(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-21
(45)【発行日】2024-01-04
(54)【発明の名称】加工物をレーザビームによって加工するためのレーザ加工システムとレーザ加工システムを制御する方法
(51)【国際特許分類】
B23K 26/00 20140101AFI20231222BHJP
B23K 26/03 20060101ALI20231222BHJP
B23K 26/24 20140101ALI20231222BHJP
G01B 11/22 20060101ALI20231222BHJP
【FI】
B23K26/00 P
B23K26/03
B23K26/24
G01B11/22 G
(21)【出願番号】P 2021547730
(86)(22)【出願日】2020-01-20
(86)【国際出願番号】 EP2020051247
(87)【国際公開番号】W WO2020164862
(87)【国際公開日】2020-08-20
【審査請求日】2021-10-15
(31)【優先権主張番号】102019103734.4
(32)【優先日】2019-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】516234100
【氏名又は名称】プレシテック ゲーエムベーハー ウント ツェーオー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】モーザー リューディガー
【審査官】黒石 孝志
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0041196(US,A1)
【文献】独国特許発明第102015012565(DE,B3)
【文献】特開2018-153842(JP,A)
【文献】特開平11-125510(JP,A)
【文献】特開2012-236196(JP,A)
【文献】特開2006-263771(JP,A)
【文献】特開平11-226766(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/00 - 26/70
G01B 11/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ加工システム(100、200、300)、特に、加工物(10)をレーザビーム(148)によって加工するためのレーザ溶接システムであって、
レーザビームを加工物(10)に向けて蒸気毛細管(12)を生成するためのレーザ加工ヘッド(122)と、
前記蒸気毛細管(12)の深さを光測定ビーム(126)によって測定するための光測定装置(128)と、
前記蒸気毛細管(12)及び前記加工物(10)上の前記光測定ビーム(126)によって生成された測定スポット(18)を含む前記加工物(10)の領域の画像(400)をキャプチャするように構成された画像取得ユニット(152)と、を備え、
前記測定スポット(18)の位置及び前記蒸気毛細管(12)の位置を、前記蒸気毛細管(12)の深さを測定するために前記キャプチャされた画像(400)に基づき決定するように構成され
ることであって、加工方向における前記蒸気毛細管(12)の後方縁部の点を、前記蒸気毛細管(12)の前記深さを測定するため前記蒸気毛細管(12)の位置として決定するように構成され、そして、
ここで前記測定スポット(18)の前記位置を、決定された前記蒸気毛細管(12)の前記位置に調整し、前記蒸気毛細管(12)の前記深さを測定するように構成された調整装置を更に備える、ことを特徴とする、
レーザ加工システム。
【請求項2】
前記光測定装置(128)が光コヒーレンストモグラフィを含む、請求項
1に記載のレーザ加工システム。
【請求項3】
前記画像取得ユニット(152)が、前記レーザビーム(148)の波長範囲を遮断するように構成されたノッチフィルタ(154)を含む、請求項1
又は2に記載のレーザ加工システム。
【請求項4】
前記画像取得ユニット(152)が、前記蒸気毛細管(12)によって放出される熱放射の波長範囲及び/又は前記光測定ビーム(126)の波長範囲においてスペクトル感度を有する、請求項1~
3のいずれか一項に記載のレーザ加工システム。
【請求項5】
前記画像取得ユニット(152)が、カメラ、CCDカメラ、ビデオカメラ、CMOSカメラ、及び赤外線カメラのうちの少なくとも1つを含む、請求項1~
4のいずれか一項に記載のレーザ加工システム。
【請求項6】
前記画像取得ユニット(152)が、前記レーザ加工ヘッド(122)上に同軸に配置される、請求項1~
5のいずれか一項に記載のレーザ加工システム。
【請求項7】
前記画像取得ユニット(152)及び前記光測定ビーム(126)の光軸が、少なくとも部分的に平行及び/又は同軸に延びる、請求項1~
6のいずれか一項に記載のレーザ加工システム。
【請求項8】
前記加工物(10)の前記取得された領域を可視光及び/又は赤外光によって照明するための照明ユニット(256)、を更に備える、
請求項1~
7のいずれか一項に記載のレーザ加工システム。
【請求項9】
前記照明ユニット(256)は、前記照明ユニット(256)からの光が前記レーザ加工ヘッド(122)の外側の前記加工物(10)に向けられるように配置される、請求項
8に記載のレーザ加工システム。
【請求項10】
前記照明ユニット(256)は、前記レーザビーム(148)及び/又は前記光測定ビーム(126)及び/又は前記画像取得ユニット(152)のビーム経路に光を結合するように構成される、請求項
8に記載のレーザ加工システム。
【請求項11】
前記測定スポット(18)を可視化するための可視化ビームを、前記光測定ビーム(126)
のビーム経路に結合するように構成された可視化ユニット(370)を更に備え、
ここで前記可視化ビームによって生成された可視化スポットは前記測定スポット(18)と同心であり、
ここで前記可視化ビームの波長は前記光測定ビーム(126)の波長とは異なる、
請求項1~
10のいずれか一項に記載のレーザ加工システム。
【請求項12】
前記可視化ユニット(370)は、前記可視化ビームを、前記光測定ビーム(126)が案内される前記光測定装置(128)の光ファイバ(142)に結合するように構成される、請求項
11に記載のレーザ加工システム。
【請求項13】
前記測定スポット(18)の前記位置を前記蒸気毛細管(12)の前記位置に対してリアルタイムで制御し、前記蒸気毛細管の最大深さを連続的に決定するように構成された計算ユニットを更に備える、請求項1~
12のいずれか一項に記載のレーザ加工システム。
【請求項14】
レーザ加工システム、特にレーザ溶接システムを制御する方法(700)であって、
レーザビーム(148)を加工物(10)に向け、蒸気毛細管(12)を生成するステップ(710)と、
光測定ビーム(126)を前記加工物(10)に向け、前記蒸気毛細管(12)の深さを測定するステップ(720)と、
前記蒸気毛細管(12)及び前記光測定ビーム(126)によって生成された測定スポット(18)を含む、前記加工物(10)の領域の画像(400)を取得するステップ(730)と、を含み、
前記取得された画像(400)に基づき、前記測定スポット(18)の位置及び前記蒸気毛細管(12)の位置を決定
することであって、加工方向における前記蒸気毛細管(12)の後方縁部の点を、前記蒸気毛細管(12)の前記深さを測定するため前記蒸気毛細管(12)の位置として決定して、前記蒸気毛細管(12)の前記深さを測定するステップ(740)であって、
前記蒸気毛細管(12)の前記深さを測定するために、前記測定スポット(18)の前記位置を前記蒸気毛細管(12)の前記決定された位置に調整すること、を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工物をレーザビームによって加工するためのレーザ加工システム、特にレーザ溶接システムと、レーザ加工システムを制御する方法に関する。本発明は、好ましくは、干渉距離測定のための光コヒーレンストモグラフィを備えたレーザ加工システムと、それを制御する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
加工物をレーザビームによって加工するための加工システムにおいて、レーザ光源又は光ファイバの端部から出るレーザビームは、加工される加工物の上に、導光及び集光光学系の補助の下で集光又はコリメートされる。加工は、例えば、レーザ切断、レーザはんだ付け又はレーザ溶接、特にレーザ深溶接を含み得る。レーザ加工システムは、例えば、レーザ加工ヘッド、特に溶接ヘッドを含み得る。
【0003】
レーザビームが加工される加工物に照射されると、加工物の材料、例えば金属は、照射領域でレーザ出力によって非常に激しく加熱され、その領域で蒸気状態又はプラズマ状態に変化する。この領域は、いわゆる「蒸気毛細管」又は「キーホール」と呼ばれる。
【0004】
レーザ溶接から生じる蒸気毛細管の深さを、可能な限り正確に決定又は測定することが望ましい。蒸気毛細管の深さは、例えば、溶接深さ、すなわち、金属が溶接プロセス中に溶融された深さに依存する。蒸気毛細管の深さは、通常、蒸気毛細管の最深点で測定される。この位置は、「キーホール底部」又は「加工底部」とも呼ばれる。本開示において、「蒸気毛細管の深さ」又は「キーホールの深さ」は、蒸気毛細管の最大深さを示す。
【0005】
蒸気毛細管の深さは非常に興味深く、一方では、蒸気毛細管の深さを知ることは、溶接継手の強度についての結論、すなわち、溶接が十分に深いかどうかについての結論を導くことを可能にし、他方では、蒸気毛細管の深さを知ることは、裏側の溶接シームが見えないこと、すなわち、望ましくない溶込み(root penetration)がないことを確実にし得る。
【0006】
図1は、レーザ加工プロセス、特に、溶接プロセス中に加工される加工物10の概略断面図であり、レーザ加工システムによって実行される。レーザ加工プロセス中に、レーザビーム148は、加工物10の表面16にレーザ加工システムのレーザ加工ヘッド(図示せず)によって照射され、レーザビームは表面16上を、いわゆる加工方向80に沿って移動している。
【0007】
この間、蒸気毛細管12は、レーザビーム148が照射される加工物10の表面16と加工物10内の特定の深さまでとの間の領域に形成される。蒸気毛細管の領域では、加工物10の材料は、照射されたレーザ出力によって非常に激しく加熱され、蒸発する。言い換えると、蒸気毛細管12の領域内の材料は、蒸気の状態にある。蒸気毛細管12は、材料が溶融状態、つまり液体状態にある領域14によって取り囲まれる。領域は「溶融池」とも呼ばれる。
【0008】
蒸気毛細管の深さは、通常、スペクトル干渉距離測定又は光コヒーレンストモグラフィ(「OCT」)による光距離測定を使用して非接触で測定される。この目的のために、
図1に示されるように、蒸気毛細管12の深さを測定するための光コヒーレンストモグラフィ(図示せず)の光測定ビーム126は、加工物10の上に照射される。加工物10への測定ビームの入射点、いわゆる測定スポットで、測定ビームは、光コヒーレンストモグラフィにおいて加工物10によって反射して戻される。測定ビーム126は、レーザビーム148に対して実質的に平行又は同軸に延びてもよい。
【0009】
蒸気毛細管の深さを正確に測定できるようにするために、光測定ビームは、測定ビームからの光が蒸気毛細管の下端部に達し、かつそこから反射された光が光コヒーレンストモグラフィに戻るように、位置合わせされる必要がある。
【0010】
しかし、蒸気毛細管の幾何学形状的特性、例えば、形状、サイズ等、及び加工物表面上のそれらの位置は、レーザ加工プロセスのパラメータに依存することを理解する必要がある。送り速度に加えて、加工方向、レーザビームの集光サイズ、加工物の材料、及び溶接幾何学形状、つまり溶接の形状又はコース等のパラメータも重要な役割を果たす。
【0011】
例えば、レーザビームの送り速度の変化は、蒸気毛細管の特性に以下の影響、つまり蒸気毛細管の前方壁の傾斜角の増減、蒸気毛細管の最深点(いわゆる「キーホール底部」)の、又は溶接がウェイク(wake)を通る場合の蒸気毛細管の下部開口の位置におけるシフト、加工方向の蒸気毛細管の開口の増減、あるいはレーザビームの横方向の集光位置に対する蒸気毛細管の開口の位置のシフトを与え、これは加工物表面上の点が蒸気毛細管を形成するのに十分な温度に達するまでに一定の時間がかかるためである。
【0012】
蒸気毛細管の幾何学形状的特性、特にその位置とサイズは、上記のように、実行されるレーザ加工プロセスのパラメータに依存するため、光測定ビームは、それぞれのレーザ加工プロセスに調整可能である必要があり、又はそれぞれのレーザ加工プロセス中に制御可能である必要がある。特に、加工物への測定ビームの入射点(「測定ビームの位置」とも呼ばれる)又は測定ビームの集光位置は、調整可能又は制御可能である必要がある。特に、材料表面上の測定ビームの位置又は加工物表面上の測定ビームの入射点は、加工物表面上の蒸気毛細管の位置に対して調整可能又は制御可能である必要があり、その結果、測定ビームは常に溶接深さ測定のための正確な位置で加工物に衝突することが確認される。加工物表面上の位置は、「横方向位置」とも呼ばれる。
【0013】
線形溶接シーム、すなわち直線溶接シームの場合、蒸気毛細管の位置に対する測定スポットの適切な位置は、それぞれ設定されたプロセスパラメータに対して事前に決定又は設定されてもよく、その後、 溶接プロセスの実行中は変更されなくてもよい。したがって、線形溶接シームの場合、それぞれのパラメータのための静的位置があり得る。
【0014】
蒸気毛細管の最深点を測定するために、溶接深さ測定のための光測定ビームの最適な位置が、溶接プロセスのパラメータの各セットについて決定される必要があり、その後に溶接プロセスが実行される。すなわち、セッティング、例えば、レーザビーム又はレーザ加工ヘッドに対する光測定ビームの向き、集光位置、及び/又は位置を事前に決定する必要がある。しかし、測定ビームの位置の変化、例えばレーザ加工システムの偏向ユニットのドリフト又は別の不正確さのための変化は排除されず、溶接プロセス中の理想的な測定位置からの逸脱につながる。ガルバノスキャナを測定ビームの偏向ユニットとして使用する場合、ドリフトを防ぐことは困難である。特に大量生産では、蒸気毛細管の位置に対する測定ビームの位置が数週間、数ヶ月、又は数年の間、変化しないことを保証する必要がある。更に、加工物の試験溶接は、測定ビームの位置の説明された事前設定に必要であり、パラメータのそれぞれのセットについて、蒸気毛細管の最深位置が測定ビームの事前設定位置を使用して測定されることを保証する。
【0015】
湾曲した溶接シーム又は溶接トラック(例えば、90°の曲線、螺旋状、C字形の幾何学形状等)の場合、測定スポットの位置を溶接プロセス中に調整する必要がある。溶接プロセス中の任意の時点で、測定スポットの溶接深さ測定のための最適な位置を知る必要があり、またその位置へレーザ加工プロセス中に正確に到達して、蒸気毛細管に関する不正確な深さ情報を受け取らないようにする必要がある。湾曲した溶接シームの場合、蒸気毛細管の最深点を決定する方法は、したがって非常に複雑であり、これは湾曲した溶接シームの各セグメントが、各セグメントに対して事前に決定又は設定される測定スポットの異なる最適位置を有するためである。正確な溶接深さ測定のために、したがってセグメントは非常に小さくなるよう選択されるか、又は補間がセグメント間で実行される必要がある。
【0016】
通常、光コヒーレンストモグラフィは単一の測定ビームを有する。したがって、距離測定は、加工物表面の単一点のみで任意の時点に実行され得る。これは、測定が、蒸気毛細管の最深点又はその近傍(例えば、蒸気毛細管の側壁、加工物表面、又はシーム上部ビード)のいずれかで行われ得ることを意味する。測定ビームが所定の位置で変化しない場合、得られた距離情報から、測定ビームの位置が蒸気毛細管の最深点であるか、又は測定ビームが蒸気毛細管の側壁に衝突するかを判断することはできない。
【0017】
蒸気毛細管に関する情報を光コヒーレンストモグラフィに加えて取得するための別の装置がない場合、測定ビームの位置を加工物表面上で移動させ、高さプロファイル(「深さプロファイル」とも呼ばれる)又はトポグラフィを、光測定ビームの方向から既知の測定スポットの位置及び決定された距離情報に基づいて作成する必要がある。これは「トポグラフィ測定」とも呼ばれる。そこから、蒸気毛細管の最深点が置かれる位置は、決定又は推定され得る。
図2は、蒸気毛細管の測定された深さプロファイルの例を、加工方向に沿い、又は加工方向に平行して(
図2A)、及びレーザビームの加工方向を横断して(
図2B)示す。蒸気毛細管はピークとして認識され得る。
【0018】
したがって、光測定ビームは、高さプロファイルが作成されている間、又はトポグラフィが測定されている間、一時的に蒸気毛細管の最深点にない。その結果、溶接深さに関する信頼できる情報は、この時間は収集され得ない。光コヒーレンストモグラフィの高いスキャンレート(kHz又はMHz範囲)と高速ビーム偏向ユニット(ガルバノスキャナ等)を使用することによって、この時間は短縮され得るが、ゼロに減少されない。特に、溶接深さが所定値に制御される場合、蒸気毛細管の最深点に関する情報を一定又は可能な限り短い時間間隔で得ることが、有利又は絶対的に必要である。光コヒーレンストモグラフィは、したがって好ましくは、蒸気毛細管の最深点を可能な限り連続的又は途切れることなく測定する必要がある。これは、蒸気毛細管の最深点の位置が、中断されない溶接深さ測定のために知る必要があることを意味する。
【0019】
光コヒーレンストモグラフィを使用する加工物表面の高さプロファイルの記述された作成の代替案は、数学的モデルを確立することであり、それを用いて測定ビームの最適位置を所与のプロセスパラメータの関数として計算し得る。このようなモデルは、多数の異なる溶接パラメータのために非常に複雑である。加えて、このような手順は、多大な労力を要して、実験に基づきモデルを確立及び評価する。更に、このアプローチでは、例えば偏向ユニットのドリフト又は不正確さの場合、測定ビームの不正確な位置が認識されないという問題は解決されない。
【0020】
別の代替案は、第2の光コヒーレンストモグラフィの使用である。第1の光コヒーレンストモグラフィは、加工物表面を連続的にスキャンして、高さプロファイル又はそのトポグラフィを作成する。第2の光コヒーレンストモグラフィは、蒸気毛細管の深さを恒久的に測定する。しかし、2つのトモグラフィは互いに対して較正される必要があり、動作中に、ドリフト等で互いに対して移動するべきではない。そうでない場合、第1のトモグラフィの入射位置と第2のトモグラフィの測定された深さとの間の相関関係は無効である。しかし、この代替案は高コストのために不経済である。その代替案として、光コヒーレンストモグラフィの測定ビームは2つの部分ビームに分割され得て、部分ビームは互いに独立して調整可能である。しかし、次に、光コヒーレンストモグラフィの利用可能な測定範囲は、2セットの距離情報が同時に利用可能であるため、2つの範囲に分割する必要がある。これにより、溶接深さ測定に利用できる測定範囲は狭くなる。更に、これらの代替案では、ドリフトが発生した場合に、蒸気毛細管の深さを測定する測定ビームの位置は、正確に分からないという問題もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
したがって、本発明の目的は、レーザ加工システムとレーザ加工システムを制御する方法を提供し、溶接深さ又は蒸気毛細管の深さ、及び蒸気毛細管の深さを測定するために使用される光測定ビームの位置に関する情報を、好ましくはリアルタイム又は連続的に決定することを可能にすることである。
【0022】
この目的は、独立請求項の主題によって達成される。有利な実施形態及び発展は、従属請求項の主題である。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明は、画像取得ユニットを使用して、レーザ加工システムのレーザによって加工物に生成された蒸気毛細管と、レーザ加工システムの光測定装置の光測定ビームの入射点の両方をキャプチャする考えに基づく。例えば、画像取得ユニットは、蒸気毛細管によって照射又は反射された光と、加工物上の入射点で測定スポットとして現れる光測定ビームの光をキャプチャし、それに基づいて、蒸気毛細管及び測定ビームの入射点を含む画像を生成し得る。
【0024】
それにより、光測定ビームの位置及び蒸気毛細管の位置は、蒸気毛細管の深さの正確かつ連続的な測定のために、例えば、干渉距離測定によって、加工プロセス中に、好ましくはリアルタイムで決定及び調整され得る。次に、測定スポットの位置は、蒸気毛細管の最大深さを測定するための蒸気毛細管の位置に対する理想的な位置に基づいて調整され得る。光測定装置による溶接深さ又は蒸気毛細管の深さの測定の、あるいは測定位置の制御の中断は、したがって必要でない。これにより、加工物への光測定ビームの入射点と、蒸気毛細管の深さを測定するための適切な位置とのその位置合わせは、確実に、安価に、また簡単に実行され得る。
【0025】
本開示の一態様によると、レーザ加工システム、好ましくはレーザ溶接システム又はレーザ深溶接用のシステムは、加工物に、特に加工物表面にレーザビームを照射し、蒸気毛細管を生成するレーザ加工ヘッド、距離を、特に蒸気毛細管の深さを、光測定ビームによって測定するための光測定装置、蒸気毛細管及び光測定ビームを照射することによって生成された測定スポットを含む加工物又は加工物表面の領域の画像を取得するように構成された画像取得ユニットを含み、ここで、レーザ加工システム又は画像取得ユニットは、キャプチャした画像に基づいて、測定スポットの位置と蒸気毛細管の位置を決定するように構成される。測定スポットは、光測定ビームが入射する加工物上の位置であり、光測定ビームの入射点又は入射領域とも呼ばれる。
【0026】
本開示の広範な態様によると、レーザ加工システムを制御する方法は、レーザビームを加工物表面に照射して、蒸気毛細管を生成するステップ、光測定ビームを加工物表面に照射して、蒸気毛細管の深さを測定するステップ、蒸気毛細管と光測定ビームを照射することによって生成された測定スポットを含む加工物表面の領域の画像をキャプチャするステップ、そしてキャプチャされた画像に基づいて、測定スポットの位置及び蒸気毛細管の位置を決定するステップを含む。この方法は、特に、本開示の実施形態によるレーザ加工システムを制御するように構成され得る。本開示の実施形態によるレーザ加工システムは、特に、本開示による方法を実行するように構成され得る。
【0027】
互いに組み合わせられ得る本開示の好ましい態様を以下に列挙する。
【0028】
画像取得ユニットは、レーザ加工ヘッドに取り付けられてもよく、又はその中に組み込まれてもよい。画像取得ユニットは、加工物、特に蒸気毛細管と光測定ビームの入射点を含む加工物の領域を撮影するように構成されたカメラ又はデジタルカメラであり得る。デジタルカメラはまた、ビデオ又はビデオストリームを記録又は生成し得る。
【0029】
画像取得ユニットは、好ましくは、レーザ加工ヘッド上に同軸に配置される。これは、画像評価における視差エラーを回避する。これはまた、レーザ加工システムのコンパクトで省スペースの設計を可能にする。画像取得ユニット及び測定ビームの光軸又はビーム経路は、好ましくは少なくとも部分的に平行及び/又は同軸に、好ましくはレーザ加工ヘッド内で少なくとも部分的に平行及び/又は同軸に延びる。画像取得ユニット又は画像取得ユニットのカメラは、レーザビーム及び/又は測定ビームのビーム経路と同軸に配置されてもよい。
【0030】
一実施形態では、画像取得ユニットは、熱放射、特に950nm~1700nmの間の放射をキャプチャするように構成される。熱放射は、レーザビームによって加熱された加工物の表面により、特に蒸気毛細管により放出される。したがって、画像取得ユニットは、赤外線カメラを含み得る。代替又は追加として、画像取得ユニットは、可視スペクトル範囲の光、好ましくは300nm~1100nmの間の光、特に400nm~800nmの間の光を検出するように構成されてもよい。
【0031】
画像取得ユニットは、蒸気毛細管若しくは溶融池によって生成される熱放射の波長範囲及び/又は光測定ビームの波長範囲においてスペクトル感度を有し得る。画像取得ユニットは、好ましくは、測定ビームの波長範囲において特に感度がよい。これにより、測定スポットと加工物表面との間でキャプチャされた画像に高いコントラストを生じる。その結果、測定スポットはキャプチャされた画像に表示され、特に簡単に評価され得る。特に、測定スポットの位置は、それによって特に確実に決定され得る。
【0032】
画像又はビデオの適切な評価によって、例えば、適切な画像処理によって、加工物上の蒸気毛細管の位置と、蒸気毛細管及び/又は溶融池の幾何学形状は認識され得るか、又は識別され得る。例えば、溶融プールの輪郭は認識され得る。更に、加工物の溶融領域及び/又は硬化領域は、認識されてもよく、又は区別されてもよい。この認識は、テクスチャ分析を使用して実行され得る。他方、測定スポットが決定されてもよい。特に、測定スポットの幾何学形状的中心及び/又は蒸気毛細管の幾何学形状的中心が決定され得る。これは、適切な画像処理方法、例えば、テクスチャ分析、溶融池の形状の評価等によって達成され得る。したがって、蒸気毛細管の位置に対する、好ましくは蒸気毛細管の最深点に対する測定スポットの位置が決定され得る。評価は、画像取得ユニット自体によって、又はレーザ加工システムの算術ユニットによって実行されてもよい。キャプチャされた1つ以上の画像の評価は、基本的にリアルタイムで実行され得る。
【0033】
結果として、レーザ加工システムは、測定ビームを制御するように構成され得て、その結果、溶接深さを測定するために、つまり加工物上の最適な位置に常に正確に配向又は配置される。特に、測定ビームの位置は、蒸気毛細管の位置及び/又はレーザビームの位置に対して制御され得る。更に、光測定ビームの集光位置及び/又は向きが制御されてもよい。測定ビームはリアルタイムで制御され得る。更に、画像評価を使用して、測定ビームが正確に配置又は配向されているかどうかを確認し得る。
【0034】
画像取得ユニットを提供し、画像取得ユニットによってキャプチャされた加工物表面の画像を評価することによって、測定スポットの位置は、連続的に、すなわち中断することなく決定及び/又は調整され得る。言い換えると、測定スポットの位置は常に確実かつリアルタイムで決定され得る。加えて、追加の光測定装置が不要であるため、コスト増加が回避される。
【0035】
光測定装置は、光測定ビームを蒸気毛細管に向けるように構成されてもよい。これにより、蒸気毛細管の最大深さが決定され得る。特に、最大深さを有する蒸気毛細管の位置は、画像に基づいて決定又は推定され得る。原則として、加工方向における蒸気毛細管の最深点は、蒸気毛細管の後方縁部である。この場合、測定ビームがこの位置に向けられるように制御される場合、蒸気毛細管の最大深さが決定され得る。
【0036】
更に、レーザ加工システム又は光測定装置は、光測定ビームを調整又は配向するように構成された調整装置を有し得る。調整装置は、例えば、ビーム偏向ユニット、例えば、ミラー又はガルバノスキャナを含んでもよく、レーザ加工システムの計算ユニット又は光測定装置によって制御され得る。
【0037】
画像取得ユニットは、好ましくは、レーザビームの波長範囲をフィルタリング又は遮断するように構成されたノッチフィルタを有する。これは、画像取得ユニットが飽和状態にならないことを確実にし、それはレーザビームの光出力が光測定ビーム及び蒸気毛細管の光出力と比較して高いためである。加えて、蒸気毛細管によって放出又は反射された光と、加工物によって反射された測定ビームの光は、レーザビームの光によって重畳されることなく、画像取得ユニットによって確実に検出され得る。
【0038】
測定装置は、好ましくは、光コヒーレンストモグラフィを含む。画像取得ユニットは、好ましくは、カメラ、例えば、CCDカメラ及び/又はCMOSカメラ及び/又は赤外線カメラを含む。
【0039】
一実施形態によると、照明ユニットはレーザ加工ヘッドに設けられて、加工物表面の検出された領域を、例えば可視光及び/又は赤外光によって照らす。その結果、画像取得ユニットによってキャプチャされた加工物領域の画像の評価は、例えば、蒸気毛細管が背景からより強く目立ち、それによってより見やすくなるために、改善又は簡略化され得る。加えて、蒸気毛細管によって反射される光の波長範囲は、画像取得ユニットが敏感である(いわゆる「スペクトル感度」)光の波長範囲に調整され得る。
【0040】
照明ユニットは、光を、レーザビーム及び/又は光測定ビーム及び/又は画像取得ユニットのビーム経路に結合するように構成され得る。結果として、照明ユニットからの光は、レーザビーム又は光測定ビームと同様又は同じ方法で加工物に向けられ得る。言い換えると、照明ユニットの光は、レーザ加工システムの加工ヘッド内に少なくともセグメント内で延在する。したがって、レーザ加工ヘッド又はレーザ加工ヘッドの端部を照明ユニットに適合させることは、回避されてもよい。
【0041】
レーザ加工システム又は光測定装置は、可視化ユニットを含んでもよく、可視化ユニットは光測定ビームの入射点を可視化するための可視化ビームを生成し、そのビームを測定ビームのビーム経路に結合するように構成される。可視化ビームの照射によって生成される可視化スポットは、好ましくは測定スポットと同心である。可視化ビームの波長は、画像取得ユニットのスペクトル感度に適合されてもよい。加えて、可視化ビームの出力は、光測定ビームの出力とは意図的に独立して、選択又は設定され得る。結果として、特に、光測定ビームの出力よりも著しく高い出力を有する可視化ビームが選択され得る。更に、可視化ビームの波長は、可視化ビームからの反射光が、画像取得ユニットのノッチフィルタを、可能な限り損なわれることなく通過するように、選択又は設定され得る。言い換えると、可視化ビームの波長は、ノッチフィルタが可視化ビームに対して本質的に透明であるように選択され得る。測定スポットと可視化スポットは同心であるため、測定スポットの位置は、キャプチャされた画像内の可視化スポットの位置に基づき決定され得る。可視化ビームは、好ましくは、レーザビームの波長とは異なる波長を有する。
【0042】
可視化ビームは、光測定装置の光ファイバに結合され得て、そこでは光測定ビームはファイバカプラによって案内される。言い換えると、可視化ビームは、少なくともセグメント内で、光測定装置の光ファイバに結合され、つまり測定ビームがレーザ加工ヘッドに導入される前の時点で既に結合されている。可視化ビームは既に光測定装置の光ファイバに結合されているため、可視化ビームは加工物上に、測定ビームと同じ位置へ照射される。したがって、レーザ加工システムの加工ヘッドにおける調整エラー、偏向ユニットのドリフト、又は別の不正確さによる、可視化スポットと測定スポットとの位置の間の横方向のオフセットは回避され得る。
【0043】
好ましくは、可視化ビームの波長は、測定ビームの波長よりも小さい。可視化ビームを光測定装置の光ファイバに結合する際の可視化ビームの光出力の損失は、これによって回避され得る。したがって、測定ビームの波長用のシングルモードファイバが使用されてもよい。
【0044】
一実施形態によると、レーザ加工システムは、更に計算ユニットを含む。計算ユニットは、レーザ加工システムの制御ユニットを含み得て、又は制御ユニットであり得て、レーザ加工システムを制御する。計算ユニットは、画像取得ユニット及び/又は光測定装置の1つ以上の機能を実行するように構成されてもよい。特に、計算ユニットは、上記のように画像取得ユニットによってキャプチャされた画像を評価するように、又は画像取得ユニットによってキャプチャされた画像に基づいて、測定スポットの位置及び/又は蒸気毛細管の位置を決定するように構成され得る。更に、計算ユニットは、蒸気毛細管に対する光測定ビームの位置又は測定スポットの位置を調整又は制御するように構成され得る。計算ユニットは、本開示による方法を実行するように構成されてもよい。
【0045】
好ましくは、蒸気毛細管の位置に対する測定スポットの位置は、リアルタイムで制御され、蒸気毛細管の最大深さは連続的に決定される。
【図面の簡単な説明】
【0046】
本開示の例示的な実施形態は、図に示され、以下により詳細に説明される。
【0047】
【
図2A】加工物の深さプロファイルの例示的な測定である。
【
図2B】加工物の深さプロファイルの例示的な測定である。
【
図3】本発明の第1の実施形態によるレーザ加工システムの概略図である。
【
図4】実施形態によるレーザ加工システムの画像取得ユニットによってキャプチャされた画像の概略図を示す。
【
図5A】本発明の更なる実施形態によるレーザ加工システムの概略図を示す。
【
図5B】本発明の更なる実施形態によるレーザ加工システムの概略図を示す。
【
図6】本発明の第2の実施形態によるレーザ加工システムの概略図を示す。
【
図7】本発明の一実施形態による、加工物をレーザビームによって加工するための方法を示すブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下の詳細な説明において、同じ参照記号は、同じ又は対応する要素を指す。
【0049】
図3は、本発明の第1の実施形態によるレーザ加工システム100の概略図である。レーザ加工システム100は、加工ヘッド122、例えば、レーザ溶接ヘッド又はレーザ切断ヘッドを含む。
【0050】
レーザ加工システム100は、レーザビーム148(「加工ビーム」又は「加工レーザビーム」とも呼ばれる)を提供するためのレーザ装置(図示せず)と、光測定ビーム126による干渉距離測定のために構成された光測定装置128とを更に含む。例えば、加工される加工物10と、加工ヘッド122の端部分、例えばノズル又はクロスジェットとの間の距離が測定される。ノズル又はクロスジェット等の端部分は、レーザビーム148が加工ヘッド122から、必要に応じて処理ガスと共に放出する開口を有する。
【0051】
レーザ加工システム100又はその部品、例えば、加工ヘッド122は、少なくとも1つの加工方向80に沿って移動可能であり得る。加工方向80は、レーザ加工システム100の、例えば加工ヘッド122の加工物10に対する、切断若しくは溶接方向及び/又は移動方向であり得る。特に、加工方向80は水平方向であり得る。加工方向80はまた、加工される加工物10の表面に対して横方向であってもよい。加工方向80は「送り方向」とも呼ばれる。
【0052】
レーザ加工システム100は、レーザビーム148をコリメートするためのコリメータ光学系130を有し得る。加工ヘッド122内で、レーザビーム148は、加工物10の方向に適切な光学系(図示せず)によって、約90°まで偏向又は反射され得る。光学系、例えば半透明ミラーは、光、例えば、測定ビーム126からの光又は後述する照明ユニット若しくは可視化ユニットからの光等の、加工物10から反射された光を測定装置128に伝送するように構成され得る。コリメータ光学系130は、加工ヘッド122に統合されてもよい。例えば、加工ヘッド122は、加工ヘッド122に統合された、又は加工ヘッド122に装着されたコリメータモジュール132を含み得る。
【0053】
光測定装置128は、コヒーレンストモグラフィを含み得るか、又はコヒーレンストモグラフィであり得る。コヒーレンストモグラフィは、評価ユニット134を含み得て、それは測定光を光導波路136に結合する広帯域光源(例えば、スーパールミネッセントダイオード、略して「SLD」)を備える。ビームスプリッタでは、それは好ましくはファイバカプラ138を有し、測定光が、典型的には、基準アーム140と、光導波路142を介して加工ヘッド122につながる測定アームとに分割される。光測定装置128は、更に光測定ビーム126をコリメートするように構成されたコリメータ光学系144を含んでもよい。コリメータ光学系144は、加工ヘッド122に統合され得る。例えば、加工ヘッド122は、加工ヘッド122に統合された、又は加工ヘッド122に装着されたコリメータモジュール150を含んでもよい。
【0054】
更に、レーザビーム148及び/又は光測定ビーム126を加工物10に集光するように構成された集光光学系124は、加工ヘッド122に設けられる。集光光学系124は、例えば、レーザビーム148及び測定ビーム126のための、集光レンズ等の一般的な集光光学系であり得る。
【0055】
いくつかの実施形態では、レーザビーム148及び光測定ビーム126は、少なくともセグメントにおいて平行に又は同軸にさえ延在してもよく、特に、少なくともセグメントで同軸に重畳されてもよい。例えば、光測定装置128は、光測定ビーム126をレーザ装置100のビーム経路に結合するように構成され得る。光測定ビーム126及びレーザビーム148は、コリメータ光学系144の下流及び集光光学系124の上流で組み合わせられてもよい。代替的に、測定ビーム126及びレーザビーム148のビーム経路は、大部分が別々に案内されてもよく、集光光学系124の下流及びレーザ加工ヘッド122の開口の上流でのみ合流されてもよい。レーザビーム148及び測定ビーム126のビーム軸は、レーザ加工ヘッド122の開口又は端部分の近くで互いに平行に、又は同軸にさえ延在することができ、好ましくは、加工物10の表面に本質的に垂直である。この場合、別々の集光レンズが、測定ビーム126及びレーザビーム148のそれぞれに設けられてもよく、その結果、両方のビームは加工物に集光され得る。
【0056】
本明細書に記載の距離測定の原理は、光コヒーレンストモグラフィの原理に基づくものであり、干渉計による光のコヒーレンス特性を使用している。距離測定の場合、光測定ビーム126は、加工物10の表面に向けられる。表面から反射された測定ビームの光は、光導波路142の出口/入口表面にマッピングされ、ファイバカプラ138内の基準アーム140からの反射光と重畳された後、評価ユニット134に向けられる。重畳された光は、基準アーム140と測定アームとの間の経路長差に関する情報を含む。この情報は、評価ユニット134で評価され、それによって、ユーザに、例えば、加工物の表面と加工ヘッド122との間の距離に関する、又は蒸気毛細管の深さに関する情報を提供する。
【0057】
蒸気毛細管の深さを決定するために、光測定ビーム126は、蒸気毛細管に向けられ、蒸気毛細管で測定装置128に反射される。更に、加工物表面16までの距離又は加工物表面の位置が分かってもよい。したがって、測定装置128又は評価ユニット134は、蒸気毛細管の深さを規定することができ、つまり、蒸気毛細管の反射底部から加工物10の表面16までの距離を、反射された測定光に基づいて決定し得る。しかし、蒸気毛細管の深さを正確に決定するために、測定ビーム126は、蒸気毛細管の最深点に配向される必要がある。
【0058】
レーザ加工装置100は、更に画像取得ユニット152、例えばカメラを含む。
図3に示すように、画像取得ユニット152は、レーザ加工ヘッド122上に同軸に配置されてもよく、又はレーザ加工ヘッド122に同軸に統合されてもよい。画像取得ユニット152のビーム経路156は、少なくとも部分的に加工ヘッド122を通って延び、その結果、画像取得ユニット152は、加工物10の加工領域、特に、蒸気毛細管12及び測定スポットを含む加工物10の領域の画像をキャプチャし得る。いくつかの実施形態では、画像取得ユニット152及び光測定ビーム126の光軸は、少なくともセグメント内で平行に延びてもよく、又は特に、少なくともセグメント内で同軸に重畳されてもよい。言い換えると、画像取得ユニット152は、同軸カメラを含み得る。
【0059】
画像取得ユニット152は、加工される加工物10から反射される光又は電磁放射、あるいは加工される加工物10から放出される光又は電磁放射を検出し、それに基づいて、加工物10の画像、特に加工物10の表面の領域の画像をキャプチャし、又は生成するように構成される。放出された光又は放出された電磁放射には、例えば、加工物10の材料の昇温により生成された蒸気毛細管又は溶融池によって放出された熱放射が含まれる。反射光又は反射電磁放射は、例えば、加工物10の表面又は蒸気毛細管の底部によって反射された測定ビーム126の光を含む。
【0060】
特に、画像取得ユニット152は、加工される加工物10の表面の領域の画像をキャプチャするように構成され、この領域は、蒸気毛細管と、測定ビーム126の入射点又は測定スポットを含んでいる。この領域は、溶融池を更に含み得る。画像取得ユニット152は、一定の時間間隔で又は連続的に領域の画像をキャプチャするように構成されてもよい。画像取得ユニット152は、領域のビデオ又はビデオストリームをキャプチャし得る。蒸気毛細管をキャプチャすることにより、蒸気毛細管の最深点にほぼ対応する蒸気毛細管の深さを測定するための蒸気毛細管の理想点は、画像に基づいて決定され得る。測定ビーム126もまた画像にキャプチャされるため、ビームは、深さ測定のために蒸気毛細管の最深点に向けられることができ、又は測定ビーム126が最深点に向けられているかを調べることができる。
【0061】
画像取得ユニット152又はカメラは、熱放射、すなわち、赤外光、及び/又は可視スペクトル範囲の光をキャプチャするように構成され得る。約300nm~1100nmの波長範囲で感度の高いシリコンベースのカメラチップ(CCD、CMOS等)、又は950nm~1700nmの波長範囲で感度の高いInGaAsベースのカメラチップが、蒸気毛細管をキャプチャするために使用されてもよい。レーザ照射の波長範囲は、遮断されるのが好ましく、そうでない場合には、カメラ画像が通常は数キロワットのレーザ照射によって飽和状態になるリスクがあるためである。
【0062】
光測定ビーム126の入射点が検出可能であるために、画像取得ユニット152又はカメラは、測定ビーム126の光の波長範囲で感度が高い。いわゆるフーリエドメインOCTに基づく光コヒーレンストモグラフィの典型的な波長又は波長範囲は、800nm~900nm、1000nm~1100nm、1310nm、又は1550nmである。別の発光波長も可能である。
【0063】
画像取得ユニット152はまた、いわゆるノッチフィルタ154を含んでもよい。ノッチフィルタ154は、加工レーザ、特にレーザビーム148からの反射された光を遮断し、キャプチャされた画像が飽和状態になるのを回避するように構成される。加えて、ノッチフィルタ154によって、蒸気毛細管及び光測定ビーム126の測定スポットが、キャプチャされた画像上で明確に認識可能であり、レーザビーム148の光によって遮蔽されないことを確実にし得る。
【0064】
典型的な加工レーザは、1030nm~1070nmの波長範囲、例えば、1030nm、1064nm又は1070nmの狭い帯域で放出する。更なる発光波長が可能である。したがって、ノッチフィルタは、レーザビーム148からの光の波長又は波長範囲がフィルタで除去されて、かつ画像取得ユニット152に伝送されないように設計又は最適化される必要がある。
【0065】
他方、光測定ビーム126の波長又は波長範囲は、ノッチフィルタ154によってフィルタリング又は遮断されないように選択される必要がある。したがって、光測定ビーム126の波長又は波長範囲は、レーザビーム148の光の波長又は波長範囲とは異なるのが好ましい。ノッチフィルタ154はまた、測定ビーム126の波長範囲のみでなく、可視スペクトル範囲又は赤外線範囲に対しても透明であるように設計され得て、その結果、画像取得ユニット152は、赤外線範囲の熱放射に基づき、又は可視光に基づき、蒸気毛細管をキャプチャし得る。ノッチフィルタ154の代替として、画像取得ユニット152はまた、それがレーザビーム148の波長範囲に敏感でないように構成され得る。
【0066】
光測定ビーム126の入射点が画像内で可視化されるために、加工物上の測定スポットの強度は、画像取得ユニット152によってキャプチャされるのに十分に高い必要がある。特に、測定ビームが蒸気毛細管の開口に向けられるとき、画像取得ユニット152又はカメラに反射又は散乱されて戻る割合は相当に減少する。その上、蒸気毛細管の側壁又は蒸気毛細管の開口の領域に位置する粒子でのみ、散乱又は反射される。レーザ装置と光コヒーレンストモグラフィが同様の波長で放射する場合(例えば、1030nmのOCTと1070nmのレーザ)、ノッチフィルタに対する条件は大幅に増え、それはノッチフィルタにはレーザを数桁分、完全に抑制する必要があるが、OCTの波長を完全に伝送する必要があるためである。
【0067】
光コヒーレンストモグラフィが市販のスーパールミネセントダイオード(SLD)で動作される場合、通常、数十ミリワット又は数百ミリワットの光出力が利用可能である。加工レーザの数キロワットの光出力と比較して、SLDの出力は非常に低い。
【0068】
図4は、本発明の実施形態による画像取得ユニットによってキャプチャされ、又は生成され得る画像400の例を示す。
【0069】
画像400は、デジタル画像又は写真としてキャプチャされ、又は生成されてもよい。画像は、複数の画素を有し得る。
【0070】
画像400は、本発明の実施形態によるレーザ加工システムによって加工された加工物10の領域又は部分の上面図である。画像400は、本発明の実施形態によるレーザ加工システムによって実行されるレーザ加工プロセス中にキャプチャされる。
図4では、レーザ加工プロセスの加工方向80が矢印で示される。
【0071】
画像400は、蒸気毛細管12、蒸気毛細管12を取り囲む溶融池14、及び溶融池14に続くシーム上部ビード15を含む加工物10の領域又は部分を、平面図で、すなわち、画像取得ユニット152の観点から示す。
【0072】
加えて、画像400は、光測定ビーム126が表面に衝突するときに形成された測定スポット18を含む。
図4に見られるように、測定スポット18は丸い形状を有する。測定スポット18はまた、表面への入射角に応じて、楕円形又は円形の形状を有してもよい。蒸気毛細管12の最深点は、加工方向の後方縁部に位置されるため(
図1参照)、光測定ビーム126は、したがって、蒸気毛細管の深さを正確に決定可能にするためにこの点に向けられる必要がある。光測定装置は、光測定ビーム126と蒸気毛細管12の最深点との位置合わせを、画像取得ユニット152によって取得されたデータに基づいて制御するように構成された制御を含み得る。
【0073】
レーザ加工システム又は画像取得ユニット自体は、ほぼリアルタイムで画像評価を実行し、加工物の蒸気毛細管12の位置及び測定スポット18の位置を、画像取得ユニットによってキャプチャされた画像において決定するように構成され得る。例えば、測定スポットの幾何学形状的中心及び/又は蒸気毛細管の幾何学形状的中心は、画像評価において決定され得る。したがって、蒸気毛細管の位置に対する、好ましくは蒸気毛細管の最深点に対する測定スポットの位置が決定され得る。蒸気毛細管の深さを測定することに加えて、更に蒸気毛細管12の近傍が記録されてもよく、例えば、いわゆるトポグラフィ測定が実行され得る。これにより、シームは溶接プロセスの直前に見つけられ得て、又はシーム上部ビード15の品質が溶接プロセスの直後に測定され得る。加えて、蒸気毛細管及び/又は溶融池の幾何学形状が決定されてもよい。例えば、溶融池の輪郭が認識され得る。更に、加工物の溶融領域及び/又は硬化領域は、認識又は区別され得る。これは、フィルタリング、テクスチャ分析、溶融池の形状の評価等の適切な画像処理方法によって達成され得る。
【0074】
更に、レーザ加工システム又は光測定装置は、測定ビーム126の位置を、測定スポット又は測定ビームの位置及び蒸気毛細管の位置の決定に基づいて制御するように構成され得て、その結果、常に正確に、溶接深さを測定するために配向又は配置される。特に、蒸気毛細管の位置及び/又はレーザビームの位置に対する測定ビームの位置が制御され得る。測定ビームの位置は、ビーム偏向ユニット、例えば、ミラー、ガルバノスキャナ、又は上記のコリメータ光学系によって調整されてもよい。加えて、光測定ビームの集光位置及び/又は向きが制御され得る。特に、測定ビームはリアルタイムで制御されてもよい。
【0075】
図5A及び
図5Bは、本発明の更なる実施形態によるレーザ加工システム200及び200'を示す。
【0076】
レーザ加工システム200は、
図3を参照して上記したレーザ加工システム100に対応するが、照明ユニット256を有して、加工領域、つまり蒸気毛細管12(及び必要に応じて溶融池14)及び測定スポット18を含む加工物表面16の領域を照明する。可視スペクトル範囲が画像取得ユニット152によってキャプチャされる場合、照明ユニット256による加工ゾーンの照明が必要とされてもよい。次に、レーザ加工システム200の画像取得ユニット152は、好ましくは、可視スペクトル範囲の光を検出するように構成される。照明は、
図5Aに示されるように、加工ヘッド122を通って同軸となり得る。代替的に、照明ユニットは、
図5Bに示されるように、横方向に、すなわち外部的に、加工ヘッド上に配置され得る。
【0077】
照明ユニット256は、レーザ加工ヘッド122に配置されてもよく、又は加工ヘッド122に統合されてもよい。照明ユニット256が設けられて、蒸気毛細管と測定ビームの入射点(測定スポット18)を備えた加工物表面16の領域の、画像取得ユニット152による画像を改善する。照明ユニット256は、好ましくは、可視光を放出し、したがって、画像取得ユニット152によってキャプチャされた領域を照明するように構成される。特に、蒸気毛細管12及び溶融池14は、可視スペクトル範囲で少量の光のみ放出するため、照明ユニット256による照明は、画像取得ユニット152によってキャプチャされた画像の認識性を高め得る。代替的に、照明は、特に赤外線カメラを使用している場合、赤外線スペクトル範囲でも放出し得る。
【0078】
例えば、
図5Aに示されるように、加工ヘッド122は、加工ヘッド122に統合された、又は加工ヘッド122に装着された照明モジュール260を含み得る。照明ユニット256によって放出された光は、レーザビーム148及び/又は光測定ビーム126及び/又は画像取得ユニット152のビーム経路に結合されてもよい。更に、照明モジュール260は、コリメーション光学系258を含み、照明ユニット256によって放出された光をビーム経路にコリメートし得る。
【0079】
その一方で、
図5Bに示される実施形態によると、照明ユニット256は、それによって放出された光が加工領域、特に、蒸気毛細管及び/又は溶融池を含む加工物の領域に衝突するように、レーザ加工ヘッド200に配置される。言い換えると、照明ユニット256によって放出される光のコースは、測定ビーム126及びレーザビーム148のビーム経路の外側にあり、すなわち、加工ヘッド122を通らない。
【0080】
図6は、本発明の第2の実施形態によるレーザ加工システム300を示す。
【0081】
レーザ加工システム300は、
図3を参照して上記したレーザ加工システム100に対応するが、可視化ユニット370を有して、光測定ビーム126又は測定スポット18を可視化する。可視化ユニット370は、可視化ビーム(「可視化光ビーム」とも呼ばれる)を生成するように構成された光源372を含み得る。光測定ビーム126用の、例えば従来のSLD用の光源の限られた光出力のために、可視化ユニット370には光源372が設けられて、光測定ビーム126の位置を画像内に可視化し得る。
【0082】
可視化ユニット370からの光は、好ましくは、光測定ビーム126のビーム経路に結合される。結合は、好ましくは、ビームスプリッタ、例えばファイバカプラ138によって実行され、それは可視化ビームを光測定装置128の測定アームの光ファイバ142に結合するように構成される。したがって、可視化ビームを加工物10に照射することによって生成された可視化スポットは、測定スポット18に重畳され、特に、測定スポット18と同心であり得る。
【0083】
可視化ユニット370によって生成された光は、光コヒーレンストモグラフィの光ファイバに既に結合されているため、可視化スポットは、加工物10上の測定ビーム126と同じ横方向位置に、加工ヘッド122内の光撮像によって撮像される。加工ヘッド122内のビームスプリッタによる、加工ヘッド122での結合又は重畳とは対照的に、光コヒーレンストモグラフィの光ファイバに結合する場合の調整エラー又は別の不正確さによる横方向のオフセットがない。光コヒーレンストモグラフィと照明光源の波長が異なる場合、2つの集光位置が軸方向に変位する場合がある。しかし、2つのビームが同軸の場合、集光の横方向シフトはない。したがって、測定スポットと可視化スポットは同心である。
【0084】
更なる条件は可視化ユニット370の光源372に課されないため、可能な限り最高の光出力を有する光源372が選択され得る。更に、光源372によって生成される光の波長又は波長範囲は、画像取得ユニット152のスペクトル感度範囲に適合されてもよい。光コヒーレンストモグラフィがレーザ光の波長に近い波長の光測定ビームを使用する場合、光源372の波長は、レーザ光の波長からスペクトル的に十分に離れるように選択され得る。したがって、ノッチフィルタ154は、レーザビーム148の光を最大に抑制するのと同時に、光源372の波長に対して最大に透明であるように最適化され得る。
【0085】
したがって、可視化ビームは、光測定ビーム126の入射点を可視化するのに役立ち、測定ビームの入射点、すなわち測定スポット18をカメラ画像においてより見やすくする。これは、可視化スポットが測定スポットと同心であり、測定スポットよりもはっきりと明るく、したがって、画像取得ユニット152によってより容易に検出可能であるためである。
【0086】
光源372によって放出される光の波長を、光コヒーレンストモグラフィ又は光測定ビーム126の波長よりも短くするように選択することが有用である。通常、光コヒーレンストモグラフィでは、いわゆるモノモードファイバを使用する必要がある。これらのファイバは、それによって伝送される波長の約10分の1に対応するコア直径を有する。その結果、横方向の基本モード「TEM00」のみが導波管内を伝搬できる。光ファイバのいわゆる「カットオフ波長」は、TEM00モードのみが伝搬できる波長を示す。より短い波の光が結合される場合、より高い横方向モードも形成される場合があり、これはいわゆるマルチモードファイバと呼ばれる。光源372によって生成される光の波長に関して、これは、光ファイバ内のモードの十分な混合により、出口直径がモノモードファイバの場合よりも大きいことを意味する。しかし、光分散の中心は同じままであり、これが測定ビームの入射点の中心、つまり横方向の位置が検出され得る理由である。他方、光源372の波長が光コヒーレンストモグラフィの波長よりも長くなるように選択された場合、莫大な損失が光ファイバへの結合中に発生し、それによって強力な光源372の効果を打ち消す。
【0087】
図7は、本発明の一実施形態による、レーザビームにより加工物を加工する方法を示す。この方法は、本明細書に記載の実施形態によるレーザ加工システムによって実行されてもよく、以下のステップを有する。
【0088】
ステップ710において、レーザビーム148は、加工物表面16に向けられ、蒸気毛細管を形成する。続いて又は同時に、光測定ビーム126は、ステップ720において加工物10に向けられ、蒸気毛細管12の深さを測定する。ステップ730において、蒸気毛細管12及び光測定ビーム126の照射によって生成された測定スポット18を含む加工物表面16の領域の画像がキャプチャされる。キャプチャされた画像に基づき、加工物10上の、より正確には加工物表面16上の、測定スポット18の位置及び蒸気毛細管12の位置が、ステップ740で決定される。ステップ710、ステップ720、ステップ730、及びステップ740は、本質的に同時に実行されてもよく、その結果、蒸気毛細管12に対する測定スポット18の相対的な向きは、本質的にリアルタイムで決定及び/又は調整され得る。
【0089】
決定するステップ740は、キャプチャされた画像を評価することを含み得る。とりわけ、蒸気毛細管12及び/又は測定スポット18の幾何学形状的特性は、評価中に認識又は検出され得る。評価は、蒸気毛細管12の中心及び測定スポット18の中心を決定することを更に含み得る。中心は、領域に関して中心であり得る。この方法は、測定スポット18の位置を制御又は調整するステップ(図示せず)を更に含んでもよい。特に、蒸気毛細管12に対する測定スポット18の位置は、蒸気毛細管12の最大深さが測定され得るように、又は光測定ビーム126を用いて測定されるように調整されてもよい。
【0090】
本発明によると、光測定ビームの入射点、つまり、測定スポットの位置と蒸気毛細管又は蒸気毛細管12の位置は同時に決定され、光測定ビームによって測定された深さを蒸気毛細管上の特定の点に割り当てる。特に、蒸気毛細管に対する測定スポットの位置は、蒸気毛細管の最大深さが決定され得るように設定されてもよい。言い換えると、測定ビームは、最大深さを有する蒸気毛細管の点に向けられてもよい。この点は、通常、加工方向において蒸気毛細管の後方縁部にある。測定スポットと蒸気毛細管の位置は、ほぼリアルタイムで決定され得て、蒸気毛細管の連続的で信頼性の高い深さ測定が可能となる。これにより、特にレーザ溶接において、加工品質を向上させることができる。