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特許7407989情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-21
(45)【発行日】2024-01-04
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20231222BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2023031022
(22)【出願日】2023-03-01
【審査請求日】2023-06-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】西村 龍平
【審査官】貝塚 涼
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-132042(JP,A)
【文献】特開2021-140245(JP,A)
【文献】特開2022-035296(JP,A)
【文献】特開2021-189849(JP,A)
【文献】特開2019-109867(JP,A)
【文献】特開2021-165957(JP,A)
【文献】特開2005-222147(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両を識別するための車両識別情報と、前記車両の所有者を識別するための所有者識別情報と、を関連付けて記憶する記憶部と、
前記車両の位置を示す車両位置情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した複数の前記車両位置情報に基づいて、前記車両の所有者の行動パターンを推定するパターン推定部と、
前記車両位置情報に基づいて、前記車両の所有者の変更にかかる所定の条件を満たすかを判定する判定部と、
少なくとも前記所定の条件を満たすと判定された場合に、前記車両の所有者と前記車両との関連付けを無効にする関連付け管理部と、
を有し、
前記判定部は、前記車両識別情報に関連付けられた前記車両の所有者の行動パターンと、前記パターン推定部が推定した前記車両の所有者の行動パターンと、の類似度が所定の閾値以下である場合に前記所定の条件を満たすと判定する、
報処理装置。
【請求項2】
車両を識別するための車両識別情報と、前記車両の所有者を識別するための所有者識別情報と、を関連付けて記憶する記憶部と、
前記車両の位置を示す車両位置情報と、前記車両の所有者が使用する情報端末の位置を示す端末位置情報と、を取得する取得部と、
前記車両位置情報に基づいて、前記車両の所有者の変更にかかる所定の条件を満たすかを判定する判定部と、
少なくとも前記所定の条件を満たすと判定された場合に、前記車両の所有者と前記車両との関連付けを無効にする関連付け管理部と、
を有し、
前記判定部は、前記車両位置情報と前記端末位置情報との位置関係が所定の位置関係である場合に前記所定の条件を満たすと判定する、
情報処理装置。
【請求項3】
車両を識別するための車両識別情報と、前記車両の所有者を識別するための所有者識別情報と、を関連付けて記憶する記憶部と、
前記車両の位置を示す車両位置情報を取得する取得部と、
前記車両位置情報に基づいて推定される前記車両の拠点と、前記車両識別情報に関連付けられた位置と、の位置関係が所定の位置関係である場合に前記車両の所有者の変更にかかる所定の条件を満たすと判定する判定部と、
少なくとも前記所定の条件を満たすと判定された場合に、前記車両の所有者と前記車両との関連付けを無効にする関連付け管理部と、
前記所定の条件を満たすと判定された場合に、前記車両に搭載された車載端末と、前記車両の所有者が使用する情報端末と、にそれぞれ異なる所定のメッセージを表示させるとともに、所有者の登録情報を変更する操作をするための画面を前記車載端末に表示させる表示制御部と、
を有する情報処理装置。
【請求項4】
車両を識別するための車両識別情報と、前記車両の所有者を識別するための所有者識別情報と、を関連付けて記憶する記憶部と、
前記車両の位置を示す車両位置情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した複数の前記車両位置情報に基づいて、前記車両の所有者の行動パターンを推定するパターン推定部と、
前記パターン推定部が推定した前記車両の所有者の行動パターンの変化状況が所定の変化状況である場合に前記車両の所有者の変更にかかる所定の条件を満たすと判定する判定部と、
少なくとも前記所定の条件を満たすと判定された場合に、前記車両の所有者と前記車両との関連付けを無効にする関連付け管理部と、
前記所定の条件を満たすと判定された場合に、前記車両に搭載された車載端末と、前記車両の所有者が使用する情報端末と、にそれぞれ異なる所定のメッセージを表示させるとともに、所有者の登録情報を変更する操作をするための画面を前記車載端末に表示させる表示制御部と、
を有する情報処理装置。
【請求項5】
前記記憶部は、前記車両の所有者の住所をさらに関連付けて記憶し、
前記判定部は、前記取得部が取得した前記車両位置情報に基づいて推定される前記車両の拠点と、前記車両識別情報に関連付けられた前記車両の所有者の住所と、の位置関係が前記所定の位置関係である場合に前記所定の条件を満たすと判定する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記車両にされた操作内容を示す操作情報を取得する操作情報取得部と、
前記操作情報取得部が取得した前記操作情報に基づいて、前記車両の所有者の運転パターンを推定する運転パターン推定部をさらに有し、
前記関連付け管理部は、
(1)前記所定の条件を満たすと判定された場合であって、
(2)前記運転パターン推定部が推定した前記車両の所有者の運転パターンの変化状況が所定の変化状況である場合に、
前記車両の所有者と、前記車両と、の関連付けを無効にする、
請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記記憶部は、前記車両の所有者が使用する情報端末に発行したトークンを識別するためのトークン識別情報をさらに関連付けて記憶し、
前記関連付け管理部は、少なくとも前記所定の条件を満たすと判定された場合に、前記車両の所有者に発行した前記トークンを無効にする、
請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記所定の条件を満たすと判定された場合に、前記車両に搭載された車載端末と、前記車両の所有者が使用する情報端末と、にそれぞれ異なる所定のメッセージを表示させるとともに、所有者の登録情報を変更する操作をするための画面を前記車載端末に表示させる表示制御部を、
さらに有することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記表示制御部は、前記所定の条件を満たすと判定された場合に、前記車両に搭載された車載端末に、前記車両の所有者を認証するための認証情報の入力を受付ける画面を表示させる、
請求項3又は4に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記関連付け管理部は、前記所定の条件を満たすと判定された場合であって、所定の期間において前記車両と、前記車両の所有者が使用する情報端末と、を関連付ける操作がされない場合に、前記車両の所有者と、前記車両と、の関連付けを無効にする、
請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
コンピュータが実行する、
車両の位置を示す車両位置情報を取得するステップと、
前記取得するステップにおいて取得された複数の前記車両位置情報に基づいて、前記車両の所有者の行動パターンを推定するステップと、
前記車両を識別するための車両識別情報と、前記車両の所有者を識別するための所有者識別情報と、を関連付けて記憶する記憶部を参照し、前記車両位置情報に基づいて、前記車両の所有者の変更にかかる所定の条件を満たすかを判定するステップと、
少なくとも前記所定の条件を満たすと判定された場合に、前記車両の所有者と、前記車両と、の関連付けを無効にするステップと、
を有し、
前記判定するステップにおいては、前記車両識別情報に関連付けられた前記車両の所有者の行動パターンと、前記推定するステップにおいて推定された前記車両の所有者の行動パターンと、の類似度が所定の閾値以下である場合に前記所定の条件を満たすと判定する、
報処理方法。
【請求項12】
コンピュータが実行する、
車両の位置を示す車両位置情報を取得するステップと、
前記車両の所有者が使用する情報端末の位置を示す端末位置情報を取得するステップと、
前記車両を識別するための車両識別情報と、前記車両の所有者を識別するための所有者識別情報と、が関連付けられた情報を参照し、前記車両位置情報に基づいて、前記車両の所有者の変更にかかる所定の条件を満たすかを判定するステップと、
少なくとも前記所定の条件を満たすと判定された場合に、前記車両の所有者と、前記車両と、の関連付けを無効にするステップと、
を有し、
前記判定するステップにおいては、前記車両位置情報と前記端末位置情報との位置関係が所定の位置関係である場合に前記所定の条件を満たすと判定する、
報処理方法。
【請求項13】
コンピュータが実行する、
車両の位置を示す車両位置情報を取得するステップと、
前記車両を識別するための車両識別情報と、前記車両の所有者を識別するための所有者識別情報と、が関連付けられた情報を参照し、前記車両位置情報に基づいて推定される前記車両の拠点と、前記車両識別情報に関連付けられた位置と、の位置関係が所定の位置関係である場合に前記車両の所有者の変更にかかる所定の条件を満たすと判定するステップと、
少なくとも前記所定の条件を満たすと判定された場合に、前記車両の所有者と、前記車両と、の関連付けを無効にするステップと、
前記所定の条件を満たすと判定された場合に、前記車両に搭載された車載端末と、前記車両の所有者が使用する情報端末と、にそれぞれ異なる所定のメッセージを表示させるとともに、所有者の登録情報を変更する操作をするための画面を前記車載端末に表示させるステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項14】
コンピュータが実行する、
車両の位置を示す車両位置情報を取得するステップと、
前記取得するステップにおいて取得された複数の前記車両位置情報に基づいて、前記車両の所有者の行動パターンを推定するステップと、
前記推定するステップにおいて推定された前記車両の所有者の行動パターンの変化状況が所定の変化状況である場合に、前記車両の所有者の変更にかかる所定の条件を満たすと判定するステップと、
少なくとも前記所定の条件を満たすと判定された場合に、前記車両の所有者と、前記車両と、の関連付けを無効にするステップと、
前記所定の条件を満たすと判定された場合に、前記車両に搭載された車載端末と、前記車両の所有者が使用する情報端末と、にそれぞれ異なる所定のメッセージを表示させるとともに、所有者の登録情報を変更する操作をするための画面を前記車載端末に表示させるステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項15】
コンピュータに、
請求項11から14のいずれか1項に記載の情報処理方法を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両とユーザとを関連付けて記憶しておき、ユーザが使用する情報端末から受信した制御情報に基づき車両を制御する技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2022-142638号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来技術においては、車両を使用する所有者が変更された場合に変更前の所有者が情報端末を介して車両を制御したり、車両の位置情報を閲覧したりしうるという問題が生じていた。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、車両を使用する所有者が変更された場合に変更前の所有者により車両の制御や、車両の位置情報の閲覧等がされるリスクを低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の情報処理装置においては、車両を識別するための車両識別情報と、前記車両の所有者を識別するための所有者識別情報と、を関連付けて記憶する記憶部と、前記車両の位置を示す車両位置情報を取得する取得部と、前記車両位置情報に基づいて、前記車両の所有者の変更にかかる所定の条件を満たすかを判定する判定部と、少なくとも前記所定の条件を満たすと判定された場合に、前記車両の所有者と前記車両との関連付けを無効にする関連付け管理部と、を有する。
【0007】
前記判定部は、前記車両位置情報に基づいて推定される前記車両の拠点と、前記車両識別情報に関連付けられた位置と、の位置関係が所定の位置関係である場合に前記所定の条件を満たすと判定してもよい。
【0008】
前記記憶部は、前記車両の所有者の住所をさらに関連付けて記憶し、前記判定部は、前記取得部が取得した前記車両位置情報に基づいて推定される前記車両の拠点と、前記車両識別情報に関連付けられた前記車両の所有者の住所と、の位置関係が前記所定の位置関係である場合に前記所定の条件を満たすと判定してもよい。
【0009】
前記取得部が取得した複数の前記車両位置情報に基づいて、前記車両の所有者の行動パターンを推定するパターン推定部をさらに有し、前記判定部は、前記パターン推定部が推定した前記車両の所有者の行動パターンの変化状況が所定の変化状況である場合に前記所定の条件を満たすと判定してもよい。
【0010】
前記取得部が取得した複数の前記車両位置情報に基づいて、前記車両の所有者の行動パターンを推定するパターン推定部をさらに有し、前記判定部は、前記車両識別情報に関連付けられた前記車両の所有者の行動パターンと、前記パターン推定部が推定した前記車両の所有者の行動パターンと、の類似度が所定の閾値以下である場合に前記所定の条件を満たすと判定してもよい。
【0011】
前記車両にされた操作内容を示す操作情報を取得する操作情報取得部と、前記操作情報取得部が取得した前記操作情報に基づいて、前記車両の所有者の運転パターンを推定する運転パターン推定部をさらに有し、前記関連付け管理部は、(1)前記所定の条件を満たすと判定された場合であって、(2)前記運転パターン推定部が推定した前記車両の所有者の運転パターンの変化状況が所定の変化状況である場合に、前記車両の所有者と、前記車両と、の関連付けを無効にしてもよい。
【0012】
前記取得部は、前記車両の所有者が使用する情報端末の位置を示す端末位置情報を取得し、前記判定部は、前記車両位置情報と前記端末位置情報との位置関係が所定の位置関係である場合に前記所定の条件を満たすと判定してもよい。
【0013】
前記記憶部は、前記車両の所有者が使用する情報端末に発行したトークンを識別するためのトークン識別情報をさらに関連付けて記憶し、前記関連付け管理部は、少なくとも前記所定の条件を満たすと判定された場合に、前記車両の所有者に発行した前記トークンを無効にしてもよい。
【0014】
前記所定の条件を満たすと判定された場合に、前記車両に搭載された車載端末と、前記車両の所有者が使用する情報端末と、にそれぞれ異なる所定のメッセージを表示させるとともに、所有者の登録情報を変更する操作をするための画面を前記車載端末に表示させる表示制御部をさらに有してもよい。
【0015】
前記表示制御部は、前記所定の条件を満たすと判定された場合に、前記車両に搭載された車載端末に、前記車両の所有者を認証するための認証情報の入力を受付ける画面を表示させてもよい。
【0016】
前記関連付け管理部は、前記所定の条件を満たすと判定された場合であって、所定の期間において前記車両と、前記車両の所有者が使用する情報端末と、を関連付ける操作がされない場合に、前記車両の所有者と、前記車両と、の関連付けを無効にしてもよい。
【0017】
本発明の第2の態様の情報処理方法においては、コンピュータが実行する、車両の位置を示す車両位置情報を取得するステップと、前記車両を識別するための車両識別情報と、前記車両の所有者を識別するための所有者識別情報と、を関連付けて記憶する記憶部を参照し、前記車両位置情報に基づいて、前記車両の所有者の変更にかかる所定の条件を満たすかを判定するステップと、少なくとも前記所定の条件を満たすと判定された場合に、前記車両の所有者と、前記車両と、の関連付けを無効にするステップと、を有する。
【0018】
コンピュータに、車両の位置を示す車両位置情報を取得するステップと、前記車両を識別するための車両識別情報と、前記車両の所有者を識別するための所有者識別情報と、を関連付けて記憶する記憶部を参照し、前記車両位置情報づいて、前記車両の所有者の変更にかかる所定の条件を満たすかを判定するステップと、少なくとも前記所定の条件を満たすと判定された場合に、前記車両の所有者と、前記車両と、の関連付けを無効にするステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、車両を使用する所有者が変更された場合に変更前の所有者により車両の制御や、車両の位置情報の閲覧等がされるリスクを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施形態にかかる情報処理システムSの概要について説明する図である。
図2】情報処理装置1の構成を示すブロック図である。
図3】記憶部12が記憶する関連付け管理テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図4】表示制御部135が表示させる画面の一例を示す図である。
図5】表示制御部135が表示させる画面の一例を示す図である。
図6】情報処理装置1における処理の流れを示すフローチャートである。
図7】変形例にかかる情報処理装置1Aの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
<第1の実施形態>
図1は、実施形態にかかる情報処理システムSの概要を説明する図である。情報処理システムSは、車両をネットワークに接続させ、車両に関する様々な情報を車両の所有者に送信し、情報端末を介して車両を制御することができるサービス(いわゆるコネクテッドサービス)を提供するためのシステムである。情報処理システムSは、情報処理装置1、情報端末2及び車両Vを有する。
【0022】
情報処理装置1は、情報処理システムSにおいて提供するサービスにおいて、車両Vと当該車両の所有者との関係を管理する装置である。情報処理装置1は、例えばサーバである。
【0023】
情報端末2は、車両Vの所有者が使用する情報端末である。情報端末2は、ネットワークを介して車両Vを制御するための情報を送信し、車両Vの情報(例えば位置情報や車両Vの状態を示す情報)を取得する。
【0024】
車両Vは、自動車である。車両Vは、ネットワークを介して情報処理装置1及び情報端末2と通信可能に接続されている。車両Vは、所有者からの操作を受付け、情報処理装置1から取得した情報を提示するための車載端末を有する。車両Vは、定期的に車両Vの位置を示す車両位置情報を情報処理装置1に送信する。
【0025】
情報処理システムSにおける処理の概要について説明する。車両Vの所有者は、車両Vに搭載された車載端末を操作し、車両Vと車両Vの所有者UAの情報とを関連付けて登録する(図1における(1))。情報処理装置1は、車両Vと関連付けた所有者UAの情報端末2にトークンを発行してもよい。トークンは、車両Vに関する情報を取得すること又は車両Vを制御するための情報を送信することを情報端末2に許可することを示す情報である。
【0026】
ここで、車両Vの所有者UAは、他のユーザUBに車両Vを譲渡するものとする。情報処理装置1は、車両位置情報を車両Vから取得する(図1における(2))。情報処理装置1は、取得した車両位置情報が示す車両Vの位置に基づいて、車両Vの所有者の変更を検知するための所定の条件(以下、「変更検知条件」と言う)を満たすか否かを判定する(図1における(3))。変更検知条件は、例えば車両Vの所有者UAの住所と、車両Vから取得した車両位置情報から判定した車両Vの拠点と、が所定の範囲に含まれないことである。変更検知条件を満たす場合、情報処理装置1は、車両Vと所有者UAとの関連付けを無効化する(図1における(4))。
【0027】
情報処理システムSがこのように構成されることで、車両Vを使用する所有者が変更された場合に変更前の所有者により車両Vの制御や、車両Vの位置情報、エアバッグの作動状況を示す状態情報、交通違反に関する情報等の閲覧等がされるリスクを低減することができる。
【0028】
図2は、情報処理装置1の構成を示すブロック図である。情報処理装置1は、通信部11、記憶部12及び制御部13を有する。制御部13は、取得部131、判定部132、関連付け管理部133、パターン推定部134、表示制御部135及び送信部136を有する。
【0029】
通信部11は、ネットワークを介して他の装置とデータの送受信をするための通信インターフェースである。記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、SSD(Solid State Drive)、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを予め記憶している。
【0030】
記憶部12は、車両Vを識別するための車両識別情報(車両IDとも言う)と、車両Vの所有者を識別するための所有者識別情報と、を関連付けて記憶する。図3は、記憶部12が記憶する関連付け管理テーブルのデータ構造の一例を示す図である。図3に示す関連付け管理テーブルにおいては、「車両ID」、「所有者ID」、「住所」及び「無効フラグ」が関連付けられている。「車両ID」は、車両Vを示す車両ID(Identification)である。「所有者ID」は、当該車両の所有者を示すIDである。「住所」は、当該車両の所有者の住所である。「無効フラグ」は、当該レコードが無効化された場合に「1」が設定される。「無効フラグ」が「0」のレコードは、関連付けが有効なデータであることを示す。一例として、車両Vの所有者が車載端末を介して所有者登録をする操作を受付けた際、関連付け管理部133は、所有者IDを当該所有者に対して発行する。そして、関連付け管理部133は、車載端末から取得した車両IDと、発行した所有者IDと、当該所有者が入力した住所と、を関連付けて関連付け管理テーブルに登録する。
【0031】
記憶部12は、車両Vの所有者が使用する情報端末2に発行したトークンを識別するためのトークン識別情報をさらに関連付けて記憶してもよい。
【0032】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサである。制御部13は、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、取得部131、判定部132、関連付け管理部133、パターン推定部134、表示制御部135及び送信部136として機能する。
【0033】
取得部131は、車両Vの位置を示す車両位置情報を取得する。判定部132は、車両位置情報に基づいて、車両Vの所有者の変更検知条件を満たすか否かを判定する。変更検知条件は、一例として、車両位置情報に基づいて推定される車両Vの拠点と、車両IDに関連付けられた位置と、の位置関係が所定の位置関係であることである。車両IDに関連付けられた位置は、一例として車両Vの所有者の住所として登録された位置であってもよいし、過去に車両Vの拠点として推定された位置であってもよい。具体的には、判定部132は、取得部131が取得した車両位置情報に基づいて車両Vの拠点を推定する。一例として、判定部132は、所定の時間帯に車両Vが所在する位置を車両Vの拠点として推定する。また、判定部132は、所定の期間において所定の時間若しくは頻度以上車両Vが所在することを車両位置情報が示す位置を車両Vの拠点として推定してもよい。例えば、判定部132は、平日の夜間に6時間以上所在する位置を車両Vの拠点として推定する。
【0034】
判定部132は、推定した車両Vの拠点と、記憶部12が記憶する関連付け管理テーブルにおいて車両Vの車両IDに関連付けられた所有者の住所とを比較する。判定部132は、推定した車両Vの拠点と、車両Vの所有者の住所と、の距離が所定の閾値以上である場合、変更検知条件を満たすと判定する。所定の閾値は、所有者の変更の蓋然性の大きさに基づいて設定される値であり、例えば1kmである。
【0035】
関連付け管理部133は、変更検知条件を満たす場合に、車両Vの所有者と車両Vとの関連付けを無効にする。一例として、関連付け管理部133は、記憶部12が記憶する関連付け管理テーブルにおいて変更検知条件を満たすと判定した車両Vと、当該車両の所有者とを関連付ける情報を無効にする。より具体的には、関連付け管理部133は、記憶部12が記憶する関連付け管理テーブルにおいて車両Vの所有者の変更についての変更検知条件を満たすと判定した車両Vと当該車両Vの所有者とを関連付けたレコードの無効フラグに「1」を設定する。なお、関連付け管理部133は、少なくとも所定の条件を満たすと判定された場合(後述するように変更検知条件に加えて他の条件を満たす場合)に車両Vの所有者と車両Vとの関連付けを無効にしてもよい。
【0036】
送信部136は、情報端末2から車両Vを制御するための情報を車両Vの所有者の情報端末2から取得した場合、記憶部12が記憶する関連付けテーブルにおいて当該所有者の所有者IDと関連付けられた車両Vに対して、取得した情報に基づく制御情報を送信する。車両Vを制御するための情報は、例えば車両Vの鍵を開閉することを指示するための情報である。
【0037】
送信部136は、車両Vに関する情報を車両Vから取得した場合、記憶部12が記憶する関連付けテーブルにおいて当該車両Vの車両IDと関連付けられた所有者の情報端末2に対して、取得した車両Vに関する情報を送信する。車両Vに関する情報は、例えば車両Vの位置情報やエアバッグの作動状況を示す情報等である。
【0038】
情報処理装置1がこのように構成されることで、車両Vを使用する所有者が変更された場合のリスクを低減することができる。
【0039】
車両Vの所有者が使用する情報端末2の位置情報に基づいて車両Vの所有者の変更を判定するよう情報処理装置1が構成されてもよい。この場合、取得部131は、端末位置情報を取得する。端末位置情報は、車両Vの所有者が使用する情報端末2の位置を示す。
【0040】
判定部132は、車両位置情報と端末位置情報との位置関係が所定の位置関係であるか否かを判定する。具体的には、判定部132は、取得部131が取得した端末位置情報に基づいて情報端末2の所有者の拠点を判定する。一例として、判定部132は、端末位置情報が所定の時間帯(例えば夜間)において滞在していることを示す位置や所定の頻度(例えば週に3回)以上滞在していることを示す位置を車両Vの所有者の拠点として推定する。そして、判定部132は、推定した車両Vの所有者の拠点と、車両Vの拠点と、の距離が所定の閾値以上である場合、変更検知条件を満たすと判定する。
【0041】
車両Vの所有者が使用する情報端末2の位置情報に基づいて所有者の変更を判定することで、登録された住所に基づいて所有者の変更を検知することが困難な場合においても所有者の変更を検知し、リスクを低減するという効果を奏する。
【0042】
変更検知条件を満たすと判定した場合に、車両Vの所有者が使用する情報端末2に払い出しているトークンを無効にするよう情報処理装置1が構成されることで、車両Vの所有者が変更された場合に、変更前の所有者を強制的にログアウトさせ、情報端末2に残されたログイン情報を利用して車両の制御や車両に関する情報の閲覧をさせないようにし、新たな所有者のセキュリティリスクをさらに低減することができる。
【0043】
関連付け管理部133は、車両Vの所有者の変更についての変更検知条件を満たす場合に、車両Vの所有者に発行したトークンを無効にする。関連付け管理部133は、判定部132が変更検知条件を満たすと判定した場合、記憶部12が記憶する関連付け管理テーブルにおいて当該車両の所有者IDに関連付けられたトークン識別IDが示すトークンを無効にする。例えば、関連付け管理部133は、判定部132が変更検知条件を満たすと判定した場合、情報端末2のアクセス権限を管理する認可サーバ(不図示)に当該車両の所有者に発行したトークンを無効にするよう依頼する。
【0044】
情報処理装置1がこのように構成されることで、移転前の所有者から車両Vの情報にアクセスすることを防止することができる。
【0045】
所有者の行動パターンに基づいて所有者の変更を判定するよう情報処理装置1が構成されてもよい。パターン推定部134は、取得部131が取得した複数の車両位置情報に基づいて、車両Vの所有者の行動パターンを推定する。一例として、パターン推定部134は、取得部131が取得した車両位置情報に基づいて所有者が頻繁に訪れる場所、滞在時間が長い場所、所有者の移動経路等を行動パターンとして推定する。パターン推定部134は、推定した車両Vの所有者の行動パターンを車両Vの車両IDと関連付けて記憶部12に記憶してもよい。
【0046】
判定部132は、パターン推定部134が推定した車両Vの所有者の行動パターンに基づいて変更検知条件を満たすか否かを判定する。この場合の変更検知条件は、パターン推定部134が推定した車両Vの所有者の行動パターンの変化状況が所定の変化状況である場合である。具体的には、判定部132は、パターン推定部134が推定した車両Vの所有者の行動パターンが記憶部12において当該車両の車両IDに関連付けて記憶されている行動パターンと比較し、車両Vの所有者の行動パターンの変化状況が所定の変化状況であるか否かを判定する。一例として、所定の変化状況は、事前に推定された車両Vの所有者の行動パターンを構成する行動がとられなくなることである。すなわち、事前に推定した所有者の行動パターンに周期的に滞在する場所が含まれる場合において、取得した車両位置情報に基づいて推定した行動パターンに当該場所に滞在した情報が含まれない場合、行動パターンが所定の変化状況であると判定する。
【0047】
また、判定部132は、車両IDに関連付けられた車両Vの所有者の行動パターンと、パターン推定部134が推定した車両Vの所有者の行動パターンと、の類似度が所定の閾値以下である場合に変更検知条件を満たしたと判定してもよい。具体的には、判定部132は、既知の類似度計測手法に基づいて記憶部12に記憶されている車両Vの所有者の行動パターンと、パターン推定部134が推定した行動パターンと、の類似度を算出する。判定部132は、算出した類似度が所定の閾値以下である場合に変更検知条件を満たすと判定する。
【0048】
なお、判定部132は、取得部131が取得した車両Vの車両位置情報に基づいて判定される拠点と、記憶部12が車両Vの車両IDと関連付けて記憶する車両Vの所有者の住所と、の距離が所定の閾値以上である場合に、車両Vの所有者の行動パターンの変化を判定してもよい。
【0049】
情報処理装置1が車両Vの所有者の行動パターンの変化に基づいて所有者の変化を判定するよう構成されることで、拠点の変化に基づいて判定することが困難な場合においても所有者の変化を検知し、所有者の変更に伴うリスクを低減することができる。
【0050】
変更検知条件を満たす場合、登録内容の変更等の操作をするための画面を車載端末や所有者の情報端末2に使用するよう情報処理装置1が構成されてもよい。この場合、表示制御部135は、変更検知条件を満たす場合に、車両Vに搭載された車載端末と、車両Vの所有者が使用する情報端末2と、にそれぞれ異なる所定のメッセージを表示させるとともに、所有者の登録情報を変更する操作をするための画面を車載端末に表示させる。
【0051】
表示制御部135が表示させる画面の一例を図4及び図5に示す。図4は、表示制御部135が車載端末に表示させる画面の一例を示す。図4に示す画面S1においては、所有者の変更によるリスクを警告し、操作内容を案内するメッセージと、「ペアリング解除」と表示されたボタンB01と、「所有者登録」と表示されたボタンB02と、「転居手続き」と表示されたボタンB03と、が表示されている。
【0052】
車載端末に表示された画面S1におけるボタンB01を車両Vの所有者が押した場合、関連付け管理部133は、関連付け管理テーブルにおける当該車両Vと所有者とを関連付けたレコードの無効フラグに「1」を設定する。また、図4の画面S1におけるボタンB01を車両Vの所有者が押した場合、関連付け管理部133は、当該車両Vの所有者に発行したトークンを無効にしてもよい。
【0053】
車載端末に表示された画面S1におけるボタンB02が押された場合、表示制御部135は、当該車両と新たな所有者とを関連付ける操作をするための画面を当該車両の車載端末に表示させる。関連付け管理部133は、当該車両と新たな所有者とを関連付ける操作をするための画面において車両Vの所有者が入力した所有者情報と当該車両の車両IDとを関連付けて記憶部12が記憶する関連付け管理テーブルに記憶する。関連付け管理部133は、当該車両と新たな所有者とを関連付ける操作をするための画面において車両Vの所有者が入力した氏名、住所、発行された所有者IDを車両Vの車両IDに関連付けて新規に登録してもよいし、当該車両の車両IDに関連付けられたレコードに上書きしてもよい。
【0054】
車載端末に表示された画面S1におけるボタンB03を車両Vの所有者が押すと、表示制御部135は、車両Vの所有者の住所を変更する操作をするための画面を車載端末に表示させる。車両Vの所有者が住所を変更する操作をするための画面において、住所を変更する操作をすると、関連付け管理部133は、入力された車両Vの所有者の住所を、記憶部12が記憶する関連付け管理テーブルにおける当該車両と関連付けられたレコードに上書きする。
【0055】
図5は、表示制御部135が情報端末2に表示させる画面の一例を示す図である。図5に示す画面S2おいては、車両Vの所有者に警告し操作内容を案内するメッセージと、「停止手続き」と表示されたボタンB11が表示されている。情報端末2に表示されたボタンB11を車両Vの所有者が押すと、表示制御部135は、いわゆるコネクテッドサービスの契約を解除するための画面を情報端末2に表示させる。図5に示す画面S2に表示されるメッセージ及び操作内容は、図4に示す画面S1に表示されるメッセージ及び操作内容と異なっている。これは、情報端末2を介して移転前の所有者が登録内容を修正することを防止する為である。また、停止手続きを促すメッセージを表示させることにより、変更前の所有者がコネクテッドサービスの利用料金を過払いすることを防止するよう注意喚起することができる。
【0056】
車載端末にと情報端末2とに異なる画面を表示するよう情報処理装置1が構成されることで、変更前の所有者が情報端末2を介して予期しない操作をすることを防止することができる。
【0057】
変更検知条件を満たす場合に、所有者の認証を求める画面を表示するよう情報処理装置1が構成されてもよい。この場合、表示制御部135は、変更検知条件を満たす場合に、車両Vに搭載された車載端末に、車両Vの所有者を認証するための認証情報の入力を受付ける画面を表示させる。一例として、記憶部12は、車両Vの所有者の所有者IDと、パスワードと、を関連付けた認証情報を記憶している。表示制御部135は、車両Vの所有者が入力した所有者ID及びパスワードと、記憶部12が記憶する認証情報と、が一致するかを検証する。車両Vの所有者が入力した所有者ID及びパスワードと、記憶部12が記憶する認証情報と、が一致しない場合、関連付け管理部133は、記憶部12が記憶する関連付け管理テーブルにおける当該車両Vのレコードを無効にする。
【0058】
車両Vの所有者が入力した所有者ID及びパスワードと、記憶部12が記憶する認証情報と、が一致する場合、一例として、表示制御部135は、所有者の登録内容を変更する操作をするための画面を車載端末に表示させる。
【0059】
所定の期間登録情報を変更する操作がされない場合に関連付け管理テーブルにおける当該車両Vのレコードを無効にするよう情報処理装置1が構成されてもよい。具体的には、関連付け管理部133は、変更検知条件を満たす場合であって、所定の期間において車両Vと、車両Vの所有者が使用する情報端末2と、を関連付ける操作がされない場合に、車両Vの所有者と、車両Vと、の関連付けを無効にする。所定の期間は、所有者の利便性及びリスクに基づいて設定される期間であり、例えば2週間である。図4及び図5に示すメッセージにおいては、変更検知条件を満たした日を基準として所定の期間を加算して算出された期限を示す情報が表示されている。表示された期限までに住所を変更する操作又は当該車両と新たな所有者とを関連付ける操作がされない場合、関連付け管理部133は、記憶部12が記憶する関連付け管理テーブルにおいて当該車両の車両IDに関連付けられた無効フラグに「1」を設定する。
【0060】
[情報処理装置1における処理の流れ]
図6は、情報処理装置1における処理の流れを示すフローチャートである。図6に示すフローチャートは、例えば車両の所有者登録がされ、所有者の変更を検出する準備ができた時点から開始している。
【0061】
取得部131は、車両Vの車両位置情報を取得する(S01)。判定部132は、取得部131が取得した車両位置情報に基づいて車両Vの拠点を推定する(S02)。判定部132は、推定した車両Vの拠点と所有者の住所とが所定の位置関係にあるかを判定する(S03)。
【0062】
推定した車両Vの拠点と所有者の住所とが所定の位置関係ではない場合(S03におけるNO)、情報処理装置1は、処理を終了する。推定した車両Vの拠点と所有者の住所とが所定の位置関係である場合(S03におけるYES)、表示制御部135は、所定の画面を表示させる(S04)。所定の画面は、一例として図4及び図5に示す画面である。
【0063】
判定部132は、所定の期間内に操作がされたか否かを判定する(S05)。所定の期間内に操作がされた場合(S05におけるYES)、関連付け管理部133は、操作された内容に基づいて関連付け管理テーブルの登録内容を変更し(S06)、情報処理装置1は、処理を終了する。
【0064】
所定の期間内に操作がされない場合(S05におけるNO)、関連付け管理部133は、関連付け管理テーブルにおける当該車両の関連付けを無効化し(S07)、情報処理装置1は、処理を終了する。
【0065】
[情報処理装置1による効果]
以上説明したように情報処理装置1が構成されることで、車両を使用する所有者が変更された場合に変更前の所有者により車両の制御や、車両の位置情報の閲覧等がされるリスクを低減することができる。
【0066】
<変形例>
以上の説明においては、車両の位置情報に基づいて所有者の変更を検出する例を説明したが、所有者の運転のパターンに基づいて所有者の変更を判定するよう情報処理装置1が構成されてもよい。変形例にかかる情報処理装置1Aの構成を図7に示す。情報処理装置1Aにおいては、操作情報取得部137及び運転パターン推定部138をさらに有する。
【0067】
操作情報取得部137は、車両Vにされた操作内容を示す操作情報を車両Vから取得する。操作情報は、車両Vにおけるアクセル、ハンドル若しくはブレーキ等の操作量を時系列に示す情報である。操作情報は、車両Vにかかる加速度や、車両Vの速度をさらに含む情報であってもよい。
【0068】
運転パターン推定部138は、操作情報取得部137が取得した操作情報に基づいて、車両Vの所有者の運転パターンを推定する。運転パターン推定部138は、取得した操作情報に基づいて、例えば単位時間当たりの急ブレーキ回数、急加速回数若しくは急ハンドル回数、平均速度等を車両Vの所有者の運転パターンとして算出する。運転パターン推定部138は、算出した車両Vの所有者の運転パターンを、車両Vの車両IDと関連付けて記憶部12に記憶させてもよい。
【0069】
関連付け管理部133は、以下の2つの条件を満たす場合に車両Vの所有者と、車両Vと、の関連付けを無効にする。一つ目の条件は、変更検知条件を満たすことである。2つめの条件は、運転パターン推定部138が推定した車両Vの所有者の運転パターンの変化状況が所定の変化状況であることである。具体的には、判定部132は、運転パターン推定部138が推定した運転パターンと、記憶部12において車両Vの車両IDに関連付けて記憶されている運転パターンを比較する。一例として、運転パターン推定部138が推定した運転パターンと、記憶部12において車両Vの車両IDに関連付けて記憶されている運転パターンと、の類似度が所定の閾値以下である場合、判定部132は、車両Vの所有者の運転パターンが変化したと判定する。
【0070】
情報処理装置1Aがこのように構成されることで、所有者の車両の操作内容に基づいて所有者の変更を検知することができ、所有者が移転された場合のリスクを低減することができる。
【0071】
なお、車両位置情報に基づき変更検知条件を判定することなく、所有者の運転のパターンに基づいて所有者の変更を判定するよう情報処理装置1が構成されてもよい。この場合、関連付け管理部133は、運転パターン推定部138が推定した車両Vの所有者の運転パターンの変化状況が所定の変化状況である場合に、車両Vの所有者と、車両Vと、の関連付けを無効にする。
【0072】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0073】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0074】
1 情報処理装置
2 情報端末
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 取得部
132 判定部
133 関連付け管理部
134 パターン推定部
135 表示制御部
136 送信部
137 操作情報取得部
138 運転パターン推定部
【要約】
【課題】車両を使用する所有者が変更された場合に変更前の所有者により車両の制御や、車両の位置情報の閲覧等がされるリスクを低減する。
【解決手段】車両を識別するための車両識別情報と、車両の所有者を識別するための所有者識別情報と、を関連付けて記憶する記憶部12と、車両の位置を示す車両位置情報を取得する取得部131と、車両位置情報に基づいて、車両の所有者の変更についての所定の条件を満たすかを判定する判定部132と、所定の条件を満たす場合に、車両の所有者と車両との関連付けを無効にする関連付け管理部133と、を有する情報処理装置1である。
【選択図】図2



図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7