(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-21
(45)【発行日】2024-01-04
(54)【発明の名称】パノラマ撮影装置、パノラマ撮影システム、撮影方法及び航空機
(51)【国際特許分類】
H04N 5/222 20060101AFI20231222BHJP
B64C 39/02 20060101ALI20231222BHJP
B64D 47/08 20060101ALI20231222BHJP
H04N 23/695 20230101ALI20231222BHJP
G03B 37/00 20210101ALI20231222BHJP
G03B 19/07 20210101ALI20231222BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20231222BHJP
G03B 17/56 20210101ALI20231222BHJP
【FI】
H04N5/222 100
B64C39/02
B64D47/08
H04N23/698
G03B37/00 C
G03B19/07
G03B15/00 W
G03B15/00 H
G03B17/56 A
G03B17/56 B
(21)【出願番号】P 2022541886
(86)(22)【出願日】2021-01-07
(86)【国際出願番号】 CN2021070707
(87)【国際公開番号】W WO2021139732
(87)【国際公開日】2021-07-15
【審査請求日】2022-09-06
(31)【優先権主張番号】202010015141.6
(32)【優先日】2020-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520159673
【氏名又は名称】影石創新科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ARASHI VISION INC.
【住所又は居所原語表記】Room 1101, 1102, 1103, 11th Floor, Building 2, Jinlitong Financial Center, 1100 Xingye Road, Haiwang Community, Xin’an Street, Bao’an District, Shenzhen, Guangdong 518000, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】呉啓江
(72)【発明者】
【氏名】劉靖康
(72)【発明者】
【氏名】何可輝
【審査官】門田 宏
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第107891991(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108725815(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/222
H04N 23/698
B64C 39/02
B64D 47/08
G03B 37/00
G03B 15/00
G03B 17/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機本体に接続するためのホルダーと、前記ホルダーに取り付けられる撮影モジュールとを備えており、前記ホルダーは、第1の挟持部材と、第2の挟持部材と、前記第1の挟持部材と前記第2の挟持部材との間に設けられたクランプ構造とを含み、前記第1の挟持部材は、第1のホルダーと、第1のホルダーに接続される第1のクランプ部品とを含み、前記第2の挟持部材は、第2のホルダーと、第2のホルダーに接続される第2のクランプ部品とを
含み、前記第1のクランプ部品と前記第2のクランプ部品が航空機本体をクランプするために使用され、前記第1の挟持部材と前記第2の挟持部材とが接続して前記航空機本体を挟持するための挟持構造を形成しており、前記挟持構造によって
パノラマ撮影装置が前記航空機本体に取り付けられ、前記クランプ構造は挟持構造が前記航空機本体を挟持する時の緊張度を調節するために使用され、前記撮影モジュールが、第1の方向を向いて設けられる第1の撮影モジュールと、第2の方向を向いて設けられる第2の撮影モジュールを含み、前記第1の方向と前記第2の方向とは逆であり、前記第1の撮影モジュールの最大画角に対応する視線と前記第2の撮影モジュールの最大画角に対応する視線とが交わること、を特徴とするパノラマ撮影装置。
【請求項2】
前記第1の撮影モジュールの最大画角に対応する視線と前記第2の撮影モジュールの最大画角に対応する視線とは、いずれも前記ホルダー及び前記航空機本体と交わらないこと、を特徴とする請求項1に記載のパノラマ撮影装置。
【請求項3】
前記第1の挟持部材が、一体成型され、または少なくとも2つの組み立て部品により組み立て形成されており、前記第2の挟持部材が、一体成型され、または少なくとも2つの組み立て部品により組み立て形成されること、を特徴とする請求項1に記載のパノラマ撮影装置。
【請求項4】
前記クランプ構造はファスナー係止 またはねじロッキング構造であること、を特徴とする請求項1に記載のパノラマ撮影装置。
【請求項5】
前記ホルダーの上下の両端には、前記撮影モジュールを取り付けるための取り付け構造がそれぞれ設けられること、を特徴とする請求項1に記載のパノラマ撮影装置。
【請求項6】
前記取り付け構造には、前記撮影モジュールの平面位置又は/及び縦方向の位置を調節するための調節構造が設けられること、を特徴とする請求項5に記載のパノラマ撮影装置。
【請求項7】
前記調節構造は、平面雲台または昇降雲台であること、を特徴とする請求項6に記載のパノラマ撮影装置。
【請求項8】
前記第1の撮影モジュールと前記第2の撮影モジュールとがいずれも少なくとも1つの魚眼カメラを含み、前記魚眼カメラの最大画角が180度より大きいこと、を特徴とする請求項1に記載のパノラマ撮影装置。
【請求項9】
前記パノラマ撮影装置は、前記ホルダーに設けられるホストブロックをさらに備えており、前記ホストブロックが、前記撮影モジュールで撮影された画像を記憶するための記憶モジュールと、前記撮影モジュールで撮影された画像を処理して処理後の画像を得るための処理モジュールと、前記撮影モジュールで撮影された画像または前記処理モジュールで処理された画像を遠隔端末に伝送するための通信モジュールのうちの少なくとも一つを含むこと、を特徴とする請求項1~請求項8のいずれか一つに記載のパノラマ撮影装置。
【請求項10】
前記パノラマ撮影装置は、前記ホストブロック又は/及び前記撮影モジュールに電力を提供するための電源をさらに備えること、を特徴とする請求項9に記載のパノラマ撮影装置。
【請求項11】
請求項1~請求項10のいずれか一つに記載のパノラマ撮影装置を採用しており、かつ
前記パノラマ撮影装置の第1の撮影モジュールが第1の方向の第1の画像を取得し、前記パノラマ撮影装置の第2の撮影モジュールが第2の方向の第2の画像を取得するステップと、
前記パノラマ撮影装置または航空機の処理モジュールが、前記第1の撮影モジュールの第1の画像、前記第2の撮影モジュールの第2の画像を受信して前記第1の画像、第2の画像を合成してパノラマ画像を形成して遠隔端末に送信しており、または、遠隔端末が前記第1の撮影モジュールの第1の画像、前記第2の撮影モジュールの第2の画像を受信して前記第1の画像、第2の画像を合成してパノラマ画像を形成するステップとを含むこと、を特徴とする撮影方法。
【請求項12】
航空機本体を備える航空機であって、前記航空機が請求項1~請求項10のいずれか一つに記載のパノラマ撮影装置をさらに備えており、前記ホルダーが前記航空機本体に接続され、かつ前記ホルダーが前記航空機本体の一部に、取り付けられに適しかつ解除可能に固定されること、を特徴とする航空機。
【請求項13】
前記第1の撮影モジュールの位置が、H1>L1/tanα1を満たしており、
ここで、前記第1の撮影モジュールは、レンズの中心軸方向に沿って、最大画角に対応する視線と前記航空機とが交点を有する位置であって前記航空機から最も遠い位置まで調整されると、前記第1の撮影モジュールの最大画角に対応する視線と前記航空機との交点が第1の最も遠い点であり、L1が前記第1の最も遠い点から前記第1の撮影モジュールのレンズ中心軸までの垂線分であり、前記第1の最も遠い点と前記第1の撮影モジュールのレンズ中心軸とが第1の垂足を有し、α1が前記第1の撮影モジュールの最大画角に対応する視線とレンズ中心軸との夾角であり、H1が前記第1の撮影モジュールのレンズ中心点と第1の垂足との距離であり、
前記第2の撮影モジュールの位置は、H2>L2/tanα2を満たしており、
ここで、前記第2の撮影モジュールは、レンズの中心軸方向に沿って、最大画角に対応する視線と前記航空機とが交点を有する位置であって前記航空機から最も遠い位置まで調整されると、前記第2の撮影モジュールの最大画角に対応する視線と前記航空機との交点が第2の最も遠い点であり、L2が前記第2の最も遠い点から前記第2の撮影モジュールのレンズ中心軸までの垂線分であり、前記第2の最も遠い点と前記第2の撮影モジュールのレンズ中心軸とが第2の垂足を有し、α2が前記第2の撮影モジュールの最大画角に対応する視線とレンズ中心軸との夾角であり、H2が前記第2の撮影モジュールのレンズ中心点と前記第2の垂足との距離であること、を特徴とする請求項12に記載の航空機。
【請求項14】
請求項1~請求項10のいずれか一つに記載のパノラマ撮影装置と、前記パノラマ撮影装置から送信される画像を受信するための遠隔端末とを備えること、を特徴とするパノラマ撮影システム。
【請求項15】
前記遠隔端末は、前記第1の撮影モジュールと前記第2の撮影モジュールで撮影された画像を記憶するためのメモリと、前記メモリ内の画像をパノラマメディアに合成するためのプロセッサとを有しており、前記遠隔端末は、前記プロセッサで合成されたパノラマメディアを表示するための表示装置をさらに有すること、を特徴とする請求項14に記載のパノラマ撮影システム。
【請求項16】
請求項12または請求項13に記載の航空機と、前記航空機または前記パノラマ撮影装置から送信される画像を受信するための遠隔端末とを備えること、を特徴とするパノラマ撮影システム。
【請求項17】
前記遠隔端末は、前記第1の撮影モジュールと前記第2の撮影モジュールで撮影された画像を記憶するためのメモリと、前記メモリ内の画像をパノラマメディアに合成するためのプロセッサとを有しており、前記遠隔端末は、前記プロセッサで合成されたパノラマメディアを表示するための表示装置をさらに有すること、を特徴とする請求項16に記載のパノラマ撮影システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空撮影の技術分野に属し、特に、パノラマ撮影装置、パノラマ撮影システム、撮影方法及び航空機に関する。
【背景技術】
【0002】
無人機とは、無線遠隔制御設備と、所有されるプログラム制御装置によって操縦される無人航空機であり、あるいは、コンピュータによって完全的または間欠的に自主的に操作される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
現在、民間航空機(無人機)には、一般的に、写真を撮るための撮影装置が配置されており、撮影装置は、航空機の飛行中に撮影することに用いられる。従来技術における航空機は、パノラマ撮影において、航空機本体、撮影装置を完全に隠すことができなく、例えば、撮影されたピクチャーやビデオに航空機本体や撮影装置が現れやすく、航空機で撮影された写真やビデオの品質に影響を与え、特にパノラマ写真やパノラマビデオを撮影する場合に、航空機本体や航空機のプロペラの遮蔽による遮蔽状況がより深刻になり、画像の後処理が複雑になっている。
【0004】
本発明は、上記の技術課題の少なくとも一つを解決するためのものであり、パノラマ写真やパノラマビデオを撮影する場合に、航空機本体、撮影装置を完全に隠すことができるパノラマ撮影装置、パノラマ撮影システム、撮影方法及び航空機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の技術案は、以下のものである:航空機本体に接続するためのホルダーと、前記ホルダーに取り付けられる撮影モジュールとを備えており、前記撮影モジュールが、第1の方向を向いて設けられる第1の撮影モジュールと、第2の方向を向いて設けられる第2の撮影モジュールを含み、前記第1の方向と前記第2の方向とは逆であり、前記第1の撮影モジュールの最大画角に対応する視線と前記第2の撮影モジュールの最大画角に対応する視線とが交わる、パノラマ撮影装置。
【0006】
オプションとして、前記第1の撮影モジュールの最大画角に対応する視線と前記第2の撮影モジュールの最大画角に対応する視線とは、いずれも前記ホルダー及び前記航空機本体と交わらない。
【0007】
オプションとして、前記ホルダーは、第1の挟持部材と第2の挟持部材とを含み、前記第1の挟持部材と前記第2の挟持部材とが接続して前記航空機本体を挟持するための挟持構造を形成しており、あるいは、前記ホルダーが、ロッキング構造または係止構造によって前記航空機本体に接続される。
【0008】
オプションとして、前記第1の挟持部材が、一体成型され、または少なくとも2つの組み立て部品により組み立て形成されており、前記第2の挟持部材が、一体成型され、または少なくとも2つの組み立て部品により組み立て形成される。
【0009】
オプションとして、前記第1の挟持部材と前記第2の挟持部材との間にクランプ構造が設けられ、前記クランプ構造は係止またはねじロッキング構造である。
【0010】
オプションとして、前記ホルダーの上下の両端には、前記撮影モジュールを取り付けるための取り付け構造がそれぞれ設けられる。
【0011】
オプションとして、前記取り付け構造には、前記撮影モジュールの平面位置又は/及び縦方向の位置を調節するための調節構造が設けられる。
【0012】
オプションとして、前記調節構造は、平面雲台または昇降雲台である。
【0013】
オプションとして、前記第1の撮影モジュールと前記第2の撮影モジュールとがいずれも少なくとも1つの魚眼カメラを含み、前記魚眼カメラの最大画角が180度より大きい。
【0014】
オプションとして、前記パノラマ撮影装置は、前記ホルダーに設けられるホストブロックをさらに備えており、前記ホストブロックが、前記撮影モジュールで撮影された画像を記憶するための記憶モジュールと、前記撮影モジュールで撮影された画像を処理して処理後の画像を得るための処理モジュールと、前記撮影モジュールで撮影された画像または前記処理モジュールで処理された画像を遠隔端末に伝送するための通信モジュールのうちの少なくとも一つを含む。
【0015】
オプションとして、前記パノラマ撮影装置は、前記ホストブロック又は/及び前記撮影モジュールに電力を提供するための電源をさらに備える。
【0016】
本発明は、撮影方法がさらに提供されており、前記撮影方法は、上記のパノラマ撮影装置を採用しており、かつ
前記パノラマ撮影装置の第1の撮影モジュールが第1の方向の第1の画像を取得し、前記パノラマ撮影装置の第2の撮影モジュールが第2の方向の第2の画像を取得するステップと、
前記パノラマ撮影装置または航空機の処理モジュールが、前記第1の撮影モジュールの第1の画像、前記第2の撮影モジュールの第2の画像を受信して前記第1の画像、第2の画像を合成してパノラマ画像を形成して遠隔端末に送信しており、または、遠隔端末が前記第1の撮影モジュールの第1の画像、前記第2の撮影モジュールの第2の画像を受信して前記第1の画像、第2の画像を合成してパノラマ画像を形成するステップとを含む。
【0017】
本発明は、航空機がさらに提供されており、前記航空機は、航空機本体を備え、前記航空機が上記のパノラマ撮影装置をさらに備えており、前記ホルダーが前記航空機本体に接続され、かつ前記ホルダーが前記航空機本体の一部に、取り付けに適しかつ解除可能に固定される。
【0018】
オプションとして、前記第1の撮影モジュールの位置が、H1>L1/tanα1を満たしており、ここで、前記第1の撮影モジュールは、レンズの中心軸方向に沿って、最大画角に対応する視線と前記航空機とが交点を有する位置であって前記航空機から最も遠い位置まで調整されると、前記第1の撮影モジュールの最大画角に対応する視線と前記航空機との交点が第1の最も遠い点であり、L1が前記第1の最も遠い点から前記第1の撮影モジュールのレンズ中心軸までの垂線分であり、前記第1の最も遠い点と前記第1の撮影モジュールのレンズ中心軸とが第1の垂足を有し、α1が前記第1の撮影モジュールの最大画角に対応する視線とレンズ中心軸との夾角であり、H1が前記第1の撮影モジュールのレンズ中心点と第1の垂足との距離である。
【0019】
前記第2の撮影モジュールの位置は、H2>L2/tanα2を満たしており、ここで、前記第2の撮影モジュールは、レンズの中心軸方向に沿って、最大画角に対応する視線と前記航空機とが交点を有する位置であって前記航空機から最も遠い位置まで調整されると、前記第2の撮影モジュールの最大画角に対応する視線と前記航空機との交点が第2の最も遠い点であり、L2が前記第2の最も遠い点から前記第2の撮影モジュールのレンズ中心軸までの垂線分であり、前記第2の最も遠い点と前記第2の撮影モジュールのレンズ中心軸とが第2の垂足を有し、α2が前記第2の撮影モジュールの最大画角に対応する視線とレンズ中心軸との夾角であり、H2が前記第2の撮影モジュールのレンズ中心点と前記第2の垂足との距離である。
【0020】
本発明は、パノラマ撮影システムがさらに提供されており、前記パノラマ撮影システムは、上記のパノラマ撮影装置と、前記パノラマ撮影装置から送信される画像を受信するための遠隔端末とを備える。
【0021】
オプションとして、前記遠隔端末は、前記第1の撮影モジュールと前記第2の撮影モジュールで撮影された画像を記憶するためのメモリと、前記メモリ内の画像をパノラマメディアに合成するためのプロセッサとを有しており、前記遠隔端末は、前記プロセッサで合成されたパノラマメディアを表示するための表示装置をさらに有する。
【0022】
本発明は、パノラマ撮影システムがさらに提供されており、前記パノラマ撮影システムは、上記の航空機と、前記航空機または前記パノラマ撮影装置から送信される画像を受信するための遠隔端末とを備える。
【0023】
オプションとして、前記遠隔端末は、前記第1の撮影モジュールと前記第2の撮影モジュールで撮影された画像を受信するためのメモリと、前記メモリ内の画像をパノラマメディアに合成するためのプロセッサとを有しており、前記遠隔端末は、前記プロセッサで合成されたパノラマメディアを表示するための表示装置をさらに有する。
【発明の効果】
【0024】
本発明により提供されるパノラマ撮影装置、パノラマ撮影システム、撮影方法及び航空機によれば、撮影装置が航空機の飛行中にパノラマ写真やパノラマビデオを撮影する場合に、航空機本体、撮影装置を完全に隠して、撮影装置で撮影された写真やビデオに航空機本体、撮影装置が現れないようにして、パノラマ画像の撮影効果がよく、画像の後処理が比較的簡単である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
以下、本発明に係る実施例における技術案をより明確に説明するために、実施例に使用する図面に対して簡単に紹介するが、下記の説明される図面は、本発明のいくつかの実施例にすぎず、当業者にとって、創造的な労働を行うことなくこれらの図面に基づいて他の図面を取得することは自明である。
【
図1】本発明に係る実施例により提供されるパノラマ撮影装置の斜視構成模式図である。
【
図2】本発明に係る実施例により提供されるパノラマ撮影装置の第1の挟持部材の斜視構成模式図である。
【
図3】本発明に係る実施例により提供されるパノラマ撮影装置の第2の挟持部材の斜視構成模式図である。
【
図4】本発明に係る実施例により提供されるパノラマ撮影装置の上面図である。
【
図5】本発明に係る実施例により提供されるパノラマ撮影装置の右面図である。
【
図6】本発明に係る実施例により提供されるパノラマ撮影装置の別の角度の斜視構成模式図である。
【
図7】本発明に係る実施例により提供されるパノラマ撮影装置の正面図である。
【
図8】本発明に係る実施例により提供されるパノラマ撮影装置の背面図である。
【
図9】本発明に係る実施例により提供される航空機の斜視構成模式図である。
【
図10】本発明に係る実施例により提供される航空機における撮影モジュールの視線の分析模式図である。
【
図11】本発明に係る実施例により提供される航空機における撮影モジュールの別の視線の分析模式図である。
【
図12】本発明に係る実施例により提供される航空機の上面図である。
【
図13】本発明に係る実施例により提供される航空機の背面図である。
【
図14】本発明に係る実施例により提供される航空機の前面図である。
【
図15】本発明に係る実施例により提供される航空機の底面図である。
【
図16】本発明に係る実施例により提供される航空機の左面図である。
【
図17】本発明に係る実施例により提供される航空機の右面図である。 図面において、 1.撮影モジュール;11.第1の撮影モジュール;12.第2の撮影モジュール;111.位置規制溝;121.スライダ; 2.ホルダー;21.第1の挟持部材;211.第1のホルダー;212.第1のクランプ部品;22.第2の挟持部材;221.第2のホルダー;222.第2のクランプ部品;23.クランプ構造;231.クランプナット;232.クランプ突起;233.クランプ植込みボルト;24.取り付け台;241.弾性アーム;242.位置規制突起;243.シュート;25.ホストブロック; 3.航空機本体である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の目的、技術案及び利点をより明らかにするために、図面及び実施例に関連して、本発明をさらに詳細に説明する。ここで説明された具体的な実施例は、本発明を解釈するためのものだけであり、本発明を限定するためのものではないことが理解されたい。
【0027】
なお、「設ける」、「接続」という用語は、広義に理解すべきであり、例えば、直接的に設け/接続してもよいし、センター部品、センター構造を介して間接的に設け/接続してもよい。
【0028】
また、本発明に係る実施例において、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」などの方位や位置関係を示す用語があれば、これらは、図面に示す方位や位置関係、あるいは通常の安置状態や使用状態に基づくものであり、これらは、便利に本発明を説明しかつ説明を簡略化するためのものだけであり、指示される構造、特徴、装置またはエレメントが特定の方位または位置関係を持たなければならなく、特定の方位で構築し操作されることを指示または暗示することではなく、従って、本発明を制限するものと理解できない。本発明の説明では、特に明記しない限り、「複数」の意味は、二つ以上である。
【0029】
具体的な実施形態に説明される各具体的な技術特徴及び各実施例について、矛盾しない限り、任意の適切な方式によって組み合わせられてもよく、例えば、異なる具体的な技術特徴/実施例の組み合わせによって異なる実施形態を形成することができ、不要な重複を避けるために、本発明では、各具体的な技術特徴/実施例の各種の可能な組み合わせの形態についての説明を省略する。
【0030】
図1及び
図9に示すように、本発明に係る実施例により提供されるパノラマ撮影装置は、航空機本体3に接続するためのホルダー2と、ホルダー2に取り付けられる撮影モジュール1とを備えており、撮影モジュール1が、第1の方向を向いて設けられる第1の撮影モジュール11と、第2の方向を向いて設けられる第2の撮影モジュール12を含み、第1の方向と第2の方向とは逆であり、航空機本体3の第1の撮影モジュール11の最大画角に対応する視線と第2の撮影モジュール12の最大画角に対応する視線とが交わり(
図10参照)、つまり、第1の撮影モジュール11が取得できる最大画像範囲と第2の撮影モジュール12が取得できる最大画像範囲とが部分的に重なっていて、パノラマ画像(ピクチャーまたはビデオ)を形成させる。第1の撮影モジュール11が第1の方向の光景を撮影し、第2の撮影モジュール12が第2の方向の光景を撮影しており、第1の撮影モジュール11と第2の撮影モジュール12で撮影された画面を記憶しソフトウェアによって合成処理して、パノラマ写真やパノラマビデオを得ることができ、航空機本体3は第1の撮影モジュール11と第2の撮影モジュール12の画角のブラインドエリアに位置することができるので、パノラマ写真を撮影する場合に、航空機本体、撮影装置を完全に隠すことができ、航空機本体や撮影装置がパノラマ画像を遮蔽することがなく、パノラマ撮影の効果がよく、画像の後処理が比較的簡単である。
【0031】
具体的には、前記第1の撮影モジュール11の最大画角に対応する視線と前記第2の撮影モジュール12の最大画角に対応する視線とは、いずれも前記ホルダー2及び前記航空機本体3と交わらなく、このようにして、航空機及びパノラマ撮影装置からなるパノラマ撮影システムを用いてパノラマ撮影を行う場合に、撮影中に航空機を完全に隠して、パノラマ画像の処理過程が簡単かつ迅速になっていることを実現する。
【0032】
本実施例では、航空機は、多軸回転翼式無人機を例にとり、第1の撮影モジュール11で撮影された画面の画角は180°より大きくてもよく、第2の撮影モジュール12で撮影された画面の画角は180°より大きくてもよく、つまり、第1の撮影モジュール11と第2の撮影モジュール12の最大画角はいずれも180°より大きくなっていて、そして、第1の撮影モジュール11と第2の撮影モジュール12の最大画角に対応する視線が航空機本体3の周側に交わり(
図10参照)、航空機本体3、ホルダーが撮影モジュール1のブラインドエリアに位置する場合(即ち、航空機全体が撮影モジュール1の画角外にある場合)に、第1の撮影モジュール11と第2の撮影モジュール12で撮影された画面を直接的に合成することができることで、完全的なパノラマ画像を得て、パノラマ画像の処理過程が簡単かつ迅速になっている。
【0033】
本実施例では、第1の方向が航空機本体3の上方を向く方向であり、第2の方向が航空機本体3の下方を向く方向であり、つまり、第1の撮影モジュール11は航空機本体3の上方に位置しかつレンズが上向きに設けられ、第2の撮影モジュール12は航空機本体3の下方に位置しかつレンズが下向きに設けられており、第1の撮影モジュール11、第2の撮影モジュール12のレンズの向きがいずれも航空機本体3と反対の方向であり、このようにして、航空機本体3を第1の撮影モジュール11と第2の撮影モジュール12の画角のブラインドエリアに位置させることができる。もちろん、可能な代替案として、第1の方向、第2の方向は航空機の左右方向などであってもよく、つまり、第1の撮影モジュール11及び第2の撮影モジュール12は航空機本体3の左右両側などに位置してもよい。具体的な応用においては、第1の撮影モジュール11と第2の撮影モジュール12は、それぞれホルダー2の最上部と最下部(即ち、航空機の上方と下方)に設けられてもよいし、それぞれホルダー2の両側(即ち、航空機の両側)あるいは斜め上方、斜め下方などに設けられてもよい。
【0034】
具体的な応用においては、第1の撮影モジュール11と第2の撮影モジュール12は、それぞれ1つ、2つ、または複数の撮像レンズを含んでもよい。第1の撮影モジュール11と第2の撮影モジュール12がそれぞれ複数の撮像レンズを含む時に、第1の撮影モジュール11の最大画角は各撮像レンズの画角を重ね合わせたから形成される最大画角であり、同様に、第2の撮影モジュール12の最大画角は各撮像レンズの画角を重ね合わせたから形成される最大画角であるが、もちろん、第1の撮影モジュール11と第2の撮影モジュール12はそれぞれ一つの魚眼レンズのみを含んでもよく、この魚眼レンズの最大画角は第1の撮影モジュール11と第2の撮影モジュール12の最大画角である。実際においては、撮影モジュール1を回転雲台に置き、回転雲台の回転によって撮影モジュール1に異なる方向の画像を取得させて、ソフトウェアによって合成することもできる。
【0035】
具体的には、前記第1の撮影モジュール11、前記第2の撮影モジュール12は、いずれも少なくとも一つの魚眼カメラを含む。前記魚眼カメラの最大画角は180度より大きく、魚眼カメラは比較的大きな撮影角度を達成することができることで、撮影ブロックのカメラ数を減らし、撮影装置の重量を低減して、航空機の飛行高度と飛行距離をさらに向上する。本実施例では、前記第1の撮影モジュール11、前記第2の撮影モジュール12は同じであり、取り付け位置と向きが異なるだけである。
【0036】
具体的には、
図1に示すように、ホルダー2は、第1の挟持部材21と第2の挟持部材22とを含み、第1の挟持部材21と第2の挟持部材22とが接続して航空機本体3を挟持するための挟持構造を形成し、かつ第1の挟持部材21と第2の挟持部材22との間には航空機を収容する取り付け空間を有する。ホルダー2は、開口状(例えば、C字状)や閉鎖状(例えば、口字状)などを呈してもよい。ホルダー2は航空機に取り外し可能に接続されており、パノラマ航空撮影機能を使用する必要がない場合に、撮影装置を航空機本体3から除去することができる。パノラマ航空撮影機能を使用する必要がある場合に、第1の挟持部材21と第2の挟持部材22で形成された挟持構造によって撮影装置を航空機本体3に取り付けて、挟持構造によって撮影装置を様々な型式(異なるサイズ)の航空機に対応させることができ、撮影装置の実用性を向上する。あるいは、可能な代替案として、前記ホルダー2が、ロッキング構造または係止構造またはバインドテープ構造等によって前記航空機本体3に接続されることもできる。例えば、ロッキング構造はねじであってもよく、ホルダー2をねじによって前記航空機本体の一部に、取り付けに適しかつ解除可能に固定することができる。
【0037】
具体的な応用においては、第1の挟持部材21と第2の挟持部材22は、航空機本体3の最上部と最下部に挟持されてもよいし、航空機本体3の両側に挟持されてもよい。実際の状況においては、航空機の型式によってその本体の外形も異なり、挟持構造を用いて挟持することによって様々な外形の飛行機に対応できる。
【0038】
具体的には、
図3及び
図4に示すように、第1の挟持部材21が、一体成型され、または少なくとも2つの組み立て部品により組み立て形成されており、第2の挟持部材22が、一体成型され、または少なくとも2つの組み立て部品により組み立て形成される。ある組み立て部品が破損した場合に、新しい組み立て部品を購入し、破損した組み立て部品を交換すればよく、ホルダー2全体を交換する必要がなく、撮影装置を含まないメンテナンスコストを効果的に低減する。そして、サイズが異なる組み立て部品を交換することで異なる航空機に適用することを選択してもよい。
【0039】
具体的な応用においては、第1の挟持部材21と第2の挟持部材22がプラスチックや軽合金で作成されることができ、また、いくつかの重要でない箇所に適宜透かし彫り部分を設けることができることで、撮影装置の重量を低減して、航空機の飛行高度と飛行距離を向上する。
【0040】
具体的には、
図5及び
図6に示すように、第1の挟持部材21と第2の挟持部材22との間にクランプ構造23が設けられ、クランプ構造23は係止またはねじロッキング構造等であってもよい。クランプ構造23は、第1の挟持部材21と第2の挟持部材22との間の距離を調節することができ、つまり、クランプ構造23は、挟持構造が航空機本体3を挟持する時の緊張度を調節することができることで、サイズが異なる航空機本体3に適用することができ、一方で、撮影装置と航空機本体3との間の接続をより強固にさせることができ、これにより、撮影装置を飛行撮影時により確実に安定させて、撮影された画面がさらに良好になる。
【0041】
具体的には、
図1~
図3に示すように、第1の挟持部材21は、第1のホルダー211と、第1のホルダー211に接続される第1のクランプ部品212とを含み、第2の挟持部材22は、第2のホルダー221と、第2のホルダー221に接続される第2のクランプ部品222とを含んでおり、第1のホルダー211は、第2のホルダー221に取り外し可能に接続されて、第1のホルダー211又は/及び第2のホルダー221は、U型構造であってもよく、第1のホルダー211と第2のホルダー221との間に形成された空間は、航空機本体3を収納するためのものであるが、もちろん、第1のホルダー211は、第2のホルダー221に一体成型されてもよい。
【0042】
本実施例においては、
図6及び
図8に示すように、クランプ構造23は、ねじロッキング構造を採用しており、ねじロッキング構造は、第1のホルダー211に一体成型又は固定接続されかつ貫通孔を有するクランプ突起232と、第2のホルダー221に一体成形又は固定接続されるクランプナット231と、この貫通孔を通ってクランプナット231にねじ込み接続されるクランプ植込みボルト233とを含み、クランプ植込みボルト233を締め付ける時に、クランプ植込みボルト233は、クランプ突起232を徐々に押圧してクランプ突起232をクランプナット231に徐々に接近させて、第1のホルダー211と第2のホルダー221を徐々に接近させ、これにより、第1のクランプ部品212と第2のクランプ部品222が航空機本体3をクランプする。本実施例では、ねじロッキング構造は、2つ設けられ、かつホルダー2の両側にそれぞれ設けられており、具体的な応用においては、ねじクランプ構造23は1つまたは複数設けられてもよい。もちろん、クランプナット231を第1のホルダー211に接続し、クランプ突起232を第2のホルダー221に接続してもよく、これにより、クランプする役割を果たすこともできる。もちろん、具体的な応用においては、異なるクランプ方式を採用することもできる。
【0043】
具体的な応用においては、クランプ構造23は、挟持構造に直接作用することができ、例えば、第1のクランプ部品212が第1のホルダー211にスライド接続され、第2のクランプ部品222が第2のホルダー221に固定接続又はスライド接続されており、第1のクランプ部品212と第2のクランプ部品222とがスライドによって互いに接近又は遠離することができ、クランプ突起232が第1のクランプ部品212に固定接続又は一体成型され、クランプナット231が第2のクランプ部品222に固定接続又は一体成型されており、クランプ植込みボルト233を徐々に締め付けることにより、第1のクランプ部品212と第2のクランプ部品222とを徐々に接近させて、挟持構造によって航空機本体3をクランプする。
【0044】
具体的な応用においては、
図7に示すように、第1のクランプ部品212と第2のクランプ部品222が一定の弾性を有する弧形板であってもよく、弾性を有する弧形板の方が様々な航空機本体3によりよく対応し、撮影装置の実用性をさらに向上することができる。本実施例では、第1のクランプ部品212が弧形板であり、第2のクランプ部品222が第1のクランプ部品212より小さいサイズを有する平板であり、このような設計によって、挟持構造の信頼性を低減させることなく、撮影装置の重量をできるだけ低減し、航空機の飛行高度及び飛行距離をさらに向上することができる。
【0045】
具体的には、
図1に示すように、前記ホルダー2の上下の両端には、前記撮影モジュール1を取り付けるための取り付け構造がそれぞれ設けられており、つまり、第1の挟持部材21と第2の挟持部材22にはいずれも撮影モジュール1を取り付けるための取り付け構造が設けられる。取り付け構造によって第1の撮影モジュール11を第1の挟持部材21に取り付け、第2の撮影モジュール12を第2の挟持部材22に取り付けており、このようなブロック化される取り外し可能な設計によって、実際の状況においては、異なるニーズに応じて、異なる撮影モジュール1を交換することで、異なる撮影効果を実現するとともに、メンテナンスを容易にすることができる。
【0046】
具体的には、取り付け構造には、撮影モジュール1の平面位置又は/及び縦方向の位置を調節するための調節構造が設けられる。調節構造は、ホルダー2に対する撮影モジュール1の位置を調節することができ、つまり、撮影モジュール1は、調節機構によって平面移動または縦方向の昇降移動(撮影モジュール1と航空機との距離を調節する)が可能である。実際の状況においては、航空機の型式は多種多様であり、撮影装置を取り付けた後、撮影モジュール1が必ずしも最適な撮影位置にあるとは限らなく、その時に、調節構造によって撮影モジュール1の位置を調節することができることで、撮影モジュール1の画面の画角を調整して、撮影モジュール1で撮影された画面が最適になるようにする。
【0047】
具体的には、取り付け構造は、取り付け台24を含み、取り付け台24は2つ設けられ、かつそれぞれ第1の撮影モジュール11と第2の撮影モジュール12を取り付けるためのものであり、各取り付け台24はいずれも撮影モジュール1を収納するための取り付け溝を有しており、取り付け溝の両側には弾性アーム241が設けられ、弾性アーム241の取り付け溝を向く側には、位置規制突起242が設けられ、第1の撮影モジュール11と第2の撮影モジュール12の両側の対応する位置には、位置規制突起242と係合する位置規制溝111が設けられており、位置規制溝111と位置規制突起242とが係合することにより、撮影モジュール1を取り付け溝に取り付ける。もちろん、他の係止構造などによって第1の撮影モジュール11と第2の撮影モジュール12を取り付け台24に固定してもよい。もちろん、具体的な応用においては、異なる取り付け構造を採用してもよい。
【0048】
具体的な応用においては、位置規制溝111は、水平に複数設けられることができ、異なる位置規制溝111が位置規制突起242と係合することで、撮影ブロックの取り付け位置を調整し、撮影装置の適用性を向上する。
【0049】
具体的な応用においては、取り付け溝の底面にはシュート243が設けられることができ、撮影モジュール1の底面にはシュート243にスライド接続されるスライダ121が設けられており、撮影モジュール1を取り付ける時に、スライダ121とシュート243とが撮影モジュールの取り付け溝への取り付けをガイドするために用いられる。
【0050】
具体的には、調節構造は、平面雲台または昇降雲台であってもよい。平面雲台や昇降雲台は、航空機に対する取り付け構造の位置を自動又は手動の方式で調節することができることにより、撮影ブロックの位置を調整して、撮影ブロックを撮影に最適な位置にさせる。具体的な応用においては、雲台には一定の振れ防止機能を持たせることができ、航空機の飛行中に、気流の乱れや自身の翼の振動により、撮影装置が振れやすくなり、撮影装置で撮影された画面の効果が悪くなるが、雲台は、自動調節により、気流の乱れや翼の振動による影響を取り除き、撮影モジュール1を安定的な状態にして、撮影装置で撮影された画面の効果を向上することができる。
【0051】
具体的には、
図1に示すように、パノラマ撮影装置は、ホルダー2に設けられるホストブロック25をさらに備えており、ホストブロック25が、前記撮影モジュールで撮影された画像を記憶するための記憶モジュールと、前記撮影モジュール1で撮影された画像を処理して処理後の画像(パノラマピクチャーまたはパノラマビデオ)を得るための処理モジュール(プロセッサ)と、前記撮影モジュール1で撮影された画像または前記処理モジュールで処理された画像を遠隔端末に伝送するための通信モジュールのうちの少なくとも一つを含む。このようにして、撮影モジュール1で撮影された画像をホストブロック25の記憶モジュールに記憶することができ、撮影された画像を航空機に直接記憶することもできるが、もちろん、通信モジュールによって画像をユーザー端末に直接伝送することもできる。
【0052】
具体的な応用においては、パノラマ撮影装置は、電池モジュールを設けなくしてもよく、航空機と電源を共用することができ、これにより、航空機の重量をさらに低減する。あるいは、前記パノラマ撮影装置は、前記ホストブロック25又は/及び前記撮影モジュールに電力を提供するための電源をさらに備えており、前記電源は、前記ホルダー2に設けられ又は前記ホストブロック25などの適切な箇所に内蔵されることができる。
【0053】
本発明に係る実施例は、撮影方法がさらに提供されており、前記撮影方法は、上記のパノラマ撮影装置を採用しており、かつ
前記パノラマ撮影装置の第1の撮影モジュール11が第1の方向の第1の画像を取得し、前記パノラマ撮影装置の第2の撮影モジュール12が第2の方向の第2の画像を取得するステップと、
前記パノラマ撮影装置または航空機の処理モジュールが、前記第1の撮影モジュール11の第1の画像(ピクチャーまたはビデオ)、前記第2の撮影モジュール12の第2の画像(ピクチャーまたはビデオ)を受信して前記第1の画像、第2の画像を合成しパノラマ画像(パノラマピクチャーまたはパノラマビデオ)を形成して遠隔端末に送信しており、または、遠隔端末が前記第1の撮影モジュール11の第1の画像、前記第2の撮影モジュール12の第2の画像を受信して前記第1の画像、第2の画像を合成しパノラマ画像を形成するステップとを含む。
【0054】
本発明は、航空機がさらに提供されており、
図1~
図17に示すように、前記航空機は、航空機本体3と上記の撮影装置を備えており、前記ホルダー2が前記航空機本体3に接続され、つまり、ホルダー2が前記航空機本体の一部に、取り付けに適しかつ解除可能に固定される。本実施例では、前記ホルダー2の上端と下端はそれぞれ前記航空機本体3の上方と下方に位置し、前記第1の撮影モジュール11は前記ホルダー2の上端に取り付けられかつ航空機の上方を向いて、前記第2の撮影モジュール12は前記ホルダー2の下端に取り付けられかつ航空機の下方を向いている。具体的な応用においては、ホルダー2の構造及び取り付け方式は実際の状況に応じて設定されることができ、航空機の構造も実際の状況に応じて選択されることができ、固定翼航空機や回転翼式航空機などであってもよい。
【0055】
具体的には、
図10に示すように、前記第1の撮影モジュール11の位置が、H1>L1/tanα1を満たしており、ここで、前記第1の撮影モジュール11は、レンズの中心軸方向に沿って、最大画角に対応する視線と前記航空機とが交点を有する位置であって前記航空機から最も遠い位置まで調整されると、前記第1の撮影モジュール11の最大画角(180度より大きい)に対応する視線と前記航空機との交点が第1の最も遠い点C1であり、L1が前記第1の最も遠い点C1から前記第1の撮影モジュール11のレンズ中心軸までの垂線分であり、この最も遠い点と前記第1の撮影モジュールのレンズ中心軸とが第1の垂足B1を有し、α1が前記第1の撮影モジュール11の最大画角に対応する視線とレンズ中心軸との夾角(90度未満の夾角)であり、第1の撮影モジュール11の最大画角(Xとする)が180度より大きく、この夾角(α1)が鋭角であり、かつα1=0.5*(360-X)であり、H1が前記第1の撮影モジュール11(実際の取り付け位置にあるとき)のレンズ中心点A1と第1の垂足B1との距離である。
【0056】
前記第2の撮影モジュール12の位置は、H2>L2/tanα2を満たしており、ここで、前記第2の撮影モジュール12は、レンズの中心軸方向に沿って、最大画角(180度より大きい)に対応する視線と前記航空機とが交点を有する位置であって前記航空機から最も遠い位置まで調整されると、第2の撮影モジュール12の最大画角に対応する視線と前記航空機との交点が第2の最も遠い点C2であり、L2が前記第2の最も遠い点C2から第2の撮影モジュール12のレンズ中心軸までの垂線分であり、第2の最も遠い点C2と第2の撮影モジュール12のレンズ中心軸とが第2の垂足B2を有し、α2が前記第2の撮影モジュール12の最大画角に対応する視線とレンズ中心軸との夾角(90度未満の夾角)であり、第2の撮影モジュール12の最大画角(Xとする)が180度より大きく、この夾角(α2)が鋭角であり、かつα2=0.5*(360-X)であり、H2が第2の撮影モジュール12(実際の取り付け位置にあるとき)のレンズ中心点A2と第2の垂足B2との距離である。
【0057】
その可能性の一つとして、
図10に示すように、第1の最も遠い点C1は航空機の回転翼の翼端にある。即ち、第1の撮影モジュール11に対してレンズの中心軸方向に沿って位置を調整して、第1の撮影モジュール11の最大画角に対応する視線と前記航空機とが交点を有することを前提にして、第1の撮影モジュール11がレンズの中心軸方向に沿って航空機から最も遠い場合に、第1の撮影モジュール11の最大画角に対応する視線と前記航空機との交点は航空機の回転翼の翼端、すなわちC1に位置する。C1とレンズ中心軸とが第1の垂足B1を有し、L1が前記第1の最も遠い点C1から前記第1の撮影モジュール11のレンズ中心軸までの垂線分C1B1であり、α1が前記第1の撮影モジュール11の最大画角に対応する視線とレンズ中心軸との夾角(90度未満の夾角)であり、第1の撮影モジュール11の最大画角(Xとする)が180度より大きく、この夾角(α1)が鋭角であり、かつα1=0.5*(360-X)であり、H1が前記第1の撮影モジュール11のレンズ中心点A1と第1の垂足B1との距離である。
【0058】
同様に、第2の最も遠い点C2も航空機の回転翼の翼端にあってもよい。即ち、第2の撮影モジュール12に対してレンズの中心軸方向に沿って位置を調整して、第2の撮影モジュール12の最大画角に対応する視線と前記航空機とが交点を有することを前提にして、第2の撮影モジュール12がレンズの中心軸方向に沿って航空機から最も遠い場合に、第2の撮影モジュール12の最大画角に対応する視線と前記航空機との交点は航空機の回転翼の翼端、すなわちC2に位置する。C2とレンズ中心軸とが第2の垂足B2を有し、L2が前記第2の最も遠い点C2から前記第2の撮影モジュール12のレンズ中心軸までの垂線分C2B2であり、α2が前記第2の撮影モジュール12の最大画角に対応する視線とレンズ中心軸との夾角(90度未満の夾角)であり、第2の撮影モジュール12の最大画角(Xとする)が180度より大きく、この夾角(α2)が鋭角であり、かつα2=0.5*(360-X)であり、H2が前記第2の撮影モジュール12(実際の取り付け位置にあるとき)のレンズ中心点A2と第2の垂足B2との距離である。
【0059】
別の可能性として、
図11に示すように、第1の最も遠い点C1、第2の最も遠い点C2が航空機のケースなどの箇所に位置するかもしれなく、C1とレンズ中心軸とが第1の垂足B1を有し、L1が前記第1の最も遠い点C1から前記第1の撮影モジュール11のレンズ中心軸までの垂線分C1B1であり、α1が前記第1の撮影モジュール11の最大画角に対応する視線とレンズ中心軸との夾角(90度未満の夾角)であり、第1の撮影モジュール11の最大画角(Xとする)が180度より大きく、この夾角(α1)が鋭角であり、かつα1=0.5*(360-X)であり、H1が前記第1の撮影モジュール11のレンズ中心点A1と第1の垂足B1との距離である。第2の最も遠い点C2は航空機のケースの片隅に位置し、第2の最も遠い点C2とレンズ中心軸とが第2の垂足B2を有し、L2が前記第2の最も遠い点C2から前記第2の撮影モジュール12のレンズ中心軸までの垂線分C2B2であり、α2が前記第2の撮影モジュール12の最大画角に対応する視線とレンズ中心軸との夾角(90度未満の夾角)であり、第2の撮影モジュール12の最大画角(Xとする)が180度より大きく、この夾角(α2)が鋭角であり、かつα2=0.5*(360-X)であり、H2が前記第2の撮影モジュール12(実際の取り付け位置にあるとき)のレンズ中心点A2と第2の垂足B2との距離である。第1の撮影モジュール11と第2の撮影モジュール12の最大画角に対応する視線は、航空機本体3の周側(D点)に交わる。
【0060】
本発明に係る実施例は、パノラマ撮影システムがさらに提供されており、前記パノラマ撮影システムは、上記のパノラマ撮影装置と、前記パノラマ撮影装置から送信される画像を受信するための遠隔端末とを備えており、遠隔端末は、端末コンピュータ、クラウドサーバー、リモコン、携帯電話、タブレットPCなどであってもよい。パノラマ撮影装置はホストブロック25を含んでもよく、撮影モジュール1で撮影された画像をホストブロック25に記憶してもよいし、遠隔端末に直接送信してもよい。ホストブロック25は、画像を遠隔端末に直接送信してもよいし、ホストブロック25内の処理モジュールによって画像をパノラマ画像に合成して遠隔端末に送信してもよい。パノラマ撮影装置は航空機と電源を共用してもよいし、独立した電源を採用して電力を供給してもよい。
【0061】
本実施例では、前記遠隔端末は、前記第1の撮影モジュールと前記第2の撮影モジュールで撮影された画像を記憶するためのメモリと、前記メモリ内の画像をパノラマメディア(360度パノラマピクチャー、360度パノラマビデオを含む)に合成するためのプロセッサとを有しており、前記遠隔端末は、前記プロセッサで合成されたパノラマメディアを表示するための表示装置(表示インタフェース)をさらに有するが、もちろん、メモリも前記プロセッサで合成されたパノラマメディアを記憶するために用いられてもよい。
【0062】
本発明に係る実施例は、パノラマ撮影システムがさらに提供されており、前記パノラマ撮影システムは、上記の航空機と、前記航空機または前記パノラマ撮影装置から送信される画像を受信するための遠隔端末とを備える。遠隔端末は、端末コンピュータ、クラウドサーバー、航空機のリモコン、携帯電話、タブレットPCなどであってもよい。パノラマ撮影装置又は航空機本体はホストブロック25を含んでもよく、撮影モジュール1で撮影された画像をホストブロック25に記憶してもよいし、遠隔端末に直接送信してもよい。ホストブロック25は、画像を遠隔端末に直接送信してもよいし、ホストブロック25内の処理モジュールによって画像をパノラマ画像に合成して遠隔端末に送信してもよい。
【0063】
本実施例では、前記遠隔端末は、前記第1の撮影モジュールと前記第2の撮影モジュールで撮影された画像を記憶するためのメモリと、前記メモリ内の画像をパノラマメディア(360度パノラマピクチャー、360度パノラマビデオを含む)に合成するためのプロセッサとを有しており、前記遠隔端末は、前記プロセッサで合成されたパノラマメディアを表示するための表示装置(表示インタフェース)をさらに有するが、もちろん、メモリも前記プロセッサで合成されたパノラマメディアを記憶するために用いられてもよい。
【0064】
本発明に係る実施例により提供されるパノラマ撮影装置、パノラマ撮影システム、撮影方法及び航空機によれば、撮影装置が航空機の飛行中にパノラマ写真やパノラマビデオを撮影する場合に、航空機本体3や撮影装置を完全に隠し、撮影装置で撮影された写真やビデオに航空機本体3や撮影装置が現れないようにし、かつホルダーが異なる無人機に適合することができ、ホルダー(アダプター)の大きさ、魚眼レンズ(撮影モジュール)と無人機との間の距離を調整することで、パノラマ航空撮影のニーズを満たしており、具体的な応用においては、魚眼レンズ(撮影モジュール)で取得された画像をアダプターにローカルに記憶してもよいし、無人機に記憶してもよいし、遠隔端末(例えば、コンピュータ)と直接通信して、取得された画像をリアルタイム的に伝送してもよいし、パノラマ撮影の効果がよく、画像の後処理が比較的簡単である。
【0065】
以上の説明は、本発明の好ましい実施例だけであり、本発明を制限するものではなく、本発明の精神と原則で行われたいかなる修正、同等の置換、または改良などは、いずれも本発明による保護範囲に含まれるべきである。