(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-21
(45)【発行日】2024-01-04
(54)【発明の名称】耳装着式双方向無線システム
(51)【国際特許分類】
H04R 1/10 20060101AFI20231222BHJP
【FI】
H04R1/10 104A
H04R1/10 104E
H04R1/10 101A
(21)【出願番号】P 2023538884
(86)(22)【出願日】2021-10-26
(86)【国際出願番号】 US2021072025
(87)【国際公開番号】W WO2022094545
(87)【国際公開日】2022-05-05
【審査請求日】2023-06-22
(32)【優先日】2020-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523152444
【氏名又は名称】ミッドランド・ラジオ・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100210398
【氏名又は名称】横尾 太郎
(72)【発明者】
【氏名】ラッカ,ガイ
(72)【発明者】
【氏名】ダーデン,ウィル
【審査官】中嶋 樹理
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第210724784(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2004/0052363(US,A1)
【文献】特開2003-274477(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0237433(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユニットを備える近距離通信システムであって、各前記ユニットは、
外側部および内側部を有しそれらの間にハブ空洞を画定するハブであり、前記内側部はスピーカ開口を有する、ハブと、
前記ハブ空洞内にあるスピーカであり、前記スピーカ開口に向けられた出力部を有する、スピーカと、
前記スピーカ開口が着用者の外耳道に向けられるような前記着用者の耳への選択的な取り付けのために前記ハブから延在する一次クリップであり、前記一次クリップは遠位セグメントおよび近位セグメントを有し、前記一次クリップ近位セグメントは前記一次クリップ遠位セグメントを前記ハブに接続し、前記ハブと前記一次クリップ遠位セグメントとの間の距離が可変的であるように、前記一次クリップ近位セグメントは弾性的に柔軟である、一次クリップと、
二次クリップであり、前記ハブ外側部が前記二次クリップと前記ハブ内側部との間にあるように、前記ハブ外側部から外方に向かって延在する、二次クリップと、
前記二次クリップ内にあるアンテナと、
マイクロホンと
を備える、
近距離通信システム。
【請求項2】
各前記ユニットは、
前記ハブ空洞内にある第1回路基板と、
前記一次クリップ遠位セグメント内にある第2回路基板と
を更に備える、
請求項1に記載の近距離通信システム。
【請求項3】
各前記ユニットは、前記ハブ外側部にプッシュトゥトークボタンを更に備え、
前記プッシュトゥトークボタンは、前記二次クリップによって隠されることがなく、
前記プッシュトゥトークボタンは、前記第1回路基板と通信する、
請求項2に記載の近距離通信システム。
【請求項4】
各前記ユニットは、
前記一次クリップ遠位セグメント内にあるバッテリと、
前記一次クリップ遠位セグメントに結合され、前記第2回路基板と通信する、ユーザ入力部と
を更に備える、
請求項3に記載の近距離通信システム。
【請求項5】
各前記ユニットにおいて、前記一次クリップが前記ハブの周りの軌道を回るように、前記一次クリップ近位セグメントは前記ハブに回転可能に結合される、
請求項4に記載の近距離通信システム。
【請求項6】
各前記ユニットにおいて、前記一次クリップが前記ハブの周りの軌道を回るように、前記一次クリップ近位セグメントは前記ハブに回転可能に結合される、
請求項1に記載の近距離通信システム。
【請求項7】
各前記ユニットにおいて、前記一次クリップ近位セグメントはネックを有し、
前記ハブは、
前記ハブ外側部にある外側筐体と、
前記ハブ内側部にある内側筐体と、
前記ネックが前記ハブに対して回転することを許容しつつ前記ネックを前記ハブにロックするように、前記外側筐体と前記内側筐体と成る群から選択される少なくとも1つのアイテムに締結されるネックロックと
を含む、
請求項1に記載の近距離通信システム。
【請求項8】
各前記ユニットにおいて、
前記ハブは、
前記ハブ外側部にある外側筐体と、
前記ハブ内側部にある内側筐体と
を含み、
第1回路基板は、前記ハブ空洞内にあり、
前記二次クリップは、アンテナ支持体とアンテナキャップとを含み、
前記アンテナ支持体は、前記二次クリップの内側部にあり、
前記アンテナキャップは、前記二次クリップの外側部にあり、
前記アンテナ支持体および前記アンテナキャップは、アンテナ空洞を画定し、
前記アンテナは、前記アンテナ空洞内にあり、
前記スピーカ、前記第1回路基板、前記外側筐体、および前記アンテナ支持体は、前記内側筐体と前記アンテナとの間にある、
請求項1に記載の近距離通信システム。
【請求項9】
各前記ユニットにおいて、前記第1回路基板は、
前記アンテナからの信号を反射し、前記ユニットが前記着用者によって着用されたときにこのような信号の全てが前記着用者の外耳道に到達することを防止する、固形状の銅の層、
を含む、
請求項8に記載の近距離通信システム。
【請求項10】
各前記ユニットは、
前記ハブ外側部にあり、前記二次クリップによって隠されることがなく、前記第1回路基板と通信する、プッシュトゥトークボタンと、
前記一次クリップ遠位セグメント内にある第2回路基板と、
前記一次クリップ遠位セグメント内にあるバッテリと、
前記一次クリップ遠位セグメントに結合され、前記第2の回路基板と通信する、ユーザ入力部と
を更に備え、
前記一次クリップが前記ハブの周りの軌道を回るように、前記一次クリップ近位セグメントは前記ハブに回転可能に結合される、
請求項8に記載の近距離通信システム。
【請求項11】
各前記ユニットにおいて、
前記ハブ内側部は、環状面と、その中の陥凹中央エリアとを有し、
前記スピーカ開口は、前記陥凹中央エリアにある、
請求項1に記載の近距離通信システム。
【請求項12】
各前記ユニットにおいて、
前記一次クリップの直径は前記近位セグメントおよび前記遠位セグメントに沿って漸次増大し、
前記直径は、前記遠位セグメントにおいて最大値を有する、
請求項1に記載の近距離通信システム。
【請求項13】
各前記ユニットと無線で通信するための送信機および受信機を有する携帯型無線装置を更に備える、
請求項1に記載の近距離通信システム。
【請求項14】
複数のユニットを備える双方向無線システムであって、
各前記ユニットは、
外側部および内側部を有してそれらの間にハブ空洞を画定し、前記内側部はスピーカ開口を有する、ハブと、
前記ハブ空洞内にあるスピーカであり、前記スピーカは前記スピーカ開口に向けられた出力部を有する、スピーカと、
前記スピーカ開口が着用者の外耳道に向けられるような前記着用者の耳への選択的な取り付けのために前記ハブから延在する、一次クリップと、
二次クリップであり、前記ハブ外側部が前記二次クリップと前記ハブ内側部との間にあるように、前記ハブ外側部から外方に向かって延在し、アンテナ支持体とアンテナキャップとを有し、前記アンテナ支持体は前記二次クリップの内側部にあり、前記アンテナキャップは前記二次クリップの外側部にあり、前記アンテナ支持体および前記アンテナキャップはアンテナ空洞を画定する、二次クリップと、
前記アンテナ空洞内にあるアンテナと、
マイクロホンと
を備える、
双方向無線システム。
【請求項15】
各前記ユニットは、前記アンテナと前記ハブ内側部との間に、前記アンテナからの信号を前記着用者の頭部から離れるように反射するための反射体を更に備える、
請求項14に記載の双方向無線システム。
【請求項16】
各前記ユニットは、
前記ハブ空洞内にある第1回路基板と、
前記一次クリップ内にある第2回路基板と、
前記一次クリップ内にあるバッテリと、
前記一次クリップに結合され、前記第2の回路基板と通信する、ユーザ入力部と
を更に備える、
請求項14に記載の双方向無線システム。
【請求項17】
各前記ユニットにおいて、前記一次クリップは前記ハブの周りの軌道を回る、
請求項14に記載の双方向無線システム。
【請求項18】
各前記ユニットにおいて、前記一次クリップはネックを有し、
前記ハブは、
前記ハブ外側部にある外側筐体と、
前記ハブ内側部にある内側筐体と、
前記ネックが前記ハブに対して回転することを許容しつつ前記ネックを前記ハブにロックするように、前記外側筐体と前記内側筐体とから成る群から選択される少なくとも1つのアイテムに締結されるネックロックと
を含む、
請求項14に記載の双方向無線システム。
【請求項19】
前記アンテナ支持体および前記アンテナキャップは一体に結合される、
請求項14に記載の双方向無線システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
[0001]本出願は、2020年10月26日出願の米国特許出願第63/105,735号の優先権を主張し、その出願の全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002]本開示は、概して、通信システムの分野に関する。より具体的には、本開示は、耳装着式の双方向無線システムに関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
[0003]以下において、本発明のいくつかの態様の基本的な理解を提供するために、本発明の単純化された概要を提示する。この概要は、本発明の広範な全体像ではない。これは、本発明の不可欠な要素を特定すること、または本発明の範囲を定めることを意図するものではない。その唯一の目的は、別の個所において提示される、より詳細な説明の前置きとして、本発明のいくつかの概念を単純化された形態で提示することである。
【0004】
[0004]実施形態によると、近距離通信システムは複数のユニットを含む。ユニットの各々は、ハブと、スピーカと、一次クリップと、二次クリップと、アンテナと、マイクロホンとを有する。ハブは、それらの間にハブ空洞を画定する外側部および内側部を有する。内側部はスピーカ開口を有する。スピーカはハブ空洞内にあり、スピーカはスピーカ開口に向けられた出力部を有する。一次クリップは、スピーカ開口が着用者の外耳道に向けられるような着用者の耳への選択的な取り付けのためにハブから延在する。一次クリップは遠位セグメントおよび近位セグメントを有し、一次クリップ近位セグメントは一次クリップ遠位セグメントをハブに接続する。ハブと一次クリップ遠位セグメントとの間の距離が可変的であるように、一次クリップ近位セグメントは弾性的に柔軟である。二次クリップは、ハブ外側部が二次クリップとハブ内側部との間にあるように、ハブ外側部から外方に向かって延在する。アンテナは二次クリップ内にある。
【0005】
[0005]別の実施形態によると、双方向無線システムは複数のユニットを含む。ユニットの各々は、ハブと、スピーカと、一次クリップと、二次クリップと、アンテナと、マイクロホンとを有する。ハブは、それらの間にハブ空洞を画定する外側部および内側部を有する。内側部はスピーカ開口を有する。スピーカはハブ空洞内にあり、スピーカはスピーカ開口に向けられた出力部を有する。一次クリップは、スピーカ開口が着用者の外耳道に向けられるような着用者の耳への選択的な取り付けのためにハブから延在する。二次クリップは、ハブ外側部が二次クリップとハブ内側部との間にあるように、ハブ外側部から外方に向かって延在する。二次クリップは、アンテナ支持体とアンテナキャップとを有し、アンテナ支持体は二次クリップの内側部にあり、アンテナキャップは二次クリップの外側部にある。アンテナ支持体およびアンテナキャップはアンテナ空洞を画定し、アンテナはアンテナ空洞内にある。
【0006】
[0006]本開示の例示的な実施形態が、以下において添付の図面を参照して詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】[0007]本開示の実施形態による、双方向無線ユニットの前面透視図である。
【
図2】[0008]
図1の双方向無線ユニットの後面透視図である。
【
図3A】[0009]明瞭さのためにいくつかの要素が省略された
図1の双方向無線ユニットの部分的分解図である。
【
図3B】[0010]明瞭さのためにいくつかの要素が省略された
図1の双方向無線ユニットの一部の分解図である。
【
図4】[0011]
図1の双方向無線ユニットの前面図である。
【
図5】[0012]
図1の双方向無線ユニットの後面図である。
【
図6】[0013]
図1の双方向無線ユニットの端面図である。
【
図7】[0014]
図1の双方向無線ユニットの反対側の端面図である。
【
図8】[0015]
図1の双方向無線ユニットの上面図である。
【
図9】[0016]
図1の双方向無線ユニットの底面図である。
【
図10A】[0017]
図1の双方向無線ユニットの外側筐体の透視図である。
【
図10B】[0018]
図1の双方向無線ユニットの外側筐体の反対側の透視図である。
【
図11A】[0019]
図1の双方向無線ユニットの内側筐体の透視図である。
【
図11B】[0020]
図1の双方向無線ユニットの内側筐体の反対側の透視図である。
【
図12A】[0021]
図1の双方向無線ユニットの支持ブリッジの透視図である。
【
図12B】[0022]
図1の双方向無線ユニットの支持ブリッジの反対側の透視図である。
【
図13A】[0023]
図1の双方向無線ユニットのネックロックの透視図である。
【
図13B】[0024]
図1の双方向無線ユニットのネックロックの反対側の透視図である。
【
図14A】[0025]
図1の双方向無線ユニットの一次クリップの遠位セグメントの分解透視図である。
【
図14B】[0026]
図1の双方向無線ユニットの一次クリップの遠位セグメントの反対側の分解透視図である。
【
図15】[0027]
図1の双方向無線ユニットの一次クリップの近位セグメントの分解図である。
【
図16A】[0028]
図1の双方向無線ユニットの二次クリップの分解透視図である。
【
図16B】[0029]
図1の双方向無線ユニットの二次クリップの反対側の分解透視図である。
【
図17】[0030]
図1の双方向無線ユニットのブロック図である。
【
図18】[0031]本開示の実施形態による、
図1の双方向無線ユニットを有する近距離通信システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[0032]
図1~
図18は、耳装着式の双方向無線ユニットを有する近距離通信システムを開示する。実施形態100による双方向無線装置は、ハブ110と、一次クリップ130と、二次クリップ150と、様々な電子コンポーネント(例えば、第1の回路基板201、スピーカ203、マイクロホン205、プッシュトゥトークボタン207、第2の回路基板209、スイッチ、ボタン、ノブなどのユーザ入力部211、バッテリ213、および/またはアンテナ215)とを含む。
【0009】
[0033]ハブ110は、外側部111aおよび内側部111bを有し、それらの間にハブ空洞112を画定する。実施形態100において、ハブ110は、外側部111aに外側筐体113を有し、内側部111bに内側筐体115を有する。内側部111bは、少なくとも1つのスピーカ開口116を有し、(
図5および
図11Aにおいて図示されるように)内側部111bは、環状面117と、その中の陥凹中央エリア118とを有し得、陥凹中央エリア118は、スピーカ開口116の少なくともいくつかを含む。外側筐体113および内側筐体115は、任意の適切な材料(例えば、プラスチック、複合材料、金属、および/またはゴムなど)で構成され得、副次的部分を含み得、任意の適切な締結具および技術(例えば、クリップ、ねじ、および/または接着剤など)によって一体に結合され得る。
【0010】
[0034]以下において更に詳細に論じられるように、一次クリップ130をハブ110にロックするために、ネックロック122(
図3A、
図4、
図13Aおよび
図13B)が外側筐体113および/または内側筐体115に(例えば、クリップ、ねじ、および/または接着剤などを介して)締結されることが特に望ましい。
【0011】
[0035]支持ブリッジ126(
図3A、
図12Aおよび
図12B)は、ハブ外側部111aにおいてハブ110の内側の如何なるコンポーネントからも干渉されることなくプッシュトゥトークボタン207がアクセス可能であるようにプッシュトゥトークボタン207を支持するためにハブ空洞112内に設置され得る。例えば、プッシュトゥトークボタン207は、外側筐体113の柔軟エリア113aにおいてアクセス可能であり得る。または、別の言い方をすれば、柔軟エリア113aは、プッシュトゥトークボタン207のユーザインタフェースを定め得る。
【0012】
[0036]
図3Aにおいて図示されるように、スピーカ203は、スピーカ203の出力部がスピーカ開口116に向けられるようにハブ空洞112内に設置され、第1の回路基板201は、ハブ空洞112内でスピーカ203とハブ外側部111aとの間に設置される。
【0013】
[0037]一次クリップ130は、スピーカ開口116が着用者の外耳道に向けられるような着用者の耳への選択的な取り付けのためにハブ110から延在する。実施形態100において、一次クリップ130は遠位セグメント132および近位セグメント136を有する。
図4において図示されるように、一次クリップ130の直径Dは近位および遠位セグメント136、132に沿って漸次増大し、直径Dは、遠位セグメント132において最大値を有することが特に望ましい。
図4において図示されるように、一次クリップ130の近い側131aおよび遠い側131bの両方は、全体的に、近位および遠位セグメント136、132の少なくとも一部分に沿って弓形状を有し得、遠い側131bの弓形状は近い側131aの弓形状よりも大きな半径を有し、各弓形状の中心点は、互いにずれている。
【0014】
[0038]遠位セグメント132は、空洞133を画定し、先ず少なくとも2つの部品として形成され、これらは恒久的にまたは分離可能に(例えば、クリップ、ねじ、および/または接着剤などを介して)一体に取り付けられ得る。様々なコンポーネント、例えば、第2の回路基板209およびバッテリ213が、空洞133内に収容され得る。また、他のコンポーネント(例えば、ユーザ入力部211)が、遠位セグメント132から延在し得、および任意選択的に空洞133内に延在し得る。第1および第2の回路基板201、209の両方を含むことによって、ただ1つの(より大きな)回路基板を有する実施形態と比べて、ハブ110の大きさが低減され得る。加えて、第2の回路基板209およびバッテリ213を遠位セグメント132に置くことは、ユーザにとって向上された重量バランスを提供し得る。遠位セグメント132に含まれ得る他の(非排他的な)例示的コンポーネントとしては、充電デバイスに対してユニット100を方向付けるための方向付け磁石221、および充電デバイスからバッテリ213にエネルギーを転送するための充電コンポーネント(例えば、接点)223などがある。遠位セグメント132は全体的に剛性であることが特に望ましいが、ゴム被覆または他の適切な被覆が、オーバーモールド、ディッピング、または他の製造プロセス(現在知られているものであるかまたは将来開発されるものであるかにかかわらず)を通じて施され得る。
【0015】
[0039]近位セグメント136は、遠位セグメント132をハブ110に接続し、好ましくは、ハブ110と一次クリップ遠位セグメント132との間の距離が可変的であるように、弾性的に柔軟である。このような弾性的な柔軟性を可能とするために、近位セグメント136についてゴムおよび/または他の適切な材料が(柔軟性金属または他の内部支持体とともに、またはこれらなしに)使用され得る。
【0016】
[0040]更に、近位セグメント136は、一次クリップ130がハブ110を中心とする軌道を回るように、すなわち、ハブ110の周りで(例えば、経路P1において)部分的にまたは完全に回転可能であるように、ハブ110に回転可能に結合され得る。遠位セグメント132と同様に、近位セグメント136は、複数の部品を含み得る。実施形態100において、近位セグメント136は、プレス嵌め、接着剤、および/または任意の他の適切な締結具または方法を通じて本体部138に結合されるネック137を含む。ネック137は凹部137aを含み、ネックロック122は、凹部137aの内側に嵌入し、ネックロック122が締結されたときにネック137(故に近位セグメント136)をハブ110にロックする突起122aを有する。凹部137aをネック137の一部分または全体の周りに延在させることによって、ネック137は、ネックロック122に対して回転し得る。
【0017】
[0041]二次クリップ150は、プッシュトゥトークボタン207が二次クリップ150によって隠されることがなく、ハブ外側部111aが二次クリップ150とハブ内側部111bとの間にあるように、ハブ外側部111aから外方に向かって延在する。二次クリップ150は、アンテナ支持体152とアンテナキャップ154とを含み得(
図16Aおよび
図16B)、アンテナ支持体152は二次クリップ150の内側部151aにあり、アンテナキャップ154は二次クリップ150の外側部151bにある(
図6および
図7)。アンテナ支持体152およびアンテナキャップ154は、(例えば、クリップ、ねじ、および/または接着剤などによって)一体に結合され、アンテナ215を収容するアンテナ空洞155を画定する。
【0018】
[0042]説明されたように、スピーカ203、第1の回路基板201、外側筐体113、およびアンテナ支持体152は、ハブ内側筐体115とアンテナ215との間にある。事実上、ユニット100が意図されたように耳に着用されたとき、ハブ内側筐体115、スピーカ203、第1の回路基板201、外側筐体113、およびアンテナ支持体152は、着用者とアンテナ215との間にある。なおも更に、アンテナ支持体152は、着用者からアンテナ215を離間させる。これらは全て、着用者の頭部に到達するアンテナ215からのエネルギーの量を低減させるために特に重要である。加えて、シールド(または「反射体」)が、ユニット100の内側でアンテナ215と着用者との間に位置付けられ得る。このような反射体は、アンテナ215とハブ110との間でアンテナ支持体152に設置され得、またはハブ110の内側の様々な場所に(または、アンテナ支持体125またはハブ110の外面にさえも)設置され得るが、第1の回路基板201に形成されたまたはこれに取り付けられた固形状またはメッシュ状の銅の層として反射体を提供することが特に有用である。このような実施形態は、相当量のエネルギーが着用者に到達しないよう遮断し、またハブ110の所望の大きさを維持し、組付けも容易にしつつ、過度の干渉を受けることなくアンテナ215からの十分な送信を可能とし得る。
【0019】
[0043]
図17は、様々な電子コンポーネントの例示的な構成を図示する。スピーカ203、マイクロホン205、およびプッシュトゥトークボタン207は、第1の回路基板201と通信するものとして図示され、ユーザ入力部211およびアンテナ215は、第2の回路基板209と通信するものとして図示され、第1および第2の回路基板201、209は互いに通信するものとして図示されている。この構成は現在のところ好ましいものであるが、もちろん、他の構成が可能であり、それでも従来技術に対する向上を成し得る。
【0020】
[0044]
図18は、
図1~
図17の双方向無線ユニット100を有する近距離通信システム10を図示する。システム10は、互いの間での通信のために複数の双方向無線ユニット100を含む。例えば、ユニット100のうちの1つの着用者がプッシュトゥトークボタン207を押し得る。プッシュトゥトークボタン207が作動すると、このユニットの第1の回路基板201および/または第2の回路基板209は、マイクロホン205を通じて得られた音を送信するためにアンテナ215から無線波を出力させ得る。次いで、これらの無線波は、他のユニット100によって受信され得、それらの第1および/または第2の回路基板201、209は、無線波に対応する可聴音をそれらのそれぞれのスピーカ203を通じて出力させ得る。様々なユニット100のユーザ入力部211は、ユニット100の電源をオン/オフするため、スピーカ音量、無線チャンネルなどを調節するためなどに使用され得る。
図18においては2つのユニット100が図示されているが、実質的により多くのユニット100が含まれ得る。携帯型ユニット(または「ウォーキートーキー」)300も図示されており、耳装着式ユニット100に加えてシステム10において使用され得る。大きな利点は耳装着式ユニット100に関するが、送信機および受信機を有する携帯型ユニット300、または送信機および受信機を有する他の無線装置が、やはりユニット100と互換性のある周波数の無線波を送信および受信するために使用され得る。
【0021】
[0045]特記すべきこととして、耳装着式ユニット100は、リレーまたは中継器なしにシステム10における直接的通信が可能である。例えば、ユニット100へまたはユニット100から信号を中継するためにベルト着用式無線装置は必要ない。しかし、いくつかの実施形態において、1つまたは複数の静的リレーまたは中継器が、ユニット100および/またはユニット300の通信範囲を増加させるために使用され得る。また、一般的により望ましいわけではないが、いくつかの実施形態は、ユニット100へまたはユニット100から信号を中継するために1つまたは複数の可搬式リレーまたは中継器(例えば、ベルト装着式ユニット)を含み得る。
【0022】
[0046]本開示の精神および範囲から逸脱することなく、示された様々なコンポーネントおよび図示されていないコンポーネントの多くの異なる構成が可能である。本開示の実施形態は、制限的な意図ではなく、例示的な意図で説明された。当業者には、その範囲から逸脱しない代替的な実施形態が明らかになるであろう。当業者は、本開示の範囲から逸脱することなく、前述の向上を実現する代替的な手段を開発し得る。特定の特徴およびサブコンビネーションが有用であること、他の特徴およびサブコンビネーションを参照することなく用いられ得ること、および本開示の範囲内にあると想定されることが理解されよう。