(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-21
(45)【発行日】2024-01-04
(54)【発明の名称】格子除外領域外に格子支持構造を生成する方法
(51)【国際特許分類】
B29C 64/386 20170101AFI20231222BHJP
B29C 64/40 20170101ALI20231222BHJP
B33Y 50/00 20150101ALI20231222BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20231222BHJP
【FI】
B29C64/386
B29C64/40
B33Y50/00
B33Y10/00
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022068958
(22)【出願日】2022-04-19
【審査請求日】2022-07-07
(32)【優先日】2021-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ステクリ、ジャスティン
(72)【発明者】
【氏名】ムクンダン、バスリナラヤナン
(72)【発明者】
【氏名】ジョーンズ、ライアン クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】シリング、ポール シー.
【審査官】今井 拓也
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-170764(JP,A)
【文献】特開2021-031053(JP,A)
【文献】国際公開第2021/195267(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 64/00 - 64/40
B33Y 50/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント装置が実行する方法であって、
複数の面および複数のエッジを有するコンポーネント本体の3次元ソリッドモデルを定義するモデリングデータを受信し、
各面は、前記コンポーネント本体のエッジの各々において前記コンポーネント本体の別の面に接し、
前記コンポーネント本体の複数の前記面の第1面の第1ループ形状及び前記コンポーネント本体の複数の前記面の第2面の第2ループ形状を識別するために
、前記コンポーネント本体の
複数の前記面を調べ、
前記
第1ループ形状
及び前記第2ループ形状に対応する前記コンポーネント本体の
前記第1面及び前記第2面
に基づいて形成された境界を有する格子除外領域を画定し、
前記境界は、前記第1面の前記第1ループ形状から前記第2面の前記第2ループ形状に伸び、
前記格子除外領域が格子支持構造が除外される空間を画定することにより、前記第1ループ形状と前記第2ループ形状との間に延びる前記境界によって形成される領域を前記格子支持構造が塞ぐことを妨げ、
前記コンポーネント本体のプリント出力および前記コンポーネント本体のための
前記格子支持構造を生成し、
前記格子支持構造のプリント出力は、前記格子除外領域の外側にある、
方法。
【請求項2】
前記
第1ループ形状
または前記第2ループ形状は調べられる面に円筒面の各々を含み、
前記
第1ループ形状
または前記第2ループ形状に対応する面は前記円筒面を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記コンポーネント本体の面を調べることは、前記調べられる面にあり、各々が閾値直径未満の直径を有する円筒面を識別するために面を調べることを含み、
前記
第1ループ形状
または前記第2ループ形状は前記調べられる面にあり、各々が前記閾値直径未満の直径を有する前記円筒面を含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
複数の前記面を調べることは、
ユーザインターフェースを介して前記コンポーネント本体の
複数の前記面の指示を受信し、
指示された面の1以上の円筒面を識別するために、前記指示された面を調べる、
ことを含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記
第1ループ形状
または前記第2ループ形状は1以上のループを含み、
前記ループの各々は前記コンポーネント本体の1以上の各々のエッジを含み、
前記
第1ループ形状
または前記第2ループ形状に対応する
複数の前記面は、前記ループに対応する1以上の面を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
複数の前記面を調べることは、
ユーザインターフェースを介して前記コンポーネント本体の
複数の前記面の指示を受信し、
指示された面の1以上のループを識別するために、前記指示された面を調べる、
ことを含む、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記格子除外領域を画定することは前記格子除外領域の1以上の断面を引き出すことを含み、
前記格子支持構造のプリント出力は
1以上の前記断面の引き出しに続く前記格子除外領域の外側にある、
請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記格子支持構造の前記プリント出力が、格子充填領域内であり、前記格子除外領域の外側にある、
請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記格子支持構造の前記プリント出力が、前記格子充填領域内であり、前記格子除外領域の外側にある格子ユニットセルのタイリングを含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
プリント装置が実行する方法であって、
複数の面および複数のエッジを有するコンポーネント本体の3次元ソリッドモデルを定義するモデリングデータを受信し、
各面は、前記コンポーネント本体のエッジの各々において前記コンポーネント本体の別の面に接し、
前記コンポーネント本体の複数の前記面の第1面の第1ループ及び前記コンポーネント本体の複数の前記面の第2面の第2ループを識別するために前記コンポーネント本体の1以上の面を調べ、
前記
第1ループ
及び第2ループの各々は、前記コンポーネント本体の1以上のエッジの各々を含み、
識別された
前記第1ループ
及び識別された前記第2ループに対応する前記コンポーネント本体の1以上の面を識別し、
前記第1ループ及び前記第2ループに対応する
前記コンポーネント本体の前記第1面
及び前記第2面に基づいて形成された境界を有する格子除外領域を画定し、
前記境界は、前記第1面の前記第1ループから前記第2面の前記第2ループに伸び、
前記格子除外領域は格子支持構造が除外される空間を画定し、前記第1ループと前記第2ループとの間に延びる前記境界によって形成される領域を前記格子支持構造が塞ぐことを妨げ、
前記コンポーネント本体のプリント出力および前記コンポーネント本体のための
前記格子支持構造を生成し、
前記格子支持構造のプリント出力は、前記格子除外領域の外側にある、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、コンポーネントのプリント出力を生成するシステム、装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の3次元(3D)プリントの進歩は、グッズの生産および製造における3Dプリントの広範な使用をもたらした。例えば、3Dプリンタは、他の多くの例の中でもとりわけ、空気・油分離器または熱交換器などのコンポーネントのプリント出力を生成するために使用されてもよい。3Dプリントには複数の技法が存在するが、ほとんどの技法は元々コンピュータ支援設計(CAD)プログラムを使用してモデル化されたコンポーネントを再現するために、マテリアルの連続層を付加することを伴う。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一実施形態では、プリント装置によって実行される方法が、複数の面および複数のエッジを有するコンポーネント本体の3次元ソリッドモデルを定義するモデリングデータを受信することを含む。各面は、コンポーネント本体のエッジの各々でコンポーネント本体の別の面と接する。この方法はさらに、1以上のループ形状を識別するためにコンポーネント本体の1以上の面を調べ、ループ形状に対応するコンポーネント本体の1以上の面に少なくとも部分的に基づいて形成された境界を有する格子除外領域を画定することを含む。加えて、本方法は、コンポーネント本体のプリント出力、およびコンポーネント本体の格子支持構造を生成することを含む。格子支持構造のプリント出力は、格子除外領域の外側にある。
【0004】
一実施形態では、プリント装置によって実行される一方法が複数の面および複数のエッジを有するコンポーネント本体の3次元ソリッドモデルを定義するモデリングデータを受信することを含む。各面は、コンポーネント本体のエッジの各々でコンポーネント本体の別の面と接する。この方法はさらに、1以上のループを識別するために、コンポーネント本体の1以上の面を調べることを含む。ループの各々は、コンポーネント本体の1以上のエッジの各々を含む。さらに、この方法は、識別されたループに対応するコンポーネント本体の1以上の面を識別し、識別された対応する面に少なくとも部分的に基づいて形成された境界を有する格子除外領域を画定することを含む。また、この方法は、コンポーネント本体のプリント出力、およびコンポーネント本体の格子支持構造を生成することを含む。格子支持構造のプリント出力は、格子除外領域の外側にある。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】本明細書に示され、説明される1以上の実施形態によるプリントシステムを示す。
【
図2】本明細書に示され説明される1以上の実施形態によるプリント装置のブロック図を示す。
【
図3】本明細書に示され、説明される1以上の実施形態によるプリント出力の例を示す。
【
図4】本明細書に示され、説明される1以上の実施形態による、プリント装置によって実行される方法のフローチャートを示す。
【
図5】本明細書に示され、説明される1以上の実施形態による、簡略化されたコンポーネント本体のソリッドモデルを示す。
【
図6】本明細書に示され、説明される1以上の実施形態による、別のコンポーネント本体のソリッドモデルを示す。
【
図7】本明細書に示され、説明される1以上の実施形態による格子除外領域を示す。
【
図8】本明細書に示され、説明される1以上の実施形態による格子除外領域を示す。
【
図9A】本明細書に示され、説明される1以上の実施形態による、格子ユニットセルを示す。
【
図9B】本明細書に示され、説明される1以上の実施形態による、格子ユニットセルのタイリングを示す。
【
図10A】本明細書に示され、説明される1以上の実施形態による、コンポーネント本体のソリッドモデルを示す。
【
図10B】本明細書に示され、説明される1以上の実施形態による、コンポーネント本体のソリッドモデルを示す。
【
図11】本明細書に示され、説明される1以上の実施形態による、プリント装置によって実行される方法のフローチャートを示す。
【
図12】本明細書に示され、説明される1以上の実施形態による格子除外領域を示す。
【
図13】本明細書に示され、説明される1以上の実施形態による、別の格子除外領域を示す。
【
図14】本明細書で示され、説明される1以上の実施形態によるプリント出力の例を示す。
【
図15】本明細書で示され、説明される1以上の実施形態による、プリント装置によって実行される方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本技術の上記および他の特徴、および特性、構造の関連する要素の動作および機能の技法、部品の組合せ、製造の経済性は、添付の図面を参照して以下の説明および添付の特許請求の範囲を考慮するとより明らかになり、添付の図面のすべては本明細書の一部を形成し、同様の参照番号は様々な図において対応する部品を示す。しかしながら、図面は例示および説明のみを目的とするものであり、本発明の限定を画定することを意図するものではないことを明確に理解されたい。本明細書および特許請求の範囲で使用されるように、単数形の「1の」などは文脈が明らかにそうでないことを指示しない限り、複数の指示対象を含む。
【0007】
プリントコンポーネントに追加的な構造支持を提供するために、3Dプリンタは、コンポーネントのための格子支持構造を生成することができる。このような支持構造は格子ユニットセルのタイリングの形態をとることができ、潜在的に3Dハニカムまたは他の格子状構造をもたらすことができる。格子支持構造を生成するために、3Dプリンタ(または3Dプリンタに通信可能に接続されたプリント装置)は、格子ユニットセルのソリッドモデルを、格子ユニットセルがタイリングされるかまたはコピーされて支持構造を生成する出力境界と共に提供されてもよい。次いで、3Dプリンタはコンポーネントのプリント出力(例えば、物理的出力(すなわち、プリント物品)またはデータ出力(例えば、ページ記述言語(PDL)によるプリントジョブ))を格子支持構造と共に生成することができる。
【0008】
しかしながら、出力境界内には、格子ユニットセルのタイリングが生じない領域が存在してもよい。例えば、コンポーネントの空気通路内に格子支持構造を生成すると、空気の流れが妨げられ、コンポーネントの温度制御が損なわれる可能性がある。
【0009】
格子除外領域の外側の格子支持構造のプリント出力を生成するためのプリントシステム、プリント装置、および方法が本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、プリント装置が複数の面および複数のエッジを有するコンポーネント本体の3次元ソリッドモデルを定義するモデリングデータを受信する。面の各々は、コンポーネント本体のエッジの各々でコンポーネント本体の別の面と接する。プリント装置はコンポーネント本体の1以上の面を調べて、1以上のループ形状を識別し、ループ形状に対応するコンポーネント本体の1以上の面に少なくとも部分的に基づいて形成された境界を有する格子除外領域を画定する。プリント装置は、コンポーネント本体のプリント出力と、コンポーネント本体のための格子支持構造とを生成する。格子支持構造のプリント出力は、格子除外領域の外側にある。格子除外領域の外側にある格子支持構造のプリント出力を生成することによって、ループ形状によって形成される格子支持構造が領域を遮断しないようにすることができる。次に、格子除外領域の外側の格子支持構造のプリント出力を生成するためのプリントシステム、プリント装置、および方法の様々な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0010】
図1は、本明細書に示され説明される1以上の実施形態によるプリントシステムを示す。図示のように、プリントシステム100は、プリント装置102、通信リンク114を介してプリント装置102に通信可能に接続されたプリンタ104、およびネットワーク108およびそれぞれの通信リンク116を介してプリント装置102に通信可能に接続された計算端末106を含む。
【0011】
プリント装置102は、本明細書に記載のプリント装置機能を実行することができる任意の装置の形態をとることができる。このように、プリント装置102は、サーバコンピュータ、メインフレーム、仮想マシン、ワークステーション、端末、パーソナルコンピュータ、またはこれらまたは他のプリント装置の任意の組み合わせの形態をとることができる。プリント装置102は、以下にさらに詳細に説明される。
【0012】
プリンタ104は3次元(3D)プリンタの形態をとることができ、例えば、出力を集合的に形成する連続層を出力することによって出力を生成することができる。所与の層の厚さは、とりわけ、例えば、数十マイクロメートルから数百マイクロメートルまでの範囲とすることができる。当業者には理解されるように、層を堆積させるための様々なプロセスが可能である。3Dプリンタによるプリンタ出力の追加的な側面については、以下で説明する。
【0013】
計算端末106は、例のいくつかとして、ワークステーション、端末、パーソナルコンピュータ、タブレット装置、またはこれらの任意の組み合わせとすることができる。計算端末106は入力(例えば、ユーザからの)を受信するためのキーボードおよびマウスと、画像または他の出力をユーザに提示するためのディスプレイとを含むことができる。別の可能性として、計算端末106はユーザから入力を受信し、ユーザに出力を提示するためのタッチディスプレイを含むことができる。プリント装置102は例えば、プリント装置102から計算端末106に送られる情報を出力するために計算端末106に命令を送るか、又は受信した情報をプリント装置102に提供するために計算端末106に命令を送ることによって、計算端末106のユーザインターフェースを介して入力及び/又は出力を受信することができる。当業者は、計算端末106が本開示の範囲から逸脱することなく、他の形態をとってもよいことを理解するであろう。
【0014】
ネットワーク108は、ネットワーク108に通信可能に接続された1以上のエンティティ間のデータ転送を容易にするように構成された1以上のコンピューティングシステムおよび少なくとも1つのネットワークインフラストラクチャを含むことができる。ネットワーク108は、1以上のワイドエリアネットワーク(WAN)および/またはローカルエリアネットワーク(LAN)を含んでもよく、これらは有線および/または無線ネットワークであってもよい。いくつかの例では、ネットワーク108が他の可能性もあるが、インターネットおよび/または1以上の無線セルラーネットワークを含むことができる。ネットワーク108は、イーサネット(登録商標)、Wi-Fi、インターネットプロトコル(IP)、伝送制御プロトコル(TCP)、LTE(long-term evolution)などの1以上の通信プロトコルに従って動作することができる。ネットワーク108は単一のネットワークとして示されているが、ネットワーク108はそれ自体が通信可能にリンクされている複数の異なるネットワークを含んでもよいことが理解されるべきである。ネットワーク108は、他の形態をとることもできる。
【0015】
通信リンク114は、プリント装置102とプリンタ104との間でデータを転送することができるリンクの形態をとることができる。例えば、通信リンクは、他の多くの可能性もあるが、シリアルRS-232通信リンク、USB通信リンク、Wi-Fi通信リンク、および/またはイーサネット通信リンクの形態をとることができる。
【0016】
通信リンク116はそれぞれのエンティティをネットワーク108と通信可能にリンクし、ネットワーク108に通信可能に接続されたエンティティ間の通信を容易にすることができる。通信リンク116のいずれかは、おそらく1以上の物理層、ネットワーク層、トランスポート層、および/またはアプリケーション層などの1以上の通信リンク層上で動作する、ハードウェアおよび/またはソフトウェアの組み合わせであってもよい。
【0017】
当業者は、プリントシステム100が異なる及び/又は追加的なエンティティを含むことができることを理解するであろう。例えば、プリント装置100は、プリンタ104に通信可能に接続された追加的なプリント装置、プリント装置102及び/又は他のプリント装置に通信可能に接続された追加的な3次元プリンタ、又はこれらの組合せを含むことができる。プリンタ104をネットワーク108に接続する1以上の通信リンクなど、異なる通信リンクおよび/または追加的な通信リンクが存在してもよい。いくつかの実施形態ではプリント装置102、プリンタ104、および/または計算端末106は単一のプリント装置に組み合わされてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、プリント装置102およびプリンタ104が接続リンクを介さずプリント装置内で組み合わされてもよい。いくつかの実施形態では、プリント装置102および計算端末106が単一のプリント装置に組み合わされてもよい。いくつかの実施形態ではプリント装置102、プリンタ104、および計算端末106は単一のプリント装置に組み合わされてもよい。当業者には理解されるように、他の例も同様に可能である。
【0018】
図2は、本明細書に示され説明される1以上の実施形態によるプリント装置102のブロック図を示す。図示のように、プリント装置102はプロセッサ202、命令205を有するデータ記憶装置204、通信インターフェース206、およびユーザインターフェース208を含み、これらはそれぞれシステムバス210を介して通信可能に接続されている。しかしながら、プリント装置102は、異なる及び/又は追加的なコンポーネントを含むことができることを理解されたい。例えば、一実施形態では、プリント装置102はユーザインターフェース208を含まない。
【0019】
プロセッサ202は1以上の汎用プロセッサおよび/または1以上の特定目的プロセッサの形態をとることができ、一例として、データ記憶装置204、通信インターフェース206、ユーザインターフェース208、および/またはプリント装置102の他の任意のコンポーネントと全部または部分的に統合されることができる。したがって、プロセッサ202は、他の可能性もあるが、コントローラ、集積回路、マイクロチップ、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、システムオンチップ(SoC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、および/または特定用途向け集積回路(ASIC)の形態をとるか、またはそれらを含むことができる。
【0020】
データ記憶装置204は、いくつかの例を挙げると、ハードドライブ、ソリッドステートドライブ、消去可能プログラマブル読出し専用メモリ(EPROM)、ユニバーサルシリアルバス(USB)記憶装置、コンパクトディスク読出し専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、リレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)、他の任意の不揮発性記憶装置、またはこれらの任意の組み合わせのような、非一時的コンピュータ読出し可能記憶媒体の形態をとることができる。
【0021】
命令205はデータ記憶装置204に記憶することができ、プロセッサ202によって実行可能な機械語命令を含み、プリント装置102に本明細書に記載するプリント装置機能を実行させることができる。さらに、または代替的に、命令205は、プロセッサ202およびプリント装置102にスクリプト命令で指定された命令を実行させるように構成されたスクリプトインタプリタによって実行可能なスクリプト命令を含むことができる。当業者であれば、命令205が他の形態をとってもよく、他のデータがデータ記憶装置204に記憶されてもよいことを理解するであろう。
【0022】
通信インターフェース206は、本明細書に記載する通信インターフェース機能を実行することができる任意のコンポーネントであってよい。したがって、通信インターフェース206は、多くの他の例もあるが、イーサネット、Wi-Fi、Bluetooth(登録商標)、および/またはUSBインターフェースの形態をとることができる。通信インターフェース206は例えば、ネットワーク108を介して、通信リンク114および/または通信リンク116を介して、データを受信することができる。例として、通信インターフェース206は通信リンク114を介してプリント装置102とプリンタ104との間の通信を容易にしてもよく、あるいは通信リンク116を介してネットワーク108を介して計算端末106との通信を容易にしてもよい。
【0023】
ユーザインターフェース208は、本明細書に記載するユーザインターフェース機能を実行することができる任意のコンポーネントであってよい。例えば、ユーザインターフェース208は、ユーザからの入力および/またはユーザへの出力情報を受信するように構成されてもよい。ユーザ入力は、キーボード、マウス、またはプリント装置102に通信可能にリンクされた別のコンポーネントを介して達成され得る。別の可能性として、入力は、プリント装置102のタッチスクリーンディスプレイを介して実現されてもよい。ユーザへの出力は、一例として、プリント装置102に通信可能にリンクされたコンピュータモニタまたはラウドスピーカ(コンピュータスピーカなど)を介して提供することができる。いくつかのコンポーネントは上記のタッチスクリーンディスプレイのように、入力および出力の両方を提供することができる。当業者であれば、ユーザインターフェース208は同様に、多くの他の形態をとることができることを理解するであろう。
【0024】
システムバス210は、本明細書で説明するシステムバス機能を実行することができる任意のコンポーネントとすることができる。一実施形態では、システムバス210は、プロセッサ202、データ記憶装置204、通信インターフェース206、ユーザインターフェース208、および/またはプリント装置102の他の任意のコンポーネントの間でデータを転送するように構成された任意のコンポーネントである。一実施形態では、システムバス210は、当技術分野で知られているような従来のバスを含む。他の実施形態では、システムバス210は、多くの他の可能性もあるが、単独で、または従来のコンピュータバスと組み合わせた、シリアルRS-232通信リンク、USB通信リンク、および/またはイーサネット通信リンクを含む。いくつかの例では、システムバス210を、他の可能性もあるが、導電線、導電トレース、又は光導波路のような信号を伝送することができる任意の媒体から形成することができる。当業者は、システムバス210が様々な他の形態をとることもできることを認識するのであろう。
【0025】
図3は、本明細書に示され、説明される1以上の実施形態によるプリント出力の例を示す。図示のように、プリント出力300は、コンポーネント出力302および格子出力304を含む。当業者であれば、プリント出力300は、例として、異なるおよび/または追加的なコンポーネント、異なるおよび/または追加的な格子支持構造の出力、またはこれらの組合せなど、異なるおよび/または追加的な出力を含むことができることを理解するであろう。
【0026】
コンポーネント出力302は、多くの他の可能性もあるが、空気-油分離器または熱交換器のようなコンポーネント出力の形態をとる。説明を簡単にするために、コンポーネント出力302は、穴310、穴312、穴314、穴316、および穴318を有するソリッドな立方体の形態のコンポーネント出力として示される。各穴は、立方体の上面から立方体の底面(図示せず)に延在する。
【0027】
格子出力304はコンポーネントのための格子支持構造の出力であり、コンポーネントに追加的な構造的支持を提供する役割を果たすことができる。
図3の実施形態では格子支持構造が穴310の内側に存在するが、穴310よりも小さい穴312~318の内側には存在しない。これらのより小さな穴はコンポーネントに空気の流れおよび温度制御を提供する役割を果たすことができ、これらのより小さな穴の内部に格子支持構造を設けることは、空気の流れを妨げ、適切な温度制御を妨げる可能性がある。
【0028】
プリント出力300は、例えばプリンタ104を介して、プリント装置102によって生成することができる。一実施形態ではプリント出力を生成することは通信リンク114を介してプリンタ104にプリント命令を送るプリント装置102を含み、プリント命令はプリンタ104にプリント出力を出力させる。他の実施形態ではプリント装置102およびプリンタ104が単一の装置に統合され、プリント出力を生成することは統合プリント装置を介してプリント装置102がプリント出力を出力することを含む。プリント出力を生成する他の例も可能である。
【0029】
穴312~318の内側の格子支持構造の出力を防止するために、格子除外領域がコンポーネントに対して定義されてもよい。プリント装置102は、格子支持構造の出力を格子除外領域から除外するようにプリント出力を生成してもよい。格子除外領域のさらなる例を以下に説明する。
【0030】
図4は、本明細書に示され説明される1以上の実施形態による、プリント装置によって実行される方法のフローチャートを示す。本方法はプリント装置102によって実行されるものとして以下に説明されるが、本方法はプリントシステム100の任意のエンティティまたはエンティティの組み合わせによって実行されてもよいことを理解されたい。
【0031】
図4に示すように、ステップ402において、プリント装置102がコンポーネント本体の3次元(3D)ソリッドモデルを定義するモデリングデータを受信することから、方法400が開始する。
【0032】
図5は、本明細書に示され、説明される1以上の実施形態による、簡略化されたコンポーネント本体のソリッドモデルを示す。図示の実施形態では、コンポーネント本体500のソリッドモデルが閉じた面によって囲まれ、囲まれた3次元ソリッドの境界によって画定される所与の体積を有する3次元ソリッドの形態をとる。例えば、図示のように、コンポーネント本体500のソリッドモデルはソリッドな立方体の形態をとるが、ソリッドモデルは異なる幾何学的形状または幾何学的形状の組み合わせを有するソリッドモデルの形態をとることができることが理解されよう。当業者は、コンポーネント本体500のソリッドモデルが特許請求の範囲から逸脱することなく、多くの他の形態をとることができることを理解するであろう。
【0033】
図5に示す実施形態ではコンポーネント本体500が複数の面および複数のエッジを有し、各面はコンポーネント本体のそれぞれのエッジでコンポーネント本体の別の面と接する。例えば、図示のように、コンポーネント本体500は面502、面504、及び面506を含み、エッジ512、エッジ514、エッジ516、エッジ518、エッジ522、エッジ524、エッジ526、エッジ532、及びエッジ534を含む。面502はエッジ514で面504と出会い、言い換えれば、面504はエッジ514で面502と接する。さらに、面502はエッジ516で面506と出会う(すなわち、面506は、エッジ516で面502と接する)。また、面504はエッジ526で面506と出会う(すなわち、面506は、エッジ526で面504と接する)。
【0034】
コンポーネント本体500、具体的にはコンポーネント本体の複数の面および複数のエッジが追加的な面および/またはエッジを含むことができることが、当業者には理解されよう。例えば、図示の実施形態におけるコンポーネント本体500のソリッドモデルはソリッドな立方体の形態をとるので、コンポーネント500は
図5には示されていない3つの追加的な面、具体的には、面502の反対側の追加的な面、面504の反対側の追加的な面、および面506の反対側の追加的な面を含み、
図5には示されていない追加的なエッジを含む。
【0035】
図6は、本明細書に示され、説明される1以上の実施形態による、別のコンポーネント本体のソリッドモデルを示す。図示の実施形態では、コンポーネント本体600のソリッドモデルが
図3に示されるコンポーネント出力302のモデルの形態をとる。コンポーネント本体500と同様に、コンポーネント本体600は複数の面および複数のエッジを有し、各面は、コンポーネント本体のそれぞれのエッジでコンポーネント本体の別の面と接する。例えば、図示のように、コンポーネント本体600は面602、面604、及び面606を含み、エッジ622、エッジ624、エッジ626、エッジ628、エッジ632、エッジ634、エッジ636、エッジ642、及びエッジ644を含む。面602はエッジ624で面604と出会い、言い換えれば、面604はエッジ624で面602と接する。さらに、面602はエッジ626で面606と出会う(すなわち、面606はエッジ626で面602と接する)。また、面604はエッジ636で面606と出会う(すなわち、面606は、エッジ636で面604と接する)。
【0036】
さらに、コンポーネント本体600は面610、面612、面614、面616、および面618を含み、これらの各々は、それぞれ円筒面の形態をとる。コンポーネント本体600はエッジ650、エッジ652、エッジ654、エッジ656、およびエッジ658をさらに含み、面610、612、614、616、および618はそれぞれ、エッジ650、652、654、656、および658で面602と接する。
【0037】
したがって、
図4のステップ402において、プリント装置102は、他の可能性もあるが、
図5、
図6、またはその両方に示されるソリッドモデルを定義するモデリングデータを受信することができる。モデリングデータは、例として、コンピュータ支援設計(CAD)ファイルまたは他のモデリングデータを含むことができる。モデリングデータはデータ記憶装置204から受信することができ、あるいは、通信インターフェース206を介して、例えば、通信リンク116を介してネットワーク108を介して計算端末106から受信することができる。別の例として、モデリングデータは、他の可能性もあるが、プリント装置102のユーザインタフェース208または計算端末106のユーザインタフェースなどのユーザインタフェースを介して受信することができる。当業者は、モデリングデータの他の例(およびモデリングデータの受信)も、特許請求の範囲から逸脱することなく可能であることを理解するであろう。
【0038】
ステップ404において、プリント装置102は、コンポーネント本体の1以上の面を調べて、調べられた面の中の1以上の円筒面を識別する。面を調べることは、調べられた面の各々について、それぞれの面が円筒面であるかどうかを識別することを含むことができる。例えば、プリント装置は、コンポーネント本体600の面602~606および610~618を調べて、これらの調べられた面のうちの1以上の円筒面、すなわち面610~618を識別することができる。当業者であれば、異なる及び/又は追加的な面(例えば、
図6には示されていないコンポーネント本体600の1以上の面)も調べることができることを理解するであろう。
【0039】
コンポーネント本体600の調べられる面602~606および610~618は、これらの面を調べて、閾値直径未満のそれぞれの直径を有する円筒面を識別することを含むことができる。一例では、面610は直径d1を有し、面612~618の各々はそれぞれの直径d2を有する。
図6に反映されるように、面610の直径は、面612~618のそれぞれの直径よりも大きい。直径d1は閾値直径dtよりも大きく、直径d2は閾値直径d2よりも小さい。
【0040】
この例ではプリント装置102が面602~606および610~618を調べて、面612~618(閾値直径dt未満のそれぞれの直径d2を有する円筒面である)を識別するが、面602~606(円筒面ではない)は識別せず、面610(円筒面であるが閾値直径未満の直径を有しない)を識別しない。
【0041】
コンポーネント本体600の1以上の面を調べることは、コンポーネント本体の面の1つを調べること、またはコンポーネント本体の複数の面を調べることを含むことができる。例えば、コンポーネント本体600の面を調べることは、コンポーネント本体の1以上の面の指示を受け取り、次いで、指示された面を調べることを含むことができる。プリント装置102は、閾値直径の指示を受信することができる。調べる面の指示、閾値直径の指示、またはこれらの両方は、他の可能性もあるが、ユーザインターフェースまたは通信インターフェースを介して受信されてもよい。
【0042】
ステップ406で、プリント装置102は、(ステップ404で調べられた面の中で)識別された円筒面に少なくとも部分的に基づいて形成された境界を有する格子除外領域を画定する。一例を挙げると、ステップ404ではプリント装置102が面612~618を識別する(例えば、これらの面が閾値直径よりも小さいそれぞれの直径を有する円筒面であるため。)そして、ステップ406で、プリント装置102は識別された面612~618に少なくとも部分的に基づいて形成された境界を有する格子除外領域を画定する。
【0043】
図7は、本明細書に示され、説明される1以上の実施形態による格子除外領域を示す。示されるように、格子除外領域700はコンポーネント本体600の面612~618に基づいて形成される境界を有し、この例では、ステップ404で識別されるコンポーネント本体の円筒面である。格子除外領域は上述したように、空気流および温度制御のために使用され得る、
図3に示されるコンポーネント出力302の穴312~318に対応する。
【0044】
いくつかの実施形態では、格子除外領域が例えば、空気流を促進するための追加的な空き空間を作り出すために、さらに拡張されてもよい。例えば、格子除外領域を画定することは、格子除外領域の1以上の断面を引き出すことを含み得る。
【0045】
図8は、本明細書に示され、説明される1以上の実施形態による、別の格子除外領域を示す。図示の実施形態では、格子除外領域800がコンポーネント本体600の面602~608に少なくとも部分的に基づいて形成された境界を有する。さらに、格子除外領域800は、断面802、804、806、および808を有する。格子除外領域はさらに、それぞれ断面804、806、および808の反対側にある断面814、816、および818を含み、断面802の反対側にある断面(図示せず)をさらに含む。
図8に示されるように、格子除外領域800を画定することは、格子除外領域から断面を引き離すことを含み、格子除外領域の拡大を引き起こす。格子除外領域は異なるおよび/または追加的な断面を含み得ること、および格子除外領域を画定することはこれらの断面の全てまたはいくつかを引き出すことを含み得ることが理解されよう。
【0046】
図4に戻って説明すると、ステップ408において、プリント装置102は、コンポーネント本体のプリント出力と、コンポーネント本体の格子支持構造とを生成する。格子支持構造のプリント出力は、格子除外領域の外側にある。
【0047】
一例として、プリント出力は
図3に示されるプリント出力300の形態をとることができ、この出力は、コンポーネント(コンポーネント本体600など)のコンポーネント出力302と、コンポーネントの格子支持構造の格子出力304とを含む。格子出力304は、次に、格子充填領域内であるが格子除外領域の外側にある格子支持構造の形態をとることができる。
【0048】
図9Aは格子ユニットセルを示し、
図9Bは、本明細書に示され、説明される1以上の実施形態による格子ユニットセルのタイリングを示す。
図9Aに示されるように、格子ユニットセル900は幾何学的形状のソリッドモデルを有する立方体空間の形態をとり、
図9Bに示されるように、格子ユニットセル900のタイリング950は、立方体ハニカムを集合的に形成する格子ユニットセルの複数のタイルを含む。いくつかの実施形態では格子ユニットセルが任意の平行六面体(例えば、直方体などの3次元多角形)の形態をとることができ、タイリングは任意のハニカム(例えば、立方体ハニカム)の形態をとることができる。また、
図9Bには、格子充填領域960の境界が示されている。タイリング950が格子充填領域内(すなわち、格子充填領域の境界内)における格子ユニットセル900のタイリングの形態をとる。
図9Bは、格子除外領域を描いておらず、説明していないことに留意されたい。
【0049】
一実施態様では、格子出力304がタイリング格子ユニットセル900の形態をとる。タイリングは格子充填領域960内であるが、格子除外領域700の外側にある。このような一実施形態では、格子支持構造のプリント出力が格子除外領域の断面の引き出しに続く格子除外領域の外側にある。例えば、格子支持構造出力は格子充填領域内であるが、格子除外領域の断面の引き出しに続く格子除外領域の外側にある格子ユニットセルのタイリングの形態をとることができる。
【0050】
格子除外領域の外側にある格子支持構造のプリント出力を生成することによって、温度制御を提供するように機能し得る、円筒面によって形成される空気通路のような領域を格子支持構造が遮断しないようにすることが可能であり得る。
【0051】
上述のアプローチはコンポーネントの円筒穴に関して格子除外領域を画定することを可能にし得るが、ソリッドな本体を通る全ての空気開口が必ずしも円筒穴の形態をとるとは限らない。以下に記載されるのは、ソリッドな本体を通る非円筒形開口部に対して格子除外領域を画定することを可能にし得るアプローチである。
【0052】
図10Aおよび
図10Bは、本明細書で示され、説明される1以上の実施形態による、コンポーネント本体のソリッドモデルのそれぞれの図を示す。
図10Aに示されるように、コンポーネント本体1000は複数の面および複数のエッジを有し、面の各々は、コンポーネント本体のそれぞれのエッジにおいて、コンポーネント本体の別の面と接する。図示の実施形態では、コンポーネント本体1000が面1002、面1004、および面1006を含み、エッジ1012、エッジ1014、エッジ1016、エッジ1018、エッジ1022、エッジ1024、エッジ1026、エッジ1032、およびエッジ1034を含む。面1002はエッジ1014で面1004と出会い、言い換えれば、面1004は、エッジ1014で面1002と接する。また、面1002はエッジ1016で面1006と出会う(すなわち、面1006は、エッジ1016で面1002と接する)。さらに、面1004はエッジ1026で面1006と出会う(すなわち、面1006は、エッジ1026で面1004と接する)。さらに、コンポーネント本体100は、エッジ1042と、エッジ1042で面1002と接する面1052とを含む。
【0053】
図10Bに示されるように、コンポーネント本体1000は、面1008、エッジ1044、エッジ1062、およびエッジ1064をさらに含む。面1008はエッジ1024で面1004に接し、エッジ1032で面1006に接し、エッジ1044で面1052に接する。
【0054】
図11は、本明細書に示され説明される1以上の実施形態による、プリント装置によって実行される方法のフローチャートを示す。本方法はプリント装置102によって実行されるものとして以下に説明されるが、本方法はプリントシステム100の任意のエンティティまたはエンティティの組み合わせによって実行されてもよいことを理解されたい。
【0055】
図11に示すように、方法1100はステップ1102で始まり、プリント装置102は、コンポーネント本体1000の3Dソリッドモデルを定義するモデリングデータを受信する。モデリングデータの受信は、
図4に示す方法400のステップ402に関して上述したものと同様の形態をとることができる。例えば、コンポーネント本体1000の3Dモデルを定義するモデリングデータは、例として、コンピュータ支援設計(CAD)ファイルまたは他のモデリングデータの形態をとる(または含む)ことができる。モデリングデータはデータ記憶装置204から受信することができ、あるいは、通信インターフェース206を介して、例えば、通信リンク116を介してネットワーク108を介して計算端末106から受信することができる。別の例として、モデリングデータは、他の可能性もあるが、プリント装置102のユーザインターフェース208または計算端末106のユーザインターフェースなどのユーザインターフェースを介して受信することができる。当業者は、モデリングデータの他の例(およびモデリングデータの受信)も、特許請求の範囲から逸脱することなく可能であることを理解するであろう。
【0056】
ステップ1104において、プリント装置102は、コンポーネント本体1000の1以上の面を調べて、1以上のループを識別する。ループの各々は、コンポーネント本体1000の1以上のそれぞれのエッジを含む。例えば、
図10Aに示されるように、エッジ1042は面1002内にループを形成し、
図10Bに示されるように、エッジ1044は、面1008内にループを形成する。ループの他の例は、三角形または正方形などの多角形を形成する面1002(または別の面)内のエッジを含むことができる。ループの更なる例は、コンポーネント本体600の面602のエッジ650のような円である。ループの他の例も同様に可能である。
【0057】
ステップ1104で面を調べることは、調べられた面のそれぞれについて、それぞれの面における1以上のループを識別することを含むことができる。例えば、プリント装置は、コンポーネント本体1000の面1002~1008および1052を調べて、調べられた面内の1以上のループ、すなわちエッジ1042および1044を識別することができる。当業者であれば、異なる及び/又は追加的な面(例えば、
図10A及び
図10Bには示されていないコンポーネント本体1000の1以上の面)も調べることができることを理解するであろう。
【0058】
ステップ1106で、プリント装置102は、ステップ1004で識別されたループに対応する1以上の面を識別する。一例として、
図10Aに示されるように、面1052はループ1042に対応し、
図10Bに示されるように、面1052は、ループ1044に対応する。他の例は、複数のエッジを有する所与のループに対応する複数の面を含むことができる。例えば、(三角形の形態の)3つのエッジを含むループは3つの対応する面を含むことができ、対応する面の各々はループを含む所与の調べられた面に接し、具体的には、三角形のそれぞれのエッジで所与の調べられた面に接する。
【0059】
ステップ1108では、プリント装置102がステップ1106で識別される対応する面に少なくとも部分的に基づいて形成される境界を有する格子除外領域を画定する。
【0060】
図12は、本明細書に示され、説明される1以上の実施形態による格子除外領域を示す。示されるように、格子除外領域1200はコンポーネント本体1000の面1052に基づいて形成される境界を有し、この例では、ステップ1106で識別されるコンポーネント本体の対応する面である。
【0061】
図13は、本明細書に示され、説明される1以上の実施形態による、別の格子除外領域を示す。いくつかの実施形態では、おそらく前述のように、空気の流れを容易にするために追加的な空の領域(空間)を作り出すために、格子除外領域をさらに広げることができる。例えば、格子除外領域を画定することは、格子除外領域の1以上の断面を引き出すことを含み得る。
図13に示す実施形態では、格子除外領域1300が(
図12の実施形態のように)ステップ1106で識別されたコンポーネント本体の対応する面であるコンポーネント本体1000の面1052に基づいて形成された境界を有する。
【0062】
格子除外領域はさらに、断面1302と、断面1302の反対側の断面1312とを含む。示されるように、格子除外領域1300を画定することは、格子除外領域から断面1302および1312を引き離すことを含み、格子除外領域の拡大を引き起こす。
図13の例は両断面1302および1312の引き出しを描いているが、格子除外領域を画定することは断面1302の引き出しを含み、断面1312の引き出しを含まなくてもよいし、または、断面1312の引き出しを含み、断面1302の引き出しを含まなくてもよいことが理解されよう。さらに、格子除外領域は例えば、異なるおよび/または追加的な対応する面がステップ1106で識別される場合、他の形態をとることもできる。
【0063】
ステップ1110において、プリント装置102は、コンポーネント本体1000のプリント出力と、コンポーネント本体のための格子支持構造とを生成する。格子支持構造のプリント出力は、格子除外領域の外側にある。
【0064】
図14は、本明細書に示され、説明される1以上の実施形態によるプリント出力の例を示す。図示のように、プリント出力1400は、コンポーネント出力1402および格子出力1404を含む。当業者であれば、プリント出力1400は、例として、異なるおよび/または追加的なコンポーネント、異なるおよび/または追加的な格子支持構造の出力、またはこれらの組合せなどの、異なるおよび/または追加的な出力を含むことができることを理解するであろう。
【0065】
コンポーネント出力1402は、コンポーネント本体1000の出力の形態をとる。図示の実施形態では、コンポーネント出力がコンポーネント出力の上面からコンポーネント出力の底面(図示せず)に延在する開口1452を含む。開口はエッジ1042および1044に対応する面1052に関連付けられており、これらはいずれもループである。
【0066】
格子出力1404は、コンポーネントに対する格子支持構造の出力である。格子出力は、格子除外領域(格子除外領域1200または格子除外領域1300など)の外側にある。例えば、
図14に示されるように、格子支持構造は開口部1452の内側には存在しない。開口部がコンポーネントに空気の流れおよび温度制御を提供する役割を果たすことができ、開口部内に格子支持構造を設けることは、空気の流れを妨げ、適切な温度制御を妨げる可能性があるからである。
【0067】
一実施形態によると、格子出力1404は、格子充填領域内であるが格子除外領域の外側にある格子支持構造の形態をとる。例えば、
図14の実施態様において、格子出力構造は
図14に示される格子充填領域1460内であり、格子除外領域1300の外側(
図13に示される)での格子ユニットセル900(
図9Aに示される)のタイリングの形態をとる。格子ユニットセルのタイリングに関するさらなる詳細は、
図9Bを参照して上記で提供される。
【0068】
格子除外領域の外側にある格子支持構造のプリント出力を生成することによって、温度制御を提供するように機能し得る、識別されたループに対応する面によって形成される空気通路のような領域を格子支持構造が遮断しないようにすることが可能であり得る。
【0069】
図15は、本明細書に示され説明される1以上の実施形態による、プリント装置によって実行される方法のフローチャートを示す。本方法はプリント装置102によって実行されるものとして以下に説明されるが、本方法はプリントシステム100の任意のエンティティまたはエンティティの組み合わせによって実行されてもよいことを理解されたい。
【0070】
図15に示すように、方法1500はステップ1502で始まり、プリント装置102は、コンポーネント本体600またはコンポーネント本体1000などのコンポーネント本体の3Dソリッドモデルを定義するモデリングデータを受信する。モデリングデータを受信することは、方法400のステップ402および/または方法1100のステップ1102に関して上述したものと同様の形態をとることができる。
【0071】
ステップ1504において、プリント装置102はコンポーネント本体の1以上の面を調べて、1以上のループ形状を識別し、ステップ1506において、プリント装置は、ループ形状に対応するコンポーネント本体の1以上の面に少なくとも部分的に基づいて形成された境界を有する格子除外領域を画定する。
【0072】
一実施形態ではループ形状が調べられる面の中のそれぞれの円筒面の形態をとり、ループ形状に対応する面は円筒面の形態をとる。1以上の円筒面を識別するために面を調べる例は方法400のステップ404を参照して上述されており、識別された円筒面に(少なくとも部分的に)基づいて形成された境界を有する格子除外領域を定義する例は、方法400のステップ406を参照して上述されている。いくつかの実施形態では、コンポーネント本体の面を調べることは調べられた面の中にあり、閾値直径未満のそれぞれの直径を有する円筒面を識別するために、面を調べることを含む。そのような実施形態では、ループ形状が調べられる面の中にあり、閾値直径未満のそれぞれの直径を有する円筒面の形態をとることができる
【0073】
別の実施形態ではループ形状が1以上のループの形態をとり、ループの各々はコンポーネント本体の1以上のそれぞれのエッジを含む。そのような実施形態では、ループ形状に対応する面がループに対応する1以上の面を含む。ループを識別するために面を調べる例はステップ1104を参照して上述され、ループに対応する面を識別する例はステップ1106を参照して上述される。さらに、対応する面に少なくとも部分的に基づいて形成された境界を有する格子除外領域を定義する例が、ステップ1108を参照して上述される。
【0074】
ステップ1508において、プリント装置102は、コンポーネント本体のプリント出力と、コンポーネント本体のための格子支持構造とを生成する。格子支持構造のプリント出力は、格子除外領域の外側にある。プリント出力を生成することは、方法400のステップ408および/または方法1100のステップ1110に関して上述したものと同様の形態をとることができる。格子除外領域の外側にある格子支持構造のプリント出力を生成することによって、温度制御を提供するように機能することができるループ状の幾何学的形状によって形成される空気通路のような領域を格子支持構造が遮断しないようにすることが可能であり得る。
【0075】
ここで、本明細書で説明するシステム、プリント装置、および方法は、格子除外領域の外側にある格子支持構造のプリント出力を生成することを理解されたい。したがって、格子除外領域は穴または他の開口部内またはその近くの格子支持構造の出力を防止することで、コンポーネントを通る空気流を促進し、コンポーネントの温度を調節するように機能することができる。
【0076】
本明細書では特定の実施形態を示し、説明してきたが、特許請求される主題の思想および範囲から逸脱することなく、様々な他の変更および修正を行うことができることを理解されたい。さらに、特許請求される主題の様々な態様が本明細書で説明されてきたが、そのような態様は組み合わせて利用される必要はない。したがって、添付の特許請求の範囲は、クレームされた主題の範囲内にある全てのそのような変更および修正をカバーすることが意図されている。
【0077】
本発明のさらなる態様は、以下の条項の主題によって提供される。
【0078】
本方法は、プリント装置によって実行される。該方法は、複数の面および複数のエッジを有するコンポーネント本体の3次元ソリッドモデルを定義するモデリングデータを受信することを含む。各面は、コンポーネント本体のエッジの各々でコンポーネント本体の別の面と接する。この方法はさらに、1以上のループ形状を識別するためにコンポーネント本体の1以上の面を調べ、ループ形状に対応するコンポーネント本体の1以上の面に少なくとも部分的に基づいて形成された境界を有する格子除外領域を画定する。この方法は、さらに、コンポーネント本体のプリント出力と、コンポーネント本体の格子支持構造とを生成する。格子支持構造のプリント出力は、格子除外領域の外側にある。
【0079】
前記条項の何れかの方法において、ループ形状は調べられる面に円筒面の各々を含み、ループ形状に対応する面は、円筒面を含む。
【0080】
前記条項の何れかの方法において、コンポーネント本体の面を調べることは、調べられる面にあり、各々の直径が閾値直径未満である円筒面を識別するために面を調べることを含み、ループ形状は調べられる面にあり、各々の直径が閾値直径未満である円筒面を含む。
【0081】
前記条項の何れかの方法において、面を調べることは、ユーザインターフェースを介してコンポーネント本体の1以上の面の指示を受信し、指示された面を調べて、指示された面の1以上の円筒面を識別する、ことを含む。
【0082】
前記条項の何れかの方法において、ループ形状は1以上のループを含み、ループの各々はコンポーネント本体の1以上の各々のエッジを含み、ループ形状に対応する面は、前記ループに対応する1以上の面を含む。
【0083】
前記条項の何れかの方法において、面を調べることは、ユーザインターフェースを介して前記コンポーネント本体の1以上の面の指示を受信し、指示された面を調べて、指示された面の1以上のループを識別する、ことを含む。
【0084】
前記条項の何れかの方法において、格子除外領域を画定することは、格子除外領域の1以上の断面を引き出すことを含み、格子支持構造のプリント出力は、断面の引き出しに続く格子除外領域の外側にある。
【0085】
前記条項の何れかの方法において、格子支持構造のプリント出力は格子充填領域内であり、格子除外領域の外側にある。
【0086】
本方法は、プリント装置によって実行される。該方法は、複数の面および複数のエッジを有するコンポーネント本体の3次元ソリッドモデルを定義するモデリングデータを受信することを含む。各面は、コンポーネント本体のエッジの各々でコンポーネント本体の別の面と接する。この方法は、コンポーネント本体の1以上の面を調べて、1以上のループを識別することをさらに含む。ループの各々は、コンポーネント本体の1以上のエッジの各々を含む。この方法はさらに、識別されたループに対応するコンポーネント本体の1以上の面を識別し、識別された対応する面に少なくとも部分的に基づいて形成された境界を有する格子除外領域を画定する。この方法は、さらに、コンポーネント本体のプリント出力と、コンポーネント本体の格子支持構造とを生成する。格子支持構造のプリント出力は、格子除外領域の外側にある。
【0087】
前記条項の何れかの方法において、格子除外領域を画定することは格子除外領域の1以上の断面を引き出すことを含み、格子支持構造のプリント出力は、断面の引き出しに続く格子除外領域の外側にある。
【0088】
前記条項の何れかの方法において、格子支持構造のプリント出力は格子充填領域内であり、格子除外領域の外側にある。
【0089】
前記条項の何れかの方法において、格子支持構造のプリント出力は格子充填領域内であり、格子除外領域の外側にある格子ユニットセルのタイリングを含む。
【0090】
前記条項の何れかの方法において、面を調べることは、ユーザインターフェースを介してコンポーネント本体の1以上の面の指示を受信し、調べられた面の1以上のループを識別するために、指示された面を調べる、ことを含む。
【0091】
前記条項の何れかの方法において、格子支持構造のプリント出力は格子充填領域内であり、格子除外領域の外側にある格子ユニットセルのタイリングを含む。
(付記1)
プリント装置が実行する方法であって、
複数の面および複数のエッジを有するコンポーネント本体の3次元ソリッドモデルを定義するモデリングデータを受信し、
各面は、前記コンポーネント本体のエッジの各々において前記コンポーネント本体の別の面に接し、
1以上のループ形状を識別するために前記コンポーネント本体の1以上の面を調べ、
前記ループ形状に対応する前記コンポーネント本体の1以上の面に少なくとも部分的に基づいて形成された境界を有する格子除外領域を画定し、
前記コンポーネント本体のプリント出力および前記コンポーネント本体のための格子支持構造を生成し、
前記格子支持構造のプリント出力は、前記格子除外領域の外側にある、
方法。
(付記2)
前記ループ形状は調べられる面に円筒面の各々を含み、
前記ループ形状に対応する面は前記円筒面を含む、
付記1に記載の方法。
(付記3)
前記コンポーネント本体の面を調べることは、前記調べられる面にあり、各々が閾値直径未満の直径を有する円筒面を識別するために面を調べることを含み、
前記ループ形状は前記調べられる面にあり、各々が前記閾値直径未満の直径を有する前記円筒面を含む、
付記2に記載の方法。
(付記4)
前記面を調べることは、
ユーザインターフェースを介して前記コンポーネント本体の1以上の面の指示を受信し、
指示された面の1以上の円筒面を識別するために、前記指示された面を調べる、
ことを含む、
付記2に記載の方法。
(付記5)
前記ループ形状は1以上のループを含み、
前記ループの各々は前記コンポーネント本体の1以上の各々のエッジを含み、
前記ループ形状に対応する面は、前記ループに対応する1以上の面を含む、
付記1に記載の方法。
(付記6)
前記面を調べることは、
ユーザインターフェースを介して前記コンポーネント本体の1以上の面の指示を受信し、
指示された面の1以上のループを識別するために、前記指示された面を調べる、
ことを含む、
付記5に記載の方法。
(付記7)
前記格子除外領域を画定することは前記格子除外領域の1以上の断面を引き出すことを含み、
前記格子支持構造のプリント出力は前記断面の引き出しに続く前記格子除外領域の外側にある、
付記1に記載の方法。
(付記8)
前記格子支持構造の前記プリント出力が、格子充填領域内であり、前記格子除外領域の外側にある、
付記1に記載の方法。
(付記9)
前記格子支持構造の前記プリント出力が、前記格子充填領域内であり、前記格子除外領域の外側にある格子ユニットセルのタイリングを含む、
付記8に記載の方法。
(付記10)
プリント装置が実行する方法であって、
複数の面および複数のエッジを有するコンポーネント本体の3次元ソリッドモデルを定義するモデリングデータを受信し、
各面は、前記コンポーネント本体のエッジの各々において前記コンポーネント本体の別の面に接し、
1以上のループを識別するために前記コンポーネント本体の1以上の面を調べ、
前記ループの各々は、前記コンポーネント本体の1以上のエッジの各々を含み、
識別されたループに対応する前記コンポーネント本体の1以上の面を識別し、
識別された対応する面に少なくとも部分的に基づいて形成された境界を有する格子除外領域を画定し、
前記コンポーネント本体のプリント出力および前記コンポーネント本体のための格子支持構造を生成し、
前記格子支持構造のプリント出力は、前記格子除外領域の外側にある、
方法。
(付記11)
前記格子除外領域を画定することは前記格子除外領域の1以上の断面を引き出すことを含み、
前記格子支持構造のプリント出力は前記断面の引き出しに続く前記格子除外領域の外側にある、
付記10に記載の方法。
(付記12)
前記格子支持構造のプリント出力が、格子充填領域内であり、前記格子除外領域の外側にある、
付記10に記載の方法。
(付記13)
前記格子支持構造のプリント出力が、前記格子充填領域内であり、前記格子除外領域の外側にある格子ユニットセルのタイリングを含む、
付記12に記載の方法。
(付記14)
前記面を調べることが、
ユーザインターフェースを介して前記コンポーネント本体の1以上の面の指示を受信し、
調べられた面の1以上のループを識別するために、指示された面を調べる、
付記10に記載の方法。