(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-21
(45)【発行日】2024-01-04
(54)【発明の名称】セル自己放電電流検出方法、装置、デバイス及びコンピュータ記憶媒体
(51)【国際特許分類】
G01R 31/36 20200101AFI20231222BHJP
【FI】
G01R31/36
(21)【出願番号】P 2023539050
(86)(22)【出願日】2022-06-28
(86)【国際出願番号】 CN2022101843
(87)【国際公開番号】W WO2023016112
(87)【国際公開日】2023-02-16
【審査請求日】2023-06-23
(31)【優先権主張番号】202110905543.8
(32)【優先日】2021-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522010668
【氏名又は名称】ジアンス・コンテンポラリー・アンプレックス・テクノロジー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100159329
【氏名又は名称】三縄 隆
(72)【発明者】
【氏名】▲馮▼ ▲ティン▼
(72)【発明者】
【氏名】王 少▲飛▼
(72)【発明者】
【氏名】魏 奕民
【審査官】島田 保
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-21686(JP,A)
【文献】特開2014-222603(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106054086(CN,A)
【文献】特開2018-96960(JP,A)
【文献】特開2021-51906(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/36
G01R 19/00
H01M 6/24
H01M 8/04
H01M 10/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1時刻からセルを充電するように定電圧源を制御し、前記第1時刻の後の第1プリセット時間における目標電流の経時的な第1変化率を取得するステップであって、前記目標電流が前記セルに対する総充電電流であるステップと、
前記第1変化率が第1閾値よりも大きい場合に、セルを充電するように定電流源と前記定電圧源を制御するステップであって、前記第1閾値が0以上であるステップと、
第2時刻に達すると、前記第2時刻の後の第2プリセット時間における目標電流の経時的な第2変化率を取得するステップであって、前記第2時刻が前記定電流源と前記定電圧源を用いて前記セルを充電する時間が第3プリセット時間に達した時刻であるステップと、
前記第2変化率の絶対値が第2閾値以下である場合に、前記第2時刻の目標電流又は前記第2時刻の後の第4プリセット時間における目標電流により、前記セルの自己放電電流を決定するステップであって、前記第2閾値が0以上であるステップと、を含む、セル自己放電電流検出方法。
【請求項2】
前記第1時刻の後の第1プリセット時間における目標電流の経時的な第1変化率を取得する前記ステップの前に、
前記セルの開放状態での目標電圧値を取得するステップを更に含み、
第1時刻からセルを充電するように定電圧源を制御する前記ステップは、
第1時刻から前記目標電圧値を出力電圧として前記セルを充電するように前記定電圧源を制御するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1変化率が前記第1閾値以下である場合に、前記セルに対する充電を維持するように前記定電圧源を制御し、前記第1変化率が前記第1閾値よりも大きくなると、セルを充電するように定電流源と前記定電圧源を制御する前記ステップに戻って実行するステップを更に含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項4】
前記第2変化率の絶対値が前記第2閾値よりも大きい場合に、前記定電流源の出力電流を調整するステップと、
第3時刻に達すると、前記第3時刻の後の第5プリセット時間における目標電流の経時的な第3変化率を取得するステップであって、前記第3時刻が前記定電流源の出力電流を調整した時刻から計時し且つ第6プリセット時間に達するまで計時した時刻であるステップと、
前記第3変化率の絶対値が前記第2閾値以下である場合に、前記第3時刻の目標電流、又は前記第3時刻の後の第7プリセット時間における目標電流により、前記セルの自己放電電流を決定するステップと、
前記第3変化率の絶対値が前記第2閾値よりも大きい場合に、前記定電流源の出力電流を調整する前記ステップに戻って実行するステップと、を更に含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項5】
前記定電流源の出力電流を調整する前記ステップは、
第1出力電流を取得するステップであって、前記第1出力電流が前記定電流源の出力電流をn-1回目調整した後に得られる出力電流であるステップと、
第1出力電流を調整して、第2出力電流を得るステップであって、前記第2出力電流が前記定電流源の出力電流をn回目調整した後に得られる出力電流であり、nが正の整数であり、nが1となる場合に、前記第1出力電流がプリセット電流であるステップと、を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
第1出力電流を調整して、第2出力電流を得る前記ステップは、
目標変化率により、目標電流調整量を決定するステップであって、前記目標変化率が前記定電流源の出力電流をn-1回目調整した後取得される第3変化率であり、nが1となる場合に、前記目標変化率が前記第2変化率であるステップと、
前記目標電流調整量により、前記第1出力電流を調整して、前記第2出力電流を得るステップと、を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
目標変化率により、目標電流調整量を決定する前記ステップは、
前記目標変化率とプリセット比との積を前記目標電流調整量として決定するステップを含み、前記プリセット比が正数である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
第1時刻からセルを充電するように定電圧源を制御し、前記第1時刻の後の第1プリセット時間における目標電流の経時的な第1変化率を取得するために用いられる制御取得モジュールであって、前記目標電流が前記セルに対する総充電電流である制御取得モジュールと、
前記第1変化率が第1閾値よりも大きい場合に、セルを充電するように定電流源と前記定電圧源を制御するために用いられる第1制御モジュールと、
第2時刻に達すると、前記第2時刻の後の第2プリセット時間における目標電流の経時的な第2変化率を取得するために用いられる第1取得モジュールであって、前記第2時刻が前記定電流源と前記定電圧源を用いて前記セルを充電する時間が第3プリセット時間に達した時刻である第1取得モジュールと、
前記第2変化率の絶対値が第2閾値以下である場合に、前記第2時刻の目標電流又は前記第2時刻の後の第4プリセット時間における目標電流により、前記セルの自己放電電流を決定するために用いられる第1決定モジュールであって、前記第1閾値と前記第2閾値がいずれも0以上である第1決定モジュールと、を含む、セル自己放電電流検出装置。
【請求項9】
プロセッサ及びコンピュータプログラム指令を記憶しているメモリを備え、
前記プロセッサが前記コンピュータプログラム指令を実行すると、請求項1~7のいずれか1項に記載のセル自己放電電流検出方法が実現される、電子デバイス。
【請求項10】
コンピュータプログラム指令を記憶しており、前記コンピュータプログラム指令がプロセッサにより実行されると、請求項1~7のいずれか1項に記載のセル自己放電電流検出方法が実現される、コンピュータ記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年8月9日に提出された、名称が「セル自己放電電流検出方法、装置、デバイス及びコンピュータ記憶媒体」の中国特許出願202110905543.8の優先権を主張し、この出願の全ての内容が参照によって本出願に組み込まれている。
【0002】
本出願は、電池の技術分野に関し、特に、セル自己放電電流検出方法、装置、デバイス及びコンピュータ記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
通常、セルには自己放電の特性があることが周知されており、例えば、具体的に、セルが開放状態にある時であっても、電気量の損失が発生することで体現可能である。セルの自己放電電流はセルの品質をある程度示すことができ、セルの自己放電電流を検出することは、品質の悪いセルの排除に寄与する。
【0004】
従来技術において、定電圧源を用いてセルを充電することによって、充電電流値が安定化した時に、当該安定化電流値を自己放電電流として決定する。しかしながら、このような自己放電電流検出方式は効率が低いという欠陥がある。
【発明の概要】
【0005】
本出願の実施例は、従来技術でセル自己放電電流を検出する効率が低いという問題を解決するために、セル自己放電電流検出方法、装置、デバイス及びコンピュータ記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様において、本出願の実施例は、
第1時刻からセルを充電するように定電圧源を制御し、第1時刻の後の第1プリセット時間における目標電流の経時的な第1変化率を取得するステップであって、目標電流がセルに対する総充電電流であるステップと、
第1変化率が第1閾値よりも大きい場合に、セルを充電するように定電流源と定電圧源を制御するステップであって、第1閾値が0以上であるステップと、
第2時刻に達すると、第2時刻の後の第2プリセット時間における目標電流の経時的な第2変化率を取得するステップであって、第2時刻が定電流源と定電圧源を用いてセルを充電する時間が第3プリセット時間に達した時刻であるステップと、
第2変化率の絶対値が第2閾値以下である場合に、第2時刻の目標電流又は第2時刻の後の第4プリセット時間内の目標電流により、セルの自己放電電流を決定するステップであって、第2閾値が0以上であるステップと、を含むセル自己放電電流検出方法を提供する。
【0007】
第2態様において、本出願の実施例は、
第1時刻からセルを充電するように定電圧源を制御し、第1時刻の後の第1プリセット時間における目標電流の経時的な第1変化率を取得するために用いられる制御取得モジュールであって、目標電流がセルに対する総充電電流である制御取得モジュールと、
第1変化率が第1閾値よりも大きい場合に、セルを充電するように定電流源と定電圧源を制御するために用いられる第1制御モジュールと、
第2時刻に達すると、第2時刻の後の第2プリセット時間における目標電流の経時的な第2変化率を取得するために用いられる第1取得モジュールであって、第2時刻が定電流源と定電圧源を用いてセルを充電する時間が第3プリセット時間に達した時刻である第1取得モジュールと、
第2変化率の絶対値が第2閾値以下である場合に、第2時刻の目標電流又は第2時刻の後の第4プリセット時間内の目標電流により、セルの自己放電電流を決定するために用いられる第1決定モジュールであって、第1閾値と第2閾値がいずれも0以上である第1決定モジュールと、を含むセル自己放電電流検出装置を提供する。
【0008】
第3態様において、本出願の実施例は、プロセッサ及びコンピュータプログラム指令を記憶しているメモリを備え、
プロセッサがコンピュータプログラム指令を実行すると、第1態様に示すセル自己放電電流検出方法が実現される電子デバイスを提供する。
【0009】
第4態様において、本出願の実施例は、コンピュータプログラム指令を記憶しており、コンピュータプログラム指令がプロセッサにより実行されると、第1態様に示すセル自己放電電流検出方法が実現されるコンピュータ記憶媒体を提供する。
【0010】
本出願の実施例で提供されるセル自己放電電流検出方法によれば、第1時刻からセルを充電するように定電圧源を制御し、第1時刻の後の第1プリセット時間における目標電流の経時的な第1変化率を取得し、第1変化率が第1閾値よりも大きい場合に、セルを充電するように定電流源と定電圧源を制御し、定電流源と定電圧源を用いてセルを充電する第3プリセット時間が第2時刻に達すると、第2時刻の後の第2プリセット時間における目標電流の経時的な第2変化率を取得する。第2変化率の絶対値が第2閾値以下である場合に、第2時刻の目標電流又は第2時刻の後の第4プリセット時間内の目標電流により、セルの自己放電電流を決定する。本出願の実施例は定電流源を増加してセルを充電することによって、セル自己放電電流の検出効率を有効に高めることができ、これと同時に、第1変化率が第1閾値よりも大きい場合に、定電流源を増加してセルを充電することによって、セル分極等の要因による検出過程への影響を克服し、セル自己放電電流の検出精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本出願の実施例の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下において、本出願の実施例に使用必要な図面を簡単に紹介し、当然ながら、下記の図面は本出願の実施例の一部に過ぎず、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、これらの図面から他の図面に想到し得る。
【0012】
【
図1】本出願の実施例で提供されるセル自己放電電流検出方法を適用可能な仕組みの構成模式図である。
【
図2】本出願の実施例で提供されるセル自己放電電流検出方法の模式的フローチャートである。
【
図3】具体的な一適用例におけるセル自己放電電流検出方法の模式的フローチャートである。
【
図4】本出願の実施例で提供されるセル自己放電電流検出装置の構成模式図である。
【
図5】本出願の実施例で提供される電子デバイスの構成模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面と実施例によって本出願の実施形態を更に詳細に記述する。下記の実施例の詳細記述と図面は、本出願の範囲を限定することなく、本出願の原理を例示的に説明するためのものであり、即ち、本出願は記述される実施例に限定されない。
【0014】
説明すべきこととして、本出願において、例えば第1および第2等のような関係を示す用語は、単に1つの実体または操作と別の実体または操作を区別するためのものであり、必ずしもこれらの実体または操作の間に何らかのこのような実質的な関係または順番が存在することを要求または示唆していない。また、用語の「含む」、「からなる」又はその他のあらゆる変形は非排他的包含を含むように意図され、それにより一連の要素を含むプロセス、方法、物品又はデバイスは、それらの要素のみならず、明示されていない他の要素、又はこのようなプロセス、方法、物品又はデバイスに固有の要素をも含む点である。特に断らない限り、語句「一つの…を含む」により限定される要素は、該要素を含むプロセス、方法、物品又はデバイスに別の同じ要素がさらに存在することを排除するものではない。
【0015】
従来技術の問題を解決するために、本出願の実施例は、セル自己放電電流検出方法、装置、デバイス及びコンピュータ記憶媒体を提供する。以下、まず、本出願の実施例で提供されるセル自己放電電流検出方法を実現できる仕組みを紹介する。
【0016】
図1に示すように、当該仕組みは、定電圧源11、定電流源12、電圧測定回路13、電流測定回路14及びプロセッサ(未図示)を含んでよい。
【0017】
その中で、プロセッサは、定電圧源11、定電流源12、電圧測定回路13及び電流測定回路14等の素子を制御するように、それらにそれぞれ電気的に接続されてよい。例えば、プロセッサは電圧測定回路13と電流測定回路14の測定するデータを取得したり、定電流源12の出力電流を制御したりする等ができる。
【0018】
以上で示したように、定電流源12は電流を出力でき、更にセル15を充電できる。当該定電流源12の出力電流は調整可能であり、具体的な調整過程は、プロセッサによって制御されてよい。
【0019】
類似的に、定電圧源11は
図1に示すような直流(Direct Current,DC)電源であってよい。定電圧源11は直流電圧を出力して、セル15を充電する。いくつかの可能な実施形態では、違うタイプのセル15を充電するように、当該定電圧源11の出力電圧も調整可能である。当然ながら、定電圧源11の出力電圧の調整は、プロセッサによって制御されてもよい。
【0020】
電圧測定回路13はセル15の両端の電圧を測定することに用いられる。例えば、電圧測定回路13はセル15の開回路電圧を測定できる。
【0021】
電流測定回路14はセル15の総充電電流を測定することに用いられる。例えば、定電圧源11と定電流源12は一体としてセル15の充電電源となることが可能であり、電流測定回路13は導線を介してそれぞれ当該充電電源とセル15に接続されてよい。当然ながら、実際の適用では、定電圧源11を単独的に使用してセル15を充電するか、又は定電流源12を単独的に使用してセル15を充電することが可能であり、このような場合に、電流測定回路14は対応的にセル15の総充電電流を測定することもできる。
【0022】
図1を参照にすると、セル15は、有効コンデンサC、有効コンデンサCに直列接続される抵抗R1及び有効コンデンサCに並列接続される抵抗R2を等価的に含んでよい。当該等価構造から分かるように、セル15は開放状態にあっても、有効コンデンサCと抵抗R2で構成される回路に基づいて放電し、且つ自己放電電流を発生させることができる。
【0023】
一例において、
図1に示すように、上記仕組み中の各素子の具体的接続関係は下記のようになってもよい。
【0024】
定電圧源11の正極、定電流源12の正極及び電流測定回路14の一端が互いに接続され、電流測定回路14の他端、電圧測定回路13の一端及び抵抗R1の一端が互いに接続され、抵抗R1の他端、有効コンデンサCの正極及び抵抗R2の一端が互いに接続され、定電圧源11の負極、定電流源12の負極、電圧測定回路13の他端、有効コンデンサCの負極及び抵抗R2の他端が互いに接続される。
【0025】
当然ながら、上記はただ当該仕組みにおける各素子の接続関係に対する例示的な説明である。抵抗R1、抵抗R2及び有効コンデンサCの接続構造は、セル15の等価構造となってよく、実際の適用では、セル15は一体として他の素子に接続されてよい。一般的に言えば、セル自己放電電流検出方法を実現できることを前提に、仕組みにおける素子の接続関係又は素子の具体的構成は、いずれも必要に応じて調整できる。
【0026】
図2は本出願の一実施例で提供されるセル自己放電電流検出方法の模式的フローチャートを示す。
図2に示すように、当該方法は、
第1時刻からセルを充電するように定電圧源を制御し、第1時刻の後の第1プリセット時間における目標電流の経時的な第1変化率を取得するステップであって、目標電流がセルに対する総充電電流であるステップ201と、
第1変化率が第1閾値よりも大きい場合に、セルを充電するように定電流源と定電圧源を制御するステップであって、第1閾値が0以上であるステップ202と、
第2時刻に達すると、第2時刻の後の第2プリセット時間における目標電流の経時的な第2変化率を取得するステップであって、第2時刻が定電流源と定電圧源を用いてセルを充電する時間が第3プリセット時間に達した時刻であるステップ203と、
第2変化率の絶対値が第2閾値以下である場合に、第2時刻の目標電流又は第2時刻の後の第4プリセット時間内の目標電流により、セルの自己放電電流を決定するステップであって、第2閾値が0以上であるステップ204と、を含む。
【0027】
本実施例では、定電圧源を用いてセルを充電することができる。定電圧源の出力電圧は予め設定される値であってよい。例えば、セルのタイプによって定電圧源の出力電圧を決定することができる。例えば、自己放電電流検出を行われるセルは定格出力電圧が1.5Vのセルである場合に、定電圧源の出力電圧を1.5Vに設定できる。更に例えば、自己放電電流検出を行われるセルに開回路電圧の測定を行い、測定された開回路電圧を定電圧源の入力電圧と設定する等が可能である。
【0028】
第1時刻は定電圧源を用いてセルを充電し始める時刻であると考えてよい。例えば、
図1に示す仕組みを参照にすると、ステップ201では、プロセッサはプリセット指令を受信すると、セルを充電し始めるように定電圧源を制御し、且つ充電開始時刻、即ち上記第1時刻を記録することができる。
【0029】
第1時刻をt=0sと記し、定電圧源を用いてセルを充電する過程で、t=0~5sにおける目標電流の経時的な第1変化率を取得することができる。この5sは対応的に上記の第1プリセット時間となってよい。
【0030】
当然ながら、実際の適用では、当該第1プリセット時間は必要に応じて設定できる。
【0031】
いくつかの利用シーンでは、目標電流の経時的な変化率は、微分演算によって取得されてよい。例として、目標電流をIと記してよく、目標電流の経時的な変化率をkと記してよく、kの計算方式はk=dI/dtとなってよい。つまり、第1プリセット時間は比較的短い時間長であってよく、例えば、第1プリセット時間は目標電流に対する電流測定回路の測定周期等と等しくてよい。
【0032】
本出願の実施例の実現過程を直感的に理解するために、下記実施例で挙げられる例において、各プリセット時間は秒を単位として取られるものであると考えてよい。
【0033】
第1変化率は、第1時刻の後の第1プリセット時間における目標電流の経時的な変化率であると考えてよく、第1変化率をksと記してよい。
【0034】
以上で示したように、目標電流はセルに対する総充電電流であってよく、第1時刻の後の第1プリセット時間において、定電圧源によってセルを充電でき、対応的に発生する目標電流は、定電圧源とセルとの間の電位差によるものであると考えてよい。
【0035】
具体的に言えば、自己放電現象の存在によって、セルは出力電圧、言い換えると、開回路電圧が低下し続けることが可能である。しかし、定電圧源は出力電圧が一般に一定のものであるので、セルとの間の電位差が変化する。
【0036】
図1を参照にすると、抵抗R1の存在によって、定電圧源とセルとの間に電位差がある時に、電流測定回路は対応する電流値を測定でき、当該電流値は対応的に目標電流となってよい。定電圧源とセルとの間の電位差の変化は、目標電流の経時的な変化で体現可能である。
【0037】
ステップ202では、第1変化率ksが第1閾値よりも大きい場合に、同時にセルを充電するように定電流源と定電圧源を制御することができる。ここで、第1閾値が0以上である。
【0038】
例を挙げて言えば、第1閾値は0となってよい。自己放電電流検出初期において、自己放電現象の存在によって、セルの出力電圧は理論的には低下し続け、このように、定電圧源の出力電圧とセルの出力電圧との間の電位差が増加し続け、目標電流が対応的に大きくなる。従って、第1時刻の後の第1プリセット時間においてk値が理論的には0よりも大きい。第1変化率ksが0よりも大きい時に、セルの自己放電状況が理論的動作状態に合致することを表せる。
【0039】
いくつかの利用シーンを参照にすると、自己放電電流検出初期において、セルは十分に放置されていないため分極現象が発生し、更に上記第1変化率ksが0以下となることがある。
【0040】
本実施例では、第1変化率ksが0よりも大きい時に後続の検出過程を行うことで、分極現象等の妨害要因による測定結果への影響を低減することができる。
【0041】
当然ながら、実際の適用では、電流測定回路の測定精度の影響や検出環境による妨害要因を考えると、第1閾値を0よりも大きい値に設定してもよい。
【0042】
セル自己放電電流の検出効率を加速するために、ステップ202では、定電圧源を用いてセルを充電することに加えて、別に定電流源を用いてセルを充電することができる。
【0043】
定電流源の出力電流は予め設定される値であってよい。例えば、当該出力電流は経験により決定されるセルの自己放電電流より小さくてもよい。又は、当該定電流源はセルのタイプによって、0~100μAの電流を出力するように設定してもよい。
【0044】
図1に示す仕組みを参照にすると、定電流源をセルに対する充電過程に加えることは、プロセッサにより制御されてもよい。例えば、以上で挙げられた例を参照にすると、t=5sの時刻に、プロセッサはk
sが0よりも大きいと判定すると、予め設定された出力電流でセルを充電するように定電流源を制御することができ、これと同時に、定電圧源によるセル充電状態を維持する。
【0045】
プロセッサは同様に定電流源と定電圧源を用いてセルを充電する過程を計時できることが理解しやすい。
【0046】
ステップ203では、定電流源と定電圧源でセルを充電する時間が第3プリセット時間に達すると、つまり上記第2時刻に達すると、更に第2時刻の後の第2プリセット時間における目標電流の経時的な第2変化率を取得することができる。
【0047】
例を挙げて言えば、t=5sの時刻に定電流源を増加した後、定電圧源と定電流源による充電の時間を計時することができ、120s充電してt=125sの時刻に達すると、t=125~130sにおける目標電流の経時的な第2変化率を取得することができる。
【0048】
以上で挙げられた例において、120sは対応的に上記の第3プリセット時間となってよく、t=125sの時刻は第2時刻に対応してよく、第2プリセット時間は5sであり、t=125~130sという時間長に対応する。当然ながら、実際の適用では、第2プリセット時間及び第3プリセット時間等のパラメータは、いずれも必要に応じて設定できる。
【0049】
記述を簡素化するために、第2変化率をk0と記してよい。ステップ204では、第2変化率k0の絶対値が第2閾値以下である場合に、セル自己放電電流検出を実現することができる。
【0050】
第2閾値が0以上であってよい。一例において、第2閾値が0となってよい。
【0051】
以上で示したように、セル自己放電電流検出初期において、セル自己放電現象の存在によって、kは0より大きくてもよい。理論上はセルの充電が進むに伴い、定電圧源とセルとの間の電位差による充電電流が増加し続けるので、セルに対する総充電電流(即ち、目標電流)が増加し続ける。目標電流がセル自己放電電流と等しくなった時に、定電圧源とセルとの間の電位差が変化しなくなり、目標電流も安定的になり、即ち、目標電流の経時的な変化率が0になる。
【0052】
従って、上記の第2変化率k0が第2閾値0と等しくなった時に、目標電流はセルの自己放電電流と等しいと考えることができ、目標電流は上記の電流測定回路によって測定できる。
【0053】
例えば、第2変化率k0が第2閾値0と等しくなった時に、プロセッサは、上記の第2時刻t=125sに電流測定回路が測定した目標電流を取得し、且つ第2時刻の目標電流を自己放電電流として決定することができる。
【0054】
実際の適用では、測定誤差、環境妨害又はセル品質等の要因による影響を考えると、目標電流が安定化した時に、一定の変動が存在することがある。k値に反映すると、k値は常に0に等しいというわけではない。
【0055】
従って、上記第2閾値としては0よりもやや大きい値、例えば3mA/sを取ることができる。第2変化率の絶対値が当該第2閾値以下である時に、目標電流が既に安定化したと考えられ、更に第2時刻の目標電流をセルの自己放電電流とすることができる。
【0056】
当然ながら、以上で示したように、目標電流が安定化した時であっても変動が存在し、セル自己放電電流の検出正確度を高めるために、第2変化率の絶対値が当該第2閾値以下になった時に、第2時刻の後の第4プリセット時間内の目標電流により、セルの自己放電電流を決定することもできる。
【0057】
例えば、第4プリセット時間は3sとなってよく、セルの自己放電電流として、t=125~128sの時間範囲における目標電流の平均値を取ってよい。
【0058】
実際の適用では、上記第4プリセット時間は実際の需要に応じて設定できる。いくつかの可能な実施形態では、第2時刻の後の第4プリセット時間内の目標電流の中央値等をセルの自己放電電流としてもよい。
【0059】
なお、自己放電電流の目標電流を決定するための時間起点は第2時刻の後のある時刻であってもよい。例えば、第2時刻がt=125sで、第4プリセット時間が3sである時に、セルの自己放電電流として、t=127~130sの時間範囲内の目標電流の平均値を取ることができる。
【0060】
図1に示す仕組みを参照にすると、ステップ203では、電流測定回路で測定された目標電流は定電流源の出力電流と、定電圧源とセルとの間の電位差による電流とを含んでよい。以上で示したように、目標電流が安定化した時に、自己放電電流を得ることができる。
【0061】
自己放電電流はセルの特性に依存し、その具体的な値が一定値であると考えられる。定電圧源と定電流源を用いてセルを充電する目的は、目標電流を当該自己放電電流に等しくすることである。定電流源を増加した場合に、定電圧源とセルとの間の電位差の大きさに対する要求がある程度低下する。
【0062】
例を挙げて言えば、検出前出力電圧(言い換えると、初期の開回路電圧)が3Vのセルは、3V定電圧源のみで充電する時に、自己放電電流を測定できるように、出力電圧2.98Vまでに自己放電しなければならないことが可能である。定電流源を増加した後、自己放電電流を測定できるように、セルは出力電圧2.99Vまでに自己放電すればよいことが可能である。
【0063】
セル自己放電電流が固定のものであると考えられるので、セルの出力電圧が3Vから2.99Vに低下することで経過する時間は、セルの出力電圧が3Vから2.98Vに低下することで経過する時間より著しく小さい。従って、定電流源を増加した場合に、セル自己放電電流検出に必要な時間を有効に短縮できる。
【0064】
当然ながら、上記はただ定電流源を増加することで自己放電電流検出効率を高められることを理解しやすくするために例を挙げて行った説明である。実際の適用では、各データは実際の状況に応じて決められる。
【0065】
本出願の実施例で提供されるセル自己放電電流検出方法によれば、第1時刻からセルを充電するように定電圧源を制御し、第1時刻の後の第1プリセット時間における目標電流の経時的な第1変化率を取得し、第1変化率が第1閾値よりも大きい場合に、セルを充電するように定電流源と定電圧源を制御し、定電流源と定電圧源を用いてセルを充電する第3プリセット時間が第2時刻に達すると、第2時刻の後の第2プリセット時間における目標電流の経時的な第2変化率を取得する。第2変化率の絶対値が第2閾値以下である場合に、第2時刻の目標電流又は第2時刻の後の第4プリセット時間内の目標電流により、セルの自己放電電流を決定する。本出願の実施例は定電流源を増加してセルを充電することによって、セル自己放電電流の検出効率を有効に高めることができ、これと同時に、第1変化率が第1閾値よりも大きい場合に、定電流源を増加してセルを充電することによって、セル分極等の要因による検出過程への影響を克服し、セル自己放電電流の検出精度を高めることができる。
【0066】
一例において、上記の第1閾値は上記の第1変化率により決定してよく、例えば、取得された第1変化率が第2閾値よりも大きい場合に、第1閾値を第1変化率の3%に設定してよい。このように、第1閾値とセル自身の放電特性を関連付けて、第1閾値の設定をより合理的にすることができる。
【0067】
当然ながら、上記はただ第1閾値と第1変化率との間の関係について例を挙げて行った説明であり、上記3%の比例関係は必要に応じて調整できる。
【0068】
選択可能に、第1時刻の後の第1プリセット時間における目標電流の経時的な第1変化率を取得するステップの前に、方法は、
セルの開放状態での目標電圧値を取得するステップを更に含み、
第1時刻からセルを充電するように定電圧源を制御するステップは、
第1時刻から目標電圧値を出力電圧としてセルを充電するように定電圧源を制御するステップを含んでよい。
【0069】
本実施例では、定電圧源を用いてセルを充電する前に、セルの開放状態での電圧値、つまり上記の目標電圧値を測定することができる。
【0070】
上記の開放状態はセルに外部負荷がない状態であってよいことが理解しやすい。一般の場合に、セルの開放状態での電圧値はその定格出力電圧に等しいが、自己放電電流の存在によって、セル中の電気量がある程度消耗され、開放状態での電圧値もある程度低下する。
【0071】
本実施例では、セルの開放状態の電圧値、即ち上記目標電圧値を取得できる。例えば、一例を挙げると、上記の電圧測定回路によって当該目標電圧値を測定し、且つ当該目標電圧値をプロセッサに伝送することができ、プロセッサは当該目標電圧値により定電圧源の入力電圧を制御する。
【0072】
定電圧源の入力電圧がセルの目標電圧値に等しく、このように、定電圧源を用いてセルを充電する過程で、セルの自己放電以外の充放電過程を導入しないことがある程度可能になり、セル自己放電電流の検出効率が高くなる。
【0073】
選択可能に、セル自己放電電流検出方法は
第1変化率が第1閾値以下である場合に、セルに対する充電を維持するように定電圧源を制御し、第1変化率が第1閾値よりも大きくなると、セルを充電するように定電流源と定電圧源を制御するステップに戻って実行するステップを更に含んでもよい。
【0074】
以上で挙げられた例に示すように、第1閾値が0となり、且つ第1変化率ksが第1閾値よりも大きい時に、セルの自己放電状況が理論的動作状態に合致することを表す。つまり、第1変化率ksが閾値よりも大きい時に、セルが既に十分に放置され、安定的な状態になったと考えられる。
【0075】
逆に、第1変化率ksが第1閾値以下である時に、セルの状態が十分に安定的ではないと考えられる。例えば、このような状態の原因はセルが十分に放置されておらず、分極現象があることにあるかもしれない。
【0076】
従って、本実施例では、第1変化率が第1閾値以下である時に、セルに対する充電を維持するように定電圧源を制御し、第1変化率が第1閾値よりも大きくなると、定電流源を増加し、更にセル自己放電電流を検出し、自己放電電流検出結果の正確度が高くなる。
【0077】
一例において、第1変化率が第1閾値以下である時に、第1変化率が第1閾値よりも大きくなる時刻をタイムリーに決定するように、第1変化率に対するリアルタイム取得を維持してよく、更にタイムリーに定電流源を増加してセルを充電することができ、セル自己放電電流の検出効率が高くなる。
【0078】
別の例において、第1変化率が第1閾値以下である時に、定電圧源を用いてセルをプリセット時間充電した後、第1変化率を取得するようにしてもよい。
【0079】
選択可能に、セル自己放電電流検出方法は、
第2変化率の絶対値が第2閾値よりも大きい場合に、定電流源の出力電流を調整するステップと、
第3時刻に達すると、第3時刻の後の第5プリセット時間における目標電流の経時的な第3変化率を取得するステップであって、第3時刻が定電流源の出力電流を調整した時刻から計時し且つ第6プリセット時間に達するまで計時した時刻であるステップと、
第3変化率の絶対値が第2閾値以下である場合に、第3時刻の目標電流、又は第3時刻の後の第7プリセット時間内の目標電流により、セルの自己放電電流を決定するステップと、
第3変化率の絶対値が第2閾値よりも大きい場合に、定電流源の出力電流を調整するステップに戻って実行するステップと、を更に含んでもよい。
【0080】
以上で示したように、ステップ202で定電流源の出力電流は予め設定される値i0であってよく、実際の適用では、当該事前設定値i0がセルの自己放電電流等の要因の影響より遥かに小さいため、第2時刻に達した時に、目標電流とセル自己放電電流がまだバランスを取っていないことがある。この時に、上記の第2変化率k0の絶対値が通常第2閾値よりも大きい。
【0081】
本実施例では、第2変化率k0の絶対値が第2閾値よりも大きい場合に、定電流源の出力電流を調整することができる。
【0082】
例えば、事前設定値i0を基に、予め設定された固定電流値Δiを加え、定電流源調整後の出力電流(i0+Δi)を得ることができる。
【0083】
当然ながら、実際の適用では、Δiは固定の値でなくてもよい。例えば、Δiの大きさは第2変化率k0に左右されてもよい。
【0084】
なお、実際の適用では、定電流源の出力電流の調整過程が複数回あることも可能であり、毎回の出力電流調整量は固定のものであってもよいし、異なってもい。定電流源の出力電流を複数回調整する利用シーンについては、以下において詳細に説明する。
【0085】
以上で挙げられた例を再度参照すると、t=125~130s内に取得された第2変化率の絶対値が第2閾値よりも大きい場合に、t=130sの時刻に定電流源の出力電流を調整してよく、調整後の出力電流をi1と記する。なお、定電流源の出力電流を調整すると同時に、充電時間を計時してもよい。
【0086】
定電圧源と出力電流がi1の定電流源を用いてセルを90s充電し、t=220sの時刻に達すると、t=220~225sにおける目標電流の経時的な第3変化率を取得してよい。
【0087】
以上で挙げられた例では、充電時間90sは第6プリセット時間に対応してよく、t=220sの時刻は第3時刻に対応してよく、t=220~225sに含まれる5sの時間長は第5プリセット時間に対応してよい。
【0088】
当然ながら、ここの各時間長の設定はセル自己放電電流検出方法の具体的実施過程を理解しやすくするために挙げられた例であり、実際の適用では、各時間長は必要に応じて設定できる。
【0089】
定電圧源と出力電流がi1の定電流源を用いてセルを第6プリセット時間充電した後に対応的に得られる第3変化率をk1と記する。k1の絶対値が第2閾値以下である時に、第3時刻の目標電流、又は第3時刻の後の第7プリセット時間内の目標電流により、セルの自己放電電流を決定することができる。
【0090】
ここで、自己放電電流の決定方式は、実際には以上でk0の絶対値が第2閾値以下である時に自己放電電流を決定する決定方式と類似するものであり、説明を簡素化するために、ここで詳細な説明は省略する。
【0091】
本実施例では、k1の絶対値が第2閾値よりも大きい時に、定電流源の出力電流を調整するステップに戻って実行することができる。このような場合に、セルの自己放電電流を検出する過程で、定電流源出力電流に対する調整過程が複数回あってもよいことが理解しやすい。
【0092】
このように、定電流源の出力電流をi0からi1に調整する過程は、定電流源の出力電流に対する1回目の調整と定義してよい。定電流源の出力電流をi1からi2に調整する過程は、定電流源の出力電流に対する2回目の調整と定義してよく、これによって類推する。
【0093】
毎回定電流源の出力電流を調整した後、セルを第6プリセット時間充電するステップ及び第3変化率を取得するステップ等の実行ステップがあってもよく、ここで繰り返して説明しない。
【0094】
本実施例は定電流源の出力電流を繰り返して調整することによって、目標電流とセル自己放電電流とのバランスをできるだけ早く取ることに寄与し、更にセル自己放電電流の検出効率を有効に高めることができる。
【0095】
理解しやすくするために、定電流源の出力電流をn回目調整するステップ、対応的にセルを第6プリセット時間充電するステップ、及び第3変化率を取得するステップ等は、n番目の調整周期で実行されるように定義してよい。これに対して、定電流源の出力電流を調整することによってセル自己放電電流を検出する過程は下記のように記述してよい。
ステップ1で、n番目の調整周期において、定電流源の出力電流を調整して調整後の出力電流inを得、ここで、nが正の整数である。
ステップ2で、定電圧源及び出力電流がinの定電流源を用いてセルを第3時刻に達するまで第6プリセット時間充電する。
ステップ3で、第3時刻の後の第5プリセット時間における目標電流の経時的な第3変化率knを取得する。
ステップ4で、第3変化率knの絶対値が第2閾値以下であるか否かを判断し、第2閾値以下である場合に、セルの自己放電電流を決定でき、第2閾値以下でない場合に、ステップ1に戻って実行し、言い換えると、n+1番目の調整周期に進む。
【0096】
選択可能に、定電流源の出力電流を調整するステップは、
第1出力電流を取得するステップであって、第1出力電流が定電流源の出力電流をn-1回目調整した後に得られる出力電流であるステップと、
第1出力電流を調整して、第2出力電流を得るステップであって、第2出力電流が定電流源の出力電流をn回目調整した後に得られる出力電流であり、nが正の整数であり、nが1となる場合に、第1出力電流がプリセット電流であるステップと、を含んでよい。
【0097】
以上の調整周期に関する記述を参照にすると、定電流源の出力電流をn回目調整した後に得られる出力電流、即ち上記第2出力電流をinと記してよい。これに対して、第1出力電流をin-1と記してよい。
【0098】
nが正の整数であり、nが1となる時に、in-1がi0、即ち上記の定電流源の出力電流の事前設定値であってよいことが理解しやすく、ここでプリセット電流と略称してよい。
【0099】
本実施形態では、定電流源の出力電流をn回目調整する時に、定電流源の出力電流をn-1回目調整した後に得られる出力電流を基に調整してよい。このように、セルのリアルタイム充電状況により定電流源の出力電流を調整することに寄与し、定電流源出力電流の調整信頼性が高くなる。
【0100】
例を挙げて言えば、プリセット電流i0は10μAとなってよく、定電流源の出力電流を1回目調整した後に得られた出力電流はi1=15μAであり、定電流源の出力電流を2回目調整する過程で、i1=15μAを基に定電流源の出力電流を調整してよい。
【0101】
当然ながら、他の可能な実施形態では、定電流源の出力電流を2回目調整する過程で、i0=10μAを基に定電流源の出力電流を調整してもよい。
【0102】
選択可能に、第1出力電流を調整して、第2出力電流を得るステップは、
目標変化率により、目標電流調整量を決定するステップであって、目標変化率が定電流源の出力電流をn-1回目調整した後取得される第3変化率であり、nが1となる場合に、目標変化率が第2変化率であるステップと、
目標電流調整量により、第1出力電流を調整して、第2出力電流を得るステップと、を含む。
【0103】
上記説明を参照にすると、好ましくは、セル充電過程で、目標電流の変化率kは正の値から徐々に0になってよい。定電流源の増加によって、この変化過程が加速される。
【0104】
いくつかの利用シーンでは、定電流源の出力電流を調整するたびに、固定の出力電流引上げステップ幅を維持すれば、引上げステップ幅が大きい時に、定電流源の出力電流がセル自己放電電流よりも大きくなる状況を発生させやすくて、セル自己放電電流を有効に検出することが難しくなる。
【0105】
従って、本実施例では、目標変化率を取得し、目標変化率により、定電流源の出力電流をn回目調整する時の目標電流調整量を決定することができる。
【0106】
目標変化率は定電流源の出力電流をn-1回目調整した後取得される第3変化率である。以上の調整周期に関する記述を参照にすると、n番目の調整周期で、目標変化率は対応的にkn-1となってよい。
【0107】
nが正の整数であり、nが1となる時に、kn-1がk0、即ち上記第2変化率となってよいことが理解しやすい。
【0108】
例を挙げて言えば、定電流源の出力電流をn回目調整する時に、kn-1が正の値であり、且つ第1閾値よりも大きい場合に、5μAを目標電流調整量として決定してよく、kn-1が負の値であり、且つその絶対値が第1閾値よりも大きい場合に、-2μAを目標電流調整量として決定してよい。
【0109】
つまり、実際の適用では、予め設定される調整ステップ幅をn番目の調整周期中の目標電流調整量として決定してよく、また、この予め設定される調整ステップ幅は目標変化率の正負によってそれぞれ決定してよい。
【0110】
目標電流調整量を決定した場合に、更に目標電流調整量により、第1出力電流を調整して、第2出力電流を得ることができる。
【0111】
本実施例では、目標変化率に基づいて、第1出力電流に対する調整量を決定することで、得られる第2出力電流の合理性を高めることができ、目標電流とセル自己放電電流のバランスの取れた状態を効率的に達成し、セル自己放電電流に対する信頼的な検出を実現することに寄与する。
【0112】
定電流源出力電流の変化円滑性を高めるために、更により信頼的に目標電流とセル自己放電電流のバランスの取れた状態を得るために、一実施形態では、目標変化率により、目標電流調整量を決定するステップは、
目標変化率とプリセット比との積を目標電流調整量として決定するステップを含み、プリセット比が正数である。
【0113】
固定の調整ステップ幅をn番目の調整周期中の目標電流調整量として決定する方式と異なるように、本実施形態では、kn-1とプリセット比との積をn番目の調整周期中の目標電流調整量として決定してよい。
【0114】
ここで、プリセット比は経験値であってよい。一例において、上記の第1変化率ksが第1閾値よりも大きい時に、10/ksをプリセット比にしてよく、このように、プリセット比とセル自身の放電特性を関連付けて、当該プリセット比の合理性を高めた。
【0115】
当然ながら、別の例において、プリセット比は、上記の第1変化率ksに関わらず、セルのタイプによって予め決定してよい。
【0116】
以下、具体的な一適用例によって、本出願の実施例で提供されるセル自己放電電流検出方法を説明する。
【0117】
この具体的な適用例では、セル自己放電電流検出方法は
図1に示す仕組みに基づいて実現してよい。
図3に示すように、セル自己放電電流検出方法は、下記のステップ301、ステップ302、ステップ303、ステップ304、ステップ305、ステップ306、ステップ307及びステップ308を含む。
【0118】
ステップ301では、電圧測定回路によってセルの開回路電圧(Open Circuit Voltage,OCV)を測定し、且つこれを一定の出力電圧としてセルを充電する。
【0119】
このステップで、電圧測定回路によって測定されたOCV(U0と設定する)をプロセッサに送信してよく、プロセッサはOCVにより、U0を出力してセルを充電するように定電圧源を制御する。
【0120】
ステップ302では、プロセッサは電流-時間(I-t)曲線に対してリアルタイムに微分(dI/dt)を行って、微分値kを得る。
【0121】
このステップで、電流Iは、電流測定回路によって測定されてよく、セルに対する総充電電流I(即ち、目標電流)であると考えられる。微分値kはセルに対する総充電電流の経時的な変化率を示すことができる。このステップで、微分値kは上記の第1変化率ksに等しいと考えられる。
【0122】
ステップ303では、プロセッサは微分値kをリアルタイムに判断し、k>0の場合に、ステップ304を実行し、k≦0の場合に、定電圧源によるセル充電を維持し、且つ微分値kを判断し続ける。
【0123】
このステップのパラメータ0は以上の実施例における第1閾値に対応してよいことが理解しやすい。
【0124】
ステップ304では、定電流源は出力電流i=i0を与える。
【0125】
ここのi0は、経験値であってもよいし、セルの実際の状況(例えば、セルのタイプ又はステップ302で得られたk値等)に応じて決定してもよい。
【0126】
いくつかの利用シーンでは、i0の値の範囲は0~100μAとなってよい。
【0127】
ステップ305では、定電流源はiでセルをプリセット時間充電する。
【0128】
ステップ306では、プロセッサは微分値kをリアルタイムに判断し、k≠0の場合に、ステップ307を実行し、k=0の場合に、ステップ308を実行する。
【0129】
このステップのパラメータ0は以上の実施例における第2閾値に対応してよいことが理解しやすい。
【0130】
ステップ307では、定電流源はステップ電流i=i0+ΣΔin(t)を施し、且つステップ305に戻って実行する。
【0131】
ここで、nはステップ電流を与える回数(言い換えると、iを調整する回数)であってよく、Δin(t)はn回目与えるステップ電流の値(言い換えると、iをn回目調整する時の目標電流調整量)であってよい。
【0132】
例として、Δin(t)はΔin(t)=a*kn-1によって求めることができ、ここで、aは常数であってよく、kn-1はステップ電流をn-1回目施し且つプリセット時間充電した後に得られる微分値kである。
【0133】
例を挙げて言えば、ステップ303で得られたkをk0と記すると、k0>0の場合に、aの値は1/k0≦a≦2000/k0となってよい。
【0134】
ステップ308では、電流測定回路によって測定した電流Iをセル自己放電電流ISDとする。
【0135】
以上から分かるように、本出願の実施例で提供されるセル自己放電電流検出方法によれば、定電流源と定電圧源を用いてセルを充電し、目標電流を自己放電電流に等しくすることで、セル自己放電電流を測定する。電流ステップ法を採用することによって、自己放電電流測定時間を有効に短縮し、自己放電電流の効率的検出を実現することができる。
【0136】
図4に示すように、本出願の実施例は、
第1時刻からセルを充電するように定電圧源を制御し、第1時刻の後の第1プリセット時間における目標電流の経時的な第1変化率を取得するために用いられる制御取得モジュールであって、目標電流がセルに対する総充電電流である制御取得モジュール401と、
第1変化率が第1閾値よりも大きい場合に、セルを充電するように定電流源と定電圧源を制御するために用いられる第1制御モジュール402と、
第2時刻に達すると、第2時刻の後の第2プリセット時間における目標電流の経時的な第2変化率を取得するために用いられる第1取得モジュールであって、第2時刻が定電流源と定電圧源を用いてセルを充電する時間が第3プリセット時間に達した時刻である第1取得モジュール403と、
第2変化率の絶対値が第2閾値以下である場合に、第2時刻の目標電流又は第2時刻の後の第4プリセット時間内の目標電流により、セルの自己放電電流を決定するために用いられる第1決定モジュールであって、第1閾値と第2閾値がいずれも0以上である第1決定モジュール404と、を含むセル自己放電電流検出装置を更に提供する。
【0137】
選択可能に、セル自己放電電流検出装置は、
セルの開放状態での目標電圧値を取得するために用いられる第2取得モジュールを更に含んでもよく、
これに対して、制御取得モジュール401は、具体的に、目標電圧値を出力電圧としてセルを充電するように定電圧源を制御することに用いてよい。
【0138】
選択可能に、セル自己放電電流検出装置は、
第1変化率が第1閾値以下である場合に、セルに対する充電を維持するように定電圧源を制御し、第1変化率が第1閾値よりも大きくなると、セルを充電するように定電流源と定電圧源を制御するステップに戻って実行するために用いられる第2制御モジュールを更に含んでもよい。
【0139】
選択可能に、セル自己放電電流検出装置は、
第2変化率の絶対値が第2閾値よりも大きい場合に、定電流源の出力電流を調整するために用いられる調整モジュールと、
第3時刻に達すると、第3時刻の後の第5プリセット時間における目標電流の経時的な第3変化率を取得するために用いられる第3取得モジュールであって、第3時刻が定電流源の出力電流を調整した時刻から計時し且つ第6プリセット時間に達するまで計時した時刻である第3取得モジュールと、
第3変化率の絶対値が第2閾値以下である場合に、第3時刻の目標電流、又は第3時刻の後の第7プリセット時間内の目標電流により、セルの自己放電電流を決定するために用いられる第2決定モジュールと、
第3変化率の絶対値が第2閾値よりも大きい場合に、定電流源の出力電流を調整するステップに戻って実行するために用いられる実行モジュールと、を更に含んでもよい。
【0140】
選択可能に、調整モジュールは、
第1出力電流を取得するために用いられる取得ユニットであって、第1出力電流が定電流源の出力電流をn-1回目調整した後に得られる出力電流である取得ユニットと、
第1出力電流を調整して、第2出力電流を得るために用いられる調整ユニットであって、第2出力電流が定電流源の出力電流をn回目調整した後に得られる出力電流であり、nが正の整数であり、nが1となる場合に、第1出力電流がプリセット電流である調整ユニットと、を含んでよい。
【0141】
選択可能に、調整ユニットは、
目標変化率により、目標電流調整量を決定するために用いられる決定サブユニットであって、目標変化率が定電流源の出力電流をn-1回目調整した後取得される第3変化率であり、nが1となる場合に、目標変化率が第2変化率である決定サブユニットと、
目標電流調整量により、第1出力電流を調整して、第2出力電流を得るために用いられる調整サブユニットと、を含んでよい。
【0142】
選択可能に、決定サブユニットは、具体的に、目標変化率とプリセット比との積を目標電流調整量として決定することに用いてよく、プリセット比が正数である。
【0143】
説明すべきことは、当該セル自己放電電流検出装置が上記セル自己放電電流検出方法に対応する装置であり、上記方法実施例における全ての実現形態が当該装置の実施例に適用され、且つ同じ技術的効果を達成できる点である。
【0144】
図5は本出願の実施例で提供される電子デバイスのハードウェア構成模式図を示す。
【0145】
電子デバイスは、プロセッサ501及びコンピュータプログラム指令を記憶しているメモリ502を含んでよい。
【0146】
例として、上記プロセッサ501は、中央処理装置(CPU)又は専用集積回路(Application Specific Integrated Circuit,ASIC)を含んでもよく、又は、本出願の実施例を実施する1つ又は複数の集積回路として配置されてもよい。
【0147】
メモリ502は、データ又は指令を記憶するための大容量メモリを含んでよい。例として、メモリ502は、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive,HDD)、フレキシブルディスクドライブ、フラッシュメモリ、光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープ又はユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus,USB)ドライブ或いはこれらの2つ又は複数以上の組合を含んでもよいが、これらに限定されない。適切な場合に、メモリ502は、取り外し可能又は取り外し不可能(又は固定)媒体を含んでもよい。適切な場合に、メモリ502は統合ゲートウェイディザスタリカバリデバイスの内部又は外部にあってよい。特定の実施例において、メモリ502は不揮発性ソリッドステートメモリである。
【0148】
メモリは、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体デバイス、光記憶媒体デバイス、フラッシュメモリ、電気、光学又は他の物理/有形のメモリ記憶デバイスを含んでよい。従って、一般的には、メモリはコンピュータ実行可能指令を含むソフトウェアをコーディングした1つ又は複数の有形(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体(例えば、メモリデバイス)を含み、当該ソフトウェアが(例えば、1つ又は複数のプロセッサにより)実行されると、本開示による方法を参照して記述した操作を実行することができる。
【0149】
プロセッサ501はメモリ502に記憶されたコンピュータプログラム指令を読み出して実行することによって、上記実施例におけるいずれかのセル自己放電電流検出方法を実現する。
【0150】
一例において、電子デバイスは、更に通信インタフェース503とバス504を含んでもよい。ここで、
図5に示すように、プロセッサ501、メモリ502、通信インタフェース503はバス504を介して接続されて相互間の通信を遂行する。
【0151】
通信インタフェース503は、主として本出願の実施例における各モジュール、装置、ユニット及び/又はデバイスの間の通信を実現する。
【0152】
バス504は、ハードウェア、ソフトウェア又は両者を含み、オンラインデータ流量課金デバイスの素子を互いに結合する。例として、バスは、アクセラレーテッド・グラフィック・ポート(AGP)又は他のグラフィクスバス、強化インダストリ・スタンダード・アーキテクチャ(EISA)バス、フロント・サイド・バス(FSB)、ハイパー・トランスポート(HT)インターコネクト、インダストリ・スタンダード・アーキテクチャ(ISA)バス、インフィニバンドインターコネクト、ロー・ピン・カウント(LPC)バス、メモリバス、マイクロ・チャネル・アーキテクチャ(MCA)バス、ペリフェラル・コンポーネント・インターコネクト(PCI)バス、PCI-Express(PCI-X)バス、シリアル・アドバンスド・テクノロジー・アタッチメント(SATA)バス、ビデオ・エレクトロニクス・スタンダーズ・アソシエーション・ローカル・バス(VLB)又は他の適切なバス、或いはこれらの2つ又は複数以上の組合を含んでもよいが、これらに限定されない。適切な場合に、バス504は、1つ又は複数のバスを含んでもよい。本出願の実施例で特定のバスを記述し表示したが、本出願ではいかなるバス又はインターコネクトも考えられる。
【0153】
なお、上記実施例におけるセル自己放電電流検出方法について、本出願の実施例はコンピュータ記憶媒体を提供することでそれを実現できる。当該コンピュータ記憶媒体にコンピュータプログラム指令が記憶されており、当該コンピュータプログラム指令がプロセッサにより実行されると、上記実施例におけるいずれかのセル自己放電電流検出方法が実現される。
【0154】
本出願は以上で記述され且つ図に示された特定の配置と処理に限定されないことを明確にすべきできる。簡単化するために、ここで、既知方法についての詳細記述は省略する。上記実施例では、例として若干の具体的ステップを記述し表示した。しかし、本出願の方法過程は記述し表示した具体的ステップに限定されるものではなく、当業者であれば、本出願の主旨を理解した後、様々な変更、修正、追加を行ったり、ステップ間の順序を変更したりすることができる。
【0155】
以上の構成ブロック図に示す機能ブロックは、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はこれらの組合として実現できる。ハードウェア方式で実現する場合に、例えば、電子回路、専用集積回路(ASIC)、適切なファームウェア、プラグイン、機能カード等であってよい。ソフトウェア方式で実現する場合に、本出願の要素は所望のタスクを実行するために用いられるプログラム又はコードセグメントである。プログラム又はコードセグメントは機械可読媒体に記憶されるか、キャリアに含まれるデータ信号によって伝送媒体又は通信リンクで伝送されてよい。「機械可読媒体」は、情報を記憶又は伝送可能ないかなる媒体を含んでもよい。機械可読媒体は、例として、電子回路、半導体メモリデバイス、ROM、フラッシュメモリ、消去可能ROM(EROM)、フロッピーディスク、CD-ROM、光ディスク、ハードディスク、光ファイバ媒体、無線周波(RF)リンク等を含む。コードセグメントは、例えば、インターネット、イントラネット等のコンピュータネットワークを経由してダウンロードできる。
【0156】
本出願に記載の例示的実施例で、一連のステップ又は装置に基づいて一部の方法又はシステムを記述したことを更に説明すべきである。ただし、本出願は上記ステップの順序に限定されなく、つまり、実施例に記載の順序でステップを実行してもよいし、実施例と異なる順序で実行してもよいし、若干のステップを同時に実行してもよい。
【0157】
以上、本開示の実施例による方法、装置(システム)及びコンピュータプログラム製品のフローチャート及び/又はブロック図を参照しながら本開示の各態様を記述した。フローチャート及び/又はブロック図における各ブロックと、フローチャート及び/又はブロック図における各ブロックの組合とはコンピュータプログラム指令によって実現できることを理解すべきである。これらのコンピュータプログラム指令は、機械を製造するように、共通コンピュータ、専用コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサへ提供されてもよく、それにより、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサによって実行されるこれらの指令は、フローチャート及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックにおいて指定された機能/動作を実現可能とする。このようなプロセッサは、共通プロセッサ、専用プロセッサ、特殊用途向けプロセッサ又はフィールドプログラマブル論理回路であってもよいが、これらに限定されない。更に、ブロック図及び/又はフローチャートにおける各ブロックと、ブロック図及び/又はフローチャートにおけるブロックの組合とは、指定された機能又は動作を実行する専用ハードウェアによって実現してもよいし、専用ハードウェアとコンピュータ指令の組合によって実現してもよいことが理解できる。
【0158】
好ましい実施例を参照して本出願を記述したが、本出願の範囲から逸脱しない限り、各種の改良を行ったり、その中の素子を同価物へ置き換えることができる。特に、構造上の矛盾がない限り、各実施例に記載の各技術的特徴は任意の方式で組み合わせることができる。本出願は本文で開示された特定の実施例に限定されず、特許請求の範囲に含まれる全ての技術的解決手段を含む。
【要約】
本出願は、セル(15)自己放電電流検出方法、装置、デバイス及びコンピュータ記憶媒体を開示する。その中で、方法は、第1時刻からセル(15)を充電するように定電圧源(11)を制御し、第1時刻の後の第1プリセット時間における目標電流の経時的な第1変化率を取得するステップ(201)と、第1変化率が第1閾値よりも大きい場合に、セル(15)を充電するように定電流源(12)と定電圧源(11)を制御するステップ(202)と、第2時刻に達すると、第2時刻の後の第2プリセット時間における目標電流の経時的な第2変化率を取得するステップ(203)であって、第2時刻が定電流源(12)と定電圧源(11)を用いてセル(15)を充電する時間が第3プリセット時間に達した時刻であるステップ(203)と、第2変化率の絶対値が第2閾値以下である場合に、第2時刻の目標電流又は第2時刻の後の第4プリセット時間内の目標電流により、セル(15)の自己放電電流を決定するステップ(204)と、を含む。