(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-22
(45)【発行日】2024-01-05
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20231225BHJP
【FI】
A63F5/04 620
(21)【出願番号】P 2020003229
(22)【出願日】2020-01-10
【審査請求日】2022-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】390026620
【氏名又は名称】山佐株式会社
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼岡 健二
(72)【発明者】
【氏名】前田 達也
(72)【発明者】
【氏名】平 伸悟
(72)【発明者】
【氏名】野崎 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】岡田 康也
【審査官】奈良田 新一
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-029775(JP,A)
【文献】特開2018-117671(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
役抽選の結果、所定の役に当選し、この当選した当選役に対応する図柄組み合わせを所定の有効ライン上に停止させることで入賞し、特典が付与され得る遊技機であって、
非有利区間と、
前記非有利区間から移行可能であって、前記非有利区間よりも遊技者にとって有利な有利区間とが設けられ、
前記非有利区間中の前記当選役であり前記有利区間への移行の契機となる有利区間移行契機役と、
前記有利区間への移行後の少なくとも1回目の遊技を含む遊技での当選役と、前記有利区間移行後の1回目の遊技における遊技状態と、
に基づいて、前記有利区間の有利度を決定するようにしたことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットマシン等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から外周面に複数の図柄が配置された回転リールを備えた遊技機としてのスロットマシンが知られている。この種の遊技機は、メダル等の遊技媒体に対して一定の遊技価値を付与し、このような遊技媒体を獲得するための遊技を行うものである。
また、この種の遊技機は、遊技者による回転リールの回転開始操作を契機として、役抽選を行うとともに、複数の回転リールの回転を開始させ、遊技者のストップスイッチの操作による回転停止操作により役抽選の結果に応じた態様で複数の回転リールを停止させる停止制御を行っている。そして、遊技の結果は、複数の回転リールが停止した状態における有効ライン上の停止表示された図柄組み合わせによって判定され、遊技の結果に応じてメダル等の払い出し等の利益が得られるようになっている。
【0003】
また、近年、非有利区間と、この非有利区間から移行可能であって、非有利区間よりも遊技者にとって有利な有利区間とが設けられているものがある。
また、非有利区間中の役抽選等における移行契機役の種類等の抽選結果に応じて、当該有利区間において、異なる処理を実行可能として当該有利区間の有利度合いを変化させるものが検討されている(特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、有利区間の有利度合いを変化させる契機が、非有利区間中の役抽選等における移行契機役の種類等の抽選のような場合であると、遊技者の関心を引き続き連続して長期間連続して惹きつけることができず、興趣に富む遊技性を得ることができないという問題点があった。
【0006】
そこで、本発明は、有利区間中の有利となるような優遇を受けるチャンスを非有利区間と、有利区間とで複数有していることで、長時間連続して遊技者の関心を惹きつけることができる遊技性を有する遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る遊技機は、次の点を特徴とする。すなわち、役抽選の結果、所定の役に当選し、この当選した当選役に対応する図柄組み合わせを所定の有効ライン上に停止させることで入賞し、特典が付与され得る遊技機であって、
非有利区間と、
前記非有利区間から移行可能であって、前記非有利区間よりも遊技者にとって有利な有利区間とが設けられ、
前記非有利区間中の前記当選役であり前記有利区間への移行の契機となる有利区間移行契機役と、前記有利区間への移行後の少なくとも1回目の遊技を含む遊技での当選役と、前記有利区間移行後の1回目の遊技における遊技状態と、に基づいて、前記有利区間の有利度を決定するようにしたことを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、非有利区間中の当選役であって、有利区間への移行の契機となる有利区間移行契機役と、有利区間への移行後の少なくとも1回目の遊技を含む遊技での当選役と、遊技状態とに基づいて、有利区間の有利度を決定する。
【0009】
本発明によれば、非有利区間と、有利区間とのそれぞれで有利区間中の有利となるような優遇を受けるチャンスを有している。このように、有利区間中の有利となるような優遇を受けるチャンスを非有利区間と、有利区間とで複数有していることで、長時間連続して遊技者の関心を惹きつけることができる遊技性を有する遊技機を提供することができる。
【0010】
また、非有利区間と、有利区間とのそれぞれで優遇を受けるチャンスを有していることで、複数の優遇を受けるチャンスの結果に応じて、有利度を種々異なるように決定することが可能となる。複数の遊技を受けるチャンスの結果に応じて有利区間での有利度が異なるようにした場合には、さらに複数の優遇を受けるチャンス毎に遊技者の関心を惹きつけることができ、興趣に富む遊技性を有する遊技機を提供することができる。
また、本発明に係る遊技機10は、さらに、前記遊技状態は、前記有利区間における状態であることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、有利区間の有利度を決定する一因子である遊技状態が、有利区間における状態であることで、遊技者に対して、有利区間における遊技状態に対する興味を強く持たせることができ、遊技者の関心をさらに惹きつけ、興趣に富む遊技性にすることができる。
【0012】
また、本発明に係る遊技機は、さらに、前記役抽選の抽選確率は、予め複数段階に設定されるとともに、当該設定は、所定の操作により、設定変更可能に形成され、
前記遊技状態には、前記設定変更の操作により移行する設定変更後遊技状態が設けられ、
前記設定変更後遊技状態は、他の遊技状態に比べて、前記有利区間の有利な有利度を決定可能としたことを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、設定変更の操作により移行する設定変更後遊技状態は、他の遊技状態に比べて、有利区間の有利な有利度を決定可能とされている。
これにより、設定変更の操作により移行する設定変更後遊技状態は、遊技者にとって有利区間の有利な有利度を享受することができて大変好ましく期待感の高い状態となる。
ここで、一般的に遊技ホール等において、設定変更の操作は、当日の営業時間が終了して、次の日の営業時間が開始するまでの間に行われる。
すなわち、設定変更の操作により設定変更後遊技状態へ移行していた場合には、前日に出ていなくても、また、新たに設定された設定値がいずれであっても、遊技ホールの開店時に設定変更後遊技状態であれば、他の遊技状態に比べて、有利区間の有利な有利度が決定可能である。
これにより、遊技者は、遊技ホールでの開店時において、設定変更後遊技状態の遊技機を選択することができれば、有利区間の有利な有利度を獲得することが可能となる。これにより、遊技者にしてみれば、朝開店時にそのような遊技機を選択する楽しみが発生する。また、遊技ホールにおいても、集客が容易ではない朝開店時の稼働率を上げることが可能となる。
【0014】
また、本発明に係る遊技機は、さらに、前記役には、予め定めた特定役が含まれ、
前記有利区間移行契機役と、前記有利区間における前記当選役との少なくともいずれか一方が前記特定役の場合は、前記特定役でない場合に比べて、前記有利区間の有利な有利度を決定可能としたことを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、有利区間移行契機役と、有利区間における当選役との少なくともいずれか一方が、特定役の場合は、特定役でない場合に比べて、有利区間の有利な有利度を決定可能としている。役抽選の結果、特定役に当選するか否かにより、有利区間の有利な有利度を決定することが左右されることとなり、単なる抽選で当選するか否よりも、有利区間の有利な有利度の決定に当選役を絡めることができて、面白みを増すことができる。
【0016】
また、本発明に係る遊技機は、さらに、前記役には、予め定めた特定役が含まれ、
前記有利区間移行契機役と、前記有利区間における前記当選役とが前記特定役の場合は、少なくともいずれか一方が前記特定役でない場合に比べて、前記有利区間の有利な有利度を決定可能としたことを特徴とする。
【0017】
本発明によれば、有利区間移行契機役と、有利区間における当選役とが特定役の場合は、少なくともいずれか一方が特定役でない場合に比べて、有利区間の有利な有利度を決定可能としている。
すなわち、有利区間移行契機役と、有利区間における当選役との両方が特定役の場合は、いずれか一方が特定役でなく、他方が特定役であるような場合と比べて、有利区間の有利な有利度を決定可能としている。
このように両方が特定役であることに対しての特別感(レア感)を高め、単にいずれかが特定役であるような場合よりも有利にすることができ、非有利区間における有利区間移行契機役と、有利区間における当選役とのそれぞれにおいて遊技者の関心を惹きつけることができ、興趣に富む遊技性を有する遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施の形態であって、遊技機の概略正面図である。
【
図2】本発明の実施の形態であって、回転リールの図柄の配列を説明するための説明図である。
【
図3】本発明の実施の形態であって、遊技機の入力、制御及び出力を示すブロック図である。
【
図4】本発明の実施の形態であって、
図3のメイン制御基板の詳細を説明するための概略ブロック図である。
【
図5】本発明の実施の形態であって、
図3のサブ制御基板の詳細を説明するための概略ブロック図である。
【
図6】本発明の実施の形態であって、ボーナス移行役の構成を示す説明図である。
【
図7】本発明の実施の形態であって、リプレイ役の構成を示す説明図である。
【
図8】本発明の実施の形態であって、小役の構成を示す説明図である。
【
図9】本発明の実施の形態であって、
図8に続く小役の構成を示す説明図である。
【
図10】本発明の実施の形態であって、
図9に続く小役の構成を示す説明図である。
【
図11】本発明の実施の形態であって、ボーナス移行役を含む当選役グループを示す説明図である。
【
図12】本発明の実施の形態であって、リプレイ役と小役とを含む当選役グループを示す説明図である。
【
図13】本発明の実施の形態であって、
図12に続く当選役グループを示す説明図である。
【
図14】本発明の実施の形態であって、遊技状態毎の有利区間移行抽選の抽選対象となる当選役グループの説明図である。
【
図15】本発明の実施の形態であって、各当選役グループの正解押し順及び払出枚数等の説明図である。
【
図16】本発明の実施の形態であって、
図3のメイン制御基板側で管理している遊技の状態の説明図である。
【
図17】本発明の実施の形態であって、有利区間の状態の説明図である。
【
図18】本発明の実施の形態であって、レア役による特殊フラグの状態の設定パターンを示す説明図である。
【
図19】本発明の実施の形態であって、抽選により決定されるATゲーム数の説明図である。
【
図20】本発明の実施の形態であって、抽選により決定される期待値MYの説明図である。
【
図21】本発明の実施の形態であって、遊技の流れを説明するためのフローチャートである。
【
図22】本発明の実施の形態であって、
図18に示すレア役による特殊フラグの状態の設定パターンの変形例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本明細書では、各説明箇所において、方向についての定義等が示されていない場合には、遊技機10の正面に向かって位置している遊技者、すなわち、当該遊技機10の前に設置してある椅子に座っている遊技者から見て、遊技機10から遊技者の手前側に向かう方向を「前」方向とし、その逆方向を「後」方向とする。また、同様に、「左」や「右」等の左右方向及び「上」や「下」等の上下方向も、遊技機10の前に座っている遊技者から見た場合の左方向や右方向、又は上方向や下方向を意味する。同様に、各部材の説明においても、方向についての定義等が示されていない場合には、各部材を、遊技機10の所定位置に固定した場合における遊技者から見た方向を意味する。
【0020】
本実施の形態に係る遊技機10としてのスロットマシンを、以下、
図1を参照しながら説明する。本実施の形態に係る遊技機10としてのスロットマシンは、前方向に向かって開口する正面開口を有する四角箱状の筐体12と、この筐体12の正面開口を開閉自在に覆う前扉14とを備えている。
【0021】
前扉14の上部には、薄板樹脂からなる中パネル20を備えている。この中パネル20の略中央には、3個のリール62(正面から向かって左側の左回転リール64、中央の中回転リール66、右側の右回転リール68)の円周上の図柄61を見ることができる透過可能な図柄表示窓部16が形成されている。この図柄表示窓部16は、3個全てのリール62の回転が停止した際には、縦3列横3行に配置した合計9個の図柄61を遊技者に見せるように形成されている。この図柄表示窓部16は、リール62の正面側に設けられて、リール62の回転が停止した際、有効ライン86上に停止している複数の図柄61を視認するためのものである。リール62は、複数の図柄61を図柄表示窓部16を介して変動表示可能なものである。
【0022】
図柄表示窓部16の後方向(奥方向)には、3個のリール駆動モータ65と、この各リール駆動モータ65によってそれぞれ回転させられる合計3個の前記回転リール62と、前記リール駆動モータ65及び前記回転リール62を保持するユニットホルダ(図示せず)とを有するリールユニット60が配置されている。また、リールユニット60には、回転リール62の回転位置が基準となる位置(基準位置)であることを検出するためのリール位置センサ63が設けられている。このリール駆動モータ65は、メイン制御基板200から出力されるリール駆動モータ65を駆動するための駆動信号に基づき駆動する。さらに、リールユニット60には、回転リール62上の図柄61を照らすためのバックランプ67が設けられている。
【0023】
図柄表示窓部16の下方には、後述するクレジットメダルの貯留枚数であるクレジットメダル枚数を表示するクレジット表示器87と、このクレジット表示器87の左側に配置され、遊技機10から払い出されたメダルの総数を表示する払出枚数表示器88とが設けられている。これらの表示器は、2個の7セグメントLED表示器で構成されている。7セグメントLED表示器は、10進法のアラビア数字等の1文字を表現するために、それぞれ個別に点灯・消灯が可能な7つのセグメント(LED)から構成されているものである。2個の7セグメントLED表示器を有することにより、クレジット表示器87は2桁の貯留枚数、払出枚数表示器88は2桁の払出枚数が表示可能になっている。
また、払出枚数表示器88は、後述する「有利区間」において、ストップスイッチ50の操作態様(押し順)を報知するようにしている。
【0024】
また、図柄表示窓部16の下方には、後述する「有利区間」に移行したことを契機にメイン制御基板200により点灯される区間報知ランプ90が設けられている。
この区間報知ランプ90は、有利区間中において、有利区間に移行してから、所定の出玉率を超え、かつ、ストップスイッチ50の操作態様が表示されるまでの任意の契機、本実施の形態では、AT状態への移行時のスタートスイッチ40操作後に点灯するようにしており、「非有利区間」に移行したことを契機にメイン制御基板200により消灯される。
【0025】
なお、本実施の形態にかかる区間報知ランプ90は、「有利区間」である間、常時点灯するようにしても良い。
【0026】
ここで、区間報知ランプ90の点灯制御は、メイン制御基板200に搭載されている制御手段により制御されることが望ましく、有利区間を制御する有利区間制御手段260により実行する、或いは、当該点灯制御を実行する専用の区間報知制御手段を設けて実行する、ことが可能である。
【0027】
前扉14の下部には下パネル22が設けられている。そして、前扉14には下パネル22の上部に位置して前扉14の前方向へ向けて突出する操作部30を備えている。
本実施の形態に係る遊技機10には、遊技開始の条件として投入するためのメダルを後述するメダル投入口38からあらかじめ投入して、最大50枚までクレジットメダルとして内部に貯留可能なクレジット機能(投入枚数を電子データとして電子的に記憶し管理する機能)を有している。なお、このクレジットメダルとして貯留可能な最大枚数である50枚を最大クレジットメダル枚数とする。
【0028】
操作部30の上面右側には、遊技媒体としての円盤状のメダルを投入するためのメダル投入口38が設けられている。
このメダル投入口38の手前には、メダルをメダル投入口38へ投入する際、底面が半円状になって俵状(円柱状)に整列させたメダルを載置することができて、メダル投入口38へメダルを案内可能な投入案内部39が形成されている。
【0029】
筐体12内部であって、メダル投入口38の近傍には、メダル投入口38に投入されたメダルが正規のものか否かを選別して、正規のメダルのみをホッパーユニット24に導くメダルセレクタ17が設けられている。このメダルセレクタ17には、メダル投入口38に投入されたメダルを1枚ずつ検出する投入センサ92が設けられている。
【0030】
なお、筐体12内部には図示しないメダル通路が設けられており、メダルセレクタ17において非正規のメダルとして排除されたメダルや、ホッパーユニット24から払い出されたメダルが、このメダル通路を通過して後述するメダル払出口28から払い出される。
【0031】
具体的には、メダルセレクタ17には、特に図示していないが、電磁石を用いたキャンセルコイルの作動により、メダル投入口38から投入されたメダルをホッパーユニット24内に貯留させる通路と、メダル払出口28から後述するメダル受け皿29へ進ませる通路との切り換えが可能に形成されている。これにより、メダル投入口38から投入されたメダルをクレジットメダルとして貯留するか、メダル受け皿29へ払い出すかの切り換えをすることができる。
【0032】
操作部30の左端には、クレジット機能によりクレジットしたメダルの全てを払い出すための精算スイッチ36が設けられている。この精算スイッチ36が操作されると、クレジットしたメダルの全てが、メダル払出口28からメダル受け皿29へ払い出される。
【0033】
操作部30の中央には、操作により対応する回転リール62の回転を停止させるため、3個の回転リール62のそれぞれに対応する3個のストップスイッチ50が設けられている。このストップスイッチ50は、左回転リール64を停止させるための左ストップスイッチLと、中回転リール66を停止させるための中ストップスイッチCと、右回転リール68を停止させるための右ストップスイッチRとを有している。すなわち、これらのストップスイッチ50は、複数の回転リール62それぞれに対応して設けられ、複数の回転リール62の図柄61の変動表示の開始後、遊技者の操作により回転リール62の図柄61の変動表示を個別に停止させるためのものである。
【0034】
このストップスイッチ50の左側には、メダルの投入又は後述するベットスイッチ32の操作を条件に回転リール62の回転を開始させるためのスタートスイッチ40が設けられている。すなわち、このスタートスイッチ40は、遊技者の操作により回転リール62の図柄61の変動表示を開始させるためのものである。
【0035】
このスタートスイッチ40の上方には、遊技を開始するためのメダルの賭け数を設定するために予め貯留したメダルをベット可能なベットスイッチ32が設けられている。
ベットスイッチ32には、スタートスイッチ40の略直上に配置されているシングルベットスイッチ35と、このシングルベットスイッチ35の右側に隣接するマックスベットスイッチ34とを備えている。
【0036】
シングルベットスイッチ35を操作すると、1枚の賭け数が設定され、マックスベットスイッチ34を操作すると、最大枚数としての3枚の賭け数が設定される。
このベットスイッチ32の操作により設定された賭け数が規定数に達している状態で、スタートスイッチ40が操作されることにより、当該賭け数が確定するように形成されている。
【0037】
前扉14の下部に相当する筐体12の内部には、メダルを貯留することができるとともに、メダルを払い出すことができるホッパーユニット24と、各部品に電力を供給するための電源ユニット43(
図3参照)とが配置されている。
【0038】
ホッパーユニット24には、メダルセレクタ17から流下した正規のメダルを貯留するメダルタンク(図示せず)と、その駆動によりメダルをメダル払出口28に向けて払い出すホッパーモータ95と、ホッパーユニット24の出口に設けられ、メダル払出口28に払い出されたメダルを1枚ずつ検出する払出センサ94と、ホッパーユニット24のメダルタンクから溢れたメダルを収納するための補助タンクの近傍に設けられ、補助タンク内のメダルが満杯になったことを検出してメイン制御基板200へ信号を出力するオーバーフローセンサ96とが設けられている。
【0039】
前扉14の下部には、所定の場合にホッパーユニット24からメダルが払い出されるメダル払出口28が形成されている。また、上方に向けて開口してメダル払出口28から払い出されたメダルを受け入れて貯留するメダル受け皿29が形成されている。
【0040】
前記前扉14の裏側には、扉開閉用スイッチ19、設定変更スイッチ46、設定表示器89などが配置されている。
【0041】
扉開閉用スイッチ19は前扉14が閉じているか否かを検知するためのものである。この扉開閉用スイッチ19は、前扉14が閉塞している場合に、前扉14の背面と扉開閉用スイッチ19の前面とが押圧されることでオンとなり、前扉14が開放するに従って、前扉14の背面が扉開閉用スイッチ19の前面から離間して押圧が解除されることでオフとなる。
【0042】
設定変更スイッチ46は、後述する電源ユニット43の設定キースイッチ45と共に設定変更を行うためのものである。
【0043】
設定表示器89は、例えば7セグメントの小型のLEDにより、大当り確率の設定値を表示するものである。設定表示器89には、当該遊技機10の設定値が表示されるが、外部から視認できないようにすべく、設定後一定時間が経過するとその表示は解除される。
【0044】
前記前扉14の下部に相当する筐体12の内部には、メダルを貯留することができるとともに、メダルを払い出すことができるホッパーユニット24と、電源投入又は電源遮断のための操作が可能な電源スイッチ44を有すると共に各部品に電力を供給するための電源ユニット43とが配置されている。
【0045】
電源ユニット43には、電源投入又は電源遮断のための操作が可能な電源スイッチ44と、設定変更処理のための設定キースイッチ45とが設けられている。
【0046】
前記前扉14の下部には、所定の場合にホッパーユニット24からメダルが払い出されるメダル払出口28が形成されている。このメダル払出口28の下方には、メダル払出口28から払い出されたメダルを貯留するため、上方に向かって開口する皿状のメダル受け皿29が形成されている。なお、クレジットされているメダル数が最大クレジットメダル数である50枚未満の場合は、50枚に到達するまで、獲得したメダルはメダル払出口28から払い出されずにクレジットメダルの枚数に加算される。
【0047】
本実施の形態に係る遊技機10は、マックスベットスイッチ34やシングルベットスイッチ35等の操作又はメダル投入により所定枚数のメダルを投入することにより遊技の開始を可能とするものである。そして、スタートスイッチ40の押下操作により、回転リール62の回転を開始させて遊技が開始されるとともに、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの役抽選が行われる。そして、当該遊技機10は、各回転リール62に対応するストップスイッチ50の操作タイミング及び役抽選の結果に基づいて、回転リール62の回転を役抽選の結果に適合するように停止させる。当該遊技機10は、停止時の図柄61の組み合わせによって、当選した役を構成する図柄61の組み合わせが所定の有効なライン(所定の役の図柄61の組み合わせが当該ライン上に揃ったときに所定の利益が付与されるラインのことであり、以下、有効ライン86とする。)上に停止した場合に、入賞等となり、所定枚数のメダルを払い出す等の所定の利益を遊技者に付与する。これにより、1回の遊技が終了するものである。
【0048】
この有効ライン86は、具体的には3個の回転リール62にそれぞれ表示されている図柄61のうち図柄表示窓部16から視認可能な図柄61を各回転リール62につき1個ずつ繋いでできる、複数の回転リール62の全てを貫くライン(途中で折れ曲がりも可)のうち、入賞等するために有効となる図柄61の組み合わせの並びを規定したラインである。このラインは、規定の賭け数(予め定められた数であって本実施の形態では3)のメダルをベットすることにより有効ライン86になる。
なお、規定の賭け数は、3枚に限定されず、2枚と3枚とを遊技者が選択可能としても良いし、又、遊技状態に応じて規定の賭け数が変動するようにしても良い。
【0049】
本実施の形態の有効ライン86は、左回転リール64、中回転リール66、右回転リール68の中段を結んだライン、の1本である。
なお、有効ライン86として、1ラインを示したが、これに限定されず、2~5ライン、或いはV字形や山形を含めて6ライン以上としても良い。
また、遊技状態を問わず1ラインとしたが、これに限定されず、遊技状態で有効ラインの数を変えるようにしても良い。
【0050】
また、
図2に示すように、左回転リール64、中回転リール66及び右回転リール68の表面には、「赤セブン」、「青セブン」、「バー」、「リプレイ1」、「リプレイ2」、「スイカ」、「チェリー」、「ブランク1」、「ブランク2」などの複数の種々の図柄61が形成されている。
これらの図柄61は、それぞれの絵柄がプリントされたテープを回転リール62の外周表面に貼付することで形成されている。
【0051】
前記前扉14と前記筐体12には、遊技者に役抽選の当選等の種々の情報を音や光や映像等で報知させるための演出装置70が形成されている。この演出装置70は、スピーカー72と、演出用ランプ78、表示装置84とを備えている。
【0052】
前記スピーカー72は、前扉14の上部左右に配置された上部スピーカー74と、前扉14の下部左右に配置された下部スピーカー76とを備えている。
【0053】
前記演出用ランプ78は、前扉14の上部の左右に配置された上部ランプ80と、前扉14の下部の左右に配置された下部ランプ82とを備えている。
【0054】
前記表示装置84は、その画面に種々の映像を表示し、演出内容を表示可能な液晶表示装置である。
なお、表示装置84を用いて行われる種々の演出を液晶表示装置以外の表示装置、例えば、ドット表示器や、演出用の回転リールや、ランプなどを用いて行うようにしても良い。
図3に示すように、遊技機10の内部には、遊技機10の全体の動作を制御するための制御装置100が形成されている。この制御装置100は、主制御装置の一例であり遊技を進行させて遊技状態を制御するメイン制御基板200(メイン制御手段ともいう)と、このメイン制御基板200からの情報(コマンド)を受けて、遊技の進行に応じた演出を制御し、主に遊技内容に関する情報を遊技者に報知する演出を行うための制御を行うサブ制御基板300(サブ制御手段ともいう)とを備えている。
【0055】
なお、メイン制御基板200とサブ制御基板300との間は、メイン制御基板200への不正操作を防止するために、メイン制御基板200からサブ制御基板300への一方向の通信により行われ、サブ制御基板300からメイン制御基板200への逆方向の通信は行われていない(すなわち双方向の通信ではない)。メイン制御基板200は、スタートスイッチ40、ストップスイッチ50、ベットスイッチ32、精算スイッチ36の入力を受け付け、役抽選を行い、リールユニット60及びホッパーユニット24の作動を制御する。サブ制御基板300は、メイン制御基板200から信号を入力し、表示装置84等の演出装置70の作動を制御する。サブ制御基板300の出力側には、演出装置70としての表示装置84、スピーカー72、演出用ランプ78の各パーツが接続されている。
【0056】
なお、特に図示していないが、メイン制御基板200を有するメイン基板と、サブ制御基板300を有するサブ基板とは、それぞれ専用の基板ケースの内部に収納されている。具体的には、メイン制御基板200は、メイン基板ケースの内部に収納され、サブ制御基板300は、サブ基板ケースの内部に収納されている。そして、メイン基板ケースは、筐体12内部の奥側の上部に固定され、サブ基板ケースは、筐体12内部の正面から向かって左側に固定されている。
【0057】
メイン制御基板200及びサブ制御基板300は、CPU、ROM、RAM、I/Oポート(図示せず)を備えたマイクロコンピュータにより構成される。CPUは、タイマ割込などの割込機能を持ち、ROMに記憶されたプログラムを実行して、種々の処理を行う。ROMは、CPUが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶し、RAMは、CPUがプログラムを実行する際の一時的な記憶領域、例えば遊技機10の状態を記憶するための記憶領域や、役抽選の抽選結果を記憶するための記憶領域として使用される。
【0058】
また、筐体12内部の正面から向かって右側には、外部集中端子板18が設けられている。
外部集中端子板18は、遊技データを遊技機10外部に出力させるものであり、メイン制御基板200と配線される接続端子(コネクタ)や、外部機器(図示省略)と配線される接続端子(コネクタ)が設けられた端子板である。また、外部集中端子板18は、図示しないが、データ表示器などの遊技島設備やホールコンピュータに接続されている。
【0059】
メイン制御基板200は、
図4に示すように、役抽選手段210、リール制御手段220、停止図柄判定手段230、払出制御手段240、遊技状態制御手段250、有利区間制御手段260及び送信手段270の各手段を有する。各手段の詳細については後述する。なお、有利区間制御手段260は、メイン制御基板200ではなく、サブ制御基板300が有しても良いし、又、メイン制御基板200とサブ制御基板300との両方に分けて有するようにしても良い。
【0060】
以上の構成をもって、メイン制御基板200は、役の抽選を行い、回転リール62の回転及び停止を制御し、回転リール62がすべて停止したときに停止図柄61の判定を行い、遊技の進行を行う手段として機能することとなる。
メイン制御基板200は、遊技を制御するためのものであって、遊技を進行させるためのものである。以下、本実施の形態における遊技について説明する。
【0061】
上述したように、遊技状態に応じて規定の賭け数が設定されると、有効ライン86(
図1参照)が設定される。
賭け数を設定する方法には、メダル投入口38からメダルを投入する方法と、ベットスイッチ32を操作することによってクレジットメダルを賭け数として設定する方法とがある。そして、規定の賭け数(3枚)が設定されていることを条件に、スタートスイッチ40を操作すると、賭け数が確定し、役抽選手段210により、複数の役のいずれかに当選したか又はハズレかの抽選(役抽選)が行われる。また、役抽選とほぼ同時に、前回の遊技での回転リール62の回転開始時から所定の時間(本実施の形態では、4.1秒)が経過しているか否かが判定され、所定の時間が経過すると、3個すべての回転リール62の回転が開始する。
【0062】
回転リール62の回転開始後、所定の条件(本実施の形態では、回転リール62を加速する処理を実行した後、所定のセンサにより回転リール62の回転位置が基準位置であることを検出すること)が成立すると、ストップスイッチ50の操作が可能な状態(停止操作可能状態)となる。
【0063】
その後に、3個のストップスイッチ50のうち1個を操作すると、当該ストップスイッチ50に対応した回転リール62の回転が停止する。そして、3個すべてのストップスイッチ50の操作を終えると、3個すべての回転リール62の回転が停止する。
このとき、有効ライン86上に所定の図柄61の組み合わせが揃うと、当該図柄61の組み合わせに対応した処理が行われる。本実施の形態に係る遊技機10は、有効ライン86上に予め定められた図柄61の組み合わせが揃うと遊技者に利益が付与されるように形成されている。例えば小役に対応した図柄61の組み合わせが有効ライン86上に揃うと、小役に対応した枚数のメダルが遊技者に対して付与される。
【0064】
役抽選の当選確率は、複数段階、本実施の形態では、6段階(設定値1(SET1)~設定値6(SET6))設定されており、設定値によって当選確率の差がある役については、設定値1が最も低く、設定値6が最も高くなるように設定されている。
なお、設定値の段階は、6段階に限定されず、6段階未満の段階や7段階以上であっても良い。
【0065】
また、有効ライン86上に再遊技役(リプレイ役)に対応する図柄61の組み合わせが揃うと、メダルの払い出しはないものの、次回の遊技において遊技者所有のメダルを使用することなく賭け数が自動的に設定され遊技を行うことができる。
【0066】
役抽選手段210は、複数種類の役の当否を抽選により決定する役抽選を行うものである。そして、役抽選において決定された役を当選役ともいう。すなわち、役抽選手段210は、メイン制御基板200が備える手段であり、スタートスイッチ40の操作を契機に、予め定められた抽選確率で役に当選するか否かの役抽選を行うためのものである。
【0067】
役抽選手段210は、役に当選したか否かを決定するための抽選テーブルを、主な分類としてノーマル遊技状態用、ボーナス内部中状態用、ボーナス遊技状態用のそれぞれに対応して複数備えており、メイン制御基板200のROM上に記憶されている。
【0068】
役抽選手段210は、予め定めた抽選データと、所定範囲の整数値を繰り返してカウントするループカウンタを有する所定の乱数発生手段(乱数発生回路)が発生した乱数のうちから抽出した乱数とを比較して、当選か否かを判定する。なお、役抽選手段210による処理は、後述するステップS11(
図21参照)において行われる。
【0069】
本実施の形態では、役抽選手段210により抽選される役として、
図6~
図10に示すように、大別すると、ボーナス移行役(遊技状態の移行を伴う役)、リプレイ役(遊技者所有のメダルを使用することなく次回の遊技を開始可能とする役、いわゆる再遊技役)、小役(メダルの払い出しを伴う役)が設けられている。
【0070】
つぎに、
図6~
図10に示すように、役抽選手段210により抽選される役の種類と図柄の組み合わせについて説明する。
なお、役抽選手段210により抽選される役の種類と図柄61の組み合わせについては、
図6~
図10に示すものに限定されない。
【0071】
例えば、
図6に示すように、ボーナス移行役として、左回転リール64、中回転リール66、右回転リール68の順(以下同様)に「赤セブン リプレイ2 リプレイ1」の図柄61の組み合わせのRBB、が設けられている。
【0072】
また、
図7に示すように、リプレイ役(再遊技役)の中段リプレイ(
図12参照)として、例えば、「リプレイ1 ブランク1 リプレイ1」の図柄61の組み合わせのRP_1や、「リプレイ1 ブランク1 リプレイ2」の図柄61の組み合わせのRP_2、などが設けられている。
【0073】
また、
図7に示すように、リプレイ役(再遊技役)のチェリーリプレイ(
図12参照)として、例えば、「青セブン 赤セブン スイカ」の図柄61の組み合わせのCHRP_1や、「青セブン スイカ スイカ」の図柄61の組み合わせのCHRP_2、が設けられている。
【0074】
また、
図8に示すように、小役(入賞役)の赤_LRC正解(
図12参照)として、「リプレイ1 リプレイ1 リプレイ1」の図柄61の組み合わせのRLM_1、「リプレイ1 リプレイ1 リプレイ2」の図柄61の組み合わせのRLM_2、などが設けられている。
【0075】
また、
図8に示すように、小役(入賞役)の赤_LCR正解(
図12参照)として、「リプレイ1 ブランク1 スイカ」の図柄61の組み合わせのRLM_5、「リプレイ1 チェリー スイカ」の図柄61の組み合わせのRLM_6、が設けられている。
【0076】
また、
図8に示すように、小役(入賞役)の青_LRC正解(
図12、
図13参照)として、「リプレイ2 リプレイ1 リプレイ1」の図柄61の組み合わせのBLM_1、「リプレイ2 リプレイ1 リプレイ2」の図柄61の組み合わせのBLM_2、などが設けられている。
【0077】
また、
図8に示すように、小役(入賞役)の青_LCR正解(
図12、
図13参照)として、「リプレイ2 ブランク1 スイカ」の図柄61の組み合わせのBLM_5、「リプレイ2 チェリー スイカ」の図柄61の組み合わせのBLM_6、が設けられている。
【0078】
また、
図8に示すように、小役(入賞役)として、「リプレイ1 リプレイ1 スイカ」の図柄61の組み合わせのCBE_1、「リプレイ1 リプレイ2 スイカ」の図柄61の組み合わせのCBE_2、などが設けられている。
【0079】
また、
図8~10に示すように、小役(入賞役)として、「リプレイ1 赤セブン ベル」の図柄61の組み合わせのONE_1、「リプレイ1 チェリー 青セブン」の図柄61の組み合わせのONE_41、「ブランク2 スイカ リプレイ2」の図柄61の組み合わせのONE_194、などが設けられている。
【0080】
また、
図10に示すように、小役(入賞役)として、「ベル 青セブン ベル」の図柄61の組み合わせのWM_1、「ベル ブランク2 ベル」の図柄61の組み合わせのWM_2、が設けられている。
【0081】
そして、
図8~
図10に示すように、小役(入賞役)のうち、RLM_1~RLM_15、BLM_1~BLM_15、CBE_1~CBE_4が15枚のメダルの払い出しが得られる役であり、ONE_1~ONE_194が1枚のメダルの払い出しが得られる役であり、WM_1、WM_2が3枚のメダルの払い出しが得られる役である。
【0082】
つぎに、同様に
図11~
図13を用いて、当選役グループについて説明する。
本実施の形態では、役抽選手段210は、役抽選により
図11~
図13に示すいずれかの当選役グループが当選するか否かを決定している。
なお、当選役グループについては、
図11~
図13に示すものに限定されない。
【0083】
図11~
図13は、予め定められた複数種類の当選役グループを示し、各当選役グループは、1つの役又は複数の役の組み合わせから構成される。
そのため、当選役グループが複数の役から構成されている場合は、当選役グループの複数の役に同時に当選(重複して当選)していることとなる。
【0084】
また、役抽選の結果が「HZ(ハズレ)」の場合は、いずれの当選役グループも当選しなかった場合を示している。
なお、言い換えると、役抽選の結果が「HZ(ハズレ)」の場合は、当選役グループ「HZ(ハズレ)」に当選したとも言える。
【0085】
図11に示すように、ボーナス移行役が含まれる当選役グループには、RBBが当選する「RBB」が設けられている。
【0086】
図12に示すように、リプレイ役が含まれる当選役グループには、中段リプレイ(RP_1~RP_8)(
図7参照)が当選する「RP1」、中段リプレイ(RP_1~RP_8)(
図7参照)、CHRP_1(
図7参照)が当選する「RP2」、チェリーリプレイ(CHRP_1~CHRP_8)(
図7参照)、中段リプレイ(RP_1~RP8)(
図7参照)が当選する「CH」、が設けられている。
【0087】
図12に示すように、小役が含まれる当選役グループには、赤_LCR正解(RLM_5、RLM_6)(
図8参照)、ONE_1~ONE_3、ONE_13~ONE_18、ONE_19~ONE_21、ONE_23、ONE_24、ONE_26(
図8参照)が当選する「ATA_LC1」、青_LCR正解(BLM_5、BLM_6)(
図8参照)、ONE_4~ONE_6、ONE_7~ONE_12、ONE_27~ONE_29、ONE_31、ONE_32、ONE_34(
図8参照)が当選する「ATA_LC2」、などが設けられている。
【0088】
また、
図13に示すように、CBE_1~CBE_4(
図8参照)、ONE_77~ONE_82、ONE_91~ONE_96(
図9参照)が当選する「BE」、WM_1、WM_2(
図10参照)が当選する「WM」、などが設けられている。
【0089】
ここで、当選役グループ「ATA_LC1」~「ATB_RC2」は、ストップスイッチ50の押し順によって成立(入賞)する役が異なる押し順役であり、
図15に示すように、例えば、当選役グループ「ATA_LC1」は、遊技状態(
図16参照)がRBBFの場合であって、ストップスイッチ50の押し順及び第1停止の操作タイミングが正解の場合には「赤_LCR正解」(
図8参照)のいずれかの役(RLM_5、RLM_6)が成立(入賞)する押し順役である。
そして、押し順及び第1停止の操作タイミングが正解した場合は、メダルが15枚払い出される。
【0090】
ここで、当選役グループ「ATA_LC1」の正解の押し順は、「L-C-R」(第1停止が左ストップスイッチL、第2停止が中ストップスイッチC、第3停止が右ストップスイッチR)の順である。
【0091】
なお、本実施の形態では、例えば、当選役グループの名称「ATA_LC1」の「LC」の部分が正解の押し順を表示している。
【0092】
また、当選役グループ「ATA_LC1」の第1停止の操作タイミングは、赤セブンの図柄(
図2参照)の周りでストップスイッチ50を操作することが正解であり、押し順が正解(L-C-Rの順)であっても、青セブンの図柄(
図2参照)の周りでストップスイッチ50を操作した場合は、「赤_LCR正解」(
図8参照)のいずれかの役が成立(入賞)することはなく、1枚の払い出しの役(ONE_1~ONE_3、ONE_13~ONE_18、ONE_19~ONE_21、ONE_23、ONE_24、ONE_26(
図8参照))のいずれかの役(いわゆるコボシ役)が成立(入賞)することとなる。
【0093】
また、正解の押し順以外の押し順でストップスイッチ50が操作された場合は、押し順がL-RCの場合は、1枚の払い出しの役(ONE_1~ONE_3、ONE_13~ONE_18、ONE_19~ONE_21、ONE_23、ONE_24、ONE_26(
図8参照))のいずれかの役(いわゆるコボシ役)が成立(入賞)し、C-L-R、C-R-L、R-L-C、R-C-Lの場合は、1/2の確率で、すなわち、ストップスイッチ50の操作タイミングによって1枚の払い出しの役(ONE_1~ONE_3、ONE_13~ONE_18、ONE_19~ONE_21、ONE_23、ONE_24、ONE_26(
図8参照))のいずれかの役(いわゆるコボシ役)が成立(入賞)するか、いわゆるコボシ役を含む全ての役が成立(入賞)せずメダルが1枚も払い出されないか、となる。
【0094】
また、当選役グループ「ATA_LC1」は、遊技状態(
図16参照)がRT0の場合は、押し順がL-C-R、L-R-Cの場合は、1枚の払い出しの役(ONE_1~ONE_3、ONE_13~ONE_18、ONE_19~ONE_21、ONE_23、ONE_24、ONE_26(
図8参照))のいずれかの役(いわゆるコボシ役)が成立(入賞)し、押し順がC-L-R、C-R-L、R-L-C、R-C-Lの場合は、1/2の確率で、すなわち、ストップスイッチ50の操作タイミングによって1枚の払い出しの役(ONE_1~ONE_3、ONE_13~ONE_18、ONE_19~ONE_21、ONE_23、ONE_24、ONE_26(
図8参照))のいずれかの役(いわゆるコボシ役)が成立(入賞)するか、いわゆるコボシ役を含む全ての役が成立(入賞)せずメダルが1枚も払い出されないか、となる。
【0095】
また、同様に、例えば、当選役グループ「ATA_LC2」は、遊技状態(
図16参照)がRBBFの場合であって、ストップスイッチ50の押し順及び第1停止の操作タイミングが正解の場合には「青_LCR正解」(
図8参照)のいずれかの役(BLM_5、BLM_6)が成立(入賞)する押し順役である。
そして、押し順及び第1停止の操作タイミングが正解した場合は、メダルが15枚払い出される。
【0096】
ここで、当選役グループ「ATA_LC2」の正解の押し順は、「L-C-R」(第1停止が左ストップスイッチL、第2停止が中ストップスイッチC、第3停止が右ストップスイッチR)の順である。
【0097】
また、当選役グループ「ATA_LC2」の第1停止の操作タイミングは、青セブンの図柄(
図2参照)の周りでストップスイッチ50を操作することが正解であり、押し順が正解(L-C-Rの順)であっても、赤セブンの図柄(
図2参照)の周りでストップスイッチ50を操作した場合は、「青_LCR正解」(
図8参照)のいずれかの役が成立(入賞)することはなく、1枚の払い出しの役(ONE_4~ONE_6、ONE_7~ONE_12、ONE_27~ONE_29、ONE_31、ONE_32、ONE_34(
図8参照))のいずれかの役(いわゆるコボシ役)が成立(入賞)することとなる。
【0098】
また、正解の押し順以外の押し順でストップスイッチ50が操作された場合は、押し順がL-R-Cの場合は、1枚の払い出しの役(ONE_4~ONE_6、ONE_7~ONE_12、ONE_27~ONE_29、ONE_31、ONE_32、ONE_34(
図8参照))のいずれかの役(いわゆるコボシ役)が成立(入賞)し、押し順がC-L-R、C-R-L、R-L-C、R-C-Lの場合は、1/2の確率で、すなわち、ストップスイッチ50の操作タイミングによって1枚の払い出しの役(ONE_4~ONE_6、ONE_7~ONE_12、ONE_27~ONE_29、ONE_31、ONE_32、ONE_34(
図8参照))のいずれかの役(いわゆるコボシ役)が成立(入賞)するか、いわゆるコボシ役を含む全ての役が成立(入賞)せずメダルが1枚も払い出されないか、となる。
【0099】
また、当選役グループ「ATA_LC2」は、遊技状態(
図16参照)がRT0の場合は、押し順がL-C-R、L-R-Cの場合は、1枚の払い出しの役(ONE_1~ONE_3、ONE_13~ONE_18、ONE_19~ONE_21、ONE_23、ONE_24、ONE_26(
図8参照))のいずれかの役(いわゆるコボシ役)が成立(入賞)し、押し順がC-L-R、C-R-L、R-L-C、R-C-Lの場合は、1/2の確率で、すなわち、ストップスイッチ50の操作タイミングによって1枚の払い出しの役(ONE_1~ONE_3、ONE_13~ONE_18、ONE_19~ONE_21、ONE_23、ONE_24、ONE_26(
図8参照))のいずれかの役(いわゆるコボシ役)が成立(入賞)するか、いわゆるコボシ役を含む全ての役が成立(入賞)せずメダルが1枚も払い出されないか、となる。
【0100】
リール制御手段220は、メイン制御基板200が備える手段であり、各回転リール62の回転を停止させるためのものである。リール制御手段220は、役抽選手段210の抽選結果と、各ストップスイッチ50が操作されたときの対応する回転リール62の回転位置とに基づいて、各回転リール62の回転を停止させる。なお、リール制御手段220は、必要に応じて各ストップスイッチ50が停止操作されるときの順番(押し順)が所定の条件に適合しているか否かも停止させる条件にする場合がある。リール制御手段220による処理は、後述するステップS12(
図21参照)において行われる。
【0101】
停止図柄判定手段230は、メイン制御基板200が備える手段であり、すべての回転リール62が停止した際における有効ライン86上の図柄61の組み合わせを記憶するとともに入賞等の判定をするためのものである。なお、停止図柄判定手段230による処理は、後述するステップS13(
図21参照)において行われる。
【0102】
払出制御手段240は、停止図柄判定手段230の判定結果に基づいて、メダル払い出し等の所定の処理を行うためのものである。払出制御手段240は、停止図柄判定手段230の判定の結果、小役が入賞していると判定されるとメダルの払い出しを行う。なお、払出制御手段240による処理は、後述するステップS14(
図21参照)において行われる。
【0103】
遊技状態制御手段250は、遊技状態を制御するものである。
具体的には、遊技状態制御手段250は、
図4に示すように、大別すると、ノーマル遊技状態制御手段251、ボーナス内部中状態制御手段252及びボーナス遊技状態制御手段253の各手段を有する。
【0104】
ノーマル遊技状態制御手段251は、「ノーマル遊技状態」(
図16参照)を制御するものである。ここで、ノーマル遊技状態は、ボーナス内部中状態制御手段252によるボーナス内部中状態、ボーナス遊技状態制御手段253によるボーナス遊技状態、以外の状態をいう。
【0105】
ボーナス内部中状態制御手段252は、「ボーナス内部中状態」(
図16参照)を制御するものである。ここで、ボーナス内部中状態は、ボーナス移行役に当選したが、当該ボーナス移行役に対応した図柄62の組み合わせを有効ライン86上に停止表示できなかった場合に移行する。
【0106】
ボーナス遊技状態制御手段253は、「ボーナス遊技状態」(
図16参照)を制御するものである。ここで、ボーナス遊技状態は、ボーナス移行役「RBB」に当選し、当該ボーナス移行役に対応した図柄61の組み合わせを有効ライン86上に停止表示させることで移行する。
ここで、「RBB」、所定の枚数、例えば147枚を超えるメダルの払い出しで終了する。
そして、ボーナス遊技状態終了後、ノーマル遊技状態に移行する。
【0107】
有利区間制御手段260は、
図17を用いて後述するストップスイッチ50の操作態様を報知不可能な非有利区間と、報知可能な有利区間とを制御するものである。
そして、後述する演出制御手段320を用いてストップスイッチ50の操作態様(押し順及び第1停止の操作タイミング)を報知させる演出等を実行させる。
【0108】
また、有利区間制御手段260は、非有利区間中において、所定条件が成立した場合、例えば、役抽選により予め定められた役に当選した場合に行われる「非有利区間」から「有利区間」への移行抽選に当選することにより「非有利区間」から「有利区間」へ移行させる(
図14参照)。
【0109】
なお、役抽選により予め定められた役に当選することを契機に実行される抽選(有利区間移行抽選)により、有利区間へ移行することが決定された場合に移行する場合に限定されず、予め定められた役に当選することにより、有利区間移行抽選をすることなく非有利区間から有利区間へ移行するようにしても良い。
【0110】
また、有利区間制御手段260は、有利区間へ移行したときにゲーム数の計数を開始し、計数されたゲーム数が、所定のゲーム数、例えば499ゲームに到達することにより、後述するAT状態へ移行させるようにしている(いわゆる天井)。
ここで、所定のゲーム数、例えば499ゲームに到達する前に、後述するAT状態へ移行するか否かの抽選(AT移行抽選)に当選した場合は、天井ゲーム数カウンタにより計数されているゲーム数は初期化される。
なお、所定のゲーム数は、499ゲームに限定されず、他のゲーム数であっても良いし、又、抽選により決定するようにしても良い。
【0111】
また、有利区間は、遊技可能な遊技区間に上限が設定されており、非有利区間から有利区間へ移行してから、所定の上限ゲーム数、例えば1500ゲームを消化した場合は、有利区間の上限ゲーム数に到達したとして、有利区間から非有利区間へ移行するようにしている。
また、本実施の形態では、非有利区間から有利区間へ移行した後、所定の上限ゲーム数(1500ゲーム)を消化する前(有利区間の上限ゲーム数に到達する前)であっても、有利区間で投入されたメダルの数と払い出したメダルの数との差である差枚数が所定枚数に到達したとき(上限差枚数)には、有利区間から非有利区間へ移行するようにしている。
【0112】
送信手段270は、サブ制御基板300へ信号を送信するためのものである。
【0113】
サブ制御基板300は、
図5に示すように、受信手段310、演出制御手段320の各手段を有する。各手段の詳細については後述する。
【0114】
以上の構成をもって、サブ制御基板300は、メイン制御基板200からの信号を受けて、遊技の進行に伴う演出を行うものである。
具体的には、サブ制御基板300は、演出用ランプ78を駆動するためのLED駆動回路(図示せず)に対してLEDの点灯や消灯を規定するデータを出力したり、スピーカー72から音を出力するための音声出力回路(図示せず)に対して出力する音声を規定するデータを出力したり、表示装置84を駆動するための液晶制御基板(図示せず)に対して出力する映像データを規定するデータを出力したりする。
【0115】
受信手段310は、送信手段270からの信号を受信するものである。
【0116】
演出制御手段320は、
図16に示す遊技状態及び
図17に示す有利区間の状態に応じた遊技機10の演出を制御するものである。
【0117】
また、演出制御手段320は、
図17に示す有利区間の間、メイン制御基板200の有利区間制御手段260からストップスイッチ50の押し順及び第1停止の操作タイミングを報知させるコマンドを受信した場合に当該ストップスイッチ50の押し順及び第1停止の操作タイミングを報知させる演出を実行可能である。
【0118】
具体的には、各ストップスイッチ50の位置(詳しくは各ストップスイッチ50に対応する回転リール62の位置)と対応する表示装置84の画面に、押し順を示す複数の画像又は映像(例えば「1」「2」「3」)を表示することで押し順を報知するとともに、第1停止の押し順を示す画像又は映像(例えば「1」)の上に操作タイミングを示す画像又は映像(例えば「赤セブン」や「青セブン」)を表示することで操作タイミングを報知する。また、各ストップスイッチ50の位置と対応する表示装置84の画面に第1停止の押し順を示す画像又は映像(例えば「1」)の代わりに操作タイミングを示す画像又は映像(例えば「赤セブン」や「青セブン」)を表示することようにしても良い。その後、前記押し順を示す画像又は映像は、ストップスイッチ50が操作される度に、当該操作されたストップスイッチ50の位置に対応する部分が消去(又は順序を示さない画像に変更)される。
【0119】
つぎに、
図16を用いて遊技状態について説明する。
遊技状態は、メイン制御基板200により管理され、
図16に示すように、大別すると、ノーマル遊技状態、ボーナス内部中状態、ボーナス遊技状態がある。
【0120】
ノーマル遊技状態は、ノーマル遊技状態制御手段251により制御される。
ノーマル遊技状態は、設定変更の操作により移行する設定変更後遊技状態としてのRT0状態が含まれる。
すなわち、RT0は、後述するRBBF(RT1)やRBBで設定変更の操作が行われることで移行してくる状態である。
ノーマル遊技状態におけるリプレイ役への当選確率は、通常(1/7.3)に設定されている。
ノーマル遊技状態における役抽選によりボーナス移行役「RBB」(
図11参照)に当選し、当該ボーナス移行役に対応する図柄組み合わせが有効ライン86上に停止表示されなかった場合に、ノーマル遊技状態からボーナス内部中状態へ移行し、停止表示された場合はボーナス遊技状態へ移行する。
【0121】
ボーナス内部中状態は、ボーナス内部中状態制御手段252により制御され、ノーマル遊技状態において、ボーナス移行役「RBB」(
図11参照)に当選し、当該ボーナス移行役「RBB」に対応する図柄組み合わせが有効ライン86上に停止表示されなかった場合に移行する。
【0122】
具体的には、ボーナス移行役「RBB」に当選した場合は「RBBF(RT1)」に移行する。
ボーナス内部中状態におけるリプレイ役への当選確率は、ノーマル遊技状態よりも高く設定されている。
【0123】
ボーナス遊技状態は、ボーナス遊技状態制御手段253により制御され、本実施の形態では、ボーナス移行役「RBB」(
図11参照)に当選し、当該ボーナス移行役「RBB」に対応する図柄組み合わせが有効ライン86上に停止表示された場合に移行する。
ボーナス遊技状態におけるリプレイ役への当選確率は、「0」に設定されている。
【0124】
ボーナス遊技状態は、本実施の形態では、ボーナス移行役「RBB」に当選した場合に移行可能な「RBB」が設けられている。
【0125】
ここで、「RBB」は、所定の枚数、例えば147枚を超えるメダルの払い出しで終了するが、これに限定されない。
そして、ボーナス遊技状態の終了後、ノーマル遊技状態に移行する。
【0126】
図17に示すように、役抽選により予め定められた押し順及び第1停止の操作タイミングでストップスイッチ50の操作がされた場合に入賞となる押し順役(ATA_LC1~ATB_RC2)に当選した場合に、当該押し順及び第1停止の操作タイミングを遊技者に報知不可能な「非有利区間」と、「非有利区間」から移行可能であり、役抽選により予め定められた押し順及び第1停止の操作タイミングでストップスイッチ50の操作がされた場合に入賞となる押し順役(ATA_LC1~ATB_RC2)に当選した場合に、当該押し順及び第1停止の操作タイミングを遊技者に報知可能な「有利区間」とがある。
【0127】
なお、本実施の形態では、「有利区間」であっても、後述する「AT状態」でのみストップスイッチ50の押し順及び第1停止の操作タイミングを報知することとしている。
【0128】
「非有利区間」は、「有利区間」を除いた区間である。
また、「非有利区間」は、設定変更の操作がされると移行する状態である。
「非有利区間」から「有利区間」には、本実施の形態では、役抽選により予め定められた役、
図14に示すように、遊技状態が「RT0」の場合では、当選役グループ「RP1」、「CH」、「ATA_LC1」~「ATB_RC2」、「PZ」~「WM」に当選した場合に「非有利区間」から「有利区間」への有利区間移行抽選がされ、当該有利区間移行抽選に当選することにより移行させる。
【0129】
また、遊技状態が「RBBF」の場合では、当選役グループ「RP1」、「CH」、「ATA_LC1」~「ATB_RC2」、「PZ」~「WM」に当選した場合に「非有利区間」から「有利区間」への有利区間移行抽選がされ、当該有利区間移行抽選に当選することにより移行させる。
【0130】
ここで、遊技状態「RBB」の場合には、役抽選で当選役グループ「ALL1」、「ALL2」に当選した場合であっても、有利区間移行抽選はされないように設定されている。
これにより、遊技状態「RT0」で役抽選の対象となっていない当選役グループ「ALL1」、「ALL2」は、遊技状態「RBB」で当選した場合であっても有利区間移行抽選はされないようにしているとともに、「RT0」でも「RBB」でも同じ役が当選することから(
図7~
図13参照)、停止表示された図柄61では、遊技状態が「RT0」であるか「RBB」であるかが判別できないようにしている。
なお、遊技状態「RT0」と、「RBB」とでは、同じ演出がされるように設定されており、演出の面からも遊技者がどちらの遊技状態に滞在しているかを分かり難くしている。
【0131】
なお、本実施の形態では、有利区間移行抽選の当選確率は、高確率に設定されており、非有利区間の数ゲームで有利区間へ移行するように設定されている。
また、「非有利区間」から「有利区間」へは、役抽選により予め定められた役に当選した場合に行われる有利区間移行抽選に当選することにより移行する場合に限定されず、役抽選により予め定められた役に当選した場合は有利区間移行抽選をすることなく有利区間へ移行するようにしても良い。
【0132】
「有利区間」は、有利状態の一例であり、「非有利区間」よりも遊技者にとって有利な区間であって、「有利区間1G目」、「有利通常状態」、「AT状態」、「ループ通常状態」を備える。
【0133】
なお、ここで、遊技者に有利な区間とは、例えば、非有利区間では、役抽選により予め定められた押し順及び第1停止の操作タイミングでストップスイッチ50の操作がされた場合に入賞となる押し順役に当選した場合であっても、当該押し順を遊技者に報知することが不可能であった状態から可能な状態になったことや、非有利区間では実行されないAT状態が実行されることなどから、遊技者に有利な区間となっている。
したがって、「有利区間」全体を通して遊技者にとって有利である必要はなく、「有利区間」の一部で遊技者にとって有利ではないことがあっても良い。
【0134】
また、非有利区間から有利区間へ移行してから、所定の上限ゲーム数、例えば1500ゲームを消化した場合は、有利区間の上限ゲーム数に到達したとして、有利区間から非有利区間へ移行するようにしている。
そのため、メイン制御基板200では、上限ゲーム数カウンタを備え、所定の上限ゲーム数(1500ゲーム)に到達するか否か判定するため、有利区間へ移行した後の消化ゲーム数を計数している。
また、上述した上限ゲーム数カウンタとは別に、天井ゲーム数カウンタを備え、当該天井ゲーム数カウンタにより計数されるゲーム数は、後述するが、AT状態へ移行する際に参照される(いわゆる天井)。
【0135】
また、非有利区間から有利区間へ移行した後、所定の上限ゲーム数(1500ゲーム)を消化する前(有利区間の上限ゲーム数に到達する前)であっても、有利区間で投入されたメダルの数と払い出したメダルの数との差である差枚数が所定枚数に到達したとき(上限差枚数)には、これを契機に、上限ゲーム数を消化する前であっても、有利区間から非有利区間へ移行するようにしている。
ここで、有利区間で投入されたメダルの数と払い出したメダルの数との差である差枚数は、例えば、有利区間で最もメダルが減った状態と有利区間で最もメダルが増えた状態との差によって求められる数、いわゆるMYである。
そのため、メイン制御基板200では、所定枚数の差枚数(いわゆるMY2400枚)に到達するか否か判定するため、有利区間へ移行した後の投入枚数と払出枚数とを計数している。
【0136】
有利区間1G目は、有利区間に移行してから最初の1ゲーム目の遊技状態である。
本実施の形態では、上述した有利区間制御手段260により、非有利区間中の当選役であって、有利区間への移行の契機となる有利区間移行契機役と、有利区間への移行後の1回目の遊技(上述した有利区間1G目)を含む遊技での当選役と、「遊技状態」とに基づいて、有利区間の有利度を決定するように形成されている。
なお、ここで、上述した「遊技状態」は、有利区間における状態であって、具体的には、上述した「RT0」である場合に、遊技者にとって、有利となるように設定されているものである。
【0137】
なお、ここで、役抽選の抽選確率は、予め複数段階に設定されるとともに、当該設定は、所定の操作により、設定変更可能に形成されている。具体的には、設定1~設定6のそれぞれに役抽選の抽選確率が同一又は異なるように設定されている抽選テーブルを予め設けてあるものであり、遊技機10を設置している遊技ホールの管理者が自由に設定可能に形成されているものである。
そして、本実施の形態では、遊技状態には、上述した「設定」の変更の操作により移行する設定変更後遊技状態としてのRT0が設けられている。
この設定変更後遊技状態としてのRT0は、他の遊技状態(RT1、RT2)に比べて、有利区間の有利な有利度を決定可能としているものである。
すなわち、設定変更の操作がされた後(例えば遊技ホールの開店時)は、有利区間の有利な有利度が決定されやすくなっている。
【0138】
さらに、具体的に説明する。
非有利区間における役抽選の結果、有利区間移行契機役として、「チェリー(CH)」又は「スイカ(WM)」、のいわゆるレア役が当選した場合、有利区間制御手段260は、特殊フラグをON状態として、有利区間に移行させる。
また、有利区間制御手段260は、有利区間1G目における役抽選の結果、当選役が「チェリー(CH)」又は「スイカ(WM))」のレア役である場合にも、特殊フラグがON状態となるように設定されている。
【0139】
具体的には、有利区間制御手段260は、
図18に示すように、非有利区間中における有利区間への移行の契機となる有利区間移行契機役が、「チェリー(CH)」又は「スイカ(WM)」のレア役であるか、それ以外の「通常役」であるか否かを判断する。
なお、ここで、
図18の左欄は、「有利区間移行契機役に当選したゲームの当選役」を示すものであって、非有利区間において、役抽選の結果、有利区間移行契機役に当選して、有利区間移行抽選の結果、有利区間移行抽選に当選した遊技における当選役の種類を示している。
【0140】
そして、
図18の中央の欄は、有利区間に移行して1G目、すなわち、「有利区間1G目」における当選役の種類を示している。
そして、
図18の右覧は、
図18の左欄及び中央の欄の結果、有利区間1G目における特殊フラグの状態を示している。
【0141】
すなわち、有利区間移行契機役に当選したゲームの当選役が「通常役」の場合は、有利区間移行契機役に当選したゲームでの特殊フラグの状態はOFFで、有利区間1G目の当選役が「通常役」である場合には、有利区間1G目での特殊フラグの状態はONとはならずOFFのままであるため、有利区間1G目時点における特殊フラグの状態はOFFである。
すなわち、有利区間移行契機役に当選したゲームの当選役が「通常役」で、有利区間1G目の当選役が「通常役」である場合には、特殊フラグの状態はOFFである。
【0142】
なお、本実施の形態では、
図14に示す当選役グループのうち、役抽選の結果、マル印が付いている有利区間移行契機役に当選した場合、有利区間移行抽選が実施されるが、当該有利区間移行抽選の抽選確率は、100%に設定されている。
なお、当該有利区間移行抽選の抽選確率は、必ずしも100%に設定されていることに限定されるものではなく、100%以外の抽選確率に設定してもよいものである。
【0143】
ここで、
図18に示す「通常役」は、
図14の左欄に示す当選役グループの「RP1」、「CH」、「ATA_LC1」~「ATB_RC2」、「PZ」~「WM」、「ATC1」~「ATC3」のうちから、上述したレア役である「チェリー(CH)」又は「スイカ(WM)」を除いた「RP1」、「ATA_LC1」~「ATB_RC2」、「PZ」、「BE」、「ATC1」~「ATC3」を意味するものである。
【0144】
また、同様に、有利区間移行契機役に当選したゲームの当選役が「通常役」の場合は、有利区間移行契機役に当選したゲームでの特殊フラグの状態はOFFで、有利区間1G目の当選役が「チェリー(CH)」である場合には、有利区間1G目での特殊フラグの状態はONとなるため、有利区間1G目時点における特殊フラグの状態はONとなる。
また、同様に、有利区間移行契機役に当選したゲームの当選役が「スイカ(WM)」の場合は、有利区間移行契機役に当選したゲームでの特殊フラグの状態はONとなり、有利区間1G目の当選役が「通常役」である場合には、有利区間1G目での特殊フラグの状態はONのままであるため、有利区間1G目時点における特殊フラグの状態はONとなる。
また、同様に、有利区間移行契機役に当選したゲームの当選役が「チェリー(CH)」の場合は、有利区間移行契機役に当選したゲームでの特殊フラグの状態はONとなり、有利区間1G目の当選役が「スイカ(WM)」である場合には、有利区間1G目での特殊フラグの状態はONのままであるため、有利区間1G目時点における特殊フラグの状態はONとなる。
【0145】
すなわち、有利区間制御手段260は、上述したように有利区間移行契機役に当選したゲームの当選役と、有利区間1G目に当選した当選役とに基づいて、特殊フラグのON状態やOFF状態を設定する。
なお、有利区間への移行の契機となる有利区間移行契機役が「チェリー(CH)」や「スイカ(WM)」で特殊フラグの状態をONとした場合、有利区間1G目の当選役の種類を判定しないようにしてもよい。
そして、上述したように変換された有利区間1G目での特殊フラグの状態(ON状態又はOFF状態)及び遊技状態(RT0状態又はRT1状態)に基づいて、有利区間の有利度を決定しているものである。
結果として、非有利区間中の当選役であって、有利区間への移行の契機となる有利区間移行契機役と、有利区間への移行後の1回目の遊技での当選役と、遊技状態(RT0状態等)とに基づいて、有利区間の有利度を決定することになるものである。
【0146】
なお、ここで、本実施の形態では、有利区間移行契機役に当選したゲームの当選役と、有利区間1G目での当選役と、有利状態(RT0状態等)とに基づいて、有利区間の有利度を決定しているが、特にこれに限定されるものではない。上述したように「有利区間1G目での当選役」に限定されるものではなく、「有利区間への移行後の少なくとも1回の遊技を含む遊技での当選役」であってもよいものである。具体的には、例えば、「有利区間への移行後の1回目の遊技での当選役」の代わりに、「有利区間への移行後の1回目及び2回目の遊技での当選役」や、「有利区間への移行後の1回目、2回目及び3回目の遊技での当選役」や、「有利区間への移行後の連続するN回目の遊技(1回目、2回目、・・N回目の遊技)での当選役」等であってもよいものである。
【0147】
さらに、本実施の形態において、上述した「有利区間の有利度を決定する」の「有利区間の有利度」は、有利区間における有利度の異なるモードを決定しているものである。
この有利区間のモードは、具体的には、遊技者にとって有利度の異なる通常モード、特別Aモード、特別Bモード、特別Cモードが設定されてある。
通常モード、特別Aモード、特別Bモード、特別Cモードの順に遊技者にとっての有利度が有利となるように設定されてある。
【0148】
本実施の形態では、有利区間において、有利通常状態から、疑似ボーナスへ移行し、疑似ボーナス等のAT状態が終了すると、ループ通常状態へ移行し、所定遊技数の間(32ゲーム)、疑似ボーナスへ引き戻すか否かの引き戻し抽選が行われる。
引き戻し抽選に当選した場合は、疑似ボーナスへ戻り、引き戻し抽選に当選しない場合は、ATゲーム数の残りがある場合は、所定遊技数(32ゲーム)の消化後、疑似ボーナスへ戻り、ATゲーム数の残りがない場合は、有利区間のモード(特別Aモード、特別Bモード、特別Cモード)に基づく有利区間の継続抽選を行い、当該継続抽選に当選の場合は有利通常状態へ移行し、かかる有利区間のモードに基づく有利区間の継続抽選に非当選の場合は非有利区間通常状態へ移行する。
ここで、上述した通常モードは、ループ通常状態が終了した後は、有利区間のモードに基づく有利区間の継続抽選を行わず、有利通常状態又は疑似ボーナスが継続されることなく、非有利区間通常状態へ移行するように設定されている。
【0149】
また、上述した特別Aモードは、ループ通常状態が終了した後は、有利区間のモードに基づく有利区間の継続抽選の抽選結果により、有利区間の継続を実行可能であるが、有利区間の継続が1回実行された後は、有利区間の継続がしにくくなるように、有利区間の継続抽選の抽選確率が設定されている。また、特別Aモードは、有利区間移行後の疑似ボーナスへ移行する遊技回数(いわゆる天井)が499回に設定されている。
【0150】
また、上述した特別Bモードは、ループ通常状態が終了した後は、有利区間のモードに基づく有利区間の継続抽選の抽選結果により、有利区間の継続を実行可能であるが、有利区間の継続が1回実行された後は、有利区間の継続がしにくくなるように、有利区間の継続抽選の抽選確率が設定されている。特別Bモードは、特別Aモードに比べ、AT状態のゲーム数を決定するATゲーム数抽選でより大きいゲーム数が決定されやすく設定されていることなどから特別Aモードよりも有利となっている。なお、特別Bモードが特別Aモードよりも有利となっている点は、ATゲーム数抽選ではなく、他の特典であっても良い。また、特別Bモードは、有利区間移行後の疑似ボーナスへ移行する遊技回数(いわゆる天井)が499回に設定されている。
また、特別Aモード、特別Bモードの場合、有利区間の継続が1回実行された後の有利区間の継続抽選では必ず非当選になるようにして非有利区間通常状態へ移行するようにしても良いし、有利区間の継続が1回実行された後は有利区間の継続抽選を実行せずに非有利区間通常状態へ移行するようにしても良い。
【0151】
また、上述した特別Cモードは、ループ通常状態が終了した後は、有利区間のモードに基づく有利区間の継続抽選の抽選結果により、有利区間の継続を実行可能であるが、最大で4回、有利通常状態に移行して有利区間を継続するように設定されている。また、この特別Cモードは、有利区間移行後の疑似ボーナスへ移行する遊技回数(いわゆる天井)が150回に設定されている。
【0152】
上述したように有利区間のモードとして、通常モード、特別Aモード、特別Bモード、特別Cモードが設定され、有利区間の継続回数、疑似ボーナスへ移行する天井遊技回数の値などを種々設定し、それらの組み合わせなどにより、通常モード、特別Aモード、特別Bモード、特別Cモードの順に、遊技者にとってより有利となるように設定されているものである。
【0153】
なお、特別Aモード、特別Bモード、特別Cモードの有利区間移行後の疑似ボーナスへ移行する遊技回数(いわゆる天井)は、上述したものに限定されず、抽選により決定しても良い。この場合には、特別Aモードよりも特別Bモード、特別Bモードよりも特別Cモードの方が、少ない遊技回数が抽選により決定されやすいように設定されている。
また、かかる有利区間移行後の疑似ボーナスへ移行する遊技回数を抽選により決定する際に、遊技状態がRT0である場合は、他の状態である場合に比べ、RT0である場合の方が、少ない遊技回数が抽選により決定されやすいように設定しても良い。
【0154】
また、本実施の形態では、上述したように役には、予め定めた特定役としてのレア役(例えば、チェリー(CH)や、スイカ(WM))が含まれている。
そして、有利区間移行契機役と、有利区間における当選役との少なくともいずれか一方が特定役としてのレア役の場合は、特定役としてのレア役でない場合に比べて、有利区間の有利な有利度を決定可能としているものである。
【0155】
具体的には、
図18に示すように、上から1番目に記載されているものは、左欄及び中央の欄が「通常役」であり、結果として、右欄の結果が「特殊フラグOFF」に設定されている。
一方、
図18の上から2番目及び4番目に記載されているものは、左欄及び中央の欄のいずれか一方がレア役の場合であり、右欄の結果が「特殊フラグON」に設定されている。ここで、上から1番目の右欄の結果が「特殊フラグOFF」よりも、上から2番目及び4番目に記載されている右欄の結果が「特殊フラグON」となるレア役の場合の方が、上から1番目のレア役でない場合(すなわち、通常役)に比べて、上述したモードを選択する抽選確率が、より遊技者にとって有利となるモード、すなわち通常モード、特別Aモード、特別Bモード、特別Cモードの順のより後ろのモードが当選し易くなるように設定されているものである。これにより、有利区間移行契機役と、有利区間における当選役との少なくともいずれか一方が特定役としてのレア役の場合は、特定役としてのレア役でない場合に比べて、有利区間の有利な有利度を決定可能としているものである。
【0156】
また、有利区間移行契機役に当選したゲームの当選役と、有利区間1G目の当選役とが両方レア役(チェリー(CH)、スイカ(WM))である場合は、少なくともいずれか一方がレア役でない場合に比べて、有利区間の有利な有利度を決定可能としても良い。
【0157】
例えば、
図18の上から2番目や4番目などに記載されているもののように有利区間移行契機役に当選したゲームの当選役が通常役で、有利区間1G目の当選役がレア役である場合より、上から5番目や6番目などに記載されているもののように有利区間移行契機役に当選したゲームの当選役がレア役で、有利区間1G目の当選役もレア役である場合の方が、有利区間の有利な有利度が決定されるようにしても良い。
【0158】
このように両方がレア役であることに対しての特別感(レア感)を高め、単にいずれかがレア役であるような場合よりも有利にすることができ、非有利区間における有利区間移行契機役と、有利区間における当選役とのそれぞれにおいて遊技者の関心を惹きつけることができ、興趣に富む遊技性を有する遊技機を提供することができる。
なお、予め定めた特定役としてのレア役を「チェリー(CH)」、「スイカ(WM)」とし、「チェリー(CH)」と「スイカ(WM)」で決定される有利度を同じとしたが、予め定めた特定役の種類によって、決定される有利度を異なるようにしてもよい。
【0159】
有利通常状態は、「有利区間」における「有利区間1G目」、「AT状態」、「ループ通常状態」等の特殊な状態を除いた状態である。
【0160】
また、有利通常状態では、予め定められた当選役グループ(例えば、「RP1」、「CH」、「ATA_LC1」~「ATB_RC2」、「PZ」、「BE」、「WM」、「ATC1」~「ATC3」、もちろん、これに限定されるものではなく、他の当選役グループでも良い)に当選した場合に、AT状態へ移行するか否かの抽選(AT移行抽選)が行われる。
【0161】
有利通常状態は、非有利区間の非有利通常状態を継続した状態となっており、演出制御手段320により非有利通常状態と同様の演出が行われる。つまり、非有利通常状態と有利通常状態との違いは、滞在している区間が「非有利区間」か「有利区間」かの違いとなっている。
また、後述する有利区間1G目も有利区間通常状態と同様の演出が行われる。このため、非有利区間通常状態と有利区間通常状態と有利区間1G目とは、演出上の違いがない状態となっている。
【0162】
「AT状態」は、有利区間における有利状態の一例であり、有利通常状態より遊技者にとって有利な状態である。
当該「AT状態」に移行すると、所定の役の入賞をアシストするための報知演出として、当選した役の操作態様が報知(押し順ナビ)される遊技(AT)が開始され、報知された押し順に従ってストップスイッチ50を操作することで、当選した小役や再遊技役の図柄の組み合わせを停止表示させることができる。このため、成立した小役に対応する所定枚数のメダルが払い出される。
【0163】
「AT状態」は、上述したAT移行抽選に当選することで移行してくる状態である。
【0164】
また、本実施の形態では、区間報知ランプ90は、AT状態への移行時のスタートスイッチ40操作後に点灯するように設定されている。
なお、区間報知ランプ90の点灯は、上述した場合に限定されず、他の場合、例えば、有利区間に移行する契機となる予め定めた役に当選したゲームのいわゆる第3停止後に点灯するようにしても良い。
【0165】
また、「AT状態」へは、非有利区間から有利区間へ移行後計数が開始される遊技数が、上述した天井遊技数抽選により決定された遊技数(499回など)に到達すること(いわゆる天井)によっても移行するようにしている。
そして、「AT状態」の終了後、ループ通常状態へ移行し、当該ループ通常状態から再度「AT状態」や、有利通常状態へ移行しない場合には、非有利区間通常状態へ移行する。
【0166】
「AT状態」には、本実施の形態では、「疑似ボーナス(疑似BB、疑似RB)」、「エンディングボーナス」を備える。
なお、「AT状態」が備える状態には、上述したものに限定されず、他の状態を備えても良い。
【0167】
「AT状態」は、「非有利区間」より遊技者に有利な状態である。当該「AT状態」に移行すると、所定の役の入賞をアシストするための報知演出として、当選した役に対する有利な操作態様が報知される遊技(AT)が開始され、報知された操作態様に従ってストップスイッチ50を操作することで、当選した小役や再遊技役の図柄の組み合わせを停止表示させることができる。このため、成立した小役に対応する所定枚数のメダルが払い出されることから、メダルの払い出しに関し、遊技者にとって最も有利な状態である。
【0168】
「AT状態」は、「非有利区間」より遊技者に有利な状態である。当該「AT状態」に移行すると、所定の役の入賞をアシストするための報知演出として、当選した役に対する有利な操作態様が報知される遊技(AT)が開始され、報知された操作態様に従ってストップスイッチ50を操作することで、当選した小役や再遊技役の図柄の組み合わせを停止表示させることができる。このため、成立した小役に対応する所定枚数のメダルが払い出されることから、メダルの払い出しに関し、遊技者にとって最も有利な状態である。
【0169】
本実施の形態では、AT状態への移行時に、ATゲーム数抽選が行われ、
図19に示すATゲーム数、7、41、50、65、75、100、115、125、130、255回のうちから、いずれかの数値が抽選により決定されるように形成されている。かかるATゲーム数抽選により決定されたATゲーム数が残っている状態で後述する疑似ボーナスが終了した場合は、一旦AT状態を終了してループ通常状態へ移行し、当該ループ通常状態から再度AT状態(疑似ボーナス)へ戻る。ATゲーム数が残っていない状態で疑似ボーナスが終了した場合は、AT状態を終了してループ通常状態へ移行し、有利区間の継続を実行する場合は、ループ通常状態終了後、有利通常状態へ移行し、有利区間の継続を実行しない場合は、ループ通常状態終了後、非有利区間に移行する。
【0170】
「疑似ボーナス」は、有利通常状態からAT状態に移行してきた場合に滞在する状態であり、疑似BBと疑似RBとがある。
疑似BBは、例えば、30ゲームの間実行されるものであり、疑似RBは、例えば、8ゲームの間実行されるものである。
【0171】
疑似ボーナスのうち、疑似BBと疑似RBとのいずれかに移行するかは、ボーナス種別抽選により決定される。
本実施の形態で、ボーナス種別抽選は、ATゲーム数抽選により決定されたATゲーム数に応じて定められた抽選確率に応じて行われるように設定されているが、これに限定されず、例えば、役抽選の結果に応じて行われるようにしても良い。
【0172】
「ループ通常状態」は、疑似ボーナス終了後に移行する状態である。
そして、ATゲーム数が残っている状態でループ通常状態へ移行してきた場合は、所定遊技数の間、「疑似ボーナス」へ引き戻すか否かの抽選(引き戻し抽選)が行われ、ATゲーム数が残っていない状態で移行してきた場合は、有利区間のモードに応じて有利区間を継続するか否かの抽選が行われる状態である。
【0173】
例えば、ATゲーム数抽選で41ゲームが決定され、疑似BBの30ゲームを消化することでループ通常状態へ移行してきた場合は、ATゲーム数が残っている(0<11(41-30))ため、引き戻し抽選が行われる。一方、有利区間のモードが特別Cモードであって、ATゲーム数抽選で7ゲームが決定され、疑似BBの30ゲームを消化することでループ通常状態へ移行してきた場合は、ATゲーム数が残っていない(0>-23(7-30))ため、有利区間のモードに応じた有利区間を継続するか否かの抽選が行われる。ここで、有利区間のモードが特別Cモードの場合は、上述したように、最大で4回、有利区間を継続可能な状態であるため、継続抽選が実行される。他のモード(特別Aモード、特別Bモード)の場合も同様に、継続抽選が実行され、継続抽選に当選の場合は、ループ通常状態の終了後、有利通常状態へ移行し、継続抽選に非当選の場合は、ループ通常状態の終了後、非有利区間通常状態へ移行する。
【0174】
引き戻し抽選に当選した場合は、疑似ボーナスへ戻り、ボーナス種別抽選が実行される。またループ通常状態中に引き戻し抽選に当選しない場合であっても、ATゲーム数の残りがある場合は、「疑似ボーナス」へ移行し、ATゲーム数の残りがない場合は上述した有利区間のモード(特別Aモード、特別Bモード、特別Cモード)に基づく有利区間の継続抽選を行い、継続抽選に当選の場合は有利通常状態へ移行し、かかる有利区間のモードに基づく有利区間の継続抽選に非当選の場合は、「非有利区間通常状態」へ移行する。
【0175】
ここで、ATゲーム数の残りがある場合は、「ループ通常状態」で行われる引き戻し抽選に当選しなくても、疑似ボーナスへ移行することから、当該引き戻し抽選は、ループ通常状態の所定遊技数(32ゲーム)を短縮する短縮抽選であるとも言える。
このように引き戻し抽選を行うのは、ATゲーム数の残りがある場合は、早く疑似ボーナスへ戻った方が遊技者にとって利益でもあるため、所定遊技数の短縮を可能としたものである。
なお、引き戻し抽選に当選すると疑似ボーナスへ移行するように構成したが、これに限定されず、ATゲーム数の残りがある場合、所定の遊技数(32ゲーム)が0になると疑似ボーナスへ移行する構成とし、ループ通常状態中の抽選により、所定の遊技数を短縮するようにしてもよい。
【0176】
なお、「ループ通常状態」では、ストップスイッチ50の操作態様の報知が実行されないように設定されているが、これに限定されず、「ループ通常状態」であってもストップスイッチ50の操作態様の報知が実行されるようにしても良い。
【0177】
「エンディングボーナス」は、AT状態中に、所定条件が成立した場合に、AT状態の、疑似ボーナスから移行し、有利区間の上限まで継続して遊技可能な状態である。
【0178】
ここで、所定条件は、
図20を用いて、後で詳細に説明する。
なお、押し順役に当選し、ストップスイッチ50の操作態様の報知が行われた場合には、当該有利区間で払い出したメダルの数にかかわらず、報知されたストップスイッチ50の操作態様で操作された場合に入賞する役に対応する遊技者に払い出されるメダルの数を、有利区間で遊技者に払い出されるメダルの数として計数するようにしている。
【0179】
すなわち、後述する「期待値MY」は、ストップスイッチ50の操作態様が報知されない場合は、遊技者に払い出されたメダルの数を元にエンディング状態へ移行する差枚数を計数するが、ストップスイッチ50の操作態様が報知された場合は、遊技者に払い出されたメダルではなく、ストップスイッチ50の操作態様に従った場合に遊技者に払い出されるメダルの数を元に計数される。
【0180】
具体的には、「期待値MY」は、ストップスイッチ50の操作態様が報知されなかった場合は、実際の払出枚数(例えば15枚)から投入枚数(例えば3枚)を減算して求められる数値、ストップスイッチ50の操作態様が報知された場合は、遊技者に払い出された遊技媒体を問わず報知されたストップスイッチ50の操作態様にしたがった場合に遊技者に払い出される遊技媒体(15枚)から投入枚数(例えば3枚)を減算して求められる数値、を元に計数された差枚数である。
【0181】
このように構成することで、遊技者のストップスイッチ50の操作ミスにかかわらず、エンディング状態へ移行させることが可能となる。
そのため、遊技者のストップスイッチ50の操作ミスがなければエンディング状態へ移行する差枚数例えば2000枚に到達していたにもかかわらず、ストップスイッチ50の操作ミスをしたために、差枚数例えば2000枚に到達できず、エンディング状態へ移行できないという不利益を防止することが可能となる。
【0182】
なお、ストップスイッチ50の操作態様が報知されなかった場合は、払出枚数が15枚の役は、正解の押し順でストップスイッチ50を操作する必要がある押し順役であるため、遊技者が操作したストップスイッチ50の押し順が偶然正解の押し順である確率は低いため、払出枚数が1枚の役が入賞することが多くなる。
【0183】
なお、ストップスイッチ50の操作態様の報知が行われた場合であっても、有利区間のうちAT状態以外の状態では、実際に遊技者に払い出されたメダルの数を元に計数するようにしても良い。
【0184】
そして、エンディング状態は、有利区間の上限、本実施の形態では、上限ゲーム数である1500ゲーム又は差枚数2400枚(MY2400)まで継続する状態であり、エンディング状態では、有利区間が上限に到達することを示唆する演出が実行される。
【0185】
なお、エンディング状態では、疑似ボーナスと同様、ストップスイッチ50の操作態様の報知(押し順ナビ)が実行されるように設定されている。
これにより、有利区間の上限である差枚数2400枚(MY2400)に到達可能となっている。
【0186】
また、エンディング状態は、有利区間の上限まで遊技することが可能な状態であるため、AT状態の遊技区間を延長する抽選、例えば、継続抽選や、上乗せ抽選などのAT状態に関する抽選が行われない、無抽選状態である。
【0187】
本実施の形態では、既に説明しているように、非有利区間と、この非有利区間から移行可能であって、この非有利区間よりも遊技者にとって有利であるとともに、継続して実行させる場合の上限(具体的には、1500ゲーム又はMY2400枚)のある有利区間と、この有利区間中に実行される第1有利状態としての疑似ボーナスと、所定の契機で開始され、有利区間の上限まで継続する第2有利状態としてのエンディング状態であるエンディングボーナスとが設けられている。
【0188】
ここで、本実施の形態では、第1有利状態としての疑似ボーナスに関しては、有利通常状態において、役抽選の成立役による疑似ボーナス抽選(AT移行抽選)が行われる。
上述したように成立役を参照して、疑似ボーナス抽選を行い、この抽選に当選した場合、疑似ボーナスの後述する初期設定処理が行われる。
また、上記疑似ボーナス抽選で外れた場合(非当選の場合)は、天井ゲーム数の更新が行われる。
ここで、有利区間移行後のゲーム数が天井ゲーム数より少ない場合は何も処理せず、有利区間移行後のゲーム数が天井ゲーム数に到達している場合、疑似ボーナスの後述する初期設定処理が行われる。
【0189】
本実施の形態では、疑似ボーナスの初期設定処理では、上述したATゲーム数抽選と、ボーナス種別(疑似BB又は疑似RB)の抽選が行われる。
上述したATゲーム数の設定は、
図19に示すATゲーム数、7、41、50、65、75、100、115、125、130、255回のうちから、いずれかの数値が抽選により決定されるように形成されている。
【0190】
そして、上述したATゲーム数が決定された場合、ATゲーム数が255回に決定された場合は、
図20に示すような数値によりエンディング閾値抽選が行われるものである。
具体的には、
図20に示す閾値IDである0~11のいずれかが抽選により決定され、決定された閾値IDにより、例えば閾値IDが0の場合は、エンディングボーナスに移行せず、閾値IDが1に決定された場合は、期待値MYが400枚に設定され、残り枚数が2000枚に設定され、また、閾値IDが2に決定された場合は、期待値MYが800枚に設定され、残り枚数が1600枚に設定され、閾値IDが3に決定された場合は、期待値MYが1200枚に設定され、残り枚数が1200枚に設定され、閾値IDが4に決定された場合は、期待値MYが1400枚に設定され、残り枚数が1000枚に設定され、閾値IDが6に決定された場合は、期待値MYが1500枚に設定され、残り枚数が900枚に設定され、閾値IDが7に決定された場合は、期待値MYが1600枚に設定され、残り枚数が800枚に設定され、閾値IDが8に決定された場合は、期待値MYが1700枚に設定され、残り枚数が700枚に設定され、閾値IDが9に決定された場合は、期待値MYが1800枚に設定され、残り枚数が600枚に設定され、閾値IDが10に決定された場合は、期待値MYが1900枚に設定され、残り枚数が500枚に設定され、閾値IDが11に決定された場合は、期待値MYが2000枚に設定され、残り枚数が400枚に設定される。
【0191】
これは、例えば、閾値IDが1の場合は、期待値MYが400枚に達したときに、エンディングボーナスに移行し、残り2000枚の遊技媒体としてもメダルを獲得するまでエンディングボーナスが継続されることを意味する。
また、例えば、同様に、閾値IDが11の場合は、期待値MYが2000枚に達したときに、エンディングボーナスに移行し、残り400枚の遊技媒体としてもメダルを獲得するまでエンディングボーナスが継続されることを意味する。
【0192】
すなわち、第1有利状態としての疑似ボーナス移行時の上述したような初期設定処理において、第2有利状態としてのエンディングボーナスの「所定の契機」である期待値MYの上述したような閾値を決定しているものである。
また、上述したように、第1有利状態としての疑似ボーナス移行時の有利区間を上述したような上限まで継続して実行させると決定した場合、すなわち上述したようにATゲーム数が255回に設定された場合に、上述したような第2有利状態としてのエンディングボーナスが開始する「所定の契機」(期待値MYの閾値)を決定しているものである。
【0193】
ここで、第1有利状態としての疑似ボーナスは、ストップスイッチ50の操作態様の報知が行われることで、遊技媒体の払出が期待される増加区間として機能するものである。
また、ループ通常状態は、ストップスイッチ50の操作態様の報知が行われないことで、増加区間より遊技媒体の払出が期待されない減少区間として機能するように形成されている。
また、第2有利状態としてのエンディングボーナスでは、ストップスイッチ50の操作態様の報知が行われることで、上述した増加区間は設けてあるが、ストップスイッチ50の操作態様の報知が行われない減少区間は設けていないものである。
【0194】
また、第1有利状態としての疑似ボーナスの上述した減少区間であるループ通常状態では、第1有利状態としての疑似ボーナスへ移行するための「移行抽選」(上述した引き戻し抽選)が行われている。
ここで、第1有利状態としての疑似ボーナスの遊技結果、払い出された遊技媒体数から投入した遊技媒体数を差し引いた遊技媒体数である「純増枚数」に基づいて、前記「移行抽選」(上述した引き戻し抽選)の抽選確率を変化させるように形成されている。
具体的には、上述した「純増枚数」が予め定めた値よりも少ない場合は、上述した「移行抽選」(上述した引き戻し抽選)の抽選確率をそうでない場合(少ない場合)に比べて高くなるように設定されているものである。
【0195】
なお、ATゲーム数抽選で、ATゲーム数が255回に決定された場合のみエンディングボーナスへ移行する場合に限定されず、他のATゲーム数が決定された場合でもエンディングボーナスに移行する場合があっても良く、又、他の条件を満たすことでエンディングボーナスへ移行するようにしても良い。
【0196】
本実施の形態では、有利区間には、
図17において、既に説明しているように、有利区間中の第1有利状態としての疑似ボーナスへ移行する前の遊技状態である有利通常状態が設けられている。
【0197】
第1有利状態としての疑似ボーナスの上述した「減少区間」としての機能を有するループ通常状態では、第1有利状態の上述した「増加区間」として機能する疑似ボーナスへ移行するための「移行抽選」(上述した引き戻し抽選)が行われている。
【0198】
ここで、有利通常状態から第1有利状態の増加区間として機能する疑似ボーナスを経由した最初の「減少区間」であるループ通常状態では、前記「移行抽選」(上述した引き戻し抽選)の抽選確率を変化させるように形成されている。
【0199】
具体的には、そうでない場合(有利通常状態から第1有利状態の前記増加区間として機能する疑似ボーナスを経由した最初の減少区間であるループ通常状態でない場合)と比べて、前記「移行抽選」(上述した引き戻し抽選)の抽選確率を高く(増加した値に)設定しているものである。
【0200】
すなわち、第1有利状態(疑似ボーナス)の減少区間(ループ通常状態)では、第1有利状態の増加区間(疑似ボーナス)へ移行するための「移行抽選」が行われ、有利通常状態から第1有利状態の増加区間を経由した最初の減少区間では、前記「移行抽選」(上述した引き戻し抽選)の抽選確率を変化(具体的には、移行抽選確率をアップ)させているものである。
【0201】
図21に示すフローチャートに基づいて、メイン制御基板200が1回の遊技毎に実行する一般的な遊技制御処理について説明する。
【0202】
ステップS10において、メイン制御基板200により、スタートスイッチ40の操作があったか否かの判定が行われる。ここで、スタートスイッチ40の操作があったと判定されると、メイン制御基板200により、賭け数の設定が不可能な状態とされる。その後、次のステップS11に進む。一方、スタートスイッチ40の操作がないと判定されると、再度ステップS10となる。
【0203】
なお、このステップS10の前提として、賭け数設定処理が行われている。この賭け数設定処理では、賭け数として規定の賭け数が設定されたか否かが判定されるものである。具体的には、メイン制御基板200により、当該遊技の賭け数として設定されているメダルの枚数が規定の賭け数(3枚)に達しているか否かの判定が行われる。
【0204】
ステップS11において、役抽選手段210により、役抽選処理が行われる。また、このとき、役抽選の結果がメイン制御基板200からサブ制御基板300へ送信される。役抽選処理が終了すると、次のステップS12に進む。
【0205】
ステップS12において、リールユニット60における回転リール62の回転変動処理が行われる。回転リール62が所定の回転速度に達した後、メイン制御基板200により、回転中の回転リール62に対応するストップスイッチ50の操作があった場合に、リール制御手段220により、各回転リール62の回転が停止させられる。このときのストップスイッチ50(左ストップスイッチL、中ストップスイッチC、右ストップスイッチR)の当選役に対応する押し順は、メイン制御基板200に形成された所定の記憶領域に記憶されると共に、その後の処理にて読み出される。
【0206】
また、全ての停止操作終了後、メイン制御基板200の送信手段270からサブ制御基板300の受信手段310へ全回転リール62の回転停止情報が送信される。そして、すべての回転リール62の回転変動処理が終了すると、次のステップS13に進む。
ステップS13において、停止図柄判定手段230により、有効ライン86上の図柄61の組み合わせに対して所定の役の図柄61の組み合わせが揃っているか否かの入賞等の判定処理が行われる。ここで、入賞等の判定処理の判定結果のデータは、メイン制御基板200からサブ制御基板300へ送信される。そして、判定処理が終わると、次のステップS14に進む。
【0207】
ステップS14において、払出制御手段240により、停止図柄判定手段230の判定結果に対応した払出処理等が行われる。なお、判定結果、払出が不要な場合には、払出処理は行われない。そして、当該処理が終了する。
【0208】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。
例えば、上述したように、回転リール62が3個ある場合を用いて説明したが、これに限定されず、3個以外の、例えば4個であっても良い。
【0209】
また、上述した実施の形態では、有利区間移行契機役に当選したゲームの当選役に基づいて、特殊フラグの状態を設定し、さらに、有利区間1G目の当選役に基づいて、特殊フラグの状態を設定するようにしているが(
図18参照)、これに限定されない。
例えば、
図22に示すように、有利区間移行契機役に当選したゲームの当選役を記憶しておき、当該当選役と有利区間1G目の当選役とから、有利区間1G目の当選役を変換し、当該変換された当選役に基づいて特殊フラグの状態を設定するようにしても良い。
【0210】
具体的には、有利区間移行契機役に当選したゲームの当選役が「通常役」、有利区間1G目の当選役が「通常役」である場合は、有利区間1G目の当選役は「通常役」に変換される。そして、変換された「通常役」に基づいて、特殊フラグの状態が「OFF」に設定される(OFFのまま維持される)。
【0211】
また、同様に、有利区間移行契機役に当選したゲームの当選役が「通常役」、有利区間1G目の当選役が「スイカ(WM)」である場合は、有利区間1G目の当選役は「スイカ(WM)」に変換される。そして、変換された「スイカ(WM)」に基づいて、特殊フラグの状態が「ON」に設定される。
【0212】
また、同様に、有利区間移行契機役に当選したゲームの当選役が「スイカ(WM)」、有利区間1G目の当選役が「通常役」である場合は、有利区間1G目の当選役は「スイカ(WM)」に変換される。そして、変換された「スイカ(WM)」に基づいて、特殊フラグの状態が「ON」に設定される。
【0213】
本実施の形態は、上述したような構成を有することで、下記に示すような作用及び効果を奏する。
【0214】
本実施の形態によれば、非有利区間中の当選役であって、有利区間への移行の契機となる有利区間移行契機役と、有利区間への移行後の少なくとも1回目の遊技を含む遊技での当選役と、遊技状態とに基づいて、有利区間の有利度を決定する。
【0215】
本実施の形態によれば、非有利区間と、有利区間とのそれぞれで有利区間中の有利となるような優遇を受けるチャンスを有している。このように、有利区間中の有利となるような優遇を受けるチャンスを非有利区間と、有利区間とで複数有していることで、長時間連続して遊技者の関心を惹きつけることができる遊技性を有する遊技機を提供することができる。
【0216】
また、非有利区間と、有利区間とのそれぞれで優遇を受けるチャンスを有していることで、複数の優遇を受けるチャンスの結果に応じて、有利度を種々異なるように決定することが可能となる。複数の遊技を受けるチャンスの結果に応じて有利区間での有利度が異なるようにした場合には、さらに複数の優遇を受けるチャンス毎に遊技者の関心を惹きつけることができ、興趣に富む遊技性を有する遊技機を提供することができる。
【0217】
本実施の形態によれば、有利区間の有利度を決定する一因子である遊技状態が、有利区間における状態であることで、遊技者に対して、有利区間における遊技状態に対する興味を強く持たせることができ、遊技者の関心をさらに惹きつけ、興趣に富む遊技性にすることができる。
【0218】
本実施の形態によれば、設定変更の操作により移行する設定変更後遊技状態(RT0)は、他の遊技状態に比べて、有利区間の有利な有利度を決定可能とされている。
これにより、設定変更の操作により移行する設定変更後遊技状態(RT0)は、遊技者にとって有利区間の有利な有利度を享受することができて大変好ましく期待感の高い状態となる。
ここで、一般的に遊技ホール等において、設定変更の操作は、当日の営業時間が終了して、次の日の営業時間が開始するまでの間に行われる。
すなわち、設定変更の操作により設定変更後遊技状態へ移行していた場合には、前日に出ていなくても、また、新たに設定された設定値がいずれであっても、遊技ホールの開店時に設定変更後遊技状態であれば、他の遊技状態に比べて、有利区間の有利な有利度が決定可能である。
これにより、遊技者は、遊技ホールでの開店時において、設定変更後遊技状態の遊技機を選択することができれば、有利区間の有利な有利度を獲得することが可能となる。これにより、遊技者にしてみれば、朝開店時にそのような遊技機を選択する楽しみが発生する。また、遊技ホールにおいても、集客が容易ではない朝開店時の稼働率を上げることが可能となる。
【0219】
本実施の形態によれば、有利区間移行契機役と、有利区間における当選役との少なくともいずれか一方が、特定役(具体的には、上述したようなチェリー役や、スイカ役等のいわゆるレア役)の場合は、特定役でない場合に比べて、有利区間の有利な有利度を決定可能としている。役抽選の結果、特定役に当選するか否かにより、有利区間の有利な有利度を決定することが左右されることとなり、単なる抽選で当選するか否よりも、有利区間の有利な有利度の決定に当選役を絡めることができて、面白みを増すことができる。
【0220】
本実施の形態によれば、有利区間移行契機役と、有利区間における当選役とが特定役(具体的には、上述したようなチェリー役や、スイカ役等のいわゆるレア役)の場合は、少なくともいずれか一方が特定役でない場合に比べて、有利区間の有利な有利度を決定可能としている。
すなわち、有利区間移行契機役と、有利区間における当選役との両方が特定役の場合は、いずれか一方が特定役でなく、他方が特定役であるような場合と比べて、有利区間の有利な有利度を決定可能としている。
このように両方が特定役であることに対しての特別感(レア感)を高め、単にいずれかが特定役であるような場合よりも有利にすることができ、非有利区間における有利区間移行契機役と、有利区間における当選役とのそれぞれにおいて遊技者の関心を惹きつけることができ、興趣に富む遊技性を有する遊技機を提供することができる。
【0221】
本実施の形態によれば、第2有利状態は、「所定の契機」で開始され、有利区間の上限まで継続する。また、ここで、第1有利状態移行時に第2有利状態の開始契機となる「所定の契機」が決定可能である。
このように、第2有利状態の開始契機となる「所定の契機」が第1有利状態移行時に決定されることで、開始契機が予め定まった固定のものにならず、不定となる。
さらに、この第1有利状態の移行時(移行タイミング)も常に定まったタイミングではないものであるため、第1有利状態の移行時に、決定可能な第2有利状態が開始される「所定の契機」も特定のタイミングに定まらず、さらに不定のものとなる。このように、第2有利状態の開始契機が特に固定されたものとならずに不定となることで、意外性を付与し、変化のある面白みに富む遊技にすることができて、興趣を向上させることが可能となる。
【0222】
本実施の形態によれば、有利区間を上限まで継続して実行させると決定した場合に、第2有利状態の開始される契機である「所定の契機」が決定される。
これにより、有利区間を上限まで継続して実行させない場合に、第2有利状態の開始契機である「所定の契機」が決定されることはない。すなわち、第2有利状態が実行される場合には、必ず有利区間が上限まで継続して実行させることになり、第2有利状態の本来の機能を有していないような偽の第2有利状態の発生を抑制することができる。
【0223】
本実施の形態によれば、第2有利状態では、遊技媒体の払出が期待される増加区間は設けてあるが、当該増加区間よりも遊技媒体の払出が期待されない減少区間は設けていない。
すなわち、第2有利状態では、必ず遊技媒体の払出が期待される増加区間を設けてあることにより、この第2有利状態の期間の長短により、有利区間における継続して実行させる場合の上限に到達する時間が変化することになる。すなわち、第2有利状態の開始契機により、第1有利状態開始から有利区間における継続して実行させる場合の上限に到達するまでの時間を変化させることができる。
【0224】
本実施の形態によれば、第1有利状態の遊技結果に基づいて、第1有利状態の増加区間へ移行するための移行抽選の抽選確率を変化させることができる。
これにより、第1有利状態の遊技結果、出玉(払出枚数)が少ない場合は、前記移行抽選の抽選確率を増加させるように変化させると、出玉(払出枚数)が少ない遊技者に対して補填することが可能となる。これにより、興趣に富む遊技性にすることができる。
【0225】
本実施の形態によれば、有利区間通常状態から第1有利状態の増加区間を経由した最初の減少区間では、移行抽選の抽選確率を変化させることができる。このため、有利区間通常状態から第1有利状態の増加区間を経由した最初の減少区間では、移行抽選の抽選確率を増加させるように変化させることができ、このような最初だけ遊技者に対して有利となるような優遇処理を施すことが可能となり、興趣に富む遊技にすることが可能となる。
【符号の説明】
【0226】
10 遊技機 12 筐体
14 前扉 16 図柄表示窓部
17 メダルセレクタ 18 外部集中端子板
19 扉開閉用スイッチ 20 中パネル
22 下パネル 24 ホッパーユニット
28 メダル払出口 29 メダル受け皿
30 操作部 32 ベットスイッチ
34 マックスベットスイッチ 35 シングルベットスイッチ
36 精算スイッチ 38 メダル投入口
39 投入案内部 40 スタートスイッチ
43 電源ユニット 44 電源スイッチ
45 設定キースイッチ 46 設定変更スイッチ
50 ストップスイッチ L 左ストップスイッチ
C 中ストップスイッチ R 右ストップスイッチ
60 リールユニット 61 図柄
62 回転リール 63 リール位置センサ
64 左回転リール 65 リール駆動モータ
66 中回転リール 67 バックランプ
68 右回転リール 70 演出装置
72 スピーカー 74 上部スピーカー
76 下部スピーカー 78 演出用ランプ
80 上部ランプ 82 下部ランプ
84 表示装置 86 有効ライン
87 クレジット表示器 88 払出枚数表示器
89 設定表示器 90 区間報知ランプ
92 投入センサ 94 払出センサ
95 ホッパーモータ 96 オーバーフローセンサ
100 制御装置
200 メイン制御基板 210 役抽選手段
220 リール制御手段 230 停止図柄判定手段
240 払出制御手段 250 遊技状態制御手段
251 ノーマル遊技状態制御手段 252 ボーナス内部中状態制御手段
253 ボーナス遊技状態制御手段 260 有利区間制御手段
270 送信手段
300 サブ制御基板 310 受信手段
320 演出制御手段