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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-21
(45)【発行日】2024-01-04
(54)【発明の名称】ディフューザ、送風装置及び集塵設備
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/44 20060101AFI20231222BHJP
【FI】
F04D29/44 S
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022529913
(86)(22)【出願日】2020-12-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-01
(86)【国際出願番号】 CN2020137650
(87)【国際公開番号】W WO2021139508
(87)【国際公開日】2021-07-15
【審査請求日】2022-05-23
(31)【優先権主張番号】202010010952.7
(32)【優先日】2020-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202010010950.8
(32)【優先日】2020-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202010011558.5
(32)【優先日】2020-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517057029
【氏名又は名称】グアンドン ウェリング モーター マニュファクチュアリング カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【弁理士】
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【弁理士】
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ ▲偉▼
(72)【発明者】
【氏名】▲蒋▼ ▲ティン▼▲ティン▼
(72)【発明者】
【氏名】周 ▲亞▼▲運▼
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼ 帆
(72)【発明者】
【氏名】▲呂▼ ▲琢▼
【審査官】大瀬 円
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/220071(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 29/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディフューザであって、ベースリング部品及び複数列の静翼を含み、各列の前記静翼は順に前記ベースリング部品の軸方向に沿って前記ベースリング部品の外環壁に設置され、かついずれも前記ベースリング部品の周方向に沿って配列され、前記ベースリング部品のその軸方向に沿う対向する両側はそれぞれ吸気側と排気側であり、前記吸気側から前記排気側まで、そのうちの一列の前記静翼の弦長は該列の前記静翼に隣接する次の列の前記静翼の弦長以上であり、
前記ディフューザは第一列静翼及び第二列静翼を含み、前記第一列静翼及び前記第二列静翼は前記吸気側から前記排気側まで順に前記ベースリング部品の軸方向に沿って前記ベースリング部品の外環壁に設置され、
前記第一列静翼の弦長と前記第二列静翼の弦長との比は2.5以上、かつ5以下であり、
前記静翼は取付角を有し、前記吸気側から前記排気側まで、そのうちの一列の前記静翼の取付角は該列の前記静翼に隣接する次の列の前記静翼の取付角以下であることを特徴とするディフューザ。
【請求項2】
前記静翼の頭部は入口配置角を有し、前記吸気側から前記排気側まで、そのうちの一列の前記静翼の前記入口配置角は該列の前記静翼に隣接する次の列の前記静翼の前記入口配置角以下であることを特徴とする請求項1に記載のディフューザ。
【請求項3】
前記静翼の尾部は出口配置角を有し、前記吸気側から前記排気側まで、そのうちの一列の前記静翼の前記出口配置角は該列の前記静翼に隣接する次の列の前記静翼の前記出口配置角以下であることを特徴とする請求項2に記載のディフューザ。
【請求項4】
前記吸気側から前記排気側まで、そのうちの一列の前記静翼の前記出口配置角は該列の前記静翼に隣接する次の列の前記静翼の前記入口配置角以下であり、又は、そのうちの一列の前記静翼の前記出口配置角は該列の前記静翼に隣接する次の列の前記静翼の前記入口配置角以上であることを特徴とする請求項3に記載のディフューザ。
【請求項5】
前記第一列静翼の入口配置角の角度値は5°~20°であり、前記第二列静翼の入口配置角の角度値は20°~40°であることを特徴とする請求項1に記載のディフューザ。
【請求項6】
前記第一列静翼の出口配置角の角度値は10°~60°であり、前記第二列静翼の出口配置角の角度値は60°~80°であることを特徴とする請求項1に記載のディフューザ。
【請求項7】
前記第一列静翼の翼数は前記第二列静翼の翼数以下であり、前記第一列静翼と前記第二列静翼はそれぞれ前記外環壁の周方向に沿って均一に分布し、前記第一列静翼と前記第二列静翼は前記外環壁の軸方向に互いにずれて分布し、少なくとも前記第一列静翼のうちの一つの静翼の頭部又は尾部は前記第二列静翼のうちの一つの静翼の頭部又は尾部と前記外環壁の軸方向に整列することを特徴とする請求項1に記載のディフューザ。
【請求項8】
前記第一列静翼の翼数は6枚~20枚であり、前記第二列静翼の翼数は10枚~30枚であることを特徴とする請求項7に記載のディフューザ。
【請求項9】
前記第一列静翼の尾部と前記第二列静翼の頭部との間の前記ベースリング部品の軸方向に沿う間隔は3mm以下であることを特徴とする請求項1に記載のディフューザ。
【請求項10】
前記出口配置角は前記静翼の翼根に位置する第一出口配置角と前記静翼のチップに位置する第二出口配置角を含み、前記第一出口配置角の角度値と前記第二出口配置角の角度値との差の値は0°~20°であることを特徴とする請求項3、4および6のいずれか一項に記載のディフューザ。
【請求項11】
前記静翼は円弧状翼であることを特徴とする請求項1に記載のディフューザ。
【請求項12】
請求項1に記載のディフューザを含むことを特徴とする送風装置。
【請求項13】
請求項12に記載の送風装置を含むことを特徴とする集塵設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は2020年1月6日に中国特許局に提出された、出願番号202010010952.7、出願名称「ディフューザ、送風装置及び掃除機」の中国特許出願の優先権と、
2020年1月6日に中国特許局に提出された、出願番号202010010950.8、出願名称「ディフューザ、送風機及び掃除機」の中国特許出願の優先権と、
2020年1月6日に中国特許局に提出された、出願番号202010011558.5、出願名称「ディフューザ、送風機及び掃除機」の中国特許出願の優先権と、を主張し、
上記三つの中国特許出願の全ての内容は引用により本願に組み込まれている。
【0002】
本願はクリーニング設備の技術分野に属し、特にディフューザ、送風装置及び集塵設備に関する。
【背景技術】
【0003】
集塵設備内に一般的に送風装置が取り付けられ、送風装置内にディフューザが設置されることにより、送風装置を流れる気流の運動エネルギーを圧力エネルギーに変換し、さらに気流の流れ損失を減少させる。ディフューザ内に一般的に静翼が設置されることにより、気流にドレナージ及び増圧を行う。
【0004】
しかしながら、従来の静翼のレイアウト方式は依然として気流がディフューザを流れる時の運動エネルギーと圧力エネルギーとの間の変換を十分に実現することができず、このように気流がディフューザを流れる時に生成された流動損失が大きいことをもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本実施例はディフューザを提供し、従来の技術における気流がディフューザを流れる時の流れ損失が大きいという技術的問題を解決することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本願が採用する技術的解決手段は以下のとおりである。
【0007】
第一態様において、ディフューザを提供し、ベースリング部品及び複数列の静翼を含み、各列の前記静翼は順に前記ベースリング部品の軸方向に沿って前記ベースリング部品の外環壁に設置され、かついずれも前記ベースリング部品の周方向に沿って配列され、前記ベースリング部品のその軸方向に沿う対向する両側はそれぞれ吸気側と排気側であり、前記吸気側から前記排気側まで、そのうちの一列の前記静翼の弦長は該列の前記静翼に隣接する次の列の前記静翼の弦長以上であり、
前記静翼は取付角を有し、前記吸気側から前記排気側まで、そのうちの一列の前記静翼の取付角は該列の前記静翼に隣接する次の列の前記静翼の取付角以下である。
【0008】
第二態様において、ディフューザを提供し、ベースリング部品及び複数の静翼を含み、複数の前記静翼が前記ベースリング部品の軸方向に沿って順に複数列に設置され、かつ各列の静翼における前記静翼の数が複数であり、各列の静翼における複数の前記静翼が前記ベースリング部品の周方向に沿って設置され、前記ベースリング部品の横断面が円形であり、複数列の前記静翼における少なくとも一列の静翼における各前記静翼の型面が該静翼の一側に向かって傾斜して設置される。
【0009】
第三態様において、ディフューザを提供し、ベースリング部品及び複数の静翼を含み、複数の前記静翼が前記ベースリング部品の軸方向に沿って順に複数列に設置され、かつ各列の静翼における前記静翼の数が複数であり、各列の静翼における複数の前記静翼が前記ベースリング部品の周方向に沿って設置され、前記ベースリング部品の横断面が円形であり、複数列の前記静翼における少なくとも一列の静翼における各前記静翼の厚さが該静翼の頭部から尾部まで非一定に設置される。
【0010】
第四態様において、送風装置を提供し、上記ディフューザを含む。
【0011】
第五態様において、集塵設備を提供し、上記送風装置を含む。
【発明の効果】
【0012】
本実施例は少なくとも以下の有益な効果を有する。本実施例が提供するディフューザは、ディフューザ内に、ベースリング部品の軸方向に沿って複数列の静翼が設置され、このようにディフューザを流れる気流は各列の静翼の多段ドレナージ作用を得ることができ、このように気流の多段減速過給を実現し、それにより気流がディフューザを流れる時に生成された流動損失を低減する。
【0013】
本実施例が提供する送風装置は、上記ディフューザを含むため、上記ディフューザは気流がディフューザを流れる時に、大きな流れ損失が発生しない前提で、減速過給をスムーズに実現することを保証することができる。このように送風装置の全体的な作業効率を向上させ、送風装置の作業エネルギー消費を節約する。
【0014】
本実施例が提供する集塵設備は、上記送風装置を含むため、上記送風装置は気流をスムーズに減速して増圧することを実現することができ、かつ運行時に省エネルギーで環境に優しく、このように上記送風装置を含む集塵設備の集塵効果を顕著に向上させ、同時に集塵設備の作業エネルギー消費を節約する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本願の実施例における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下に実施例又は例示的な技術の説明に必要な図面を簡単に紹介し、明らかに、以下に記載の図面は本願のいくつかの実施例だけであり、当業者にとって、創造的労働をしない前提で、これらの図面に基づいて他の図面を取得することができる。
【0016】
図1図1は本実施例が提供する送風装置の構造概略図である。
図2図2は本実施例が提供する送風装置のディフューザの構造概略図である。
図3図3は本実施例が提供する送風装置のディフューザの第一列静翼の翼列図である。
図4図4は本実施例が提供する送風装置のディフューザの第一列静翼及び第二列静翼の翼列図である。
図5図5は本実施例が提供する送風装置のディフューザのベースリング部品の構造概略図である。
図6図6は本願の実施例が提供するディフューザの立体構造概略図である。
図7図7図6のディフューザの翼列の平面概略図である。
図8図8図6のディフューザの正面構造概略図である。
図9図9図8のディフューザにおけるベースリング部品及び第二列静翼の平面構造概略図である。
図10図10図8のディフューザにおけるベースリング部品及び第二列静翼の底面構造概略図である。
図11図11図8のA-A線に沿う断面構造概略図である。
図12図12は本願の実施例が提供するディフューザにおけるベースリング部品及び一列の静翼のベースリング部品の径方向面に沿う断面構造概略図である。
図13図13は本願の実施例が提供するディフューザにおける一つの静翼の子午投影面での概略図である。
図14図14は本願の実施例が提供するディフューザの立体構造概略図である。
図15図15は本願の実施例が提供する第一種の送風装置の断面構造概略図である。
図16図16は本願の実施例が提供する第二種の送風装置の断面構造概略図である。
【符号の説明】
【0017】
10-ディフューザ、11-ベースリング部品、12-第一列静翼、
13-第二列静翼、14-圧力面、15-流路、
16-チップ、17-翼根、18-型面、
19-吸引面、20-送風装置、21-風カバー、
22-駆動機構、23-可動羽根車、24-吸気口、
111-外環壁、112-内環壁、113-取付孔、
114-静翼、221-フレーム、222-モータ、
223-回路基板、224-駆動軸、225-軸受。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に本願の実施例を詳細に説明し、前記実施例の例を図面に示し、ここで始めから終わりまで同じ又は類似の符号は同じ又は類似の部品又は同じ又は類似の機能を有する部品を示す。以下に図面1~16を参照して説明する実施例は例示的なものであり、本願を説明するためのものであり、本願を限定するものと理解すべきではない。
【0019】
本願の説明において、理解すべきことは、用語「長さ」、「幅」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」等の指示された方位又は位置関係は図面に示された方位又は位置関係に基づくものであり、本願の説明及び説明の簡略化を容易にするためだけであり、指定された装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位で構成されて操作されなければならないことを指示するか又は暗示するものではないため、本願を限定するものと理解すべきではない。
【0020】
また、用語「第1」、「第2」は単に目的を説明するために用いられ、相対的な重要性を指示するか又は暗示するか又は指示された技術的特徴の数量を暗黙的に示すと理解されるべきではない。これにより、「第1」、「第2」が限定された特徴は一つ又は複数の該特徴を明示的又は暗黙的に含むことができる。本願の説明において、別途明確で具体的な限定がない限り、「複数」の意味は二つ以上である。
【0021】
本願の説明において、説明すべきことは、他に明確な規定及び限定がない限り、用語「取り付け」、「連結」、「接続」、「固定」を広義に理解すべきであり、例えば、固定接続であってもよく、取り外し可能な接続であってもよく、又は一体的な接続であってもよい;機械的な接続であってもよく、電気的な接続であってもよい;直接接続であってもよく、中間媒体を介して間接的に接続されてもよく、二つの素子内部の連通又は二つの素子の相互作用関係であってもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて上記用語の本願における具体的な意味を理解することができる。
【0022】
実施例1
図1図2及び図4に示すように、本実施例はディフューザ10を提供し、送風装置20に用いられ、該送風装置20は集塵設備に用いられるがこれらに限定されない。ここで、図5に示すように、ディフューザ10はベースリング部品11及び若干の列の静翼114を含み、各列の静翼114は順にベースリング部品11の軸方向に沿ってベースリング部品11の外環壁111に設置され、かついずれもベースリング部品11の周方向に沿って配列され、ベースリング部品11のその軸方向に沿った対向する両側はそれぞれ吸気側及び排気側であり、かつベースリング部品11は外環壁111及び内環壁112を有し、内環壁112内に若干の取付孔113が開設され、ベースリング部品11はロックボルトにより取付孔113及びフレーム221を穿設することによりディフューザ10内での固定接続を実現する。吸気側から排気側まで、そのうちの一列の静翼114の弦長は該列の静翼114に隣接する次の列の静翼114の弦長以上である。静翼114は取付角を有し、吸気側から排気側まで、そのうちの一列の静翼114の取付角は該列の静翼114に隣接する次の列の静翼114の取付角以下である。
【0023】
まず、図3を参照して本実施例に係る技術用語を説明する。
前額線であって、同じ列の複数の静翼114の頭部の対応点の接続線が前額線(図3におけるL1に示す)と呼ばれ、
後額線であって、同じ列の複数の静翼114の尾部の対応点の接続線が後額線(図3におけるL2に示す)と呼ばれ、
入口配置角であって、中線と前額線の羽根ヘッド部での接線で形成された夾角(図3におけるαに示す)であり、
出口配置角であって、中線と後額線の羽根尾部での接線で形成された夾角(図3におけるβに示す)であり、
取付角であって、静翼114の前額線と弦長との間の夾角を指し、該角度は弦長の変化に伴って変化し、(図3におけるθに示す)、
静翼114のヘッド部であって、ベースリング部品11の軸方向に沿って、静翼114の最前位置はヘッド部(図3におけるaに示す)であり、
静翼114の尾部であって、ベースリング部品11の軸方向に沿って、静翼114の最後位置は尾部(図3におけるbに示す)であり、
静翼114の高さであって、静翼114のベースリング部品11の径方向に沿う長さであり、
翼頂部であって、静翼114がその径方向に沿って頂部まで増加する位置は翼頂部であり、
弦長であって、中線の静翼114の頭部と静翼114の尾部との間の直線距離は弦長(図3におけるL4に示す)であり、
中線であって、静翼114の厚さ方向の各中点が静翼114の頭部から尾部までに結んだ曲線を中線(図3におけるL3に示す)と呼ぶ。
【0024】
本実施例が提供するディフューザは、ディフューザ内に、ベースリング部品の軸方向に沿って複数列の静翼114が設置され、このようにディフューザを流れる気流は各列の静翼114の多段ドレナージ作用を受けることができ、このように気流の多段減速過給を実現し、それにより気流がディフューザを流れる時に生成された流動損失を低減する。
【0025】
以下に本実施例の提供するディフューザ10をさらに説明する。本実施例の提供するディフューザ10は、ディフューザ10内に、ベースリング部品11の軸方向に沿って複数列の静翼114が設置されることにより、ディフューザ10を流れる気流は各列の静翼114の多段ドレナージ作用を受けることができ、このようにしてまず気流の多段減速過給を実現する。ベースリング部品11の吸気側から排気側まで、そのうちの一列の静翼114の弦長は該列の静翼114に隣接する次の列の静翼114の弦長以上である。このように各列の静翼114は気流による流れ分離現象を段階的に弱めることができ、気流がディフューザ10を流れる時に発生する流れ損失を顕著に低減する。このように気流は各列の静翼114のドレナージ作用で、大きな流動損失が発生しない前提で、減速過給をスムーズに実現することができる。
【0026】
本実施例において、静翼114の頭部は入口配置角を有し、吸気側から排気側まで、そのうちの一列の静翼114の入口配置角は該列の静翼114に隣接する次の列の静翼114の入口配置角以下である。そのうちの一列の静翼114の出口設置角は該列の静翼114に隣接する次の列の静翼114の出口設置角以下である。
【0027】
具体的には、そのうちの一列の静翼114の入口配置角が次の列の静翼114の入口配置角以下であり、そのうちの一列の静翼114の出口配置角が次の列の静翼114の出口配置角以下であることにより、気流が前の列の静翼114から次の列の静翼114に流れる時の流動不均一性をさらに効果的に抑制し、同時に気流が前の列の静翼114から次の列の静翼114に流れる時に生成された流れ分離現象を効果的に抑制し、さらに気流が前の列の静翼114から次の列の静翼114に流れる時に生成された流動損失を効果的に低減し、気流の流動効率を向上させる。
【0028】
本実施例において、静翼114の尾部は出口配置角を有し、吸気側から排気側まで、そのうちの一列の静翼114の出口配置角は該列の静翼114に隣接する次の列の静翼114の入口配置角以下であってもよい。気流が前の列の静翼114から次の列の静翼114にスムーズに流れるようにする。本実施例において、そのうちの一列の静翼114の出口配置角は該列に隣接する次の列の静翼114の入口配置角よりも大きくてもよい。
【0029】
本実施例において、図2に示すように、ディフューザ10は第一列静翼12及び第二列静翼13を含み、第一列静翼12及び第二列静翼13は吸気側から排気側まで順にベースリング部品11の軸方向に沿ってベースリング部品11の外環壁111に設置される。具体的には、静翼114の列数は二列であってもよく、このように一方では十分な数の静翼114を有して気流に対して十分なドレナージ及びディフューザを行うことを保証し、他方では静翼114の列数が多すぎないことを保証し、さらにディフューザ10のコンパクトな設計を実現する。
【0030】
本実施例において、第一列静翼12の入口配置角の角度値は5°~20°であり、第二列静翼13の入口配置角の角度値は20°~40°である。具体的には、第一列静翼12の入口配置角の角度値は5°、5.5°、6°、6.5°、7°、7.5°、8°、8.5°、9°、9.5°、10°、10.5°、11°、11.5°、12°、12.5°、13°、13.5°、14°、14.5°、15°、15.5°、16°、16.5°、17°、17.5°、18°、18.5°、19°、19.5°又は20°であってもよい。
【0031】
第二列静翼13の入口配置角の角度値は、20°、20.5°、21°、21.5°、22°、22.5°、23°、23.5°、24°、24.5°、25°、25.5°、26°、26.5°、27°、27.5°、28°、28.5°、29°、29.5°、30°、30.5°、31°、31.5°、32°、32.5°、33°、33.5°、34°、34.5、35°、35.5°、36°、36.5°、37°、37.5°、38°、38.5°、39°、39.5°又は40°とすることができる。
【0032】
第一列静翼12の入口配置角の角度値を5°~20°に設定し、かつ第二列静翼13の入口配置角の角度値を20°~40°に設定することにより、気流が第一列静翼12及び第二列静翼13を流れる時に生成された流動不均一性に対する効果的な抑制をさらに実現し、同時に第二列静翼13の気流に対する効果的なドレナージを保証する。
【0033】
本実施例において、第一列静翼12の出口配置角の角度値は10°~60°であり、第二列静翼13の入口配置角の角度値は60°~80°である。具体的には、第一列静翼12の出口配置角の角度値は10°、15°、20°、25°、30°、35°、40°、45°、50°、55°又は60°であってもよい。第二列静翼13の入口配置角の角度値は60°、61°、62°、63°、64°、65°、66°、67°、68°、69°、70°、71°、72°、73°、74°、75°、76°、77°、78°、79°又は80°であってもよい。
【0034】
第一列静翼12の出口配置角の角度値を10°~60°に設定し、第二列静翼13の入口配置角の角度値を60°~80°に設定することにより、気流が第一列静翼12から第二列静翼13に流れる時に生成された流れ分離現象を効果的に弱め、さらに気流の流動状態を最適化し、気流が第一列静翼12から第二列静翼13に流れる時に生成された流動損失をさらに低減し、同時に気流の流動効率をさらに向上させる。
【0035】
本実施例において、第一列静翼12の弦長と第二列静翼13の弦長との比は1以上であり、かつ5以下である。具体的には、第一列静翼12の弦長と第二列静翼13の弦長との比を1、1.2、1.5、1.7、2、2.2、2.5、2.7、3、3.2、3.5、3.7、4、4.2、4.5、4.7又は5にすることができる。第一列静翼12の弦長と第二列静翼13の弦長との比が1以上であり、かつ5以下である。このように気流が第一列静翼12から第二列静翼13に流れる時に生成された流れ分離現象をさらに弱め、気流がディフューザ10を流れる時に生成された流動損失をさらに低減する。
【0036】
本実施例において、第一列静翼12の翼数は第二列静翼13の翼数以下であり、第一列静翼12と第二列静翼13はそれぞれ外環壁の周方向に沿って均一に分布し、第一列静翼12と第二列静翼13は外環壁の軸方向に互いにずれて分布し、少なくとも第一列静翼12のうちの一つの静翼114の頭部又は尾部は第二列静翼13のうちの一つの静翼114の頭部又は尾部と外環壁の軸方向に整列する。このようにして第一列静翼12と第二列静翼13との接続性をより強くすることができ、それにより気流が第一列静翼12から第二列静翼13への効率的な流れに役立つ。
【0037】
本実施例において、第一列静翼12の翼数は6枚~20枚であり、第二列静翼13の翼数は10枚~30枚である。具体的には、第一列静翼12の翼数は6枚、7枚、8枚、9枚、10枚、11枚、12枚、13枚、14枚、15枚、16枚、17枚、18枚、19枚又は20枚であってもよく、第二列静翼13の翼数は10枚、11枚、12枚、13枚、14枚、15枚、16枚、17枚、18枚、19枚、20枚、21枚、22枚、23枚、24枚、25枚、26枚、27枚、28枚、29枚又は30枚であってもよい。第一列静翼12の翼数を6枚~20枚に設定し、かつ第二列静翼13の翼数を10枚~30枚に設定することにより、気流は第一列静翼12から第二列静翼13に流れる時に、第二列静翼13のより十分なドレナージ及びディフューザ作用を受けることができ、流速をさらに減少させ、圧力を増大させ、このようにディフューザ10の増圧効果をさらに向上させる。
【0038】
本実施例において、第一列静翼12と第二列静翼13は一対一に対応せず、厳密なN対一関係ではなく、まず第二列静翼13の数を決定した後、まず第二列静翼13のうちのある静翼114と第一列静翼12のうちのある静翼114のある一端を位置合わせて、次に第二列静翼13をベースリング部品11の外環壁に均一に配置し、第二列静翼13の配置を完了した後、第一列静翼12の配置を行う。
【0039】
本実施例において、図4に示すように、第一列静翼12の尾部と第二列静翼13の頭部との間のベースリング部品11の軸方向に沿う間隔(図4におけるDに示す)は3mm以下である。具体的には、第一列静翼12の尾部と第二列静翼13の頭部との間のベースリング部品11の軸方向に沿った間隔が3mm以下であることにより、このように一方で第一列静翼12と第二列静翼13の気流のドレナージに対するスムーズな接続を保証し、気流の流動効率を保証し、他方で第一列静翼12と第二列静翼13に十分な組立隙間を残し、第一列静翼12と第二列静翼13の加工寸法誤差による第一列静翼12と第二列静翼13の相互干渉を回避する。
【0040】
好ましくは、第一列静翼12の尾部と第二列静翼13の頭部との間のベースリング部品11の軸方向に沿う間隔は1mm以上であり、かつ3mm以下である。第一列静翼12の尾部と第二列静翼13の頭部との間のベースリング部品11の軸方向に沿う間隔をさらに1mm以上、かつ3mm以下に限定することにより、このように気流の流動効率の保証と第一列静翼12及び第二列静翼13の相互干渉の回避との間に最適なバランスを求め、第一列静翼12と第二列静翼13が相互干渉を回避する前提で、第一列静翼12と第二列静翼13を流れる気流に対して最適なドレナージ及びディフューザ効果を実現することができる。
【0041】
本実施例において、出口配置角は静翼114の翼根に位置する第一出口配置角と静翼114のチップに位置する第二出口配置角を含み、第一出口配置角の角度値と第二出口配置角の角度値との差の値は0°~20°である。
【0042】
このように、第一出口配置角の角度値と第二出口配置角の角度値との差の値が0°ではない場合、静翼114のベースリング部品11の径方向に沿う輪郭線は曲線であり、静翼114がベースリング部品11の径方向に沿って湾曲することを説明する。両者の角度値の差の値が0°である場合、静翼114がベースリング部品11の径方向に沿って直線的に延び、出口配置角の角度値が径方向に沿って変化しないことを示す。
【0043】
具体的には、第一出口配置角の角度値と第二出口配置角の角度値との差の値は0°、1°、2°、3°、4°、5°、6°、7°、8°、9°、10°、11°、12°、13°、14°、15°、16°、17°、18°、19°又は20°であってもよい。
【0044】
静翼114のベースリング部品11の外環壁111に近接する出口配置角の角度値と静翼114のそのチップ端面に近接する出口配置角の角度値との差の値を0°~20°に設定することにより、このように気流の静翼114の尾部での流れの不均一性をさらに抑制し、それにより静翼114の気流に対する効果的なドレナージをさらに保証する。
【0045】
本実施例において、図2に示すように、静翼114は円弧状翼である。具体的には、静翼114を円弧状翼に設定することにより、静翼114はよりスムーズで滑らかなドレナージ曲線を有し、さらに気流が静翼114をよりスムーズで安定的に流れることを保証する。
【0046】
本実施例において、図1に示すように、ディフューザ10の各静翼114の先端面はいずれも風カバー21の内側壁に当接する。具体的には、各静翼114の先端面をいずれも風カバー21の内側壁に当接させることにより、このように各静翼114はベースリング部品11と風カバー21との間に囲まれた領域を十分に占めることができ、さらに送風装置20に入る気流に対して十分なドレナージ作用を実現し、さらに気流に対して十分な減速過給を実現する。
【0047】
上記パラメータ設定に基づいて、いくつかの具体的なディフューザ10の構造を提供し、本実施例において、第一列静翼12の入口配置角は15°であり、出口配置角は24°であり、第二列静翼13の入口配置角は35°であり、出口配置角は75°である。かつ第一列静翼12の尾部と対応する第二列静翼13の頭部との間の軸方向距離は1.8mmであり、ディフューザ10が上記パラメータに応じた値を取る場合、良好な空力性能を有し、IEC 60312標準に応じて、13mmオリフィスプレート測定条件で上記ディフューザを有する送風装置20の機械全体効率は54%程度である。
【0048】
本実施例において、第一列静翼12の入口配置角は20°であり、出口配置角は27°であり、第二列静翼13の入口配置角は42°であり、出口配置角は60°である。かつ第一列静翼12の尾部と対応する第二列静翼13の頭部との間の軸方向距離は1.3mmであり、ディフューザ10が上記パラメータに応じた値を取る場合、良好な空力性能を有し、IEC 60312標準に応じて、13mmオリフィスプレート測定条件で上記ディフューザ10を有する送風装置20の機械全体効率は54.2%程度である。
【0049】
本実施例はさらに送風装置20を提供し、それは上記ディフューザ10を含む。具体的には、送風装置20は風カバー21、駆動機構22、可動羽根車23及びディフューザ10を含み、駆動機構22は風カバー21内に設置され、可動羽根車23は駆動機構22に接続され、かつ風カバー21の吸気口24に対応して設置され、ディフューザ10は風カバー21内に固定され、かつ可動羽根車23の吸気口24から離れる一側に位置する。
【0050】
具体的には、駆動機構22はフレーム221、モータ222及び回路基板223を含み、フレーム221及び回路基板223はいずれも風カバー21内に固定され、モータ222はフレーム221に設置され、かつモータ222の駆動軸224はフレーム221及びディフューザ10を貫通しかつ可動羽根車23に接続され、可動羽根車23を回転駆動する。
【0051】
本実施例が提供する送風装置は、上記ディフューザを含むため、上記ディフューザは気流がディフューザを流れる時に、大きな流れ損失が発生しない前提で、減速過給をスムーズに実現することを保証することができる。このように送風装置の全体作業効率を向上させ、送風装置の作業エネルギー消費を節約する。
【0052】
本実施例はさらに集塵設備を提供し、上記送風装置を含む。本実施例が提供する集塵設備は、上記送風装置を含むため、上記送風装置は気流をスムーズに減速過給することを実現することができ、かつ運行時に省エネルギーで環境に優しく、このように上記送風装置を含む集塵設備の集塵効果を顕著に向上させ、同時に集塵設備の作業エネルギー消費を節約する。
【0053】
実施例2
図6及び図7に示すとおり、現在本実施例が提供するディフューザ10について説明する。ディフューザ10はベースリング部品11及び複数の静翼114を含み、複数の静翼114は複数列に分けて設置され、複数列の静翼114はベースリング部品11の軸方向に沿って設置され、各列の静翼114における静翼114の数は複数であり、各列の静翼114における複数の静翼114はベースリング部品11の周方向に沿って設置される。それにより隣接する二つの静翼114の間に気流の流れをガイドする流路15を形成することができる。気流がベースリング部品11の周側の隣接する二つの静翼114の間の流路15を流れる時、静翼114にガイドされて流れ、それにより気流の流れがより安定し、渦流を減少させ、エネルギー損失を低減する。ベースリング部品11の横断面は円形であり、気流がベースリング部品11の径方向に偏向して回転してベースリング部品11の軸方向に沿って流れる時、ベースリング部品11の周側の各箇所に流れる距離が近く、それが受けた抵抗も近く、それにより気流がベースリング部品11の周側により安定して流れ、エネルギー損失を低減する。複数の静翼114をベースリング部品11の軸方向に沿って複数列に設置し、複数列の静翼114により気流の流れを段階的にガイドし、エネルギー損失を低減し、ディフューザ効果を向上させることができる。
【0054】
説明しやすいために、以下のように定義する。気流が該ディフューザ10を流れる時、気流入口の方向は上、前又は頭であり、気流出口の方向は下、後又は尾である。
【0055】
説明しやすいために、以下のように定義する。複数の静翼114はベースリング部品11の軸方向に沿って二列に分けられ、上から下へ順に第一列静翼12及び第二列静翼13であり、すなわち第一列静翼12は第二列静翼13の前の列であり、第二列静翼13は第一列静翼12の次の列である。複数の静翼114はベースリング部品11の軸方向に沿って三列に分けられ、上から下へ順に第一列静翼12、第二列静翼13及び第三列静翼114である。複数の静翼114はベースリング部品11の軸方向に沿って四列又は複数列に分けられ、上から下へ順に第一列静翼12、第二列静翼13、第三列静翼114……である。すなわち複数の静翼114はベースリング部品11の軸方向に沿ってN(Nは正の整数であり、N≧2)列に設置される場合、上から下へ順に第一列、第二列……第N列に分けられ、ここで、第M-1列の静翼114は第M列の静翼114の前の列の静翼114であり、第M列の静翼114は第M-1列の静翼114の次の列の静翼114である(Mは正の整数であり、M≦N)。
【0056】
図11に示すとおり、静翼114の型面18は該静翼114の翼根17とチップ16との間の二つの側面を指し、静翼114の翼根17とチップ16との間の二つの側面はそれぞれ吸引面19と圧力面14であり、吸引面19と圧力面14は型面18と総称される。静翼114の翼根17は静翼114の高さ方向のベースリング部品11に近接する根部位置を指す。静翼114のチップ16は静翼114の高さ方向のベースリング部品11から離れた頂部位置を指す。静翼114の頭部は気流の流れ方向に沿って静翼114の前端に位置する部位、すなわち静翼114上の気流に接触し始める部位を指す。静翼114の尾部は気流の流れ方向に沿って静翼114の後端に位置する部位、すなわち気流が静翼114から離れる時に対応する静翼114上の部位を指す。
【0057】
図6に示すとおり、第一列静翼12において、各静翼114の二つの側面はそれぞれ吸引面19aと圧力面14aであり、吸引面19aと圧力面14aは該静翼114の型面18aと総称される。隣接する二つの静翼114の間に気流の流れをガイドする流路15aを形成することができる。第二列静翼13において、各静翼114の二つの側面はそれぞれ吸引面19bと圧力面14bであり、吸引面19bと圧力面14bは該静翼114の型面18bと総称される。隣接する二つの静翼114の間に気流の流れをガイドする流路15bを形成することができる。
【0058】
本実施例において、図6に示すとおり、複数の静翼114はベースリング部品11の軸方向に沿って二列に分けられ、上から下へ順に第一列静翼12及び第二列静翼13であり、すなわち第一列静翼12は第二列静翼13の前の列であり、第二列静翼13は第一列静翼12の次の列である。いくつかの実施例において、複数の静翼114はベースリング部品11の軸方向に沿って三列、四列又は複数列に分けられる。
【0059】
本実施例において、図7に示すとおり、静翼114の高さ方向の中部に同じ単位厚さのベースリング部品11の形状と同じ曲面を切り取り、該曲面は円筒状を呈し、該曲面はベースリング部品11と同軸であり、該曲面を平面展開し、各静翼114の平面翼列図を得る。平面翼列図において、各列の静翼114における各静翼114の頭部の対応点の接続線は該列の静翼114の前額線L1と呼ばれ、同時に前額線L1は該列の静翼114における各静翼114の頭部の対応点の接線である。各列の静翼114における各静翼114の尾部の対応点の接続線は該列の静翼114の後額線L2と呼ばれ、同時に後額線L2は該列の静翼114における各静翼114の尾部の対応点の接線である。各静翼114の厚さHの中点が接続された曲線は該静翼114の中線L3と呼ばれる。中線L3の対応する静翼114の頭部での接線と該静翼114の頭部の対応点の接線との夾角は入口配置角αであり、即ち中線L3の静翼114の頭部での接線と対応する前額線L1との夾角は入口配置角αである。中線L3の静翼114の尾部での接線と該静翼114の尾部の対応点の接線との夾角は出口配置角βであり、即ち中線L3の静翼114の尾部での接線と対応する後額線L2との夾角は入口配置角βである。中線L3の静翼114の頭部と尾部との間の距離は弦長L4であり、中線L3上の異なる位置と静翼114の頭部との間の直線距離が位置弦長L5であり、即ち中線L3上の各点と静翼114の頭部との間の直線距離がこの点の位置弦長L5である。静翼114のある位置の位置弦長L5は取付角θを有し、位置弦長L5の取付角θは該位置と該静翼114の頭部の同じ高さとの間の線分と対応する前額線L1との夾角である。
【0060】
第一列静翼12を例とする。第一列静翼12における各静翼114の頭部の対応点の接続線は第一列静翼12の前額線L1aであり、同時に該前額線L1aは第一列静翼12における各静翼114の頭部の対応点の接線である。第一列静翼12における各静翼114の尾部の対応点の接続線は第一列静翼12の後額線L2aであり、同時に該後額線L2aは第一列静翼12における各静翼114の尾部の対応点の接線である。第一列静翼12における各静翼114の厚さHaの中点が接続された曲線は該静翼114の中線L3aと呼ばれる。第一列静翼12における各静翼114の中線L3aの該静翼114の頭部での接線と該静翼114の頭部の対応点の接線との夾角は入口配置角αaである。第一列静翼12における各静翼114の中線L3aの該静翼114の尾部での接線と該静翼114の尾部の対応点の接線との夾角は出口設置角βaである。第一列静翼12における各静翼114の中線L3aの該静翼114の頭部から尾部までの距離が該静翼114の弦長Laであり、第一列静翼12における各静翼114の中線L3aのある点から該静翼114の頭部までの直線距離が該静翼114上の対応点の位置弦長L5aである。第一列静翼12における各静翼114のある位置の位置弦長L5aが取付角θaを有し、位置弦長L5aの取付角θaは該位置と該静翼114の頭部の同じ高さとの間の線分と対応する前額線L1aとの夾角である。
【0061】
第二列静翼13を例とする。第二列静翼13における各静翼114の頭部の対応点の接続線は第二列静翼13の前額線L1bであり、同時に該前額線L1bは第二列静翼13における各静翼114の頭部の対応点の接線である。第二列静翼13における各静翼114の尾部の対応点の接続線は第二列静翼13の後額線L2bであり、同時に該後額線L2bは第二列静翼13における各静翼114の尾部の対応点の接線である。第二列静翼13における各静翼114の厚さHbの中点が接続された曲線は該静翼114の中線L3bと呼ばれる。第二列静翼13における各静翼114の中線L3bの該静翼114の頭部での接線と該静翼114の頭部の対応点の接線との夾角は入口配置角αbである。第二列静翼13における各静翼114の中線L3bの該静翼114の尾部での接線と該静翼114の尾部の対応点の接線との夾角は出口配置角βbである。第二列静翼13における各静翼114の中線L3bの該静翼114の頭部から尾部までの距離が該静翼114の弦長Lbであり、第二列静翼13における各静翼114の中線L3bのある点から該静翼114の頭部までの直線距離が該静翼114上の対応点の位置弦長L5bである。第二列静翼13における各静翼114のある位置の位置弦長L5bが取付角θbを有し、位置弦長L5bの取付角θbは該位置と該静翼114の頭部の同じ高さとの間の線分と対応する前額線L1bとの夾角である。
【0062】
本実施例において、図6及び図7に示すとおり、複数列の静翼114において、少なくとも一列の静翼114における各静翼114の厚さHは該静翼114の頭部から尾部まで非一定に設置され、それにより気流が該列の静翼114における隣接する二つの静翼114の間の流路15に入る時、流れ分離を改善し、流れ分離損失を低減する。気流が該列の静翼114における静翼114の間の流路15を流れる時に渦流を改善し、翼根17での流れ分離を調整することができる。気流が該列の静翼114における静翼114の間の流路15から流出する時、気流の不均一性を低減し、ディフューザ効果を向上させ、空力騒音を低減することができる。
【0063】
本実施例のディフューザ10は、ベースリング部品11の周方向に複数列の静翼114を設置することにより、複数列の静翼114により気流を段階的にガイドし、気流の絶対速度を低下させることにより、ディフューザ効果を向上させる。少なくとも一列の静翼114における各静翼114の厚さHは該静翼114の頭部から尾部まで非一定に設置され、気流が該列静翼114における隣接する二つの静翼114の間の流路15に入る時、流れ分離を改善し、流れ分離損失を低減することができる。気流が該列の静翼114における静翼114の間の流路15を流れる時、渦流を改善し、翼根17での流れ分離を調整することができる。気流が該列の静翼114における静翼114の間の流路15から流出する時、気流の不均一性を低減し、ディフューザ効果を向上させ、空力騒音を低減することができる。
【0064】
本実施例において、各静翼114の長さ方向はベースリング部品11の軸方向に傾斜し、各静翼114の長さ方向は該静翼114の頭部と尾部が接続された方向を指し、気流が二つの静翼114の間の流路15を流れる時に、気流の方向変更を徐々にガイドし、気流エネルギー損失を低減することができる。
【0065】
本実施例において、ディフューザ10が複数列の静翼114を含む場合、そのうちの一列の静翼114における各静翼114の厚さHを該静翼114の頭部から尾部まで非一定に設置することができる。もちろん、そのうちの複数列の静翼114のうち、各静翼114の厚さHを、当該静翼114の頭部から尾部まで非一定に設置してもよい。また、各列の静翼114において、各静翼114の厚さHを、当該静翼114の頭部から尾部まで非一定に設置してもよい。
【0066】
本実施例において、厚さHが非一定に設置された各静翼114において、各静翼114の厚さHは該静翼114の頭部から尾部まで徐々に増大してから徐々に減少することにより、気流が静翼114の間の流路15を流れる時に、まず気流の周方向速度及び絶対速度を徐々に低下させ、流れ分離損失を低下させ、次に渦流を改善し、気流が静翼114の間の流路15から流出する不均一性を低下させ、流れ分離損失を低下させ、ディフューザ効果を向上させ、空力騒音を減少させる。
【0067】
本実施例において、図6及び図7に示すように、厚さHが非一定に設置された各静翼114において、各静翼114の厚さHが最も大きい位置の弦長L5は該静翼114の弦長Lの30%~45%であり、すなわち各静翼114の中線上の各点に対応する厚さHにおいて、厚さHが最も大きい位置の中線上の点に対応する位置弦長L5は該静翼114の弦長Lの30%~45%である。それにより気流は静翼114でまず気流の周方向速度及び絶対速度を低下させた後、気流を段階的にガイドし、気流の流れ均一性を向上させ、流れ分離損失を低下させ、ディフューザ効果を向上させ、空力騒音を低減する。
【0068】
第一列静翼12を例とする。第一列静翼12における各静翼114の厚さHaが非一定に設置される場合、該列の静翼114における各静翼114の中線上の各位置に対応する厚さHaにおいて、厚さHaが最も大きい位置に対応する点の位置弦長L5aは該静翼114の弦長Laの30%~45%である。
【0069】
第二列静翼13を例とする。第二列静翼13における各静翼114の厚さHbが非一定に設置される場合、該列の静翼114における各静翼114の中線上の各位置に対応する厚さHbにおいて、厚さHbが最も大きい位置に対応する点の位置弦長L5bは該静翼114の弦長Lbの30%~45%である。
【0070】
本実施例において、図6及び図7に示すように、厚さHが非一定に設置された各静翼114において、各静翼114の厚さHが最も大きい位置の弦長L5は該静翼114の弦長Lの35%~40%であり、すなわち各静翼114の中線上の各点に対応する厚さHにおいて、厚さHが最も大きい位置の中線上の点に対応する位置の弦長L5は該静翼114の弦長Lの35%~40%である。それにより、流れ分離損失を低減し、渦流を改善し、ディフューザ効果を向上させ、空力騒音を低減する。
【0071】
本実施例において、図6及び図7に示すとおり、第二列静翼13において、各静翼114の厚さHbは以下の関係を満たし、すなわち第二列静翼13において、各静翼114の中線上の各点に対応する厚さHbは以下の関係を満たす。
各静翼114の頭部の厚さ範囲は0.1-0.8mmであり、
各静翼114の位置弦長L5bが該静翼114の弦長Lbの40%での厚さHbの範囲が1.1-1.4mmであり、
各静翼114の尾部の厚さ範囲は0.1-1mmである。
それにより、流れ分離損失をよりよく低減し、渦流を改善し、ディフューザ効果を向上させ、空力騒音を低減する。
【0072】
本実施例において、図6及び図7に示すとおり、第二列静翼13において、各静翼114の厚さHbは以下の関係を満たし、すなわち第二列静翼13において、各静翼114の中線上の各点に対応する厚さHbは以下の関係を満たす。
各静翼114の頭部の厚さ範囲は0.1-0.8mmであり、
各静翼114の位置弦長L5bが該静翼114の弦長Lbの30%での厚さHbの範囲が1-1.3mmであり、
各静翼114の位置弦長L5bが該静翼114の弦長Lbの40%での厚さHbの範囲が1.1-1.4mmであり、
各静翼114の位置弦長L5bが該静翼114の弦長Lbの50%での厚さHbの範囲が1-1.3mmであり、
各静翼114の位置弦長L5bが該静翼114の弦長Lbの60%での厚さHbの範囲が0.9-1.2mmであり、
各静翼114の位置弦長L5bが該静翼114の弦長Lbの70%での厚さHbの範囲が0.8-1.1mmであり、
各静翼114の尾部の厚さ範囲は0.1-1mmである。
それにより、静翼114の各部位の厚さをよりよく決定し、さらに流れ分離損失を低減し、渦流を改善し、ディフューザ効果を向上させ、空力騒音を低減する。
【0073】
本実施例において、図6及び図7に示すとおり、第二列静翼13において、各前記静翼114の中線上の各点に対応する厚さHbは以下の式を満たす。
T2≦Hb≦T1;
T1=0.82+0.68L1b-0.17L1b+0.011L1b
T2=0.68L1b-0.17L1b+0.011L1b
ここで、L1bは前記静翼114の中線上の対応点から該静翼114の頭部までの距離であり、すなわちL1bは静翼114の中線上の対応点の位置弦長であり、L1bはL1bの2乗であり、L1bはL1bの3乗であり、0.68L1bは0.68×L1bであり、0.17L1bは0.17×L1bであり、0.011L1bは0.011×L1bであり、T1は前記静翼114の中線上の対応点での最大厚さの関係式であり、T2は前記静翼114の中線上の対応点での最小厚さの関係式である。
【0074】
上記式により第二列静翼13における各静翼114の中線上の各点の対応する厚さHbを決定し、流動損失をよりよく低減し、気流の不均一性を改善し、渦流を改善し、ディフューザ効果を向上させ、空力騒音を低減することができる。
【0075】
本実施例において、図7に示すとおり、各前記静翼114の中線上の各点の対応する厚さHbは以下の式を満たす。Hb=0.32+0.68L1b-0.17L1b+0.011L1b、ここで、L1bは前記静翼114の中線上の対応する点から該静翼114の頭部までの距離であり、すなわちL1bは静翼114の中線上の対応する点の位置弦長であり、L1bはL1bの2乗であり、L1bはL1bの3乗であり、0.68L1bは0.68×L1bであり、0.17L1bは0.17×L1bであり、0.011L1bは0.011×L1bである。それにより第二列静翼13における各静翼114の厚さをよりよく決定し、流動損失をよりよく低減し、気流の不均一性を改善し、渦流を改善し、ディフューザ効果を向上させ、空力騒音を低減する。
【0076】
本実施例において、図6及び図8に示すとおり、ベースリング部品11の外径範囲は35-80mmである。それにより静翼114の厚さHをベースリング部品11とよりよくマッチングさせ、隣接する静翼114の間の流路15の大きさを保証し、気流に対する抵抗を減少させ、エネルギー損失を減少させ、ディフューザ効果を向上させる。
【0077】
本実施例において、図12に示すように、厚さHが非一定に設置された各静翼114において、各静翼114の中線上の任意の位置に対応する翼根17の厚さがH1であり、該位置のチップ16の厚さがH2であり、H1≧H2であり、すなわち各静翼114の中線上の任意の位置の翼根17の厚さH1が該位置のチップ16の厚さH2以上であり、それにより翼根17の近傍の流れ分離をよりよく調整し、流れ分離損失を減少させ、ディフューザ効果を向上させる。
【0078】
本実施例において、図12に示すように、厚さHが非一定に設置された各静翼114に対して、0≦H1-H2≦0.5mmであり、すなわち各静翼114の任意の位置の翼根17の厚さはチップ16よりも0.5mm以下大きくし、それにより加工製造しやすく、かつ各静翼114の各位置のチップ16の強度を保証し、同時に翼根17の近傍の流れ分離を調整し、流れ分離損失を減少させ、ディフューザ効果を向上させる。
【0079】
本実施例において、図12に示すとおり、厚さHが非一定に設置された各静翼114において、各静翼114の中線上の各箇所の厚さHは該静翼114の翼根17からチップ16まで徐々に増大して設置され、翼根17の近傍の流れ分離をよりよく調整し、流れ分離損失を減少させ、ディフューザ効果を向上させる。
【0080】
ディフューザ10を使用する時、気流は可動羽根車出口から径方向に偏ってかつ高速で周方向に流れ、かつ風カバーの極めて短い距離で軸方向に転換してディフューザ10に入り、したがって可動羽根車出口の流れ分離が深刻である。
【0081】
本実施例において、各静翼114の各箇所の取付角θは該静翼114の頭部から尾部まで徐々に増大して設置され、気流の周方向速度及び絶対速度を徐々に低下させ、減速過給効果を向上させ、同時に静翼114の型面18の傾斜に合わせて、さらに流路15の渦流を低下させ、エネルギー損失を低下させ、ディフューザ効果を向上させることができる。
【0082】
本実施例において、静翼114の異なる位置弦長L5の取付角θの変化は以下のとおりである。静翼114の前半の各箇所の取付角θは基本的に入口配置角αに等しく、前半の静翼114の間の流路15の面積を均一に増加させ、気流絶対速度及びディフューザ効果を均一に低減することを達成する。静翼114の後半の取付角θは入口配置角αから出口配置角βまで増加することにより、気流の周方向速度及び絶対速度を低下させ、さらに減速過給効果を向上させる。
【0083】
本実施例において、図7に示すとおり、第一列静翼12において、各静翼114の入口配置角αaの範囲は5度~10度である。各静翼114の入口配置角αaの範囲は5度~10度であり、静翼114の入口の高い周方向速度を有する気流によりよくマッチングすることができ、気流絶対速度を均一に低下させ、ディフューザ効果を向上させる。
【0084】
本実施例において、図7に示すとおり、第二列静翼13において、各静翼114の入口配置角αbの範囲は20度~60度である。各静翼114の入口配置角αbの範囲は20度~60度であり、静翼114の入口の高い周方向速度を有する気流によりよくマッチングすることができ、気流絶対速度を均一に低下させ、ディフューザ効果を向上させる。
【0085】
本実施例において、第一列静翼12において、各静翼114の入口配置角αaの範囲は5度~10度である。第二列静翼13において、各静翼114の入口配置角αbの範囲は20度~60度である。第一列静翼12から第二列静翼13まで空気を流通させることができ、周方向速度及び絶対速度を徐々に減少させることができ、第一列静翼12の尾部の気流の不均一性を減少させ、さらに流動損失を減少させ、ディフューザ効果を向上させる。
【0086】
本実施例において、第一列静翼12において、各静翼114の出口配置角βaの範囲は10度~20度であり、気流が静翼114の尾部から流出する時、気流の角度分布がより不均一であるため、出口配置角βaの範囲は10度~20度であり、静翼114の尾部の出口の流れの不均一性をさらに抑制することができ、エネルギー損失を低減し、減速過給効果を向上させる。
【0087】
本実施例において、第一列静翼12において、各静翼114の入口配置角αaの範囲は10度~20度である。第二列静翼13において、各静翼114の入口配置角αbの範囲は20度~60度である。第一列静翼12から第二列静翼13まで気流を流通させることができ、周方向速度及び絶対速度を徐々に減少させることができ、気流の流れ過程において流れ損失を緩やかに減少させ、ディフューザ効果を向上させる。
【0088】
本実施例において、第二列静翼13において、各静翼114の出口配置角βbの範囲は50度~90度であり、気流が静翼114の尾部から流出する時、気流の角度分布がより不均一であるため、出口配置角βbの範囲は50度~90度であり、静翼114の尾部出口の流れの不均一性をさらに抑制することができ、エネルギー損失を低減し、減速過給効果を向上させる。
【0089】
本実施例において、第一列静翼12において、各静翼114の入口配置角αaの範囲は10度~20度である。第二列静翼13において、各静翼114の入口配置角αbの範囲は50度~90度である。第一列静翼12から第二列静翼13まで気流を流通させることができ、周方向速度及び絶対速度を徐々に減少させ、第一列静翼12の尾部の空気流の不均一性を減少させ、ディフューザ効果を向上させることができる。
【0090】
本実施例において、第二列静翼13において、各静翼114の出口配置角βbの範囲は60度~90度であり、かつ各静翼114の入口配置角αbの範囲は25度~50度であり、静翼114の尾部出口の流れの不均一性をよりよく抑制することにより、エネルギー損失を低減し、減速過給効果を向上させる。
【0091】
本実施例において、各静翼114の入口配置角αはベースリング部品11の径方向に沿って変化幅が10度以下であり、すなわち各静翼114の入口配置角αは翼根17からチップ16まで変化幅が10度以下であり、かつ各静翼114の翼根17での入口配置角αは該静翼114のチップ16での入口配置角α以上であり、一方では加工製造しやすく、他方では流れ分離損失を低減し、ディフューザ効果を向上させることができる。
【0092】
本実施例において、図6及び図8に示すとおり、隣接する二列の静翼114において、次の列の静翼114における静翼114の数は前の列の静翼114における静翼114の数の1.5~3倍である。前の列の静翼114における静翼114の数が相対的に少なく、次の列の静翼114における静翼114の数が多く設置され、それにより気流が各列の静翼114を順に通過する時、気流へのガイドを段階的に強化し、気流を減速し、ディフューザ効果を向上させることができる。
【0093】
本実施例において、図6及び図8に示すとおり、隣接する二列の静翼114において、前の列の静翼114における各静翼114の尾部はベースリング部品11の周方向に沿って隣接する次の列の対応する静翼114の頭部から20度以下ずれる。すなわち前の列の静翼114における各静翼114の尾部の翼根17とベースリング部品11の軸線を貫通する平面と、次の列の対応する静翼114の頭部の翼根17とベースリング部品11の軸線を貫通する平面との間の夾角は20度以下であり、それにより気流の流れの不均一性を低減し、流れ分離損失を低減し、ディフューザ効果を向上させる。
【0094】
本実施例において、図14を参照すると、隣接する二列の静翼114において、前の列の静翼114における各静翼114の尾部は隣接する次の列に対応する前記静翼114の頭部と整列して設置され、それにより気流の流れの不均一性を減少させ、流れ分離損失を減少させ、ディフューザ効果を向上させる。
【0095】
本実施例において、図9図10及び図11に示すとおり、静翼114上のある点での型面18の傾斜角Qは、静翼114の型面18が静翼114上の該点を通過するベースリング部品11の径方向面と交差した線分と静翼114上の該点を通過する径方向線との夾角を指す。
【0096】
本実施例においてベースリング部品11の径方向面はベースリング部品11の軸方向に垂直な平面を指し、径方向線はベースリング部品11の径方向線であり、ベースリング部品11の径方向線はベースリング部品11の径方向に沿って延びる直線を指し、静翼114上の該点を通過する径方向線はベースリング部品11の径方向に沿って延びかつ該点を通過する直線を指す。
【0097】
本実施例において、型面18に対して傾斜して設置された各静翼114において、各静翼114の尾部の型面18の傾斜角は該静翼114の頭部の型面18の傾斜角以上である。各静翼114の尾部の型面18の傾斜角を頭部の型面18の傾斜角以上に設定し、気流が静翼114の間の流路15を流れる時、静翼114は気流へのガイド及び調整を段階的に強化し、流路15の渦流を改善し、分離損失を低減し、さらに気流エネルギー損失を低減し、騒音を低減する。
【0098】
本実施例において、型面18に対して傾斜して設置された各静翼114において、各静翼114の型面18の傾斜角は該静翼114の頭部から尾部まで徐々に増大して設置され、それにより気流が該列の静翼114の間の流路15を流れる時、気流を徐々に調整することができ、それにより気流分離損失を改善し、エネルギー損失を低減し、騒音を低減する。
【0099】
本実施例において、図9及び図10に示すとおり、第二列静翼13において、各静翼114の頭部の型面18bの傾斜角はQ1であり、各静翼114の尾部の型面18bの傾斜角はQ2であり、Q2≧Q1である。第二列静翼13における各静翼114の尾部の型面18bの傾斜角Q2を頭部の型面18bの傾斜角Q1以上に設定し、気流が静翼114の間の流路15bを流れる時に、静翼114は気流へのガイド及び調整を段階的に強化し、流路15bの渦流を改善し、分離損失を低減し、さらに気流エネルギー損失を低減し、騒音を低減する。
【0100】
本実施例において、図9及び図10に示すとおり、第二列静翼13において、Q1の値の範囲は0度~30度であり、すなわち各静翼114の頭部の型面18bの傾斜角Q1は30度以下であり、気流が静翼114の間の流路15bに入る時、気流の回転角の調整が大きすぎて、大きなエネルギー損失をもたらすことを回避することができる。Q2の値の範囲は0度~40度であり、すなわち各静翼114の尾部の型面18bの傾斜角Q2は40度以下であり、気流が静翼114の間の流路15bを流れる時に、気流を過度に調整し、大きなエネルギー損失をもたらすことを回避することができる。
【0101】
本実施例において、図9及び図10に示すとおり、第二列静翼13において、Q1の値の範囲は12度~18度であり、それにより気流が静翼114の間の流路15bに入る時、流れ分離損失をよりよく減少させ、騒音を低減することができる。Q2の値の範囲は20度~35度であり、かつQ2≧Q1である。気流が静翼114の間の流路15bを流れる時、流れ分離損失をよりよく低減し、エネルギー損失を低減し、空力騒音を低減する。
【0102】
本実施例において、第二列静翼13において、Q1の値の範囲は0度~30度であり、それにより気流が静翼114の間の流路15bに入る時、気流の回転角の調整が大きすぎて、大きなエネルギー損失をもたらすことを回避する。Q2の値の範囲は15度~40度であり、気流が静翼114の間の流路15bを流れる時に、気流を過度に調整し、大きなエネルギー損失をもたらすことを回避する。
【0103】
本実施例において、図9に示すとおり、各静翼114の頭部の翼根17を貫通してベースリング部品11の軸線に対応する平面と該静翼114の尾部の翼根17を貫通してベースリング部品11の軸線に対応する平面との間の夾角は該静翼114の巻き角Pである。
【0104】
本実施例において、図9に示すとおり、隣接する二列の静翼114において、前の列の静翼114における各静翼114の巻き角は次の列の静翼114における各静翼114の巻き角以上である。前の列の静翼114における各静翼114の巻き角を大きく設定し、気流の流れをよりよく段階的にガイドし、分離損失を減少させ、ディフューザ効果を向上させることができる。
【0105】
本実施例において、図7に示すとおり、隣接する二列の静翼114において、前の列の静翼114における各静翼114の弦長Laは次の列の静翼114における各静翼114の弦長Lb以上である。気流がディフューザ10に入る時、大きな周方向速度を有するため、気流が各列の静翼114を流れる時、前の列の静翼114における各静翼114の弦長Lbを長く設定し、気流をよりよくガイドし、気流の周方向速度を減少させることができ、かつ各列の静翼114により段階的にガイドし、分離損失を低減する。
【0106】
本実施例において、図13に示すとおり、ベースリング部品11の軸方向を貫通する平面は該ディフューザ10の子午面であり、各静翼114はベースリング部品11の周方向に沿って子午面に投影されたのは該静翼114の子午投影面である。各静翼114の前縁線214は、当該静翼114の頭部を子午面に投影した線分である。各静翼114の後縁線215は、当該静翼114の尾部を子午面に投影した線分である。ベースリング部品11の径方向面と子午投影面との交線は、ベースリング部品11の軸方向に垂直な線分である。
【0107】
本実施例において、少なくとも一列の静翼114において、各静翼114の前縁線214はベースリング部品11の径方向面に傾斜して設置される。すなわち該列の静翼114における各静翼114の前縁線214の子午投影面での線分はベースリング部品11の径方向に傾斜する。それにより流れ分離損失を減少させ、ディフューザ効果を向上させることができる。
【0108】
本実施例において、ディフューザ10が複数列の静翼114を含む場合、そのうちの一列の静翼114における各静翼114の前縁線214をベースリング部品11の径方向面に傾斜して設置することができる。もちろん、そのうちの複数列の静翼114のうち、各静翼114の前縁線214をベースリング11の径方向面に傾斜して設置してもよい。各列の静翼114のうち、各静翼114の前縁線214を、ベースリング11の径方向面に傾斜して設置してもよい。
【0109】
本実施例において、図13に示すとおり、第二列静翼13において、各前記静翼114の前縁線214と前記ベースリング部品11の径方向面との傾斜角B1の絶対値は25度以下である。第二列静翼13における各静翼114の前縁線214とベースリング部品11の径方向面との傾斜角B1の絶対値が25度以下であることにより、流れ分離損失をよりよく減少させ、ディフューザ効果を向上させる。
【0110】
本実施例において、図13に示すとおり、第二列静翼13において、各静翼114の前縁線214は該静翼114の尾部方向に向かって傾斜して設置され、それにより翼根17の近傍の流れ分離をさらに調整し、流れ分離損失を減少させ、ディフューザ効果を向上させる。
【0111】
本実施例において、少なくとも一列の静翼114において、各静翼114の後縁線215はベースリング部品11の径方向面に傾斜して設置される。すなわち該列の静翼114における各静翼114の後縁線215の子午投影面での線分はベースリング部品11の径方向に傾斜する。それにより静翼114の出口での気流の不均一性を低減し、ディフューザ効果を向上させることができる。
【0112】
本実施例において、ディフューザ10が複数列の静翼114を含む場合、そのうちの一列の静翼114における各静翼114の後縁線215をベースリング部品11の径方向面に傾斜して設置することができる。もちろん、そのうちの複数列の静翼114のうち、各静翼114の後縁線215を、ベースリング11の径方向面に傾斜して設置してもよい。各列の静翼114のうち、各静翼114の後縁線215を、ベースリング11の径方向面に傾斜して設置してもよい。
【0113】
本実施例において、図13に示すとおり、第二列静翼13において、各前記静翼114の後縁線215と前記ベースリング部品11の径方向面との傾斜角B2の絶対値は30度以下である。第二列静翼13における各静翼114の後縁線215とベースリング部品11の径方向面との傾斜角B2の絶対値を30度以下にすることにより、静翼114の出口の気流の流れの均一性をよりよく向上させ、ディフューザ効果を向上させる。
【0114】
本実施例において、ディフューザ10はさらにハウジング(図示せず)を含み、ベースリング部品11はハウジング内に配置され、各静翼114はベースリング部品11とハウジングとの間に位置する。ハウジングを設置し、各静翼114を保護する作用を果たすことができるだけでなく、ベースリング部品11とハウジングとの間に通路を形成することができ、気流が流れる通路をよりよく限定し、該ディフューザ10の異なる送風装置における使用性能の一致性を保証する。
【0115】
本実施例において、各静翼114の頂面の少なくとも80%の領域はハウジングの内表面に接触し、すなわち各静翼114のチップ16の少なくとも80%の領域はハウジングの内表面に接触し、各静翼114、ベースリング部品11及びハウジングにより気流が流通する流路15をよりよく限定し、さらに気流の流れをよりよくガイドし、それによりディフューザ効果を向上させる。
【0116】
本実施例において、ハウジング、ベースリング部品11及び各静翼114は一体成形され、ハウジングと各静翼114との良好な接続を保証し、同時に該ディフューザ10の強度を増加させる。
【0117】
本実施例において、ハウジングは単独で製造することができ、さらに静翼114付きのベースリング部品11をハウジング内に配置する。
【0118】
本実施例のディフューザ10は流路15の渦流を良好に改善し、分離損失を低減し、エネルギー損失を低減し、ディフューザ効果を向上させることができるだけでなく、空力騒音を低減することができる。本実施例のディフューザ10の送風装置を使用すると、大きな吸引力を生成することができるだけでなく、運行騒音が小さい。本実施例のディフューザ10は送風装置に適用することができるだけでなく、集塵設備、レンジフード、送風装置などの電気器具に適用することができる。
【0119】
図15に示すとおり、本実施例はさらに送風装置20を提供し、該送風装置20はフレーム221、羽根車31、風カバー32、モータ222及び上記実施例のいずれかに記載のディフューザ10を含み、ディフューザ10はフレーム221に取り付けられ、羽根車31はディフューザ10の前端に設けられ、風カバー32は羽根車31にカバーされ、かつ風カバー32はフレーム221に取り付けられ、モータ222はフレーム221に取り付けられ、モータ222は羽根車31に接続される。該送風装置20は上記実施例のディフューザ10を使用することにより、エネルギー損失を低減し、運行騒音を低減することができ、それにより同じ電力で、より大きな吸引力を生成することができる。
【0120】
本実施例において、図15に示すとおり、ベースリング部品11に軸受225が取り付けられ、モータ222の駆動軸224は軸受225を貫通して羽根車31に接続され、それによりモータ222は羽根車31をより柔軟に回転駆動する。
【0121】
本実施例において、図15に示すとおり、羽根車31は密閉式遠心羽根車31aである。本実施例において、羽根車31は開放型遠心羽根車であってもよい。本実施例において、図11に示すとおり、羽根車31はさらに混流式羽根車31bであってもよい。
【0122】
本実施例において、図16に示すとおり、風カバー32はディフューザ10の尾部まで延伸することができ、すなわち風カバー32は同時に羽根車31及びディフューザ10をカバーすることにより、羽根車31の出口の気流をディフューザ10によりよくガイドする。
【0123】
本実施例において、フレーム221は風カバー32と一体成形することができ、それによりフレーム221と風カバー32との接続強度を保証する。
【0124】
本実施例の送風装置20は、集塵設備、レンジフード、送風装置、ファン等の電気機器に適用することができる。
【0125】
本実施例はさらに集塵設備を開示し、上記のいずれかの実施例に記載の送風装置20を含む。本実施例の集塵設備は、上記送風装置20を使用し、電力が大きく、効率が高いだけでなく、騒音が小さい。
【0126】
実施例3
本実施例が実施例2と異なる点は以下のとおりである。図6図9及び図10に示すとおり、複数列の静翼114において、少なくとも一列の静翼114における各静翼114の型面18は該静翼114の一側に向かって傾斜して設置される。対応する静翼114の型面18を該静翼114の一側に向かって傾斜させ、すなわち該静翼114の型面18の高さ方向がベースリング部品11の径方向に傾斜して設置されることにより、気流が静翼114から離れる時、境界層分離を効果的に改善し、分離損失を減少させ、静翼114の間の流路15の渦流を改善し、さらに流動損失を低減し、気流エネルギー損失を低減し、空力騒音を低減することができる。
【0127】
本実施例において、第一列静翼12における各静翼114の型面18aを傾斜して設置することができ、それにより気流が第一列静翼12を通過する時、気流の絶対速度を低下させると同時に、分離損失を減少させ、ディフューザ効果を向上させる。
【0128】
本実施例において、図6及び図8に示すとおり、第二列静翼13における各静翼114の型面18bを傾斜して設置することができ、それにより気流が第二列静翼13を通過する時、気流絶対速度を低下させ、分離損失を減少させ、ディフューザ効果を向上させる。
【0129】
本実施例において、第一列静翼12における各静翼114と第二列静翼13における各静翼114の型面18をいずれも傾斜して設置することにより、気流速度をよりよく低下させ分離損失を減少させ、気流の不均一度を低下させ、ディフューザ効果を向上させることができる。
【0130】
本実施例において、ディフューザ10が複数列の静翼114を含む場合、そのうちの一列の静翼114における各静翼114の型面18を傾斜して設置することができる。もちろん、そのうちの数列の静翼114のうち、各静翼114の型面18を傾斜させて設置してもよい。各列の静翼114は、各静翼114の型面18がいずれも傾斜して設置されてもよい。
【0131】
本実施例において、型面18に対して傾斜して設置された各静翼114において、前記静翼114の型面18は該静翼114の吸引面19の一側に向かって傾斜して設置される。気流境界層の分離をよりよく改善し、静翼114の間の流路15の渦流を改善し、エネルギー損失を低減し、空力騒音を低減することができる。
【0132】
本実施例において、第一列静翼12における各静翼114の型面18aが傾斜して設置される場合、該第一列静翼12における各静翼114の型面18aは該静翼114の吸引面19aの一側に向かって傾斜して設置される。
【0133】
本実施例において、図6及び図9に示すとおり、第二列静翼13における各静翼114の型面18bが傾斜して設置される場合、該第二列静翼13における各静翼114の型面18は該静翼114の吸引面19bの一側に向かって傾斜して設置される。
【0134】
本実施例において、型面18に対して傾斜して設置された各静翼114において、前記静翼114の型面18は該静翼114の圧力面14の一側に向かって傾斜して設置される。気流の不均一性をよりよく改善し、静翼114の間の流路15の渦流を改善し、エネルギー損失を低減し、空力騒音を低減することができる。
【0135】
本実施例において、第一列静翼12における各静翼114の型面18aが傾斜して設置される場合、該第一列静翼12における各静翼114の型面18aは該静翼114の圧力面14aの一側に向かって傾斜して設置される。
【0136】
本実施例において、図6及び図9に示すとおり、第二列静翼13における各静翼114の型面18bが傾斜して設置される場合、該第二列静翼13における各静翼114の型面18は該静翼114の圧力面14bの一側に向かって傾斜して設置される。
【0137】
以上は本願の好ましい実施例に過ぎず、本願を限定するものではなく、本願の精神及び原則内で行われたいかなる修正、同等置換及び改善等は、いずれも本願の保護範囲内に含まれるべきである。
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