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特許7407794充電回路を備えるエアロゾル送達デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-21
(45)【発行日】2024-01-04
(54)【発明の名称】充電回路を備えるエアロゾル送達デバイス
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/90 20200101AFI20231222BHJP
【FI】
A24F40/90
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2021506962
(86)(22)【出願日】2019-08-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-09
(86)【国際出願番号】 IB2019056735
(87)【国際公開番号】W WO2020031117
(87)【国際公開日】2020-02-13
【審査請求日】2022-06-27
(31)【優先権主張番号】16/100,284
(32)【優先日】2018-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516097871
【氏名又は名称】アール・エイ・アイ・ストラテジック・ホールディングス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サー,ラジェッシュ
【審査官】宮部 菜苗
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/024692(WO,A1)
【文献】特表2017-539191(JP,A)
【文献】国際公開第2018/001910(WO,A1)
【文献】特開2008-118847(JP,A)
【文献】国際公開第2016/147238(WO,A1)
【文献】特開2012-99929(JP,A)
【文献】特開2001-188618(JP,A)
【文献】国際公開第2018/047095(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
A61M 15/00
H02H 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル送達デバイスであって、
エアロゾル前駆体組成物を保持するように構造化されたハウジングと、
負荷に結合され、負荷に電力を供給して、エアロゾル送達デバイスにエアロゾル前駆体組成物からエアロゾルを作り出させるように構成された1つ以上のバッテリまたはバッテリセルを含む電源と、
負荷に結合され、負荷に一定の電力を出力するように構成された非反転ユニティゲイン演算増幅器と、
電源に結合され、制御可能に電源を充電するように構成された充電回路と
を備え、充電回路は、
充電回路を、電源を充電可能な電力供給源に接続するように構成された電気コネクタと、
電源と電力供給源とに結合され、電源と電力供給源との間にあり、電力供給源から電源への出力電圧および出力電流を、電力供給源の状態に基づいて、複数のモードのうちの1つで選択的に調整するように構成されたバック‐ブースト充電コントローラとを含む、
エアロゾル送達デバイス。
【請求項2】
電源は、複数のバッテリまたはバッテリセルを含む、請求項1に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項3】
複数のバッテリまたはバッテリセルは、電力供給源からの出力電流が流れるための複数のパスを、出力電流が複数のパスの各パスを通る電流の合計であるように、形成するように接続されている、請求項2に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項4】
1つ以上のバッテリまたはバッテリセルは、1つ以上のリチウムイオン、リン酸鉄リチウム、またはソリッドステートバッテリ、あるいはバッテリセルを含む、請求項1に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項5】
電力供給源は、1つ以上のリチウムイオンバッテリまたはソリッドステートバッテリ、あるいはリチウムイオンキャパシタまたはハイブリッドリチウムイオンキャパシタを含んでおり、バック‐ブースト充電コントローラが電力供給源からの出力電圧および出力電流を調整するように構成されることは、1つ以上のリチウムイオンバッテリまたはソリッドステートバッテリ、あるいはリチウムイオンキャパシタまたはハイブリッドリチウムイオンキャパシタからの出力電圧および出力電流を調整するように構成されることを含む、請求項1に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項6】
電気コネクタと電源とに結合され、電気コネクタと電源との間にあり、電気コネクタが電力供給源に結合されているときに、電力供給源の過電流状態から電源を保護するように構成された保護回路を、充電回路がさらに含む、請求項1に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項7】
保護回路は、電力供給源が過電流状態であるときに、電力供給源から電源への出力電流を遮断するように構成されたスイッチを含む、請求項6に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項8】
バック‐ブースト充電コントローラが出力電圧および出力電流を調整するように構成されることは、電源が電力供給源から充電される際、電源の端子電圧が閾値電圧を下回ったときに、出力電流を最大電流に制限するように構成されることを含む、請求項1に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項9】
エアロゾル前駆体組成物は、液体、または固体または半固体である、請求項1に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項10】
複数のモードは、バックモード、ブーストモード、またはバック‐ブーストモードのうちの2つ以上を含む、請求項1に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項11】
エアロゾル送達デバイスのための制御本体であって、制御本体は、
負荷に結合され、負荷に電力を供給して、エアロゾル送達デバイスにエアロゾル前駆体組成物からエアロゾルを作り出させるように構成された1つ以上のバッテリまたはバッテリセルを含む電源と、
負荷に結合され、負荷に一定の電力を出力するように構成された非反転ユニティゲイン演算増幅器と、
電源に結合され、制御可能に電源を充電するように構成された充電回路と
を備え、充電回路は、
充電回路を、電源を充電可能な電力供給源に接続するように構成された電気コネクタと、
電源と電力供給源とに結合され、電源と電力供給源との間にあり、電力供給源から電源への出力電圧および出力電流を、電力供給源の状態に基づいて、複数のモードのうちの1つで選択的に調整するように構成されたバック‐ブースト充電コントローラとを含む、
制御本体。
【請求項12】
電源は、複数のバッテリまたはバッテリセルを含む、請求項11に記載の制御本体。
【請求項13】
複数のバッテリまたはバッテリセルは、電力供給源からの出力電流が流れるための複数のパスを、出力電流が複数のパスの各パスを通る電流の合計であるように、形成するように接続されている、請求項12に記載の制御本体。
【請求項14】
1つ以上のバッテリまたはバッテリセルは、1つ以上のリチウムイオン、リン酸鉄リチウム、またはソリッドステートバッテリ、あるいはバッテリセルを含む、請求項11に記載の制御本体。
【請求項15】
電力供給源は、1つ以上のリチウムイオンバッテリまたはソリッドステートバッテリ、あるいはリチウムイオンキャパシタまたはハイブリッドリチウムイオンキャパシタを含んでおり、バック‐ブースト充電コントローラが電力供給源からの出力電圧および出力電流を調整するように構成されることは、1つ以上のリチウムイオンバッテリまたはソリッドステートバッテリ、あるいはリチウムイオンキャパシタまたはハイブリッドリチウムイオンキャパシタからの出力電圧および出力電流を調整するように構成されることを含む、請求項11に記載の制御本体。
【請求項16】
電気コネクタと電源とに結合され、電気コネクタと電源との間にあり、電気コネクタが電力供給源に結合されているときに、電力供給源の過電流状態から電源を保護するように構成された保護回路を、充電回路がさらに含む、請求項11に記載の制御本体。
【請求項17】
保護回路は、電力供給源が過電流状態であるときに、電力供給源から電源への出力電流を遮断するように構成されたスイッチを含む、請求項16に記載の制御本体。
【請求項18】
バック‐ブースト充電コントローラが出力電圧および出力電流を調整するように構成されることは、電源が電力供給源から充電される際、電源の端子電圧が閾値電圧を下回ったときに、出力電流を最大電流に制限するように構成されることを含む、請求項11に記載の制御本体。
【請求項19】
エアロゾル前駆体組成物は液体、または固体または半固体である、請求項11に記載の制御本体。
【請求項20】
複数のモードは、バックモード、ブーストモード、またはバック‐ブーストモードのうちの2つ以上を含む、請求項11に記載の制御本体。
【請求項21】
負荷は、エアロゾル前駆体組成物からエアロゾルを生成するように構成された噴霧器を含む、請求項1に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項22】
負荷は、噴霧器を制御本体に接続するように構成された端子あるいは噴霧器を含み、噴霧器は、エアロゾル前駆体組成物からエアロゾルを生成するように構成されている、請求項11に記載の制御本体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子タバコおよび非燃焼加熱式(heat-not-burn)たばこなどのエアロゾル送達デバイスに関する。エアロゾル送達デバイスは、タバコから作成された、またはタバコから抽出された、あるいはそれ以外の方法でタバコを組み込むエアロゾル前駆体組成物を加熱して、人間が消費するための吸入可能な物質を形成するように構成されてよい。
【背景技術】
【0002】
使用のためにタバコを燃焼させることに基づく喫煙製品の改良品または代替品として、長年にわたって多くの喫煙物品が提案されてきた。例示的な代替品は、固体燃料または液体燃料を燃焼させてタバコに熱を伝達するか、またはそのような熱源を提供するために化学反応が使用されるデバイスを含む。例は、Worm等に対する米国特許第9,078,473号明細書に記載される喫煙物品を含み、この特許は参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
喫煙物品に対する改良品または代替品のポイントは典型的には、かなりの量の不完全燃焼生成物および熱分解生成物を送達することなく、紙巻きタバコ、葉巻、またはパイプ喫煙に関連する感覚を提供することである。この目的のために、電気エネルギーを利用して揮発性物質を気化させる、または加熱する、あるいはかなりの度合いまでタバコを燃焼させることなく紙巻きタバコ、葉巻またはパイプ喫煙の感覚を提供しようと試みる多数の喫煙製品、香味生成器および薬用吸入器が提案されてきた。例えば、Robinson等に対する米国特許第7,726,320号明細書、Griffith Jr.等に対する米国特許出願公開第2013/0255702号明細書、およびSears等に対する米国特許出願公開第2014/0096781号明細書に説明される背景技術記載されている様々な代替の喫煙物品、エアロゾル送達デバイスおよび発熱源を参照されたく、これらの特許は、参照により本明細書に組み込まれる。また、例えば、Bless等に対する米国特許出願公開第2015/0220232号明細書において商標名および商用提供者によって参照される様々なタイプの喫煙物品、エアロゾル送達デバイス、および電動発熱源も参照されたく、この特許は、参照により本明細書に組み込まれる。商標名および商用提供者によって参照される追加のタイプの喫煙物品、エアロゾル送達デバイス、および電動発熱源は、DePiano等に対する米国特許出願公開第2015/0245659号明細書に列挙されており、この特許もまた参照により本明細書に組み込まれる。説明されており、一部の例では市販されている他の代表的な紙巻きタバコまたは喫煙物品は、Gerth等に対する米国特許第4,735,217号明細書、Brooks等に対する米国特許第4,922,901号明細書、4,947,874号明細書、および4,947,875号明細書、Counts等に対する米国特許第5,060,671号明細書、Morgan等に対する米国特許第5,249,586号明細書、Counts等に対する米国特許第5,388,594号明細書、Higgins等に対する米国特許第5,666,977号明細書、Adams等に対する米国特許第6,053,176号明細書、Whiteに対する米国特許第6,164,287号明細書、Vogesに対する米国特許第6,196,218号明細書、Felter等に対する米国特許第6,810,883号明細書、Nicholsに対する米国特許第6,854,461号明細書、Honに対する米国特許第7,832,410号明細書、Kobayashiに対する米国特許第7,513,253号明細書、Robinson等に対する米国特許第7,726,320号明細書、Hamanoに対する米国特許第7,896,006号明細書、Shayanに対する米国特許第6,772,756号明細書、Honに対する米国特許公開第2009/0095311号明細書、Honに対する米国特許公開第2006/0196518号明細書、第2009/0126745号明細書、および第2009/0188490号明細書、Thorens等に対する米国特許公開第2009/0272379号明細書、Monsees等に対する米国特許公開第2009/0260641号明細書および第2009/0260642号明細書、Oglesby等に対する米国特許公開第2008/0149118号明細書および第2010/0024834号明細書、Wangに対する米国特許公開第2010/0307518号明細書、およびHonに対する国際公開第2010/091593号パンフレットに説明されるものを含み、これらの特許は参照により本明細書に組み込まれる。
【0004】
伝統的なタイプの紙巻きタバコ、葉巻またはパイプの多くの属性に似た代表的な製品が、Philip Morris IncorporatedによるACCORD(R;InnoVapor LLCによるALPHA(TM)、JOYE 510(TM)およびM4(TM);White Cloud CigarettesによるCIRRUS(TM)およびFLING(TM);Fontem Ventures B.V.によるBLU(TM);EPUFFER(R)International Inc.によるCOHITA(TM)、COLIBRI(TM)、ELITE CLASSIC(TM)、MAGNUM(TM)、PHANTOM(TM)およびSENSE(TM);Electronic Cigarettes,Inc.によるDUOPRO(TM)、STORM(TM)およびVAPORKING(R);Egar AustraliaによるEGAR(TM);JoyetechによるeGo-C(TM)およびeGo-T(TM);Elusion UK LtdによるELUSION(TM);Eonsmoke LLCによるEONSMOKE(R);FIN Branding Group,LLCによるFIN(TM);Green Smoke Inc.米国によるSMOKE(R);Greenarette LLCによるGREENARETTE(TM);SMOKE STIK(R)によるHALLIGAN(TM)、HENDU(TM)、JET(TM)、MAXXQ(TM)、PINK(TM)およびPITBULL(TM);Philip Morris International,Inc.によるHEATBAR(TM);Crown7からのHYDRO IMPERIAL(TM)およびLXE(TM);LOGIC TechnologyによるLOGIC(TM)およびTHE CUBAN(TM);Luciano Smokes Inc.によるLUCI(R);Nicotek、LLCによるMETRO(R);Sottera,Inc.によるNJOY(R)およびONEJOY(TM);SS Choice LLCによるNO.7(TM);PremiumEstore LLCによるPREMIUM ELECTRONIC CIGARETTE(TM);Ruyan America,Inc.によるRAPP E-MYSTICK(TM)、;Red Dragon Products,LLCによるRED DRAGON(TM)、;Ruyan Group(Holdings)Ltd.によるRUYAN(R);Smoker Friendly International,LLCによるSF(R);Smart Smoking Electronic Cigarette Company Ltd.によるGREEN SMART SMOKER(R);Coastline Products LLCによるSMOKE ASSIST(R);Smoking Everywhere,IncによるSMOKING EVERYWHERE(R);VMR Products LLCによるV2CIGS(TM);VaporNine LLCによるVAPOR NINE(TM);Vapor 4 Life,Inc.によるVAPOR4LIFE(R);E-CigaretteDirect,LLCによるVEPPO(TM);R.J.Reynolds Vapor CompanyによるVUSE(R);Mistic Ecigsによる MISTIC MENTHOL製品;CN Creative Ltd.によるVYPE製品;Philip Morris InternationalによるIQOS(TM);British American TobaccoによるGLO(TM);Nu Mark LLCによるMARK TEN製品;およびJuul Labs,Inc.によるJUUL製品として市販されている。さらに他の電動式エアロゾル送達デバイス、およびとりわけ、いわゆる電子タバコとして特徴付けられているそのようなデバイスは、商標名COOLER VISIONS(TM);DIRECT E-CIG(TM);DRAGONFLY(TM);EMIST(TM);EVERSMOKE(TM);GAMUCCI(R);HYBRID FLAME(TM);KNIGHT STICKS(TM);ROYAL BLUES(TM);SMOKETIP(R);およびSOUTH BEACH SMOKE(TM)の下に販売されている。しかしながら、デバイスの有用性を拡張し得るような改善された電子機器をエアロゾル送達デバイスに提供することがおそらく望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許第9,078,473号明細書
【文献】米国特許第7,726,320号明細書
【文献】米国特許出願公開第2013/0255702号明細書
【文献】米国特許出願公開第2014/0096781号明細書
【文献】米国特許出願公開第2015/0220232号明細書
【文献】米国特許出願公開第2015/0245659号明細書
【文献】米国特許第4,735,217号明細書
【文献】米国特許第4,922,901号明細書
【文献】米国特許第4,947,874号明細書
【文献】米国特許第4,947,875号明細書
【文献】米国特許第5,060,671号明細書
【文献】米国特許第5,249,586号明細書
【文献】米国特許第5,388,594号明細書
【文献】米国特許第5,666,977号明細書
【文献】米国特許第6,053,176号明細書
【文献】米国特許第6,164,287号明細書
【文献】米国特許第6,196,218号明細書
【文献】米国特許第6,810,883号明細書
【文献】米国特許第6,854,461号明細書
【文献】米国特許第7,832,410号明細書
【文献】米国特許第7,513,253号明細書
【文献】米国特許第7,726,320号明細書
【文献】米国特許第7,896,006号明細書
【文献】米国特許第6,772,756号明細書
【文献】米国特許出願公開第2009/0095311号明細書
【文献】米国特許出願公開第2006/0196518号明細書
【文献】米国特許出願公開第2009/0126745号明細書
【文献】米国特許出願公開第2009/0188490号明細書
【文献】米国特許出願公開第2009/0272379号明細書
【文献】米国特許出願公開第2009/0260641号明細書
【文献】米国特許出願公開第2009/0260642号明細書
【文献】米国特許出願公開第2008/0149118号明細書
【文献】米国特許出願公開第2010/0024834号明細書
【文献】米国特許出願公開第2010/0307518号明細書
【文献】国際公開第2010/091593号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、エアロゾルを発生するように構成されたエアロゾル送達デバイスに関し、エアロゾル送達デバイスは、いくつかの実施形態において、電子タバコ、または非燃焼加熱式タバコと呼ばれてもよい。
【0007】
本開示は、限定することなく、以下の例示的な実施形態の例を含む。
【0008】
例示的な実施形態1:エアロゾル送達デバイスであって:エアロゾル前駆体組成物を保持するように構造化されたハウジングと;電気を熱に変換して、エアロゾル前駆体組成物の成分を気化させるように構成された加熱要素と;加熱要素を含む負荷に結合され、加熱要素を含む負荷に電力を供給するように構成された1つ以上のバッテリまたはバッテリセルを含む電源と;電源に結合され、制御可能に電源を充電するように構成された充電回路とを備え、充電回路は:充電回路を、電源を充電可能な電力供給源に接続するように構成された電気コネクタと;電源と電力供給源とに結合され、電源と電力供給源との間にあり、電力供給源から電源への出力電圧および出力電流を、電力供給源の状態に基づいて、複数のモードのうちの1つで選択的に調整するように構成されたバック‐ブースト充電コントローラとを含む、エアロゾル送達デバイス。
【0009】
例示的な実施形態2:電源は複数のバッテリまたはバッテリセルを含む、任意の前述の例示的な実施形態による、また任意の前述の例示的な実施形態の任意の組み合わせによるエアロゾル送達デバイス。
【0010】
例示的な実施形態3:複数のバッテリまたはバッテリセルは、電力供給源からの出力電流が流れるための複数のパスを、出力電流が複数のパスの各パスを通る電流の合計であるように、形成するように接続されている、任意の前述の例示的な実施形態による、また任意の前述の例示的な実施形態の任意の組み合わせによるエアロゾル送達デバイス。
【0011】
例示的な実施形態4:1つ以上のバッテリまたはバッテリセルは、1つ以上のリチウムイオン、リン酸鉄リチウム、スーパーキャパシタまたはソリッドステートバッテリ、あるいはバッテリセルを含む、任意の前述の例示的な実施形態による、また任意の前述の例示的な実施形態の任意の組み合わせによるエアロゾル送達デバイス。
【0012】
例示的な実施形態5:電力供給源は、1つ以上のリチウムイオンバッテリまたはソリッドステートバッテリ、あるいはリチウムイオンキャパシタまたはハイブリッドリチウムイオンキャパシタを含んでおり、バック‐ブースト充電コントローラが電力供給源からの出力電圧および出力電流を調整するように構成されることは、1つ以上のリチウムイオンバッテリまたはソリッドステートバッテリ、あるいはリチウムイオンキャパシタまたはハイブリッドリチウムイオンキャパシタからの出力電圧および出力電流を調整するように構成されることを含む、任意の前述の例示的な実施形態による、また任意の前述の例示的な実施形態の任意の組み合わせによるエアロゾル送達デバイス。
【0013】
例示的な実施形態6:電気コネクタと電源とに結合され、電気コネクタと電源との間にあり、電気コネクタが電力供給源に結合されているときに、電力供給源の過電流状態から電源を保護するように構成された保護回路を、充電回路がさらに含む、任意の前述の例示的な実施形態による、また任意の前述の例示的な実施形態の任意の組み合わせによるエアロゾル送達デバイス。
【0014】
例示的な実施形態7:保護回路は、電力供給源が過電流状態であるときに、電力供給源から電源への出力電流を遮断するように構成されたスイッチを含む、任意の前述の例示的な実施形態による、また任意の前述の例示的な実施形態の任意の組み合わせによるエアロゾル送達デバイス。
【0015】
例示的な実施形態8:バック‐ブースト充電コントローラが出力電圧および出力電流を調整するように構成されることは、電源が電力供給源から充電される際、電源の端子電圧が閾値電圧を下回ったときに、出力電流を最大電流に制限するように構成されることを含む、任意の前述の例示的な実施形態による、また任意の前述の例示的な実施形態の任意の組み合わせによるエアロゾル送達デバイス。
【0016】
例示的な実施形態9:エアロゾル前駆体組成物は、液体あるいは固体または半固体である、任意の前述の例示的な実施形態による、または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組み合わせによるエアロゾル送達デバイス。
【0017】
例示的な実施形態10:エアロゾル送達デバイスは、加熱要素に結合され、加熱要素に一定の電力を出力するように構成された非反転ユニティゲイン演算増幅器をさらに備える、任意の前述の例示的な実施形態の、また任意の前述の例示的な実施形態の任意の組み合わせのエアロゾル送達デバイス。演算増幅器は、減衰する可能性のある信号を増幅するためのバッファとして機能する。通常、ユニティゲインが設計されるが、信号の減衰によっては利得が1より大きくなる場合がある。
【0018】
例示的な実施形態11:複数のモードが、バックモード、ブーストモード、またはバック‐ブーストモードのうちの2つ以上を含む、任意の前述の例示的な実施形態による、また任意の前述の例示的な実施形態の任意の組み合わせによるエアロゾル送達デバイス。
【0019】
例示的な実施形態12:エアロゾル送達デバイスのための制御本体であって、制御本体は:加熱要素を制御本体に接続するように構成された加熱要素または複数の端子であって、加熱要素は電気を熱に変換して、エアロゾル前駆体組成物の成分を気化させるように構成された加熱要素または複数の端子と;加熱要素を含む負荷に結合され、加熱要素を含む負荷に電力を供給するように構成された1つ以上のバッテリまたはバッテリセルを含む電源と;電源に結合され、制御可能に電源を充電するように構成された充電回路とを備え、充電回路は:充電回路を、電源を充電可能な電力供給源に接続するように構成された電気コネクタと、電源と電力供給源とに結合され、電源と電力供給源との間にあり、電力供給源から電源への出力電圧および出力電流を、電力供給源の状態に基づいて、複数のモードのうちの1つで選択的に調整するように構成されたバック‐ブースト充電コントローラとを含む、制御本体。
【0020】
例示的な実施形態13:電源は、複数のバッテリまたはバッテリセルを含む、任意の前述の例示的な実施形態による、また任意の前述の例示的な実施形態の任意の組み合わせによる制御本体。
【0021】
例示的な実施形態14:複数のバッテリまたはバッテリセルは、電力供給源からの出力電流が流れるための複数のパスを、出力電流が複数のパスの各パスを通る電流の合計であるように、形成するように接続されている、任意の前述の例示的な実施形態による、また任意の前述の例示的な実施形態の任意の組み合わせによる制御本体。
【0022】
例示的な実施形態15:1つ以上のバッテリまたはバッテリセルは、1つ以上のリチウムイオン、リン酸鉄リチウム、またはソリッドステートバッテリ、あるいはバッテリセルを含む、任意の前述の例示的な実施形態による、また任意の前述の例示的な実施形態の任意の組み合わせによる制御本体。
【0023】
例示的な実施形態16:電力供給源は、1つ以上のリチウムイオンバッテリまたはソリッドステートバッテリ、あるいはリチウムイオンキャパシタまたはハイブリッドリチウムイオンキャパシタを含んでおり、バック‐ブースト充電コントローラが電力供給源からの出力電圧および出力電流を調整するように構成されることは、1つ以上のリチウムイオンバッテリまたはソリッドステートバッテリ、あるいはリチウムイオンキャパシタまたはハイブリッドリチウムイオンキャパシタからの出力電圧および出力電流を調整するように構成されることを含む、任意の前述の例示的な実施形態による、また任意の前述の例示的な実施形態の任意の組み合わせによる制御本体。
【0024】
例示的な実施形態17:電気コネクタと電源とに結合され、電気コネクタと電源との間にあり、電気コネクタが電力供給源に結合されているときに、電力供給源の過電流状態から電源を保護するように構成された保護回路を、充電回路がさらに含む、任意の前述の例示的な実施形態による、また任意の前述の例示的な実施形態の任意の組み合わせによる制御本体。
【0025】
例示的な実施形態18:保護回路は、電力供給源が過電流状態であるときに、電力供給源から電源への出力電流を遮断するように構成されたスイッチを含む、任意の前述の例示的な実施形態による、また任意の前述の例示的な実施形態の任意の組み合わせによる制御本体。
【0026】
例示的な実施形態19:バック‐ブースト充電コントローラが出力電圧および出力電流を調整するように構成されることは、電源が電力供給源から充電される際、電源の端子電圧が閾値電圧を下回ったときに、出力電流を最大電流に制限するように構成されることを含む、任意の前述の例示的な実施形態による、また任意の前述の例示的な実施形態の任意の組み合わせによる制御本体。
【0027】
例示的な実施形態20:エアロゾル前駆体組成物は、液体あるいは固体または半固体である、任意の前述の例示的な実施形態による、または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組み合わせによる制御本体。
【0028】
例示的な実施形態21:制御本体は、加熱要素に結合され、加熱要素に一定の電力を出力するように構成された非反転ユニティゲイン演算増幅器をさらに備える、任意の前述の例示的な実施形態による、また任意の前述の例示的な実施形態の任意の組み合わせによる制御本体。
【0029】
例示的な実施形態22:複数のモードが、バックモード、ブーストモード、またはバック‐ブーストモードのうちの2つ以上を含む、任意の前述の例示的な実施形態による、また任意の前述の例示的な実施形態の任意の組み合わせによる制御本体。
【0030】
本開示のこれらのおよび他の特徴、態様および利点は、以下に簡単に説明される添付の図面と共に、以下の詳細な説明を読むことから明らかになるであろう。本開示は、そのような特徴または要素が本明細書で説明される特定の例示的な実施形態において明示的に組み合わされるかどうか、そうでなければ列挙されるかどうかにかかわらず、本開示に記載される2つ、3つ、4つまたはそれ以上の特徴または要素の任意の組み合わせを含む。本開示は、その開示のコンテキストが明らかにそうでないことを指示しない限り、その態様および例示的な実施形態のいずれにおいても、本開示の任意の分離できる特徴または要素が組み合わせ可能であると見なされるように全体的に読まれることが意図されている。
【0031】
したがって、この簡単な概要は、本開示のいくつかの態様の基本的な理解を提供するためにいくつかの例示的な実施形態を要約する目的のためだけに提供されていることが理解されるであろう。したがって、上記の例示的な実施形態は単なる例であり、決して本開示の範囲または精神を狭めるように解釈されるべきではないことが理解されよう。他の例示的な実施形態、態様、および利点は、いくつかの説明された例示的な実施形態の原理を例として示す添付の図面と併せて、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0032】
上述の一般的な用語において本開示の態様がこのように説明されたが、次に添付の図面を参照されたく、これらは必ずしも一定の縮尺で描かれている訳ではない。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本開示の例示的な実施形態による、互いに結合されたカートリッジと、制御本体とを含むエアロゾル送達デバイスの斜視図である。
図2】例示的な実施形態による、カートリッジと、制御本体が互いに切り離されている、図1のエアロゾル送達デバイスの部分的に切り取られた図である。
図3】本開示の別の例示的な実施形態による、互いに結合された制御本体と、エアロゾル源部材とを備えるエアロゾル送達デバイスの斜視図である。
図4】本開示の別の例示的な実施形態による、互いから切り離された制御本体と、エアロゾル源部材とを備えるエアロゾル送達デバイスの斜視図である。
図5】例示的な実施形態による、図3および図4のエアロゾル送達デバイスの正面図である。
図6】例示的な実施形態による、図3および図4のエアロゾル送達デバイスの断面図である。
図7A】本開示の様々な例示的な実施形態によるエアロゾル送達デバイスの回路図である。
図7B】本開示の様々な例示的な実施形態によるエアロゾル送達デバイスの回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本開示は、その例示的な実施形態を参照して、以下でより十分に説明される。これらの例示的な実施形態は、本開示が徹底的で完全であり、本開示の範囲を当業者に十分に伝えるように説明される。実際、本開示は多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載の実施形態に限定されるものと解釈されるべきではなく;むしろ、これらの実施形態は、この開示が適用可能な法的要件を満たすために提供されている。明細書および添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」などは、コンテキストが明らかにそうでないことを指示しない限り、複数の指示対象を含む。また、本明細書では定量的尺度、値、幾何学的関係などを参照することがあるが、そうでないことを明記しない限り、これらの全てではないにしても、これらのいずれか1つ以上は絶対値である場合、または技術的な公差などのために生じ得る許容可能な変動を考慮するための近似値である場合もある。
【0035】
以下に説明されるように、本開示の例示的な実施形態はエアロゾル送達デバイスに関する。本開示によるエアロゾル送達デバイスは、電気エネルギーを使用して材料を加熱して(好ましくは、材料をかなりの度合いまで燃焼させることなく)吸入可能物質を形成し、またそのようなシステムの構成要素は、最も好ましくは手持ち式器具と見なすのに十分にコンパクトである物品の形態を有する。すなわち、好ましいエアロゾル送達デバイスの構成要素の使用は、エアロゾルが主にタバコの燃焼または熱分解の副産物から生じるという意味において煙の発生をもたらすのではなく、むしろこのような好ましいシステムの使用は、その中に組み込まれる特定の成分の揮発または気化から生じる蒸気の発生をもたらす。いくつかの例示的な実施形態では、エアロゾル送達デバイスの構成要素は、電子タバコとして特徴付けられてよく、これらの電子タバコは最も好ましくは、タバコおよび/またはタバコ由来の成分を組み込んでおり、したがってタバコ由来成分をエアロゾル形態で送達する。
【0036】
特定の好ましいエアロゾル送達デバイスのエアロゾル生成構成要素は、その任意の成分の何らかの相当な度合いの燃焼を生じることなく、タバコの点火および燃焼(したがってタバコの煙を吸い込むこと)によって使用される紙巻きタバコ、葉巻またはパイプを喫煙する多くの感覚(例えば、吸入および呼気行為、味または風味の種類、感覚的効果、身体的感覚、利用行為、目に見えるエアロゾルによって提供されるものなどの視覚的合図)を提供し得る。例えば、本開示のいくつかの例示的な実施形態によるエアロゾル送達デバイスのユーザは、喫煙者が従来のタイプの喫煙物品を使用するのと同じようにその構成要素を持ち使用することができ、その構成要素によって発生されたエアロゾルの吸入のためにその構成要素の一端を吸い、選択された時間間隔で吹かしたりできる。
【0037】
このシステムは、本明細書では、いわゆる「電子タバコ」、「タバコ加熱製品」などのエアロゾル送達デバイスに関連する実施形態に関して概ね説明されているが、機構、構成要素、特徴および方法は多くの異なる形態で具現化されてもよく、様々な物品に関連する可能性があることを理解されたい。例えば、本明細書で提供される説明は、伝統的な喫煙物品(例えば、紙巻きタバコ、葉巻、パイプなど)、非燃焼加熱式紙巻きタバコ、および本明細書で開示される製品のうちのいずれかについての関連する包装の実施形態に関連して採用されてもよい。したがって、本明細書に開示される機構、構成要素、特徴および方法の説明は、単なる例としてエアロゾル送達デバイスに関連する実施形態の点で説明されており、様々な他の製品および方法において具現化され、使用され得ることを理解されたい。
【0038】
本開示のエアロゾル送達デバイスはまた、蒸気発生物品または薬剤送達品として特徴付けられてもよい。したがって、そのような物品またはデバイスは、吸入可能な形態または状態の1つ以上の物質(例えば、香味料および/または医薬活性成分)を提供するように適合させることができる。例えば、吸入可能な物質は実質的に蒸気の形態(すなわち、臨界点より低い温度で気相にある物質)であり得る。あるいは、吸入可能な物質はエアロゾルの形態(すなわち、ガス中の微細な固体粒子または液滴の懸濁)である場合もある。簡単にするために、本明細書で使用される「エアロゾル」という用語は、人間の吸入に適した形態または種類の、目に見えるかどうかにかかわらず、および煙に似ていると見なすことができる形態であるかにもかかわらず、蒸気、ガスおよびエアロゾルを含むことを意味する。
【0039】
使用中、本開示のエアロゾル送達デバイスは、伝統的な種類の喫煙物品(例えば、タバコに点火する、およびタバコを吸入することによって利用される紙巻きタバコ、葉巻またはパイプ)を使用する際に個人が取る多くの物理的アクションを受ける可能性がある。例えば、本開示のエアロゾル送達デバイスのユーザは、その物品を伝統的な種類の喫煙物品と非常によく似た状態で持ち、その物品によって発生されたエアロゾルの吸入のためにその物品の一端を吸い、選択された時間間隔で吹かしたり、吸い込んだりすることなどができる。
【0040】
本開示のエアロゾル送達デバイスは一般に、本体またはシェルと呼ばれる場合もある外側ハウジング内に提供されたいくつかの構成要素を含む。ハウジングの全体の設計は変わり得、エアロゾル送達デバイスの全体のサイズおよび形状を画定し得るハウジングの様式または構成は変わり得る。典型的には、紙巻きタバコまたは葉巻の形状に似た細長い本体は単一の一体成形のハウジングから形成されることができる、または細長いハウジングは2つ以上の分離可能な本体で形成される場合もある。例えば、エアロゾル送達デバイスは、実質的に管状の形状であってよく、したがって、従来の紙巻きタバコまたは葉巻の形状に類似し得る細長いハウジングを備えることができる。一例では、エアロゾル送達デバイスの全ての構成要素は1つのハウジング内に含まれている。あるいは、エアロゾル送達デバイスは、接合される、および分離可能な2つ以上のハウジングを備える場合もある。例えば、エアロゾル送達デバイスは、一端に、1つ以上の再利用可能な構成要素(例えば再充電可能なバッテリおよび/または再充電可能なスーパーキャパシタなどのアキュムレータ、ならびにその物品の作動を制御するための様々な電子機器)を含むハウジングを備える制御本体を有し、他端には、そこに取り外し可能であり、結合可能である、使い捨て可能部分(例えば風味を含有する使い捨て可能カートリッジ)を含む外側本体またはシェルを有することができる。単一のハウジングタイプのユニット内または複数部品からなる分離可能なハウジングタイプのユニット内の構成要素のより具体的な様式、構成および配置は、本明細書で提供されるさらなる開示に照らして明白であろう。さらに、市販の電子エアロゾル送達デバイスを考慮すると、様々なエアロゾル送達デバイスの設計および構成要素の配置が理解されることができる。例えば、British American TobaccoによるGLO(TM)およびPhilip Morris International,Inc.によるIQOS(TM)で使用されるなどの紙巻きタバコのパックおよびフォームファクタに概ね近い形状およびサイズを有するデバイスハウジングを含め、代替の非管状ハウジングのフォームファクタも使用され得ることが理解されよう。
【0041】
以下でより詳細に論じられるように、本開示のエアロゾル送達デバイスは、電源(すなわち、電力供給源)と、少なくとも1つの制御構成要素(例えば、電源からエアロゾル送達デバイスの他の構成要素への電流の流れを制御するなどによって、発熱のための電力を作動させる、制御する、調整する、および停止するための手段)と、加熱要素(例えば電気抵抗加熱要素もしくは他の構成要素および/または誘導コイルもしくは他の関連する構成要素および/または1つ以上の放射加熱要素)と、十分な熱を加えるとエアロゾルを発生させることが可能なエアロゾル前駆体組成物(例えば、固体タバコ材料、半固体タバコ材料または液体エアロゾル前駆体組成物)と、エアロゾル吸入のためにエアロゾル送達デバイスを吸い込むことを可能にするマウスエンド領域または先端(例えば、生成されたエアロゾルが、吸い込み時にそこから引き出され得るように、物品内を通るように画定された気流パス)の任意の組み合わせを備える。
【0042】
本開示のエアロゾル送達デバイス内の構成要素の位置合わせは変わり得る。特定の実施形態において、エアロゾル前駆体組成物は、ユーザへのエアロゾル送達を最大にするために、ユーザの口の近くに位置決めされるように構成され得る、エアロゾル送達デバイスの端部近くに置かれてよい。しかしながら、他の構成が排除される訳ではない。一般に、加熱要素は、加熱要素からの熱がエアロゾル前駆体(ならびに、ユーザへの送達のために同様に提供され得る1つ以上の香味料、薬剤など)を揮発させ、ユーザに送達するためのエアロゾルを形成することができるように、エアロゾル前駆体組成物の十分近くに位置決めされてよい。加熱要素がエアロゾル前駆体組成物を加熱するとき、消費者による吸入に適した物理的形態でエアロゾルが形成される、放出される、または生成される。前述の用語は、放出する、放出している、放出する、または放出されるに関する言及は形成する、または生成する、形成している、または生成している、形成する、または生成する、および形成される、または生成される、を含むように相互に言い換え可能であることを意味することに留意されたい。具体的には、吸入可能な物質は、蒸気またはエアロゾルあるいはそれらの混合物の形態で放出され、そのような用語はまた、他に特定されない限り、本明細書では言い換え可能に使用される。
【0043】
上記で指摘したように、エアロゾル送達デバイスはバッテリを組み込んでもよい。加熱要素の電力供給、制御システムの電力供給、インディケータの電力供給など、様々な機能性をエアロゾル送達デバイスに提供するのに十分な電流の流れを提供するための、スーパーキャパシタ、ソリッドステートバッテリまたは他の電源。好ましくは、電源は、加熱要素を急速にアクティブ化してエアロゾルの形成を実現し、所望の期間の使用を通してエアロゾル送達デバイスに電力を供給するのに十分な電力を提供することが可能である。電源は、エアロゾル送達デバイスが容易に取り扱われることができるように、エアロゾル送達デバイスの中に都合よく収まるようにサイズが決められることが好ましい。さらに、好ましい電源は、望ましい喫煙経験を損なわないように十分に軽量である。
【0044】
本開示のエアロゾル送達デバイス内の構成要素のより具体的な形態、構成、および配置は、以下に提供されるさらなる開示に照らして明らかであろう。さらに、様々なエアロゾル送達デバイスの構成要素の選択は、市販の電子エアロゾル送達デバイスを考慮すると理解することができる。さらに、エアロゾル送達デバイス内の構成要素の配置もまた、市販の電子エアロゾル送達デバイスを考慮すると理解することができる。
【0045】
以下に説明されるように、本開示は、エアロゾル送達デバイスに関する。エアロゾル送達デバイスは、エアロゾル前駆体組成物(吸入可能物質媒体と呼ばれることもある)を加熱してエアロゾル(吸入可能物質)を発生するように構成されてよい。エアロゾル前駆体組成物は、固体タバコ材料、半固体タバコ材料、および液体エアロゾル前駆体組成物のうちの1つ以上を含んでよい。いくつかの実施形態において、エアロゾル送達デバイスは、流体エアロゾル前駆体組成物(例えば、液体エアロゾル前駆体組成物)を加熱し、そこからエアロゾルを発生するように構成されてもよい。そのようなエアロゾル送達デバイスは、いわゆる電子タバコを含み得る。
【0046】
蒸気前駆体組成物または「e-リキッド(e-liquid)」とも呼ばれる液体エアロゾル前駆体組成物は、例として、多価アルコール(例えば、グリセリン、プロピレングリコールまたはそれらの混合物)、ニコチン、タバコ、タバコ抽出物および/または香味料を含む様々な成分を含み得る。様々な実施形態と組み合わせて使用され得るいくつかの液体エアロゾル前駆体組成物は、レブリン酸、コハク酸、乳酸、ピルビン酸、安息香酸、フマル酸、それらの組み合わせなどの1つ以上の酸を含み得る。ニコチンを含む液体エアロゾル前駆体組成物に酸を含めることにより、塩形態のニコチンを含むプロトン化液体エアロゾル前駆体組成物を提供することを可能にする。代表的な種類の液体エアロゾル前駆体組成物および製剤は、Robinson等に対する米国特許第7,726,320号明細書、Chong等に対する米国特許第9,254,002号明細書、およびZheng等に対する米国特許出願公開第2013/0008457号明細書、Lipowicz等に対する米国特許出願公開第2015/0020823号明細書、およびKollerに対する米国特許出願公開第2015/0020830号明細書、ならびにBowen等に対する国際公開第2014/182736号パンフレット、およびCollett等に対する米国特許第8,881,737号明細書に記載され、そこで特徴付けられており、これらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。使用され得る他のエアロゾル前駆体には、上記で特定されたいくつかの代表的な製品のいずれかに組み込まれるエアロゾル前駆体が含まれる。また、Johnson Creek Enterprises LLC.から入手可能な電子タバコ用のいわゆる「スモークジュース」も望ましい。さらに別の例のエアロゾル前駆体組成物は、BLACK NOTE、COSMIC FOG、THE MILKMAN E-LIQUID、FIVE PAWNS、THE VAPOR CHEF、VAPE WILD、BOOSTED、THE STEAM FACTORY、MECH SAUCE、CASEY JONES MAINLINE RESERVE、MITTEN VAPORS、DR.CRIMMY’S V-LIQUID、SMILEY E LIQUID、BEANTOWN VAPOR、CUTTWOOD、CYCLOPS VAPOR、SICBOY、GOOD LIFE VAPOR、TELEOS、PINUP VAPORS、SPACE JAM、MT.BAKER VAPORおよびJIMMY THE JUICE MANのブランド名の下に販売されている。発泡性材料の実施形態は、エアロゾル前駆体と共に使用されることができ、例として、Hunt等に対する米国特許出願公開第2012/0055494号明細書に説明されており、この特許は、参照により本発明に組み込まれる。さらに、発泡性材料の使用は、例えば、Niazi等に対する米国特許第4,639,368号明細書、Wehling等に対する米国特許第5,178,878号明細書、Wehling等に対する米国特許第5,223,264号明細書、Pather等に対する米国特許第6,974,590号明細書、Bergquist等に対する米国特許第7,381,667号明細書、Crawford等に対する米国特許第8,424,541号明細書、Strickland等に対する米国特許第8,627,828号明細書、およびSun等に対する米国特許第9,307,787号明細書、ならびに、Brinkley等に対する米国特許出願公開第2010/0018539号明細書、およびJohnson等に対する国際公開第97/06786号パンフレットに説明されており、これらの特許の全ては参照により本明細書に組み込まれる。
【0047】
エアロゾル前駆体を支持するための代表的な種類の基材、リザーバまたは他の構成要素は、Newtonに対する米国特許第8,528,569号明細書、Chapman等に対する米国特許出願公開第2014/0261487号明細書、Davis等に対する米国特許出願公開第2015/0059780号明細書、およびBless等に対する米国特許出願公開第2015/0216232号明細書に説明されており、これらの特許は全て参照により本明細書に組み込まれる。さらに、様々な吸い上げ(wicking)材料、ならびに特定の種類の電子タバコ内のそのような吸い上げ材料の構成および動作は、Sears等に対する米国特許第8,910,640号明細書に記載されており、この特許は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0048】
他の実施形態では、エアロゾル送達デバイスは、固体エアロゾル前駆体組成物(例えば、押し出し成形されたタバコロッド)または半固体エアロゾル前駆体組成物(例えば、グリセリンにより充填されたタバコペースト)を加熱するように構成された非燃焼加熱式デバイスを備える場合もある。エアロゾル前駆体組成物には、タバコ含有ビーズ、タバコ刻み、タバコ片、再構成タバコ材料、またはそれらの組み合わせ、および/または微粉砕タバコ、タバコ抽出物、噴霧乾燥タバコ抽出物、または任意選択の無機材料(炭酸カルシウムなど)、任意選択の香味料、および実質的に固体または成形可能な(例えば、押し出し成形可能な)基材を形成するエアロゾル形成材料と混合された他のタバコ形態の混合物が含まれてよい。固体および半固体のエアロゾル前駆体組成物および製剤の代表的なタイプは、Thomas等に対する米国特許第8,424,538号明細書、Sebastian等に対する米国特許第8,464,726号明細書、Conner等に対する米国特許出願公開第2015/0083150号明細書、Ademe等に対する米国特許出願公開第2015/0157052号明細書、およびNordskog等に対する米国特許出願公開第2017/0000188号明細書に開示されており、これらの特許は全て参照により本明細書に組み込まれる。固体および半固体エアロゾル前駆体の組成および配置のさらに代表的なタイプは、British American TobaccoによるGLO(TM)製品のNEOSTIKS(TM)消費可能エアロゾル源部材およびPhilip Morris International,Inc.によるIQOS(TM)製品のHEETS(TM)消費可能エアロゾル源部材に見いだされるものを含む。
【0049】
様々な実施形態において、吸入可能な物質は、具体的には、タバコ成分またはタバコ由来材料(すなわち、タバコから直接単離され得るか、または合成的に調製され得るタバコの中に自然の状態で見いだされる材料)であり得る。例えば、エアロゾル前駆体組成物は、不活性基質と組み合わされたタバコ抽出物またはそのごく一部分を含み得る。エアロゾル前駆体組成物は、未燃焼タバコ、または燃焼温度より低い温度に加熱されると吸入可能な物質を放出する未燃焼タバコを含有する組成物をさらに含み得る。いくつかの実施形態において、エアロゾル前駆体組成物は、タバコ凝縮物またはそのごく一部分(すなわち、タバコの燃焼によって発生され、風味、およびことによるとニコチンを残す煙の凝縮成分)を含み得る。
【0050】
本開示において有用なタバコ材料は変わり得、例えば、黄色種タバコ、バーレー種タバコ、オリエンタルタバコまたはメリーランドタバコ、ダークタバコ、黒煙(dark-fired)タバコおよびルスティカタバコ、ならびに他の希少または特殊タバコ、またはそれらのブレンドを含み得る。タバコ材料はまた、いわゆる「ブレンド」形態および加工された形態を含めることもでき、例えば加工タバコ茎(例えば、カットロールまたはカットパフ茎)、容積拡大(volume expanded)タバコ(好ましくはカットフィラーの形態の、例えばドライアイス拡大タバコ(DIET)などの膨化タバコ)、再構成タバコ(例えば、製紙タイプまたはキャストシートタイプのプロセスを使用して製造された再構成タバコ)などである。様々な代表的なたばこタイプ、加工たばこタイプ、およびたばこブレンドのタイプは、Lawson等に対する米国特許第4,836,224号明細書、Perfetti等に対する米国特許第4,924,888号明細書、Brown等に対する米国特許第5,056,537号明細書、Brinkley等に対する米国特許第5,159,942号明細書、Gentryに対する米国特許第5,220,930号明細書、Blakley等に対する米国特許第5,360,023号明細書、Shafer等に対する米国特許第6,701,936号明細書、Li等に対する米国特許第7,011,096号明細書、Li等に対する米国特許第7,017,585号明細書、Lawson等に対する米国特許第7,025,066号明細書、Perfetti等に対する米国特許出願公開第2004/0255965号明細書、Beremanに対する国際公開第02/37990号パンフレット、およびBombick等のFund.Appl.Toxicol.、39、p.11-17(1997)に記載されており、これらは参照により本明細書に組み込まれる。本開示によるものを含む、喫煙具において有用であり得るさらなる例示的なタバコ組成物は、Robinson等に対する米国特許第7,726,320号明細書に開示されており、この特許は参照により本明細書に組み込まれる。
【0051】
さらに、エアロゾル前駆体組成物は、不活性基質を含み得、不活性基質は、その中に組み込まれた、または他の方法でその上に堆積された、吸入可能な物質またはその前駆体を有する。例えば、熱を加えると、吸入可能な物質が、正圧または負圧の適用を通して本発明の物品から引き出すことができる形態で放出されるように、吸入可能な物質を含む液体が、不活性基質の上に塗布される、または不活性基質に吸収される、または吸着されてもよい。いくつかの態様では、エアロゾル前駆体組成物は、カットフィラー形態の風味豊かな香りのよりタバコのブレンドを含み得る。別の態様では、エアロゾル前駆体組成物は、Pryor等に対する米国特許第4,807,809号明細書、Pryor等に対する米国特許第4,889,143号明細書、およびRakerに対する米国特許第5,025,814号明細書に説明されているような再構成されたタバコ材料を含んでもよく、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。適切なエアロゾル前駆体組成に関するさらなる情報については、2018年3月9日に出願されたSur等に対する米国特許出願第15/916,834号明細書を参照されたく、この特許は参照により本明細書に組み込まれる。
【0052】
加熱されるエアロゾル前駆体組成物のタイプに関係なく、エアロゾル送達デバイスは、エアロゾル前駆体組成物を加熱するように構成された加熱要素を含んでよい。いくつかの実施形態において、加熱要素は誘導加熱器である。そのような加熱器はしばしば誘導送信機と、誘導受信機とを備える。誘導送信機は、交流電流がそこを通るように導かれたときに発振磁場(例えば、時間と共に周期的に変わる磁場)を作り出すように構成されたコイルを含んでもよい。誘導受信機は、誘導送信機内に少なくとも部分的に置かれても、または含まれてよく、導電性材料(強磁性材料またはアルミニウムコーティングされた材料)を含んでもよい。誘導送信機を通して交流電流を導くことにより、誘導を介して渦電流が誘導受信機内に生成され得る。誘導受信機を画定する材料の抵抗を通って流れる渦電流が、ジュール加熱によって(つまり、ジュール効果を通して)誘導受信機を加熱してよい。誘導受信機は、アトマイザを画定してもよく、無線で加熱されて、誘導受信機に近接して位置決めされたエアロゾル前駆体組成物からエアロゾルを形成してよい。誘導加熱器付きエアロゾル送達デバイスの様々な実施形態は、Davis等に対する米国特許出願公開第2017/0127722号明細書、Sur等に対する米国特許出願公開第2017/0202266明細書、2016年11月15日に出願されたSur等に対する米国特許出願第15/352,153号明細書、2017年10月31日に出願されたSebastian等に対する米国特許出願第15/799,365号明細書、およびSurに対する米国特許出願第15/836,086号明細書に説明されており、これらの特許は全て、参照により本明細書に組み込まれる。
【0053】
本明細書でより具体的に説明されるものを含む他の実施形態では、加熱要素は、電気抵抗ヒータの場合のような導電性ヒータである。これらのヒータは、電流がそこを通って導かれると熱を発生するように構成されてよい。様々な実施形態において、導電性ヒータは、箔、発泡体、ディスク、渦巻き線、繊維、ワイヤ、フィルム、糸、ストリップ、リボンまたはシリンダの形態などの様々な形態で提供され得る。そのようなヒータはしばしば金属材料を含み、そこを電流を通過させることと関連する電気抵抗の結果として熱を発生するように構成されている。そのような抵抗性ヒータは、エアロゾル前駆体組成物の近くに位置決めされ、エアロゾル前駆体組成物を加熱してエアロゾルを発生することができる。本開示と共に使用可能であり得る様々な導電性基板は、Griffith等に対する上記で引用された米国特許出願公開第2013/0255702号明細書に説明されている。
【0054】
いくつかの実施形態において、エアロゾル送達デバイスは、いわゆる電子タバコの場合には制御本体と、カートリッジとを含んでよい、または非燃焼加熱式デバイスの場合には制御本体と、エアロゾル源部材とを含んでよい。電子タバコまたは非熱燃加熱式デバイスのいずれかの場合、制御本体は再利用可能であってもよいが、カートリッジ/エアロゾル源部材は、限られた回数の使用のために構成される場合もあり、および/または使い捨て可能に構成される場合もある。カートリッジ/エアロゾル源部材は、エアロゾル前駆体組成物を含んでよい。エアロゾル前駆体組成物を加熱するために、加熱要素は、エアロゾル前駆体組成物と接触して、またはこれに近接して、例えば制御本体およびカートリッジを横断するように位置決めされる、またはエアロゾル源部材が位置決めされ得る制御本体の中に位置決めされてもよい。制御本体は、再充電可能または交換可能であり得る電源を含んでもよく、それにより、制御本体は、多数のカートリッジ/エアロゾル源部材と共に再利用されてよい。
【0055】
制御本体はまた、デバイスを手動で制御するための押しボタン、タッチセンシティブな表面などのエアロゾル送達デバイスをアクティブ化するための手段を含んでよい。追加として、または代替として、制御本体は、ユーザがカートリッジ/エアロゾル源部材を吸い込み、それによりエアロゾル送達デバイスをアクティブ化するときを検出するための流量センサを含んでもよい。
【0056】
様々な実施形態において、本開示によるエアロゾル送達デバイスは、これらに限定されないが、実質的に棒状または実質的に管形状または実質的に円筒形状であると定義され得る全体形状を含め、様々な全体形状を有する場合がある。添付の図に示され、添付の図を参照して説明される実施形態において、エアロゾル送達デバイスは、実質的に円形断面を有する;しかしながら、他の断面形状(例えば、楕円形、正方形、長方形、三角形など)も本開示によって包含される。物品の物理的形状を説明するそのような文言は、制御本体およびカートリッジ/エアロゾル源部材を含めた、その個々の構成要素にも適用されてよい。他の実施形態では、制御本体は、小さな箱形状など、別の手持ち式の形状を採る場合もある。
【0057】
より具体的な実施形態では、制御本体およびカートリッジ/エアロゾル源部材の一方または両方は、使い捨て可能である、または再利用可能であると呼ばれてもよい。例えば、制御本体は、交換式バッテリまたは再充電可能なバッテリ、ソリッドステートバッテリ、薄膜ソリッドステートバッテリ、再充電可能なスーパーキャパシタなどの電源を有し得る。電源の一例は、ドイツのTadiran Batteries GmbHによって製造されたTKI-1550再充電可能なリチウムイオンバッテリである。別の実施形態では、有用な電源は、日本の三洋電機株式会社によって製造されたN50-AAA CADNICAニッケルカドミウム電池であり得る。他の実施形態では、例えば各々1.2ボルトを提供する複数のそのようなバッテリが直列に接続されてもよい。
【0058】
いくつかの例では、それで、電源は、任意のタイプの再充電技術に接続され、それにより、再充電技術と組み合わされてもよい。適切な充電器の例には、電源に定電流またはパルス直流(DC)電力を単に供給する充電器、制御回路を追加する高速充電器、3段充電器、誘導電力式(induction-powered)充電器、スマート充電器、運動電力式(motion-powered)充電器、パルス充電器、ソーラー充電器、USBベースの充電器などが含まれる。いくつかの例では、充電器は、電源アダプタおよび任意の適切な充電回路を含む。他の例では、充電器は電源アダプタを含み、制御本体は充電回路を装備する。これらの他の例では、充電器は単に電源アダプタと呼ばれる場合もある。
【0059】
制御本体は、適切な充電器に接続するために、およびいくつかの例では、通信のために他の周辺機器に接続するために、いくつかの異なる端子、電気コネクタなどのいずれかを含んでよい。より具体的な適切な例は、円筒形コネクタ、シガレットライターコネクタ、およびUSB1.x(例えば、タイプA、タイプB)、USB2.0、ならびにその最新版および追加(例えば、Mini A、Mini B、Mini AB、Micro A、Micro B、Micro AB)およびUSB 3.x(例えば、Type A、Type B、Micro B、Micro AB、Type C)を含むUSBコネクタ、Appleのライトニングコネクタ(Lightning connector)などの独自のコネクタなどの直流(DC)コネクタを含む。制御本体は、充電器または他の周辺機器と直接接続してよい、またはその2つは、これもまた適切なコネクタを有する適切なケーブルを介して接続する場合もある。この2つがケーブルで接続されている例では、制御本体と充電器または他の周辺機器は、同じまたは異なるタイプのコネクタを有してもよく、ケーブルは、一方のタイプのコネクタまたは両方のタイプのコネクタを有する。
【0060】
誘導電力式充電を伴う例では、エアロゾル送達デバイスは、誘導ワイヤレス充電技術を装備してよく、誘導送信機を含み、誘導ワイヤレス充電(例えば、Wireless Power Consortium(WPC)からのQiワイヤレス充電規格に準拠したワイヤレス充電を含めた)を使用するワイヤレス充電器、充電パッドなどと接続するために誘導受信機を含んでよい。あるいは、電源は、ワイヤレス無線周波数(RF)ベースの充電器から再充電されてもよい。誘導ワイヤレス充電システムの例は、Sur等に対する米国特許出願公開第2017/0112196号明細書に説明されており、この特許は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。さらに、電子タバコの場合のいくつかの実施形態において、カートリッジは、Chang等に対する米国特許第8,910,639号明細書に開示されているように、シングルユースカートリッジを含む場合があり、この特許は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0061】
電源を再充電技術に接続するために1つ以上の接続が使用されてよく、いくつかは、充電ケース、クレードル、ドック、スリーブなどを伴ってもよい。より具体的には、例えば、制御本体は、電力供給源に接続するためのUSBコネクタを含むクレードルと係合するように構成されてよい。あるいは別の例では、制御本体は、電力供給源に接続するためのUSBコネクタを含むスリーブ内に嵌合して、それに係合するように構成されてもよい。これらの、および同様の例では、USBコネクタが電源に直接接続してもよい、またはUSBコネクタが適切な電源アダプタを介して電源に接続してもよい。
【0062】
電源の例は、Peckerar等に対する米国特許第9,484,155号明細書および 2015年10月21日に出願された、Sur等に対する米国特許出願公開第2017/0112191号明細書に説明されており、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。流量センサに関して、代表的な電流調整構成要素、およびエアロゾル送達デバイス用の様々なマイクロコントローラ、センサ、およびスイッチを含む他の電流制御構成要素は、Gerth等に対する米国特許第4,735,217号明細書、Brooks等に対する米国特許第4,922,901号明細書、第4,947,874号明細書および第4,947,875号明細書、McCafferty等に対する米国特許第5,372,148号明細書、Fleischhauer等に対する米国特許第6,040,560号明細書、Nguyen等に対する米国特許第7,040,314号明細書、Panに対する米国特許第8,205,622号明細書、Collet等に対する米国特許出願公開第8,881,737号明細書、Ampolini等に対する米国特許第9,423,152号明細書、Fernando等に対する米国特許第9,439,454号明細書およびHenry等に対する米国特許出願第2015/0257445号明細書に説明されており、これらの特許の全ては、参照により本明細書に組み込まれる。
【0063】
入力要素は、エアロゾル送達デバイスに含まれていてもよい(流量センサを置き換えたり補足したりしてよい)。入力は、ユーザがデバイスの機能を制御できるようにするため、および/またはユーザへの情報の出力のために含まれてよい。任意の構成要素または構成要素の組み合わせが、デバイスの機能を制御するための入力として利用されてよい。例えば、Worm等に対する米国特許公開第2015/0245658号明細書に説明されているように、1つ以上の押しボタンが使用されてもよく、この特許は、参照により本明細書に組み込まれる。同様に、2015年3月10日に出願されたSears等に対する米国特許出願第14/643,626号明細書に説明されるようにタッチスクリーンが使用されてもよく、この特許は、参照により本明細書に組み込まれる。さらなる例として、エアロゾル送達デバイスの特定の動きに基づくジェスチャ認識に適合された構成要素が入力として使用されてもよい。Henry等に対する米国特許公開第2016/0158782号明細書を参照されたく、この特許は、参照により本明細書に組み込まれる。さらに別の例として、静電容量センサがエアロゾル送達デバイスに実装されて、静電容量センサが実装されているデバイスの表面に触れることなどによって、ユーザが入力を提供できるようにする場合もある。別の例では、デバイスに関連付けられた動きを検出できるセンサ(例えば、加速度計、ジャイロスコープ、光電近接センサなど)がエアロゾル送達デバイスに実装されて、ユーザが入力を提供できるようにする場合もある。適切なセンサの例は、Sur等に対する米国特許出願公開第2018/0132528号明細書、およびHenry等に対する米国特許出願公開第2016/0158782号明細書に説明されており、これらの特許は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0064】
上記で示されたように、エアロゾル送達デバイスは、少なくとも1つの制御構成要素を含み得る。適切な制御構成要素は、いくつかの電子コンポーネントを含んでよく、いくつかの例では、プリント回路板(PCB)から形成され得る。いくつかの例では、電子コンポーネントは、1つ以上の例示的な実施形態による、データ処理、アプリケーション実行、あるいは、他の処理、制御または管理サービスを行うように構成された処理回路を含む。処理回路は、少なくとも1つのプロセッサコア、マイクロプロセッサ、コプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、あるいは、例えばASIC(特定用途向け集積回路)、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、それらのいくつかの組み合わせなどの1つ以上の集積回路を含む様々な他のコンピューティングデバイスまたは処理デバイスなどの様々な形態で具現化されたプロセッサを含んでもよい。いくつかの例では、処理回路は、プロセッサに結合または統合されたメモリを含むことができ、メモリは、データ、プロセッサによって実行可能なコンピュータプログラム命令、それらのいくつかの組み合わせなどを記憶することができる。
【0065】
いくつかの例では、制御構成要素は、処理回路に結合または統合され得る1つ以上の入力/出力周辺機器を含み得る。より詳細には、制御構成要素は、1つ以上のネットワーク、コンピューティングデバイス、または他の適切に有効化されたデバイスとの無線通信を可能にするための通信インターフェースを含み得る。適切な通信インターフェースの例は、Marion等に対する米国特許出願公開第2016/0261020号明細書に開示されており、その内容は、参照により本明細書に組み込まれる。適切な通信インターフェースの別の例は、Texas Instruments製のCC3200シングルチップワイヤレスマイクロコントローラユニット(MCU)である。エアロゾル送達デバイスが無線で通信するように構成され得る適切な方法の例は、Ampolini等に対する米国特許出願公開第2016/0007651号明細書およびHenry,Jr等に対する米国特許出願公開第2016/0219933号明細書に開示されており、これらの特許の各々は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0066】
さらに別の構成要素が本開示のエアロゾル送達デバイスに利用されることもできる。適切な構成要素の一例は、エアロゾル送達デバイスを使用して照明され得る発光ダイオード(LED)、量子ドットベースのLEDなどのようなインディケータである。適切なLEDコンポーネントの例、ならびにそれらの構成および使用法は、Sprinkel等に対する米国特許第5,154,192号明細書、Newtonに対する米国特許第8,499,766号明細書、Scatterdayに対する米国特許第8,539,959号明細書およびSears等に対する米国特許第9,451,791号明細書に説明されており、これらの特許は全て参照により本明細書に組み込まれる。
【0067】
動作の他のインデックスも本開示によって包含される。例えば、動作の視覚的インディケータには、喫煙体験の進行を示すための光の色の変化または光の強度の変化も含まれる。動作の触覚(ハプティック)インディケータおよび動作の音(音声)インディケータも同様に本開示によって包含される。さらに、そのような動作のイインディケータの組み合わせも、単一の喫煙物品で使用するのに適している。別の態様によれば、エアロゾル送達デバイスは、例えば電源の残りの電力量、喫煙体験の進行、熱源をアクティブ化することに対応するインディケーションなど、喫煙物品の動作に対応する情報を提供するように構成された、例えばディスプレイなど、1つ以上のインディケータまたは標識(indicia)を含んでもよい。
【0068】
さらに他の構成要素もまた企図される。例えば、Sprinkel等に対する米国特許第5,154,192号明細書は喫煙物品のインディケータを開示しており、Sprinkel、Jr.に対する米国特許第5,261,424号明細書は、吸い込みをすることと関連するユーザの唇の動作を検出し、次いで加熱デバイスの加熱をトリガするためにデバイスのマウスエンドと関連し得る圧電センサを開示しており;McCafferty等に対する米国特許第5,372,148号明細書は、マウスピースを通る圧力降下に応答して加熱負荷アレイへのエネルギーの流れを制御するための吹かしセンサを開示しており、Harris等に対する米国特許第5,967,148号明細書は、挿入された構成要素の赤外線透過率の不均一性を検出する識別子と、構成要素がレセプタクルに挿入されたときに検出ルーチンを実行するコントローラとを含む喫煙デバイス内のレセプタクルを開示しており;Fleischhauer等に対する米国特許第6,040,560号明細書は、多数の差動フェーズを備えた規定された実行可能な電力サイクルを説明しており;Watkins等に対する米国特許第5,934,289号明細書は、フォトニックオプトロニック部品を開示しており;Counts等に対する米国特許第5,954,979号明細書は、喫煙デバイス全体を通しての吸い込み抵抗を変えるための手段を開示しており、Blake等に対する米国特許第6,803,545号明細書は、喫煙デバイスで使用するための特定のバッテリ構成を開示しており、Griffen等に対する米国特許第7,293,565号明細書は、喫煙デバイスと共に使用するための様々な充電システムを開示しており、Fernando等に対する米国特許第8,402,976号明細書は、充電を容易にし、デバイスのコンピュータ制御を可能にするための喫煙デバイス用のコンピュータインターフェース手段を開示しており、Fernando等に対する米国特許第8,689,804号明細書は、喫煙デバイス用の識別システムを開示しており、Flickによる国際特許出願公開第2010/003480号パンフレットは、エアロゾル生成システム内の吹かしを示す流体流れ感知システムを開示しており;前述の開示の全ては、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0069】
電子エアロゾル送達物品に関連し、本明細書で使用され得る材料または構成要素を開示するさらなる構成要素の例は、Gerth等に対する米国特許第4,735,217号明細書、Morgan等に対する米国特許第5,249,586号明細書、Higgins等に対する米国特許第5,666,977号明細書、Adams等に対する米国特許第6,053,176号明細書、Whiteに対する米国特許第6,164,287号明細書、Vogesに対する米国特許第6,196,218号明細書、Felter等に対する米国特許第6,810,883号明細書、Nicholsに対する米国特許第6,854,461号明細書、Honに対する米国特許第7,832,410号明細書、Kobayashiに対する米国特許第7,513,253号明細書、Hamanoに対する米国特許第7,896,006号明細書、Shayanに対する米国特許第6,772,756号明細書、Honに対する米国特許第8,156,944号明細書および米国特許第8,375,957号明細書、Thorens等に対する米国特許第8,794,231号明細書、Oglesby等に対する米国特許第8,851,083号明細書、Monsees等に対する米国特許第8,915,254号明細書および米国特許第8,925,555号明細書、DePiano等に対する米国特許第9,220,302号明細書、Honに対する米国特許出願公開第2006/0196518号明細書および米国特許出願公開第2009/0188490号明細書、Oglesby等に対する米国特許出願公開第2010/0024834号明細書、Wangに対する米国特許出願公開第2010/0307518号明細書、Honに対する国際公開第2010/091593号パンフレット、Fooに対する国際公開第2013/089551号パンフレットを含み、これらの特許のそれぞれは、参照により本明細書に組み込まれる。さらに、Worm等に対する米国特許出願公開第2017/0099877号明細書は、エアロゾル送達デバイスに含まれ得るカプセル、およびエアロゾル送達デバイスのフォブ形状構成を開示しており、この特許は参照により本明細書に組み込まれる前述の文献によって開示されている様々な材料が多様な実施形態において本デバイスに組み込まれることができ、前述の開示の全ては参照により本明細書に組み込まれる。
【0070】
本開示のエアロゾル送達デバイスに組み込まれ得るさらなる他の特徴、制御デバイスまたは構成要素は、Harris等に対する米国特許第5,967,148号明細書、Watkins等に対する米国特許第5,934,289号明細書、Counts等に対する米国特許第5,954,979号明細書、Fleischhauer等に対する米国特許第6,040,560号明細書、Honに対する米国特許第8,365,742号明細書、Fernando等に対する米国特許第8,402,976号明細書、Kataseに対する米国特許出願公開第2005/0016550号明細書、Fernando等に対する米国特許第8,689,804号明細書、Tucker等に対する米国特許出願公開第2013/0192623号明細書、Leven等に対する米国特許第9,427,022号明細書、Kim等に対する米国特許出願公開第2013/0180553号明細書、Sebastian等に対する米国特許出願公開第2014/0000638号明細書、Novak等に対する米国特許出願公開第2014/0261495号明細書、およびDePiano等に対する米国特許第9,220,302号明細書に説明されており、これらの特許の全ては参照により本明細書に組み込まれる。
【0071】
図1および図2は、電子タバコの場合の制御本体と、カートリッジとを含むエアロゾル送達デバイスの実施形態を図示する。より具体的には、図1および図2は、本開示の例示的な実施形態によるエアロゾル送達デバイス100を示す。示されるように、エアロゾル送達デバイスは、制御本体102およびカートリッジ104を含み得る。制御本体およびカートリッジは、機能的な関係で、恒久的にまたは取り外し可能に整列させることができる。これに関して、図1は、結合された構成のエアロゾル送達デバイスの斜視図を示し、一方、図2は、切り離された構成のエアロゾル送達デバイスの部分的に切り取られた側面図を示している。エアロゾル送達デバイスは、制御本体とカートリッジが組み立てられた構成にあるとき、いくつかの例示的な実施形態では、例えば実質的に棒状、実質的に管形状または実質的に円筒形状であり得る。
【0072】
制御本体102およびカートリッジ104は、圧入(または締まり嵌合)接続、ねじ接続、磁気接続などの様々な接続によって互いに係合するように構成されることができる。したがって、制御本体は、カートリッジ上の第2の係合要素(例えば、コネクタ)と係合するように適合された第1の係合要素(例えば、カプラー)を含み得る。第1の係合要素および第2の係合要素は、逆にできる。一例として、第1の係合要素または第2の係合要素のいずれかが雄ねじであってもよく、他方が雌ねじであってもよい。さらなる例として、第1の係合要素または第2の係合要素のいずれかが磁石であってもよく、他方が金属またはそろいの磁石であってもよい。特定の実施形態では、係合要素は、制御本体およびカートリッジの既存の構成要素によって直接画定されてもよい。例えば、制御本体のハウジングは、カートリッジの少なくとも一部(例えば、貯蔵タンクまたはカートリッジの他のシェル形成要素)を受け入れるように構成されたその端部に空洞を画定してもよい。特に、カートリッジのマウスピースが制御本体の空洞の外側に露出したままで、カートリッジの貯蔵タンクは、制御本体の空洞内に少なくとも部分的に受け入れられてよい。カートリッジは、締まり嵌合(例えば、カートリッジの外面と制御本体の空洞を形成している壁の内面との間に締まり(interference)係合を作り出す戻り止めおよび/または他の特徴部の使用を通じて)、磁気係合(例えば、制御本体の空洞内に位置決めされ、カートリッジ上に位置決めされた磁石および/または磁性金属の使用による)、または他の適切な技術などによって、制御本体ハウジングによって形成される空洞の中に保持されてよい。
【0073】
図2に示される切り取り図に見られるように、制御本体102およびカートリッジ104はそれぞれ、いくつかのそれぞれの構成要素を含む。図2に示される構成要素は、制御本体およびカートリッジ内に存在し得る構成要素の代表的なものであり、本開示によって包含される構成要素の範囲を限定することは意図されていない。示されるように、例えば、制御本体は、制御構成要素208(例えば、処理回路など)、流量センサ210、電源212(例えば、バッテリ、スーパーキャパシタ)、およびインディケータ214(例えば、LED、量子ドットベースのLED)を含むことができるハウジング206(制御本体シェルと呼ばれることもある)で形成することができ、そのような構成要素は、可変的に整列させることができる。電源は再充電可能であってよく、また制御本体は、電源に結合され、電源を制御可能に充電するように構成された充電回路216を含み得る。
【0074】
カートリッジ104は、エアロゾル前駆体組成物を保持するように構成されたリザーバ220を取り囲み、加熱要素222(ヒータと呼ばれる場合もある)を含むハウジング218(カートリッジシェルと呼ばれることもある)で形成されることができる。様々な構成において、このような構造はタンクと呼ばれる場合もあり;したがって、「カートリッジ」、「タンク」などの用語は、エアロゾル前駆体組成物用のリザーバを取り囲み、加熱要素を含むシェルまたは他のハウジングを指すために言い換え可能に使用されてよい。
【0075】
示されるように、いくつかの例では、リザーバ220は、リザーバハウジング内に貯蔵されたエアロゾル前駆体組成物を加熱要素222へと毛管作用で運ぶ、またはそれ以外の方法で輸送するように適合された液体輸送要素224と流体的に通信できる。いくつかの例では、リザーバと加熱要素との間に弁が位置決めされる場合もあり、リザーバから加熱要素に渡される、または送達されるエアロゾル前駆体組成物の量を制御するように構成されてもよい。
【0076】
電流が印加されると熱を発生するように構成された様々な例示的な材料が、加熱要素222を形成するために採用されてよい。これらの例における加熱要素は、ワイヤコイル、マイクロヒータ等などの抵抗性加熱要素であり得る。加熱要素が形成されることができる材料の例は、カンタル(FeCrAl)、ニクロム、ニッケル、ステンレス鋼、インジウムスズ酸化物、タングステン、二ケイ化モリブデン(MoSi)、ケイ化モリブデン(MoSi)、アルミニウムをドープした二ケイ化モリブデン(Mo(Si、Al))、チタン、プラチナ、銀、パラジウム、銀とパラジウムの合金、グラファイトおよびグラファイトベースの材料(例えば、炭素系発泡体および糸)、導電性インク、ホウ素ドープシリカおよびセラミック(例えば正または負の温度係数のセラミック)を含む。加熱要素は、抵抗性加熱要素、または誘導を通して熱を生成するように構成された加熱要素であってもよい。加熱要素は、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、酸化ベリリウム、アルミナ、窒化ケイ素、またはそれらの複合材料などの熱伝導性セラミックでコーティングされてもよい。本開示によるエアロゾル送達デバイスに有用な加熱要素の例示的な実施形態が以下でさらに説明されており、本明細書に説明されるようなデバイスに組み込まれることができる。
【0077】
カートリッジ104から、形成されたエアロゾルの脱出を可能にするために、開口部226がハウジング218に(例えばマウスエンドに)存在してよい。
【0078】
カートリッジ104はまた、集積回路、メモリコンポーネント(例えば、EEPROM、フラッシュメモリ)、センサなどを含み得る1つ以上の電子コンポーネント228を含んでよい。電子コンポーネントは、有線または無線手段によって制御構成要素208および/または外部のデバイスと通信するように適合されてよい。電子コンポーネントは、カートリッジまたはそのベース230内のどこにでも位置決めされてよい。
【0079】
制御構成要素208および流量センサ210は別々に示されているが、制御構成要素および流量センサを含む様々な電子コンポーネントは、電子コンポーネントを支持し電気的に接続するPCB上で組み合わされてもよいことが理解される。さらに、PCBは、制御本体の中心軸に対して長手方向に平行であり得るという点において、図1の図に対して水平に位置決めされてもよい。いくつかの例では、空気流量センサは、それが取り付けられ得るそれ自体のPCBまたは他のベース要素を備えてもよい。いくつかの例では、フレキシブルPCBが利用される場合もある。フレキシブルPCBは、実質的に管状の形状を含む様々な形状に構成されてもよい。いくつかの例では、フレキシブルPCBは、ヒータ基板と組み合わされる、その上に積層される、あるいはその一部または全部を形成する場合がある。
【0080】
制御本体102およびカートリッジ104は、それらの間の流体係合を容易にするように適合された構成要素を含み得る。図2に示されるように、制御本体は、内部に空洞234を有するカプラー232を含むことができる。カートリッジのベース230は、カプラーと係合するように適合されることができ、空洞に嵌合するように適合された突起236を含むことができる。そのような係合は、制御本体とカートリッジとの間の安定した接続を容易にし、制御本体内の電源212および制御構成要素208とカートリッジ内の加熱要素222との間の電気的接続を確立することができる。さらに、ハウジング206は、空気取り入れ口238を含むことができ、これはハウジングにある切欠きであってよく、この場合、それはカプラーに接続しており、カプラーの周囲およびハウジング内への周辺空気の通過を可能にし、それで、空気はカプラーの空洞234を通過し、突起236を通ってカートリッジの中へと進む。
【0081】
本開示に従って有用なカプラーおよびベースは、Novak等に対する米国特許出願公開第2014/0261495号明細書に説明されており、この特許は参照により本明細書に組み込まれる。例えば、図2に見られるようなカプラー232は、ベース230の内周242と一致するように構成された外周240を画定してよい。一例では、ベースの内周は、カプラーの外周の半径と実質的に等しい、またはそれよりわずかに大きい半径を画定し得る。さらに、カプラーは、ベースの内周に画定された1つ以上の凹部246と係合するように構成された1つ以上の突起244を外周に画定してもよい。しかしながら、ベースをカプラーに結合するために、構造、形状および構成要素の他の様々な例が利用される場合がある。いくつかの例では、カートリッジ104のベースと制御本体102のカプラーとの間の接続は実質的に恒久的であり得るが、他の例ではそれらの間の接続が解放可能であり得ることで、例えば制御本体は、使い捨て可能および/または詰め替え可能であり得る1つ以上の追加のカートリッジによって再利用可能であってもよい。
【0082】
図2に示されるリザーバ220は、目下説明されているように、容器である場合、または繊維状リザーバである場合もある。例えば、この例では、リザーバは、ハウジング218の内部を取り巻くチューブ形状に実質的に形成された1層または複数の層の不織繊維を含むことができる。エアロゾル前駆体組成物がリザーバ内に保持されることができる。例えば、液体成分は、リザーバによって吸着式に保持されることができる。リザーバは、液体輸送要素224と流体的に通信できる。液体輸送要素は、リザーバに貯蔵されたエアロゾル前駆体組成物を毛管作用によって、この例では金属ワイヤコイルの形態である加熱要素222に輸送することができる。したがって加熱要素は液体輸送要素と共に加熱構成にある。
【0083】
いくつかの例では、マイクロ流体チップがリザーバ220に埋め込まれる場合もあり、リザーバから送達されるエアロゾル前駆体組成物の量および/または質量は、マイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)技術に基づくものなどのマイクロポンプによって制御されてよい。本開示によるエアロゾル送達デバイスに有用なリザーバおよび輸送要素の例示的な実施形態が本明細書でさらに説明されており、そのようなリザーバおよび/または輸送要素は、本明細書に説明されるようなデバイスに組み込まれることができる。詳細には、本明細書でさらに説明されるような加熱部材と輸送要素の特定の組み合わせは、本明細書に説明されるようなものなどのデバイスに組み込まれてもよい。
【0084】
使用時に、ユーザがエアロゾル送達デバイス100を吸い込むと、流量センサ210によって気流が検出され、加熱要素222がアクティブ化されてエアロゾル前駆体組成物の成分を気化させる。エアロゾル送達デバイスのマウスエンドで吸い込むことが周辺空気を空気取り入れ口238に進入させ、カプラー232の空洞234およびベース230の突起236の中央開口部の中を通過させる。カートリッジ104の中で、吸い込まれた空気は形成された蒸気と結合してエアロゾルを形成する。エアロゾルは加熱要素から取り払われる、吸引される、またはそれ以外の方法で引き出され、エアロゾル送達デバイスのマウスエンドにある開口部226から外へ出される。
【0085】
電子タバコの場合の制御本体およびカートリッジを含むエアロゾル送達デバイスの実施形態に関するさらなる詳細については、上記で引用したSurに対する米国特許出願第15/836,086号明細書、およびSur等に対する米国特許出願第15/916,834号明細書、および2018年3月9日に出願されたSurに対する米国特許出願第15/916,696号明細書を参照されたく、この特許も、参照により本明細書に組み込まれる。
【0086】
図3から図6は、非燃焼加熱式デバイスの場合の制御本体と、エアロゾル源部材とを含むエアロゾル送達デバイスの実施形態を示す。より具体的には、図3は、本開示の例示的な実施形態によるエアロゾル送達デバイス300を示す。エアロゾル送達デバイスは、制御本体302と、エアロゾル源部材304とを含んでよい。様々な実施形態において、エアロゾル源部材と、制御本体は、機能的関係で、恒久的にまたは取り外し可能に整列させることができる。これに関して、図3は、結合された構成のエアロゾル送達デバイスを示しており、一方、図4は、切り離された構成のエアロゾル送達デバイスを示している。様々な機構がエアロゾル源部材を制御本体に接続することで、ねじ係合、圧入係合、締り嵌合、滑り嵌合、磁気係合などをもたらすことになり得る。
【0087】
図4に示されるように、本開示の様々な実施形態において、エアロゾル源部材304は、制御本体302に挿入されるように構成された加熱端406と、エアロゾルを作り出すためにユーザが吸い込むマウスエンド408とを備えてよい。様々な実施形態において、加熱端の少なくとも一部は、エアロゾル前駆体組成物410を含み得る。
【0088】
様々な実施形態において、エアロゾル源部材304またはその一部は、エアロゾル源部材に追加の構造および/または支持を提供するのに有用な任意の材料で形成され得る外側オーバーラップ材料412で包まれてもよい。様々な実施形態において、外側オーバーラップ材料は、熱の伝達に抵抗する材料を含むことができ、紙またはセルロース材料などの他の繊維材料を含み得る。外側オーバーラップ材料はまた、繊維状材料内に埋め込まれた、またはその中に分散された少なくとも1つのフィラー材料を含み得る。様々な実施形態において、フィラー材料は、非水溶性粒子の形態を有する場合がある。さらに、フィラー材料は無機成分を組み込む場合がある。様々な実施形態において、外側オーバーラップは、下にあるバルク層と、紙巻きタバコにおける典型的な包装紙などの上に重なる層など、多数の層で形成されてもよい。このような材料は、例えば、亜麻、麻、サイザル麻、稲わら、および/またはエスパルトなどの軽量の「くず繊維(rag fiber)」を含んでよい。外側オーバーラップはまた、酢酸セルロースなど、従来の紙巻きタバコのフィルタ要素で通常使用される材料を含み得る。さらに、エアロゾル源部材のマウスエンド408におけるオーバーラップの過剰な長さは、エアロゾル前駆体組成物410を消費者の口から単に分離するように機能する場合、または以下に説明するようにフィルタ材料を位置決めするためのスペースを提供するように機能する場合、あるいは物品の吸い込みに影響を与えるため、または吸い込み中、デバイスから出て行く蒸気またはエアロゾルの流動特性に影響を与えるために機能する場合もある。本開示で使用されることができるオーバーラップ材料の構成に関するさらなる議論は、Worm等に対する上記で引用した米国特許第9,078,473号明細書に見いだされ得る。
【0089】
様々な実施形態において、エアロゾル前駆体組成物410とエアロゾル源部材304のマウスエンド408との間に他の構成要素が存在してもよく、この場合、マウスエンドは、例えば、酢酸セルロースまたはポリプロピレン材料から作製され得るフィルタ414を含んでもよい。フィルタは、追加的または代替的に、Raker等に対する米国特許第5,025,814号明細書に説明されているようなタバコ含有材料のストランドを含んでもよく、この特許は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。様々な実施形態において、フィルタは、エアロゾル源部材のマウスエンドの構造的な完全性を高め、および/または必要に応じて濾過能力を提供する、および/または吸引に対する抵抗を提供することができる。いくつかの実施形態において、エアロゾル前駆体組成物とマウスエンドとの間に:空隙;冷却空気用の相変化材料;香味放出媒体;選択的化学吸着が可能なイオン交換繊維;フィルタ媒体としてのエアロゲル粒子;および他の適切な材料のうちの1つまたはその任意の組み合わせが位置決めされてもよい。
【0090】
本開示の様々な実施形態は、1つ以上の導電性加熱要素を使用して、エアロゾル源部材304のエアロゾル前駆体組成物410を加熱する。様々な実施形態において、加熱要素は、箔、発泡体、メッシュ、中空のボール、ハーフボール、ディスク、渦巻き線、繊維、ワイヤ、フィルム、糸、ストリップ、リボンまたはシリンダの形態などの様々な形態で提供され得る。そのような加熱要素は、多くの場合、金属材料を含み、そこに電流を通過させることと関連する電気抵抗の結果として熱を発生するように構成されている。そのような抵抗性加熱要素は、エアロゾル源部材、特にエアロゾル源部材304のエアロゾル前駆体組成物と直接接触して、またはそれに近接して位置決めされてよい。加熱要素は、制御本体および/またはエアロゾル源部材の中に置かれてもよい。様々な実施形態において、エアロゾル前駆体組成物は、加熱アセンブリとして働くか、またはその機能を促進し得る基板部分に埋め込まれるか、そうでなければ基板部分の一部である構成要素(すなわち、熱伝導性成分)を含み得る。様々な加熱部材および要素のいくつかの例は、Worm等に対する米国特許第9,078,473号明細書に説明されている。
【0091】
様々な加熱要素構成のいくつかの非限定的な例は、加熱要素がエアロゾル源部材304の近くに設置される構成を含む。例えば、いくつかの例では、加熱要素の少なくとも一部は、エアロゾル源部材の少なくとも一部を取り囲んでもよい。他の例では、1つ以上の加熱要素は、制御本体302に挿入されたときにエアロゾル源部材の外側に隣接して位置決めされてもよい。他の例では、エアロゾル供給源が制御本体に挿入される際、加熱要素の少なくとも一部がエアロゾル源部材の少なくとも一部を貫通してもよい(例えば、エアロゾル源部材を貫通する1つ以上のプロングおよび/またはスパイクなど)。いくつかの例では、エアロゾル前駆体組成物は、加熱要素として働くか、またはその機能を促進することができる、エアロゾル前駆体組成物と接触する構造体、あるいは、エアロゾル前駆体組成物に埋め込まれた、またはそうでなければその一部である複数のビーズまたは粒子を含むことができる。
【0092】
図5は、本開示の例示的な実施形態によるエアロゾル送達デバイス300の正面図を示しており、図6は、図5のエアロゾル送達デバイスを通る断面図を示している。特に、図示の実施形態の制御本体302は、その係合端部に画定された開口部518を含むハウジング516、流量センサ520(例えば、吹かしセンサまたは圧力スイッチ)、制御構成要素522(例えば、処理回路など)、電源524(例えば、バッテリ、スーパーキャパシタ)、およびインディケータ526(例えば、LED)を含むエンドキャップを備えてよい。電源は再充電可能であってよく、また制御本体は、電源に結合され、電源を制御可能に充電するように構成された充電回路528を含み得る。
【0093】
一実施形態では、インディケータ526は、1つ以上のLED、量子ドットベースのLEDなどを含むことができる。インディケータは、制御構成要素522と通信しており、例えば、制御本体302に結合されたときに、ユーザがエアロゾル源部材304を吸い込むとき、流量センサ520によって検出されると、照明されてよい。
【0094】
図示の実施形態の制御本体302は、エアロゾル源部材304のエアロゾル前駆体組成物410を加熱するように構成された1つ以上の加熱アセンブリ530(個別にまたは集合的に加熱アセンブリと呼ばれる)を含む。本開示の様々な実施形態の加熱アセンブリは様々な形態を採ることができるが、図5および図6に示される特定の実施形態では、加熱アセンブリは、外筒532と、加熱要素534とを含み、加熱要素534は、この実施形態では受け入れベース536から延びる複数のヒータプロング(様々な構成において加熱アセンブリ、またはより具体的にはヒータプロングは、ヒータと呼ばれる場合がある)を備える。図示の実施形態において、外筒は、ヒータプロングによって生成される熱を外筒の中で維持するように、より具体的には、ヒータプロングによって生成される熱をエアロゾル前駆体組成物の中で維持するようにステンレス鋼で構築された二重壁の真空管を備える。様々な実施形態において、ヒータプロングは、限定されないが、銅、アルミニウム、白金、金、銀、鉄、鋼、真ちゅう、青銅、グラファイト、またはそれらの任意の組み合わせを含む、1つ以上の導電性材料から構築され得る。
【0095】
図示されるように、加熱アセンブリ530は、ハウジング516の係合端の近くに延在してよく、エアロゾル前駆体組成物410を含むエアロゾル源部材304の加熱端406の一部を実質的に取り囲むように構成されてよい。そのような方法では、加熱アセンブリは、概ね管状の構成を画定してよい。図5および図6に示されるように、加熱要素534(例えば、複数のヒータプロング)は、受け入れチャンバ538を作り出すように外筒532によって取り囲まれる。そのような方法では、様々な実施形態において、外筒は、限定されないが、絶縁ポリマー(例えば、プラスチックまたはセルロース)、ガラス、ゴム、セラミック、磁器、二重壁の真空構造、またはそれらの任意の組み合わせを含めた非導電性絶縁材料および/または非導電性絶縁構造を含み得る。
【0096】
いくつかの実施形態において、加熱アセンブリ530の1つ以上の部分または構成要素は、エアロゾル前駆体組成物410と組み合わされる、パッケージ化される、および/または一体化されてもよい(例えば、中に埋め込まれてもよい)。例えば、いくつかの実施形態において、エアロゾル前駆体組成物は、上で説明されたような材料から形成されてよく、混合された1つ以上の導電性材料を中に含む場合もある。これらの実施形態のいくつかでは、エアロゾル源部材が制御本体の受け入れチャンバに挿入されるとき、接点が電気エネルギー源との電気接続を作るするように、接点がエアロゾル前駆体組成物に直接接続されてよい。あるいは、接点は、電気エネルギー源と一体化されてもよく、エアロゾル源部材が制御本体の受け入れチャンバに挿入されるとき、接点がエアロゾル前駆体組成物との電気接続を作るように受け入れチャンバ内に延在する場合もある。エアロゾル前駆体組成物中に導電性材料が存在するため、電気エネルギー源からエアロゾル前駆体組成物に電力を印加することは、電流が流れることを可能にし、よって導電性材料から熱を発生させる。したがって、いくつかの実施形態において、加熱要素は、エアロゾル前駆体組成物と一体化されていると説明されてもよい。非限定的な例として、グラファイトまたは他の適切な導電性材料が、エアロゾル前駆体組成物を形成する材料と混合される、中に埋め込まれる、あるいはそうでなければエアロゾル前駆体組成物を形成している材料の上に直接存在する、またはその中に存在することで、媒体と一体化された加熱要素を作製する場合もある。
【0097】
上記で指摘したように、例示される実施形態において、外筒532はまた、エアロゾル源部材がハウジング516に挿入されるとき、エアロゾル源部材304の適切な位置決めを容易にするように機能する場合もある。様々な実施形態において、加熱アセンブリ530の外筒は、ハウジングの内面と係合して、ハウジングに対する加熱アセンブリの位置合わせを提供する場合もある。それにより、加熱アセンブリ間の固定式の結合の結果として、加熱アセンブリの縦軸は、ハウジングの縦軸に実質的に平行に延在してよい。特に、支持シリンダが、ハウジングの開口部518から受け入れベース536まで延在して、受け入れチャンバ538を作り出してもよい。
【0098】
エアロゾル源部材304の加熱端406は、制御本体302に挿入するためにサイズが決められ、成形されている。様々な実施形態において、制御本体の受け入れチャンバ538は、内面および外面を有する壁によって画定されるものとして特徴付けられてもよく、内面は、受け入れチャンバの内部容積を画定している。例えば、図示の実施形態では、外筒532は、受け入れチャンバの内部容積を規定する内面を画定する。図示の実施形態では、外筒の内径は、(例えば、滑り嵌合を作り出すために)対応するエアロゾル源部材の外径よりもわずかに大きいか、またはほぼ等しくてよく、その結果、外筒は、エアロゾル源部材を制御本体に対して適切な位置(例えば、横方向の位置)に案内するように構成されている。したがって、エアロゾル源部材の最大外径(またはこの実施形態の特有の断面形状に応じた他の寸法)は、制御本体の受け入れチャンバの開放端の壁の内面での内径(または他の寸法)より小さくなるようなサイズに決められてよい。いくつかの実施形態において、エアロゾル源部材が受け入れチャンバにぴったりと嵌まり、摩擦力が、力を加えることなくエアロゾル源部材が動くのを阻止するように、それぞれの直径の差は十分に小さくてよい。一方で、そのような差は、エアロゾル源部材が、過度の力を必要とせずに受け入れチャンバに滑り入ることを可能にするのに十分なものであってよい。
【0099】
例示される実施形態では、制御本体302は、エアロゾル源部材304が制御本体に挿入されると、加熱要素534(例えば、ヒータプロング)が、エアロゾル源部材の加熱端406のエアロゾル前駆体組成物410の少なくとも一部のおおよその半径方向の中心に置かれるように構成されている。そのような方法では、固体または半固体のエアロゾル前駆体組成物と組み合わせて使用されるとき、ヒータプロングは、エアロゾル前駆体組成物と直接接触し得る。他の実施形態では、管構造を画定する押し出し成形のエアロゾル前駆体組成物と組み合わせて使用される際、ヒータプロングは、押し出し成形管構造の内面によって画定される空洞の内側に置かれ、押し出し成形管構造の内面には接触することはない。
【0100】
使用中、消費者は、加熱アセンブリ530、特にエアロゾル前駆体組成物410(またはその特定の層)に隣接する加熱要素534の加熱を開始する。吸入可能物質を生じさせるために、エアロゾル前駆体組成物の加熱が、エアロゾル源部材304内に吸入可能物質を放出する。消費者がエアロゾル源部材のマウスエンド408で吸入すると、空気が、制御本体302の開口部または穴などの空気取り入れ口540を通してエアロゾル源部材の中に引き込まれる。引き寄せられた物質がエアロゾル源部材のマウスエンドを出るときに、引き込まれた空気と放出された吸入可能な物質とを組み合わせたものが消費者によって吸入される。いくつかの実施形態において、加熱を開始するために、消費者は、加熱アセンブリの加熱要素がバッテリまたは他のエネルギー源から電気エネルギーを受信するようにする押しボタンまたは同様の構成要素を手動で作動させることができる。電気エネルギーは、事前定義された時間の間供給されてよい、または手動で制御されてもよい。
【0101】
いくつかの実施形態において、電気エネルギーの流れは、デバイス300での吹かしの合間には実質的に進行しない(ただし、エネルギーの流れは、周囲温度よりも高いベースライン温度-例えばアクティブな加熱温度への急速加熱を容易にする温度を維持するために進行する場合がある)。しかしながら、図示の実施形態では、加熱は、流量センサ520などの1つ以上のセンサの使用を通して消費者の吹かしアクションによって開始される。吹かしが中止されると、加熱が停止する、または低下される。消費者が十分な量(例えば、典型的な喫煙体験と同等となるのに十分な量)の吸入可能物質を放出させるために十分な回数の吹かしを行ったとき、エアロゾル源部材304は、制御本体302から取り外され、廃棄されてよい。いくつかの実施形態において、容量性感知要素および他のセンサなどのさらなる感知要素が、Phillips等に対する米国特許出願第15/707,461号明細書に考察されるように使用されてもよく、この特許は参照により本明細書に組み込まれる。
【0102】
様々な実施形態において、エアロゾル源部材304は、管状形状などの適切なコンフォメーションを形成および維持するのに適しており、エアロゾル前駆体組成物410をその中に保持するのに適した任意の材料で形成されてよい。いくつかの実施形態において、エアロゾル源部材は、単一の壁、または他の実施形態では、多数の壁で形成されてもよく、その構造的完全性を保持するように、例えば、本明細書でさらに論じられるように、少なくとも電気加熱要素によって提供される加熱温度である温度では劣化しない耐熱性である(天然または合成の)材料で形成されてよい。いくつかの実施形態において、耐熱性ポリマーが使用され得るが、他の実施形態では、エアロゾル源部材は、実質的にストロー形状の紙などの紙から形成される場合もある。本明細書でさらに論じられるように、エアロゾル源部材は、その中を通る蒸気の移動を実質的に阻止するように機能する、それと関連する1つ以上の層を有し得る。1つの例示的な実施形態において、アルミニウム箔層が、エアロゾル源部材の1つの表面に積層されてもよい。セラミック材料が使用されてもよい。さらなる実施形態では、エアロゾル前駆体組成物から不必要に熱を遠ざけないようにするために絶縁材料が使用される場合もある。上で説明された機能を提供するために使用され得る、または上記の材料および構成要素の代替として使用され得る構成要素および材料のさらなる例示のタイプは、Crooks等に対する米国特許出願公開第2010/00186757号明細書、Crooks等に対する米国特許出願公開第2010/00186757号明細書、Sebastian等に対する米国特許出願公開第2011/0041861号に記載されるタイプのものであってよく、これらの特許は参照により本明細書に組み込まれる。
【0103】
図示の実施形態では、制御本体302は、電気加熱要素534に電力を提供することを含めた、エアロゾル送達デバイス300の様々な機能を制御する制御構成要素522を含む。例えば、制御構成要素は、導電性ワイヤ(図示せず)によって電源524に接続される処理回路(これは、本明細書でさらに説明されるように、さらなる構成要素に接続されてもよい)を含み得る。様々な実施形態において、処理回路は、加熱アセンブリ530、特にヒータプロングが、消費者による吸入のために吸入可能な物質を送達するために、電気エネルギーをいつどのように受信して、エアロゾル前駆体組成物410を加熱するかを制御し得る。いくつかの実施形態において、そのような制御は、上記でより詳細に説明されているように流量センサ520によってアクティブ化されてもよい。
【0104】
図5および図6に見られるように、図示の実施形態の加熱アセンブリ530は、受け入れベース536から延びる外筒532と、加熱要素534(例えば、複数のヒータプロング)とを備える。エアロゾル前駆体組成物410が管構造を備えるものなどのいくつかの実施形態において、ヒータプロングは、エアロゾル前駆体組成物の内面によって画定される空洞内に延在するように構成されてよい。エアロゾル前駆体組成物が固体または半固体を含む図示の実施形態などの他の実施形態では、エアロゾル源部材が制御本体302に挿入されるとき、複数のヒータプロングは、エアロゾル源部材304の加熱端406に含まれるエアロゾル前駆体組成物に貫入するように構成されている。そのような実施形態において、ヒータプロングおよび/または受け入れベースを含めた、加熱アセンブリのうちの1つ以上の構成要素は、非粘着性または耐粘着性材料、例えば、特定のアルミニウム、銅、ステンレス鋼、炭素鋼、およびセラミック材料で構築されてよい。他の実施形態では、ヒータプロングおよび/または受け入れベースを含めた、加熱アセンブリの構成要素のうちの1つ以上は、例えば、テフロン(R)などのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)コーティングを含む非粘着性コーティング、あるいは耐粘着性のエナメルコーティング、あるいはGreblon(R)またはThermolon(TM)などのセラミックコーティング、あるいはGreblon(R)またはThermolon(TM)などのセラミックコーティングなどの他のコーティングを含んでもよい。
【0105】
加えて、図示の実施形態では、受け入れベース536の周りに実質的に均等に分散された多数の加熱要素534が存在するが、他の実施形態では、任意の他の好適な空間構成で、わずか1つを含む、任意の数のヒータプロングが使用される場合もあることに留意されたい。さらに、様々な実施形態において、ヒータプロングの長さは変わり得る。例えば、いくつかの実施形態において、ヒータプロングは小さな突起を備えてよいが、他の実施形態では、ヒータプロングは、最大約25%、最大約50%、最大約75%、および受け入れチャンバのほぼ全長までを含め、受け入れチャンバ538の長さの任意の部分に延在する場合もある。さらに他の実施形態では、加熱アセンブリ530は他の構成を採る場合もある。上記に提供された議論に従って本開示での使用に適合させることができる他のヒータ構成の例は、Counts等に対する米国特許第5,060,671号明細書、Deevi等に対する米国特許第5,093,894号明細書、Deevi等に対する米国特許第5,224,498号明細書、Sprinkel Jr.等に対する米国特許第5,228,460号明細書、Deevi等に対する米国特許第5,322,075号明細書、Deevi等に対する米国特許第5,353,813号明細書、Deevi等に対する米国特許第5,468,936号明細書、Dasに対する米国特許第5,498,850号明細書、Dasに対する米国特許第5,659,656号明細書、Deevi等に対する米国特許第5,498,855号明細書、Hajaligolに対する米国特許第5,530,225号明細書、Hajaligolに対する米国特許第5,665,262号明細書、Das等に対する米国特許第5,573,692号明細書、およびFleischhauer等に対する米国特許第5,591,368号明細書に見いだされ得、これらの特許は参照により本明細書に組み込まれる。
【0106】
様々な実施形態において、制御本体302は、周囲空気が受け入れチャンバ538の内部に入るのを可能にするために、その中に空気取り入れ口538(例えば、1つ以上の開口部または穴)を含み得る。そのような方法では、いくつかの実施形態において、受け入れベース536が空気取り入れ口を含む場合もある。したがって、いくつかの実施形態において、消費者がエアロゾル源部材304のマウスエンドを吸うとき、制御本体および受け入れベースの空気取り入れ口を通して空気が受け入れチャンバ内に引き込まれ、エアロゾル源部材の中へと進み、消費者による吸入のためにエアロゾル源部材のエアロゾル前駆体組成物410の中を通して引き込まれることができる。いくつかの実施形態において、引き込まれた空気は、吸入可能な物質をオプションのフィルタ414を通して運び、エアロゾル源部材のマウスエンド408の開口部から外に出す。加熱要素534がエアロゾル前駆体組成物の内部に位置決めされた状態で、ヒータプロングがアクティブ化されてエアロゾル前駆体組成物を加熱し、エアロゾル源部材を通して吸入可能な物質の放出を引き起こすことができる。
【0107】
特に図5および図6を参照して上で説明されたように、本開示の様々な実施形態は、導電性ヒータを使用してエアロゾル前駆体組成物410を加熱する。また上記で指摘したように、他の様々な実施形態は、誘導加熱器を使用してエアロゾル前駆体組成物を加熱する。これらの実施形態のいくつかでは、加熱アセンブリ530は、誘導送信機および誘導受信機を備えた変圧器を備える誘導加熱器として構成され得る。加熱アセンブリが誘導加熱器として構成されている実施形態では、外筒532は誘導送信機として構成されてよく、受け入れベース536から延びる加熱要素534(例えば、複数のヒータプロング)は、誘導受信機として構成されてよい。様々な実施形態において、誘導送信機および誘導受信機の一方またはその両方は、制御本体302および/またはエアロゾル源部材304の中に置かれてよい。
【0108】
様々な実施形態において、誘導送信機および誘導受信機としての外筒532および加熱要素534は、1つ以上の導電性材料から構築されてもよく、またさらなる実施形態では、誘導受信機は、限定されないが、コバルト、鉄、ニッケル、およびそれらの組み合わせを含む、強磁性材料で構築されてもよい。1つの例示的な実施形態では、箔材料は導電性材料で構築され、ヒータプロングは強磁性材料で構築されている。様々な実施形態において、受け入れベースは、非導電性および/または絶縁性材料で構築されてもよい。
【0109】
誘導送信機としての外筒532は、支持シリンダを取り囲む箔材料を伴うラミネートを含み得る。いくつかの実施形態において、箔材料は、例えば、いくつかの実施形態において、箔材料が誘導受信機としての加熱要素534の周りに位置決めされたとき螺旋形のコイルパターンを形成し得る1つ以上の電気トレースなど、その上に印刷された電気トレースを含んでもよい。箔材料および支持シリンダは、それぞれ管状構成を画定し得る。支持シリンダは、箔材料がヒータプロングと接触するように移動して、ヒータプロングと短絡しないように、箔材料を支持するように構成されてよい。この方法において、支持シリンダは、非導電性材料を含む場合があり、この非導電性材料は、箔材料によって発生される発振磁場に対して実質的に透明であってよい。様々な実施形態において、箔材料は、支持シリンダに埋め込まれるか、さもなければ支持シリンダに結合されてもよい。図示される実施形態では、箔材料は、支持シリンダの外面と係合されているが;しかしながら、他の実施形態では、箔材料は、支持シリンダの内面に位置決めされるか、または支持シリンダに完全に埋め込まれてもよい。
【0110】
外筒532の箔材料は、交流電流がその中に導かれたときに発振磁場(例えば、時間と共に周期的に変化する磁場)を作り出すように構成されてよい。加熱要素534のヒータプロングは、少なくとも部分的に外筒内に置かれる、またはその中に受け入れられ、また導電性材料を含み得る。箔材料を通して交流電流を導くことにより、誘導を介して渦電流がヒータプロング内に生成され得る。ヒータプロングを画定する材料の抵抗を流れる渦電流が、ジュール加熱によって(つまり、ジュール効果を通して)ヒータプロングを加熱してよい。ヒータプロングは、無線で加熱されて、ヒータプロングの近くに位置決めされたエアロゾル前駆体組成物410からエアロゾルを形成することができる。
【0111】
エアロゾル送達デバイス、制御本体、およびエアロゾル源部材の他の実施形態は、上記で引用されたSur等に対する米国特許出願第15/916,834号明細書、Surに対する米国特許出願第15/916,696号明細書およびにSurに対する米国特許出願第15/836,086号明細書に説明されている。
【0112】
上で説明されたように、例示的な実施形態のエアロゾル送達デバイスは、電子タバコまたは非燃焼加熱式デバイスのいずれかのコンテキストで、あるいは両方の機能を含むデバイスの場合でも、回路を含み得る。図7Aおよび図7Bは、本開示の様々な例示的な実施形態による、エアロゾル送達デバイス100、300のいずれか、または両方であり得る、あるいはその機能を組み込む場合もあるエアロゾル送達デバイス700の回路図である。示されるように、エアロゾル送達デバイスは、制御本体702、加熱要素704、電源706、および充電回路708を含み、それらは、制御本体102、302、加熱要素222、534、電源212、524および充電回路216、528のそれぞれの機能に対応するか、またはそれぞれの機能を含み得る。そして、エアロゾル送達デバイス700がエアロゾル送達デバイス100であるか、またはその機能を組み込んでいる例などのいくつかの例では、エアロゾル送達デバイス700(またはより具体的にはその制御本体702)は、加熱要素を制御本体に接続するように構成された端子710を含み得る。
【0113】
様々な実施形態では、充電回路708は、電源706に結合され、制御可能にそれを充電するように構成されている。電源は、電気を熱に変換して、エアロゾル前駆体組成物の成分を気化させるように構成された加熱要素704を含む負荷712に結合され、それに電力を供給するように構成された1つ以上のバッテリまたはバッテリセルを含む。いくつかの実施形態では、電源の1つ以上のバッテリまたはバッテリセルは、1つ以上のリチウムイオン、リン酸鉄リチウム、またはソリッドステートバッテリ、あるいはバッテリセルを含む。
【0114】
図7Aに示されるように、いくつかの実施形態では、充電回路708は、電気コネクタ714、保護回路716、およびバック‐ブースト充電コントローラ718を含む。電気コネクタは、充電回路を電力供給源720に接続するように構成され、電力供給源720から、電源706を直接、または適切な電源アダプタを介するなどして間接的に充電可能である。電気コネクタは、上記のものなどのいくつかの適切なタイプの電気コネクタのいずれかであり得る。一部の実施形態では、電気コネクタはUSBコネクタ(例えば、タイプA、タイプB、ミニA、ミニB、ミニAB、マイクロA、マイクロB、マイクロAB、タイプC)である。他の実施形態では、電気コネクタは非USBコネクタ(例えば、円筒形コネクタ、シガレットライターコネクタ、ライトニングコネクタ)である。これらの、および他の実施形態では、電源アダプタは、USB電源アダプタであっても、非USB電源アダプタであってもよい。そして、他の例では、充電回路は、誘導電力式の充電用の電気コネクタの代わりに、誘導受信機を含む場合がある。
【0115】
いくつかの例では、充電回路708は、リチウムイオンまたはリン酸鉄リチウムなどの異なる電気化学的性質を有するバッテリまたはバッテリセルをサポートすることができる。また、充電回路は、低いバッテリ静止電流を提供し、バッテリがないか、バッテリが完全に放電しているときに瞬時にオンになることができる。一例では、充電プロセス中に電源が取り外されたとき、またはユーザが充電のために間違ったバッテリまたはバッテリセルにつないだときに、充電回路が過電圧を有する場合がある。充電回路の電子機器は、リチウムイオンバッテリの電気化学的性質のプロファイルを挿入できるマイクロコントローラを有してもよい。消費者が間違ったリチウムバッテリにつないだ場合、それで、間違ったバッテリのプロファイルは、マイクロコントローラに保存されているプロファイルと一致しない場合がある。したがって、どのバッテリにつないでいるかに応じて、バッテリを充電するのにかかる時間が長くなったり短くなったりする可能性がある。また、充電電流は特定のバッテリに固定されることもできる。そのため、異なるバッテリが使用された場合、使用されているバッテリのサイズによって充電時間が長くなる場合がある。バッテリのサイズが大きくなった場合、それで、充電時間が長くなる可能性がある。また、充電器回路は過電圧を特定の値に上限を決めることができる。したがって、どのバッテリにつながれているかに関係なく、過電圧条件が侵害されることない。
【0116】
いくつかの実施形態では、保護回路716は、電気コネクタ714と電源706とに結合され、電気コネクタ714と電源706との間にある。保護回路は、電気コネクタが電力供給源に結合されているときに、電力供給源720の過電流状態から電源を保護するように構成されている。いくつかの実施形態では、保護回路は、電力供給源が過電流状態にあるときに電力供給源から電源への出力電流を遮断するように構成されたスイッチ(図7Bに示される)を含む。
【0117】
いくつかの実施形態では、バック‐ブースト充電コントローラ718は、電源706と電力供給源720とに結合され、電源706と電力供給源720との間にある。バック‐ブースト充電コントローラは、電力供給源から電源への出力電圧および出力電流を、電力供給源の状態に基づいて、複数のモードのうちの1つで選択的に調整するように構成されている。いくつかの実施形態では、複数のモードは、バックモード、ブーストモード、またはバック‐ブーストモードのうちの2つ以上を含む。適切なバック‐ブースト充電コントローラの一例は、Texas InstrumentsのモデルBQ25703Aである。エアロゾル送達デバイス700の起動中に、バック‐ブースト充電コントローラは、電力供給源の状態に基づいて、コンバータをバックモード、ブーストモード、またはバック‐ブーストモードに設定することができる。バック‐ブースト充電コントローラは、ホスト制御なしで、バックモード、ブーストモード、またはバック‐ブーストモードの間を自動的に移行してよい。
【0118】
いくつかの実施形態では、ブースト回路が使用されて、回路が機能するために電圧を特定の値まで人工的に増加させることができる。例えば、電圧が3.1Vに下がった場合、ブーストチップを使用して、残りの回路が機能するように電圧が3.5Vに上げられることができる。ブースト回路の場合、ブーストレギュレータは2.7Vから3.5Vなどのより小さな電圧から動作して、3.5Vを上限とするより高い公称電圧を提供することができる。ブースト回路では、電圧が常に一定値になるのを保証するために、フィードバック補償があり得る。バックコンバータは、ヒステリシス(またはヒステリシス特性を示す材料)とステップダウンDC-DCコンバータを使用する統合型のステップダウンスイッチングレギュレータを有する場合がある。バックコンバータは、完全に充電されたバッテリの電圧を4.1Vから3.5Vの定電圧に変更することができ、これが、より良好なバッテリの効率を提供することができる。バック‐ブースト回路は、上記のバックとブーストの組み合わせであってよく、バックとブースト両方の二つの機能を実行することができる。
【0119】
いくつかの実施形態では、電力供給源720は、1つ以上のリチウムイオンバッテリまたはソリッドステートバッテリ、あるいはリチウムイオンキャパシタまたはハイブリッドリチウムイオンキャパシタを含み、バック‐ブースト充電コントローラ718は、電力供給源の1つ以上のリチウムイオンバッテリまたはソリッドステートバッテリ、あるいはリチウムイオンキャパシタまたはハイブリッドリチウムイオンキャパシタからの出力電圧および出力電流を調整するように構成されている。いくつかの実施形態では、バック‐ブースト充電コントローラは、電源が電力供給源から充電されるときに電源706の端子電圧が閾値電圧を下回ったときに、出力電流を最大電流(例えば、380mA)に制限するように構成されている。
【0120】
図7Bは、本開示の様々な例示的な実施形態によるエアロゾル送達デバイス700の回路図を示す。示されるように、エアロゾル送達デバイスは、制御本体702、加熱要素704、電源706、および充電回路708を含む。充電回路は、電源に結合され、制御可能に電源を充電するように構成されている。図7Aと同様に、充電回路は、電気コネクタ714、保護回路716、およびバック‐ブースト充電コントローラ718を含む。充電回路はまた、バック‐ブースト充電コントローラに結合されたI/Oインターフェース738(例えば、集積回路間インターフェース)を含んでもよい。I/Oインターフェースは、充電されているバッテリやキャパシタに応じて、充電電流を変更したり、充電電流を特定の値に制限したりする柔軟性をユーザに与えてよい。例えば、特定のリチウムイオンバッテリ、スーパーキャパシタまたはリチウムイオンハイブリッドキャパシタが充電されている場合、充電電流は、1C、2Cまたは5Cの充電速度であり得る。I/Oインターフェースは、バッテリ、スーパーキャパシタ、またはハイブリッドリチウムイオンキャパシタの最大定格に応じて、充電電流を特定の値に制限できる。したがって、電子設計は、様々なリチウムイオンバッテリ、スーパーキャパシタ、ハイブリッドリチウムイオンキャパシタ、またはソリッドステートバッテリをサポートするのに十分にロバストなものであってよい。一例では、ユーザは、I/Oインターフェースを介して特定の値を設定するか、または電源のタイプを選択することができる。別の例では、充電回路は、タイプと値(複数可)との間の事前に保存された相関関係から、例えばルックアップテーブルから、適切な値を選択することができる。
【0121】
いくつかの実施形態では、保護回路716は、電力供給源が過電流状態にあるときに電力供給源720から電源706への出力電流を遮断するように構成された1つ以上のスイッチとして使用される1つ以上のトランジスタ722、724、726および728を含む。トランジスタは、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)であり得る。適切なMOSFETの一例は、Motorolaのモデル2N6659を含む。
【0122】
いくつかの実施形態では、電源706は、複数のバッテリまたはバッテリセル730、732、734、および736を含む。複数のバッテリまたはバッテリセルは、電力供給源720からの出力電流が流れるための2つ以上のパスを、出力電流が複数のパスの各パスを通る電流の合計であるように、形成するように接続されている。一例では、電力供給源からの出力電流は6.35Aであり得る。この例では、図7Bに示されるような4つのバッテリは、出力電流のための2つのパスを形成するように接続されてよく、各パス上には1対のバッテリが備わっている。6.35Aは2つのパスに分割されてよく、バッテリの各対には急速充電のために3.175Aが供給される。このようにして、4つのバッテリがより速く充電されることができる。別の例では、4つのバッテリが、出力電流のための4つのパスを形成するように接続されてもよく、各パス上には4つのバッテリのうちの1つが備わっている。
【0123】
いくつかの実施形態では、エアロゾル送達デバイス700または制御本体702は、加熱要素704に結合され、負荷712または加熱要素に一定の電力を出力するように構成された非反転ユニティゲイン演算増幅器740をさらに含む。負荷または加熱要素への出力電力は、トレースまたはその他の理由による回路基板(例えばプリント回路板)におけるいかなる寄生因子にも関係なく一定であり得る。また、非反転ユニティゲイン演算増幅器は、エアロゾル送達デバイスにおける別個の構成要素のアンテナ効果を無効にすることができる。
【0124】
本開示が関連する、前述の説明および関連する図面に提示された教示の恩恵を受ける当業者には、本開示の多くの修正形態および他の実施形態が思い浮かぶであろう。したがって、本開示は、本明細書に開示された特定の実施形態に限定されるものではないこと、ならびに修正形態および他の実施形態が添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されていることを理解されたい。本明細書では特定の用語が使用されているが、それらは一般的、説明的な意味でのみ使用されており、限定の目的では使用されていない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B