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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-21
(45)【発行日】2024-01-04
(54)【発明の名称】開口形成シール
(51)【国際特許分類】
   B65D 65/26 20060101AFI20231222BHJP
   B65D 75/62 20060101ALI20231222BHJP
【FI】
B65D65/26
B65D75/62 B
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023171004
(22)【出願日】2023-09-30
【審査請求日】2023-09-30
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521397131
【氏名又は名称】嶽▲崎▼ 睦晃
(74)【代理人】
【識別番号】100195051
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 海幹
(72)【発明者】
【氏名】嶽▲崎▼ 睦晃
【審査官】杉田 剛謙
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-162100(JP,A)
【文献】韓国公開実用新案第20-2009-0012916(KR,U)
【文献】米国特許出願公開第2012/0076444(US,A1)
【文献】特表2017-507848(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0332771(US,A1)
【文献】特開2019-104540(JP,A)
【文献】米国特許第5839648(US,A)
【文献】特開2009-154922(JP,A)
【文献】特開平8-282724(JP,A)
【文献】登録実用新案第3177031(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 65/26-36
B65D 75/58-70
B65D 17/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装フィルムに貼着し所定箇所を前記包装フィルムと共に剥離することで前記包装フィルムに開口を形成するシールであって、
裏面に粘着層を形成した基材と、前記基材の所定箇所に配設した押圧板と、からなり、
前記基材は、外側に形成した開口形成部と、前記開口形成部の内側に形成し前記開口形成部が囲繞する剥離基部と、からなり、
前記開口形成部と前記剥離基部とは、前記開口形成部と前記剥離基部とを分離自在に形成した切込み部を介して隣接して配設し、
前記押圧板は、角部からなる剥離起点部を有するシート状に形成し、前記切込み部の所定箇所に前記剥離起点部が近接するよう前記剥離基部の上面に重設したことを特徴とする開口形成シール。
【請求項2】
前記剥離基部は、円環状又は円盤状に形成したことを特徴とする請求項1に記載の開口形成シール。
【請求項3】
前記剥離基部は、渦巻き状に形成したことを特徴とする請求項1に記載の開口形成シール。
【請求項4】
前記剥離基部は、略短冊状に形成したことを特徴とする請求項1に記載の開口形成シール。
【請求項5】
前記押圧板は、略三角形状に形成したことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の開口形成シール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装フィルムに貼着し所定箇所を包装フィルムと共に剥離することで包装フィルムに開口を形成する開口形成シールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、菓子等の食品類の包装袋は衛生面や保存性の観点からポリプロピレン等の合成樹脂材料からなる包装フィルムが使用されており、特に外気や透過光の侵入を防止したい食品類においてはバリア性を向上させるために上記包装フィルム等にアルミニウムを蒸着したアルミ蒸着フィルムが包装フィルムとして使用されている。
【0003】
このような包装フィルムは多くの場合、矩形シート状のフィルム基材の一対の端辺同士を熱溶着により接合して上下開口の筒状に形成した後、この接合部が裏面となるような位置で各々の開口を熱溶着によって封止することで包装フィルムからなる袋を形成している。
【0004】
また、菓子等を食する際は、熱溶着された開口近傍の表裏の包装フィルムを各々把持して外方に広げ、熱溶着による接合を破断させて開封することや、熱溶着された裏面の接合部に対して同様に人手で開封して食されることが多い。
【0005】
しかしながら、人手による開封であることから力加減や把持する箇所によって必ずしも意図したような綺麗な開口形状で開封出来ない場合も多く、また、複数人で食する場合、熱溶着された裏面の接合部を開封して平置きにしても、包装フィルムが封止状態の位置に戻ろうとする応力が働くことで開口を広い状態で維持できず狭まってしまい、内容物を取出し難くなってしまう。
【0006】
このような状況において、例えば、特許文献1に記載の開封用ラベルに係る技術が開示されており、本技術は、商品を包装する包装用のフィルムに貼り付けられ、当該フィルムを開封する際に用いられる開封用ラベルであって、裏面に粘着層が設けられ、該粘着層により前記フィルムの表面に貼り付けられる基材を備え、前記基材には、互いに交差する方向に延びかつ所定の箇所にて連続する一対の切り込みが設けられ、前記基材において前記各切り込みにより挟まれた部分は他の部分から分離して前記フィルム側へ押し込み可能な押し込み片となっており、前記押し込み片は、前記所定の箇所に隣接する頂部が、前記押し込みに際し前記フィルムを破断させるための破断頂部となっており、前記粘着層は、前記基材の裏面において前記切り込みを挟んだ両側に跨がるように形成されたものとなっている。
【0007】
そして、この開封用ラベルは、包装用フィルムに切り込み等の破断誘導部を設けなくてもフィルムを開封することができるものとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2017-077914号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
確かに、特許文献1に係る技術によれば、包装用のフィルムの任意の箇所に開封用ラベルを貼着することで当該開所を基点としてフィルムを容易に破断できる点で優れている。
【0010】
しかしながら、フィルムの破断によって得られる開口の形状は都度一定ではなく開口の広さも制御できず、単にフィルムを容易に破断できるというものであって、菓子等を袋のまま複数人で食する場合に手が挿入し易い綺麗な開口を形成することは出来ない。
【0011】
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、包装フィルムに貼着し所定箇所を包装フィルムと共に剥離することで所定の開口形状に容易に開封することができる開口形成シールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
以上のような目的を達成するために、本発明は以下のようなものを提供する。
【0013】
請求項1に係る発明では、包装フィルムに貼着し所定箇所を前記包装フィルムと共に剥離することで前記包装フィルムに開口を形成するシールであって、裏面に粘着層を形成した基材と、前記基材の所定箇所に配設した押圧板と、からなり、前記基材は、外側に形成した開口形成部と、前記開口形成部の内側に形成し前記開口形成部が囲繞する剥離基部と、からなり、前記開口形成部と前記剥離基部とは、前記開口形成部と前記剥離基部とを分離自在に形成した切込み部を介して隣接して配設し、前記押圧板は、角部からなる剥離起点部を有するシート状に形成し、前記切込み部の所定箇所に前記剥離起点部が近接するよう前記剥離基部の上面に重設したことを特徴とする開口形成シールを提供せんとする。
【0014】
請求項2に係る発明では、前記剥離基部は、円環状又は円盤状に形成したことを特徴とする請求項1に記載の開口形成シールを提供せんとする。
【0015】
請求項3に係る発明では、前記剥離基部は、渦巻き状に形成したことを特徴とする請求項1に記載の開口形成シールを提供せんとする。
【0016】
請求項4に係る発明では、前記剥離基部は、略短冊状に形成したことを特徴とする請求項1に記載の開口形成シールを提供せんとする。
【0017】
請求項5に係る発明では、前記押圧板は、略三角形状に形成したことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の開口形成シールを提供せんとする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1記載の発明によれば、包装フィルムに貼着し所定箇所を包装フィルムと共に剥離することで包装フィルムに開口を形成するシールであって、裏面に粘着層を形成した基材と、基材の所定箇所に配設した押圧板と、からなり、基材は、外側に形成した開口形成部と、開口形成部の内側に形成し開口形成部が囲繞する剥離基部と、からなり、開口形成部と剥離基部とは、開口形成部と剥離基部とを分離自在に形成した切込み部を介して隣接して配設し、押圧板は、角部からなる剥離起点部を有するシート状に形成し、切込み部の所定箇所に剥離起点部が近接するよう剥離基部の上面に重設したことより、熱溶着等による接合部分が形成されていない包装フィルムの表面に開口形成シールを貼着し、剥離起点部が切込み部の直下の包装フィルムに負荷を与えるよう押圧板を内側に押し込むことで包装フィルムを破断させることができ、更に、押し込んだ押圧板を上方に引き上げることで包装フィルムが切込み部に沿って破断することで剥離基部を開口形成部から分離させることができるので、包装フィルムを所定の開口形状に容易に開封することができる。
【0019】
請求項2記載の発明によれば、剥離基部は、円環状又は円盤状に形成したことより、剥離基部の外端部は角部の無い滑らかな形状となるため、押圧板を内側に押し込んだ後に押圧板を基点に剥離基部を上方に引き上げるだけで切込み部に沿って剥離基部と包装フィルムが破断し、開口形成部を周縁とした綺麗な開口を形成することができる。
【0020】
請求項3記載の発明によれば、剥離基部は、渦巻き状に形成したことより、押圧板を内側に押し込んだ後に押圧板を基点に剥離基部を上方に引き上げるだけで切込み部に沿って剥離基部と包装フィルムが螺旋状に破断することで開口を形成する際の楽しみを得られると共に、最終的に開口形成部を周縁とした綺麗な開口を形成することができる。
【0021】
請求項4記載の発明によれば、剥離基部は、略短冊状に形成したことより、押圧板を内側に押し込んだ後に押圧板を基点に剥離基部を上方に引き上げるだけで切込み部に沿って剥離基部と包装フィルムが略直線的に破断しつつ開口形成部との境界で剥離基部と開口形成部が分離するため、所定長さの開口を容易に形成することができる。
【0022】
請求項5記載の発明によれば、押圧板は、略三角形状に形成したことより、製造が容易な単純形状でありながら角部からなる剥離起点部を3箇所形成することができるので切込み部の所定箇所に剥離起点部を効率よく近接して重設することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本実施形態に係る開口形成シールを包装袋に貼り付ける様子を示す斜視図である。
図2】(a)は開口形成シールを貼り付けた包装袋を示す斜視図で、(b)は包装フィルムと共に剥離基部を除去して包装袋に開口を形成した様子を示す斜視図である。
図3】(a)は円環状の剥離基部を形成した本実施形態に係る開口形成シールの平面図で、(b)、(c)、(d)は(a)のA-A断面図である。
図4】(a)は開口形成シールを貼り付けた包装袋の図3(a)に相当する部分のA-A断面図で、(b)は押圧板を押し込んで包装フィルムが破断した様子を示す図で、(c)は押圧板を引き上げる様子を示す図である。
図5】(a)は剥離基部を円盤状に形成した本実施形態に係る開口形成シールの平面図で、(b)は剥離基部の内側に別の剥離基部を形成した本実施形態に係る開口形成シールの平面図である。
図6】(a)は押圧板を開口形成部の内端縁側に進出させた略円環状の剥離基部を形成した本実施形態に係る開口形成シールの平面図で、(b)は(a)の剥離基部を円盤状に形成した本実施形態に係る開口形成シールの平面図である。
図7】剥離基部を渦巻き状に形成した本実施形態に係る開口形成シールの平面図である。
図8】(a)は剥離基部を3分割して中央を略短冊状に形成した本実施形態に係る開口形成シールの平面図で、(b)は剥離基部を略短冊状に形成した本実施形態に係る開口形成シールの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明に係る開口形成シールの要旨は、包装フィルムに貼着し所定箇所を包装フィルムと共に剥離することで包装フィルムに開口を形成するシールであって、裏面に粘着層を形成した基材と、基材の所定箇所に配設した押圧板と、からなり、基材は、外側に形成した開口形成部と、開口形成部の内側に形成し開口形成部が囲繞する剥離基部と、からなり、開口形成部と剥離基部とは、開口形成部と剥離基部とを分離自在に形成した切込み部を介して隣接して配設し、押圧板は、角部からなる剥離起点部を有するシート状に形成し、切込み部の所定箇所に剥離起点部が近接するよう剥離基部の上面に重設したことを特徴とする。すなわち、包装フィルムに貼着し所定箇所を包装フィルムと共に剥離することで所定の開口形状に容易に開封することができる開口形成シールの提供を図ろうとするものである。
【0025】
以下、本発明に係る開口形成シール1について図面を参照しながら説明する。また、本説明中において左右同一又は左右対称の構造や部品については、原則として同一の符号を付し、左右何れか一方のみを説明して、他方については説明を適宜省略する。
【0026】
本発明の実施形態に係る開口形成シール1は、図2(a)、(b)、図3(a)、(b)に示すように、包装フィルムfに貼着し所定箇所を包装フィルムfと共に剥離することで包装フィルムfに開口hを形成するシールであって、裏面に粘着層3を形成した基材2と、基材2の所定箇所に配設した押圧板10と、からなり、基材2は、外側に形成した開口形成部4と、開口形成部4の内側に形成し開口形成部4が囲繞する剥離基部5と、からなり、開口形成部4と剥離基部5とは、開口形成部4と剥離基部5とを分離自在に形成した切込み部6を介して隣接して配設し、押圧板10は、角部からなる剥離起点部11を有するシート状に形成し、切込み部6の所定箇所に剥離起点部11が近接するよう剥離基部5の上面に重設している。
【0027】
すなわち、図1図2(a)に示すように、包装袋Pを構成する包装フィルムfに開口形成シール1を貼着し、図4(a)、(b)の如く押圧板10の剥離起点部11が切込み部6の直下の包装フィルムfに負荷を与えるよう押圧板10を内側に押し込むことで包装フィルムfを破断させることができ、更に、図4(c)の如く押し込んだ押圧板10を上方に引き上げることで開口形成部4を残した状態で包装フィルムfが切込み部6に沿って破断して図2(b)の如く剥離基部5を包装フィルムfと共に開口形成部4から分離させることができるものである。
【0028】
以下、本実施形態に係る開口形成シール1について図面と共に具体的に詳述する。
【0029】
開口形成シール1は、図1に示すように、基材2と押圧板10とで構成しており、基材2は裏面に粘着層3を形成した合成樹脂製のフィルム素材や紙素材等からなる薄いシート状の材料で形成し、図3(a)に示す開口形成シール1の基材2は、外側の円環状の開口形成部4と内側の円環状の剥離基部5が分離自在となるように、図3(b)の如く切込み部6を形成している。
【0030】
なお、図3(a)に係る剥離基部5の形状は円環状に限定されず、図5(a)のように全体を円盤状に形成しても良く、また、開口形成部4は必ずしも円環状である必要はなく円環状又は円盤状の剥離基部5を内側に囲繞する形状である限り開口形成部4の外形は問わない。
【0031】
また、図5(b)に示すように、剥離基部5の内側に更なる剥離基部5aと押圧板10aを形成することで開口の大きさを選択可能に構成しても良い。
【0032】
切込み部6は、図3(b)に示すように、粘着層3を切断しない程度に基材2をハーフカットして開口形成部4と剥離基部5が辛うじて繋がるように形成し、粘着層3には容易に剥離自在の剥離紙15を下方に配設することで取扱いや保管を容易にしており、以降の説明においては粘着層3には剥離紙15が配設されているものとして説明を省略する。
【0033】
なお、切込み部6は、本実施形態に限定されず、例えば、図3(c)に示すように、粘着層3を切断しない程度に基材2をカットして開口形成部4と剥離基部5を予め分離することや、図3(d)に示すように、基材2を粘着層3までカットして開口形成部4と剥離基部5を予め分離する等、剥離基部5を除去する際に開口形成部4と剥離基部5とが容易に分離する構成であれば本発明の要旨の範囲内において種々の変形・変更が可能である。
【0034】
押圧板10は、先鋭な角部を剥離起点部11とするポリプロピレンやポリエチレン等の合成樹脂材料からなり、包装フィルムfに剥離起点部11を押し当てることで包装フィルムfを破断可能な程度の硬度と厚みのシート状に形成し、図3(a)に示すように、剥離起点部11が3箇所となる略三角形状に形成しているが、押圧する剥離起点部11は1箇所である。
【0035】
また、押圧板10は、図3(a)、(b)に示すように、角部をなす剥離起点部11が切込み部6の所定箇所に近接するよう剥離基部5の上面に粘着剤等の接続材料等を用いて重設し、この場合、開口形成部4に近い角部を剥離起点部11として押圧される。
【0036】
なお、押圧板10の形状は本実施形態に限定されず、先鋭な角部をなす剥離起点部11が存在する限り本発明の要旨の範囲内において種々の変形・変更が可能である。
【0037】
また、押圧板10は、図6(a)、(b)に示すように、開口形成部4の内端縁に進出するように形成しても良く、この場合、押圧板10の直下にも剥離基部5を連続して有するように押圧板10に沿って切込み部6が形成される。
【0038】
また、押圧板10が配設される剥離基部5の根元は外方に滑らかに湾曲7するように形成することで開口形成部4と剥離基部5の分離時に意図しない破断が生じないよう形成している。
【0039】
以上のように本実施形態に係る開口形成シール1は構成しているが、基材2を形成する開口形成部4と剥離基部5の形状は上述した形状に限定されるものではなく、例えば、図7に示す開口形成シール1のように、剥離基部5を渦巻き状に形成して中心部に押圧板10を配設することで剥離基部5と貼着した包装フィルムfを開封時に螺旋状に除去できるように形成しても良い。
【0040】
また、図8(a)に示す開口形成シール1のように、剥離基部5を3分割として中央の剥離基部5に押圧板10を重設するように構成しても良い。
【0041】
この場合、剥離基部5を短冊帯状に剥離することで狭く細長い開口が形成され、開口の両端の両方又は何れか一方の剥離基部5bを切込み部6に沿って人手で破断して除去すれば任意の大きさの開口を形成することができる。
【0042】
また、押圧板10が配設される剥離基部5の根元は外方に滑らかに湾曲8するように形成すると共に、終端側においても開口形成部4と近接する部分を外方に滑らかに湾曲9するように形成することで、開口形成部4と剥離基部5の分離時に意図しない破断が生じないよう形成している。
【0043】
なお、本発明の要旨の範囲内において、図8(b)に示す開口形成シール1のように剥離基部5を中央にのみ形成しても良い。
【0044】
以上、説明したように本実施形態に係る開口形成シール1は、包装フィルムfに貼着し所定箇所を包装フィルムfと共に剥離することで包装フィルムfに開口hを形成するシールであって、裏面に粘着層3を形成した基材2と、基材2の所定箇所に配設した押圧板10と、からなり、基材2は、外側に形成した開口形成部4と、開口形成部4の内側に形成し開口形成部4が囲繞する剥離基部5と、からなり、開口形成部4と剥離基部5とは、開口形成部4と剥離基部5とを分離自在に形成した切込み部6を介して隣接して配設し、押圧板10は、角部からなる剥離起点部11を有するシート状に形成し、切込み部6の所定箇所に剥離起点部11が近接するよう剥離基部5の上面に重設したことより、熱溶着等による接合部分が形成されていない包装フィルムfの表面に開口形成シール1を貼着し、剥離起点部11が切込み部6の直下の包装フィルムfに負荷を与えるよう押圧板10を内側に押し込むことで包装フィルムfを破断させることができ、更に、押し込んだ押圧板10を上方に引き上げることで包装フィルムfが切込み部6に沿って破断することで剥離基部5を開口形成部4から分離させることができるので、包装フィルムfを所定の開口形状に容易に開封することができる。
【0045】
また、剥離基部5は、円環状又は円盤状に形成したことより、剥離基部5の外端部は角部の無い滑らかな形状となるため、押圧板10を内側に押し込んだ後に押圧板10を基点に剥離基部5を上方に引き上げるだけで切込み部6に沿って剥離基部5と包装フィルムfが破断し、開口形成部4を周縁とした綺麗な開口を形成することができる。
【0046】
また、剥離基部5は、渦巻き状に形成したことより、押圧板10を内側に押し込んだ後に押圧板10を基点に剥離基部5を上方に引き上げるだけで切込み部6に沿って剥離基部5と包装フィルムfが螺旋状に破断することで開口を形成する際の楽しみを得られると共に、最終的に開口形成部4を周縁とした綺麗な開口を形成することができる。
【0047】
また、剥離基部5は、略短冊状に形成したことより、押圧板10を内側に押し込んだ後に押圧板10を基点に剥離基部5を上方に引き上げるだけで切込み部6に沿って剥離基部5と包装フィルムfが略直線的に破断しつつ開口形成部4との境界で剥離基部5と開口形成部4が分離するため、所定長さの開口を容易に形成することができる。
【0048】
しかも、押圧板10は、略三角形状に形成したことより、製造が容易な単純形状でありながら角部からなる剥離起点部11を3箇所形成することができるので切込み部6の所定箇所に剥離起点部11を効率よく近接して重設することができる。
【0049】
以上、本発明の本実施形態に係る開口形成シール1の好ましい実施形態について説明したが、本発明は特定の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0050】
f 包装フィルム
h 開口
1 開口形成シール
2 基材
3 粘着層
4 開口形成部
5 剥離基部
6 切込み部
10 押圧板
11 剥離起点部
【要約】
【課題】包装フィルムに貼着し所定箇所を包装フィルムと共に剥離することで所定の開口形状に容易に開封することができる開口形成シールを提供する。
【解決手段】本発明に係る開口形成シール1は、裏面に粘着層3を形成した基材2と、基材2の所定箇所に配設した押圧板10と、からなり、基材2は、外側に形成した開口形成部4と、開口形成部4の内側に形成し開口形成部4が囲繞する剥離基部5と、からなり、開口形成部4と剥離基部5とは、開口形成部4と剥離基部5とを分離自在に形成した切込み部6を介して隣接して配設し、押圧板10は、角部からなる剥離起点部11を有するシート状に形成し、切込み部6の所定箇所に剥離起点部11が近接するよう剥離基部5の上面に重設したことを特徴とする。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8