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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-21
(45)【発行日】2024-01-04
(54)【発明の名称】光受信機及び作動方法
(51)【国際特許分類】
   H04B 10/67 20130101AFI20231222BHJP
   G02F 2/00 20060101ALI20231222BHJP
【FI】
H04B10/67
G02F2/00
【請求項の数】 17
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022171937
(22)【出願日】2022-10-27
(62)【分割の表示】P 2020551996の分割
【原出願日】2019-03-28
(65)【公開番号】P2023002765
(43)【公開日】2023-01-10
【審査請求日】2022-10-27
(31)【優先権主張番号】62/649,209
(32)【優先日】2018-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503455363
【氏名又は名称】レイセオン カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】コワレヴィッチ,アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ドルギン,ベンジャミン,ピー.
(72)【発明者】
【氏名】グラセフォ,ゲイリー,エム.
【審査官】鴨川 学
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2006/0013591(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0226300(US,A1)
【文献】特開2008-244767(JP,A)
【文献】特開2010-154446(JP,A)
【文献】特開平10-276135(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 10/67
G02F 2/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光受信機であって:
第1出力及び第2出力を有する光共振器であって、光信号を受信し、共振光信号エネルギを蓄積し、第1出力光信号エネルギを前記第1出力から及び第2出力光信号エネルギを前記第2出力から放出するように構成され、前記光共振器は、前記光信号の変調に対応する受信した前記光信号の変動に応答して、前記光信号の前記変調を、前記第1出力光信号エネルギ及び前記第2出力光信号エネルギの強度変調に変換するように、前記第1出力光信号エネルギ及び前記第2出力光信号エネルギを乱すように構成された光共振器;
前記第1出力光信号エネルギを受信し、前記第1出力光信号エネルギの前記強度変調を検出するように配置された第1検出器;及び
前記第2出力光信号エネルギを受信し、前記第2出力光信号エネルギの前記強度変調を検出するように配置された第2検出器;
を含み、前記第1検出器は、前記第2出力光信号エネルギの平均値を、前記第1出力光信号エネルギの前記強度変調の検出のためのトリガ閾値として使用するように構成されている、光受信機。
【請求項2】
前記光受信機は、入力経路に沿って前記光信号を前記光共振器へ方向付けるように配置されたサーキュレータを更に含み、前記サーキュレータは、前記光信号の伝播と反対方向に前記入力経路に沿って前記光共振器から前記第2出力光信号エネルギを受信し、前記第2出力光信号エネルギを前記第2検出器へ方向付けるように更に配置され構成されている、請求項1に記載の光受信機。
【請求項3】
前記サーキュレータは光ファイバ・サーキュレータであり、前記入力経路は光ファイバである、請求項2に記載の光受信機。
【請求項4】
前記光信号は周波数変調光信号であり、前記変動は前記光信号における周波数変化に対応している、請求項1に記載の光受信機。
【請求項5】
前記光共振器は、第1準反射面及び第2準反射面を含み、前記第1及び第2準反射面の間で前記光信号の少なくとも一部分を反射することによって前記共振光信号エネルギを蓄積するように構成されている、請求項1に記載の光受信機。
【請求項6】
前記第1出力は前記第1準反射面であり、前記第2出力は前記第2準反射面である、請求項5に記載の光受信機。
【請求項7】
前記第1出力光信号エネルギの第1部分は第1偏光を有し、前記第1出力光信号エネルギの第2部分は前記第1偏光に直交する第2偏光を有する、請求項1に記載の光受信機。
【請求項8】
前記光信号は位相変調光信号であり、前記変動は前記光信号における位相変化に対応している、請求項1に記載の光受信機。
【請求項9】
光受信機であって:
第1出力及び第2出力を有する光共振器であって、光信号を受信し、共振光信号エネルギを蓄積し、第1出力光信号エネルギを前記第1出力から及び第2出力光信号エネルギを前記第2出力から放出するように構成され、前記光共振器は、前記光信号の変調に対応する受信した前記光信号の変動に応答して、前記光信号の前記変調を、前記第1出力光信号エネルギ及び前記第2出力光信号エネルギの強度変調に変換するように、前記第1出力光信号エネルギ及び前記第2出力光信号エネルギを乱すように構成された光共振器;
前記第1出力光信号エネルギを受信し、前記第1出力光信号エネルギの前記強度変調を検出するように配置された第1検出器;
前記第2出力光信号エネルギを受信し、前記第2出力光信号エネルギの前記強度変調を検出するように配置された第2検出器;
第3検出器;
第4検出器;
前記第1出力と前記第1検出器との間、及び前記第1出力と前記第3検出器との間に介在する第1ビームスプリッタであって、前記第1出力光信号エネルギを第1部分と第2部分に分割するように構成されており、前記第1ビームスプリッタは、前記第1出力光信号エネルギの前記第1部分を前記第1検出器へ方向付け、前記第1出力光信号エネルギの前記第2部分を前記第3検出器へ方向付けるように構成されている第1ビームスプリッタ;及び
前記第2出力と前記第2検出器との間、及び前記第2出力と前記第4検出器との間に介在する第2ビームスプリッタであって、前記第2出力光信号エネルギを第1部分と第2部分に分割するように構成されており、前記第2ビームスプリッタは、前記第2出力光信号エネルギの前記第1部分を前記第2検出器へ方向付け、前記第2出力光信号エネルギの前記第2部分を前記第4検出器へ方向付けるように構成されている第2ビームスプリッタ;
を含む光受信機。
【請求項10】
前記光受信機は、入力経路に沿って前記光信号を前記光共振器へ方向付けるように配置されたサーキュレータを更に含み、前記サーキュレータは、前記光共振器から前記第2出力光信号エネルギを受信し、前記第2出力光信号エネルギを前記第2ビームスプリッタへ方向付けるように更に配置され構成されている、請求項9に記載の光受信機。
【請求項11】
前記第1出力光信号エネルギの前記第1部分は第1偏光を有し、前記第1出力光信号エネルギの前記第2部分は前記第1偏光に直交する第2偏光を有し、前記第2出力光信号エネルギの前記第1部分は前記第1偏光を有し、前記第2出力光信号エネルギの前記第2部分は前記第2偏光を有する、請求項9に記載の光受信機。
【請求項12】
光信号受信機の作動方法であって:
光共振器で光信号を受信するステップ;
共振光信号エネルギを前記光共振器内に蓄積するステップ;
第1出力光信号エネルギを前記光共振器の第1出力から放出するステップ;
第2出力光信号エネルギを前記光共振器の第2出力から放出するステップ;
前記光信号の変調に対応する受信した前記光信号の変動に応答して、前記光信号の前記変調を、前記第1出力光信号エネルギ及び前記第2出力光信号エネルギの強度変調に変換するように、前記第1出力光信号エネルギ及び前記第2出力光信号エネルギを乱すステップ;
前記第1出力光信号エネルギを第1検出器において受信し、前記第1出力光信号エネルギの前記強度変調を検出するステップ;及び
前記第2出力光信号エネルギを第2検出器において受信し、前記第2出力光信号エネルギの前記強度変調を検出するステップ;
を含み、前記作動方法は、
第1ビームスプリッタにおいて、前記第1出力光信号エネルギを、第1偏光を有する第1部分と、前記第1偏光に直交する第2偏光を有する第2部分とに分割するステップ;
前記第1出力光信号エネルギの前記第1部分を前記第1検出器へ方向付けるステップ;及び
前記第1出力光信号エネルギの前記第2部分を第3検出器へ方向付けるステップ;
を更に含み、前記第1検出器は、前記第2出力光信号エネルギの平均値を、前記第1出力光信号エネルギの前記強度変調の検出のためのトリガ閾値として使用するように構成されている、方法。
【請求項13】
サーキュレータにより、入力経路に沿って前記光信号を前記光共振器へ方向付けるステップ;
前記光信号の伝播と反対方向に前記入力経路に沿って前記サーキュレータにおいて前記光共振器から前記第2出力光信号エネルギを受信するステップ;
前記サーキュレータにより、前記第2出力光信号エネルギを前記第2検出器へ方向付けるステップ;
を更に含む請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記共振光信号エネルギを前記光共振器内に蓄積するステップは、第1準反射面及び第2準反射面の間で前記光信号の少なくとも一部分を反射するステップを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
第2ビームスプリッタにおいて、前記第2出力光信号エネルギを、第1偏光を有する第1部分と、前記第2偏光を有する第2部分とに分割するステップ;
前記第2出力光信号エネルギの前記第1部分を前記第2検出器へ方向付けるステップ;及び
前記第2出力光信号エネルギの前記第2部分を第4検出器へ方向付けるステップ;
を更に含む請求項12に記載の方法。
【請求項16】
サーキュレータにより、入力経路に沿って前記光信号を前記光共振器へ方向付けるステップ;
前記サーキュレータにおいて前記光共振器から前記第2出力光信号エネルギを受信するステップ;
前記サーキュレータにより、前記第2出力光信号エネルギを前記第2ビームスプリッタへ方向付けるステップ;
を更に含む請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記光信号は、位相変調光信号、周波数変調光信号、及び振幅変調光信号のうちの1つであり、前記変動は、前記光信号における各自の位相変化、周波数変化、又は振幅変化に対応している、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願
本願は、2018年3月28日付で出願され「光通信信号を検出する平衡光受信機及び方法」と題する同時係属の米国仮出願番号第62/649,209号のU.S.C§119(e)及びPCT第8条に基づく優先権を主張しており、如何なる目的に対しても全体的に援用によって本願に組み込まれる。
【0002】
背景技術
多くの光通信システムは情報を運ぶために光波を操作する。例えば、しばしば光源(例えば、レーザー光源)は、情報を運ぶために、振幅、位相、又は周波数のような放出光の1つ以上の特性を変化させるように変調される。ある場合には、無線周波数信号のような前提とする信号は、振幅、位相、周波数変調、又はそれらの任意の組み合わせにより変調されることが可能であり、光源は前提とする信号によって変調されることが可能である。光受信機は、光波を受信し、光波の特性又は変化を測定し、そこから前提とする信号及び情報を復元することが可能である。
【発明の概要】
【0003】
実施形態及び態様は、変調変換のために1つ以上の光共振器を使用する光受信機における光信号の平衡検出(balanced detection)のための方法及び装置に関する。
【0004】
一実施形態によれば、光受信機は、第1及び第2出力を有する光共振器であって、光信号を受信し、共振光信号エネルギを蓄積し、第1出力光信号エネルギを第1出力から及び第2出力光信号エネルギを第2出力から放出するように構成される光共振器を含み、光共振器は、光信号の変調に対応する受信した光信号の変動に応答して、光信号の変調を、第1出力光信号エネルギ及び第2出力光信号エネルギの強度変調に変換するように、第1出力光信号エネルギ及び第2出力光信号エネルギを混乱させるように構成されている。光受信機は、第1出力光信号エネルギを受信し、第1出力光信号エネルギの強度変調を検出するように配置された第1検出器と、第2出力光信号エネルギを受信し、第2出力光信号エネルギの強度変調を検出するように配置された第2検出器とを更に含む。
【0005】
一例において、光受信機は、入力経路に沿って光信号を光共振器へ方向付けるように配置されたサーキュレータを更に含み、サーキュレータは、光信号の伝播と反対方向に入力経路に沿って光共振器から第2出力光信号エネルギを受信し、第2出力光信号エネルギを第2検出器へ方向付けるように更に配置され構成されている。一例において、サーキュレータは光ファイバ・サーキュレータであり、入力経路は光ファイバである。
【0006】
光信号は周波数変調光信号、位相変調光信号、又は振幅変調光信号であってもよく、変動は、光信号における各自の周波数、位相、又は振幅の変化に対応する可能性がある。
【0007】
一例において、光共振器は、第1準反射面(a first semi-reflective surface)及び第2準反射面を含み、第1及び第2準反射面の間で光信号の少なくとも一部分を反射することによって共振光信号を蓄積するように構成されている。一例において、第1出力は第1準反射面であり、第2出力は第2準反射面である。
【0008】
光受信機は、第3検出器;及び第1出力と第1検出器との間、及び第1出力と第3検出器との間に介在する第1ビームスプリッタを更に含む可能性がある。第1ビームスプリッタは、第1出力光信号エネルギを第1部分と第2部分とに分割するように構成されており、第1ビームスプリッタは、第1出力光信号エネルギの第1部分を第1検出器へ方向付け、第1出力光信号エネルギの第2部分を第3検出器へ方向付けるように構成されている。光検出器は、第4検出器;及び第2出力と第2検出器との間、及び第2出力と第4検出器との間に介在する第2ビームスプリッタを更に含む可能性がある。第2ビームスプリッタは、第2出力光信号エネルギを第1部分と第2部分とに分割するように構成されており、第2ビームスプリッタは、第2出力光信号エネルギの第1部分を第2検出器へ方向付け、第2出力光信号エネルギの第2部分を第4検出器へ方向付けるように構成されている。一例において、光受信機は、入力経路に沿って光信号を光共振器へ方向付けるように配置されたサーキュレータを更に含み、サーキュレータは、光共振器から第2出力光信号エネルギを受信し、第2出力光信号エネルギを第2ビームスプリッタへ方向付けるように更に配置され構成されている。一例において、第1及び/又は第2ビームスプリッタは偏光ビームスプリッタである。例えば、第1出力光信号エネルギの第1部分は第1偏光を有してもよく、第1出力光信号エネルギの第2部分は第1偏光に直交する第2偏光を有してもよい。同様に、第2出力光信号エネルギの第1部分は第1偏光を有してもよく、第2出力光信号エネルギの第2部分は第2偏光を有してもよい。
【0009】
一例において、第1検出器は、第2出力光信号エネルギの平均値を、第1出力光信号エネルギの強度変調の検出のためのトリガ閾値として使用するように構成されている。代替的に、第1出力光信号エネルギの平均値は、第2光信号の強度変調の検出のためのトリガ閾値として、第2検出器により使用されてもよい。
【0010】
別の実施形態によれば、光信号受信機の作動方法は、光共振器で光信号を受信するステップ;共振光信号エネルギを光共振器内に蓄積するステップ;第1出力光信号エネルギを光共振器の第1出力から放出するステップ;第2出力光信号エネルギを光共振器の第2出力から放出するステップ;光信号の変調に対応する受信した光信号の変動に応答して、光信号の変調を、第1出力光信号エネルギ及び第2出力光信号エネルギの強度変調に変換するように、第1出力光信号エネルギ及び第2出力光信号エネルギを乱すステップ;第1出力光信号エネルギを第1検出器において受信し、第1出力光信号エネルギの強度変調を検出するステップ;及び第2出力光信号エネルギを第2検出器において受信し、第2出力光信号エネルギの強度変調を検出するステップを含む。
【0011】
方法は、更に、第1及び第2出力光信号エネルギのうちの何れかの平均値を、第1及び第2出力光信号エネルギのうちの他方の強度変調の検出のためのトリガ閾値として使用することを更に含んでもよい。
【0012】
一例において、方法は、サーキュレータにより、入力経路に沿って光信号を光共振器へ方向付けるステップ;光信号の伝播と反対方向に入力経路に沿ってサーキュレータにおいて光共振器から第2出力光信号エネルギを受信するステップ;及びサーキュレータにより、第2出力光信号エネルギを第2検出器へ方向付けるステップを更に含む。
【0013】
別の例において、共振光信号エネルギを光共振器内に蓄積するステップは、第1準反射面及び第2準反射面の間で光信号のうちの少なくとも一部分を反射するステップを含む。
【0014】
別の例において、方法は、第1ビームスプリッタにおいて、第1出力光信号エネルギを、第1部分及び第2部分に分割するステップ;第1出力光信号エネルギの第1部分を第1検出器へ方向付けるステップ;及び第1出力光信号エネルギの第2部分を第3検出器へ方向付けるステップを更に含む。一例において、第1ビームスプリッタは偏光ビームスプリッタであり、第1出力光信号エネルギの第1部分は第1偏光を有し、第1出力光信号エネルギの第2部分は第1偏光に直交する第2偏光を有する。別の例において、方法は、第2ビームスプリッタにおいて、第2出力光信号エネルギを、第1部分及び第2部分に分割するステップ;第2出力光信号エネルギの第1部分を第2検出器へ方向付けるステップ;及び第2出力光信号エネルギの第2部分を第4検出器へ方向付けるステップを更に含む。一例において、第2ビームスプリッタは偏光ビームスプリッタであり、第2出力光信号エネルギの第1部分は第1偏光を有し、第2出力光信号エネルギの第2部分は第2偏光を有する。方法は、サーキュレータにより、入力経路に沿って光信号を光共振器へ方向付けるステップ;サーキュレータにおいて光共振器から第2出力光信号エネルギを受信するステップ;及びサーキュレータにより、第2出力光信号エネルギを第2ビームスプリッタへ方向付けるステップを更に含む可能性がある。
【0015】
方法の様々な例において、光信号は、位相変調光信号、周波数変調光信号、及び振幅変調光信号のうちの1つであり、変動は、光信号における各自の位相変化、周波数変化、又は振幅変化に対応する。
【0016】
これらの例示的な態様及び実施例の更に他の態様、実施形態、及び利点は、以下で詳細に議論される。本願で開示される実施形態は、本願で開示される原理の少なくとも1つと矛盾しない任意の方法で他の実施形態と組み合わせることが可能であり、「実施形態」、「一部の実施形態」、「代替的な実施形態」、「種々の実施形態」、「1つの実施形態」などへの言及は、必ずしも相互に排他的ではなく、説明される特定の特長、構造、又は特徴は少なくとも1つの実施形態に含まれる可能性があることを示すように意図されている。本願におけるこのような用語の登場は、必ずしも同一の実施形態を指すわけではない。本願で説明される種々の態様及び実施例は、任意の説明される方法又は機能を実行する手段も含む可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
少なくとも1つの実施形態の種々の態様は、添付図面を参照して以下に説明される。図面は縮尺通りに描かれるようには意図されていない。図面は、種々の態様及び実施形態の説明及び更なる理解を提供するために含まれており、本願に組み込まれて本願の一部を構成するが、本開示の限定の定義として意図されるものではない。図面において、種々の図に示される同一又はほぼ同一の各コンポーネントは、同様な数字によって表現されている。明確性のために、全てのコンポーネントが全図でラベル付けされているわけではない。
図1】本発明の態様による光受信機の一例の図である。
図2】本発明の態様による光受信機の別の例の図である。
図3】本発明の態様による受信光信号の変調に応答して光共振器から放出された透過出力光信号エネルギと反射出力光信号エネルギとの出力パワー・プロットの例を示すグラフである。
図4】本発明の態様による光受信機で使用されることが可能な処理システムの一例の機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本願で説明される種々の態様及び実施例は、局所的なコヒーレント・クロック源なしで光信号を復調するためのバランスのとれた光信号受信機及び方法に関する。特定の実施例において、説明される光受信機は、ファブリ・ペロー共振器のような光共振器を含み、この共振器は符号化された光信号を強度符号化された出力に変換するように構成される。特に、光共振器は、共振光信号エネルギをその中に蓄積し、出力光信号エネルギを第1出力から送るように構成されてもよい。受信光信号の変動(例えば、位相、周波数、及び/又は振幅変調)に応答して、受信光信号は、光共振器内の光共振を混乱させ、透過する出力光信号エネルギの混乱を引き起こす。更に、受信光信号の変動は、更に、共振が光共振器内で再確立されるまで、光共振器が第2出力からの第2出力光信号エネルギを拒絶(reject)すること(しばしば反射(reflect)とも呼ばれる)を引き起こす。
【0019】
従って、種々の実施例において、本願で説明される光受信機は、複数の検出器、透過した出力光信号エネルギのための少なくとも1つの検出器、及び反射された出力光信号エネルギのための少なくとも1つの検出器を含む。透過した出力光信号エネルギと反射された出力光信号エネルギとのバランスのとれた検出は、単一センシング共振器出力技術と比較した場合に、光信号受信機の感度を改善する。本願で議論されるように、幾つかの例において、バランスのとれた検出(平衡検出)は、単一センシング共振器出力技術と比較して3dB(又はそれ以上)の感度改善をもたらす可能性がある。本願で使用される場合、用語「バランスのとれた」検出又は検出することは、1つ以上の検出器が、透過出力光信号エネルギ及び反射出力光信号エネルギの両方を検出するために使用されるアプローチを指すように意図されており、透過出力光信号エネルギ及び反射出力光信号エネルギの何らかの特性に関して限定するようには意図されていない。透過出力光信号エネルギ及び反射出力光信号は、必ずしも同じ振幅又は形状及び逆極性であるとは限らない。透過出力光信号エネルギ及び反射出力光信号エネルギは、類似の又は異なる包絡線形状を有する可能性があり、類似の又は異なる振幅及び/又は位相を有する可能性がある。
【0020】
本願で説明される装置及び方法の実施形態は、以下の説明に記載される又は添付図面に例示される構成の詳細及びコンポーネントの配置に適用することに限定されないことが認められるべきである。装置及び方法は、他の実施形態で実装することが可能であり、種々の方法で実現又は実施することが可能である。具体的な実装の実施例は、例示的な目的のみのために本願で提供されており、限定するようには意図されていない。また、本願で使用される表現及び用語は説明の目的のためのものであり、限定として理解されるべきではない。本願における「含む」、「備える」、「有する」、「包含する」、「伴う」及びそれらの変形の使用は、そこに列挙される事項及びそれらの同等物、並びに追加の事項を包含することを意味する。「又は」に対する言及は、「又は」を使用して説明される任意の用語が、単一の、複数の、及び全ての「説明される用語」を示す可能性があるように、包括的であると解釈される可能性がある。前後、左右、上下、上方下方、垂直及び水平に対する如何なる言及も、説明の便宜のために意図されたものであり、本件の装置及び方法又はそれらのコンポーネントを、何らかの1つの位置又は空間的な方向に限定するようには意図されていない。
【0021】
図1は、本願で説明される種々の実施例による光受信機100の一例を示す。図示されるように、光受信機100は、1つより多い出力を有する光共振器102と、少なくとも1つの検出器とを含む可能性がある。特に、図1は、2つの検出器104、106を含む光受信器100を示す。更に図示されるように、光受信機100は、光サーキュレータ108を含んでもよい。幾つかの実施例では、サーキュレータ108は光ファイバ・サーキュレータである。サーキュレータ108は、光信号(矢印114で表される)を受信し、光信号を光共振器102に向けるように配置される。例えば、サーキュレータ108は、第1ファイバ結合を介して光信号を受信し、第2ファイバ結合を介して入力経路116に沿って光信号を光共振器102に仕向けることが可能である。本願では、主に、光信号(例えば、非電離電磁放射線から成るもの)として説明されているが、種々の他の実施例において、受信信号は、代わりに、無線周波数信号又は他の通信信号であってもよい。
【0022】
光共振器102は、入力経路116に沿ってサーキュレータ108から光信号を受信するように配置される。種々の実施例において、光共振器102は、受信光信号の位相変動、振幅変動、又は周波数変動のような変動を感知することが可能な光学コンポーネントである。特に、光共振器102は、光信号の変動を、透過出力光信号エネルギの強度変調(本願ではまた第1出力光信号エネルギとして説明される)、及び/又は反射出力光信号エネルギの強度変調(本願ではまた第2出力光信号エネルギとして説明される)に変換するように構成される。特に、光共振器102は、共振光信号エネルギを光共振器102内に蓄積し、受信光信号の変調(例えば、位相、周波数、又は振幅変調)を、部分的に受信光信号と光共振器102内の共振光信号エネルギとの相互作用によって、第1及び/又は第2出力光信号エネルギの強度変調に変換するように構成される。
【0023】
定常状態共振条件が光共振器102内で確立されると、透過出力光信号エネルギ(矢印120で表される)と反射出力光信号エネルギ(矢印122で表される)とは、それぞれ定常的な強度で光共振器102から放出される。到来する光信号に変動が生じ、一時的に定常状態を混乱させると、透過出力光信号エネルギ及び反射出力光信号エネルギの強度は乱される。光共振器102内での受信光信号の連続的な反射の間に、共振が再確立され、透過出力光信号エネルギ及び反射出力光信号エネルギの強度は、それらの定常状態レベルに戻る。幾つかの実施例では、光学共振器102が定常状態条件に戻った場合の定常的な強度が現れるまで、光学共振器102内で受信光信号エネルギの連続的な反射の間に、透過出力光信号エネルギの強度は増加し、と同時に反射出力光信号エネルギの強度は減少する。しかしながら、他の実施例では、共振条件が再確立されるにつれて、定常状態値に達するまで、透過出力光信号エネルギの強度は減少し、反射出力光信号エネルギの強度は増加する。一実施例では、定常状態は、ゼロ反射(又は拒絶)及び完全透過(unity transmission)、又はその逆に対応する可能性がある;しかしながら、他の実施例では、定常状態において、透過出力光信号エネルギ120及び反射出力光信号エネルギ122の両方が、互いに同じ又は異なる値である可能性がある非ゼロ強度値を有してもよい。
【0024】
エタロンとして示されているが、他の実施例では、光学共振器102はマイクロ・リング又は他の共振構造であってもよい。即ち、本願で説明される光学共振器の実施例は、図1に示される特定の配置に限定されない。例えば、一実施形態では、光共振器102は、代わりに、閉ループとして配置された1つ以上の導波路により形成されたマイクロ・リングであってもよく、その結果、ループ「周囲」を流れる光信号エネルギは、1つ以上の周波数でループの寸法により位相整合されることが可能である。従って、ループを通る光信号エネルギは、特定の周波数で建設的に干渉して、ループ内の光信号エネルギを維持することができる。他の周波数では、ループを通る光信号エネルギは妨害し、それにより、その周波数での光信号エネルギの蓄積を破壊又は拒絶することになる。閉ループはまた、入出力にも結合され、光がループ、例えば開口に入ること、及びループから光を出することを可能にする。
【0025】
特定の実施例によれば、光共振器102は、受信光信号に基づいて透過出力光信号エネルギをコヒーレントに発達させ、受信光信号の変動(例えば、位相、周波数、又は振幅の変化)が生じるまで、所与のレベルの透過出力光信号エネルギを維持する。変動が受信光信号に生じると、干渉は、透過光信号エネルギの強度(又は振幅)に依存する変化を引き起こす。上述したように、透過出力光信号エネルギに加えて、光共振器102はまた、反射出力光信号エネルギも放出することができる。反射出力光信号エネルギは、透過出力光信号エネルギと反対の方向に光共振器102から放射され、従って光共振器102によって「反射(reflected)」されたものとして説明することが可能である。受信光信号に変動が生じると、光共振器102内の干渉は、拒否されて出てくる光信号エネルギの強度(又は振幅)に依存する変化を引き起こす。例えば、変動は、透過出力光信号エネルギの強度の減少、及び反射出力光信号エネルギの強度の増加、又はその逆をもたらす可能性がある。従って、受信した位相符号化(又は周波数符号化、若しくは振幅符号化)された光信号は、光共振器102により、振幅が変動する出力信号に変換される。図1に示す第1検出器104及び第2検出器106のように、透過出力光信号エネルギは第1検出器による直接的な検出に適しており、反射出力光信号エネルギは第2検出器による直接的な検出に適している。
【0026】
上述したように、種々の実施例において、光共振器102は、受信光信号の位相又は周波数変調を、出力光信号エネルギの強度又は振幅変調に変換するために使用されることが可能である。強度又は振幅変調された出力光信号エネルギは、光検出器(例えば、第1検出器104の光検出器又は第2検出器106の光検出器)を含む検出器によって、受信光信号の変動(例えば、位相転移)を表す対応する振幅変動を有する電気信号に変換される可能性がある。図1に示すように、様々な実施例において、光共振器102はエタロンである。即ち、光共振器102は、その間に介在する少なくとも半透明の光媒体を有する一対の平行な準反射面を含む可能性がある。様々な実施例において、光学共振器102は、一対の準反射面(例えば、図1の第1準反射面110及び第2準反射面112として示される)によって規定される内部(例えば、キャビティ)を含むことが可能である。
【0027】
第1準反射面110は、第2準反射面112に光を伝達するように配置される。図1において、第1準反射面110は、第2準反射面112と実質的に平行で対面して配置される。図1に示されるように、種々の実施例において、第1及び第2準反射面110、112の各々は、実質的に平坦である。しかしながら、他の実施例では、他の配置及び表面曲率が使用されてもよい。光学媒体が、光学共振器102の内側に配置され、第1準反射面110と第2準反射面102との間に介在させられる。特定の実施例では、光学媒体は空気又は他の誘電体材料であってもよい。別の実施例では、光学媒体は真空であってもよい。
【0028】
エタロンは、準反射面110、112の間の間隔(即ち、寸法長)に基づいて、各々が特定の光波長に関連する1つ以上の特性共振周波数を有することが可能である。幾つかの実施例では、表面110、112は、幾らかの光を通すことができるので、準反射性であり且つ準透過性である。即ち、種々の実施例において、各々の準反射面110、112は、光信号の入射を可能にするための入力として役割を果たす一方、出力光信号エネルギの放出を可能にするための出力としても役割を果たすことができる。従って、到着した光信号は、光共振器102(即ち、一対の準反射面110、112の間)に入ることが可能であり、準反射面110、112の各々を通って放出される前に、光共振器102の内部で及び一対の準反射面110、112の間で共振することが可能である。
【0029】
様々な実施例において、光共振器102は、第1出力光信号エネルギ、即ち、透過出力光信号エネルギを第1準反射面110から放射し、第2出力光信号エネルギ、即ち、反射出力光信号エネルギを第2準反射面112から放射する。第1及び第2準反射面110、112が共振キャビティを規定する実施例では、光信号エネルギは共振キャビティの両端から放出される。以下で更に説明されるように、光キャビティの各端部からの出力光信号エネルギ(例えば、透過出力光信号エネルギ及び反射出力光信号エネルギ)は、バランスのとれた検出アプローチを提供するように、対応する検出器で検出されることが可能である。
【0030】
上述のように、光共振器内の共振光信号エネルギの一部は、少なくとも1つの準透過面110、112を介して光共振器102の外に放出される。種々の実施例において、第1準反射面110及び第2準反射面112のうちの一方は、エントランス開口(図1の第2準反射面112として示される)を形成することが可能であり、そのエントランス開口を通じて、光信号はサーキュレータ108から受信され、光共振器102の内側に方向付けられる。第1準反射面110は、透過出力光信号エネルギが放出される第1出力としての役割を果たし、第2準反射面112は、反射出力光信号エネルギが放出される第2出力としての役割を果たす。即ち、第1及び第2準反射面110、112の各々は、内部からのトラップされた共振光信号エネルギの一部が、出力光信号として出現することを可能にする。
【0031】
上述したように、到来する光信号の位相、周波数又は振幅の変化(例えば、シンボル遷移に対応するもの)は、出力光信号エネルギ(例えば、第1出力光信号エネルギ及び第2出力光信号エネルギ)の強度の変化を引き起こす。到来する光信号の大きな遷移は、例えば、出現する透過出力光信号エネルギの大きな(しかし一時的な)強度低下を引き起こし、また、出現する反射出力光信号エネルギの大きな(しかし一時的な)強度増加を引き起こし、又はその逆も同様である(即ち、出現する透過出力光信号エネルギの強度の大きな、一時的な増加、及び出現する反射出力光信号エネルギの強度の大きな、一時的な減少が生じる可能性もある)。同様な動作は、マイクロ・リング又は他の光共振器においても生じる。従って、様々な実施例において、光共振器102は、受信光信号に対する変調コンバータとして機能する。従って、出現する出力光信号エネルギは、到来する光信号と同じ情報内容であるが、強度変調された形式で運ぶことができる。
【0032】
本開示を通じて「エタロン」という用語の使用は、限定であるようには意図されておらず、本願で使用される場合、反射面を有する複数のプレート、並びに種々の材料が中間に配置される平行なミラー、例えば特に制御可能な光材料が中間に配置された平行なミラーを含む、任意の複数の構造を含むことが可能である。エタロンの準反射面の間の間隔は、本願ではキャビティと言及されてもよいが、それに限定されない。即ち、共振キャビティは、干渉計などの他の構造を含んでもよい。更に、エタロン構造は、積層体、層、フィルム、コーティング等として形成されてもよい。
【0033】
幾つかの実施例において、エタロンは、コプレナ(co-planar)でない及び/又はコリニア(co-linear)でない反射表面(準反射面を含む)を含む可能性がある。例えば、エタロンの内部反射面は幾つかの曲率を含んでもよく、対向する表面もまた湾曲していてもよく、その結果、幾つかの実施例において、2つの表面間の距離は光共振器の種々な領域にわたって実質的に一定である。他の実施例では、エタロンは、種々の領域において表面間で変化する距離を有する非線形な又は非平坦な表面を有する可能性があり、それでも、本願で説明される実施例で使用するのに適した種々の波長及び種々の領域で光共振器として機能することが可能である。従って、種々の実施例の光共振器102は、所定の実施例において、表面に適合するように、又は、様々な波長に応答する種々の領域を有するように、又は所与の波長で様々な到来角に応答する種々の領域を有するように、意図的に設計されてもよい。
【0034】
図1に示すように、光受信機100は、少なくとも第1検出器104及び第2検出器106を含むことが可能である。強度変調された第1出力光信号エネルギは、第1検出器104に向けられ、強度変調された第2出力光信号エネルギは、第2検出器106に向けられる。第1検出器104及び第2検出器106は、それぞれ、光検出器のような光-電気変換器(OEC)を含んでもよく、光検出器は特定の実施例では光ダイオードである。物理的に分離された検出器として示されているが、他の実施例では、光受信機100は、単一の検出器の光検出器内の異なる領域又は同一の検出器に、第1及び第2出力光信号エネルギを向ける1つ以上の光学素子(例えば、ミラー)を含んでもよい。
【0035】
第1検出器104は第1出力光信号エネルギを第1電気信号に変換し、第2検出器106は第2出力光信号エネルギを第2電気信号に変換する。特に、各検出器104、106は、対応する受信した強度変調された出力光信号エネルギを表す振幅変調信号を生成する。各検出器104、106は、対応する出力光信号エネルギ強度の変化を(例えば、振幅変調信号に基づいて)検出し、到着する光信号の位相、周波数、又は振幅の変化(変調)を決定することができる。特に、検出器104、106は、そのような出力信号の山(ピーク)及び谷(トラフ)を解釈するための様々なプロセスを実行する処理回路を含んでもよい。幾つかの実施例において、各検出器104、106は、アナログ-デジタル変換器及びデジタル処理システムを含んでもよいし、あるいはそれらによりデータを送受信してもよい。これらの実施例では、強度変調された出力光信号エネルギを表す振幅変調信号は、アナログ-デジタル変換器によってデジタル形式に変換されることが可能である。次いで、デジタル信号は、デジタル処理のためのデジタル処理サブシステムに供給されてもよい。
【0036】
図1に示すように、サーキュレータ108は、光信号を受信し、入力経路116に沿って光信号を光共振器102に向けるために、入力経路116に沿って配置されてもよい。特定の一実施例では、サーキュレータ108は光ファイバ・サーキュレータであり、入力経路116は光ファイバを含む。種々の実施例において、サーキュレータ108は、3つのポート(P1、P2、P3)のうちの1つに入る信号(例えば、光)が、次に続く番号のポートでサーキュレータ108を出る3ポート・サーキュレータである。例えば、光信号は、サーキュレータ108の第1ポート(P1)で受信され、第2ポート(P2)により光共振器102の方に出力され方向付けられる。
【0037】
図1に更に示されるように、サーキュレータ108は、第2出力光信号エネルギを光共振器102から受信し、第2出力光信号エネルギを第2検出器106に向けるように配置される。特に、サーキュレータ108は、光共振器102に向かう光信号の伝播とは逆方向で、光共振器102からの第2出力光信号エネルギを、入力経路116に沿って受信するように配置される。即ち、第2出力光信号は、光ファイバを含むことが可能な入力経路116に沿って、光信号の伝播と逆方向に伝播することが可能である。サーキュレータ108は、第2出力光信号エネルギ(第2ポートで受信されるものとして示される)を受信し、伝播方向に基づいて第2出力光信号エネルギを光信号から分離することができる。第2ポートで受信された第2出力光信号エネルギは、サーキュレータ108の第3ポート(P3)を介して第2検出器106の方へ出力され方向付けられる。
【0038】
種々の実施例において、受信光信号は、光信号の1つより多い偏波でエンコードされた情報を含んでもよい。このような状況では、光受信機100は、各偏波にエンコードされた情報を分離するために、1つ以上のビームスプリッタを含むことが可能である。図2は、第1出力光信号エネルギの偏波成分を分離するための1つ以上のビームスプリッタと、第2出力光信号エネルギの偏波成分を分離するための1つ以上のビームスプリッタとを含む光受信機200の一例を示す。図2は、サーキュレータ108、光共振器102、及び第1、第2光検出器104、106のような、図1に示す光受信器100と同じ多くのコンポーネント含む。同様のコンポーネントは、図1にも示されているように、図2において同じ参照番号によって参照されている。
【0039】
図2に示すように、第1ビームスプリッタ202は、第1出力(例えば、第1準反射面112)と第1検出器104との間に配置されてもよい。第1ビームスプリッタ202は、第1出力光信号エネルギを、第1偏光を有する第1部分と第2偏光を有する第2部分とに分割するように構成される。第1及び第2偏光は、例えば垂直偏光及び水平偏光のように互いに直交する可能性がある。図示のように、第1ビームスプリッタ202は、第1出力光信号エネルギの第1部分を第1検出器104に方向付け、第1出力光信号エネルギの第2部分を第3検出器206に方向付けるように構成される。第3検出器206は、第1検出器104と同様である可能性があり、特定の実施例ではフォトダイオードである光検出器のような光-電気変換器(OEC)を含む可能性がある。
【0040】
第1ビームスプリッタ202と同様に、第2ビームスプリッタ204は、第2出力光信号エネルギを、第1偏光を有する第1部分と第2偏光を有する第2部分とに分割するように構成されることが可能である。図示のように、第2ビームスプリッタ204は、第2出力光信号エネルギの第1部分を第2検出器106に方向付け、第2出力光信号エネルギの第2部分を第4検出器208に方向付けるように構成される。第4検出器208は、第2検出器106と同様である可能性があり、特定の実施例ではフォトダイオードである光検出器のような光-電気変換器(OEC)を含む可能性がある。種々の実施例において、第2ビームスプリッタ204は、サーキュレータ108と第2検出器106との間に介在させられ、サーキュレータ108と第4検出器208との間に更に介在させられる。図2において、第2ビームスプリッタ204は、サーキュレータ108の第3ポートから第2出力光信号エネルギを受信するものとして示されている。サーキュレータ108が光ファイバ・サーキュレータであり、光信号経路が光ファイバを含む特定の実施例では、上述したように、第1ビームスプリッタ202及び/又は第2ビームスプリッタ204は、それぞれ光ファイバに一体化されてもよい。図2に示す実施例では、第1及び第2のビームスプリッタ202、204は、入力経路116に対応する光ファイバを通って伝播した後に、第1出力光信号エネルギ及び第2出力光信号エネルギを受信するように配置される;しかしながら他の実施例では、代わりに、1つ以上のビームスプリッタは、それらが光ファイバに入る前に、光信号を分割するように配置されることが可能である。当業者には理解されるように、本開示の利点を考慮すると、検出器及びビームスプリッタの配置における幾つかの変形例が、同等の結果を達成するように実装されることが可能である。
【0041】
種々の実施例において、第1ビームスプリッタ202及び第2ビームスプリッタ204は、それぞれ、上述のように偏光ビームスプリッタであってもよい。しかしながら、他の実施例では、第1及び第2のビームスプリッタ202、204は、偏光ビームスプリッタである必要はなく、単に、第1及び第2の出力光信号エネルギの一部を種々の検出器に方向付けるように使用されることが可能である。例えば、第1及び第2ビームスプリッタ202、204は、光の割合、例えば80/20分割、70/30分割、50/50分割などに基づいて、第1出力光信号エネルギ及び第2出力光信号エネルギを分割することができる。
【0042】
図2において、第1ビームスプリッタ202は、第1出力光信号エネルギの第1部分を透過させ、第1出力光信号エネルギの第2部分を反射するものとして示されている。同様に、第2ビームスプリッタ204は、第2出力光信号エネルギの第1部分を透過させ、第2出力光信号エネルギの第2部分を反射するものとして図2に示されている。種々の他の実施例において、各ビームスプリッタ202、204の反射及び透過の機能は入れ替えられてもよいことが理解される。即ち、第1又は第2出力光信号エネルギの一部分を透過させるのではなく、対応するビームスプリッタ202、204は、代わりに、第1又は第2出力光信号エネルギの一部分を反射してもよく、第1又は第2出力光信号エネルギの一部分を反射するのではなく、対応するビームスプリッタ202、204は、代わりに、第1又は第2出力光信号エネルギの一部分を透過させてもよい。
【0043】
従って、第1及び第2ビームスプリッタ202、204は、光受信機200が、受信した光信号の直交偏波に対して同時に動作することを可能にする。2つの偏光は直交しているので、対応する情報は非干渉であり、本願で説明される技術に従って独立に復調されることが可能である。幾つかの実施例では、受信光信号の主軸は、第1ビームスプリッタ202の向きに整合しておらず、及び/又は第2ビームスプリッタ204の向きに整合していない。その結果、検出器104、106、206、208の各々は、受信光信号の両方の偏光成分の一部分を受信することができる。
【0044】
少なくとも図1及び図2を参照して前述したように、種々の実施例において、光共振器102は、共振光信号エネルギを蓄積し、受信光信号に基づいて、透過出力光信号エネルギ及び反射出力光信号エネルギをコヒーレントに発達させ、そして、受信光信号の変動(例えば、位相変化)が生じるまで、透過出力光信号エネルギ及び反射出力光信号エネルギのそれぞれの所定の強度レベルを維持することになる。受信光信号に変動が生じると、上述のように、干渉は、透過出力光エネルギ及び反射出力光信号エネルギの強度(又は振幅)に依存する変化を引き起こす。図3は、受信光信号の変化(例えば、位相転移)に応答する、透過出力光信号エネルギ及び反射出力光信号エネルギの出力パワー・プロット300の例を示す。図3において、第1トレース304は透過出力光信号エネルギを表し、第2トレース306は反射出力光信号エネルギを表す。図3は、図1に関連して引き続き説明される。
【0045】
図3では、時点308において、光共振器102は定常状態にあり、そこでは透過出力光信号エネルギの一定の強度が生じている。図3では、光共振器102が定常状態にある場合に0という強度レベルにあるように示されているが、反射出力光信号エネルギは、定常状態の間に非ゼロの強度レベルを有してもよいことが理解される。時点302において、位相遷移が、到来する信号で生じ、定常状態を一時的に混乱させ、透過出力光信号エネルギの強度の変化、及び反射出力光信号エネルギの強度の変化を引き起こす。
【0046】
図3に示す例では、透過出力光信号エネルギは強度の減少を有するように示され、反射出力光信号エネルギは強度の増加を有するように示される。しかしながら、上述したように、他の実施例では、反対のことが起こり得る。光共振器102内での受信光信号の連続な反射の間に、共振は再確立され、そして、光共振器102が定常状態に戻った場合の光の定常強度が出現するまで、透過出力光信号エネルギは増加(又は減少)する。また、光共振器102内での受信光信号の連続的な反射の間に、反射出力光信号エネルギは、反射出力光信号エネルギの定常強度が出現するまで減少(又は増加)する。
【0047】
図3に示すように、反射出力光信号エネルギの強度変化は、透過出力光信号エネルギの強度変化に優っている可能性がある。例えば、図3は、トレース304の減少の前に、一時的に生じるトレース306の増加を示す。従って、幾つかの実施例において、反射出力光信号エネルギは、透過出力光信号エネルギに対応する検出動作を開始するトリガとして使用されてもよい。例えば、反射出力光信号エネルギの強度において検出された変化(例えば、増加又は減少)は、図1に示される第1検出器104及び/又は図2に示される第1検出器104及び/又は第3検出器206の検出動作を開始するためのトリガとして使用されてもよい。反射出力光信号エネルギをトリガとして使用することは、対応する受信機(例えば、光受信機100又は光受信機200)のサンプリング要求及びメモリ要求を軽減することができる。他の実施例では、反射出力光信号エネルギにおける検出された強度変化は、透過出力光信号エネルギにおける検出された強度変化を検証するために使用されることが可能である。例えば、本願で説明される光受信機は、受信光信号の変動(例えば、位相、周波数又は振幅の変化)と、透過出力光信号エネルギの強度の変化とを、反射出力光信号エネルギの強度変化が存在する場合に限って相関させてもよい。このような例は、受信光信号における遷移の誤検出を防止するのに役立つかもしれない。特定の実施例では、反射出力光信号エネルギの平均値は、透過光信号エネルギの検出のためのトリガ閾値として使用されることが可能である。上述の実施例は、反射出力光信号エネルギを、透過出力光信号エネルギを検出/測定するためのトリガとして使用しているが、他の実施例では、反対の構成が実現される可能性があり、即ち、透過出力光信号エネルギ又はその平均値が、反射出力光信号エネルギの検出/測定のためのトリガ又は検出の閾値として使用されてもよい。また、共振条件は、到来する光信号の波長の変化又は他の変化する条件によって変わる可能性があるので、透過出力光信号エネルギ又は反射出力光信号エネルギのうちの何れかの平均値が、光共振器の共振条件の調整を決定するために使用されてもよい。
【0048】
上述したように、多くの実施例において、光受信機100、200は処理回路を含んでいてもよいし、あるいは処理回路に結合されていてもよい。一実施例では、処理回路は、図1又は図2に示す1つ以上の検出器104、106、206、208に含まれてもよいが、他の様々な実施例では、光受信機100、200が、リモート処理回路に情報を伝達する通信回路(例えば、トランシーバ)を含んでもよい。
【0049】
処理回路は、出力光信号エネルギ強度の1つ以上の変化を検出して、到来する光信号の位相、周波数、又は振幅の変動(変調)を判定するように構成されることが可能である。処理回路は、信号処理回路であってもよく、1つ以上の特化されたハードウェア構成要素又は1つ以上の特化されたソフトウェア構成要素により実装されてもよい。例えば、処理回路は、アナログ回路又はデジタル回路のうちの1つ、又はそれらの組み合わせとして実現されてもよい。処理回路は、本願で説明される1つ以上の対応する信号処理動作を実行するように配置される論理ブロックのアレイにより構成されてもよい。特に、処理回路は、ASIC(特定用途向け集積回路)又はFPGA(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)と同様なパフォーマンス及び電力消費をもたらす集積回路内に配置されたトランジスタのアレイによって実現されてもよい。他の実施例では、処理回路の構成要素は、ソフトウェア命令(例えば、所定のルーチン)を実行する1つ以上のマイクロプロセッサとして実現されてもよい。特に、ソフトウェア命令は、デジタル信号処理(DSP)命令を含んでもよい。そのような所定のルーチンを実行するための処理システムの一例が、図4に関連して本願で説明される。
【0050】
図4は、図1に示される光受信機100又は図2に示される光受信機200内に含まれる可能性がある処理システム400の一例を示す。処理システム400は、プロセッサ402、データ記憶装置404、メモリ406、及び1つ以上のインターフェース408(例えば、システム・インターフェース及び/又はユーザー・インターフェースなど)を含む可能性がある。図4には明示的に示されていないが、特定の実施例では、処理システム400は、電源に結合されてもよい。電源は、処理システム400の1つ以上のコンポーネント、及び光受信機100の他のコンポーネントに電力を配分することが可能である。
【0051】
図4において、プロセッサ402は、データ記憶装置404、メモリ406、及び種々のインターフェース408に結合される。メモリ406は、処理システム400の動作中のプログラム(例えば、プロセッサ402によって実行可能に符号化される命令のシーケンス)及びデータを記憶する。従って、メモリ406は、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)又はスタティック・メモリ(SRAM)のような比較的高性能な揮発性のランダム・アクセス・メモリであってもよい。しかしながら、メモリ406は、ディスク・ドライブ又は他の不揮発性記憶装置のような、データを記憶するための任意の装置を含む可能性がある。種々の実施例は、本願で開示された機能を実行するために、特定化された及び場合によっては固有の構造に、メモリ406を組織することが可能である。これらのデータ構造は、特定のデータ及び特定のタイプのデータの値を格納するようにサイズ決定されて組織されることが可能である。
【0052】
データ記憶装置404は、非一時的な命令及び他のデータを記憶するように構成されたコンピュータ読み取り可能な書き込み可能なデータ記憶媒体を含み、光ディスク又は磁気ディスク、ROM又はフラッシュ・メモリのような不揮発性記憶媒体を含むことが可能である。命令は、本願で説明される任意の機能を実行するために少なくとも1つのプロセッサ402によって実行されることが可能な実行可能プログラム又は他のコードを含んでもよい。
【0053】
様々な実施例において、処理システム400は、システム・インターフェース及び/又はユーザー・インターフェースなどの幾つかのインターフェース・コンポーネント408を含む。インターフェース・コンポーネント408の各々は、処理システム400の他のコンポーネント(及び/又は関連する送信機又は受信機)と、又は処理システム400と通信する他の装置と、例えば送信又は受信のようにデータをやり取りするように構成される。種々の実施例によれば、インターフェース・コンポーネント408は、ハードウェア・コンポーネント、ソフトウェア・コンポーネント、又はハードウェア・コンポーネント及びソフトウェア・コンポーネントの組み合わせを含んでもよい。特定の実施例では、システム・インターフェースのコンポーネントは、プロセッサ402を、図1に示す光受信機100の1つ以上の他のコンポーネントに結合する。システム・インターフェースは、上記のように、1つ以上の制御信号を任意のそのようなコンポーネントに提供することが可能であり、そのようなコンポーネントの動作を管理することが可能である。
【0054】
ユーザー・インターフェースは、処理システム400が組み込まれる対応する光受信機が、ユーザーなどの外部エンティティと通信することを可能にする、ハードウェア及び/又はソフトウェア・コンポーネントを含んでもよい。これらのコンポーネントは、ユーザー・インターフェースとのユーザー相互作用から情報を受けるように構成すされることが可能である。ユーザー・インターフェース内で使用されることが可能なコンポーネントの実施例は、ボタン、スイッチ、発光ダイオード、タッチ・スクリーン、ディスプレイ、記憶されたオーディオ信号、音声認識、又は、処理システム400と通信するコンピュータ動作可能な装置におけるアプリケーションを含む。種々のインターフェースで受信されるデータは、図4に示すように、プロセッサ402に提供されてもよい。プロセッサ402、メモリ406、データ記憶装置404、及びインターフェース(複数可)408間の通信結合(例えば、図示の相互接続メカニズム10)は、標準的な、専用の、又は特化されたコンピューティング・バス技術に準拠して、1つ以上の物理バスとして実装されてもよい。
【0055】
プロセッサ402は、上述のように、データ記憶装置404に記憶され且つそこから取り出される処理されたデータを生じる一連のルーチン(例えば、デジタル信号処理命令)を実行する。種々の実施例において、一連の命令は、上述のように、光共振器からの出力の解釈をもたらす。このような命令は、このような出力信号のピーク及びトラフを解釈してシンボル遷移を決定し、そこから情報を復元するコマンドに対応することが可能である。
【0056】
プロセッサ402は、任意のタイプのプロセッサ、マルチプロセッサ、又はコントローラであるとすることが可能である。例えば、プロセッサは、INTEL、AMD、MOTOROLA、又はFREESCALEによって製造されるプロセッサを含んでもよい。幾つかの実施例において、プロセッサ402は、例えばRTLinuxのようなリアル・タイム・オペレーティング・システム(RTOS)、又は例えばBSD又はGNU/Linuxのような非リアルタイム・オペレーティング・システムを実行するように構成されてもよい。オペレーティング・システムは、アプリケーション・ソフトウェアにプラットフォーム・サービスを提供することができる。これらのプラットフォーム・サービスは、プロセス間通信、ネットワーク通信、ファイル・システム管理、及び標準データベース処理を含む可能性がある。多くのオペレーティング・システムのうちの1つ以上が使用される可能性があり、実施例は、何らかの特定のオペレーティング・システム又はオペレーティング・システムの特徴に限定されない。
【0057】
本願における開示の一部は、光信号の態様についての、例えば長さのような距離の大きさ、例えば持続時間のような時間の順序を、光のセグメント又は光の波長の長さ又は持続時間に関連して参照している。距離及び持続時間は、光及び光学システムに関して時には可換に使用されることが可能であり、文脈上別意を意味しない限り、光に関する距離と持続時間との間の関係は、伝搬媒体における光の速度であることが理解されるべきである。例えば、位相関係は、光の1波長のオーダーであり、波長は、伝搬媒体における光の速度で周波数を割ったものに直接的に反比例する。同様に、光源の変調によって生成される光のセグメントは、セグメント長のオーダーであり、これは、伝搬媒体中の光の速度で変調レートを割ったものに直接的に反比例する。
【0058】
少なくとも1つの実施形態の幾つかの態様を上述してきたが、種々の変更、修正、及び改良が容易に生じることが当業者に理解されるであろう。このような変更、修正、及び改良は、本開示の一部であるように意図されており、本発明の範囲内にあるように意図されている。具体的な実装の実施例は、本願では例示的な目的のためだけに提供されており、限定であるようには意図されていない。従って、前述の説明及び図面は、単なる例示によるものであり、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物の適切な構成から決定されるべきである。
【0059】
(付記1)
光受信機であって:
第1出力及び第2出力を有する光共振器であって、光信号を受信し、共振光信号エネルギを蓄積し、第1出力光信号エネルギを前記第1出力から及び第2出力光信号エネルギを前記第2出力から放出するように構成され、前記光共振器は、前記光信号の変調に対応する受信した前記光信号の変動に応答して、前記光信号の前記変調を、前記第1出力光信号エネルギ及び前記第2出力光信号エネルギの強度変調に変換するように、前記第1出力光信号エネルギ及び前記第2出力光信号エネルギを乱すように構成された光共振器;
前記第1出力光信号エネルギを受信し、前記第1出力光信号エネルギの前記強度変調を検出するように配置された第1検出器;及び
前記第2出力光信号エネルギを受信し、前記第2出力光信号エネルギの前記強度変調を検出するように配置された第2検出器;
を含む光受信機。
(付記2)
前記光受信機は、入力経路に沿って前記光信号を前記光共振器へ方向付けるように配置されたサーキュレータを更に含み、前記サーキュレータは、前記光信号の伝播と反対方向に前記入力経路に沿って前記光共振器から前記第2出力光信号エネルギを受信し、前記第2出力光信号エネルギを前記第2検出器へ方向付けるように更に配置され構成されている、付記1に記載の光受信機。
(付記3)
前記サーキュレータは光ファイバ・サーキュレータであり、前記入力経路は光ファイバである、付記2に記載の光受信機。
(付記4)
前記光信号は周波数変調光信号であり、前記変動は前記光信号における周波数変化に対応する、付記1に記載の光受信機。
(付記5)
前記光共振器は、第1準反射面及び第2準反射面を含み、前記第1及び第2準反射面の間で前記光信号の少なくとも一部分を反射することによって前記共振光信号エネルギを蓄積するように構成されている、付記1に記載の光受信機。
(付記6)
前記第1出力は前記第1準反射面であり、前記第2出力は前記第2準反射面である、付記5に記載の光受信機。
(付記7)
第3検出器;及び
前記第1出力と前記第1検出器との間、及び前記第1出力と前記第3検出器との間に介在する第1ビームスプリッタ;
を更に含み、前記第1ビームスプリッタは、前記第1出力光信号エネルギを第1部分と第2部分とに分割するように構成されており、前記第1ビームスプリッタは、前記第1出力光信号エネルギの前記第1部分を前記第1検出器へ方向付け、前記第1出力光信号エネルギの前記第2部分を前記第3検出器へ方向付けるように構成されている、付記1に記載の光受信機。
(付記8)
第4検出器;及び
前記第2出力と前記第2検出器との間、及び前記第2出力と前記第4検出器との間に介在する第2ビームスプリッタ;
を更に含み、前記第2ビームスプリッタは、前記第2出力光信号エネルギを第1部分と第2部分とに分割するように構成されており、前記第2ビームスプリッタは、前記第2出力光信号エネルギの前記第1部分を前記第2検出器へ方向付け、前記第2出力光信号エネルギの前記第2部分を前記第4検出器へ方向付けるように構成されている、付記7に記載の光受信機。
(付記9)
前記光受信機は、入力経路に沿って前記光信号を前記光共振器へ方向付けるように配置されたサーキュレータを更に含み、前記サーキュレータは、前記光共振器から前記第2出力光信号エネルギを受信し、前記第2出力光信号エネルギを前記第2ビームスプリッタへ方向付けるように更に配置され構成されている、付記8に記載の光受信機。
(付記10)
前記第1出力光信号エネルギの前記第1部分は第1偏光を有し、前記第1出力光信号エネルギの前記第2部分は前記第1偏光に直交する第2偏光を有し、前記第2出力光信号エネルギの前記第1部分は前記第1偏光を有し、前記第2出力光信号エネルギの前記第2部分は前記第2偏光を有する、付記8に記載の光受信機。
(付記11)
前記第1出力光信号エネルギの前記第1部分は第1偏光を有し、前記第1出力光信号エネルギの前記第2部分は前記第1偏光に直交する第2偏光を有する、付記7に記載の光受信機。
(付記12)
前記光信号は位相変調光信号であり、前記変動は前記光信号における位相変化に対応する、付記1に記載の光受信機。
(付記13)
前記第1検出器は、前記第2出力光信号エネルギの平均値を、前記第1出力光信号エネルギの前記強度変調の検出のためのトリガ閾値として使用するように構成されている、付記1に記載の光受信機。
(付記14)
光信号受信機の作動方法であって:
光共振器で光信号を受信するステップ;
共振光信号エネルギを前記光共振器内に蓄積するステップ;
第1出力光信号エネルギを前記光共振器の第1出力から放出するステップ;
第2出力光信号エネルギを前記光共振器の第2出力から放出するステップ;
前記光信号の変調に対応する受信した前記光信号の変動に応答して、前記光信号の前記変調を、前記第1出力光信号エネルギ及び前記第2出力光信号エネルギの強度変調に変換するように、前記第1出力光信号エネルギ及び前記第2出力光信号エネルギを乱すステップ;
前記第1出力光信号エネルギを第1検出器において受信し、前記第1出力光信号エネルギの前記強度変調を検出するステップ;及び
前記第2出力光信号エネルギを第2検出器において受信し、前記第2出力光信号エネルギの前記強度変調を検出するステップ;
を含む方法。
(付記15)
サーキュレータにより、入力経路に沿って前記光信号を前記光共振器へ方向付けるステップ;
前記光信号の伝播と反対方向に前記入力経路に沿って前記サーキュレータにおいて前記光共振器から前記第2出力光信号エネルギを受信するステップ;
前記サーキュレータにより、前記第2出力光信号エネルギを前記第2検出器へ方向付けるステップ;
を更に含む付記14に記載の方法。
(付記16)
前記共振光信号エネルギを前記光共振器内に蓄積するステップは、第1準反射面及び第2準反射面の間で前記光信号の少なくとも一部分を反射するステップを含む、付記14に記載の方法。
(付記17)
第1ビームスプリッタにおいて、前記第1出力光信号エネルギを、第1偏光を有する第1部分と、前記第1偏光に直交する第2偏光を有する第2部分とに分割するステップ;
前記第1出力光信号エネルギの前記第1部分を前記第1検出器へ方向付けるステップ;及び
前記第1出力光信号エネルギの前記第2部分を第3検出器へ方向付けるステップ;
を更に含む付記14に記載の方法。
(付記18)
第2ビームスプリッタにおいて、前記第2出力光信号エネルギを、第1偏光を有する第1部分と、前記第2偏光を有する第2部分とに分割するステップ;
前記第2出力光信号エネルギの前記第1部分を前記第2検出器へ方向付けるステップ;及び
前記第2出力光信号エネルギの前記第2部分を第4検出器へ方向付けるステップ;
を更に含む付記17に記載の方法。
(付記19)
サーキュレータにより、入力経路に沿って前記光信号を前記光共振器へ方向付けるステップ;
前記サーキュレータにおいて前記光共振器から前記第2出力光信号エネルギを受信するステップ;
前記サーキュレータにより、前記第2出力光信号エネルギを前記第2ビームスプリッタへ方向付けるステップ;
を更に含む付記18に記載の方法。
(付記20)
前記光信号は、位相変調光信号、周波数変調光信号、及び振幅変調光信号のうちの1つであり、前記変動は、前記光信号における各自の位相変化、周波数変化、又は振幅変化に対応する、付記14に記載の方法。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0060】
【文献】米国特許出願公開第2006/0013591号明細書
【文献】特開平10-276135号公報
図1
図2
図3
図4