(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-21
(45)【発行日】2024-01-04
(54)【発明の名称】情報処理システム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0251 20230101AFI20231222BHJP
【FI】
G06Q30/0251
(21)【出願番号】P 2021046518
(22)【出願日】2021-03-19
【審査請求日】2022-09-16
(73)【特許権者】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坪内 孝太
(72)【発明者】
【氏名】五味 秀仁
(72)【発明者】
【氏名】寺岡 照彦
【審査官】山崎 誠也
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-069306(JP,A)
【文献】特開2019-207380(JP,A)
【文献】特開2019-133162(JP,A)
【文献】特開2020-068427(JP,A)
【文献】水野 泰和,音響透かし技術を活用した情報配信システムの開発・調査,研究成果レポート,財団法人ニューメディア開発協会,2010年09月30日,No.26,p.12-14
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置と、前記端末装置のユーザが聴取可能な音声コンテンツを提供する情報処理装置とを含む情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
特定のコンテキストを有するユーザ
から取得され得る情報または前記ユーザに紐付く属性情報をベクトル化することにより生成される特徴情報を用いて、前記特定のコンテキストに対応する提供用情報を
抽出可能な状態に加工することにより、前記提供用情報をノイズ化したノイズ化情報を生成する生成部と、
前記生成部により生成されたノイズ化情報を前記音声コンテンツに重畳して提供する提供部と
を備え、
前記端末装置は、
前記情報処理装置から出力される前記音声コンテンツが入力された場合、自端末のユーザに関する情報を用いて
生成される前記特徴情報をキーとして、前記音声コンテンツに重畳されている前記ノイズ化情報から、前記提供用情報
の抽出
を試みる抽出部と、
前記抽出部において前記提供用情報の抽出に成功した場合、前記音声コンテンツを出力する際に、前記抽出部により抽出された前記提供用情報を合わせて出力する出力制御部と
を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記生成部は、
特定のコンテキストを有するユーザから取得され得るセンサ情報に基づいて生成した前記特徴情報を用いて、前記ノイズ化情報を生成する
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記生成部は、
特定のコンテキストを有するユーザから取得され得る行動履歴情報に基づいて生成した前記特徴情報を用いて、前記ノイズ化情報を生成する
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記生成部は、
特定のコンテキストを有するユーザに紐づく属性情報に基づいて生成した前記特徴情報を用いて、前記ノイズ化情報を生成する
請求項2又は3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記生成部は、
特定のコンテキストを有するユーザに紐づく環境情報に基づいて生成した前記特徴情報を用いて、前記ノイズ化情報を生成する
請求項2~4のいずれか1つに記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記出力制御部は、
ノイズキャンセリングにより前記音声コンテンツを打ち消して、前記提供用情報のみを出力する
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項7】
端末装置と、前記端末装置のユーザが聴取可能な音声コンテンツを提供する情報処理装置とを含む情報処理システムが実行する情報処理方法であって、
前記情報処理装置が、特定のコンテキストを有するユーザ
から取得され得る情報または前記ユーザに紐付く属性情報をベクトル化することにより生成される特徴情報を用いて、前記特定のコンテキストに対応する提供用情報を
抽出可能な状態に加工することにより、前記提供用情報をノイズ化したノイズ化情報を生成する生成工程と、
前記情報処理装置が、前記生成工程により生成されたノイズ化情報を前記音声コンテンツに重畳して提供する提供工程と
を含み、
前記端末装置が、
前記情報処理装置から出力される前記音声コンテンツが入力された場合、自端末のユーザに関する情報を用いて
生成される前記特徴情報をキーとして、前記音声コンテンツに重畳されている前記ノイズ化情報から、前記提供用情報
の抽出
を試みる抽出工程と、
前記端末装置が、
前記抽出工程において前記提供用情報の抽出に成功した場合、前記音声コンテンツを出力する際に、前記抽出工程により抽出された前記提供用情報を合わせて出力する出力制御工程と
を含む情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、情報処理システム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像や音楽などの各種メディアコンテンツに対して、各コンテンツに固有の情報を埋め込むハイディング技術の1つとして音声透かし技術が広く利用されている。この音声透かしを用いて、コンテンツを識別する技術の提案も行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、音声透かし技術をビジネスシーンに転用してユーザビリティを向上させるためには一考の余地がある。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、音声透かし技術をビジネスシーンに転用してユーザビリティを向上させることができる情報処理システム及び情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る情報処理システムは、端末装置と、端末装置のユーザが聴取可能な音声コンテンツを提供する情報処理装置とを含む。情報処理装置は、生成部と、提供部とを備える。生成部は、特定のコンテキストを有するユーザに関する特徴情報を用いて、特定のコンテキストに対応する提供用情報をノイズ化したノイズ化情報を生成する。提供部は、生成部により生成されたノイズ化情報を音声コンテンツに重畳して提供する。端末装置は、抽出部と、出力制御部とを備える。抽出部は、自端末のユーザに関する情報を用いて、音声コンテンツに重畳されているノイズ化情報から提供用情報を抽出する。出力制御部は、音声コンテンツを出力する際に、抽出部により抽出された提供用情報を合わせて出力する。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の態様の1つによれば、音声透かし技術をビジネスシーンに転用してユーザビリティを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る情報処理の具体的な適用例(1)を説明するための説明図である。
【
図3】
図3は、
図2に示す音声コンテンツの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る情報処理の具体的な適用例(2)を説明するための説明図である。
【
図5】
図5は、
図4に示す音声コンテンツの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る情報処理の具体的な適用例(3)を説明するための説明図である。
【
図7】
図7は、
図6に示す音声コンテンツの一例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係る特徴情報の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、実施形態に係る提供用情報の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、実施形態に係るコンテンツ情報の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、実施形態に係る端末装置の構成例を示す図である。
【
図14】
図14は、実施形態に係る情報処理装置による処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図15】
図15は、実施形態に係る端末装置による処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図16】
図16は、実施形態に係る情報処理装置及び端末装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理システム及び情報処理方法を実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態により、本願に係る情報処理システム及び情報処理方法が限定されるものではない。また、以下に説明する実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下に説明する実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
[1.情報処理の概要]
以下、図面を参照しつつ、実施形態に係る情報処理の一例を説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。実施形態に係る情報処理システム1は、
図1に示す例よりも多くの端末装置10や音響装置20、中継装置30を含む形態であってもよいし、
図1に示す例とは異なる装置を含む形態であってもよい。なお、
図1では、端末装置10の利用者の一例として、端末装置10aの利用者であるユーザUaと、端末装置10bの利用者であるユーザUbとを例示するが、実施形態に係る情報処理システム1は、任意の数の端末装置および任意の数の利用者について情報処理を実行できる。また、以下の説明において、端末装置10aや端末装置10bを特に区別して説明する必要がない場合、端末装置10aや端末装置10bを「端末装置10」と総称し、端末装置10aのユーザUaや端末装置10bを特に区別して説明する必要がない場合、「ユーザU」と総称して説明する。
【0011】
また、
図1では、ノイズ化情報が重畳された音声コンテンツが音響装置20から出力され、端末装置10に入力される形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態に係る情報処理は、ノイズ化情報が重畳された音声コンテンツが端末装置10に直接受信される場合にも同様に適用できる。また、以下の実施形態において音声コンテンツとは、端末装置10のユーザUが聴取可能な音声で構成されるコンテンツであり、店舗などのBGM(Back Ground Music)として予め作成されたオリジナルの音楽コンテンツや、インターネットラジオまたは音声配信サービスにより配信される音声コンテンツや、音楽配信サービスにより配信される音楽コンテンツなどを含む。
【0012】
図1に示すように、実施形態に係る情報処理システム1は、複数の端末装置10と、音響装置20と、中継装置30と、情報処理装置100とを含む。音響装置20及び中継装置30は、有線又は無線により接続され、相互に通信できる。中継装置30及び情報処理装置100は、インターネットなどの所定のネットワークに有線又は無線により接続される。中継装置30及び情報処理装置100は、所定のネットワークを通じて相互に通信できる。
【0013】
端末装置10は、音声コンテンツを出力可能な端末装置であり、典型的にはスマートフォンやウェアラブル端末などの情報処理装置である。なお、端末装置10は、スマートフォンなどの情報処理装置と、音声入力機能または音声出力機能を備えたヘッドセットとの組合せで構成されてもよい。
図1に示す例では、端末装置10aはユーザUaにより利用され、端末装置10bはユーザUbにより利用される。端末装置10は、GPS(Global Positioning System)や加速度センサなどを備え、位置情報や加速度などを含む各種センサデータを取得できる。
【0014】
音響装置20は、音声コンテンツを外部に出力する装置であり、典型的にはスピーカである。中継装置30は、情報処理装置100から提供される音声コンテンツを音響装置20に転送する情報処理装置である。
【0015】
情報処理装置100は、端末装置10のユーザUが聴取可能なコンテンツを配信する装置であり、典型的にはサーバ装置である。
図1に示す例において、情報処理装置100は、特徴情報記憶部121と、提供用情報記憶部122と、コンテンツ情報記憶部123とを有する。
【0016】
特徴情報記憶部121は、特定のコンテキストを有するユーザに関する特徴情報を記憶する。ここで、コンテキストとは、端末装置10のユーザUが置かれている状態や、端末装置10のユーザUの行動履歴や、端末装置10のユーザUの属性や、端末装置10のユーザUに紐づく環境情報や、ユーザUが保有する端末装置10などの端末に関するデバイス情報などを含む。
【0017】
端末装置10のユーザUが置かれている状態は、ユーザUの位置や、徒歩や自転車、電車などのユーザUの移動状態や、喜びや怒り、哀しみなどの心理状態を含む。端末装置10のユーザUの行動履歴は、端末装置10のユーザUの各種行動の履歴であり、検索サービスを通じて行われた検索履歴や、ショッピングサイトなどを通じて行われた購入履歴や、決済サービスを通じて行われた決済履歴などを含む。端末装置10のユーザUの属性は、年齢や性別、職業などのユーザUの人口統計学的な分類基準に対応する情報や、価値観や、ライフスタイルや、性格や、嗜好などのユーザUの心理的要因の分類基準に対応する情報などを含む。端末装置10のユーザUに紐づく環境情報は、例えば、ユーザUの現在地周辺の天気の情報を含んでよい。ユーザUの保有する端末装置10などの端末に関するデバイス情報は、端末に搭載されるCPU(Central Processing Unit)や、OS(Operating System)、メモリ等に関する情報、アンテナ等のネットワーク機能、インストールされたソフトウェア、使用されるブラウザソフトウェア、端末が備える認証手段(例えば、指紋データを取得する指紋リーダ機能や、虹彩を取得する機能を備えているか否か)等の情報を含んでよい。
【0018】
情報処理装置100のオペレータは、特定のコンテキストを有するユーザUから取得され得る情報や該当ユーザに紐づく属性情報を予め選定し、選定した情報をベクトル化することにより、特定のコンテキストを有するユーザUに関する特徴情報を生成する。例えば、歩行による移動状態にあるユーザUに関する特徴情報であれば、該当ユーザから取得され得る位置又は加速度などのセンサ情報などをベクトル化することにより生成できる。例えば、怒りの感情を抱いているユーザUに関する特徴情報であれば、該当ユーザから取得され得る脈拍又は血圧などのセンサ情報をベクトル化することにより生成できる。また、特定の商品についての購入実績があるユーザUに関する特徴情報であれば、該当ユーザから取得され得る購入履歴などの行動履歴情報をベクトル化することにより生成できる。また、特定の商品について検索を行った記録があるユーザUに関する特徴情報であれば、該当ユーザから取得され得る検索履歴などの行動履歴情報をベクトル化することにより生成できる。また、特定の店舗での決済を行った記録があるユーザUに関する特徴情報であれば、該当ユーザから取得され得る決済履歴などの行動履歴情報をベクトル化することにより生成できる。また、特定のコンテキストを有するユーザUに紐づく情報には、ユーザUの年齢、性別、又は職業などのユーザUの属性情報や、ユーザUの現在位置周辺の天気の情報や、これらの情報の組合せなど多種多様な情報が例示される。例えば、ある店舗の従業員であるユーザUに関する特徴情報であれば、従業員から取得され得るセンサ情報を店舗周辺の天気の情報により絞り込みを行って、絞り込んだセンサ情報などをベクトル化することにより生成できる。
【0019】
提供用情報記憶部122は、特定のコンテキストごとに予め用意された提供用情報を記憶する。実施形態において、提供用情報は音声情報で構成される。コンテンツ情報記憶部123は、端末装置10のユーザUが聴取可能な音声コンテンツの情報を記憶する。
【0020】
このような各種情報を備える情報処理装置100は、特徴情報記憶部121から、特定のコンテキストCxを有するユーザに関する特徴情報を取得する(ステップS11)。
【0021】
また、情報処理装置100は、取得した特徴情報を用いて、特定のコンテキストに対応する提供用情報をノイズ化したノイズ化情報を生成する(ステップS12)。
図1に示す例では、情報処理装置100は、特定のコンテキストとして選定された「コンテキストCx」に対応する提供用情報を、ステップS11で取得した特徴情報を用いてノイズ化したノイズ化情報を生成する。ノイズ化とは、特定のコンテキストを有するユーザに関する特徴情報により復号可能な状態に加工することを意味する。ノイズ化には、任意の符号化、あるいは暗号化の技術を用いてもよいし、マスキング技術を用いてもよい。
【0022】
また、情報処理装置100は、生成したノイズ化情報を音声コンテンツに重畳して提供する(ステップS13)。情報処理装置100は、ノイズ化情報を音声コンテンツに重畳する際、音声透かし技術を用いることができる。
【0023】
図1に示す例において、情報処理装置100から提供される音声コンテンツは、中継装置30に受信され、中継装置30から音響装置20に転送される。そして、音響装置20から出力される音声コンテンツを収音可能な範囲に位置する端末装置10a及び端末装置10bに入力される。
【0024】
図1に示す例では、端末装置10aのユーザUaが特定のコンテキストCxに該当する。このため、端末装置10aは、自端末のユーザUaに関する情報を用いて、音声コンテンツに重畳されているノイズ化情報から提供用情報を抽出できる。そして、端末装置10aは、音声コンテンツを出力する際、音声コンテンツに重畳された提供用情報を合わせて出力できる。一方、端末装置10bのユーザUbは特定のコンテキストCxに該当しない。このため、端末装置10bは、自端末のユーザUbに関する情報を用いて、音声コンテンツに重畳されているノイズ化情報から提供用情報を抽出することができない。よって、端末装置10bは、入力した音声コンテンツをそのまま出力することになる。
【0025】
[具体例な適用例(1)]
以下、実施形態に係る情報処理の具体的な適用例について説明する。まず、実施形態に係る情報処理の具体的な適用例(1)を説明する。
図2は、実施形態に係る情報処理の具体的な適用例(1)を説明するための説明図である。
図2では、物販などを行う店舗TPの店舗内に流れるBGMに対して、実施形態に係る情報処理を適用した場合を想定している。
【0026】
図2に示す例において、店舗TPには、端末装置10cの利用者であるユーザUcと、端末装置10dの利用者であるユーザUdと、端末装置10eの利用者であるユーザUeとが来店中の状態である。
【0027】
また、
図2に示す例では、店舗TPに据え付けられた音響装置20
1と、音響装置20
2と、音響装置20
3から、店舗BGMとして音声コンテンツEX
1が出力され、店舗TP内に流れている。音声コンテンツEX
1は、店舗BGMに対して、情報処理装置100により生成されたノイズ化情報が重畳されている。
図3は、
図2に示す音声コンテンツの一例を示す図である。
【0028】
図3に示すように、音声コンテンツEX
1は、「20代男性 商品P1-1の購入履歴あり」や、「30代女性 商品P1-5の検索履歴あり」を特定のコンテキストの1つとして想定している。つまり、音声コンテンツEX
1は、端末装置10のユーザUの属性(年齢及び性別)と、ユーザUの行動履歴(「購入履歴」又は「検索履歴」)との組合せを特定のコンテキストとして想定した提供用情報がノイズ化情報として重畳されている。
【0029】
また、
図3に示すように、音声コンテンツEX
1は、「20代男性 商品P1-1の購入履歴あり」に対応する提供用情報として「対応商品のセール情報」を想定している。提供例としては、「本日は商品P1-1がお得です。」という音声レコメンドが想定される。
図1に示す情報処理装置100は、「20代男性 商品P1-1の購入履歴あり」という特定のコンテキストを有するユーザUに関する特徴情報を用いて、提供用情報をノイズ化したノイズ化情報を生成し、音声コンテンツEX
1に重畳して店舗TPに提供する。
【0030】
また、
図3に示すように、音声コンテンツEX
1は、「30代女性 商品P1-5の検索履歴あり」に対応する提供用情報として「対応商品の陳列位置」を想定している。提供例としては、「商品P1-5は1階奥の棚です。」という音声レコメンドが想定される。
図1に示す情報処理装置100は、「30代女性 商品P1-5の検索履歴あり」という特定のコンテキストを有するユーザUに関する特徴情報を用いて、提供用情報をノイズ化したノイズ化情報を生成し、音声コンテンツEX
1に重畳して店舗TPに提供する。
【0031】
図2に戻り、端末装置10c、端末装置10d、及び端末装置10eは、音響装置20
1、音響装置20
2、又は音響装置20
3から音声コンテンツEX
1を入力できる。端末装置10cのユーザUcは、「20代男性 商品P1-1の購入履歴あり」という特定のコンテキストを有している。このため、端末装置10cは、ユーザUcに関する情報を用いて、音声コンテンツEX
1に重畳されているノイズ化情報から、ユーザUcのコンテキストに対応する提供用情報を抽出できる。そして、端末装置10cは、音声コンテンツEX
1を出力する際、例えば、「本日は商品P1-1がお得です。」という提供用情報を合わせて出力できる。
【0032】
また、端末装置10dのユーザUdは、「30代女性 商品P1-5の検索履歴あり」という特定のコンテキストを有している。このため、端末装置10dは、ユーザUdに関する情報を用いて、音声コンテンツEX1に重畳されているノイズ化情報から、ユーザUcのコンテキストに対応する提供用情報を抽出できる。そして、端末装置10dは、音声コンテンツEX1を出力する際、例えば、「商品P1-5は1階奥の棚です。」という提供用情報を合わせて出力できる。
【0033】
一方、端末装置10eのユーザUeは、提供用情報に紐づく特定のコンテキストを有していない。このため、端末装置10e、ユーザUeに関する情報を用いて、音声コンテンツEX1に重畳されているノイズ化情報から、ユーザUcのコンテキストに対応する提供用情報を抽出することができない。よって、端末装置10eは、入力した音声コンテンツEX1をそのまま出力することになる。
【0034】
[具体例な適用例(2)]
続いて、実施形態に係る情報処理の具体的な適用例(3)を説明する。
図4は、実施形態に係る情報処理の具体的な適用例(2)を説明するための説明図である。
図4では、複数の商品を取り扱う専門店を統一的に運営する百貨店DPの店舗内に流れる店舗BGMに対して、実施形態に係る情報処理を適用した場合を想定している。
【0035】
図4では、端末装置10fの利用者であり、百貨店DPの従業員であるユーザUfが配属先の4階フロアにある会計スペースに待機している様子を示している。また、
図4に示す例では、4階フロアの天井に据え付けられた音響装置20
4から、店舗BGMとして音声コンテンツEX
2が出力され、百貨店DP内に流れている。音声コンテンツEX
2は、店舗BGMに対して、情報処理装置100により生成されたノイズ化情報が重畳されている。
図5は、
図4に示す音声コンテンツの一例を示す図である。
【0036】
図5に示すように、音声コンテンツEX
2は、「百貨店DPの従業員+会計対応+百貨店DPの周辺の天気が雨」を特定のコンテキストの1つとして想定している。つまり、音声コンテンツEX
2は、端末装置10のユーザUの属性(ユーザUの職業)と、端末装置10のユーザUの置かれる状況(会計対応)と、端末装置10のユーザUの周囲に関する情報(ユーザUの周辺の天気)との組合せを特定のコンテキストの1つとして想定した提供用情報がノイズ化情報として重畳されている。
【0037】
また、
図5に示すように、音声コンテンツEX
2は、「百貨店DPの従業員+会計対応+百貨店DPの周辺の天気が雨」に対応する提供用情報として「業務連絡」を想定している。提供例としては、「雨よけカバーを準備してください。」という音声連絡が想定される。
図1に示す情報処理装置100は、「百貨店DPの従業員+会計対応+百貨店DPの周辺の天気が雨」という特定のコンテキストを有するユーザUに関する特徴情報を用いて、提供用情報をノイズ化したノイズ化情報を生成し、音声コンテンツEX
2に重畳して百貨店DPに提供する。
【0038】
図4に戻り、端末装置10fは、音響装置20
4から音声コンテンツEX
2を入力できる。端末装置10fのユーザUfが、「百貨店DPの従業員+会計対応+百貨店DPの周辺の天気が雨」という特定のコンテキストを有している場合、ユーザUfに関する情報を用いて、音声コンテンツEX
2に重畳されているノイズ化情報から、ユーザUfの特定のコンテキストに対応する提供用情報を抽出できる。そして、端末装置10fは、音声コンテンツEX
2を出力する際、例えば、「雨よけカバーを準備してください。」という提供用情報を合わせて出力できる。
【0039】
なお、端末装置10のユーザUに関する情報として、店舗の混雑具合などを特定のコンテキストとして採用できる。この場合、
図5に示す音声コンテンツEX
2にノイズ化情報として重畳する提供用情報の他の例として、例えば、「順番に休憩に入って下さい。」などの業務連絡が考えられる。
【0040】
[具体的な適用例(3)]
続いて、実施形態に係る情報処理の具体的な適用例(3)を説明する。
図6は、実施形態に係る情報処理の具体的な適用例(3)を説明するための説明図である。
図6では、飲食店Rの外部に流れる店舗BGMに対して、実施形態に係る情報処理を適用した場合を想定している。
【0041】
図6では、端末装置10gの利用者であるユーザUgが飲食店Rの周辺に位置する様子を示している。また、
図6に示す例では、飲食店Rの屋根に据え付けられた音響装置20
5から、店舗BGMとして音声コンテンツEX
3が出力され、飲食店Rの外部に流れている。音声コンテンツEX
3は、店舗BGMに対して、情報処理装置100により生成されたノイズ化情報が重畳されている。
図7は、
図6に示す音声コンテンツの一例を示す図である。
【0042】
図7に示すように、音声コンテンツEX
2は、「飲食店Rの周辺を移動+飲食店Rでの決済履歴」を特定のコンテキストの1つとして想定している。つまり、音声コンテンツEX
3は、端末装置10のユーザUの置かれている状態(ユーザUの位置及び移動状態)と、端末装置10のユーザUの行動履歴(ユーザUの決済履歴)との組合せを特定のコンテキストの1つとして想定した提供用情報がノイズ化情報として重畳されている。
【0043】
また、
図7に示すように、音声コンテンツEX
3は、「飲食店Rの周辺を移動+飲食店Rでの決済履歴」に対応する提供用情報として「店内状況」を想定している。提供例としては、「直ぐにご案内できます。」という通知が想定される。
図1に示す情報処理装置100は、「飲食店Rの周辺を移動+飲食店Rでの決済履歴」という特定のコンテキストを有するユーザUに関する特徴情報を用いて、提供用情報をノイズ化したノイズ化情報を生成し、音声コンテンツEX
3に重畳して飲食店Rに提供する。
【0044】
図6に戻り、端末装置10gは、音響装置20
5から音声コンテンツEX
3を入力できる。端末装置10gのユーザUgが、「飲食店Rの周辺を移動+飲食店Rでの決済履歴」という特定のコンテキストを有している場合、ユーザUgに関する情報を用いて、音声コンテンツEX
3に重畳されているノイズ化情報から、ユーザUgの特定のコンテキストに対応する提供用情報を抽出できる。そして、端末装置10gは、音声コンテンツEX
3を出力する際、例えば、「直ぐにご案内できます。」という提供用情報を合わせて出力できる。
【0045】
上述してきたように、実施形態に係る情報処理システム1では、情報処理装置100が、特定のコンテキストを有するユーザUに関する特徴情報を用いて、特定のコンテキストに対応する提供用情報をノイズ化したノイズ化情報を生成し、音声コンテンツに重畳して提供する。一方、端末装置10は、自端末のユーザがノイズ化情報に紐づく特定のコンテキストに合致すれば、音声コンテンツに重畳されているノイズ化情報から提供用情報を抽出できる。そして、端末装置10は、音声コンテンツを出力する際、提供用情報を合わせて出力できる。このようなことから、実施形態に係る情報処理システム1は、音声透かし技術をビジネスシーンに転用してユーザビリティを向上させることができる。
【0046】
つまり、主に、音声透かし技術は、他のハイディング技術と同様に、コンテンツの正当な権利者を示す情報をコンテンツに埋め込むことにより、コンテンツの無断利用や無断複製などの違法行為があった場合の証拠として機能させることを目的としている。このため、音声透かし技術をそのままビジネスシーン転用しても、ユーザビリティを向上させることは必ずしも容易ではない。一方、実施形態に係る情報処理システム1では、上述の通り、端末装置10に備えられた汎用のスピーカや、端末装置10に接続されるヘッドセットなどを通じて出力される音声コンテンツに、特定のコンテキストを有するユーザのみが聴取可能な提供用情報を埋め込んで提供する。これにより、音声コンテンツを通じた特別な経験をユーザに提供でき、ユーザビリティを向上させる効果が期待できる。
【0047】
[2.システム構成]
図8を用いて、実施形態に係る情報処理システム1の構成例について説明する。
図8は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。なお、
図8は、実施形態に係る情報処理システム1の構成を例示するものであり、
図8に示す形態に限られず、
図8に示す例よりも多くの装置を含む形態であってもよいし、
図8に示す例とは異なる接続関係であってもよい。
【0048】
図8に示すように、実施形態に係る情報処理システム1は、複数の端末装置10と、音響装置20と、中継装置30と、情報処理装置100とを備える。複数の端末装置10と、中継装置30と、情報処理装置100は、それぞれ有線又は無線によりネットワークNに接続される。ネットワークNは、LAN(Local Area Network)や、WAN(Wide Area Network)や、電話網(携帯電話網や固定電話網など)や、地域IP(Internet Protocol)網や、インターネットなどの通信ネットワークを含む。ネットワークNには、有線ネットワークが含まれていてもよいし、無線ネットワークが含まれていてもよい。複数の端末装置10は、ネットワークNを通じて通信できる。中継装置30及び情報処理装置100は、ネットワークNを通じて相互に通信できる。また、音響装置20は、有線又は無線により、中継装置30に接続される。音響装置20及び中継装置30は相互に通信できる。
【0049】
端末装置10は、音声コンテンツを出力可能な端末装置であり、典型的にはスマートフォンやウェアラブル端末などの情報処理装置である。端末装置10は、デスクトップ型や、ノート型や、タブレット型の各種PC(Personal Computer)や、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)などの任意の情報処理装置であってもよい。また、端末装置10は、前述の任意の情報処理装置と、各情報処理装置を機能的にサポートするスマートイヤホンやスマートウォッチなどのウェアラブルデバイスとの組合せで構成されてもよい。
【0050】
音響装置20は、音声コンテンツを外部に出力する装置であり、典型的にはスピーカである。音響装置20は、中継装置30から受信する音声コンテンツを外部に出力する。中継装置30は、情報処理装置100から提供される音声コンテンツを音響装置20に転送する情報処理装置である。
【0051】
情報処理装置100は、端末装置10のユーザUが聴取可能なコンテンツを配信する装置であり、典型的にはサーバ装置である。情報処理装置100は、ネットワークNを介して、音声コンテンツを中継装置30に送信する。
【0052】
[3.情報処理装置の構成]
[3-1.情報処理装置100の構成]
図9を用いて、実施形態に係る情報処理装置100の構成について説明する。
図9は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
【0053】
図9に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを備える。なお、
図9は、情報処理装置100の構成例を示すものであり、
図9に示す形態には限られず、
図9に示す以外の他の機能部を備える形態であってもよい。
【0054】
(通信部110)
通信部110は、ネットワークNと有線または無線で接続され、ネットワークNを介して、他の装置との間で情報の送受信を行う。例えば、通信部110は、ネットワークNを介して、音声コンテンツを中継装置30に送信する。通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)やアンテナなどによって実現される。ネットワークNは、LAN(Local Area Network)や、WAN(Wide Area Network)や、電話網(携帯電話網や固定電話網など)や、地域IP(Internet Protocol)網や、インターネットなどの通信ネットワークである。ネットワークNには、有線ネットワークが含まれていてもよいし、無線ネットワークが含まれていてもよい。
【0055】
(記憶部120)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリなどの半導体メモリ素子、または、ハードディスクや光ディスクなどの記憶装置によって実現される。
図9に示すように、記憶部120は、特徴情報記憶部121と、提供用情報記憶部122と、コンテンツ情報記憶部123とを有する。
【0056】
(特徴情報記憶部121)
特徴情報記憶部121は、特定のコンテキストを有するユーザに関する特徴情報を記憶する。
図10は、実施形態に係る特徴情報の一例を示す図である。なお、
図10は、特徴情報記憶部121に記憶される特徴情報の概要を示すものであり、
図10に示すような形態で構成されていなくてもよい。
【0057】
図10に示すように、特徴情報記憶部121に記憶される特徴情報は、「コンテキストID」の項目と、「特徴情報」の項目とを対応付けて構成されている。
【0058】
「コンテキストID」の項目には、特定のコンテキストを識別するための識別情報が記憶される。「コンテキストID」の項目に記憶される識別情報は、情報処理装置100のオペレータが特定のコンテキストを設定する際に、各コンテキストに固有の情報が個別に割り振られる。
【0059】
「特徴情報」の項目には、特定のコンテキストを有するユーザに関する特徴情報が記憶される。特徴情報は、特定のコンテキストを有するユーザU(端末装置10)から取得され得る情報を予め選定し、選定した情報をベクトル化することにより予め生成される。
【0060】
図10に示す例によれば、コンテキストID:[CTX001]に対して、特徴情報:[FT001]が対応付けられている。
【0061】
(提供用情報記憶部122)
提供用情報記憶部122は、特定のコンテキストに対応する提供用情報を記憶する。
図11は、実施形態に係る提供用情報の一例を示す図である。なお、
図11は、提供用情報記憶部122に記憶される提供用情報の概要を示すものであり、
図11に示すような形態で構成されていなくてもよい。
【0062】
図11に示すように、提供用情報記憶部122に記憶される提供用情報は、「コンテキストID」の項目と、「提供用情報」の項目とを対応付けて構成される。
【0063】
「コンテキストID」の項目には、対応するコンテキストの識別情報が記憶される。「コンテキストID」の項目に記憶される識別情報は、特徴情報記憶部121に記憶される特徴情報の「コンテキストID」の項目に記憶される識別情報に対応する。
【0064】
「提供用情報」の項目には、特定のコンテキストに対応する提供用情報が記憶される。「提供用情報」の項目に記憶される提供用情報は、音声コンテンツに重畳可能な音声情報で構成される。提供用情報は、特定のコンテキストを有するユーザUに向けた情報であり、例えば、レコメンド情報や案内情報、広告情報などの他、業務連絡などの情報が含まれ得る。提供用情報は、情報処理装置100のオペレータにより作成された情報を記憶してもよいし、音声コンテンツの提供先で作成された情報を記憶してもよい。また、提供用情報は、対象によって異なる情報であってもよい。例えば、対象人数により異なる内容の提供用情報であってもよい。
【0065】
図11に示す例によれば、コンテキストID:[CTX001]に対して、提供用情報:[AW001]が対応付けられている。
【0066】
(コンテンツ情報記憶部123)
コンテンツ情報記憶部123は、音声コンテンツの情報を記憶する。音声コンテンツは、各店舗でBGMとして利用可能な音楽コンテンツの他、インターネットラジオまたは音声配信サービスにより配信される音声コンテンツや、音楽配信サービスにより配信される音楽コンテンツなどを含む。
図12は、実施形態に係るコンテンツ情報の一例を示す図である。なお、
図12は、コンテンツ情報記憶部123に記憶されるコンテンツ情報の概要を示すものであり、
図12に示すような形態で構成されていなくてもよい。
【0067】
図12に示すように、コンテンツ情報記憶部123に記憶されるコンテンツ情報は、「提供先ID」の項目と、「音声コンテンツ」の項目とを対応付けて構成される。
【0068】
「提供先ID」の項目には、音声コンテンツの提供先を識別するための識別情報が記憶される。「音声コンテンツ」の項目には、提供先に対応する音声コンテンツの情報が記憶される。
【0069】
図12に示す例によれば、提供先ID:[CL001]に対して、音声コンテンツ:[AC001]が対応付けられている。
【0070】
(制御部130)
図9に戻り、制御部130は、情報処理装置100を制御するコントローラ(controller)である。制御部130は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などによって、情報処理装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(例えば、情報処理プログラム)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路により実現されてもよい。
【0071】
図9に示すように、制御部130は、生成部131と、提供部132とを有する。制御部130は、これらの各部により、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、
図9に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各部の接続関係は、
図9に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0072】
(生成部131)
生成部131は、特定のコンテキストを有するユーザに関する特徴情報を用いて、特定のコンテキストに対応する提供用情報をノイズ化したノイズ化情報を生成する。例えば、生成部131は、コンテキストID:[CTX001]に対応する提供用情報:[AW001]をノイズ化したノイズ化情報を生成する場合、特徴情報記憶部121から特徴情報の中から、特徴情報:[FT001]を用いる。生成部131は、生成したノイズ化情報を提供部132に送る。
【0073】
また、生成部131は、特定のコンテキストを有するユーザUから取得され得るセンサ情報に基づいて生成した特徴情報を用いて、ノイズ化情報を生成できる。特定のコンテキストを有するユーザUから取得され得るセンサ情報には、例えば、歩行による移動状態にあるというコンテキストを有するユーザUから取得され得るユーザの位置、又は加速度の情報や、喜怒哀楽のうちの特定の感情を抱いているというコンテキストを有するユーザUから取得され得る脈拍、又は血圧などの情報が含まれる。例えば、歩行による移動状態にあるというコンテキストを有するユーザUに関する特徴情報であれば、歩行状態にあるユーザから取得され得るユーザの位置又は加速度をベクトル化することにより生成できる。
【0074】
また、生成部131は、特定のコンテキストを有するユーザUから取得され得る行動履歴情報に基づいて生成した特徴情報を用いて、ノイズ化情報を生成できる。特定のコンテキストを有するユーザUから取得され得る行動履歴情報には、例えば、特定の商品についての購入実績があるユーザの購入履歴や、特定の商品についての検索を行った記録があるユーザの検索履歴や、特定の商品を取り扱う店舗での決済を行った記録があるユーザUの決済履歴などが含まれ得る。例えば、「特定の商品についての購入実績がある」というコンテキストを有するユーザUに関する特徴情報であれば、特定の商品についての購入実績があるユーザUから取得され得る購入履歴などをベクトル化することにより生成できる。特定の商品についての検索を行った記録があるユーザUや、特定の商品を取り扱う店舗での決済を行った記録があるユーザUに関する特徴情報についても同様に生成できる。
【0075】
また、生成部131は、特定のコンテキストを有するユーザUに紐づく属性情報に基づいて生成した特徴情報を用いて、ノイズ化情報を生成する。特定のコンテキストを有するユーザUに紐づく属性情報には、例えば、年齢、性別、又は職業などの人口統計学的な情報や、価値観、ライフスタイル、性格、又は嗜好など心理的要因に対応する情報などが含まれ得る。例えば、生成部131は、「特定の商品についての購入実績がある20代・男性」というコンテキストを有するユーザUに関する特徴情報であれば、特定の商品についての購入実績があるユーザUのうち20代の男性から取得され得る購入履歴などをベクトル化することにより生成できる。また、例えば、生成部131は、「百貨店DPの従業員+会計対応+百貨店DPの周辺の天気が雨」というコンテキストを有するユーザUの特徴情報であれば、百貨店DPの周辺の天気が雨のときに会計対応を行っている百貨店DPの従業員から取得され得るセンサ情報などをベクトル化することにより生成できる。このように、生成部131は、ユーザUに紐づく属性情報を、状況に応じてセンサ情報や行動履歴情報の絞り込みを行う際に用いることができる。
【0076】
また、生成部131は、特定のコンテキストを有するユーザUに紐づく環境情報をさらに加味してノイズ化情報を生成してもよい。例えば、生成部131は、雨の日に、特定の商品を取り扱う店舗での決済を行った記録があるユーザUの決済履歴に基づく特徴情報を生成することもできる。また、生成部131は、特定のコンテキスを有するユーザUが保有する端末装置10などの端末に関するデバイス情報を加味して特徴情報を生成してもよい。例えば、生成部131は、雨の日に、特定の商品を取り扱う店舗での決済を行った記録があるユーザUのうち、この店舗専用アプリケーションをインストールしているユーザUの決済履歴に基づく特徴情報を生成してもよい。
【0077】
(提供部132)
提供部132は、生成部131により生成されたノイズ化情報を音声コンテンツに重畳して提供する。例えば、提供部132は、音声コンテンツの提供先として、提供先ID:[CL001]が指定されている場合、コンテンツ情報記憶部123から音声コンテンツ:[AC001]を取得する。提供部132は、取得した音声コンテンツ:[AC001]に対してノイズ化情報を重畳し、提供先ID:[CL001]で識別される提供先に対し、通信部110を通じて、ノイズ化情報を重畳した音声コンテンツを送信する。
【0078】
[3-2.端末装置10の構成]
図13を用いて、実施形態に係る情報処理装置100の構成について説明する。
図13は、実施形態に係る端末装置の構成例を示す図である。
【0079】
図13に示すように、端末装置10は、通信部11と、センサ部12と、音声入力部13と、音声出力部14と、記憶部15と、制御部16とを備える。なお、
図13は、端末装置10の構成例を示すものであり、
図13に示す形態には限られず、
図13に示す以外の他の機能部を備える形態であってもよい。
【0080】
(通信部11)
通信部11は、通信部11は、ネットワークNと有線または無線で接続され、ネットワークNを介して、他の装置との間で情報の送受信を行う。通信部11は、所定の通信モジュールやモデムなどにより実現される。例えば、通信部11は、ネットワークNを介して、他の装置から受信した情報を制御部16に送る。
【0081】
(センサ部12)
センサ部12は、各種情報を検出する。ユーザUの脈拍や血圧、発汗などの生体信号を検出する生体センサや、ユーザUの動きを検出するモーションセンサや、ユーザU又はユーザUの周囲の画像を取得するカメラや、ユーザUに加わる加速度を検出する加速度センサや、ユーザの位置を検出するGPS(Global Positioning System)ユニットなどを有することができる。センサ部12は、検出した各種情報を制御部16に送る。
【0082】
(音声入力部13)
音声入力部13は、音又は音声の入力を受け付ける。音声入力部13は、マイクロフォンなどにより実現される。音声入力部13は、端末装置10の外部を流れる音声コンテンツを入力できる。音声入力部13は、入力した音声コンテンツの情報を制御部16に送る。
【0083】
(音声出力部14)
音声出力部14は、音又な音声を出力する。音声出力部14は、例えば、スピーカにより実現される。音声出力部14は、音声入力部13により端末装置10の内部に入力され、制御部16により処理された音声コンテンツを出力できる。
【0084】
(記憶部15)
記憶部15は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリなどの半導体メモリ素子、または、ハードディスクや光ディスクなどの記憶装置によって実現される。記憶部15は、端末装置10の処理機能を実現するためのプログラム及びデータを記憶する。記憶部15が記憶するプログラムには、制御部16の各部により実行される処理機能を実現するためのプログラムが含まれる。また、記憶部15が記憶するデータには、ユーザUの行動履歴情報や属性情報が含まれる。
【0085】
(制御部16)
制御部16は、端末装置10を制御するコントローラ(controller)である。制御部16は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などによって、端末装置10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部16は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路により実現されてもよい。
【0086】
図13に示すように、制御部16は、抽出部16aと、出力制御部16bとを有する。制御部130は、これらの各部により、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部16の内部構成は、
図13に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部16が有する各部の接続関係は、
図13に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0087】
(抽出部16a)
抽出部16aは、自端末のユーザUに関する情報を用いて、音声入力部13により入力された音声コンテンツに重畳されているノイズ化情報から提供用情報を抽出する。例えば、抽出部16aは、音声入力部13を有効化して待機状態にする。抽出部16aは、音声入力部13により音声コンテンツの入力が受け付けられると、センサ部12から取得される各種センサ情報、又は記憶部15に記憶されている行動履歴情報、又は記憶部15に記憶されている属性情報、又はユーザUに紐づく環境情報、又はユーザUの保有する端末装置10(自端末)のデイバス情報などを用いて、自端末のユーザUの特徴を示す特徴情報を生成する。抽出部16aは、生成した特徴情報をキーとして、音声コンテンツに重畳されているノイズ化情報から提供用情報の抽出を試みる。例えば、抽出部16aは、提供用情報が暗号化されている場合、特徴情報をキーとして復号処理を行う。また、提供用情報がマスクされている場合、特徴情報をキーとしてマスクの解除処理を行う。抽出部16aは、提供用情報の抽出に成功した場合、音声コンテンツとともに提供用情報を出力制御部16bに送る。
【0088】
(出力制御部16b)
出力制御部16bは、音声出力部14を介して、音声コンテンツを出力する際に、抽出部16aにより抽出された提供用情報を合わせて出力する。例えば、出力制御部16bは、音声コンテンツと提供用情報を出力する場合、音声コンテンツよりも提供用情報の音量が大きくなるようにゲインを調整できる。また、例えば、出力制御部16bは、音声コンテンツにおいて音量が小さい区間に提供用情報を重畳するように加工してもよい。また、出力制御部16bは、ノイズキャンセリング機能により、入力される音声コンテンツを打ち消す処理を行い、提供用情報のみを出力するように制御することもできる。
【0089】
[4.処理手順]
[4-1.情報処理装置100の処理手順]
以下、
図14を用いて、実施形態に係る情報処理システム1が含む情報処理装置100による処理の手順について説明する。
図14は、実施形態に係る情報処理装置による処理手順の一例を示すフローチャートである。
図14に示す処理手順は、情報処理装置100の制御部130により実行される。
図14に示す処理手順は、情報処理装置100の稼働中、繰り返し実行される。
【0090】
図14に示すように、生成部131は、特定のコンテキストを有するユーザに関する特徴情報を取得する(ステップS101)。また、生成部131は、特定のコンテキストに対応する提供用情報を取得する(ステップS102)。
【0091】
また、生成部131は、ステップS101で取得した特徴情報を用いて、ステップS102で取得した提供用情報をノイズ化したノイズ化情報を生成する(ステップS103)。生成部131は、生成したノイズ化情報を提供部132に送る。
【0092】
提供部132は、コンテンツの提供先に対応するコンテンツを取得する(ステップS104)。また、提供部132は、生成部131により生成されたノイズ化情報を、ステップS104で取得したコンテンツに重畳して、コンテンツ提供先に提供し(ステップS105)、
図14に示す処理手順を終了する。
【0093】
[4-2.端末装置10の処理手順]
以下、
図15を用いて、実施形態に係る情報処理システム1が含む端末装置10による処理の手順について説明する。
図15は、実施形態に係る端末装置による処理手順の一例を示すフローチャートである。
図15に示す処理手順は、端末装置10の制御部16により実行される。
図15に示す処理手順は、端末装置10の稼働中、繰り返し実行される。
【0094】
図15に示すように、抽出部16aは、音声コンテンツの入力を受け付けると(ステップS201)、自端末のユーザUに関する情報を用いて、自端末のユーザUの特徴を示す特徴情報を生成する(ステップS202)。自端末のユーザUに関する情報には、センサ部12により検出される各種センサ情報や、記憶部15に記憶されている行動履歴情報及び属性情報や、ユーザUに紐づく環境情報や、ユーザUの保有する自端末のデバイス情報などを含み得る。
【0095】
また、抽出部16aは、生成した特徴情報をキーとして、音声コンテンツに重畳されているノイズ化情報から提供用情報の抽出を試みる抽出処理を実行する(ステップS203)。
【0096】
抽出処理の結果、抽出部16aが提供用情報に成功した場合(ステップS203;Yes)、出力制御部16bは、音声出力部14を通じて音声コンテンツを出力する際に、提供用情報を合わせて出力し(ステップS204)、
図15に示す処理手順を終了する。
【0097】
抽出処理の結果、抽出部16aが提供用情報に失敗した場合(ステップS203;No)、出力制御部16bは、音声出力部14を通じて音声コンテンツをそのまま出力し(ステップS205)、
図15に示す処理手順を終了する。
【0098】
[5.ハードウェア構成]
実施形態に係る情報処理装置100及び端末装置10は、例えば
図16に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図16は、実施形態に係る情報処理装置及び端末装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【0099】
コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0100】
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラムなどを格納する。
【0101】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、および、かかるプログラムによって使用されるデータなどを格納する。通信インターフェイス1500は、ネットワーク(通信網)Nを介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを、ネットワーク(通信網)Nを介して他の機器へ送信する。
【0102】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタなどの出力装置、及び、キーボードやマウスなどの入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを、入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0103】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)などの光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)などの光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリなどである。
【0104】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、HDD1400には、記憶部120内のデータが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを、記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から、ネットワーク(通信網)Nを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0105】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る端末装置10として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部16の機能を実現する。また、HDD1400には、記憶部15内のデータが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを、記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から、ネットワーク(通信網)Nを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0106】
[6.その他]
上述した実施形態及び変形例において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0107】
上述の実施形態において、情報処理装置100による情報処理方法(
図14参照)を実現するために、情報処理装置100が有する制御部130の各部(生成部131、及び提供部132)に対応する処理機能は、情報処理装置100に予めインストールされている情報処理プログラムに対するアドオンとして実現してもよいし、軽量なプログラミング言語などを用いて、専用の情報処理プログラムとして柔軟に記述することにより実現されてもよい。
【0108】
上述の実施形態において、端末装置10による情報処理方法(
図15参照)を実現するために、端末装置10が有する制御部16の各部(抽出部16a、及び出力制御部16b)に対応する処理機能は、端末装置10に予めインストールされている情報処理プログラムに対するアドオンとして実現してもよいし、軽量なプログラミング言語などを用いて、専用の情報処理プログラムとして柔軟に記述することにより実現されてもよい。
【0109】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、情報処理システム1が含む音響装置20と中継装置30とは、物理的及び機能的に統合されていてもよい。
【0110】
また、上述の実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0111】
[7.効果]
上述の実施形態に係る情報処理システム1は、端末装置10と、端末装置10のユーザUが聴取可能な音声コンテンツを提供する情報処理装置100とを含む。情報処理装置100は、生成部131と、提供部132とを備える。生成部131は、特定のコンテキストを有するユーザUに関する特徴情報を用いて、特定のコンテキストに対応する提供用情報をノイズ化したノイズ化情報を生成する。提供部132は、生成部131により生成されたノイズ化情報を音声コンテンツに重畳して提供する。端末装置10は、抽出部16aと、出力制御部16bとを備える。抽出部16aは、自端末のユーザに関する情報を用いて、音声コンテンツに重畳されているノイズ化情報から提供用情報を抽出する。出力制御部16bは、音声コンテンツを出力する際に、抽出部16aにより抽出された提供用情報を合わせて出力する。
【0112】
このように、実施形態に係る情報処理システム1は、音声透かし技術をビジネスシーンに転用してユーザビリティを向上させることができる。つまり、実施形態に係る情報処理システム1では、上述の通り、端末装置10に備えられた汎用のスピーカや、端末装置10に接続されるヘッドセットなどを通じて出力される音声コンテンツに、特定のコンテキストを有するユーザのみが聴取可能な提供用情報を埋め込んで提供する。これにより、音声コンテンツを通じた特別な経験をユーザに提供でき、ユーザビリティを向上させる効果が期待できる。
【0113】
また、実施形態に係る情報処理システム1において、生成部131は、特定のコンテキストを有するユーザから取得され得るセンサ情報に基づいて生成した特徴情報を用いて、ノイズ化情報を生成する。これにより、実施形態に係る情報処理システム1は、端末装置10のユーザUの置かれている状態に対応するノイズ化情報を生成できる。
【0114】
また、実施形態に係る情報処理システム1において、生成部131は、特定のコンテキストを有するユーザから取得され得る行動履歴情報に基づいて生成した特徴情報を用いて、ノイズ化情報を生成する。これにより、実施形態に係る情報処理システム1は、端末装置10のユーザUの行動に対応するノイズ化情報を生成できる。
【0115】
また、実施形態に係る情報処理システム1において、生成部131は、特定のコンテキストを有するユーザに紐づく属性情報に基づいて生成した特徴情報を用いて、ノイズ化情報を生成する。これにより、実施形態に係る情報処理システム1は、端末装置10のユーザUの属性に対応するノイズ化情報を生成できる。
【0116】
以上、本願の実施形態をいくつかの図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0117】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、制御部は、制御手段や制御回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0118】
1 情報処理システム
10 端末装置
11 通信部
12 センサ部
13 音声入力部
14 音声出力部
15 記憶部
16 制御部
16a 抽出部
16b 出力制御部
100 情報処理装置
110 通信部
120 記憶部
121 特徴情報記憶部
122 提供用情報記憶部
123 コンテンツ情報記憶部
130 制御部
131 生成部
132 提供部