(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-21
(45)【発行日】2024-01-04
(54)【発明の名称】組み合わせられた視野のための異なる回折格子を有するスタックされた導波管
(51)【国際特許分類】
G02B 27/02 20060101AFI20231222BHJP
G02B 5/18 20060101ALI20231222BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
G02B5/18
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022107069
(22)【出願日】2022-07-01
(62)【分割の表示】P 2019548409の分割
【原出願日】2018-03-20
【審査請求日】2022-07-01
(32)【優先日】2017-03-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514108838
【氏名又は名称】マジック リープ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Magic Leap,Inc.
【住所又は居所原語表記】7500 W SUNRISE BLVD,PLANTATION,FL 33322 USA
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】チュルウ オ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィク パルティバン
【審査官】鈴木 俊光
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-011057(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0218801(US,A1)
【文献】特開2015-105990(JP,A)
【文献】特開2014-132328(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0322810(US,A1)
【文献】特表2008-523434(JP,A)
【文献】特開2015-118273(JP,A)
【文献】国際公開第2016/194961(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/01 - 27/02
G02B 5/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学デバイスであって、
前記光学デバイスは、互いの上に形成された複数の導波管を備え、前記複数の導波管は、前記複数の導波管のそれぞれの導波管の上に形成されたそれぞれの回折格子を有し、前記それぞれの回折格子は、その上に入射する可視光を前記それぞれの導波管の中に回折するように構成されており、前記それぞれの導波管の中に回折された前記可視光は、前記それぞれの導波管の中で伝搬し、
前記それぞれの回折格子は、前記それぞれの導波管の層法線方向に対するそれぞれの視野(FOV)内の前記それぞれの導波管上に入射する可視光を前記それぞれの導波管の中に回折するように構成されており、前記複数の導波管は、組み合わせられたFOV内の前記可視光を回折するように構成されており、前記組み合わせられたFOVは、前記それぞれの回折格子の前記それぞれのFOVの各々よりも大きく、
前記複数の導波管は、第1の導波管を含み、前記第1の導波管は、その上に形成された第1の回折格子を有し、前記第1の回折格子は、その上に入射する可視光を部分的に回折し、部分的に透過させるように構成されており、前記複数の導波管は、第2の導波管を含み、前記第2の導波管は、その上に形成された第2の回折格子を有し、前記第2の回折格子は、その上に入射する前記第1の回折格子からの前記透過させられた可視光を少なくとも部分的に回折するように構成されており、
前記第1の回折格子は、第1の周期を有し、第1の色を有する可視光を回折するように構成されており、前記第2の回折格子は、前記第1の周期とは異なる第2の周期を有し、前記第1の色を有する可視光と第2の色を有する可視光とを回折するように構成されている、光学デバイス。
【請求項2】
前記複数の導波管は、その屈折率が前記それぞれの回折格子の有効屈折率より小さい材料から形成されており、これにより、前記それぞれの導波管の中に回折された前記可視光は、全内部反射のもと、前記それぞれの導波管の中で伝搬する、請求項1に記載の光学デバイス。
【請求項3】
前記複数の導波管は、スタックされた配列にあり、全内部反射のもと、前記可視光を実質的に平行な方向に伝搬するように構成されている、請求項1に記載の光学デバイス。
【請求項4】
前記複数の導波管は、鉛直な方向にスタックされており、前記それぞれの回折格子のそれぞれの表面は、前記鉛直な方向に対して垂直な側方方向に延びており、前記それぞれの回折格子のうちの異なるものは、前記鉛直な方向から見て互いに重複する、請求項1に記載の光学デバイス。
【請求項5】
互いに重複する前記それぞれのFOVの部分は、前記それぞれの回折格子の前記それぞれのFOVの各々の合計の20%未満である、請求項1に記載の光学デバイス。
【請求項6】
前記第1の回折格子および前記第2の回折格子は、異なる周期を有し、前記第1の回折格子および前記第2の回折格子は、435nm~780nmの範囲内の波長を有する可視光を回折するように構成されている、請求項1に記載の光学デバイス。
【請求項7】
前記第1の色は、前記第2の色と比較してより短い波長に対応する、請求項1に記載の光学デバイス。
【請求項8】
前記第1の回折格子は、第1のFOV内のその上に入射する前記第1の色を有する可視光を部分的に回折し、第2のFOV内のその上に入射する前記第1の色を有する前記可視光を部分的に透過させるように構成されており、前記第2の回折格子は、前記第1の回折格子を部分的に透過させられた前記第1の色を有する前記可視光を少なくとも部分的に回折するように構成されている、請求項1に記載の光学デバイス。
【請求項9】
前記第1の回折格子は、前記第2の色を有する前記可視光を実質的に透過させるように構成されており、前記第2の回折格子は、前記第1のFOV内の入射する前記第2の色を有する前記可視光を少なくとも部分的に回折するように構成されている、請求項8に記載の光学デバイス。
【請求項10】
前記光学デバイスは、第3の導波管をさらに備え、前記第3の導波管は、その上に形成された第3の回折格子を有し、前記第3の回折格子は、第3の周期を有し、第3の色を有する可視光を回折するように構成されており、前記第2の色は、前記第3の色と比較してより短い波長に対応する、請求項9に記載の光学デバイス。
【請求項11】
前記第2の回折格子は、前記第2の色を有する前記可視光を少なくとも部分的に透過させるように構成されており、前記第3の回折格子は、前記第2のFOV内の前記第2の回折格子からの前記第2の色を有する前記部分的に透過させられた可視光を受け取り、少なくとも部分的に回折するように構成されている、請求項10に記載の光学デバイス。
【請求項12】
前記第1の回折格子および前記第2の回折格子は、前記第3の色を有する前記可視光を実質的に透過させるように構成されており、前記第3の回折格子は、前記第1のFOV内の前記第1の回折格子および前記第2の回折格子を透過させられた前記第3の色を有する前記可視光を少なくとも部分的に回折するように構成されている、請求項11に記載の光学デバイス。
【請求項13】
光学システムであって、前記光学システムは、
第1の導波管であって、前記第1の導波管は、その上に形成された第1の回折格子を有し、前記第1の回折格子は、第1の周期を有し、第1のFOV内の前記第1の導波管上に入射する第1の色を有する光を回折するように構成されている、第1の導波管と、
第2の導波管であって、前記第2の導波管は、その上に形成された第2の回折格子を有し、前記第2の回折格子は、第2の周期を有し、第2のFOV内の前記第2の導波管上に入射する前記第1の色を有する前記光を回折するように構成されている、第2の導波管と
を備え、
前記第1の回折格子および前記第2の回折格子は、それぞれの導波管の層法線方向に対するそれぞれの視野(FOV)内の前記第1の色を有する前記光を前記それぞれの導波管の中に回折するように構成されており、前記第1の導波管および前記第2の導波管は、組み合わせられたFOV内の前記第1の色を有する前記光を回折するように構成されており、前記組み合わせられたFOVは、前記第1のFOVおよび前記第2のFOVよりも大きく、
前記第1の導波管および前記第2の導波管は、スタックされた構成にあり、前記第1の導波管は、前記第2の導波管に先立って前記第1の色を有する前記光を受け取るように構成されており、前記第1の周期は、前記第2の周期より短く、
前記第1の回折格子は、第2の色を有する光を実質的に回折せずに前記第1の回折格子を実質的に透過させるように構成されており、前記第2の色を有する前記光は、前記第1の色を有する前記光と比較してより長い波長を有
し、
前記第2の回折格子は、前記第2の導波管内に誘導されるべき前記第2のFOV内の前記第2の色を有する前記光を回折するように構成されている、光学システム。
【請求項14】
前記第1の回折格子および前記第2の回折格子の各々は、コレステリック液晶層(CLC層)を備えている、請求項13に記載の光学システム。
【請求項15】
前記CLC層は、複数のキラル構造を備え、各キラル構造は、複数の液晶分子を備え、前記複数の液晶分子は、少なくとも螺旋ピッチだけ層深度方向に延びており、かつ、第1の回転方向に連続的に回転させられ、
前記螺旋ピッチは、前記第1の回転方向における1回転による前記キラル構造の前記液晶分子の正味回転角度に対応する前記層深度方向における長さであり、
前記キラル構造の前記液晶分子の配列は、前記層深度方向と垂直な側方方向に周期的に変動する、請求項
14に記載の光学システム。
【請求項16】
各キラル構造は、異なる伸長方向に沿って伸長された少なくとも3つのカラミチック液晶分子を備えている、請求項
15に記載の光学システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(参照による組み込み)
本願は、米国仮特許出願第62/474,529号(2017年3月21日出願、名称「STACKED WAVEGUIDES HAVING DIFFERENT DIFFRACTION GRATINGS FOR COMBINED FIELD OF VIEW」)の優先権の利益を主張し、上記出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(分野)
本開示は、ディスプレイシステムに関し、より具体的には、コレステリック液晶に基づく回折デバイスを備えている拡張現実ディスプレイシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
現代のコンピューティングおよびディスプレイ技術は、いわゆる「仮想現実」または「拡張現実」体験のためのシステムの開発を促進しており、デジタル的に再現された画像またはその一部が、現実であるように見える様式、またはそのように知覚され得る様式でユーザに提示される。仮想現実または「VR」シナリオは、典型的には、他の実際の実世界の視覚的入力に対する透明性を伴わずに、デジタルまたは仮想画像情報の提示を伴い、拡張現実または「AR」シナリオは、典型的には、ユーザの周囲の実際の世界の可視化に対する拡張としてのデジタルまたは仮想画像情報の提示を伴う。複合現実または「MR」シナリオは、一種のARシナリオであり、典型的には、自然世界の中に統合され、それに応答する、仮想オブジェクトを伴う。例えば、MRシナリオは、実世界内のオブジェクトによってブロックされているように見える、または別様にそれと相互作用するように知覚される、AR画像コンテンツを含み得る。
【0004】
図1を参照すると、拡張現実場面1が、描写されている。AR技術のユーザは、人々、木々、背景における建物、およびコンクリートプラットフォーム30を特徴とする実世界の公園状設定20を見ている。ユーザは、実世界プラットフォーム1120上に立っているロボット像40、およびマルハナバチの擬人化のように見える、飛んでいる漫画のようなアバタキャラクタ50等の「仮想コンテンツ」も「見ている」と知覚する。これらの要素50、40は、実世界には存在しないという点で、「仮想」である。ヒトの視知覚系が複雑であるので、他の仮想または実世界画像要素間における仮想画像要素の快適で、自然のような感覚で、かつ豊かな提示を促進する、AR技術の生産は、困難である。
【0005】
本明細書に開示されるシステムおよび方法は、ARまたはVR技術に関連する種々の課題に対処する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の側面では、光学デバイスは、互いの上に形成され、その上に形成されたそれぞれの回折格子を有する複数の導波管であって、それぞれの回折格子は、それぞれの導波管の中に回折された可視光がその中で伝搬するように、その上に入射する可視光をそれぞれの導波管の中に回折するように構成された複数の導波管を備えている。それぞれの回折格子は、それぞれの導波管の層法線方向に対するそれぞれの視野(FOV)内のそれぞれの導波管上に入射する可視光をそれぞれの導波管の中に回折するように構成されている。それぞれのFOVは、複数の導波管が、連続し、それぞれのFOVの各々より大きい組み合わせられたFOV内の可視光を回折するように構成されるようなものである。
【0007】
第2の側面では、光学システムは、その上に形成された第1の回折格子を有する第1の導波管を備えている。第1の回折格子は、第1の周期を有し、第1のFOV内の第1の導波管上に入射する第1の色を有する光を回折するように構成されている。光学システムは、加えて、その上に形成された第2の回折格子を有する第2の導波管を備えている。第2の回折格子は、第2の周期を有し、第2のFOV内の第2の導波管上に入射する第1の色を有する光を回折するように構成されている。第1および第2の回折格子は、それぞれの導波管の層法線方向に対するそれぞれの視野(FOV)内の第1の色を有する光をそれぞれの導波管の中に回折するように構成されている。それぞれのFOVは、第1および第2の導波管が、連続し、第1および第2のFOVの各々より大きい組み合わせられたFOV内の第1の色を有する可視光を回折するように構成されるようなものである。
【0008】
第3の側面では、ディスプレイデバイスは、液晶を備えているその上に形成された第1の回折格子を有する第1の導波管であって、第1の回折格子は、その上に入射する第1の色を有する光の一部を第1の導波管の中に回折するように構成されている、第1の導波管を備えている。第1の回折格子は、加えて、その上に入射する第1の色を有する光の一部を通過させるように構成されている。第1の回折格子は、第2の色を有する光を通過させるようにさらに構成されている。ディスプレイデバイスは、加えて、液晶を備えているその上に形成された第2の回折格子を有する第2の導波管であって、第2の回折格子は、第2の色を有する光を第2の導波管の中に回折するように構成されている、第2の導波管を備えている。第2の回折格子は、第1の回折格子を通過した第1の色を有する光の一部を第2の導波管の中に回折するようにさらに構成されている。
【0009】
第4の側面では、頭部搭載型ディスプレイデバイスは、光をユーザの眼に投影し、拡張現実画像コンテンツを表示するように構成されている。頭部搭載型ディスプレイデバイスは、ユーザの頭部上に支持されるように構成されたフレームを備えている。頭部搭載型ディスプレイデバイスは、加えて、フレーム上に配置されたディスプレイを備えている。ディスプレイの少なくとも一部は、複数の導波管を備えている。導波管は、透明であり、透明部分が、ユーザの正面の環境の一部からの光をユーザの眼に透過させ、ユーザの正面の環境の一部のビューを提供するように、ユーザが頭部搭載型ディスプレイデバイスを装着すると、ユーザの眼の正面の場所に配置される。ディスプレイは、1つ以上の光源と、光源からの光をディスプレイにおける導波管の中に結合するように構成されたディスプレイにおける複数の回折格子とをさらに備えている。ディスプレイ内の導波管および回折格子は、第1-第3の側面のうちの任意の1つに記載の導波管および回折格子を備えている。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
光学デバイスであって、
前記光学デバイスは、互いの上に形成された複数の導波管を備え、前記複数の導波管は、それらの上に形成されたそれぞれの回折格子を有し、前記それぞれの回折格子は、その上に入射する可視光をそれぞれの導波管の中に回折するように構成され、前記それぞれの導波管の中に回折された可視光は、前記それぞれの導波管の中で伝搬し、
前記それぞれの回折格子は、前記それぞれの導波管の層法線方向に対するそれぞれの視野(FOV)内の前記それぞれの導波管上に入射する可視光を前記それぞれの導波管の中に回折するように構成され、前記それぞれのFOVは、前記複数の導波管が組み合わせられたFOV内の前記可視光を回折するように構成されるようなものであり、前記組み合わせられたFOVは、連続しており、前記それぞれのFOVの各々より大きい、
光学デバイス。
(項目2)
前記複数の導波管は、その屈折率が前記それぞれの回折格子の有効屈折率より小さい材料から形成されており、それによって、前記それぞれの導波管の中に回折された前記可視光は、全内部反射のもと、前記それぞれの導波管の中で伝搬する、項目1に記載の光学デバイス。
(項目3)
前記複数の導波管は、スタックされた配列にあり、全内部反射のもと、前記可視光を実質的に平行方向に伝搬するように構成されている、項目1に記載の光学デバイス。
(項目4)
前記それぞれの回折格子のうちの異なるものは、前記層法線方向と垂直な側方方向に互いに重複するように配置されている、項目1に記載の光学デバイス。
(項目5)
前記それぞれのFOVのうちの異なるものは、前記それぞれのFOVのうちの前記異なるものの合計に基づいて、20%より大きく重複しない、項目1に記載の光学デバイス。
(項目6)
前記複数の導波管は、第1の導波管を含み、前記第1の導波管は、その上に形成された第1の回折格子を有し、前記第1の回折格子は、その上に入射する可視光を部分的に回折し、部分的に透過させるように構成され、前記複数の導波管は、第2の導波管を含み、前記第2の導波管は、その上に形成された第2の回折格子を有し、前記第2の回折格子は、その上に入射する前記第1の回折格子からの前記透過させられた可視光を少なくとも部分的に回折するように構成されている、項目1-5のいずれか1項に記載の光学デバイス。
(項目7)
前記第1および第2の回折格子は、異なる周期を有し、前記第1および第2の回折格子は、異なる波長を有するが、同一色を有する可視光を回折するように構成されている、項目6に記載の光学デバイス。
(項目8)
前記第1および第2の回折格子は、実質的に同一周期を有し、実質的に同一波長を有する可視光を回折するように構成されている、項目6に記載の光学デバイス。
(項目9)
前記第1および第2の回折格子は、異なる周期を有し、異なる波長および異なる色を有する可視光を回折するように構成されている、項目6に記載の光学デバイス。
(項目10)
前記第1の回折格子は、第1の周期を有し、第1の色を有する可視光を回折するように構成され、前記第2の格子は、第2の周期を有し、前記第1の色を有する可視光と第2の色を有する可視光とを回折するように構成されている、項目9に記載の光学デバイス。
(項目11)
前記第1の色は、前記第2の色と比較してより短い波長に対応する、項目10に記載の光学デバイス。
(項目12)
前記第1の回折格子は、第1のFOV内のその上に入射する前記第1の色を有する可視光を部分的に回折し、第2のFOV内のその上に入射する前記第1の色を有する前記可視光を部分的に透過させるように構成され、前記第2の回折格子は、前記第1の回折格子を部分的に透過させられた前記第1の色を有する前記可視光を少なくとも部分的に回折するように構成されている、項目10に記載の光学デバイス。
(項目13)
前記第1の回折格子は、前記第2の色を有する前記可視光を実質的に透過させるように構成され、前記第2の回折格子は、前記第1のFOV内の入射する前記第2の色を有する前記可視光を少なくとも部分的に回折するように構成されている、項目12に記載の光学デバイス。
(項目14)
第3の導波管をさらに備え、前記第3の導波管は、その上に形成された第3の回折格子を有し、前記第3の回折格子は、第3の周期を有し、第3の色を有する可視光を回折するように構成され、前記第2の色は、前記第3の色と比較してより短い波長に対応する、項目13に記載の光学デバイス。
(項目15)
前記第2の回折格子は、前記第2の色を有する前記可視光を少なくとも部分的に透過させるように構成され、前記第3の回折格子は、前記第2のFOV内の前記第2の回折格子からの前記第2の色を有する前記部分的に透過させられた可視光を受け取り、少なくとも部分的に回折するように構成されている、項目14に記載の光学デバイス。
(項目16)
前記第1および第2の回折格子は、前記第3の色を有する前記可視光を実質的に透過させるように構成され、前記第3の回折格子は、前記第1のFOV内の前記第1および第2の回折格子を透過させられた前記第3の色を有する前記可視光を少なくとも部分的に回折するように構成されている、項目15に記載の光学デバイス。
(項目17)
光学システムであって、前記光学システムは、
第1の導波管であって、前記第1の導波管は、その上に形成された第1の回折格子を有し、前記第1の回折格子は、第1の周期を有し、第1のFOV内の前記第1の導波管上に入射する第1の色を有する光を回折するように構成されている、第1の導波管と、
第2の導波管であって、前記第2の導波管は、その上に形成された第2の回折格子を有し、前記第2の回折格子は、第2の周期を有し、第2のFOV内の前記第2の導波管上に入射する前記第1の色を有する光を回折するように構成されている、第2の導波管と
を備え、
前記第1および第2の回折格子は、前記それぞれの導波管の層法線方向に対するそれぞれの視野(FOV)内の前記第1の色を有する前記光を前記それぞれの導波管の中に回折するように構成され、前記それぞれのFOVは、前記第1および第2の導波管が組み合わせられたFOV内の前記第1の色を有する前記可視光を回折するように構成されるようなものであり、前記組み合わせられたFOVは、連続しており、前記第1および第2のFOVの各々より大きい、光学システム。
(項目18)
前記第1の導波管および前記第2の導波管は、スタックされた構成にあり、前記第1の導波管は、前記第2の導波管に先立って前記第1の色を有する前記光を受け取るように構成され、前記第1の周期は、前記第2の周期より短い、項目17に記載の光学システム。
(項目19)
前記第2の回折格子は、実質的に回折せずに前記第1の回折格子を実質的に透過した後の前記第2のFOV内の前記第1の色を有する前記光を回折するように構成されている、項目18に記載の光学システム。
(項目20)
前記第1の回折格子は、前記第2の色を有する前記光を実質的に回折せずに前記第1の回折格子を実質的に透過させるように構成され、前記第2の色を有する前記光は、前記第1の色を有する前記光と比較してより長い波長を有する、項目19に記載の光学システム。
(項目21)
前記第2の回折格子は、前記導波管内に誘導されるべき前記第2のFOV内の前記第2の色を有する前記光を回折するように構成されている、項目20に記載の光学システム。
(項目22)
前記第1および第2の回折格子の各々は、コレステリック液晶(CLC)層を備えている、項目17に記載の光学システム。
(項目23)
前記CLC層は、
複数のキラル構造を備え、各キラル構造は、複数の液晶分子を備え、前記複数の液晶分子は、少なくとも螺旋ピッチだけ層深度方向に延び、第1の回転方向に連続的に回転させられており、
前記螺旋ピッチは、前記第1の回転方向における1回転による前記キラル構造の前記液晶分子の正味回転角度に対応する前記層深度方向における長さであり、
前記キラル構造の前記液晶分子の配列は、前記層深度方向と垂直な側方方向に周期的に変動する、項目20に記載の光学システム。
(項目24)
各キラル構造は、異なる伸長方向に沿って伸長された少なくとも3つのカラミチック液晶分子を備えている、項目20に記載の光学システム。
(項目25)
ディスプレイデバイスであって、前記ディスプレイデバイスは、
第1の導波管であって、前記第1の導波管は、その上に形成された第1の回折格子を有し、前記第1の回折格子は、液晶を備え、前記第1の回折格子は、
前記第1の回折格子の上に入射する第1の色を有する光の一部を前記第1の導波管の中に回折することと、
前記第1の回折格子の上に入射する前記第1の色を有する前記光の一部を通過させることと、
第2の色を有する光を通過させることと
を行うように構成されている、第1の回折格子と、
第2の導波管と
を備え、
前記第2の導波管は、その上に形成された第2の回折格子を有し、前記第2の回折格子は、液晶を備え、前記第2の回折格子は、
前記第2の色を有する前記光を前記第2の導波管の中に回折することと、
前記第1の回折格子を通過した前記第1の色を有する前記光の一部を前記第2の導波管の中に回折することと
を行うように構成されている、ディスプレイデバイス。
(項目26)
前記第1の回折格子は、層法線に対する第1の入射角範囲内の前記第1の色を有する前記光を回折するように構成され、前記第1の回折格子は、前記層法線に対する第2の入射角範囲内の前記第1の色を有する光を通過させるように構成されている、項目25に記載のディスプレイデバイス。
(項目27)
前記第2の回折格子は、前記第1の角度範囲内の前記第2の回折格子の上に入射する前記第2の色を有する前記光を回折するように構成され、前記第2の回折格子は、前記第2の入射角範囲内の前記第2の回折格子の上に入射する前記第1の色を有する前記光を回折するように構成されている、項目26に記載のディスプレイデバイス。
(項目28)
前記第1の角度範囲および前記第2の角度範囲は、前記第1の角度範囲および前記第2の角度範囲の合計に基づいて、20%より大きく重複しない、項目27に記載のディスプレイデバイス。
(項目29)
前記第1の色は、前記第2の色と比較してより短い波長に対応する、項目25に記載のディスプレイデバイス。
(項目30)
前記第1の回折格子は、側方方向に第1の周期を有するように配列された周期的に変動する液晶を備え、前記第2の回折格子は、前記側方方向に前記第1の周期より大きい第2の周期を有するように配列された周期的に変動する液晶を備えている、項目25に記載のディスプレイデバイス。
(項目31)
前記第1の回折格子および前記第2の回折格子の一方または両方は、ある波長を有する光を回折するように構成され、波長/周期比率λ/Λが約0.3~2.3であるような側方方向における周期を有する、項目30に記載のディスプレイデバイス。
(項目32)
前記第1の回折格子および前記第2の回折格子の一方または両方は、ある波長を有する光を回折するように構成され、前記周期が1nm~250nmだけ前記波長より小さいような周期を有する、項目30に記載のディスプレイデバイス。
(項目33)
前記液晶は、コレステリック液晶を備えている、項目25に記載のディスプレイデバイス。
(項目34)
前記第1の回折格子の液晶は、前記第2の回折格子の液晶の螺旋ピッチより小さい螺旋ピッチを有する、項目33に記載のディスプレイデバイス。
(項目35)
前記第1の回折格子および前記第2の回折格子の一方または両方は、光を前記それぞれの導波管の中に透過的に回折するように構成されている、項目25-34のいずれか1項に記載のディスプレイデバイス。
(項目36)
前記第1の回折格子および前記第2の回折格子の一方または両方は、光を前記それぞれの導波管の中に反射的に回折するように構成されている、項目25-34のいずれか1項に記載のディスプレイデバイス。
(項目37)
前記第1の色は、緑色であり、前記第2の色は、赤色である、項目25-34のいずれか1項に記載のディスプレイデバイス。
(項目38)
前記第1の色は、青色であり、前記第2の色は、緑色である、項目25-34のいずれか1項に記載のディスプレイデバイス。
(項目39)
光をユーザの眼に投影し、拡張現実画像コンテンツを表示するように構成された頭部搭載型ディスプレイデバイスであって、頭部搭載型ディスプレイデバイスは、
前記ユーザの頭部上に支持されるように構成されたフレームと、
前記フレーム上に配置されたディスプレイと
を備え、
前記ディスプレイの少なくとも一部は、複数の導波管を備え、前記導波管は、透明であり、前記ユーザが前記頭部搭載型ディスプレイデバイスを装着すると、前記ユーザの眼の正面の場所に配置され、それによって、前記透明部分は、前記ユーザの正面の環境の一部からの光をユーザの眼に透過させ、前記ユーザの正面の前記環境の前記一部のビューを提供し、前記ディスプレイは、1つ以上の光源と、前記ディスプレイにおける複数の回折格子とをさらに備え、前記複数の回折格子は、前記光源からの光を前記ディスプレイにおける前記導波管の中に結合するように構成され
前記ディスプレイは、項目25-34のいずれか1項に記載のものである、デバイス。
(項目40)
前記1つ以上の光源は、ファイバ走査プロジェクタを備えている、項目39に記載のデバイス。
(項目41)
前記ディスプレイは、光をユーザの眼の中に投影し、複数の深度平面における画像コンテンツを前記ユーザに提示するように構成されている、項目39または40に記載のデバイス。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、ARデバイスを通した拡張現実(AR)のユーザのビューを図示する。
【0011】
【
図2】
図2は、ウェアラブルディスプレイシステムの例を図示する。
【0012】
【
図3】
図3は、ユーザのための3次元画像をシミュレートするための従来のディスプレイシステムを図示する。
【0013】
【
図4】
図4は、複数の深度平面を使用して3次元画像をシミュレートするためのアプローチの側面を図示する。
【0014】
【
図5】
図5A-5Cは、曲率半径と焦点半径との間の関係を図示する。
【0015】
【
図6】
図6は、画像情報をユーザに出力するための導波管スタックの例を図示する。
【0016】
【
図7】
図7は、導波管によって出力された出射ビームの例を図示する。
【0017】
【
図8】
図8は、スタックされた導波管アセンブリの例を図示し、各深度平面は、複数の異なる原色を使用して形成される画像を含む。
【0018】
【
図9A】
図9Aは、各々が内部結合光学要素を含むスタックされた導波管の組の例の断面側面図を図示する。
【0019】
【0020】
【
図9C】
図9Cは、
図9Aおよび9Bの複数のスタックされた導波管の例の見下げ平面図を図示する。
【0021】
【
図10】
図10は、導波管の受光角Δαを示すその上に配置された回折格子を有する導波管の断面図を図示する。この受光角は、本明細書では、視野(FOV)と称され得る。
【0022】
【
図11】
図11は、いくつかの実施形態による、その上に配置されたそれぞれの回折格子を有するスタックされた導波管を備えているディスプレイデバイスの断面図を図示し、スタックは、それぞれのコンポーネント導波管の受光角または視野(FOV)Δα
1およびΔα
2より大きい総受光角または視野(FOV)Δα
totを有する。
【0023】
【
図12A】
図12Aおよび12Bは、いくつかの実施形態による、異なる周期を伴うその上に形成されたそれぞれの回折格子を有するスタックされた導波管を備えているディスプレイデバイスの断面図を図示し、スタックは、コンポーネント導波管の視野(FOV)より大きい総受光角または組み合わせられた有効視野(FOV)を有する。加えて、第2の導波管は、2つの波長(例えば、2つの色)に作用し、ある場合に必要とされる導波管の数を潜在的に低減させることによって、よりコンパクトな設計を提供する。
【
図12B】
図12Aおよび12Bは、いくつかの実施形態による、異なる周期を伴うその上に形成されたそれぞれの回折格子を有するスタックされた導波管を備えているディスプレイデバイスの断面図を図示し、スタックは、コンポーネント導波管の視野(FOV)より大きい総受光角または組み合わせられた有効視野(FOV)を有する。加えて、第2の導波管は、2つの波長(例えば、2つの色)に作用し、ある場合に必要とされる導波管の数を潜在的に低減させることによって、よりコンパクトな設計を提供する。
【0024】
【
図13A】
図13Aは、コンポーネント導波管のうちの1つが第1の周期を有する
図12Aおよび12Bに図示されるディスプレイデバイスのコンポーネント導波管のうちの1つの概略図と、第1の視野に対応する結果として生じる画像とを図示する。
【0025】
【
図13B】
図13Bは、コンポーネント導波管のうちの1つが第2の周期を有する
図12Aおよび12Bに図示されるディスプレイデバイスのコンポーネント導波管のうちの1つの概略図と、第2の視野に対応する結果として生じる画像とを図示する。
【0026】
【
図13C】
図13Cは、
図12Aおよび12Bに図示されるディスプレイデバイスのスタックされた導波管の概略図と、第1および第2の視野個々より大きい組み合わせられた視野または総視野に対応する結果として生じる画像とを図示する。
【0027】
【
図14A】
図14Aおよび14Bは、いくつかの実施形態による、異なる周期を伴うその上に形成されたそれぞれの回折格子を有するスタックされた導波管を備えているディスプレイデバイスの断面図を図示し、対の回折格子は、コンポーネント導波管の視野(FOV)より大きい組み合わせられた視野(FOV)または総視野を提供する。加えて、導波管のうちのいくつかは、複数の色に作用し、導波管の数を潜在的に低減させることによって、増加したコンパクト性を提供する。
【
図14B】
図14Aおよび14Bは、いくつかの実施形態による、異なる周期を伴うその上に形成されたそれぞれの回折格子を有するスタックされた導波管を備えているディスプレイデバイスの断面図を図示し、対の回折格子は、コンポーネント導波管の視野(FOV)より大きい組み合わせられた視野(FOV)または総視野を提供する。加えて、導波管のうちのいくつかは、複数の色に作用し、導波管の数を潜在的に低減させることによって、増加したコンパクト性を提供する。
【0028】
【
図15】
図15は、軸外入射角におけるブラッグ反射のための回折格子として構成されたコレステリック液晶(CLC)層の断面図を図示する。
【0029】
【
図16A】
図16Aは、第1の螺旋ピッチを有し、第1の軸外入射角におけるブラッグ反射のための回折格子として構成されたCLC層の断面図を図示する。
【0030】
【
図16B】
図16Bは、第2の螺旋ピッチを有し、第2の軸外入射角におけるブラッグ反射のための回折格子として構成されたCLC層の断面図を図示する。
【0031】
【
図17】
図17は、その上に形成されるCLC回折格子を有し、全内部反射(TIR)によって、光を伝搬するように構成された導波管を図示する。
【0032】
【
図18A】
図18Aは、その上に形成されるCLC回折格子を有し、全内部反射(TIR)によって、ある波長を有する光を選択的に伝搬するように構成された導波管を図示する。
【0033】
【
図18B】
図18Bは、同一光学経路内の2つの導波管を図示し、各導波管は、その上に形成されるCLC回折格子を有し、全内部反射(TIR)によって、ある波長を有する光を選択的に伝搬するように構成されている。
【0034】
【
図18C】
図18Cは、同一光学経路内の3つの導波管を図示し、それぞれ、CLCGに結合され、全内部反射(TIR)によって、ある波長を有する光を選択的に伝搬するように構成された導波管を備えている。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図面全体を通して、参照番号は、参照される要素の対応を示すために再使用され得る。図面は、本明細書に説明される例示的実施形態を図示するために提供され、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【0036】
ARシステムは、仮想コンテンツをユーザまたは視認者に表示しながら、依然として、ユーザが彼らの周囲の世界を見ることを可能にし得る。好ましくは、このコンテンツは、例えば、画像情報をユーザの眼に投影するアイウェアの一部としてのウェアラブル頭部搭載型ディスプレイ上に表示される。加えて、ディスプレイは、周囲環境からの光をユーザの眼に透過させ、その周囲環境のビューを可能にし得る。本明細書で使用されるように、「頭部搭載型」ディスプレイは、視認者の頭部上に搭載され得るディスプレイであることを理解されたい。
【0037】
図2は、ウェアラブルディスプレイシステム60の例を図示する。ディスプレイシステム60は、ディスプレイ70と、そのディスプレイ70の機能をサポートするための種々の機械的および電子的モジュールおよびシステムとを含む。ディスプレイ70は、フレーム80に結合され得、それは、ディスプレイシステムユーザまたは視認者90によって装着可能であり、ディスプレイ70をユーザ90の眼の正面に位置付けるように構成されている。ディスプレイ70は、いくつかの実施形態では、アイウェアと考えられ得る。いくつかの実施形態では、スピーカ100が、フレーム80に結合され、ユーザ90の外耳道に隣接して位置付けられるように構成される(いくつかの実施形態では、示されない別のスピーカが、随意に、ユーザの他方の外耳道に隣接して位置付けられ、ステレオ/成形可能音制御を提供し得る)。ディスプレイシステムは、1つ以上のマイクロホン110もしくは他のデバイスも含み、音を検出し得る。いくつかの実施形態では、マイクロホンは、ユーザが、入力またはコマンド(例えば、音声メニューコマンドの選択、自然言語質問等)をシステム60に提供することを可能にするように構成され、および/または、他の人物(例えば、類似ディスプレイシステムの他のユーザ)とのオーディオ通信を可能にし得る。マイクロホンは、周辺センサとしてさらに構成され、オーディオデータ(例えば、ユーザおよび/または環境からの音)を収集し得る。いくつかの実施形態では、ディスプレイシステムは、周辺センサ120aも含み得、それは、フレーム80と別個であり、ユーザ90の身体(例えば、ユーザ90の頭部、胴体、四肢等の上)に取り付けられ得る。周辺センサ120aは、いくつかの実施形態では、ユーザ90の生理学的状態を特性評価するデータを入手するように構成され得る。例えば、センサ120aは、電極であり得る。
【0038】
図2を継続して参照すると、ディスプレイ70は、有線導線または無線接続性等の通信リンク130によって、ローカルデータ処理モジュール140に動作可能に結合され、それは、フレーム80に固定して取り付けられる構成、ユーザによって装着されるヘルメットもしく帽子に固定して取り付けられる構成、ヘッドホンに内蔵される構成、または別様にユーザ90に除去可能に取り付けられる構成(例えば、リュック式構成において、ベルト結合式構成において)等、種々の構成で搭載され得る。同様、センサ120aは、通信リンク120b、例えば、有線導線または無線接続性によって、ローカルデータ処理モジュール140に動作可能に結合され得る。ローカル処理およびデータモジュール140は、ハードウェアプロセッサおよび不揮発性メモリ(例えば、フラッシュメモリまたはハードディスクドライブ)等のデジタルメモリを備え得、その両方は、データの処理、キャッシュ、および記憶を補助するために利用され得る。データは、a)画像捕捉デバイス(カメラ等)、マイクロホン、慣性測定ユニット、加速度計、コンパス、GPSユニット、無線デバイス、ジャイロスコープ、および/または本明細書に開示される他のセンサ等のセンサ(例えば、フレーム80に動作可能に結合される、または別様にユーザ90に取り付けられ得る)から捕捉され、および/または、b)可能性として処理または読出後のディスプレイ70への通過のために、遠隔処理モジュール150および/または遠隔データリポジトリ160(仮想コンテンツに関連するデータを含む)を使用して入手および/または処理されるデータを含む。ローカル処理およびデータモジュール140は、これらの遠隔モジュール150、160が、互いに動作可能に結合され、ローカル処理およびデータモジュール140にリソースとして利用可能であるように、有線または無線通信リンク等を介して、通信リンク170、180によって、遠隔処理モジュール150および遠隔データリポジトリ160に動作可能に結合され得る。いくつかの実施形態では、ローカル処理およびデータモジュール140は、画像捕捉デバイス、マイクロホン、慣性測定ユニット、加速度計、コンパス、GPSユニット、無線デバイス、および/またはジャイロスコープのうちの1つ以上のものを含み得る。いくつかの他の実施形態では、これらのセンサのうちの1つ以上のものは、フレーム80に取り付けられ得るか、または、有線もしくは無線通信経路によってローカル処理およびデータモジュール140と通信する独立構造であり得る。
【0039】
図2を継続して参照すると、いくつかの実施形態では、遠隔処理モジュール150は、データおよび/または画像情報を分析および処理するように構成された1つ以上のプロセッサを備え得る。いくつかの実施形態では、遠隔データリポジトリ160は、インターネットまたは「クラウド」リソース構成における他のネットワーキング構成を通して利用可能であり得るデジタルデータ記憶設備を備え得る。いくつかの実施形態では、遠隔データリポジトリ160は、1つ以上の遠隔サーバを含み得、それは、情報、例えば、拡張現実コンテンツを生成するための情報をローカル処理およびデータモジュール140および/または遠隔処理モジュール150に提供する。いくつかの実施形態では、全てのデータが、記憶され、全ての計算は、ローカル処理およびデータモジュール内で行われ、遠隔モジュールからの完全な自律的使用を可能にする。
【0040】
ここで
図3を参照すると、「3次元」または「3-D」としての画像の知覚は、視認者の各眼への画像の若干異なる提示を提供することによって達成され得る。
図3は、ユーザのための3次元画像をシミュレートするための従来のディスプレイシステムを図示する。各眼210、220のために1つの2つの異なる画像190、200が、ユーザに出力される。画像190、200は、視認者の視線と平行な光学またはz-軸に沿って距離230だけ眼210、220から間隔を置かれる。画像190、200は、平坦であり、眼210、220は、単一の遠近調節された状態をとることによって、画像に焦点を合わせ得る。そのような3-Dディスプレイシステムは、ヒト視覚系に依拠し、画像190、200を組み合わせ、組み合わせられた画像の深度および/または規模の知覚を提供する。
【0041】
しかしながら、ヒト視覚系は、より複雑であり、深度の現実的知覚を提供することは、より困難であることを理解されたい。例えば、従来の「3-D」ディスプレイシステムの多くの視認者は、そのようなシステムが不快であることを見出し得るか、または、深度の感覚を全く知覚しないこともある。理論によって限定されるわけではないが、オブジェクトの視認者は、両眼離反運動と遠近調節の組み合わせに起因して、オブジェクトを「3次元」として知覚し得ると考えられる。互いに対する2つの眼の両眼離反運動(すなわち、瞳孔が、眼の視線を収束させ、オブジェクトを固視するために互いに向かって、または互いから離れるように移動する眼の回転)は、眼の水晶体および瞳孔の焦点合わせ(または「遠近調節」)に密接に関連付けられる。通常条件のもとでは、異なる距離における1つのオブジェクトから別のオブジェクトに焦点を変化させるために、眼の水晶体の焦点を変化させること、または眼を遠近調節することは、「遠近調節-両眼離反運動反射」ならびに瞳孔拡張または収縮として知られる関係のもとで、同一距離までの両眼離反運動における整合変化を自動的に生じさせるであろう。同様、両眼離反運動における変化は、通常条件のもとで、水晶体形状および瞳孔サイズの遠近調節における整合変化を誘起するであろう。本明細書に記載されるように、多くの立体視または「3-D」ディスプレイシステムは、3次元視点がヒト視覚系によって知覚されるように、各眼への若干異なる提示(したがって、若干異なる画像)を使用して、場面を表示する。しかしながら、そのようなシステムは、とりわけ、単に、場面の異なる提示を提供するが、眼が全画像情報を単一の遠近調節された状態において視認すると、「遠近調節-両眼離反運動反射」に対抗して機能するので、多くの視認者にとって不快である。遠近調節と両眼離反運動との間のより良好な整合を提供するディスプレイシステムは、3次元画像のより現実的かつ快適なシミュレーションを形成し得る。
【0042】
図4は、複数の深度平面を使用して3次元画像をシミュレートするためのアプローチの側面を図示する。
図4を参照すると、z-軸上の眼210、220からの種々の距離におけるオブジェクトは、それらのオブジェクトが焦点が合っているように、眼210、220によって遠近調節される。眼210、220は、特定の遠近調節された状態をとり、z-軸に沿った異なる距離におけるオブジェクトに焦点を合わせる。その結果、特定の遠近調節された状態は、特定の深度平面におけるオブジェクトまたはオブジェクトの一部が、眼がその深度平面に対して遠近調節された状態にあるとき、焦点が合うように、関連付けられた焦点距離を有する深度平面240のうちの特定の1つに関連付けられていると言え得る。いくつかの実施形態では、3次元画像は、眼210、220の各々のために画像の異なる提示を提供することによってシミュレートされ、深度平面の各々に対応する画像の異なる提示を提供することによってもシミュレートされ得る。例証を明確にするために、別個であるように示されるが、眼210、220の視野は、例えば、z-軸に沿った距離が増加するにつれて重複し得ることを理解されたい。加えて、例証を容易にするために、平坦であるように示されるが、深度平面の輪郭は、深度平面内の全ての特徴が特定の遠近調節された状態における眼によって焦点が合うように、物理的空間内で湾曲され得ることを理解されたい。
【0043】
オブジェクトと眼210または220との間の距離は、その眼によって視認されるようなそのオブジェクトからの光の発散の量も変化させ得る。
図5A-5Cは、距離と光線の発散との間の関係を図示する。オブジェクトと眼210との間の距離は、減少する距離R1、R2、およびR3の順序で表される。
図5A-5Cに示されるように、光線は、オブジェクトまでの距離が減少するにつれてより発散する。距離が増加するにつれて、光線は、よりコリメートされる。換言すると、点(オブジェクトまたはオブジェクトの一部)によって生成される光場は、点がユーザの眼から離れている距離の関数である球状波面曲率を有すると言え得る。曲率は、オブジェクトと眼210との間の距離の減少に伴って増加する。その結果、異なる深度平面では、光線の発散度も、異なり、発散度は、深度平面と視認者の眼210との間の距離の減少に伴って増加する。単眼210のみが、例証を明確にするために、
図5A-5Cおよび本明細書の種々の他の図に図示されるが、眼210に関する議論は、視認者の両眼210および220に適用され得ることを理解されたい。
【0044】
理論によって限定されるわけではないが、ヒトの眼は、典型的には、有限数の深度平面を解釈し、深度知覚を提供することができると考えられる。その結果、知覚された深度の高度に真実味のあるシミュレーションが、眼にこれらの限定数の深度平面の各々に対応する画像の異なる提示を提供することによって達成され得る。異なる提示は、視認者の眼によって別個に集束され、それによって、異なる深度平面上に位置する場面のための異なる画像特徴に焦点を合わせるために要求される眼の遠近調節に基づいて、および/または、焦点がずれている異なる深度平面上の異なる画像特徴の観察に基づいて、ユーザに深度合図を提供することに役立ち得る。
【0045】
図6は、画像情報をユーザに出力するための導波管スタックの例を図示する。ディスプレイシステム250は、複数の導波管270、280、290、300、310を使用して3次元知覚を眼/脳に提供するために利用され得る導波管のスタックまたはスタックされた導波管アセンブリ260を含む。いくつかの実施形態では、ディスプレイシステム250は、
図2のシステム60であり、
図6は、そのシステム60のいくつかの部分をより詳細に図式的に示す。例えば、導波管アセンブリ260は、
図2のディスプレイ70の一部であり得る。ディスプレイシステム250は、いくつかの実施形態では、明視野ディスプレイと考えられ得ることを理解されたい。
【0046】
図6を継続して参照すると、導波管アセンブリ260は、複数の特徴320、330、340、350を導波管間に含み得る。いくつかの実施形態では、特徴320、330、340、350は、1つ以上のレンズであり得る。導波管270、280、290、300、310および/または複数のレンズ320、330、340、350は、種々のレベルの波面曲率または光線発散を用いて画像情報を眼に送信するように構成され得る。各導波管レベルは、特定の深度平面に関連付けられ得、その深度平面に対応する画像情報を出力するように構成され得る。画像投入デバイス360、370、380、390、400は、導波管のための光源として機能し得、画像投入デバイスは、画像情報を導波管270、280、290、300、310の中に投入するために利用され得、それらの各々は、本明細書に説明されるように、眼210に向かう出力のために各それぞれの導波管にわたって入射光を分配するように構成され得る。光は、画像投入デバイス360、370、380、390、400の出力表面410、420、430、440、450から出射し、導波管270、280、290、300、310の対応する入力表面460、470、480、490、500の中に投入される。いくつかの実施形態では、入力表面460、470、480、490、500の各々は、対応する導波管の縁であり得るか、または、対応する導波管の主要表面の一部(すなわち、世界510または視認者の眼210に直接面する導波管表面のうちの1つ)であり得る。いくつかの実施形態では、光の単一ビーム(例えば、コリメートされたビーム)が、各導波管の中に投入され、クローン化されたコリメートビームの全体場を出力し得、それらは、特定の導波管に関連付けられた深度平面に対応する特定の角度(および発散量)において眼210に向かって導かれる。いくつかの実施形態では、画像投入デバイス360、370、380、390、400のうちの単一の1つは、複数(例えば、3つ)の導波管270、280、290、300、310に関連付けられ、それらの中に光を投入し得る。
【0047】
いくつかの実施形態では、画像投入デバイス360、370、380、390、400の各々は、対応する導波管270、280、290、300、310の中への投入のための画像情報を生成する別々のディスプレイである。いくつかの他の実施形態では、画像投入デバイス360、370、380、390、400は、例えば、画像情報を1つ以上の光学導管(光ファイバケーブル等)を介して、画像投入デバイス360、370、380、390、400の各々に送り得る単一の多重化されたディスプレイの出力端である。画像投入デバイス360、370、380、390、400によって提供される画像情報は、異なる波長または色(例えば、本明細書に議論されるように、異なる原色)の光を含み得ることを理解されたい。
【0048】
いくつかの実施形態では、導波管270、280、290、300、310の中に投入される光は、光プロジェクタシステム520によって提供され、光プロジェクタシステムは、光モジュレータ530を備え、光モジュレータは、発光ダイオード(LED)等の光エミッタを含み得る。光モジュレータ530からの光は、ビームスプリッタ550を介して、光変調器540、例えば、空間光変調器に導かれ、かつそれによって修正され得る。光変調器540は、導波管270、280、290、300、310の中に投入される光の知覚される強度を変化させるように構成され得る。空間光変調器の例は、液晶ディスプレイ(LCD)を含み、シリコン上液晶(LCOS)ディスプレイを含む。
【0049】
いくつかの実施形態では、ディスプレイシステム250は、光を種々のパターン(例えば、ラスタ走査、螺旋走査、リサジューパターン等)で1つ以上の導波管270、280、290、300、310の中に、最終的には、視認者の眼210に投影するように構成された1つ以上の走査ファイバを備えている走査ファイバディスプレイであり得る。いくつかの実施形態では、図示される画像投入デバイス360、370、380、390、400は、光を1つまたは複数の導波管270、280、290、300、310の中に投入するように構成された単一走査ファイバまたは走査ファイバの束を図式的に表し得る。いくつかの他の実施形態では、図示される画像投入デバイス360、370、380、390、400は、複数の走査ファイバまたは走査ファイバの複数の束を図式的に表し得、それらの各々は、光を導波管270、280、290、300、310のうちの関連付けられた1つの中に投入するように構成される。1つ以上の光ファイバは、光を光モジュレータ530から1つ以上の導波管270、280、290、300、310に伝送するように構成され得ることを理解されたい。1つ以上の介在光学構造が、走査ファイバまたは複数のファイバと、1つ以上の導波管270、280、290、300、310との間に提供され、例えば、走査ファイバから出射する光を1つ以上の導波管270、280、290、300、310の中に向け直し得ることを理解されたい。
【0050】
コントローラ560は、画像投入デバイス360、370、380、390、400、光源530、および光モジュレータ540の動作を含むスタックされた導波管アセンブリ260のうちの1つ以上のものの動作を制御する。いくつかの実施形態では、コントローラ560は、ローカルデータ処理モジュール140の一部である。コントローラ560は、例えば、本明細書に開示される種々のスキームのいずれかに従って、導波管270、280、290、300、310への画像情報のタイミングおよび提供を調整するプログラミング(例えば、非一過性媒体内の命令)を含む。いくつかの実施形態では、コントローラは、単一の一体型デバイスまたは有線もしくは無線通信チャネルによって接続される分散型システムであり得る。コントローラ560は、いくつかの実施形態では、処理モジュール140または150(
図2)の一部であり得る。
【0051】
図6を継続して参照すると、導波管270、280、290、300、310は、全内部反射(TIR)によって各それぞれの導波管内で光を伝搬するように構成され得る。導波管270、280、290、300、310の各々は、主要な上部および底部表面ならびにそれらの主要上部表面と底部表面との間に延びている縁を伴う平面であるか、または別の形状(例えば、湾曲)を有し得る。図示される構成では、導波管270、280、290、300、310の各々は、各それぞれの導波管内で伝搬する光を導波管から外へ向け直し、画像情報を眼210に出力することによって、光を導波管から抽出するように構成された外部結合光学要素570、580、590、600、610を含み得る。抽出された光は、外部結合光とも称され得、外部結合光学要素光は、光抽出光学要素とも称され得る。抽出された光のビームは、導波管によって、導波管内で伝搬する光が光抽出光学要素に衝打する場所において出力され得る。外部結合光学要素570、580、590、600、610は、例えば、本明細書にさらに議論されるような回折光学特徴を含む格子であり得る。説明の容易性および図面の明確性のために、導波管270、280、290、300、310の底部主要表面に配置されて図示されるが、いくつかの実施形態では、外部結合光学要素570、580、590、600、610は、本明細書にさらに議論されるように、上部および/または底部主要表面に配置され得、および/または、導波管270、280、290、300、310の容積内に直接配置され得る。いくつかの実施形態では、外部結合光学要素570、580、590、600、610は、透明基板に取り付けられ、導波管270、280、290、300、310を形成する材料の層内に形成され得る。いくつかの他の実施形態では、導波管270、280、290、300、310は、材料のモノリシック部品であり得、外部結合光学要素570、580、590、600、610は、材料のその部品の表面上および/またはその内部に形成され得る。
【0052】
図6を継続して参照すると、本明細書に議論されるように、各導波管270、280、290、300、310は、光を出力し、特定の深度平面に対応する画像を形成するように構成される。例えば、眼の最近傍の導波管270は、眼210にコリメートされた光(そのような導波管270の中に投入された)を送達するように構成され得る。コリメートされた光は、光学無限遠焦点面を表し得る。次の上方の導波管280は、眼210に到達し得る前、第1のレンズ350(例えば、負のレンズ)を通過するコリメートされた光を送出するように構成され得る。そのような第1のレンズ350は、眼/脳が、その次の上方の導波管280から生じる光を光学無限遠から眼210に向かって内向きにより近い第1の焦点面から生じるように解釈するように、若干の凸面波面曲率を生成するように構成され得る。同様、第3の上方の導波管290は、眼210に到達する前、その出力光を第1の350および第2の340レンズの両方を通過させる。第1の350および第2の340レンズの組み合わせられた屈折力は、眼/脳が、第3の導波管290から生じる光が次の上方の導波管280からの光であった光学無限遠から人物に向かって内向きにさらに近い第2の焦点面から生じるように解釈するように、別の漸増量の波面曲率を生成するように構成され得る。
【0053】
他の導波管層300、310およびレンズ330、320も同様に構成され、スタック内の最も高い導波管310は、人物に最も近い焦点面を表す集約焦点力のために、その出力をそれと眼との間のレンズの全てを通して送出する。スタックされた導波管アセンブリ260の他側の世界510から生じる光を視認/解釈するとき、レンズ320、330、340、350のスタックを補償するために、補償レンズ層620が、スタックの上部に配置され、下方のレンズスタック320、330、340、350の集約力を補償し得る。そのような構成は、利用可能な導波管/レンズ対と同じ数の知覚される焦点面を提供する。導波管の外部結合光学要素およびレンズの集束側面の両方は、静的であり得る(すなわち、動的または電気活性ではない)。いくつかの代替実施形態では、一方または両方は、電気活性特徴を使用して動的であり得る。
【0054】
いくつかの実施形態では、導波管270、280、290、300、310のうちの2つ以上のものは、同一の関連付けられた深度平面を有し得る。例えば、複数の導波管270、280、290、300、310が、同一深度平面に設定される画像を出力するように構成され得、または、導波管270、280、290、300、310の複数のサブセットが、各深度平面のために1つの組を伴う同一の複数の深度平面に設定される画像を出力するように構成され得る。これは、それらの深度平面において拡張された視野を提供するためのタイル化された画像を形成する利点を提供し得る。
【0055】
図6を継続して参照すると、外部結合光学要素570、580、590、600、610は、導波管に関連付けられた特定の深度平面のために、光をそれらのそれぞれの導波管から外へ向け直すことと、この光を適切な量の発散またはコリメーションを伴って出力することとの両方を行うように構成され得る。その結果、異なる関連付けられた深度平面を有する導波管は、外部結合光学要素570、580、590、600、610の異なる構成を有し得、それらは、関連付けられた深度平面に応じて、異なる量の発散を伴う光を出力する。いくつかの実施形態では、光抽出光学要素570、580、590、600、610は、体積または表面特徴であり得、それらは、特定の角度において光を出力するように構成され得る。例えば、光抽出光学要素570、580、590、600、610は、立体ホログラム、表面ホログラム、および/または回折格子であり得る。いくつかの実施形態では、特徴320、330、340、350は、レンズではないこともある。むしろ、それらは、単に、スペーサ(例えば、クラッディング層および/または空隙を形成するための構造)であり得る。
【0056】
いくつかの実施形態では、外部結合光学要素570、580、590、600、610は、回折パターンを形成する回折特徴または「回折光学要素」(本明細書では、「DOE」とも称される)である。好ましくは、DOEは、ビームの光の一部のみがDOEの各交差を用いて眼210に向かって偏向させられる一方、残りがTIRを介して導波管を通して移動し続けるように、十分に低い回折効率を有する。画像情報を搬送する光は、したがって、様々な場所において導波管から出射するいくつかの関連出射ビームに分割され、結果は、導波管内で跳ね返るこの特定のコリメートされたビームに対して、眼210に向かって非常に均一なパターンの出射放出である。
【0057】
いくつかの実施形態では、1つ以上のDOEは、それらが能動的に回折する「オン」状態と、それらがあまり回折しない「オフ」状態との間で切り替え可能であり得る。例えば、切り替え可能なDOEは、ポリマー分散液晶の層を備え得、その中で微小液滴は、ホスト媒体中に回折パターンを備え、微小液滴の屈折率は、ホスト材料の屈折率に実質的に整合するように切り替えられ得る(その場合、パターンは、入射光を著しく回折しない)、または微小液滴は、ホスト媒体のそれに整合しない屈折率に切り替えられ得る(その場合、パターンは、入射光を能動的に回折する)。
【0058】
いくつかの実施形態では、カメラアセンブリ630(例えば、可視光および赤外線光カメラを含むデジタルカメラ)が、眼210および/または眼210の周囲の組織の画像を捕捉し、例えば、ユーザ入力を検出するために、および/または、ユーザの生理学的状態を監視するために提供され得る。本明細書で使用されるように、カメラは、任意の画像捕捉デバイスであり得る。いくつかの実施形態では、カメラアセンブリ630は、画像捕捉デバイスと、光(例えば、赤外線光)を眼に投影し、次いで、眼によって反射され、画像捕捉デバイスによって検出され得る光源とを含み得る。いくつかの実施形態では、カメラアセンブリ630は、フレーム80(
図2)に取り付けられ得、カメラアセンブリ630からの画像情報を処理し得る処理モジュール140および/または150と電気通信し得る。いくつかの実施形態では、1つのカメラアセンブリ630が、各眼のために利用され、各眼を別個に監視し得る。
【0059】
ここで
図7を参照すると、導波管によって出力された出射ビームの例が、示される。1つの導波管が図示されるが、導波管アセンブリ260(
図6)内の他の導波管も同様に機能し得、導波管アセンブリ260は、複数の導波管を含むことを理解されたい。光640が、導波管270の入力表面460において導波管270の中に投入され、TIRによって導波管270内で伝搬する。光640がDOE570上に衝突する点で、光の一部は、導波管から出射ビーム650として出射する。出射ビーム650は、実質的に平行として図示されるが、本明細書に議論されるように、それらは、導波管270に関連付けられた深度平面に応じて、ある角度(例えば、発散出射ビームを形成する)において眼210に伝搬するように向け直され得る。実質的に平行出射ビームは、眼210からの遠距離(例えば、光学無限遠)における深度平面に設定されるように見える画像を形成するように光を外部結合する外部結合光学要素を伴う導波管を示し得ることを理解されたい。他の導波管または他の外部結合光学要素の組は、より発散する出射ビームパターンを出力し得、それは、眼210がより近い距離に遠近調節し、網膜に焦点を合わせることを要求し、光学無限遠より眼210に近い距離からの光として脳によって解釈されるであろう。
【0060】
いくつかの実施形態では、フルカラー画像が、原色、例えば、3つ以上の原色の各々に画像をオーバーレイすることによって、各深度平面において形成され得る。
図8は、スタックされた導波管アセンブリの例を図示し、各深度平面は、複数の異なる原色を使用して形成される画像を含む。図示される実施形態は、深度平面240a-240fを示すが、より多いまたはより少ない深度も、想定される。各深度平面は、第1の色Gの第1の画像、第2の色Rの第2の画像、および第3の色Bの第3の画像を含むそれに関連付けられた3つ以上の原色画像を有し得る。異なる深度平面は、文字G、R、およびBに続くジオプタ(dpt)に関する異なる数字によって図に示される。単なる例として、これらの文字の各々に続く数字は、ジオプタ(1/m)、すなわち、視認者からの深度平面の距離の逆数を示し、図中の各ボックスは、個々の原色画像を表す。いくつかの実施形態では、異なる波長の光の眼の焦点合わせにおける差異を考慮するために、異なる原色のための深度平面の正確な場所は、変動し得る。例えば、所与の深度平面のための異なる原色画像は、ユーザからの異なる距離に対応する深度平面上に設置され得る。そのような配列は、視力およびユーザ快適性を増加させ得、および/または色収差を減少させ得る。
【0061】
いくつかの実施形態では、各原色の光は、単一専用導波管によって出力され得、その結果、各深度平面は、それに関連付けられた複数の導波管を有し得る。そのような実施形態では、文字G、R、またはBを含む図中の各ボックスは、個々の導波管を表すものと理解され得、3つの導波管は、深度平面毎に提供され得、3つの原色画像が、深度平面毎に提供される。各深度平面に関連付けられた導波管は、この図面では、説明を容易にするために互いに隣接して示されるが、物理的デバイスでは、導波管は全て、レベル毎に1つの導波管を伴うスタックで配列され得ることを理解されたい。いくつかの他の実施形態では、複数の原色が、例えば、単一導波管のみが深度平面毎に提供され得るように、同一導波管によって出力され得る。
【0062】
図8を継続して参照すると、いくつかの実施形態では、Gは、緑色であり、Rは、赤色であり、Bは、青色である。いくつかの他の実施形態では、マゼンタ色およびシアン色を含む光の他の波長に関連付けられた他の色も、赤色、緑色、もしくは青色のうちの1つ以上のものに加えて使用され得、または、それらに取って代わり得る。
【0063】
本開示全体を通した所与の光の色の言及は、その所与の色として視認者によって知覚される光の波長の範囲内の1つ以上の波長の光を包含するものと理解されると理解されたい。例えば、赤色光は、約620~780nmの範囲内である1つ以上の波長の光を含み得、緑色光は、約492~577nmの範囲内である1つ以上の波長の光を含み得、青色光は、約435~493nmの範囲内である1つ以上の波長の光を含み得る。
【0064】
いくつかの実施形態では、光源530(
図6)は、視認者の視覚的知覚範囲外の1つ以上の波長、例えば、赤外線および/または紫外線波長の光を放出するように構成され得る。加えて、ディスプレイ250の導波管の内部結合、外部結合、および他の光向け直し構造は、例えば、結像および/またはユーザ刺激用途のために、この光をユーザの眼210に向かってディスプレイから外へ導き、および放出するように構成され得る。
【0065】
ここで
図9Aを参照すると、いくつかの実施形態では、導波管に衝突する光は、その光を導波管の中に内部結合するために向け直される必要があり得る。内部結合光学要素が、光をその対応する導波管の中に向け直し、内部結合するために使用され得る。
図9Aは、それぞれ、内部結合光学要素を含む複数または組660のスタックされた導波管の例の断面側面図を図示する。導波管の各々は、1つ以上の異なる波長もしくは1つ以上の異なる波長範囲の光を出力するように構成され得る。スタック660は、スタック260(
図6)に対応し得、スタック660の図示される導波管は、複数の導波管270、280、290、300、310の一部に対応し得るが、画像投入デバイス360、370、380、390、400のうちの1つ以上のものからの光が、光が内部結合のために向け直されることを要求する位置から導波管の中に投入されることを理解されたい。
【0066】
スタックされた導波管の図示される組660は、導波管670、680、および690を含む。各導波管は、関連付けられた内部結合光学要素(導波管上の光入力エリアとも称され得る)を含み、例えば、内部結合光学要素700は、導波管670の主要表面(例えば、上側主要表面)上に配置され、内部結合光学要素710は、導波管680の主要表面(例えば、上側主要表面)上に配置され、内部結合光学要素720は、導波管690の主要表面(例えば、上側主要表面)上に配置される。いくつかの実施形態では、内部結合光学要素700、710、720のうちの1つ以上のものは、それぞれの導波管670、680、690の底部主要表面上に配置され得る(特に、1つ以上の内部結合光学要素は、反射性偏向光学要素である)。図示されるように、内部結合光学要素700、710、720は、それらのそれぞれの導波管670、680、690の上側主要表面(または次の下側導波管の上部)上に配置され得、特に、それらの内部結合光学要素は、透過性偏向光学要素である。いくつかの実施形態では、内部結合光学要素700、710、720は、それぞれの導波管670、680、690の本体内に配置され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に議論されるように、内部結合光学要素700、710、720は、他の光の波長を透過させながら、1つ以上の光の波長を選択的に向け直すような波長選択的である。それらのそれぞれの導波管670、680、690の片側または角に図示されるが、内部結合光学要素700、710、720は、いくつかの実施形態では、それらのそれぞれの導波管670、680、690の他のエリア内に配置され得ることを理解されたい。
【0067】
図示されるように、内部結合光学要素700、710、720は、互いから側方にオフセットされ得る。いくつかの実施形態では、各内部結合光学要素は、その光が別の内部結合光学要素を通過せずに光を受け取るようにオフセットされ得る。例えば、各内部結合光学要素700、710、720は、
図6に示されるように、光を異なる画像投入デバイス360、370、380、390、および400から受け取るように構成され得、光を内部結合光学要素700、710、720の他のものから実質的に受け取らないように、他の内部結合光学要素700、710、720から分離され得る(例えば、側方に間隔を置かれる)。
【0068】
各導波管は、関連付けられた光分配要素も含み、例えば、光分配要素730は、導波管670の主要表面(例えば、上部主要表面)上に配置され、光分配要素740は、導波管680の主要表面(例えば、上部主要表面)上に配置され、光分配要素750は、導波管690の主要表面(例えば、上部主要表面)上に配置される。いくつかの他の実施形態では、光分配要素730、740、750は、それぞれ、関連付けられた導波管670、680、690の底部主要表面上に配置され得る。いくつかの他の実施形態では、光分配要素730、740、750は、それぞれ、関連付けられた導波管670、680、690の上部および底部両方の主要表面上に配置され得るか、または、光分配要素730、740、750は、それぞれ、異なる関連付けられた導波管670、680、690内の上部および底部主要表面の異なるもの上に配置され得る。
【0069】
導波管670、680、690は、例えば、材料のガス、液体および/または固体層によって間隔を置かれ、分離され得る。例えば、図示されるように、層760aは、導波管670および680を分離し得、層760bは、導波管680および690を分離し得る。いくつかの実施形態では、層760aおよび760bは、低屈折率材料(すなわち、導波管670、680、690のうちの直隣接するものを形成する材料より低い屈折率を有する材料)から形成される。好ましくは、層760a、760bを形成する材料の屈折率は、導波管670、680、690を形成する材料の屈折率を0.05もしくはそれを上回る、または、0.10もしくはそれを下回る。有利には、より低い屈折率層760a、760bは、導波管670、680、690を通して光の全内部反射(TIR)(例えば、各導波管の上部および底部主要表面間のTIR)を促進するクラッディング層として機能し得る。いくつかの実施形態では、層760a、760bは、空気から形成される。図示されないが、導波管の図示される組660の上部および底部は、直近クラッディング層を含み得ることを理解されたい。
【0070】
好ましくは、製造および他の考慮点を容易にするために、導波管670、680、690を形成する材料は、類似または同一であり、層760a、760bを形成する材料は、類似または同一である。いくつかの実施形態では、導波管670、680、690を形成する材料は、1つ以上の導波管間で異なり得、および/または、層760a、760bを形成する材料は、依然として、前述の種々の屈折率関係を保持しながら、異なり得る。
【0071】
図9Aを継続して参照すると、光線770、780、790が、導波管の組660に入射する。光線770、780、790は、1つ以上の画像投入デバイス360、370、380、390、400(
図6)によって導波管670、680、690の中に投入され得ることを理解されたい。
【0072】
いくつかの実施形態では、光線770、780、790は、異なる色に対応し得る異なる性質、例えば、異なる波長または異なる波長範囲を有する。内部結合光学要素700、710、720の各々は、光が、TIRによって、導波管670、680、690のうちのそれぞれのものを通して伝搬するように、入射光を偏向させる。いくつかの実施形態では、内部結合光学要素700、710、720の各々は、他の波長を下層導波管および関連付けられた内部結合光学要素に透過させながら、1つ以上の特定の光の波長を選択的に偏向させる。
【0073】
例えば、内部結合光学要素700は、異なる第2および第3の波長または波長範囲を有する光線1242および1244を透過させながら、第1の波長または波長範囲を有する光線770を選択的に偏向させるように構成され得る。透過させられた光線780は、第2の波長または波長範囲の光を選択的に偏向させるように構成された内部結合光学要素710に衝突し、それによって偏向させられる。光線790は、第3の波長または波長範囲の光を選択的に偏向させるように構成された内部結合光学要素720によって偏向させられる。
【0074】
図9Aを継続して参照すると、偏向させられた光線770、780、790は、対応する導波管670、680、690を通して伝搬するように偏向させられる。すなわち、各導波管の内部結合光学要素700、710、720は、光をその対応する導波管670、680、690の中に偏向させ、光をその対応する導波管の中に内部結合する。光線770、780、790は、光をTIRによってそれぞれの導波管670、680、690を通して伝搬する角度で偏向させられる。光線770、780、790は、導波管の対応する光分配要素730、740、750に衝突するまで、TIRによってそれぞれの導波管670、680、690を通して伝搬する。
【0075】
ここで
図9Bを参照すると、
図9Aの複数のスタックされた導波管の例の斜視図が、図示される。前述のように、内部結合された光線770、780、790は、それぞれ、内部結合光学要素700、710、720によって偏向させられ、次いで、それぞれ、導波管670、680、690内でTIRによって伝搬する。光線770、780、790は、次いで、それぞれ、光分配要素730、740、750に衝突する。光分配要素730、740、750は、それぞれ、外部結合光学要素800、810、820に向かって伝搬するように、光線770、780、790を偏向させる。
【0076】
いくつかの実施形態では、光分配要素730、740、750は、直交瞳エクスパンダ(OPE)である。いくつかの実施形態では、OPEは、光を外部結合光学要素800、810、820に偏向させ、または分散し、いくつかの実施形態では、OPEは、光が外部結合光学要素に伝搬するにつれて、この光のビームまたはスポットサイズを増加させ得る。いくつかの実施形態では、光分配要素730、740、750は、省略され得、内部結合光学要素700、710、720は、光を直接外部結合光学要素800、810、820に偏向させるように構成され得る。例えば、
図9Aを参照すると、光分配要素730、740、750は、それぞれ、外部結合光学要素800、810、820と置換され得る。いくつかの実施形態では、外部結合光学要素800、810、820は、光を視認者の眼210(
図7)に導く、射出瞳(EP)または射出瞳エクスパンダ(EPE)である。OPEが少なくとも1つの軸においてアイボックスの寸法を増加させるように構成され得、EPEがOPEの軸と交差する、例えば、直交する軸においてアイボックスを増加させ得ることを理解されたい。例えば、各OPEは、光の残りの部分が導波管を辿って伝搬し続けることを可能にしながら、OPEに衝打する光の一部を同一導波管のEPEに向け直すように構成され得る。OPEへの衝突時、再び、残りの光の別の部分は、EPEに向け直され、その部分の残りの部分は、導波管等を辿ってさらに伝搬し続ける。同様、EPEへの衝打、衝突光の一部は、ユーザに向かって導波管から外へ導かれ、その光の残りの部分は、EPに再び衝打するまで、導波管を通して伝搬し続け、その時点で、衝突する光の別の部分は、導波管から外へ導かれる等。その結果、内部結合された光の単一ビームは、その光の一部がOPEまたはEPEによって向け直される度に、「複製」され、それによって、
図6に示されるように、クローン化された光のビーム野を形成し得る。いくつかの実施形態では、OPEおよび/またはEPEは、光のビームのサイズを修正するように構成され得る。
【0077】
故に、
図9Aおよび9Bを参照すると、いくつかの実施形態では、導波管の組660は、各原色のために、導波管670、680、690と、内部結合光学要素700、710、720と、光分配要素(例えば、OPE)730、740、750と、外部結合光学要素(例えば、EP)800、810、820とを含む。導波管670、680、690は、各1つの間に空隙/クラッディング層を伴ってスタックされ得る。内部結合光学要素700、710、720は、(異なる波長の光を受け取る異なる内部結合光学要素を用いて)入射光をその導波管の中に向け直し、または偏向させる。光は、次いで、それぞれの導波管670、680、690内にTIRをもたらすであろう角度で伝搬する。示される例では、光線770(例えば、青色光)は、前述の様式において、第1の内部結合光学要素700によって偏向させられ、次いで、導波管を辿って跳ね返り続け、光分配要素(例えば、OPE)730、次いで、外部結合光学要素(例えば、EP)800と相互作用する。光線780および790(例えば、それぞれ、緑色および赤色光)は、導波管670を通過し、光線780は、内部結合光学要素710に衝突し、それによって偏向させられる。光線780は、次いで、TIRを介して、導波管680を辿って跳ね返り、その光分配要素(例えば、OPE)740、次いで、外部結合光学要素(例えば、EP)810に進むであろう。最後に、光線790(例えば、赤色光)は、導波管690を通過し、導波管690の光内部結合光学要素720に衝突する。光内部結合光学要素720は、光線が、TIRによって、光分配要素(例えば、OPE)750に、次いで、TIRによって、外部結合光学要素(例えば、EP)820に伝搬するように、光線790を偏向させる。外部結合光学要素820は、次いで、最後に、光線790を視認者に外部結合し、視認者は、他の導波管670、680からの外部結合した光も受け取る。
【0078】
図9Cは、
図9Aおよび9Bの複数のスタックされた導波管の例の見下げ平面図を図示する。図示されるように、導波管670、680、690は、各導波管の関連付けられた光分配要素730、740、750および関連付けられた外部結合光学要素800、810、820とともに、垂直に整列させられ得る。しかしながら、本明細書に議論されるように、内部結合光学要素700、710、720は、垂直に整列させられない。むしろ、内部結合光学要素は、好ましくは、重複しない(例えば、見下ろし図に見られるように、側方に間隔を置かれる)。本明細書でさらに議論されるように、この重複しない空間配列は、1対1ベースで異なるリソースから異なる導波管の中への光の投入を促進し、それによって、特定の光源が特定の導波管に固有に結合されることを可能にする。いくつかの実施形態では、重複しない空間的に分離される内部結合光学要素を含む配列は、シフト瞳システムと称され得、これらの配列内の内部結合光学要素は、サブ瞳に対応し得る。
【0079】
(組み合わせられた視野を伴うスタックされた導波管)
導波管ベースのディスプレイシステム、例えば、上で説明される仮想/拡張/複合ディスプレイアプリケーションのために構成された種々の半透明または透明ディスプレイシステムのユーザに没入型の体験を提供することは、とりわけ、ディスプレイシステムの導波管の中に結合する光の種々の特性に依存する。例えば、増加した視野を有する仮想/拡張/複合ディスプレイは、潜在的に、視認体験を向上させることができる。ディスプレイの視野は、接眼レンズ内に含まれる導波管スタック内の複数の導波管によって出力される光の角度に依存し、視認者は、接眼レンズを通してその眼の中に投影された画像を見る。複数の導波管から出力される光の角度は、次に、少なくとも部分的に導波管の中に結合される光の受光角に依存する。上で議論されるように、内部結合格子等の内部結合光学要素が、光を格子の中に結合するために採用され得る。しかしながら、ある場合、限定された角度範囲を有する光のみが、所与の格子を使用して、所与の導波管の中に結合され得る。導波管によるこの限定された光の受光角の範囲は、導波管によって装着者の眼の中に出力される角度範囲も限定し、したがって、潜在的に、装着者のための視野を低減させ得る。この特定の限界と、受光角、したがって、ディスプレイの視野を増加させるための設計とは、下で議論される。
【0080】
例えば、
図6および7を参照して上で説明されるように、本明細書に説明される種々の実施形態によるディスプレイシステムは、光学要素、例えば、内部結合光学要素、外部結合光学要素、および光分配要素を含み得、それらは、回折格子を含み得る。例えば、
図7を参照して上で説明されるように、導波管270の入力表面460において導波管270の中に投入される光640は、全内部反射(TIR)によって、導波管270内で伝搬する。光640が外部結合光学要素570に衝突する点で、光の一部が、ビームレット650として導波管から出射する。いくつかの実装では、光学要素570、580、590、600、610のいずれかは、回折格子として構成されることができる。
【0081】
導波管270、280、290、300、310の中への光の内部結合(またはそれからの光の外部結合)の望ましい特性を達成するために、回折格子として構成された光学要素570、580、590、600、610は、回折特性を含む種々の光学特性を制御するように構成された構造を有する材料から形成されることができる。望ましい回折特性は、他の特性の中でもとりわけ、スペクトル選択性、角度選択性、偏光選択性、高スペクトル帯域幅および高回折効率、および、広視野(FOV)を含む。
【0082】
これらおよび他の利点のうちの1つ以上のものを達成するために、本明細書に説明される種々の例は、互いの上に形成され、それらの上に形成されたそれぞれの回折格子を有する複数の導波管を含む。回折格子は、その上に入射する可視光をそれぞれの導波管の中に回折するように構成され、導波管の中に回折された可視光は、例えば、全内部反射によって、導波管の各々内で伝搬する。回折格子は、それぞれの角度範囲または視野(FOV)(例えば、それぞれの導波管の層法線方向に対する)内で可視光がその上に入射すると、可視光をそれぞれの導波管の中に回折するように構成される。個々の回折格子および導波管によって提供されるそれぞれのFOVは、導波管が、一緒にスタックされると、連続し、かつ、回折格子および導波管によって別個に提供される個々のFOVより大きい総受光角またはFOVを有するようなものである。
【0083】
本明細書に説明されるように、可視光は、赤色、緑色、または青色範囲を含む種々の色範囲内の1つ以上の波長を有する、光を含み得る。本明細書に説明されるように、赤色光は、約620~780nmの範囲における1つ以上の波長の光を含み得、緑色光は、約492~577nmの範囲における1つ以上の波長の光を含み得、青色光は、約435~493nmの範囲における1つ以上の波長の光を含み得る。したがって、可視は、約435nm~780nmの範囲における1つ以上の波長の光を含み得る。
【0084】
本明細書に説明されるように、回折格子等の光を回折するように構成された構造は、透過モードおよび/または反射モードにおいて、光を回折し得る。本明細書に説明されるように、透過モードにおいて光を回折するように構成された構造は、構造の光入射側と反対側の光の回折された光の強度が、構造の入射側と同じ側の回折された光の強度と比較して、例えば、少なくとも、10%を上回る、20%を上回る、または30%を上回る構造を指す。逆に、本明細書に説明されるように、反射モードにおいて光を回折するように構成された構造は、構造の入射側と同じ側の回折された光の強度が、構造の光入射側と反対側の光の回折された光の強度と比較して、例えば、少なくとも、10%を上回る、20%を上回る、または30%を上回る構造を指す。
【0085】
図10は、いくつかの実施形態による、その上に形成される回折格子1008を有する導波管1004を備えているディスプレイデバイス1000の一部の断面図を図示する。結合された回折格子1008は、光が導波管1004内に誘導されるように、可視スペクトル内の波長を有する光を回折するように構成される。導波管1004は、例えば、
図9A-9Cに関して上で説明される導波管670、680、690のうちの1つに対応し得る。回折格子1008は、例えば、内部結合光学要素(700、710、720、
図9A-9C)に対応し得る。ディスプレイデバイス1000は、加えて、光学要素1012を含み、それは、例えば、光分配要素(730、740、750、
図9A-9C)、または、例えば、外部結合光学要素(800、810、820、
図9A-9C)のうちの1つに対応し得る。
【0086】
動作時、入射光ビーム1016、例えば、可視光が、y-z平面に延びている表面1008Sに垂直である、または直交する面法線1012に対して測定される入射角αで、回折格子1008上に入射すると、回折格子1008は、面法線1012に対して測定される回折角度θで、回折された光ビーム1024として入射光ビーム1016を少なくとも部分的に回折し、透過させられた光ビーム1020として入射光を少なくとも部分的に透過させる。本明細書に説明されるように、実施形態に図示されるような面法線1012に対して時計回り方向(すなわち、面法線1012の右側)にある角度で入射する光ビームは、負のα(α<0)を有すると称される一方、面法線1012に対して反時計回り方向(すなわち、面法線の左側)にある角度で入射する光ビームは、正のα(α>0)を有すると称される。回折された光ビーム1024が、導波管1004内で全内部反射の発生のための臨界角θ
TIRを超える回折角度θで回折されると、回折された光ビーム1024は、回折された光ビーム1024が、例えば、光分配要素(730、740、750、
図9A-9C)のうちの1つ、または、例えば、外部結合光学要素(800、810、820、
図9A-9C)のうちの1つに対応し得る光学要素1012に到達するまで、全内部反射(TIR)のもと、x-軸に沿って伝搬する。
【0087】
本明細書のいずれかにさらに説明されるように、回折格子1016の材料および構造の好適な組み合わせは、本明細書では、受光角または視野(FOV)の範囲と称される入射角αの特定の範囲(Δα)が取得されるように選択され得る。種々の実施形態によると、回折格子1008および導波管1004は、Δαが、20度(例えば、+/-10度)、30度(例えば、+/-15度)、40度(例えば、+/-20度)、または50度(例えば、+/-25度)を超えるか、または、面法線1012付近(例えば、0度における)の対称および非対称範囲を含むこれらの値のいずれかによって定義された角度の範囲内であるように配列される。本明細書に説明されるように、所望の範囲Δαは、αの負および/または正の値に及ぶ角度範囲によって説明され得、その範囲外では、回折効率は、α=0における回折効率に対して、10%、25%、50%、または75%を上回って降下する。回折効率が比較的に高くかつ一定である範囲内のΔαを有することが、例えば、回折された光の均一強度がΔα内で所望される場合、望ましくあり得る。したがって、Δαは、Δα内の入射光ビーム1016が、θTIRを超える面法線1012(例えば、y-z平面)に対する回折角度θで回折格子1016によって効率的回折され、回折された光が、全内部反射(TIR)のもと、導波管1004内で伝搬するように、回折格子1016の角度帯域幅に関連付けられる。
【0088】
種々の実施形態では、回折格子1008(および光学要素1012)は、その屈折率(n
1)または有効屈折率が、導波管1004の屈折率n
2より高い材料、すなわち、n
1>n
2である材料から形成される。いくつかの実施形態では、導波管1004は、例えば、導波管310、300、290、280、270(
図6)、および/または、例えば、導波管670、680、および690(
図9A-9C)に対応し得る。いくつかの実装では、実施形態による、導波管1004の材料は、空気のそれを上回るが、n
1未満である屈折率、例えば、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、またはこれらの値のいずれかによって定義された範囲内である屈折率を有し、それらは、導波管1004からの光を出力することによって画像を形成するディスプレイのΔαを増加させるための利点を提供し得る。導波管1004を形成するための材料の例は、シリカガラス(例えば、ドープされたシリカガラス)、酸窒化ケイ素、遷移金属酸化物(例えば、酸化ハフニウム、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、ニオブ酸リチウム、酸化アルミニウム(例えば、サファイア))、プラスチック、ポリマー、または、例えば、本明細書に説明されるような好適な屈折率を有する可視光に他の実質的に光学的に透過性の材料を含む。
【0089】
ある実施形態によると、回折格子1008は、周期Λ
aを有する、周期的構造を有し得る。周期Λ
aは、少なくとも2回、規則的インターバルで、導波管1004にわたって、側方方向(例えば、x、y方向)に、反復または実質的に反復する。言い換えると、周期Λ
aは、直接隣り合い反復する構造の同一点間の距離であり得る。種々の実施形態によると、周期Λ
aは、本願のいずれかに説明されるように、液晶の配列によって形成されるそれに対応し得る。種々の実施形態では、Λ
aは、格子1008が回折するように構成された波長より小さくあり得、ある波長または約435nm~780nmの範囲における任意の波長より小さくあり得る。少なくとも赤色光を回折するように構成されたいくつかの実施形態では、Λ
aは、約620~780nmの範囲におけるある波長(または任意の波長)未満であり得る。少なくとも緑色光を回折するように構成されたいくつかの他の実施形態では、Λ
aは、約492~577nmの範囲におけるある波長(または任意の波長)未満であり得る。少なくとも青色光を回折するように構成されたいくつかの他の実施形態では、Λ
aは、約435~493nmの範囲におけるある波長(または任意の波長)未満であり得る。代替として、種々の実施形態によると、Λ
aは、10nm~500nmまたは300nm~500nmを含む10nm~1μmの範囲内であり得る。本明細書に開示される回折格子は、光を回折するために利用され得、ディスプレイシステム250(
図6)の一部であり得、ディスプレイシステム250は、光を狭帯域の波長を有する格子に導くように構成され得ることを理解されたい。いくつかの実施形態では、所与の回折格子のためのΛ
aは、ディスプレイシステムの光源が、回折格子に導くように構成された波長の帯域の最小波長未満である。
【0090】
任意の理論によって拘束されるわけではないが、いくつかの実施形態では、Λaは、比率mλ/(sinα+n2sinθ)未満の値を有し得、式中、mは、整数(例えば、1、2、3・・・)であって、α、n2、およびθの各々は、本明細書全体を通して説明される値を有する。例えば、αは、40度を超える範囲Δα内であり得、n2は、1~2の範囲内であり得、θは、40-80度の範囲内であり得る。
【0091】
いくつかの実施形態では、Λaは、格子1008の表面1008Sにわたって実質的に一定であり得る。しかしながら、実施形態は、そのように限定されず、いくつかの他の実施形態では、Λaは、表面1008Sにわたって変動し得る。
【0092】
上で説明されるように、視野(FOV)またはΔαは、導波管の中に結合され、TIRを生じさせ得る入射光の角度範囲に対応する。上で議論されるように、この角度範囲は、導波管に影響を及ぼし、接眼レンズによって出力される光の角度範囲にも対応し、したがって、ディスプレイを通して画像を視認するとき、視認者によって経験される視野にも影響を及ぼし得る。入射光を導波管の中に結合し、TIRのもと、その中で伝搬するために、導波管1004上に入射する光は、とりわけ、導波管1004の材料の屈折率n2および回折格子1008の材料の屈折率n1に依存する受光角またはFOV、Δαの範囲内で導かれ得る。例えば、屈折率1.5を伴うガラス基板を備えている導波管1004のFOV(Δα)は、約30度であり得る。格子が、対称FOVを生産するように設計されるとき、ガラス基板のためのFOVまたは受光角の範囲は、1次元において±15度以内であり得る。以下では、種々の実施形態が、説明され、導波管のスタックのための受光角または有効FOVの組み合わせられた範囲は、個々のコンポーネント導波管に対して拡張され、個々のコンポーネント導波管は、導波管のスタックの有効FOVに対して異なるFOV、および/または、それより小さいFOVを有し得る。
【0093】
本明細書に説明されるように、複数の導波管、例えば、導波管のスタックの組み合わせられた、総、または有効FOVは、所与の色に対して、個々の導波管のFOVの組み合わせから生じる連続したFOVの範囲を指す。FOVが重複する場合、連続したFOVの範囲は、個々の導波管のFOVの重複していない部分を含み、例えば、それらの合計であり得る。例えば、その上に形成された第1の回折格子を有する第1の導波管が、所与の色を伴う光に対して、-5~20度のα1(すなわち、Δα1=25度)を有し、その上に形成された第2の回折格子を有する第2の導波管が、所与の色に関して、-20~5度のα2(すなわち、Δα2=25度)を有する場合、スタックからの所与の色に関する相補的FOVは、40度である。
【0094】
種々の実施形態によるディスプレイデバイスは、互いの上に形成され、その上に形成されたそれぞれの回折格子を有する複数の導波管であり、回折格子は、それぞれの導波管の中に回折された可視光が、全内部反射によって、その中で誘導されるように、それぞれの導波管の各々を伝搬するように、その上に入射する可視光をそれぞれの導波管の中に回折するように構成された複数の導波管を含む。回折格子は、導波管の層法線方向に対する異なるFOV内の可視光をそれぞれの導波管の中に回折するように構成され、それぞれのFOVは、導波管が連続し、個々のそれぞれのFOVの各々より大きい組み合わせられたFOVを有するようなものである。
【0095】
図11は、実施形態による、可視波長範囲内の色を有する光のための増加した組み合わせられた有効視野(FOV)のために構成されたスタックされた導波管を備えているディスプレイデバイス1100の一部の断面図を図示する。ディスプレイデバイス100は、その上に形成されたそれぞれの回折格子1008、1108を有するスタックされた導波管1004、1104を備え、スタックは、コンポーネント導波管1004、1104のそれぞれのFOV Δα
1、Δα
2より大きい組み合わせられた有効視野(FOV)を有する。ディスプレイデバイス1100は、互いの上に形成された第1の導波管1004と、第2の導波管1104とを含む。第1の導波管1004は、その上に形成された第1の回折格子1008を有し、第2の導波管1104は、その上に形成された第2の回折格子1108を有する。第1および第2の回折格子1008、1108は、それぞれの導波管1004、1104の中に回折された可視光が、それぞれの導波管の各々内で伝搬するように、それぞれ、その上に入射する可視光1116、1124をそれぞれの導波管1004、1104の中に回折するように構成される。第1および第2の回折格子1008、1108は、異なるそれぞれの視野Δα
1、Δα
2(層法線1012、例えば、y-z平面またはz-方向に対する)内でその上に入射する可視光をそれぞれの導波管1004、1104の中に回折するように構成される。ディスプレイデバイス1100は、加えて、導波管1004および1104上にそれぞれ形成された光学要素1012および1112を含む。
【0096】
図示される実施形態では、第1および第2の導波管1004、1104は、スタックされた配列にあり、セパレータ1106を間に挿入し、全内部反射のもと、実質的に平行な伝搬方向(例えば、x-方向)を有する。
【0097】
第1の導波管1004と第2の導波管1104とは、互いに類似し、対応する第1の回折格子1008と第2の回折格子1012は、互いに類似するが、第1の回折格子1004と第2の回折格子1108とは、それぞれ、異なる周期Λ1、Λ2を有し、同じ一般的
色(すなわち、赤色、緑色、または青色)を有するが異なる波長を有する光を回折するように構成される。しかしながら、実施形態は、そのように限定されず、第1および第2の回折格子1004、1108は、実質的に同一周期を有し、同一波長を有する光を回折するように構成されることができる。
【0098】
加えて、第1の回折格子1008に結合された第1の導波管1004は、第1の、例えば、正のα(面法線1012に対して反時計回り角度を有する)を有する光を回折するように構成される一方、第2の回折格子1108に結合された第2の導波管1104は、異なる、例えば、負のα(面法線1012に対して時計回り角度を有する)を有する光を回折するように構成される。しかしながら、実施形態は、そのように限定されない。例えば、第1および第2の導波管1004および1104の両方が、正または負であるが異なる入射角を回折するように構成されることができる。他の変形例も、可能である。例えば、第1および第2の導波管1004および1104のいずれでも、正または負の角度、またはその両方を回折するように構成されることができ、角度範囲Δα1およびΔα2が、大きさが同一または異なることができる。
【0099】
第1の回折格子1008は、その上に入射する可視光1116、1124を、それぞれ、部分的に回折し、部分的に透過させるように構成される。図示される実施形態では、第1の回折格子1008は、第1のFOV(Δα1)内でその上に入射する可視光1116を部分的に回折し、第2のFOV(Δα2)内でその上に入射する可視光1124を部分的に透過させるように構成される。第2の回折格子1108は、入射光として第1の回折格子1008を通して部分的に透過させられた光1128を受け取り、光1128を部分的に回折された光1132の中に少なくとも部分的に回折するように構成される。
【0100】
図示される実施形態では、第1および第2の回折格子1008および1108は、同一色を有する光を回折するように構成される。すなわち、第1および第2の回折格子1008および1108の各々は、約435nm~780nmの波長範囲内の同じ色範囲(赤色、緑色、または青色範囲)における1つ以上の波長を有する光を回折するように構成される。種々の実施形態では、第1および第2の回折格子1008および1108は、赤色に対する約620~780nmの範囲における同じまたは異なる波長を有する光を回折し、緑色に対する約492~577nmの範囲における同じまたは異なる波長を有する光を回折し、または、青色に対する約435~493nmの範囲の同じまたは異なる波長を有する光を回折するように構成されることができる。
【0101】
いくつかの実施形態では、第1および第2の回折格子1008および1108は、それぞれの周期Λ
1、Λ
2を構成することによって、特定の波長を回折するように構成され得る。任意の理論によって拘束されるわけではないが、いくつかの状況のもとで、周期Λは、概して、以下の方程式によって、α、n
2、θ、およびλに関連され得る:
Λ
a(sinα+n
2sinθ)=mλ [1]
式中、mは、整数(例えば、1、2、3・・・)であり、α、n
2、θ、およびλは、それぞれ、入射角、導波管の屈折率、回折された光の角度、および光の波長であって、本明細書のいずれかに説明される値を有し得る。他のタイプの回折光学要素および可能なホログラフィック光学要素も、使用されることができる。
依然として、
図11を参照すると、図示される実施形態では、第1および第2の回折格子1008および1108の各々を同じ色範囲(赤色、緑色、または青色範囲)内の1つ以上の波長を有する光を回折するように構成するために、Λ
1およびΛ
2の各々は、格子1008および1108が回折するように構成される波長より小さいように選択され得る。したがって、第1および第2の回折格子1008および1108の各々が、少なくとも赤色光を回折するように構成される場合、Λ
1およびΛ
2の各々は、約620~780nmの範囲におけるある波長(または任意の波長)未満であるように選択され得、第1および第2の回折格子1008および1108の各々が、少なくとも緑色光を回折するように構成される場合、Λ
1およびΛ
2の各々は、約492~577nmの範囲におけるある波長(または任意の波長)未満であるように選択され得、第1および第2の回折格子1008および1108の各々が、少なくとも青色光を回折するように構成される場合、Λ
1およびΛ
2の各々は、約435~493nmの範囲におけるある波長(または任意の波長)未満であるように選択され得る。種々の実施形態では、Λ
1およびΛ
2は、約40%~約99%、約50%~約90%、または約60%~約80%、例えば、それぞれの回折格子が回折するように構成される波長のいずれかの約71%であり得る。例えば、導波管が、530nm(緑色)の波長を有する光を回折するように構成される場合、回折格子は、380nmの周期を有し得、導波管が、650nm(赤色)の波長を有する光を回折するように構成される場合、回折格子は、465nmの周期を有し得る。
【0102】
依然として、
図11の図示される実施形態を参照すると、第1の格子1008および第1の導波管1004の組み合わせは、第2の格子1108および第2の導波管1104の組み合わせが回折するように構成された第2のFOV(Δα
2)と異なる第1のFOV(Δα
1)内の光を回折するように構成される。いくつかの実施形態では、異なるFOV Δα
1およびΔα
2は、第1および第2の導波管1004および1104のそれぞれの屈折率n
2を、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、またはこれらの値のいずれかによって定義された範囲内である値、または、より高いがn
1未満である異なる値を有するように構成することによって取得されることができる。
【0103】
依然として、
図11を参照すると、動作時、入射光1116、例えば、可視光が、第1の周期Λ
1を有する第1の回折格子1008上に入射角α
1で入射すると、第1の回折格子1008は、回折された光1120として第1の回折角度θ
1で入射光1116を少なくとも部分的に回折する。第1の導波管1004は、Δα
1内で表面1008S上に入射する入射光1116が、入射すると、第1の導波管1004が、導波管1004内の全内部反射の発生のために、臨界角θ
TIR-1を超える第1の回折角度θ
1で、入射光1116を回折するように、第1の導波管屈折率n
2-1を有する。結果として生じる回折された光1120は、光が、光学要素1012に到達し、それを通して出射するまで、全内部反射(TIR)のもと、x-軸に沿って伝搬する。
【0104】
第1の回折格子1008は、透過させられた光1128として、入射光1124を少なくとも部分的に透過させ、それは、次に、第2の周期Λ2を有する第2の回折格子1108上に入射角α2で入射する光となる。第2の回折格子1108は、次に、回折された光1132として、第2の回折角度θ2で、光1128を少なくとも部分的に回折する。第2の導波管1104は、光1128が、Δα2内で表面1108S上に入射すると、第2の導波管1104が、導波管1104内の全内部反射の発生のために、臨界角θTIR-2を超える回折角度で、光1128を回折するように、第2の導波管屈折率n2-2を有する。結果として生じる回折された光1132は、光が光学要素1112に到達するまで、全内部反射(TIR)のもと、x-軸に沿って伝搬する。
【0105】
したがって、その上に形成された第1の回折格子1008を有する第1の導波管1004およびその上に形成された第1の回折格子1108を有する第2の導波管1104は、それぞれ、個々に、Δα1およびΔα2を有するが、ディスプレイデバイス1100の一部に図示されるようにスタックされると、結果として生じるスタックされた導波管1004、1104は、連続し、コンポーネント導波管1004、1104のそれぞれのFOV
Δα1、Δα2より大きい組み合わせられたFOVを有する。
【0106】
図示される実施形態では、回折格子1008および1108は、重複する部分が、Δα2内の入射光1124が第1および第2の回折格子1008および1108の両方を横断するために十分であるように、x-方向に好適な長さを有し、部分的または完全に、x-方向に互いに重複する。
【0107】
図示される実施形態では、高回折効率を伴う組み合わせられたFOVを有するために、第1の回折格子1008は、高回折効率を伴って、Δα1内の入射光1116を回折するように構成される一方、入射光1124を少なくとも部分的に透過させるように構成され、第2の回折格子1108は、高回折効率を伴って、Δα2内のその入射光1128を回折するように構成されることを理解されたい。実施形態によると、第1および第2の回折格子1008および1108は、実施形態に従って、約20%、40%、60%、または80%を超える、またはこれらの値のいずれかによって定義された任意の範囲内のパーセンテージを有する回折効率を伴って、それぞれ、Δα1およびΔα2内の入射光1116および1124を回折するように構成される。実施形態によると、第1の回折格子1008は、実施形態に従って、約20%、40%、60%、または80%を超える、またはこれらの値のいずれかによって定義された任意の範囲内のパーセンテージを有する透過効率を伴って、Δα2内の入射光1124を透過させるように構成される。
【0108】
いくつかの実施形態では、Δα1とΔα2とは、部分的に重複し得る。実施形態によると、Δα1とΔα2とは、Δα1またはΔα2に基づいて、20%、40%、60%、または80%未満、またはこれらの値のいずれかによって定義された任意の範囲内のパーセンテージ、または、実施形態に従って、5°、10°、15°、または20°未満、またはこれらの値のいずれかによって定義された任意の範囲内の値だけ重複する。
【0109】
一例では、第1の導波管1004は、0~30度のα1(すなわち、Δα1=30度)かつ緑色波長(例えば、530nm)を有する光を第1の導波管1004の中に結合するように構成される一方、第2の導波管1104は、同じ緑色波長かつ-30~0度のα2(すなわち、Δα2=30度)を有する光を結合するように構成される。結果として生じる組み合わせられたFOVは、60度もの高FOVであることができる。
【0110】
依然として、
図11を参照すると、2つのみの導波管は、図示される実施形態ではスタックされるが、実施形態は、そのように限定されない。他の実施形態では、追加の導波管が、さらにスタックされ、さらにより大きい組み合わせられたFOVを提供し得る。例えば、第3の導波管および第3の回折格子の組み合わせが、第2の導波管1104の下に形成され、第3のFOV Δα
3内で第1の回折格子1008上に入射する入射光1116、1124と同じ色および同じまたは異なる波長を有する可視光が、第3の回折格子を通して回折されるように、第1および第2の回折格子1008、1108を通して部分的に透過させられ得るように構成され得る。
【0111】
図12Aおよび12Bは、実施形態による、可視波長範囲内の複数の色を有する光のための増加した組み合わせられた有効視野(FOV)のために構成されたスタックされた導波管を備えているディスプレイデバイス1200の一部の断面図を図示する。
図12Aおよび12Bは、いくつかの実施形態による、その上に形成されたそれぞれの回折格子1008、1208を有するスタックされた導波管1004、1204を備えているディスプレイデバイス1200の一部の断面図を図示し、スタックは、コンポーネント導波管1004、1204のそれぞれの視野(FOV)より大きい組み合わせられた視野(FOV)を有する。上記の
図11に関して図示されるディスプレイデバイス1100と同様、ディスプレイデバイス1200は、互いの上に形成された第1の導波管1004と、第2の導波管1204とを含む。第1の導波管1004は、その上に形成された第1の回折格子1008を有し、第2の導波管1204は、その上に形成された第2の回折格子1208を有する。ディスプレイデバイス1200は、加えて、導波管1004および1204上にそれぞれ形成された光学要素1012および1212を含む。上記の
図11に関して図示されるディスプレイデバイス1100と同一または類似するディスプレイデバイス1200の他の配列は、本明細書では省略される。
【0112】
しかしながら、上記の
図11に関して図示されるディスプレイデバイス1100と異なり、第1および第2の回折格子1008、1208は、それぞれ、異なる周期Λ
1、Λ
2を有し、異なる色(すなわち、赤色、緑色、または青色)を有する光を回折するように構成される。
【0113】
図12Aを参照すると、第1および第2の回折格子1008、1208は、それぞれ、各々がその上に入射する第1の色および第1の波長λ
1を有する可視光1116、1124をそれぞれの導波管1004、1204の中に回折するように構成され、それによって、第1の色およびλ
1を有する可視光は、それぞれの導波管1004、1204の中に回折され、それぞれの導波管内で伝搬する。第1および第2の回折格子1008、1208は、それぞれ、面法線1012、例えば、z-方向に対して異なる視野Δα
1、Δα
2内のその上に入射する第1の色を有する可視光を、それぞれの導波管1004、1204の中に回折するように構成される。
【0114】
図12Bを参照すると、第1の回折格子1008は、第2の色および第2の波長λ
2を有する可視光1216、1214を実質的に透過させるように構成される。ここで、第2の回折格子1208上に入射する第2の色および波長λ
2を有する、透過させられた可視光1226は、少なくとも部分的に第2の導波管1204の中に回折され、x-方向に伝搬される。第2の回折格子1208は、第2の色を有し、視野Δα
1、Δα
2の一方または両方内で第1の回折格子1008上に入射する可視光1216、1214を第2の導波管1204の中に回折するように構成される。図示される実施形態では、可視光1216は、第2の導波管1204の中に回折されるように回折される。
【0115】
要約すると、
図12Aを参照すると、第1の導波管1004および第1の回折格子1008は、第1の色およびλ
1を有し、正のα
1(Δα
1以内)を有する可視光を回折するように構成される一方、第2の導波管1204および第2の回折格子1208は、第1の色およびλ
1を有し、負のα
2(Δα
2以内)を有する可視光を回折するように構成される。
【0116】
要約すると、
図12Bを参照すると、第1の導波管1004および第1の回折格子1008は、第2の色およびλ
2を有し、正のα
1(Δα
1以内)および負のα
2(Δα
2以内)をそれぞれ有する可視光1216、1214を実質的に透過させるように構成される一方、第2の導波管1204および第2の回折格子1208は、第2の色およびλ
2を有し、正のα
1(Δα
1以内)および負のα
2(Δα
2以内)のうちの少なくとも1つを有する可視光を少なくとも部分的に回折するように構成される。いくつかの実施形態では、異なるFOV Δα
1およびΔα
2は、第1および第2の導波管1004および1204のそれぞれの屈折率n
2-1およびn
2-1を1.5、1.6、1.7、1.8、1.9以上の値またはこれらの値のいずれかによって定義された範囲内である値であるが回折格子1004、1208のn
1未満であり得る異なる値を有するように構成することによって取得されることができる。
【0117】
図11に関して図示される実施形態と異なり、
図12Aおよび12Bの図示される実施形態では、第1および第2の回折格子1008および1208は、約435nm~780nmの範囲における波長内の異なる色(赤色、緑色、または青色範囲)に対応する1つ以上の波長を有する光を回折するように構成される。例えば、第1および第2の回折格子1008および1208は、赤色に対する約620~780nm、緑色に対する約492~577nm、または青色に対する約435~493nmの異なる範囲内の異なる波長を有する光を回折するように構成される。特に、図示される実施形態では、第1の回折格子1008は、緑色光を回折するように構成され、第2の回折格子1208は、緑色光および赤色光を回折するように構成される。
【0118】
図示される実施形態では、第1および第2の回折格子1008および1208の各々を異なる色(赤色、緑色、または青色)に対応する1つ以上の波長を有する光を回折するように構成するために、それぞれのΛ1およびΛ2は、格子1008および1208が回折するように構成される波長と異なり、かつそれより小さいように選択され得る。したがって、第1および第2の回折格子1008および1208が、それぞれ、緑色光および赤色光を回折するように構成される場合、Λ1およびΛ2は、それぞれ、緑色に対する約492~577nm、赤色に対する約620~780nmの異なる範囲内のある波長(または任意の波長)未満であるように選択され得る。加えて、第1および第2の回折格子1008および1208が、それぞれ、青色光および緑色光を回折するように構成される場合、Λ1およびΛ2は、それぞれ、青色に対する約435~493nm、緑色に対する約492~577nmの異なる範囲内のある波長(または任意の波長)未満であるように選択され得る。
【0119】
図12Aを参照すると、動作時、入射光1116、例えば、第1の色およびλ
1を有する可視光が、第1の周期Λ
1を有する第1の回折格子1008上に入射角α
1で入射すると、第1の回折格子1008は、回折された光ビーム1120として、第1の回折角度θ
1で、入射光1116を少なくとも部分的に回折する。第1の導波管1004は、入射光1116が、Δα
1内で表面1008S上に入射すると、第1の回折格子1008が、導波管1004内の全内部反射(TIR)の発生のために、臨界角θ
TIR-1を超える回折角度で、入射光1116を回折するように、第1の導波管屈折率n
2-1を有する。結果として生じる回折された光1120は、光が、光学要素1012に到達し、それを通して出射するまで、TIRのもと、x-軸に沿って伝搬する。
【0120】
第1の回折格子1016は、透過させられる光1128として、第1の色およびλ1を有する入射角α2でその上に入射する入射光1124を少なくとも部分的に透過させ、それは、次に、第2の周期Λ2を有する第2の回折格子1208上に入射する光1128となる。第2の回折格子1208は、第2の回折角度θ2で回折された光1232として、Δα2内で入射する光1128を少なくとも部分的に回折する。第2の導波管1204は、光1128が、Δα2内で入射すると、第2の導波管1204が、導波管1204内の全内部反射の発生のために、臨界角θTIR-2を超える回折角度で、光1128を回折するように、第2の導波管屈折率n2-2を有する。結果として生じる回折された光1232は、全内部反射(TIR)のもと、光が、光学要素1212に到達し、それを通して出射するまで、x-軸に沿って伝搬する。
【0121】
図12Bを参照すると、入射光1216および1214、例えば、第2の色およびλ
2を有する可視光が、それぞれ、Δα
1内のα
1およびΔα
2内のα
2で、第1の回折格子1008上に入射すると、第1の回折格子1008は、入射光1216および1214を対応する実質的に透過させられるそれぞれの光1226および1224の中に実質的に透過させる。透過させられた光1226および1224は、次に、それぞれ、Δα
1内のα
1およびΔα
2内のα
2で、第2の回折格子1208上に入射する。第2の導波管1204は、光1216が、Δα
1内で表面1208S上に入射すると、回折格子1208が、第2の導波管1204内の全内部反射の発生のために、臨界角θ
TIR-2を超える回折角度で、光1226を回折し、回折された光1236が、光が、光学要素1212に到達し、それを通して出射するまで、全内部反射(TIR)のもと、x-軸に沿って伝搬するように、第2の導波管屈折率n
2-2を有する。
【0122】
したがって、第1の周期Λ1を有するその上に形成された第1の回折格子1008を有する第1の導波管1004と、第2の周期Λ2を有するその上に形成された第2の回折格子1208を有する第2の導波管1204をスタックすることによって、第1の回折格子1008は、第1の色およびλ1を有し、Δα1内の光を回折するように構成され、第2の回折格子1208は、第1の色およびλ1を有し、Δα2内の光を回折するように構成され、第2の回折格子1208は、第2の色およびλ2を有し、少なくともΔα1内の光を回折するようにさらに構成される。結果として生じるスタックは、コンポーネント導波管1004、1204のそれぞれの視野(FOV)Δα1、Δα2より大きい組み合わせられたFOVを有する。さらに、第2の導波管は、2つ以上の色を伝搬し、潜在的に、スタック内の導波管の数を低減させる。
【0123】
図示される実施形態では、
図12Aを参照すると、高回折効率を伴う組み合わせられたFOVを有するために、第1の回折格子1008は、高回折効率を伴って、Δα
1内の第1の色を有する入射光1116を回折するように構成される一方、Δα
2内の第1の色を有する入射光1124を少なくとも部分的に透過させるように構成されることを理解されたい。加えて、
図12Bを参照すると、第1の回折格子1008は、Δα
1およびΔα
2内の第2の色を有するそれぞれの入射光1216、1214を実質的に透過させるように構成される。加えて、第2の回折格子1208は、高回折効率を伴って、Δα
2内の第1の色を有するその入射光1128と、少なくともΔα
2内の第2の色を有する1226とを回折するように構成される。実施形態によると、高効率を伴って光を回折するように構成される場合、第1および/または第2の回折格子1008および/または1208は、実施形態に従って、約20%、40%、60%、または80%を超える、またはこれらの値のいずれかによって定義された任意の範囲内のパーセンテージを有する回折効率を伴って、Δα
1またはΔα
2内の入射光を回折するように構成される。実施形態によると、光を実質的に透過させるように構成される場合、第1の回折格子1008は、実施形態に従って、約20%、40%、60%、または80%を超える、またはこれらの値のいずれかによって定義された任意の範囲内のパーセンテージを有する透過効率を伴って、Δα
1またはΔα
2内の入射光を透過させるように構成される。
【0124】
依然として、
図12Aおよび12Bを参照すると、いくつかの実施形態では、第2の色は、第1の色と比較してより長い波長を有する色に対応する。例えば、第2の色が、赤色であるとき、第1の色は、緑色(または青色)であることができ、第2の色が、緑色であるとき、第1の色は、青色であることができる。そのような配列は、上で議論される第1の回折格子1008の透過率を可能にする。しかしながら、実施形態は、そのように限定されず、いくつかの他の実施形態では、第2の色は、第1の色と比較してより短い波長を有する色に対応し得る。
【0125】
いくつかの実施形態では、Δα1およびΔα2は、部分的に重複し得る。実施形態によると、Δα1およびΔα2は、Δα1またはΔα2に基づいて、20%、40%、60%、または80%未満、またはこれらの値のいずれかによって定義された任意の範囲内のパーセンテージ、または、実施形態に従って、5°、10°、15°、または20°未満、またはこれらの値のいずれかによって定義された範囲内である値だけ重複する。
【0126】
一例では、第1の導波管1004は、Λ1=380nmを有する第1の回折格子1008を用いて、-5~20度のα1(すなわち、Δα1=25度)を有する緑色光(例えば、530nm)を第1の導波管1004の中に結合するように構成されることができる。第2の導波管1204は、Λ2=465nmを有する第2の回折格子1208を用いて、-20~5度のα2(すなわち、Δα2=25度)を有する緑色光(例えば、530nm)を第2の導波管1204の中に結合するように構成されることができる。結果として生じる組み合わせられたFOVは、40度であり、それは、Δα1=25度またはΔα2=25度のいずれにも優る有意な改良である。加えて、Λ2=465nmを有する第2の回折格子1208を用いて構成された第2の導波管1204は、-5~20度のα1(すなわち、Δα1=25度)を有する赤色光(例えば、650nm)を第2の導波管1204の中に結合することができる。したがって、スタックは、40度の組み合わせられたFOVを有する緑色カラー画像(例えば、530nm)と25度のFOVを有する赤色カラー画像(例えば、650nm)とを投影するために使用されることができる。
【0127】
図13A-13Cは、実施形態による、動作時における、
図12Aおよび12Bに関して上で図示されるものに類似する構成における導波管を組み合わせることまたはスタックすることのユーザへの視覚的効果を図式的に図示する。
図13Aは、実施形態による、第1の導波管(
図12A、12Bにおける1012)と同様に構成される導波管を備えているディスプレイデバイス1200Aの概略斜視図を図示し、
図13Bは、第2の導波管(
図12Aにおける1112および
図12Bにおける1212)と同様に構成される導波管を備えているディスプレイデバイス1200Bの概略斜視図を図示し、
図13Cは、増加した組み合わせられた有効視野(FOV)のために構成されたスタックされた導波管(
図11における1100、
図12における1200)を備えているディスプレイデバイス1200の概略斜視図を図示する。動作時、コンポーネントの第1の(1012、
図13A)および第2の(1212、
図13B)導波管は、上で説明されるように、それぞれのFOV Δα
1およびΔα
2内でディスプレイデバイス上に入射する入射光1116(
図13A)、1124(
図13B)内に含まれる所与の色のための入射画像情報を受信するように構成される。
図13Cを参照すると、第1および第2の導波管1012、1212が、スタックされると、第1の色(例えば、緑色)およびλ
1を有する入射光1116、1124は、TIRのもと、それぞれの導波管1004、1204内で伝搬されるように、それぞれの回折格子1008、1208によって回折されることによって、導波管1004、1204に内部結合される。回折された光1120、1232は、続いて、それぞれの光分配要素1010、1210上に衝突する。光分配要素1010、1210は、光を偏向させ、光は、外部結合光学要素1012、1212に向かって伝搬し、それぞれ、外部結合された光1140、1148として外部結合される。ユーザへの導波管をスタックすることの視覚的効果は、下で説明される。
【0128】
図13Aは、例証的目的のためだけに、
図12Aおよび12Bに図示されるディスプレイデバイス1200の第1の導波管1004(導波管1004は、第1の周期Λ
1を有するその上に形成された第1の回折格子1008を有する)のみを備えているディスプレイデバイス1200Aの概略図と、結果として生じる画像1144とを図示する。導波管1004は、Δα
1内の入射光1116を内部結合するように構成されるが、入射画像情報は、加えて、Δα
2内の入射光1124内にも含まれるので、結果として生じる画像1144は、第1の色(例えば、緑色)の入射情報の一部のみを含む。
【0129】
図13Bは、例証的目的のためだけに、
図12Aおよび12Bに図示されるディスプレイデバイス1200の第2の導波管1204(導波管1204は、第2の周期Λ
2を有するその上に形成された第2の回折格子1208を有する)のみを備えているディスプレイデバイス1200Bの概略図と、結果として生じる画像1152とを図示する。導波管1204は、Δα
2内の入射光1124を内部結合するように構成されるが、入射画像情報は、加えて、Δα
1内の入射光1116内にも含まれるので、結果として生じる画像1144は、第1の色(例えば、緑色)の入射情報の一部のみを含む。
【0130】
図13Cは、導波管1004が、第1の周期Λ
1を有するその上に形成された第1の回折格子1008を有し、導波管1204が、第2の周期Λ
2を有するその上に形成された第2の回折格子1208を有する
図12Aおよび12Bに図示されるものに類似するスタックされた第1および第2の導波管1004および1204を備えているディスプレイデバイス1200の概略図を図示する。第1および第2の導波管1004、1204の組み合わせは、Δα
1内の第1の色を有する入射光1116とΔα
2内の第1の色を有する入射光1124との両方を内部結合するように構成されるので、結果として生じる画像1160は、第1の導波管1004と第2の導波管1204とからの第1の色(例えば、緑色)の情報の合計を含む。
【0131】
図14Aおよび14Bは、それぞれ、実施形態による、ディスプレイデバイス1400Aおよび1400Bの断面図を図示し、それぞれ、その上に形成されたそれぞれの回折格子1008、1208、1308、1408を有する複数のスタックされた導波管1004、1204、1304、1404を備え、スタックされた導波管は、可視波長範囲内の複数の色を有する光のための増加した組み合わせられた有効視野(FOV)のために構成される。スタックされた導波管は、いくつかの実施形態によると、コンポーネント導波管1004、1204、1304、1404のそれぞれの視野(FOV)より大きい組み合わせられた視野(FOV)または総視野を有するように構成される。ディスプレイデバイス1400Aおよび1400Bは、互いに類似するが、ディスプレイデバイス1400Aは、入射光に面する回折格子1008、1208、1308、1408を有する一方、ディスプレイデバイス1400Bは、入射光から外方に面する回折格子1008、1208、1308、1408を有する。ディスプレイデバイスの動作原理は、1400Aと1400Bとの間で類似し、本明細書では、ともに説明されるであろう。
【0132】
上記の
図12Aおよび12Bに関して図示されるディスプレイデバイス1200と同様、ディスプレイデバイス1400Aおよび1400Bは、その上に配置される第1の回折格子1008を有する第1の導波管1004と、その上に配置される第2の回折格子1208を有する第2の導波管1204と、その上に配置される第3の回折格子1308を有する第3の導波管1304と、その上に配置される第4の回折格子1408を有する第4の導波管1404とを含む。第1-第4の回折格子1008、1208、1308、1408は、第1-第4の周期Λ
1、Λ
2、Λ
3、Λ
4を有する。前の実施形態(例えば、1012、
図12A、12B)に類似する追加の光学要素は、明確にするために、本明細書では省略される。上記の
図12Aおよび12Bに関して図示されるディスプレイデバイス1200と同一または類似するディスプレイデバイス1400Aおよび1400Bの他の類似配列は、本明細書では省略される。
【0133】
動作時、λ1を有する光の結合を参照すると、入射光1116、例えば、各々が第1の色およびλ1を有する可視光が、入射角α1で第1の回折格子1008上に入射すると、第1の回折格子1008は、入射光1116を少なくとも部分的に回折する。特に、第1の導波管1004は、入射光1116が、Δα1内でその表面上に入射すると、第1の導波管1004が、導波管1004内の全内部反射の発生のために、臨界角θTIR-1を超える回折角度で、入射光1116を回折し、回折された光1120が、全内部反射(TIR)のもと、x-軸に沿って伝搬するように、第1の導波管屈折率n2-1を有する。
【0134】
第1の回折格子1008は、第1の色およびλ1の入射光1124を少なくとも部分的に透過させ、それは、次に、入射角α2で第2の周期Λ2を有する第2の回折格子1208上に入射する。第2の回折格子1208は、Δα2内の第1の色および波長の光1224を回折された光1232として少なくとも部分的に回折する。特に、第2の導波管1204は、第1の色および波長の光1128が、Δα2内で表面1208S上に入射すると、第2の導波管1204が、導波管1204内の全内部反射の発生のために、臨界角θTIR-2を超える回折角度で、光1124を回折し、回折された光1232が、全内部反射(TIR)のもと、x-軸に沿って伝搬するように、第2の導波管屈折率n2-2を有する。
【0135】
λ2を有する光の結合を参照すると、入射光1226および1224、例えば、第2の色およびλ2を有する可視光が、第1の回折格子1008上に入射すると、第1の回折格子1008は、入射光1226および1224を実質的に透過させ、それらは、次に、それぞれ、Δα1内のα1およびΔα2内のα2で第2の回折格子1208への入射となる。第2の導波管1204は、第2の色および波長の光1226が、Δα1内でその表面上に入射すると、第2の導波管1204が、第2の導波管1204内の全内部反射の発生のために、臨界角θTIR-2を超える回折角度で、第2の色および波長の光1226を回折し、第2の色および波長の回折された光1236が、全内部反射(TIR)のもと、x-軸に沿って伝搬するように、第2の導波管屈折率n2-2を有する。他方、第2の回折格子1208は、第2の色および波長の光1224を実質的に透過させ、それは、次に、Δα2内のα2で第3の回折格子1308への入射となる。第3の導波管1304は、第2の色および波長の光1224が、Δα2内でその表面上に入射すると、第3の導波管1304が、第3の導波管1304内の全内部反射の発生のために、臨界角θTIR-3を超える回折角度で、第2の色および波長の光1224を回折し、第2の色および波長の回折された光1324が、全内部反射(TIR)のもと、x-軸に沿って伝搬するように、第3の導波管屈折率n2-3を有する。
【0136】
λ3を有する光の結合を参照すると、入射光1316および1324、例えば、第3の色およびλ3有する可視光が、第1および第2の回折格子1008、1208上に入射すると、第1および第2の回折格子1008、1208は、入射光1316および1324を実質的に透過させ、それらは、次に、それぞれ、Δα1内のα1およびΔα2内のα2で第3の回折格子1308への入射となる。第3の導波管1304は、光1316が、Δα1内でその表面上に入射すると、第3の導波管1304が、第3の導波管1304内の全内部反射の発生のために、臨界角θTIR-3を超える回折角度で、光1316を回折し、回折された光1328が、全内部反射(TIR)のもと、x-軸に沿って伝搬するように、第3の導波管屈折率n2-3を有する。他方、第3の回折格子1308は、光1324を実質的に透過させ、それは、次に、Δα2内のα2で第4の回折格子1408への入射となる。第4の導波管1404は、光1324が、Δα2内でその表面上に入射すると、第4の導波管1404が、第4の導波管1404内の全内部反射の発生のために、臨界角θTIR-4を超える回折角度で、光1324を回折し、回折された光1332が、全内部反射(TIR)のもと、x-軸に沿って伝搬するように、第4の導波管屈折率n2-4を有する。
【0137】
依然として、
図14Aおよび14Bを参照すると、いくつかの実施形態では、λ
3は、λ
2と比較してより長い波長を有する色に対応し、λ
2は、λ
1と比較してより長い波長を有する色に対応する。例えば、λ
3は、赤色に対応し、λ
2は、緑色に対応し、λ
1は、青色に対応する。第1-第4の周期Λ
1、Λ
2、Λ
3、Λ
4は、ある場合、光伝搬方向に減少する値を有し得る。例えば、Λ
1は、上で説明されるように、青色光を回折するように構成される回折格子に対応する好適な値を有し得、Λ
2は、上で説明されるように、例えば、緑色(および青色)を回折するように構成される回折格子に対応する好適な値を有し得、Λ
3およびΛ
4の各々は、上で説明されるように、赤色(および緑色)光を回折するように構成される回折格子に対応する好適な値を有し得る。しかしながら、実施形態は、そのように限定されず、いくつかの他の実施形態では、Λ
1、Λ
2、Λ
3、Λ
4は、光伝搬方向に増加する、またはランダムな順序を有する、値を有し得る。
【0138】
したがって、それぞれの周期Λ1、Λ2、Λ3、Λ4を有するその上に形成されたそれぞれの回折格子1008、1208、1308、1408を有する第1-第4の導波管1004、1204、1304、1404をスタックすることによって、コンポーネントである第1および第2の導波管1004、1204のそれぞれの視野FOV Δα1、Δα2より大きい組み合わせられたFOVが、λ1における第1の色(例えば、青色)を有する光のために達成されるように、第1の導波管1004は、第1の色およびλ1を有し、Δα1内の光を回折するように構成され、第2の導波管1204は、第1の色およびλ1を有し、Δα2内の光を回折するように構成される。同様、コンポーネントである第2および第3の導波管1204、1304のそれぞれの視野FOV Δα1、Δα2より大きい組み合わせられたFOVが、λ2における第2の色(例えば、緑色)を有する光のために達成されるように、第2の導波管1204は、第2の色およびλ2を有し、Δα1内の光を回折するように構成され、第3の導波管1304は、第2の色およびλ2を有し、Δα2内の光を回折するように構成される。同様、コンポーネントである第3および第4の導波管1304、1404のそれぞれの視野FOV Δα1、Δα2より大きい組み合わせられたFOVが、λ3における第3の色(例えば、赤色)を有する光のために達成されるように、第3の導波管1304は、第3の色およびλ2を有し、Δα1内の光を回折するように構成され、第4の導波管1404は、第3の色およびλ3を有し、Δα2内の光を回折するように構成される。
【0139】
着目すべきこととして、いくつかの導波管が、複数の色および対応する波長に作用する。ある場合、したがって、より少ない導波管が、潜在的に使用される。スタックは、したがって、より単純であり、可能性として、より小さく、より軽量、より安価であり得、少なくともあまり複雑ではないこともある。
【0140】
(液晶ベースの回折格子に基づいて組み合わせられた視野を伴うスタックされた導波管)
上で説明されるように、種々の実施形態は、例えば、スタックされた構成において、互いの上に形成され、その上に形成されたそれぞれの回折格子を有する、複数の導波管を含み、それぞれの回折格子は、それぞれの導波管の中に回折された可視光が、それぞれの導波管の各々内を伝搬するように、その上に入射する可視光をそれぞれの導波管の中に回折するように構成される。それぞれの回折格子は、それぞれの導波管の層法線方向に対するそれぞれの視野(FOV)内の可視光をそれぞれの導波管の中に回折するように構成され、それぞれのFOVは、連続し、それぞれのFOVの各々より大きい組み合わせられたFOVを導波管が有するようなものである。以下では、液晶に基づく回折格子および液晶回折格子を有する導波管の実施形態が、説明される。導波管および回折格子は、組み合わせられたFOVを伴うスタックされた導波管を形成するために、回折および透過の波長選択性ならびにそれらのFOVを含む上で説明される特定の配列を達成するように構成される。
【0141】
概して、液晶は、従来の流体と固体との間の中間であり得る物理的性質を保有する。液晶は、いくつかの側面では、流体状であるが、大部分の流体と異なり、液晶内の分子の配列は、ある構造秩序を示す。異なるタイプの液晶は、サーモトロピック、リオトロピック、およびポリマー液晶を含む。本明細書に開示されるサーモトロピック液晶は、種々の物理的状態において、例えば、ネマチック状態/相、スメクチック状態/相、キラルネマチック状態/相またはキラルスメクチック状態/相を含む相において実装されることができる。
【0142】
本明細書に説明されるように、ネマチック状態または相における液晶は、比較的に少ない位置秩序を有する一方、長距離方向性秩序を有し、その長軸が、実質的に平行であるカラミチック(ロッド形状)またはディスコチック(ディスク形状)有機分子を有することができる。したがって、有機分子は、自由に流動し得、その質量中心位置は、液体中におけるようにランダムに分散される一方、依然として、その長距離方向性秩序を維持する。いくつかの実装では、ネマチック相における液晶は、一軸性であり得、すなわち、液晶は、より長く、優先される1つの軸を有し、他の2つは、ほぼ同等である。他の実装では、液晶は、二軸性であり得、すなわち、その長軸を配向することに加え、液晶は、二次軸に沿っても配向し得る。
【0143】
本明細書に説明されるように、スメクチック状態または相における液晶は、互いの上にスライドし得る比較的に明確に画定された層を形成する有機分子を有することができる。いくつかの実装では、スメクチック相における液晶は、1つの方向に沿って位置的に順序付けられることができる。いくつかの実装では、分子の長軸は、液晶層の平面に略垂直な方向に沿って配向されることができる一方、他の実装では、分子の長軸は、層の平面に垂直な方向に対して傾斜され得る。
【0144】
ここで、および本開示全体を通して、ネマチック液晶は、ロッド状分子から成り、近傍分子の長軸は、互いにほぼ整列させられる。この異方性構造を説明するために、配向子と呼ばれる、無次元単位ベクトル
【数1】
が、液晶分子の好ましい配向の方向を説明するために使用され得る。
【0145】
ここで、および本開示全体を通して、傾斜角度または事前傾斜角度Φは、液晶層または基板の主要表面(x-y平面)と垂直な平面、例えば、x-z平面において測定され、かつ整列方向と主要表面との間または主要表面と平行な方向、例えば、x-方向において測定される角度を指し得る。
【0146】
ここで、および本開示全体を通して、方位角または回転角度φは、液晶層または基板の主要表面と平行な平面、例えば、x-y平面において測定され、かつ整列方向、例えば、伸長方向または配向子の方向と、主要表面と平行方向、例えば、y-方向との間で測定される層法線方向または液晶層の主要表面に対して垂直の軸の周りの回転角度を説明するために使用される。
【0147】
ここで、および本開示全体を通して、回転角度φまたは事前傾斜角度Φ等の角度が、異なる領域間で実質的に同一であると称されるとき、平均整列角度は、例えば、互いの約1%、約5%、または約10%以内であり得るが、平均整列は、ある場合、より大きくあり得ることを理解されたい。
【0148】
ここで、および本明細書全体を通して、デューティサイクルは、例えば、第1の整列方向に整列させられた液晶分子を有する第1の領域の第1の側方寸法と、第1の領域を有するゾーンの格子周期との間の比率を指し得る。適用可能な場合、第1の領域は、液晶の整列が異なるゾーン間で変動しない領域に対応する。
【0149】
本明細書に説明されるように、ネマチック状態またはスメクチック状態における液晶は、キラリティを示すこともできる。そのような液晶は、キラル相またはコレステリック相にあると称される。キラル相またはコレステリック相では、液晶は、配向子と垂直な分子のねじれを示し得、分子軸は、配向子と平行である。隣接する分子間の有限ねじれ角度は、その非対称充塞に起因し、それは、より長距離のキラル秩序をもたらす。
【0150】
本明細書に説明されるように、キラルスメクチック状態または相における液晶は、液晶分子が、位置秩序を層化構造内に有し、分子が層法線に対して有限角度によって傾斜されるように構成されることができる。加えて、キラリティは、層法線方向における1つの液晶分子から次の液晶分子に、層法線と垂直な方向に対して、液晶分子の連続方位角ねじれを誘発し、それによって、層法線に沿って分子軸の螺旋ねじれを生産することができる。
【0151】
ここで説明されるように、かつ本開示全体を通して、キラル構造は、ある方向に、例えば、層深度方向等の配向子と垂直方向に延び、回転方向、例えば、時計回りまたは反時計回りに連続的に回転またはねじられるコレステリック相における複数の液晶分子を指す。一側面では、キラル構造内の液晶分子の配向子は、螺旋ピッチを有する渦巻として特徴付けられることができる。
【0152】
本明細書に説明されるように、キラリティを表すコレステリック相における液晶は、第1の回転方向における1回転によるキラル構造の液晶分子の正味回転角度に対応する層深度方向における長さに対応するキラルピッチまたは螺旋ピッチ(p)を有すると説明されることができる。言い換えると、螺旋ピッチは、液晶分子が完全360°ねじりを受ける距離を指す。螺旋ピッチ(p)は、例えば、温度が改変されると、または他の分子が液晶ホストに追加されると(アキラル液体ホスト材料は、キラル材料でドープされる場合、キラル相を形成することができる)、変化し、所与の材料の螺旋ピッチ(p)が、適宜、調整されることを可能にすることができる。いくつかの液晶システムでは、螺旋ピッチは、可視光の波長と同しオーダーのものである。本明細書に説明されるように、キラリティを表す液晶は、例えば、層法線方向における連続液晶分子間の相対的方位角回転を指し得るねじれ角度または回転角度(φ)を有し、かつ、例えば、規定された長さ、例えば、キラル構造の長さまたは液晶層の厚さを横断した最上液晶分子と最下液晶分子との間の相対的方位角回転を指し得る正味ねじれ角度または正味回転角度を有すると説明されることもできる。
【0153】
本明細書に説明される種々の実施形態によると、上で説明されるような種々の状態または相を有する、液晶は、例えば、複屈折、光学異方性、および薄皮膜プロセスを使用した製造可能性を含む種々の望ましい材料特性をもたらすように構成されることができる。例えば、液晶層の表面条件を変化させ、および/または異なる液晶材料を混合させることによって、空間的に変動する回折特性、例えば、勾配回折効率を示す格子構造が、製作されることができる。
【0154】
本明細書に説明されるように、「重合化可能液晶」は、重合化される、例えば、原位置で光重合され得、本明細書では、反応性メソゲン(RM)として説明され得る液晶材料を指し得る。
【0155】
液晶分子は、いくつかの実施形態では、重合化可能であり得、重合化されると、他の液晶分子との大規模網を形成し得ることを理解されたい。例えば、液晶分子は、化学結合によって、または化学種と他の液晶分子を連結することによって、連結され得る。一緒に接合されると、液晶分子は、一緒に連結される前と実質的に同一配向および場所を有する液晶ドメインを形成し得る。説明を容易にするために、用語「液晶分子」は、本明細書では、重合化前の液晶分子と、重合化後のこれらの分子によって形成される液晶ドメインとの両方を指すために使用される。
【0156】
本明細書に説明される特定の実施形態によると、光重合化可能液晶材料は、ブラッグ反射構造、例えば、回折格子を形成するように構成されることができ、複屈折、キラリティ、および複数のコーティングのための容易性を含むその材料特性は、異なる材料特性、例えば、複屈折、キラリティ、および厚さを伴う回折格子を作成するために利用されることができ、それらは、異なる光学特性、例えば、いくつか挙げると、回折効率、波長選択性、および軸外回折角度選択性をもたらし得る。
【0157】
格子の光学特性は、格子の物理的構造(例えば、周期性、深度、およびデューティサイクル)ならびに格子の材料特性(例えば、屈折率、吸収率、および複屈折)によって決定される。液晶が、使用される場合、格子の光学特性は、例えば、液晶材料の分子配向または分布を制御することによって制御されることができる。例えば、液晶材料の分子配向または分布を格子エリアにわたって変動させることによって、格子は、段階的な回折効率を示し得る。そのようなアプローチは、図を参照して以下に説明される。
【0158】
以下では、種々の光学特性のために最適化されたコレステリック液晶回折格子(CLCG)の種々の実施形態が、説明される。概して、回折格子は、周期的構造を有し、それは、光を異なる方向に進行するいくつかのビームに分割および回折する。これらのビームの方向は、とりわけ、周期的構造の周期および光の波長に依存する。内部結合光学要素(
図12Aおよび12Bにおける1008、1208)または外部結合光学要素(
図12Aおよび12Bにおける1012、1212)等のある用途のためのある光学特性、例えば、回折効率を最適化するために、CLCの種々の材料特性は、下で説明されるように、最適化されることができる。
【0159】
上で説明されるように、キラル(ネマチック)相またはコレステリック相におけるコレステリック液晶(CLC)層の液晶分子は、液晶層の法線方向または深度方向におけるフィルム内の位置の関数として配向子の連続方位角ねじれを有するように配列される複数の液晶分子によって特徴付けられる。本明細書に説明されるように、連続方位角ねじれを有するように配列される液晶分子は、本明細書では、集合的に、キラル構造と称される。本明細書に説明されるように、方位角ねじれまたは回転の角度(φ)は、上で説明されるように、層法線と平行方向に対する液晶分子の配向子間の角度として説明される。キラル構造の液晶分子の空間的に変動する配向子は、螺旋パターンを形成すると説明されることができ、螺旋ピッチ(p)は、上で説明されるように、配向子が360°回転した距離(例えば、液晶層の層法線方向に)として定義される。本明細書に説明されるように、回折格子として構成されるCLC層は、それによって液晶の分子構造が深度方向に対して法線の側方方向に周期的に反復する側方寸法を有する。側方方向におけるこの周期性は、格子周期(Λ)と称される。
【0160】
本明細書に説明される種々の実施形態によると、回折格子は、複数のキラル構造を備えているコレステリック液晶(CLC)層を備え、各キラル構造は、少なくとも螺旋ピッチだけ層深度方向に延び、第1の回転方向に連続的に回転させられた複数の液晶分子を備えている。螺旋ピッチは、第1の回転方向における1回転によるキラル構造の液晶分子の正味回転角度に対応する層深度方向における長さである。キラル構造の液晶分子の配列は、層深度方向と垂直な側方方向に周期的に変動する。
【0161】
任意の理論によって拘束されるわけではないが、ブラッグ反射条件のもと、入射光(λ)の波長は、CLC層の平均または代表屈折率(n)および螺旋ピッチ(p)に比例し得、いくつかの状況下では、以下の条件を満たすものとして表され得る。
【数2】
【0162】
加えて、ブラッグ反射波長の帯域幅(Δλ)は、CLC層の複屈折Δn(例えば、光の異なる偏光間の屈折率の差異)および螺旋ピッチ(p)に比例し得、いくつかの状況下では、以下の条件を満たすものとして表され得る:
Δλ=Δn・p [3]
【0163】
本明細書に説明される種々の実施形態では、帯域幅Δλは、約60nm、約80nm、または約100nmである。
【0164】
種々の実施形態によると、例えば、約390nm~約700nmの可視波長範囲内、または、例えば、約700nm~約2500nmの近赤外線波長範囲内のピーク反射強度は、約60%、約70%、約80%、または約90%を超えることができる。加えて、種々の実施形態によると、半値全幅(FWHM)は、約100nm未満、約70nm未満、約50nm未満、または約20nm未満であることができる。
【0165】
図15は、実施形態による、上記の
図12Aおよび12Bに関して図示されるものに類似するディスプレイデバイス上に入射する光に対する軸外入射角、例えば、軸外角度Δα
1内のα
1またはΔα
2内のα
2における反射の高帯域幅のために構成されたCLC層1158の断面側面図を図示する。本明細書に説明されるように、軸外入射角は、非ゼロ値を有し、反射角度θにおいてブラッグ反射ビーム1220をもたらす層法線の方向(例えば、
図12におけるz-方向)に対する入射ビーム1216の入射角θ
incを指す。いくつかの状況下では、反射角度は、λ/Λを変動させることによって、限定された程度まで変動させられることができる。任意の理論によって限定されるわけではないが、いくつかの状況下では、軸外反射は、以下の関係に基づいて説明されることができる。
n・sin(θ)=λ/Λ+sin(θ
inc) [4]
式中、θ
incは、層法線の方向に対する入射角であり、θは、層法線の方向に対する反射角度であり、nは、反射されたビームが伝搬する媒体の反射率である。CLC層1158が、入射ビーム1216で軸外角度で照明されると、反射スペクトルは、より短い波長に向かってシフトされ得る。本明細書に開示される種々の実施形態によると、比率λ/Λは、0.5~0.8、0.6~0.9、0.7~1.0、0.8~1.1、0.9~1.2、1.0~1.6、1.1~1.5、または1.2~1.4の値を有することができる。
【0166】
任意の理論によって拘束されるわけではないが、CLC層1158が高効率を伴ってブラッグ反射するように構成される軸外角度も、キラル構造の螺旋ピッチpに依存し得る。
【0167】
図16Aおよび16Bは、実施形態による、上記の
図12Aおよび12Bに関して図示されるものに類似するディスプレイデバイス上に入射する光のための軸外入射角、例えば、軸外角度Δα
1内のα
1またはΔα
2内のα
2での反射のために構成されたCLC層の断面側面図を図示する。
図16Aを参照すると、第1のコレステリック液晶(CLC)層1358Aは、第1の螺旋ピッチ(p
1)を有する第1の複数のキラル構造を備えている。第1のCLC層1358Aは、第1の入射光ビーム1316Aが、第1の軸外角度θ
inc,1で、CLC層1358Aの入射表面に導かれるとき、ブラッグ反射が最大となるように、第1の螺旋ピッチp
1を有し、第1の軸外角度θ
inc,1は、第1の反射角度θ
1における第1の反射された光ビーム1320Aをもたらす。図示されるように、CLC層1358Aは、軸外入射角の第1の範囲1324Aを有するようにさらに構成され、第1の範囲1324Aは、比較的に高回折効率が取得され得る上記の
図12Aおよび12Bに関して図示されるディスプレイデバイス1200上に入射する光に関するΔα
1またはΔα
2に対応し得る。第1の範囲1324Aは、その範囲外では、第1の反射された光ビーム1320Aの強度が、例えば、1/eを上回って降下する、軸外入射角の範囲に対応し得る。例えば、第1の範囲1324Aは、θ
inc,1±3°、θ
inc,1±5°、θ
inc,1±7°、θ
inc,1±10°、またはθ
inc,1±20°の値を有することができる。
【0168】
図16Bを参照すると、第2のコレステリック液晶(CLC)層1358Bは、第1のCLC層1358Aと異なり、
図16Aの第1のCLC層1358Aの第1の螺旋ピッチp
1と異なる第2の螺旋ピッチ(p
2)を有する第2の複数のキラル構造を備えている。
【0169】
図示されるように、第2のCLC層1358Bは、第2の入射光ビーム1316Bが、第1の軸外角度θ
inc1と異なる第2の軸外角度θ
inc,2で、CLC層1358Bの入射表面に導かれるとき、第1の反射角度θ
1と異なる第2の反射角度θ
2を有する第2の反射された光ビーム1320Bが生成されるように構成される。図示されるように、CLC層1358Bは、
図16Aに関して上で説明される第1の範囲1324Aに類似する軸外角度の第2の範囲1324Bを有するようにさらに構成される。
【0170】
上で説明されるように、光の内部結合および外部結合を含む種々の用途のために、導波管デバイスは、全内部反射(TIR)によって、光を伝搬するように構成されることができる。
図17は、CLCG1150に結合された導波管1604を備えている光学導波デバイス1600の例を図示する。導波デバイス1600は、例えば、
図10に関して上で説明されるディスプレイデバイス1000に対応し得、導波管1604は、導波管1004に対応し、CLCG1150は、回折格子1008に対応し得る。CLCG1150は、上で説明されるように、複数のキラル構造として配列された液晶分子を備えている。導波管1604は、CLCG1150の上に配置され、CLCG1150に光学的に結合される。楕円/円偏光入射光1016-R/Lが、キラル構造の液晶分子の回転方向に合致する偏光掌性を有するとき、入射光1016-R/Lは、CLCG1150によってブラッグ反射され、結合された光が側方方向(例えば、x-方向)に進行するような角度で、全内部反射(TIR)によって、導波管1604の中に結合される。任意の理論によって拘束されるわけではないが、TIR条件は、回折角度θが導波管の臨界角θ
Cを上回るときに満たされることができる。いくつかの状況下では、TIR条件は、以下のように表され得る:
sin(θ
C)=1/n
t [5]
式中、n
tは、導波管1604の屈折率である。種々の実施形態によると、n
tは、約1~約2、約1.4~約1.8、または約1.5~約1.7であり得る。例えば、導波管は、ポリカーボネート等のポリマーまたはガラスを備え得る。
【0171】
図18Aは、第1のCLCG1750Aに結合され、θ>θ
c3であるとき、全内部反射(TIR)によって、第3の波長λ
3を有する光を伝搬するように構成された第1の導波管1704Aを備えている第1の光学導波デバイス1700Aを図示する。導波デバイス1700Aは、例えば、
図12Aおよび12Bに関して上で説明されるディスプレイデバイス1200に対応し得、導波管1704Aは、導波管1004または1204のうちの1つに対応し得、CLCG1750Aは、回折格子1008または1208のうちの1つに対応し得る。第1のCLCG1750Aは、第1の周期Λ
1および第1の螺旋ピッチp
1を有する。いくつかの実施形態によると、第1の導波デバイス1700Aは、TIRによって、可視スペクトル(例えば、波長約400nmおよび700nmを伴う)内の光を伝搬するために構成され得る。いくつかの他の実施形態によると、第1の導波デバイス1700Aは、TIRによって、赤外線スペクトル(例えば、波長約700nm~1400nmを伴うスペクトルの近赤外線部分)内の光を伝搬するために構成され得る。上で説明されるように、ブラッグ反射は、上記の方程式[2]によって表される波長で、上記の方程式[3]によって表される波長Δλの帯域幅内で生じる。例えば、第1のCLCG1750Aは、TIRによって、青色(例えば、約450nm)、緑色(例えば、約550nm)、赤色(例えば、約650nm)のうちの1つ、または赤外線内の第3の波長λ
3を有する第3の入射光1736を結合するために設計され得る。図示されるように、Δλが、上で説明されるように、約60nm、約80nm、または約100nmであるとき、第1および第2の波長λ
1、λ
2を有する第1および第2の光1716および1726は、実質的に透過させられる。何故なら、方程式[2]が、これらの色に対して満たされず、それらが、方程式[5]が満たされないので第1の導波管1704の中に結合されないからである。
【0172】
図18Bは、上記の
図18Aに関して図示される第1の光学導波デバイス1700Aと組み合わせられた第2の光学導波デバイス1700Bを図示する。光学導波デバイス1700Bは、光学導波デバイス1700Aに続く光学経路内に配置され、第2のCLCG1750Bに結合され、θ>θ
c2であるとき、全内部反射(TIR)によって、第2の波長λ2を有する第2の光1726を伝搬するように構成された第2の導波管1704Bを備えている。導波デバイス1700Bは、例えば、
図12Aおよび12Bに関して上で説明されるディスプレイデバイス1200に対応し得、導波管1704Aおよび1704Bは、それぞれ、導波管1004または1204に対応し得、CLCG1750AおよびCLCG1750Bは、それぞれ、回折格子1008または1208に対応し得る。第2のCLCG1750Bは、第2の周期Λ
2および第2の螺旋ピッチp
2を有する。
図18Aに関して上で説明されるように、λ
1、λ
2の第1および第2の波長を有する第1および第2の光1716および1726は、第1の光学導波デバイス1700Aを通して実質的に透過させられる。透過させられた第1および第2の光1716および1726のうち、第2のCLCG1750Bは、θ>θ
c2であるとき、TIRによって、青色(例えば、約450nm)、緑色(例えば、約550nm)、赤色(例えば、約650nm)、または赤外線のうちの透過させられたもの内の第2の波長λ2を有する第2の入射光1726を結合するために設計され得る。したがって、図示されるように、Δλが、上で説明されるように、約60nm、約80nm、または約100nmであるとき、第1の波長λ
1を有する第1の光1716は、第2の導波デバイス1700Bをさらに通して実質的に透過させられる。
【0173】
図18Cは、上記の
図18Bに関して図示される第1および第2の光学導波デバイス1700Aおよび1700Bと組み合わせられた第3の光学導波デバイス1700Cを図示する。第3の光学導波デバイス1700Cは、第1および第2の光学導波デバイス1700Aおよび1700Bに続く光学経路内に配置され、第3のCLCG1750Cに結合され、全内部反射(TIR)によって、θ>θ
c1であるとき、第1の波長λ
2を有する第1の光1716を伝搬するように構成された第3の導波管1704Cを備えている。導波デバイス1700Cは、例えば、
図14Bに関して上で説明されるディスプレイデバイス1400Bに対応し得、導波管1704A、1704B、および1704Cは、それぞれ、導波管1004、1204、および1304に対応し得、CLCG1750A、CLCG1750B、およびCLCG1750Cは、それぞれ、回折格子1008、1208、および1308に対応し得る。第3のCLCG1750Cは、第3の周期Λ
3および第3の螺旋ピッチp
3を有する。
図17Bに関して上で説明されるように、第1の波長λ1を有する第1の光1716は、第1および第2の導波デバイス1700Aおよび1700Bを通して実質的に透過させられる。第3のCLCG1750Cは、θ>θ
c1であるとき、TIRによって、青色色(例えば、約450nm)、緑色色(例えば、約550nm)、赤色(例えば、約650nm)、または赤外線のうちの透過させられたもの内の第1の波長λ
1を有する第1の入射光1716を結合するために設計され得る。したがって、図示されるように、Δλが、上で説明されるように、約60nm、約80nm、または約100nmであるとき、第1の波長λ
1を有する第1の光1716は、方程式[5]が満たされるので、第3の導波管1704Cの中に実質的に結合される。
【0174】
したがって、
図18A-18Cに関して上で説明されるように、第1、第2、および第3の光学導波デバイス1700A、1700B、および1700Cのうちの1つ以上のものを同一光学経路内に設置することによって、異なる波長λ
1、λ
2、およびλ
3を有する第1、第2、および第3の光1716、1726、および1736のうちの1つ以上のものは、TIRによって、それぞれ、第1、第2、および第3の導波管1704A、1704B、および1704Cのうちの1つ内で伝搬するように結合されることができる。
図18A-18Cの各々において、第1-第3の光学導波デバイス1704A、1704B、および1704Cの各々は、それぞれ、専用の第1-第3の導波管1704A、1704B、および1704Cと、専用の第1-第3のCLCG1750A、1750B、および1750Cとを有するが、実施形態は、そのように限定されない。例えば、単一導波管が、TIRによって、複数のCLCGのスタックからブラッグ反射された光を結合することができる。加えて、4つ以上の(または2つ以下の)任意の好適な数の光学導波デバイスも、ブラッグ反射によるさらに選択的結合のために組み合わせられることができる。
【0175】
図18A-18Cに関して上で説明されるように、第1-第3のCLCG1750A、1750B、1750Cは、それぞれ、第1-第3の周期Λ
1、Λ
2、およびΛ
3と、それぞれ、第1-第3の螺旋ピッチp
1、p
2、およびp
3とを有する。種々の実施形態では、CLCGの各々は、波長/周期比率λ/Λが、約0.3~2.3、約0.8~1.8、または約1.1~約1.5、例えば、約1.3であるように構成されることができる。代替として、周期(Λ)は、CLCGがブラッグ反射のために構成されるそれぞれの波長(λ)より約1nm~250nm小さい、約50nm~200nm小さい、または約80nm~170nm小さいように構成されることができる。例えば、λ
1、λ
2、およびλ
3が、それぞれ、可視範囲、例えば、約620nm~約780nm、例えば、約650nm(赤色)、約492nm~約577nm、例えば550nm(緑色)、および約435nm~約493nm、例えば、約450nm(青色)内であるとき、対応する周期Λ
1、Λ
2、およびΛ
3は、それぞれ、約450nm~約550nm、例えば、約500nm、約373nm~約473nm、例えば、約423nm、および約296nm~約396nm、例えば、約346nmであることができる。代替として、λ
1、λ
2、およびλ
3が、赤外線範囲、例えば、近赤外線範囲約750nm~約1400nm内、例えば、約850nmであるとき、対応する周期Λ
1、Λ
2、およびΛ
3は、約975nm~約1820nm、例えば、約1105nmであることができる。追加の種々の実施形態では、CLCGの各々は、波長/螺旋ピッチ比率λ/pが、約0.6~2.6、約1.1~2.1、または約1.4~約1.8、例えば、約1.6であるように構成されることができる。代替として、螺旋ピッチ(p)は、CLCGがブラッグ反射のために構成されるそれぞれの波長(λ)より約50nm~350nm小さい、約100nm~300nm小さい、または約140nm~280nm小さいように構成されることができる。例えば、λ
1、λ
2、およびλ
3が、それぞれ、約620nm~約780nm、例えば、約650nm(赤色)、約492nm~約577nm、例えば550nm(緑色)、および約435nm~約493nm、例えば、約450nm(青色)であるとき、対応する螺旋ピッチp
1、p
2、およびp
3は、それぞれ、約350nm~約450nm、例えば、約400nm、約290nm~約390nm、例えば、約340nm、および約230nm~約330nm、例えば、約280nmであることができる。代替として、λ
1、λ
2、およびλ
3が、赤外線範囲、例えば、近赤外線範囲約750nm~約1400nm内、例えば、約850nmであるとき、対応する周期Λ
1、Λ
2、およびΛ
3は、約1200nm~約2240nm、例えば、約1360nmであることができる。
(追加の側面)
【0176】
第1の例では、光学デバイスは、互いの上に形成され、その上に形成されたそれぞれの回折格子を有する複数の導波管であって、それぞれの回折格子は、それぞれの導波管の中に回折された可視光がその中で伝搬するように、その上に入射する可視光をそれぞれの導波管の中に回折するように構成された複数の導波管を備えている。それぞれの回折格子は、それぞれの導波管の層法線方向に対するそれぞれの視野(FOV)内の可視光をそれぞれの導波管の中に回折するように構成されている。それぞれのFOVは、複数の導波管が、連続し、それぞれのFOVの各々より大きい組み合わせられたFOV内の可視光を回折するように構成されるようなものである。
【0177】
第2の例では、第1の例の光学デバイスにおいて、複数の導波管は、それぞれの導波管の中に回折された可視光が、全内部反射のもと、その中で伝搬するように、その屈折率の
各々が回折格子の有効屈折率より小さい材料から形成される。
【0178】
第3の例では、第1または第2の例の光学デバイスにおいて、複数の導波管は、スタックされた配列にあり、全内部反射のもと、可視光を実質的に平行方向に伝搬するように構成されている。
【0179】
第4の例では、第1-第3の例の光学デバイスにおいて、それぞれの回折格子のうちの異なるものは、層法線方向と垂直な側方方向に互いに重複するように配置される。
【0180】
第5の例では、第1-第4の例のうちの任意の1つの光学デバイスにおいて、それぞれのFOVのうちの異なるものは、それぞれのFOVのうちの異なるものの合計に基づいて、20%より大きく重複しない。
【0181】
第6の例では、第1-第5の例のうちの任意の1つの光学デバイスにおいて、複数の導波管は、その上に入射する可視光を部分的に回折し、部分的に透過させるように構成されたその上に形成された第1の回折格子を有する第1の導波管を含み、かつ、その上に入射する第1の回折格子からの透過させられた可視光を少なくとも部分的に回折するように構成されたその上に形成された第2の回折格子を有する第2の導波管を含む。
【0182】
第7の例では、第6の例の光学デバイスにおいて、第1および第2の回折格子は、異なる周期を有し、異なる波長を有するが、同一色を有する可視光を回折するように構成されている。
【0183】
第8の例では、第6の例の光学デバイスにおいて、第1および第2の回折格子は、実質的に同一周期を有し、実質的に同一波長を有する可視光を回折するように構成されている。
【0184】
第9の例では、第6の例の光学デバイスにおいて、第1および第2の回折格子は、異なる周期を有し、異なる波長および異なる色を有する可視光を回折するように構成されている。
【0185】
第10の例では、第9の例の光学デバイスにおいて、第1の回折格子は、第1の周期を有し、第1の色を有する可視光を回折するように構成され、第2の格子は、第2の周期を有し、第1の色を有する可視光と第2の色を有する可視光とを回折するように構成されている。
【0186】
第11の例では、第10の例の光学デバイスにおいて、第1の色は、第2の色と比較してより短い波長に対応する。
【0187】
第12の例では、第10または第11の例の光学デバイスにおいて、第1の回折格子は、第1のFOV内のその上に入射する第1の色を有する可視光を部分的に回折し、第2のFOV内のその上に入射する第1の色を有する可視光を部分的に透過させるように構成され、第2の回折格子は、第1の回折格子を部分的に透過させられた第1の色を有する可視光を少なくとも部分的に回折するように構成されている。
【0188】
第13の例では、第12の例の光学デバイスにおいて、第1の回折格子は、第2の色を有する可視光を実質的に透過させるように構成され、第2の回折格子は、第1のFOV内の入射する第2の色を有する可視光を少なくとも部分的に回折するように構成されている。
【0189】
第14の例では、第13の例の光学デバイスにおいて、光学デバイスは、第3の周期を有し、第3の色を有する可視光を回折するように構成されたその上に形成された第3の回折格子を有する第3の導波管をさらに備え、第2の色は、第3の色と比較してより短い波長に対応する。
【0190】
第15の例では、第14の例の光学デバイスにおいて、第2の回折格子は、第2の色を有する可視光を少なくとも部分的に透過させるように構成され、第3の回折格子は、第2のFOV内の第2の回折格子からの第2の色を有する部分的に透過させられた可視光を受け取り、少なくとも部分的に回折するように構成されている。
【0191】
第16の例では、第15の例の光学デバイスにおいて、第1および第2の回折格子は、第3の色を有する可視光を実質的に透過させるように構成され、第3の回折格子は、第1のFOV内の第1および第2の回折格子を透過させられた第3の色を有する可視光を少なくとも部分的に回折するように構成されている。
【0192】
第17の例では、光学システムは、その上に形成された第1の回折格子を有する第1の導波管を備えている。第1の回折格子は、第1の周期を有し、第1のFOV内の第1の色を有し、第1の導波管上に入射する光を回折するように構成されている。光学システムは、加えて、その上に形成された第2の回折格子を有する第2の導波管を備えている。第2の回折格子は、第2の周期を有し、第2のFOV内の第1の色を有し、第2の導波管上に入射する光を回折するように構成されている。第1および第2の回折格子は、それぞれの導波管の層法線方向に対するそれぞれの視野(FOV)内の第1の色を有する光をそれぞれの導波管の中に回折するように構成されている。それぞれのFOVは、第1および第2の導波管が、連続し、第1および第2のFOVの各々より大きい組み合わせられたFOV内の第1の色を有する可視光を回折するように構成されるようなものである。
【0193】
第18の例では、第17の例の光学システムにおいて、第1の導波管および第2の導波管は、スタックされた構成にあり、第1の導波管は、第2の導波管に先立って第1の色を有する光を受け取るように構成され、第1の周期は、第2の周期より短い。
【0194】
第19の例では、第18の例の光学システムにおいて、第2の回折格子は、実質的に回折せずに第1の回折格子を実質的に透過した後の第2のFOV内の第1の色を有する光を回折するように構成されている。
【0195】
第20の例では、第19の例の光学システムにおいて、第1の回折格子は、第2の色を有する光を実質的に回折せずにそれを通して実質的に透過させるように構成され、第2の色を有する光は、第1の色を有する光と比較してより長い波長を有する。
【0196】
第21の例では、第20の例の光学システムにおいて、第2の回折格子は、導波管内に誘導されるべき第2のFOV内の第2の色を有する光を回折するように構成されている。
【0197】
第22の例では、第17の例の光学システムにおいて、第1および第2の回折格子の各々は、コレステリック液晶(CLC)層を備えている。
【0198】
第23の例では、第20の例の光学システムにおいて、CLC層は、複数のキラル構造であり、各キラル構造は、少なくとも螺旋ピッチだけ層深度方向に延び、第1の回転方向に連続的に回転させられた複数の液晶分子を備えている、複数のキラル構造を備えている。螺旋ピッチは、第1の回転方向における1回転によるキラル構造の液晶分子の正味回転角度に対応する層深度方向における長さである。キラル構造の液晶分子の配列は、層深度方向と垂直な側方方向に周期的に変動する。
【0199】
第24の例では、第20の例の光学システムにおいて、各キラル構造は、異なる伸長方向に沿って伸長された少なくとも3つのカラミチック液晶分子を備えている。
【0200】
第25の例では、ディスプレイデバイスは、液晶を備えているその上に形成された第1の回折格子を有する第1の導波管を備え、第1の回折格子は、その上に入射する第1の色を有する光の一部を第1の導波管の中に回折するように構成されている。第1の回折格子は、加えて、その上に入射する第1の色を有する光の一部を通過させるように構成されている。第1の回折格子は、第2の色を有する光を通過させるようにさらに構成されている。ディスプレイデバイスは、加えて、液晶を備えているその上に形成された第2の回折格子を有する第2の導波管を備え、第2の回折格子は、第2の色を有する光を第2の導波管の中に回折するように構成されている。第2の回折格子は、第1の回折格子を通過した第1の色を有する光の一部を回折するようにさらに構成されている。
【0201】
第26の例では、第25の例のディスプレイデバイスにおいて、第1の回折格子は、層法線に対する第1の入射角範囲内の第1の色を有する光を回折するように構成され、第1の回折格子は、層法線に対する第2の入射角範囲内の第1の色を有する光を通過させるように構成されている。
【0202】
第27の例では、第26の例のディスプレイデバイスにおいて、第2の回折格子は、第1の角度範囲内のその上に入射する第2の色を有する光を回折するように構成され、第2の回折格子は、第2の入射角範囲内のその上に入射する第1の色を有する光を回折するように構成されている。
【0203】
第28の例では、第27の例のディスプレイデバイスにおいて、第1の角度範囲および第2の角度範囲は、第1の角度範囲および第2の角度範囲の合計に基づいて、20%より大きく重複しない。
【0204】
第29の例では、第25-第28の例のうちの任意の1つのディスプレイデバイスにおいて、第1の色は、第2の色と比較してより短い波長に対応する。
【0205】
第30の例では、第25-第29の例のうちの任意の1つのディスプレイデバイスにおいて、第1の回折格子は、側方方向に第1の周期を有するように配列された周期的に変動する液晶を備え、第2の回折格子は、側方方向に第1の周期より大きい第2の周期を有するように配列された周期的に変動する液晶を備えている。
【0206】
第31の例では、第30の例のディスプレイデバイスにおいて、第1の回折格子および第2の回折格子の一方または両方は、ある波長を有する光を回折するように構成され、
波長/周期比率(λ/Λ)が約0.3~2.3であるような周期を側方方向に有する。
【0207】
第32の例では、第30の例のディスプレイデバイスにおいて、第1の回折格子および第2の回折格子の一方または両方は、ある波長を有する光を回折するように構成され、周期が1nm~250nmだけ波長より小さいような周期を有する。
【0208】
第33の例では、第25-第32の例のうちの任意の1つのディスプレイデバイスにおいて、液晶は、コレステリック液晶を備えている。
【0209】
第34の例では、第33の例のディスプレイデバイスにおいて、第1の回折格子の液晶は、第2の回折格子の液晶のものより小さい螺旋ピッチを有する。
【0210】
第35の例では、第25-第34の例のうちの任意の1つのディスプレイデバイスにおいて、第1の回折格子および第2の回折格子の一方または両方は、光をそれぞれの導波管の中に透過的に回折するように構成されている。
【0211】
第36の例では、第25-第34の例のうちの任意の1つのディスプレイデバイスにおいて、第1の回折格子および第2の回折格子の一方または両方は、光をそれぞれの導波管の中に反射的に回折するように構成されている。
【0212】
第37の例では、第25-第36の例のうちの任意の1つのディスプレイデバイスにおいて、第1の色は、緑色であり、第2の色は、赤色である。
【0213】
第38の例では、第25-第36の例のうちの任意の1つのディスプレイデバイスにおいて、第1の色は、青色であり、第2の色は、緑色である。
【0214】
第39の例では、頭部搭載型ディスプレイデバイスは、光をユーザの眼に投影し、拡張現実画像コンテンツを表示するように構成されている。頭部搭載型ディスプレイデバイスは、ユーザの頭部上に支持されるように構成されたフレームを備えている。頭部搭載型ディスプレイデバイスは、加えて、フレーム上に配置されたディスプレイを備えている。ディスプレイの少なくとも一部は、複数の導波管を備えている。導波管は、透明であり、透明部分が、ユーザの正面の環境の一部からの光をユーザの眼に透過させ、ユーザの正面の環境の一部のビューを提供するように、ユーザが頭部搭載型ディスプレイデバイスを装着すると、ユーザの眼の正面の場所に配置される。ディスプレイは、1つ以上の光源および光源からの光をディスプレイにおける導波管の中に結合するように構成されたディスプレイにおける複数の回折格子をさらに備えている。ディスプレイ内の導波管および回折格子は、第1-第38の例のうちの任意の1つに記載の導波管および回折格子を備えている。
【0215】
第40の例では、第39の例のデバイスにおいて、1つ以上の光源は、ファイバ走査プロジェクタを備えている。
【0216】
第41の例では、第39または第40の例において、ディスプレイは、複数の深度平面における画像コンテンツをユーザに提示するように、光をユーザの眼の中に投影するように構成されている。
(追加の考慮点)
【0217】
上で説明される実施形態では、拡張現実ディスプレイシステム、より具体的には、空間可変回折格子は、特定の実施形態に関連して説明される。しかしながら、実施形態の原理および利点は、空間可変回折格子の必要性を伴う任意の他のシステム、装置、または方法のために使用されることができることを理解されるであろう。前述では、実施形態のうちの任意の1つの任意の特徴は、実施形態のうちの任意の他の1つの任意の他の特徴と組み合わせられ、および/またはそれで代用されることができることを理解されたい。
【0218】
文脈によって別様に明確に要求されない限り、説明および請求項全体を通して、単語「~を備えている」、「~を備えている」、「~を含む」、「~を含んでいる」等は、排他的または包括的意味とは対照的に、包含的意味、すなわち、「限定ではないが~を含む」の意味で解釈されるべきである。単語「結合される」は、本明細書で概して使用されるように、直接接続されるか、または1つ以上の中間要素を経由して接続されるかのいずれかであり得る2つ以上の要素を指す。同様、単語「接続される」は、本明細書で概して使用されるように、直接接続されるか、または1つ以上の中間要素を経由して接続されるかのいずれかであり得る2つ以上の要素を指す。加えて、単語「本明細書で」、「上で」、「下記で」、「後述の」、「前述の」、および類似意味の単語は、本願で使用されるとき、全体として本願を指すものとし、本願の任意の特定の部分を指すものではない。文脈によって許容される場合、単数形または複数形を使用する上記の詳細な説明における単語はまた、それぞれ、複数形または単数形を含み得る。単語「または」は、2つ以上のアイテムのリストを参照する場合、本単語は、以下の単語の解釈の全て、すなわち、リスト内のアイテムのいずれか、リスト内のアイテムの全て、およびリスト内のアイテムの1つ以上のアイテムの任意の組み合わせを網羅する。加えて、本願および添付される請求項で使用されるような冠詞「a」、「an」、および「the」は、別様に規定されない限り、「1つ以上の」もしくは「少なくとも1つ」を意味するように解釈されるべきである。
【0219】
本明細書で使用されるように、項目のリスト「~のうちの少なくとも1つ」を指す語句は、単一の要素を含むそれらの項目の任意の組み合わせを指す。ある例として、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つ」は、A、B、C、AおよびB、AおよびC、BおよびC、ならびにA、B、およびCを網羅することが意図される。語句「X、Y、およびZのうちの少なくとも1つ」等の接続文は、別様に具体的に記載されない限り、概して、項目、用語等がX、Y、またはZのうちの少なくとも1つであり得ることを伝えるために使用されるような文脈で別様に理解される。したがって、そのような接続文は、概して、ある実施形態が、Xのうちの少なくとも1つ、Yのうちの少なくとも1つ、およびZのうちの少なくとも1つの各々が存在するように要求することを示唆することを意図されない。
【0220】
さらに、とりわけ、「~できる(can)」、「~し得る(could)」、「~し得る(might)」、「~し得る(may)」、「例えば(e.g.)」、「例えば(for example)」、「等(such as)」等、本明細書で使用される条件文は、別様に具体的に記載されない限り、または使用されるような文脈内で別様に理解されない限り、概して、ある実施形態がある特徴、要素、および/または状態を含む一方、他の実施形態がそれらを含まないことを伝えることが意図されることを理解されたい。したがって、そのような条件文は、概して、特徴、要素、および/もしくは状態が、1つもしくはそれを上回る実施形態に対していかようにも要求されること、またはこれらの特徴、要素、および/もしくは状態が任意の特定の実施形態において含まれる、もしくは実施されるべきかどうかを示唆することを意図されない。
【0221】
ある実施形態が、説明されたが、これらの実施形態は、一例としてのみ提示され、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。実際、本明細書に説明される新規装置、方法、およびシステムは、種々の他の形態で具現化され得る。さらに、本明細書に説明される方法およびシステムの形態における種々の省略、代用、および変更が、本開示の精神から逸脱することなく成され得る。例えば、ブロックが、所与の配列で提示されるが、代替実施形態は、異なるコンポーネントおよび/または回路トポロジを用いて類似機能性を実施し得、いくつかのブロックは、削除される、移動される、追加される、細分割される、組み合わせられた、および/または修正され得る。これらのブロックの各々は、種々の異なる方法で実装され得る。上で説明される種々の実施形態の要素および作用の任意の好適な組み合わせが、さらなる実施形態を提供するために組み合わせられたことができる。上で説明される種々の特徴およびプロセスは、互いに独立して実装され得る、または種々の方法で組み合わせられ得る。いずれの要素または要素の組み合わせも、すべての実施形態に関して必要または不可欠なわけではない。本開示の特徴の全ての好適な組み合わせおよび副次的組み合わせが、本開示の範囲内であるように意図される。