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  • 特許-イカ釣り用ヤエン 図1
  • 特許-イカ釣り用ヤエン 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-21
(45)【発行日】2024-01-04
(54)【発明の名称】イカ釣り用ヤエン
(51)【国際特許分類】
   A01K 85/00 20060101AFI20231222BHJP
【FI】
A01K85/00 301B
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2022186080
(22)【出願日】2022-11-22
【審査請求日】2022-11-22
(73)【特許権者】
【識別番号】520037566
【氏名又は名称】杉内 博之
(72)【発明者】
【氏名】杉内 博之
【審査官】田辺 義拓
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-228611(JP,A)
【文献】特開2003-230341(JP,A)
【文献】特開2004-290167(JP,A)
【文献】特開2001-231406(JP,A)
【文献】実開昭52-101779(JP,U)
【文献】登録実用新案第365185(JP,Z2)
【文献】登録実用新案第3226060(JP,U)
【文献】韓国公開実用新案第20-2020-0001212(KR,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 85/00ー85/16
A01K 91/00ー91/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
イカを釣るためのヤエンであって、ヤエンは一端側にハリスへ吊り下がる為の複数のガイドを持つガイド用軸と、他端側に掛け針を持つ二本の掛け針用軸とを、連結部で繋がった状態で備え、前記二本の掛け針用軸は前記連結部の近傍で水平方向に角度30度~180度の範囲内で二股に分かれ且つ前記掛け針との間で交差部を形成するために屈曲していることを特徴とするヤエン。
【請求項2】
前記他端側の前記二本の掛け針用軸同士が前記交差部で大きく垂直方向に離れるのを防止するために、前記交差部に前記二本の掛け針用軸を遊挿されるリング状部材を有することを特徴とする請求項1のヤエン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
イカを釣る釣り具であるヤエンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
生き餌の魚を泳がせてイカが抱きついた後に、ヤエンをハリスに吊り下げて海中に投下しイカを掛けるが掛け針からイカが外れることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-44019
【非特許文献】
【0004】
【文献】2022.11.19インターネット検索<URL:https://www.aorinetshop.jp/product/3 >餌のアジに衝突し閉じる構造である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
掛け針側が二股に分かれたヤエンにおいて、片側にイカが掛かった場合他方の掛け針が追い掛かりすることは少なく大きいイカなどが外れることがある。また複雑な構造でイカを挟み込むヤエンも存在するがヤエン自体の重量が重くなりイカに警戒され、イカにヤエンが到達する前に逃げられることが多いという課題もあり誤作動も起こる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、イカを釣るためのヤエンであって、ヤエンは一端側にハリスへ吊り下がる為の複数のガイドを持つガイド用軸と、他端側に掛け針を持つ二本の掛け針用軸とを、連結部で繋がった状態で備え、前記二本の掛け針用軸は前記連結部の近傍で水平方向に角度30度~180度の範囲内で二股に分かれ且つ前記掛け針との間で交差部を形成するために屈曲していることを特徴とするヤエンである。
【0007】
本発明は、前記他端側の前記二本の掛け針用軸同士が前記交差部で大きく垂直方向に離れるのを防止するために、前記交差部に前記二本の掛け針用軸を遊挿されるリング状部材を有することを特徴とする請求項1のヤエンである。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、イカを釣るためのヤエンであって、ヤエンは一端側にハリスへ吊り下がる為の複数のガイドを持つガイド用軸と、他端側に掛け針を持つ二本の掛け針用軸とを、連結部で繋がった状態で備え、前記二本の掛け針用軸は前記連結部の近傍で水平方向に角度30度~180度の範囲内で二股に分かれ且つ前記掛け針との間で交差部を形成するために屈曲していることを特徴とするヤエンなので、イカが片側の掛け針用軸の掛け針に掛かった場合は片側の掛け針用軸と一端側との間に引き合う力が発生するので、交差部があるために他方の掛け針用軸に近づくように曲がり二本の掛け針用軸でイカを挟み込み外れにくくなる。最初から二本の掛け針用軸が掛かった場合にも挟む効果はある。また二本の掛け針用軸が交差しているだけの簡単な構造であり重量の増加はごくわずかである。さらにはイカが掛かった場合にのみ挟み込むので誤作動もない。
【0009】
本発明は、前記他端側の前記二本の掛け針用軸同士が前記交差部で大きく垂直方向に離れるのを防止するために、前記交差部に前記二本の掛け針用軸を遊挿されるリング状部材を有することを特徴とする請求項1のヤエンなので、イカの引く力で交差部が垂直方向に大きく離れずに安定してイカを挟み込むことが出来る。またリングは遊挿されているので交差部の移動に合わせ移動することが出来るので挟み込みを邪魔しない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は本発明の実施例1を説明する図である。 a)側面から見た図 水平方向なので二本の掛け針軸に見えない b)上方から見た図
図2図2は本発明の実施例2を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
下記の実施例をもって発明を実施するための形態を説明する。
【実施例1】
【0012】
図1は、本発明の実施例1である。ヤエン101は一端側1に二個のガイド2を持つガイド用軸3と、他端側4に多数の掛け針6を持つ二本の掛け針用軸7とを備え、ガイド用軸3と二本の掛け針用軸7とが連結部5で繋がった状態で構成されている。二本の掛け針用軸7は二股に分かれておりその分かれる角度8は水平方向30度~180度の範囲が効果的だが90度程度が挟み込む量が大きく形状の崩れが少ない。また、二本の掛け針用軸7は二股に分かれる部位12と掛け針6の間で交差するために屈曲部10を持つ。二股に分かれる部位12から交差部9までの間隔は1~10cm程度が適している。さらに、掛け針用軸7は細い金属線材0.6~1.0mmにすることで挟み込む量を大きく出来るうえに塑性変形になりにくく、二本の掛け針用軸7を屈曲部10と掛け針6の間で湾曲あるいは屈曲させれば二本の掛け針用軸7同士が平行に近づくことも可能でありイカの大きさに最適化できる。さらには、ガイド用軸3は掛け針用軸7より剛性を高くしておくのが良い。この構造なのでイカが掛かった側の掛け針用軸7に大きい弾性変形が発生し、イカの掛かっていない他方の掛け針用軸7に近づくのでイカを挟み込むことになる。このヤエン101が最大の効果を発揮するには泳がせるアジに鼻掛けしておくのが最も適しており、イカはアジの頭部を抱え込むのでイカに到着した時点でイカの両側から挟み込む準備が出来ていることになる。アジの尾に掛けるやり方でも挟み込む効果はあるがイカに到着した時点ではイカの斜め下にヤエンが位置する。ヤエン101の構造に関して、二本の掛け針用軸7のうち一本はガイド用軸3を延伸して掛け針用軸として使用しても構わない。交差部9もガイド用軸3を延伸し構成しても効果が得られるのは言うまでもない。
【実施例2】
【0013】
図2は交差部9にリング11を備えた実施例2の拡大図である。その他構成は実施例1に同じである。二本の掛け針用軸7が交差している交差部9にリング11があり、リング11は二本の掛け針用軸7が遊挿されているので掛け針用軸7の変形に合わせ移動できる。リング11の内径は3~10mmの範囲が適切であり小さすぎるとスムーズに移動できなくなり、大きすぎると二本の掛け針用軸7同士が大きく離れてしまい挟み込みが上手くいかなくなる。
【符号の説明】
【0014】
1 一端側
2 ガイド
3 ガイド用軸
4 他端側
5 連結部
6 掛け針
7 掛け針用軸
8 角度
9 交差部
10 屈曲部
11 リング
12 二股に分かれる部位
101 ヤエン
【要約】
【課題】 二股の掛け針軸を有するヤエンは片方の掛け針軸にイカが掛かった場合、残る他方の掛け針軸で十分に挟めずに掛かり方が弱くなってしまいイカが外れてしまう。また、二股の掛け針軸で挟み込むために複雑な部品を追加してあるヤエンも存在するがヤエン自体の重量が重くなりイカに警戒されヤエン到着前に逃げられる。そのうえ挟み込みの誤作動も起こる。シンプルな構造でヤエンを重くせず、挟み込む掛かり方を強化し、誤作動のないヤエンを開発する課題がある。
【解決手段】 本発明のヤエン101は、二股に分かれた二本の掛け針軸7が掛け針6との間で交差していることによって片方の掛け針軸にイカが掛かった場合、他方の掛け針軸に近づく変形が起こりイカを効果的に挟み込める。また、二本の掛け針軸を交差させるだけのシンプルな構造なので重量増加が小さくイカが掛かった場合にのみ作動する。よって、課題を解決できるヤエンになっている。
【選択図】図1
図1
図2