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  • 特許-生海苔混合液調整方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-22
(45)【発行日】2024-01-05
(54)【発明の名称】生海苔混合液調整方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 17/60 20160101AFI20231225BHJP
【FI】
A23L17/60 103C
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019178201
(22)【出願日】2019-09-30
(65)【公開番号】P2021052645
(43)【公開日】2021-04-08
【審査請求日】2022-08-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000218384
【氏名又は名称】渡邊機開工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108947
【弁理士】
【氏名又は名称】涌井 謙一
(74)【代理人】
【識別番号】100117086
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 典弘
(74)【代理人】
【識別番号】100124383
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 一永
(74)【代理人】
【識別番号】100173392
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 貴宏
(74)【代理人】
【識別番号】100189290
【弁理士】
【氏名又は名称】三井 直人
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 英一郎
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 功
【審査官】吉岡 沙織
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-063781(JP,A)
【文献】特開平05-068514(JP,A)
【文献】特開2005-224216(JP,A)
【文献】特開平07-099943(JP,A)
【文献】登録実用新案第3175323(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L
A01G
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
海苔養殖場から採取した海苔原藻と海水との混合液である生海苔混合液を、撹拌手段を備えているタンクに移送し当該タンク内で撹拌して生海苔混合液を調整する撹拌・生海苔混合液調整工程で、前記撹拌手段に前記海苔原藻が絡み付くことを防止しつつ前記撹拌・生海苔混合液調整工程を行う生海苔混合液調整方法であって、
前記生海苔混合液を前記タンクに向けて筒状移送部の上流側から下流側へ移送する工程と、
前記筒状移送部の上流側と下流側との間に配備されている生海苔粗切り装置によって前記筒状移送部内を流動していく前記生海苔混合液中の前記海苔原藻の長さを前記生海苔粗切り装置を通過する前の長さよりも短いものに切断処理する工程とを備えていて、
前記生海苔粗切り装置は、前記筒状移送部内を上流側から下流側に向けて移送されていく前記生海苔混合液の移送を遮る方向で前記筒状移送部の内部に配備されていると共に、前記生海苔混合液が前記上流側から前記下流側に向けて通過できる通過孔を少なくとも一個以上備えている塞ぎ板と、前記筒状移送部において前記塞ぎ板の上流側又は下流側に配備されていて、前記通過孔を横切るように移動する切断刃とを備えている
生海苔混合液調整方法
【請求項2】
前記切断刃の前記下流側の先端が前記塞ぎ板の上流側の表面に当接しつつ移動して前記切断刃が前記通過孔を横切るように移動する、あるいは、前記切断刃の前記上流側の先端が前記塞ぎ板の下流側の表面に当接しつつ移動して前記切断刃が前記通過孔を横切るように移動する
請求項1記載の生海苔混合液調整方法
【請求項3】
前記塞ぎ板は円板状で、前記通過孔は、隣接する通過孔同士の間に円周方向で所定の間隔をあけて複数個形成されている請求項1又は2記載の生海苔混合液調整方法
【請求項4】
前記通過孔は、前記円板状の塞ぎ板の中心を中心とする所定の中心角からなる扇形形状である請求項3記載の生海苔混合液調整方法
【請求項5】
前記切断刃は、前記円板状の塞ぎ板の中心に対応する位置を中心として前記円板状の塞ぎ板の円周方向に回転する請求項3又は4記載の生海苔混合液調整方法
【請求項6】
前記切断刃は、前記円板状の塞ぎ板の中心に対応する位置を中心として半径方向の外側に向かって伸びる切断刃が前記円周方向に所定の間隔をあけて複数本配備されている請求項5記載の生海苔混合液調整方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は乾海苔生産に用いられる海苔を養殖している海苔養殖場から採取した生海苔(海苔原藻)を海水と共に移送する過程で、移送されている生海苔(海苔原藻)を切断する生海苔粗切り装置に関する。
【背景技術】
【0002】
乾海苔生産に用いられる海苔は、海苔養殖場で養殖された後、陸上の貯留タンクなどに移送して貯留し、そこから必要量を取り出して生産・加工ラインにのせている。
【0003】
図1はその概略工程を説明するものである。海苔養殖場に張設していた海苔養殖網から刈取り、採取した生海苔(海苔原藻)を、海水と共に、海苔養殖場で操業している海苔採取船1の収容槽2に収容する。海苔採取船1の収容槽2に収容された生海苔(海苔原藻)と海水との混合液(以下、これを「生海苔混合液」と呼ぶことがある)は、移送ポンプ3により、移送管4の中を矢印5で示すように陸上の貯留タンクなどに向けて移送されていく。
【0004】
こうして移送されてきた生海苔混合液は、異物分離除去、等の生産・加工ラインにおける次工程に送られるまで撹拌タンク7に収容されている。撹拌タンク7内には不図示の回転駆動手段によって矢印12方向に回転する撹拌羽根11を備えている撹拌棒10が配置されている。撹拌タンク7に収容されている間、撹拌棒10、撹拌羽根11が矢印12方向に緩徐に回転することで生海苔混合液も撹拌タンク7内で矢印12方向に緩徐に回転し、これによって、異物分離除去、等の生産・加工ラインにおける次工程に送られる生海苔混合液が調整される。
【0005】
ここで、海苔養殖場から採取してきた生海苔(海苔原藻)はある程度の長さを有しているものであるため、海苔採取船1の収容槽2から、直接、撹拌タンク7内に移送された生海苔混合液を撹拌タンク7内で上述のように撹拌していると、ある程度の長さを有している生海苔(海苔原藻)が撹拌棒10、撹拌羽根11に絡みついてしまう。このため、撹拌タンク7内での上述した生海苔混合液の撹拌、生海苔混合液の調整がスムーズに行えなくなることがある。
【0006】
そこで、海苔採取船1の収容槽2から撹拌タンク7などの陸上における貯留施設に生海苔混合液を、移送ポンプ3を介して圧送、移送する途中で、生海苔(海苔原藻)に対して粗切り処理を施して、生海苔(海苔原藻)の長さをある程度短くし、撹拌タンク7内で生海苔(海苔原藻)が、撹拌棒10、撹拌羽根11に絡みつかないようにすることが考えられる。
【0007】
本願出願人は、海苔養殖場から採取した生海苔(海苔原藻)から乾海苔を生産する生産・加工ラインで行われる上述の粗切り処理に使われる生海苔用回転ナイフを提案したことがある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2005-224923号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
この発明は、乾海苔生産に用いられる海苔を養殖している海苔養殖場から海苔採取船の収容槽に採取した生海苔(海苔原藻)と海水との混合液(生海苔混合液)を、陸上における貯留施設などに移送するまでの間において、前記生海苔(海苔原藻)に粗切り処理を施し、当該粗切り処理が施されてある程度短い長さに処理された後の生海苔(海苔原藻)と海水との混合液(生海苔混合液)が、撹拌棒、撹拌羽根などの撹拌手段を備えている撹拌タンクに移送されて撹拌され、生海苔混合液が調整されるときに、生海苔(海苔原藻)が前記撹拌手段に絡み付いて、撹拌工程、生海苔混合液調整工程をスムーズに行うことが困難になる事態の発生を未然に防止できる生海苔粗切り装置を提案することを目的にしている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
[1]
海苔養殖場に張設していた海苔養殖網から刈取り、採取した生海苔と海水との混合液である生海苔混合液が上流側から下流側に向けて移送されていく筒状移送部と、
前記筒状移送部内を上流側から下流側に向けて移送されていく前記生海苔混合液の移送を遮る方向で前記筒状移送部の内部に配備されていると共に、前記生海苔混合液が前記上流側から前記下流側に向けて通過できる通過孔を少なくとも一個以上備えている塞ぎ板と、
前記筒状移送部において前記塞ぎ板の上流側又は下流側に配備されていて、前記通過孔を横切るように移動する切断刃と
を備えている生海苔粗切り装置。
【0011】
[2]
前記切断刃の前記下流側の先端が前記塞ぎ板の上流側の表面に当接しつつ移動して前記切断刃が前記通過孔を横切るように移動する、あるいは、前記切断刃の前記上流側の先端が前記塞ぎ板の下流側の表面に当接しつつ移動して前記切断刃が前記通過孔を横切るように移動する[1]の生海苔粗切り装置。
【0012】
[3]
前記塞ぎ板は円板状で、前記通過孔は、隣接する通過孔同士の間に円周方向で所定の間隔をあけて複数個形成されている[1]又は[2]の生海苔粗切り装置。
【0013】
[4]
前記通過孔は、前記円板状の塞ぎ板の中心を中心とする所定の中心角からなる扇形形状である[3]の生海苔粗切り装置。
【0014】
[5]
前記切断刃は、前記円板状の塞ぎ板の中心に対応する位置を中心として前記円板状の塞ぎ板の円周方向に回転する[3]又は[4]の生海苔粗切り装置。
【0015】
[6]
前記切断刃は、前記円板状の塞ぎ板の中心に対応する位置を中心として半径方向の外側に向かって伸びる切断刃が前記円周方向に所定の間隔をあけて複数本配備されている[5]の生海苔粗切り装置。
【発明の効果】
【0016】
この発明によれば、乾海苔生産に用いられる海苔を養殖している海苔養殖場から海苔採取船の収容槽に採取した生海苔(海苔原藻)と海水との混合液(生海苔混合液)を、陸上における貯留施設などに移送するまでの間において、前記生海苔(海苔原藻)に粗切り処理を施し、当該粗切り処理が施されてある程度短い長さに処理された後の生海苔(海苔原藻)と海水との混合液(生海苔混合液)が、撹拌棒、撹拌羽根などの撹拌手段を備えている撹拌タンクに移送されて撹拌され、生海苔混合液が調整されるときに、生海苔(海苔原藻)が前記撹拌手段に絡み付いて、撹拌工程、生海苔混合液調整工程をスムーズに行うことが困難になる事態の発生を未然に防止できる生海苔粗切り装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】海苔養殖場における海苔採取船の収容槽に収容された生海苔混合液を陸上の撹拌タンクなどの施設に移送する移送管の途中に本発明の生海苔粗切り装置が配置されている実施形態の概略構成を表す図。
図2】生海苔粗切り装置の実施形態の一例の内部構造を説明する一部を省略した断面図。
図3】(a)生海苔粗切り装置の筒状移送部内に配備されている、複数の通過孔を有する塞ぎ板の一例を表す平面図、(b)生海苔粗切り装置に配備されている切断刃の一例を表す平面図、(c)生海苔粗切り装置の筒状移送部内に配備されている複数の通過孔を有する塞ぎ板と、回転する切断刃とによって通過孔を通過していく生海苔混合液に対して粗切り処理が行われる状態の一例を説明する平面図。
図4】(a)生海苔粗切り装置の筒状移送部に配備されている、複数の通過孔を有する塞ぎ板の通過孔部を介して生海苔混合液が塞ぎ板の下流方向に流動していく状態を説明する一部を省略した側面図、(b)、(c)は生海苔粗切り装置の筒状移送部に配備されている、複数の通過孔を有する塞ぎ板の通過孔部を介して塞ぎ板の下流方向に流動していこうとする生海苔混合液中の生海苔に対して切断刃による粗切り処理が行われる状態を説明する一部を省略した側面図
【発明を実施するための形態】
【0018】
この実施形態の生海苔粗切り装置は、海苔採取船1の収容槽2から撹拌タンク7などの陸上における貯留施設に生海苔混合液を移送する途中で、生海苔(海苔原藻)に対して粗切り処理を施す装置である。
【0019】
図1図示の実施形態では、海苔養殖場に張設していた海苔養殖網から刈取り、採取した生海苔(海苔原藻)と海水との混合液(生海苔混合液)が収容されている海苔採取船1の収容槽2と、陸上における貯留施設(図示の実施形態では攪拌タンク7)との間を、移送ポンプ3を介して接続している移送管4、8の間に生海苔粗切り装置6が介装されている。
【0020】
図示の実施形態では、図2図示のように、生海苔粗切り装置6は、筒状移送部6a、塞ぎ板20、切断刃19a、19bを備えている。
【0021】
筒状移送部6a内を、海苔養殖場に張設していた海苔養殖網から刈取り、採取した生海苔と海水との混合液である生海苔混合液が、移送ポンプ3によって圧送されて、移送されていく。
【0022】
塞ぎ板20は、筒状移送部6a内を矢印14、15、16で示すように、上流側から下流側に向けて移送されていく生海苔混合液の移送を遮る方向で筒状移送部6aの内部に配備されている。そして、塞ぎ板20は、図3(a)図示のように、生海苔混合液が上述したように上流側から下流側に向けて通過できる通過孔25a、25b、25cを少なくとも一個以上備えている。
【0023】
生海苔混合液が筒状移送部6a内を矢印14、15、16で示すように、上流側から下流側に向けて移送されていく際に、塞ぎ板20が少なくとも一個以上備えている、生海苔混合液が上流側から下流側に向けて通過できる通過孔は、平面視で円形の塞ぎ板20の中心21を中心として、隣接する通過孔同士の間に円周方向で所定の間隔をあけて複数個形成されている形態にすることができる。
【0024】
図3(a)図示の実施形態では、塞ぎ板20は、平面視で円板状で、通過孔25a、25b、25cは、塞ぎ板20の中心21を中心として、隣接する通過孔同士の間に円周方向で所定の間隔をあけて3個形成されている。すなわち、図3(a)図示の実施形態では、平面視で円形の塞ぎ板20の中心21を中心として所定の中心角からなる扇形形状の3個の通過孔25a、25b、25cが塞ぎ板20に形成されている。
【0025】
塞ぎ板20の中心21に位置する円形の内側支持部22から円周方向に120度ずつの間隔をあけて3枚の支持板24a、24b、24cが放射状に伸び、支持板24a、24b、24cの半径方向の外側で環状の外側支持部22が支持されているものである。
【0026】
切断刃19a、19bは、筒状移送部6aにおいて塞ぎ板20の上流側(すなわち、図2で、塞ぎ板20の下側)に配備されていて、通過孔25a、25b、25cを横切るように移動する。
【0027】
図2図4図示の実施形態では、切断刃19a、19bは、筒状移送部6aにおいて塞ぎ板20の上流側(すなわち、図2図4(b)、(c)で、塞ぎ板20の下側)に配備されていて、切断刃19a、19bの下流側(図2図4(b)、(c)における上側)の先端が塞ぎ板20の上流側(すなわち、図2図4(b)、(c)で、塞ぎ板20の下側)の表面に当接しつつ移動することで、切断刃19a、19bが通過孔25a、25b、25cを横切るように移動している。
【0028】
これによって、移送ポンプ3によって圧送されて筒状移送部6a内を矢印14、15、16で示すように、上流側から下流側に向けて流動していき、通過孔25a、25b、25cを通過する生海苔混合液中の生海苔(海苔原藻)は、切断刃19a、19bによって粗切り処理を受け、所望の短い長さにまで切断される。
【0029】
この結果、引き続き、移送管8内を矢印9で示すように流動していく生海苔混合液中の生海苔(海苔原藻)は、生海苔粗切り装置6の筒状移送部6aまで移送管4内を矢印5で示すように流動してきていた生海苔混合液中の生海苔(海苔原藻)よりも長さが短いものに切断処理されている。
【0030】
この結果、生海苔粗切り装置6によって粗切り処理が施された後の生海苔混合液が、撹拌棒10、撹拌羽根11などの撹拌手段を備えている撹拌タンク7に移送されて撹拌され、生海苔混合液が調整されるときに、長い生海苔(海苔原藻)が撹拌棒10、撹拌羽根11などに絡み付いて、撹拌工程、生海苔混合液調整工程をスムーズに行うことが困難になる事態の発生を未然に防止できる。
【0031】
切断刃19a、19bは、円板状の塞ぎ板20の中心21に対応する位置を中心として半径方向の外側に向かって伸びる切断刃が、円板状の塞ぎ板20の中心21に対応する位置を中心として、円周方向に所定の間隔をあけて複数本配備されているものである。図3(b)、(c)図示の実施形態では、円板状の塞ぎ板20の中心21に対応する位置を中心として半径方向の外側に向かって伸びる2本の切断刃19a、19bが、円板状の塞ぎ板20の中心21に対応する位置を中心として、円周方向に180度の間隔をあけて2本配備されている。円周方向に隣接する切断刃同士の間に形成される中心角90度として4本の切断刃が配備されている形態、円周方向に隣接する切断刃同士の間に形成される中心角120度として3本の切断刃が配備されている形態、等、種々の実施形態が可能である。
【0032】
切断刃19a、19bは、図3図示の実施形態では、円板状の塞ぎ板20の中心21に対応する位置を中心として、図3(b)、(c)に矢印26で示すように、円板状の塞ぎ板20の円周方向に回転する。
【0033】
図4(a)は、図3(c)における支持板24aの状態を説明する一部を省略した側面図である。生海苔混合液は矢印16で示すように通過孔25cを通過、流動していく。
【0034】
図4(c)は、図4(a)図示の状態に引き続いて、矢印26(図3(b))方向に回転してきた切断刃19bが、その下流側の先端19b-1を、支持板24aの上流側の平坦面24a-1に摺接させつつ、矢印26(図3(b))方向に回転を続けていこうとしている状態を説明するものである。
【0035】
切断刃19bの下流側の先端19b-1と、支持板24aの上流側の平坦面24a-1との間に挟まれた生海苔(海苔原藻)が通過孔25cの上流側開口縁で切断される。
【0036】
図4(b)は、図4(c)図示の状態に引き続いて、矢印26(図3(b))方向に回転してきた切断刃19aが、その下流側の先端19a-1を、支持板24aの上流側の平坦面24a-1に摺接させつつ、矢印26(図3(b))方向に回転を続けていこうとしている状態を説明するものである。
【0037】
切断刃19aの下流側の先端19a-1と、支持板24aの上流側の平坦面24a-1との間に挟まれた生海苔(海苔原藻)が通過孔25cの上流側開口縁で切断される。
【0038】
移送ポンプ3によって移送管4、生海苔粗切り装置6の筒状移送部6a、移送管8内を圧力、流動していく生海苔混合液の流量、流速、切断刃19a、19bの本数、切断刃19a、19bを図3(b)、(c)の矢印26方向に回転させる回転速度、通過孔25a、25b、25cの数、その大きさ、形成位置、等々を種々に調整することで、攪拌タンク7内に移送されていく生海苔混合液内の生海苔(海苔原藻)の長さ、大きさを所望のサイズに切断することができる。
【0039】
以上、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明は上述した実施形態に限られず、特許請求の範囲の記載から把握される技術的範囲において種々に変更可能である。
例えば、上記では切断刃19a、19bは、筒状移送部6aにおいて塞ぎ板20の上流側(すなわち、図2で、塞ぎ板20の下側)に配備されていて、矢印26(図3(b))方向に回転する切断刃19aの下流側の先端19a-1が支持板24aの上流側の平坦面24a-1、支持板24bの上流側の平坦面、支持板24cの上流側の平坦面に摺接し、矢印26(図3(b))方向に回転する切断刃19bの下流側の先端19b-1が支持板24aの上流側の平坦面24a-1、支持板24bの上流側の平坦面、支持板24cの上流側の平坦面に摺接していた。
【0040】
これに替えて、切断刃19a、19bが筒状移送部6aにおいて塞ぎ板20の下流側(すなわち、図2で、塞ぎ板20の上側)に配備されていて、矢印26(図3(b))方向に回転する切断刃19aの上流側の先端が支持板24aの下流側の平坦面、支持板24bの下流側の平坦面、支持板24cの下流側の平坦面に摺接し、矢印26(図3(b))方向に回転する切断刃19bの上流側の先端が支持板24aの下流側の平坦面、支持板24bの下流側の平坦面、支持板24cの下流側の平坦面に摺接する形態にすることもできる。
【0041】
また、上述した実施形態では、水平方向に伸びる移送管4、8に対して、生海苔粗切り装置6の筒状移送部6aはこれに直交して上下方向(垂直方向)に伸びていたが、生海苔粗切り装置6の筒状移送部6aも、図示の移送管4、8と同様に、水平方向に伸びている構造にすることができる。
【符号の説明】
【0042】
1 海苔採取船
2 収容槽
7 撹拌タンク
3 移送ポンプ
4、8 移送管
6 生海苔粗切り装置
6a 筒状移送部
20 塞ぎ板
19a、19b 切断刃
25a、25b、25c 通過孔
図1
図2
図3
図4