(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-21
(45)【発行日】2024-01-04
(54)【発明の名称】化粧品組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/39 20060101AFI20231222BHJP
A61K 8/86 20060101ALI20231222BHJP
A61Q 5/02 20060101ALI20231222BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20231222BHJP
A61Q 5/10 20060101ALI20231222BHJP
A61Q 9/02 20060101ALI20231222BHJP
【FI】
A61K8/39
A61K8/86
A61Q5/02
A61Q19/10
A61Q5/10
A61Q9/02
(21)【出願番号】P 2020556901
(86)(22)【出願日】2019-04-16
(86)【国際出願番号】 EP2019059786
(87)【国際公開番号】W WO2019201906
(87)【国際公開日】2019-10-24
【審査請求日】2022-01-19
(32)【優先日】2018-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】518214016
【氏名又は名称】カオウ・コーポレイション・エセ・ア
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ユルゲン・ベナード
(72)【発明者】
【氏名】ピラル・カスタン・バルベラン
(72)【発明者】
【氏名】ヌリア・マリモン・マルガリット
(72)【発明者】
【氏名】ライノウト・ヴァン・デル・ヴィーン
【審査官】阪▲崎▼ 裕美
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第01739161(EP,A1)
【文献】特開平03-103500(JP,A)
【文献】国際公開第2016/093291(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00-8/90
A61Q 1/00-90/00
WPI
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)一つ又は複数の式(I)のエーテルカルボン酸或いは化粧品として許容できるその塩と、
【化1】
式中、R
1は
、12から16個の炭素原子を有する直鎖又は分枝アルキル鎖或いはアルケニル鎖であり;R
2は、C
1~C
3直鎖又は分枝アルキル鎖であり
、n及びmは独立して0から3の整数であり、かつm+nの合計が1から3である;
前記化粧品として許容できるその塩は、アルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンの塩、アンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩、アルカノールアンモニウム塩(alkanolammonium salt)又はグルカンモニウム塩(glucammonium salt):から選択される塩であり、
(b)式(III)の脂肪アルコールを含む非イオン性界面活性剤と、
【化2】
式中、R
3は
、12から16個の炭素原子を有する直鎖又は分枝アルキル鎖であり;R
4は、C
1~C
3直鎖又は分枝アルキル鎖であり
、p及びqは独立して0から3の整数であり、かつp+qの合計が0から3である;
を含む、化粧品組成物であって、
式(IV)の脂肪酸エステルである成分(d)をさらに含み、
【化3】
式中、R
1は
、12から16個の炭素原子を有するアルキル鎖又はアルケニル鎖であり;R
2は、C
1~C
3直鎖又は分枝アルキル鎖であり、R
5は
、12から16個の炭素原子を有するアルキル鎖又はアルケニル鎖、又は-(CH
2-CH(R
2)-O)
p(CH
2CH
2O)
q-R
3であり;式中、R
3は
、12から16の炭素原子を有するアルキル鎖又はアルケニル鎖であり
;n及びmは独立して0から3の整数であり、かつm+nの合計が1から3であり
;p及びqは独立して0から3の整数であり、かつp+qの合計が0から3であり;
成分(d
)は、0質量%超、かつ、1質量%未満
で前記組成物中に存在し;かつ、
成分(a)及び(b)の間のモル比
は、6:1から4:1である、化粧品組成物。
【請求項2】
(c)両性界面活性剤をさらに含むことを特徴とする、請求項
1に記載の化粧品組成物。
【請求項3】
27%から90
%の成分(a)と、
3%から15
%の成分(b)と、
5%から70
%の成分(c)と、
を含み、
それぞれの示された量は、(a)、(b)及び(c)の合計の総活性質量に対する前述の成分の質量パーセントとして表されている、請求項
2に記載の化粧品組成物。
【請求項4】
35%から85%の成分(a)と、
5%から10%の成分(b)と、
10%から60%の成分(c)と、
を含み、
それぞれの示された量は、(a)、(b)及び(c)の合計の総活性質量に対する前述の成分の質量パーセントとして表されている、請求項3に記載の化粧品組成物。
【請求項5】
電解質である成分(e)をさらに含むことを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項6】
少なくとも(a)式(I)のエーテルカルボン酸又はその塩、及び(b)非イオン性界面活性剤を含む活性物質の割合が、前記化粧品組成物の50%より高いことを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の化粧品組成物の調製方法であって、少なくとも以下の工程:
i.
12から16個の炭素原子を有する脂肪アルコールをアルコキシル化する工程と、
ii.C2からC5のクロロカルボン酸を用いて、少なくともアルコキシル化アルコール及びそのアルコキシドを含む工程i)で得られた混合物をカルボキシメチル化する工程と;
及び、鹸化反応によって、工程ii)の間に副生成物として得られたエーテルカルボン酸エステルを加水分解する工程と
、
を含む、方法。
【請求項8】
i.
請求項1に規定される成分(a)から(d)を水で混合する工程と、
ii.攪拌して均一溶液を得る工程と、
を含む、請求項
1に記載の化粧品組成物の調製方法。
【請求項9】
皮膚及び/又は毛髪の洗浄のための、請求項1から
6のいずれか一項に記載の化粧品組成物の使用。
【請求項10】
皮膚及び/又は毛髪を濡らす又は湿らせる工程、十分な量の請求項1から
6のいずれか一項に記載の組成物を前記皮膚及び/又は毛髪に適用する工程、続いて洗い流す工程を含む、皮膚及び/又は毛髪を洗浄する方法。
【請求項11】
皮膚の洗浄のための、請求項1から
6のいずれか一項に記載の化粧品組成物の使用。
【請求項12】
毛髪の洗浄のための、請求項1から
6のいずれか一項に記載の化粧品組成物の使用。
【請求項13】
毛髪の染色のための、請求項1から
6のいずれか一項に記載の化粧品組成物の使用。
【請求項14】
シェービングフォームにおける、請求項1から
6のいずれか一項に記載の化粧品組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一つ又は複数のエーテルカルボン酸及び一つ又は複数の非イオン性界面活性剤を含む化粧品組成物に関する。本発明は、化粧品組成物の調製方法及び使用方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚及び毛髪洗浄剤組成物は、単に優れた浄化力及び洗浄力を有することが求められているだけでなく、それらは低刺激であり、皮膚による耐用性が良好であって、皮膚及び毛髪の過度の脱脂又は乾燥を引き起こさず、容易に適用でき、室温で均質であって流動性を有する必要もある。加えて、皮膚及び毛髪洗浄剤組成物は、優れた起泡性を示すことが消費者により求められている。
【0003】
組成物が全てのそれらの要件を満たして、毛髪及び皮膚の洗浄に役立つために、少なくとも以下の特性を共有しなければならない:
-大量の泡を得るための、及び短時間で泡を得る起泡能力
-一定時間放置した後に泡が残っている、泡の安定性
-優れた洗浄効果に関連する、泡の量
-泡の性質:多くの界面活性剤の適用において、消費者は良好な性質の泡を期待している。例えば、十分なクリーミーさを生み出さない毛髪又は皮膚洗浄剤は、その適用の間の安定した泡は適切であると消費者によって見なされないだろう。したがって、(コンディショニング効果と関連がある)泡のクリーミーさに関する泡の性質、泡の硬さ又は厚さに関する泡のサイズ及び泡の稠度は、主な満たすべき特性である。
【0004】
要件プロファイルを満たす界面活性剤の組み合わせの数は小さくなる傾向があるため、上述した要件を満たす適切な配合物を調製することは、技術的に複雑な課題である。従来は、アニオン性界面活性剤が、起泡性化粧品組成物を適切に作り出すために皮膚及び毛髪洗浄剤組成物に使用されてきた。
【0005】
欧州特許第2612652A1号は、2つ以上のアルキル基を含有するアルキル鎖を有するエーテルカルボン酸又はその塩を含む洗浄剤組成物、及びエチレンオキサイドのモルの具体的な分布を記載している。それは、優れた起泡性、泡の量及び洗い流し特性を記載している。
【0006】
エーテルカルボン酸及びアルキルエーテルサルフェート等のアニオン性界面活性剤の組み合わせも記載されている。欧州特許第1994922A1号は、優れた起泡性を有する皮膚洗浄組成物を得るための、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェート、エーテルカルボン酸界面活性剤、アルキルポリグルコシド及び一つ又は複数の高級脂肪酸及び高級アルコールの組み合わせを記載している。
【0007】
別の方法は、混合物の起泡性に良い影響を与える、いわゆるフォームブースター(foam boosters)又は起泡促進剤と呼ばれる添加剤を有する界面活性剤配合物の提供である。欧州特許第1479754号は、アルキルエーテルカルボキシレート及びエーテルグリセリドを含む界面活性剤混合物を、界面活性剤混合物に対するフォームブースターとして記載している。
【0008】
起泡性及び泡の性質を向上する別の可能性は、洗浄剤組成物中にポリマーを取り入れることである。例えば、欧州特許第1329214A1号は、起泡性及び洗い流す際の潤滑性泡の性質に優れる、サルフェート基を有するアニオン性界面活性剤、高級アルコール及びカチオン性ポリマーを含む毛髪洗浄剤組成物を記載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】欧州特許第2612652A1号
【文献】欧州特許第1994922A1号
【文献】欧州特許第1479754号
【文献】欧州特許第1329214A1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述した先行技術から、今もなおより優れた組成物の必要性があることが分かる。したがって、低刺激であり、容易に適用でき、優れた浄化力及び洗浄力を有し、室温で流動性を有して均質であり、起泡能力、泡の安定性、泡の量、泡の性質等の優れた起泡性を示す化粧品組成物を提供することが、本発明の目的である;ここで、化粧品組成物はエーテルカルボン酸及び非イオン性界面活性剤を一定の割合で含む。本発明の別の目的は、成分を水と一緒に混合し、攪拌して均質な溶液を得ることによって化粧品組成物を調製する方法、及び皮膚及び/又は毛髪の洗浄のためのその化粧品組成物の使用である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の目的は化粧品組成物であり、前述の組成物は、
(a)一つ又は複数の式(I)のエーテルカルボン酸或いは化粧品として許容できるその塩と、
【化1】
式中、R
1は、4から22個の炭素原子、好ましくは10から18個の炭素原子、より好ましくは12から16個の炭素原子を有する直鎖又は分枝アルキル鎖或いはアルケニル鎖であり;R
2は、C
1~C
3直鎖又は分枝アルキル鎖であり、n及びmは独立して0から15の整数であり、かつm+nの合計が1から15である;
(b)一つ又は複数の非イオン性界面活性剤と、
を含み、
成分(a)及び成分(b)の間のモル比は、8:1から2:1の範囲内である。
【0012】
本発明の第2の目的は化粧品組成物であり、前述の組成物は、
(a)一つ又は複数の式(I)のエーテルカルボン酸或いは化粧品として許容できるその塩と、
【化2】
式中、R
1は、4から22個の炭素原子、好ましくは10から18個の炭素原子、より好ましくは12から16個の炭素原子を有する直鎖又は分枝アルキル鎖或いはアルケニル鎖であり;R
2は、C
1~C
3直鎖又は分枝アルキル鎖であり、n及びmは独立して0から15の整数であり、かつm+nの合計が1から15である;
(b)一つ又は複数の非イオン性界面活性剤と、
を含み、
成分(a)及び成分(b)の間のモル比は、8:1から2:1の範囲内であり、
i.脂肪アルコールをアルコキシル化する工程と、
ii.工程i)で得られた混合物をカルボキシメチル化する工程と、
iii.鹸化反応によって、工程ii)の間に副生成物として形成されたエーテルカルボン酸エステルを加水分解する工程と、
を少なくとも含む方法によって得られる。
【0013】
第3の態様によると、本発明は、本発明の化粧品組成物を調製する方法を提供する。
【0014】
第4の態様では、本発明は、皮膚及び/又は毛髪の洗浄のための本発明による化粧品組成物の使用に関する。
【0015】
第5の態様によると、本発明は、皮膚及び/又は毛髪を濡らす又は湿らせる工程、十分な量の本発明による組成物を皮膚及び/又は毛髪に適用する工程、及び水で皮膚及び/又は毛髪を洗い流す工程を含む、皮膚及び/又は毛髪を洗浄する方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
別段の指示が無い限り、全てのパーセンテージは、質量パーセントである。活性質量(active weight)は、組成物の活性材料(antive material)の総質量に対する活性物質(antive matter)の質量であり、活性物質は、特定の作用に関与している一連の特定成分と理解される。本出願の範囲内において(すなわち、本組成物に関して)、活性物質は成分の全体であり、そこからその有効性の全部または一部が得られる。
【0017】
化粧品組成物として、化粧品及びパーソナルケア用途で使用される成分として適している組成物と理解される。
【0018】
本発明の主な目的は、
(a)一つ又は複数の式(I)のエーテルカルボン酸或いは化粧品として許容できるその塩と、
【化3】
式中、R
1は、4から22個の炭素原子、好ましくは10から18個の炭素原子、より好ましくは12から16個の炭素原子を有する直鎖又は分枝アルキル鎖或いはアルケニル鎖であり;R
2は、C
1~C
3直鎖又は分枝アルキル鎖であり、n及びmは独立して0から15の整数であり、かつm+nの合計が1から15である;
(b)一つ又は複数の非イオン性界面活性剤と、
を含み、
成分(a)及び(b)の間のモル比は、8:1から2:1、好ましくは7:1から3:1、より好ましくは6:1から4:1である、化粧品組成物である。
【0019】
<エーテルカルボン酸又はその塩(a)>
【0020】
本発明は、一つ又は複数の式(I)で表されるエーテルカルボン酸又は化粧品として許容できるその塩(a)
【化4】
式中、R
1は、4から22個の炭素原子、好ましくは10から18個の炭素原子、より好ましくは12から16個の炭素原子を有する直鎖又は分枝アルキル鎖或いはアルケニル鎖であり;R
2は、C
1~C
3直鎖又は分枝アルキル鎖であり、n及びmは独立して0から15の整数であり、かつm+nの合計が1から15であり、好ましくはn及びmは独立して0から10の整数であり、かつm+nの合計が1から10であり、より好ましくはn及びmは独立して0から6の整数であり、かつm+nの合計が1から6であり、さらにより好ましくはn及びmは独立して0から3の整数であり、かつm+nの合計が1から3である;
を含む。
【0021】
本発明の一実施形態において、エーテルカルボン酸又はその塩は、エトキシル化及びプロポキシル化される可能性があり、したがって、式(I)でのn及びmの値は0よりも大きくなり、R2はメチルであり得る。エチレンオキサイド基及びプロピレンオキサイド基の配列の順番は本発明にとって重要ではない。したがって、エチレンオキサイド及びプロピオンオキサイドを別々のブロックで含有する式(I)によるエーテルカルボン酸又はその塩も、エチレンオキサイド及びプロピオンオキサイドがランダムに分布している式(I)によるエーテルカルボン酸又はその塩も、本発明による化粧品組成物中で使用され得る。
【0022】
本発明の好ましい一実施形態において、式(I)で表されるエーテルカルボン酸又はその塩は、プロピレンオキサイドを含有しない、すなわち、n=0である。
【0023】
本発明の別の実施形態において、R1は、4から22個の炭素原子を含有する直鎖又は分枝アルキル基又は4から22個の炭素原子及び1から3個の二重結合を含有する直鎖アルケニル基;好ましくは10から18個の炭素原子、より好ましくは12から16個の炭素原子を含有するアルキル又はアルケニルである。
【0024】
本発明の別の実施形態において、R1は、天然脂肪及び油から得られた直鎖又は分枝アルキル或いは直鎖アルケニルである。好ましい脂肪及び油には、パーム油、ココナツ油、ヒマワリ油、菜種油、キャスター油、オリーブ油、大豆油;獣脂、魚油、これらの硬化油及び半硬化油等の動物性脂肪、並びにこれらの混合物が含まれる。好ましい一実施形態において、R1は、パーム油又はココナツ油から得られた直鎖又は分枝アルキル或いは直鎖アルケニルである。
【0025】
本明細書で使用される場合、「アルキル」という用語は4から22個の炭素原子を含有する直鎖又は分枝炭化水素鎖を表す。
【0026】
本明細書で使用される場合、「アルケニル」という用語は4から22個の炭素原子及び1から3個の二重結合を含有する直鎖炭化水素鎖を表す。
【0027】
化粧品として許容できる式(I)で表されるエーテルカルボン酸の塩は、ナトリウム、カリウム、マグネシウム又はカルシウム等のアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンの塩、アンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩、アルカノールアンモニウム塩(alkanolammonium salt)又はグルカンモニウム塩(glucammonium salt)である。本発明の好ましい一実施形態において、式(I)で表されるエーテルカルボン酸の塩は、エーテルカルボン酸のナトリウム塩又はカリウム塩である。
【0028】
<調製方法>
【0029】
本発明によるエーテルカルボン酸又はその塩(a)は、脂肪アルコールをアルコキシル化してアルコキシル化脂肪アルコールを含む混合物を得る工程、及びハロカルボン酸で混合物をアルキル化する工程を少なくとも含む方法によって調製され得る。
【0030】
<i)脂肪アルコールのアルコキシル化:>
【0031】
アルコールのアルコキシル化は、当業者に公知の標準的な条件下で実行され得る。例えば、ポリオキシエチレン基は、NaOH、KOH又はNaOCH3等のアルカリ触媒を主に用いてエチレンオキサイドを脂肪アルコールに加えることで得られ、広いポリオキシエチレンオキサイド分布(広いエトキシル化度)を与える。特定の用途に対して、エトキシル化はルイス酸によって、又は金属Na又はNaHを使用することによって触媒され、狭い範囲の分布(狭いエトキシル化度)を得る。しかし、市販のエトキシル化アルコールから始めてもよい。
【0032】
アルコキシル化反応から生じる生成物は、アルコキシル化脂肪アルコール及び非アルコキシル化脂肪アルコールの混合物を含む。
【0033】
本発明の一実施形態において、アルコキシル化脂肪アルコールは、式(II)で表される:
【化5】
式中、R
1は、4から22個の炭素原子、好ましくは10から18個の炭素原子、より好ましくは12から16個の炭素原子を有する直鎖又は分枝アルキル鎖であり;R
2は、C
1~C
3直鎖又は分枝アルキル鎖であり、m及びnは独立して0から15の整数であり、かつm+nの合計が1から15であり、好ましくはn及びmは独立して0から10の整数であり、かつm+nの合計が1から10であり、より好ましくはn及びmは独立して0から6の整数であり、かつm+nの合計が1から6であり、さらにより好ましくはn及びmは独立して0から3の整数であり、かつm+nの合計が1から3である。
【0034】
式(II)による適切な脂肪アルコールは、n-ブタノール、n-ヘキサノール、n-オクタノール、2-エチルブタノール、2-メチルペンタノール、2-エチルヘキサノール、2-メチルヘプタノール、n-デカノール、2-メチル-4-ノナノール、3,7-ジメチル-3-オクタノール、3,7-ジメチル-1-オクタノール、3,6-ジメチル-3-オクタノール、ラウリルアルコール(1-ドデカノール)、ミリスチルアルコール(1-テトラデカノール)、セチルアルコール(1-ヘキサデカノール)、パルミトレイルアルコール(シス-9-ヘキサデカン-1-オール)、ステアリルアルコール(1-オクタデカノール)、イソステアリルアルコール(16-メチルヘプタデカン-1-オール)、エライジルアルコール(elaidyl alcohol)(9E-オクタデセン-1-オール)、オレイルアルコール(シス-9-オクタデセン-1-オール)、リノレイルアルコール(9Z,12Z-オクタデカジエン-1-オール)、エライドリノレイルアルコール(elaidolinolenyl alcohol)(9E,12E-オクタデカジエン-1-オール)、リノレニルアルコール(9Z,12Z,15Z-オクタデカトリエン-1-オール)、エライドリノレニルアルコール(9E,12E,15-E-オクタデカトリエン-1-オール)、リシノレイルアルコール(12-ヒドロキシ-9-オクタデセン-1-オール)、アラキジルアルコール(1-エイコサノール)、ベヘニルアルコール(1-ドコサノール)、エルシルアルコール(シス-13-ドコセン-1-オール)又はこれらの混合物である。
【0035】
本発明の一実施形態において、脂肪アルコールはラウリルアルコール、ミリスチルアルコール(1-テトラデカノール)、これらの対応するアルコキシル化アルコール又はこれらの混合物である。
【0036】
本発明の別の実施形態において、脂肪アルコールは天然脂肪又は油から得られる。好ましい脂肪及び油には、パーム油、ココナツ油、ヒマワリ油、菜種油、キャスター油、オリーブ油、大豆油;獣脂、魚油、これらの硬化油及び半硬化油等の動物性脂肪、並びにこれらの混合物が含まれる。それらの天然由来の結果として、アルコキシル化されたアルコールは多くの種類のアルキル基及びアルケニル基を含有してもよく、前述の基は直鎖又は分枝、飽和又は不飽和である。
【0037】
本発明の別の実施形態において、R1がC12又はC14である脂肪アルコールの割合は、60質量%より高く、好ましくは80質量%より高い。
【0038】
<ii)カルボキシメチル化反応:>
【0039】
工程i)で得られたアルコキシル化脂肪アルコール及び非アルコキシル化脂肪アルコールの混合物のカルボキシメチル化は、いくつかの方法で実行され得るが、一つの公知の方法は、例えば欧州特許第2807241A1号に記載の方法である。
【0040】
この場合において、アルコキシル化アルコール及び非アルコキシル化アルコールの混合物は、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム等の強塩基で、場合によっては水素化ホウ素ナトリウム等の還元剤の存在中を含む当業者に公知の条件において反応されて、対応するアルコキシレートを得る。一つのあり得る方法は、モノクロロ酢酸ナトリウム(sodium monochloroacetate、SCMA)でのカルボキシメチル化である。
【0041】
前述の方法によると、カルボキシメチル化の後、アルカリ金属エーテルカルボキシレートは、任意の酸、好ましくはHClでの酸性化及びその後の水性相の除去によって遊離エーテルカルボン酸に転換されてもよい。
【0042】
カルボキシメチル化反応から生じる組成物は、エーテルカルボン酸、遊離脂肪アルコール、遊離アルコキシル化脂肪アルコール、並びに反応混合物中に存在するエーテルカルボン酸及び遊離脂肪アルコール及び遊離アルコキシル化アルコールの反応からの副生成物として得られるエステルを含む。
【0043】
<非イオン性界面活性剤(b):>
【0044】
本発明は、非イオン性界面活性剤(b)を含む。非イオン性界面活性剤の一般的な定義及び一般的な特性は、当業者に周知のものである。「NONIONIC SURFACTANT-Chemical Analysis」ISBN 0-8247-7626-7は、参照することにより本明細書に援用される。
【0045】
本発明による非イオン性界面活性剤の例には、アルカノールアミド、アルコキシル化アルカノールアミド、アルコキシル化トリメチロールプロパン(alkoxylated trimethyolol propane)、アルコキシル化1,2,3-トリヒドロキシヘキサン、アルコキシル化ペンタエリトリトール(pentaetrythritol)、アルコキシル化ソルビトール、アルコキシル化グリセロール脂肪酸部分エステル、アルコキシル化トリメチロールプロパン脂肪酸エステル(alkoxylated trimethyolol propane fatty acid ester)、アルコキシル化1,2,3-トリヒドロキシヘキサン脂肪酸エステル、アルコキシル化ペンタエリトリトール脂肪酸エステル(alkoxylated pentaetrythritol fatty acid ester)、アルコキシル化ソルビトール脂肪酸エステル、脂肪アルコール、脂肪アルコールポリグリコールエーテル、アルキルフェノール、アルキルフェノールポリグリコールエーテル、脂肪酸ポリグリコールエステル、脂肪酸アミドポリグリコールエーテル、脂肪アミンポリグリコールエーテル、混合エーテル及び混合ホルマール、任意選択で部分的に酸化されたアルキル(アルケニル)オリゴグリコシド又はグルクロン酸誘導体、脂肪酸-N-アルキルグルカミド、エトキシル化グルカミン誘導体、タンパク質加水分解物(特に小麦ベースの植物性産物)、ポリオール脂肪酸エステル、糖エステル、アルキルポリグルコシド、ソルビタンエステル及びポリソルベート等の非イオン性界面活性剤が含まれる。
【0046】
本発明の一実施形態において、非イオン性界面活性剤(b)は4から22個の炭素原子を含有する脂肪アルコールであり、脂肪アルコールはエトキシル化及び/又はプロポキシル化されていてもよい。
【0047】
C4-C22脂肪アルコールは、合成由来、並びに天然の脂肪及び油から得られる脂肪族アルコールである。好ましい脂肪及び油には、パーム油、ココナツ油、ヒマワリ油、菜種油、キャスター油、オリーブ油、大豆油;獣脂、骨脂等の動物性脂肪;魚油、これらの硬化油及び半硬化油;並びにこれらの混合物が含まれる。
【0048】
任意選択で、C4-C22脂肪アルコールはエトキシル化及び/又はプロポキシル化され、1から15の、好ましくは1から10の、より好ましくは1から6の、最も好ましくは1から3の平均アルコキシル化度を有する。
【0049】
C4-C22脂肪アルコールの例には、カプリルアルコール(1-オクタノール)、ペラルゴンアルコール(pelargonic alcohol)(1-ノナノール)、カプリンアルコール(1-デカノール)、ラウリルアルコール(1-ドデカノール)、ミリスチルアルコール(1-テトラデカノール)、セチルアルコール(1-ヘキサデカノール)、パルミトレイルアルコール(シス-9-ヘキサデカン-1-オール)、ステアリルアルコール(1-オクタデカノール)、イソステアリルアルコール(16-メチルヘプタデカン-1-オール)、エライジルアルコール(9E-オクタデセン-1-オール)、オレイルアルコール(シス-9-オクタデセン-1-オール)、リノレイルアルコール(9Z,12Z-オクタデカジエン-1-オール)、エライドリノレイルアルコール(9E,12E-オクタデカジエン-1-オール)、リノレニルアルコール(9Z,12Z,15Z-オクタデカトリエン-1-オール)、エライドリノレニルアルコール(9E,12E,15-E-オクタデカトリエン-1-オール)、リシノレイルアルコール(12-ヒドロキシ-9-オクタデセン-1-オール)、アラキジルアルコール(1-エイコサノール)、ベヘニルアルコール(1-ドコサノール)、エルシルアルコール(シス-13-ドコセン-1-オール)、及びこれらの混合物が含まれる。
【0050】
市販の脂肪アルコールの例は、市販の参照のKALCOL(登録商標)6098、(INCI セチルアルコール)、KALCOL(登録商標)2465(INCI C12~C16アルコール)、KALCOL(登録商標)8098(INCI ステアリルアルコール)、KALCOL(登録商標)6850P、(INCI セテアリルアルコール)に相当するものであり、それらはすべてKAO Chemicals Europeによって販売されている。
【0051】
好ましい一実施形態において、本発明による組成物の非イオン性界面活性剤(b)は、一つ又は複数の式(II)の脂肪アルコール
【化6】
式中、R
3は、4から22個の炭素原子、好ましくは10から18個の炭素原子、より好ましくは12から16個の炭素原子を有する直鎖又は分枝アルキル鎖であり;R
4は、C
1~C
3直鎖又は分枝アルキル鎖であり、p及びqは独立して0から15の整数であり、かつp+qの合計が0から15であり、好ましくはp及びqは独立して0から10の整数であり、かつp+qの合計が0から10であり、より好ましくはp及びqは独立して0から6の整数であり、かつp+qの合計が0から6であり、さらにより好ましくはp及びqは独立して0から3の整数であり、かつp+qの合計が0から3である;
を含む。
【0052】
本発明の好ましい一実施形態において、pは0である。
【0053】
本発明の別の好ましい実施形態において、本組成物の非イオン性界面活性剤(b)は、p+qの合計が0である式(II)の脂肪アルコールの混合物と、p+qの合計が1から15、好ましくは1から10、より好ましくは1から、さらにより好ましくは1から3であるアルコキシル化された式(II)の脂肪アルコールとの混合物を含む。
【0054】
C4~C22脂肪アルコールの例には、カプリルアルコール(1-オクタノール)、ペラルゴンアルコール(1-ノナノール)、カプリンアルコール(1-デカノール)、ラウリルアルコール(1-ドデカノール)、ミリスチルアルコール(1-テトラデカノール)、セチルアルコール(1-ヘキサデカノール)、パルミトレイルアルコール(シス-9-ヘキサデカン-1-オール)、ステアリルアルコール(1-オクタデカノール)、イソステアリルアルコール(16-メチルヘプタデカン-1-オール)、エライジルアルコール(9E-オクタデセン-1-オール)、オレイルアルコール(シス-9-オクタデセン-1-オール)、リノレイルアルコール(9Z,12Z-オクタデカジエン-1-オール)、エライドリノレイルアルコール(9E,12E-オクタデカジエン-1-オール)、リノレニルアルコール(9Z,12Z,15Z-オクタデカトリエン-1-オール)、エライドリノレニルアルコール(9E,12E,15-E-オクタデカトリエン-1-オール)、リシノレイルアルコール(12-ヒドロキシ-9-オクタデセン-1-オール)、アラキジルアルコール(1-エイコサノール)、ベヘニルアルコール(1-ドコサノール)、エルシルアルコール(シス-13-ドコセン-1-オール)、及びこれらの混合物が含まれる。
【0055】
本発明の一実施形態において、非イオン性界面活性剤(b)は、エーテルカルボン酸(a)の取得からの非カルボキシメチル化種に相当する。
【0056】
本発明の別の実施形態において、一つ又は複数の式(II)の脂肪アルコールを含む非イオン性界面活性剤(b)は、エーテルカルボン酸(a)の取得からの非カルボキシメチル化種(アルコキシル化脂肪アルコール及び非アルコキシル化脂肪アルコール)に相当する。
【0057】
本発明の別の実施形態において、一つ又は複数の式(III)の脂肪アルコールを含む非イオン性界面活性剤(b)は、ブレンド(blend)又は混合物として化粧品組成物に加えられる。
【0058】
<両性界面活性剤(c):>
【0059】
本発明の化粧品組成物は、任意選択で成分(c)を含み、前述の成分は両性界面活性剤である。
【0060】
両性界面活性剤の例は、アルキルアミンオキシド、アルキルベタイン、アルキルスルホベタイン(スルタイン)、アミドアルキルベタイン、アルキルグリシネート、アルキルカルボキシグリシネート、アルキルアンホアセテート(alkyl amphoacetates)、アルキルアンホプロピオネート(alkyl amphopropionates)、アルキルアンホグリシネート(alklylamphoglycinates)、アルキルアミドプロピルベタイン(alkyl amidopropyl betaines)、アルキルアミドプロピル-及びヒドロキシスルテイン(alkyl amidopropyl- and hydroxysultaines)である。特に好ましい両性界面活性剤は、ベタイン、アルキルアミンオキシド、アルキルアンホグリシネート及びアルキルアンホアセテートである。
【0061】
本発明の好ましい一実施形態において、成分(c)は、一つ又は複数の両性電解質を含む。両性電解質の具体例は、アミンオキシドである。本発明による適切なアミンオキシドは、8から18個の炭素原子を含有する炭化水素鎖を有するアミンオキシドである。市販のアミンオキシドの例は、市販の参照のOXIDET(登録商標)DM-20(INCI名 ラウラミンオキシド)、OXIDET(登録商標)DMCLD(INCI名 コカミンオキシド)、OXIDET(登録商標)DM-246(INCI名 コカミンオキシド)、OXIDET(登録商標)DM-4(INCI名 ミリスタミンオキシド)、OXIDET(登録商標)L-75(INCI名 コカミドプロピルアミンオキシド)によるものであり、それらはすべてKAO Chemicals Europeによって販売されている。
【0062】
本発明の最も好ましい一実施形態において、成分(c)は一つ又は複数のベタインを含む。ベタインの具体例は、アルキルベタイン、アルキルスルホベタイン(スルタイン)、アミドアルキルベタイン、アルキルグリシネート、アルキルカルボキシグリシネート、アルキルアンホアセテート、アルキルアンホプロピオネート、アルキルアンホグリシネート、アルキルアミドプロピルベタイン及びヒドロキシスルタインである。特に好ましいベタインは、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルアミドプロピルヒドロキシスルタイン、アルキルヒドロキシスルタイン及びアルキルアンホアセテートである。好ましい実施形態において、ベタインはアルキルアミドプロピルベタインである。
【0063】
本発明による市販の有益なベタイン界面活性剤の例は、BETADET(登録商標)HR、BETADET(登録商標)HR-50K、BETADET(登録商標)S-20、BETADET(登録商標)SHR及びBETADET(登録商標)THC-2であり、全てKAO Chemicals Europeによって販売されている。
【0064】
<エーテルカルボン酸エステル(d):>
【0065】
本発明の化粧品化合物は、任意選択で式(IV)のエーテルカルボン酸エステル
【化7】
式中、R
1は、4から22個の炭素原子、好ましくは10から18個の炭素原子、より好ましくは12から16個の炭素原子を有するアルキル鎖又はアルケニル鎖であり;R
2は、C
1~C
3直鎖又は分枝アルキル鎖であり、R
5は、4から22個の炭素原子、好ましくは10から18個の炭素原子、より好ましくは12から16個の炭素原子を有するアルキル鎖又はアルケニル鎖、又は-(CH
2-CH(R
2)-O)
p(CH
2CH
2O)
q-R
3であり;式中、R
3は4から22個の炭素原子、好ましくは10から18個の炭素原子、より好ましくは12から16個の炭素原子を有するアルキル鎖又はアルケニル鎖であり、n及びmは独立して0から15の整数であり、かつn+mの合計が1から15であり、好ましくはn及びmは独立して0から10の整数であり、かつm+nの合計が1から10であり、より好ましくはn及びmは独立して0から6の整数であり、かつm+nの合計が1から6であり、さらにより好ましくはn及びmは独立して0から3の整数であり、かつm+nの合計が1から3であり;p及びqは独立して0から15の整数であり、かつp+qの合計が0から15であり、好ましくはp及びqは独立して0から10の整数であり、かつp+qの合計が0から10であり、より好ましくはp及びqは独立して0から6の整数であり、かつp+qの合計が0から6であり、さらにより好ましくはp及びqは独立して0から3の整数であり、かつp+qの合計が0から3である;
を含んでもよい。
【0066】
本発明の一実施形態において、p+qの合計は0である。
【0067】
本発明の別の実施形態において、p+qの合計は1から15、好ましくは1から10、より好ましくは1から6、さらにより好ましくは1から3である。
【0068】
本発明の一実施形態において、エーテルカルボン酸エステル(d)の量は、(a)、(b)及び(d)の合計の総活性質量に対して20質量%未満であり、好ましくは(a)、(b)及び(d)の合計の総活性質量に対して10質量%未満である。
【0069】
本発明の一実施形態において、エーテルカルボン酸エステルは、反応混合物中に存在するエーテルカルボン酸(a)及び遊離脂肪アルコール及び遊離アルコキシル化アルコールの反応からの副生成物として得られてもよい。
【0070】
本発明の一実施形態において、エーテルカルボン酸エステル(d)は、化粧品組成物中に存在するエーテルカルボン酸(a)及び遊離非イオン性界面活性剤(b)からの反応によって得られる。
【0071】
本発明の一実施形態において、エーテルカルボン酸エステル(d)は、鹸化反応によって加水分解され得る。
【0072】
<鹸化反応:>
【0073】
鹸化反応は、アルカリとエーテルカルボン酸エステルを反応させ、エステルの加水分解を通して、対応するアルコール及びエーテルカルボン酸を得ることによって実行され得る。
【0074】
本発明の一実施形態において、アルカリは、NaOH又はKOH等のアルカリ性水酸化物である。好ましくは、アルカリ性水酸化物は、KOHである。
【0075】
本発明の一実施形態において、エーテルカルボン酸(a)及びKOHの間のモル比は、1:1から1.23、好ましくは1:1から1:1.17である。
【0076】
本発明の一実施形態において、鹸化反応の後、エーテルカルボン酸エステル(d)の量は、(a)、(b)及び(d)の合計の総活性質量に対して15質量%未満であり、好ましくは(a)、(b)及び(d)の合計の総活性質量に対して10質量%未満である。
【0077】
本発明の別の実施形態において、エーテルカルボン酸エステル(d)は実質的に存在しない。エーテルカルボン酸エステル(d)の実質的な不存在により、エーテルカルボン酸エステル(d)の量は、(a)、(b)及び(d)の合計の総活性質量に対して2質量%未満、例えば1質量%未満、例として0.5質量%未満であると理解される。
【0078】
<電解質(e)>
【0079】
本発明の化粧品組成物は、任意選択で成分(e)を含み、前述の成分は電解質である。
【0080】
電解質は、好ましくは一価、二価又は三価の金属塩であり、より詳細にはバリウム塩、カルシウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩並びにこれらの混合物である。これらの塩を構成するイオンは、炭酸塩、重炭酸塩、硫酸塩、リン酸塩、スルホン酸塩、グリセロリン酸塩、ホウ酸塩、臭化物、塩化物、硝酸塩、酢酸塩、水酸化物から選択されてもよい。
【0081】
好ましい電解質は、塩化マグネシウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、臭化マグネシウム、硫酸マグネシウム又は塩化マグネシウムである。 さらにより好ましくは、電解質は塩化ナトリウム及び塩化カリウムである。
【0082】
<本発明の化粧品組成物>
【0083】
本発明の主な目的は、
(a)一つ又は複数の式(I)のエーテルカルボン酸或いは化粧品として許容できるその塩と、
【化8】
式中、R
1は、4から22個の炭素原子、好ましくは10から18個の炭素原子、より好ましくは12から16個の炭素原子を有する直鎖又は分枝アルキル鎖或いはアルケニル鎖であり;R
2は、C
1~C
3直鎖又は分枝アルキル鎖であり、n及びmは独立して0から15の整数であり、かつm+nの合計が1から15であり、好ましくはn及びmは独立して0から10の整数であり、かつm+nの合計が1から10であり、より好ましくはn及びmは独立して0から6の整数であり、かつm+nの合計が1から6であり、さらにより好ましくはn及びmは独立して0から3の整数であり、かつm+nの合計が1から3である;
(b)一つ又は複数の非イオン性界面活性剤と、
を含み、
成分(a)及び成分(b)の間のモル比は、8:1から2:1、好ましくは7:1から3:1、より好ましくは6:1から4:1である、化粧品組成物である。
【0084】
本発明の別の実施形態において、化粧品組成物は
(a)一つ又は複数の式(I)のエーテルカルボン酸或いは化粧品として許容できるその塩と、
【化9】
式中、R
1は、4から22個の炭素原子、好ましくは10から18個の炭素原子、より好ましくは12から16個の炭素原子を有する直鎖又は分枝アルキル鎖或いはアルケニル鎖であり;R
2は、C
1~C
3直鎖又は分枝アルキル鎖であり、n及びmは独立して0から15の整数であり、かつm+nの合計が1から15であり、好ましくはn及びmは独立して0から10の整数であり、かつm+nの合計が1から10であり、より好ましくはn及びmは独立して0から6の整数であり、かつm+nの合計が1から6であり、さらにより好ましくはn及びmは独立して0から3の整数であり、かつm+nの合計が1から3である;
(b)式(III)の脂肪アルコールを含む、一つ又は複数の非イオン性界面活性剤と、
【化10】
式中、R
3は、4から22個の炭素原子、好ましくは10から18個の炭素原子、より好ましくは12から16個の炭素原子を有する直鎖又は分枝アルキル鎖であり;R
4は、C
1~C
3直鎖又は分枝アルキル鎖であり、p及びqは独立して0から15の整数であり、かつp+qの合計が0から15であり、好ましくはp及びqは独立して0から10の整数であり、かつp+qの合計が0から10であり、より好ましくはp及びqは独立して0から6の整数であり、かつp+qの合計が0から6であり、さらにより好ましくはp及びqは独立して0から3の整数であり、かつp+qの合計が0から3である;
を含み、
成分(a)及び成分(b)の間のモル比は、8:1から2:1、好ましくは7:1から3:1、より好ましくは6:1から4:1、さらにより好ましくは5.5:1から4.5:1である。
【0085】
本発明の一実施形態において、非イオン性界面活性剤は、p+qの合計が0である式(III)の脂肪アルコール及びp+qの合計が1から15、好ましくは1から10、より好ましくは1から6、さらにより好ましくは1から3である式(III)の脂肪アルコールの混合物を含む。
【0086】
本発明の一実施形態において、化粧品組成物は、少なくとも(a)一つ又は複数の式(I)のエーテルカルボン酸及び少なくとも(b)非イオン性界面活性剤を含み、非イオン性界面活性剤(b)は、エーテルカルボン酸(a)の取得からの非カルボキシメチル化種に相当する。
【0087】
本発明の一実施形態において、化粧品組成物は、少なくとも(a)一つ又は複数の式(I)のエーテルカルボン酸及び少なくとも(b)一つ又は複数の式(II)の脂肪アルコールを含む非イオン性界面活性剤を含み、非イオン性界面活性剤(b)は、エーテルカルボン酸(a)の取得からの非カルボキシメチル化種に相当する。
【0088】
本発明の別の実施形態において、化粧品組成物は、少なくとも(a)一つ又は複数の式(I)のエーテルカルボン酸及び少なくとも(b)一つ又は複数の式(III)の脂肪アルコールを含む非イオン性界面活性剤を含み、非イオン性界面活性剤はブレンド又は混合物として化粧品組成物に加えられる。
【0089】
本発明の一実施形態において、(a)式(I)のエーテルカルボン酸又はその塩及び(b)非イオン性界面活性剤を含む化粧品組成物の活性物質の割合は、50%より高い。
【0090】
活性物質は、規定された作用に関与している全ての特定成分の活性物質の合計から計算された活性物質の質量パーセント(質量%)に相当する。本発明では、活性物質は、界面活性剤成分、すなわち(a)、(b)、(d)及び任意選択で(c)に対するものである。
【0091】
本発明の別の実施形態において、化粧品組成物は、
(a)一つ又は複数の式(I)のエーテルカルボン酸或いは化粧品として許容できるその塩と、
【化11】
式中、R
1は、4から22個の炭素原子、好ましくは10から18個の炭素原子、より好ましくは12から16個の炭素原子を有する直鎖又は分枝アルキル鎖或いはアルケニル鎖であり;R
2は、C
1~C
3直鎖又は分枝アルキル鎖であり、n及びmは独立して0から15の整数であり、かつm+nの合計が1から15であり、好ましくはn及びmは独立して0から10の整数であり、かつm+nの合計が1から10であり、より好ましくはn及びmは独立して0から6の整数であり、かつm+nの合計が1から6であり、さらにより好ましくはn及びmは独立して0から3の整数であり、かつm+nの合計が1から3である;
(b)脂肪アルコールを含む、一つ又は複数の非イオン性界面活性剤と;
(c)両性界面活性剤
を含み、
成分(a)及び成分(b)の間のモル比は、8:1から2:1、好ましくは7:1から3:1、より好ましくは6:1から4:1であり;かつ
成分(a)、成分(b)及び成分(c)の間のモル比は、90:5:5から40:6:54、好ましくは70:5:25から45:7:48である。
【0092】
本発明の別の実施形態において、化粧品組成物は、
(a)一つ又は複数の式(I)のエーテルカルボン酸或いは化粧品として許容できるその塩と、
【化12】
式中、R
1は、4から22個の炭素原子、好ましくは10から18個の炭素原子、より好ましくは12から16個の炭素原子を有する直鎖又は分枝アルキル鎖或いはアルケニル鎖であり;R
2は、C
1~C
3直鎖又は分枝アルキル鎖であり、n及びmは独立して0から15の整数であり、かつm+nの合計が1から15であり、好ましくはn及びmは独立して0から10の整数であり、かつm+nの合計が1から10であり、より好ましくはn及びmは独立して0から6の整数であり、かつm+nの合計が1から6であり、さらにより好ましくはn及びmは独立して0から3の整数であり、かつm+nの合計が1から3である;
(b)脂肪アルコールを含む、一つ又は複数の非イオン性界面活性剤と;
(c)両性界面活性剤
を含み、
成分(a)及び成分(b)の間のモル比は、8:1から2:1、好ましくは7:1から3:1、より好ましくは6:1から4:1であり;かつ
成分(a)、成分(b)及び成分(c)の間のモル比は、89:6:5から38:15:47、好ましくは82:8:10から60:10:30である。
【0093】
本発明の別の実施形態において、化粧品組成物は、
(a)一つ又は複数の式(I)のエーテルカルボン酸或いは化粧品として許容できるその塩と、
【化13】
式中、R
1は、4から22個の炭素原子、好ましくは10から18個の炭素原子、より好ましくは12から16個の炭素原子を有する直鎖又は分枝アルキル鎖或いはアルケニル鎖であり;R
2は、C
1~C
3直鎖又は分枝アルキル鎖であり、n及びmは独立して0から15の整数であり、かつm+nの合計が1から15であり、好ましくはn及びmは独立して0から10の整数であり、かつm+nの合計が1から10であり、より好ましくはn及びmは独立して0から6の整数であり、かつm+nの合計が1から6であり、さらにより好ましくはn及びmは独立して0から3の整数であり、かつm+nの合計が1から3である;
(b)脂肪アルコールを含む、一つ又は複数の非イオン性界面活性剤と;
(c)両性界面活性剤と、
(d)式(IV)のエーテルカルボン酸エステルと、
【化14】
式中、R
1は、4から22個の炭素原子、好ましくは10から18個の炭素原子、より好ましくは12から16個の炭素原子を有するアルキル鎖又はアルケニル鎖であり;R
2は、C
1~C
3直鎖又は分枝アルキル鎖であり、R
5は、4から22個の炭素原子、好ましくは10から18個の炭素原子、より好ましくは12から16個の炭素原子を有するアルキル鎖又はアルケニル鎖、又は-(CH
2-CH(R
2)-O)
p(CH
2CH
2O)
q-R
3であり;式中、R
3は4から22の炭素原子、好ましくは10から18の炭素原子、より好ましくは12から16の炭素原子を有するアルキル鎖又はアルケニル鎖であり、n及びmは独立して0から15の整数であり、かつn+mの合計が1から15であり、好ましくはn及びmは独立して0から10の整数であり、かつm+nの合計が1から10であり、より好ましくはn及びmは独立して0から6の整数であり、かつm+nの合計が1から6であり、さらにより好ましくはn及びmは独立して0から3の整数であり、かつm+nの合計が1から3であり、p及びqは0又は1から15の整数であり、p+qの合計が0から15であり、好ましくはp及びqは独立して0から10の整数であり、かつp+qの合計が0から10であり、より好ましくはp及びqは独立して0から6の整数であり、かつp+qの合計が0から6であり、さらにより好ましくはp及びqは独立して0から3の整数であり、かつp+qの合計が0から3である;
を含み、
成分(a)及び成分(b)の間のモル比は、8:1から2:1、好ましくは7:1から3:1、より好ましくは6:1から4:1である。
【0094】
本発明の別の実施形態において、化粧品組成物は、
(a)一つ又は複数の式(I)のエーテルカルボン酸或いは化粧品として許容できるその塩と、
【化15】
式中、R
1は、4から22個の炭素原子、好ましくは10から18個の炭素原子、より好ましくは12から16個の炭素原子を有する直鎖又は分枝アルキル鎖或いはアルケニル鎖であり;R
2は、C
1~C
3直鎖又は分枝アルキル鎖であり、n及びmは独立して0から15の整数であり、かつm+nの合計が1から15であり、好ましくはn及びmは独立して0から10の整数であり、かつm+nの合計が1から10であり、より好ましくはn及びmは独立して0から6の整数であり、かつm+nの合計が1から6であり、さらにより好ましくはn及びmは独立して0から3の整数であり、かつm+nの合計が1から3である;
(b)脂肪アルコールを含む、一つ又は複数の非イオン性界面活性剤と;
(c)両性界面活性剤と、
(d)式(IV)のエーテルカルボン酸エステルと、
(e)電解質と、
を含み、
成分(a)及び成分(b)の間のモル比は、8:1から2:1、好ましくは7:1から3:1、より好ましくは6:1から4:1である。
【0095】
本発明の別の実施形態において、化粧品組成物は、
75%から95%、好ましくは80%から95%の成分(a)と、
5%から20%、好ましくは5%から15%の成分(b)と、を含み、
それぞれの示された量は、(a)、(b)及び(d)の合計の総活性質量に対する前述の成分の質量パーセントとして表されている。
【0096】
本発明の別の実施形態において、化粧品組成物は、
27%から90%、好ましくは35%から85%の成分(a)と、
3%から15%、好ましくは5%から10%の成分(b)と、
5%から70%、好ましくは10%から60%の成分(c)と、を含み、
それぞれの示された量は、(a)、(b)及び(c)の合計の総活性質量に対する前述の成分の質量パーセントとして表されている。
【0097】
本発明の別の実施形態において、化粧品組成物は、
27%から90%、好ましくは35%から85%の成分(a)と、
3%から15%、好ましくは5%から10%の成分(b)と、
5%から70%、好ましくは10%から60%の成分(c)と、
15質量%未満の量、好ましくは10質量%未満の量である成分(d)と、を含み、
それぞれの示された量は、(a)、(b)、(c)及び(d)の合計の総活性質量に対する前述の成分の質量パーセントとして表されている。
【0098】
本発明の別の実施形態において、化粧品組成物は、
27%から90%、好ましくは35%から85%の成分(a)と、
3%から15%、好ましくは5%から10%の成分(b)と、
5%から70%、好ましくは10%から60%の成分(c)と、を含み、
それぞれの示された量は、(a)、(b)及び(c)の合計の総活性質量に対する前述の成分の質量パーセントとして表されており;かつ成分(d)は存在しない。
【0099】
本発明の別の実施形態において、化粧品組成物は、
27%から90%、好ましくは35%から85%の成分(a)と、
3%から15%、好ましくは5%から10%の成分(b)と、
5%から70%、好ましくは10%から60%の成分(c)と、
15質量%未満の量、好ましくは10質量%未満の量である成分(d)と、又は代わりに成分(d)は存在せず、
成分(e)と、を含み、
それぞれの示された量は、(a)、(b)、(c)及び(d)の合計の総活性質量に対する前述の成分の質量パーセントとして表されており、かつ(a)及び(e)の間のモル比は、1:0.03から1:0.27、好ましくは1:0.04から1:0.16である。
【0100】
本発明の別の実施形態において、化粧品組成物は、
75%から95%、好ましくは80%から95%の成分(a)と、
5%から20%、好ましくは5%から15%の成分(b)と、
成分(e)と、を含み、
それぞれの示された量は、(a)及び(b)の合計の総活性質量に対する前述の成分の質量パーセントとして表されており;かつ(a)及び(e)の間のモル比は、1:0.03から1:0.27、好ましくは1:0.04から1:0.16である。
【0101】
本発明の別の実施形態において、化粧品組成物は、
(a)一つ又は複数の式(I)のエーテルカルボン酸或いは化粧品として許容できるその塩と、
【化16】
式中、R
1は、4から22個の炭素原子、好ましくは10から18個の炭素原子、より好ましくは12から16個の炭素原子を有するアルキル鎖又はアルケニル鎖であり;R
2は、C
1~C
3直鎖又は分枝アルキル鎖であり、n及びmは独立して0から15の整数であり、かつm+nの合計が1から15であり、好ましくはn及びmは独立して0から10の整数であり、かつm+nの合計が1から10であり、より好ましくはn及びmは独立して0から6の整数であり、かつm+nの合計が1から6であり、さらにより好ましくはn及びmは独立して0から3の整数であり、かつm+nの合計が1から3である;
(b)非イオン性界面活性剤、好ましくは脂肪アルコールと、を含み;
成分(a)及び成分(b)の間のモル比は、8:1から2:1、好ましくは7:1から3:1、より好ましくは6:1から4:1であり;
本組成物は、
i.脂肪アルコールをアルコキシル化する工程と、
ii.工程i)で得られた混合物をカルボキシメチル化する工程と、
iii.鹸化反応によって、工程ii)の間に副生成物として得られたエーテルカルボン酸エステルを加水分解する工程と、
を少なくとも含む方法によって得られる。
【0102】
本発明の一実施形態において、化粧品組成物は、(a)一つ又は複数の式(I)のエーテルカルボン酸又はその塩、(b)非イオン性界面活性剤、好ましくは脂肪アルコールを含み、本組成物は、i)脂肪アルコールをアルコキシル化する工程、ii)工程i)で得られた混合物をカルボキシメチル化する工程及び鹸化反応によって工程ii)の間に副生成物として得られたエーテルカルボン酸エステルを加水分解する工程を少なくとも含む方法によって得られ、鹸化反応はKOHを用いて実行される。
【0103】
本発明の別の実施形態において、化粧品組成物は、
(a)一つ又は複数の式(I)のエーテルカルボン酸或いは化粧品として許容できるその塩と、
【化17】
式中、R
1は、4から22個の炭素原子、好ましくは10から18個の炭素原子、より好ましくは12から16個の炭素原子を有するアルキル鎖又はアルケニル鎖であり;R
2は、C
1~C
3直鎖又は分枝アルキル鎖であり、n及びmは独立して0から15の整数であり、かつm+nの合計が1から15であり、好ましくはn及びmは独立して0から10の整数であり、かつm+nの合計が1から10であり、より好ましくはn及びmは独立して0から6の整数であり、かつm+nの合計が1から6であり、さらにより好ましくはn及びmは独立して0から3の整数であり、かつm+nの合計が1から3である;
(b)非イオン性界面活性剤、好ましくは脂肪アルコールと、を含み;
成分(a)及び成分(b)の間のモル比は、8:1から2:1、好ましくは7:1から3:1、好ましくは6:1から4:1であり、さらにより好ましくは5.5:1から4.5:1であり;
本組成物は、
i.4から22個の炭素原子、好ましくは10から18個の炭素原子、より好ましくは12から16個の炭素原子を有するアルキル鎖又はアルケニル鎖を有する脂肪アルコールをアルコキシル化する工程と、
ii.C2からC5のクロロカルボン酸を用いて、アルコキシル化アルコール及びそのアルコキシドを少なくとも含む工程i)で得られた混合物をカルボキシメチル化する工程と、
iii.このようにして得られたエーテルカルボン酸塩を、酸の添加及びそれに続く相分離によって遊離エーテルカルボン酸に転換する工程と、
iv.鹸化によって、工程ii)の間に副生成物として得られたエーテルカルボン酸エステルを加水分解する工程と、
を少なくとも含む方法によって得られる。
【0104】
本発明の別の実施形態において、本発明の化粧品組成物は、(a)、(b)及び(d)の合計の活性質量の50%より高い、好ましくは55%より高い化粧品組成物の活性物質含有量において、流動性を有する。
【0105】
本発明の一実施形態において、化粧品組成物の粘度は37000cP(20℃)未満である。
【0106】
本発明の別の実施形態において、化粧品組成物の粘度は12000から20000cP(20℃)である。
【0107】
本発明の化粧品組成物はまた、水を含んでもよい。
【0108】
本発明の化粧品組成物のpHは、5.5から11.4の間に含まれる。
【0109】
本発明の別の態様は、本発明の化粧品組成物を得る方法であり;前述の方法は、成分を水で混合する工程a)と、攪拌して均一溶液を得る工程b)と、を含む。
【0110】
皮膚及び/又は毛髪の洗浄のための本発明の化粧品組成物の使用も、本発明の一部である。
【0111】
本発明の一実施形態において、化粧品組成物は毛髪の洗浄のために使用される。
【0112】
本発明の好ましい一実施形態において、
(a)一つ又は複数の式(I)のエーテルカルボン酸或いは化粧品として許容できるその塩と、
(b)好ましくは脂肪アルコールを含む、一つ又は複数の非イオン性界面活性剤と、
(c)両性界面活性剤と、を含み、
成分(a)及び成分(b)の間のモル比は、8:1から2:1、好ましくは7:1から3:1、より好ましくは6:1から4:1であり;
かつ、成分(a)、成分(b)及び成分c)の間のモル比は、90:5:5から70:5:25、好ましくは70:5:25から45:7:48である;
化粧品組成物は、毛髪の洗浄のために使用される。
【0113】
本発明の別の実施形態において、化粧品組成物は、シェービングフォームに使用される。
【0114】
本発明の好ましい一実施形態において、
(a)一つ又は複数の式(I)のエーテルカルボン酸或いは化粧品として許容できるその塩と、
(b)脂肪アルコールを含む、一つ又は複数の非イオン性界面活性剤と、
(c)両性界面活性剤と、を含み、
成分(a)及び成分(b)の間のモル比は、8:1から2:1、好ましくは7:1から3:1、より好ましくは6:1から4:1であり;
かつ、成分(a)、成分(b)及び成分(c)の間のモル比は、89:6:5から38:15:47、好ましくは82:8:10から60:10:30である;
化粧品組成物は、シェービングフォームに使用される。
【0115】
皮膚及び/又は毛髪を濡らす又は湿らせる工程、十分な量の本発明による化粧品組成物を皮膚及び/又は毛髪に適用する工程、並びに皮膚及び/又は毛髪を水で洗い流す工程を含む、皮膚及び/又は毛髪を洗浄する方法。
【0116】
本発明の化粧品組成物は、皮膚及び/又は毛髪の洗浄のための組成物、毛髪を染色する組成物及び毛髪を除去する組成物で使用され得る。以下のリストによって制限されることなく、化粧品組成物を含む皮膚及び毛髪の洗浄剤は、液状せっけん、シャンプー、シェービングフォーム、洗顔剤、シャワーバス(shower baths)、バブルバス(bubble baths)、シャワー又はウォッシュジェル或いはクリームの形態であり得る。
【0117】
本発明の一実施形態において、化粧品組成物は皮膚及び/又は毛髪の洗浄のために使用される。
【0118】
別の実施形態において、化粧品組成物は毛髪の洗浄のために使用される。本発明の別の実施形態において、化粧品組成物は皮膚の洗浄のために使用される。更なる一実施形態において、本発明の化粧品組成物はシェービングフォームに使用される。
【0119】
別の実施形態において、本発明の化粧品組成物は毛髪を染色する組成物に使用される。別の実施形態において、化粧品組成物は毛髪を除去する組成物に使用される。
【0120】
本発明による化粧品組成物はまた、油成分、シリコーン化合物、粉末、更なる非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ポリマー、金属イオン封鎖剤、UV保護因子(UV protection factors)、ビタミン、抗酸化剤、抗酸化補助剤(antioxidant aids)、香油、細菌阻害剤(germ inhibitors)等を更なる補助剤及び添加剤として含んでもよい。
【0121】
油の例には、液状の油、固形状の油、ワックス、炭化水素油、及び合成エステル油が含まれる。適切な油成分は、例えば、6から22個の及び好ましくは8から10個の炭素原子を含有する脂肪アルコールに基づくガーベットアルコール(Guerbet alcohols)、直鎖C6~C22脂肪酸と直鎖C6~C22脂肪アルコールとのエステル、分枝C6~C22カルボン酸と直鎖C6~C22の脂肪アルコールとのエステル、例えば、ミリスチルミリステート、ミリスチルパルミテート、ミリスチルステアレート、ミリスチルイソステアレート、ミリスチルオレエート、ミリスチルベヘネート、ミリスチルエルケート(myristyl erucate)、セチルミリステート、セチルパルミテート、セチルステアレート、セチルイソステアレート、セチルオレエート、セチルベヘネート、セチルエルケート、ステアリルミリステート、ステアリルパルミテート、ステアリルステアレート、ステアリルイソステアレート、ステアリルオレエート、ステアリルベヘネート、ステアリルエルケート、イソステアリルミリステート、イソプロピルミリステート、イソステアリルパルミテート、イソステアリルステアレート、イソステアリルイソステアレート、イソステアリルオレエート、イソステアリルベヘネート、イソステアリルオレエート、オレイルミリステート、オレイルパルミテート、オレイルステアレート、オレイルイソステアレート、オレイルオレエート、オレイルベヘネート、オレイルエルケート、ベヘニルミリステート、ベヘニルパルミテート、ベヘニルステアレート、ベヘニルイソステアレート、ベヘニルオレエート、ベヘニルベヘネート、ベヘニルエルケート、エルシルミリステート、エルシルパルミテート、エルシルステアレート、エルシルイソステアレート、エルシルクリート(erucyl cleats)、エルシルベヘネート及びエルシルエルケート等である。直鎖C6~C22脂肪酸と分枝アルコールとのエステル、より詳細には2-エチルヘキサノール、ヒドロキシカルボン酸と直鎖又は分枝C6~C22脂肪アルコールとのエステル、直鎖及び/又は分枝脂肪酸と多価アルコール、例えば、プロピレングリコール、二量体ジオール、又は三量体トリオール及び/又はガーベットアルコールとのエステル、C6~C10脂肪酸に基づくトリグリセリド、C6~C18脂肪酸に基づく液状のモノ-/ジ-/トリグリセリド混合物、C6~C22脂肪アルコール及び/又はガーベットアルコールと芳香族カルボン酸とのエステル、より詳細には、安息香酸、C6~C12ジカルボン酸と1から22個の炭素原子を含有する直鎖又は分枝アルコール或いは2から10個の炭素原子及び2から6個のヒドロキシル基を含有するポリオールとのエステル、アボカド油、アーモンド油、ヘーゼルナッツ油、ババスヤシ油、ボリジオイル、落花生油、ホホバ油、キャノーラ油、ヘンプオイル、大豆油、ミルクシスルオイル、サフラワー油、チュファオイル(chufa oil)、ココナツ油、菜種油、ブラッククミンオイル、小麦胚芽油、ヒマワリ油、アマニ油、マカダミアナッツオイル、コーン油、クルミ油、オリーブ油等の植物油、分枝第一級アルコール、置換シクロヘキサン、直鎖又は分枝C6~C22脂肪アルコールカーボネート、ガーベットカーボネート(Guerbet carbonates)、安息香酸と直鎖及び/又は分枝C6~C22アルコールとのエステル、1つのアルキル基あたり6から22個の炭素原子含有する直鎖又は分枝、対称又は非対称ジアルキルエーテル、エポキシ化脂肪酸エステルとポリオールとの開環生成物、シリコーン油及び/或いは脂肪族炭化水素又はナフテン系炭化水素、例えばジアルキルシクロヘキサンも好適である。
【0122】
ワックスの例には、例えば、カンデリラワックス、カルナウバワックス、木蝋(japan wax)、エスパルトグラスワックス(espartograss wax)、コルクワックス(cork wax)、グアルマワックス(guaruma wax)、コメヌカ油ワックス(rice oil wax)、サトウキビワックス、ウリキュリーワックス(ouricury wax)、モンタンワックス、ビーズワックス、セラックワックス、鯨蝋、ラノリン(羊毛蝋)、尾殿部脂肪(uropygial fat)、セレシン、オゾセライト(地蝋)、ペトロラタム、パラフィンワックス、マイクロワックス等の天然のワックス;例えば、モンタンエステルワックス(montan ester waxes)、サソールワックス(sasol waxes)、水素化ホホバワックス等の化学修飾したワックス(硬蝋)、及び、例えば、ポリアルキレンワックス及びポリエチレングリコールワックス等の合成ワックスが含まれる。
【0123】
炭化水素油の例には、流動パラフィン、スクアラン、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクアレン、ペトロラタム、及びマイクロクリスタリンワックスが含まれる。
【0124】
適切なシリコーン化合物は、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環状シリコーン及び室温で液状であっても樹脂状であってもよいアミノ-/脂肪酸-/アルコール-/ポリエーテル-/エポキシ-/フッ素-/グリコシド-及び/又はアルキル-変性シリコーン化合物である。好ましいシリコーン化合物は、25℃でパラフィン油に溶解するシリコーン油である、疎水性シリコーン油である。本発明によって使用される疎水性シリコーン油には、揮発性及び不揮発性のシリコーン油が含まれる。具体例には、xが3~6である式{(CH3)2SiO}xを有する環状メチルシロキサン、又はyが0~5である式((CH3)2SiO{(CH3)2SiO}ySi(CH3)3を有する短鎖直鎖メチルシロキサンが含まれる。
【0125】
いくつかの好適な環状メチルシロキサンは、134℃の沸点及び式{(Me2)SiO}3の固体のヘキサメチルシクロトリシロキサン(D3)、;176℃の沸点、2.3mm2/sの粘度、及び式{(Me2)SiO}4のオクタメチルシクロテトラシロキサン(D4);210℃の沸点、3.87mm2/sの粘度、及び式{(Me2)SiO}5のデカメチルシクロペンタシロキサン(D5)(シクロメチコン);245℃の沸点、6.62mm2/sの粘度、及び式{(Me2)SiO}6のドデカメチルシクロヘキサシロキサン(DE)である。
【0126】
いくつかの好適な短鎖直鎖メチルシロキサンは、100℃の沸点、0~65mm2/sの粘度、及び式Me3SiOMe3のヘキサメチルジシロキサン(MM);152℃の沸点、1.04mm2/sの粘度、及び式Me3SiOMe2SiOSiMe3のオクタメチルトリシロキサン(MDM);194℃の沸点、1.53mm2/sの粘度、及び式Me3SiO(MeSiO)2SiMe3のデカメチルテトラシロキサン(MD2M);229℃の沸点、2.06mm2/sの粘度、及び式Me3SiO(Me2SiO)3SiMe3のドデカメチルペンタシロキサン(MD3M);245℃の沸点、2.63mm2/sの粘度、及び式Me3SiO(Me2SiO)4SiMe3のテトラデカメチルヘキサシロキサン(MD4M);及び270℃の沸点、3.24mm2/sの粘度、及び式Me3SiO(Me2SiO)5SiMe3のヘキサデカメチルヘプタシロキサン(MD5M)である。
【0127】
さらに、フェニルトリメチコン、ビス(フェニルプロピル)ジメチコン、ジメチコン、及びジメチコノール等の長鎖直鎖シロキサンも、含まれる。
【0128】
粉末の例には、タルク、カオリン、マイカ、セリサイト、白雲母、金雲母、合成マイカ、リチア雲母、黒雲母、バーミキュライト、ベントナイト、ヘクトライト、ラポナイト(laponite)、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸塩(tungstate)、マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、か焼硫酸カルシウム(calcined calcium sulfate、焼石こう)、リン酸カルシウム、フッ素リン灰石(fluorine apatite)、ヒドロキシアパタイト、セラミック粉末、金属石けん(例として、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、及びステアリン酸アルミニウム)、及び窒化ホウ素等の無機粉末;ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリメチルメタアクリレート粉末、ポリスチレン粉末、スチレン-アクリル酸コポリマー樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ(テトラフルオロエチレン)粉末、及びセルロース粉末などの有機粉末;二酸化チタン及び酸化亜鉛等の無機白色顔料;酸化鉄(赤色酸化鉄)及びチタン酸鉄等の無機赤色顔料;γ-酸化鉄等の無機茶色顔料;黄色酸化鉄及び黄土等の無機黄色顔料;黒色酸化鉄及び低次酸化チタン等の無機黒色顔料;マンゴーバイオレット(mango violet)及びコバルトバイオレット等の無機紫色顔料;酸化クロム、水酸化クロム、及びチタン酸コバルト等の無機緑色顔料;ウルトラマリン及びプルシアンブルー等の無機青色顔料;酸化チタン被覆マイカ、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、着色酸化チタン被覆マイカ(colored titanium oxide coated mica)、オキシ塩化ビスマス、及び魚鱗箔(fish scale flakes)等のパール顔料;アルミニウム粉末及び銅粉末等の金属粉末顔料;ジルコニウムレーキ、バリウムレーキ、又はアルミニウムレーキ等の有機顔料(例として、Red No.201、Red No.202、Red No.204、Red No.205、Red No.220、Red No.226、Red No.228、Red No.405、Orange No.203、Orange No.204、Yellow No.205、Yellow No.401、及びBlue No.404、又はRed No.3、Red No.104、Red No.106、Red No.227、Red No.230、Red No.401、Red No.505、Orange No.205、Yellow No.4、Yellow No.5、Yellow No.202、Yellow No.203、Green No.3、及びBlue No.1);クロロフィル及びβ-カロテン等の天然色素が含まれる。
【0129】
親油性非イオン性界面活性剤の例には、ソルビタン脂肪酸エステル(ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート(sorbitan sesquioleate)、ソルビタントリオレエート、ジグリセロールソルビタンペンタ-2-エチルヘキシレート(diglycerol sorbitan penta-2-ethylhexylate)、及びジグリセロールソルビタンテトラ-2-エチルヘキシレート(diglycerol sorbitan tetra-2-ethylhexylate)等);グリセロール脂肪酸エステル又はポリグリセロール脂肪酸エステル(グリセロールモノ-コットンシードオイル脂肪酸エステル(glycerol mono-cotton seed oil fatty acid ester)、グリセロールモノエルカート(glycerol monoerucate)、グリセロールセスキオレエート、グリセロールモノステアレート、グリセロール-α,α′オレエートピログルタメート(glycerol-α,α′-oleate pyroglutamate)、及びグリセロールモノステアレートマレエート等);プロピレングリコール脂肪酸エステル(プロピレングリコールモノステアレート等);硬化キャスター油誘導体;及びグリセロールアルキルエーテルが含まれる。
【0130】
親水性非イオン性界面活性剤の例には、POE-ソルビタン脂肪酸エステル(POE-ソルビタンモノオレエート、POE-ソルビタンモノステアレート、及びPOE-ソルビタンテトラオレエート等);POEソルビトール脂肪酸エステル(POE-ソルビトールモノラウレート、POE-ソルビトールモノオレエート、POE-ソルビトールペンタオレエート、及びPOE-ソルビトールモノステアレート等);POE-グリセロール脂肪酸エステル(POE-モノオレエート、POE-グリセロールモノステアレート、POE-グリセロールモノイソステアレート、及びPOE-グリセロールトリイソステアレート等);POE-脂肪酸エステル(POE-ジステアレート、POE-モノジオレエート、及びエチレングリコールジステアレート等);POE-アルキルエーテル(POE-ラウリルエーテル、POE-オレイルエーテル、POE-ステアリルエーテル、POE-ベヘニルエーテル、POE-2-オクチルドデシルエーテル、及びPOE-コレスタノールエーテル等);プルロニックタイプ界面活性剤(プルロニック等);POE/POP-アルキルエーテル(POE/POPセチルエーテル、POE/POP2-デシルテトラデシルエーテル、POE/POPモノブチルエーテル、POE/POP水添ラノリン、及びPOE/POPグリセロールエーテル等);テトラPOE/テトラPOP-エチレンジアミン縮合物(tetra POE/tetra POP-ethylenediamine condensates)(テトロニック等);POE-キャスター油又は硬化キャスター油誘導体(POE-キャスター油、POE-硬化キャスター油、POE-硬化キャスター油モノイソステアレート、POE-硬化キャスター油トリイソステアレート、及びPOE-硬化キャスター油モノピログルタミン酸モノイソステアレートジエステル(POE-hardened castor oil monopyroglutamate monoisostearate diester)、POE-硬化キャスター油マレエート等);POE-ビーズワックスラノリン誘導体(POE-ソルビトールビーズワックス等);アルカノールアミド(ココナツ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、及び脂肪酸イソプロパノールアミド等);POE-プロピレングリコール脂肪酸エステル;POE-アルキルアミン;POE-脂肪酸アミド;スクロース脂肪酸エステル;アルキルエトキシジメチルアミンオキシド;及びトリオレイルホスフェートが含まれる。
【0131】
アニオン性界面活性剤の例は、例えば、アルキル硫酸塩(C6~C22アルキル硫酸塩、前述のC6~C22アルキル硫酸塩の金属塩並びにアルキル置換基又はヒドロキシアルキル置換基を有する有機アミンのアンモニウム塩又は塩等)、アルキルエーテル硫酸塩界面活性剤タイプ(C6~C22アルキルエーテル硫酸塩1モルあたり0.5から5、好ましくは0.8から3モルのエチレンオキサイドを含有するC6~C22アルキルエーテル硫酸塩、前述のアルキルC6~C22エーテル硫酸塩の金属塩及びアルキル置換基又はヒドロキシアルキル置換基を有する有機アミンのアンモニウム塩であり、例は、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテル硫酸カリウム、ラウリルエーテル硫酸アンモニウム、及び、アルキルエーテル硫酸塩1モルあたり0.8から3モルのエチレンオキサイドを含有するラウリルエーテル硫酸モノ-、ジ-、及びトリエチルエタノールアミン、又はこれらの混合物等)である。スルホサクシネートタイプのアニオン性界面活性剤も可能な例であり、アルキルC6~C22スルホサクシネート及びアルキルC6~C22エーテルスルホサクシネート、好ましくは、アルキル(例として、モノ-又はジ-アルキル)C6~C22エーテルスルホサクシネート1モルあたり0.5から10、好ましくは1から5モルのエチレンオキサイドを含有するモノ-及びジ-アルキルC6~C22スルホサクシネート並びにモノ-及びジ-アルキルC6~C22エーテルスルホサクシネート、又はこれらの混合物を含み、これは、前述のモノ-及びジ-アルキルC6~C22スルホサクシネート並びにモノ-及びジ-アルキルC6~C22エーテルスルホサクシネートの金属塩、並びにアルキル置換基又はヒドロキシアルキル置換基を有する有機アミンのアンモニウム塩又は塩を使用することができる。
【0132】
好適なカチオン性ポリマーは、例えば、カチオン性セルロース誘導体、例えばPolymer JR 400という名称でAmercholから入手可能な四級化ヒドロキシエチルセルロース等、カチオン性でんぷん、ジアリルアンモニウム塩及びアクリルアミドのコポリマー、四級化ビニルピロリドン/ビニルイミダゾールポリマー、例えばLuviquat(BASF)等、ポリグリコールとアミンとの縮合生成物、四級化コラーゲンポリペプチド、例えばラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン(Lauryidimonium Hydroxypropyl Hydrolyzed Collagen)等、四級化コムギポリペプチド、ポリエチレンイミン、カチオン性シリコーンポリマー、例えばアモジメチコン等、アジピン酸とジメチルアミノ-ヒドロキシプロピルジエチレントリアミンとのコポリマー(Cartaretine, Sandoz)、アクリル酸とジメチルジアリルアンモニウムクロリドとのコポリマー、ポリクオタニウムタイプのポリマー、ポリアミノポリアミド、及びこれらの架橋水溶性ポリマー、カチオン性キチン誘導体、例えば任意選択で微結晶分布である四級化キトサン等、ジハロアルキル、例えばジブロモブタンとビス-ジアルキルアミンとの縮合生成物、例として、ビス-ジメチルアミノ-1,3-プロパン、カチオン性グアーガム、例えば、CelaneseのJaguar CBS、Jaguar C-17、Jaguar C-16、四級化アンモニウム塩ポリマー、例えばMirapolのMirapol A-15、Mirapol AD-1、Mirapol AZ-1等である。
【0133】
好適なアニオン性、双性、両性、及び非イオン性ポリマーは、例えば、ビニルアセテート/クロトン酸コポリマー、ビニルピロリドン/ビニルアクリレートコポリマー、ビニルアセテート/ブチルマレエート/イソボルニルアクリレートコポリマー、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマー及びこれらのエステル、未架橋及びポリオール架橋ポリアクリル酸、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド/アクリレートコポリマー、オクチルアクリルアミド/メチルメタクリレート/tert.-ブチルアミノエチルメタクレリート/2-ヒドロキシプロピルメタクリレートコポリマー、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/ビニルアセテートコポリマー、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクレリート/ビニルカプロラクタムターポリマー並びに任意選択で誘導体化されたセルロースエーテル及びシリコーンである。
【0134】
UV保護因子の例には、室温で液状又は結晶状であり、紫外線放射を吸収することができ、吸収したエネルギーを長波長放射、例えば熱の形態で放出できる有機物質(光フィルター)が含まれる。
【0135】
UV-Bフィルターは、油溶性又は水溶性であり得る。以下は油溶性物質の例である:3-ベンジリデンカンファー又は3-ベンジリデンノルカンファー及びこれらの誘導体、例えば3-(4-メチルベンジリデン)-カンファー;4-アミノ安息香酸誘導体、好ましくは4-(ジメチルアミノ)-安息香酸―2-エチルヘキシルエステル、4-(ジメチルアミノ)-安息香酸-2-オクチルエステル及び4-(ジメチルアミノ)―安息香酸アミルエステル;ケイ皮酸のエステル、好ましくは4-メトキシケイ皮酸-2-エチルヘキシルエステル、4-メトキシケイ皮酸プロピルエステル、4-メトキシケイ皮酸イソアミルエステル、2-シアノ-3,3-フェニルケイ皮酸-2-エチルヘキシルエステル(オクトクリレン);サリチル酸のエステル、好ましくはサリチル酸-2-エチルヘキシルエステル、サリチル酸-4-イソプロピルベンジルエステル、サリチル酸ホモメチルエステル;ベンゾフェノンの誘導体、好ましくは、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4′-メチルベンゾフェノン、2,2′-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン;ベンザルマロン酸のエステル、好ましくは4-メトキシベンザルマロン酸ジ-2-エチルヘキシルエステル;トリアジン誘導体、例えば、2,4,6-トリアニリノ-(p-カルボ-2′-エチル-1′-ヘキシルオキシ)-1,3,5-トリアジン及びオクチルトリアゾン等;プロパン-1,3-ジオン、例えば、1-(4-tert.ブチルフェニル)-3-(4T-メトキシフェニル)-プロパン-1,3-ジオン等;2-フェニルベンズイミダゾール-5-スルホン酸及びこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩、アルカノールアンモニウム塩及びグルコアンモニウム塩;ベンゾフェノンのスルホン酸誘導体、好ましくは2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸及びこれらの塩;3-ベンジリデンカンファーのスルホン酸誘導体、例えば4-(2-オキソ-3-ボルニリデンメチル)-ベンゼンスルホン酸及び2-メチル-5-(2-オキソ-3-ボルニリデン)-スルホン酸及びこれらの塩等。
【0136】
典型的なUV-Aフィルターは、特に、ベンゾイルメタンの誘導体、例えば、1-(4′-tert.ブチルフェニル)-3-(4′-メトキシフェニル)-プロパン-1,3-ジオン、4-tert-ブチル-4′-メトキシジベンゾイルメタン(Parsol 1789)又は1-フェニル-3-(4′-イソプロピルフェニル)-プロパン-1,3-ジオンである。
【0137】
UV-Aフィルター及びUV-Bフィルターはまた、当然、混合物の形態で使用されてもよい。前述の可溶性物質に加えて、不溶性の顔料、すなわち微細分散した金属酸化物又は塩も、この目的のために使用されてもよい。好適な金属酸化物の例は、特に、酸化亜鉛、及び二酸化チタン及びさらに鉄、ジルコニウム、ケイ素、マンガン、アルミニウム及びセリウムの酸化物及びこれらの混合物である。ケイ酸塩(滑石)、硫酸バリウム及びステアリン酸亜鉛は、塩として使用されてもよい。酸化物及び塩は、顔料の形態で、皮膚のケア及び皮膚を保護するエマルション及び装飾用化粧品のために使用される。粒子は100nm未満、好ましくは5から50nm及びより好ましくは15から30nmの平均直径を有する。それらは球形状であってもよいが、楕円粒子又は他の非球形粒子も使用されてもよい。顔料はまた、表面処理、すなわち親水化(hydrophilicized)又は疎水化(hydrophobicized)されてもよい。典型的な被覆二酸化チタンは、例えば、Titandioxid T 805(Degussa)又はEusolex T2000(Merck)等である。好適な疎水性コーティング物質は、とりわけ、シリコーン及び特にトリアルコキシオクチルシラン又はシメチコンである。いわゆるマイクロ-又はナノ顔料は、好ましくは日焼け保護製品で使用される。微粉末化された酸化亜鉛は、好ましく使用される。
【0138】
2つの前述した第1の保護因子のグループに加えて、抗酸化剤タイプの第2の保護因子も使用されてもよい。抗酸化剤タイプの第2の日焼け保護因子は、紫外線が皮膚の中に浸透する場合に始まる光化学連鎖反応(photochemical reaction chain)を遮断する。好適な抗酸化剤の典型的な例は、アミノ酸(例えばグリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)及びこれらの誘導体、イミダゾール(例えばウロカニン酸)及びこれらの誘導体、D,L-カルノシン、D-カルノシン、L-カルノシン等のペプチド及びこれらの誘導体(例えばアンセリン)、カロチノイド、カロテン(例えばα-カロテン、β-カロテン、リコペン)及びこれらの誘導体、クロロゲン酸及びこれらの誘導体、リポ酸及びこれらの誘導体(例えばジヒドロリポ酸)、オーロチオグルコース(aurothioglucose)、プロピルチオウラシル及びその他のチオール(例えばチオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミン及びこれらのグリコシルエステル、N-アセチルエステル、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、アミルエステル、ブチルエステル及びラウリルエステル、パルミトイルエステル、オレイルエステル、γ-リノレイルエステル、コレステリルエステル及びグリセリルエステル)及びこれらの塩、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、チオジプロピオン酸及びこれらの誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシド及び塩)及びスルホキシイミン化合物(sulfoximine compounds)(例えばブチオニンスルホキシイミン、ホモシステインスルホキシイミン、ブチオニンスルホン、ペンタ-、ヘキサ-及びヘプタ-チオニンスルホキシイミン)を非常に少量の適合可能な量で(さらに(金属)キレート剤(例えばα-ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン(lactoferrine))、α-ヒドロキシ酸(例えばクエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、胆汁酸、胆汁抽出物、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTA及びこれらの誘導体、不飽和脂肪酸及びこれらの誘導体(例えばγ-リノレン酸、リノレン酸、オレイン酸)、葉酸及びこれらの誘導体、ユビキノン及びユビキノール及びこれらの誘導体、ビタミンC及びこれらの誘導体(例えばアスコルビルパルミテート、Mgリン酸アスコルビル、アスコルビルアセテート)、トコフェロール及び誘導体(例えばビタミンEアセテート)、ビタミンA及び誘導体(ビタミンAパルミテート)及びベンゾイン樹脂の安息香酸コニフェリル、ルチン酸(rutinic acid)及びこれらの誘導体、(α-グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリデングリシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアイアック樹脂酸(nordihydroguaiac resin acid)、ノルジヒドログアイアレチン樹脂酸(nordihydroguaiaretic acid)、トリヒドロキシ-ブチロフェノン(trihydroxy-butyrophenone)、尿酸及びこれらの誘導体、マンノース及びこれらの誘導体、スーパーオキシド-ディスムターゼ(Superoxid-Dismutase)、亜鉛及びこれらの誘導体(例えばZnO、ZnSO4)、セレン及びこれらの誘導体(例えばセレニウムメチオニン)、スチルベン及びこれらの誘導体(例えばスチルベンオキシド、トランス-スチルベンオキシド)、並びに本発明の目的に適切なこれらの活性物質の誘導体(塩、エステル、エーテル、糖類、ヌクレオシド、ヌクレオシド、ペプチド及び脂質)。
【0139】
金属イオン封鎖剤の例には、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸四ナトリウム塩、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸三ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム(tetrasorium edetate)、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、エチレンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸三ナトリウムが含まれる。
【0140】
ビタミンの例には、ビタミンA、B1、B2、B6、C及びE並びにこれらの誘導体;パントテン酸及びこれらの誘導体;及びビオチンが含まれる。
【0141】
抗酸化剤の例には、トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール及び没食子酸エステルが含まれる。抗酸化補助剤の例には、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、乳酸、フマル酸、ケファリン、ヘキサメタホスフェート、フィチン酸、及びエチレンジアミン四酢酸が含まれる。
【0142】
好適な香油は、天然香料及び合成香料の混合物である。天然香料には、花(ユリ、ラベンダー、バラ、ジャスミン、ネロリ、イランイラン)の抽出物、茎及び葉(ゼラニウム、パチョリ、プチグレン)、果物(アニス、コリアンダー、キャラウェイ、ジュニパー)、果物の皮(ベルガモット、レモン、オレンジ)、根(ナツメグ、アンゼリカ、セロリ、カルダモン、コスツス、アイリス、ショウブ(calmus))、木材(マツ材、白檀材、グアヤク木材、シダー材、シタン材)、薬草(herbs)及び草(grasses)(タラゴン、レモングラス、セージ、タイム)、針葉及び枝(トウヒ、モミ、マツ、ハイマツ)、樹脂及びバルサム(ガルバナム、エレミ、安息香、ミルラ、オルバナム、オポパナクス(opoponax))が含まれる。動物原材料、例えばジャコウネコ及びビーバーも、使用されてもよい。典型的な合成香料化合物は、エステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコール及び炭化水素タイプの生成物である。エステルタイプの香料化合物の例は、ベンジルアセテート、フェノキシエチルイソブチレート、p-tert-ブチルシクロヘキシルアセテート、リナリルアセテート、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、フェニルエチルアセテート、安息香酸リナリル、ぎ酸ベンジル、エチルメチルフェニルグリシネート、アリルシクロヘキシルプロピオネート、スチラリルプロピオネート及びサリチル酸ベンジルである。エーテルには、例えば、ベンジルエチルエーテルが含まれ、一方アルデヒドには、例えば、8から18個の炭素原子を含有する直鎖アルカナール、シトラール、シトロネラール、シトロネリルオキシアセトアルデヒド(citronellyloxyacetaldehyde)、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシトロネラール、フィリアル(filial)及びブルゲオナールが含まれる。好適なケトンの例は、イオノン、α-イソメチルイオノン及びメチルセドリルケトン(methyl cedryl ketone)である。好適なアルコールは、アネトール、シトロネロール、オイゲノール、イソオイゲノール、ゲラニオール、リナロール、フェニルエチルアルコール及びテルピネオールである。炭化水素には、テルペン及びバルサムが主に含まれる。しかし、組み合わさって快適な香りを作り出す異なる香料化合物の混合物を使用することが好ましい。他の好適な香油は、芳香成分として主に使用される比較的低い揮発性の精油である。例は、セージオイル、カモミールオイル、クローブオイル、メリッサオイル、ミントオイル、シナモンリーフオイル、ライムブロッサムオイル、ジュニパーベリーオイル、ベチバーオイル、オリバナムオイル、ガルバナムオイル、ラボラナムオイル(labolanum oil)及びラバンジンオイルである。以下は、独立して又は混合物の形態で(in the farm of mixtures)好ましく使用される:ベルガモットオイル、ジヒドロミルセノール、リリアール、リラール、シトロネロール、フェニルエチルアルコール、α-ヘキシルシンナムアルデヒド(α-nexylcinnamaldehyde)、ゲラニオール、ベンジルアセトン、シクラメンアルデヒド、リナロール、ボイサンブレンフォルテ(Boisambrene Forte)、アンブロキサン(Ambroxan)、インドール、ヘジオン(hedione)、サンデリセ(sandelice)、シトラスオイル、マンダリンオイル、オレンジオイル、アリルアミルグリコレート、シクロベルタール(cyclovertal)、ラバンジンオイル、クラリーオイル、β-ダマスコン、ゼラニウムオイルバーボン(geranium oil bourbon)、サリチル酸シクロヘキシル、バートフィックスクール(Vertofix Coeur)、イソ-E-スーパー(Iso-E-Super)、フィクソライドNP(Fixolide NP)、エベルニル、イラルデインガンマ(iraldein gamma)、フェニル酢酸、酢酸ゲラニル、酢酸ベンジル、ローズオキサイド、ロミラット(romillat)、イロチル(irotyl)及びフロラマト(floramat)。
【0143】
典型的な細菌阻害剤の例は、特にグラム陽性細菌に対して作用する防腐剤、例えば、2,4,4′-トリクロロ-2′-ヒドロキシジフェニルエーテル、クロロヘキシジン(1,6-ジ-(4-クロロフェニル-ビグアニド)-ヘキサン)(、又はTCC(3,4,4′-トリクロロカルバニリド)等である。多くの香料及び精油も、抗微生物特性を有する。典型的な例は、クローブ、ミント、タイムオイル中の活性物質のオイゲノール、メントール及びチモールである。
【0144】
以下の実施例は、当業者に本発明の十分に明確で完全な説明を提供するために与えられたものであるが、本明細書の前述の部分で記載したとおりその主題の本質的な態様を限定するものとして見なされるべきでない。
【実施例】
【0145】
実施例セクションの第1部は、本発明による化粧品組成物の調製に対応する。
【0146】
実施例セクションの第2部は、本発明の化粧品組成物の性能を示す。
【0147】
≪実施例1≫
【0148】
<組成物A(比較)の調製>
417gのエトキシレート(Kalcol 2465+2.5モルのエチレンオキサイド)を反応器に入れ、攪拌下で72℃まで熱した。次に、1.4gの水を加えた。
233gのモノクロロ酢酸ナトリウム及び88gの水酸化ナトリウムを5時間以内に加えて、温度を72±4℃で保った。反応が終了した後、混合物を中和するために800gの水及び243gの塩酸(30%水溶液)によって95℃で処理した。相分離のために攪拌を95℃で停止した。1時間の分離時間の後、水性層を抜いてエーテルカルボン酸(上層)を得た。
【0149】
<組成物B(本発明による)の調製>
417gのエトキシレート(Kalcol 2465+2.5モルのエチレンオキサイド)を反応器に入れ、攪拌下で72℃まで熱した。次に、1.4gの水を加えた。
233gのモノクロロ酢酸ナトリウム及び88gの水酸化ナトリウムを5時間以内に加えて、温度を72±4℃で保った。反応が終了した後、混合物を中和するために800gの水及び243gの塩酸(30%水溶液)によって95℃で処理した。相分離のために攪拌を95℃で停止した。1時間の分離時間の後、水性層を抜いてエーテルカルボン酸(上層)を得た。
366gの水を反応器に入れ;26.6gの水酸化カリウム(50%水溶液)を攪拌下で加えて、そのアルカリ性溶液を65~70℃まで熱した。次に、100gの前述の生成物を攪拌下で加えた。混合物を65~70℃で2時間攪拌した。
【0150】
表1は、本組成物の含有量の分析結果をまとめている。
【0151】
エーテルカルボン酸(EC)の含有量を、カチオン性有機塩として滴定剤ハイアミン(Hyamine)1622を用いた電位差測定分析アルカリエプトン(Alkali Epton)によって測定した。試料は、水、メタノール及びクロロホルムの混合物に溶解した。
【0152】
組成物Aを鹸化して、差によって、エーテルカルボン酸エステルの含有量を測定した。エステルの含有量を、アルカリエプトンと鹸化後のアルカリエプトンとの差によって測定した。
【0153】
非イオン性の含有量を、反応が100%で転換した場合の理論的なアルカリエプトンと測定した実験的なアルカリエプトンとの差によって測定した。非イオン性の含有量を、エーテルカルボン酸エステルの量との差によって得る。
【0154】
表1は、成分(a)及び(b)の間のモル比並びにエーテルカルボン酸エステル(d)の含有量を表す。
【0155】
【0156】
≪実施例2≫
実施例で調製した化粧品組成物の性能を、下の表2にまとめる。
【0157】
【0158】
泡の稠度を、Texture Analyzer TA.XTPlus(20mmφシリンダーアルミニウムプローブ)を用いて測定した。泡は、約10gで22cmの長さの白人の毛髪の房を4%a.m.濃度及びpH=5.5を得るように調製した試料を用いて手作業で洗浄することによって作り出した。房を、約20°Fの水の硬度の水道水を用いて洗浄した。房を手作業で洗浄することによって作り出した泡を45mmφのガラス受容器に集めて、測定を開始した10秒後に泡の稠度値を得た。
【0159】
試料の泡のクリーミーさを、約10gで22cmの長さの白人の毛髪の房を1.5%a.m.の濃度及びpH=5.5を得るように調製した試料を用いて洗浄し、6人の専門家のパネルによって実行された官能試験により測定した。房を、約20°Fの水の硬度の水道水を用いて洗浄した。官能スコアは参照試料で決められ、比較評価を以下の基準によって行った:
1:参照試料よりもはるかに低い性能
2:参照試料よりも低い性能
3:参照試料
4:参照試料よりも優れた性能
5:参照試料よりもはるかに優れた性能
【0160】
本発明による組成物は、泡の稠度及び泡のクリーミーさに関してより優れた値を示す。