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特許7407770情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-21
(45)【発行日】2024-01-04
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 3/20 20060101AFI20231222BHJP
   G06T 3/40 20240101ALI20231222BHJP
   G09B 29/00 20060101ALI20231222BHJP
   G06F 3/0484 20220101ALI20231222BHJP
【FI】
G06T3/20
G06T3/40
G09B29/00 A
G09B29/00 F
G06F3/0484
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021101130
(22)【出願日】2021-06-17
(65)【公開番号】P2023000362
(43)【公開日】2023-01-04
【審査請求日】2022-03-15
(73)【特許権者】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】駒宮 大己
(72)【発明者】
【氏名】池本 佳史
(72)【発明者】
【氏名】杣田 裕太
(72)【発明者】
【氏名】李 ナレ
(72)【発明者】
【氏名】劉 静瑛
(72)【発明者】
【氏名】上杉 堅生
【審査官】▲徳▼田 賢二
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-222285(JP,A)
【文献】特開2013-190875(JP,A)
【文献】国際公開第2011/149104(WO,A1)
【文献】岡崎 哲夫 他,マルチフィッシュアイ・ネットワーク表示法,電子情報通信学会技術研究報告,社団法人電子情報通信学会,1994年11月24日,Vol.94 No.368,pp.59-66
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 3/20
G06T 3/40
G09B 29/00
G06F 3/04845
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の指定条件に対応する統計情報を取得する取得部と、
前記取得部により取得された前記統計情報に基づいて、互いに隣接する複数の地域ごとに所定の指定条件との関連性を示すスコアを算出する算出部と、
前記算出部により算出された前記スコアに基づいて前記複数の地域の各々を示す画像の大きさ又は位置を変動させた地図情報を表示する際に、地域間の相対的な位置関係が維持されるように前記地図情報の表示を制御する表示制御部と
を備え、
前記表示制御部は、
前記画像の重心位置に基づいて、前記複数の地域の相対的な距離感が反映されるように制御する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、
互いに隣接する地域の境界線が維持されるように制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
記表示制御部は、
予め設定される拘束条件に基づいて、前記画像の移動方向を決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
記取得部は、
前記所定の指定条件として取得したキーワード情報、及び日時情報に基づいて、前記地域に紐づく検索ワードの検索数を前記統計情報として取得し、
前記算出部は、
前記取得部により取得された前記検索ワードの検索数に基づいて、前記地域ごとに、前記キーワード情報との関連性を示すスコアを算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
所定の指定条件に対応する統計情報を取得する取得工程と、
前記取得工程により取得された前記統計情報に基づいて、互いに隣接する複数の地域ごとに所定の指定条件との関連性を示すスコアを算出する算出工程と、
前記算出工程により算出された前記スコアに基づいて前記複数の地域の各々を示す画像の大きさ又は位置を変動させた地図情報を表示する際に、地域間の相対的な位置関係が維持されるように前記地図情報の表示を制御する表示制御工程と
を含み、
前記表示制御工程は、
前記画像の重心位置に基づいて、前記複数の地域の相対的な距離感が反映されるように制御する
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項6】
コンピュータに、
所定の指定条件に対応する統計情報を取得する取得手順と、
前記取得手順により取得された前記統計情報に基づいて、互いに隣接する複数の地域ごとに所定の指定条件との関連性を示すスコアを算出する算出手順と、
前記算出手順により算出された前記スコアに基づいて前記複数の地域の各々を示す画像の大きさ又は位置を変動させた地図情報を表示する際に、地域間の相対的な位置関係が維持されるように前記地図情報の表示を制御する表示制御手順と
を実行させ、
前記表示制御手順は、
前記画像の重心位置に基づいて、前記複数の地域の相対的な距離感が反映されるように制御する
ことを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、データを可視化して活用する試みが行われている。このような試みに関連し、たとえば、データビジュアライズを使用したデータアナライズを効率よく行う方法及びシステムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-219622号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、データを可視化して活用するため、地図情報にデータを反映させる場合、地図情報の視認性を向上させる上で改善の余地がある。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、データを反映した地図情報の視認性を向上させることができる情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る情報処理装置は、取得部と、算出部と、表示制御部とを備える。取得部は、所定の指定条件に対応する統計情報を取得する。算出部は、取得部により取得された統計情報に基づいて、互いに隣接する複数の地域ごとに所定の指定条件との関連性を示すスコアを算出する。表示制御部は、算出部により算出されたスコアに基づいて複数の地域の各々を示す画像の大きさ又は位置を変動させた地図情報を表示する際に、地域間の相対的な位置関係が維持されるように地図情報の表示を制御する。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の態様の1つによれば、データを反映した地図情報の視認性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る地図情報の表示例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る地図情報の表示例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る情報処理装置による処理手順の一例を示すフローチャートである。
図6図6は、実施形態に係る情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下に説明する実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下に説明する実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
[1.情報処理の概要]
以下、図面を参照しつつ、実施形態に係る情報処理装置により実現される情報処理の一例を説明する。図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
【0011】
図1に示すように、実施形態に係る情報処理システム1は、端末装置10、及び情報処理装置100を有する。なお、情報処理システム1は、図1に示す例に限られず、複数の端末装置10、及び情報処理装置100を有していてもよい。また、情報処理装置100は、以下に説明する例に限られず、任意の数の端末装置10について、以下に説明する情報処理を並列して実行できる。
【0012】
端末装置10、及び情報処理装置100は、それぞれ有線又は無線によりネットワークN(図4参照)に接続される。ネットワークNは、LAN(Local Area Network)や、WAN(Wide Area Network)や、電話網(携帯電話網、固定電話網等)や、地域IP(Internet Protocol)網や、インターネットなどの通信ネットワークである。ネットワークNは、有線ネットワークが含まれていてもよいし、無線ネットワークが含まれていてもよい。端末装置10、及び情報処理装置100は、ネットワークNを通じて、相互に通信できる。
【0013】
端末装置10は、情報処理装置100から提供されるサービスを利用するためにサービス利用者Uが使用する情報処理装置である。端末装置10は、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)などにより実現される。
【0014】
端末装置10は、情報処理装置100から提供される各種サービスを利用するための情報を、ウェブブラウザやアプリケーションにより表示できる。なお、端末装置10は、情報の表示処理を実現する制御情報を情報処理装置100などから受け取った場合には、制御情報に従って表示処理を実現する。
【0015】
情報処理装置100は、実施形態に係る情報処理を実行する情報処理装置である。情報処理装置100は、サーバ装置やクラウドシステムなどにより実現される。なお、情報処理装置100は、サービス利用者Uが使用する端末装置10に制御情報を配信する配信装置として機能してもよい。ここで、制御情報は、例えば、JavaScript(登録商標)等のスクリプト言語やCSS(Cascading Style Sheets)などのスタイルシート言語により記述される。なお、情報処理装置100から配信されるアプリケーションそのものを制御情報とみなしてもよい。
【0016】
たとえば、情報処理装置100は、インターネット上の各種サービスをサービス利用者Uに提供できる。情報処理装置100が提供するサービスには、検索エンジンサイトや、ニュースサイトや、技術解説サイトや、ショッピングサイトや、ファイナンスサイト(株価サイト)や、路線検索サイトや、地図提供サイトや、旅行サイトや、飲食店紹介サイトや、ウェブブログなどに関するウェブページなどを介して提供される各種サービスが含まれる。また、情報処理装置100は、端末装置10にインストールされた各種アプリ(例えば、ポータルアプリ、ニュースアプリ、オークションアプリ、天気予報アプリ、ショッピングアプリ、ファイナンス(株価)アプリ、路線検索アプリ、地図提供アプリ、旅行アプリ、飲食店紹介アプリ、ブログ閲覧アプリ等)に表示する情報を提供できる。
【0017】
また、情報処理装置100は、上述した各種サービスの提供を通じて、サービス利用者Uが入力した検索ワードの情報を取得できる。また、情報処理装置100は、取得した検索ワードの情報を、検索履歴(検索ログ)として蓄積できる。なお、情報処理装置100は、各種サービスにおけるサービス利用者Uの操作や閲覧等に基づくユーザ属性(例えば、年齢、性別、地域等のデモフラフィック属性や、各種サービスのオンラインコンテンツの利用履歴等に基づいて推定されるサイコグラフィック属性など)や、各種サービスにおけるサービス利用者Uの行動履歴などを収集し、ユーザIDと対応付けて蓄積することもできる。
【0018】
また、情報処理装置100は、サービス利用者Uに対し、各地域の関心度を時間軸に沿って可視化した情報提供サービスを提供できる。
【0019】
たとえば、図1に示すように、情報処理装置100は、サービス利用者Uにより指定条件として設定されたキーワード情報及び日時情報を端末装置10から受信すると、統計情報に基づいて、互いに隣接する複数の地域ごとに指定キーワードとの関連性を示すスコアを算出する(ステップS1)。
【0020】
統計情報は、たとえば、情報処理装置100が予め蓄積する検索履歴や行動履歴の情報を含む。また、複数の地域ごとに算出する指定キーワードとの関連性を示すスコアは、指定キーワードに対する興味関心度(興味度合い)を示す評価値である。興味関心度は、地域が都道府県Bであると仮定し、指定キーワードに合致する検索クエリAが存在すると仮定した場合、以下に示す式(1)及び式(2)により定義される。
【0021】
・スコア(興味関心度)=都道府県B×地域特徴度×W1+検索クエリAの検索UU数×W2+検索クエリAの検索増加量×W3・・・(1)
【0022】
上述の式(1)に示すW1,W2,W3は、情報処理装置100の管理者により予め設定される重みを表す。また、上述の式(1)に示す地域特徴度は、検索クエリAが都道府県Bにおいて特徴的に検索されている度合いを表す。地域特徴度は、以下に示す式(2)により定義される。
【0023】
・地域特徴度=log((都道府県Bにおける検索クエリAのUU数÷都道府県Bの全体のUU数)÷(検索クエリAの検索UU数÷全体のUU数))・・・(2)
【0024】
また、上述の式(1)に示す検索クエリAの検索UU数は、所定期間内に所定のウェブサイトを訪問して検索クエリAを検索したユニークユーザ数を表す。また、上述の式(2)に示すUU数は、所定期間内に所定のウェブサイトを訪問したユニークユーザ数を表す。また、上述の式(1)に示す検索クエリAの検索増加量は、検索クエリAの基準点からの検索増加量を表す。検索クエリAの検索増加量は、以下に示す式(3)により定義される。
【0025】
・検索クエリAの検索増加量=検索クエリAの検索UU数÷基準日における検索クエリAの検索UU数・・・(3)
【0026】
このようにして、情報処理装置100は、各地域(たとえば、都道府県)の人口に左右されることなく、複数の地域ごとに指定キーワードに対する興味関心度を客観的に評価することが可能となる。
【0027】
そして、情報処理装置100は、複数の地域の各々を示す画像の大きさ又は位置をスコアに基づいて変動させた地図情報を表示する(ステップS2)。このとき、情報処理装置100は、地域間の相対的な位置関係が維持されるように制御する。
【0028】
図2または図3を用いて、実施形態に係る地図情報の表示例について説明する。図2または図3は、実施形態に係る地図情報の表示例を示す図である。図2または図3では、実施形態に係る情報処理の一例を説明するため、情報処理装置100がサービス利用者Uに提供する地図情報MP-1を模式的に示している。
【0029】
図2に示すように、情報処理装置100がサービス利用者Uに提供する地図情報MP-1は、たとえば、地域R-1の画像G-1、地域R-2の画像G-2、地域R-3の画像G-3、及び地域R-4の画像G-4の4つの画像Gで構成されている。情報処理装置100は、指定条件であるキーワード情報:「指定キーワードX」と日時情報:「2021/4/1」を端末装置10から受信すると、指定キーワードXの検索UU数やUU数などの統計情報を、日時情報:「2021/4/1」に基づいて取得する。たとえば、情報処理装置100は、指定された日時情報が「2021/4/1」であれば、各地域Rについて、2021年4月1日0時0分~2021年4月1日23時59分までの検索UU数やUU数をデータサンプルとして取得する。そして、情報処理装置100は、上述の式(1)~(3)に基づいて、指定キーワードXに対する興味関心度を示すスコアVを地域Rごとに算出する。
【0030】
図2に示す例では、地域R-1に対応するスコアV1-1と、地域R-2に対応するスコアV1-2と、地域R-3に対応するスコアV1-3と、地域R-4に対応するスコアV1-4とがそれぞれ算出されている。また、各地域Rに対応するスコアVの序列は、スコアV1-4>スコアV1-1>スコアV1-3>スコアV1-2となっている。なお、各地域Rに対応するスコアVは、たとえば、各地域Rに対応するスコアVの中で最も大きいスコアVの値を基準とするなど、基準となるスコアに基づいて正規化されてもよい。
【0031】
そして、情報処理装置100は、スコアVに応じて、複数の地域Rの各々を示す画像Gの大きさ又は位置をスコアに基づいて変動させた地図情報MP-1を表示する。図2に示す例では、各地域Rに対応する画像Gの面積がスコアVの大きさに応じて変動されているが、全ての地域Rの中で最もスコアVが大きい地域R-4の画像G-4の面積がその他の地域R-1~R-3よりも大きくなっている。
【0032】
また、情報処理装置100は、スコアVに応じて、複数の地域Rの各々を示す画像Gの大きさ又は位置をスコアに基づいて変動させて地図情報MP-1を表示する際、複数の地域Rの位置関係が維持されるように制御する。これにより、地図情報MP-1の変動に伴う地図情報MP-1のレイアウトの棄損をできるだけ防止でき、地図情報MP-1の視認性を向上できる。
【0033】
たとえば、情報処理装置100は、互いに隣接する地域Rの境界線BLが維持されるように制御する。具体的には、図2に示すように、情報処理装置100は、地図情報MP-1を構成する各地域Rの画像Gを拡大した後も、地域R-1と地域R-4との間の境界線BL-1、地域R-2と地域R-4との間の境界線BL-2、及び地域R-3と地域R-4との間の境界線BL-3が残されるように表示制御する。これにより、各地域Rの画像Gが互いに重なり合うことを防止でき、地図情報MP-1の視認性を向上できる。
【0034】
また、たとえば、情報処理装置100は、各地域Rの画像Gごとに予め算出される重心位置Pに基づいて、複数の地域Rの相対的な距離感が反映されるように制御する。具体例を示せば、情報処理装置100は、地図情報MP-1を構成する各地域Rの面積Gを拡大した後も、たとえば、地域R-1の画像G-1の重心位置P-1と地域R-4の画像G-4の重心位置P-4との距離、地域R-2の画像G-2の重心位置P-2と地域R-4の画像G-4の重心位置P-4との距離、地域R-3の画像G-3の重心位置P-3と地域R-4の画像G-4の重心位置P-4との距離の比率が変わらないように制御できる。これにより、各地域Rの特定を促すことができ、地図情報MP-1の視認性を向上できる。
【0035】
また、図3に示す場合も、図2に示す場合と同様に、情報処理装置100は、指定条件であるキーワード情報:「指定キーワードX」と日時情報:「2021/4/1」を端末装置10から受信すると、指定キーワードXの検索UU数やUU数などの統計情報を、日時情報:「2021/4/1」に基づいて取得する。そして、情報処理装置100は、上述の式(1)~(3)に基づいて、指定キーワードXに対する興味関心度を示すスコアVを地域Rごとに算出する。
【0036】
図3では、図2に示す場合と情報が相違しているので、地域Rごとに算出されるスコアVも、図2に示す場合とは異なっている。図3に示す例では、地域R-1に対応するスコアV11-1と、地域R-2に対応するスコアV11-2と、地域R-3に対応するスコアV11-3と、地域R-4に対応するスコアV11-4とがそれぞれ算出されている。また、各地域Rに対応するスコアVの序列は、スコアV11-2>スコアV11-4>スコアV11-1>スコアV11-3となっている。
【0037】
そして、情報処理装置100は、スコアVに応じて、複数の地域Rの各々を示す画像Gの大きさ又は位置をスコアに基づいて変動させた地図情報MP-1を表示する。
【0038】
また、情報処理装置100は、スコアVに応じて、複数の地域Rの各々を示す画像Gの大きさ又は位置をスコアに基づいて変動させる際、予め設定される拘束条件に基づいて、各画像Gの移動方向を決定してもよい。
【0039】
たとえば、図3に示すように、重心位置の左方向への移動禁止という拘束条件が予め設定されていると仮定する。また、図3では、拘束条件は、たとえば、情報処理装置100の管理者により予め設定される。この場合、情報処理装置100は、図3に示すように、複数の地域Rの各々を示す画像Gの大きさ又は位置をスコアVに基づいて変動させる際、画像Gの重心位置Pの移動方向が左方向とならないように制御する。これにより、所望の形態で各地域Rの画像Gを変動させることができ、地図情報MP-1の視認性を向上させる可能性を高めることができる。
【0040】
また、拘束条件は、全ての地域Rに共通の条件を設定するだけに限られず、地域Rに対応する画像Gごとに設定されてもよい。なお、拘束条件は、各地域Rの位置関係や、各地域Rに対応する画像Gの拡大または縮小に応じた柔軟に設定されてもよい。
【0041】
[2.情報処理装置の構成]
図4を用いて、実施形態に係る情報処理装置100の構成について説明する。図4は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
【0042】
図4に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを備える。なお、図4は、情報処理装置100の構成例を示すものであり、図4に示す形態には限られず、図4に示す以外の他の機能部を備える形態であってもよい。
【0043】
(通信部110)
通信部110は、例えば、ネットワークNと有線または無線で接続され、ネットワークNを介して、端末装置10などの他の装置との間で情報の送受信を行う。通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)やアンテナなどによって実現される。ネットワークNは、LAN(Local Area Network)や、WAN(Wide Area Network)や、電話網(携帯電話網や固定電話網など)や、地域IP(Internet Protocol)網や、インターネットなどの通信ネットワークである。ネットワークNには、有線ネットワークが含まれていてもよいし、無線ネットワークが含まれていてもよい。
【0044】
通信部110は、端末装置10からキーワード情報や日時情報を受信する。また、通信部110は、地図情報を端末装置10に送信する。
【0045】
(記憶部120)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリなどの半導体メモリ素子、または、ハードディスクや光ディスクなどの記憶装置によって実現される。記憶部120は、制御部130の各部により実行される情報処理を実現するためのプログラム及びデータを記憶する。
【0046】
図7に示すように、記憶部120は、検索履歴記憶部121や、地図情報記憶部122や、拘束条件記憶部123などを有する。
【0047】
(検索履歴記憶部121)
検索履歴記憶部121は、インターネット上の各種サービスを利用するサービス利用者を特定するための識別情報(たとえば、ユーザID)に関連付けて、サービス利用者の検索履歴を記憶する。検索履歴記憶部121に記憶される検索履歴は、たとえば、サービス利用者に提供される検索エンジンサイトを通じて、サービス利用者が入力した検索ワードの情報を含む。
【0048】
(地図情報記憶部122)
地図情報記憶部122は、サービス利用者に提供する地図情報を記憶する。地図情報は、後述する制御部130により加工可能に構成される。
【0049】
(拘束条件記憶部123)
拘束条件記憶部123は、地図情報を加工する際に、制御部130が参照する拘束条件に関する情報を記憶する。拘束条件は、たとえば、情報処理装置100の管理者により予め設定される。具体例としては、地図に向かって右側の領域が海である場合、海側に向かって各地域の画像を変動(拡大又は移動)させるように、各地域の画像(の重心位置)の左方向への移動を禁止することなどを拘束条件として設定することが想定される。
【0050】
(制御部130)
制御部130は、情報処理装置100を制御するコントローラ(controller)である。制御部130は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などによって、情報処理装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(例えば、情報処理プログラム)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路により実現されてもよい。
【0051】
図4に示すように、制御部130は、取得部131と、算出部132と、表示制御部133とを有する。制御部130は、これらの各部により、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図4に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各部の接続関係は、図4に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0052】
(取得部131)
取得部131は、通信部110を通じて、端末装置10から取得した指定条件に基づいて、地図情報を加工するための統計情報(データサンプル)を取得する。たとえば、取得部131は、端末装置10から指定条件としてキーワード情報:「指定キーワードX」と日時情報:「2021/4/1」を取得すると、指定キーワードXの検索UU数やUU数を、日時情報:「2021/4/1」に基づいて取得する。取得部131は、取得したデータサンプルを算出部132に受け渡す。
【0053】
(算出部132)
算出部132は、取得部131により取得された統計情報に基づいて、互いに隣接する複数の地域ごとに所定のキーワードとの関連性を示すスコアを算出する。算出部132が算出するスコアは、指定キーワードに対する興味関心度(興味度合い)を示す評価値である。興味関心度は、地域が都道府県Bであると仮定し、指定キーワードに合致する検索クエリAが存在すると仮定した場合、上述した式(1)により定義される。算出部132は、地域ごとに算出したスコアを表示制御部133に受け渡す。
【0054】
(表示制御部133)
表示制御部133は、複数の地域の各々を示す画像の大きさ又は位置を、算出部132により算出されたスコアに基づいて変動させて複数の地域を含む地図情報を表示する。このとき、表示制御部133は、地域間の相対的な位置関係が維持されるように制御する。
【0055】
たとえば、表示制御部133は、互いに隣接する地域の境界線が維持されるように制御する。また、たとえば、表示制御部133は、各地域Rの画像Gごとに予め算出される重心位置Pに基づいて、複数の地域の距離感が反映されるように制御する。また、たとえば、表示制御部133は、算出部132により算出されたスコアに応じて、複数の地域の各々を示す画像の大きさ又は位置をスコアに基づいて変動させる際、予め設定される拘束条件に基づいて、各画像の移動方向を決定する。
【0056】
[3.処理手順]
以下、図5を用いて、実施形態に係る情報処理装置100による処理手順について説明する。図5は、実施形態に係る情報処理装置による処理手順の一例を示すフローチャートである。図5に示す処理手順は、情報処理装置100の制御部130により実行される。図5に示す処理手順は、情報処理装置100の稼働中、繰り返し実行される。
【0057】
図5に示すように、取得部131は、通信部110を通じて、端末装置10から取得した指定条件に基づいて、地図情報を加工するための統計情報(データサンプル)を取得する(ステップS101)。
【0058】
また、算出部132は、取得部131により取得された統計情報に基づいて、互いに隣接する複数の地域ごとに所定のキーワードとの関連性を示すスコアを算出する(ステップS102)。
【0059】
また、表示制御部133は、複数の地域の各々を示す画像の大きさ又は位置を、算出部132により算出されたスコアに基づいて変動させて複数の地域を含む地図情報を表示する(ステップS103)。
【0060】
[4.変形例]
上述の実施形態では、情報処理装置100が、検索履歴に基づいて、指定キーワードとの関連性を示すスコアを地域ごとに算出して、各地域の画像を変動させる例を説明したが、この例には限られず、任意の統計情報との関連性を示すスコアに基づいて、各地域の画像を変動させる場合にも、実施形態に係る情報処理を同様に適用できる。たとえば、統計情報としては、地震や火災などの災害の発生回数や、所定の属性を有するユーザの数などを例示できる。
【0061】
また、上述の実施形態に係る情報処理は、指定キーワードとの関連性を示すスコアを当道府県ごとに算出して、都道府県を示す画像を変動させることにより、日本地図を加工する処理に適用する場合だけでなく、都道府県よりもエリアが狭い行政区(たとえば、東京23区)の地図の加工や、都道府県よりもエリアが広い世界地図などの加工などにも同様の適用できる。すなわち、上述の実施形態に係る情報処理は、所定のキーワードの関連性を示すスコアを算出可能な複数のエリアからなる情報の加工に適用可能である。
【0062】
また、上述の実施形態では、情報処理装置100が、指定キーワードとの関連性を示すスコアに基づいて、各地域の画像を変動(たとえば、拡大)して端末装置10に地図情報を表示させる例を説明した。この例に限られず、情報処理装置100は、スコアに基づいて、各地域の表示色を変更するなどの表示態様の変更を行ってもよい。
【0063】
また、上述の実施形態において、情報処理装置100は、直感的な操作で、端末装置10に表示させる地図情報の時間軸を変更するためのオブジェクトを地図情報と合わせて表示してもよい。
【0064】
[5.ハードウェア構成]
実施形態に係る情報処理装置100は、例えば図6に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図6は、実施形態に係る情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【0065】
コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0066】
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラムなどを格納する。
【0067】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、および、かかるプログラムによって使用されるデータなどを格納する。通信インターフェイス1500は、ネットワーク(通信網)Nを介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを、ネットワーク(通信網)Nを介して他の機器へ送信する。
【0068】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタなどの出力装置、及び、キーボードやマウスなどの入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを、入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0069】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)などの光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)などの光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリなどである。
【0070】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、HDD1400には、記憶部120内のデータが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを、記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から、ネットワーク(通信網)Nを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0071】
[6.その他]
上述した実施形態及び変形例において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0072】
上述の実施形態及び変形例において、情報処理装置100による情報処理方法(たとえば、図5参照)を実現するために、情報処理装置100が有する制御部130の各部(取得部131、算出部132、及び表示制御部133)に対応する処理機能は、情報処理装置100に予めインストールされている提供プログラムに対するアドオンとして実現してもよいし、軽量なプログラミング言語などを用いて、専用の提供プログラムとして柔軟に記述することにより実現されてもよい。
【0073】
また、上述した実施形態及び変形例において、情報処理装置100は、サービス利用者に対して各種サービスを提供する装置と、サービス利用者に対して、各地域の関心度を時間軸に沿って可視化した情報提供サービスを提供する装置とに物理的に分散して構成されていてもよい。
【0074】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。たとえば、制御部130の取得部131と算出部132とは機能的に統合されていてもよい。
【0075】
また、上述の実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0076】
[7.効果]
上述の実施形態に係る情報処理装置100は、取得部131と、算出部132と、表示制御部133とを備える。取得部131は、所定の指定条件に対応する統計情報を取得する。算出部132は、取得部131により取得された統計情報に基づいて、互いに隣接する複数の地域ごとに所定の指定条件との関連性を示すスコアを算出する。表示制御部133は、算出部132により算出されたスコアに基づいて複数の地域の各々を示す画像の大きさ又は位置を変動させた地図情報を表示する際に、地域間の相対的な位置関係が維持されるように地図情報の表示を制御する。
【0077】
このようにして、実施形態に係る情報処理装置100は、地図情報MP-1(図2または図3参照)の変動に伴う地図情報MP-1のレイアウトの棄損をできるだけ防止でき、地図情報MP-1の視認性を向上できる。
【0078】
また、実施形態に係る情報処理装置100において、表示制御部133は、互いに隣接する地域の境界線が維持されるように制御する。これにより、情報処理装置100は、各地域Rの画像Gが互いに重なり合うことを防止でき、地図情報MP-1の視認性を向上できる。
【0079】
また、実施形態に係る情報処理装置100において、表示制御部133は、複数の地域の各々を示す画像の重心位置に基づいて、複数の地域の距離感が反映されるように制御する。これにより、情報処理装置100は、各地域の特定を促すことができ、地図情報MP-1の視認性を向上できる。
【0080】
また、実施形態に係る情報処理装置100において、表示制御部133は、予め設定される拘束条件に基づいて、複数の地域の各々を示す画像の移動方向を決定する。これにより、情報処理装置100は、所望の形態で各地域Rの画像Gを変動させることができ、地図情報MP-1の視認性を向上させる可能性を高めることができる。
【0081】
また、実施形態に係る情報処理装置100において、取得部131は、所定の指定条件として取得したキーワード情報、及び日時情報に基づいて、複数の地域に紐づく検索ワードの検索数を統計情報として取得する。また、算出部132は、取得部131により取得された検索ワードの検索数に基づいて、地域ごとに、キーワード情報との関連性を示すスコアを算出する。これにより、情報処理装置100は、地域ごとに、所定の条件として指定された指定キーワードとの関連性を簡潔に評価できる。
【0082】
以上、本願の実施形態をいくつかの図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0083】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、制御部は、制御手段や制御回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0084】
10 端末装置
100 情報処理装置
110 通信部
120 記憶部
130 制御部
131 取得部
132 算出部
133 表示制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6