IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司の特許一覧

特許7408016電池化成装置、電池化成装置の制御方法及び制御システム
<>
  • 特許-電池化成装置、電池化成装置の制御方法及び制御システム 図1
  • 特許-電池化成装置、電池化成装置の制御方法及び制御システム 図2
  • 特許-電池化成装置、電池化成装置の制御方法及び制御システム 図3
  • 特許-電池化成装置、電池化成装置の制御方法及び制御システム 図4
  • 特許-電池化成装置、電池化成装置の制御方法及び制御システム 図5
  • 特許-電池化成装置、電池化成装置の制御方法及び制御システム 図6
  • 特許-電池化成装置、電池化成装置の制御方法及び制御システム 図7
  • 特許-電池化成装置、電池化成装置の制御方法及び制御システム 図8
  • 特許-電池化成装置、電池化成装置の制御方法及び制御システム 図9
  • 特許-電池化成装置、電池化成装置の制御方法及び制御システム 図10
  • 特許-電池化成装置、電池化成装置の制御方法及び制御システム 図11
  • 特許-電池化成装置、電池化成装置の制御方法及び制御システム 図12
  • 特許-電池化成装置、電池化成装置の制御方法及び制御システム 図13
  • 特許-電池化成装置、電池化成装置の制御方法及び制御システム 図14
  • 特許-電池化成装置、電池化成装置の制御方法及び制御システム 図15
  • 特許-電池化成装置、電池化成装置の制御方法及び制御システム 図16
  • 特許-電池化成装置、電池化成装置の制御方法及び制御システム 図17
  • 特許-電池化成装置、電池化成装置の制御方法及び制御システム 図18
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-21
(45)【発行日】2024-01-04
(54)【発明の名称】電池化成装置、電池化成装置の制御方法及び制御システム
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/44 20060101AFI20231222BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20231222BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20231222BHJP
【FI】
H01M10/44 P
H01M10/48 P
H02J7/00 A
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2023526410
(86)(22)【出願日】2021-09-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-26
(86)【国際出願番号】 CN2021117710
(87)【国際公開番号】W WO2023035227
(87)【国際公開日】2023-03-16
【審査請求日】2023-04-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100159329
【弁理士】
【氏名又は名称】三縄 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】李 占良
(72)【発明者】
【氏名】周 ▲歡▼▲楽▼
(72)【発明者】
【氏名】李 盟
(72)【発明者】
【氏名】左 希▲陽▼
(72)【発明者】
【氏名】▲顔▼ ▲ユ▼
(72)【発明者】
【氏名】但 志▲敏▼
【審査官】大濱 伸也
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-289676(JP,A)
【文献】特開2002-078229(JP,A)
【文献】特表2017-531983(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/42-10/48
H02J 7/00-7/12
H02J 7/34-7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池化成装置であって、第1のDC-DC変換モジュールと、付加電源と、制御回路と、を含み、
前記第1のDC-DC変換モジュールの低圧端は、前記制御回路と電気的に接続されるために用いられ、前記第1のDC-DC変換モジュールの高圧端は、直流母線と電気的に接続されるために用いられ、前記第1のDC-DC変換モジュールは、電池ユニットが前記電池化成装置に放電する時、前記低圧端により入力される第1の電圧を第2の電圧に変換し、前記高圧端によって前記第2の電圧を出力するために用いられ、ここで、前記第2の電圧は、前記第1の電圧よりも高く、
前記付加電源は、前記制御回路と電気的に接続されるために用いられ、前記付加電源は、付加電圧を出力するために用いられ、ここで、前記付加電源の極性は、前記電池ユニットの極性と一致し、
前記制御回路は、前記電池ユニット、前記第1のDC-DC変換モジュールの低圧端及び前記付加電源と電気的に接続されるために用いられ、前記制御回路は、前記電池ユニットが前記電池化成装置に放電する時、前記第1のDC-DC変換モジュールの低圧端、前記電池ユニット及び前記付加電源を直列接続するために用いられることを特徴とする電池化成装置。
【請求項2】
前記制御回路はさらに、前記電池化成装置が前記電池ユニットを充電する時、前記第1のDC-DC変換モジュールの低圧端及び前記電池ユニットを直列接続するために用いられることを特徴とする請求項1に記載の電池化成装置。
【請求項3】
前記電池化成装置は、
前記電池ユニット及び前記制御回路と電気的に接続されるために用いられ、前記電池ユニットの出力電圧を検出するための検出モジュールをさらに含み、
前記制御回路はさらに、前記電池ユニットが前記電池化成装置に放電し、前記検出モジュールが前記電池ユニットの出力電圧が第1の電圧閾値よりも小さいことを検出した時、前記第1のDC-DC変換モジュールの低圧端、前記電池ユニット及び前記付加電源を直列接続するために用いられることを特徴とする請求項1に記載の電池化成装置。
【請求項4】
前記電池ユニットは単一であることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の電池化成装置。
【請求項5】
前記制御回路は、第1の制御スイッチと第2の制御スイッチとを含み、
前記第1のDC-DC変換モジュールの低圧端の第1のサブ端は、前記電池ユニットの第1の極と電気的に接続されるために用いられ、
前記第1の制御スイッチの第1の端は、前記第1のDC-DC変換モジュールの低圧端の第2のサブ端及び前記付加電源の第2の極と電気的に接続されるために用いられ、前記第1の制御スイッチの第2の端は、前記電池ユニットの第2の極及び前記第2の制御スイッチの第2の端と電気的に接続されるために用いられ、
前記第2の制御スイッチの第1の端は、前記付加電源の第1の極と電気的に接続されるために用いられ、
ここで、前記電池ユニットが前記電池化成装置に放電する時、前記第1の制御スイッチの第1の端と前記第1の制御スイッチの第2の端とは接続されておらず、前記第2の制御スイッチの第1の端と前記第2の制御スイッチの第2の端とは接続されていることを特徴とする請求項4に記載の電池化成装置。
【請求項6】
前記制御回路は、第1の制御スイッチと第2の制御スイッチとを含み、
前記第1のDC-DC変換モジュールの低圧端の第1のサブ端は、前記電池ユニットの第1の極と電気的に接続されるために用いられ、
前記第1の制御スイッチの第1の端は、前記第1のDC-DC変換モジュールの低圧端の第2のサブ端及び前記第2の制御スイッチの第1の端と電気的に接続されるために用いられ、前記第1の制御スイッチの第2の端は、前記電池ユニットの第2の極及び前記付加電源の第1の極と電気的に接続されるために用いられ、
前記第2の制御スイッチの第2の端は、前記付加電源の第2の極と電気的に接続されるために用いられ、
ここで、前記電池ユニットが前記電池化成装置に放電する時、前記第1の制御スイッチの第1の端と前記第1の制御スイッチの第2の端とは接続されておらず、前記第2の制御スイッチの第1の端と前記第2の制御スイッチの第2の端とは接続されていることを特徴とする請求項4に記載の電池化成装置。
【請求項7】
前記制御回路は、第3の制御スイッチを含み、
前記第1のDC-DC変換モジュールの低圧端の第1のサブ端は、前記電池ユニットの第1の極と電気的に接続されるために用いられ、
前記第3の制御スイッチの第1の端は、前記第1のDC-DC変換モジュールの低圧端の第2のサブ端と電気的に接続されるために用いられ、前記第3の制御スイッチの第2の端は、前記電池ユニットの第2の極及び前記付加電源の第1の極と電気的に接続されるために用いられ、前記第3の制御スイッチの第3の端は、前記付加電源の第2の極と電気的に接続されるために用いられ、
ここで、前記電池ユニットが前記電池化成装置に放電する時、前記第3の制御スイッチの第1の端と前記第3の制御スイッチの第2の端とは接続されておらず、前記第3の制御スイッチの第1の端と前記第3の制御スイッチの第3の端とは接続されていることを特徴とする請求項4に記載の電池化成装置。
【請求項8】
前記電池ユニットは、第1の電池ユニットと第2の電池ユニットとを含むことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の電池化成装置。
【請求項9】
前記制御回路は、第1の制御スイッチと第2の制御スイッチとを含み、
前記第1のDC-DC変換モジュールの低圧端の第1のサブ端は、前記第1の電池ユニットの第1の極と電気的に接続されるために用いられ、前記第1のDC-DC変換モジュールの低圧端の第2のサブ端は、前記第2の電池ユニットの第2の極と電気的に接続されるために用いられ、
前記第1の制御スイッチの第1の端は、前記第1の電池ユニットの第2の極及び前記付加電源の第1の極と電気的に接続されるために用いられ、前記第1の制御スイッチの第2の端は、前記第2の電池ユニットの第1の極及び前記第2の制御スイッチの第2の端と電気的に接続されるために用いられ、
前記第2の制御スイッチの第1の端は、前記付加電源の第2の極と電気的に接続されるために用いられ、
ここで、前記電池ユニットが前記電池化成装置に放電する時、前記第1の制御スイッチの第1の端と前記第1の制御スイッチの第2の端とは接続されておらず、前記第2の制御スイッチの第1の端と前記第2の制御スイッチの第2の端とは接続されていることを特徴とする請求項8に記載の電池化成装置。
【請求項10】
前記制御回路は、第1の制御スイッチと第2の制御スイッチとを含み、
前記第1のDC-DC変換モジュールの低圧端の第1のサブ端は、前記第1の電池ユニットの第1の極と電気的に接続されるために用いられ、前記第1のDC-DC変換モジュールの低圧端の第2のサブ端は、前記第2の電池ユニットの第2の極と電気的に接続されるために用いられ、
前記第1の制御スイッチの第1の端は、前記第1の電池ユニットの第2の極及び前記第2の制御スイッチの第1の端と電気的に接続されるために用いられ、前記第1の制御スイッチの第2の端は、前記付加電源の第2の極及び前記第2の電池ユニットの第1の極と電気的に接続されるために用いられ、
前記第2の制御スイッチの第2の端は、前記付加電源の第1の極と電気的に接続されるために用いられ、
ここで、前記電池ユニットが前記電池化成装置に放電する時、前記第1の制御スイッチの第1の端と前記第1の制御スイッチの第2の端とは接続されておらず、前記第2の制御スイッチの第1の端と前記第2の制御スイッチの第2の端とは接続されていることを特徴とする請求項8に記載の電池化成装置。
【請求項11】
前記制御回路は、第3の制御スイッチを含み、
前記第1のDC-DC変換モジュールの低圧端の第1のサブ端は、前記第1の電池ユニットの第1の極と電気的に接続されるために用いられ、前記第1のDC-DC変換モジュールの低圧端の第2のサブ端は、前記第2の電池ユニットの第2の極と電気的に接続されるために用いられ、
前記第3の制御スイッチの第1の端は、前記第1の電池ユニットの第2の極と電気的に接続されるために用いられ、前記第3の制御スイッチの第2の端は、前記付加電源の第1の極と電気的に接続されるために用いられ、前記第3の制御スイッチの第3の端は、前記第2の電池ユニットの第1の極と電気的に接続されるために用いられ、
ここで、前記電池ユニットが前記電池化成装置に放電する時、前記第3の制御スイッチの第1の端と前記第3の制御スイッチの第2の端とは接続されていることを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項12】
前記付加電源は、第2のDC-DC変換モジュールであり、
前記第2のDC-DC変換モジュールの高圧端は、前記直流母線と電気的に接続されるために用いられ、前記第2のDC-DC変換モジュールの低圧端は、前記電池ユニットが前記電池化成装置に放電する時、前記第1のDC-DC変換モジュールの低圧端及び前記電池ユニットと直列接続されるために用いられることを特徴とする請求項1に記載の電池化成装置。
【請求項13】
前記電池化成装置は、AC-DC変換モジュールをさらに含み、
前記AC-DC変換モジュールの交流端は、電力網と電気的に接続されるために用いられ、前記AC-DC変換モジュールの直流端は、直流母線と電気的に接続されるために用いられ、
前記AC-DC変換モジュールは、前記電池ユニットが前記電池化成装置に放電する時、前記AC-DC変換モジュールの直流端により入力される直流電圧を交流電圧に変換し、前記AC-DC変換モジュールの交流端によって前記交流電圧を出力するために用いられ、
そして前記AC-DC変換モジュールは、前記電池化成装置が前記電池ユニットを充電する時、前記AC-DC変換モジュールの交流端により入力される交流電圧を直流電圧に変換し、前記AC-DC変換モジュールの直流端によって前記直流電圧を出力するために用いられることを特徴とする請求項1に記載の電池化成装置。
【請求項14】
電池ユニット放電制御命令を受信することと、
電池化成装置における第1のDC-DC変換モジュールの低圧端、前記電池ユニット及び付加電源を直列接続するように制御することと、
前記電池ユニットが前記電池化成装置に放電するように制御することと、を含むことを特徴とする請求項1~13のいずれか一項に記載の電池化成装置のための制御方法。
【請求項15】
前記の、電池化成装置における第1のDC-DC変換モジュールの低圧端、前記電池ユニット及び付加電源を直列接続するように制御することは、
前記電池ユニットの出力電圧を検出することと、
前記電池ユニットの出力電圧が第1の電圧閾値よりも小さいことを検出すると、電池化成装置における第1のDC-DC変換モジュールの低圧端、前記電池ユニット及び付加電源を直列接続するように制御することと、をさらに含むことを特徴とする請求項14に記載の制御方法。
【請求項16】
前記の、前記電池ユニットの出力電圧が第1の電圧閾値よりも小さいことを検出すると、電池化成装置における第1のDC-DC変換モジュールの低圧端、前記電池ユニット及び付加電源を直列接続するように制御することは、
前記電池ユニットの出力電圧が第1の電圧閾値よりも小さいことを検出すると、前記電池化成装置のAC-DC変換モジュールを一時停止した後に、電池化成装置における第1のDC-DC変換モジュールの低圧端、前記電池ユニット及び付加電源を直列接続するように制御することと、
電池化成装置における第1のDC-DC変換モジュールの低圧端、前記電池ユニット及び付加電源を直列接続するように制御した後に、前記AC-DC変換モジュールを再起動することとbをさらに含むことを特徴とする請求項15に記載の制御方法。
【請求項17】
前記制御方法は、
前記電池ユニットの電池状態情報を収集して、ミドルコンピュータに前記電池状態情報をフィードバックすることをさらに含むことを特徴とする請求項14に記載の制御方法。
【請求項18】
前記制御方法は、
前記電池化成装置が前記電池ユニットを充電する充電時間長が予め設定される時間長を超えるかどうかを判断し、そうであれば、ミドルコンピュータに警報情報を送信し、ミドルコンピュータが前記警報情報に基づいて送信する中止命令を受信し、前記電池化成装置におけるAC-DC変換モジュールを一時停止することをさらに含むことを特徴とする請求項14に記載の制御方法。
【請求項19】
前記制御方法は、
前記電池ユニットの出力電圧が第2の電圧閾値を超えるかどうかを判断し、そうであれば、ミドルコンピュータに警報情報を送信し、ミドルコンピュータが前記警報情報に基づいて送信する中止命令を受信し、前記中止命令に基づいて前記電池ユニットの出力を一時停止することをさらに含むことを特徴とする請求項14に記載の制御方法。
【請求項20】
電池化成制御システムであって、
請求項1~13のいずれか一項に記載の電池化成装置と、ミドルコンピュータと、を含み、前記ミドルコンピュータと前記電池化成装置とは通信接続を確立しており、
前記ミドルコンピュータは、前記電池化成装置に充電制御命令又は放電制御命令を送信するために用いられ、
前記電池化成装置は、前記放電制御命令に基づいて、前記電池ユニットが前記電池化成装置に放電するように制御するために用いられ、
又は、前記電池化成装置は、前記充電制御命令に基づいて、前記電池化成装置が前記電池ユニットを充電するように制御するために用いられることを特徴とする電池化成制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、電池分野に関し、具体的には電池化成装置、電池化成装置の制御方法及び制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電池化成は、電池生産プロセスにおける一つの重要な工程であり、電池化成は具体的には、電池化成装置を利用して電池に対して充電と放電とを行うことによって、電池性能の向上及び電池容量の検出などの目的を達することである。
しかしながら、従来の電池化成装置を採用すると、電池が十分に放電できないという弊害があることによって、電池化成効果を低下させそして検出される電池容量の正確度を低下させる。
【発明の概要】
【0003】
上記問題に鑑み、本出願は、電池が十分に放電できないことにより電池化成効果が悪く、また検出される電池容量の正確度が低いという技術的課題を解決することができる電池化成装置、電池化成装置の制御方法及び制御システムを提供する。
【0004】
第1の態様によれば、本出願は、電池化成装置を提供し、この装置は、第1のDC-DC変換モジュールと、付加電源と、制御回路と、を含み、第1のDC-DC変換モジュールの低圧端は、制御回路と電気的に接続されるために用いられ、第1のDC-DC変換モジュールの高圧端は、直流母線と電気的に接続されるために用いられ、第1のDC-DC変換モジュールは、電池ユニットが電池化成装置に放電する時、低圧端により入力される第1の電圧を第2の電圧に変換し、高圧端によって第2の電圧を出力するために用いられ、ここで、第2の電圧は、第1の電圧よりも高く、付加電源は、制御回路と電気的に接続されるために用いられ、そして付加電源は、付加電圧を出力するために用いられ、ここで、付加電源の極性は、電池ユニットの極性と一致し、制御回路は、電池ユニット、第1のDC-DC変換モジュールの低圧端及び付加電源と電気的に接続されるために用いられ、制御回路は、電池ユニットが電池化成装置に放電する時、第1のDC-DC変換モジュールの低圧端、電池ユニット及び付加電源を直列接続するために用いられる。
【0005】
本出願の実施例の技術案では、電池ユニットが電池化成装置に放電する時、制御回路により第1のDC-DC変換モジュールの低圧端、電池ユニット及び付加電源を直列接続し、そして電池ユニットと付加電源とは極性が同じであることによって、電池ユニットと付加電源とにより出力される電圧の極性が一致し、電池ユニットと付加電源とにより出力される電圧が重畳された後に第1のDC-DC変換モジュールの低圧端に入力され、第1のDC-DC変換モジュールの入力電圧が第1のDC-DC変換モジュールの最低入力電圧閾値よりも小さくなることを避け、それにより電池ユニットにおける各電池セルを十分に放電させることができ、続いて電池ユニットにおける各電池セルが十分に放電できないことにより電池ユニットの化成効果が悪く、また検出される電池容量の精度が悪いという技術的弊害を避ける。
【0006】
いくつかの実施例では、制御回路はさらに、電池化成装置が電池ユニットを充電する時、第1のDC-DC変換モジュールの低圧端及び電池ユニットを直列接続するために用いられる。このような方式を採用し、一方では、電池化成装置が電池ユニットを充電する時、付加電源によるこの充電過程への影響を避けることができ、他方では、付加電源は、電池化成装置が電池ユニットを充電する時、電圧を出力しないようになることができ、電池化成装置全体のエネルギー消費を減少することができる。
【0007】
いくつかの実施例では、この装置は、電池ユニット及び制御回路と電気的に接続されるために用いられ、電池ユニットの出力電圧を検出するための検出モジュールをさらに含み、制御回路はさらに、電池ユニットが電池化成装置に放電し、そして検出モジュールが電池ユニットの出力電圧が第1の電圧閾値よりも小さいことを検出した時、第1のDC-DC変換モジュールの低圧端、電池ユニット及び付加電源を直列接続するために用いられる。この方式を採用し、検出モジュールが、電池ユニットが放電する時にこの電池ユニットの出力電圧を検出し、電池ユニットが放電状態にあり且つ電池ユニットの出力電圧が第1の電圧閾値よりも小さい場合にのみ、付加電源を起動し、付加電源を、第1のDC-DC変換モジュールの低圧端と電池ユニットとによって構成される放電回路に直列接続することで、電池化成装置の全体的なエネルギー消費をさらに低下させ、電池化成装置の化成処理コストを低下させる。
【0008】
いくつかの実施例では、前記電池ユニットは単一である。一組の充放電アセンブリによって単一の電池ユニットに対して化成処理を行うことで、他の電池ユニットの化成過程による本電池ユニットの化成過程への干渉を避けることができ、この電池ユニットの容量検出の精度の向上に有利である。
【0009】
いくつかの実施例では、前記制御回路は、第1の制御スイッチと第2の制御スイッチとを含み、前記第1のDC-DC変換モジュールの低圧端の第1のサブ端は、前記電池ユニットの第1の極と電気的に接続されるために用いられ、前記第1の制御スイッチの第1の端は、前記第1のDC-DC変換モジュールの低圧端の第2のサブ端及び前記付加電源の第2の極と電気的に接続されるために用いられ、前記第1の制御スイッチの第2の端は、前記電池ユニットの第2の極及び前記第2の制御スイッチの第2の端と電気的に接続されるために用いられ、前記第2の制御スイッチの第1の端は、前記付加電源の第1の極と電気的に接続されるために用いられ、ここで、前記電池ユニットが前記電池化成装置に放電する時、前記第1の制御スイッチの第1の端と前記第1の制御スイッチの第2の端とは接続されておらず、前記第2の制御スイッチの第1の端と前記第2の制御スイッチの第2の端とは接続されている。このような方式を採用し、一組の充放電アセンブリは一つの電池ユニットに対応し、第1の制御スイッチ及び第2の制御スイッチによって充放電回路への付加電源の投入を制御し、電池化成装置の構造をさらに簡略化し、化成コストを節約する。
【0010】
いくつかの実施例では、前記制御回路は、第1の制御スイッチと第2の制御スイッチとを含み、前記第1のDC-DC変換モジュールの低圧端の第1のサブ端は、前記電池ユニットの第1の極と電気的に接続されるために用いられ、前記第1の制御スイッチの第1の端は、前記第1のDC-DC変換モジュールの低圧端の第2のサブ端及び前記第2の制御スイッチの第1の端と電気的に接続されるために用いられ、前記第1の制御スイッチの第2の端は、前記電池ユニットの第2の極及び前記付加電源の第1の極と電気的に接続されるために用いられ、前記第2の制御スイッチの第2の端は、前記付加電源の第2の極と電気的に接続されるために用いられ、ここで、前記電池ユニットが前記電池化成装置に放電する時、前記第1の制御スイッチの第1の端と前記第1の制御スイッチの第2の端とは接続されておらず、前記第2の制御スイッチの第1の端と前記第2の制御スイッチの第2の端とは接続されている。このような方式を採用し、一組の充放電アセンブリは一つの電池ユニットに対応し、第1の制御スイッチ及び第2の制御スイッチによって充放電回路への付加電源の投入を制御し、電池化成装置の構造をさらに簡略化し、化成コストを節約する。
【0011】
いくつかの実施例では、前記制御回路は、第3の制御スイッチを含み、前記第1のDC-DC変換モジュールの低圧端の第1のサブ端は、前記電池ユニットの第1の極と電気的に接続されるために用いられ、前記第3の制御スイッチの第1の端は、前記第1のDC-DC変換モジュールの低圧端の第2のサブ端と電気的に接続されるために用いられ、前記第3の制御スイッチの第2の端は、前記電池ユニットの第2の極及び前記付加電源の第1の極と電気的に接続されるために用いられ、前記第3の制御スイッチの第3の端は、前記付加電源の第2の極と電気的に接続されるために用いられ、ここで、前記電池ユニットが前記電池化成装置に放電する時、前記第3の制御スイッチの第1の端と前記第3の制御スイッチの第2の端とは接続されておらず、前記第3の制御スイッチの第1の端と前記第3の制御スイッチの第3の端とは接続されている。このような方式を採用し、一組の充放電アセンブリは一つの電池ユニットに対応し、一つの第3の制御スイッチによって充放電回路への付加電源の投入を制御することができ、電池化成装置の構造をさらに簡略化し、電池化成装置の素子の数を減少し、化成コストを節約する。
【0012】
いくつかの実施例では、前記電池ユニットは、第1の電池ユニットと第2の電池ユニットとを含む。一組の充放電アセンブリによって複数の電池ユニットに対して化成処理を行うことで、充放電アセンブリの利用率を効果的に向上させ、電池化成装置のエネルギー消費及びコストを節約する。
【0013】
いくつかの実施例では、前記制御回路は、第1の制御スイッチと第2の制御スイッチとを含み、前記第1のDC-DC変換モジュールの低圧端の第1のサブ端は、前記第1の電池ユニットの第1の極と電気的に接続されるために用いられ、前記第1のDC-DC変換モジュールの低圧端の第2のサブ端は、前記第2の電池ユニットの第2の極と電気的に接続されるために用いられ、前記第1の制御スイッチの第1の端は、前記第1の電池ユニットの第2の極及び前記付加電源の第1の極と電気的に接続されるために用いられ、前記第1の制御スイッチの第2の端は、前記第2の電池ユニットの第1の極及び前記第2の制御スイッチの第2の端と電気的に接続されるために用いられ、前記第2の制御スイッチの第1の端は、前記付加電源の第2の極と電気的に接続されるために用いられ、ここで、前記電池ユニットが前記電池化成装置に放電する時、前記第1の制御スイッチの第1の端と前記第1の制御スイッチの第2の端とは接続されておらず、前記第2の制御スイッチの第1の端と前記第2の制御スイッチの第2の端とは接続されている。このような方式を採用し、一組の充放電アセンブリは第1の電池ユニット及び第2の電池ユニットに対応し、第1の制御スイッチ及び第2の制御スイッチによって充放電回路への付加電源の投入を制御し、電池化成装置の構造を簡略化し、化成コストを節約し、そして、第1の制御スイッチ及び第2の制御スイッチが二つの電池ユニットの間に設置され、接続導線の長さを効果的に減少し、電池化成装置のコストを節約することができる。
【0014】
いくつかの実施例では、前記制御回路は、第1の制御スイッチと第2の制御スイッチとを含み、前記第1のDC-DC変換モジュールの低圧端の第1のサブ端は、前記第1の電池ユニットの第1の極と電気的に接続されるために用いられ、前記第1のDC-DC変換モジュールの低圧端の第2のサブ端は、前記第2の電池ユニットの第2の極と電気的に接続されるために用いられ、前記第1の制御スイッチの第1の端は、前記第1の電池ユニットの第2の極及び前記第2の制御スイッチの第1の端と電気的に接続されるために用いられ、前記第1の制御スイッチの第2の端は、前記付加電源の第2の極及び前記第2の電池ユニットの第1の極と電気的に接続されるために用いられ、前記第2の制御スイッチの第2の端は、前記付加電源の第1の極と電気的に接続されるために用いられ、ここで、前記電池ユニットが前記電池化成装置に放電する時、前記第1の制御スイッチの第1の端と前記第1の制御スイッチの第2の端とは接続されておらず、前記第2の制御スイッチの第1の端と前記第2の制御スイッチの第2の端とは接続されている。このような方式を採用すると、一組の充放電アセンブリは第1の電池ユニット及び第2の電池ユニットに対応し、第1の制御スイッチ及び第2の制御スイッチによって充放電回路への付加電源の投入を制御し、電池化成装置の構造を簡略化し、化成コストを節約し、そして、第1の制御スイッチ及び第2の制御スイッチが二つの電池ユニットの間に設置され、接続導線の長さを効果的に減少し、電池化成装置のコストを節約することができる。
【0015】
いくつかの実施例では、前記制御回路は、第3の制御スイッチを含み、前記第1のDC-DC変換モジュールの低圧端の第1のサブ端は、前記第1の電池ユニットの第1の極と電気的に接続されるために用いられ、前記第1のDC-DC変換モジュールの低圧端の第2のサブ端は、前記第2の電池ユニットの第2の極と電気的に接続されるために用いられ、前記第3の制御スイッチの第1の端は、前記第1の電池ユニットの第2の極と電気的に接続されるために用いられ、前記第3の制御スイッチの第2の端は、前記付加電源の第1の極と電気的に接続されるために用いられ、前記第3の制御スイッチの第3の端は、前記第2の電池ユニットの第1の極と電気的に接続されるために用いられ、ここで、前記電池ユニットが前記電池化成装置に放電する時、前記第3の制御スイッチの第1の端と前記第3の制御スイッチの第2の端とは接続されている。このような方式を採用し、一組の充放電アセンブリは第1の電池ユニット及び第2の電池ユニットに対応し、一つの制御スイッチによって充放電回路への付加電源の投入を制御し、電池化成装置に含まれる素子の数をさらに減少し、化成コストを節約し、そして、第3の制御スイッチが二つの電池ユニットの間に設置され、接続導線の長さを効果的に減少し、電池化成装置のコストを節約することができる。
【0016】
いくつかの実施例では、前記付加電源は、第2のDC-DC変換モジュールであり、前記第2のDC-DC変換モジュールの高圧端は、前記直流母線と電気的に接続されるために用いられ、前記第2のDC-DC変換モジュールの低圧端は、前記電池ユニットが前記電池化成装置に放電する時、前記第1のDC-DC変換モジュールの低圧端及び前記電池ユニットと直列接続されるために用いられる。このような方式を採用し、第2のDC-DC変換モジュールを付加電源とし、一方では、電池ユニットが電池化成装置に放電する時、第2のDC-DC変換モジュールの低圧端により出力される電圧と電池ユニットにより出力される電圧とが重畳された後に第1のDC-DC変換モジュールの低圧端に入力され、第1のDC-DC変換モジュールの入力電圧を向上させ、第1のDC-DC変換モジュールの入力電圧が第1のDC-DC変換モジュールの最低入力電圧閾値よりも小さいという弊害の発生を避け、他方では、第2のDC-DC変換モジュールは、電力消費が低く、体積が小さいという特徴を有することによって、電池化成装置のエネルギー消費を低下させ、電池化成装置の体積を減少することに有利である。
【0017】
いくつかの実施例では、この装置は、AC-DC変換モジュールをさらに含み、前記AC-DC変換モジュールの交流端は、電力網と電気的に接続されるために用いられ、前記AC-DC変換モジュールの直流端は、直流母線と電気的に接続されるために用いられ、前記AC-DC変換モジュールは、前記電池ユニットが前記電池化成装置に放電する時、前記AC-DC変換モジュールの直流端により入力される直流電圧を交流電圧に変換し、前記AC-DC変換モジュールの交流端によって前記交流電圧を出力するために用いられ、そして前記AC-DC変換モジュールは、前記電池化成装置が前記電池ユニットを充電する時、前記AC-DC変換モジュールの交流端により入力される交流電圧を直流電圧に変換し、前記AC-DC変換モジュールの直流端によって前記直流電圧を出力するために用いられる。このような方式を採用し、電池化成装置においてAC-DC変換モジュールを設置することで、電力網の交流電を直流電に変換し、電池ユニットの充電に用いることができ、さらに電池ユニットにより出力される直流電を交流電に変換して電力網に出力することができ、それにより本電池化成装置を交流電のシナリオに適用させ、電池化成装置の使用範囲を拡大することができる。
【0018】
第2の態様によれば、本出願は、上記電池化成装置のための制御方法を提供し、この方法は、電池ユニット放電制御命令を受信することと、電池化成装置における第1のDC-DC変換モジュールの低圧端、前記電池ユニット及び付加電源を直列接続するように制御することと、前記電池ユニットが前記電池化成装置に放電するように制御することと、を含む。
【0019】
本出願の実施例の技術案では、電池化成装置は、ミドルコンピュータにより配信される放電制御命令にタイムリーに応答し、付加電源を、第1のDC-DC変換モジュールの低圧端及び電池ユニットによって構成される放電回路に直列接続することができ、それにより第1のDC-DC変換モジュールに入力される電圧を向上させ、第1のDC-DC変換モジュールの入力電圧が第1のDC-DC変換モジュールの最低入力電圧閾値よりも小さくなることを避け、それにより電池ユニットにおける各電池セルを十分に放電させることができ、電池ユニットにおける各電池セルが十分に放電できないことにより電池ユニットの化成効果が悪く、また検出される電池容量の精度が悪いという技術的弊害を避ける。
【0020】
いくつかの実施例では、前記の、電池化成装置における第1のDC-DC変換モジュールの低圧端、前記電池ユニット及び付加電源を直列接続するように制御することは、前記電池ユニットの出力電圧を検出することと、前記電池ユニットの出力電圧が第1の電圧閾値よりも小さいことを検出すると、電池化成装置における第1のDC-DC変換モジュールの低圧端、前記電池ユニット及び付加電源を直列接続するように制御することと、をさらに含む。この方式を採用し、電池ユニットが放電状態にあり且つ電池ユニットの出力電圧が第1の電圧閾値よりも小さい場合にのみ、付加電源を起動し、付加電源を、第1のDC-DC変換モジュールの低圧端と電池ユニットとによって構成される放電回路に直列接続することで、電池化成装置の全体的なエネルギー消費をさらに低下させ、電池化成装置の化成処理コストを低下させる。
【0021】
いくつかの実施例では、前記の、前記電池ユニットの出力電圧が第1の電圧閾値よりも小さいことを検出すると、電池化成装置における第1のDC-DC変換モジュールの低圧端、前記電池ユニット及び付加電源を直列接続するように制御することは、前記電池ユニットの出力電圧が第1の電圧閾値よりも小さいことを検出すると、前記電池化成装置のAC-DC変換モジュールを一時停止した後に、電池化成装置における第1のDC-DC変換モジュールの低圧端、前記電池ユニット及び付加電源を直列接続するように制御することと、電池化成装置における第1のDC-DC変換モジュールの低圧端、前記電池ユニット及び付加電源を直列接続するように制御した後に、前記AC-DC変換モジュールを再起動することと、をさらに含む。このような方式を採用し、まずAC-DC変換モジュールを一時停止し、AC-DC変換モジュールが直流母線を介して第1のDC-DC変換モジュールに高電圧を継続的に出力することを避け、その後にさらに付加電源を、第1のDC-DC変換モジュールの低圧端及び電池ユニットによって構成される放電回路に直列接続し、第1のDC-DC変換モジュールに短期間のピーク電圧が生じることを避け、第1のDC-DC変換モジュールの耐用年数を延長する。
【0022】
いくつかの実施例では、前記方法は、前記電池ユニットの電池状態情報を収集して、ミドルコンピュータに前記電池状態情報をフィードバックすることをさらに含む。本実施例における実施形態を採用し、電池ユニットの電池状態情報をリアルタイムに収集してフィードバックすることで、電池ユニットの化成過程における状態をタイムリーに発見することを容易にし、異常状態をタイムリーに発見して異常状態にタイムリーに応答することに有利である。
【0023】
いくつかの実施例では、前記方法は、前記電池化成装置が前記電池ユニットを充電する充電時間長が予め設定される時間長を超えるかどうかを判断し、そうであれば、ミドルコンピュータに警報情報を送信し、ミドルコンピュータが前記警報情報に基づいて送信する中止命令を受信し、前記電池化成装置におけるAC-DC変換モジュールを一時停止することをさらに含む。このような方式を採用し、電池ユニットの充電時間長に基づいて電池ユニットに異常があるかどうかを確定し、電池ユニットに異常があると確定する場合にミドルコンピュータに警報情報をタイムリーに送信することで、電池ユニットの異常を処理することを容易にし、そして処理過程では、AC-DC変換モジュールの出力を中止し、一方では、電池ユニット及び電池化成装置の安全を保護し、他方では、電池化成装置のエネルギー消費を減少し、化成コストを節約する。
【0024】
いくつかの実施例では、前記方法は、前記電池ユニットの出力電圧が第2の電圧閾値を超えるかどうかを判断し、そうであれば、ミドルコンピュータに警報情報を送信し、ミドルコンピュータが前記警報情報に基づいて送信する中止命令を受信し、前記中止命令に基づいて前記電池ユニットの出力を一時停止することをさらに含む。このような方式を採用し、電池ユニットの放電電圧に基づいて異常があるかどうかを確定し、異常があると確定する場合にミドルコンピュータに警報情報をタイムリーに送信することで、異常状態を処理することを容易にし、そして処理過程では、電池ユニットの出力を中止し、一方では、電池ユニット及び電池化成装置の安全を保護し、他方では、電池ユニットのエネルギー消費を減少し、化成コストを節約する。
【0025】
第3の態様では、本出願は、電池化成制御システムを提供し、このシステムは、上記電池化成装置と、ミドルコンピュータと、を含み、前記ミドルコンピュータと前記電池化成装置とは通信接続を確立しており、前記ミドルコンピュータは、前記電池化成装置に充電制御命令又は放電制御命令を送信するために用いられ、前記電池化成装置は、前記放電制御命令に基づいて、前記電池ユニットが前記電池化成装置に放電するように制御するために用いられ、又は、前記電池化成装置は、前記充電制御命令に基づいて、前記電池化成装置が前記電池ユニットを充電するように制御するために用いられる。
【0026】
上記の説明は、本出願の技術案の概要に過ぎず、本出願の技術的手段をより明確に理解し、明細書の内容に基づいて実施できるようにし、本出願の上記及び他の目的、特徴及び利点をより明らかで理解しやすいようにするために、以下、本出願の具体的な実施形態を挙げる。
【0027】
以下の好ましい実施形態の詳細な記述を読むことによって、当業者にとって、様々な他の利点及び有益点が明らかになる。図面は、好ましい実施形態を示すためにのみ用いられ、本出願を制限するものとはみなされない。そして、図面全体において、同じ部品は、同じ図面記号で表されている。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】従来技術における電池化成装置の構造概略図である。
図2】本出願のいくつかの実施例の電池化成装置の構造概略図である。
図3】本出願のいくつかの実施例による第1のDC-DC変換モジュールの構造概略図である。
図4】本出願のいくつかの実施例の電池ユニットが電池化成装置に放電する時の等価回路の概略図である。
図5】本出願のいくつかの実施例の電池化成装置の構造概略図である。
図6】本出願のいくつかの実施例の電池化成装置が電池ユニットを充電する時の等価回路の概略図である。
図7】本出願のいくつかの実施例の電池化成装置の構造概略図である。
図8】本出願のいくつかの実施例の電池化成装置の構造概略図である。
図9】本出願のいくつかの実施例の電池化成装置の構造概略図である。
図10】本出願のいくつかの実施例の電池化成装置の構造概略図である。
図11】本出願のいくつかの実施例の電池化成装置の構造概略図である。
図12】本出願のいくつかの実施例の電池化成装置の構造概略図である。
図13】本出願のいくつかの実施例の電池化成装置の構造概略図である。
図14】本出願のいくつかの実施例の電池化成装置の構造概略図である。
図15】本出願のいくつかの実施例の電池化成装置の構造概略図である。
図16】本出願のいくつかの実施例の電池化成装置の構造概略図である。
図17】本出願のいくつかの実施例の電池化成装置の制御方法のフローチャートである。
図18】本出願のいくつかの実施例の電池制御システムの構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を結び付けながら本出願の技術案の実施例を詳しく説明する。以下の実施例は、本出願の技術案をより明確に説明するためのものであり、例示に過ぎず、これによって本出願の保護範囲が制限されるものではない。
【0030】
特に定義がない限り、本文に使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本出願の当業者に一般的に理解される意味と同じである。本明細書で使用される用語は、具体的な実施例を説明するためにのみ用いられ、本出願を制限することを意図するものではない。本出願の明細書及び特許請求の範囲及び上記図面の説明における「含む」、「有する」という用語及びそれらの任意の変形は、非排他的な「含む」を意図的にカバーするものである。
【0031】
本出願の実施例の説明では、技術用語「第1」、「第2」などは、異なる対象を区別する目的だけに用いられ、相対的な重要性を明示又は示唆する、又は指示された技術的特徴の数、特定の順序又は主副関係を暗黙的に示すと理解されない。本出願の実施例の説明では、特に具体的な限定が明確化されない限り、「複数」は二つ以上を意味する。
【0032】
本文において「実施例」と言及する場合、実施例と合わせて説明された特定の特徴、構造又は特性が本出願の少なくとも一つの実施例に含まれ得ることを意味する。明細書における各位置での該フレーズの出現は、必ずしも全てが同じ実施例を指すものではなく、他の実施例と相互排他する独立した又は代替的な実施例でもない。当業者は、本明細書に記載の実施例が他の実施例と組み合わせ得ることを明示的及び暗黙的に理解することができる。
【0033】
本出願の実施例の説明において、用語「及び/又は」は、関連対象の関連関係を説明するものに過ぎず、三つの関係が存在し得ることを表し、例えば、A及び/又はBは、単独のA、AとBとの組み合わせ、単独のBの三つのケースを表してもよい。また、本文における「/」といる文字は、一般的には前後関連対象が「又は」の関係であることを表す。本出願の実施例の説明において、「複数」という用語は、2つ以上(2つを含む)を指し、同様に、「複数のグループ」は、2つ以上のグループ(2つのグループを含む)を指し、「複数の片」は、2つ以上の片(2つの片を含む)を指す。
【0034】
本出願の実施例の説明において、技術用語「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などの用語によって示された方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づき、本出願の実施例の説明の便宜又は説明の簡略化を図るためのものであり、言及された装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位で構造及び操作される必要があることを指示又は暗示するものではなく、本出願の実施例を限定するものと理解されるべきでない。
【0035】
本出願の実施例の説明において、特に明確に規定、限定されていない限り、技術用語「装着」、「繋がる」、「接続」、「固定」などの用語は、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続されていてもよいし、取り外し可能に接続されていてもよいし、又は一体化されてもよいし、機械的接続であってもよいし、電気的接続であっもよいし、直接接続されていてもよいし、中間媒体を介して間接的に接続されていてもよいし、両素子の内部の連通又は両素子の相互作用関係であってもよい。当業者は、具体的な状況に応じて、上記用語の本出願の実施例における具体的な意味を理解することができる。
【0036】
現在では、科学技術及び社会が絶え間なく発展していることに伴い、動力電池は、電気自動車などの電動交通工具、クリーンエネルギーなどのエネルギー貯蔵電源システム及び他の分野に広く応用されている。動力電池が作製されて成形された後に、電池化成装置によってそれを充放電する必要があり、この過程は、動力電池の化成過程である。動力電池の化成過程は、動力電池をアクティブ化し、動力電池の全体的な性能を向上させることができるだけでなく、化成過程において動力電池の容量を検出し、動力電池性能の評価のための基礎を提供することもできる。
【0037】
図1を参照すると、従来技術における電池化成装置は、一つのDC-DC変換モジュールを含み、DC-DC変換モジュールは、電池ユニットと直列接続される。電池ユニットが充電モードにある時、DC-DC変換モジュールは、電力網からの電圧を降圧変換した後に電池ユニットに伝送することで、電池ユニットを充電し、電池ユニットが放電モードにある時、DC-DC変換モジュールは、電池ユニットの出力電圧を昇圧変換した後に電力網に伝送する。
【0038】
本発明者らは実施過程において、電池ユニットが放電モードにある時、即ち電池ユニットが電池化成装置に放電する過程では、一部の電池セルがすでに十分に放電したが、別の一部の電池セルに依然として一部の電量が残されているという状況が存在することに気付いた。この場合に、電池ユニット全体の出力電圧が低いが、DC-DC変換モジュールが該当する入力電圧振幅制限を有し、電池ユニットの出力電圧がDC-DC変換モジュールの最低入力電圧閾値よりも低い時、電池ユニットの出力電圧がDC-DC変換モジュールを介して電力網に伝送できなくなり、電池ユニットにおける一部の電池セルが十分に放電できず、それにより電池ユニットの化成効果を低下させ、そして電池ユニットの容量検出精度を低下させる。
【0039】
電池ユニットが電池化成装置に十分に放電できないことにより電池化成効果が悪く、また検出される電池容量の正確度が低いという技術的課題を解決するために、本発明者らは、鋭意検討した結果、電池ユニットがDC-DC変換モジュールに放電する過程において、DC-DC変換モジュール及び電池ユニットの回路に極性が電池ユニットと同じである付加電源を一つ直列接続することによって、DC-DC変換モジュールの入力電圧を増加させる電池化成装置を設計した。このような構造の電池化成装置を採用することで、電池ユニットの各電池セルを十分に放電させることができ、それにより電池化成効果を向上させ、そして検出される電池容量の正確度を向上させる。
【0040】
本出願の実施例が開示した電池化成装置は、リチウムイオン電池、鉛酸電池、ニッケル水素電池などの蓄電池の化成過程に応用できるが、それらに限らない。蓄電池はさらに、充電可能な電池、又は二次電池などと呼ばれる。本出願の実施例に記述された電池は具体的には蓄電池を指す。
【0041】
本出願の実施例に記述された電池ユニットは、より高い電圧と容量を提供するために一つ又は複数の電池セルを含む単一の物理モジュールを指す。異なる電池ユニットに含まれる電池セルの数は同じであってもよく、異なってもよい。電池ユニットに複数の電池セルが含まれる時、電池ユニットに含まれる複数の電池セルは、並列接続の方式で接続されてもよく、直列接続の方式で接続されてもよい。任意選択的な電池セル構造として、電池セルは、正極板と、負極板と、電解液と、セパレータと、を含む。
【0042】
本出願の実施例に記述されたDC-DC変換モジュールは、直流から直流に変換するコンバータを指し、DC-DC変換モジュールは、一つの電圧値の電気エネルギーを別の電圧値の電気エネルギーに変換するために用いられる。本出願の実施例におけるDC-DC変換モジュールは、高圧端と低圧端とを含む。高圧端は、低圧端よりも高い電気エネルギーを入力又は出力するために用いられ、低圧端は、高圧端よりも低い電気エネルギーを入力又は出力するために用いられる。
【0043】
本出願をよりよく理解するために、以下では、図1図18を結び付けながら、本出願の実施例を詳細に記述する。
【0044】
本出願のいくつかの実施例によれば、図2図3及び図4を参照する。図2は、本出願のいくつかの実施例の電池化成装置の構造概略図であり、図3は、本出願のいくつかの実施例の第1のDC-DC変換モジュールの構造概略図であり、図4は、本出願のいくつかの実施例の電池ユニットが電池化成装置に放電する時の等価回路の概略図である。
【0045】
図2に示すように、電池化成装置100は、第1のDC-DC変換モジュール110と、付加電源120と、制御回路130と、を含む。第1のDC-DC変換モジュール110、付加電源120及び電池ユニット200はそれぞれ、制御回路130と電気的に接続されるために用いられる。制御回路130は、電池ユニット200が電池化成装置100に放電する時、第1のDC-DC変換モジュール110、電池ユニット200及び付加電源120を直列接続する。
【0046】
さらに図3を参照すると、第1のDC-DC変換モジュール110は、低圧端111と高圧端112とを含み、低圧端111は、制御回路130と電気的に接続されるために用いられ、高圧端112は、直流母線140と電気的に接続されるために用いられる。第1のDC-DC変換モジュール110は、電池ユニット200が電池化成装置100に放電する時、低圧端111により入力される第1の電圧を第2の電圧に変換し、高圧端112によってこの第2の電圧を出力するために用いられ、ここで、第2の電圧は、第1の電圧よりも高い。それにより第1のDC-DC変換モジュール110は、電池ユニット200が電池化成装置100に放電する時、入力される電圧を昇圧処理した後に直流母線140に出力する。任意選択的に、それに応じて、第1のDC-DC変換モジュール110はさらに、電池化成装置100が電池ユニット200を充電する時、直流母線140により高圧端112に入力される電圧を降圧処理した後に低圧端111から出力するために用いられる。
【0047】
一つの任意選択的な実施形態では、第1のDC-DC変換モジュール110は具体的には、絶縁型DC-DC変換コンバータである。このような構造を採用し、第1のDC-DC変換モジュール110の入力回路と出力回路とが互いに隔離され、互いに干渉しないことによって、電池化成装置の構造を簡略化し、電池化成装置のサイズ及びコストを低下させる。
【0048】
図2及び図3を結び付けて、付加電源120は、制御回路130と電気的に接続されるために用いられ、この付加電源120はさらに、付加電圧を出力するために用いられ、この付加電源120の極性は、電池ユニット200の極性と一致する。
【0049】
制御回路130は具体的には、電池ユニット200が電池化成装置100に放電する時、第1のDC-DC変換モジュールの低圧端111、電池ユニット200及び付加電源120を直列接続するために用いられる。図4を参照すると、図4は、本出願のいくつかの実施例の電池ユニットが電池化成装置に放電する時の等価回路の概略図である。図4に示すように、電池ユニット200が電池化成装置100に放電する時、第1のDC-DC変換モジュールの低圧端111、電池ユニット200及び付加電源120は直列接続される。さらに付加電源120と電池ユニット200とは極性が一致するため、付加電源120と電池ユニット200により出力される電圧の極性が一致し、付加電源120と電池ユニット200との出力電圧の重畳振幅は付加電源120の出力電圧振幅と電池ユニット200の出力電圧振幅との和に等しく、それにより第1のDC-DC変換モジュールの入力電圧振幅を向上させる。
【0050】
本実施例では、電池ユニットが電池化成装置に放電する時、制御回路により第1のDC-DC変換モジュールの低圧端、電池ユニット及び付加電源を直列接続し、そして電池ユニットと付加電源とは極性が同じであることによって、電池ユニットと付加電源とにより出力される電圧の極性が同じ、続いて第1のDC-DC変換モジュールの入力電圧を向上させ、第1のDC-DC変換モジュールの入力電圧が第1のDC-DC変換モジュールの最低入力電圧閾値よりも小さくなることを避け、それにより電池ユニットにおける各電池セルを十分に放電させることができ、電池ユニットにおける各電池セルが十分に放電できないことにより電池ユニットの化成効果が悪く、また検出される電池容量の精度が悪いという技術的弊害を避ける。
【0051】
いくつかの実施例では、任意選択的に、図5を参照すると、図5は、本出願のいくつかの実施例の電池化成装置の構造概略図である。図5に示すように、一つの第1のDC-DC変換モジュール110、一つの付加電源120及び一つの制御回路130は、一組の充放電アセンブリを構成し、各組の充放電アセンブリは、該当する電池ユニット200を化成処理するために用いられる。具体的には、各組の充放電アセンブリにおける第1のDC-DC変換モジュール110の高圧端112はいずれも直流母線に電気的に接続される。このような構造を採用することで、複数組の電池ユニットを同時に化成処理し、化成処理効率を向上させることができる。
【0052】
いくつかの実施例では、任意選択的に、制御回路130はさらに、電池化成装置100が電池ユニット200を充電する時、第1のDC-DC変換モジュール110の低圧端111及び電池ユニット200を直列接続するために用いられる。
【0053】
図6を参照すると、図6は、本出願のいくつかの実施例の電池化成装置が電池ユニットを充電する時の等価回路の概略図である。図6に示すように、電池化成装置100が電池ユニット200を充電する時、付加電源120はこの充電回路に存在しない。
【0054】
本実施例における実施形態を採用し、一方では、電池化成装置が電池ユニットを充電する時、付加電源によるこの充電過程への影響を避けることができ、他方では、付加電源は、電池化成装置が電池ユニットを充電する時、電圧を出力しないようになることができ、それにより電池化成装置全体のエネルギー消費を低下させることができる。
【0055】
いくつかの実施例では、任意選択的に、電池化成装置100は、電池ユニット200及び制御回路130と電気的に接続されるための検出モジュール150をさらに含む。
【0056】
図7を参照すると、図7は、本出願のいくつかの実施例の電池化成装置の構造概略図である。図7に示すように、検出モジュール150は電池ユニット200及び制御回路130とそれぞれ電気的に接続される。電池ユニット200が電池化成装置100に放電する時、検出モジュール150は、電池ユニット200との電気的接続により、電池ユニット200の出力電圧を検出することができる。そして、制御回路130は、電池ユニット200が電池化成装置100に放電し、そして検出モジュール150が電池ユニットの出力電圧が第1の電圧閾値よりも小さいことを検出した時、第1のDC-DC変換モジュールの低圧端、電池ユニット及び付加電源を直列接続するそれに応じて、制御回路130は、電池化成装置100が電池ユニット200を充電し、又は電池ユニット200が電池化成装置100に放電するが、検出モジュール150が電池ユニットの出力電圧が第1の電圧閾値以上であることを検出した時、第1のDC-DC変換モジュールの低圧端111と電池ユニット200とのみを直列接続する。
【0057】
本実施例における実施形態を採用し、検出モジュールが、電池ユニットが放電する時にこの電池ユニットの出力電圧を検出し、電池ユニットが放電状態にあり且つ電池ユニットの出力電圧が第1の電圧閾値よりも小さい場合にのみ、付加電源を起動し、付加電源を、第1のDC-DC変換モジュールの低圧端と電池ユニットとによって構成される放電回路に直列接続することで、電池化成装置の全体的なエネルギー消費を低下させ、電池化成装置の化成処理コストを低下させる。
【0058】
いくつかの実施例では、任意選択的に、一つの第1のDC-DC変換モジュール、一つの付加電源及び一つの制御回路は、一組の充放電アセンブリを構成し、一組の充放電アセンブリは、一つの電池ユニットに対応する。電池ユニットは、一つ又は複数の電池セルを含む。一組の充放電アセンブリによって単一の電池ユニットに対して化成処理を行うことで、他の電池ユニットの化成過程による本電池ユニットの化成過程への干渉を避けることができ、この電池ユニットの容量検出の精度の向上に有利である。
【0059】
いくつかの実施例では、任意選択的に、一組の充放電アセンブリは、一つの電池ユニットに対応し、そして制御回路130は、第1の制御スイッチ131と第2の制御スイッチ132とを含む。
【0060】
図8を参照すると、図8は、本出願のいくつかの実施例の電池化成装置の構造概略図である。図8に示すように、第1のDC-DC変換モジュール110の低圧端111の第1のサブ端は、電池ユニット200の第1の極と電気的に接続されるために用いられ、第1の制御スイッチ131の第1の端は、第1のDC-DC変換モジュール110の低圧端111の第2のサブ端及び付加電源の第2の極と電気的に接続されるために用いられ、第1の制御スイッチ131の第2の端は、電池ユニット200の第2の極及び第2の制御スイッチ132の第2の端と電気的に接続されるために用いられ、第2の制御スイッチ132の第1の端は、付加電源120の第1の極と電気的に接続されるために用いられる。ここで、第1の極は、正極であり、第2の極は、負極であり、又は、第1の極は、負極であり、第2の極は、正極である。
【0061】
電池ユニット200が電池化成装置100に放電する時、第1の制御スイッチ131の第1の端と第1の制御スイッチ131の第2の端とは接続されておらず、第2の制御スイッチ132の第1の端と第2の制御スイッチ132の第2の端とは接続されている。換言すれば、電池ユニット200が電池化成装置100に放電する時、第1の制御スイッチ131はオフ状態にあり、第2の制御スイッチ132はオン状態にあることによって、電池ユニット200、第1のDC-DC変換モジュール110の低圧端111及び付加電源120を直列接続させ、そして付加電源120と電池ユニット200とは極性が同じであり、付加電源120と電池ユニット200とは極性が同じである電圧を出力することができる。
【0062】
さらに任意選択的に、電池ユニット200が電池化成装置100に放電する時、そして電池ユニット200の出力電圧が第1の電圧閾値よりも低い時、第1の制御スイッチ131をオフ状態にし、第2の制御スイッチ132をオン状態にする。
【0063】
さらに任意選択的に、電池化成装置100が電池ユニット200を充電する時、又は電池ユニット200が電池化成装置100に放電するが、電池ユニット200の出力電圧が第1の電圧閾値以上である時、第1の制御スイッチ131をオン状態にし、第2の制御スイッチ132をオフ状態にする。それにより電池ユニット200と第1のDC-DC変換モジュール110の低圧端111とのみを直列接続する。
【0064】
本実施例における実施形態を採用し、一組の充放電アセンブリは一つの電池ユニットに対応し、第1の制御スイッチ及び第2の制御スイッチによって充放電回路への付加電源の投入を制御し、電池化成装置の構造をさらに簡略化し、化成コストを節約する。
【0065】
いくつかの実施例では、任意選択的に、一組の充放電アセンブリは、一つの電池ユニットに対応し、制御回路130は、第1の制御スイッチ131と第2の制御スイッチ132とを含む。
【0066】
図9を参照すると、図9は、本出願のいくつかの実施例の電池化成装置の構造概略図である。図9に示すように、第1のDC-DC変換モジュール110の低圧端111の第1のサブ端は、電池ユニット200の第1の極と電気的に接続されるために用いられ、第1の制御スイッチ131の第1の端は、第1のDC-DC変換モジュール110の低圧端111の第2のサブ端及び第2の制御スイッチ132の第1の端と電気的に接続されるために用いられ、第1の制御スイッチ131の第2の端は、電池ユニット200の第2の極及び付加電源120の第1の極と電気的に接続されるために用いられ、第2の制御スイッチ132の第2の端は、付加電源120の第2の極と電気的に接続されるために用いられる。ここで、第1の極は、正極であり、第2の極は、負極であり、又は、第1の極は、負極であり、第2の極は、正極である。
【0067】
電池ユニット200が電池化成装置100に放電する時、第1の制御スイッチ131の第1の端と第1の制御スイッチ131の第2の端とは接続されておらず、第2の制御スイッチ132の第1の端と第2の制御スイッチ132の第2の端とは接続されている。換言すれば、電池ユニット200が電池化成装置100に放電する時、第1の制御スイッチ131はオフ状態にあり、第2の制御スイッチ132はオン状態にあることによって、電池ユニット200、第1のDC-DC変換モジュール110の低圧端111及び付加電源120を直列接続させ、そして付加電源120と電池ユニット200とは極性が同じであり、付加電源120と電池ユニット200とは極性が同じである電圧を出力することができる。
【0068】
さらに任意選択的に、電池ユニット200が電池化成装置100に放電する時、そして電池ユニット200の出力電圧が第1の電圧閾値よりも低い時、第1の制御スイッチ131をオフ状態にし、第2の制御スイッチ132をオン状態にする。
【0069】
さらに任意選択的に、電池化成装置100が電池ユニット200を充電する時、又は電池ユニット200が電池化成装置100に放電するが、電池ユニット200の出力電圧が第1の電圧閾値以上である時、第1の制御スイッチ131をオン状態にし、第2の制御スイッチ132をオフ状態にする。それにより電池ユニット200と第1のDC-DC変換モジュール110の低圧端111とのみを直列接続する。
【0070】
本実施例における実施形態を採用し、一組の充放電アセンブリは一つの電池ユニットに対応し、第1の制御スイッチ及び第2の制御スイッチによって充放電回路への付加電源の投入を制御し、電池化成装置の構造をさらに簡略化し、化成コストを節約する。
【0071】
いくつかの実施例では、任意選択的に、一組の充放電アセンブリは、一つの電池ユニットに対応し、制御回路130は、第3の制御スイッチ133を含む。
【0072】
図10を参照すると、図10は、本出願のいくつかの実施例の電池化成装置の構造概略図である。図10に示すように、第1のDC-DC変換モジュール110の低圧端111の第1のサブ端は、電池ユニット200の第1の極と電気的に接続されるために用いられ、第3の制御スイッチ133の第1の端は、第1のDC-DC変換モジュール110の低圧端111の第2のサブ端と電気的に接続されるために用いられ、第3の制御スイッチの第2の端は、電池ユニット200の第2の極及び付加電源120の第1の極と電気的に接続されるために用いられ、第3の制御スイッチ133の第3の端は、付加電源の第2の極と電気的に接続されるために用いられる。ここで、第1の極は、正極であり、第2の極は、負極であり、又は、第1の極は、負極であり、第2の極は、正極である。
【0073】
電池ユニット200が電池化成装置100に放電する時、第3の制御スイッチ133の第1の端と第3の制御スイッチ133の第2の端とは接続されておらず、第3の制御スイッチ133の第1の端と第3の制御スイッチ133の第3の端とは接続されている。
【0074】
本実施例における実施形態を採用し、一組の充放電アセンブリは一つの電池ユニットに対応し、一つの第3の制御スイッチによって充放電回路への付加電源の投入を制御することができ、電池化成装置の構造をさらに簡略化し、電池化成装置の素子の数を減少し、化成コストを節約する。
【0075】
いくつかの実施例では、任意選択的に、一組の充放電アセンブリは、複数の電池ユニットに対応し、この複数の電池ユニットは具体的には、第1の電池ユニット及び第2の電池ユニットである。ここで、第1の電池ユニット及び第2の電池ユニットに含まれる電池セルの数及び電池セルの接続方式は同じであってもよく、異なってもよい。一組の充放電アセンブリによって複数の電池ユニットに対して化成処理を行うことで、充放電アセンブリの利用率を効果的に向上させ、電池化成装置のエネルギー消費及びコストを節約する。
【0076】
いくつかの実施例では、任意選択的に、一組の充放電アセンブリは、第1の電池ユニット及び第2の電池ユニットに対応する。制御回路130は、第1の制御スイッチ131と第2の制御スイッチ132とを含む。
【0077】
図11を参照すると、図11は、本出願のいくつかの実施例の電池化成装置の構造概略図である。図11に示すように、第1のDC-DC変換モジュール110の低圧端111の第1のサブ端は、第1の電池ユニット210の第1の極と電気的に接続されるために用いられ、第1のDC-DC変換モジュール110の低圧端111の第2のサブ端は、第2の電池ユニット220の第2の極と電気的に接続されるために用いられ、第1の制御スイッチ131の第1の端は、第1の電池ユニット210の第2の極及び付加電源120の第1の極と電気的に接続されるために用いられ、第1の制御スイッチ131の第2の端は、第2の電池ユニット220の第1の極及び第2の制御スイッチ132の第2の端と電気的に接続されるために用いられ、第2の制御スイッチ132の第1の端は、付加電源の第2の極と電気的に接続されるために用いられる。
【0078】
第1の電池ユニット210及び/又は第2の電池ユニット220が電池化成装置100に放電する時、第1の制御スイッチ131の第1の端と第1の制御スイッチ131の第2の端とは接続されておらず、第2の制御スイッチ132の第1の端と第2の制御スイッチ132の第2の端とは接続されていることによって、第1の電池ユニット210、付加電源120及び第2の電池ユニット220を直列接続し、そして、第1の電池ユニット210、付加電源120及び第2の電池ユニット220の極性が同じであり、第1の電池ユニット210、付加電源120及び第2の電池ユニット220により出力される電圧が重畳された後に第1のDC-DC変換モジュール110の低圧端に入力される。
【0079】
さらに任意選択的に、第1の電池ユニット210及び/又は第2の電池ユニット220が電池化成装置100に放電する時、そして第1の電池ユニット210及び第2の電池ユニット220の出力電圧の合計が第1の電圧閾値よりも低い時、第1の制御スイッチ131をオフ状態にし、第2の制御スイッチ132をオン状態にする。
【0080】
さらに任意選択的に、電池ユニット200が第1の電池ユニット210及び/又は第2の電池ユニット220を充電する時、又は第1の電池ユニット210及び/又は第2の電池ユニット220が電池化成装置100に放電するが、第1の電池ユニット210及び第2の電池ユニット220の出力電圧の合計が第1の電圧閾値以上である時、第1の制御スイッチ131をオン状態にし、第2の制御スイッチ132をオフ状態にする。それにより第1の電池ユニット210、第2の電池ユニット220と第1のDC-DC変換モジュール110の低圧端111とのみを直列接続する。
【0081】
本実施例における実施形態を採用し、一組の充放電アセンブリは第1の電池ユニット及び第2の電池ユニットに対応し、第1の制御スイッチ及び第2の制御スイッチによって充放電回路への付加電源の投入を制御し、電池化成装置の構造を簡略化し、化成コストを節約し、そして、第1の制御スイッチ及び第2の制御スイッチが二つの電池ユニットの間に設置され、接続導線の長さを効果的に減少し、電池化成装置のコストを節約することができる。
【0082】
いくつかの実施例では、任意選択的に、一組の充放電アセンブリは、第1の電池ユニット及び第2の電池ユニットに対応する。制御回路130は、第1の制御スイッチ131と第2の制御スイッチ132とを含む。
【0083】
図12を参照すると、図12は、本出願のいくつかの実施例の電池化成装置の構造概略図である。図12に示すように、第1のDC-DC変換モジュール110の低圧端111の第1のサブ端は、第1の電池ユニット210の第1の極と電気的に接続されるために用いられ、第1のDC-DC変換モジュール110の低圧端111の第2のサブ端は、第2の電池ユニット220の第2の極と電気的に接続されるために用いられ、第1の制御スイッチ131の第1の端は、第1の電池ユニット210の第2の極及び第2の制御スイッチ132の第1の端と電気的に接続されるために用いられ、第1の制御スイッチ131の第2の端は、付加電源120の第2の極及び第2の電池ユニット220の第1の極と電気的に接続されるために用いられ、第2の制御スイッチ132の第2の端は、付加電源120の第1の極と電気的に接続されるために用いられ、
第1の電池ユニット210及び/又は第2の電池ユニット220が電池化成装置100に放電する時、第1の制御スイッチ131の第1の端と第1の制御スイッチ131の第2の端とは接続されておらず、第2の制御スイッチ132の第1の端と第2の制御スイッチ132の第2の端とは接続されている。即ち第1の電池ユニット210及び/又は第2の電池ユニット220が電池化成装置100に放電する時、第1の制御スイッチ131はオフにされ、第2の制御スイッチ132はオンにされる。
【0084】
さらに任意選択的に、第1の電池ユニット210及び/又は第2の電池ユニット220が電池化成装置100に放電する時、そして第1の電池ユニット210及び第2の電池ユニット220の出力電圧の合計が第1の電圧閾値よりも低い時、第1の制御スイッチ131をオフ状態にし、第2の制御スイッチ132をオン状態にする。
【0085】
さらに任意選択的に、電池ユニット200が第1の電池ユニット210及び/又は第2の電池ユニット220を充電する時、又は第1の電池ユニット210及び/又は第2の電池ユニット220が電池化成装置100に放電するが、第1の電池ユニット210及び第2の電池ユニット220の出力電圧の合計が第1の電圧閾値以上である時、第1の制御スイッチ131をオン状態にし、第2の制御スイッチ132をオフ状態にする。それにより第1の電池ユニット210、第2の電池ユニット220と第1のDC-DC変換モジュール110の低圧端111とのみを直列接続する。
【0086】
本実施例における実施形態を採用し、一組の充放電アセンブリは第1の電池ユニット及び第2の電池ユニットに対応し、第1の制御スイッチ及び第2の制御スイッチによって充放電回路への付加電源の投入を制御し、電池化成装置の構造を簡略化し、化成コストを節約し、そして、第1の制御スイッチ及び第2の制御スイッチが二つの電池ユニットの間に設置され、接続導線の長さを効果的に減少し、電池化成装置のコストを節約することができる。
【0087】
いくつかの実施例では、任意選択的に、一組の充放電アセンブリは、第1の電池ユニット及び第2の電池ユニットに対応する。制御回路130は、第3の制御スイッチ133を含む。
【0088】
図13を参照すると、図13は、本出願のいくつかの実施例の電池化成装置の構造概略図である。図13に示すように、第1のDC-DC変換モジュール110の低圧端111の第1のサブ端は、第1の電池ユニット210の第1の極と電気的に接続されるために用いられ、第1のDC-DC変換モジュール110の低圧端111の第2のサブ端は、第2の電池ユニット220の第2の極と電気的に接続されるために用いられ、第3の制御スイッチ133の第1の端は、第1の電池ユニット210の第2の極と電気的に接続されるために用いられ、第3の制御スイッチ133の第2の端は、付加電源120の第1の極と電気的に接続されるために用いられ、第3の制御スイッチ133の第3の端は、第2の電池ユニット220の第1の極と電気的に接続されるために用いられる。
【0089】
第1の電池ユニット210及び/又は第2の電池ユニット220が電池化成装置100に放電する時、第3の制御スイッチ133の第1の端と第3の制御スイッチの第2の端とは接続されていることで、第1の電池ユニット210、付加電源120及び第2の電池ユニット220を直列接続し、そして、第1の電池ユニット210、付加電源120及び第2の電池ユニット220により出力される電圧の極性が一致し、第1の電池ユニット210、付加電源120及び第2の電池ユニット220により出力される電圧が重畳された後に第1のDC-DC変換モジュール110の低圧端111に入力される。
【0090】
さらに任意選択的に、第1の電池ユニット210及び/又は第2の電池ユニット220が電池化成装置100に放電する時、そして第1の電池ユニット210及び第2の電池ユニット220の出力電圧の合計が第1の電圧閾値よりも低い時、第3の制御スイッチ133の第1の端と第3の制御スイッチの第2の端とは接続されている。
【0091】
さらに任意選択的に、電池ユニット200が第1の電池ユニット210及び/又は第2の電池ユニット220を充電する時、又は第1の電池ユニット210及び/又は第2の電池ユニット220が電池化成装置100に放電するが、第1の電池ユニット210及び第2の電池ユニット220の出力電圧の合計が第1の電圧閾値以上である時、第3の制御スイッチ133の第1の端と第3の制御スイッチの第3の端とをつなぐことによって、第1の電池ユニット210、第2の電池ユニット220と第1のDC-DC変換モジュール110の低圧端111とのみを直列接続する。
【0092】
本実施例における実施形態を採用すると、一組の充放電アセンブリは第1の電池ユニット及び第2の電池ユニットに対応し、一つの制御スイッチによって充放電回路への付加電源の投入を制御し、電池化成装置に含まれる素子の数をさらに減少し、化成コストを節約し、そして、第3の制御スイッチが二つの電池ユニットの間に設置され、接続導線の長さを効果的に減少し、電池化成装置のコストを節約することができる。
【0093】
いくつかの実施例では、任意選択的に、付加電源は具体的には、第2のDC-DC変換モジュールである。
【0094】
図14を参照すると、図14は、本出願のいくつかの実施例の電池化成装置の構造概略図である。図14に示すように、第2のDC-DC変換モジュール120の高圧端122は、直流母線140と電気的に接続されるために用いられ、第2のDC-DC変換モジュール120の低圧端121は、制御回路130と電気的に接続されるために用いられる。
【0095】
電池ユニット200が電池化成装置100に放電する時、制御回路130は、第2のDC-DC変換モジュール120の低圧端121、第1のDC-DC変換モジュールの低圧端111及び電池ユニット200を直列接続するために用いられる。そして、電池ユニット200が電池化成装置100に放電する時、第2のDC-DC変換モジュール120の低圧端121により出力される電圧の極性が電池ユニットにより出力される電圧の極性と一致することによって、第2のDC-DC変換モジュール120の低圧端121により出力される電圧と電池ユニットにより出力される電圧とが重畳された後に第1のDC-DC変換モジュールの低圧端111に入力され、第1のDC-DC変換モジュールの入力電圧を向上させ、第1のDC-DC変換モジュールの入力電圧が第1のDC-DC変換モジュールの最低入力電圧閾値よりも小さいという弊害の発生を避ける。
【0096】
本実施例における実施形態を採用し、第2のDC-DC変換モジュールを付加電源とし、一方では、電池ユニットが電池化成装置に放電する時、第2のDC-DC変換モジュールの低圧端により出力される電圧と電池ユニットにより出力される電圧とが重畳された後に第1のDC-DC変換モジュールの低圧端に入力され、第1のDC-DC変換モジュールの入力電圧を向上させ、第1のDC-DC変換モジュールの入力電圧が第1のDC-DC変換モジュールの最低入力電圧閾値よりも小さいという弊害の発生を避け、他方では、第2のDC-DC変換モジュールは、電力消費が低く、体積が小さいという特徴を有することによって、電池化成装置のエネルギー消費を低下させ、電池化成装置の体積を減少することに有利である。
【0097】
いくつかの実施例では、任意選択的に、電池化成装置100は、AC-DC変換モジュール160をさらに含む。
【0098】
図15を参照すると、図15は、本出願のいくつかの実施例の電池化成装置の構造概略図である。図15に示すように、AC-DC変換モジュール160の交流端161は、電力網と電気的に接続されるために用いられ、AC-DC変換モジュール160の直流端162は、直流母線140と電気的に接続されるために用いられる。
【0099】
AC-DC変換モジュール160は、電池ユニット200が電池化成装置100に放電する時、AC-DC変換モジュール160の直流端162により入力される直流電圧を交流電圧に変換し、AC-DC変換モジュール160の交流端161によって交流電圧を電力網に出力するために用いられ、そしてAC-DC変換モジュール160は、電池ユニット200が電池化成装置100に放電する時、AC-DC変換モジュール160の交流端161により入力される交流電圧を直流電圧に変換し、AC-DC変換モジュールの直流端162によって直流電圧を直流母線に出力するために用いられる。
【0100】
本実施例における実施形態を採用し、電池化成装置においてAC-DC変換モジュールを設置することで、電力網の交流電を直流電に変換し、電池ユニットの充電に用いることができ、さらに電池ユニットにより出力される直流電を交流電に変換して電力網に出力することができ、それにより本電池化成装置を交流電のシナリオに適用させ、電池化成装置の使用範囲を拡大することができる。
【0101】
いくつかの実施例では、任意選択的に、電池化成装置100は、第1のDC-DC変換モジュール110と、第2のDC-DC変換モジュール120と、第1の制御スイッチ131と、第2の制御スイッチ132と、直流母線140と、AC-DC変換モジュール160と、を含む。
【0102】
図16を参照すると、図16は、本出願のいくつかの実施例の電池化成装置の構造概略図である。図16に示すように、第1のDC-DC変換モジュール110の低圧端の第1のサブ端は、電池ユニットの第1の極と電気的に接続され、第1のDC-DC変換モジュール110の低圧端の第2のサブ端は、第1の制御スイッチの第1の端、第2のDC-DC変換モジュール120の低圧端の第1のサブ端と電気的に接続され、第2のDC-DC変換モジュール120の低圧端の第2のサブ端は、第2の制御スイッチ132の第1の端と電気的に接続され、第2の制御スイッチ132の第2の端は、電池ユニット200の第2の極と電気的に接続され、第1の制御スイッチ131の第2の端は、電池ユニット200の第2の極と電気的に接続される。ここで、第2のDC-DC変換モジュール120の低圧端の極性は、電池ユニットの極性と一致し、第1のDC-DC変換モジュール110の高圧端112、第2のDC-DC変換モジュール120の高圧端122及びAC-DC変換モジュール160の直流端162は、直流母線と電気的に接続され、AC-DC変換モジュール160の交流端161は、電力網と電気的に接続される。
【0103】
電池ユニット200が電池化成装置100に放電する時、電池ユニット200により出力される電圧が第1の電圧閾値よりも小さければ、第1の制御スイッチ131はオフにされ、第2の制御スイッチ132はオンにされることによって、電池ユニット200、第1のDC-DC変換モジュール110の低圧端、第2のDC-DC変換モジュール120の低圧端を直列接続し、ここで、第1のDC-DC変換モジュール110の低圧端は電力消費装置であり、第1のDC-DC変換モジュール110の低圧端は入力端であり、第2のDC-DC変換モジュール120の低圧端は給電装置であり、第2のDC-DC変換モジュール120の低圧端は出力端であり、そして第2のDC-DC変換モジュール120の低圧端121の極性は電池ユニット200の極性と一致することによって、電池ユニット200により出力される電圧と第2のDC-DC変換モジュール120の低圧端121により出力される電圧とが重畳された後に第1のDC-DC変換モジュール110の低圧端111に入力され、第1のDC-DC変換モジュール110の入力端の電圧を向上させ、第1のDC-DC変換モジュール110の入力端の電圧が第1のDC-DC変換モジュール110の入力電圧制限よりも低いという弊害の発生を避ける。そして、第1のDC-DC変換モジュールは、低圧端により入力される電圧を昇圧した後に高圧端112によって直流母線に出力する。直流母線は、電圧をAC-DC変換モジュール160の直流端162に入力し、AC-DC変換モジュール160は、直流電を交流電に変換した後に、交流端161を介して電力網に伝送する。電力網に接続される容量検出機器は、電池ユニットの容量情報を得ることができる。
【0104】
電池化成装置100が電池ユニット200を充電する時、又は電池ユニット200が電池化成装置100に放電し、そして電池ユニット200により出力される電圧が第1の電圧閾値以上である時、第1の制御スイッチ131がオンにされ、そして第2の制御スイッチ132がオンにされ、電池ユニット200と第1のDC-DC変換モジュール110とが直列接続される。AC-DC変換モジュール160は、電力網の交流電圧を直流電圧に変換した後に直流母線に出力し、直流母線は、続いて電圧を第1のDC-DC変換モジュール110の高圧端112に伝送し、降圧処理した後に低圧端111を介して電圧を出力し、この出力電圧は、電池ユニットの充電に用いられる。
【0105】
本出願のいくつかの実施例によれば、図17を参照する。図17は、本出願のいくつかの実施例の電池化成装置の制御方法のフローチャートである。
【0106】
図17に示すように、この制御方法は、以下のステップを含む。
【0107】
ステップS1710、電池ユニット放電制御命令を受信する。
【0108】
電池化成装置は、ミドルコンピュータからの制御命令を受信することができ、この制御命令は具体的には、放電制御命令及び充電制御命令であってもよい。ここで、放電制御命令は、電池ユニットを電池化成装置に放電させるために用いられ、充電制御命令は、電池化成装置が電池ユニットを充電するようにさせるために用いられる。
【0109】
任意選択的に、ミドルコンピュータにより送信される充電モード情報を受信することもでき、この充電モード情報は具体的には、電池ユニットの充電モードを指示し、この充電モードは、定電流モード又は定電圧モードであってもよい。
【0110】
任意選択的に、ミドルコンピュータにより送信される充電又は放電の時間制限パラメータを受信することもできる。この時間制限パラメータは、電池ユニットの充電又は放電の時間範囲を指示した。
【0111】
任意選択的に、ミドルコンピュータにより送信される電流精度パラメータを受信してもよく、この電流精度パラメータは、充電又は放電過程における電流の精度範囲を指示した。
【0112】
ステップS1720、電池化成装置における第1のDC-DC変換モジュールの低圧端、電池ユニット及び付加電源を直列接続するように制御し、そして電池ユニットが電池化成装置に放電するように制御する。
【0113】
電池化成装置は、放電制御命令を受信した後に、電池化成装置における第1のDC-DC変換モジュールの低圧端、電池ユニット及び付加電源を直列接続するように制御し、そして電池ユニットが電池化成装置に放電するように制御する。
【0114】
本実施例における実施形態を採用することで、ミドルコンピュータにより配信される放電制御命令にタイムリーに応答し、付加電源を、第1のDC-DC変換モジュールの低圧端及び電池ユニットによって構成される放電回路に直列接続することができ、それにより第1のDC-DC変換モジュールの低圧端に入力される電圧を向上させ、第1のDC-DC変換モジュールの低圧端に入力される電圧が第1のDC-DC変換モジュールの最低入力電圧閾値よりも小さくなることを避け、それにより電池ユニットにおける各電池セルを十分に放電させることができ、電池ユニットにおける各電池セルが十分に放電できないことにより電池ユニットの化成効果が悪く、また検出される電池容量の精度が悪いという技術的弊害を避ける。
【0115】
いくつかの実施例では、任意選択的に、この方法は、電池ユニットの出力電圧を検出し、電池ユニットの出力電圧が第1の電圧閾値よりも小さいことを検出すると、電池化成装置における第1のDC-DC変換モジュールの低圧端、電池ユニット及び付加電源を直列接続するように制御することをさらに含む。
【0116】
本実施例における実施形態を採用し、電池ユニットが放電状態にあり且つ電池ユニットの出力電圧が第1の電圧閾値よりも小さい場合にのみ、付加電源を起動し、付加電源を、第1のDC-DC変換モジュールの低圧端と電池ユニットとによって構成される放電回路に直列接続することで、電池化成装置の全体的なエネルギー消費を低下させ、電池化成装置の化成処理コストを低下させる。
【0117】
いくつかの実施例では、任意選択的に、この方法は、電池ユニットの出力電圧が第1の電圧閾値よりも小さいことを検出すると、電池化成装置におけるAC-DC変換モジュールを一時停止した後に、電池化成装置における第1のDC-DC変換モジュールの低圧端、電池ユニット及び付加電源を直列接続するように制御することと、電池化成装置における第1のDC-DC変換モジュールの低圧端、電池ユニット及び付加電源を直列接続するように制御した後に、AC-DC変換モジュールを再起動することと、をさらに含む。
【0118】
本実施例における実施形態を採用し、付加電源の投入が必要となることを確定する時、付加電源を、第1のDC-DC変換モジュールの低圧端及び電池ユニットによって構成される放電回路に直接に直列接続すると、第1のDC-DC変換モジュールに短期間のピーク電圧が生じ、それにより第1のDC-DC変換モジュールの耐用年数に影響を及ぼす。本実施例では、まずAC-DC変換モジュールを一時停止し、AC-DC変換モジュールが直流母線を介して第1のDC-DC変換モジュールに高電圧を継続的に出力することを避け、その後にさらに付加電源を、第1のDC-DC変換モジュールの低圧端及び電池ユニットによって構成される放電回路に直列接続することによって、第1のDC-DC変換モジュールに短期間のピーク電圧が生じることを避け、第1のDC-DC変換モジュールの耐用年数を延長する。
【0119】
いくつかの実施例では、任意選択的に、この方法は、電池ユニットの電池状態情報を収集して、ミドルコンピュータに電池状態情報をフィードバックすることをさらに含む。
【0120】
この電池状態情報は具体的には、ボード温度と、現在実行されている制御命令と、充放電モードと、実際の電流値と、のうちの少なくとも一つを含んでもよい。
【0121】
本実施例における実施形態を採用し、電池ユニットの電池状態情報をリアルタイムに収集してフィードバックすることで、電池ユニットの化成過程における状態をタイムリーに発見することを容易にし、異常状態をタイムリーに発見して異常状態にタイムリーに応答することを容易にする。
【0122】
いくつかの実施例では、任意選択的に、この方法は、電池化成装置が電池ユニットを充電する充電時間長が予め設定される時間長を超えるかどうかを判断し、そうであれば、ミドルコンピュータに警報情報を送信し、ミドルコンピュータが前記警報情報に基づいて送信する中止命令を受信し、電池化成装置におけるAC-DC変換モジュールを一時停止することをさらに含む。
【0123】
電池化成装置が電池ユニットを充電する充電時間長が予め設定される時間長を超えた後に、電池ユニットの充電時間が化成フローにより限定される時間をすでに超えたが、電池ユニットの電量がまだ需要を満たしていないことを表し、現在では故障モードに属することを表し、ミドルコンピュータに警報情報をタイムリーに送信し、ミドルコンピュータは、この警報情報に基づいて、AC-DC変換モジュールに対する出力を停止する命令を配信することで、AC-DC変換モジュールの出力を一時停止する。
【0124】
本実施例における実施形態を採用し、電池ユニットの充電時間長に基づいて電池ユニットに異常があるかどうかを確定し、電池ユニットに異常があると確定する場合にミドルコンピュータに警報情報をタイムリーに送信することで、電池ユニットの異常を処理することを容易にし、そして処理過程では、AC-DC変換モジュールの出力を中止し、一方では、電池ユニット及び電池化成装置の安全を保護し、他方では、電池化成装置のエネルギー消費を減少し、化成コストを節約する。
【0125】
いくつかの実施例では、任意選択的に、この方法は、電池ユニットの出力電圧が第2の電圧閾値を超えるかどうかを判断し、そうであれば、ミドルコンピュータに警報情報を送信し、ミドルコンピュータが警報情報に基づいて送信する中止命令を受信し、中止命令に基づいて電池ユニットの出力を一時停止することをさらに含む。
【0126】
電池ユニットが電池化成装置に充電する過程において、電池ユニットの出力電圧が第2の電圧閾値を超えることを検出すると、現在では異常状態にあることを表し、ミドルコンピュータに警報情報をタイムリーにフィードバックし、ミドルコンピュータが送信する中止命令に基づいて、電池ユニットの出力をタイムリーに中止する。
【0127】
本実施例における実施形態を採用し、電池ユニットの放電電圧に基づいて異常があるかどうかを確定し、異常があると確定する場合にミドルコンピュータに警報情報をタイムリーに送信することで、異常状態を処理することを容易にし、そして処理過程では、電池ユニットの出力を中止し、一方では、電池ユニット及び電池化成装置の安全を保護し、他方では、電池ユニットのエネルギー消費を減少し、化成コストを節約する。
【0128】
本出願のいくつかの実施例によれば、図18を参照する。図18は、本出願のいくつかの実施例による電池化成制御システムの構造概略図である。
【0129】
図18に示すように、電池化成制御システム400は、電池化成装置100と、ミドルコンピュータ300と、を含む。ミドルコンピュータ300と電池化成装置100とは通信接続を確立した。
【0130】
ここで、ミドルコンピュータ300は、電池化成装置100に充電制御命令又は放電制御命令を送信するために用いられ、
電池化成装置100は、放電制御命令に基づいて、電池ユニット200が電池化成装置100に放電するように制御するために用いられ、又は、電池化成装置100は、充電制御命令に基づいて、電池化成装置100が電池ユニット200を充電するように制御するために用いられる。
【0131】
ここで、電池化成装置100の具体的な構造及び実施過程は、他の実施例における該当する部分の記述を参照してもよく、ここでこれ以上説明しない。
【0132】
最後に説明すべきこととして、上記の各実施例は、本出願の技術案を説明するためのみに用いられ、それを制限するものではなく、前述した各実施例を参照して本出願を詳細に説明したが、当業者であれば理解できるように、前述した各実施例に記載の技術案を依然として変更し、又はそのうちの一部又は全部の技術的特徴を同等に置換することが可能であり、これらの変更又は置換は、対応する技術案の本質を本出願の各実施例の技術案の範囲から逸脱させないものであり、本出願の請求の範囲及び明細書の範囲に包含されるべきである。特に、構造上の矛盾がない限り、各実施例で言及される各技術的特徴はいずれも、任意の方法で組み合わせることができる。本出願は、本明細書に開示される特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に含まれる全ての技術案を含む。
【0133】
具体的な実施形態における図面記号は以下のとおりである。
【符号の説明】
【0134】
100…電池化成装置
110…第1のDC-DC変換モジュール
111…第1のDC-DC変換モジュールの低圧端
112…第1のDC-DC変換モジュールの高圧端
120…付加電源
130…制御回路
131…第1の制御スイッチ
132…第2の制御スイッチ
133…第3の制御スイッチ
140…直流母線
150…検出モジュール
160…AC-DC変換モジュール
161…AC-DC変換モジュールの交流端
162…AC-DC変換モジュールの直流端
200…電池ユニット
210…第1の電池ユニット
220…第2の電池ユニット
300…ミドルコンピュータ
400…電池制御システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18