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特許7407899分散データベースを有する医療装置システム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-21
(45)【発行日】2024-01-04
(54)【発明の名称】分散データベースを有する医療装置システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 40/40 20180101AFI20231222BHJP
【FI】
G16H40/40
【請求項の数】 13
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022198045
(22)【出願日】2022-12-12
(62)【分割の表示】P 2021015123の分割
【原出願日】2016-06-22
(65)【公開番号】P2023036686
(43)【公開日】2023-03-14
【審査請求日】2022-12-23
(31)【優先権主張番号】1550885-6
(32)【優先日】2015-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】501473877
【氏名又は名称】ガンブロ・ルンディア・エービー
【氏名又は名称原語表記】GAMBRO LUNDIA AB
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ぺルソン、ローランド
(72)【発明者】
【氏名】ホブロ、ストゥーレ
(72)【発明者】
【氏名】ニルソン、ロゲル
(72)【発明者】
【氏名】レーフグレン、ペール
(72)【発明者】
【氏名】リデル、ペーテル
【審査官】梅岡 信幸
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-520593(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
A61B 5/00- 5/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
腎臓疾患治療システムであって、
分散データベースと、
前記分散データベースとともに動作し、前記分散データベースに関連して使用されるローカルエリアネットワーク(「LAN」)を介して互いにデータ通信する複数の腎臓疾患治療機械であって、
前記腎臓疾患治療システムは、処置出力データを収集するために前記腎臓疾患治療機械と相互作用する集中サーバを備えず、前記腎臓疾患治療機械は、互いに直接通信するように構成されている、複数の腎臓疾患治療機械と
各腎臓疾患治療機械に関係付けられた論理インプリメンタであって、システムの各腎臓疾患治療機械が周期的に、(i)処方入力パラメータ又は処置出力データのうちの少なくとも1つを他の腎臓疾患治療機械のそれぞれに送出し、(ii)処方入力パラメータ又は処置出力データのうちの少なくとも1つを他の腎臓疾患治療機械のそれぞれから検索するように、各論理インプリメンタは、前記分散データベースにアクセスするようにプログラミングされている、論理インタプリタと、
LANを介して分散データベースと通信し、前記腎臓疾患治療システムの各腎臓疾患治療機械にデータを送信するセンサである医療機器であって、各センサから送信されるデータは、当該センサを識別する識別子を有し、前記腎臓疾患治療システムは、前記センサの性能を監視するように構成されており、バックエンドコンピュータ又は前記腎臓疾患治療機械のうちの1つ以上は、各センサからのデータを解析するアルゴリズムを実行し、前記アルゴリズムは、センサの読み取り値における傾向に基づいて決定された範囲に含まれない読み取り値を出力する前記センサを識別するためのものであり、このようなセンサが識別されたならば、前記バックエンドコンピュータ又は前記1つ以上の腎臓疾患治療機械は、前記腎臓疾患治療システムの各腎臓疾患治療機械に、このようなセンサからの読み取り値を受容しないように及び/又は臨床医に前記センサを再較正させる又は交換させるフラグをたてるように当該腎臓疾患治療機械に通知するフラグを送信する、医療機器と、を備え、
前記論理インプリメンタのうちの少なくとも1つは、システムの他の腎臓疾患治療機械のそれぞれに、前記処方入力パラメータ又は前記処置出力データのうちの少なくとも1つを周期的にプッシュするように構成されており、
前記論理インプリメンタのうちの少なくとも1つは、システムの他の腎臓疾患治療機械のそれぞれから、前記処方入力パラメータ又は前記処置出力データのうちの少なくとも1つを周期的にプルするように構成されている、腎臓疾患治療システム。
【請求項2】
前記センサは、体重計を含み、診療所に提供された前記体重計は、処置の前及び後に各患者を計重するために使用され、
前記分散データベースは、前記センサへの接続をサポートし、前記センサからの情報を共有し、患者の体重は、
・計重される前記患者のレコードを各機械が保持することを理由として、前記分散データベースの各機械に送信され、
・前記患者がその日に処置された特定の機械に送信され、そして、処置の後に、前記特定の機械から前記分散データベースの各機械に後から送信され、又は
・前記患者がその日に処置された前記機械へ運ばれたデータ記憶デバイスに記憶され、そして、処置の後に、前記特定の機械から前記分散データベースの各機械に後から送信される、請求項1に記載の腎臓疾患治療システム。
【請求項3】
前記腎臓疾患治療機械のそれぞれは、複数の患者のそれぞれについて、前記処方入力パラメータ又は処置出力データのうちの少なくとも1つと同じものを記憶するように更新される、請求項1又は2に記載の腎臓疾患治療システム。
【請求項4】
前記腎臓疾患治療機械は、プラグ・アンド・プレイ・タイプのものであり、前記腎臓疾患治療機械は、ユーザセットアップ又はコンフィギュレーションなしで前記腎臓疾患治療システムに接続し、前記腎臓疾患治療システム上でデータを共有する、請求項1乃至3のいずれかに記載の腎臓疾患治療システム。
【請求項5】
前記複数の腎臓疾患治療機械のいくつかは、第1の製造者によって提供され、前記複数の腎臓疾患治療機械の他のいくつかは、第2の製造者によって提供され、前記第1及び第2の製造者の前記腎臓疾患治療機械が互いに通信できるようにするインターフェースを含む、請求項1乃至4のいずれかに記載の腎臓疾患治療システム。
【請求項6】
前記(i)処方入力パラメータ又は(ii)処置出力データのうちの少なくとも1つは、(iii)技術入力データ、(iv)技術出力データ、又は、(v)管理データのうちの少なくとも1つとともに、前記分散データベースを介して共有される、請求項1乃至5のいずれかに記載の腎臓疾患治療システム。
【請求項7】
処方入力パラメータ又は処置出力データを周期的に送出すること、及び、検索することは、
リアルタイムで、数秒で、数分で、時間ごとで、日ごとで、週ごとで、月ごとで、処置の最後に、処置日の最後に、又は、処置シフトの最後に、のうちの少なくとも1つにおいて行うことを含む、請求項1乃至6のいずれかに記載の腎臓疾患治療システム。
【請求項8】
前記分散データベースを介して、前記腎臓疾患治療機械間でオペレーティング・ソフトウェアを共有するようにさらに構成されている、請求項1乃至7のいずれかに記載の腎臓疾患治療システム。
【請求項9】
前記分散データベースは、第1の分散データベースであり、前記腎臓疾患治療システムは第2の分散データベースを含み、前記複数の腎臓疾患治療機械の少なくとも1つの前記論理インプリメンタは、前記第2の分散データベースにアクセスするようにプログラミングされている、請求項1乃至8のいずれかに記載の腎臓疾患治療システム。
【請求項10】
システムの各腎臓疾患治療機械は、その少なくとも1つの処方入力パラメータ又は処置出力データを周期的に、ハッシュ値の比較を介して検証するようにプログラミングされている、請求項1乃至9のいずれかに記載の腎臓疾患治療システム。
【請求項11】
システムの複数の腎臓疾患治療機械は、それらの少なくとも1つの処方入力パラメータ又は処置出力データを周期的に同期するようにプログラミングされている、請求項1乃至10のいずれかに記載の腎臓疾患治療システム。
【請求項12】
同期は、レコード識別、ハッシュ値、又は、タイムスタンプのうちの少なくとも1つの比較を介して実行される、請求項11に記載の腎臓疾患治療システム。
【請求項13】
システムの前記腎臓疾患治療機械の少なくとも1つは、システムの異なる腎臓疾患治療機械について前記処方入力パラメータ又は処置出力データのうちの少なくとも1つを示す、少なくとも1つのサマリスクリーンを表示するようにプログラミングされている、請求項1乃至12のいずれかに記載の腎臓疾患治療システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的にコンピュータネットワークに関連する。さらに特に、本開示は、液体にポンプ作用する医療装置のためのコンピュータネットワークに関連する。
【背景技術】
【0002】
血液透析(「HD(Hemodialysis)」)は、一般的に患者の血液から老廃物を取り除くために拡散(diffusion)を使用する。血液と、透析物と呼ばれる電解質溶液の間の半透過性の透析装置に渡って生じる拡散勾配は、拡散を引き起こす。血液濾過(「HF(Hemofiltration)」)は、患者の血液からの毒素の対流輸送に依存する代替的な腎臓移植治療である。この治療は、処置の間に体外回路に対して液体を(このような液体の典型的に10から90リットル)置換又は交換を付加することによって達成される。置換液体と、処置間に患者によって蓄積された液体は、HF処置の過程に渡って限外濾過されて、伝達性の輸送メカニズムを提供し、これは、中間及び大きな分子を除去する際に特に有益である(血液透析において、透析セッション間で得られた流体とともに除去された少量の老廃物があるが、その限外濾過の除去からの溶質牽引(solute drag)は、典型的に対流クリアランスを提供するのには十分でない)。
【0003】
血液診断法(「HDF(Hemodiafiltration)」)は、対流と拡散クリアランスを結合する治療モダリティである。HDFは、標準血液透析と同様に、拡散クリアランスを提供する透析装置を通して透析物を流す。さらに、置換溶液は、対流クリアランスを提供する体外回路に直接提供される。
【0004】
上記のモダリティは、透析機械によって提供される。機械は、センターにおいて又は患者の家において提供され得る。センターにおいて提供された透析機械は、複数の患者に対して一日に複数回使用される。処方入力データが処置の前に透析機械に入力される一方、処置出力データが処置の間と後に透析機械から収集される。患者の処置がどのように進行するかを経時的に追跡するために、データは診療所にとって有用であり、処置が必要に応じて修正され得る。特定の機械がどのように実行しているかを見るのにもデータは有用である。例えば、データが、特定の機械が異なる患者において、複数の処置に渡って同じ理由から警告していることを示す場合、診療所は、問題は患者にあるのではなく、機械にあるのだということを決定し得る。データは、請求及び返金目的の基礎としても有用である。データは、処置を通してどの位多くの異なる薬品や溶液(例えば、ヘパリンやマグネシウム)と消耗品が消費されたかを追跡でき、その後診療所が消費された物品について適切な金額についての請求や返金が可能となる。
【0005】
複数の処置を通して複数の透析機械から処置データを収集する集中サーバを据え付けることが知られている。中央サーバが提示する欠点は多くある。まず、中央サーバは結果として、かなりのハードウェアとインストールコストが必要となる。次に、中央サーバは、インストールして維持するために、大量のコンピュータ経験を要求する。多くの診療所は、単純に集中データシステムのための情報技術(「IT」)サポートを有さない。多くのケースにおけるこれらの欠点は、結果として、診療所は、自動化されたデータ収集システムを使用せず、代わりにデータを手動で収集することになり、これは時間を消費しエラーを起こしやすい。例えば、多くのバックエンドソフトウェアシステムは、透析機械から切断され、手動で、及び空間と時間両方においてポイント・オブ・ケア(point of care)からかけ離れて、透析関連情報を扱っており、これは時間を消費し失敗を起こしやすい。このタイプ及び他のタイプのデータ収集が機械と処置により近く実行され得る場合、これは有利である。
【0006】
したがって、医療装置のための改善されたデータネットワークシステムのための必要性が存在する。
【発明の概要】
【0007】
本開示は、血液透析(「HD」)、血液濾過(「HF」)、血液診断法(「HDF」)、腹膜透析(「PD(peritoneal dialysis)」)、分離されたUF(「UF」)、及び、持続的腎代替治療(「CRRT(continuous renal replacement therapy)」)、緩徐持続的限外濾過(「SCUF(slow continuous ultrafiltration)」)、持続的静静脈血液透析(「CVVHD(continuous veno-venous hemodialysis)」)、持続的静静脈血液濾過(「CVVH(continuous veno-venous hemofiltration)」)、持続的静静脈血液透析濾過(「CVVHDF(continuous veno-venous hemodiafiltration)」)を実行する腎臓疾病治療システム及び方法のような、医療装置のための分散データベースシステム及び方法を提供する。したがって、ここで使用される「腎臓疾病治療」は、(CRRTの、SCUF、CVVHD、CVVH及びCVVHDFバージョンを含む)HD、HF、HDF、PD、UF及びCRRTのうちのいずれか1つ以上又は全てを含むように意味される。本開示は、主に腎臓疾病治療システムに焦点を当てるが、これらに限定されるものではない。ここで記述されるネットワークシステム及び方法は、(例えば、静脈(「IV(intravenous)」)ポンプ、注射器ポンプ、大容量ポンプ(「LVP’s(large volume pumps)」)シャトルポンプ、蠕動(peristaltic)IVポンプ、及びこれらの任意の組み合わせを含む)薬物送出ポンプのような他の医療装置、及び、任意のアフェレーシス機械に適用する。
【0008】
1つの主要な実施形態において、本開示の分散データベースシステムは、診療所又は他のグループ設定又はクラスタにおいて位置付けられた複数の腎臓疾病治療機械間で形成されたローカルエリアネットワーク(「LAN」)を含み、ここにおいて分散データベースシステムは、中央サーバ、データベース、バックボーンネットワーク、又は、診療所のワイドエリアネットワーク(「WAN」)とインターフェースする必要がない。実際、分散データベースシステムのネットワークは、診療所のバックボーンネットワークであり得る。分散データベースシステムは、独立型であり、システムを主催する機能性のうちの全ては、各透析装置内で提供され得る。各腎臓疾病治療機械は、メモリ装置で動作する制御プロセッサを有し、これは次にケーブルを介して又は無線で分散データベースシステムと通信する。
【0009】
分散データベースシステムの1つの主要な実施形態は、ネットワークルータを有するLANを使用し、LANがこのようなルータを使用する必要はないことが正しく認識されるべきである。代わりに、LANは、代替的に、アドホックネットワークや電力線ネットワークのような異なるタイプのネットワークであり得る。ここで使用されるように、LANは、ネットワークルータタイプ、イーサネット(登録商標)タイプ、無線タイプ、アドホックタイプ、電力線タイプ、当業者にとって既知である他のもの、将来開発される他のもの、及びこれらの組み合わせを含む。
【0010】
分散データベースシステムの機械は、1つの実施形態において医学的に関連付けられた同じデータにそれぞれアクセスでき、ここで医学的に関連付けられたデータは、(i)処方入力パラメータ又はデータ(例えば、機械動作パラメータ)、(ii)処置出力データ(例えば、除去されたUF、移動された総血液量、消費された総透析物液体量、消費されたヘパリン量、アラーム、及び処置効率測定Kt/V、等)、(iii)技術的な入力データ(例えば、較正、アラーム制限、等)、(iv)技術的な出力データ(例えば、実際のコンポーネント使用、センサ測定、等)、及び(V)管理データ(例えば、在庫データとスタッフデータ)を含むが、これらに限定されない。一般的に、データ(i)と(ii)は、患者の処置を経時的に評価するのに有用である一方、データ(iii)と(iv)は、特定の機械がどのように実行しているかを評価するのに有用である。データ(V)は、臨床医がスムーズに効率的に実行するのを助ける。
【0011】
処方入力パラメータは、任意の及び全ての流体フローレート、圧力アラーム制限、容量、温度、伝導性、投与量、処置時間等、分散データベースシステムの任意の機械上で実行された1つ以上の処置の間に使用される設定も含み得る。処方入力パラメータは、患者がとるように想定された任意の薬物と、患者が処置に関連して使用するように想定された任意の補給品、例えば任意の医療送出薬物、ヘパリンのような抗凝血剤、マグネシウム、エポゲンのようなエリスロポイエチン刺激剤(「ESA」)、鉄分補給品、カリウム補給品、使用される重曹、使用される酸濃度、使用される透析装置等をさらに含み得る。
【0012】
処置出力データは、分散データベースシステムの機械上で実行された処置の間に実際に達成された、例えば実際の流体フローレート、圧力、処置流体容量、温度伝導性、透析又はドラッグ、処置時間、UF容量等、任意の及び全ての感知された又はレコードされたデータでもあり得る。処置出力データは、処置の間に生成された任意のアラームやアラートをさらに含み得る。さらに、処置出力データは、血圧、患者の体温、患者の体重、患者のグルコースレベルのような任意の生理学上のデータとともに、処置の間にレコードされた吐き気、頭のふらつき、眠気等の主観的な感覚を含み得る(機械(例えば透析や薬物送出機械)によって又は1つ以上の遠隔の感知機器において感知された任意の生理学上のデータを含む。)。
【0013】
各機械は、分散データベースシステム上で、医学的に関連付けられたデータを他の機械にブロードキャストできる。以下で議論されるように、オペレータは、診療所の任意の患者と任意の他の機械の状態に関する情報を取得するために、分散データベースシステムの任意の機械を使用できる。しかしながら、分散データベースシステムの各機械は、システムの全てのデータへの又は他の機械の各々と同じデータへのアクセスを有する必要はなく、機械又は機械のグループが、システムの医学的に関連付けられた全てよりも少ないデータへのアクセスを代わりに有することができるようにすることが正しく認識されるべきである。
【0014】
分散データベースシステムは、非常に大量のメモリ記憶装置でさえ比較的安価であるという事実を使用する。分散データベースシステムはしたがって、各機械が、そのメモリ装置において記憶された同じ又は事実上同じデータを有するように、いくつかの周期的なベース上で又はリアルタイムで、機械のデータの少なくとも一部をコピーする。リアルタイムである場合、進行中の処置が中断されないように、分散データベースシステムは、あるタイプのデータのみを分配することに限定され得る。例えば、第1の機械で患者に付き添う看護師が、アラームが第2の機械で生じているのを第1の機械で見ることができるように、機械はアラーム情報を分配することのみに限定され得る。例において、機械は後ほど、処置が完了された後に、それらの大量処置出力データを交換し得る。
【0015】
リアルタイムのデータ共有は、第1の機械で看護師や臨床医が分散データベースシステムの他の機械に関する処置データを取得できるように、代替的により広範囲である。例えば、臨床医が迅速に全ての進行中の処置の状態をビューできるようにする、臨床医のサマリスクリーンを提供することが考えられる。例えば、医療装置の主な処置スクリーンは、押されたときに臨床医を臨床医のサマリスクリーンに導く「診療所サマリ」ボタンを提供できる。いったんそのスクリーンにおいて、臨床医が機械の現在の状態(例えば、実行している、休止された、アラーム状態のもと、又は、使用されていない)、経過された処置時間、残っている処置時間、収集されたUFの量、アラーム履歴、及びこれに類するもののような、分散データベースシステムの他の機械の各々についてのリアルタイム、又は、当日の情報を迅速に見ることができる。
【0016】
システムは、複数のサマリスクリーンを提供し得る。例えば、医療装置の主な処置スクリーンは、「サマリ」ボタンを提供でき、これは押されたとき、例えば「診療所サマリ」ボタン、「患者サマリ」ボタン、「在庫保存サマリ」ボタン、「スタッフサマリ」ボタンのような複数のサマリボタンを有するスクリーンにユーザをつなげる。「患者サマリ」ボタンは、押されたときに(診療所の全てについて、又は、それらの現在進行中の処置のみについて)患者のリストに導き得、ここにおいて、リスト上の任意の患者名を押すことは、その患者専用のスクリーンにつなげる。したがって、看護師又は臨床医は、分散データベースシステムにおける任意の機械から、専用患者スクリーンに到達できる。「在庫保存サマリ」ボタンは、押されたときに、供給品名、それぞれのどの位多くが在庫中の供給品であり、各供給品のどの位多くが入荷待ちであるかをリストに挙げる在庫サマリスクリーンにつなぎ得る。「スタッフサマリ」ボタンは押されたときに、診療所に関係付けられた全ての臨床医、看護師及び医師、その中の誰が現在診療所にいるか、彼らのシフト時間、彼らの技術的専門、及びこれに類するものをリストに挙げる「スタッフサマリ」スクリーンにつなぎ得る。
【0017】
「在庫サマリ」及び「スタッフサマリ」スクリーンは、分散データベースシステムに接続された異なる機械又は他の機器全てが、どのように同じデータを共有しなくてもよいかの良い例である。ここで、1つ以上のバックエンドコンピュータは、例えば毎日の終わりに、在庫サマリ及び/又はスタッフサマリ情報を更新するのに使用され得る。1つ以上のバックエンドコンピュータは、その更新された在庫サマリ及び/又はスタッフサマリ情報を、分散データベースシステムのそれぞれの機械と共有できるが、しかしながら、1つ以上のバックエンドコンピュータは、上でリストに挙げられた医学的に関連付けられたデータの他のタイプへのアクセスを有する必要はなく、これは機械に提供され、機械から受信される。
【0018】
サマリ情報は、リアルタイムの情報であり得る、又はあり得ない。例えば、臨床医サマリスクリーンは、例えば、分散データベースシステムを用いる機械上で処置されている異なる患者についての処置出力データのリアルタイムのデータ移行を伴い得る。在庫サマリ情報は他方で最新であり得るが、詳報である必要はない。例えば、1つの実施形態において、情報は、透析装置が在庫からプルされるときにすぐには更新されないが、代わりに、その日の終わりに更新され、その日の間に使用された透析装置の総数が在庫から減算される。
【0019】
1つの実施形態において、看護師又は臨床医のようなユーザは、記述されたばかりのサマリ情報を含む本開示の分散データベースの任意の情報をレビューするために、認証されるための識別を入力して、許可を受け取らなければならない。例えば、上で議論されたサマリスクリーンは、選択されたときにまず、ユーザ識別とパスワード入力ボックスを提示する。許可されたユーザ名とパスワードの入力後にのみ、要求する看護師又は臨床医は、患者識別可能なデータを見ることができる。
【0020】
1つの実施形態において、腎臓疾病治療機械は、プラグ・アンド・プレイ・タイプのものであり、任意のユーザセットアップやコンフィギュレーションなしで(又はほとんどなしで)、機械が分散データベースシステムに自動的に接続してシステム上でデータを共有できる。処置データを共有することの他、本開示の分散データベースシステムはまた、各機械が最新のソフトウェアを有し、最新のソフトウェアで動作することを共有又は確認する。ソフトウェア更新が機械の1つ以上で提供された場合、機械は、臨床医によって許可された場合、分散データベースシステムの全ての機械に対してソフトウェア更新を伝播することができる。実施形態において、ソフトウェア更新は、機械が処置を実行していない間、その日の最後に実行される。多くのケースにおいて、機械は、一日の終わりに、休止、スリープ、ハイバネーション、あるいはオフラインモード又は状態(「ハイバネーション状態」)に入る。ソフトウェア更新を有する機械は、分散データベースシステム又はクラスタの全ての機械がソフトウェア更新を受信できるように、ハイバネーション状態にある任意の機械を起こす。
【0021】
ある例において、分散データベースシステムの腎臓疾病治療機械は、例えば機械的なサービス又は更新、洗浄等のためにシステムから切断され得る。このようなケースにおいて、切断された機械は、分散データベースシステムでオンラインに戻され、機械が分散データベースシステム又はクラスタの他の機械とともに完全に最新になるように、機械は任意の失ったオペレーティング・ソフトウェアと処置データを記憶するように更新される。
【0022】
分散データベースシステムは、単一のタイプ又は製造者の機械のみを含み得る。代替的に、分散データベースシステム又はクラスタは、異なるタイプ及び/又は製造者の医療装置を含み得る。例えば、分散データベースシステム又はクラスタは、製造者X、Y及びZによって提供された腎臓疾病治療機械を含み得る。アダプタ、仲介コンピュータ又はインターフェースは、製造者YとZによって提供された機械が(i)互いに通信して、(ii)製造者Xの機械と通信するように提供されることが考えられる。アダプタ、仲介コンピュータ又はインターフェースはまた、製造者X、Y及びZのそれぞれの機械が、ここで議論されたデータ更新を受信するための適切な処理とメモリを有することを確認する。
【0023】
データを共有するための分散データベースシステムの機械について考えられたさまざまな基本モードがある。第1の基本モードにおいて、機械は、それらの新たに要求されたデータを、他の機械に対して「プッシュ」する。ここで、機械は分散データベースシステムの他の機械にそれらのデータを交替で送る。特に、1つの「プッシュ」実施形態における機械は、秒、分、時間、シフト又は処置日ごとの終わりのような、指定された時間期間の終わりにおいて、それらの患者又は処置データを交代で送る。例えば、分散データベースシステムの各機械は、分散データベースシステムにおいて10の機械があると仮定して、列番号、例えば1/10、2/10、3/10・・・10/10、を与えられ得る。機械がデータを共有する時間が到来したとき、機械1/10は、そのデータを機械2/10乃至10/10に送る。機械1/10が完了したとき、機械2/10は、機械10/10がそのデータを機械1/10乃至9/10に送るまで、そのデータを機械1/10及び3/10乃至10/10に送る。最後に、全ての10の機械は、1つおきのクラスタの機械からのデータを有する。
【0024】
別の「プッシュ」実施形態において、機械のうちの1つは、ハブ機械として動作する一方、分散データベースシステムの他の機械はスポークスとして動作する。ここで、1つ以上のクラスタの機械、例えば、機械1/10は、全ての他の機械2/10乃至10/10からのデータを受信する。機械2/10乃至10/10はそれぞれ、ハブ機械1/10によって要求されたシーケンスにしたがって、それらのそれぞれのデータを送り得る。ハブ機械1/10は、その後、データがハブ機械1/10に送られる順序で、機械2/10乃至10/10からのデータを記憶する。いったんハブ機械1/10が、分散データベースシステム又はクラスタの全ての他の機械からのデータで完全に更新されると、機械1/10は、機械1/10のデータを含む総計されたデータを、分散データベースシステム又はクラスタの全ての他の機械2/10乃至10/10に送り、これは再び、ハブ機械1/10によって要求されたシーケンスにしたがい得る。再び、最後に、全ての10の機械は、分散データベースシステムの一つおきの機械からのデータを有するはずである。
【0025】
分散データベースシステムの機械がデータを共有する別の基本モードは、各機械が、システムの全ての他の機械から任意の新たなデータを「プル」するためのものである。ここで、データをプッシュすることとは対照的に、分散データベースシステムの各機械は、それが送出するための任意の新たなデータを有するか否かをシステムの機械に互いに尋ねる。そうするために、要求する機械は、機械が互いにどのデータを送ったかについてレコードをとり続け得る。要求する機械は、送出機械のデータのどれが既に送出されたのかを送出機械に伝える。送出機械はその後、任意の付加的なデータがあるかどうかに注目し、そうであれば、送出機械は要求機械に新たなデータを送出する。交換セッションの終わりにおいて各機械が完全に更新されるように、分散データベースシステムの各機械は交代で要求機械になる。
【0026】
さらなる基本モードにおいて、機械は、それらが同じデータを共有することを確実にするために、「プッシュ・プル」ルーチンを実行できる。例えば、「プッシュ」ルーチンは、分散データベースシステムの他の機械のそれぞれに、機械のそれぞれからの新たなデータをプッシュするように実行され得る。プッシュは、例えば新たなデータが生成されたとき又は指定された間隔で、例えば一日又はシフトに一度、実行され得る。「プル」ルーチンは、任意の2つの機械の記憶されたデータを比較するために使用され得、それらがマッチすることを確認する。例えば、機械が分散データベースシステムに対してオンラインに戻ったとき、これは、システムの他の機械によってオフラインの間に生成された任意の新たなデータをキャプチャするために、「プル」ルーチンを実行し得る。「プル」ルーチンはまた、周期的に、例えば日ごとに又はシフトごとに実行され得る。「プル」ルーチンにおいて、2つの機械はデータを比較して、互いからプルして、最後において、2つの機械が最も最近の同じデータを有することを確認するために、最も最近のデータを選択する。この「プル」ルーチンは、分散データベースシステムの機械の全ての対の間で、いくつかの周期的なベース上で行われる。ここでの前提は、分散データベースの機械の全ての対が同じデータを有する場合、その後分散データベースの全ての機械は同じデータを有することである。
【0027】
「プッシュ」と「プッシュ・プル」ルーチンは、多くの異なる方法で実現され得る。例えば、「プッシュ」は、蓄積されたプッシュであり得る。例えば、分散データベースシステムは、12の機械、1/12乃至12/12を含む。各機械がそれ自体の個々の新たなデータプッシュを行う場合、その後機械ごとに11プッシュがあり、12の機械によって乗算されて総計して132プッシュがある。別の実施形態において、各機械はパートナーを有し、例えば機械1/12+2/12、3/12+4/12、5/12+6/12、7/12+8/12、9/12+10/12、及び11/12+12/12は、6つの機械対を生成する。各対は、12の新たなデータプッシュ、すなわち、お互いに2つの個々のプッシュ、加えて、対の外側の他の機械のそれぞれにさらに10の集合的なデータプッシュを要求する。ここで、対ごとの12のデータプッシュを6対で乗算すると、72の総データプッシュだけに等しくなる。さらなる実施形態において、各機械は三つ組(trio)で動作し、例えば機械1/12+2/12+3/12、4/12+5/12+6/12、7/12+8/12+9/12、及び10/12+11/12+12/12は、総計4つの三つ組を作成する。各三つ組は、15の新たなデータプッシュ、お互いの6の個々のプッシュ、加えて三つ組の外側の各機械にさらに9の集合的なデータプッシュを要求する。ここで、三つ組ごとの15のデータプッシュを4つの三つ組で乗算すると、総計60のデータプッシュだけに等しくなる。この同じ方法で、同じ12の機械を3つの四つ組に再びグループ化することは、総計60の新たなデータプッシュ(四つ組ごとの12の新たなデータプッシュが3つの四つ組によって乗算される)を生み出す。興味深いことに、同じ12の機械を2等分された組にグループ化することは、結果として、総計72の新たなデータプッシュ(2等分された組ごとの36の新たなデータプッシュが2等分された組によって乗算される)になる。したがって、分散データベースにおける任意の総数の機械について、(より少ないデータプッシュはより良いということに関して)最適な1つ以上のグループ化があり得る。
【0028】
どのデータが送出されたかを追跡するために、データ、又はデータのパケットを、タグデータ又はメタデータで割り当てることが考えられる。実施形態において、タグデータ又はメタデータは、固有の識別子(「ID」)、ハッシュ値(hash sum)、及びタイムスタンプを含む。固有のIDは、新たなデータの特定の断片(通常、データのアレイ)が生成される特定の機械と機械中のシーケンスを識別する。ハッシュ値は、新たなデータの実際のコンテンツ(例えばアレイ)を識別又は表す。タイムスタンプは、新たなデータが生成された時間をマークする。2つの機械が同期されたとき、機械はまずそれらが各他の固有のIDのそれぞれを有するかどうかに注目する。機械Xの固有の識別子が機械Yにおいて失われている場合、対応する新たなデータと全てのメタデータは機械Yにコピーされ、また、逆も同様となる。任意の2つの固有のIDはマッチするが、対応するハッシュ値が異なる場合、その後、各機械XとYにおける記憶装置について、最も最近のタイムスタンプを有するハッシュ値が選択される。この方法で機械Yがオフラインにされる、又は何日間も永続的にハイバーネートしている場合、機械Yは戻る際に機械Yがオフラインであった時間の間に生成された任意の失われた新たなデータを検索するために、分散データベースシステムの他の機械の各々と同期手続を行うことができる。
【0029】
ここで議論されたことは、分散データベースシステムの機械が、それらの共有されたデータの完全性を周期的に点検するための、及び、それが破損された場合にデータを訂正するための方法である。同様に、データが1つの機械から別のものに正しく転送されたか否かを点検するための方法はここで議論される。両方のケースにおいて、点検は、データの1つ以上の部分について算出されたハッシュ値の比較を介して行われ得る。
【0030】
ここで議論された実施形態のいずれかにおいて、分散データベースシステムの腎臓治療機械又は他のタイプの医療機械は、遠隔コンピュータ又は診療所のネットワークにおいて、記憶装置についてLANの内又は外側で、データと状態情報を、機械製造者又は他の所望のエンティティに送り得る。例えば、データは、分散データベースのLAN又は他の部分が損害を受けるケースに備えて、バックアップの目的で遠隔に記憶され得る。データは、解析、例えば平均化、トレンディング、供給チェーン解析、又は供給順序解析のために遠隔にアーカイブされ得る。データはまた、分散データベースシステムに対してデータ記憶負荷を減らす又は緩和するために、遠隔にアーカイブされ得る。すなわち、ある古さを超えたデータが、分散データベースシステム上で各患者について保存された進行中の傾向に組み込まれ、LANの内側又は外側でコンピュータ又はネットワーク上で遠隔にアーカイブされ、最後に、新たな患者データのための記憶空間をフリーにするために、分散データベースシステムの機械からパージされることが考えられる。
【0031】
分散データベースシステムは、センサ、モニタ、解析器、他の医療機器、及び実験設備のような感知機器に対する接続性もサポートする。例えば、診療所で提供される体重計は、処置の前と後に各患者を計重するのに使用され得る。各機械は、計重されている患者のレコードを保持しているので、患者の体重は、例えば有線又は無線で分散データベースシステムの各機械に送られ得る。代替的に、患者の体重は、例えば無線で、患者がその日処置された機械に送られ得、その後特有の機械から分散データベースシステムの各機械に、処置の後に送られ得る。あるいは、患者の体重は、データ記憶装置、例えばフラッシュドライブ上で記憶され、患者がその日処置された機械に送られ得、その後特有の機械から分散データベースシステムの各機械に処置の後に送られ得る。血圧測定装置とグルコース・センサのような他のセンサからのデータは、同じ方法でレコードされて分配され得る。
【0032】
分散データベースシステムはまた、センサ、モニタ、解析器、他の医療機器、及び実験設備の性能を監視して、これらのいずれかが誤った読み取りを与えることになり得るかどうかを報告し得る。例えば、システムは、各センサ、モニタ、解析器、又は他の医療機器からのデータを解析するアルゴリズムを実行するバックエンドコンピュータを有し得る。アルゴリズムは、例えば、通常よりもより高く又はより低く患者を読み取る傾向がある感知機器を探すために、センサ、モニタ等からの読み取りにおける傾向を探し得る。このような感知機器の部分が識別された場合、バックエンドコンピュータは、分散データベースシステムの各機械にフラグを送り、このような感知機器からの読み取りを受容しないか、及び/又は、臨床医に機器を再較正させる又は交換させるようにフラグをたてることを、機械に通知する。したがって、特定の診療所が2つ以上のスケール(又は他のセンサ)を使用する場合、各スケール又はセンサから送られたデータは、感知機器の部分を識別する識別子を有し得ることが正しく認識されるべきである。さらに、システムが、感知機器、例えば体重計や血圧モジュールの不適当に働く部分を見つけた場合、システムは、機器の特定の部分から、過去において同様の破損データがあったがどうかに戻って注目するようにプログラミングされ得る。いずれのケースにおいても、医療液体ポンプ送出とともにデータを共有するように、本開示の分散データベースシステムに対して、任意の感知機器に接続することが考えられる。
【0033】
これまでバックエンドコンピュータが複数回言及されてきた。代替的な実施形態において、任意の1つ以上のバックエンドコンピュータが取り除かれて、その機能が分散データベースシステムの1つ以上の医療機械で代わりに実行されることが考えられる。例えば、上で議論された在庫サマリ及び/又はスタッフサマリ情報を更新するために使用される1つ以上のバックエンドコンピュータ、又は感知機器のためのバックエンドコンピュータによって実行される機能性は、分散データベースシステムのうちの1つ以上(又は、全ての)医療機械の処理とメモリによって代わりに提供され得る。この方法で、限定された又はバックエンドのないコンピューティングを有する診療所は、これらのバックエンドコンピュータに関して記述された利益を享受することができる。このようなバックエンドコンピューティングを有する診療所は、このようなコンピューティングを本開示の分散データベースにも活用できる。本開示の分散データベースシステムは、(i)任意のバックエンドコンピューティング能力なしで、(ii)既存のバックエンドコンピューティング能力で、又は、(iii)既存のバックエンドコンピューティング能力から独立して、動作し得ることが考えられる。
【0034】
分散データベースシステムは、その腎臓疾病治療又は他の医療機械からの、臨床医、医師、看護師又は他の許可された人のモバイル機器又はパーソナルコンピュータへのデータ送信もサポートする。実施形態において、外部のモバイル機器又はパーソナルコンピュータへの任意の送信のレコードが維持される。1つの実施形態において、分散データベースシステム中で記憶されたデータは、モバイル機器又は遠隔のパーソナルコンピュータ上でアクセスされ(読み取られ)得るが、モバイル機器又は遠隔パーソナルコンピュータ上で記憶されない、又はこれらの装置から転送される。
【0035】
ここで明記された技術的な特徴を踏まえて、限定的ではないが、第1の態様において、医療装置システムは、分散データベースと、分散データベースで動作する複数の医療装置と、各医療装置に関係付けられた論理インプリメンタと、を含み、ここにおいて、システムの各医療装置が周期的に、(i)処方入力パラメータ又は処置出力データのうちの少なくとも1つを他の医療装置のそれぞれに送出し、(ii)処方入力パラメータ又は処置出力データのうちの少なくとも1つを他の医療装置のそれぞれから検索するために、各論理インプリメンタは、分散データベースにアクセスするようにプログラミングされる。
【0036】
別途別途指定されない限り、ここで記述された他の任意の態様とともに使用され得る第2の態様において、医療装置は、分散データベースに関して使用されるローカルエリアネットワーク(「LAN」)を介して互いにデータ通信する。
【0037】
別途指定されない限り、ここで記述された他の任意の態様とともに使用され得る第3の態様において、医療装置のそれぞれは、複数の患者のそれぞれについて、処方入力パラメータ又は処置出力データのうちの少なくとも1つと同じものを記憶するように更新される。
【0038】
別途指定されない限り、ここで記述された他の任意の態様とともに使用され得る第4の態様において、医療装置と分散データベースは、集中サーバと相互作用しない。
【0039】
別途指定されない限り、ここで記述された他の任意の態様とともに使用され得る第5の態様において、医療装置は、第1及び第2の製造者によって提供され、第1及び第2の製造者の医療装置が互いに通信できるようにするインターフェースを含む。
【0040】
別途指定されない限り、ここで記述された他の任意の態様とともに使用され得る第6の態様において、(i)処方入力パラメータ又は(ii)処置出力データのうちの少なくとも1つは、(iii)技術入力データ、(iv)技術出力データ、又は、(v)管理データのうちの少なくとも1つとともに、分散データベースを介して共有される。
【0041】
別途指定されない限り、ここで記述された他の任意の態様とともに使用され得る第7の態様において、分散データベースは、体重計、血圧測定装置、グルコース・センサ、生理学センサ、心電図装置、水処理機器、ベッドスケール、アクセス切断装置、生体インピーダンス測定装置、pHセンサ、臨床試験機器、血液サンプル解析器、又は、アクセスフロー測定装置、からなるグループから選択された少なくとも1つの医療機器からの情報も共有する。
【0042】
別途指定されない限り、ここで記述された他の任意の態様とともに使用され得る第8の態様において、分散データベースは第1の分散データベースであり、体重計、血圧測定装置、グルコース・センサ、生理学センサ、心電図装置、水処理機器、ベッドスケール、アクセス切断装置、生体インピーダンス測定装置、pHセンサ、臨床試験機器、血液サンプル解析器、又は、アクセスフロー測定装置、からなるグループから選択された少なくとも1つの医療機器からの情報を共有する第2の分散データベースを含む。
【0043】
別途指定されない限り、ここで記述された他の任意の態様とともに使用され得る第9の態様において、処方入力パラメータ又は処置出力データを周期的に送出すること、及び、検索することは、リアルタイムで、数秒で、数分で、時間ごとで、日ごとで、週ごとで、月ごとで、処置の最後に、処置日の最後に、又は、処置シフトの最後に、のうちの少なくとも1つにおいて行うことを含む。
【0044】
別途指定されない限り、ここで記述された他の任意の態様とともに使用され得る第10の態様において、論理インプリメンタのうちの少なくとも1つは、システムの他の医療装置のそれぞれに、処方入力パラメータ又は処置出力データのうちの少なくとも1つを周期的にプッシュするように構成される。
【0045】
別途指定されない限り、ここで記述された他の任意の態様とともに使用され得る第11の態様において、論理インプリメンタのうちの少なくとも1つは、システムの他の医療装置のそれぞれから、処方入力パラメータ又は処置出力データのうちの少なくとも1つを周期的にプルするように構成される。
【0046】
別途指定されない限り、ここで記述された他の任意の態様とともに使用され得る第12の態様において、システムは、分散データベースを介して、医療装置間でオペレーティング・ソフトウェアを共有するようにさらに構成される。
【0047】
別途指定されない限り、ここで記述された他の任意の態様とともに使用され得る第13の態様において、分散データベースは、第1の分散データベースであり、これは第2の分散データベースを含み、ここにおいて、複数の機械の少なくとも1つの論理インプリメンタは、第2の分散データベースにアクセスするようにプログラミングされる。
【0048】
別途指定されない限り、ここで記述された他の任意の態様との組み合わせにおいて使用される第13の態様とともに使用され得る第14の態様において、分散データベースのうちの1つは、リアルタイムデータ・データベースである。
【0049】
別途指定されない限り、ここで記述された他の任意の態様との組み合わせにおいて使用される第13の態様とともに使用され得る第15の態様において、分散データベースのうちの1つは、管理データ・データベースである。
【0050】
別途指定されない限り、ここで記述された他の任意の態様とともに使用され得る第16の態様において、システムの各医療装置は、その少なくとも1つの処方入力パラメータ又は処置出力データを周期的に検証するようにプログラミングされる。
【0051】
別途指定されない限り、ここで記述された他の任意の態様との組み合わせにおける第16の態様とともに使用され得る第17の態様において、検証は、ハッシュ値の比較を介して実行される。
【0052】
別途指定されない限り、ここで記述された他の任意の態様とともに使用され得る第18の態様において、システムの複数の医療装置は、それらの少なくとも1つの処方入力パラメータ又は処置出力データを周期的に同期するようにプログラミングされる。
【0053】
別途指定されない限り、ここで記述された他の任意の態様との組み合わせにおける第18の態様とともに使用され得る第19の態様において、同期は、レコード識別、ハッシュ値、又は、タイムスタンプのうちの少なくとも1つの比較を介して実行される。
【0054】
別途指定されない限り、ここで記述された他の任意の態様とともに使用され得る第20の態様において、システムの医療装置の少なくとも1つは、システムの異なる医療装置について処方入力パラメータ又は処置出力データのうちの少なくとも1つを示す、少なくとも1つのサマリスクリーンを表示するようにプログラミングされる。
【0055】
別途指定されない限り、ここで記述された他の任意の態様とともに使用され得る第21の態様において、医療装置システムは、複数の医療装置と、複数の医療装置の間で複数の医療装置によって生成される又は使用される第1のデータを共有する第1の分散データベースと、複数の医療装置の間で複数の医療装置によって生成される又は使用される第2のデータ、(ii)第2の複数の医療装置の間で第2の複数の医療装置によって生成される又は使用される第2のデータ、又は、(iii)医療機器によって生成される又は使用される第2のデータ、を共有する第2の分散データベースと、を含む。
【0056】
別途指定されない限り、ここで記述された他の任意の態様との組み合わせにおける第21の態様とともに使用され得る第22の態様において、第1の医療装置のうちの1つと第2の医療装置のうちの1つは、同じ患者に対して処置を提供するように構成される。
【0057】
別途指定されない限り、ここで記述された他の任意の態様との組み合わせにおける第21の態様とともに使用され得る第23の態様において、第1の医療装置のうちの1つと医療機器のうちの1つは、同じ患者に対して処置を提供するように構成される。
【0058】
別途指定されない限り、ここで記述された他の任意の態様との組み合わせにおける第21の態様とともに使用され得る第24の態様において、第1の医療装置は、第1のグループの患者に処置を提供するためのものであり、第2の医療装置は、第2のグループの患者に対して処置を提供するためのものである。
【0059】
別途指定されない限り、ここで記述された他の任意の態様とともに使用され得る第25の態様において、医療装置は、少なくともの1つの医療液体ポンプと、ポンプ入力パラメータを受容してポンプ出力データを生成するように、少なくともの1つの医療液体ポンプを操作する論理インプリメンタと、を含み、論理インプリメンタは、(i)分散データベースを介して、ポンプ入力パラメータ又はポンプ出力データのうちの少なくとも1つを複数の他の医療装置と共有し、(ii)分散データベースを介して、複数の他の医療装置からポンプ入力パラメータ又はポンプ出力データの少なくとも1つを周期的に受信するようにプログラミングされる。
【0060】
別途指定されない限り、ここで記述された他の任意の態様との組み合わせにおける第25の態様とともに使用され得る第26の態様において、論理インプリメンタは、分散データベースを介して、ポンプ入力パラメータ又はポンプ出力データのうちの少なくとも1つを他の医療装置と同期するようにプログラミングされる。
【0061】
別途指定されない限り、ここで記述された他の任意の態様との組み合わせにおける第26の態様とともに使用され得る第27の態様において、論理インプリメンタは、ポンプ入力パラメータ又はポンプ出力データのうちの少なくとも1つを他の医療装置のそれと同期するために、それ自体のハッシュ値を他の医療装置のうちの1つの対応するハッシュ値と比較するようにプログラミングされる。
【0062】
別途指定されない限り、ここで記述された他の任意の態様との組み合わせにおける第25の態様とともに使用され得る第28の態様において、論理インプリメンタは、他の医療装置における、他の医療装置の対応するハッシュ値との比較のために、ポンプ入力パラメータ又はポンプ出力データのうちの少なくとも1つについてのハッシュ値を、他の医療装置のうちの1つに送るようにプログラミングされる。
【0063】
別途指定されない限り、ここで記述された他の任意の態様との組み合わせにおける第25の態様とともに使用され得る第29の態様において、論理インプリメンタは、そのポンプ入力パラメータ又はポンプ出力データのうちの少なくとも1つを検証するようにプログラミングされる。
【0064】
別途指定されない限り、ここで記述された他の任意の態様との組み合わせにおける第29の態様とともに使用され得る第30の態様において、検証は、新たに算出されたハッシュ値を、ポンプ入力パラメータ又はポンプ出力データのうちの少なくとも1つについての以前に確立されたハッシュ値と比較することを含む。
【0065】
別途指定されない限り、ここで記述された他の任意の態様との組み合わせにおける第2の態様とともに使用され得る第31の態様において、LANはネットワークルータを含む。
【0066】
別途指定されない限り、ここで記述された他の任意の態様との組み合わせにおける第2の態様とともに使用され得る第32の態様において、LANは、有線又は無線である。
【0067】
別途指定されない限り、ここで記述された他の任意の態様とともに使用され得る第33の態様において、装置のシステムは、医学的に関連付けられたデータから少なくとも1つの処置レコード傾向を生成するように構成される。
【0068】
別途指定されない限り、ここで記述された他の任意の態様とともに使用され得る第34の態様において、システム又は装置は、ある古さで又はある古さの後に、あるいは、規制上の理由のために、データを除去するように構成される。
【0069】
別途指定されない限り、ここで記述された他の任意の態様とともに使用され得る第35の態様において、システム又は装置は、医療装置のそれぞれが処置を完了した後に、医学的に関連付けられたデータを送出するように構成される。
【0070】
別途指定されない限り、ここで記述された他の任意の態様とともに使用され得る第36の態様において、システム又は装置は処置の間に、医学的に関連付けられたデータを送出するように構成される。
【0071】
別途指定されない限り、ここで記述された他の任意の態様とともに使用され得る第37の態様において、システム又は装置は、医学的に関連付けられたデータ送出についてのハイバネーションモードから、医療装置のうちの少なくとも1つを起こすように構成される。
【0072】
別途指定されない限り、ここで記述された他の任意の態様とともに使用され得る第38の態様において、システム又は装置は、医療機器のうちの1つが他の医療装置とのデータ通信に戻った際に、医療装置のうちの1つに医学的に関連付けられたデータの複数日分を送出するように構成される。
【0073】
別途指定されない限り、ここで記述された他の任意の態様とともに使用され得る第39の態様において、システム又は装置は、新たなソフトウェアで自動的に各医療装置を更新するように構成される。
【0074】
別途指定されない限り、ここで記述された他の任意の態様とともに使用され得る第40の態様において、システム医療装置システムは、互いにデータ通信している複数の医療装置と、各医療装置に関係付けられた論理インプリメンタを含み、ここにおいて、各論理インプリメンタは、複数の医療装置を介して処置された複数の患者のそれぞれについて医学的に関連付けられたデータを周期的に記憶するようにプログラミングされる。
【0075】
別途指定されない限り、ここで記述された他の任意の態様とともに使用され得る第41の態様において、医療装置分散データベースシステムは、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)と、LANとデータ通信している複数の医療装置を含み、ここにおいて、複数の医療装置のそれぞれは、医学的に関連付けられたデータを、他の医療装置のそれぞれに、LANを介して周期的に交代で転送する。
【0076】
ここで記述された他の任意の態様との組み合わせにおける第41の態様とともに使用され得る第42の態様において、複数の医療装置のそれぞれは、複数の医療装置が交代で医学的に関連付けられたデータを転送する順序を指示するキュー内の場所を含む。
【0077】
ここで記述された他の任意の態様との組み合わせにおける第42の態様とともに使用され得る第43の態様において、キュー内の第1の医療装置は、周期的なデータの転送を開始する。
【0078】
ここで記述された他の任意の態様との組み合わせにおける第41の態様とともに使用され得る第44の態様において、データの転送は、医療装置での処置の各日の後に生じる。
【0079】
ここで記述された他の任意の態様との組み合わせにおける第41の態様とともに使用され得る第45の態様において、データの転送は、医療装置での処置の間に生じる。
【0080】
別途指定されない限り、ここで記述された他の任意の態様とともに使用され得る第46の態様において、医療装置分散データベースシステムは、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)と、LANとデータ通信している複数の医療装置と含み、ここにおいて、複数の医療装置の第1のものは、医学的に関連付けられたデータを、医療装置の他のもののそれぞれからLANを介して周期的に受信し、他の医療装置のそれぞれにLANを介して集合的な医学的に関連付けられたデータを送るようにプログラミングされる。
【0081】
ここで記述された他の任意の態様との組み合わせにおける第46の態様とともに使用され得る第47の態様において、他の医療装置のそれぞれは、第1の医療装置からの通知を受信する際、そのデータを送る。
【0082】
別途指定されない限り、ここで記述された他の任意の態様との組み合わせにおける第25の態様とともに使用され得る第48の態様において、論理インプリメンタは、分散データベース(10a乃至10f)を介して、ポンプ入力パラメータ又はポンプ出力データの少なくとも1つを、パーソナル通信装置(「PCD」、175)、パーソナルコンピュータ(170)、サーバコンピュータ(180)、又は、医療機器(185)のうちの少なくとも1つと共有するようにさらにプログラミングされる。
【0083】
別途指定されない限り、ここで記述された他の任意の態様との組み合わせにおける第25の態様とともに使用され得る第49の態様において、論理インプリメンタは、分散データベース(10a乃至10f)を介して、パーソナル通信装置(「PCD」、175)、パーソナルコンピュータ(170)、サーバコンピュータ(180)、又は、医療機器(185)の少なくとも1つから、データを受信するようにさらにプログラミングされる。
【0084】
第50の態様において、図1A乃至図11の任意の1つ以上に関連して記述された、特徴、機能性及び代替のうちのいずれかは、図1A乃至図11の他の1つ以上のいずれかに関連して記述された、特徴、機能性及び代替のうちのいずれかと組み合わせられ得る。
【0085】
したがって、中央サーバを要求しない医療装置のための分散データベースシステム及び方法を提供することは、本開示の利点である。
【0086】
任意の患者がシステムの任意の機械を使用できるようにする医療装置のための分散データベースシステム及び方法を提供することは、本開示の別の利点であり、ここにおいて各機械は患者のレコードを有する。
【0087】
臨床医が任意の機械に接近して分散データベースシステム内の任意の患者についてのデータを取得し得る医療装置のための分散データベースシステム及び方法を提供することは、本開示のさらなる利点である。
【0088】
さらに、医療装置の異なるタイプと製造者を取り扱うことができる医療装置のための分散データベースシステム及び方法を提供することは、本開示の利点である。
【0089】
本発明の付加的な特徴及び利点は以下の発明の詳細な説明及び図面において記述され、それらから明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0090】
図1A図1Aは、本開示の分散データベースシステム及び方法の1つの実施形態の概略図である。
図1B図1Bは、本開示の分散データベースシステム及び方法とともに使用するのに適したローカルエリアネットワークの異なる例のタイプを説明する。
図1C図1Cは、本開示の分散データベースシステム及び方法とともに使用するのに適したローカルエリアネットワークの異なる例のタイプを説明する。
図1D図1Dは、本開示の分散データベースシステム及び方法とともに使用するのに適したローカルエリアネットワークの異なる例のタイプを説明する。
図2図2は、本開示の分散データベースシステム及び方法の別の実施形態の概略図である。
図3図3は、本開示の分散データベースシステム及び方法のさらなる実施形態の概略図である。
図4A図4Aは、本開示の分散データベースシステム及び方法を介して転送されたデータについて、メタデータを生成するためのサブルーチンの1つの実施形態を説明する論理フローダイヤグラムである。
図4B図4Bは、本開示の分散データベースシステムの他の機械又は感知機器にデータを送るためのサブルーチンの1つの実施形態を説明する論理フローダイヤグラムである。
図5A図5Aは、本開示の分散データベースシステム及び方法を使用して、異なる機械を同期するためのサブルーチンの1つの実施形態を説明する論理フローダイヤグラムである。
図5B図5Bは、2つの機械間でデータを比較するためのサブルーチンの1つの実施形態を説明する論理フローダイヤグラムであり、サブルーチンは図5Aの論理フローダイヤグラムとともに使用される。
図5C図5Cは、本開示の分散データベースシステムの機械又は感知機器が、そのデータを検証するための1つの実施形態を説明する論理フローダイヤグラムである。
図6A図6Aは、本開示の分散データベースシステム及び方法の各機械がデータを共有することができるようにするための、図4A図4B及び(図5Bを含む)図5Aのサブルーチンを用いる「プッシュ・プル」方法の1つの実施形態を説明する論理フローダイヤグラムである。
図6B図6Bは、本開示の分散データベースシステム及び方法の各機械がデータを共有することができるようにするための、図4A及び(図5Bを含む)図5Aのサブルーチンを用いる「プル」方法の1つの実施形態を説明する論理フローダイヤグラムである。
図7A図7Aは、本開示の分散データベースシステム及び方法の異なる機械上でオペレーティング・ソフトウェアを更新するための「プッシュ」モードの1つの実施形態を説明する論理フローダイヤグラムである。
図7B図7Bは、ユーザが新たなソフトウェア更新のインストールを確認するためのサブルーチンの1つの実施形態を説明する論理フローダイヤグラムであり、サブルーチンは図7Aの論理フローダイヤグラムとともに使用される。
図7C図7Cは、本開示の分散データベースシステム及び方法の異なる機械上でオペレーティング・ソフトウェアを更新するための「プル」モードの別の実施形態を説明する論理フローダイヤグラムである。
図8A図8Aは、押されたときにユーザを診療所サマリスクリーンに導く「診療所サマリ」ボタンの1つの実施形態を説明する、本開示の分散データベースシステムの機械からのスクリーンショットである。
図8B図8Bは、診療所サマリスクリーンの1つの実施形態を説明する、本開示の分散データベースシステムの機械からのスクリーンショットである。
図9】本開示の分散データベースシステム上で記憶されたデータについてのライフサイクルに対する1つの実施形態の図式表示である。
図10図10は、本開示の分散データベースシステム及び方法で動作可能な腎臓疾病治療機械の透析回路の1つの実施形態のフロー回路図である。
図11図11は、本開示の分散データベースシステム及び方法で動作可能な腎臓疾病治療機械の血液回路の1つの実施形態のフロー回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0091】
ここで図面、特に図1に参照すると、分散データベースシステム10の実施形態が説明される。分散データベースシステム10は、複数の医療装置12a乃至12j(医療装置(medical devices)12として集合的に、あるいは医療装置(medical device)12として一般的に個々に、ここで呼ばれる)を含む。医療装置12は、例えば、診療所で、病院で、又は他の医療装置セッティングで、クラスタにグループ化され得る任意のタイプの医療装置であり得る。医療装置12は、例えば薬物送出又は注入ポンプであり得る。分散データベースシステム10のための適切な注入ポンプは、例えば係属中の米国特許出願公開第2013/0336814号(大容量蠕動ポンプ)と、第2013/0281965号(注射器ポンプ)について記述されている。別の実施形態において、医療装置12は、血液透析(「HD」)、血液濾過(「HF」)、血液診断法(「HDF」)、持続的腎代替療法(「CRRT」)、低連続性波動(「SCUF」)、連続的な静静脈吻合(「CVVHD」)、連続的な静静脈血液濾過(「CVVH」)、連続的な静静脈血液透析濾過(「CVVHDF」)機械、及び/又は、腹膜透析(「PD」)のような、任意のタイプの腎臓疾病治療機械である。図10図11は、以下で腎臓疾病治療機械がどのように働くか、及び、特に何のタイプのデータが機械(機械規定パラメータ)をプログラミングするのに必要とされるか、何のタイプのデータ(処置出力データ)を機械が生成するかについて、いくつかのコンテキストを提供する。
【0092】
分散データベースシステム10が図1において装置12a乃至12jとともに示される一方、機械12a乃至12j又は位置12a乃至12jのうちの任意の1つ以上は、代わりに、(以下で説明されるコンピュータ170のような)パーソナルコンピュータ、(以下で説明されるサーバコンピュータ180のような)サーバコンピュータ、又は、(以下で説明される感知機器185のような)任意のタイプの感知又は他の医療機器であり得ることが正しく認識されるべきである。したがって、医療流体機械12が分散データベースシステム10上でデータを共有する優勢なタイプの装置である一方、医療流体機械12a乃至12j又は単純に医療流体機械12がここで参照された場合はいつでも、これらの参照はパーソナルコンピュータ170、サーバコンピュータ180、及び、感知又は他の医療機器185に適用することも意味される。
【0093】
1つの実施形態における分散データベースシステム10は、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)150を使用して動作する。システム10のLAN150は、機械12a乃至12jのクラスタをともに結ぶ。分散データベースシステム10は、図示された10個の機械よりも多い又は少ない機械を含み得る。分散データベースシステム10は、サーバコンピュータ、外部ネットワーク、イントラネット又はインターネットを要求しない。分散データベースシステム10は、完全に自立式であり、インターネット能力が殆どない又は全くないエリア中に、及び、コンピュータインフラストラクチャが殆どない又は全くない設備中に位置付けされる。分散データベースシステム10のLAN150は、有線又は無線の方法で機械に接続する。図1は、両方のシナリオを説明する。有線のシナリオにおいて、LAN150は機械12a乃至12jに有線接続152を介して各機械で接続する。有線接続は、イーサネット・ネットワーク、例えば標準規格IEEE802.3ネットワークのもののような、さまざまな又は別のタイプのユニバーサル・シリアル・バス(「USB」)のものであり得る。
【0094】
代替的な実施形態において、LAN150は無線であり得る。ここで、各機械12a乃至12jは、無線トランシーバ154とともに提供され、(i)LAN150に沿って分散データベースシステム10の他の機械に情報を無線でブロードキャストして、(ii)LAN150に沿って分散データベースシステム10の他の機械から情報を無線で受信する。無線ネットワークは、例えば標準規格IEEE802.11において明らかにされたようなWi-Fiネットワークとして実現され得る。さまざまな異なるWi-Fiプロトコルのうちのいずれか1つ、例えばタイプ「a」、「b」、「g」、「n」、「ac」、及び、「af」のような他の到来プロトコルが使用され得る。代替的に、Bluetooth(登録商標)又はZigBeeのような、Wi-Fiとは異なるプロトコルが使用され得る。
【0095】
図1の例において、分散データベースシステム10の機械12a乃至12d、及び、12f乃至12jは、全て同じタイプ及び製造者のものであるか、又は、そうでなければ互いに直接通信できる。したがって、機械12a乃至12d及び12f乃至12jは、互いに有線又は無線で直接通信すると説明される。他方で分散データベースシステム10の機械12eは、同じ製造者、同じモデルのものではなく、あるいはどんな理由であれ、機械12a乃至12d及び12f乃至12jと直接通信することはできない。例えば、異なる透析機械製造者は、一般的に処置を行うために同じデータ入力を要求して一般的に同じ処置出力データを生成する一方で、データがどのように特に入力されて生成されたかに関して異なる傾向がある。例えば、各透析機械が処置時間を知る必要がある一方、除去されることになる限外濾過(「UF」)容量又はUFゴール、及びUFフローレート、3つのパラメータは関連付けられ、3つのうち2つのみが特定される必要がある。1つの製造者が処置時間とUFゴールを入力するように決定してUFフローレートを算出し得る一方、別の製造者はUFゴールとUFフローレートを設定して処置時間を算出し得る。他の例において、異なる製造者はパラメータを入力して、異なる単位、例えば英国の標準規格対(versus)メートルの単位において処置データを生成する。さらに、異なる製造者は、異なる又は付加的なパラメータ、例えば流体及び食物摂取量とUFについての処置の間に点滴された液体の容量を考慮に入れ得る。
【0096】
異なる機械12eは、上述された製造者又は機械タイプミスマッチに対する1つの解決法を説明する。アダプタ、仲介コンピュータ、又はインターフェース160は、異なる機械12eとともに提供される。ここで、LAN150は、有線接続152又は無線トランシーバ154を介して仲介インターフェース160に接続される。別のデータライン156と有線接続158は、仲介インターフェース160と機械12eの間で行われ得る。あるいは、機械12eのトランシーバ154と仲介インターフェース160の間の別の無線接続は、機械12eがLAN150を介して間接的に他の機械とデータ通信できるように行われる。
【0097】
仲介インターフェース160は、それ自体のビデオスクリーン162、例えばタッチスクリーンやスクリーン上のタッチキーパッドとともに提供され、及び/又は、(図示されていない)それ自体の電気機械的キーボードを有し得る。代替的に、仲介インターフェース160は単純にデータ変換器であり得、ここにおいて、ユーザは、異なる機械12e(例えば異なる製造者)のユーザ制御とビデオスクリーンを介して仲介インターフェース160と相互作用する。仲介インターフェース160は、これが動作する機械に関して位置付けられた別のユニットとして説明される一方、仲介インターフェース160は、代替的に(i)異なる機械12e内に位置付けられた1つ以上のプリント回路基板、(ii)機械12a乃至12d又は12f乃至12jのいずれか内に位置付けられた1つ以上のプリント回路基板、あるいは、(iii)別のサーバ180、又は図2に関して以下で説明されたコンピュータ170上でロードされたソフトウェアである。
【0098】
仲介インターフェース160のためのコンフィギュレーションのいずれかにおいて、分散データベースシステム10の機械の間で分配された情報のうちのいくつか又は全てをインターフェースが記憶できるように、インターフェースがそれ自体のデータ記憶能力を有することが考えられる。実施形態において、バックエンドソフトウェアをホストするバックエンドコンピュータ170(図2)は、仲介インターフェース160として動作できる。コンピュータ170/インターフェース160は、異なる機械12eから到来するデータをスクラブして、分散データベースシステム10の他の機械12へのリンクとして動作し得る。コンピュータ170/インターフェース160は、異なる機械12eを含む機械12のそれぞれについて、センサ出力や実験結果又は他の第3者医療情報のような他のデータをさらにスクラブし得る。
【0099】
仲介インターフェース160は、異なる機械12eが通常、しかしシステム10の見地において、機械12a乃至12d及び12f乃至12jと同じタイプ(例えば、同じ製造者又は同じモデル)のものであるかのように動作するのを可能にする。仲介インターフェース160は、異なる機械12eについて分散データベースシステムから送られたデータが、システム10から機械12a乃至12d及び12f乃至12jに送られたデータと同じであり、異なる機械12eから送られたデータが、機械12a乃至12d及び12f乃至12jから送られたデータとしてLAN150内で同じフォーマットで提供されることを可能にする。
【0100】
上で議論されたように、システム10のLAN150は、機械12a乃至12jのクラスタをともに結ぶ。図1B乃至図1Dは、LAN150についての異なる例のタイプを説明する。図1A図2及び図3の(以下で議論されたLANの150a乃至150dを含む)LAN150は、図1B乃至図1Dにおいて説明された任意のタイプ、及び、今日又は将来開発される当業者に知られている他の任意のタイプのものであり得る。
【0101】
図1Bは、(説明されていない)動的ホストコンフィギュレーションプロトコル(「DHCP」)サーバで動作するネットワーク管理者ルータ140及び/又は無線アクセスポイント142を使用するタイプの形態で、LAN150が提供され得ることを説明する。図1BのLAN150は、動的アドレッシングに加えて、固定アドレッシングを使用するために代替的に構成され得る。DHCP機能性は、ルータ140によって提供され得る。図1Bは、LAN150が有線(機械12aと12b)、無線(機械12c乃至12e)、又は、有線及び無線(データ通信リンク144を介して無線アクセスポイント142に接続されたネットワーク管理者ルータ140)であり得ることを説明する。図1BのLAN150のためのネットワーク動作のこのモードは、「インフラストラクチャモード」と呼ばれ得る。
【0102】
図1Cは、代替的なアドホックネットワークLAN150を説明する。アドホックLAN150は、図1Bとともに上で議論されたネットワーク管理者ルータ140又は無線アクセスポイント142のようなネットワークインフラストラクチャに依存しない分散化ネットワークである。アドホックLAN150の各機械12a乃至12eは、仲介者又は中央ハブなしで、他の機械の各々12a乃至12eに直接情報を送り、及び、他の機械の各々12a乃至12eから直接情報を受信する。図1Cにおいて説明されるように、アドホックLAN150の機械12a乃至12eは、典型的に無線で接続される(が、されなければならないわけではない)。
【0103】
図1Dは、代替的な電力線LAN150を説明する。電力線ネットワークは、ネットワークトラフィック(点線)を機械に付加的に運ぶために、機械12a乃至12dに電力を運ぶAC電力線146を使用する。電力線146、電力線LAN150に対して、機械12a乃至12dの分岐関係に起因して、電力線LAN150は通常、機械12a乃至12dの内外でネットワークトラフィック(点線)を指示するためにネットワーク管理者148を用いる(が、用いなければならないわけではない)。
【0104】
ここで図2を参照すると、分散データベースシステム10の別の実施形態は、それぞれ複数の診療所又は透析センター130a、130b、130c・・・130nに位置付けられた複数の分散データベース10a、10b、10c・・・10nを含む(大きな円は、一般的に、診療所又は透析センターの物理構造を表わす)。診療所130a乃至130c(集合的に診療所(clinics)130、又は、一般的に個々に診療所(clinic)130と呼ばれる)は、共通の医療グループ又はネットワークの一部であり得る、又は、別個及び個々であり得る。機械12(上の機械12a乃至12j・・・12nを参照)は、異なる診療所や透析センターによって異なり得る。例えば、診療所130aのための機械12は、注入ポンプであり得る。診療所130bのための機械12は、LAN150aを介して通信する血液透析機械と、LAN150bを介して通信する腹膜透析機械であり得る。診療所130cのための機械12は、血液透析機械であり得る。3つの診療所130a乃至130cは、ほんの例に過ぎない。分散データベースシステム10で動作する3つより多い、又はより少ない診療所があり得る。
【0105】
診療所130aは、ここで議論された代替のいずれかを含む方法で複数の機械12を調整するために、単一のLAN150で動作する分散データベース10aが装備される。分散データベース10aのLAN150は、LAN内で位置つけられた複数のパーソナルコンピュータ170にも接続される。パーソナルコンピュータ170は、医師、臨床医、看護師、サービスする人々等が、処置の前、間、及び後に(i)分散データベース10a上の情報を見て、(ii)入力して、及び/又は(iii)情報をデータベースに記憶することを可能にする。
【0106】
診療所130aの分散データベース10aのLAN150は、1つ以上のサーバコンピュータ180にも接続される。実施形態におけるサーバコンピュータ180は、機械12上で記憶された情報に対するバックアップとしてサーブする。以下でさらに詳細に議論されるように、分散データベース10aの機械12は、それらが1つのマインド又は同じマインドを有するように、周期的に更新され、全ての機械12が同じデータを記憶するように、各機械が更新されることを意味する。したがって、各機械12a乃至12jは、他の機械12のそれぞれに対するバックアップとしてサーブする。それにも関わらず、サーバ180は、分散データベース10aの各機械12a乃至12jがいくらかダメージを受けるケースにおける付加的な保護として提供され得る。サーバ180は、分散データベース10aのLAN150を介して通信する機械12から除去され得るより古いデータも記憶し得る。例えば、各機械12a乃至12jが診療所130aに関係付けられた患者についての6か月又は1年分に値するデータを記憶するように、分散データベース10aはプログラミングされ得る。時間制限よりも古いデータは、機械12a乃至12jのメモリからパージされる。しかしながらサーバ180は、何らかの理由のために必要とされるケースにおいて、より古いデータを保持し得る。システム10のサーバ180は、代替的に又は付加的に、機械12a乃至12jの間で共有されたデータの一部でない情報を管理する。サーバ180はまた、診療所130cに対して外部のインターフェースを担当し得る。
【0107】
図9に関して以下で議論されるように、進行中又は動いている傾向に対してデータを付加することが考えられる。各機械12a乃至12jが、進行中又は動いている傾向のそれぞれを記憶する。したがって、より古いデータの実際の値が機械12から除去されても、除去されたデータは、傾向の一部として機械内でさらに維持され得る。
【0108】
サーバ180は、例えばイーサネット接続のような有線接続182を介して、あるいは、例えばUTMS、CDMA、HSPA又はLTE(登録商標)といったモバイルインターネット接続のような無線接続182を介して、ワイドエリアネットワーク(「WAN」)又はインターネットに接続され得る。いずれかのケースにおいて、サーバ180で記憶されたデータは、(i)例えば同じネットワーク又はグループの透析センターのような他の透析センター130b、130c、のサーバ180、(ii)例えば、コンピュータ170a乃至170eのような外側パーソナルコンピュータ170、(iii)スマートフォン、タブレットコンピュータ、ページャー、及びこれに類するもののようなパーソナル通信デバイス(「PCD’s」)175、及び、(iv)例えば、透析センター130a乃至130cのグループ又はネットワークのための中央制御センターのような中央ハブ190と、共有され得る。外側サーバ180、パーソナルコンピュータ170a乃至170e、PCD’s175、及び、システム10の中央ハブ190のそれぞれは、無線又は有線接続182を介して、説明された実施形態においてWAN又はインターネットに接続する。サーバ180を迂回するか又は提供せず、システム10の機械12が、スマートフォンやタブレットのようなパーソナル通信デバイス(「PCD’s」)175とともに、パーソナルコンピュータ、ページャー、プリンタ、ファクシミリ機械、スキャナ、これらの組み合わせ及びこれに類するもののような他のデータ共有機器と直接通信するのを可能にすることも考えられる。
【0109】
診療所130a乃至130c内側のパーソナルコンピュータ170は、1つの実施形態においてそれらのそれぞれの診療所に特有の情報にアクセスすることが制限される。外側コンピュータ170a乃至170eは、複数の診療所130a乃至130cからのデータにアクセスできるかもしれず、あるいは、単一の診療所又は診療所のグループ専用であり得る。外側コンピュータ170a乃至170eは読み取り専用であって、診療所130a乃至130cに関係付けられたデータを記憶及び/又は修正することができないかもしれない。
【0110】
中央ハブ190は、診療所130a乃至130cのそれぞれにおいて説明されたような、診療所内の任意の1つ以上のサーバコンピュータ180(180a、180b)と有線又は無線で通信できる。代替的に又は付加的に、中央ハブ190は、診療所130aにおいて説明されたように診療所内の任意の1つ以上のLAN150と有線又は無線で直接通信できる。説明された実施形態における中央ハブ190は、それ自身のサーバコンピュータ180を有し、これは無線又は有線のインターネット接続182を介してWAN又はインターネットに接続する。中央ハブ190は、透析センター130a乃至130cのサーバ180に対して付加的なデータバックアップであり得る。中央ハブ190は、代替的に又は付加的に、複数の透析センター又は医療診療所130a乃至130cに渡るデータ傾向と平均を追跡し得る。中央ハブ190はまた、在庫追跡及び履行のような他の義務も実行できる。したがって中央ハブ190は、機械12の製作者と、その関連付けられた供給と関係付けられた工場の一部である、又はそれと共同して働き得ることが考えられる。サーバ180を迂回して、在庫バランス情報(例えば、透析装置、限外濾過装置、濃縮器、消毒液、血液セット等)、請求又は経済的処理情報、及び/又は、異なる患者に関する実験データ(例えば、重炭酸塩、カリウムレベル等)について、システム10の機械12がハブ190と直接通信できるようにすることがさらに考えられる。
【0111】
診療所又は透析センター130bは、同じ診療所又は透析センター内に位置付けられた2つ以上のLAN150aと150bでそれぞれ動作する2つ以上の分散データベース10bと10cが装備される。上に与えられた例において、診療所130b内に位置付けられた機械12は、分散データベース10bのLAN150aを介して通信する血液透析機械と、分散データベース10cのLAN150bを介して通信する腹膜透析機械であり得る。別の例において、診療所130b内に位置付けられた機械12は、分散データベース10bのLAN150aを介して通信する第1の製作者の血液透析機械と、分散データベース10cのLAN150bを介して通信する第2の製作者の血液透析機械であり得る。さらなる例において、診療所130b内に位置付けられた機械12は、分散データベース10bのLAN150aを介して通信する第1の医療送出ポンプと、分散データベース10cのLAN150bを介して通信する第2の医療送出ポンプであり得る。分散データベース10bと10cの別のLAN’s150aと150bは一般的に、共通の入力パラメータと出力データを有する機械をグループ化する。分散データベース10bと10cのLAN’s150aと150bはまた、地理的な位置に基づいて別離され得、例えば、LAN’s150aと150bはそれぞれ、同じタイプの機械12で動作し得るが、それらが診療所130bの異なる空間又はエリアで位置付けされているので分離される。
【0112】
PCD’s175は、モバイルインターネット接続(例えばUTMS、CDMA、HSPA又はLTE)、あるいは、当業者に知られているような衛星プロトコルを使用するWAN又はインターネットを通して、サーバ180(180a、180b)、中央ハブ190、パーソナルコンピュータ170、他のPCD’s、及び、場合によっては直接機械12と、通信する。PCD’s175は、医師、臨床医、看護師によって(例えば、診療所又は透析センター130a乃至130cの内側又は外側に)運ばれ得る。患者はまた、(i)彼らの現在の処置又は履歴に関するフィードバックを提供するため、(ii)自己評価のため、及び/又は、(iii)看護師や臨床医に対して、現在の処置の間又は後続の処置についてのいずれかに回答するための質問を尋ねるために、例えば処置の間、PCD’s175を使用し得る。
【0113】
PCD’s175とパーソナルコンピュータ170を介した分散データベース10bと10cの機械12において記憶されたデータへのアクセスは、パスワードで保護され得る。分散データベース10bと10cの機械12で記憶されたデータを、患者識別されたデータと患者識別されていないデータに分離して、任意の患者識別されたデータへのアクセスを制限することも考えられる。例えば、患者識別されたデータは、診療所130a乃至130c内で位置付けられて、分散データベース10a乃至10dの特定のLAN150に関係付けられた医師、看護師又は臨床医に限定され得る。他方、識別されていないデータは、機械がどのように実行するかを監視するために、及び/又は、予防的更新を実現するために、診療所130a乃至130cの外側に位置付けられた人々、例えば、診療所に又は機械12の製造とそれらの供給に関係付けられたマーケティングの人々、技術サービスを担当するスタッフ、及び、機械12の製造者に対して利用可能であり得る。製造者と関係付けられた上述されたスタッフと従業員は、例えば中央ハブ190に位置付けられ得る。
【0114】
患者識別されたデータと患者識別されていないデータのカテゴリの間でさえ、分散データベースシステム10がカテゴリー内でデータアクセスレベルを制限することが考えられる。例えば、患者識別されたデータのカテゴリーのもとで、患者が低いアクセスを有する(例えば、彼ら自身のデータに限定される)一方、医師が高いアクセスを有し、臨床医と看護師が中間のアクセスを有する場合、高い、中間、及び低いアクセスレベルがあり得る。管理者は、適宜、アクセスレベルを維持して修正するように割り当てられ得る。適切なアクセスレベルがログインの際に自動的に確立されるように、1つの実施形態において、医師、臨床医、看護師及び患者のパスワードに対してアクセスレベルが結びつけられている。医師、臨床医、看護師及び/又は患者が機械のいずれかにログインして、適切なアクセスのレベルに制限され得るように、アクセスレベルは機械12にも適用される。
【0115】
説明された実施形態における診療所又は透析センター130bの分散データベース10bと10cの各LAN150aと150bは、WAN又はインターネット接続182を有するそれ自体のサーバコンピュータ180(180a、180b)に接続する。分散データベース10bと10cの各LAN150aと150bはまた、パーソナルコンピュータ170との通信を可能にする。診療所130bについて説明された少なくとも1つのパーソナルコンピュータ170は、LAN’s150aと150bの両方を介して分散データベース10bと10cと通信できる。診療所又は透析センター130bはまた、分散データベース10bとのみ通信するサーバコンピュータ180aと、LAN’s150aと150b両方を介して分散データベース10bと10c両方と通信する第2のサーバコンピュータ180bを含む。サーバコンピュータ180aと180bは、WAN又はインターネット接続182を有し得る、又は有し得ない。
【0116】
診療所又は透析センター130bはまた、機械12kのような1つ以上の機械が、複数の分散データベース10bと10cで動作できることも説明する。異なる分散データベース10bと10cにおいて同期されたデータは異なり得、これは異なるタイプのデータでもあり得る。例えば、分散データベース10bは、医療処置情報を共有するために使用され得る一方、分散データベース10cは、機械設定情報、例えば機械の言語、又は機械のユーザインターフェース出現のような、バックエンド情報を共有するのに使用される。図3とともに詳細に議論されるように、(データベース10bのような)主な処置情報分散データベースの各機械はまた、(データベース10cのような)別の分散データベースの一部であり得る。
【0117】
診療所又は透析センター130cは、複数の医療機械12をサポートする単一のLAN150を有する分散データベース10dが装備される。診療所130c内に位置付けられたパーソナルコンピュータ170は、LAN150を介して互いにデータ通信に置かれる。上述された機能性のいずれかを有するサーバコンピュータ180aと180bは同様に、LAN150を介して分散データベース10dとのデータ通信に置かれる。したがって、任意の分散データベース又はここで議論されたLANは、2つ以上のサーバコンピュータ180に接続され得る。
【0118】
診療所130cはまた、感知装置又は他の医療機器185が、イーサネット、Wi-Fi又はBluetooth接続のような有線又は無線接続182を介して、LAN150を介した分散データベース10dとも通信し得ることを説明する。感知装置又は医療機器185は、例えば診療所130cのLAN150の機械12の患者によって使用される体重計であり得る。各患者は、彼自身又は彼女自身を処置の前及び/又は後に計重する。それらの重さはその後、患者が処置のためにその日使用する機械12に、例えば患者が処置のためにその日使用するように決定する又は要求する機械12に、LAN150を介して有線又は無線で送信される。患者は、体重測定が行われて特定の機械12がマッチングされ得るように、例えば彼又は彼女の識別カードをスキャンするか、又は、体重計と機械12の両方でID番号を入力し得る。代替的に、センサ読み取りは、患者がその日使用する機械12が1つ以上のセンサからの読み取りを求めた後に、感知機器185(例えば、体重計又は血圧測定装置)で記憶される。
【0119】
さらに代替的に、感知機器185は、分散データベース10dの全ての機械12に読み取りを送る。ここで、1つの実施形態において、重さの値は、例えば特定の患者についてのレコード又はファイルで機械中に記憶される。
【0120】
上述された方法論のいずれかは、特定の機械12に対する血圧測定装置185からの読み取りにマッチングするように使用され得る。上述された方法論のいずれかは、グルコースモニタからのグルコース測定を特定の機械12に対してマッチングするのにも使用され得る。診療所130a乃至130cのいずれかは、このような機器185を使用する又は用いることができる。機器185は、緊急治療室又は透析センターに関係付けられた任意の生理学上の感知機器、例えば、心電図(「ECG」)、水処理機器、ベッドスケール、アクセス切断装置、生体インピーダンス測定装置、pHセンサ、実験試験機器、血液サンプル解析装置、及び/又は、PCD175上に記憶された心理的状態アプリケーションを含み得る。
【0121】
感知機器185は、感知専用でない機器である必要はない代わりに、例えばUSB接続、電気接続、空気接続(例えば、空気圧力測定装置)を介して、ケーブル又は無線で(例えば、Bluetooth、Wi-Fi又はZigBeeを使用して)、機械12専用の感知機器の1つ以上の部分であり得る。ここで感知機器データ185は、機械12上で処置される患者に関係付けられ、ここで記述された分散データベースシステム10を介して他の機械に対してアクセス可能にされる。
【0122】
図2の分散データベースシステム10が複数のサーバコンピュータ180、パーソナルコンピュータ170、PCD’s175、及び中央ハブ190を説明する一方、これらの装置のうちのいずれも、システム10を維持するために必要でないことが正しく認識されるべきである。分散データベースシステム10の分散データベース10a乃至10dの機械12のそれぞれは、LANの他の機械12のそれぞれと同じデータを記憶するように周期的に更新される。サーバコンピュータ180、パーソナルコンピュータ170、PCD’s175及び中央ハブ190は、更新を実行するように要求されない。代わりに、例えば、パーソナルコンピュータとPCD’s175は、機械12分散データベースシステム10上で記憶されたデータをビューするのに使用され得る一方、パーソナルコンピュータ170、サーバコンピュータ180及び中央ハブ190は、データバックアップ、トレンディング及び/又は解析のために使用され得る。
【0123】
診療所130cはまた、LAN150に沿って存在しない機械12lを説明し、したがって分散データベース10dの一部ではない。しかしながら、分散データベース10dの全ての機械12の集合的なデータが更新される時間に、いつでも機械12lが分散データベース10dの一部になり得るので、機械12lは、依然として、本開示の分散データベースシステム10全体の一部である。その間に、局所的に記憶された処方パラメータ等、及び、最新でないかも知れないオペレーティング・ソフトウェアを使用して、切断された機械12lで処置が実行される。システム10は、機械12lのユーザにその状況を気付かせることができる。
【0124】
ここで図3を参照して、分散データベースシステム10は、さらに説明される。図2における診療所130bの機械12kに関連して上述されたように、各機械12は、複数の分散データベースの一部であり得る。図3において、機械12aと12bは、LAN’s150aと150bでそれぞれ動作する分散データベース10aと10bに所属する。機械12cと12dは、LAN’s150aと150cでそれぞれ動作する分散データベース10aと10cに所属する。機械12eは、LAN’s150bと150dでそれぞれ動作する分散データベース10bと10dに所属する。機械12fは、LAN’s150cと150dでそれぞれ動作する分散データベース10cと10dに所属する。代替的な実施形態において、任意の1つ以上の機械12は、3つ以上の分散データベースに所属し得る。
【0125】
分散データベース10a乃至10dは、機械又は装置タイプによって同様にグループ化され得る。例えば、機械12a乃至12dは、薬物送出ポンプ(drug delivery pumps)又はIVポンプであり得る一方、機械12eと12fは、酸素付加器、又は、グルコース監視のような感知機器といった他のタイプの装置である。分散データベース10bは、2つのIVポンプ12aと12c及び酸素付加器12eに接続された第1の患者専用であり得る。分散データベース10cは、2つのIVポンプ12cと12d及びグルコースモニタ12fに接続された第2の患者専用であり得る。患者データベース10bと10cは、それぞれ、例えば、ポンプ12a、12bを操作して第1の患者のために酸素付加器12eを組み込むため、及び、ポンプ12c、12dを操作して第2の患者のためにグルコースモニタ12fを組み込むため、共通の処方をそれぞれ有し得る。分散データベース10aは、複数の患者に渡ってIVポンプデータを共有する一方、分散データベース10dは、複数の患者に渡って酸素付加器12eとグルコースモニタ12fデータを共有する。データベース10aと10dのような分散データベースは、したがって、患者、類似の機械のグループ、又は、類似の機能性のグループ、例えば生理的感知専用である。
【0126】
複数の分散データベース10a乃至10dに所属する機械12は、システム10全体が、1つの分散データベース10a乃至10dにおいて、例えばソフトウェア更新とソフトウェアコンフィギュレーションといった医療関連データを共有できるようにする一方、別の分散データベース10a乃至10dにおいて、例えば処方入力データと処置出力データといった医療データを共有できるようにする。そのように行うことは、異なる分散データベースが異なるように管理されることができるようにし、例えば1つの分散データベースシステムはリアルタイムのデータベースである一方、例えばシフト又は営業日の終わりに別の分散データベースが設定された間隔で更新され得る。
【0127】
異なる分散データベース10a乃至10dは、異なるタスクを実行でき、結果として、非常に柔軟なシステム10全体となる。図3において、機械12e乃至12fが血液透析(「HD」)を実行している間、例えば機械12a乃至12dは血液透析濾過(「HDF」)を実行していると仮定する。分散データベース10aはしたがって、処方パラメータを提供し、HDFについての処置出力データを収集する一方、分散データベース10dはHDについて同じことを行う。分散データベース10bと10cはその後、機械グループ12a、12b、12e及びグループ12c、12d、12fそれぞれの間のいくつかの共通性に基づいてデータを共有するのに使用される。例えば機械グループ12a、12b、12eは、機械グループ12c、12d、12fとは異なる言語又はユーザインターフェースの外観を有し得る。分散データベース10b及び10cは、このような異なる言語又はユーザインターフェースの外観を提供して追跡する。
【0128】
あるいは、機械グループ12a、12b、12e及びグループ12c、12d、12fは、異なるリアルタイムデータが監視されることを要求し得る。例えば、機械グループ12a、12b、12eは、患者のあるカテゴリー、例えば幼児専用であり得、ここにおいて、作動圧力制限は非常に厳密に監視されなければならない。
【0129】
図3のシステム10は、データベース10bと10cがリアルタイムのアラーム分散データベースになることを可能にし、これは、メインの処置分散データベース10aと10dとは分離しており、したがってこれを遮ることができない。分散データベース10bはまた、特殊化された共有リアルタイムアラーム目的で、機械グループ12c、12d、12f(例えば、通常の大人の機械グループ)についての分散データベース10cの共有リアルタイムアラームから、別の、例えば幼児の機械グループ12a、12b、12eを分離することができる。
【0130】
リアルタイムアラームデータ(これは、複数の分散データベースシナリオに限定されず、本出願においてどこか他で記述される。)は、看護師と臨床医が、異なる部屋、壁の反対側、又は、診療所の他の端で生じるアラームを見ることができるようにする。アラームの表示は、どの機械12がアラームを発しているかの表示を有するユーザインターフェース14の角における小さな脈動するアイコン(図8A図8B図10を参照)と同じくらい単純であり得る。看護師又は臨床医は、どのタイプのアラームが生じているかについてさらなる情報を知るためにアイコンを押すことができる。アイコンは、(i)多く要求するアラームと(ii)多く注意警告するアラームについて、2つ以上のタイプであり得る。代替的に、複数のアイコンは、例えばアラームのタイプを示すための数、例えば、数1を有するアイコン=血液漏出アラーム、数2を有するアイコン=UFレートアラーム、数3を有するアイコン=静脈圧アラーム等で提供される。
【0131】
図3の機械12a乃至12f内部に図示された円のそれぞれは、機械内の同じメモリ18の機械又は別のエリア内の異なるメモリ18(図10を参照)を表わし得る。分散データベース10aと10dは、同じ又は異なる回数で、図4A乃至図7に関して以下で議論された同じ又は異なる方法のいずれかにしたがって更新され同期され得る。リアルタイムデータはまた、「開始」から「終了」までのフローダイヤグラムを通して単一回のみ実行する代わりに、主要な差異とともに図4A乃至図6Bに関して以下で議論された方法にしたがって共有され得、これは通常処置について(例えば日の終わりに)実行され、リアルタイムデータについてのループは、新たな関連するリアルタイム、例えばアラーム、データを探すための所望の頻度で、図4A乃至図6Bの方法の少なくとも1つにおいて「終了」から「開始」に循環する。
【0132】
システム10がリアルタイムデータ共有を可能にすることが考えられる一方、システムが、このような共有に関するセーフガードを実現することも考えられる。例えば、実施形態において、新たなソフトウェアをダウンロードして機械12をサーブするようなある機能は、機械12が処置を実行していないとき、例えばサービスモード、ハイバネーションモード、又は別の方法でディセーブルされているとき、処置の後にのみ行われ得る。機械が動作しているが、患者が接続されていないとき、消毒モードの間にある付加的なデータを転送する可能性があり得る。しかしながら、患者が接続されたとき、システム10は、処置を遮る又は患者を悩まし得る任意のデータを転送しないように気を付けるように操作され得る。
【0133】
実施形態において、リアルタイム処置データは、任意の機械12中に永続的に記憶されない。例えば、リアルタイムデータは、その場で詳細に記述されたサマリスクリーンにおいて見えるように処置が進行中である限り記憶され、又は、週、複数週又は月のようなより長い期間記憶され得る。任意の機械12a乃至12jの処置が完了されたとき、又は、リアルタイムのデータ記憶期間が満了したとき、そのリアルタイムデータはパージされ得る。全てのリアルタイム処置データを永続的に記憶することは、メモリをあまりにも迅速にいっぱいにし得る。一般的に、永続的に記憶される値は、トータルの値、平均値(average values)、中間値(mean values)、又は、他の組み合わされた又は静的に関連する値である。
【0134】
異なる分散データベース10a乃至10dは、例えば、それらがどのタイプの医療関連データを有し、アクセスを可能にするかに基づいて、異なる更新スピードを有し得る。リアルタイムのデータベース10は、高周波数更新スピード(例えば、マイクロ秒、秒、分)を有し得る一方、在庫及び/又はスタッフデータベース10のような管理タイプのデータベースは、時間、日又はシフトごとに一度のような、より遅いスピードで更新され得る。
【0135】
ここで図4を参照すると、方法200は、本開示の分散データベースシステム10によって共有された新たなデータに対してタグデータ又はメタデータを割り当てるための1つの実施形態を説明する。方法200は、楕円202でサブルーチンとして使用され得る。ブロック204において、データ又はデータレコードの新たな部分が生成される。新たなデータは、(i)処方入力パラメータ又はデータ(例えば、機械動作パラメータ)、(ii)処置出力データ(例えば、UF除去された、移動されたトータルの血液容量、消費されたトータルの透析物流体容量、消費されたヘパリン容量、アラーム、及び、処置効率測定Kt/V、等)、(iii)技術入力データ(例えば、較正、アラーム制限等)、(iv)技術的出力データ(例えば、実際のコンポーネント使用、センサ測定等)、及び、(v)分散データベース10の任意の機械12によって生成された又はこれに入力された管理データ(例えば、在庫データとスタッフデータ)のいずれかであり得る。新たなデータは、データのアレイであり、例えば、所定の時間に動作する機械12の全ての圧力センサからの圧力読み取りのような、特定の時間に生成された処置出力データのスナップショットであり得る。この方法で、タグデータ又はメタデータは、データのより大きな収集を表わし得るので、データの新たな個々の部分の各々についてのタグデータ又はメタデータは必要ない。したがって新たなデータは、新たなデータの単一の部分又は新たなデータのアレイのいずれかを表わす。
【0136】
ブロック206において、新たなデータ(例えば、データのアレイ)が生成される機械12は、(i)固有のレコード識別(「ID」)、(ii)タイムスタンプ、及び、(iii)新たなデータのためのハッシュ値又はチェック値を生成する。固有のレコードIDは、新たなデータを生成した機械12とその機械についてのシーケンス番号の両方を識別する。図1Aにおいて、シーケンス番号0000000444において、機械12cが新たなデータを生成する場合、固有のIDは12c:0000000444であり得る。本質において、固有のIDは、新たなデータをホーム(特定の機械又はコンピュータ共有分散データベースシステム10)と、ホーム内の位置すなわちシーケンス番号に与える。
【0137】
ハッシュ値は、新たなデータ(例えば、データのアレイ)の実際のコンテンツを識別する。例えば、データの新たなアレイは、6つの圧力読み取り[a、b、c、x、y、z]を含むとする。ハッシュ値、hs002500は、これらの読み取りについて生成され得るので、hs002500=[a、b、c、x、y、z]である。hs002500は、ここで6つの圧力読み取りを表わす。システム10の機械12は、したがって特有の圧力読み取りを探さなければならない、むしろ、機械はhs002500が存在するかどうかに注目する。以下でさらに詳細に説明されるように、ハッシュ値は、譲渡機械からの移行の後に、分散データベースの譲受機械によって再び算出され得る。譲受機械はその後、移行の間にデータが破損されなかったことを確認するために、又は、データ破損が検出された場合にシステムエラーを起こすために、移行されて算出されたハッシュ値を比較することができる。譲受機械は、譲渡機械に、予め規定された回数データを再送信するように依頼し、各移行の後にデータ破損についてチェックし、予め規定された数のデータ移行のそれぞれの後に、データが破損されることが発見された後にのみ、システムエラーを起こすことができる。
【0138】
タイムスタンプは、新たなデータ(例えば、データのアレイ)が生成される時間を識別する。タイムスタンプは、例えば、2015年5月30日8:15amに生成されたデータについて、30/05/15/8:15aであり得る。タイムスタンプは、同じ固有のIDについての2つのハッシュ値がマッチしないとき、どのデータを前方に動かすかを決定するようにサーブする。実施形態において、図5Bに関連して以下で説明されるように、後のタイムスタンプに対応するハッシュ値が選ばれる。データアレイ[a、b、c、x、y、z]についてのタグデータ又はメタデータの完全なレコードセットはしたがって、(i)固有のID12C:0000000444、(ii)タイムスタンプ30/05/15/8:15a、及び(iii)ハッシュ値hs002500、又は12c:0000000444;30/05/15/8:15a;hs002500であり得る。
【0139】
方法200のブロック208、210及び212はそれぞれ、時間期間を増加させて、倍数でハッシュ値を算出して更新することを伴う。説明された実施形態において、時間期間は、日、月、及び複数の月を含む。代替的に、時間期間はシフト、日、週及び月であり得る。所望されるのと同数の異なる時間期間、例えば3から6の時間期間があり得る。時間期間は、例えば、分、時間、シフト、日、月、年等、任意の所望の期間であり得る。記述しやすいように、図4Aの例の残りは、日、月、及び複数の月の時間期間を使用する。
【0140】
ブロック208において、新たなデータ(例えば、データのアレイ)が生成される機械12は、同日又は同月の間の24時間期間を通して機械で生成された全てのハッシュ値についての「日ハッシュ」を算出する又は更新する。「日ハッシュ30/5/15」は、例えば、特定の機械12について、hs002500からhs010000と等しいか又はこれを含み得る。「日ハッシュ」算出は、例えば毎日の終わりに実行され得る。
【0141】
ブロック210において、新たなデータ(例えば、データのアレイ)が生成される機械12は、当月を通してその機械で生成された全てのハッシュ値について「月ハッシュ」を算出又は更新する。「月ハッシュ5月」は、例えば、日ハッシュ1/5/15乃至日ハッシュ31/5/15と等しいか又はこれを含み得る。「月ハッシュ」算出はまた、例えば毎日又は週のような日のセットの最後に実行され得る。
【0142】
ブロック212において、新たなデータ(例えば、データのアレイ)が生成される機械12は、例えば当年を通してその機械で生成された全てのハッシュ値について、「トータルのハッシュ」を算出又は更新し、例えば「トータルのハッシュ2015」は、「月ハッシュ1月」乃至「月ハッシュ5月」と等しいか又はこれを含み得る。「トータルのハッシュ」は、例えば、各週又は月の終わりに、機械12で実行され得る。
【0143】
楕円214で、方法200は終了する。
【0144】
ここで図4Bを参照すると、方法220は、分散データベースシステム10の1つの機械12から全ての他の機械12にデータを送るための1つの実施形態を説明する。方法220は、サブルーチンとして使用され得、楕円222で方法220が開始する。上で議論されたように、単一の機械12又は機械12の集合のいずれかは、システム10の全ての他の機械12b乃至12jに送り得る。例えば、図1において、単一の機械12aは、システム10の全ての他の(オンライン)機械12b乃至12jにその新たなデータを送り得る。あるいは、機械12a、12b及び12cから集約された新たなデータは、システム10の全ての他の(オンライン)機械12d乃至12jに送られ得る。データを集約することは、新たなデータプッシュの数を最適化(最小化)でき、これにより、エラーについての潜在性を低減する。したがって、方法220は、その新たなデータを送る単一の機械12の観点から、又は、それらの集合的な新たなデータを送信機械(例えば、12a、12b、12c)の集合として考察され得ることが正しく認識されるべきである。
【0145】
ブロック224において、機械12(又は、機械12の集合)は、現在オンラインであるシステム10の(集合が使用された場合、集合の外側で)新たな機械12を選ぶ。ブロック226において、図4Aにおいて記述されたデータタグ付け又はメタデータとともに、新たなデータが最近選択された機械に送られる。ブロック228において、受信機械12は、受信された新たなデータエントリについて、その自身のハッシュ値を算出する。菱形230において、受信機械12は、受信されたハッシュ値が最近算出されたハッシュ値とは異なるか否かを決定する。菱形230において、受信されたハッシュ値が最近算出されたハッシュ値とは異なる場合、その後、新たに選択された機械12は、送信機械12(選択された機械12に新たなデータを送った単一の機械12、又は集合の代表的な機械12)にハッシュ値ミスマッチを通知する。ハッシュ値ミスマッチを受信する際、送信機械12は、ブロック226の送るステップを繰り返し、ブロック226と菱形228の間のループは、菱形230において、受信されたハッシュ値が最近算出されたハッシュ値と同じになるまで繰り返され、これは結局送信機械12と受信機械12の間のデータ移行が破損されないことを確実にする。
【0146】
菱形230において、受信されたハッシュ値が最近算出されたハッシュ値と同じであることが決定されたとき、送信機械12(単一の機械12又は集合の代表的な機械12)は、新たなデータを送るための(集合が使用される場合、集合の外側で)別の機械12があるか否かを決定する。そうである場合、方法220ステップ224乃至232は、楕円形234で説明されたように、方法220が終了する時間に、菱形232で決定されるように、新たな機械がなくなるまで繰り返される。
【0147】
ここで図5A図5bを参照すると、方法300は、分散データベースシステム10の2つの機械12、例えば、図1Aの機械12a乃至12jのうちの任意の2つが、どのように互いに同期するかについての一例を説明するものであり、例えば、それらが同じデータを共有するかどうかをチェックし、それらが同じデータを共有しない場合、その後、2つの機械が同じデータを共有するように適宜互いに更新し得る。楕円302において、方法300は開始する。以下から見られるように、方法300は、図4Aに関して説明されたデータタグ付け又はメタデータを組み込む。
【0148】
菱形304において、方法300は、分散データベースシステム10の第1の機械12、例えば機械12aについて図4Aに関連して実行されたトータルのハッシュ算出が、分散データベースシステム10の第2の機械12、例えば機械12bについて図4Aに関連して実行されたトータルのハッシュ算出と等しくないか否かを決定する。機械12a(トータルのハッシュA)についてのトータルのハッシュを、機械12b(トータルのハッシュB)のものと比較することは、1つの実施形態における機械の1つで実行される。プロトコルは、より低い又はより早い識別番号を有する機械が比較を実行する、例えば、残りの機械12b乃至12jと比較されたときに機械12aが比較を実行するように設定され得る。機械12bは、残りの機械12c乃至12j等と比較されたとき、比較を実行する。代替的なプロトコルにおいて、両方の機械が、結果のチェックを生成するために、比較を実行する。ここで、より低い又はより早い番号を有する機械がまず比較を実行するように設定され得る。トータルのハッシュ比較を実行する機械12aに対してトータルのハッシュ比較を実行する機械12bについての結果が同じでない場合、その後、方法300は、システムエラーで終了し、システム10は管理者に支援するよう促す。上の2つのプロトコル及び/又はこれの代替は、図5Aの菱形304、308、312、318及び320で実行されたクエリのそれぞれに対して使用され得る。
【0149】
菱形304において、クエリに対する回答がノーであり、つまり機械12aについてのトータルハッシュが機械12bについてのトータルハッシュと等しい場合、その後、2つの機械12aと12bは、完全に同期される。方法300は、楕円322で終了に進む。
【0150】
菱形304において、クエリに対する回答がイエスであり、つまり機械12aについてのトータルハッシュが機械12bについてのトータルハッシュと等しくない場合、その後、方法300は、問題が存在する場所を調べるためにハッシュ値を掘り下げる。ブロック306で、比較機械12a又は12b(又は、両方の機械が比較する場合、最初に比較を実行する機械)は、翌月を選択する。実施形態において、先行する月がすでに同期され得たので、選択された第1の月は当月であり、当月においてミスマッチが存在するかもしれない可能性に至る。
【0151】
菱形308において、比較機械12a又は12b(あるいは代替的に、上で議論された機械12a又は12bの両方)は、ブロック306において選択された月について、機械Aについての月ハッシュ(月ハッシュA)が機械Bについての月ハッシュ(月ハッシュB)と等しくないか否かを決定する。菱形306のクエリに対する回答がノーであり、つまりその月のハッシュAが同じ月ハッシュBと等しい場合、方法300は、解析するための別の月があるか否かを問い合わせる菱形320に進む。クエリ320に対する回答がノーであり、解析するための他の月がない場合、楕円322で説明されたように、方法300は終了する。クエリ320に対する回答がイエスであり、解析するための別の月がある場合、その後方法300は、ブロック306で別の月(例えば、第2の先行する月が後に続く第1の先行する月等)を選択するために戻り、その後、ブロック306、菱形308及び菱形320の間でちょうど記述されたループは、菱形308で月ハッシュBとの月ハッシュAミスマッチが生じるまで、又は、菱形320で決定されるように、それ以上残りの月がなくなるまで繰り返される。
【0152】
菱形304において、トータルのハッシュクエリが、ミスマッチが存在するが、ブロック306、菱形308及び菱形320間の月ごとのループがミスマッチを示さないと結論付けた場合、その後、方法300はシステムエラーの結果となり、システム10は管理者に支援するよう促す。
【0153】
方法300が菱形308でミスマッチが生じた月を見つけたとき、方法300は次に、ミスマッチが生じた月のうちの1つ以上の日を探す。ブロック310において、比較機械12a又は12b(又は、両方の機械が比較する場合、最初に比較を実行する機械)は、翌日を選択する。実施形態において、先行する日は既に同期され得たので、選択された第1の日は当日であり、ミスマッチが当日に存在するかもしれない可能性に至る。
【0154】
菱形312において、比較機械12a又は12b(又は、代替的に上で議論された機械12a又は12の両方)は、ブロック310で選択された日について、機械A(日ハッシュA)についての日ハッシュは、機械B(日ハッシュB)についての日ハッシュと等しくないか否かを決定する。ブロック306のクエリに対する回答がノーであり、つまり日ハッシュAが日ハッシュBと等しい場合、その後、方法300は、解析するための別の日があるか否かを問い合わせる菱形318に進む。クエリ318に対する回答がノーであり、解析するための当月の他の日がない場合、方法300は、菱形320を含むループに関連して上で議論されたように解析するための別の月(例えば、別の先行する月)があるか否かを質問する。
【0155】
クエリ318に対する回答がイエスであり、解析するための別の日がある場合、その後、方法300は、ブロック310で別の日(例えば、第2の先行する日が後に続く第1の先行する日等)を選択するために戻り、その後にブロック310、菱形312及び菱形318の間でちょうど記述されたループは、菱形308で日ハッシュBとの日ハッシュAのミスマッチが生じるまで、又は、菱形318で決定されるように、それ以上残りの日がなくなるまで繰り返される。
【0156】
菱形308において、月ごとのクエリが、月のうちにミスマッチが存在するが、ブロック310、菱形312及び菱形318の間のループは月について日ハッシュミスマッチを示さないことを結論付ける場合、その後、方法300はシステムエラーの結果となり、システム10は管理者に支援するよう促す。
【0157】
方法300が菱形308でミスマッチが生じた日を見つけたとき、方法300は、ブロック314と316で説明されたハッシュA及びハッシュB同期ステップに進む。ブロック314において、日ハッシュAは、データミスマッチ日付について、機械12bに対して同期される。ブロック316において、日ハッシュBは、データミスマッチ日付について、機械12aに同期される。ブロック314と316のためのサブルーチンが、図5Bに関連して次に議論される。しかしながら、いったんトータルのハッシュAが、菱形304でトータルのハッシュBと異なると決定されると、ミスマッチングされたハッシュトータル内に複数の日と複数の月があり得ることがまず正しく認識されるべきである。したがって、月の内の所定の日についてブロック314と316で同期を実行した後にさえ、ブロック314と316の同期を必要とする同じ月内の1つ以上の他の日があり得る。同様に、ブロック314と316の同期を介して、第1の月の1つ以上の日を同期した後にさえ、ブロック306乃至菱形320によって規定されたループ内で決定されたように、ブロック314と316の同期を必要とするトータルのハッシュAとトータルのハッシュBの1つ以上の付加的な月の1つ以上の日があり得る。
【0158】
ブロック306乃至菱形320によって規定されたループによって決定されたように、いったん機械12aと12bについて同期を必要とする月がそれ以上なくなると、方法300は、楕円322で説明されたように終了する。
【0159】
ここで図5Bを参照すると、方法350は、図5Aの方法300のブロック314と316の両方において使用されるサブルーチンについての1つの実施形態を説明する。図5Bにおいて、Xは、ブロック314と316において、開始あるいは「フローム(from)」機械である。したがって、Xはブロック314における機械12aとブロック316における機械12bである。同様に、Yは、ブロック314における機械12bと、ブロック316における機械12aである。楕円352において、方法350が開始する。
【0160】
ブロック354において、機械Xは、解析されることになるデータの新たに生成された部分又はアレイを選択する。1つの実施形態において、機械Xは、解析されることになる最後の固有のIDを知り、ブロック354で解析されることになるシーケンスにおける次の固有のIDを選択する。
【0161】
菱形356において、方法350は、Y機械が現在、対応する固有のIDを記憶するか否かを問い合わせる。回答がノーであり、機械Yが解析された固有のIDレコードを既に含まない場合、その後、機械Xは(そのタイムスタンプ、ハッシュ値、及び対応する実際のデータとともに)固有のIDレコードをコピーして、機械Yに対して置き換える。
【0162】
菱形356において、回答がイエスであり、機械Yが既に固有のIDレコードを含む場合、その後、方法350は、菱形358で決定されたように、機械Xについての現在のレコードハッシュが、機械Yについての現在のレコードハッシュと等しくないか否かを決定する。回答がノーであり、レコードハッシュXがレコードハッシュYと等しい場合、その後この固有のIDについてさらなる動作は必要とされず、方法350は、次の固有のIDが存在するかどうかに注目するために菱形366に進む。
【0163】
菱形358において、回答がイエスであり、レコードハッシュXがレコードハッシュYと等しくない場合、その後、菱形360において、方法350は、どの機械のタイムスタンプが後であるかを決定する。機械Xについてのタイムスタンプが、機械Yについてのタイムスタンプよりも遅い場合、その後、ブロック362における機械Xは、(そのタイムスタンプ、ハッシュ値、及び対応する実際のデータとともに)固有のIDレコードをコピーして、機械Yに対して置き換える。次に、菱形363において、機械Yは、(そのタイムスタンプ、ハッシュ値及び対応する実際のデータとともに)固有のIDレコードが正しく機械Yに移行されたか否かを見るためにチェックする。1つの実施形態において、機械Yは、それ自体のハッシュ値を算出して、レコードが正しく移行されたかどうかを決定するために、それを(図4Bの方法220に関連して議論された)機械Xから受信されたハッシュ値と比較する。そうでない場合、例えば算出されたハッシュ値が受信されたハッシュ値と等しくない場合、機械Yは対応するメッセージを機械Xに送り、機械Xはブロック362でステップを繰り返す。ブロック362と菱形363において、ループは、レコードが正しく移行される、例えば算出されたハッシュ値が受信されたハッシュ値と等しくなるまで繰り返される。
【0164】
代わりに機械Yについてのタイムスタンプが、機械Xについてのタイムスタンプよりも遅い場合、ブロック364における機械Yは、(そのタイムスタンプ、ハッシュ値、及び対応する実際のデータとともに、)固有のIDレコードをコピーして、機械Xに対して置き換える。次に、菱形365において、機械Xは、(そのタイムスタンプ、ハッシュ値及び対応する実際のデータとともに)レコードが正しく機械Xに移行されたか否かを見るためにチェックする。1つの実施形態において、機械Xは、それ自体のハッシュ値を算出し、レコードが正しく移行されたかどうかを決定するために、それを(図4Bの方法220に関連して議論された)機械Yから受信されたハッシュ値と比較する。そうでない場合、例えば算出されたハッシュ値が受信されたハッシュ値と等しくない場合、機械Xは、対応するメッセージを機械Yに送り、機械Yはブロック364において、ステップを繰り返す。ブロック364におけるループと菱形365は、レコードが正しく移行される、例えば算出されたハッシュ値が受信されたハッシュ値と等しくなるまで繰り返される。
【0165】
菱形363又は365における検証ステップの後、方法350は、菱形366において、機械Xにシーケンスにおいて次の固有のIDを探させる。シーケンスにおける次の固有のIDが存在する場合、方法350はブロック354から菱形266へのシーケンスを繰り返す。結局、機械Xは、時間方法350が楕円368で終了する時間において、菱形366に対する否定的な応答によって示されるように、機械Yとの同期をチェックするための新たなデータを使い切る。再び、図5Aにおいて、任意の2つの機械12aと12bは例えば両方、図5BのX機械とY機械である機械を得る。
【0166】
ここで図5Cを参照すると、方法370は、機械12のいずれか中に記憶されたデータが正しくて、破損されていないことを検証するための1つの実施形態を説明する。実施形態において、分散データベースシステム10の各機械12は、いくつかの周期的なベース上で、例えば、各電源投入の際、スリープモードから起動された際、時間ごと、日ごと、各シフトの開始において、各処置の開始又は終了において、週ごと、月ごと、又は、他の何らかの所望の期間において、定期的に方法370を実行するようにプログラミングされる。
【0167】
楕円372において、方法370が開始する。ブロック374において、特定の機械12a乃至12jは、検証するのに値する翌月のデータを選択する。ブロック376において、特定の機械12a乃至12jは、選択された月内の、検証するのに値する翌日のデータを選択する。ブロック378において、特定の機械12a乃至12jは、選択された月の選択された日について検証するために、次のデータ(又はデータのアレイ)を選択する。ブロック380において、特定の機械12a乃至12jは、選択されたデータ(又はデータのアレイ)についての新たなハッシュ値を算出する。菱形382において、特定の機械12a乃至12jは、データ(又はデータのアレイ)についての現在の(以前に算出された)ハッシュ値を、データ(又はデータのアレイ)についての新たに算出されたハッシュ値と比較する。
【0168】
菱形382に対する回答がイエスであり、データ(又はデータのアレイ)についての現在の(以前に算出された)ハッシュ値が、データ(又はデータのアレイ)について新たに算出されたハッシュ値と等しくない場合、その後、特定のデータ(又はデータのアレイ)が破損されたと決定することに応答して、特定の機械12a乃至12jは、ブロック384において示されるように修正動作をとり得る。実施形態において、ブロック384における修正動作は、現在の(以前に算出された)ハッシュ値に関係付けられた破損されたデータ(又はデータアレイ)を削除することを含む。削除されたデータは、(図4A図5A及び図5Bのサブルーチンを使用する)図6A図6Bに関連して次に議論される同期手順を介して、自動的に置き換えられる。代替的な実施形態において、ブロック384において、修正動作は、菱形386において、破損データを習得する際に、図6A図6Bに関連して次に議論される同期手順を自動的に引き起こすことを含む。機械12は例えば、分散データベースシステム10の次のダウンストリーム機械12と同期するようにプログラミングされ得る、例えば破損されたデータを有する機械12aは機械12bと、機械12bは機械12cと、機械12jは機械12aと等、同期する。
【0169】
修正動作ブロック384の後に、又は、菱形382に対する回答がノーであり、データ(又はデータのアレイ)についての現在の(以前に算出された)ハッシュ値が、データ(又はデータのアレイ)について新たに算出されたハッシュ値と等しい場合、その後、ブロック386において、特定の機械12a乃至12jは、検証するための特定の日について別のデータレコードがあるか否かを問い合わせる。そうである場合、ブロック378と菱形386の間のループは、検証するための特定の日についての新たなデータレコードがなくなるまで繰り返され、この際、ブロック388において、特定の機械12a乃至12jは、(図4Aのブロック208に対応する)選択された日についての新たなハッシュ値を算出する。
【0170】
ブロック388の後、菱形390において、特定の機械12a乃至12jは、検証するためのデータを有する選択された月において別の日があるか否かを問い合わせる。そうである場合、ブロック376と菱形390の間のループは、検証するためのデータレコードを有する選択された月内で新たな日がなくなるまで繰り返され、新たな日がなくなった時点で、ブロック392において特定の機械12a乃至12jが(図4Aのブロック210に対応する)選択された月についての新たな月ハッシュ値を算出する。
【0171】
ブロック392の後に、菱形394において、特定の機械12a乃至12jは、検証するためのデータを有するトータルのハッシュにおいて別の月があるか否かを問い合わせる。そうである場合、ブロック396において、特定の機械12a乃至12jが、新たなトータルのハッシュ値を算出する時間において、ブロック374と菱形394の間のループは、検証するためのデータレコードを有するトータルのハッシュ値算出の内で新たな月がなくなるまで繰り返され、新たな月がなくなった時点で、ブロック396において、特定の機械12a乃至12jが(図4Aのブロック212に対応する)新たなトータルハッシュ値を算出する。
【0172】
ブロック396の後に、方法370は、楕円398において終了する。図5Cの方法370は、説明されたように、全ての月、日、及びその機械についてのトータルハッシュ値のレコードについて、機械ベースによって機械上でデータを検証する。機械12について全てのデータが検証されるのみでなく、新たなトータルハッシュ値、例えばトータルの日ハッシュ値、トータルの月ハッシュ値、及び、トータルのハッシュ値も検証される。この方法で、破損されたデータが分散データベースシステム10の他の任意の機械12に送られた場合、次に議論される同期手順を介してシステム10の他の機械12において修正される。
【0173】
図4A図5A及び図5Bの方法は、図6Aの「プッシュ・プル」方法400と、図6Bの「プル」方法のために使用されるビルディングブロックである。ここで図6Aを参照すると、方法400は、各機械12が特有のタイプの処置を受信する診療所130内の各患者についての全てのデータを含むように、機械12を更新するために分散データベースシステム10上で実現され得る1つの方法論を説明する。方法400は、機械12が、菱形404とブロック408の間で分散データベースシステム10の他の機械12に新たなデータを「プッシュ」し、ブロック410と菱形414間で互いからデータを「プル」する、データ同期モードの例である。方法400は、各機械12が、システム10の他の機械12に、又は、機械12の集合にデータを交代でプッシュすることを可能にし得る。方法400は、分散データベースシステム10の1つの機械のためのものである。方法400は、したがって、システム10の各機械12、又は機械12の集合について繰り返される。
【0174】
楕円402において、方法400が開始する。機械12が送出処置を終了した時間に、データ更新を開始する可能性がある。例えば、診療所又は透析センター130が午前8:00と午後7:00の間に処置を提供する場合、方法400は、夜遅くに、例えば午後11:00に、機械12がすべて洗浄されて次の処理シフト又は翌日のために準備される間又は後に、自動的に開始し得る。分散データベースシステム10の機械12はすべて、午後11:00にハイバーネートする、又はスリープモードになり得る。必要に応じて、方法400は、方法400を実行するために、分散データベースシステム10の各機械12をスリープモードから起こす。
【0175】
所定の機械12(又は機械12の集合)について、菱形404とブロック406及び408は、その機械についての任意の新たなデータを、分散データベースシステム10の全ての他の機械に対して生成して送る。菱形404において、機械12は、送るための任意の新たなデータをそれが有するか否かを決定する。回答がイエスであり、送るための新たなデータがある場合、ブロック406において、機械12は、図4Aの方法200のタグデータ又はメタデータを実行する。ブロック408において、1つの実施形態として、機械12はその後、現在オンラインであり、図4Bの方法220にしたがってタグ付けされた新たなデータを受信する能力がある分散データベースシステム10の他の機械の各々12に対して、タグ付けされた新たなデータ(固有のIDレコード、タイムスタンプ、ハッシュ値、及び対応する実際のデータを含む)をプッシュする。
【0176】
(i)各タグ付けされた新たなデータをそれが生成されるにつれて個々に他の機械にプッシュするか、あるいは代替的に、(ii)その日又は時間期間についての全ての新たなデータを収集して、分散データベースシステム10の全ての他のオンライン機械12に1つのパケットとして収集されたデータを送るように、ステップ404乃至408が実行され得ることが正しく認識されるべきである。菱形404で決定された機械12についての他の新たなデータがないとき、方法400は、オフラインであり得た他の任意の機械12と同期するための同期(「プル」)部分に移動する。
【0177】
方法400の同期部分は、ブロック410、412及び菱形414で実行される。ステップ404乃至408において、同じ機械12(又は機械12の集合)はここで、任意のデータが同期されるのを必要とするかどうかを見るために、分散データベースシステム10の別の機械12をブロック410において選び取る。実施形態において、機械12は、次のアドレス指定された機械、及びその後以下の機械等を選び取る。例えば、機械12aはまず、機械12b、その後機械12c等を選び取る。最後のアドレス指定された機械は、第1のアドレス指定された機械を選び取って、その後例えば機械12jが機械12aを、その後機械12bを、等の順序で進む。
【0178】
ブロック412において、所定の機械12とその選ばれた機械12は、図5A図5Bにおいて説明された同期シーケンスを実行する。同期シーケンスは、他の機械が新たなデータを生成した時間において、例えばシステム10からオフラインであった機械のうちの1つ又は両方に起因して、所定の機械12と選ばれたその機械12との間の任意の損失データを供給する。菱形414において、選ばれた機械12は、同期すべき分散データベースシステム10の別の機械12があるかどうかをチェックする。そうである場合、ステップ410乃至414は、選ばれた機械12が分散データベースシステ10の各他のオンライン機械と同期されるまで再び実行され、その後、方法400が楕円416で説明されたように終了する。
【0179】
方法400はその後、分散データベースシステム10の各機械12(又は、機械12のサマリ)について実行される。この方法で、各機械12(i)は、その新たなデータをシステム10他の機械12のそれぞれに送って、(ii)システム10の他の機械の各々と同調される。したがって、患者が診療所又は透析センター130に到着したとき、例えば翌日、患者は、分散データベースシステム10の任意の機械12a乃至12jに案内され得る。その機械は、患者の完全な処置履歴を有する。機械は、患者の好ましい処置設定、又はおそらく、患者についての複数の設定又は好ましい設定の範囲、看護師や臨床医のためのストリーミング処置セットアップ、患者についての処置結果最適化も有する。
【0180】
代替的な「プッシュ」実施形態(説明されていない)は、ハブ及びスポークタイプのプッシュである。機械のうちの1つは、ハブ機械として動作する一方、分散データベースシステム10の他の機械は、スポークスとして動作する。ここで、1つ以上のクラスタの機械、例えば、機械12aは、他の全ての機械12b乃至12jからデータを受信する。機械12b乃至12jは、ハブ機械12aによって要求されたシーケンスにしたがって、それらそれぞれのデータをそれぞれ送り得る。ハブ機械12aはその後、データがハブ機械12aに送られる順序で、機械12bから12jにデータを記憶する。いったんハブ機械12aが分散データベースシステム10の全ての他の機械からのデータで完全に更新されると、ハブ機械12aは、機械12aのデータを含む合計されたデータを分散データベースシステム10の全ての他の機械12b乃至12jに送り、これはハブ機械12aによって要求されたシーケンスに再びしたがい得る。再び結局、例えば10個の機械のうちのそれぞれは、分散データベースシステムの全ての他の機械からの同じデータを有するはずである。
【0181】
ここで図6Bを参照すると、方法430は、各機械12が診療所130内の各患者について、又は診療所130内で特定のタイプの処置を受けている各患者についての全てのデータを含むように、機械12を更新するために分散データベースシステム10上で実現され得る別の方法論を説明する。方法430は、機械12が分散データベースシステム10の他の機械12から、又はここで記述された機械の集合から新たなデータを「プル」するデータ同期モードの例である。方法430は、分散データベースシステム10の1つの機械、又はここで記述された機械12の集合についてのものである。方法400はしたがって、システムの各機械12又は機械12の集合について繰り返される。
【0182】
楕円432において、方法430は開始する。ステップ434と436は、図6Aの方法400のステップ404とステップ406に対して非常に類似している。ステップ436は、図4Aの方法200にしたがって実行される。ここで、しかしながら、機械12はステップ434と436において、新たなデータのうちの全てを一度にデータタグ付けするが、分散データベースシステム10の他の機械12のそれを送らない。方法400のステップ408は、方法430にはない。新たなデータは、ステップ438乃至442の同期プロセスを介して機械12から代わりにプルされ、これは図6Aの方法400について上述されたステップ410乃至414と同じように実行される。
【0183】
ステップ434乃至ステップ436において、同じ機械12又は機械12の集合は、任意のデータが同期されることになる必要があるかどうかを見るために、ここでブロック438において分散データベースシステム10の別の機械12を選び取る。実施形態において、機械12は次にアドレスされた機械を選び、その後、それに続く機械等を選び取る。ブロック440では、所定の機械12とその選ばれた機械12が、図5A図5Bにおいて説明された同期シーケンスを実行する。同期シーケンスは、例えば、他の機械が新たなデータを生成した時点においてシステム10からオフラインであった機械の1つ又は両方に起因して、所定の機械12とその選ばれた機械12の間で欠けている任意のデータを供給する。菱形442において、所定の機械12は同期するための分散データベースシステム10の別の機械12があるかどうかをチェックする。そうである場合、ステップ438乃至442は、楕円444において説明されたように、方法430が終了した後に、所定の機械12が分散データベース10の各他のオンライン機械と同期するまで再び実行される。
【0184】
方法430はその後、分散データベースシステム10の各機械12、又は機械12の集合について実行される。したがって、各機械12は、(i)分散データベースシステム10の他の機械12の各々からデータをプルし、(ii)分散データベースシステム10の他の機械12の各々と同期される。その後、患者が診療所又は透析センター130に到着したとき、例えば翌日、患者は、分散データベースシステム10の任意の機械12a乃至12jに案内され得る。その機械は、患者の完全な処置履歴と好ましい設定を有し得る。
【0185】
ここで図7Aを参照すると、方法500は、分散データベースシステム10の機械にソフトウェア更新を提供するための1つの実施形態を説明する。実施形態におけるソフトウェア更新は、ソフトウェア更新を操作し、これはメインの制御ソフトウェア、ユーザインターフェース、セーフティソフトウェア、(ウォーターシステム又は遠隔センサのような)周辺アイテム、ソフトウェアコンフィギュレーション(それらの特有の設定においてどのように機械12が働くかについてのユーザ/診療所選好)、及びこれらの任意の組み合わせであり得る。楕円502において、方法500が開始する。ブロック504において、分散データベースシステム10の機械12のうちの1つに対して、新たなソフトウェアがダウンロードされる。ソフトウェアは、機械において、USBドライブを介して、又は上述されたLAN実施形態のいずれかを介したLAN150を通してダウンロードされ得る。ソフトウェアは、1つの実施形態においてサーバコンピュータ180から提供され得る。
【0186】
実施形態において、新たなソフトウェアは、オンラインの分散データベースシステム10のうち、最も低い番号の又は最も早い文字でアドレス指定された機械12に対して自動的にダウンロードされる。例えば、LAN150を介したサーバコンピュータ180は、ソフトウェアを機械12aに対して、それがオンラインであればダウンロードし、又は、機械12bに対して、それがオンラインで機械12aがオフラインであればダウンロードする。代替的に、インストーラは、初期インストールのために、USBドライブを分散データベース10の任意の機械12a乃至12jに手動で運ぶことができる。その機械はその後、次のアドレス指定されたオンライン機械を選択する、例えば、インストーラがUSBドライブを機械12gに運んだ場合、機械12gはその後新たなソフトウェアを機械12h等に送出する。
【0187】
菱形506において、初期機械12におけるユーザ(看護師又は臨床医)は、新たなオペレーティング・ソフトウェアのインストールを確認するか否かを決定する。ユーザは、どのような理由からでも、例えばユーザが現在のソフトウェアを好むので、新たなソフトウェアを受容する必要はない。ユーザがブロック508において新たなソフトウェアを受容しないと決定した場合、新たなソフトウェアは、初期の機械12においてインストールされない。新たなソフトウェアはそれにも関わらず、拒絶されたことを示すフラグと拒絶された日付で初期の機械12のメモリ中に存在する。システム管理者は、初期の機械12がソフトウェアを拒絶したことを通知され得る。拒絶されたソフトウェアは、後の日付で受容され得、周期的にユーザをそれらがソフトウェア更新のために準備しているかどうかを見るように促進するように構成され得る。
【0188】
ユーザが菱形506において新たなソフトウェアを受容することを決定した場合、ブロック510における新たなソフトウェア又はソフトウェアのコンフィギュレーションは、初期の機械12においてインストールされる。ブロック508(ダウンロード、しかしインストールしない)、又は、ブロック510(ダウンロードして、インストール)の後のいずれかのケースにおいて、初期の機械は分散データベースシステム10の新たな機械を選び取り、菱形514で示されるように、LAN150を使用する新たな機械に、新たな機械が新たなソフトウェアを必要とするか否かを尋ねる。再び、新たな機械は次のアドレス指定された機械を、例えば機械12aが機械12bを選択し、これは機械12c等を選択する。(図1Aの)機械12jは、第1の機械12aを選択する。
【0189】
菱形514の質問に対する回答がノーであり、例えば新たな機械12が既に新たなオペレーティング・ソフトウェアを有する場合、その後、菱形518において、初期機械12は、分散データベースシステム10の別の機械があるかどうかに注目する。菱形514の質問に対する回答がイエスであり、例えば新たな機械12が新たなオペレーティング・ソフトウェアを必要とする場合、その後、ブロック516においてインストールサブルーチンが実行される。インストールサブルーチンは、図7Bに関連して以下で詳細に議論される。
【0190】
ブロック516において、インストールサブルーチンが完了されたとき、又は、菱形514で決定されたように、新たな機械が新たなオペレーティング・ソフトウェアを必要としない場合、菱形518において、方法500は、問い合わせるための分散データベースシステム10の別の機械があるか否かを決定する。そうである場合、その後ブロック512から菱形518の間で生成されたループは、問い合わせるための分散データベースシステムの他の機械がなくなるまで繰り返される。方法500はその後楕円520で終了する。
【0191】
ここで図7Bを参照すると、方法530は、図7Aの方法500のインストールサブルーチン516のための1つの実施形態を説明する。楕円532において、方法530は、新たなオペレーティング・ソフトウェアを新たな機械に(例えば、初期機械から第1の新たな機械に、第1の新たな機械から第2の新たな機械に、第2の新たな機械から第3の新たな機械に等)ダウンロードすることによって開始する。菱形534において、新たな機械12において、ユーザ(看護師又は臨床医)は、新たなオペレーティング・ソフトウェアのインストールを確認するかしないかを決定する。ユーザは再び、例えばユーザが現在のソフトウェアを好むなど、どのような理由からでも、新たなソフトウェアを受容する必要はない。ユーザが新たなソフトウェアをブロック536で受容しないと決定した場合、新たなソフトウェアは新たな機械12にインストールされない。新たなソフトウェアはそれにも関わらず、拒絶されたことを示すフラグと拒絶された日付とともに、新たな機械12のメモリ中に存在する。システム管理者は、新たな機械12が新たなオペレーティング・ソフトウェアを拒絶したことを通知され得る。拒絶されたソフトウェアは、後の日付で新たな機械で受容され得、それらがソフトウェア更新のために準備ができているかどうかを見るように、周期的にユーザを促すように構成され得る。
【0192】
新たな機械におけるユーザが、菱形534において新たなソフトウェアを受容することを決定した場合、ブロック538において、新たなソフトウェア又はソフトウェアのコンフィギュレーションは、新たな機械12においてインストールされる。いずれのケースにおいても、ブロック536(ダウンロード、しかしインストールしない)の後又はブロック538(ダウンロードしてインストールする)の後、楕円540で示されるように、方法530の初期化サブルーチンは終了する。ブロック512と菱形518の間に生成されたループに戻ると、新たな機械は第1の新たな機械になり、これはブロック512において第2の新たな機械を選び取る。菱形514で決定されたように、第2の新たな機械が新たなオペレーティング・ソフトウェアを必要とする場合、その後サブルーチン516において、第1の新たな機械が第2の新たな機械に対して新たなソフトウェアをダウンロードする。菱形514において決定されたように、第2の新たな機械が新たなオペレーティング・ソフトウェアを必要としない場合、その後、第3の新たな機械がブロック512において選び取られ得る。菱形514において決定されたように、第3の新たな機械が新たなオペレーティング・ソフトウェアを必要とする場合、その後、サブルーチン516の1つの実施形態において、第1の新たな機械は新たなソフトウェアを第3の新たな機械にダウンロードする。代替的な実施形態において、菱形514において決定されたように、第2の新たな機械が既に新たなオペレーティング・ソフトウェアを有するので、第2の新たな機械は新たなソフトウェア乃至第3の新たな機械をダウンロードできる。
【0193】
図7A及び図7Bは、新たなオペレーティング・ソフトウェアが、分散データベースシステム10のオンライン機械12の各々に、機械対機械(machine to machine)で順次プッシュされる場合の例を説明する。代替的な実施形態において、システム10は、代わりに、新たなオペレーティング・ソフトウェアを各オンライン機械12に一度に並行してプッシュする。各機械におけるユーザ(看護師又は臨床医)は、その後、上述された方法で、ステップ506と508又は510(又はステップ534と536又は538)を通して、処理を進行する。
【0194】
他方、1つの実施形態において図7Cの方法550は、オフラインであった機械12がオンラインに戻るとき、実行される。ここで、新たにオンラインとなった機械12は、「プル」すべき任意の新たなオペレーティング・ソフトウェアがあるかどうかを知るために、分散データベースシステム10の他の機械12に注目する。そうである場合、新たにオンラインとなった機械は、このようなソフトウェアをインストールするために選ぶオプションを与えられる。方法550は、楕円552で開始する。ブロック554において、新たにオンラインとなった機械12は、問い合わせるための分散データベースシステム10の機械を選び取る。以前のように、機械12は次のアドレス指定された機械を選び取ることができ、例えば機械12dはまず機械12eを、その後機械12fを、その後機械12g等を選び取る。
【0195】
菱形556において、新たにオンラインとなった機械12は、選択された機械がより高いバージョンを有するかどうかを見るために、そのオペレーティング・ソフトウェアバージョンを選択された機械のものと比較する。そうでない場合、新たにオンラインとなった機械12が、菱形560で問い合わせるための別の機械があるかどうかをチェックする。イエスである場合、新たにオンラインとなった機械12は、ブロック558で示されるように、選択された機械からより新たなソフトウェアを検索する(が、インストールしない)。ブロック558の後に、又は、菱形556に対する回答がノーである場合、新たにオンラインとなった機械は、菱形560で問い合わせるための別の機械があるかどうかを見るためにチェックする。問い合わせるための別の機械12がある場合、菱形556において、新たにオンラインとなった機械12は、第2の選択された機械12がよりいっそう最新のバージョンを有するかどうかを知るために、その最新のソフトウェアバージョン(そのオリジナルのソフトウェアバージョン又はブロック558で検索されたより新たなバージョン)を、第2の選択された機械のものと比較する。そうである場合、新たにオンラインとなった機械は、よりいっそう最新のバージョンを検索し、より古いバージョンをパージする。ブロック554から菱形560へのループは、菱形560で決定されたように、新たにオンラインとなった機械12が分散データベースシステム10の全ての他の機械12に問い合わせるまで繰り返される。
【0196】
菱形562において、新たにオンラインとなった機械12が新たなソフトウェアを検索しなかった場合、その後、方法550は楕円570において終了する。菱形562において、新たにオンラインとなった機械12が新たなソフトウェアを検索した場合、その後菱形564におけるユーザ(例えば、看護師又は臨床医)は、新たに検索されたソフトウェアのインストールを確認するか又は否定するかを促される。ユーザは再び、例えばユーザが現在のソフトウェアを好むなど、どのような理由からでも、新たなソフトウェアを受容する必要はない。ユーザがブロック566において新たなソフトウェアを受容しないと決定した場合、新たなソフトウェアは、新たな機械12においてインストールされない。新たなソフトウェアは、それにも関わらず、拒絶されたことを示すフラグと拒絶された日付とともに新たな機械12のメモリ中に存在する。システム管理者は、新たな機械12がソフトウェアを拒絶したことを通知され得る。拒絶されたソフトウェアは、新たにオンラインとなった機械12において後の日付で受容され得、それらがソフトウェア更新のために準備できているかどうかを周期的にユーザに促すように構成され得る。
【0197】
菱形564において、新たにオンラインとなった機械におけるユーザが、新たなソフトウェアを受容することを決定した場合、ブロック568において、新たなソフトウェア又はソフトウェアのコンフィギュレーションが新たな機械12においてインストールされる。方法550は、その後、楕円570において終了する。方法550のソフトウェア受信機械12が新たにオンラインとなった機械である必要はなく、代わりに分散データベースシステム10の各機械12であり得、これは、認可のためにダウンロードすべきより新たな任意のオペレーティング・ソフトウェアがあるかどうかを知るために、それ自体を周期的に促すことが正しく認識されるべきである。また、ここで議論された任意のソフトウェア更新シナリオにおいて、例えば上述した菱形564において、ユーザに受諾又は確認を要求することは、調整制御のもとで有利である又は必要とされ得る一方、代替的な実施形態では、このような受諾又は確認は要求されない。
【0198】
ここで図8A図8Bを参照すると、リアルタイムデータはアラームに限定されず、看護師又は臨床医に関する他の情報を含み得る。図8Aは、機械12のユーザインターフェース14上(以下の図10を参照)で表示され得るユーザインターフェース14の例示的なホームスクリーン242を図示する。説明された実施形態において、ホームスクリーン242は、血液透析(「HD」)機械又は血液透析濾過(「HDF」)機械のためのものであって、HD又はHDFに関する処方パラメータ及び処置出力データを表示する。ホームスクリーン242は「診療所サマリ」ボタン244も表示し、これは押されたとき、看護師又は臨床に、図8Bにおいて説明されたユーザインターフェース14の診療所サマリスクリーン246をみせる。診療所サマリスクリーン246は、押されたとき、看護師又は臨床医をホームスクリーン242に戻らせる「ホーム」ボタン248を含む。したがって、看護師又は臨床医は、2つのボタンの押下により、分散データベースシステム10の任意の機器12から、分散データベースの全ての機械12のリアルタイム進行のサマリを非常に迅速に見ることができ、その後、看護師又は臨床医が注意を払っている機械12のユーザインターフェースディスプレイに戻ることができる。
【0199】
図8Bの臨床医のサマリスクリーン246は、任意の所望の情報を表示できる。説明された実施形態において、臨床医のサマリスクリーン246は、機械の現在の状態(例えば、実行している、休止された、アラーム状態のもと、又は、使用されていない)、経過した処置時間、残っている処置時間、収集されたUFの量、患者の血圧、及びアラーム履歴に関する情報を各機械12a乃至12jのために表示する。他の処置出力データも表示され得る。さらに、表示されたデータの1つ以上はまた、選択されたデータに関してより多くの情報を集めるために看護師又は臨床医が押すことができるボタンであり得る。
【0200】
図3とともに先に議論されたように、臨床医のサマリスクリーン246のリアルタイムデータが、通常の処置のために共有された処方データと処置出力データとは異なる分散データベース上で共有されることが考えられる。そうするために、タイマ及びセンサ出力は、異なるメモリ18(以下で図10を参照)、又は、同じメモリ18のエリアに送られ得る。例えば、患者の血圧読取値(reading)は、第1の分散データベース上で共有する通常処置のための第1のメモリ18又はメモリ18のエリア、及び、第2の分散データベース上において、リアルタイムのストリーミングのための第2のメモリ18又はメモリ18のエリアに送られ得る。この方法で、第2のリアルタイムストリーミング分散データベースのデータの誤作動又は破損は、機械12の通常動作あるいは通常処方パラメータ又は処置出力データの共有に影響を与えない。
【0201】
臨床医のサマリスクリーンを除いて、処置サマリスクリーン、患者サマリスクリーン、プランニングサマリスクリーン、在庫又は備蓄保存サマリスクリーン、及びスタッフサマリスクリーンのような1つ以上の付加的なサマリスクリーンを提供することが考えられる。スクリーンのそれぞれは、図8Aにおいて上で説明されたホームスクリーンボタンを介して呼び出され得る。複数のサマリスクリーンが考えられる場合、ホームスクリーン242は、「サマリ」ボタンを提供でき、これは押されたとき、一連のサマリボタン、「診療所サマリ」、「処置サマリ」、「患者サマリ」、「プランニングサマリ」、「在庫保存サマリ」、及び「スタッフサマリ」についてのそれぞれ1つを呼び出す。サマリボタンのいずれかを押すことは、戻り「ホーム」ボタン248とともに装備される適切なスクリーンにユーザを導く。
【0202】
一般的に、「処置サマリ」ボタンは、押されたときに単一の患者と単一の処置についての情報を提供するスクリーンに導く。「患者サマリ」ボタンは、押されたとき、複数の処置に渡って単一の患者についての情報を提供するスクリーンに導く。「プランニングサマリ」ボタンは、押されたときに、1人以上の患者の処置について計画された日付を示す日ごと、週ごと及び/又は月ごとのカレンダーであり得るスクリーンに導く。「在庫保存サマリ」ボタンは、押されたとき、供給名、及び、各供給のどの位が在庫にあり、各供給のどのくらいが取り寄せ待ちであるかをリストに挙げている在庫サマリスクリーンに導き得る。「スタッフサマリ」ボタンは、押されたとき、診療所に関係付けられた全ての臨床医、看護師及び医師、その誰が現在診療所にいるか、彼らのシフト時間、彼らの技術的専門分野、及びこれに類するものをリストに挙げる「スタッフサマリ」スクリーンに導き得る。したがって、分散データベース10の任意の機械12における看護師又は臨床医は、上記の情報のサマリのいずれかに迅速に容易に到達できる。
【0203】
1つの実施形態において、看護師又は臨床医のようなユーザは、識別を入力して、ちょうど説明されたサマリ情報を含む本開示の分散データベースの任意の情報をレビューするための認証を受けなければならない。例えば、ホームスクリーン242と臨床医サマリスクリーン246の間の機械12は、ユーザのユーザ識別とパスワードを要求する認証スクリーン(図示されていない)を提示し得る。機械12は、認証されたユーザ名とパスワードの入力の後にのみ、要求する看護師又は臨床医が臨床医サマリスクリーンを見ることができるようにプログラミングされる。上述された任意の及び全ての分散データベースデータ、例えば任意の医学的に関連付けられたデータの検索が、保護されたユーザ名とパスワードとなることが考えられる。遠隔コンピュータ170とPCD’s175は、遠隔コンピュータ170とPCD’s175で生成されたコンピュータと人間の区別をつけるための完全自動化パブリックターニングテスト(Completely Automated Public Turing test to tell Computers and Humans Apart)(CAPTCHA)コードを手動で入力するように要求されるような、さらに厳しい認証の対象であり得る。厳しい認証はまた、機械12及び/又は遠隔コンピュータ170とPCD’s175で要求され、例えば、要求している人が知っている何か(例えば、パスワード)及び、要求している人が所有している何か(例えば、認証カード)に基づく認証(例えば、ログイン)の形態で要求され得る。さらに、例えば、1つ以上の機械12、サーバ180及び/又はパーソナルコンピュータ170で、システム10が、例えば診療所130a乃至130cのどの人が分散データベースシステム10上のどのデータにアクセスしたかのログを追跡することが考えられる。この方法で、システム10のどの個人が任意の特有のデータにアクセスしたかのリスティングが生成され得る。
【0204】
ここで図9を参照すると、方法250は、図4A乃至図6Bに関連して上で議論された方法のうちの1つを介して、分散データベースシステム10によって取得された機械処方パラメータ又は処置出力データ(「データ」)についての1つの可能性あるライフサイクルを説明する。楕円252において、方法250は開始する。ブロック254において、分散データベースシステム10の機械12a乃至機械12jのうちの1つにおいて、新たなデータが取得される。ブロック256において、新たに取得されたデータは、動いている平均傾向に入力される。例えば、データは、患者から除去された限外濾過(「UF」)の量であり得、進行中又は動いているUF傾向において最新又は最も最近のUFエントリとして入力される。傾向は、実際のデータ傾向、3日の動いている平均傾向、7日の動いている平均傾向等の複数の傾向を含み得る。本開示のシステム10は、複数の患者と複数の処置についてのデータをコンパイルすることを利用しており、トレンディングと平均の算出は2つの態様である。
【0205】
ブロック258において、新たなデータと更新された傾向は、分散データベースシステム10の他の機械12に同期される。同期は、図4A乃至図6Bの方法に関連して上で議論された方法のうちのいずれかにしたがって実行され得る。看護師又は臨床医は、その後、分散データベースシステム10の機械12a乃至12jのそれぞれにおいて、表にされ、傾向化された形態でデータを見ることができる。
【0206】
オプション的なステップがブロック260(極めて細い線で示されている)で提供される。ここでのデータは、1つ以上のサーバコンピュータ180又はパーソナルコンピュータ170にバックアップされる。ここで議論されたように、分散データベースシステム10は、任意のサーバコンピュータなしで動作できる。例えばブロック260において、バックアップは、代わりに、外部メモリ記憶装置、例えばUSB又はフラッシュ装置にされる。しかしながら、診療所130が、サーバコンピュータ180又はパーソナルコンピュータ170をLANに接続したい場合、分散データベースシステム10はそうする機会、例えばバックアップメモリ装置として使用するための機会を提供する。
【0207】
ブロック262において、要求、及び、分散データベースシステム10の機械12a乃至12jのメモリ容量による指示に従って、時間期間後、例えば6か月又は1年の期間後に、及び、データは分散データベースシステム10からパージされる。このように、機械12a乃至12jのメモリ容量は過度に大きい必要はない。しかしながら、個々のデータポイントがパージされたとしても、データは1つ以上の傾向の一部としてLAN150の機械12上で依然として維持され得る。また、データはバックアップされて、必要であれば、後にメモリ記憶装置から検索され得る。
【0208】
本願の出願時点において、大部分の機械12について必要とされるメモリ又はハードディスクは、約32から64ギガバイトの典型的な容量を有することが着目されるべきである。多くのケースにおいて、コストに基づいて機械12についてのメモリのサイズが選択されるが、より大きなメモリは供給が多く及び/又はより容易に利用可能であるので、より大きなメモリは、より小さなメモリよりも実際により安価になり得る。典型的な処置が約2から4キロバイトのデータを要求する場合、機械12は、百万のオーダで処置を記憶できる。所定の機械12が、例えば10年といったその寿命の間に5000の処置を実行することを仮定すると、その機械12は200個の機械についての処置データを記憶できる。それにも関わらず、データは、記憶容量以外の理由でシステム10からパージされる必要があり得る。例えば、ある法域(jurisdiction)の医療規制は、患者がもはや診療所との関係性を有していないとき、患者についての情報が除去されることを要求し得る。したがって、ブロック262において、指定された時間期間は、メモリ記憶装置の問題よりもむしろ規制要件によるものであり得る。
【0209】
データを削除する又は除去するために、1つの実施形態では、システム10はデータを削除するが、データに取り付けられたメタデータを残す。システム10は、削除の時間に分散データベースから切断された機械12が後で再接続されたとき、削除されたデータが再記憶されないことを確実にするために、後に残されたメタデータを使用する。システム10は、全ての削除されたデータが分散データベースにおいて全ての機械12から削除されることを確実にするためのハンドシェーキングプロセスを提供する。ここで、削除されたデータは、新たなヘッダ又は識別子と、どのようにしていつデータが削除されたかについての痕跡を与えられる。他の機械が新たな「削除された」データがあることを知り、それらのデータを削除されたデータと同じ位置において更新できるように、図4A乃至図6Bに関連して議論された方法のいずれかにしたがって、ヘッダと痕跡は、他の機械12に伝播される。全ての機械12がデータを削除したか否かを追跡できるように、ヘッダ中のアレイを提供することがさらに考えられる。全ての機械12が削除されたデータメッセージを受信した後に、データが実際に削除され、新たなデータのために使用されることになるメモリ18におけるセル(図10)を解放したことを確実にするように、付加的なヘッダが構築され得る。
【0210】
楕円264において、方法250が終了する。
【0211】
図10図11は、機械12の血液透析、血液透析濾過、及び血液濾過バージョンについての詳細を提供する。例えばユーザインターフェース、処理、メモリ、ポンプのような腎臓疾病治療機械12の構造の殆どは、他のタイプの機械上で同様に提供される。しかしながら、議論された腎臓疾病治療機械12に関係付けられた入力パラメータと処置出力データのうちのいずれかが、次にちょうど記述される更新データ中に含まれることが考えられる。
【0212】
図10は、腎臓疾病治療機械12がユーザインターフェース14を含むことを説明し、これは看護師又は他のオペレータが、腎臓疾病治療機械12と対話するのを可能にする。ユーザインターフェース14は、タッチスクリーンオーバーレイ、例えば膜スイッチのような電気機械的ボタン、又は両方の組み合わせで動作可能なモニタスクリーンを有し得る。ユーザインターフェース14は、少なくとも1つのプロセッサ16と少なくとも1つのメモリ18と電気通信している。上で議論されたように、少なくとも1つのメモリ18は、32から64ギガバイトの容量を有し得る。少なくとも1つのプロセッサ16は、出願時におけるそれらについて既知の標準処理スピード、例えば2ギガヘルツを有し得る。プロセッサ16とメモリ18はまた、例えば血液透析回路30のポンプ、バルブ及びセンサのような、ここで記述されたポンプ、バルブ及びセンサと電子的に対話し、適切である場合制御する。少なくとも1つのプロセッサ16と少なくとも1つのメモリ18は、論理インプリメンタ20としてここで集合的に言及される。
【0213】
血液透析回路30は、浄化水注入ライン32、酸(「A」)濃縮ライン34と重炭酸塩(「B」)濃縮ライン36を含む。浄化水注入ライン32は、浄化水装置又はソース22から浄化された水を受け取る。水は、逆浸透、炭素フィルタリング、紫外線放射、電気による消イオン(electrodeionization)(「EDI」)、及び/又は、限外濾過のような、任意の1つ以上のプロセスを使用して浄化され得る。
【0214】
蠕動又はピストンポンプのようなA濃縮ポンプ38は、A濃縮ライン34を介してA濃縮ソース24から浄化水注入ライン32にA濃縮物をポンピングする。伝導セル40は、浄化水でA濃縮物の伝導効果を測定し、論理インプリメンタ20に信号を送り、これはA濃縮ポンプ38を制御することによって、A濃縮物を適切に調和させるための信号を使用する。A伝導信号は、温度センサ42からの読取値を介して補償された温度である。
【0215】
蠕動又はピストンポンプのようなAB濃縮ポンプ44は、B濃縮ライン36を介してB濃縮ソース26から浄化水注入ライン32にB濃縮物をポンピングする。伝導セル46は、浄化水/A濃縮混合物で、B濃縮物の伝導効果を測定し、論理インプリメンタ20に信号を送り、これはB濃縮ポンプ44を制御することによって、B濃縮物を適切に調和させるための信号を使用する。B伝導信号はまた、温度センサ42からの読取値を介して補償された温度である。
【0216】
加熱タンク50は、身体温度、例えば37℃に対する処置のために浄化水を加熱するように、論理インプリメンタ20によって制御された加熱器52とともに動作する。タンク50中の水を加熱することはまた、水からガス抜きをする。説明し易いように、別のガス抜きチャンバとポンプは説明されていないが、浄化水から空気を除去する際、拡張タンク50を支援するために提供され得る。流体出口伝導セル46は、したがって、新しく準備された透析物であり、適切にガス抜きされ、加熱されており、処置のために透析物102に送るのに適切である。ギアポンプのような新しい透析物ポンプ54は、新しい透析物を透析装置102に送出する。論理インプリメンタ20は、以下でさらに詳細に記述される指定されたフローレートで、新しい透析物を透析装置102に送出するために、新しい透析物ポンプ54を制御する。
【0217】
使用された透析物ポンプ58を介してドレインライン56は、透析装置からドレイン60に使用済透析物を戻す。論理インプリメンタ20は、指定されたフローレートで透析装置102から使用済透析物をプルするように、使用済透析物ポンプ58を制御する。空気セパレータ62は、ドレインライン56中の使用済透析物から空気を分離する。圧力センサ64は、ドレインライン56内の使用済透析物流体の圧力を感知して、対応する圧力信号を論理インプリメンタ20に送る。
【0218】
伝導セル66は、ドレインライン56を通して流れる使用済流体の伝導率を測定して、論理インプリメンタ20に信号を送る。セル66の伝導信号は、温度センサ68からの読取値を介して補償された温度でもある。光学検出器のような血液漏れ検出器70は、例えば透析膜が破れや漏れを有するかどうかを検出するために、ドレインライン中の血液の存在を探す。熱交換器72は、エネルギーを保全するために、加熱器52に向かって移動する浄化水を予熱して、透析物回路30からドレイン60に出る使用済透析物から熱を取り戻す。
【0219】
流体迂回ライン74は、新しい透析物が、解析装置102に接触することなく新しい透析物ライン76からドレインライン56に流れるのを可能にする。新しい透析物チューブ78は、腎臓疾病治療機械12から伸長して、新しい透析物を新しい透析物ライン76から透析装置102に運ぶ。使用済透析物チューブ80はまた、腎臓疾病治療機械12から伸長して、透析物102からドレインライン56に使用済透析物を運ぶ。
【0220】
新しい透析物ラインはまた、伝導センサ又はセル82を含み、これはUFシステム制御ユニット90を出る新しい透析物の伝導度を感知して、対応する信号を論理インプリメンタ20に送る。セル82の伝導信号は同様に、温度センサ84からの読取値を介して補償された温度である。
【0221】
限外濾過器86は、透析物ライン76と新しい透析物チューブ78を介して解析装置102に送出される前に新しい透析物をさらに浄化する。以下でさらに詳細に議論されるように、1つ以上の限外濾過器88は、前希釈又は後希釈血液濾過又は血液透析濾過を実行するための置換流体として使用され得る点において、新しい透析物を浄化するのに使用され得る。
【0222】
UFシステム90は、透析装置102に流れる(及び/又は血液セット(図11)に直接流れる置換流体としての)新しい透析物と、透析装置から流れる使用済流体のフローレートを監視する。UFシステム90は、新しい及び使用済フローセンサQ1cとQ2cをそれぞれ含み、これは新しい及び使用済の透析物フローレートをそれぞれ示す論理インプリメンタ20に信号を送る。論理インプリメンタ20は、処置の過程に渡って患者から処方された量の血液濾過(「UF」)を除去するために、予め決定された量で新しい透析物ポンプ54よりも速くポンピングするように使用済透析物ポンプ58を設定するために信号を使用する。新しい及び使用済のフローセンサQ1pとQ2pは、UFシステム90が適切に機能することを確実にする冗長センサである。
【0223】
腎臓疾病治療機械12は、処方された処置を選択的に制御するために論理インプリメンタ20の制御下で複数のバルブ92(集合的にバルブ92a乃至92lを指す)を使用する。特に、バルブ92aは、例えば、殺菌流体が、新しい透析物ライン76からドレインライン56に流れることができるようにするために、迂回ライン68を選択的に開いて閉じる。バルブ92bは新しい透析物ライン76を選択的に開いて閉じる。バルブ92bは使用済透析物又はドレインライン56を選択的に開いて閉じる。バルブ92dはドレインライン56からドレイン60を選択的に開いて閉じる。バルブ92eは浄化水ソース22に対して、浄化水ライン32を選択的に開いて閉じる。バルブ92fと92gは、A及びB濃縮フローをそれぞれ制御する。バルブ92h乃至92kは、UFシステム90で動作する。
【0224】
図10は、新しい透析物ライン76から延長する(機械のハウジング内部に位置付けられた)置換ライン96をさらに説明する。置換ライン96は、以下で議論される血液セット100の置換チューブ98に流動的に結合される。論理インプリメンタ20の制御下のバルブ92lは、置換ライン96を選択的に開いて閉じる。論理インプリメンタ20の制御下の置換ポンプ94は、交換又は置換流体を作るために、限外濾過器86から第2の限外濾過器88を通して新しい透析物を選択的にポンピングし、これは、ライン76(血液濾過(HF))を介した新しい透析物の代わりに、又は、ライン76(血液透析濾過(HDF))を介した新しい透析物に加えて、置換ライン96(機械ハウジング内)と置換チューブ98(機械ハウジング外部)を介して、ライン76動脈血液ライン106及び/又は静脈血液ライン108に送出される。
【0225】
図11は、腎臓疾病治療機械12とともに使用され得る血液セット100の1つの実施形態を説明する。血液回路又はセット100は、多くの空洞のファイバー半透過性膜104を有する透析装置102を含み、これは、透析装置102を血液区画と透析物区画に分離する。処置の間、透析物区画は、新しい透析物チューブ78の遠心端と使用済透析物チューブ80の遠心端との流体連結に置かれる。HFとHDFについて、新しい透析物チューブ78に加えて別の置換チューブが、処置の間、動脈ライン106と静脈ライン108のうちの1つ又は両方と流体連結に置かれる。HDFにおいて、透析物はまた透析物チューブ78から透析装置102を通って流れる一方、HFについて、チューブ78を通した透析物フローはブロックされる。
【0226】
動脈ライン106は圧力ポッド110を含む一方、静脈ライン108は圧力ポッド112を含む。圧力ポッド110と112は、機械ハウジング上に据え付けられた血圧センサ
(図示されていない)で動作し、これは、動脈と静脈圧力信号をそれぞれ論理インプリメンタ20(図10)に送る。静脈ライン108は、血液が患者116に戻される前に患者の血液から空気を除去する空気分離チャンバ又は静脈ドリップチャンバ114を含む。
【0227】
血液回路又はセット100の動脈ラインは、所望のフローレートで血液をポンピングするための論理インプリメンタ20の制御下にある血液ポンプ120によって操作される。腎臓疾病治療機械12はまた、信号を論理インプリメンタ20に送る及び/又は論理インプリメンタ20からコマンドを受信する、複数の血液側電子装置を提供する。例えば、論理インプリメンタ20は、動脈ライン106と静脈ライン108をそれぞれ選択的に開く又は閉じるように、ピンチクランプ122aと122bに命令する。血液容量センサ124は、患者のヘマトクリット値が処置の過程に渡ってどのように変化するかを監視する。血液容量センサ124は、1つの実施形態において血液ポンプの動脈ライン106上流に置かれる。空気検出器126は、静脈血液ライン中の空気を探す。説明された置換チューブ98は、前希釈HF又はHDFのための動脈ライン106、及び/又は、後希釈HF又はHDFのための静脈ライン108に結合され得る。
【0228】
ここで記述された好ましい本実施形態に対するさまざまな変更と修正は、当業者にとって明らかとなることが理解されるべきである。このような変更と修正は、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、及びその意図された利点を減少することなく行われ得る。したがって、このような変更と修正は添付された特許請求の範囲によってカバーされることが意図される。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図9
図10
図11