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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-21
(45)【発行日】2024-01-04
(54)【発明の名称】摩耗部材、エッジおよび設置プロセス
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/28 20060101AFI20231222BHJP
【FI】
E02F9/28 A
【請求項の数】 35
(21)【出願番号】P 2020552226
(86)(22)【出願日】2019-03-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-12
(86)【国際出願番号】 US2019025053
(87)【国際公開番号】W WO2019191724
(87)【国際公開日】2019-10-03
【審査請求日】2022-03-09
(31)【優先権主張番号】62/650,921
(32)【優先日】2018-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/654,030
(32)【優先日】2018-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518269669
【氏名又は名称】エスコ・グループ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】ウッド,クリントン・アンソニー
(72)【発明者】
【氏名】リーダム,キャメロン・アール
【審査官】五十幡 直子
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第02913446(EP,A1)
【文献】米国特許第07472503(US,B2)
【文献】特表2017-514049(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/28
E02F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
土工機器の土工エッジ用のシュラウドであって、
前端と、
前記エッジにまたがる対向する第一と第二の面と、前記第一の面と前記第二の面の間に延びる前面とを含む後向きに開口するキャビティであって、前記第一の面が、前記エッジのボスに対して支持するために対向する平面状の支持面を有する凹部を含み、前記対向する支持面は前記前面に向かって収束し、前記第二の面は、前記エッジの第二のボスを支持するように、対向する側方支持面を有する凹部を含む、後向きに開口するキャビティと、
各ボスの後方にロックを受け入れるように、前記第一と第二の面の一方に開口する、ロックを受け入れる開口部と、
を有する、シュラウド。
【請求項2】
前記第二の面が、対向する側方支持面を有する凹部を含み、前記エッジ上のボスを支持する、請求項1に記載のシュラウド。
【請求項3】
土工機器の土工エッジ用のシュラウドであって、
前端と、
前記エッジにまたがる対向する第一と第二の面と、前記第一の面と前記第二の面の間に延びる前面とを含む後向きに開口するキャビティとを含み、前記第一および前記第二の面のそれぞれが、前記エッジのボスを受容するための凹部を含み、前記第一の面の前記凹部が、前記第一の面の凹部の前部から後部に延びる中心線である第一の長手方向軸線を有し、前記第二の面の凹部は前記第二の面の凹部の前部から後部に延びる中心線である第二の長手方向軸線を有し、前記第二の長手方向軸線は前記第一の長手方向軸線に対して横方向に角度的に配向しており、
前記それぞれの凹部が、前記受容されたボスに対して支持するために対向する支持面を含み、前記第一の面の前記凹部内の前記対向する支持面が、前記前面に向かって収束する、シュラウド。
【請求項4】
前記第一の面の凹部が、前記第一の面の凹部の前部から後部に延びる中心線である第一の長手方向軸線を有し、前記第二の面の凹部は前記第二の面の凹部の前部から後部に延びる中心線である第二の長手方向軸線を有し、前記第二の長手方向軸線は前記第一の長手方向軸線に対して横方向に角度的に配向している、請求項1から3のいずれか一項に記載のシュラウド。
【請求項5】
土工機器の土工エッジ用のシュラウドであって、
前端と、
前記エッジにまたがる対向する第一と第二の面と、前記第一の面と前記第二の面の間に延びる前面とを含む後向きに開口するキャビティであって、前記第一の面が、前記エッジのボスを支持するように対向する第一の支持面を有する凹部を含み、前記第一の支持面は前記前面に向かって収束し、前記第二の面は、前記エッジのボスを支持するように対向する第二の支持面を有する凹部を含み、前記第一の支持面の一方が前記第二の支持面に平行であり、前記第一の支持面の他方が前記第二の支持面を横断する、前記後向きに開口するキャビティと、
を有するシュラウド。
【請求項6】
土工機器の土工エッジ用シュラウドであって、
前端と、
前記エッジにまたがるよう対向する第一と第二の面と、前記第一の面と前記第二の面の間に延びる前面とを含む後向きに開口するキャビティであって、前記第一の面が、前記エッジの第一のボスを受容するための凹部を含み、前記第一の面の前記凹部が、前記第一の面の前記凹部の前部から後部に延びる中心線である第一の長手方向軸線を有し、前記第二の面が、前記エッジの第二のボスを受容するための凹部を含み、前記第二の面の前記凹部が、前記第二の面の前記凹部の前部から後部へ延びる中心線である第二の長手方向軸線を有し、前記第二の長手方向軸線が前記第一の長手方向軸線に対して横方向に角度的に配向される、前記後向きに開口するキャビティと
を有する、シュラウド。
【請求項7】
前記第一の面の前記凹部が、前記第一のボスに対して支持するために支持面を含む、請求項6に記載のシュラウド。
【請求項8】
前記第一の面の前記凹部内の前記支持面が平面状である、請求項3、4または7のいずれか一項に記載のシュラウド。
【請求項9】
前記支持面が、10~40度の角度で相互に収束する、請求項1または8に記載のシュラウド。
【請求項10】
前記それぞれのボスの後方にロックを受けるように、前記第一および第二の面の一つに開口するロック受け用穴を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のシュラウド。
【請求項11】
前記平面状の支持面の後方に前記第一の面に開口するロック受け用穴を含む、請求項1、8または9のいずれか一項に記載のシュラウド。
【請求項12】
ボスの後方にロックを受容するよう、前記第一の面に開口するロック受け用穴を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のシュラウド。
【請求項13】
前向きのリーディング面と、前記前向きのリーディング面がバケットの幅に平行に延びる一次セグメントと、前記前向きのリーディング面が前記一次セグメントに対して傾斜している移行セグメントとを有するバケットリップのシュラウドであって、
前記シュラウドが、
前端と、
前記シュラウドが前記前向きのリーディング面の一部に重なるように、前記リップを受容するために後向きに開口するキャビティであって、第一および第二の対向する面と、前記第一の面と前記第二の面との間に延在して前記前向きのリーディング面に対向する前面とを含むキャビティと、
主軸が延びる長さを備えた細長い構成を有するロック受容開口部と、を含み、
前記前面および前記主軸が、前記キャビティ内に受容される前記移行セグメントの前記前向きのリーディング面に略平行であるように傾斜している、シュラウド。
【請求項14】
前記第一の面が、前記エッジのボスに対して支持するために対向する支持面を有する凹部を含み、前記支持面は前記前面に向かって収束する、請求項13に記載のシュラウド。
【請求項15】
前記対向する支持面が平面状である、請求項13または14に記載のシュラウド。
【請求項16】
前記支持面が、10~40度の角度で相互に収束する、請求項14または15のいずれか一項に記載のシュラウド。
【請求項17】
前記第二の面が、前記エッジのボスに対して支持するために対向する側方支持面を有する凹部を含む、請求項13~16のいずれか一項に記載のシュラウド。
【請求項18】
前記第一の面の前記凹部が、前記第一の面の前記凹部の前部から後部へ延びる中心線である第一の長手方向軸線を有し、前記第二の面の前記凹部が、前記第二の面の前記凹部の前部から後部へ延びる中心線である第二の長手方向軸線を有し、前記第二の長手方向軸線は前記第一の長手方向に対して横方向に角度的に配向される、請求項1で引用される請求項14に記載のシュラウド。
【請求項19】
土工バケット用のリップ組立品であって、
前向きのリーディング面と、前記前向きのリーディング面が前記バケットの幅に平行に延びる一次セグメントと、前記前向きのリーディング面が前記一次セグメントに対して傾斜している移行セグメントとを有するリップと、
移行セグメントに固定された少なくとも一つのシュラウドであって、
前端と、
前記シュラウドが前記前向きのリーディング面の一部に重なるように、前記リップを受容するために後向きに開口するキャビティであって、第一と第二の対向面と、前記第一の面と前記第二の面との間に延在して前記前向きのリーディング面に対抗する前面とを含むキャビティと、主軸が延びる長さを備えた細長い構成を有するロック受容開口部とを含み、前記前面および前記主軸が、前記キャビティ内に受容された前記移行セグメントの前記前向きのリーディング面に略平行である、シュラウドとを含む、リップ組立品。
【請求項20】
前記第一の面が、前記エッジのボスに対して支持するために対向する支持面を有する凹部を含み、前記支持面は前記前面に向かって収束する、請求項19に記載のリップ組立品。
【請求項21】
前記対向する支持面が平面状である、請求項20に記載のリップ組立品。
【請求項22】
前記支持面が、10~40度の角度で相互に収束する、請求項21に記載のリップ組立品。
【請求項23】
前記第二の面が、前記エッジのボスに対して支持するために対向する側方支持面を有する凹部を含む、請求項19~22のいずれか一項に記載のリップ組立品。
【請求項24】
前記第一の面の前記凹部が、前記第一の面の凹部の前部から後部へ延びる中心線である第一の長手方向軸線を有し、前記第二の面の前記凹部が、前記第一の面の凹部の前部から後部へ延びる中心線である第二の長手軸線を有し、前記第二の長手軸線が、前記第一の長手方向に対して横方向に角度的に配向される、請求項23に記載のリップ組立品。
【請求項25】
掘削バケットのリップであって、前向きのリーディング面と、内面と、外面と、前記前向きのリーディング面が前記バケットの幅と平行に延びる一次セグメントと、前記前向きのリーディング面が前記一次セグメントに対して傾斜している移行セグメントとを含み、少なくとも一つの移行セグメントが、前記内面に第一のボスの前部から後部へ延びる中心線である第一の長手方向軸線を有する前記第一のボスと、前記外面の第二のボスの前部から後部へ延びる中心線である第二の長手方向軸線を有する前記第二のボスとを有し、第二の長手方向軸線は、前記第一の長手方向軸線に対して横方向に角度的に配向される、リップ。
【請求項26】
掘削バケットのリップであって、前向きのリーディング面と、内面と、外面と、前記前向きのリーディング面が前記バケットの幅と平行に延びる一次セグメントと、前記前向きのリーディング面が前記一次セグメントに対して傾斜している移行セグメントと、それぞれが同一であり、前記内面に、複数の第一のボスの少なくとも一つの前部から後部へ延びる中心線である第一の長手方向軸線を有する前記複数の第一のボスと、それぞれが同一であり、前記外面に、複数の第二のボスの少なくとも一つの前部から後部へ延びる中心線である第二の長手方向軸線を有する前記複数の第二のボスとを含み、前記第一のボスのうちの少なくとも一つの前記第一の長手方向軸線が、前記第二のボスの少なくとも一つの前記第二の長手方向軸線に対して横方向に角度的に配向される、リップ。
【請求項27】
掘削バケットのリップであって、前向きのリーディング面と、外面と、前記前向きのリーディング面に隣接するベベル部分および前記ベベル部分の後方の後方部分を有する内面と、前記ベベル部分に固定され、前記後方部分の完全に前方にある複数の第一のボスと、前記外面に固定された前記第一のボスから分離している複数の第二のボスとを含む、リップ。
【請求項28】
前記前向きのリーディング面が前記バケットの幅に平行に延びる一次セグメントと、前記前向きのリーディング面が前記一次セグメントに対して傾斜している移行セグメントとを含む、請求項27に記載のリップ。
【請求項29】
前記第一および前記第二のボスのそれぞれの少なくともいくつかが、各ボスの前部から後部へ延びる中心線である長手方向軸線を有するそのようなボスのそれぞれを有する前記移行セグメントに固定され、前記外面に固定されたこのようなボスの前記長手方向軸線が、前記ベベル部分に固定されたこのようなボスの前記長手方向軸線に対して横方向に角度的に配向される、請求項28に記載のリップ。
【請求項30】
前記第一のボスそれぞれが、前記前向きのリーディング面に向かって収束する一対の平面状の支持面を含む、請求項25~29のいずれか一項に記載のリップ。
【請求項31】
前記支持面が、互いに10~40度の角度で収束する、請求項30に記載のリップ。
【請求項32】
掘削バケットのリップであって、前向きのリーディング面と、内面と、外面と、前記前向きのリーディング面が前記バケットの幅と平行に延びる一次セグメントと、前記前向きのリーディング面が前記一次セグメントに対して傾斜している移行セグメントと、前記内面と前記外面との一方にある複数のボスであって、前記ボスはそれぞれ各ボスの前部から後部へ延びる中心線である長手方向軸線を有し同一であり、少なくとも一つの前記ボスが、その長手方向軸線が少なくとも他の一つの前記ボスの第二の長手方向軸線に対して角度を付けられるように、配向されている、複数のボスとを含む、リップ。
【請求項33】
前記内面および前記外面の他方の一つに複数の第二のボスを含み、前記第二のボスの各々は同一であり、第二の長手方向軸線を有し、前記第二の長手方向軸線は互いに平行である、請求項32に記載のリップ。
【請求項34】
前記第二のボスが前記外面上にある、請求項33に記載のリップ。
【請求項35】
土工機器上の土工エッジに摩耗部材を設置するためのプロセスであって、
キャビティを形成する離間した脚と前面とを含むシュラウドを提供することであって、それぞれの脚が前記エッジ上のボスを受容する対向する支持面によって画定される凹部を含み、前記凹部の一つの前記対向する支持面が前記前面に向かって収束する、前記提供することと、
前記エッジが前記キャビティ内に受容され、一つのボスが一方の前記凹部の前記対向する支持面に沿ってスライドし、一つのボスが他方の前記凹部の前記対向する支持面の一つに近づくように、前記シュラウドを後方に移動させることと、
前記シュラウドの開口部にロックを挿入し、前記シュラウドと前記ボスの一つを係合させ、前記シュラウドを前記エッジに固定することと、を含むプロセス。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の分野は、土工機器のための摩耗部材に関する。
【背景技術】
【0002】
採掘および建設作業中、交換可能な摩耗部材は通常、掘削バケットなどの土工機器を保護するために使用される。使用中、摩耗部材は研磨条件および重量負荷によって徐々に下方に摩耗する。消耗したら、機器から摩耗部材を取り外し、交換する。摩耗部材を使用すると、機器のリップや他の部分など、より高価な基礎機器を修理または交換する必要を少なくするため、掘削やその他の土工作業に費用効果の高いアプローチが提供される。
【0003】
摩耗部材は、機械的手段(例えば、ロックピン、ボルト、またはその他のロック機構)によって土工機器に一般的に固定される。土工作業中に、摩耗部材は、軸方向、鉛直方向、および横方向負荷を含むことができるさまざまな方向の力に晒され得る。耐用年数にわたって摩耗部材を保持することで、クラッシャーなどの下流側の機器への損傷を防ぎ、地ならし機器のメンテナンスダウンタイムを制限し、下の摩耗面への損傷を防ぐ。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、機器に機械的に固定された土工機器用の摩耗部材に関連する。本発明の摩耗組立品は、信頼性が高く、安全で、使いやすく、多用途であり、高い生産性および/または機械のダウンタイムがほとんどないと容易に交換可能である。
【0005】
一つの実施形態では、土工機器のための摩耗部材は、ボスでエッジを受ける。凹部およびボスはそれぞれ、前方に収束しお互いに押し付け合う平面状の支持面を含み、摩耗部材に加えられる荷重をエッジに伝達する。
【0006】
別の実施形態では、摩耗組立品は、エッジに取り付けられたボスの横断支持面を押し付ける摩耗部材の開口部のロックによって土工機器のエッジに固定された摩耗部材を含む。ボスは、前方および横断面から離れるように収束する支持面を有する。ボスの収束する支持面は、対応する前向きの収束表面を有する摩耗部材の凹部内に受容される。一実施例では、支持面は平面状である。
【0007】
別の実施形態では、離間した脚を有する摩耗部材は、土工機器のエッジを受けるためのキャビティを形成する。摩耗部材は、第一の脚の第一の凹部および第二の脚の第二の凹部を含み、エッジに取り付けられた別個のボスを受ける。一つの凹部は前向きに収束する壁を有する。一実施例では、凹部の前向きに収束する壁は平面状である。別の実施例では、ボスは、摩耗部材の開口部内に受容されたロックが押し付ける横断後方支持面を含む。これらの実施例の特徴は、随意に含まれ、または別々に使用され得る。
【0008】
別の実施形態では、離間した脚を有する摩耗部材は、土工機器のエッジを受けるためのキャビティを形成する。キャビティは、エッジに対して支持する脚の間の前面を含む。開口部は一つの脚を通して延び、摩耗部材をエッジに固定するためのロックを受ける。開口部は、キャビティの前面に略平行に延びる主軸を有して、細長く、どちらも使用中のエッジの進行方向に対して角度がある。
【0009】
別の実施形態では、離間した脚を有する摩耗部材は、土工機器のエッジを受けるためのキャビティを形成する。摩耗部材は、第一の脚の第一の凹部および第二の脚の第二の凹部を含み、それぞれがエッジに取り付けられた別個のボスを受ける。第一の凹部の長手方向軸は、第二の凹部の長手方向軸に対して角度を有する。一実施例では、第一の凹部の長手方向軸は、第二の凹部の長手方向軸に対して25度未満の角度で延びるが、他の配向も可能である。
【0010】
別の実施形態では、離間した脚を有する摩耗部材は、土工機器のエッジを受けるためのキャビティを形成する。脚はそれぞれ、エッジに固定されたボスを受容するための凹部があり、一方の脚の凹部の長手方向軸は、エッジの前面に垂直であり、他方の脚の凹部の長手方向軸は、土工機器の操作中エッジの前進方向に平行であり、軸は、互いに対して横方向に角度的に配向されている。
【0011】
別の実施形態では、土工機器の段付きエッジは、エッジの両側に固定された第一および第二のボスを覆うように受容される摩耗部材を取り付ける。一方のボスは、エッジの前面に垂直な長手方向軸を有し、他方のボスは、土工機器の操作中にエッジが前進する方向に平行な長手方向軸を持ち、軸は、互いに対して横方向に角度的に配向されている。
【0012】
別の実施形態では、離間した脚を有する摩耗部材は、土工機器のエッジを受けるためのキャビティを形成する。脚はそれぞれ、エッジに固定されたボスを受容するための凹部を含み、一方の凹部の長手方向軸は、他方の凹部の長手方向軸と平行以外に配向される。一実施例では、一つの凹部は、キャビティの前面に向かって収束する支持面を含む。別の実施例では、一つの凹部は略平行な支持面を含む。これらの実施例の特徴は、随意に含まれ、または別々に使用され得る。
【0013】
別の実施形態では、土工機器のエッジは、エッジの両側に固定された第一および第二のボスを含む。一つのボスは、別のボスの長手方向軸に対して平行以外に配向される長手方向軸を有する。一実施例では、一つのボスは、エッジの前面に向かって収束する支持面を含む。別の実施例では、一つのボスは略平行な支持面を含む。これらの実施例の特徴は、随意に含まれ、または別々に使用され得る。
【0014】
別の実施形態では、キャビティを形成する離間した脚を有する摩耗部材は、エッジの二つの両側のそれぞれにボスを含む土工機器のエッジに取り付けられる。摩耗部材は、一方のボスを軸方向に受容する第一の凹部と、摩耗部材がエッジに取り付けられるときに第一の凹部の長手方向軸に対して横方向にある角度で他方のボスを受容する第二の凹部とを含む。
【0015】
別の実施形態では、キャビティを形成する離間した脚を有する摩耗部材は、土工機器のエッジに取り付けられる。摩耗部材は、エッジに固定された対応するボスを受ける凹部を含む。凹部およびボスは、使用中に互いに対して支持する対応する支持面を含む。摩耗部材の取り付け中、一方の支持面が対応する支持面と平行に移動し、他方の支持面は、対応する支持面に近づく。
【0016】
別の実施形態では、キャビティを形成する離間した脚を有する摩耗部材は、土工機器のエッジに取り付けられる。摩耗部材は、エッジに固定された対応するボスを受ける各脚の凹部を含む。凹部およびボスは、使用中に互いに対して支持する対応する支持面を含む。摩耗部材の取り付け中、対応する三つの支持面が互いに平行に移動し、一方の支持面は、対応する他方の支持面に近づく。
【0017】
別の実施形態では、土工機器の段付きエッジは、機器の動作中にエッジの前進方向に対して垂直に延びるリーディング面をそれぞれが有する段付きセグメントを含み、隣接する段付きセグメントは、横方向および軸方向に互いに離間しており、移行セグメントは、隣接する段付きセグメントを相互接続する。移行セグメントのリーディング面は、機器の動作中のエッジの進行に傾斜する。ボスは各移行セグメントの両側に固定される。一方の側のボスは全て同じ方向に配向されるが、反対側のボスは全て同じ方向になるわけではない。エッジに取り付けるため、摩耗部材はボス上に取り付けることができる。
【0018】
別の実施形態では、土工機器の段付きエッジは、機器の動作中にエッジの前進方向に対して垂直に延びるリーディング面をそれぞれが有する段付きセグメントを含み、隣接する段付きセグメントは、横方向および軸方向に互いに離間しており、移行セグメントは、隣接する段付きセグメントを相互接続し、移行セグメントのリーディング面は、機器の動作中、エッジの前進に対して傾斜している。ボスは各移行セグメントの一方の側に固定される。片側に固定された各ボスの長手方向軸は、各移行セグメントのリーディング面に垂直である。各摩耗部材は、土工機器の動作中にエッジの前進と平行な方向に移動することにより、エッジに取り付けられる。
【0019】
別の実施形態では、土工機器の段付きエッジは、機器の動作中にエッジの前進方向に対して垂直に延びるリーディング面をそれぞれが有する段付きセグメントを含み、隣接する段付きセグメントは、横方向および軸方向に互いに離間しており、移行セグメントは、隣接する段付きセグメントを相互接続し、移行セグメントのリーディング面は、機器の動作中、エッジの前進に対して傾斜している。ボスは各移行セグメントの両側に固定される。一方の側に固定された各ボスの長手方向軸は、各移行セグメントのリーディング面に垂直である。他方の側に固定された各ボスの長手方向軸は、土工機器の操作中エッジの前進方向に平行である。
【0020】
別の実施形態では、土工機器上の土工エッジを覆うシュラウドは、前端および後向きに開口するキャビティを含む。キャビティは、エッジにまたがるために対向する第一と第二の面、および第一の面と第二の面との間に延びる前面を有する。第一の面は、エッジ上のボスに対して支持する対向する平面状の支持面を有する凹部を含む。これらの支持面は、前面に向かって収束する。
【0021】
別の実施形態では、土工機器上の土工エッジを覆うシュラウドは、前端および後向きに開口するキャビティを含む。キャビティは、エッジにまたがるために対向する第一と第二の面および第一の面と第二の面の間に延びる前面を含む。第一および第二の面のそれぞれは、エッジのボスを受容するための凹部を含み、凹部のそれぞれは、受容されたボスに対して支持するために対向する支持面を含む。第一の面の凹部内の対向する支持面は、前面に向かって収束する。
【0022】
別の実施形態では、土工機器上の土工エッジを覆うシュラウドは、前端および後向きに開口するキャビティを含む。キャビティは、エッジにまたがるために対向する第一と第二の面および第一の面と第二の面の間に延びる前面を含む。第一の面は、第一の凹部が第一の長手方向軸を有するエッジの第一のボスを受ける第一の凹部を含む。第二の面は、エッジの第二のボスを受容するための第二の凹部を含み、第二の凹部は、第一の長手方向軸に対して横方向に角度的に配向される第二の長手方向軸を有する。
【0023】
別の実施形態では、土工機器上の土工エッジを覆うシュラウドは、前端および後向きに開口するキャビティを含む。キャビティは、エッジにまたがるために対向する第一と第二の面および第一の面と第二の面の間に延びる前面を含む。第一の面は、エッジ上のボスに対して支持する対向する第一の支持面を有する第一の凹部を含む。これらの第一の支持面は、前面に向かって収束する。第二の面は、エッジ上のボスに対して支持する対向する第二の支持面を有する第二の凹部を含む。第一の支持面のうちの一方は第二の支持面に平行であり、他方の第一の支持面は第二の支持面に対して横断方向である。
【0024】
別の実施形態では、前向きのリーディング面と、リーディング面がバケットの幅に平行に延びる一次セグメントと、リーディング面が一次セグメントに対して傾斜している移行セグメントとを有する、掘削バケットのリップに取り付けるためのシュラウドは、前端と、シュラウドがリーディング面の一部覆うようにリップを受けるための後向きに開口するキャビティと、細長い構成を有するロック受容開口部とを含む。キャビティは、第一および第二の対向する面、およびリーディング面に対向する第一の面と第二の面の間に延びる前面を含む。ロック受容開口部は、主軸がそれに沿って延びる長さを有する。前面および主軸は一般に、キャビティ内に受容される移行セグメントのリーディング面に平行である。
【0025】
別の実施形態では、土工バケット用のリップ組立品は、リップおよびシュラウドを含む。リップは、前向きのリーディング面、リーディング面がバケットの幅に平行に延びる一次セグメント、およびリーディング面が一次セグメントに対して傾斜している移行セグメントを有する。シュラウドは移行セグメントに固定されており、前端と、シュラウドがリーディング面の一部を覆うように、リップを受けるための後向きに開口するキャビティと、ロック受容開口部とを含む。キャビティは、第一および第二の対向する面、およびリーディング面に対向する第一の面と第二の面の間に延びる前面を含む。ロック受容開口部は、主軸がそれに沿って延長する長さを有する細長い構成を有する。前面および主軸は一般に、キャビティ内に受容される移行セグメントのリーディング面に平行である。
【0026】
別の実施形態では、掘削バケット用のリップは、前向きのリーディング面と、内面と、外面、リーディング面がバケットの幅に平行に延びる一次セグメントと、リーディング面が一次セグメントに対して傾斜している移行セグメントとを含む。少なくとも一つの移行セグメントは、内面の第一の長手方向軸を有する第一のボスと、第一の長手方向軸に対して横方向に角度的に配向される外面の第二の長手方向軸を有する第二のボスとを含む。
【0027】
別の実施形態では、掘削バケット用のリップは、前向きのリーディング面と、内面と、外面と、リーディング面がバケットの幅と平行に延びる一次セグメントと、リーディング面が一次セグメントに対して傾斜している移行セグメントとを含み、複数の第一のボスはそれぞれ同一であり、内面に第一の長手方向軸を持ち、複数の第二のボスはそれぞれ同一であり、外面に第二の長手方向軸を有する。第一のボスの少なくとも一つの第一の長手方向軸は、第二の長手方向軸のうち少なくとも一つに対して横方向に角度的に配向される。
【0028】
別の実施形態では、掘削バケット用のリップは、前向きのリーディング面と、内面と、外面と、リーディング面がバケットの幅と平行に延びる一次セグメントと、リーディング面が一次セグメントに対して傾斜している移行セグメントと、内面と外面の一つの複数のボスとを含む。ボスは互いに同一であり、少なくとも一つのボスは、その長手方向軸がボスの少なくとも他の一つに対して角度付けられるように配向される。
【0029】
別の実施形態では、掘削バケットのリップは、前向きのリーディング面と、外面と、リーディング面に隣接するベベル部分を有する内面と、ベベル部分のみに固定された複数の第一のボスと、外面のみに固定された第一のボスから分離する複数の第二のボスとを含む。
【0030】
別の実施形態では、土工機器の土工エッジに摩耗部材を取り付けるためのプロセスは、離間した脚部を有するシュラウドを提供することを含み、各脚は、エッジのボスを受容する対向する支持面によって画定される凹部を含む。一つのボスが一つの前述の凹部の対向する支持面に平行に動き、一つのボスが他方の凹部の支持面の一つに近づくように、エッジを脚の間に形成されたキャビティに受容するように、シュラウドを後方に移動する。シュラウドの開口部にロックが挿入されて、シュラウドとボスの一つと係合し、シュラウドをエッジに固定する。
【0031】
上記の実施形態のさまざまな特徴は、互いに独立して、または摩耗部材を土工機器のエッジに固定する際の異なる特徴の全てまたはいくつかと集合的に使用することができる。記載された特徴は、本発明のさまざまな概念の特定のアイデアの例示的な概要観察であり、網羅的または必須であることを意図していない。開示された実施形態の前述および他の目的、特徴、および利点は、特定の実施形態の以下の詳細な説明および添付の図面を考慮してより容易に理解されるであろう。図面は特定の実施形態のみを描いており、従って本質的に限定的であるとみなされるべきではないことを理解して、これらの実施形態は、追加の固有性および詳細に記述および説明される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1図1は、摩耗組立品の上側斜視図である。
【0033】
図2図2は、図1の摩耗組立品の分解組立斜視図である。
【0034】
図3図3は、摩耗組立品の長手方向軸に沿った図1の摩耗組立品の断面図である。
【0035】
図4図4は、図1のシュラウドの正面斜視図である。
【0036】
図5図5は、図1のシュラウドの後方斜視図である。
【0037】
図6図6は、図1のシュラウドの後方斜視図である。
【0038】
図7図7は、図1のシュラウドの後方斜視図である。
【0039】
図8図8は、図1の摩耗組立品の第一のボスの正面斜視図である。
【0040】
図8Aは、第一のボスの代替的な設計の正面斜視図である。
【0041】
図9図9は、第一のボスの側面図である。
【0042】
図10図10は、図1の摩耗組立品の第二のボスの正面斜視図である。
【0043】
図11図11は、第二のボスの上面図である。
【0044】
図12図12は、歯およびシュラウドを有するリップの一部分の分解上面図であり、シュラウドは図1の摩耗組立品である。
【0045】
図13図13は、図12のリップの分解底面図である。
【0046】
図14図14は、図1の摩耗組立品におけるシュラウドの開口部の長手方向軸に沿った断面図であり、挿入されたロックが折り畳まれた配向にある。
【0047】
図14Aは、図14と同一の断面図であり、ロックが取り付け、取り外し、および/または出荷などのリリース位置に延出した配向にある。
【発明を実施するための形態】
【0048】
機器の耐用年数を延ばすために、摩耗部材は、多くの種類の土工機器に適用することができる。本発明は、摩耗部材および摩耗部材を土工機器のエッジに固定するためのロックシステム、それを含む摩耗組立品、土工機器のエッジ、およびかかるエッジに摩耗部材を取り付けるためのプロセスに関する。
【0049】
図は、土工機器に取り付けるための摩耗部材12を含む摩耗組立品10の一つの実施形態を示す。図示の例では、摩耗部材は、土砂移動バケットのエッジに取り付けられたシュラウド12である。図示のエッジは、底面または外面14A、上面または内面14B、およびリーディング面14Cを備えた細長い本体を有するリップ14によって画定される。この例では、内面14Bは、リーディング面14Cに隣接したベベル部分またはベベル面14Dと、ベベル部分より後方の後方部分を含む。本発明によるシュラウドはまた、土工機器のバケットの側壁、リッパーシャンク、および/または他のエッジに固定され得る。すなわち、シュラウド12は、例えば、バケット、リップ、リッパーシャンクなどを含む土工エッジを有するさまざまな異なる土工コンポーネントと関連して使用することができる。
【0050】
摩耗部材12は、摩耗部材をエッジに取り外し可能に固定するためのロック16を受ける開口部24を含むことが好ましい。エッジは、線形のリーディング面や、中央部分がエッジの外側部分に対して前方または後方になるように、段付きまたはスイープされたリーディング面を含む、さまざまな異なるデザインを有することができる。土工機器の操作中(例えば、掘削作業)、エッジには、一般的に矢印6の方向である(図12および13)進行方向がある。これは、本明細書では前方方向と呼ばれる。動作中のエッジの実際の動きは、一般に直線的な前進(例えば、ドラグラインバケットまたはリッパーシャンクなど)であり、またはスイング動作を伴う複合モーション(油圧ショベルなど)である。
【0051】
バケットの例では、エッジはリップ14によって画定され得る。歯7およびシュラウド12は、リップの前面に沿って固定される。図示の例(図12)では、各歯7は、リップの上面および底面に溶接されるか、または機械的手段によって固定される後方に延びる脚を備えたアダプタ8を含む。アダプタは、ロック(図示せず)によってアダプタに固定されるポイント8Aを受ける、前向きの突出ノーズ9を含む。シュラウド12は、隣接する歯7の間のリップ14に固定される。リップ、歯およびシュラウドのその他の構成が可能である。一つの代替例として、リップは、LHDバケットなどのシュラウドのみを含み得る。リップはキャスティングプロセスによって形成されてもよく、またはプレートからリップを切断することができる。リップはまた、別々に形成されたセクションから溶接することもできる。
【0052】
シュラウド12は、前端または作業部分26および後端または取り付け部分28を含む(図1~7)。この実施形態では、作業部分は狭まった前方作業エッジ26Aに先細りになるが、その他の構造が可能である。使用中、作業部分26は、掘削プロセス中に土地またはその他の材料に接触し、バケット内のリップを保護し、貫通を容易にし、および/または材料を集める。取り付け部分28は、図示の実施形態では、内側または上部脚30である第一の脚30と、外側または底部脚32である反対側の第二の脚32とを含む。脚30、32は、シュラウドが取り付けられた時に各脚がリップに沿って後方に延びるように、リップ14を受けるためのキャビティ40を画定するように間隔を置いている。前面または端壁42は、キャビティ40の前端で第一および第二の脚に結合する。
【0053】
第一の脚30は、キャビティ40の第一または内面を形成する内部表面33を有し、組み立てられたときにリップの内面または上面に対して支持する一つまたは複数の第一または内側支持面34を含むことができる(図5および7)。この例の第一の支持面は、そのように形成する必要はないが、隆起した支持パッド34A、34Bとして形成される。内部表面33自体が支持面を形成することができ、または他の配置があり得る。内側支持面は、リップの傾斜したエッジ14Dを押し付ける。あるいは、前方支持面34Aは、支持面34Aがリップの前方ベベル面14Dに対して支持し、一方、支持面34Bがリップの内面または上面14Bに対して支持するように、後方支持面34Bに対して傾斜している。第一の脚はまた、後面30Aを含む。
【0054】
第二または外側脚32は、キャビティ40の第二または外面を画定する内部表面35を含む。内部表面35は、リップの略平面の外側または底面14Aに対して支持する、一つまたは複数の第二または外側支持面36を含み得る(図6)。この例では、第二の支持面36は、隆起した支持パッドとして形成されるが、そうである必要はない。内部表面35自体が支持面を規定することができ、または別の配置があり得る。第二の脚は、後面32Aを含む(図5および7)。
【0055】
前面42は、脚30、32の間に延長し、それに接合される。前面42は、シュラウドがリップに完全に取り付けられた時に、リップ14のリーディングまたは前面14Cに隣接するかまたはそれに対して押し付ける。開口部24は、第一の脚部30を通って延び、キャビティ40に開口し、ロック16を受ける。摩耗部材を固定するためのその他の配置が可能である。摩耗部材12のその他の変形も可能である。例えば、摩耗部材のキャビティは、エッジ14の構成に対応する形状であり、異なるエッジを補完するために変化する形状を有することができる。
【0056】
各シュラウド12は、土工機器(図2および図4)の動作中にエッジ14の前進方向に概ね延びる中心線によって画定される長手方向軸44を有する。データム線38は、前面42に沿って延在し、シュラウドが取り付けられたときにリーディング面14Cに対応する。キャビティ40の前面(すなわち、前面42に沿って)は、さまざまな構成(凹部を含むなど)が考えられる一方で、前面42は、それが対向するように設計されたリーディングエッジに略平行に延びるキャビティの前部の部分である。
【0057】
第一の脚部30は、後方脚面30Aから前方に延びる内部表面33に第一またはクリアランス凹部48を含むことが好ましい(図6および7)。第一の凹部48内では、第一の凹部48よりも内部表面33からより深い深さに延びる第一のサポート凹部50がある。凹部50は、前方方向、すなわち前面42に向かって収束する支持面50Aおよび50Bを含む。この例では、支持面50A、50Bは、開口部24の前方に延在するが、他の配置が可能である。支持面50A、50Bは平面であることができるが、湾曲した収束表面などの他の表面形状が可能である。第一の凹部軸100は、支持面50A、50Bの間の中央に延在し、前面42に垂直に延在する。後方凹部50Cは、この例では、異なる拡張(これは必要ない)を有するが、サポート凹部50と略整列して、後方脚面30Aと開口部24との間に延在する。凹部50、50Cは、開口部24によって分離された別個の凹部として本明細書で考察されるが、前部および後方部分を有する単一の凹部と見なされ得る。後方凹部軸52は、後方凹部50Cの中心線として延び、シュラウド12の長手方向軸44に略平行である。その他の代替も可能である。例えば、第一の脚は、対応するボス20を受けるために十分なクリアランスが存在する場合、後方凹部50Cのないサポート凹部50のみを持ち得る。また、別の例として、支持面50A、50Bは、内部表面33から突出して、内部表面のへこみ内に形成されるのではなく、凹部50を形成することができる。支持面50A、50Bはまた、それがエッジ14の反対側の表面14Aに対して受けるボス20の対応するシフトを有して、代替的に第二の脚部32で形成される。その他の構成が可能である。いくつかの実施形態では、後方凹部軸52は、凹部軸100と略平行であり得る。その他の配置が可能である。
【0058】
リップ14は、リップの内側または上面14Bのベベル14D上の第一または内側ボス20を含む(図2および3)。それにもかかわらず、ボス20は、ベベル14Dより後方であってもよく、またはベベルなしでリップに使用され得る。第一のボスは、支持面50A、50Bが押し付ける側方支持面20Aおよび20B(図2、8および9)と、シュラウド12がリップ14に取り付けられたときにロック16が押し付ける後方支持面20Eとを含むが、他の表面を押し付ける他のロックも可能である。第一のボス20は、エッジに対して設定する取付表面20Fを有する基部を含み得る。基部は、取り付け翼20Wを含んでもよいが、その他の取り付け配置が可能である。一実施例として、翼は省略できる。側方支持面20Aおよび20Bは、基部から上方に延びるラグ20D上に形成され得る。後方支持面20Eは、側方支持面20Aおよび20Bの間に横断方向に延在し、また一般に後方に面してロック16に当接する。
【0059】
ボス20の側方支持面20A、20Bは、平面状で、横断支持面20Eからの前方方向に収束することが好ましい。側方支持面20Aおよび20Bは、例えば、10~40度の角度で相互に前方に収束することができる。側方支持面は、互いに15~30度の角度で前方に収束することが好ましい。支持面20A、20Bの収束は、これらの範囲外であり得る。支持面50A、50Bはまた、側方支持面20A、20Bと同じ角度配向を有することが好ましい。ボス20は、側方支持面20A、20Bの間の中心線によって画定される第一のボス軸100Aを有する。ボス軸100Aは、ボス20が固定される場所に最も近いリップのリーディング面14Cに対して略垂直である。ボス20は、溶接またはその他の取り付け手段(例えば、ボルト)によって、リップに機械加工され、またはリップのキャスト構成としてリップに取り付けられ得る。
【0060】
シュラウド12のリップ14への組立の際、シュラウドが後方に移動するにつれて、キャビティ40がリップ14を受ける。リップの前進方向に平行な方向に、シュラウド12を取り付けることは、リップの一部に固定され、またはその一部を形成する隣接する歯および/またはノーズとの干渉を制限する。この配置により、隣接する歯のポイントおよび/またはアダプタを取り外しする必要なく、シュラウドの取り外しおよび/または取り付けが許容される。サポート凹部50は、支持面50A、50Bが、シュラウド12がリップ14上に取り付けられた時に支持面20A、20Bに対向するように、ボス20を受ける。第一の凹部48および後方凹部50Cは、凹部50にボス20を受けるためのクリアランス、および/またはボス取り付け翼20Wまたはその他の取り付け配置のためのクリアランスを提供する。
【0061】
シュラウドがシュラウドの凹部50内に受容されたリップおよびボス20上に着座した状態で、ロック16が穴または開口部24に挿入され得る。開口部24は、ロック16の後側に対して支持する支持壁24Aを含む。ロックの反対の前側は、第一のボス20の支持面20Eを押し付ける。シュラウドをリップから離すように促すシュラウドの長手方向の力は、ロックが支持壁24Aおよび支持面20Eを押し付け、シュラウドをリップ14に固定するときに対抗される。開口部24は、好ましくは、細長く、その長さに沿った主軸24Bを画定するが、その他の開口形状が可能である。開口軸24Bは、前面42に平行であることが好ましいが、開口軸24Bは、シュラウドの長手方向軸44に傾斜しているか、または垂直であり得る。一実施例では、開口軸24Bは、長手方向軸44に対して65~90度の間で角度があるが、この範囲外での配向が可能である。ロック開口部の配向(すなわち、開口軸24B)は、第一のボス20の配向(すなわち、横断面20E)に対応する。他の開口部に適合するその他のロックが可能である。
【0062】
図示の実施形態では、ロック16は、摩耗部材からのロックの喪失または取り外しを防止するための第一の脚30の外部表面45において、(主軸24Bに沿って)開口部24よりも長い長さを有する伸長位置と、シュラウドがリップに取り付けられ、またはリップから取り外されるときにあり得る、開口部からのロックの解放および/または取り外しを可能にする開口部24より短い長さの折り畳み位置の間で折り畳まれる二つの部分を含むことができる。ロックは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第7536811号または米国特許出願第2017/0321396号に開示される種類のものとすることができる。シュラウドをリップに固定するためのその他のロック構成が可能であり、さまざまなハンマーレスおよびハンマーロックを使用できる。
【0063】
土工作業中にシュラウドに荷重が加えられると、サポート凹部50の支持面50Aおよび50Bが、ボス面20Aおよび20Bを押し付けて荷重をリップに伝達する。第一のボスをリップのベベル部分に取り付けることで、シュラウドが異なる厚さの特定のリップに取り付けられるようになる。これにより、より少ないシュラウド寸法の製造および/または在庫が可能になる。ボス20をベベル面14Dに固定することにより、シュラウドをより軽量に、より薄いプロファイルにして、バケット内外への材料の侵入を容易にし、および/または材料のブロッキングを少なくすることもできる。代替的な一実施形態では、ボス20は、この例では、内側14Bにあり、特にランプ14Dにあるリップの片面にのみ設けられるが、一つのボスを、ランプ14Dより後方または外側14Aに設けることができる。別の実施例では、ボス20は、リーディング面14Cの上にある前方延長部を有することができる。
【0064】
シュラウド12の第二の脚部32は、後部壁32Aから前方に延びて第二または外側ボス22を受ける内部表面35に第二のサポート凹部46を含む。凹部46は、側方支持面46Aおよび46Bを含み、また随意に、内部表面35から陥凹した顎凹部46Cを含む。凹部46は、側方支持面46A、46Bの間の中心線によって画定される第二の凹部軸102を有し、シュラウド12の長手方向軸44に略平行である。顎凹部46Cは、内部表面35に傾斜した傾斜面46Dによって画定され得る。別の方法として、顎凹部は随意に、または代わりに傾斜面46Dの前方にある内部表面35に略平行な基部表面46Eを含むことができる。顎凹部のその他の構成が可能である。
【0065】
リップは、リップの下面14Aに第二または外側ボス22を含む。第二のボスは、側方支持面22Aおよび22Bと、随意に、前方方向のリップから外側に延びる顎部22Eとを含む(図10および11)。側方支持面22Aおよび22Bは、相互に平行であり得る。別の方法として、側方支持面は前方方向に収束することができる。その他の構成も可能である。ボス22は、リップに対して設定する取付表面22Fと、反対側の外面22Dとを含む。ボス22は、溶接または他の取り付け手段(例えば、ボルト)によってリップに取り付けることができる。ボス22は、矢印6で示すリップの進行方向と略平行になる支持面22A、22Bの間の中心線によって画定される第二のボス軸102Aを含む。
【0066】
シュラウド12をリップ14に組立てる際、キャビティ40は、シュラウドが矢印6と反対の方向に沿ってリップに対して後方に移動するとき、リップ14を受ける。第一の凹部50は第一のボス20を受け、第二の凹部46は第二のボス22を受ける。シュラウドがリップに完全に装着された状態で、第一のサポート凹部50の側方支持面50Aおよび50Bは、第一のボス20の支持面20Aおよび20Bに対向し、第二のサポート凹部46の側方支持面46Aおよび46Bは、第二のボス22の側方支持面22Aおよび22Bに対向する。図示した例では、顎部22Eは顎凹部46C内に受容され、ロック16は開口部24内に受容され、前述のようにシュラウドをリップに固定する。
【0067】
土工作業中にシュラウドに荷重が加えられると、凹部50の支持面50Aおよび50Bが、ボス20の支持面20Aおよび20Bを押し付け、土工作業中にシュラウドに加えられた荷重をリップに伝達する。凹部46の支持面46Aおよび46Bも、ボス22の支持面22Aおよび22Bを押し付け、負荷をリップに伝達する。加えられた負荷は、シュラウドからボスおよび支持面を通してリップへ伝達され、摩耗をリップに制限する。加えられた負荷はボスの脚を通してエッジに伝達される。顎と顎凹部は、シュラウドがリップから外れるようにシュラウドに加える逆の力に抵抗する傾斜面を有し、それによってロックに作用するそのような力を減らす。上記のように、顎と顎凹部は省略できる。上部ボスのみの使用、または別個の上部および下部ボスの使用(図3)により、同じシュラウドを異なる厚さのリップに取り付けることができる。これにより、製造または在庫管理が必要なシュラウドの種類や寸法の数を減らすことができる。図示した例では、ボスはリップに溶接される。別の方法として、一つまたは両方のボスはリップと一体型であってもよく、例えば、ボスはキャストリップの一部として含まれ得る。別の方法として、一方または両方のボスは、溶接材料をリップに追加することによって、またはその他の手段によって形成され得る。
【0068】
図12は、シュラウド12および歯7を有するリップ14の分解組立上面図を示す。リップは段付きまたはスイープされ、リップの中心は外側部分よりも遠くに延びる。代替的な構造では、中央部分は、外側部分よりもさらに後方に延びることができる。この例では、リップ14は、リップのリーディングエッジ14Cが、矢印6に沿ったリップの前進に略垂直に延びる、複数の離間した段付きセグメント60と、隣接する段付きセグメント60を相互接続する複数の移行セグメント62とを含む。図12に示すように、リップ14は、中央段付きセグメント60Aと、中央段付きセグメント60Aの各側面に対して外側段付きセグメント60B、60Cとを含む。追加的な外側段差および移行セグメントが、通常、段付きセグメント60B、60C(図示せず)外にも含まれ得る。各段付きセグメント60は同一であってもよく、または異なっていてもよい。移行セグメント62のリーディングエッジ14Cは、段付きセグメント60のリーディングエッジ14Cに対して傾斜している。傾斜角αは通常22°未満であるが、他の構成も可能である。直線のリップは、バケットの幅全体にわたって直線的なリーディングエッジを有し、従って隣接する歯間に延びる移行セグメントに対する傾斜角度はゼロである。直線プレートリップでは、段付きセグメントと移行セグメントの間に差はない。中央段付きセグメント60Aの各側への移行セグメント62L、62Rは、好ましくは、移行セグメント62Lが、一方向に傾斜し、移行セグメント62Rが、反対方向に傾斜している、互いに鏡像であるが、全て同じ傾斜角度であることが好ましい。この例では、二つの歯7は各段付きセグメントに固定され、シュラウド12は各対の隣接する歯7の間に固定される。従って、シュラウド12は段付きセグメントおよび移行セグメントの両方に固定される。しかしながら、さまざまな他の構成が可能である。別の例として、一つの歯が各段付きセグメントに固定され、シュラウドが各移行セグメントに固定され得る。
【0069】
ボス20は、シュラウド12を取り付ける各セグメント60、62に固定される。この例では、リップは、左移行セグメント62L上の左ボス20L、中央段付きセグメント60A上の中央ボス20C、および右移行セグメント62R上の右ボス20Rを含む。本明細書で使用される左と右は、図12の図に基づいて説明を簡単にするためのものである。左シュラウド12Lは、ボス20Lに取り付けるために示される。中央シュラウド12Cは、ボス20Cに取り付けるために示される。右シュラウド12Rは、ボス20Rに取り付けるために示される。ボス部20は全て同じ構造を有することが好ましいが、それらはそれぞれリップ上に異なる向きで固定される。左および右のシュラウドは、それぞれが取り付けられる移行セグメント62のリーディング面の傾斜に対応する反対方向に傾斜している。各第一のボス20のボス軸100Aは、それが固定される段差付きまたは移行セグメント60、62のリーディングエッジ14Cに略垂直であり、その上に取り付けられたシュラウド12の前面42に略垂直である。図12では、データム線38L、38C、38Rは、三つの異なるシュラウド12L、12C、12Rの前面42の配向を示す。見てわかる通り、左右のシュラウド12L、12Rの前面42は、リップ14の前進方向6に傾斜している。前面42は、異なるリップセグメント60、62のリーディングエッジ14Cに対応するので、左右のシュラウド12L、12Rの前面42は、好ましくは、リップの前進方向(すなわち、矢印6)に対して80°より大きく傾斜している。ただし、他の向きも可能である。中央シュラウド12Cの前面42は、リップの前進方向(すなわち、矢印6)に略垂直であり、中央ボス20Cのボス軸100Aに垂直である。一部のリップには、中央シュラウド無しに、左シュラウドや右シュラウドのみを含めることができる。あるいは、傾斜を伴わない直線のリップには、中央シュラウドのみが含まれる。
【0070】
図13は、シュラウド12および歯7を有するリップ14の分解底面図を示す。リップの底面14Aは、シュラウドが固定される各リップセグメント60、62に固定されたボス22を含む。この例では、ボス22Lは移行セグメント62Lに固定され、ボス22Cは一次セグメント60Aまたは段付きセグメント60Aに固定され、ボス22Rは移行セグメント62Rに固定される。第二のボス22のそれぞれは、好ましくは同じ構造、および同じ方向を有する。すなわち、第二のボス軸102Aはそれぞれ、リップの前進方向(すなわち、線6)に略平行である。
【0071】
図13は、リップ14の移行セグメント62Lに取り付けられるシュラウド12Lを示す。第一のボス20は、第一のサポート凹部50に受容され、第二のボス22は、第二のサポート凹部46に受容される。図からわかるように、ボス軸100A、102Aは、横方向(すなわち、横から横の方向であり、軸方向または垂直方向ではない)で互いに角度が付けられている(図2、12および13)。第二の凹部軸102は、第二のボス軸102Aと平行であり、第二のボス軸102Aと整列する。ボス22の凹部46への受容は、シュラウド12の取り付け動作を制御する。この動きは、矢印6に沿ったリップの前進方向と、リップからの歯7の延長方向に平行であるため、歯からの干渉なしにシュラウドを取り付けたり取り外したりできる。支持面20A、20Bおよび50A、50Bは、シュラウドに加えられる後方負荷および側方負荷に抵抗するように角度がついている。シュラウド12が移行セグメント62に固定されると、凹部軸100およびボス軸100Aはリップの進行方向に傾斜する。シュラウド12Lに関連して、第一のボス20の支持面20Aは、第二のボス22の支持面22Aと略整列する。シュラウド12Lの設置中、支持面50Aは支持面20Aに平行に移動し、支持面46Aは支持面22Aに平行に移動し、支持面46Bは支持面22Bに平行に移動する。ところが、支持面50Bは、シュラウド12Lがリップ14上に完全に着座した時に、相互に対して向き合って会うまで、支持面20Bに向かって移動する。クリアランス凹部48および後方凹部50Cは、シュラウド12上の支持面50A、50Bに対してボス20が完全に座った位置へと通過することを可能にする。必要なクリアランスを提供するために、その他の形状の凹部またはその他の構造を使用することができる。シュラウド12Lの取り外しは、取り付けの逆である。
【0072】
右シュラウド12Rの設置は、シュラウド12Lの設置の鏡像である。特に、第一のサポート凹部50の支持面50Bは、第一のボス20Bの支持面20Bと平行に動き、一方、支持面46A、46Bは、支持面22A、22Bと平行に動く。取り付けの間に支持面50Aは、支持面20Aに向かって移動し、シュラウドが完全に着座した時にそれに会う。シュラウド12Rの取り外しは、取り付けの逆である。
【0073】
中央シュラウド12Cの設置において、第二のサポート凹部46の支持面46A、46Bは、第二のボス22の支持面22A、22Bに平行に移動する。しかしながら、凹部50の支持面50A、50Bの両方は、相互に対して向き合って会うまで、それぞれ支持面20A、20Bに向かって移動する。これは、直線のリップ、および移行セグメントがより小さい傾斜を有するスペードリップを有するスペードリップに取り付けられたシュラウドの場合である。シュラウド12Cの取り外しは、設置の逆である。
【0074】
シュラウド12は、オプションとして、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願第2015/0013134号に開示されるような、機械的に取り付けられたリフトアイ56を受容する開口部54を含むことができる。キャストインアイ(図示せず)、その他の場所での一つまたは複数のアイを使用することができる。またはアイを使用しなくてもよい。
【0075】
一方または両方のボスは、随意に歪み緩和部を組み込むことができる。第一のボス20は、側方支持面とボス翼20Wの間の歪み緩和部20Gを含み得る(図8A)。ボス翼は、リップに溶接でき、ボスの中間部分(すなわち、ボス翼20Wとサポートボスラグ20Dの間の部分)は、リップにしっかりと固定されないままである。ボス材料の切欠または異なる材料特性を有する材料のセクションなどの歪み緩和部は、ボスラグと翼の間に組み込まれ得る。ボスに加えられる負荷によって、ボスラグが撓む。負荷は、ボスラグの側面で歪み緩和部に部分的に吸収されて、翼溶接にわたってより均一に負荷を広げることができる。これにより、溶接における亀裂を引き起こし得る応力集中が制限される。その全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第8925220号に開示されるその他の種類の歪み緩和部も使用され得る。
【0076】
開口部24は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願2017/0321396に開示されるような、ロック16(図14および14A)用の二つの位置、ロック位置およびリリース位置で任意に構成することができる。
【0077】
摩耗組立品は、作動中の摩耗部材の支持を提供する。摩耗部材12に加えられた力は、摩耗部材をシフトさせ、リーディング面14C、第一のボス20の収束面20A、20B、第二のボス22の側方支持面22A、22Bおよび/または外および内面14A、14Bを押し付けることができる。底部および/または逆負荷は、顎部が提供される場合、顎部22Eおよび凹部46Cを通して部分的に抵抗することができる。ボスに加えられる負荷は、ボスを通してリップに伝達される。第一のボス20は、リップのベベル付き前面に取り付けることができる。これにより、さまざまなリップ構成のさまざまな基部を保管することなく、さまざまなリップ厚の範囲で摩耗部材を使用できるため、さまざまな厚さの特定のリップ用に追加の種類の部品の在庫を製造または保持する必要がなくなる。摩耗組立品は、重量および/またはプロファイルの低減、および/または摩耗した摩耗部材の効率的な交換を提供でき、および/または土工機器のダウンタイムおよび/または運用費用を低減できる。
【0078】
本発明は、バケットのシュラウドの文脈において本明細書に記述される。当然のことながら、これは、開示された主題の単一の例であり、制限することを意味するものではない。本発明によるシュラウドは、例えば、油圧ショベル、ローダー、ケーブルショベル、フェイスショベルなどのバケットを含む多種多様なバケットでの使用、またはリッパーシャンクなどの他の製品での使用のための他の構造を有することができる。摩耗部材は、リップ、リップに固定された基部、バケットの他の部分、またはその他の土工機器に固定され得る。上部、底部、前方、後方、左および右などの相対的用語は、本明細書で使用される場合、考察を簡単にするために使用され、限定することを意図しない。
【0079】
図面を参照すると、本明細書は、特定の実施形態およびそれらの詳細な構造および動作について説明する。説明した実施形態は、例示のみにより説明されており、限定されない。動作の記述された特徴、構造、特徴、および方法は、一つまたは複数の実施形態において任意の適切な方法で組み合わされ得る。本明細書の開示を考慮して、当業者は、一つまたは複数の特定の詳細なしで、または他の方法、構成要素、材料などを用いてさまざまな実施形態を実施できることを認識するであろう。他の例では、周知の構造、材料、または動作方法は、実施形態のより適切な態様を不明確にすることを避けるために、詳細には示されていない、または記述されていない。本明細書の任意の一つの部分に開示された主題は、組み合わせが相互に排他的または操作不可能でない限り、本明細書の一つまたは複数の他の部分の主題と組み合わせることができることが意図される。さらに、本明細書に記載の概念の多くの変形、改善、および修正が可能である。当業者は、本発明の基礎となる原理から逸脱することなく、上述の実施形態の詳細に多くの変更を加えることができることを認識するであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14