(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-21
(45)【発行日】2024-01-04
(54)【発明の名称】荷下ろし構成体および荷下ろしステーション、ならびに、保管コンテナからアイテムを降ろす方法
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20231222BHJP
【FI】
B65G1/04 555Z
B65G1/04 565
(21)【出願番号】P 2020569163
(86)(22)【出願日】2019-06-11
(86)【国際出願番号】 EP2019065149
(87)【国際公開番号】W WO2019238642
(87)【国際公開日】2019-12-19
【審査請求日】2022-05-16
(32)【優先日】2018-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(32)【優先日】2018-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(32)【優先日】2018-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(73)【特許権者】
【識別番号】317005527
【氏名又は名称】アウトストア・テクノロジー・エーエス
【氏名又は名称原語表記】AUTOSTORE TECHNOLOGY AS
【住所又は居所原語表記】Stokkastrandvegen 85,N-5578 Nedre Vats,Norway
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100186613
【氏名又は名称】渡邊 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100211236
【氏名又は名称】道下 浩治
(72)【発明者】
【氏名】アウストロヘイム,トロンド
(72)【発明者】
【氏名】ヘッゲボー,ヨルゲン・デューベ
(72)【発明者】
【氏名】グリュエンベック,ウーベ
【審査官】板澤 敏明
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/198565(WO,A1)
【文献】実開昭59-170513(JP,U)
【文献】米国特許第05360306(US,A)
【文献】英国特許出願公開第02106070(GB,A)
【文献】米国特許第05078566(US,A)
【文献】特開平01-085656(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00-1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
- 保管グリッド(104)を画定しているフレームワーク構造体(100)であって、前記保管グリッド(104)は、列で配置されている保管カラム(105)を含み、前記保管カラム(105)の中には、保管コンテナ(106)が、重ねられてスタックされ、スタック(107)を形成している、フレームワーク構造体(100)と、
- 前記保管グリッド(104)の上部を横切ってグリッドパターンで配置されている、レールシステム(108)と、
- 前記保管カラム(105)から保管コンテナ(106)を上昇させ、前記保管カラム(105)の中へ保管コンテナ(106)を低下させるように動作させられ、また、前記保管カラム(105)の上方で前記保管コンテナ(106)を輸送する、複数のコンテナ取扱車両(200、300)と、
- 荷下ろし構成体と、
を含む、自動倉庫システム(1)であって、
前記自動倉庫システム(1)は、
- 配送車両(30;300)と;
- 前記配送車両(30;300)によって運搬される保管コンテナ(6)であって、前記保管コンテナが、床(6F)と、上部開口部(6TO)と、2つの第1の平行な側壁部(6S1)と、前記第1の平行な側壁部のそれぞれにおいて1つずつある2つの側部開口部(6SO)と、を含む、保管コンテナ(6)と;
- 前記保管コンテナ(6)が前記配送車両(30)によって運搬されている間に、前記保管コンテナ(6)からアイテム(5;5a)を降ろすための荷下ろしステーション(10)と、
をさらに含み、
前記荷下ろしステーション(10)は、
- 荷下ろしデバイス(40)と;
- 前記アイテムを目的の届け先(TD)へ搬送するように構成されている届け先コンベヤー(60)と、
を含み、
前記荷下ろしデバイスは、前記アイテム(5;5a)を前記保管コンテナ(6)の前記側部開口部(6SO)を通して前記届け先コンベヤーへ移動させるように構成されていて、
前記荷下ろしデバイス(40)は、
前記保管グリッド(104)に固定されたベース構造体(41)と;
それぞれ接触表面(43a、43b)を有する1つまたは複数の荷下ろし部材(42a、42b)と;
前記1つまたは複数の荷下ろし部材を移動させるように構成されている1つまたは複数のアクチュエーター(44a、44b)と、
を含む、
ことを特徴とする、自動倉庫システム(1)。
【請求項2】
前記配送車両(30)は、コンテナキャリア(36)を含み、前記コンテナキャリア(36)は、
キャリア床(36F)と;
キャリア上部開口部(36TO)と;
2つの第1のキャリアの平行な側壁部(36S1)と;
2つの第2のキャリアの平行な側壁部(36S2)と;
前記第1のキャリアの平行な側壁部のそれぞれにおいて1つずつある2つのキャリア側部開口部(36SO)であり、それぞれ下側縁部(36SOE)および上側縁部(36UE)を含む、2つのキャリア側部開口部(36SO)と、
を含む、請求項1に記載の自動倉庫システム(1)。
【請求項3】
前記1つまたは複数の荷下ろし部材は、
前記アイテムに適合されている第1の接触表面(43a)を有する第1の荷下ろし部材(42a)と;
前記アイテムに適合されている第2の接触表面(43b)を有する第2の荷下ろし部材(42b)と、
を含む、請求項1または2に記載の自動倉庫システム(1)。
【請求項4】
前記1つまたは複数のアクチュエーターは、
前記第1の荷下ろし部材を移動させるように構成されている第1のアクチュエーター(44a)と;
前記第2の荷下ろし部材を移動させるように構成されている第2のアクチュエーター(44b)と、
を含む、請求項3に記載の自動倉庫システム(1)。
【請求項5】
前記アクチュエーターは、前記荷下ろし部材を独立して移動させるように構成されている、請求項3または4に記載の自動倉庫システム(1)。
【請求項6】
前記荷下ろしデバイス(40)は、コンテナリフティングデバイス(50)をさらに含み、前記コンテナリフティングデバイス(50)は、
第1のフレーム構造体(51)と;
前記保管コンテナに接続するように構成されている接続インターフェース(CI)を有するコンテナリフティングフレーム(54)と;
前記第1のフレーム構造体に対して前記コンテナリフティングフレームを持ち上げるように構成されているリフティングメカニズム(53)と、
を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の自動倉庫システム(1)。
【請求項7】
前記コンテナリフティングデバイスは、第2のフレーム構造体(52)をさらに含み、前記コンテナリフティングフレームは、前記第2のフレーム構造体の下方に固定され、前記リフティングメカニズムは、前記第1のフレーム構造体に対して上下に前記第2のフレーム構造体を移動させるように構成されている、請求項6に記載の自動倉庫システム(1)。
【請求項8】
前記コンテナリフティングデバイスは、前記保管コンテナ(6)の前記床(6F)が前記側部開口部(36SO)の前記下側縁部(36SOE)と水平方向に整合させられる高さ(H1)まで、
前記保管コンテナを持ち上げるように構成されている、
請求項2に従属する請求項6または7に記載の自動倉庫システム(1)。
【請求項9】
前記キャリア側部開口部(36SO)の前記下側縁部(36SOE)は、前記荷下ろしデバイス(40)による前記アイテム(5、5a)の移動の間に、前記保管コンテナ(6)の床(6F)と整合させられる、
請求項2、又は、請求項2に従属する請求項
3から8のいずれか一項に記載の自動倉庫システム(1)。
【請求項10】
自動倉庫システム(1)における保管コンテナ(6)からアイテム(5;5a)を降ろす方法であって、
前記自動倉庫システム(1)は、
- 保管グリッド(104)を画定しているフレームワーク構造体(100)であって、前記保管グリッド(104)は、列で配置されている保管カラム(105)を含み、前記保管カラム(105)の中には、保管コンテナ(106)が、重ねられてスタックされ、スタック(107)を形成している、フレームワーク構造体(100)と、
- 前記保管グリッド(104)の上部を横切ってグリッドパターンで配置されている、レールシステム(108)と、
- 前記保管カラム(105)から保管コンテナ(106)を上昇させ、前記保管カラム(105)の中へ保管コンテナ(106)を低下させるように動作させられ、また、前記保管カラム(105)の上方で前記保管コンテナ(106)を輸送する、複数のコンテナ取扱車両(200、300)と、
を含み、
前記方法は、
- 前記保管コンテナを荷下ろしステーション(10)へ運搬するステップであり、前記荷下ろしステーション(10)が、前記保管グリッド(104)に固定されているベース構造体(41)を含む荷下ろしデバイス(40)を含み、
前記保管コンテナは、配送車両(30;300)によって運搬される、運搬するステップと;
- 前記荷下ろしデバイス(40)の1つまたは複数の荷下ろし部材(42a、42b)を作動させることによって、前記アイテムを前記保管コンテナの側部開口部(6SO)を通して前記荷下ろしステーションの届け先コンベヤー(60)へ移動させるステップであり、前記1つまたは複数の荷下ろし部材(42a、42b)のそれぞれは接触表面(43a、43b)を有する、移動させるステップと;
- 前記届け先コンベヤー(60)によって、前記アイテムを目的の届け先(TD)へ搬送するステップと、
を含む、方法。
【請求項11】
前記保管コンテナは、
床(6F)と;
上部開口部(6TO)と;
2つの第1の平行な側壁部(6S1)と;
前記第1の平行な側壁部のそれぞれにおいて1つずつある2つの側部開口部(6SO)と、
を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記荷下ろしデバイスは、
ベース構造体(41)と;
それぞれ接触表面(43a、43b)を有する1つまたは複数の荷下ろし部材(42a、42b)と;
前記1つまたは複数の荷下ろし部材を移動させるように構成されている1つまたは複数のアクチュエーター(44a、44b)と、
を含む、請求項10または11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテナの保管および回収のための自動倉庫システムに関し、とりわけ、荷下ろし構成体および荷下ろしステーション、ならびに、コンテナから製品アイテムを降ろす関連の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図1Aおよび
図1Cは、フレームワーク構造体100を備えた典型的な先行技術の自動倉庫システム1を開示している。
図1Bおよび
図1Dは、それぞれ、
図1Aおよび
図1Cに開示されているシステム1を動作させる先行技術のコンテナ取扱車両200、300を開示している。
【0003】
フレームワーク構造体100は、複数の直立部材102と、随意的に、直立部材102を支持する複数の水平方向部材103を含む。部材102、103は、典型的に、金属から、たとえば、押し出し加工されたアルミニウムプロファイルから作製され得る。
【0004】
フレームワーク構造体100は、保管グリッド104を画定しており、保管グリッド104は、列で配置されている保管カラム105を含み、保管カラム105の中には、保管コンテナ106(箱としても知られる)が、重ねられてスタックされ、スタック107を形成している。
【0005】
それぞれの保管コンテナ106は、典型的に、複数の製品アイテム(図示せず)を保持することが可能であり、保管コンテナ106の中の製品アイテムは、同一であることが可能であり、または、用途に応じて異なる製品タイプのものであることが可能である。
【0006】
保管グリッド104は、スタック107における保管コンテナ106の水平方向の移動を防ぎ、保管コンテナ106の垂直方向の移動をガイドするが、通常は、スタックされているときの保管コンテナ106をその他の方法で支持しない。
【0007】
自動倉庫システム1は、コンテナ取扱車両レールシステム108を含み、コンテナ取扱車両レールシステム108は、保管104の上部を横切ってグリッドパターンで配置されており、(
図1Bおよび
図1Dの中に例示されているような)複数のコンテナ取扱車両200、300が、レールシステム108の上で、保管カラム105から保管コンテナ106を上昇させ、保管カラム105の中へ保管コンテナ106を低下させるように動作させられ、また、保管カラム105の上方で保管コンテナ106を輸送する。グリッドパターンを構成するグリッドセル122のうちの1つの水平方向の範囲は、
図1Aおよび
図1Cにおいて、太線によってマークされている。
【0008】
それぞれのグリッドセル122は、典型的に30cmから150cmの間隔の中にある幅、および、典型的に50cmから200cmの間隔の中にある長さを有している。それぞれのグリッド開口部115は、レール110、111の水平方向の範囲に起因して、グリッドセル122の幅および長さよりも典型的に2cmから10cm小さい幅および長さを有している。
【0009】
レールシステム108は、第1のセットの平行なレール110および第2のセットの平行なレール111を含み、第1のセットの平行なレール110は、フレーム構造体100の上部を横切って第1の方向Xにおけるコンテナ取扱車両200、300の移動をガイドするように配置されており、第2のセットの平行なレール111は、第1のセットのレール110に対して垂直に配置されており、第1の方向Xに対して垂直である第2の方向Yにおけるコンテナ取扱車両200、300の移動をガイドする。このように、レールシステム108は、グリッドカラム112を画定しており、グリッドカラム112の上方において、コンテナ取扱車両200、300は、保管カラム105の上方において横方向に移動することが可能であり、すなわち、水平方向のX-Y平面に対して平行になっている平面において移動することが可能である。
【0010】
それぞれの先行技術のコンテナ取扱車両200、300は、車両本体部と、8つのホイールのホイール構成体201、301とを含み、第1のセットの4つのホイールは、X方向におけるコンテナ取扱車両200、300の横方向の移動を可能にし、第2のセットの残りの4つのホイールは、Y方向における横方向の移動を可能にする。ホイール構成体の一方のまたは両方のセットのホイールは、持ち上げおよび低下させられ得、第1のセットのホイールおよび/または第2のセットのホイールが、どの時点においても、それぞれのセットのレール110、111と係合され得るようになっている。
【0011】
また、それぞれの先行技術のコンテナ取扱車両200、300は、保管コンテナ106の垂直方向の輸送のためのリフティングデバイス(図示せず)を含み、たとえば、リフティングデバイスは、保管カラム105から保管コンテナ106を上昇させ、保管カラム105の中へ保管コンテナ106を低下させるためのものである。リフティングデバイスは、1つまたは複数の把持/係合デバイス(図示せず)を含み、1つまたは複数の把持/係合デバイスは、保管コンテナ106に係合するように適合されており、把持/係合デバイスは、車両200、300から低下させられ得、車両200、300に対する把持/係合デバイスの位置が、第3の方向Zにおいて調節され得るようになっており、第3の方向Zは、第1の方向Xおよび第2の方向Yに直交している。
【0012】
慣例的に、また、本出願の目的のために、Z=1は、グリッド104の最上部層を識別し、すなわち、レールシステム108の直ぐ下方の層を識別し、Z=2は、レールシステム108の下方の第2の層を識別し、Z=3は、第3の層を識別するなどとなる。
図1Aおよび
図1Cに開示されている例示的な先行技術のグリッド104では、Z=8が、グリッド104の最下部の底部層を識別する。結果的に、例として、
図1Aおよび
図1Dに示されているデカルト座標系X、Y、Zを使用して、
図1Aの中の106’として識別される保管コンテナは、グリッドの場所またはセルX=10、Y=2、Z=3を占有していると言うことができる。コンテナ取扱車両200、300は、層Z=0の中を進行すると言うことができ、それぞれのグリッドカラム112は、そのX座標およびY座標によって識別され得る。
【0013】
それぞれのコンテナ取扱車両200は、レールシステム108を横切って保管コンテナ106を輸送するときに保管コンテナ106を受け入れて収納するための保管コンパートメントまたはスペース(図示せず)を含む。保管スペースは、たとえば、WO2014/090684A1に説明されているように、車両本体部の中に中央に配置されているキャビティーを含むことが可能であり、その文献の内容は、参照により本明細書に組み込まれている。
【0014】
代替的に、コンテナ取扱車両300は、NO317366に説明されているように、片持ち梁構造を有することが可能であり、その文献の内容は、また、参照により本明細書に組み込まれている。
【0015】
コンテナ取扱車両200は、設置面積、すなわち、X方向およびY方向における範囲を有することが可能であり、設置面積は、グリッドセル122の横方向の範囲に概して等しく、すなわち、たとえば、WO2015/193278A1に説明されているように、X方向およびY方向におけるグリッドセル122の範囲に概して等しく、その文献の内容は、参照により本明細書に組み込まれている。本明細書で使用されている「横方向の」という用語は、「水平方向の」を意味することが可能である。
【0016】
代替的に、コンテナ取扱車両200は、たとえば、WO2014/090684A1に開示されているように、グリッドカラム112の横方向の範囲(グリッドカラム112によって画定される横方向のエリア)よりも大きい設置面積を有することが可能である。
【0017】
レールシステム108は、
図2Aに示されているように、シングルトラックシステムであることが可能である。代替的に、レールシステム108は、
図2Bに示されているように、ダブルトラックシステムであることが可能であり、したがって、グリッドカラム112によって画定される横方向のエリアに概して対応する設置面積202、202’を有するコンテナ取扱車両201がグリッドカラム112の列に沿って進行することを可能にする(別のコンテナ取扱車両200がその列の近隣のグリッドカラム112の上方に位置決めされている場合にも)。シングルトラックシステムおよびダブルトラックシステムの両方、または、シングルレールシステム108におけるシングルトラック構成体およびダブルトラック構成体を含む組合せは、複数の長方形および均一なグリッドの場所またはグリッドセル122を含む、水平方向の平面Pにおけるグリッドパターンを形成しており、ここで、それぞれのグリッドセル122は、グリッド開口部115を含み、グリッド開口部115は、第1のレール110の1対のレール110a、110b、および、第2のセットのレール111の1対のレール111a、111bによって境界を定められている。
図2Bでは、グリッドセル122は、破線のボックスによって示されている。
【0018】
結果的に、レール110aおよび110bは、X方向に走るグリッドセルの平行な列を画定する近隣のレールの対を形成しており、レール111aおよび111bは、Y方向に走るグリッドセルの平行な列を画定する近隣のレールの対を形成している。
【0019】
図2Cに示されているように、それぞれのグリッドセル122は、典型的に30cmから150cmの間隔の中にある幅W
c、および、典型的に50cmから200cmの間隔の中にある長さL
cを有している。それぞれのグリッド開口部115は、グリッドセル122の幅W
cおよび長さL
cよりも典型的に2cmから10cm小さい、幅W
oおよび長さL
oを有している。
【0020】
X方向およびY方向において、近隣のグリッドセル122は、互いに接触して配置されており、それらの間にスペースが存在しないようになっている。
【0021】
保管グリッド104において、グリッドカラム112の大部分は、保管カラム105であり、すなわち、保管コンテナ106がスタック107で保管されているグリッドカラム112である。しかし、グリッド104は、通常、保管コンテナ106を保管するために使用されるのではない少なくとも1つのグリッドカラム112を有しており、その少なくとも1つのグリッドカラム112は、コンテナ取扱車両200、300が保管コンテナ106を投下および/または収集することができる場所を含み、これにより、保管コンテナ106が第2の場所(図示せず)へ輸送され得るようになっており、第2の場所において、保管コンテナ106は、グリッド104の外側からアクセスされ得、または、グリッド104から外へもしくはグリッド104の中へ移送され得る。当技術分野において、そのような場所は、通常、「ポート」と称されており、ポートが位置付けされているグリッドカラム112は、「配送カラム」119、120と称され得る。コンテナ取扱車両の投下ポートおよび収集ポートは、「配送カラムの上側ポート」119、120と称される。一方、配送カラムの反対側端部は、「配送カラムの下側ポート」と称される。
【0022】
図1Aおよび
図1Cにおける保管グリッド104は、2つの配送カラム119および120を含む。第1の配送カラム119は、たとえば、専用の投下ポートを含むことが可能であり、そこでは、コンテナ取扱車両200、300は、配送カラム119を通しておよびさらにアクセスステーションまたは移送ステーション(図示せず)へ輸送されるように、保管コンテナ106を投下することが可能である。また、第2の配送カラム120は、専用の収集ポートを含むことが可能であり、そこでは、コンテナ取扱車両200、300は、アクセスステーションまたは移送ステーション(図示せず)から配送カラム120を通して輸送されてきた保管コンテナ106を収集することが可能である。第1および第2の配送カラム119、120のポートのそれぞれは、保管コンテナ106の収集および投下の両方に適切なポートを含むことが可能である。
【0023】
第2の場所は、典型的に、ピッキングステーションまたはストッキングステーションであることが可能であり、そこでは、製品アイテムが、保管コンテナ106から取り出されるか、または、保管コンテナ106の中へ位置決めされる。ピッキングステーションまたはストッキングステーションにおいて、保管コンテナ106は、通常、決して自動倉庫システム1から取り出されず、アクセスされると保管グリッド104の中へ戻される。保管グリッド104から外へのまたは保管グリッド104の中への保管コンテナの移送のために、配送カラムの中に提供された下側ポートも存在しており、そのような下側ポートは、たとえば、別の保管設備へ(たとえば、別の保管グリッドへ)、直接的に輸送車両(たとえば、列車もしくはローリー)へ、または、生産設備へ、保管コンテナ106を移送するためのものである。
【0024】
自動倉庫システム1をモニタリングおよび制御するために(たとえば、コンテナ取扱車両200、300が互いに衝突することなく、所望の保管コンテナ106が所望の時間に所望の場所へ配送され得るように、保管グリッド104の中のそれぞれの保管コンテナ106の場所;それぞれの保管コンテナ106の内容物;および、コンテナ取扱車両200、300の移動をモニタリングおよび制御するために)、自動倉庫システム1は、制御システム(図示せず)を含み、制御システムは、典型的に、コンピューター化されており、制御システムは、典型的に、保管コンテナ106を追跡するためのデータベースを含む。
【0025】
コンベヤーを含むコンベヤーシステムは、配送カラム119、120の下側ポートとアクセスステーションとの間で保管コンテナを輸送するために用いられ得る。
【0026】
配送カラム119、120の下側ポートおよびアクセスステーションが異なるレベルに位置付けされている場合には、コンベヤーシステムは、ポートとアクセスステーションとの間で垂直方向に保管コンテナ106を輸送するためのリフトデバイスを含むことが可能である。
【0027】
コンベヤーシステムは、たとえば、WO2014/075937A1に説明されているように、異なるグリッド同士の間で保管コンテナを移送するように配置され得、その文献の内容は、参照により本明細書に組み込まれている。
【0028】
さらに、WO2016/198467A1(その文献の内容は、参照により本明細書に組み込まれている)は、配送カラムとワークステーション(オペレーターは、そこで保管コンテナにアクセスすることができる)との間で保管コンテナを輸送するために、コンベヤーベルト(WO2016/198467A1の
図5aおよび
図5b)およびフレーム装着型レール(WO2016/198467A1の
図6aおよび
図6b)を有する先行技術のアクセスシステムの例を開示している。
【0029】
図1Aの中に開示されているグリッド104の中に保管されている保管コンテナ106がアクセスされるべきときには、コンテナ取扱車両200、300のうちの1つが、グリッド104の中の目的の保管コンテナ106をその位置から回収するように、および、目的の保管コンテナ106を配送カラム119へまたは配送カラム119を通して輸送するように指示される。この動作は、目的の保管コンテナ106が中に位置決めされている保管カラム105の上方のグリッドの場所へコンテナ取扱車両200、300を移動させること、コンテナ取扱車両のリフティングデバイス(図示せず)を使用して、保管カラム105から保管コンテナ106を回収すること、および、配送カラム119へ保管コンテナ106を輸送することを伴う。目的の保管コンテナ106がスタック107の中の深くに位置付けされている場合には、すなわち、1つまたは複数の他の保管コンテナが目的の保管コンテナ106の上方に位置決めされた状態になっている場合には、上記動作は、また、保管カラム105から目的の保管コンテナ106を持ち上げる前に、上方に位置決めされている保管コンテナを一時的に移動させることを伴う。このステップ(それは、当技術分野において「ディギング」と称される場合がある)は、目的の保管コンテナ106を配送カラムへ輸送するためにその後に使用される同じコンテナ取扱車両200、300によって実施され得るか、または、1つもしくは複数の他の協働するコンテナ取扱車両200、300によって実施され得る。代替的にまたは加えて、自動倉庫システム1は、保管カラム105から保管コンテナ106を一時的に取り出すタスクに具体的に特化されたコンテナ取扱車両200、300を有することが可能である。目的の保管コンテナ106が保管カラム105から取り出されると、一時的に取り出された保管コンテナは、元の保管カラム105の中へ再位置決めされ得る。しかし、取り出された保管コンテナは、代替的に、他の保管カラム105へ再位置付けされ得る。
【0030】
保管コンテナ106がグリッド104の中に保管されるべきときには、コンテナ取扱車両200、300のうちの1つが、配送カラム120から保管コンテナ106を収集するように、および、保管されることとなる保管カラム105の上方のグリッドの場所へ保管コンテナ106を輸送するように指示される。保管カラムスタック107の中の目的の位置にまたはその上方に位置決めされている任意の保管コンテナが取り出された後に、コンテナ取扱車両200、300は、所望の位置に保管コンテナ106を位置決めする。次いで、取り出された保管コンテナは、保管カラム105の中へ低下させられて戻されるか、または、他の保管カラム105に再位置付けされ得る。
【0031】
知られている自動倉庫システム1と関連付けられる問題は、収集ポートおよび投下ポートを取り囲むエリアが、保管コンテナ106を投下または収集するように指示されるコンテナ取扱車両200、300によって混雑するようになる可能性があるということである。これは、自動倉庫システム1の動作を深刻に妨げる可能性がある。小型システムでは、この状況は、場合によっては、配送カラムをグリッドに追加することによって緩和される可能性がある。その理由は、これが、混雑を回避するために、より多数の配送カラムのポートの間でコンテナ取扱車両200、300が分配されることを可能にすることとなるからである。しかし、ポートおよびカラムが追加される場合には、コンベヤーシステムインフラストラクチャーが、通常、増加されなければならない。これは、スペースを必要とし、それは、必ずしも利用可能でない場合がある。また、コンベヤーシステムインフラストラクチャーを追加することはコストがかかる。
【0032】
先行技術の自動倉庫システム1に伴う別の問題は、配送カラム119、120の別個の投下ポートおよび収集ポートが、コンテナ取扱車両200、300が新しい保管コンテナ106を回収するために投下後に保管カラム105へ移動することを必要とするということである。同様に、コンテナ取扱車両200、300は、それらが保管コンテナを収集するために収集ポート120へ送られるときには、保管コンテナ106を積んでいない状態になっていなければならない。これは、非効率を結果として生じさせ、ポートの周りの混雑の増加を引き起こす。その理由は、コンテナ取扱車両200、300が、搭載物である保管コンテナ106なしでグリッドの上を動き回っているからである。加えて、配送カラム119、120は、コンテナ取扱車両200、300の移動などのような他の目的のために使用され得るグリッド104の上のスペースを占める可能性がある。
【0033】
たとえばWO2016/198565から、保管コンテナ106同士の間で製品アイテムを移動させるために、一方の端部にピッキングメカニズムを備えた可動アームを含むロボットデバイスを備えた上記の自動倉庫システムを提供することが知られている。ロボットデバイスは、グリッドに固定され得るか、または、グリッドが中に位置付けされている建物の天井に固定され得る。この先行技術文献では、ロボットデバイスは、グリッドの上部レベルに位置付けされている保管コンテナ106とコンベヤーシステムのコンベヤーベルトの上に位置付けされている保管コンテナ106との間で製品アイテムを移動させるために使用されている。
【0034】
また、ここで、ロボットデバイスを取り囲むエリアは、保管コンテナ106を投下または収集するように指示されたコンテナ取扱車両200、300によって混雑した状態になる可能性がある。そのうえ、コンベヤーシステムインフラストラクチャーを追加することはコストがかかる。
【0035】
GB2544648(Ocado Innovation)は、製品アイテムを集めるためのロボットデバイスを備えた自動倉庫システムを開示しており、そこでは、ロボットデバイスが、ロボット車両に固定されており、それによって、ピッキング車両を形成している。コンテナ取扱車両は、このピッキング車両に隣接して移動させられ、ピッキング車両は、コンテナ取扱車両によって保持されているコンテナ同士の間で製品アイテムを移動させる。コンテナ取扱車両は、ピッキング車両が上方からコンテナにアクセスすることを可能にする上部開口部を含む。
【0036】
また、製品アイテムは、コンテナから集められ、届け先コンテナの中に位置付けされている複数の最終顧客シッピングパッケージの中へ入れられるということが上記の公報から知られている。次いで、これらのシッピングパッケージを備えた届け先コンテナは、ポートに輸送され、ポートにおいて、シッピングパッケージがコンテナから回収され、その後に、それらが閉じられ、場合によっては宛先を付けられ、スタンプを押される。これは、典型的に、手動の動作である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0037】
本発明の1つの目的は、そのような自動倉庫システムにおけるコンテナのより効率的な荷下ろしを提供することである。上記目的は、典型的に、コンテナが輸送される距離を低減することによって、および、手動の作業動作を低減することによって達成される。また、上記目的は、自動倉庫システムにおける機器のスペースを低減することによって達成され得る。その理由は、これが、典型的に、より多くのコンテナ取扱車両がシステムにおいて動作することを可能にすることとなるからである。
【課題を解決するための手段】
【0038】
荷下ろし構成体であって、配送車両と;配送車両によって運搬される保管コンテナと;保管コンテナが自動倉庫システムにおいて配送車両によって運搬されている間に、保管コンテナからアイテムを降ろすための荷下ろしステーションとを含み、荷下ろしステーションは、荷下ろしデバイスと;アイテムを目的の届け先へ搬送するように構成されている届け先コンベヤーとを含み、荷下ろしデバイスは、アイテムを保管コンテナの側部開口部を通して届け先コンベヤーへ移動させるように構成されている、荷下ろし構成体が説明される。
【0039】
上記の保管コンテナを運搬する配送車両の代替例として、片持ち梁構造を備えたコンテナ取扱車両(
図1Dを参照)を使用することが可能である。保管コンテナが片持ち梁部の下方の最上部位置にあるときに、荷下ろしデバイスは、アイテムを(保管コンテナの相対的に小さい側の)側部開口部を通して届け先コンベヤーへ移動させるために使用され得る。保管コンテナは、床と;上部開口部と;2つの第1の平行な側壁部と;第1の平行な側壁部のそれぞれにおいて1つずつある2つの側部開口部とを含むことが可能である。
【0040】
配送車両は、コンテナキャリアを含むことが可能であり、コンテナキャリアは、キャリア床と;キャリア上部開口部と;2つの第1のキャリアの平行な側壁部と;2つの第2のキャリアの平行な側壁部と;第1のキャリアの平行な側壁部のそれぞれにおいて1つずつある2つのキャリア側部開口部であり、それぞれ下側縁部および上側縁部を含む、2つのキャリア側部開口部とを含むことが可能である。
【0041】
荷下ろしデバイスの目的は、保管コンテナの側部開口部を通して、および、コンテナキャリアの側部開口部を通して、さらに届け先コンベヤーへアイテムを移動させることである。配送車両が、側壁部などを備えた専用のコンテナキャリアを有していない場合には、荷下ろしデバイスの目的は、アイテムを保管コンテナの側部開口部のみを通して、届け先コンベヤーの上に移動させることである。
【0042】
保管コンテナの側部開口部は、実用的に可能な限り大きくなっていることが可能であり、保管コンテナの側部の幅全体にわたって広がっていることが可能である。側部開口部の高さは、保管コンテナの上側部分に影響を与えることなく可能な限り延在することが可能であり、その上側部分は、コンテナ取扱車両のリフティングフレーム上のグリッパーと相互作用するように配置されている。
【0043】
代替的に、保管コンテナの1つの側部が、2つ以上の側部開口部を含むことが可能である。異なる側部開口部は、たとえば、垂直方向のロッドもしくはビームまたはそれに類するものなど、1つまたは複数の構造エレメントによって分離され得る。構造エレメントは、たとえば、保管コンテナの剛性、強度、または安定性の増加のために提供され得る。加えて、保管コンテナが2つ以上の別個の保管コンパートメントに分割されている場合には、保管コンパートメントのそれぞれが、1つの専用の側部開口部を含むことが可能である。
【0044】
保管コンテナは、長方形の形状を有することが可能であり、1対の側部のそれぞれは、平行になっており、等しいサイズのものである。保管コンテナの側部開口部は、2つの向かい合う側部に配置され得、すなわち、2つの相対的に大きい側部または2つの相対的に小さい側部のいずれかに配置され得る。
【0045】
代替的に、保管コンテナは、正方形の形状のものであることが可能であり、すなわち、すべての4つの側部は、同じサイズのものであり、それぞれの対の両方の側部は、平行になっている。
【0046】
保管コンテナのいずれのケースでも、長方形および正方形の形状の両方に関して、保管コンテナの3つの側部にまたはすべての4つの側部に、側部開口部が配置され得る。次いで、保管コンテナは、床と、4つの角部のそれぞれにおける4つの垂直方向のロッドまたはビームと、コンテナ取扱車両のリフティングフレーム上のグリッパーとの相互作用のための上側部分とを含むこととなる。側部開口部を備えた保管コンテナの利点は(とりわけ、保管コンテナが正方形の形状を有している場合には)、それらが、リフティング、輸送、および/または荷下ろしの間に、特定の配向に依存しないということである。
【0047】
荷下ろしデバイスは、ベース構造体と;それぞれ接触表面を有する1つまたは複数の荷下ろし部材と;1つまたは複数の荷下ろし部材を移動させるように構成されている1つまたは複数のアクチュエーターとを含むことが可能である。
【0048】
1つまたは複数の荷下ろし部材は、アイテムに適合されている第1の接触表面を有する第1の荷下ろし部材と;アイテムに適合されている第2の接触表面を有する第2の荷下ろし部材とを含むことが可能である。
【0049】
1つまたは複数のアクチュエーターは、第1の荷下ろし部材を移動させるように構成されている第1のアクチュエーターと;第2の荷下ろし部材を移動させるように構成されている第2のアクチュエーターとを含むことが可能である。
【0050】
アクチュエーターは、荷下ろし部材を独立して移動させるように構成され得る。
【0051】
荷下ろしデバイスは、コンテナリフティングデバイスをさらに含むことが可能であり、コンテナリフティングデバイスは、第1のフレーム構造体と;コンテナに接続するように構成されている接続インターフェースを有するコンテナリフティングフレームと;第1のフレーム構造体に対してコンテナリフティングフレームを持ち上げるように構成されているリフティングメカニズムとを含むことが可能である。
【0052】
代替的に、荷下ろしデバイスは、車両本体部とコンテナキャリアとの間に装着されている傾動または枢動デバイスとして提供され得る。このように、アイテムは、コンテナおよびコンテナキャリアから、さらに搬送デバイスの上に滑り出ることが可能である。
【0053】
コンテナリフティングデバイスは、第2のフレーム構造体をさらに含むことが可能であり、コンテナリフティングフレームは、第2のフレーム構造体の下方に固定され得、リフティングメカニズムは、第1のフレーム構造体に対して上下に第2のフレーム構造体を移動させるように構成され得る。
【0054】
コンテナリフティングデバイスは、保管コンテナの床が側部開口部の下側縁部と水平方向に整合させられる高さまで、コンテナを持ち上げるように構成され得る。
【0055】
コンテナキャリアの側部開口部の下側縁部は、好ましくは、保管コンテナがコンテナキャリアの中に提供されているときに、保管コンテナの床と水平方向に整合させられているので、アイテムは、側部開口部を通して容易に押し出され得る。
【0056】
自動倉庫システムは、保管グリッドを含むことが可能であり、ベース構造体は、保管グリッドに固定され得る。
【0057】
保管コンテナが自動倉庫システムにおいて配送車両によって運搬されている間に、保管コンテナからアイテムを降ろすための荷下ろしステーションであって、グリッドセルの配置を画定している複数のレールを含むレールシステムと;グリッドセルの一方の側に配置されている荷下ろしデバイスと;グリッドセルの反対側に配置されており、アイテムを目的の届け先へ搬送するように構成されている、届け先コンベヤーとを含むことが可能であり、荷下ろしデバイスは、アイテムを保管コンテナの側部開口部を通して届け先コンベヤーへ移動させるように構成されている、荷下ろしステーションが説明される。
【0058】
保管コンテナからアイテムを降ろす方法であって、保管コンテナを荷下ろしステーションへ運搬するステップであり、コンテナは、配送車両によって運搬される、運搬するステップと;アイテムを保管コンテナの側部開口部を通して荷下ろしステーションの届け先コンベヤーへ移動させるステップであり、アイテムは、荷下ろしデバイスによって移動させられる、移動させるステップと;アイテムを目的の届け先へ搬送するステップとを含む、方法が説明される。
【0059】
上記方法の中で使用されることとなる保管コンテナは、床と;上部開口部と;2つの第1の平行な側壁部と;第1の平行な側壁部のそれぞれにおいて1つずつある2つの側部開口部とを含むことが可能である。
【0060】
上記方法の中で使用されることとなる荷下ろしデバイスは、ベース構造体と;それぞれ接触表面を有する1つまたは複数の荷下ろし部材と;1つまたは複数の荷下ろし部材を移動させるように構成されている1つまたは複数のアクチュエーターとを含むことが可能である。
【0061】
また、本発明は、保管コンテナの複数のスタックを保管するように構成されている自動倉庫グリッドと、ロボットオペレーターおよび人間オペレーターのうちの少なくとも一方によって保管コンテナを取扱するための第2の場所との間で、保管コンテナを輸送するための遠隔操作型の配送車両であって、
前記遠隔操作型の配送車両は、
- 配送レールシステムのトラックに沿って水平方向の平面において遠隔操作型の配送車両を移動させるように構成されているローリングデバイスであり、配送レールシステムは、第1の方向に配置されている第1のセットの平行なレール、および、第1の方向に対して直交する第2の方向に配置されている第2のセットの平行なレールを含む、ローリングデバイスと、
- ローリングデバイスを駆動するためのローリングデバイスモーターと、
- ローリングデバイスモーターに推進力を提供するように構成されている電源と
を含み、
遠隔操作型の配送車両は、コンテナキャリアであり、コンテナキャリアの上にまたは少なくとも部分的にコンテナキャリアの中に保管コンテナを受け入れるように構成されている、コンテナキャリアをさらに含み、
コンテナキャリアは、
- 2つの第1のキャリアの平行な側壁部と;
- 2つの第2のキャリアの平行な側壁部と;
- 第1のキャリアの平行な側壁部のそれぞれにおいて1つずつある2つのキャリア側部開口部であり、それぞれ下側縁部および上側縁部を含む、2つのキャリア側部開口部と
を含むことを特徴とする、遠隔操作型の配送車両に関する。
【0062】
1つの態様では、第2の場所は、荷下ろしステーションであり、荷下ろしステーションは、
- 荷下ろしデバイスと;
- 届け先コンベヤーと
を含み、
荷下ろしデバイスは、保管コンテナの中に保管されているアイテムを、保管コンテナの側部開口部およびコンテナキャリアの側部開口部のうちの1つを通して、届け先コンベヤーへ移動させるように構成されている。
【0063】
1つの態様では、キャリア側部開口部の下側縁部は、荷下ろしデバイスによるアイテムの移動の間に、保管コンテナの床と整合させられる。
【0064】
以下の図面は、本発明の例示的な実施形態を示しており、本発明の理解を促進させるために添付されている。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【
図1A】先行技術の自動倉庫システムの斜視図であり、完全なシステムを示す図である。
【
図1B】先行技術の自動倉庫システムの斜視図であり、システム動作可能な先行技術のコンテナ取扱車両の例を示す図である。
【
図1C】先行技術の自動倉庫システムの斜視図であり、完全なシステムを示す図である。
【
図1D】先行技術の自動倉庫システムの斜視図であり、システム動作可能な先行技術のコンテナ取扱車両の例を示す図である。
【
図2A】コンテナ取扱車両レールシステムの上面図であり、シングルトラックシステムを示す図である。
【
図2B】コンテナ取扱車両レールシステムの上面図であり、ダブルトラックシステム2Bを示す図である。
【
図2C】コンテナ取扱車両レールシステムの上面図であり、コンテナ取扱車両グリッドセルの幅および長さが示されたダブルトラックシステムを示す図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態の斜視図であり、コンテナは、配送車両によって運搬されている、図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態の斜視図であり、コンテナは、配送車両から隔離されて示されている、図である。
【
図5】2つのシッピングパッケージが入ったコンテナの拡大図である。
【
図10a】さらなる代替的な実施形態を示す図である。
【
図10b】さらなる代替的な実施形態を示す図である。
【
図10c】さらなる代替的な実施形態を示す図である。
【
図11】配送システムを備えた保管グリッドを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0066】
以下では、本発明の実施形態は、添付の図面を参照して、より詳細に議論されることとなる。しかし、図面は、図面の中に示されている主題に本発明を限定することを意図していないということが理解されるべきである。そのうえ、特徴のうちのいくつかがシステムのみに関係して説明されている場合にも、それらは配送車両および関連の方法に関しても同様に有効であるということが明らかであり、その逆もまた同様である。したがって、配送車両のみ、および/または、関連の方法に関係して説明されている任意の特徴は、システムに関しても有効である。
【0067】
図1A~
図1Dを参照すると、それぞれの保管構造体1の保管グリッド104は、合計で143個のグリッドカラム112のフレームワーク100を構成しており、フレームワークの幅および長さは、それぞれ、13個のおよび11個のグリッドカラム112の幅および長さに対応している。フレームワーク100の上部層は、レールシステム108であり、複数のコンテナ取扱車両200、300が、レールシステム108の上に動作させられる。
【0068】
保管システム1のフレームワーク100は、上記に説明されている上述の先行技術のフレームワーク100にしたがって構築されており、すなわち、複数の直立部材102、および、直立部材102によって支持されている複数の水平方向部材103にしたがって構築されており、さらに、水平方向部材103が、保管カラム105の上部を横切って配置されている、それぞれX方向およびY方向における平行なレール110、111のコンテナ取扱車両レールシステム108を含むということにしたがって構築されている。シングルグリッドセル122の水平方向のエリア、すなわち、X方向およびY方向に沿ったエリアは、それぞれ、隣接するレール110および111同士の間の距離によって画定され得る(
図2も参照)。
図1Aおよび
図1Cにおいて、そのようなグリッドセル122は、太線によってレールシステム108の上にマークされている。
【0069】
コンテナ取扱車両レールシステム108は、コンテナ取扱車両200、300が異なるグリッドの場所同士の間を水平方向に移動することを可能にし、それぞれのグリッドの場所は、グリッドセル122に関連付けられている。
【0070】
図1Aおよび
図1Cにおいて、保管グリッド104は、8つのセルの高さとともに示されている。しかし、保管グリッド104は、原理的には、任意のサイズであり得るということが理解される。とりわけ、保管グリッド104は、
図1Aおよび
図1Cに開示されているものよりも著しく幅広くおよび/または長くなっていることが可能であるということが理解される。たとえば、グリッド104は、700x700グリッドセル122よりも多い水平方向の範囲を有することが可能である。また、グリッド104は、
図1Aおよび
図1Cに開示されているものよりも著しく深くなっていることが可能である。たとえば、保管グリッド104は、12個のグリッドセルの深さよりも大きくなっていることが可能である。
【0071】
保管コンテナ車両200、300は、当技術分野において知られている任意のタイプのものであることが可能であり、たとえば、WO2014/090684A1、NO317366、またはWO2015/193278A1に開示されている自動コンテナ取扱車両のうちのいずれか1つであることが可能である。
【0072】
レールシステム108は、
図2Aに示されているようにシングルトラックシステムであるか、
図2Bに示されているようにダブルトラックシステムであるか、または、シングルトラックシステムおよびダブルトラックシステムの組合せであることが可能である。さまざまなトラックシステムの詳細は、背景技術の章の下で本明細書に開示されている。
【0073】
図1Aでは、自動倉庫システム1の制御システムは、車両200、300と通信して提供されているボックス20として示されている。
【0074】
第1の実施形態
ここで、
図3および
図4が参照される。ここで、自動倉庫システム1のための荷下ろしステーション10が示されている。
【0075】
荷下ろしステーション10は、矢印40によって全体的に示されている荷下ろしデバイスと、矢印60によって全体的に示されている届け先コンベヤーとを含む。
【0076】
また、配送車両30の形態で遠隔操作型の車両が示されている。配送車両30は、車両本体部31と、車両本体部31に接続されているホイール構成体32とを含む。ホイール構成体32は、自動倉庫システム1のレールシステム108に沿って、または、グリッド104の下方にもしくはグリッド104に隣接して位置付けされている対応するレールシステム108に沿って、遠隔操作型の車両30を移動させるように構成されている。ホイール構成体32は、先行技術であると考えられ、本明細書では、さらに詳細には説明されない。
【0077】
配送車両30は、ホイール構成体32の上方に位置付けされているコンテナキャリア36を含む。本実施形態では、車両30自体が、グリッド104に対して保管コンテナを低下させるおよび引き上げるためのリフティングデバイスを含まないという点において、配送車両30は上記の車両200、300とは異なっているということが留意されるべきである。本実施形態では、車両30は、別個のリフティングデバイスによって、上方から保管コンテナ6を受け入れるように、または、保管コンテナ6を上方に戻すように適合されているタイプのものである。この動作のために使用されるリフティングデバイスは、たとえば、車両30が車両200、300のうちの1つの下方に位置付けされているという条件で、先行技術の車両200、300のリフティングデバイスであることが可能である。また、そのようなリフティングデバイスの別の例は、さらに詳細に下記に説明されることとなる。
【0078】
本実施形態では、コンテナキャリア36は、側部開口部36SOをそれぞれ有する2つの第1の平行な側壁部36S1と、第1の側壁部36S1に対して垂直の2つの第2の平行な側壁部36S2とを含む。2つの第2の側壁部36S2は、側部開口部を有していない。加えて、コンテナキャリアは、保管コンテナ6を受け入れて配送するために、床36Fおよび上部開口部36TOを含む。本実施形態では、側部開口部36SOの下側縁部36SOEは、保管コンテナ6がコンテナキャリア36の中に提供されているときに、保管コンテナ6の床6Fと水平方向に整合させられている。
【0079】
ここで、保管コンテナ6は、上記に説明されている先行技術の保管コンテナ106と同様であるが、1つの違いを伴う(保管コンテナ6は、その2つの第1の平行な側壁部6S1において2つの側部開口部6SOを含む)。
図4に示されているように、保管コンテナは、床6Fおよび上部開口部6TOを有している。
【0080】
ここで、荷下ろしデバイス40が説明されることとなる。荷下ろしデバイス40は、ベース構造体41を含み、ベース構造体41は、グリッド104またはレールシステム108に固定され得る。荷下ろしデバイス40は、第1の接触表面43aを有する第1の荷下ろし部材42aと、第2の接触表面43bを有する第2の荷下ろし部材42bとをさらに含む。接触表面43a、43bは、アイテム5に適合されている。
図3の中の平面的な段ボール箱に関して、接触表面43a、43bは、平面的になっている。
【0081】
荷下ろしデバイス40は、ベース構造体41に対して第1の荷下ろし部材42aを移動させるように構成されている第1のアクチュエーター44aと、ベース構造体41に対して第2の荷下ろし部材42bを移動させるように構成されている第2のアクチュエーター44bとをさらに含む。
【0082】
加えて、荷下ろしデバイス40は、第1のおよび/または第2のアクチュエーター44a、44bを制御するための制御システムを含む。この制御システムは、
図1に示されている自動倉庫システム1の制御システム20であることが可能であり、制御システム20は、荷下ろしデバイス40に対する車両の移動も制御している。
【0083】
1つのそのような荷下ろし部材42が存在することが可能であり、または、3つ以上のそのような荷下ろし部材42が存在することが可能であるということが留意されるべきである。自動倉庫システム1においては、いくつかのそのような荷下ろしステーション10が存在していてもよく、その場合に、いくつかの荷下ろしステーション10は、より大きいアイテム5のために使用されることとなる1つの荷下ろし部材42を有しており、一方、他の荷下ろしステーション10は、より小さいアイテム5のために使用されることとなるいくつかの荷下ろし部材42を有している。そのうえ、いくつかの荷下ろし部材42の接触表面43は、1つの特定のタイプのアイテム5のために設計され得る。
【0084】
また、
図3の荷下ろし部材42a、42bは、より大きいアイテムを降ろすときには、平行に移動させられ得、より小さいアイテムを降ろすときには、1つずつ移動させられ得るということも留意されるべきである。
【0085】
荷下ろしデバイス40の目的は、保管コンテナ6の中に保管されているアイテム5を、コンテナキャリア36の側部開口部36SOを通して、および、保管コンテナ6の側部開口部6SOを通して、さらに届け先コンベヤー60へ移動させることである。保管コンテナ6がコンテナキャリア36の中に提供されているときには、側部開口部36SOの下側縁部36SOEが保管コンテナ6の床6Fと水平方向に整合させられているので、アイテム5は、側部開口部6SOおよび36SOを通して容易に押し出され得る。
【0086】
第1の実施形態において、第1および第2のアクチュエーター44a、44bは、荷下ろし部材42a、42bを線形に移動させるリニアアクチュエーターである。線形移動は、水平方向の平面においてなされることが可能である。
【0087】
ここで、届け先コンベヤー60が説明されることとなる。ここで、届け先コンベヤー60は、ベルトコンベヤー61を含み、ベルトコンベヤー61は、一方の端部において、アイテム5を受け入れ、アイテム5をベルトコンベヤー61の第2の端部へ搬送し、第2の端部は、以降では、目的の届け先TDと称される。
【0088】
図3では、2つの製品アイテム5aが入ったシッピングパッケージの形態のアイテム5が、目的の届け先TDに示されている。ここで、荷下ろしステーション10に到着する前に、製品アイテム5aは、グリッド104の中に保管されている保管コンテナ106から、保管コンテナ6の中に提供されているシッピングパッケージ5の中へ集められ、次いで、届け先コンベヤー60へのシッピングパッケージの荷下ろしのために、車両30によって荷下ろしステーション10へ移送されている。
【0089】
ここで、シッピングパッケージ5は、段ボール箱であり、段ボール箱は、製品アイテム5aを出荷するために使用され得るシッピングパッケージの1つの例であるということが留意されるべきである。そのようなシッピングパッケージの他の例は、プラスチックまたは紙から作製されたボックスまたはバッグ、裏地付き封筒などである。荷下ろしステーション10は、どのように製品アイテムがシッピングパッケージの中へ集められたかということから独立して使用され得、ピッキング動作は、自動ピッキングプロセスまたは手動ピッキングプロセスであることが可能である。したがって、いくつかのケースでは、保管コンテナ6が荷下ろしステーションへ移動させられる前には、ピッキング動作は行われない。
【0090】
また、いくつかの製品アイテム5aは、出荷の前に、さらなるシッピングパッケージ5を必要としないということが述べられるべきである。1つのそのような例が、
図5に示されている。ここで、2つの製品アイテム5aは、それぞれのシッピングパッケージの中へ事前パッケージされており、自動倉庫システムの中への到着の前に、保管コンテナ6および/または保管コンテナ106の中に保管されている。ここで、製品アイテム5aは、保管コンテナ6から届け先コンベヤーへ直接的に降ろされ得る。したがって、「アイテム」という用語は、ここで、製品アイテム5aおよび1つまたはいくつかのそのような製品アイテム5aが入ったシッピングパッケージ5の両方を指している。
【0091】
届け先コンベヤー60は、目的の届け先TDへアイテムを搬送するためのローラーコンベヤーまたは他のタイプの搬送手段を含むことが可能であるということが留意されるべきである。そのうえ、目的の届け先TDは、荷下ろしステーション10の目的の届け先であるということが留意されるべきである。アイテム5は、さらなる届け先へ、たとえば、シッピングパッケージが閉じられ、宛名を付けられ、および/または、郵便サービスまたは配送サービスによる発送のために準備されるステーションへ、収集ポイントなどへ移送され得る。
【0092】
図3において、それらの非アクティブ位置にある接触表面43a、43bと届け先コンベヤー60との間の距離Dは、車両30の幅Wよりもわずかに大きくなっており、それによって、車両30が届け先コンベヤー60と荷下ろしデバイス40との間を移動することを可能にし、同時に、アイテム5が荷下ろしステーション10の下方の床の上に落下し得ることを回避することを助ける。
【0093】
加えて、ベルトコンベヤー61の高さは、保管コンテナ6の床6Fの高さと整合させられている。
【0094】
ここで、荷下ろしステーション10の動作が説明されることとなる。
図6aにおいて、1つのアイテム5が入った保管コンテナ6を備えた車両30が、荷下ろしステーション10へ移動するように、制御システム20によって制御されている。
【0095】
図6bにおいて、車両30は、届け先コンベヤー60と荷下ろしデバイス40との間の荷下ろし位置に停止させられている。
【0096】
図6cにおいて、荷下ろし部材42a、42bは、側部開口部36SOおよび6SOの中へ平行に線形に移動しており、それによって、アイテム5を保管コンテナ6およびコンテナキャリア36からベルトコンベヤー61の上に押し出している。
【0097】
図6dにおいて、コンベヤーベルトがアイテム5をその目的の届け先TDに向けて移動させている間に、荷下ろし部材42a、42bは、その初期位置に戻っている。
【0098】
次いで、
図3に示されている最終的なステップにおいて、車両30は、荷下ろしステーション10から離れるように移動しており、アイテム5は、その目的の届け先TDに到達している。
【0099】
上記に説明されている第1の実施形態の荷下ろしステーション10の1つの利点は、それが比較的に単純であるということである。第1の実施形態に伴う1つの小さい不利益は、とりわけ、
図6bに示されているY方向において、加速および減速の間にアイテム5が側部開口部6SO、36SOを通って滑り出る可能性があるというリスクが存在している場合があるということである。これは、車両30の加速および減速を比較的に低く維持することによって回避され得る。この利点を克服する別の方式は、床6Fとアイテム5との間の摩擦を増加させる材料を保管コンテナ6の床6Fに提供することである。下記に説明されている第2の実施形態は、この不利益に対するさらなる代替的な解決策を提供する。
【0100】
第2の実施形態
ここで、
図7a、
図7b、および
図7cが参照される。ここで、荷下ろしステーション10は、第1の実施形態の荷下ろしステーション10と同様であり、相違点だけが、本明細書で詳細に説明されることとなる。
【0101】
本実施形態では、側部開口部36SOの下側縁部36SOEは、保管コンテナ6がコンテナキャリア36の中に提供されているときに、保管コンテナ6の床6Fと水平方向に整合させられていない。その代わりに、側部開口部36SOの下側縁部36SOEは、
図7bに示されているように、保管コンテナ6の床6Fの高さH1上方に提供されている。このように、保管コンテナ6の中に提供されているアイテム5が車両30の加速および減速に起因して滑る場合には、下側縁部36SOEが、アイテム5がコンテナキャリア36の側部開口部36SOを通ってさらに滑り出ることを防止することとなる。したがって、本発明の別の目的は、コンテナの出荷または輸送の間に製品アイテムがコンテナから落下するということが回避されるという点において解決される。
【0102】
本実施形態では、荷下ろしステーション10は、車両30から保管コンテナ6を持ち上げるためのコンテナリフティングデバイス50を含む。
図7cに示されているように、保管コンテナ6の持ち上げられる高さは、高さH1に対応しており、すなわち、コンテナリフティングデバイス50は、保管コンテナ6の床6Fが側部開口部36SOの下側縁部36SOEと水平方向に整合させられる高さまで、保管コンテナ6を持ち上げるように構成されている。
図7cに示されている持ち上げられた位置において、アイテム5は、荷下ろしデバイス40によって、側部開口部6SOおよび36SOを通して容易に押し出され得る。
【0103】
図7aにおいて、コンテナリフティングデバイス50は、第1のフレーム構造体51を含み、第1のフレーム構造体51は、荷下ろしデバイス40のベース構造体41に固定されており、グリッド104に対して上方に突出しているということが示されている。代替的な実施形態では、第1のフレーム構造体51は、グリッド104に固定され得るか、または、荷下ろしデバイス40の近くの別の固定された構造体に固定され得るということが留意されるべきである。
【0104】
コンテナリフティングデバイス50は、保管コンテナ6への接続および保管コンテナ6からの切り離しのための接続インターフェースCIを備えたコンテナリフティングフレーム54を含む。本実施形態では、コンテナリフティングフレーム54は、
図1Dに示されているコンテナ取扱車両300のコンテナリフティングフレーム354と同じタイプのものである。コンテナリフティングフレーム54は、第2のフレーム構造体52の下方に固定されており、第2のフレーム構造体52は、リフティングメカニズム53によって第1のフレーム構造体51に対して上下に移動可能になっている。リフティングメカニズム53は、電気モーター、電気式または電気油圧式リニアアクチュエーターなどであることが可能である。
【0105】
本実施形態では、グリッド104の上方の荷下ろし部材42a、42bの高さは、ベース構造体41の高さを増加させることによって、側部開口部36SOの下側縁部36SOEの高さに適合され得る。また、届け先コンベヤー60の高さは、下側縁部36SOEの高さに適合され得る。
【0106】
ここで、荷下ろしステーション10の動作が説明されることとなる。
図7aにおいて、1つのアイテム5が入った保管コンテナ6を備えた車両30が、荷下ろしステーション10へ移動するように、制御システム20によって制御されている。
【0107】
図7dにおいて、車両30は、届け先コンベヤー60と荷下ろしデバイス40との間の荷下ろし位置に停止させられている。ここで、リフティングフレーム54は、引き上げられた位置にある。
【0108】
図7eにおいて、リフティングフレーム54は、低下させられており、接続インターフェースCIは、保管コンテナ6に接続されている。
【0109】
図7fにおいて、リフティングフレーム54は、高さH1だけ保管コンテナを上方に持ち上げている(
図7cに対応する)。
【0110】
図7gにおいて、荷下ろし部材42a、42bは、側部開口部36SOおよび6SOの中へ平行に線形に移動しており、それによって、アイテム5を保管コンテナ6およびコンテナキャリア36からベルトコンベヤー61の上に押し出している。
【0111】
アイテム5が届け先コンベヤー60の上に押し出されたときに、荷下ろし部材42a、42bは、それらの初期位置へ戻ることとなり、リフティングフレーム54は、低下させられることとなり、接続インターフェースCIは、保管コンテナ6から切り離されることとなる。保管コンテナ6なしでリフティングフレーム54を引き上げた後に、車両30は、荷下ろしステーション10から離れるように移動することが可能である。上記に説明されているように、届け先コンベヤー60は、アイテム5をその目的の届け先TDへ移動させることとなる。
【0112】
第3の実施形態
ここで、
図8a、
図8b、および
図8cが参照される。ここで、荷下ろしステーション10は、第2の実施形態の荷下ろしステーション10と同様であり、相違点だけが、本明細書で詳細に説明されることとなる。
【0113】
本実施形態では、車両30のコンテナキャリア36は、開口部を提供されていない。ここで、保管コンテナ6は、コンテナリフティングデバイス50によって、
図8bおよび
図8fの中に示されているような高さH2まで持ち上げられ、
図8cに示されているように、保管コンテナ6の床6Fをコンテナキャリア36の上側縁部36UEと水平方向に整合させるようになっている。このように、保管コンテナ6の中に提供されているアイテム5が、車両30の加速および減速に起因して滑る場合には、コンテナキャリア36に側部開口部が存在していないので、アイテム5が保管コンテナ6から落下することとはならない。
【0114】
本実施形態では、グリッド104の上方の荷下ろし部材42a、42bの高さは、ベース構造体41の高さを増加させることによって、上側縁部36UEの高さに適合されている。また、第1のフレーム構造体51および第2のフレーム構造体52の高さは、本実施形態の異なる持ち上げ高さH2に起因して変化させられる。また、届け先コンベヤー60の高さは、上側縁部36UEの高さに適合されている。
【0115】
ここで、荷下ろしステーション10の動作が説明されることとなる。
図8aにおいて、1つのアイテム5が入った保管コンテナ6を備えた車両30が、荷下ろしステーション10へ移動するように、制御システム20によって制御されている。
【0116】
図8dにおいて、車両30は、届け先コンベヤー60と荷下ろしデバイス40との間の荷下ろし位置に停止させられている。ここで、リフティングフレーム54は、引き上げられた位置にある。
【0117】
図8eにおいて、リフティングフレーム54は、低下させられており、接続インターフェースCIは、保管コンテナ6に接続されている。
【0118】
図8fにおいて、リフティングフレーム54は、高さH2だけ保管コンテナを上方に持ち上げている(
図7cに対応する)。
【0119】
図8gにおいて、荷下ろし部材42a、42bは、側部開口部6SOの中へ平行に線形に移動しており、それによって、アイテム5を保管コンテナ6からベルトコンベヤー61の上に押し出している。
【0120】
図8hにおいて、荷下ろし部材42a、42bは、それらの初期位置へ戻っている。
【0121】
その後に、リフティングフレーム54は、低下させられることとなり、接続インターフェースCIは、保管コンテナ6から切り離されることとなる。保管コンテナ6なしでリフティングフレーム54を引き上げた後に、車両30は、荷下ろしステーション10から離れるように移動することが可能である。上記に説明されているように、届け先コンベヤー60は、アイテム5をその目的の届け先TDへ移動させることとなる。
【0122】
第4の実施形態
ここで、
図9aおよび
図9bが参照される。この実施形態は、第1の実施形態に対応しており、すなわち、荷下ろしステーション10は、コンテナリフティングデバイス50を含まない。しかし、床6Fは、ここで、第2の実施形態のように、コンテナキャリア36の側部開口部36SOの下側縁部36SOEの高さH1下方に提供されている。
【0123】
ここで、保管コンテナ6は、床6Fと下側縁部36SOEとの間に提供された傾斜部材6Gを含み、床6Fに沿って、および、傾斜部材6Gに沿って上方に、さらに、
図9bに示されているように側部開口部36SOから外へ、荷下ろし部材42a、42bによって、アイテム5が押し出されることを可能にする。
【0124】
図に関連して説明されている実施形態は、本目的の少なくともいくつかを解決し、それは、製品アイテムおよびシッピングパッケージが慎重に取扱されるということ、すなわち、それらがコンテナの荷下ろしの間に損傷を受けないということを含む。
【0125】
第5の実施形態
ここで、
図10aが参照される。ここで、荷下ろしデバイス40は、コンテナリフティングデバイス50または荷下ろし部材42を含まない。ここで、荷下ろしデバイス40は、車両本体部31とコンテナキャリア36との間に装着されている傾動または枢動デバイス48として提供されている。
図10において、コンテナキャリア36は、水平方向の平面に対して傾動角度TAを伴って傾けられ得るということが示されている。傾動角度TAは、たとえば、最大で60°であることが可能である。これは、アイテム5がコンテナ6およびコンテナキャリア36からベルトコンベヤー61の上に滑り出ることを引き起こすこととなる。
【0126】
図10bにおいて、コンテナキャリア36は、
図3のものと同様であり、側部開口部36SOの下側縁部36SOEは、保管コンテナ6がコンテナキャリア36の中に提供されているときに、保管コンテナ6の床6Fと整合させられている。
【0127】
図10cにおいて、コンテナキャリア36は、
図9bのものと同様であり、すなわち、傾斜部材6Gが床6Fと下側縁部36SOEとの間に提供された状態になっている。
【0128】
この実施形態および上記の他の実施形態において、コンテナ床6Fは、アイテム5に対して所望の摩擦を提供する材料から製造され得るか、または、その材料を装備していることが可能であり、所望の場所のみにおいて、アイテムがコンテナ6およびコンテナキャリア36から滑り出ることを可能にするということが留意されるべきである。
【0129】
また、荷下ろしデバイス40は、第5の実施形態および第1の実施形態の組合せを含むことが可能であり、すなわち、車両30の上に提供された傾動または枢動デバイス48と、1つまたは複数の往復動式荷下ろし部材42の両方を有するということも留意されるべきである。
【0130】
先行する説明において、配送車両は、保管コンテナの重量を測定するために、計量メカニズム、たとえば、市販の電子的な計量スケールを含むことが可能であるということが留意されるべきである。そのような計量メカニズムは、それぞれの保管コンテナ内の内容物に関する情報、たとえば、合計重量、ユニットの数、内部重量分布、および/または、保管コンテナが置かれるべき保管グリッドの中の場所などに関する情報を提供することが可能である。
【0131】
ここで、
図11が参照される。ここで、自動倉庫システム1は、保管グリッド104の下方に部分的に提供される配送システム140を含む。配送システム140は、レール151、152を備えた配送レールシステム150をさらに含むことが可能である。レールシステム150は、保管グリッド104のレールシステムと同じタイプのものであることが可能である。
【0132】
図11に示されている配送レールシステム150は、保管グリッド104の内側の場所から、保管グリッド104の外側の場所へ、たとえば、上記に説明されている荷下ろしステーション10が位置付けされている場所へ延在している。
図11に示されている配送車両30は、上記に説明されている配送車両のうちの1つであることが可能である。
【0133】
倉庫グリッドにおいて保管コンテナのための保管スペースを最大限に得るために、配送レールシステム150が保管グリッド104の中へ可能な限り小さく延在するように、配送レールシステム150を配置することが有利である可能性がある。それは、倉庫グリッドが、上側レベルから保管グリッドのベースへ延在する複数の保管カラムを含むことが可能であり、したがって、最大限可能な保管容量を可能にするということを意味している。その理由は、保管カラム全体が保管のために使用され得るからである。
【0134】
最大限可能な保管容量を維持するために、保管グリッドの中へ延在する配送レールシステム150の一部は、可能な限り小さく維持され得る。したがって、配送レールシステム150および配送車両30は、倉庫グリッドの可能な限り少ないスペースを占有することが可能であり、スペースは、保管コンテナの保管のために使用され得る。
【0135】
配送レールシステム150は、保管グリッドのフレームワーク構造体の中に位置付けされている第1のレールシステムと、保管グリッドのフレームワーク構造体の外側に位置付けされている第2のレールシステムとを含むことが可能であり、第1および第2のレールシステムは、配送車両が上記レールシステム同士の間で動作することができるように接続されている。
【0136】
配送システム140は、第三者の保管、生産、および分配システムに接続可能なインターフェースを含むことが可能である。このインターフェースは、配送レールシステムであることが可能である。
【0137】
配送システムは、第三者の保管、生産、および分配システムと一体化可能であり得、保管コンテナが、配送システムと第三者の保管、生産、および分配システムとの間で輸送され得るようになっている。
【0138】
本発明の配送システムは、第三者の保管、生産、および分配システム、たとえば、生産設備、保管グリッド、組み立て設備、受け入れまたは出荷場所などに接続可能であり得る。接続は、接続可能なレールシステムによるものであるか、または、配送システムと第三者の保管、生産、および分配システムとの間で保管コンテナを輸送するために用いられるコンベヤーを含むコンベヤーシステムによるものであることが可能である。
【0139】
先行する説明において、本発明による配送車両および自動倉庫システムのさまざまな態様が、例示目的の実施形態を参照して説明されてきた。説明の目的のために、特定の数、システム、および構成が、システムおよびその作用の徹底的な理解を提供するために記述された。しかし、この説明は、限定する意味で解釈されることを意図していない。例示目的の実施形態のさまざまな修正例および変形例、ならびに、開示されている主題に関する当業者に明らかであるシステムの他の実施形態は、添付の特許請求の範囲によって定義されているような本発明の範囲の中にあると見なされる。
【符号の説明】
【0140】
1 自動倉庫システム
5 アイテム
5a 製品アイテム
6 保管コンテナ
6SO 保管コンテナの側部開口部
6F 保管コンテナの床
6S1 保管コンテナの第1の平行な側壁部
6TO 保管コンテナの上部開口部
10 荷下ろしステーション
20 倉庫システムの制御システム
30 配送車両
31 車両本体部
32 ホイール構成体
36 コンテナキャリア
36F コンテナキャリアの床
36SO コンテナキャリアの側部開口部
36S1 コンテナキャリアの第1の平行な側壁部
36S2 コンテナキャリアの第2の平行な側壁部
36TO コンテナキャリアの上部開口部
36SOE コンテナキャリアの側部開口部の下側縁部
36UE コンテナキャリアの上側縁部
40 荷下ろしデバイス
41 荷下ろしデバイスのベース構造体
42a 第1の荷下ろし部材
42b 第2の荷下ろし部材
43a 第1の荷下ろし部材の第1の接触表面
43b 荷下ろし部材の第2の接触表面
44a 第1のアクチュエーター
44b 第2のアクチュエーター
48 傾動/枢動デバイス
50 コンテナリフティングデバイス
51 第1のフレーム構造体
52 第2のフレーム構造体
53 リフティングメカニズム
54 コンテナリフティングフレーム
60 届け先コンベヤー
61 ベルトコンベヤー
100 フレームワーク構造体
102 フレームワーク構造体の直立部材
103 フレームワーク構造体の水平方向部材
104 保管グリッド/3次元のグリッド
105 保管カラム
106 保管コンテナ
107 スタック
108 レールシステム/コンテナ取扱車両レールシステム
110 第1の方向(X)における第1のセットの平行なレール
110a 第1のセットの第1の近隣のレール
110b 第1のセットの第2の近隣のレール
111 第2の方向(Y)における第2のセットの平行なレール
111a 第2のセットの第1の近隣のレール
111b 第2のセットの第2の近隣のレール
115 グリッド開口部/コンテナ取扱車両グリッド開口部
119 配送カラム
120 配送カラム
122 グリッドセル/コンテナ取扱車両グリッドセル
140 配送システム
200 第1のコンテナ取扱車両
201 ホイール構成体
202、202’ コンテナ取扱車両設置面積
300 第2のコンテナ取扱車両
301 ホイール構成体
X 第1の方向
Y 第2の方向
Wo コンテナ取扱車両グリッド開口部の幅
Wc コンテナ取扱車両グリッドセルの幅
Lo コンテナ取扱車両グリッド開口部の長さ
Lc コンテナ取扱車両グリッドセルの長さ
Wod 配送車両グリッド開口部の幅
Wcd 配送車両グリッドセルの幅
Lod 配送車両グリッド開口部の長さ
Lcd 配送車両グリッドセルの長さ
H1 高さ
H2 高さ
TD 目的の届け先
CI 接続インターフェース