(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-22
(45)【発行日】2024-01-05
(54)【発明の名称】導通口と配管端部とを接続した接続構造、開閉バルブ装置及び封止部材の取外し方法
(51)【国際特許分類】
F16J 15/00 20060101AFI20231225BHJP
F16J 15/10 20060101ALI20231225BHJP
F16L 19/03 20060101ALI20231225BHJP
B25B 27/14 20060101ALI20231225BHJP
【FI】
F16J15/00 D
F16J15/10 L
F16L19/03
B25B27/14 A
(21)【出願番号】P 2019236115
(22)【出願日】2019-12-26
【審査請求日】2022-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】591038602
【氏名又は名称】株式会社ネリキ
(73)【特許権者】
【識別番号】000003034
【氏名又は名称】東亞合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】高田 幸治
(72)【発明者】
【氏名】岡田 慎司
(72)【発明者】
【氏名】赤松 浩之
(72)【発明者】
【氏名】阿久津 真太郎
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼根沢 敏
【審査官】羽鳥 公一
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-140230(JP,A)
【文献】特開2019-157929(JP,A)
【文献】特開2008-002564(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25B 25/00-33/00
F16J 15/00-15/14
F16L 17/00-19/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体が導通する流路の中間部分において開閉を切り替える開閉弁を有する開閉バルブ装置における前記流路の一端である導通口と、前記流体が導通する流路配管の配管端部とを接続した接続構造であって、
前記導通口と前記配管端部とは突き合わせ配置されるとともに、
前記導通口と前記配管端部との間に、取外し治具における略柱状の挿入先端部が挿通可能な開口を有するリング状の封止部材が配置され、
前記導通口及び前記配管端部のうち少なくとも一方に、前記封止部材を装着する装着溝が形成され、
前記装着溝に前記封止部材が装着された装着状態における、前記導通口及び前記配管端部のうちの他方と対面する側と反対側である裏面側に、
前記開口に前記挿入先端部を挿入した前記取外し治具を、前記封止部材を取り外すために傾けた際の前記挿入先端部との干渉を防止する干渉防止空間が設けられた
接続構造。
【請求項2】
前記装着溝及び前記干渉防止空間が前記導通口に形成された
請求項1に記載の接続構造。
【請求項3】
前記装着溝は、所定の受圧面積で前記封止部材と接触する接触面を有するとともに、
前記干渉防止空間は、
前記封止部材が装着する前記装着溝の径内側、且つ前記裏面側に設けられた
請求項2に記載の接続構造。
【請求項4】
流体が導通する流路の中間部分において開閉を切り替える開閉弁を有するとともに、
前記流路の一端を、前記流体が導通する流路配管の配管端部と突き合わせて接続する導通口とし、
前記導通口に、取外し治具における略柱状の挿入先端部が挿通可能な開口を有するリング状の封止部材を装着する装着溝が設けられ、
前記装着溝に前記封止部材が装着された装着状態における、前記配管端部と対面する側と反対側である裏面側に、前記開口に前記挿入先端部を挿入した前記取外し治具を、前記封止部材を取り外すために傾けた際の前記挿入先端部との干渉を防止する干渉防止空間が設けられた
開閉バルブ装置。
【請求項5】
前記装着溝は、所定の受圧面積で前記封止部材と接触する接触面を有するとともに、
前記干渉防止空間は、
前記封止部材が装着する前記装着溝の径内側、且つ前記裏面側に設けられた
請求項4に記載の開閉バルブ装置。
【請求項6】
流体が導通する流路の中間部分において開閉を切り替える開閉弁を有する開閉バルブ装置における前記流路の一端である導通口と、前記流体が導通する流路配管の配管端部とを接続した接続構造において前記導通口及び前記配管端部のうち少なくとも一方に形成された装着溝に装着された封止部材を取り外す封止部材の取外し方法であって、
前記装着溝に前記封止部材が装着された装着状態における、前記導通口及び前記配管端部のうちの他方と対面する側と反対側である裏面側に、開口に挿入先端部を挿入した取外し治具を、前記封止部材を取り外すために傾けた際の前記挿入先端部との干渉を防止する干渉防止空間が設けられおり、
前記装着溝に装着された前記封止部材の前記開口に前記挿入先端部を挿通した前記取外し治具を、挿入方向に対して傾けて前記封止部材を前記装着溝から取り外す
封止部材の取外し方法。
【請求項7】
前記挿入先端部の前記開口への過挿入を防止する過挿入防止手段が機能するまで前記挿入先端部を前記開口に挿入してから、前記取外し治具を傾ける
請求項6に記載の封止部材の取外し方法。
【請求項8】
前記過挿入防止手段は、前記取外し治具における前記挿入先端部の基端部に設けられるとともに、過挿入となる位置を明示する明示手段であり、
前記明示手段が前記開口の縁部に位置するまで挿入する
請求項7に記載の封止部材の取外し方法。
【請求項9】
前記過挿入防止手段は、前記取外し治具における前記挿入先端部の基端部に設けられるとともに、過挿入となる位置まで挿入すると前記開口の縁部に当接して規制する当接規制部であり、
前記当接規制部が前記開口の縁部に当接するまで挿入する
請求項7に記載の封止部材の取外し方法。
【請求項10】
前記開口に挿入可能な前記挿入先端部を、前記流路の一端に挿入できない非挿入形状で形成し、
該非挿入形状で形成された前記挿入先端部が前記過挿入防止手段として機能する
請求項7に記載の封止部材の取外し方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、ガスが導通する流路の中間部分において開閉を切り替える開閉弁を有する開閉バルブ装置における前記流路の一端である導通口と、前記流体が導通する流路配管の配管端部とを接続した接続構造、開閉バルブ装置及び開閉バルブ装置に装着した封止部材を取り外す取外し方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、開放状態と封止状態と切り替える開閉弁を備えた開閉バルブ装置は、流路の一端である導通口を、流路配管の配管端部と接続して、ガスなどの流体を導通させる。このとき、特許文献1に示すように、導通口と配管端部との間にリング状の封止部材(ガスケット)を配置し、導通口と配管端部との接合部からのガスの漏出を防止している。
【0003】
このような封止部材は、高い封止性を得るため加圧された状態で装着されているため、使用によって劣化して封止性が低下することがある。このように封止性が低下した封止部材は、導通口と配管端部との接続をばらして、交換することとなる。特に、導通させるガスが腐食性の高い腐食性ガスなど漏出によるリスクの高いガスを導通させる場合は、使用のたびに封止部材を交換することがあった。
【0004】
しかしながら、特許文献1に示すように、装着溝(段部)に封止部材を装着する場合、単に接合部に封止部材を配置する場合に比べて、封止部材を適切な位置に配置できるものの、装着状態の封止部材を装着溝から取り外すことが困難であり、封止部材の交換性が低かった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで本発明は、導通口と配管端部との接続状態において適切な位置に配置可能な封止部材を容易に交換することができる、導通口と配管端部とを接続した接続構造、開閉バルブ装置及び封止部材の取外し方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、流体が導通する流路の中間部分において開閉を切り替える開閉弁を有する開閉バルブ装置における前記流路の一端である導通口と、前記流体が導通する流路配管の配管端部とを接続した接続構造であって、前記導通口と前記配管端部とは突き合わせ配置されるとともに、前記導通口と前記配管端部との間に、取外し治具における略柱状の挿入先端部が挿通可能な開口を有するリング状の封止部材が配置され、前記導通口及び前記配管端部のうち少なくとも一方に、前記封止部材を装着する装着溝が形成され、前記装着溝に前記封止部材が装着された装着状態における、前記導通口及び前記配管端部のうちの他方と対面する側と反対側である裏面側に、前記開口に前記挿入先端部を挿入した前記取外し治具を、前記封止部材を取り外すために傾けた際の前記挿入先端部との干渉を防止する干渉防止空間が設けられたことを特徴とする。
【0008】
またこの発明は、流体が導通する流路の中間部分において開閉を切り替える開閉弁を有するとともに、前記流路の一端を、前記流体が導通する流路配管の配管端部と突き合わせて接続する導通口とし、前記導通口に、取外し治具における略柱状の挿入先端部が挿通可能な開口を有するリング状の封止部材を装着する装着溝が設けられ、前記装着溝に前記封止部材が装着された装着状態における、前記配管端部と対面する側と反対側である裏面側に、前記開口に前記挿入先端部を挿入した前記取外し治具を、前記封止部材を取り外すために傾けた際の前記挿入先端部との干渉を防止する干渉防止空間が設けられた開閉バルブ装置であることを特徴とする。
【0009】
上記流体は、気体、液体、あるいはゲル体であってもよく、また、腐食性の高い腐食性ガスなど漏出することでリスクの高い流体であってもよい。
上記封止部材は、Oリング、ゴムパッキング、メタルパッキングなど封止性及び弾性を有する、例えば、ガスケットなどとも呼ばれる部材である。
【0010】
上記開閉バルブ装置は、ボンベなどの容器に取付けて流体の出し入れを規制する容器バルブ装置、あるいは流路配管の間に装着して、流路配管を流れる流体の導通を規制する配管バルブ装置であってもよい。
また、導通する流体の導通方向は、一端が導通口である開閉バルブ装置内の前記流路と、配管端部を有する流路配管との一方から他方への一方向であってもよいし、例えば、充填と放出のように導通目的に応じて導通方向が変化する双方向であってもよい。
【0011】
上述の前記導通口と前記配管端部との少なくとも一方に形成された装着溝は、前記導通口に形成された装着溝、前記配管端部に形成された装着溝あるいは、前記導通口と前記配管端部との両方に形成された装着溝であってもよい。
【0012】
なお、前記導通口と前記配管端部との両方に形成される装着溝は、同形状で形成された装着溝のうちどちらか一方に封止部材を装着し、接続状態で他方の装着溝に封止部材が嵌合するような態様や、どちらかの装着溝を主の装着溝とし、接続状態で他方の従である装着溝に封止部材が嵌合するような態様としてもよい。
【0013】
上述の前記装着溝に前記封止部材が装着された装着状態における、前記導通口及び前記配管端部のうちの他方と対面する側と反対側である裏面側に、前記開口に貫通され、前記封止部材を取り外すために移動する前記挿入先端部との干渉を防止する干渉防止空間は、封止部材を装着する周状に凹んだ装着溝に対して、断面略階段状に凹んだ内径側の空間が周方向に連続する態様で形成されてもよいし、周方向における一部に形成されてもよいし、複数箇所に形成されてもよい。さらには、大径の流路に対して小径に形成された開口の裏面側に形成された空間であってもよい。
【0014】
この発明により、前記導通口と前記配管端部との接続状態において適切な位置に配置可能な前記封止部材を容易に取り外して交換することができる。
詳述すると、流体が導通する流路の中間部分において開閉を切り替える開閉弁を有する開閉バルブ装置における前記流路の一端である導通口と、前記流体が導通する流路配管の配管端部とを突き合わせた接続構造において、前記導通口と前記配管端部との間に配置する封止部材を前記導通口及び前記配管端部のうち少なくとも一方に形成した装着溝に装着することで、適切な位置に前記封止部材を確実に配置することができる。
【0015】
また、前記装着溝に前記封止部材が装着された装着状態における、前記導通口及び前記配管端部のうちの他方と対面する側と反対側である裏面側に干渉防止空間に設けたことにより、前記開口に前記挿入先端部を挿入した前記取外し治具を、装着溝に装着した前記封止部材を取り外すために傾けて、封止部材に対して裏面側から対面する側に向けて力を作用させることで、取外し治具における略柱状の挿入先端部が干渉することなく、装着溝に装着された封止部材を容易に取り外し、交換することができる。
【0016】
したがって、使用のたびに封止部材を交換するような腐食性ガスなどを導通させる場合であっても、容易かつ効率的に封止部材を交換し、安全に使用することができる。
さらに、開口部に前記挿入先端部が挿入されているため、取り外した封止部材は前記挿入先端部に外嵌した状態となり、例えば、封止部材が飛散して紛失するようなことを防止できる。
【0017】
この発明の態様として、前記装着溝及び前記干渉防止空間が前記導通口に形成されてもよい。
この発明により、封止部材の交換性を向上させることができる。
【0018】
詳述すると、固定された流路配管の配管端部に装着溝及び干渉防止空間が設けられる場合に比べ、取り外したり、移動させやすい開閉バルブ装置の導通口に装着溝及び干渉防止空間が設けられることで、装着溝に装着した封止部材を容易に取り外すことができ、封止部材の交換性を向上させることができる。
【0019】
またこの発明の態様として、前記装着溝は、所定の受圧面積で前記封止部材と接触する接触面を有するとともに、前記干渉防止空間は、前記封止部材が装着する前記装着溝の径内側、且つ前記裏面側に設けられてもよい。
【0020】
この発明により、前記導通口と前記配管端部との接続状態において、前記装着溝に装着した封止部材で確実に封止できるとともに、装着溝に装着した封止部材を取り外し治具で取り外すことができる。
【0021】
詳述すると、前記装着溝に所定の受圧面積で前記封止部材と接触する接触面を有することで、上記接続状態において、意図しない変形が生じることなく、封止部材を加圧して、確実に封止することができる。
【0022】
また、前記干渉防止空間を、前記封止部材が装着する前記装着溝の径内側、且つ前記裏面側に設けられているため、導通する流体に影響の少ない干渉防止空間を簡易な構造で構成することができる。
【0023】
またこの発明は、流体が導通する流路の中間部分において開閉を切り替える開閉弁を有する開閉バルブ装置における前記流路の一端である導通口と、前記流体が導通する流路配管の配管端部とを接続した接続構造において前記導通口及び前記配管端部のうち少なくとも一方に形成された装着溝に装着された前記封止部材を取り外す封止部材の取外し方法であって、前記装着溝に前記封止部材が装着された装着状態における、前記導通口及び前記配管端部のうちの他方と対面する側と反対側である裏面側に、前記開口に前記挿入先端部を挿入した前記取外し治具を、前記封止部材を取り外すために傾けた際の前記挿入先端部との干渉を防止する干渉防止空間が設けられおり、前記装着溝に装着された前記封止部材の前記開口に前記挿入先端部を挿通した前記取外し治具を、挿入方向に対して傾けて前記封止部材を前記装着溝から取り外すことを特徴とする。
【0024】
この発明により、前記導通口及び前記配管端部のうち少なくとも一方に形成された装着溝に封止部材を装着することで、前記導通口と前記配管端部との接続状態において適切な位置に前記封止部材を配置することができる。
【0025】
また、前記装着溝に前記封止部材が装着された装着状態における、前記導通口及び前記配管端部のうちの他方と対面する側と反対側である裏面側に、干渉防止空間に設けたことにより、前記開口に前記挿入先端部を挿入した前記取外し治具を、装着溝に装着した前記封止部材を取り外すために傾けて、封止部材に対して裏面側から対面する側に向けて力を作用させることで、取外し治具における略柱状の挿入先端部が干渉することなく、装着溝に装着された封止部材を容易に取り外し、交換することができる。したがって、使用のたびに封止部材を交換するような腐食性ガスなどを導通させる場合であっても、容易かつ効率的に封止部材を交換し、安全に使用することができる。
【0026】
この発明の態様として前記挿入先端部の前記開口への過挿入を防止する過挿入防止手段が機能するまで前記挿入先端部を前記開口に挿入してから、前記取外し治具を傾けてもよい。
この発明により、前記挿入先端部を過挿入し、例えば前記挿入先端部が前記流路に挿入され、装着溝に装着した前記封止部材を取り外すために傾けることができず、前記封止部材を取外しできないという不具合や、前記開口に対する前記挿入先端部の挿入量が少なすぎて(以下において過小挿入という)装着溝に装着した前記封止部材を取り外すために傾けても、前記挿入先端部が前記開口から外れて、前記封止部材を取外しできないという不具合の発生を防止することができる。
【0027】
またこの発明の態様として、前記過挿入防止手段は、前記取外し治具における前記挿入先端部の基端部に設けられるとともに、過挿入となる位置を明示する明示手段であり、前記明示手段が前記開口の縁部に位置するまで挿入してもよい。
【0028】
この発明により、目視により前記挿入先端部の過小挿入や過挿入を防止して、前記封止部材を確実に取り外すことができる。
【0029】
またこの発明の態様として、前記過挿入防止手段は、前記取外し治具における前記挿入先端部の基端部に設けられるとともに、過挿入となる位置まで挿入すると前記開口の縁部に当接して規制する当接規制部であり、前記当接規制部が前記開口の縁部に当接するまで挿入してもよい。
この発明により、当接規制部で挿入位置を規制でき、前記挿入先端部の過小挿入や過挿入を防止して、前記封止部材を確実に取り外すことができる。
【0030】
またこの発明の態様として、前記開口に挿入可能な前記挿入先端部を、前記流路の一端に挿入できない非挿入形状で形成し、該非挿入形状で形成された前記挿入先端部が前記過挿入防止手段として機能してもよい。
【0031】
この発明により、流路によって挿入位置を規制でき、前記挿入先端部の過小挿入や過挿入を防止して、前記封止部材を確実に取り外すことができる。
【0032】
前記非挿入形状は、断面円形の流路に対して大径の断面円形、長径を有する断面楕円形、前記挿入先端部の端面における周方向の少なくとも一部において径方向に突出する断面形状などであってもよい。
【発明の効果】
【0033】
本発明により、導通口と配管端部との接続状態において適切な位置に配置可能な封止部材を容易に交換することができる、導通口と配管端部とを接続した接続構造、開閉バルブ装置及び封止部材の取外し方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】容器バルブ装置と流路配管との接続構造の一部断面概略正面図。
【
図2】容器バルブ装置と流路配管との接続構造の一部断面概略説明図。
【
図3】容器バルブ装置と流路配管との接続構造の一部断面概略正面図。
【
図4】容器バルブ装置と流路配管との接続構造の一部断面概略正面図。
【
図5】容器バルブ装置と流路配管との接続構造の一部断面概略斜視図。
【
図7】容器バルブ装置の導通口に装着したガスケットに対して取り外し治具を挿入した状態の一部断面概略正面図。
【
図8】容器バルブ装置の導通口に装着したガスケットの取り外し治具による取り外し状態の説明図。
【
図9】配管バルブ装置と流路配管との接続構造の一部断面概略正面図。
【
図10】配管バルブ装置と流路配管との接続構造の一部断面概略説明図。
【
図11】配管バルブ装置と流路配管との接続構造の一部断面概略正面図。
【
図12】配管バルブ装置と流路配管との接続構造の一部断面概略正面図。
【
図14】配管バルブ装置の導通口に装着したガスケットの取り外し治具による取り外し状態の説明図。
【
図15】配管バルブ装置の導通口に装着したガスケットの取り外し治具による取り外し状態の説明図。
【
図16】別の実施形態の導通口と流路配管との接続構造の一部断面説明図。
【発明を実施するための形態】
【0035】
この発明の一実施形態である容器バルブ装置1と流路配管100との接続構造X及び装着溝122に装着したガスケット20の取り外しについて、
図1乃至
図8とともに説明する。
図1、
図3及び
図4は容器バルブ装置1と流路配管100との接続構造Xの一部断面概略正面図を示し、
図2は容器バルブ装置1の導通口12と流路配管100との接続構造Xの一部断面概略説明図を示し、
図5は容器バルブ装置1の導通口12と流路配管100との接続構造Xの一部断面概略斜視図を示し、
図6は取り外し治具200の斜視図を示し、
図7は容器バルブ装置1の導通口12に装着したガスケット20に対して取り外し治具200の支柱部202を挿入した状態の一部断面概略正面図を示し、
図8は容器バルブ装置1の導通口12に装着したガスケット20の取り外し治具200による取り外し状態の説明図を示している。
【0036】
なお、詳しくは、
図1は接続構造Xの分解状態の一部断面概略正面図を示し、
図2は容器バルブ装置1の導通口12にガスケット20を装着した状態の接続構造Xの一部断面概略正面図を示し、
図4は接続状態の接続構造Xの一部断面概略正面図を示している。これら
図1、
図2及び
図4では、容器バルブ装置1の導通口12の部分と、ガスケット20と、流路配管100について縦断面図として図示している。
【0037】
また、
図2(a)は容器バルブ装置1の導通口12にガスケット20を装着する前の状態の一部断面概略斜視図を示し、
図2(b)は容器バルブ装置1の導通口12にガスケット20を装着した状態の接続構造Xの一部断面概略斜視図を示し、
図5は接続状態の接続構造Xの一部断面概略斜視図を示している。
【0038】
これら
図2及び
図5では、導通口12、ガスケット20及び流路配管100の正面、左側面及び平面の方向からの斜視図を図示しているが、左側面視リング状である導通口12、ガスケット20及び流路配管100の手前側の一部を切り欠いて図示している。また、
図6においては、取り外し治具200の支柱部202の手前側の一部を切り欠いて図示している。
【0039】
容器バルブ装置1の導通口12に装着したガスケット20に対して取り外し治具200の支柱部202を挿入した状態の一部断面概略正面図を示す
図7、及び容器バルブ装置1の導通口12に装着したガスケット20の取り外し治具200による取り外し状態の説明図を示す
図8では、容器バルブ装置1の導通口12及びガスケット20について縦断面図として図示している。
【0040】
なお、
図8(a)はガスケット20を取り外すため取り外し治具200を傾けた状態の一部断面概略正面図を示し、
図8(b)は取り外し治具200をさらに傾けてガスケット20を取り外した状態の一部断面概略正面図を示している。
【0041】
容器バルブ装置1は、図示省略するボンベ容器の上部に取り付けられ、ガスの供給や充填のために、流路配管100に接続されるとともに、ガスの導通を規制する開閉バルブ装置である。
【0042】
容器バルブ装置1は、縦長の略円筒状であるボディ本体10と、ボディ本体10の上部に設け、ボディ本体10の内部に設けた開閉弁(図示省略)を回転操作する回転ハンドル11を備えている。
詳述すると、縦長の略円筒状であるボディ本体10は、中段付近において側方に突出する導通口12を備えるとともに、ボンベ容器の上部の装着部(図示省略)に螺合して取り付けられるボンベ取付け部13を下部に備えている。
【0043】
また、ボディ本体10の内部には、導通口12の先端部とボンベ取付け部13の下端部まで導通する流路14が設けられている。なお、図示省略するが、ボディ本体10の内部の流路14の中間部分には、回転ハンドル11の回転操作によって開閉動作する閉止弁を収容する弁室を設けている。
【0044】
ボディ本体10の中段付近において側方に突出する導通口12は、水平方向の流路14を左側面視中央に有する略円筒状であり、流路配管100に装着された袋ナット103と螺合するネジ部121を備えている。
【0045】
また、略円筒状の導通口12の左側面には、ガスケット20を装着する左側面視円形凹状の装着溝122を設けるとともに、装着溝122の外周縁から所定の間隔を隔てた径内側の位置から流路14の端部までをボディ本体10の側(以下においてボディ側Bという)に向かって先絞り状の円錐台形状となるテーパ状空間123を設けている。
【0046】
さらに、装着溝122の外縁からテーパ状空間123までの所定の間隔部分である溝底面124には、断面三角形状の封止溝125をテーパ状空間123の外径側に設けている。
【0047】
このように構成した装着溝122は、ガスケット20の外径と略同一の外径と、ガスケット20の厚みの半分程度の深さで形成し、装着溝122を形成する導通口12の内面には、装着溝122に装着されたガスケット20の外周面に密着する内周凸部126(
図1のa部拡大図参照)を設けている。
なお、このように構成した容器バルブ装置1では、仕様に応じて、残圧保持機構、逆流防止機構、減圧機構、圧力計、安全弁などを適宜設けてもよい。
【0048】
接続構造Xにおいて、流路配管100の配管端部102と導通口12との間に配置されるガスケット20は、導通口12の外径よりひと回り小さな外径を有するとともに、側面視中央に開口21を有する、装着溝122に装着される側面視リング状であり、導通口12と流路配管100とが接合した接続構造Xにおいて封止性及び弾性性を発揮できるゴムパッキング、メタルパッキングなど適宜の材料で構成されている。
なお、開口21は、流路14の径以上、テーパ状空間123の先端側F(ボディ側Bの反対側)より小さな径で形成している。
【0049】
ガスケット20を介して導通口12と接続され、接続構造Xを構成する流路配管100は、内部に導通空間101を有する配管であり、図示省略するが適宜の経路で配索され、一端を容器バルブ装置1の導通口12と接続する配管端部102としている。なお、流路配管100における配管端部102と反対側の端部は適宜の装置やタンク等に接続されている。
【0050】
流路配管100の一端部を構成する配管端部102は、導通口12と略同径まで拡径されてフランジ状を構成し、配管端部102の容器バルブ装置1側の側面102aには、図示省略するが断面三角形状の封止溝を設けている。
【0051】
また、流路配管100には袋ナット103が長手方向に移動可能に装着されている。流路配管100に対して長手方向に移動可能に装着された袋ナット103は、配管端部102によって、容器バルブ装置1側への移動が規制されている。袋ナット103の内面に導通口12のネジ部121と螺合するネジ部104を形成している。
【0052】
続いて、このように構成した容器バルブ装置1の導通口12と、流路配管100の配管端部102とを、ガスケット20を介在させて接続して接続構造Xを構成する方法を説明する。
まず、
図2及び
図3に示すように、導通口12の装着溝122にガスケット20を装着する。このとき、ガスケット20の厚みに比べて深さの浅い装着溝122に押し込んで装着したガスケット20は、導通口12の先端側F(流路配管100の側であってボディ側Bと反対側)の面より先端側Fに突出する態様で装着される。
【0053】
このとき、
図3のa部拡大図に示すように、装着溝122を形成する導通口12の内面に設けた内周凸部126が、装着溝122に装着されたガスケット20の外周面に対して径内側に向きに押圧するように密着しているため、装着溝122から不用意にガスケット20が外れることを防止している。
【0054】
このように装着溝122にガスケット20が装着された導通口12と配管端部102が対面するように容器バルブ装置1と流路配管100とを配置するとともに(
図2(b)及び
図3参照)、袋ナット103のネジ部104と、導通口12のネジ部121とを螺合して、導通口12と流路配管100とを連結する。
【0055】
さらに、袋ナット103と導通口12とをさらに螺入し、導通口12の溝底面124と、配管端部102の側面102aとでガスケット20を挟み込み、ガスケット20が溝底面124に設けた封止溝125と、側面102aに設けた封止溝に食い込む程度まで締め付けることで、ガスケット20を介して突き合わせ配置された導通口12と流路配管100との接続を完了し、接続構造Xを構成することとなる。
【0056】
このようにして接続された導通口12と流路配管100とによる接続構造Xは、装着溝122に装着したガスケット20を導通口12と流路配管100との間の適切な位置に配置することができる。また、
図3のa部拡大図に示すように、装着溝122を形成する導通口12の内面に設けた内周凸部126が、装着溝122に装着されたガスケット20の外周面に対して径内側に向きに押圧するように密着しているため、装着溝122から不用意にガスケット20が外れることがなく、接続構造Xにおいてガスケット20をより確実に適切な位置に配置することができる。
【0057】
また、導通口12より先端側に突出する態様で装着されたガスケット20を溝底面124と側面102aとで挟み込むとともに、それぞれの封止溝に食い込むまで締め付けられているため、封止性の高い接続構造Xを構成することができる。したがって、腐食性が高い腐食性ガスなどを導通させたとしても漏出することなく、安全に使用することができる。
【0058】
このように接続構造Xは高い封止性を実現するものの、上述したように、ガスケット20は溝底面124と側面102aとで挟み込むとともに、それぞれの封止溝に食い込むまで締め付けられており、使用によって劣化すると交換する必要がある。続いて、接続構造Xにおいて装着溝122に装着したガスケット20を取り外す取り外し治具200及び取り外し治具200を用いたガスケット20の取り外し方法について説明する。
【0059】
取り外し治具200は、
図6に示すように、交換する者が把持する円筒状の把持部201と、把持部201から上方に突出する円柱状の支柱部202とで構成している。
支柱部202は根元部分に比べて上方部分が縮径した略円柱状であり、先端面から基端側に所定間隔を隔てて周方向に延びる明示溝204を設けている。なお、明示溝204より先端側を挿入先端部203としている。さらに、根元部分に比べて上方が縮径した略円柱状である支柱部202の縮径部分の径はガスケット20の開口21の径より小さく形成している。
【0060】
このように構成した取り外し治具200を用いて、装着溝122に装着したガスケット20を取り外すには、取り外し治具200を導通口12に対して、流路14の延出方向に沿うように、つまり、縦断面において、ガスケット20に対して直交する方向に配置する。そして、ガスケット20の開口21に対して挿入先端部203をボディ側Bに挿入する。このとき、明示溝204がガスケット20の開口21における先端側Fの縁部に沿う位置まで挿入する。
【0061】
この状態で、
図8(a)に図示するように、取り外し治具200を傾ける。詳しくは、流路14の延出方向に沿って配置されるとともに、ボディ側Bに挿入された取り外し治具200の先端側Fを例えば、矢印mに示すように下方に向かって移動させて取り外し治具200を傾ける。これにより、挿入先端部203がガスケット20の開口21をボディ側Bに貫通した状態で、ガスケット20の開口21のボディ側Bの縁部に当接するように取り外し治具200は傾く。このとき、挿入先端部203の先端部は、
図8(a)に図示するように、テーパ状空間123に挿入されるため、つまり、挿入先端部203の先端部が取り外し治具200の傾斜に伴って流路14の内面と干渉することを防止できる。
【0062】
この状態で、把持部201を矢印m(
図8参照)の方向にさらに移動させることにより、把持部201から入力された力は、開口21の開口縁の角部に当接する支柱部202を支点として、梃子の原理により、挿入先端部203には先端側Fの力として作用する。
【0063】
そのため、テーパ状空間123に挿入された挿入先端部203は、挿入先端部203の先端側Fにあるガスケット20に対して先端側Fの力を作用させ、先端側Fの力が作用したガスケット20は挿入先端部203によって押し出されて、装着溝122からガスケット20を取り外すことができる。
【0064】
上述のように、ガスが導通する流路14の中間部分において開閉を切り替える開閉弁を有する容器バルブ装置1における流路14の一端である導通口12と、ガスが導通する流路配管100の配管端部102との接続構造Xは、導通口12と配管端部102とは突き合わせ配置されるとともに、導通口12と配管端部102との間に、取り外し治具200における略柱状の挿入先端部203が挿通可能な開口21を有するリング状のガスケット20が配置され、ガスケット20を装着する装着溝122が導通口12に形成され、装着溝122にガスケット20が装着された装着状態における、配管端部102と対面する側と反対側であるボディ側Bに、開口21に挿入先端部203を挿入した取り外し治具200を、ガスケット20を取り外すために傾けた際の挿入先端部203との干渉を防止するテーパ状空間123を設けているため、導通口12と配管端部102との接続状態において適切な位置に配置可能なガスケット20を容易に取り外して交換することができる。
【0065】
詳述すると、ガスが導通する流路14の中間部分において開閉を切り替える開閉弁を有する容器バルブ装置1における流路14の一端である導通口12と、ガスが導通する流路配管100の配管端部102とを突き合わせた接続構造Xにおいて、導通口12と配管端部102との間に配置するガスケット20を導通口12に形成した装着溝122に装着することで、適切な位置にガスケット20を確実に配置することができる。
【0066】
また、装着溝122にガスケット20が装着された装着状態における、配管端部102と対面する側と反対側であるボディ側Bにテーパ状空間123を設けたことにより、開口21に挿入先端部203を挿入した取り外し治具200を、装着溝122に装着したガスケット20を取り外すために矢印mの方向に傾けて、ガスケット20に対してボディ側Bから先端側Fに向けて力を作用させることで、取り外し治具200における略柱状の挿入先端部203が干渉することなく、装着溝122に装着されたガスケット20を容易に取り外し、交換することができる。
【0067】
したがって、使用のたびにガスケット20を交換するような腐食性ガスなどを導通させる場合であっても、容易かつ効率的にガスケット20を交換し、安全に使用することができる。
さらに、開口21に挿入先端部203を挿入しているため、取り外したガスケット20は挿入先端部203に外嵌した状態となり、例えば、ガスケット20が飛散して紛失するようなことを防止できる。
【0068】
また、装着溝122及びテーパ状空間123を導通口12に形成しているため、ガスケット20の交換性を向上させることができる。
詳述すると、固定された流路配管100の配管端部102に装着溝122及びテーパ状空間123を設ける場合に比べ、取り外したり、移動させやすい容器バルブ装置1の導通口12に装着溝122及びテーパ状空間123を設けることで、装着溝122に装着したガスケット20を容易に取り外すことができるため、ガスケット20の交換性を向上させることができる。
【0069】
また、装着溝122は、所定の受圧面積でガスケット20と接触する溝底面124を有するとともに、テーパ状空間123を、ガスケット20が装着する装着溝122の径内側、且つボディ側Bに設けているため、導通口12と配管端部102との接続状態において、装着溝122に装着したガスケット20で確実に封止できるとともに、装着溝122に装着したガスケット20を取り外し治具で取り外すことができる。
【0070】
詳述すると、装着溝122に所定の受圧面積でガスケット20と接触する溝底面124を有することで、上記接続状態において、意図しない変形が生じることなく、ガスケット20を加圧して、確実に封止することができる。
【0071】
また、テーパ状空間123をガスケット20が装着する装着溝122の径内側、且つボディ側Bに設けているため、導通するガスに影響の少ないテーパ状空間123を簡易な構造で構成することができる。
【0072】
また、挿入先端部203の開口21への過挿入を防止する明示溝204が機能するまで挿入先端部203を開口21に挿入してから、取り外し治具200を傾けるため、挿入先端部203を過挿入し、例えば挿入先端部203が流路14に挿入され、装着溝122に装着したガスケット20を取り外すために傾けることができず、ガスケット20を取外しできないという不具合や、開口21に対する挿入先端部203の挿入量が少なすぎて装着溝122に装着したガスケット20を取り外すために傾けても、挿入先端部203が開口21から外れて、ガスケット20を取外しできないという不具合の発生を防止することができる。
【0073】
また、明示溝204は、取り外し治具200における挿入先端部203の基端部に設けられるとともに、過挿入となる位置を明示するため、明示溝204が開口21の縁部に位置するまで挿入すると、目視により挿入先端部203の過小挿入や過挿入を防止して、ガスケット20を確実に取り外すことができる。
【0074】
なお、上述の説明では、ボンベ容器の上部に取り付けられ、ガスの供給や充填のために、流路配管100に接続されるとともに、ガスの導通を規制する容器バルブ装置1と流路配管100との接続構造Xについて説明したが、流路配管100の間に配置される配管バルブ装置1aと流路配管100との接続構造Xaであってもよい。
【0075】
以下において、配管バルブ装置1aと流路配管100とを接続する接続構造Xaについて
図9乃至
図15とともに説明する。
なお、
図9、
図11、
図12は配管バルブ装置1aと流路配管100との接続構造Xaの一部断面概略正面図を示し、
図10は配管バルブ装置1aと流路配管100との接続構造Xaの一部断面概略説明図を示し、
図13は取り外し治具200aの斜視図を示し、
図14及び
図15は配管バルブ装置1aの導通口12aに装着したガスケット20の取り外し治具200aによる取り外し状態の説明図を示している。
【0076】
なお、
図9は接続構造Xaの分解状態の一部断面概略正面図を示し、
図11は配管バルブ装置1aの導通口12aにガスケット20を装着した状態の接続構造Xaの一部断面概略正面図を示し、
図12は接続状態の接続構造Xaの一部断面概略正面図を示している。これら
図9、
図11及び
図12では、配管バルブ装置1aの導通口12aの部分と、ガスケット20と、流路配管100について縦断面図として図示している。
【0077】
また、
図10(a)は配管バルブ装置1aの導通口12aにガスケット20を装着する前の状態の一部断面概略斜視図を示し、
図10(b)配管バルブ装置1aの導通口12aにガスケット20を装着した状態の接続構造Xaの一部断面概略斜視図を示し、
図5は接続状態の接続構造Xaの一部断面概略斜視図を示している。
【0078】
図10では、導通口12a、ガスケット20及び流路配管100の正面、左側面及び平面の方向からの斜視図を図示しているが、左側面視リング状である導通口12a、ガスケット20及び流路配管100の手前側の一部を切り欠いて図示している。
また、
図13では、取り外し治具200aの支柱部202aの手前側の一部を切り欠いて図示している。
【0079】
図14(a)は配管バルブ装置1aにおいてガスケット20を装着した両方の導通口12aの一方に対して取り外し治具200aを配置した状態の一部断面概略斜視図を示し、
図14(b)は導通口12aに装着したガスケット20の開口21に取り外し治具200aの挿入先端部203aを挿入した状態の一部断面概略斜視図を示している。
【0080】
図14(c)はガスケット20の開口21に挿入先端部203aを挿入した取り外し治具200aを傾斜させた状態の一部断面概略斜視図を示し、
図14(d)は取り外し治具200aをさらに傾斜させてガスケット20を取り外した状態の一部断面概略斜視図を示している。
【0081】
配管バルブ装置1aは、ボンベ容器の上部に取り付けられ、ガスの導通を規制する上述の容器バルブ装置1と異なり、流路配管100同士の間に配置し、流路配管100の導通空間101を流れるガスの導通を規制する開閉バルブ装置である。
【0082】
以下の説明では、上述の容器バルブ装置1と流路配管100とを接続した接続構造Xにおける構成と同じ構成については、同じ符号を用い、その詳細な説明を省略する。
ボンベ容器に取付けるボンベ取付け部13を下部に備えると共に、中段付近から側方に突出する導通口12を備えたボディ本体10で構成する容器バルブ装置1と異なり、配管バルブ装置1aは、ボディ本体10aを挟んで2つの導通口12aが平面視一直線上となるように両側方に突出し、正面視逆T字状のボディ本体10aを構成している。
【0083】
このように構成されたボディ本体10aの内部には、両方の導通口12aの端部同士をつなぐ流路14が内部に形成されている。その他の構成は容器バルブ装置1と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0084】
このように構成されたボディ本体10aの導通口12aは、導通口12においてボディ側Bに先絞り状の円錐台形状のテーパ状空間123に代わり、装着溝122よりひとまわり小さなリング状の空間を構成するリング状空間123aを設けている。導通口12aにおけるその他の構成については導通口12における構成と同じであるため、説明を省略する。
【0085】
このように構成した配管バルブ装置1aを流路配管100と接続して構成する接続構造Xaは、まず、導通口12aの装着溝122にガスケット20を装着する(
図9乃至
図11参照)。
そして、袋ナット103をずらして配管端部102が露出する状態で、所定の間隔を隔てて配置された流路配管100の配管端部102同士の間に配管バルブ装置1aを配置する。
【0086】
所定の間隔を隔てて配置された流路配管100の配管端部102同士の間に配置した配管バルブ装置1aの導通口12aはそれぞれ配管端部102と対面し、ガスケット20を介して突き合わせた状態となり、この状態で、流路配管100の袋ナット103と導通口12aのネジ部121とを螺合することで、それぞれの導通口12aと流路配管100とが接続され、接続構造Xaを構成することができる。
【0087】
続いて、このように構成された接続構造Xaにおいて装着溝122に装着したガスケット20を取り外す取り外し治具200a及び取り外し治具200aを用いたガスケット20の取り外し方法について説明する。
取り外し治具200aは、
図6に示すように、交換する者が把持する円筒状の把持部201aと、把持部201aから上方に突出する円柱状の支柱部202aとで構成している。
【0088】
支柱部202aは根元部分に比べて上方が縮径した略円柱状であり、縮径された部分を挿入先端部203aとし、支柱部202aと挿入先端部203aとの間を、先端側に向かって徐々に縮径する当接規制部204aとしている。また、挿入先端部203aの径はガスケット20の開口21の径より小さく形成している。
【0089】
このように構成した取り外し治具200aを用いて、装着溝122に装着したガスケット20を取り外すには、
図14(a)に示すように、取り外し治具200aを導通口12に対して、流路14の延出方向に沿うように、つまり、縦断面において、ガスケット20に対して直交する方向に配置する。そして、ガスケット20の開口21に対して挿入先端部203aをボディ側Bに挿入する。このとき、
図14(b)に示すように、当接規制部204aがガスケット20の開口21における先端側Fの縁部に当接するまで挿入する。
【0090】
この状態で、
図15(a)に図示するように、取り外し治具200aを傾ける。詳しくは、流路14の延出方向に沿って配置されるとともに、ボディ側Bに挿入された取り外し治具200aの先端側Fを例えば、矢印mに示すように下方に向かって移動させて取り外し治具200aを傾ける。これにより、挿入先端部203aがガスケット20の開口21をボディ側Bに貫通した状態で、ガスケット20の開口21のボディ側Bの縁部に当接するように取り外し治具200aは傾く。このとき、挿入先端部203aの先端部は、
図15(a)に図示するように、リング状空間123aに挿入されるため、つまり、挿入先端部203aの先端部が取り外し治具200aの傾斜に伴って流路14の内面と干渉することを防止できる。
【0091】
この状態で、把持部201aを矢印m(
図15(b)参照)の方向にさらに移動させることにより、把持部201aから入力された力は、開口21の開口縁の角部に当接する当接規制部204aを支点として、梃子の原理により、挿入先端部203aには先端側Fの力として作用する。
【0092】
そのため、リング状空間123aに挿入された挿入先端部203aは、挿入先端部203aの先端側Fにあるガスケット20に対して先端側Fの力を作用させ、先端側Fの力が作用したガスケット20は挿入先端部203aによって押し出されて、装着溝122からガスケット20を取り外すことができる。
【0093】
このように構成された接続構造Xaは、導通口12と流路配管100とを接続して構成した接続構造Xと同様の効果を奏することができる。
また、当接規制部204aは、取り外し治具200aにおける挿入先端部203aの基端部に設けられるとともに、過挿入となる位置まで挿入すると開口21の縁部に当接して規制する構成であり、当接規制部204aが開口21の縁部に当接するまで挿入することで、当接規制部204aで挿入位置を規制でき、挿入先端部203aの過小挿入や過挿入を防止して、ガスケット20を確実に取り外すことができる。
【0094】
なお、上述の挿入先端部203aは流路14の内径より大径に形成しているため、挿入先端部203aの長さを長く形成し、当接規制部204aが開口21の縁部に当接する前に、リング状空間123aのボディ側Bの端部に当接することで、挿入先端部203aの過挿入を防止するように構成してもよい。この場合、当接規制部204aがなくても、挿入先端部203aがボディ側Bの端部、つまり流路14の先端側Fの端部に当接するまで挿入することで、上述の効果を奏することができる。
【0095】
また、上述の説明では、端部に配管端部102が備えられた流路配管100と接続する接続構造X,Xaについて説明したが、例えば、米国のCGA規格などのように、配管端部102より先端側に嵌合凸部105を備えた流路配管100bと接続して接続構造Xbを構成してもよく、この場合について
図16とともに説明する。
なお、以下の説明においても、上述の容器バルブ装置1と流路配管100とを接続した接続構造Xにおける構成と同じ構成については、同じ符号を用い、その詳細な説明を省略する。
【0096】
図16に示すように、流路配管100bの先端には、配管端部102よりも突出する嵌合凸部105が設けられている。嵌合凸部105は流路配管100bの外径より小径である。このように配管端部102より先端側に突出する嵌合凸部105が備えられた流路配管100bをこれまでの導通口12や導通口12aに接続すると、嵌合凸部105が干渉し接続することができない。
【0097】
そこで、流路配管100bと接続した接続構造Xbを構成する導通口12bは導通口12や導通口12aと同様に装着溝122を設けるものの、流路14と装着溝122との間にテーパ状空間123やリング状空間123aを設けていた導通口12や導通口12aに対して、導通口12bでは、装着溝122にテーパ状空間123bを設け、テーパ状空間123bと流路14との間に、嵌合凸部105を収容する嵌合凸部収容空間127を設けている。
【0098】
つまり、先端側Fからボディ側Bに向かって、装着溝122、テーパ状空間123かリング状空間123a、及び流路14の順で配置されていた導通口12や導通口12aに対し、導通口12bは、装着溝122、テーパ状空間123b、嵌合凸部収容空間127及び流路14の順で配置されている。さらに換言するとテーパ状空間123bは、装着溝122と嵌合凸部収容空間127との間に形成されていることとなる。
【0099】
このように構成された導通口12bは、容器バルブ装置1のような容器バルブ装置や配管バルブ装置1aのような配管バルブ装置のいずれに設けられてもよいし、テーパ状空間123bの代わりにリング状空間123aと同様のリング状の空間で構成してもよい。
【0100】
また,接続構造Xbに用いるガスケット20bは、接続構造Xや接続構造Xaで用いたガスケット20の開口21に比べ、嵌合凸部105が挿通できる大径の開口21bを有している。そのため、テーパ状空間123bの先端側Fの径も、テーパ状空間123の先端側Fの径に比べて大径化している。
【0101】
このように構成した導通口12b、ガスケット20b及び流路配管100bを接続して構成した接続構造Xbは、導通口12を備えた容器バルブ装置1と流路配管100とを接続して構成した接続構造X並びに導通口12aを備えた配管バルブ装置1aと流路配管100とを接続して構成した接続構造Xaと同様の効果を奏することができる。
【0102】
また、このように構成した導通口12bの装着溝122に装着したガスケット20bも、
図8や
図15に示すように、導通口12や導通口12aの装着溝122に装着したガスケット20を取り外す手順と同様の手順で取り外し治具200を用いて取り外すことができる。
【0103】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、この発明の流体はガスに対応し、
以下同様に、
流路は流路14に対応し、
開閉バルブ装置は容器バルブ装置1に対応し、
導通口は導通口12,12a,12bに対応し、
流路配管は流路配管100,100bに対応し、
配管端部は配管端部102に対応し、
接続構造は接続構造X,Xa,Xbに対応し、
開口は開口21,21bに対応し、
封止部材はガスケット20,20bに対応し、
装着溝は装着溝122に対応し、
裏面側はボディ側Bに対応し、
取外し治具は取り外し治具200に対応し、
挿入先端部は挿入先端部203,203aに対応し、
干渉防止空間はテーパ状空間123,123bあるいはリング状空間123aに対応し、
接触面は溝底面124に対応し、
過挿入防止手段は、明示溝204,当接規制部204aに対応し、
明示手段は、明示溝204に対応し、
当接規制部は、当接規制部204aあるいは、長く形成した挿入先端部203aに対応するが、この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
例えば、上述の説明では、流体としてガスについて説明したが、液体、あるいはゲル体であってもよい。
【0104】
上述の説明では、導通口12に装着溝122を設けたが、配管端部102に装着溝を設けてもよいし、導通口12に設けた装着溝122に加えて配管端部102にも装着溝を設けてもよい。このように、導通口12に設けた装着溝122に加えて配管端部102にも装着溝を設ける場合、それぞれの溝形状を同形状で形成し、どちらか一方にガスケット20を装着し、接続状態で他方の装着溝にガスケット20が嵌合するような態様であってもよいし、どちらかの装着溝を主の装着溝としてガスケット20を装着し、接続状態で他方の従である装着溝にガスケット20が嵌合するような態様としてもよい。
【0105】
また、上述の説明では、装着溝122のボディ側Bに設けたテーパ状空間123,123bは略円錐台形状の空間であり、リング状空間123aはリング状の空間、つまり左側面視において周方向に連続する空間で形成したが、ガスケット20を装着する周状に凹んだ装着溝122に対して、周方向における一部に形成されてもよいし、複数箇所に形成されてもよい。さらには、大径の流路14に対して小径に形成された開口21のボディ側Bに形成された空間であってもよい。
【0106】
また、上述の説明では、挿入先端部203,203aは円柱状に形成したが、断面六角形等の多角形や楕円形の柱状体であってもよく、わずかに径が変化していてもよい。
【0107】
また、取り外し治具200において、支柱部202の上端から挿入先端部203が両側方に突出するように構成したが、例えば、挿入先端部203が一方にのみ突出するような正面視略L字状となるように形成してもよい。この場合、挿入先端部203の先端から支柱部202の反対側の端部までの長さがガスケット20,20bの開口21,21bの径より長く形成するとよい。
【符号の説明】
【0108】
1…容器バルブ装置
1a…配管バルブ装置
12,12a,12b…導通口
14…流路
20,20b…ガスケット
21,21b…開口
100,100b…流路配管
102…配管端部
122…装着溝
123,123b…テーパ状空間
123a…リング状空間
124…溝底面
200,200a…取り外し治具
203,203a…挿入先端部
204…明示溝
204a…当接規制部
B…ボディ側
X,Xa,Xb…接続構造