とが設置される、固定座(720)と、
第一端が箱盖の対応する側部補強具にヒンジ接続され、第二端がスライド溝を通して延出する支持棒であって、スライド溝内にスライドとスイング可能な支持棒(710)と、
保持穴内に設置され支持棒に圧力を付勢することに用いられる締結アセンブリであって、前記圧力の大きさを調整可能な締結アセンブリと、を含む、請求項2
4に記載の箱。
【請求項43】
前記保持穴の内面に雌ねじが設置され、前記締結アセンブリは、
保持穴内に設置されるとともに、保持穴に沿って移動可能な圧着ブロック(730)と、
雄ねじが保持穴の雌ねじと螺合可能なボルト(770)と、
保持穴内に設置され、圧着ブロックとボルトとの間に位置し、圧着ブロックに弾力を付勢するための弾性部材(760)、とを含む、請求項4
2に記載の箱。
【請求項44】
前記弾性部材が圧縮スプリングであり、前記圧着ブロックに凸台が設置され、圧縮スプリングは、一端が凸台に嵌設されるとともに、他端がボルトの端部に当接される、請求項4
3に記載の箱。
【請求項45】
支持棒の前記第二端には、支持棒がスライド溝から脱離することを防止するためのストッパー(711)が設置される、請求項4
4に記載の箱。
【請求項46】
前記自己位置決めアセンブリは、さらに、ヒンジ連結座(780)を含み、ヒンジ連結座が箱盖の前記側部補強具に接続され、支持棒の第一端がヒンジ連結座とヒンジ接続される、請求項4
5に記載の箱。
【請求項47】
前記ヒンジ連結座には、位置決めピン(781)が設置され、箱盖の前記側部補強具には、縦方向に分布し位置決めピンを受容するための複数の位置決め穴(7521)が設置される、請求項4
6に記載の箱。
【請求項48】
箱本体の左側板及び/又は右側板の頂部補強具に、係合溝が設置され、固定座が前記係合溝に取り付けられる、請求項4
7に記載の箱。
【請求項49】
箱盖を閉じたときに、前記自己位置決めアセンブリが、箱本体と箱盖で形成された収納空間内に位置する、請求項4
8に記載の箱。
【請求項50】
前記支持棒と固定座とヒンジ連結座がプラスチックによって作られる、請求項4
2に記載の箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家具製造業に使用される、補強具とプラスチック板材で形成される複合構造板に関する。
【背景技術】
【0002】
無垢材の板と合板は、家具製造業に多く使用される材料であり、例えば、机、椅子の座板や背もたれ、本戸棚又は食器戸棚の横及び縦仕切り板、引き出し板などの製造に用いられる。しかし、これらの材料の使用には大量の木材が消耗され、さらに、使用場面や使用耐久性にも一定の制限を受ける。
【0003】
現在、環境の保護と生産コストダウン等の目的から、ますます多くの家具製品が、木板の代わりにプラスチック板を使用するようになっている。プラスチック板は、射出成型又はプロー成型によって製造される。射出成型されたプラスチック板は、通常限られた強度だけある。プロー成型されたプラスチック板は、外観が簡素で洗浄し易いが、成型されたプロー成型板が相対的に厚い。特に、大きい家具製品に対して、プロー成型板の生産周期が長く、生産効率が低い。また、大きいプロー成型板は、非常に大きい金型と、複雑な生産工程を実行するためのプロー成型機とが必要である。このため、プロープラスチック板の生産コストが相対的に高い。家具製造においても、直接的に加工成型された金属板を使用することがある。しかし、このような機械加工を経た金属板は、表面色と質感が単一で、使用場面が限られている。
【0004】
本願の発明者は、その中国発明特許CN102987726Bにおいて、三層構造を含む机の天板を開示し、この三層構造が順に、パネルと補強板と両者の間に設置される補強枠であり、その中、補強枠は、横断面方形状の管材を採用しそれを湾曲させて作られ、パネルと補強板の周辺で形成された環形状のキャビティ内に支持されるとともに、パネル、補強板及び両者に形成された上下フランジが重なる箇所と合わせて位置制限を実現する。このような複合板は、パネルと補強板の周辺をそれぞれ折り曲げて両者の間に環形状のキャビティを形成し、その後、補強枠をキャビティ内に挿入する必要があるため、三つの異なるアセンブリを相互に接続する必要があり、加工過程が複雑で、コストが高く、さらに、これら三つのアセンブリの結合形態は強度の面でさらに向上させる必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、より良い強度を有する一方で、加工を簡易化し、コストを下げることができ、且つ長い製品耐久性を具備する複合構造板に対するニーズがある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は複合構造板を提供し、該複合構造板が、実質的に同一の平面に位置する本体部分と、当該本体部分を下方に折り曲げて形成され且つ前記本体部分の周りを囲んでいる周辺部分とを備え、上面と、下面とを備える、パネルと、実質的に均一に分布している一体成型された複数の突起を具備する底板であって、前記突起の頂面に、前記パネルの下面が接合されて支持され、さらに、パネルの周辺部分の内面に、底板の周方向縁部が水平方向に当接される、底板と、前記パネルの周辺部分と前記底板を一体に固定して接続する補強具と、を含む複合構造板であって、前記補強具の少なくとも一部が前記底板に固定されて接続され、且つ、前記補強具における少なくとも他の一部が前記パネルの周辺部分の下面の少なくとも一部に固定されて接続される。このような構造は、最大限にプラスチック板と補強具の長所を生かせ、プラスチック板の強度を大きく強化し、製造工程を簡易化することができることによって、生産コストの削減が顕著であった。
【0007】
このような家具に使用される複合構造板は、一体的なプラスチック板を含み、補強具が少なくとも一つの金属板材で加工成型され、プラスチックのパネルと底板及び補強具が成型後に粘着剤又は他の工程技術によって一体に結合されることができる。補強具がプラスチックパネルと底板の周辺部分を確実に支持することによって、このような複合構造板により大きい強度を付与する。
【0008】
前記パネルの周辺部分は、本体部分と実質的に垂直する方向に沿って下方に延出して延出部となり、前記補強具は、横断面が矩形状である中空枠状構造であり、その頂面が前記パネルの本体部分と略平行であり、且つ前記底板の下面に当接し一体に強固に固定され、補強具の最外側の垂直な面が、周辺部分の延出部の内面に当接し一体に強固に固定され、さらに、当該垂直な面の下端が、水平方向に沿って外側に僅かに突出してフランジを形成し、前記パネルの延出部の自由端が、前記フランジに支持されていることが好ましい。
【0009】
前記底板の外側周辺は、突起を具備しない平坦な部分であり、当該部分が、底面が平面であり且つ幅が前記補強具の幅よりも大きい窪み部になるように前記パネルの方向に向かって凹んでおり、前記補強具の頂面が前記底板の窪み部の底面に固定され接続されることが好ましい。
【0010】
前記底板の外側周辺は、突起を具備しない平坦な部分であり、当該部分の頂面が突起の頂面と同一の平面に置かれ、当該部分が前記補強具の頂面と前記パネルの下面との間に挟持されることが好ましい。
【0011】
前記補強具は、断面がL形状の中空枠状構造であり、当該L形状の中空枠状構造における一つの直角辺が、前記パネルの周辺部分に対して最内側に位置し且つ前記パネルに垂直であり、当該中空枠状構造における外側に位置する階段形状の表面の最下端は、水平方向に沿って外側に僅かに突出してフランジを形成しており、前記パネルの周辺部分は、本体部分に実質的に垂直な方向に沿って下方に折り曲がって階段状の延出部となり、当該階段状の延出部の形状と、前記中空枠状構造の階段形状の表面の形状が相互にマッチし、階段状の延出部の自由端が前記フランジに支持されており、前記底板の外側周辺は、突起を具備しない平坦な部分であり、当該部分が前記補強具の頂面と前記パネルの下面との間に挟持されることが好ましい。
【0012】
前記パネルの下面は、熱溶接によって前記複数の突起の頂面に粘着し支持されることが好ましい。
【0013】
前記補強具は、横断面が略二重逆L形状の枠状構造であり、当該二重逆L形状が同一の縦辺を共有し、当該縦辺が、前記パネルの下面に当接するまで前記本体部分に実質的に垂直な方向に沿って延出しており、且つ、当該縦辺が前記周辺部分の内面に密着されて延出し且つ当該周辺部分の内側に位置し、外側に位置する逆L形状構造の横方向外側に延出する底辺が、前記周辺部分の延出部の最下端を囲んで上方に折り曲がって、前記周辺部分の底側縁を囲むことが好ましい。
【0014】
前記二重逆L形状の縦辺の末端は、前記底板の縁部にきつく押し付けられるように、前記本体部分に実質的に垂直な方向に沿って内側に水平に折り曲がってなることが好ましい。
【0015】
前記パネルの周辺部分の囲まれた領域は、前記本体部分と実質的に垂直する方向において、前記パネルの周辺部分の五分の一、四分の一、又は三分の一を占めることが好ましい。
【0016】
前記フランジは、前記パネルの周方向に沿って当該パネルの周辺部分の縁部全体を囲み、或いは当該パネルの周辺部分の縁部を間欠的に囲むことが好ましい。
【0017】
前記パネルは、ブリスター又は射出成型されたプラスチック板であり、前記均一に分布した突起を備える底板は、一体にブリスター成型されたプラスチック板であることが好ましい。
【0018】
さらに、前記パネルを前記底板に結合する粘着剤を含むことが好ましい。
【0019】
前記補強具は、金属又は硬質プラスチックで作られることが好ましい。
【0020】
金属で作られる前記補強具は、薄板状の金属素材板を曲げ圧延加工してなることが好ましい。
【0021】
前記補強具は、鋼で作られることが好ましい。
【0022】
前記パネルの頂面は、天然木材又は石材を模倣した表面模様を有することが好ましい。
【0023】
前記パネルには、窪みを有する掴みが形成されることが好ましい。
【0024】
前記掴みの構造が、人間工学に符合することが好ましい。
【0025】
前記補強具は、延伸及び巻上又は屈曲を経て形成されることが好ましい。
【0026】
前記複合構造板は、矩形状であることが好ましい。
【0027】
前記補強具のフランジの下側には、下方に延出する翼部が設置されていることが好ましい。
【0028】
本発明は、さらに箱を提供して、該箱が、前側板と後側板と左側板と右側板と底板からなる箱本体を含む、箱であって、前記各側板のうち少なくとも一つは、上記の複合構造板によって形成される。
【0029】
箱は、
前側板と後側板と左側板と右側板とのそれぞれの底部補強具によって形成される、支持台と、
底板の周辺部分が水平に外側に延出することによって形成されるとともに、それぞれ、対応する側板の支持台に架設する、位置決め辺と、
位置決め辺における固定穴と支持台における対応する取付穴を通して、前記位置決め辺を前記支持台に固定できる、底板固定メンバと、を含むことが好ましい。
【0030】
隣接する側板には、それぞれ、位置制限柱と位置制限穴が設置され、前記位置制限柱が、隣接する側板が取り外し可能に一体に接続されるように、前記位置制限穴に係合できることが好ましい。
【0031】
左側板と右側板は、前側板と後側板との間に位置し、左側板と右側板の側面に、位置制限柱が設置され、前側板と後側板の内側の対応する位置に、位置制限穴が設置され、前記位置制限穴は、上部が狭く下部が広いことが好ましい。
【0032】
前記箱本体の底板の中間部分が、位置決め辺に対して下方に凹んでいることが好ましい。
【0033】
前記底板の中間部分に、規則的に配列された複数の凹部が形成されていることが好ましい。
【0034】
前記底板固定メンバは、プラスチックによって作られることが好ましい。
【0035】
箱は、さらに、箱本体の頂部から開けられる箱盖を含み、前記箱盖の後部と箱本体の後側板が枢動可能に接続され、前記箱蓋は、上記実施形態に記載の単層プラスチックの複合板によって形成されることが好ましい。
【0036】
箱盖は、取り外し可能なヒンジアセンブリによって後側板に枢動可能に接続され、前記ヒンジアセンブリは、
箱盖の後部補強具の底部に固定される第一ヒンジメンバと、
箱本体の後側板の頂部補強具の後側の凹部に固定される第二ヒンジメンバと、
第一ヒンジメンバと第二ヒンジメンバを枢動可能に接続する枢軸メンバと、を含むことが好ましい。
【0037】
前記第一ヒンジメンバと第二ヒンジメンバは、形状が同一であり、いずれも固定部と、固定部からそれに垂直に延出する一つ又は複数の枢動部とを備え、固定部が、箱盖又は箱本体に接合し固定されることに用いられ、枢動部において、固定部と平行に延出する枢動可能に枢軸を受容するための貫通穴が設置されていることが好ましい。
【0038】
枢動部は、複数であるとき、枢動部が固定部に沿って間隔をあけて分布し、枢動部を収納できるように間隔が設置され、各枢動部における貫通穴が、互いに同軸であることが好ましい。
【0039】
前記枢軸の近端にフランジが設置され、フランジの寸法が枢動部の貫通穴よりも大きく、枢軸の遠端が、近い側から遠い側に向けて延出する径方向内側に曲がることが可能な複数の弾性アームが枢軸の遠端に形成されるように、遠い側から近い側に向けて延出する一つ又は複数の切欠溝が備え、各弾性アームの径方向外側面に凸起部が設置され、弾性アームが湾曲状態にあるときに、凸起部が枢動部の貫通穴を通すことができ、弾性アームが伸長状態にあるときに、凸起部が枢動部の貫通穴を通すことができないことが好ましい。
【0040】
各切欠溝は、枢軸の遠い側から近い側に向けてだんだん縮めて最終的に滑らかに遷移してなることが好ましい。
【0041】
凸起部は、遠側ガイド斜面と近側ガイド斜面とを備えることが好ましい。
【0042】
前記ヒンジアセンブリは、プラスチックによって作られることが好ましい。
【0043】
前記箱盖と前記箱本体には鎖錠アセンブリを設置され、前記鎖錠アセンブリは、
箱盖の前部に固定される第一鎖錠メンバと、
箱本体の前側板に固定される第二鎖錠メンバと、
第一鎖錠メンバに枢動可能に取り付けられる第三鎖錠メンバと、を含む、ことが好ましい。
【0044】
前記第一鎖錠メンバは、その頂部のスナップ係合装置によって箱盖の前部補強具の底部に挿接されて全体が逆U形状に形成され、箱盖を閉じたときに、箱本体の前側板の頂部補強具の少なくとも一部が、前記逆U形の凹部の中に受容されることが好ましい。
【0045】
前記第一鎖錠メンバの前部に水平な接続棒が設置され、第三鎖錠メンバの頂部に鉤状部が設置され、前記鉤状部が、前記水平な接続棒に掛けてそれを回って所定の範囲で回転できることが好ましい。
【0046】
前記第二鎖錠メンバは、その後側のスナップ係合装置によって箱本体の前側板の頂部補強具の前側に挿接され、第二鎖錠メンバの頂部が後方に湾曲して水平な折曲部を形成し、前記水平な折曲部が箱本体の前側板の頂部における階段部に位置し、前記箱盖が閉めたときに、第二鎖錠メンバと第三鎖錠メンバが、一体にラッチロック又はロックされることが好ましい。
【0047】
前記鎖錠アセンブリは、プラスチックによって作られることが好ましい。
【0048】
箱には、箱本体に対する箱盖の開き角度を制限するための折り畳み位置制限メンバが設置され、その中、折り畳み位置制限メンバは、細長い棒状メンバであり、第一端部と、対向する第二端部と、第一端部と第二端部との間に延在する折り曲げ可能な弾性本体部とを具備し、前記第一端部が、箱盖の側部補強具の内側で箱本体に対する箱盖の枢動部から所定の距離で離れた位置に枢動可能に固定され、前記第二端部が箱本体の対応する側板の頂部補強具の内側で箱本体に対する箱盖の枢動部から所定の距離で離れた位置に枢動可能に固定されることが好ましい。
【0049】
前記折り畳み位置制限メンバの長さは、前記箱本体に対する前記箱盖の最大開き角度が90°よりも大きく且つ180°よりも小さくなるように設置されることが好ましい。
【0050】
前記本体部の形状は、折曲に適する扁平なベルト状であり、前記第一端部と第二端部が本体部に垂直する扁平端部であることが好ましい。
【0051】
前記第一端部と第二端部がそれぞれ、側方向突起部を具備し、前記箱盖と、前記箱本体の左側板及び/又は右側板の補強具における対応する位置に、それぞれ、突起部を受容するための受容穴が設置されていることが好ましい。
【0052】
前記折り畳み位置制限メンバは、一体成型されるプラスチックメンバであることが好ましい。
【0053】
箱は、箱本体に対する箱盖の開き角度を任意に決められる自己位置決めアセンブリが設置され、前記自己位置決めアセンブリは、
箱本体の左側板及び/又は右側板の頂部補強具に固定される固定座であって、垂直方向に延出して固定座の頂面と底面を貫通するスライド溝と、横方向に延出し且つ前記スライド溝と連通して固定座の箱本体内側を向く側面を貫通する保持穴とが設置される、固定座と、
第一端が箱盖の対応する側部補強具にヒンジ接続され、第二端がスライド溝を通して延出する支持棒であって、スライド溝内にスライドとスイングできる、支持棒と、
保持穴内に設置され支持棒に圧力を付勢することに用いられる締結アセンブリであって、前記圧力の大きさを調整可能な締結アセンブリとを含むことが好ましい。
【0054】
保持穴の内面に雌ねじが設置され、前記締結アセンブリは、
保持穴内に設置されるとともに、保持穴に沿って移動可能な圧着ブロックと、
雄ねじが保持穴の雌ねじと螺合可能なボルトと、
保持穴内に設置され圧着ブロックとボルトとの間に位置し、圧着ブロックに弾力を付勢するための弾性部材、とを含むことが好ましい。
【0055】
弾性部材が圧縮スプリングであり、圧着ブロックに凸台が設置され、圧縮スプリングは、一端が凸台に嵌設されるとともに、他端がボルトの端部に当接されることが好ましい。
【0056】
支持棒の第二端には、支持棒がスライド溝から脱離することを防止するためのストッパーが設置されることが好ましい。
【0057】
自己位置決めアセンブリは、さらに、ヒンジ連結座を含み、ヒンジ連結座が箱盖の前記側部補強具に接続され、支持棒の第一端がヒンジ連結座とヒンジ接続されることが好ましい。
【0058】
前記ヒンジ連結座には、位置決めピンが設置され、箱盖の前記側部補強具には、縦方向に分布し位置決めピンを受容するための複数の位置決め穴が設置されることが好ましい。
【0059】
箱本体の左側板及び/又は右側板の頂部補強具に、係合溝が設置され、固定座が前記係合溝に取り付けられることが好ましい。
【0060】
箱盖が閉めたときに、前記自己位置決めアセンブリが、箱本体と箱盖で形成された収納空間内に位置することが好ましい。
【0061】
支持棒と固定座とヒンジ連結座がプラスチックによって作られることが好ましい。
【0062】
本発明の複合構造板によれば、複合構造板の周辺が閉鎖された枠状の補強具を備えるため、当該複合構造板の全体の荷重能力を大幅に強化し、これにより、本発明の複合構造板が本発明の複合構造板の補強具によって構造が簡単になり、製造工程が簡素化され、また、組み立てが便利であるため、生産コストの削減が顕著であった。また、本発明の複合構造板は、張り出した突起やフランジを具備しないので、周囲のヒト又は衣服に損傷又は傷害を与えることはない。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【
図1】本発明の二層複合構造板の第一実施例である。
【
図2】
図1に示す二層複合構造板のA部分の拡大図である。
【
図3】本発明の二層複合構造板の第二実施例である。
【
図4】本発明の二層複合構造板の第三実施例の部分拡大図である。
【
図5】本発明の二層複合構造板の第四実施例である。
【
図6】
図5に示す二層複合構造板のC部分の拡大図である。
【
図7A】本発明の好適な実施形態による複合構造板の補強具の断面図であり、遮水用の翼部を示している。
【
図7B】本発明の好適な実施形態による複合構造板の補強具の断面図であり、遮水用の翼部を示している。
【
図8】本発明の二層複合構造板の頂部表面の模式図である。
【
図9】本発明の二層複合構造板から組み立ててなる戸棚の模式図である。
【
図10】本発明の二層複合構造板から組み立ててなる他の例である戸棚の模式図である。
【
図11】本発明の二層複合構造板の第五実施例における補強具の断面模式図である。
【
図12】本発明の一つの好適な実施形態による箱の斜視図であり、本発明による複合構造板を含む。
【
図16】本発明の一つの好適な実施形態による箱の分解図であり、側板及び底板を接続するための接続アセンブリを示した。
【
図18】
図16に示す箱の隣接する側板の間の接続模式図である。
【
図20】
図16示す箱の底板と側板との間の接続模式図である。
【
図21】本発明の一つの好適な実施形態による箱の立体図であり、箱盖と箱本体を枢動的に接続するためのヒンジアセンブリを含む。
【
図22】ヒンジアセンブリが箱盖と箱本体と離れたときの立体図である。
【
図26】本発明の一つの好適な実施形態による箱の斜視図であり、箱本体前側板の曲げ強度を高める鎖錠アセンブリを含む。
【
図29】
図26に示す箱の鎖錠アセンブリの分解模式図である。
【
図30】
図26に示す箱の箱盖と箱本体が閉めた状態の断面図である。
【
図31】本発明の一つの好適な実施形態による箱の斜視図であり、箱盖の開き角度を制限できる折り畳み位置制限メンバを含む。
【
図35】本発明の一つの好適な実施形態による箱の斜視図であり、箱本体に対する箱盖の開き角度を任意に決められる自己位置決めアセンブリを含む。
【
図37】
図35に示す自己位置決めアセンブリの分解状態の断面図である。
【
図38】
図35に示す自己位置決めアセンブリが組み立てた状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0064】
本明細書中、任意の実施例において方向に関する記載について、例えば、「上/下」、「左/右」、「頂部/底部」などは、説明し易いために図面自身に基づく方向を言い、本発明を限定することではない。
【0065】
図1と
図2に示すような本発明による第一実施例において、複合構造板1は主に三つの部材で構成されて、それは、正常に使用される際に外側を向くパネル2、粘着剤又は実行できる他の任意形態によってパネルに固定され一体に連結される底板3、並びにパネル2と底板3との周辺部分に設置される補強具4である。
【0066】
パネル2は、実質的に同一の平面に位置する本体部分2cと、当該本体部分2cを下方に折り曲げて形成され前記本体部分の周りを囲んでいる周辺部分2aとを備え、且つ、パネル2が正常に使用される際に外側を向く上面と、正常に使用される際に内側を向く下面とを備える。底板3には、実質的に均一に分布している一体成型された複数の突起又は突起配列3aが形成され、パネル2の下面が熱溶接によって、複数の突起3aの頂面に粘着されて支持され、さらに、底板3の周方向縁部が水平方向に沿ってパネルの周辺部分2aの内面に当接される。接着剤が突起3aの頂面に塗布されて、パネル2の下面と点状の接着が形成することが好ましい。
【0067】
パネル2は、ブリスタープラスチック板であってもよく、或いは射出成型工程によって成型されてよい。底板3は、パネルと同様の成型工程を採用して成型されてもよいが、ブリスター成型工程を採用して一体に成型されることもある。図面に見られる底板3に、断面円錐形状の突起又は突起配列3aが均一にジグザグ状に形成されているが、突起3aの形状、深さ又は排列形態が、実際要求に応じて調整し変化してもよい。
【0068】
補強具4は、金属で作られることが好ましく、鋼で作られることがさらに好ましいが、同様に、硬質プラスチックで作られてもよく、複合構造板に強度の強化を提供する目的を実現すればよい。
【0069】
上記のように複合構造板が三つの部材で形成されるが、本願において保護しようとする、このような強度を顕著に増強し且つ構成部材の点数を減少した複合構造板を、「二層複合構造板」と称するのは、パネル2と底板3との間の補強具4が実際に、複合構造板の周辺部分でのみ両者を互いに接続されているからである。
【0070】
図2は、
図1におけるA部分の拡大図であり、具体的に、補強具4の具体的な構造及びパネル2と底板3との接続形態を示している。当該実施例における補強具4は、横断面が矩形状又は方形状である枠状構造であり、当該枠状構造が中空であってもよく、或いは補強具4の断面形状が閉鎖されたフレームである。パネル2の周辺部分2aは、下方に折り曲がってから下方に延出し、補強具4の最外側の垂直辺は、下方を向く周辺部分2aに貼り付け、その下端が、水平方向に沿って外側に僅かに突出して一体式のフランジ4aを形成し、パネル2の下方に延出する延出部分の自由端2bが、前記フランジ4aの末端と延出部の外面とが実質的に整列されるように、きっかりフランジ4aに支持されている。
【0071】
より具体的に、パネル2における本体部分2cを下方に折り曲げて形成された周辺部分2aは、本体部分2cと実質的に垂直する方向に沿って下方に延出して延出部となり、補強具4の頂面は、パネル2の本体部分2cと略平行であり、且つ底板3の下面に当接し、また、補強具4の最外側の垂直な面は、周辺部分2aの垂直延出部の内面に当接し、さらに、当該垂直な面の下端が、外側に突出してフランジ4aを形成し、パネル2の延出部の自由端2bがフランジ4aに支持されている。
【0072】
図2に示された補強具4の断面は、矩形状又は方形状の形状を呈するが、それを、補強具4の位置と構造を観察し易いために比率を拡大したものと考えればよい。実際製品における補強具4の長さ対幅比は、実際の設計要求に応じて大きく又は小さくしてもよい。また、
図2に示された補強具4の断面は、閉鎖された枠状構造であるが、他の実施形態において、補強具4は、例えば背中合わせの「ダブルL形状」構造を呈するように、いずれの縁部で切断されてもよい。
【0073】
図2における補強具4の頂部は、上記のように、例えば粘着剤等によって底板3に一体に固定され粘結されてもよいし、机械加工の形態によって底板3の底面に一体に挟まれてもよい。補強具4の最左側辺とパネル2の下方に延出する周辺部分2aの内面が強固に貼り付けて位置を保持するために、補強具4の左側辺とパネル2の内面との間に、同様に接着剤等を塗布し、位置を揃えてから熱溶接によって固定接続を行ってもよい。
【0074】
図2において、底板3の最外側は、突起を具備しない平坦な部分であり、当該部分が、底面が平面であり且つ幅が補強具4の幅よりも大きい窪み部3bになるように、パネル2の方向に向かって僅かに上方に凹むため、補強具4の頂面が底板3の窪み部3bの下面に固定されて接続されるように、補強具4の頂面が窪み部3bの内に放置することができることも示した。ここで、固定接続は、同様に、粘着剤を塗布してから熱溶接を行うことによって実現される。
【0075】
図2において、補強具4の左下部位にフランジ4aが形成され、当該フランジを介してパネル2に対する補強具4の確実な位置決めと支持を実現できることも明確に示した。
【0076】
具体的に、補強具4が底端、即ち
図2に観察される最下側面を備え、当該最下側面と、補強具4のパネル2と接続される頂端を対置させる。パネル2と底板3と補強具4の組み立てを完成させると、補強具4の最下側面が二層複合構造板の最底端を形成し、当該最底端は、例えば、完全に連繋される補強フレームであってもよく、例えば金属フレーム又は硬質プラスチックフレームである。間欠的又は部分的な補強フレームであってもよく、例えば金属フレーム又はプラスチックフレームであることが考えられる。
【0077】
補強フレームの幅は、パネル2の下縁の幅よりも十分に大きく、複合構造板の強度を強化するだけではなく、複合構造板を支持する機能も果たす。一方、補強具4の厚さは、プラスチックパネル2の厚さの0.2倍、0.4倍又は1.0倍になってもよい。
【0078】
図3は、本発明による第二実施例を示し、第一実施例と類似するのは、当該実施例による複合構造板が三つの部材で形成され、即ち、三つの部材は、正常に使用される際に外側を向くパネル2、粘着剤又は実行できる他の任意形態によってパネルに固定されて一体に連結される底板3、及び少なくとも一部がパネル2と底板3との周辺部分に設置される補強具4である。
【0079】
図3に示されるような第二実施例において、パネル2の左右両端はそれぞれ、断面
がL形状である中空枠状構造の補強具4を備え、左側の補強具4と右側の補強具4が鏡面対称に配置されるとともに、二つの補強具4のうちいずれ一方の一つの直角辺が、頂板2と平行に頂板2の下面に密着され、互いに密着される位置に接着剤を塗布してから、熱溶接によって更なる強固な結合を実現することができる。
【0080】
図4は、本発明による第三実施例を示し、その中、二層複合構造板の各部材の構成、相対位置、及び接続形態等は、いずれも上記第一、第二実施例に記載されている内容と同一又は類似し、それらの間の主な相違は、下記の二つがある。
【0081】
一つ目は、パネル2又は外側を向く表面に、窪み部又は掴み部5が形成され、当該窪み部又は掴み部が、複合構造板で組み立てた家具の最外面に位置し、例えば、ユーザーが扉を容易に開閉し又は複合構造板自身を容易に掴むように、戸棚の扉に形成することである。掴み部5の形状設計が人間工学に符合することが好ましく、ユーザーの操作を区別するため、ユーザーの使用体験を向上する。
【0082】
二つ目は、補強具4の形状が
図3に示されたような「L」形状を呈し、当該L形状構成の縦方向部分と横方向部分との比率は、実際の要求に応じて調整でき、例えば、縦方向部分が横方向部分よりも長く又は短くしてもよいことである。つまり、当該実施例において、補強具4は、横断面がL形状の枠状構造であり、前記L形状の最外側の垂直辺の底端が外側に突出してフランジ4aを形成し、パネル2の周辺部分2aの下方に延出する自由端2bがフランジ4aに安定に支持される。
【0083】
より具体的に、補強具4は、断面が略L形状の中空枠状構造4であり、当該L形状の中空枠状構造における一つの直角辺が、底板3の突起3aに近づく最内側に位置し且つパネル2に垂直であり、当該中空枠状構造における外側に位置する階段形状の表面の最下端は、外側に突出してフランジ4aを形成しており、パネル2の周辺部分2aは、本体部分2cに実質的に垂直な方向に沿って下方に連続的に折り曲がって階段状の延出部となり、当該階段状の延出部の形状が、前記中空枠状構造の階段形状の表面の形状とマッチする。パネル2の階段状の延出部の自由端2bは、前記フランジ4aに安定に支持される。
【0084】
図4に示す第三実施例において、パネル2は、縁部、即ち周辺部分2aの形状が、第一と第二実施例と異なる。パネルの周辺部分2aの形状が補強具4の形状とマッチし、即ち、周辺部分2aに補強具4のL形状構成が貼り付けされて同様にL形状の構造を呈することは、
図4より明確に分かる。このような形状上の相互マッチングによって、パネル2の造型の変化が多様になり、外観がさらに良くなるだけではなく、パネル2と補強具4との固定結合がさらに実現され、複合構造板の全体強度を強化することができた。勿論、パネル2は、第一実施例と第二実施例に記載された構成、即ち、一回だけ折り曲げることを採用してもよい。
【0085】
図5と
図6は本発明による第四実施例を示し、上記第一、第二、第三実施例と類似し、当該第四実施例による複合構造板が同様に三つの部材で形成され、即ち、三つの部材は、正常に使用される際に外側を向くパネル2、粘着剤又は実行できる他の任意形態によってパネルに固定され一体に連結される底板3、及び少なくとも一部がパネル2と底板3との周辺部分に設置される補強具4である。
【0086】
図5より、左側の補強具4と右側の補強具4が実際状況に応じてそれぞれ、横断面形状が異なる二種の補強具を採用してパネル2と底板3との接続を行ってもよいことが分かる。対応的に、パネル2の形状が、補強具4の構成の変化に従って適応的にマッチしてよい。このように、異なる要求に基づいて、異なる形態の組み立てを実現し易い。
【0087】
第四実施例の二層複合構造板の各部材の構成によれば、相対位置、接続形態、補強具4の幅、厚さ等、いずれも、上記第一実施例に記載されている内容と同一である。
【0088】
第四実施例と第一実施例との明らかな相違の一つは、パネル2と底板3との間が密着であるか又は一定の距離をあけているかのことである。
図2に示す第一実施例において、補強具4の上方でパネル2の本体部分2cと底板3との間に、相対的に大きい間隔が存在することが分かり、複合構造板の強度を強化するために、その間に、横方向に延出し又は補強具4の縦方向と平行に延出する一つ又は複数の補強リブが、さらに設置されてもよい。しかし、第二乃至第四実施例において、パネル2の本体部分2cと底板3の外側周辺とが緊密に貼り付けられることが分かり、即ち、底板3と補強具4が接続される位置において、パネルと底板と補強具との間に一切間隙が存在しない。
【0089】
一方、
図11は本発明による第五実施例を示し、図面に示されたように、補強具4の横断面が
「二重逆L形状」構造であり、当該
二重逆L形状が同一の縦辺5を共有し、当該縦辺5は、パネル2の下面に当接するまで本体部分2に実質的に垂直
な方向に沿って延出しており、且つ、当該縦辺は周辺部分2aの内面に密着されて延出し且つ当該周辺部分の内側に位置し、外側に位置する
逆L形状構造の横方向外側に延出する底辺は、周辺部分2aの延出部の最下端を囲んで上方に折り曲がって、周辺部分2aの底側縁を囲む。
【0090】
一つの好適な実施形態としては、当該第五実施例において、二重逆L形状構造の縦辺の末端が、パネル2の本体部分2cと実質的に平行する方向に沿って内側に水平に折り曲がって、底板3の縁部にきつく押し付けられる。
【0091】
外側のL形状構造の横方向外側に延出する底辺がパネル2の周辺部分2aの底側縁の少なくとも一部を緊密に囲むことによって、両方間の固定接続がさらに実現される。これは、任意の現有工程技術又は任意の現有道具を介して完成できる。囲まれた領域は、縦方向で、パネルの周辺部分2aの五分の一、四分の一、又は三分の一などを占めし、側方向で、即ち、パネル2の周方向に沿って、パネルの周辺部分2aの縁部全体を囲み、或いはパネルの周辺部分2aの縁部を間欠的に囲むことができる。
【0092】
以上の各任意実施例において、フランジ4aの外側に延出する末端が、周方向部分2aの延出部の外面と実質的に整列されてもよい。形成されたフランジ4aが周方向部分2aの延出部に対して僅かに外側にオフセットすることが好ましく、得られる複合構造板が緩い外縁を具備するため、ユーザー又は服に傷付けることなどを避ける。
【0093】
同様に、補強具4の断面が二重逆L形状構造である第五実施例において、外側の逆L形状における周辺部分2aを囲む下縁を形成する横方向辺も、ユーザー又は服に傷付けることなどを避けるように、緩い又は滑らかな角を備えることが好ましい。
【0094】
図7Aと
図7Bは、本発明の好適な実施形態による複合構造板の補強具の断面図を例示的に示し、その中、補強具のフランジ4aの下側に、下方に延出する翼部4bを設置してもよい。
【0095】
図8は、二層複合構造板のパネル2の頂面又は最外面1aを示し、それが平坦で均一な面であり、例えば
図9と
図10に示す戸棚の頂部表面1aとして使用される。プラスチックで作られるパネル2の頂面1aには、複合構造板が天然素材を模倣した外観を具備するように、天然木材又は石材を模倣した表面模様を有する貼り付け面が付着されることが好ましい。複合構造板の表面には、それがさらに、自然や見栄よくみえるように、各種の形状にブリスター成型された凹溝を具備してもよい。この場合に、補強具4の互いに補完する表面は、対応する凹溝を金型で作って、ブリスタープラスチックパネル及び/又は底板を支持すると同時に、複合構造板の強度を強化してもよい。その中、補強具4は、延伸及び巻上又は屈曲を経て形成されてもよい。
【0096】
図9と
図10は、本願の任意実施例による複合構造板を組み立て完成した戸棚を示した。複合構造板1は、家具、例えば戸棚の頂部板、底部板、側板等として使用される。
【0097】
各実施形態において、プラスチックパネル及び/又は底板は、ブリスタープラスチック又は射出プラスチックの補強具であってもよく、成型又は延伸の補強具であってもよい。
【0098】
本願において、一つの実施形態に記載されている構成は、他の実施形態に適用できる。上記の戸棚に用いられる複合構造板は、勿論、机、棚、背もたれ、本戸棚又は食器戸棚の仕切り板、引き出し及び他の家具部材に用いられる。
【0099】
図12乃至
図15は、本発明の複合構造板で組み立てて完成された箱200を模式的に示し、この箱200が、箱盖210、底板220及び複数の側板230を含み、これらの側板230が、頭部と尾部が順に繋ぎ合わせて接続され、隣接する二つの側板230の間に繋ぎ目240が形成される。前記側板230が一体に接続されるパネル231及び補強具232を含み、前記補強具232が前記パネル231周りの縁に沿って設置され、頭部と尾部が隣接する二つの側板230において、一の側板230の補強具232が外側に延出して翼部2321になり、翼部2321が縦方向に設置される縦長構造であり、前記翼部2321が外部から二つの側板230の間の繋ぎ目240を隠す。
【0100】
前記パネル231の周りが内側に向けて折り曲がって折辺2311を形成され、前記折辺2311が外側から前記補強具232を囲み、前記補強具232にフランジ2322が設けられ、前記フランジ2322が前記折辺2311の縁を押さえることが好ましい。パネル231がより緊密に補強具232と一体に貼り付けられるように、前記補強具232のフランジ2322によってパネル231の折辺2311を押さえて、全体的な構造がよりコンパクトで強固となり、翼部2321がフランジ2322の下側で下方に向けて延出する。
【0101】
箱は、前後左右の四つの側板230を含み、四つの側板230で矩形状の枠構造が囲まれて、前記箱盖210が矩形状の枠構造にヒンジ接続され、上面の開口を覆うように使用され、前記底板220が矩形状の枠構造の下面の開口を覆う。前後二つの側板230が左右二つの側板230を挟んで、前後の側板230の補強具232に前記翼部2321が形成され、即ち、前、後側板230の補強具232の左右両側にも翼部2321を設けることが好ましい。
【0102】
本発明による複合構造板を含む箱又は戸棚は、下記のメンバ又はアセンブリを含んでもよい。
【0103】
接続アセンブリ
【0104】
図16乃至
図20は、本発明による複合構造板で組み立てて完成した箱300を例示的に示し、この箱300は、矩形状の六面体構造を呈し、箱盖(図示せず)、底板320及び前側板、後側板、左側板と右側板の四つの側板330を含み、前記側板が本発明による複合構造板で形成される。隣接する二つの側板330の間が取り外し可能に一体に係合し接続される。側板330の底部に、いずれも支持台331が設けられ、底板320の周辺部分が水平に外側に延出して位置決め辺321を形成し、位置決め辺321がそれぞれ、前側板、後側板、左側板と右側板の支持台331に掛ける。前記箱は、複数の底板固定柱340をさらに含み、前記底板固定柱340と側板330が、一体にスナップ接続されて、前記位置決め辺321を前記支持台331に圧着する。側板と側板との間が着脱可能であり、底板固定柱340を取り外した後にも底板320を外せるので、組み立てと取り外しとも非常に便利である。
【0105】
前記箱の箱盖、底板320及び側板330が、いずれもプラスチック板であり、底板固定柱340もプラスチック部材であることが好ましい。底板320の周りの位置決め辺321に固定穴が設けられ、側板330の支持台331に、前記固定穴に対応する取付穴が設けられ、前記底板固定柱が固定穴と取付穴を通して側板に一体に係合し接続されて、底板の位置決め辺を側板の支持台に圧着する。
【0106】
隣接する二つの側板330の間は、位置制限柱350と位置制限穴360によって一体に係合し接続され、位置制限柱350と位置制限穴360がそれぞれ、隣接する二つの側板330に設置されることが好ましい。位置制限柱350は、一方の側板に設置されるとともに、自由端が太い頭部352を具備する。位置制限穴360は、前記側板に隣接する他方の側板に設置され、前記位置制限穴360は、幅が一端から他端までだんだん大きくなる。位置制限柱350の頭部352は、前記位置制限穴360の幅広い一端から挿入して幅が狭い一端と係合し接続される。
【0107】
左右の両側板330は、前後の両側板330の間に挟持され、左右側板の側面に、いずれも前記位置制限柱350が設けられ、前後側板の内側縁位置に、いずれも位置制限穴360が設けられ、前記位置制限穴360は、上方が狭く下方が広いことが好ましい。取り付けの際に、左右側板の位置制限柱350を前後側板330の位置制限穴360の広い一端から挿入させ、前後側板330が、位置制限柱350の頭部352が位置制限穴360の狭い一端に係合し接続されるように自重によって沈下して、左右側板を前後側板に一体に取り付ける。
【0108】
前記側板330はフレーム332とパネル333を含み、フレーム332が縦に直立し、パネル333の周りが前記フレーム332を囲むことが好ましい。前記フレーム332底辺の上面が前記側板の支持台331を形成する。好ましくは、前記パネルがブリスター板であり、フレーム32を設置することによって、前記側板の強度を保証すると同時に、前記パネルの厚さが小さくなり、素材をさらに節約するだけでなく、箱本体の重量がさらに軽量になるこ。前記底板320を直接的に前記フレーム底部の上面とスナップ接続させることによって、構造が簡単で強固である。前記位置制限柱と位置制限穴は、いずれもフレーム332に成型される。
【0109】
箱の搬送をし易いために、左右側板330のパネル333には、内側に向かって凹んだ凹溝3332が対称的に設けられることが好ましい。
【0110】
前記底板320がブリスター板であることが好ましい。前記底板320の四つの辺は、いずれも上方に折り曲がって止め辺322を形成し、前記止め辺322の上縁が、水平に外側に延出して前記位置決め辺321を形成する。前記底板320の中間部分に、規則的に排列される複数の凹部が形成されることが好ましく、凹部の設置によって、前記底板の支持力がより強く、構造がより安定となる。
【0111】
ヒンジアセンブリ
【0112】
図21乃至
図25は、本発明の複合構造板で組み立てて完成した箱400を例示的に示し、特に、箱盖410と箱本体420を枢動可能に一体に接続されるヒンジアセンブリを示し、当該ヒンジアセンブリがプラスチック材質であり、第一ヒンジメンバ411と第二ヒンジメンバ421と枢軸メンバ430とを含むことが好ましい。前記第一ヒンジメンバ411と第二ヒンジメンバ421は、形状が同一であり、いずれも固定部413、423と、固定部413、423からそれに垂直に延出する一つ又は複数の枢動部412、422とを備え、固定部が、箱盖又は箱本体に接合し固定されることに用いられ、枢動部において、固定部と平行に延出する枢動可能に枢軸430を受容するための貫通穴414、424が設置されている。枢動部412、422はそれぞれ、複数であるとき、枢動部412、422がそれぞれ、固定部413、423に沿って間隔をあけて分布し、枢動部を収納できるように間隔が設置され、各枢動部における貫通穴が、第一ヒンジメンバ411と第二ヒンジメンバ421が互いに接続して枢軸メンバ430が受容されるように、互いに同軸である。第一ヒンジメンバ411が箱盖410の後部の補強具の底部に固定され、第二ヒンジメンバ421が箱本体420の後側板の頂部補強具の後側の凹部に固定され、貫通穴414と貫通穴424が揃って枢軸メンバ430を受容するように、第一ヒンジメンバ411と第二ヒンジメンバ421の位置が互いマッチすることが好ましい。枢軸メンバ430の近端にはフランジ432が設けられ、遠端には、近い側から遠い側に向けて延出する、径方向内側に撓曲可能な複数の弾性アーム434が枢軸メンバ430の遠端に形成されるように、遠い側から近い側に向けて延出する一つ又は複数のV形状の切欠溝が設けられることが好ましく、このように、枢軸メンバ430全体が一体構造であり、枢軸メンバ430の取り付けと取り外しを行うときに、押さえ力に強く、断裂し難しい。各弾性アーム434の径方向外側面に凸起部436が設置され、弾性アーム434が径方向内側に湾曲するときに、凸起部436が枢動部の貫通穴414、424を通すことができ、弾性アーム434が自然な伸長状態にあるときに、凸起部436が枢動部の貫通穴414、424を通すことができない。取り付けるとき、フランジ432と凸起部436を接続して箱盖に位置する第一ヒンジメンバ411と箱本体に位置する第二ヒンジメンバ421を固定する。このように、第一ヒンジメンバ411と第二ヒンジメンバ421は、枢軸メンバ430に回って自由に枢動回転できる。
【0113】
V形状切欠溝438の数が一つであり、弾性アーム434の数が二つであることが好ましい。
【0114】
弾性アーム434の合流部が滑らかに遷移してなることが好ましい。
【0115】
枢軸メンバ430が一体成型されるプラスチック部材であり、凸起部436が遠側ガイド斜面4362と近側ガイド斜面4364を具備し、枢軸メンバ430の取付と取外がし易いことが好ましい。
【0116】
固定部413、423はそれぞれ、箱盖と箱本体に一体にスナップ接続されることが好ましい。箱本体と盖体を着脱する必要があるとき、より便利となる。
【0117】
箱盖410の固定部413が箱盖410の底面の後側の縁位置に位置し、箱本体420の固定部423が箱本体の後側板の頂部に位置することが好ましい。後側板頂面の外縁に凹部426が設けられ、固定部423が当該凹部426に設置されることが好ましい。凹部426の設置によって、箱本体420と箱盖410との間が閉鎖される状態において、箱盖410の底面と箱本体420の頂面が貼り付けられる。
【0118】
箱本体と箱盖の回転接続構造は、プラスチック材質に制限されず、プラスチック箱に対しも制限されないことを理解すべきである。
【0119】
係鎖アセンブリ
【0120】
図26乃至
図30は、本発明の複合構造板で組み立てて完成した箱500を例示的示し、箱500が、箱本体510と箱本体の開口を覆うための箱盖520とを含み、箱本体510が矩形状構造であり、底板及び前後左右の四つの側板で組み立ててなり、当該箱盖520の後部が箱本体510の後側板511の上縁にヒンジ接続される。前記箱500は、さらに、箱本体510の前側板512の曲げ強度を高めることができる鎖錠アセンブリを備え、前記鎖錠アセンブリは、箱盖の前部に固定される第一鎖錠メンバ530と、箱本体の前側板に固定される第二鎖錠メンバ550と、第一鎖錠メンバに枢動可能に取り付けられる第三鎖錠メンバ540と、を含む。
【0121】
第一鎖錠メンバ530は、その頂部のスナップ係合装置531によって箱盖520の前部補強具522の底部に挿接されて全体が逆U形状に形成され、箱盖を閉じたときに、箱本体の前側板512の頂部補強具5123の少なくとも一部が、前記逆U形の凹部の中に受容されることが好ましく、箱本体前側板512の曲げ強度を向上する。
【0122】
第一鎖錠メンバ530の前部に水平な接続棒532が設置され、第三鎖錠メンバ540の頂部に鉤状部541が設置され、前記鉤状部541が、前記水平な接続棒532に掛けてそれを回って所定の範囲で回転できることが好ましい。
【0123】
第二鎖錠メンバ550は、その後側のスナップ係合装置551によって箱本体の前側板512の頂部補強具5123の前側に挿接され、第二鎖錠メンバ550の頂部が後方に湾曲して水平な折曲部552を形成し、前記折曲部552が、箱本体の前側板512の頂部に設置される階段部5127に位置し、箱盖を閉じたときに、第二鎖錠メンバ550と第三鎖錠メンバ540が一体にラッチロック又はロックされることが好ましい。
【0124】
箱盖520には、箱盖の強度を向上するための補強棒523が設けられ、当該補強棒523が、箱盖520を左右の二つの部分に分けることが好ましい。
【0125】
箱本体510の前側板512には、前側板の強度を向上するために補強棒5125が設けられ、当該補強棒5125が直立に設置されて前側板512を左右の二つの部分に分けることが好ましい。
【0126】
鎖錠アセンブリは、プラスチックで作られることが好ましい。
【0127】
折り畳み位置制限メンバ
【0128】
図31乃至
図34は、本発明の複合構造板で組み立てて完成した箱600を例示的示し、箱の箱盖610と箱の箱本体とが回転できるように一体にヒンジ接続され、前記箱本体は、四つの側板620と一つの底板630で組み立ててなる。箱600は、さらに、箱本体に対する箱盖610の開き角度を制限するための折り畳み位置制限メンバ640を含み、前記折り畳み位置制限メンバ640は、折り曲げ可能な細長い棒状メンバであり、2つの各端部にそれぞれ、側方向突起部641が設けられる。前記箱盖610の側部補強具612における箱盖610が箱本体の枢動部650に対して所定の距離で離れた箇所には、第一受容穴6122が設けられ、前記箱本体の前記第一受容穴6122と同一側の側板620の頂部補強具622における箱盖610が箱本体の枢動部650に対して所定の距離で離れた箇所には、第二受容穴6222が設けられる。折り畳み位置制限メンバ640の二つの端部の側方向突起部641はそれぞれ、枢動可能に第一受容穴6122と第二受容穴6222に挿入される。箱盖610を開けた後に、折り畳み位置制限メンバ640が平らに引っ張られて、第一受容穴6122と前記第二受容穴6222と前記枢動部650の三者が平面に投影され形成された三点の連結線が、一つの鈍角三角形を構成する。即ち、折り畳み位置制限メンバ640の長さによって、使得箱盖610が箱本体に対して90度以上回転できるが、180度を超えなく、このように、箱盖610を開けた後に、箱盖610が自重と折り畳み位置制限メンバ640の引張力に基づき、開位置に安定に保持される。
【0129】
前記折り畳み位置制限メンバ640は三段式構造であり、中部の弾性本体部642及び両端の接続端部643とを含み、前記弾性本体部642の形状は、折曲に適する扁平なベルト状であり、接続端部643が扁平端部であり、弾性本体部642と接続端部643が互いに垂直であり、二つの側方向突起部641がそれぞれ、二つの接続端部643に設置され、前記側方向突起部641と弾性本体部642が前記接続端部643の両側に位置し、即ち、折り畳み位置制限メンバ640の全体形状が弓形であることが好ましい。
【0130】
折り畳み位置制限メンバ640は、PE又はHDPE又はPPで一体成型されることが好ましい。
【0131】
前記折り畳み位置制限メンバ640が箱の内側に位置することが好ましい。これによって、箱盖610を閉じたとき、当該折り畳み位置制限メンバ640が箱本体の内部に位置する。このように、箱の外観がさらに簡潔となり、箱を搬送するときに折り畳み位置制限メンバ640が他の部品に引っ掛けることを避ける。
【0132】
自己位置決めアセンブリ
【0133】
図35乃至
図39は、本発明の複合構造板で組み立てて完成した箱700を例示的に示し、箱の箱盖750と箱の箱本体が枢動可能に一体にヒンジ接続され、前記箱本体が、側板740と底板で組み立ててなる。箱700は、箱本体に対する箱盖の開き角度を所定の角度範囲内で任意に決められる自己位置決めアセンブリを含み、該自己位置決めアセンブリは、
箱本体の左側板740及び/又は右側板740の頂部補強具742に固定される固定座720であって、、垂直方向に延出し固定座720の頂面と底面を貫通するスライド溝721と、横方向に延出し且つ前記スライド溝と連通して固定座720の箱本体内側を向く側面を貫通する保持穴722とが設置される、固定座720と、
一端が箱盖750の対応する側部補強具752にヒンジ接続され、他端がスライド溝721を通して延出する支持棒710であって、スライド溝721内にスライドとスイングできるように、スライド溝721の幅を自分の幅よりも大きくする、支持棒710と、
保持穴722内に設置され支持棒710に圧力を付勢することに用いられ、当該圧力による支持棒710に対する摩擦力が箱盖750の自重に対抗して箱盖750が開位置に保持されることができ、前記摩擦力に対抗するときに前記支持棒710がスライド溝721内にスライドとスイングできる、締結アセンブリとを含むことが好ましい。前記圧力の大きさを前記締結アセンブリによって調整できる。
【0134】
前記保持穴722の内面に雌ねじが設置され、前記締結アセンブリは、
保持穴722内に設置されるとともに、保持穴に沿って移動可能な圧着ブロック730と、
雄ねじが保持穴722の雌ねじと螺合可能なボルト770と、
保持穴722内に設置され圧着ブロック730とボルト770との間に位置し、圧着ブロック730に弾力を付勢するための弾性部材760、とを含むことが好ましい。ボルト770を回転することによって、弾性部材770が圧着ブロック730に付勢する圧力を調整でき、圧着ブロック730と支持棒710との間の摩擦力を調整できる。
【0135】
弾性部材760が圧縮スプリングであり、圧着ブロック730に凸台が設置され、圧縮スプリングは、一端が凸台に嵌設されるとともに、他端がボルトの端部に当接されることが好ましい。
【0136】
支持棒710のスライド溝721を通した他端には、支持棒710がスライド溝721から脱離することを防止するためのストッパー711が設置され、該ストッパー711が、スライド溝721を通すことができないように設計されることが好ましい。
【0137】
前記ストッパー711が鉤状部であることが好ましい。
【0138】
自己位置決めアセンブリは、さらに、ヒンジ連結座780を含み、ヒンジ連結座が箱盖750の側部補強具752に接続され、支持棒710の一端がヒンジ連結座とヒンジ接続されることが好ましい。
【0139】
ヒンジ連結座780には、位置決めピン781が設置され、箱盖750の側部補強具752には、縦方向に分布し位置決めピン781を受容するための複数の位置決め穴7521が設置されることが好ましい。位置決めピン781は、そのうち一つの位置決め穴7521に挿接される。複数の位置決め穴7521が設置されているため、位置決めピン781を選択された位置決め穴7521に挿入することによって、箱盖750の最大開き角度を予め設定することができる。
【0140】
箱本体の左側板740及び/又は右側板740の頂部補強具742に、係合溝が設置され、固定座720が前記係合溝に取り付けられることが好ましい。
【0141】
箱盖750を閉じたときに、自己位置決めアセンブリが、箱本体と箱盖で形成された収納空間内に位置し、箱本体の外観がさらに簡潔となり、支持棒710が周囲の他の部品に引っ掛けることを避けることが好ましい。
【0142】
支持棒710と固定座720とヒンジ連結座780がプラスチックによって作られることが好ましい。
【0143】
上記のように、多様な実施形態に対して例示と説明を行った。勿論、本発明の思想と範囲を脱離しない限り、各種の変更と置換を行うことができる。このため、添付される特許請求の範囲及びそれと均等な範囲に限り、本発明は他に制限されない。