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特許7407807経気管支ニードル誘導具を設計又は構成するための装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-21
(45)【発行日】2024-01-04
(54)【発明の名称】経気管支ニードル誘導具を設計又は構成するための装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/01 20060101AFI20231222BHJP
   A61B 1/267 20060101ALI20231222BHJP
   A61B 1/045 20060101ALI20231222BHJP
   A61B 18/14 20060101ALN20231222BHJP
【FI】
A61B1/01
A61B1/267
A61B1/045 618
A61B18/14
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021518651
(86)(22)【出願日】2019-09-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-07
(86)【国際出願番号】 EP2019075783
(87)【国際公開番号】W WO2020069928
(87)【国際公開日】2020-04-09
【審査請求日】2022-09-21
(31)【優先権主張番号】18198708.2
(32)【優先日】2018-10-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】弁理士法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ハーゼ クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】グラス ミカエル
【審査官】増渕 俊仁
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/145259(WO,A1)
【文献】特開平11-313827(JP,A)
【文献】国際公開第2018/029103(WO,A1)
【文献】特表2019-511303(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0318797(US,A1)
【文献】特表2018-500079(JP,A)
【文献】国際公開第2018/025679(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00-1/32
A61B 18/14
A61B 34/30-90/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
気管支鏡又は誘導シースのための誘導具を設計するための装置であって、前記装置は、
入力ユニットと、
処理ユニットと
を備え、
前記入力ユニットは、患者の少なくとも1つの診断画像を前記処理ユニットに提供し、前記少なくとも1つの診断画像は、関心領域の画像データ及び前記関心領域の近傍における気管支樹又は血管系の画像データを含み、
前記処理ユニットは、前記関心領域の位置を決定し、気管支鏡又は誘導シースを介して介入が実施されるべき前記気管支樹又は前記血管系における位置を決定し、前記介入は、前記関心領域に向かう介入デバイスの一部の移動を含み、前記気管支鏡又は前記誘導シースは、前記介入デバイスの前記一部が前記気管支鏡又は前記誘導シースの端部から出ることができるように構成され、
前記処理ユニットは、前記介入デバイスの前記一部を前記関心領域に向かって誘導するために、前記気管支鏡又は前記誘導シースの長手軸に対する前記介入デバイスの前記一部の移動角度を決定し、前記決定は、前記関心領域の前記位置と、前記介入が実施されるべき前記気管支樹又は前記血管系における前記位置との利用を含み、
前記処理ユニットは、前記気管支鏡又は前記誘導シースと連動して動作する前記気管支鏡又は前記誘導シースのための誘導具を設計し、前記設計は、前記介入デバイスの前記一部の決定された前記移動角度の利用を含み、前記誘導具は、前記気管支鏡又は前記誘導シースの前記端部に固定されることになる構造として設計され、
前記誘導具は、前記気管支鏡又は前記誘導シースの前記端部を出た前記介入デバイスの前記一部を、決定された前記移動角度で前記関心領域に向かって誘導するように前記気管支鏡又は前記誘導シースと連動して動作する、
装置。
【請求項2】
前記誘導具は、前記気管支鏡又は前記誘導シースの前記長手軸に対して前記移動角度をなす部分を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記誘導具はチャンネルを備え、前記介入デバイスの前記一部が前記チャンネルの中を通って移動可能である、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記誘導具の構成は、前記気管支鏡又は前記誘導シースの前記端部におけるバルーン又はプルワイヤの決定された展開を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の装置を使用して設計される、気管支鏡又は誘導シースのための誘導具。
【請求項6】
経気管支又は血管介入のためのシステムであって、前記システムは、
気管支鏡又は誘導シースのための誘導具であって、前記誘導具は、前記気管支鏡又は前記誘導シースの端部に固定されることになる構造として設計される、誘導具と、
前記気管支鏡又は前記誘導シースと
を備え、
前記気管支鏡又は前記誘導シースは介入を実施し、前記介入は、関心領域に向かう介入デバイスの一部の移動を含み、前記気管支鏡又は誘導シースは、前記介入デバイスの前記一部が前記気管支鏡又は誘導シースの前記端部から出ることができるように構成され、
前記誘導具は、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置を使用して設計され、前記気管支鏡又は前記誘導シースの前記端部を出た前記介入デバイスの前記一部を決定された移動角度で前記関心領域に向かって誘導するように前記気管支鏡又は誘導シースと連動して動作する、システム。
【請求項7】
気管支鏡又は誘導シースのための誘導具を設計するための装置の作動方法であって、前記装置は、入力ユニットと、処理ユニットとを備え、前記作動方法は、
a)前記入力ユニットが、患者の少なくとも1つの診断画像を前記処理ユニットに提供するステップであって、前記少なくとも1つの診断画像は、関心領域の画像データ及び前記関心領域の近傍における気管支樹又は血管系の画像データを含む、ステップと、
b)前記処理ユニット、前記関心領域の位置を決定するステップと、
c)前記処理ユニット、前記気管支鏡又は前記誘導シースを介して介入が実施されるべき前記気管支樹又は血管系における位置を決定するステップであって、前記介入は、前記関心領域に向かう介入デバイスの一部の移動を含み、前記気管支鏡又は前記誘導シースは、前記介入デバイスの前記一部が前記気管支鏡又は前記誘導シースの端部から出ることができるように構成される、ステップと、
d)前記処理ユニット、前記介入デバイスの前記一部を前記関心領域に向かって誘導するために、前記気管支鏡又は前記誘導シースの長手軸に対する前記介入デバイスの前記一部の移動角度を決定するステップであって、前記決定は、前記関心領域の前記位置及び前記介入が実施されるべき前記気管支樹又は前記血管系における前記位置の利用を含む、ステップと、
e)前記処理ユニット、前記気管支鏡又は前記誘導シースと連動して動作する誘導具を設計するステップであって、前記設計は、前記介入デバイスの前記一部の決定された前記移動角度の利用を含み、前記誘導具は、前記気管支鏡又は前記誘導シースの前記端部に固定されることになる構造として設計される、ステップと
を有し、
前記誘導具は、前記気管支鏡又は前記誘導シースの前記端部を出た前記介入デバイスの前記一部を決定された前記移動角度で前記関心領域に向かって誘導するように前記気管支鏡又は前記誘導シースと連動して動作する、
作動方法。
【請求項8】
請求項1から4のいずれか一項に記載の装置を制御するためのコンピュータプログラムであって、プロセッサによって実行されたときに、請求項7に記載の作動方法を実施する、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気管支鏡又は誘導シースのための誘導具を設計又は構成するための装置、気管支鏡又は誘導シースのための誘導具、経気管支又は血管介入のためのシステム、気管支鏡又は誘導シースのための誘導具を設計又は構成する方法、経気管支又は血管介入のための方法、並びにコンピュータプログラム要素及びコンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
肺の病変の診断及び治療のために、経気管支バイオプシー及び無線周波数アブレーション処置は重要なツールである。
【0003】
WO2016/145259A1は、医療器具を対象者における所望の場所へと誘導するデバイスを説明している。デバイスは、所望の場所を特定する撮像プローブを有する第1のチャンネルと、医療器具を有する第2のチャンネルとを有する。第2のチャンネルは、所望の場所に到達するように、第1のチャンネルに対して角度を有し得る。いくつかの実施形態において、医療器具はガイドワイヤ又は固定ガイドワイヤである。
【0004】
US2009/318797A1は、内視鏡の挿入チューブの少なくとも遠位端部を収容し、内視鏡ツールがその内部を横断することを可能にするように構成された内視鏡筐体と、挿入チューブの遠位端部の移動方向に対する内視鏡ツールの移動方向を変化させることによって内視鏡ツールを屈折させるように構成されたツールデフレクタとを含む内視鏡シースを説明している。
【0005】
US2014/276051A1は、身体内の関心場所(例えば肺を含む場所)へとアブレーション流体を送達するためのシステム、方法、及びデバイスを説明している。アブレーション流体送達システム及びデバイスは、複数のより小さい可撓性ニードルが内部に収容された可撓性送達ニードルを含み得る。このより小さい可撓性ニードルは、アブレーション流体の有効送達エリアを増加させるために、可撓性送達ニードルに対して関節をなす又は屈曲するように構成され得る。より小さな可撓性ニードルは、関心場所へのアブレーション流体の送達を促進するアパチャー又は他の開口を含み得る。
【0006】
US2012/053485A1は、カテーテルが、カテーテルシャフトと、カテーテルシャフトの外側面に結合された膨張可能部材と、膨張可能部材に近接してカテーテルシャフトの外側に配設された遠位端部分を有するニードルとを含むことを説明している。膨張可能部材は、身体管腔壁と接触するためにカテーテルの径方向外周部から径方向に選択的に膨張可能である。ニードルは、カテーテルシャフトの長手軸に対してゼロ度ではない角度でカテーテルシャフトの外側から横方向に延在するように構成される。ニードルは、膨張可能部材の選択的な径方向への膨張中に膨張可能部材に接触し、延在するニードルのゼロ度でない角度が膨張可能部材の膨張によって制御される。膨張可能部材の径方向中心は、カテーテルの長手軸に対して偏心して配置され得る。膨張可能部材は、身体管腔内で膨張可能部材が膨張したときに身体的な流体又は気体(例えば、空気)が通過することを可能にするための少なくとも1つの開口を含み得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、気管支樹における誘導は、気管支鏡、CTロードマップ、EM追跡、又は気管支内超音波によって補助される。処置中に、気管支鏡又は操縦可能な誘導シースが、バイオプシー又はアブレーションニードルの目標とされる病変の前に設置される。次いで、ニードルは、気管支鏡又は誘導シースを通って病変内に前進される。気管支の内側の空間は限定的なので、気管支鏡及びシースは気管支に沿って長手方向に向く。従って、病変は、浅い角度でのみニードルに進入され得る。そのため、気管支から径方向の場所における病変に到達することは難しい。更には、血管介入において正しい位置への経頸静脈性肝内門脈体循環シャント(TIPS)の配置が困難であることがある。これらの問題に対処することが必要とされている。
【0008】
経気管支介入及び血管介入を容易にする改良された手段を得ることは有利である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的は、独立請求項の主題によって解決され、更なる実施形態は、従属請求項に組み込まれる。以下に説明される本発明の態様及び実施例は、気管支鏡又は誘導シースのための誘導具を設計又は構成するための装置、気管支鏡又は誘導シースのための誘導具、経気管支又は血管介入のためのシステム、気管支鏡又は誘導シースのための誘導具を設計又は構成する方法、気管支鏡又は誘導シースによる経気管支又は血管介入のための方法、並びにコンピュータプログラム要素及びコンピュータ可読媒体にも適用されることが留意されるべきである。
【0010】
第1の態様において、添付の請求項1に定められる気管支鏡又は誘導シースのための誘導具を設計するための装置が提供される。
【0011】
第2の態様において、添付の請求項5に定められる気管支鏡又は誘導シースのための誘導具が提供される。
【0012】
第3の態様において、添付の請求項11において定められる経気管支又は血管介入のためのシステムが提供される。
【0013】
第4の態様において、添付の請求項13において定められる気管支鏡又は誘導シースのための誘導具を設計する方法が提供される。
【0014】
第5の態様において、添付の請求項14において定められる気管支鏡又は誘導シースによる経気管支又は血管介入のための方法が提供される。
【0015】
第1の実施形態において、気管支鏡又は誘導シースのための誘導具を設計又は構成するための装置が提供され、装置は、
入力ユニットと、
処理ユニットと
を含む。
【0016】
入力ユニットは、患者の少なくとも1つの診断画像を処理ユニットに提供するように構成される。少なくとも1つの診断画像は、関心領域の画像データ及び関心領域の近傍における気管支樹又は血管系の画像データを含む。処理ユニットは、関心領域の位置を決定し、及び、気管支鏡又は誘導シースを介して介入が実施されるべき気管支樹又は血管系における位置を決定するように構成される。介入は、関心領域に向かう介入デバイスの一部の移動を含む。気管支鏡又は誘導シースは、介入デバイスの一部が気管支鏡又は誘導シースの端部から出ることができるように構成される。処理ユニットは、介入デバイスの一部を関心領域に向かって誘導するために、気管支鏡又は誘導シースの長手軸に対する介入デバイスの一部の移動角度を決定するように構成され、決定は、関心領域の位置及び介入が実施されるべき気管支樹又は血管系における位置の利用を含む。処理ユニットは、気管支鏡又は誘導シースと連動して動作する気管支鏡又は誘導シースのための誘導具を設計又は構成するように構成される。設計又は構成は、介入デバイスの一部の決定された移動角度の利用を含む。誘導具は、気管支鏡又は誘導シースの端部を出た介入デバイスの一部を決定された移動角度で関心領域に向かって誘導するように気管支鏡又は誘導シースと連動して動作するように構成される。
【0017】
このようにして、ニードル又はTIPS介入デバイスなどの介入デバイスは、気管支鏡又は誘導シースの長手軸から有意にそらされ得る所望の角度で、気管支鏡又は誘導シースを出ることができ、故に、経気管支又はTIPS介入において目標とされる病変への改良されたアクセスを提供する。
【0018】
誘導具は、気管支鏡又は誘導シースからの介入が必要とされる角度を決定するために診断画像を利用することによって、患者に固有のやり方で設計又は構成される。
【0019】
実施例において、誘導具は、気管支鏡又は誘導シースの長手軸に対してある角度をなす部分を含み、これは移動角度である。
【0020】
実施例において、誘導具はチャンネルを備え、介入デバイスの一部がチャンネルの中を通って移動可能である。
【0021】
実施例において、誘導具の構成は、気管支鏡又は誘導シースの端部におけるバルーン又はプルワイヤの決定された展開を含む。
【0022】
こうして、標準的な誘導具が固定的な出口角度で使用され得、出口角度を手動で変更させるワイヤ又はプルワイヤの先端部のバルーンを使用して出口角度は修正され得る。
【0023】
第2の実施形態において、気管支鏡又は誘導シースのための誘導具が提供される。誘導具は、気管支鏡又は誘導シースの端部を出て延在する介入デバイスの一部を気管支鏡又は誘導シースの長手軸に対して決定された移動角度で誘導するように気管支鏡又は誘導シースと連動して動作するように構成される。
【0024】
このようにして、経気管支介入のために使用されるニードル、又は、例えばTIPSのために使用される介入デバイスなどの介入デバイスは、気管支鏡又は誘導シースの長手軸から有意にそらされ得る所望の角度で、気管支鏡又は誘導シースを出ることができ、故に、経気管支介入において目標とされる病変への改良されたアクセスを提供し、又は、経頸静脈性肝内門脈体循環シャント(TIPS)を正しい位置に配置する。
【0025】
長手軸に対する移動角度とは、長手軸に対して、及び長手軸に垂直な平面内の角度に対して角度があることを意味する。
【0026】
実施例において、誘導具は、気管支鏡又は誘導シースの長手軸に対してある角度をなす部分を含み、これは移動角度である。
【0027】
実施例において、誘導具はチャンネルを備え、介入デバイスの一部がチャンネルの中を通って移動可能である。
【0028】
実施例において、誘導具は、少なくとも1つの場所マーカーを含む。
【0029】
実施例において、誘導具は、気管支鏡又は誘導シースの長手軸に対して決定された移動角度で延在する介入デバイスの一部を、気管支鏡又は誘導シースの端部におけるバルーン又はプルワイヤの展開によって誘導するように構成される。
【0030】
実施例において、誘導具は、第1の態様の装置を使用して設計又は構成される。
【0031】
第3の実施形態において、経気管支又は血管介入のためのシステムが提供され、システムは、
気管支鏡又は誘導シースのための誘導具と、
気管支鏡又は誘導シースと
を含む。
【0032】
気管支鏡又は誘導シースは介入を実施するように構成され、介入は、関心領域に向かう介入デバイスの一部の移動を含み、気管支鏡又は誘導シースは、介入デバイスの一部が気管支鏡又は誘導シースの端部から出ることができるように構成される。誘導具は、気管支鏡又は誘導シースの端部を出た介入デバイスの一部を決定された移動角度で関心領域に向かって誘導するように気管支鏡又は誘導シースと連動して動作するように構成される。
【0033】
実施例において、気管支鏡又は誘導シースのための誘導具は、第1の態様の装置を使用して設計される誘導具である。
【0034】
第4の実施形態において、気管支鏡又は誘導シースのための誘導具を設計又は構成する方法が提供され、方法は、
a)患者の少なくとも1つの診断画像を処理ユニットに提供するステップであって、少なくとも1つの診断画像は、関心領域の画像データ及び関心領域の近傍における気管支樹又は血管系の画像データを含む、ステップと、
b)処理ユニットによって、関心領域の位置を決定するステップと、
c)処理ユニットによって、気管支鏡又は誘導シースを介して介入が実施されるべき気管支樹又は血管系における位置を決定するステップであって、介入は、関心領域に向かう介入デバイスの一部の移動を含み、気管支鏡又は誘導シースは、介入デバイスの一部が気管支鏡又は誘導シースの端部から出ることができるように構成される、ステップと、
d)処理ユニットによって、介入デバイスの一部を関心領域に向かって誘導するために、気管支鏡又は誘導シースの長手軸に対する介入デバイスの一部の移動角度を決定するステップであって、決定は、関心領域の位置及び介入が実施されるべき気管支樹又は血管系における位置の利用を含む、ステップと、
e)処理ユニットによって、気管支鏡又は誘導シースと連動して動作する誘導具を設計又は構成するステップであって、設計又は構成は、介入デバイスの一部の決定された移動角度の利用を含む、ステップと
を有し、
誘導具は、気管支鏡又は誘導シースの端部を出た介入デバイスの一部を決定された移動角度で関心領域に向かって誘導するように気管支鏡又は誘導シースと連動して動作するように構成される。
【0035】
第5の実施形態において、気管支鏡又は誘導シースによる経気管支又は血管介入のための方法が提供される。気管支鏡又は誘導シースは、誘導具を含む。気管支鏡又は誘導シースは介入を実施するように構成され、介入は、関心領域に向かう介入デバイスの一部の移動を含む。気管支鏡又は誘導シースは、介入デバイスの一部が気管支鏡又は誘導シースの端部から出ることができるように構成される。方法は、気管支鏡又は誘導シースと連動して誘導具を動作させ、気管支鏡又は誘導シースの端部を出た介入デバイスの一部を決定された移動角度で関心領域に向かって誘導及び移動させるステップを有する。
【0036】
別の態様によると、第1の態様の装置を制御するコンピュータプログラム要素であって、処理ユニットによって実行されると、第4の態様の方法のステップを実施するように適合されたコンピュータプログラム要素が提供される。
【0037】
別の態様によると、前述されたコンピュータ要素を記憶したコンピュータ可読媒体が提供される。
【0038】
コンピュータプログラム要素は、例えば、ソフトウェアプログラムであってよいが、FPGA、PLD又は任意の他の適切なデジタル手段であってもよい。
【0039】
有利には、上記の態様のうちの任意のものによって提供される利益は、他の態様の全てに同様に適用され、その逆も当てはまる。
【0040】
上記の態様及び実施例は、以下に説明される実施形態から明らかであり、これらを参照することによって明瞭になるであろう。
【0041】
以下において、以下の図面を参照して例示的な実施形態が説明される。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】気管支鏡又は誘導シースのための誘導具を設計又は構成するための装置の実施例の概略的構成を、この装置を使用して設計又は構成された誘導具の実施例とともに図示する。
図2】経気管支又は血管介入のためのシステムの実施例の概略的構成を図示する。
図3】気管支鏡又は誘導シースのための誘導具を設計又は構成するための方法を図示する。
図4】通常の気管支鏡又は誘導シースを使用したニードル設置を左の図に、通常の気管支鏡又は誘導シースと連動して動作する経気管支ニードル誘導具の実施例を使用したニードル設置を右の図に図示する。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1は、気管支鏡又は誘導シースのための誘導具を設計又は構成するための装置10の実施例を図示する。装置は、入力ユニット20と処理ユニット30とを含む。入力ユニットは、患者の少なくとも1つの診断画像を処理ユニットに提供するように構成される。少なくとも1つの診断画像は、関心領域の画像データ及び関心領域の近傍における気管支樹又は血管系の画像データを含む。処理ユニットは、関心領域の位置を決定し、及び、気管支鏡又は誘導シースを介して介入が実施されるべき気管支樹又は血管系における位置を決定するように構成される。介入は、関心領域に向かう介入デバイスの一部の移動を含む。気管支鏡又は誘導シースは、介入デバイスの一部が気管支鏡又は誘導シースの端部から出ることができるように構成される。処理ユニットは、介入デバイスの一部を関心領域に向かって誘導するために、気管支鏡又は誘導シースの長手軸に対する介入デバイスの一部の移動角度を決定するようにも構成される。移動角度の決定は、関心領域の位置及び介入が実施されるべき気管支樹又は血管系における位置の利用を含む。処理ユニットは、気管支鏡又は誘導シースと連動して動作する気管支鏡又は誘導シースのための誘導具を設計又は構成するようにも構成される。この処理は、設計又は構成を決定するために介入デバイスの一部の決定された移動角度を利用するように構成される。誘導具は、気管支鏡又は誘導シースの端部を出た介入デバイスの一部を決定された移動角度で関心領域に向かって誘導するように気管支鏡又は誘導シースと連動して動作するように構成される。
【0044】
実施例において、介入デバイスはニードルである。
【0045】
実施例において、治療は、病変内へのニードルの一部の挿入を含む。
【0046】
実施例において、介入デバイスは、TIPS介入において使用されるデバイスである。
【0047】
実施例において、関心領域は、病変内へのニードルの一部の挿入を通じて治療されることになる病変である。
【0048】
実施例において、関心領域は、例えば、門静脈と肝静脈との間のエリアであり、介入は、Colapintoニードルを前進させて門静脈及び肝静脈を接続し、TIPS処置の一部としてそれらの間にシャントを作ることを含む。
【0049】
実施例において、誘導具は、気管支鏡又は誘導シースの端部に固定されることになる構造として設計される。
【0050】
このようにして、気管支鏡又は誘導シースの先端部に装着され得る患者に固有の誘導具が提供され、ニードル又はTIPS介入デバイスなどの介入デバイスのための既定の出口角度を提供する。
【0051】
こうして、誘導具の形状は、気管支(静脈/動脈)から目標への経路に沿った構造を検討し、介入がそこを出る気管支の位置及び方向、及び結節/腫瘍/病変の位置から自動的に計算され得る。
【0052】
実施例によると、誘導具は、気管支鏡又は誘導シースの長手軸に対してある角度をなす部分を含み、これは移動角度である。
【0053】
実施例によると、誘導具はチャンネルを備え、介入デバイスの一部がチャンネルの中を通って移動可能である。
【0054】
実施例において、構造は、複数のデバイス、例えば複数のアブレーションニードル、TIPS介入デバイスのための複数のチャンネルと、例えば気管支の安定化を促進するデバイスのための出口とを有する。
【0055】
実施例において、気管支鏡又は誘導シースの端部に固定されることになる構造は、気管支鏡又は誘導シースに固定されたときに、構造内に進入することができ、移動角度で構造を出ることができるように構成される。
【0056】
実施例において、気管支鏡又は誘導シースの端部に固定されることになる構造は、楔形形状を有し、楔形形状は、気管支鏡又は誘導シースの長手軸に対して移動角度で角度を付けられた表面を含む。
【0057】
実施例において、気管支鏡又は誘導シースの端部に固定されることになる構造は、3D印刷可能である。
【0058】
実施例において、気管支鏡又は誘導シースの端部に固定されることになる構造は、少なくとも1つの場所マーカーを含む。
【0059】
実施例において、少なくとも1つの場所マーカーは、少なくとも1つのX線で可視のマーカーを含む。
【0060】
実施例において、少なくとも1つの場所マーカーは、気管支鏡又は誘導シースの長手軸に対する構造の向きが決定され得るように構造上に及び/又はその中に位置付けられる。
【0061】
実施例において、少なくとも1つの場所マーカーは、誘導具の向きが誘導具のX線画像から決定され得るように構成される。
【0062】
実施例において、少なくとも1つの場所マーカーは、EM位置特定システムなどの位置特定システムを使用して誘導具の向きが決定され得るように構成される。
【0063】
実施例によると、誘導具の構成は、気管支鏡又は誘導シースの端部におけるバルーン又はプルワイヤの決定された展開を含む。
【0064】
実施例において、バルーン又はプルワイヤの決定された展開は、ニードルの一部の移動を移動角度へと修正するように設計される。
【0065】
図1は、気管支鏡又は誘導シースのための誘導具100の実施例も図示する。誘導具は、上述された装置10を使用して設計又は構成され得るが、これは必須ではない。誘導具は、気管支鏡又は誘導シースの端部を出て延在する介入デバイスの一部を気管支鏡又は誘導シースの長手軸に対して決定された移動角度で誘導するように気管支鏡又は誘導シースと連動して動作するように構成される。
【0066】
実施例において、誘導具は経気管支ニードル誘導具である。
【0067】
実施例において、誘導具は、気管支鏡又は誘導シースの端部に固定されるように構成される。
【0068】
実施例によると、誘導具は、気管支鏡又は誘導シースの長手軸に対してある角度をなす部分を含み、これは移動角度である。
【0069】
実施例によると、誘導具はチャンネルを備え、介入デバイスの一部がチャンネルの中を通って移動可能である。
【0070】
実施例において、誘導具は、気管支鏡又は誘導シースに固定されたときに、介入デバイスの一部が誘導具内に進入することができ、移動角度で誘導具を出ることができるように構成される。
【0071】
実施例において、誘導具は楔形形状を有し、楔形形状は、気管支鏡又は誘導シースの長手軸に対して移動角度で角度を付けられた表面を含む。
【0072】
実施例において、誘導具は、3D印刷可能である。
【0073】
実施例によると、誘導具は、少なくとも1つの場所マーカーを含む。
【0074】
実施例において、少なくとも1つの場所マーカーは、少なくとも1つのX線で可視のマーカーを含む。
【0075】
実施例において、少なくとも1つの場所マーカーは、気管支鏡又は誘導シースの長手軸に対する誘導具の向きが決定され得るように、誘導具上に及び/又はその中に位置付けられる。
【0076】
実施例において、少なくとも1つの場所マーカーは、誘導具の向きが誘導具のX線画像から決定され得るように構成される。
【0077】
実施例において、少なくとも1つの場所マーカーは、EM位置特定システムなどの位置特定システムを使用して誘導具の向きが決定され得るように構成される。
【0078】
実施例によると、誘導具は、気管支鏡又は誘導シースの長手軸に対して決定された移動角度で延在する介入デバイスの一部を、気管支鏡又は誘導シースの端部におけるバルーン又はプルワイヤの展開によって誘導するように構成される。
【0079】
実施例において、誘導具は、介入デバイスの一部の移動を移動角度へと修正するようにバルーン又はプルワイヤを展開するように構成される。
【0080】
実施例によると、上に論じられたように、誘導具は、上述された装置10を使用して設計又は構成される。
【0081】
図2は、経気管支又は血管介入のためのシステム200を図示する。システム200は、気管支鏡又は誘導シースのための誘導具110を含む。これは、図1を参照して上述された誘導具100であってよく、誘導具110は、装置10を使用して設計される必要はない。システムは、気管支鏡210又は誘導シース220も含む。
【0082】
気管支鏡又は誘導シースは介入を実施するように構成され、介入は、関心領域に向かう介入デバイスの一部の移動を含む。気管支鏡又は誘導シースは、介入デバイスの一部が気管支鏡又は誘導シースの端部から出ることができるように構成される。誘導具は、気管支鏡又は誘導シースの端部を出た介入デバイスの一部を決定された移動角度で関心領域に向かって誘導するように気管支鏡又は誘導シースと連動して動作するように構成される。
【0083】
実施例において、誘導具は経気管支ニードル誘導具である。
【0084】
実施例において、誘導具は、TIPS介入において使用される誘導具である。
【0085】
実施例において、経気管支ニードル誘導具又はTIPS誘導具などの誘導具は、気管支鏡又は誘導シースの端部に固定される。
【0086】
実施例において、誘導具は、気管支鏡又は誘導シースに直接的に3D印刷され、それによって特に安定した接続を提供する。
【0087】
実施例において、誘導具は、構造上に及び/又はその中に位置付けられた少なくとも1つの場所マーカーを含む。気管支又は血管系内で回転自由度があるので、誘導具上/内の場所マーカー/構造は、結節/腫瘍/病変に到達するために誘導具の3D位置が正しいかを検知することを補助し得る。例えば、X線透視又は他のEM位置特定システムなどの適切な位置特定システムが、向きを決定するために使用され得、従って、場所マーカーは、X線領域において可視であるマーカーであってよい。
【0088】
実施例において、気管支鏡又は誘導シースは、誘導具の中を通過したニードルなどの介入デバイスの長さを示すように構成されたセンサを含む。このようにして、介入デバイスがその目標(必要とされる病変の部分)に到達したときに、そのことが判定され得る。
【0089】
実施例によると、気管支鏡又は誘導シースのための誘導具は、図1に関して説明された装置10を使用して設計された誘導具である。
【0090】
実施例において、システムは、少なくとも1つの画像を取得するように構成された画像取得ユニット230を含む。
【0091】
実施例において、画像取得ユニットは、3D画像データのためのCT X線ユニットである。実施例において、画像取得ユニットは、コーンビームCT X線ユニットである。実施例において、画像取得ユニットは、MRIユニットである。
【0092】
気管支鏡又は誘導シースによる経気管支又は血管介入のための関連する方法も提供され、気管支鏡又は誘導シースは、誘導具を含む。気管支鏡又は誘導シースは介入を実施するように構成され、介入は、関心領域に向かう介入デバイスの一部の移動を含む。気管支鏡又は誘導シースは、介入デバイスの一部が気管支鏡又は誘導シースの端部から出ることができるように構成される。方法は、気管支鏡又は誘導シースと連動して誘導具を動作させ、気管支鏡又は誘導シースの端部を出た介入デバイスの一部を決定された移動角度で関心領域に向かって誘導及び移動させるステップを有する。
【0093】
実施例において、誘導具は経気管支ニードル誘導具である。
【0094】
実施例において、誘導具は、TIPS介入において使用される誘導具である。
【0095】
実施例において、誘導具は経気管支ニードル誘導具又はTIPS誘導具であり、方法は、誘導具を気管支鏡又は誘導シースの端部に固定するステップを有する。
【0096】
実施例において、方法は、誘導具を気管支鏡又は誘導シースに直接的に3D印刷するステップを有し、それによって特に安定した接続を提供する。
【0097】
実施例において、誘導具は、構造上に及び/又はその中に位置付けられた少なくとも1つの場所マーカーを含む。
【0098】
実施例において、方法は、気管支鏡又は誘導シースのセンサによって、誘導具の中を通過したニードルなどの介入デバイスの長さを感知するステップを有する。
【0099】
実施例において、気管支鏡又は誘導シースのための誘導具は、図3とともに説明され、以下において論じられる気管支鏡又は誘導シースのための誘導具を設計又は構成する方法を使用して設計又は構成された誘導具である。
【0100】
実施例において、方法は、構成された画像取得ユニットによって、少なくとも1つの画像を取得するステップを有する。
【0101】
実施例において、画像取得ユニットは、3D画像データのためのCT X線ユニットである。実施例において、画像取得ユニットは、コーンビームCT X線ユニットである。実施例において、画像取得ユニットは、MRIユニットである。
【0102】
図3は、気管支鏡又は誘導シースのための誘導具を設計又は構成する方法300を、その基本的なステップにおいて図示する。方法は、
ステップa)とも称される提供ステップ310における、患者の少なくとも1つの診断画像を処理ユニットに提供し、少なくとも1つの診断画像は、関心領域の画像データ及び関心領域の近傍における気管支樹又は血管系の画像データを含む、ステップと、
ステップb)とも称される決定ステップ320における、処理ユニットによって、関心領域の位置を決定するステップと、
ステップc)とも称される決定ステップ330における、処理ユニットによって、気管支鏡又は誘導シースを介して介入が実施されるべき気管支樹又は血管系における位置を決定し、介入は、関心領域に向かう介入デバイスの一部の移動を含み、気管支鏡又は誘導シースは、介入デバイスの一部が気管支鏡又は誘導シースの端部から出ることができるように構成される、ステップと、
ステップd)とも称される決定ステップ340における、処理ユニットによって、介入デバイスの一部を関心領域に向かって誘導するために、気管支鏡又は誘導シースの長手軸に対する介入デバイスの一部の移動角度を決定し、決定は、関心領域の位置及び介入が実施されるべき気管支樹又は血管系における位置の利用を含む、ステップと、
ステップe)とも称される設計ステップ350又は構成ステップ360における、処理ユニットによって、気管支鏡又は誘導シースと連動して動作する誘導具を設計又は構成し、設計又は構成は、介入デバイスの一部の決定された移動角度の利用を含む、ステップと
を有し、
誘導具は、気管支鏡又は誘導シースの端部を出た介入デバイスの一部を決定された移動角度で関心領域に向かって誘導するように気管支鏡又は誘導シースと連動して動作するように構成される。
【0103】
実施例において、少なくとも1つの診断画像は、入力ユニットから提供される。
【0104】
実施例において、入力ユニットは、画像取得ユニット230を含む。
【0105】
実施例において、ステップe)は、気管支鏡又は誘導シースの端部に固定されることになる構造を設計するステップ351を有する。
【0106】
実施例において、ステップe)は、気管支鏡又は誘導シースの長手軸に対してある角度をなす部分を含み、これは移動角度であるように、気管支鏡又は誘導シースの端部に固定されることになる構造を設計するステップ352を有する。
【0107】
実施例において、ステップe)は、介入デバイスの一部がチャンネルの中を通って移動可能な当該チャンネルを含むように気管支鏡又は誘導シースの端部に固定されることになる構造を設計するステップ353を有する。
【0108】
実施例において、ステップe)は、気管支鏡又は誘導シースに固定されたときに、介入デバイスの一部が構造内に進入することができ、移動角度で構造を出ることができるように構成されるように気管支鏡又は誘導シースの端部に固定されることになる構造を設計するステップ354を有する。
【0109】
実施例において、ステップe)は、楔形形状を有するように気管支鏡又は誘導シースの端部に固定されることになる構造を設計するステップ355を有する。
【0110】
実施例において、ステップe)は、3D印刷可能な構造として気管支鏡又は誘導シースの端部に固定されることになる構造を設計するステップ356を有する。
【0111】
実施例において、ステップe)は、少なくとも1つの場所マーカーを含むように気管支鏡又は誘導シースの端部に固定されることになる構造を設計するステップ357を有する。実施例において、ステップe)は、少なくとも1つのX線で可視のマーカーを含むように気管支鏡又は誘導シースの端部に固定されることになる構造を設計するステップを有する。
【0112】
実施例において、ステップe)は、気管支鏡又は誘導シースの長手軸に対する構造の向きが決定され得るように構造上に又はその中に位置付けられるように、少なくとも1つの場所マーカーを設計するステップ358を有する。
【0113】
実施例において、少なくとも1つの場所マーカーは、誘導具の向きが誘導具のX線画像から決定され得るように構成される。
【0114】
実施例において、少なくとも1つの場所マーカーは、EM位置特定システムなどの位置特定システムを使用して誘導具の向きが決定され得るように構成される。
【0115】
実施例において、ステップe)は、気管支鏡又は誘導シースの端部におけるバルーン又はプルワイヤの決定された展開を提供するように誘導具を構成するステップ361を有する。
【0116】
実施例において、ステップe)は、ニードルの一部の移動を移動角度へと修正することによってバルーン又はプルワイヤの決定された展開を提供するように誘導具を構成するステップ362を有する。
【0117】
次に、図1図3に関して説明された気管支鏡又は誘導シースのための誘導具を設計又は構成するための装置、装置を使用して設計又は構成され得る誘導具、経気管支又は血管介入のためのシステム、及び関連する方法、並びに気管支鏡又は誘導シースのための誘導具を設計又は構成するための方法は、図4を参照して説明される詳細な実施例を参照してより詳細に説明される。この特定の実施例において、誘導具は、経気管支介入において使用される経気管支ニードル誘導具である。しかしながら、誘導具は、TIPS処置におけるシャントの設置のためなど、他の介入においても有用性がある。
【0118】
図4は、気管支鏡又は誘導シースの先端部に経気管支ニードル誘導具を有さない場合(左側)及び有する場合(右側)のニードル設置の図を示す。この右側の実施例においては、経気管支ニードル誘導具が3D印刷されている。図は、病変を有する気管支樹を図示する。左側の図においては、(気管支鏡又は誘導シースの端部を出た)ニードルは、病変を部分的にしか貫通できていない。右側の図においては、誘導シースの先端部の3D印刷されたニードル誘導具が、病変の中央においてニードルの改良された設置を可能にしている。
【0119】
図4において図示された経気管支ニードル誘導具は、以下のようなやり方で設計された。診断画像が記録され、画像から病変の場所及び近接した気管支が特定された。これは、例えばCTスキャン又はMRIスキャンであってよい。病変にそこからアクセスし得る適切な場所を特定する処置経路の計画が実施された。この場所に影響を与える情報は、気管支に対する病変の相対位置、病変の形状、病変への所望の進入角度、周囲の組織における血管の場所である。
【0120】
計画された処置経路に基づいて、経気管支ニードル誘導具の先端部に必要とされる形状が決定される。すなわち、計画された処置経路において気管支鏡又は誘導シースの向き及び場所が定められる。この向き及び場所に対する病変の相対位置が、ニードル誘導具の先端部から必要とされる出口角度を定める。また、計画された気管支鏡又は誘導シースのタイプもこのステップに影響を与える。
【0121】
ニードル誘導具の先端部は現場で3D印刷され、気管支鏡又は誘導シースに装着される。
【0122】
加えて、3D印刷された誘導具の先端部は、複数のデバイス、例えば、複数のアブレーションニードルのための定められた出口、又は気管支における安定化を促進するデバイスのための出口、及びニードルのための別の出口を有し得る。誘導先端部は、安定した接続を提供するために誘導シースに直接的に3D印刷されてもよい。また、3D印刷された誘導先端部は、X線血管造影画像からのその位置及び向きの正確な視覚的推定を可能とするX線に対して不透明なマーカーを含んでよく、必要に応じて誘導具の位置のライブ追跡が実施され得る。更に、3D印刷された先端部の事前計算されたX線陰影画像が、正しい向き及び位置に到達したかを示すために使用され得る。自動的なX線透視撮影に基づいた先端部の3D追跡もこのやり方によって達成され得る。X線に対して不透明なマーカーは、印刷されたモデルに接続する誘導シースの一部であってよく、印刷プロセスの一部として適用されてよく、又は、先端部が印刷されるマトリックスの一部であってよい。
【0123】
別の例示的な実施形態において、先行する実施形態のうちの1つによる方法のステップを適切なシステム上で実行するように構成されることを特徴とするコンピュータプログラム又はコンピュータプログラム要素が提供される。
【0124】
従って、コンピュータプログラム要素は、これも実施形態の一部であるコンピュータユニットに記憶される。このコンピューティングユニットは、上述された方法のステップを実施するように又は実施を誘発するように構成される。更には、コンピューティングユニットは、上述された装置及び/又はシステムのコンポーネントを動作させるように構成される。コンピューティングユニットは、自動的に動作するように、及び/又は、ユーザの命令を実行するように構成され得る。コンピュータプログラムは、データプロセッサの作業メモリ内にロードされる。故に、データプロセッサは、先行する実施形態のうちの1つによる方法を実施するために備えられる。
【0125】
本発明のこの例示的な実施形態は、本発明を最初から使用するコンピュータプログラム、及び更新によって既存のプログラムを本発明を使用するプログラムに変えるコンピュータプログラムの両方をカバーする。
【0126】
更に、コンピュータプログラム要素は、上述された方法の例示的な実施形態の手順を遂行するための全ての必要なステップを提供することができる。
【0127】
本発明の更なる例示的な実施形態によると、CD-ROM、USBスティックなどのコンピュータ可読媒体が提供され、コンピュータ可読媒体は、先行する段落によって説明されたコンピュータプログラム要素を記憶している。
【0128】
コンピュータプログラムは、他のハードウェアとともに又は他のハードウェアの一部として供給される光学的記憶媒体又は固体媒体などの適切な媒体上に記憶及び/又は分配されてよいが、インターネット又は他の有線若しくは無線遠隔通信システムを介してなど、他の形態で分配されてもよい。
【0129】
しかしながら、コンピュータプログラムは、ワールドワイドウェブなどのネットワークを介して提供されてもよく、このようなネットワークからデータプロセッサの作業メモリにダウンロードされ得る。本発明の更なる例示的な実施態様によると、前述された本発明の実施形態のうちの1つによる方法を実施するように構成されたコンピュータプログラム要素を、ダウンロードのために利用可能とする媒体も提供される。
【0130】
本発明の実施形態は、様々な主題に関して説明されていることに留意されたい。特には、いくつかの実施形態は方法タイプの請求項に関して説明されている一方、他の実施形態はデバイスタイプの請求項に関して説明されている。しかしながら、当業者は、上記及び下記の説明から、そうでないことが通告されていない限り、1つのタイプの主題に属する特徴の任意の組合せに加えて、異なる主題に関する特徴の間の任意の組合せも本出願によって開示されるとみなされることを推測されよう。しかしながら、全ての特徴は、特徴を単に合わせたものよりも大きい相乗効果を提供するように組み合わされ得る。
【0131】
図面及び前述の説明において、本発明が詳細に図示され、説明されたが、このような図示及び説明は、制限的なものではなく、説明又は例示的なものであるとみなされるべきである。本発明は、開示された実施形態に限定されるものではない。特許請求された発明を実践するにあたって、図面、本開示、及び従属請求項を検討することから、開示された実施形態に対する他の変形例が、当業者によって理解及び実行され得る。
【0132】
特許請求の範囲において、「備える、有する」という語は、他の要素又はステップを排除するものではなく、単数形は、複数性を排除するものではない。単一のプロセッサ又は他のユニットが、特許請求の範囲に記載されたいくつかのアイテムの機能を遂行し得る。特定の手段が、相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組合せが有利に使用され得ないことを示すものではない。特許請求の範囲におけるいかなる参照符号も、その範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
図1
図2
図3
図4