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特許7408120機能性フィルムのワークへの貼付方法及びそのワークの剥離方法並びにそれに用いる貼付装置
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  • 特許-機能性フィルムのワークへの貼付方法及びそのワークの剥離方法並びにそれに用いる貼付装置 図1
  • 特許-機能性フィルムのワークへの貼付方法及びそのワークの剥離方法並びにそれに用いる貼付装置 図2
  • 特許-機能性フィルムのワークへの貼付方法及びそのワークの剥離方法並びにそれに用いる貼付装置 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-22
(45)【発行日】2024-01-05
(54)【発明の名称】機能性フィルムのワークへの貼付方法及びそのワークの剥離方法並びにそれに用いる貼付装置
(51)【国際特許分類】
   B32B 37/12 20060101AFI20231225BHJP
   B32B 37/10 20060101ALI20231225BHJP
   G02F 1/1333 20060101ALI20231225BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20231225BHJP
【FI】
B32B37/12
B32B37/10
G02F1/1333
G09F9/00 350Z
G09F9/00 342
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019161111
(22)【出願日】2019-09-04
(65)【公開番号】P2021037710
(43)【公開日】2021-03-11
【審査請求日】2022-09-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000132954
【氏名又は名称】株式会社タカトリ
(74)【代理人】
【識別番号】100077470
【弁理士】
【氏名又は名称】玉利 冨二郎
(72)【発明者】
【氏名】五網 信貴
(72)【発明者】
【氏名】山本 好彦
【審査官】横山 敏志
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-075804(JP,A)
【文献】特開2015-187648(JP,A)
【文献】特開2018-167537(JP,A)
【文献】特開2019-077172(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B1/00-43/00
G02F1/1333
G09F9/00
Japio-GPG/FX
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークに対してこのワークの形状に倣った機能性フィルムを接着剤層によって接合する貼付方法であって、
ワークの形状に倣ったテーブル上に載置された張力を掛けた状態の粘着シートの上に機能性フィルムの接着剤層の反対側を載置する載置工程と、
真空状態において、ワークと張力を掛けた状態の粘着シート上の機能性フィルムの接着剤層とを密着押圧して接合させる接合工程、とからなることを特徴とする機能性フィルムのワークへの貼付方法。
【請求項2】
上記請求項1に記載の機能性フィルムのワークへの貼付方法により接合された後に、粘着シートの張力を掛けた状態を解いてから機能性フィルム付きワークを粘着シートから引き剥がすことを特徴とする機能性フィルム付きワークの剥離方法。
【請求項3】
真空チャンバ内で、真空状態にてワークとこのワークの形状に倣った機能性フィルムを接合する貼付装置であって、
ワークの形状に倣ったテーブルと、
該テーブルの上に載置され、テーブル面に平行な方向から張力を掛けた状態となる粘着シートと、
ワークの機能性フィルムを接合しない側全面に倣った形状を有してワークを保持した状態で前記テーブル上の粘着シートに接着した機能性フィルムに対してワークを押圧できるように進退動自在のワーク支持体とを有することを特徴とする機能性フィルムのワークへの貼付装置。
【請求項4】
前記粘着シートを張力を掛けた状態と緩めた状態とに変更可能な機能を有することを特徴とする請求項3に記載の機能性フィルムのワークへの貼付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネル等のワークの製造において、ワークとフィルムセンサ等の機能性フィルムを貼り付ける工程で、柔らかい機能性フィルムを傷つけることなく確実に固定する方法と、ワークと機能性フィルム等を貼り付けた後のワークを簡便に取り外す方法、並びに、これらを実施するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの平板状の表示パネルにタッチパネルの機能を組み込んでいるものがあったが、近年、車載用の表示パネルのように、車内のレイアウトに合わせて曲面形状の表示パネルを使用する場合が増えている。これらの曲面状の表示パネルを精度良く製作するため、タッチパネル機能を与えるフィルムセンサも曲面を有するものが出てきている。
【0003】
これらのフィルムセンサは、一般的には一方面に表示パネル等と貼り付けるための接着剤層とこの接着剤層を覆う離型フィルム(又は保護フィルム)を有し、フィルムセンサの他方面には接着剤層を介して別の保護フィルム等が貼り付けられており、表示パネルへの貼付作業の直前にフィルムセンサの一方面の離型フィルム(又は保護フィルム)を剥がしてから、フィルムセンサを接着剤層を介して表示パネル表面に貼り付けられ、フィルムセンサに傷がつかないように、他方面の保護フィルムはフィルムセンサに貼り付けられたままで製造作業や輸送が行われる。
【0004】
現在、表示パネル等の硬いワークと他の硬いワークを貼り付ける方法としては、治具などによりワークをテーブル上に固定する方法や、曲面を有するワークであればその材料の形状に倣うように形成したテーブル上に載せて固定する方法がある。
【0005】
例えば、曲面状ワーク同士を貼り付ける際、曲面状ワークを確実に固定する方法として、曲面状の固定部材上にワークを重ね、弾性変形する緩衝部材を用いて押圧することでこれらを接合する方法がある(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
一方、曲面状の表示パネル等のワークに、タッチパネル機能を与えるためのフィルムセンサなどを貼り付ける際、柔らかいフィルムセンサを固定する方法と、フィルムセンサ貼付後のワークを取り外す方法が重要になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2018-167537号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、従来技術の治具などによる固定方法では、曲面状の硬いワーク同士の貼り合わせにおいては有効な固定方法であるが、フィルムセンサのような柔らかいものを固定する方法としては十分とは言えない。換言すれば、柔らかいフィルムセンサ等を治具などで固定すると、フィルムセンサ表面に圧痕がついてしまう可能性が高い。
【0009】
また、材料の形状に倣うように形成されたテーブルに載せる方式(材料を置くだけ)は、曲面状の硬いワーク同士の貼り合わせにおいて有効な固定方法のひとつである。しかし、柔らかいフィルムセンサ等を固定する方法としては十分とは言えない。換言すれば、フィルムセンサの場合、置いてあるだけでは動いてしまう可能性が高い。
【0010】
更にフィルムセンサ等の場合、曲面状の硬いワークに貼り付ける前に離型フィルムを剥がすことが必須となる。しかし、材料の形状に倣うように形成されたテーブルに置いてあるだけであると剥離時にワークも持ち上がり離型フィルムだけを剥がすことができない。
【0011】
特許文献1のように、曲面を有する支持部材上にワークを設置してワーク同士を弾性変形する緩衝部材を用いて押圧する方法であっても、ワークは他の支持部材で横方向に動きを規制されているが、上方向には規制されないので、単にテーブルに置いてあるのと同様に、そのままの状態では離型フィルムを剥がすことができない。
【0012】
この発明は、上記のような課題を解決し、曲面状ワーク等の種々の形状のワークに対してフィルムセンサ等の柔らかい機能性フィルムを貼り付ける場合において、柔らかい機能性フィルムを傷つけることなく確実に固定する方法と、ワークと機能性フィルム等を貼り合わせた後のワークを簡便に取り外す方法と、これらの方法を使用する装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、ワークに対してこのワークの形状に倣った機能性フィルムを接着剤層によって接合する貼付方法であって、ワークの形状に倣ったテーブル上に載置された張力を掛けた状態の粘着シートの上に機能性フィルムの接着剤層の反対側を載置する載置工程と、真空状態において、ワークと張力を掛けた状態の粘着シート上の機能性フィルムの接着剤層とを密着押圧して接合させる接合工程、とからなることを特徴とする機能性フィルムのワークへの貼付方法である。
【0014】
上記請求項1の発明において、ワークとは、平面状のものや曲面状のものがありその形状は限定されず、例えば車載用表示パネル等の機能的に曲面形状が必須となる光学部品等がある。機能性フィルムとは、例えば表示パネルにタッチパネル機能を加えるためのフィルムセンサや、液晶パネルに必須の偏光フィルム等である。
【0015】
また、ワークの形状に沿ったテーブル上で張力を掛けた粘着シート上に柔らかい機能性フィルムを接着固定しているので、接合工程で機能性フィルムが動いたりして接合ミスが生じることがないと共に、真空状態で、ワークと機能性フィルムとを押圧力を加えて密着接合させるため、押圧力と共に真空吸着状態も合わさるため、強固に接合される。
【0016】
請求項2の発明は、上記請求項1に記載の機能性フィルムのワークへの貼付方法により接合された後に、粘着シートの張力を掛けた状態を解いてから機能性フィルム付きワークを粘着シートから引き剥がすことを特徴とする機能性フィルム付きワークの剥離方法である。
【0017】
上記請求項2の発明のように、機能性フィルムを貼り合わせたワークを張力を掛けた粘着シートの張力を緩めることで、引き剥がし時のワークの初動の動きを抑制せず、また、剥離時の粘着シートの剥離角度を増し、容易に機能性フィルム付きワークを剥がすことができるようになる。
【0018】
請求項3の発明は、真空チャンバ内で、真空状態にてワークとこのワークの形状に倣った機能性フィルムを接合する貼付装置であって、ワークの形状に倣ったテーブルと、該テーブルの上に載置され、テーブル面に平行な方向から張力を掛けた状態となる粘着シートと、ワークの機能性フィルムを接合しない側全面に倣った形状を有してワークを保持した状態で前記テーブル上の粘着シートに接着した機能性フィルムに対してワークを押圧できるように進退動自在のワーク支持体とを有することを特徴とする機能性フィルムのワークへの貼付装置である。
【0019】
上記請求項3の装置によれば、請求項1に記載の機能性フィルムのワークへの貼付方法を使用するに適した構成の貼付装置となる。
【0020】
請求項4の発明は、前記請求項3に記載の機能性フィルムのワークへの接合装置において、前記粘着シートを張力を掛けた状態と緩めた状態とに変更可能な機能を有することを特徴とする構成を採用する。
【0021】
上記請求項4の発明によれば、請求項2に記載の機能性フィルム付きワークの剥離方法を使用するに適した構成の貼付装置となる。
【発明の効果】
【0022】
以上のように、この発明によると、真空状態での接合作業において、フィルムセンサ等の柔らかい機能性フィルムを確実に固定することができたので、ワークとの接合の際に機能性フィルムが動いて接合が失敗することがない。
【0023】
また、機能性フィルムの接着剤層を覆う離型フィルムを引き剥がす作業においても、機能性フィルムが確実に固定されているので、離型フィルムも容易に引き剥がすことができるようになる。
【0024】
更に、接合工程後の機能性フィルム付きワークを簡便に粘着シートから引き剥がして取り出す際、粘着シートの張力を緩めることで、機能性フィルム付きワークと粘着シートとの間に隙間を生じさせやすくなり、機能性フィルム付きワークを簡単に取り外すことができた。
【0025】
また、機能性フィルム付きワークの引き剥がしの際に粘着シートも傷めないので、機能性フィルムを固定する粘着シートを何度も再利用することができ、粘着シートを使い捨てする方式に比較しても低コストとなる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】この発明の載置工程を示す図で、機能性フィルムであるフィルムセンサを粘着シート上に載置した正面断面図である。
図2】この発明の接合工程を示す図で、真空チャンバを真空状態とした正面断面図である。
図3】この発明の接合工程を示す図で、ワークとフィルムセンサを接合した正面断面図である。
図4】この発明の取り外し工程を示す図で、接合後に粘着シートのテンションを掛けた状態を解除した正面断面図である。
図5】(A)(B)(C)は、フィルムセンサ付きワークを粘着シートから引き剥がす状態を順に示す正面断面図である。
図6】フィルムセンサ付きワークを粘着シートから取り出した状態の正面断面図である。
図7】下真空チャンバの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、この発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1乃至図6は、この発明の機能性フィルムを保持してワークに貼り付ける作業及び機能性フィルム付きワークの取り外しを行う工程を示す正面断面図であり、図7はこの発明で使用する下真空チャンバ6の平面図である。
【0028】
下真空チャンバ6の上面には、支持部材4を介して、後述の曲面状ワーク12(及び機能性フィルムとしてのフィルムセンサ2)の形状に倣った凸状の曲面となったテーブル5が設けられている。
【0029】
また、このテーブル5を図示左右に挟んだ位置に、粘着シート1をテーブル5上にテーブル5の曲面に沿って配するために粘着シート1の両端部を保持する第1支持部10及び第2支持部11が設けられている。
【0030】
第1支持部10は、下真空チャンバ6の上面右側に直接設けられているが、第2支持部11は下真空チャンバ6の図示左右方向に延びるレール7にスライド自在に嵌合したスライドブロック8の上面に設けられている。
【0031】
このスライドブロック8は下真空チャンバ6の外側に設けられたシリンダ9の作用により図示左右にスライドし、スライドにより粘着シート1の張力を調整することができるようになっている。
【0032】
粘着シート1にシリンダ9を作用させて張力をかけた状態で、上方から機能性フィルムとしてのフィルムセンサ2を上方から載置して固定する。
【0033】
フィルムセンサ2のような機能性フィルムは一般的に薄膜状であり、また、車載用表示パネルのような曲面状ワークに貼着されるものは、そのワーク形状に合わせて曲面状となっており、その片面(図示上面)に、離型フィルム3が全面に貼着されており、この離型フィルム3とフィルムセンサ2の間には図示しない接着剤層を有し、この接着剤層により後述の車載用表示パネル等の曲面状ワーク12に接合される。
【0034】
図1に示すように、フィルムセンサ2は、その形に倣った形状のテーブル5の上で張力を掛けた状態の粘着シート1により確実に動かず固定されるので、この固定状態で、図示しない適宜の手段により上面の離型フィルム3を剥がすことが可能となり、離型フィルム3を取り去ることでフィルムセンサ上に接着剤層が露出する。
【0035】
フィルムセンサ2から離型フィルム3の剥離工程が行われた後の、車載用表示パネル等の曲面状ワーク12とフィルムセンサ2との接合工程を図2及び図3に基づいて説明する。
【0036】
下真空チャンバ6の上方から上真空チャンバ17が被さることで、下真空チャンバ6と上真空チャンバ17に挟まれた空間内が密閉状態になり、更に、上真空チャンバ17に接続された配管15は真空ポンプ16により下真空チャンバ6と上真空チャンバ17に挟まれた密閉空間内の空気を抜き取り、その後配管15のバルブ14を閉鎖することで、内部を真空に維持することができるようになっている。
【0037】
また、上真空チャンバ17の下側には、外部から連なるガイドシャフト19により昇降自在のワーク支持体18が設けられており、このワーク支持体18は曲面状ワーク12の上面の凸カーブに倣った凹曲面となっており、周辺部のワーク留め具13によって曲面状ワーク12の保持と着脱が自在となっている。
【0038】
フィルムセンサ2と曲面状ワーク12との接合工程は、まず図2に示すように、上真空チャンバ17の下面のワーク支持体18にて曲面状ワーク12の上面を保持した状態で、上真空チャンバ17を下真空チャンバ6に重ねて内部を密閉し、真空ポンプ16とバルブ14の作用によりチャンバ内を真空状態にする。
【0039】
その後、図3に示すように、ガイドシャフト19を介してワーク支持体18を降下させてワーク支持体18の下面に支持された曲面状ワーク12を、テーブル5上の粘着シート1を介して保持されているフィルムセンサ2の上面に重ねて押し付ける。
【0040】
下真空チャンバ6と上真空チャンバ17とで密閉された真空の空間内で、曲面状ワーク12と張力を掛けた状態の粘着シート1上のフィルムセンサ2とを外力を加えて密着接合させるため、曲面状ワーク12とフィルムセンサ2との間に気泡も入らず全面が強く貼り付けられる。
【0041】
その際、張力を掛けた粘着シート1とフィルムセンサ2の間においても、真空吸着状態も加わり、より強固に接着すると考えられる。
【0042】
曲面状ワーク12と張力を掛けた状態の粘着シート1上のフィルムセンサ2との接合工程が終了すれば、ワーク支持体18の押圧を解くと共にワーク支持体18から曲面状ワーク12を解放し、配管15のバルブ14を開放して内部真空状態から大気圧状態に戻し、上真空チャンバ17を下真空チャンバ6から取り除く。
【0043】
次に、フィルムセンサ2が接合された曲面状ワーク12を取り外す工程を図4乃至図6にて説明する。
【0044】
図4に示すように、上部から上真空チャンバ17が取り除かれた下真空チャンバ6の上面には、テーブル5の上面の粘着シート1上に、曲面状ワーク12とフィルムセンサ2との積層体が接合固定されている。
【0045】
フィルムセンサ2付きの曲面状ワーク12をこの装置から手作業や機械による自動等の適宜手段で取り外すが、その前に、図示のように、シリンダ9を作用させてスライドブロック8を粘着シート1が張力を掛けた状態を解いて緩む方向(右方向)に前進させることで、図4のように第2支持部とテーブル5の間で粘着シート1が張力を掛けた状態を解かれて緩む。
【0046】
次に、手動又は機械によりフィルムセンサ2付き曲面状ワーク12をこの装置から取り外す工程を図5の(A)、(B)、(C)及び図6で説明する。
【0047】
図5(A)に示すように、フィルムセンサ2付き曲面状ワーク12を図示右側端部を支点に図示左側端部を上側に引き上げる。この時、粘着シート1での第1支持部10とフィルムセンサ2に接着している部分との間で緩みが生じているので、引き上げ初期は抵抗無くフィルムセンサ2付き曲面状ワーク12の左側端部を上方に引き上げることができる。
【0048】
図5(B)に示すように、ある程度までフィルムセンサ2付き曲面状ワーク12が引き上がると、粘着シート1での第1支持部10とフィルムセンサ2に接着している部分との間が張力が掛かった状態となる。
【0049】
図5(C)に示すように、フィルムセンサ2付きの曲面状ワーク12の左側端部を更に上方に引き上げると、フィルムセンサ2付きの曲面状ワーク12と粘着シート1との間に剥離角度αを形成して隙間ができる。フィルムセンサ2付きの曲面状ワーク12の左側端部を更に引き上げることで粘着シート1はフィルムセンサ2付きの曲面状ワーク12に対して剥離角度αの方向に引っ張られることになるので、隙間を拡大させながら粘着シート1のフィルムセンサ2は粘着シート1と接着している部分が左側から剥がれてゆく。
【0050】
粘着シート1の第1支持部から張力を掛けた状態を保持しつつフィルムセンサ2との間に生じた隙間を拡大させながら図6に示すように、フィルムセンサ2は粘着シート1全面から剥がされて、フィルムセンサ2付きの曲面状ワーク12の取り外し工程は終了する。
【0051】
その後、再度シリンダ9の作用により第1支持部10を引き込み、粘着シート1を張力を掛けた状態としてテーブル5上に配置し、続けて図1から順に示すような工程を繰り返す。
【0052】
以上、この発明の実施形態を説明したが、この発明は上記実施形態に限定されることはなく、例えば、機能性フィルムについてもフィルムセンサに限定されることはなく種々の機能を有するフィルムが使用でき、また、ワークの形状も図示の曲面状ワークに限定されるものではなく平面状ワークにも適用することができる。更に、その装置も図示のものに限定されず、本発明の目的の範囲内で、適宜変更して実施することができる。
【符号の説明】
【0053】
1 粘着シート
2 フィルムセンサ
3 離型フィルム
4 支持部材
5 テーブル
6 下真空チャンバ
7 レール
8 スライドブロック
9 シリンダ
10 第1支持部
11 第2支持部
12 曲面状ワーク
13 ワーク留め具
14 バルブ
15 配管
16 真空ポンプ
17 上真空チャンバ
18 ワーク支持体
19ガイドシャフト
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7