(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-21
(45)【発行日】2024-01-04
(54)【発明の名称】キャップレスドア用複合バネ
(51)【国際特許分類】
B60K 15/05 20060101AFI20231222BHJP
【FI】
B60K15/05 A
(21)【出願番号】P 2022502060
(86)(22)【出願日】2020-04-22
(86)【国際出願番号】 US2020029250
(87)【国際公開番号】W WO2021006939
(87)【国際公開日】2021-01-14
【審査請求日】2023-03-16
(32)【優先日】2019-07-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-04-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】522013256
【氏名又は名称】マーティンリア インターナショナル ユーエス インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】スタンク、 ソリン
【審査官】三宅 龍平
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第02085261(EP,A1)
【文献】特開2005-170105(JP,A)
【文献】特開平05-310260(JP,A)
【文献】特表2013-520370(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 15/04 - 15/05
B65D 43/00 - 43/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のハウジング内において閉鎖位置と開放位置との間で
移動可能に支持される本体であって、
下向延長係合面を備えた底部を含む本体と、
前記ハウジングに固定される
ねじりバネであって、
前記本体が前記閉鎖位置にあるときに、前記閉鎖位置に
おいて前記本体を押し付けるように前記
係合面の端停止位置に対して支持される延長
中央部を含む
ねじりバネと
を備え、前記本体を
前記ハウジングに対して枢動支持部の周りに開放することにより、前記開放位置に到達するために前記
ねじりバネ
が前記枢動支持部に向かって外側に下降する方向に傾斜した前記係合面に沿って前記端停止位置から離れて変位するにつれて
前記ねじりバネによって前記本体に作用される閉鎖力が減少
し、前記ねじりバネによって定められる最小力がドアを前記開放位置に維持する、キャップレス燃料ドアアセンブリ。
【請求項2】
前記
ねじりバネは、
前記中央部から延長する一対のねじり端巻部を
さらに備え、前記端巻部の直線状の端突出部が前記ハウジングに固定される、請求項1に記載のキャップレス燃料ドアアセンブリ。
【請求項3】
前記ねじり
端巻部を収容するように前記ハウジング内に構成される内部窓をさらに備える、請求項2に記載のキャップレス燃料ドアアセンブリ。
【請求項4】
前記閉鎖位置において前記ハウジング
に対してシールするように前記本体の周縁に構成されるシール用ガスケットをさらに備える、請求項
1に記載のキャップレス燃料ドアアセンブリ。
【請求項5】
車両のハウジング内において閉鎖位置と開放位置との間で
移動可能に支持される本体であって、
下向延長係合面を備えた底部を含む本体と、
前記ハウジングに固定される
ねじりバネであって、
前記本体が前記閉鎖位置にあるときに、前記閉鎖位置に
おいて前記本体を押し付けるように前記
係合面の端停止位置に対して支持される延長
中央部を含む
ねじりバネと
を備え、前記
ねじりバネは、前記ハウジング内に収容される直線状の端突出部を有する一対のねじり端巻部を有し、前記ねじり
端巻部を収容するように前記ハウジング内に内部窓が構成されており、前記本体を
前記ハウジングに対して枢動支持部の周りに開放することにより、前記開放位置に到達するために前記
ねじりバネ
が前記枢動支持部に向かって外側に下降する方向に傾斜した前記係合面に沿って前記端停止位置から離れて変位するにつれて
前記ねじりバネによって前記本体に作用される閉鎖力が減少
し、前記ねじりバネによって定められる最小力がドアを前記開放位置に維持する、キャップレス燃料ドアアセンブリ。
【請求項6】
前記閉鎖位置にある前記ハウジング
に対してシールするために、前記本体の周縁に構成されるシール用ガスケットをさらに備える、請求項
5に記載のキャップレス燃料ドアアセンブリ。
【請求項7】
車両のハウジング内において閉鎖位置と開放位置との間で
移動可能に支持される本体であって、
前記本体の中間位置における端停止部から前記本体の枢動支持部に向かって外側に下降する方向に延長する下向延長係合面を備えた底部を含む本体と、
前記ハウジングに固定される
ねじりバネであって、
前記閉鎖位置に
おいて前記ねじりバネが前記本体を押し付けるように前記
端停止
部に対して支持される
U字形状延長
中央部を含む
ねじりバネと
を備え、
前記本体を
前記枢動支持部の周りに開放することにより、前記開放位置に到達するために前記
ねじりバネ
が前記係合面に沿って前記枢動支持部に向かって変位するにつれて閉鎖力が減少
し、前記ねじりバネによって定められる最小力がドアを前記開放位置に維持する、キャップレス燃料ドアアセンブリ。
【請求項8】
前記
ねじりバネは、前記ハウジング内に収容される直線状の端突出部を有する一対のねじり端巻部を有する、請求項
7に記載のキャップレス燃料ドアアセンブリ。
【請求項9】
前記ねじり
端巻部を収容するように前記ハウジング内に構成される内部窓をさらに備える、請求項
8に記載のキャップレス燃料ドアアセンブリ。
【請求項10】
前記閉鎖位置にある前記ハウジング
に対してシールするために、前記本体の周縁に構成されるシール用ガスケットをさらに備える、請求項
7に記載のキャップレス燃料ドアアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、車両に使用されるキャップレス燃料ドア構造に関する。より詳細には、本発明では、高い程度の初期閉鎖力を提供するために、周囲のハウジングに取り付けられ且つ枢動可能に取り付けられる燃料ドアの傾斜面形状に対して付勢される単一又は二重のねじりドアバネを利用し、開放方向に継続的な力が加えられるにつれて保持力が急速に減少するものが開示されている。
【0002】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2020年4月17日に出願された米国特許出願第16/851,829号及び2019年7月11日に出願された米国仮特許出願第62/872,743号の優先権を主張する。
【背景技術】
【0003】
従来技術は、バネ荷重燃料ドアアセンブリの種々の実施例と共に文書化されている。
【0004】
Park(米国特許第6,793,266号)は、ドア開放力を提供するための弾性部材を備えたドアアセンブリを教示している。
【0005】
Gabbey(米国特許第6,994,130号)は、デュアルコイルバネ及びドアスライド構成(
図4及び7を参照)と組み合わせた電動入力を含んでいる。
【0006】
Kobayashi(米国特許第9,266,428号)におけるバネ構成は異なっており、デュアルドア閉鎖構成(メインフラップユニット及びシャッタユニットの組み合わせ)に関連している。Giles(米国特許第9,908,402号及び米国特許第10,226,996号)、並びにDutzi(米国第2012/0217240号)にも同様の状況がある。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、閉鎖位置と開放位置との間で車両のハウジング内に枢動可能に支持される本体を含むキャップレス燃料ドアアセンブリを開示する。本体は、角度付きスライド部を示す外部突出部を含む。バネは、ハウジングに固定されており、閉鎖位置において本体を作用させるために、前記角度付きスライド部の第1の端部を画定する突出部の端停止位置に対して支持される延長部を含んでおり、枢動軸の周りに本体を開放することにより、開放位置に到達するためにバネ部が前記角度付きスライド部に沿って第2の端部へと変位するにつれて閉鎖力を減少させる。
【0008】
追加の特徴は、直線状の端突出部がハウジング内に収容された一対のねじり端巻部を有するバネを含む。ねじり巻部を収容するための内部窓がハウジング内に構成される。
【0009】
他の特徴は、閉鎖位置において本体を付勢する環状端停止面を含む。本体は、ドアの開放及び閉鎖時に使用者によって把持されるように適合されるさらなる支持突出部を含む。
【0010】
閉鎖位置にあるハウジングの環状端停止面の周りをシールするためのシール用ガスケットが本体の周縁に構成される。バネは、所望の閉鎖力を達成するための複数のねじりバネ形状及びバネコイルのいずれかをさらに含む。
【0011】
次に、以下の詳細な説明と組み合わせて読みながら、添付図面を参照する。ここで、いくつかの図を通して、同じ参照番号は同じ部分を参照している。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】二重ねじりバネが支持スライド部を介してドアを付勢している閉鎖位置におけるキャップレスドアアセンブリの部分断面図である。
【0013】
【
図2】
図1に続く図であり、ドアが開放位置まで回転されることにより、ねじりバネの中央延長部がキャップレスドア支持スライド部に沿って変位する。
【0014】
【
図3】
図2と同様の図であり、再び開放位置にあるキャップレスドアを示している。
【0015】
【
図4】
図1の閉鎖位置におけるドアアセンブリの回転側面図であり、その中にドアが取り付けられる円形断面ハウジングトンネルとの閉鎖インターフェースをより良く示す。
【0016】
【
図5】閉鎖位置におけるドアアセンブリのわずかに回転した斜視図であり、バネスライド式リミッタ/ストッパの特徴をより良く示している。
【0017】
【
図6】ハウジングトンネルのない閉鎖位置におけるキャップレスドアと複合ねじりバネの断面図である。
【0018】
【
図7】
図2及び3にも示された開放位置におけるキャップレスドア及びバネの回転斜視図である。
【0019】
【
図8】
図7の開放位置におけるキャップレスドアのさらなる回転斜視図であり、回転可能なキャップレスドアを支持するための枢動ピン及びスライド部の上部着座位置との関係における複合ねじりバネの横方向延長中央部の変位関係をより良く示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
添付された図面を参照すると、本発明は、キャップレスドア用の複合バネを開示しており、これには、ハウジングウェルの近位位置に取り付けられ、且つキャップレスドアの傾斜突出面と変位接触するように配置される中央延長部を含む複合ねじりバネ(好ましい実施形態では、実質的にU字形の構成要素として示される)の提供が含まれる。
【0021】
さらに説明するように、バネ/スライドインターフェースは、閉鎖位置に対応するリミッタ/ストッパ位置をさらに含み、枢動されて開放されると、中央延長バネ位置は、キャップレスドアの枢動支持部に平行に且つ隣接して再配置される。バネスライド構成は、(例えば、洗車及び/又は真空誘導抵抗に対抗するために)高い程度の初期閉鎖付勢力を提供し、この保持力はドアが開かれると低下する、
【0022】
さらに説明されるように、本構成は、狭い空間/パッケージングを収容し、且つ(例えば、洗車及び/又は真空誘導抵抗に対抗するために)高い程度の初期閉鎖付勢力を提供するためにドアヒンジの周りに隙間を提供し、この保持力はドアが開かれると低下する。さらに説明されるように、本構成は、狭い空間/パッケージングを収容するためにドアヒンジの周りに隙間を提供する。
【0023】
図6-8は、閉鎖位置(
図6)及び回転斜視開放位置(
図7-8)のそれぞれに一般に符号10で提示される、組合せキャップレスドア及び複合ねじりバネの一連の断面斜視図を示す。
図1-5の例示は、符号12で示す円形断面構成を有し、燃料ノズル(図示せず)を収容するために車両(図示せず)の外部アクセス可能位置内に構成される、アクセストンネルハウジング内に取り付けられた閉鎖位置及び開放位置にあるキャップレスドアをさらに示す。
【0024】
キャップレスドアは、例えば、図示のような円形ディスク形状を示す本体14を含む。さらに理解されるように、キャップレスドアは、図示されているものに限定されない任意の所望の全体形状を示し得るが、ほとんどの例では、符号16で示され、燃料ドアの閉鎖位置において、ハウジング12の内部端壁形状18に対して付勢する、シール用ガスケット又は他の適切な周縁に延在する付勢表面を含む。
【0025】
キャップレスドア本体14は、例えば、硬質ポリマー又は他の適切な材料で構成されてもよく、例えば、本体14の外周面範囲に示されている弧状突出部20を含む露出上部構造を含み得る。第2の突出部が符号22で示されており、これは、外側弧状部20と相互接続してもよく、突出部22上に構成される中間ストッパ位置26(バネ付勢及びドア閉鎖位置を示すようにさらに記載される)と、それがドア本体14の表面に接合する合流端位置28との間に延在する傾斜した又は角度付きのスライド形状24(傾斜面とも呼ばれる)をさらに含む。
【0026】
さらに図示されるように、本体14は、一対の一体化された端突出支持部30及び32を含み、これらは、横方向に延在する枢動ピン38を受け入れる整列リム画定開口34及び36をさらに含む。次に、ピン38は、
図5に示す構造40に最も良く示されているトンネルハウジング12の内部位置に取り付けられ、これは、トンネルハウジングに一体化されており、閉鎖位置と開放位置との間でキャップレスドア本体14の回転を妨げないようにするために、本体14のピン支持部30/32の間で整列するハウジングの内部突出部を表す。
【0027】
ねじりバネは、それぞれねじり端巻部48及び50で終端する角度付き側脚44及び46を備えた略「U」字形の中間部分42を示す細長い多曲げ要素によって示される。各端巻部は、対向する直線部分52及び54で終端する。
図1に最も良く示されているように、トンネルハウジング12は、ねじりバネ端部の対向する直線部分52/54を受け入れるための一対の周方向オフセット内側ノッチ(そのうちの1つが58で示されている)と同時にねじり端巻部48/50を着座させる窓付き位置(内側リム56を参照)を含む。ねじりバネ形状は、より高い真空開放点を達成するために燃料ドアに所望の力を維持するように、複数のサイズ及び形状を有し得る。
【0028】
図1及び4-6を集合的に参照すると、二重ねじりバネの横方向延長端部42は、角度付きスライド部24の隆起端部に対して、ストッパ位置26に当接するように付勢され、燃料ドア14は、閉鎖位置において、その内周シール16が収容ハウジングの周方向内部位置18に当接するように構成される。この位置において、キャップレス燃料ドアの不用意な開放が回避されるように(例えば、洗車又は車両が受けるその他の活動によって意図しない真空力がドア外部に加えられる場合に)、ドアに対して十分な閉鎖保持力が働く。
【0029】
キャップレスドア14を開放することが望まれると、使用者は、例えば、周方向に配置された外部突出部20を含むドア14の外部位置を把握することができる。突出部20に対する最初の引張りは、角度付きスライド部24のストッパ端位置26に対してバネ位置42により加えられる保持力によって、ある程度抵抗される。次に、続けて加えられる力によって、中央バネ位置42が端停止位置26から離脱し、横方向に向けられた枢動支持ピン38に近接して位置する、下向き角度の上面(主表面合流端部)に向かう方向に下降角度の又は傾斜したスライド部24に沿って移動し始める。
【0030】
図7及び8は、上方に枢動された開放位置におけるキャップレス燃料ドア14の関係を再び最も良く示しており、それによって、下降スライド部24(方向矢印60を参照)に沿った中央バネ位置42のスライド運動が、ドアに対して作用する保持力の減少をもたらす。ドア14が完全に開放された回転位置に到達すると、横方向延在バネ部42は、横方向に向けられた枢動支持ピン38に対して近接して平行に配置される関係でドア14の上方周縁エッジに着座し、この位置にあるねじり荷重バネは、プロセスが逆転されて、
図1及び6に示される付勢力が再び現れる点である閉鎖位置までドアを逆回転させるまでドアに適度な開放保持力を提供する。
【0031】
開示された範囲を超えて、図示されたねじり複合バネは、他の形状及び外形によって代替構成されてもよく、他のバネ又は付勢構造の使用に限定されないことが理解される。各例において、いくつかの設計の横方向に延在する中間部分は、閉鎖位置/端停止位置とさらなる開放位置との間で傾斜したスライダ面に沿って変位可能なように構成され、例えば、バネによって及ぼされる適切且つ逆方向の保持力は、使用者によって再び閉じられることが望まれるまでキャップレスドアを開放位置に保持する。
【0032】
本発明を説明してきたが、それが関係する当業者には、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、他の及び追加の好ましい実施形態が明らかになるであろう。詳細な説明及び図面は、その範囲が特許請求の範囲によって定義される開示を支持するものとさらに理解される。請求項に記載された教示を実施するためのいくつかの最良の態様及び他の実施形態が詳細に説明されているが、添付の請求項に定義された開示を実施するための様々な代替設計及び実施形態が存在する。