(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-22
(45)【発行日】2024-01-05
(54)【発明の名称】キャディバッグ
(51)【国際特許分類】
A63B 55/10 20060101AFI20231225BHJP
A63B 55/57 20150101ALI20231225BHJP
A63B 102/32 20150101ALN20231225BHJP
【FI】
A63B55/10
A63B55/57
A63B102:32
(21)【出願番号】P 2019203891
(22)【出願日】2019-11-11
【審査請求日】2022-10-25
(31)【優先権主張番号】P 2019006430
(32)【優先日】2019-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】512247027
【氏名又は名称】有限会社myn Works
(74)【代理人】
【識別番号】100140866
【氏名又は名称】佐藤 武史
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】高間 理人
【審査官】赤坂 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3211292(JP,U)
【文献】登録実用新案第3210620(JP,U)
【文献】特開平09-253256(JP,A)
【文献】特開平08-117373(JP,A)
【文献】実開昭64-054575(JP,U)
【文献】特開平07-231959(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 55/00-55/60
A63B 102/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフクラブが収納されるメインバッグと、このメインバッグの側部に着脱可能に格納され、前記ゴルフクラブの数本を収納可能なサブバッグとを備えたキャディバッグであって、前記メインバッグには、側方へ開口され前記サブバッグが格納されるサブバッグ格納部が設けられ、前記メインバッグの前記サブバッグ格納部の側部と前記サブバッグとの間に、これらを係脱可能に連結するワンタッチファスナーが設けられ、このワンタッチファスナーが、弾性変形可能な係合爪を備えた雄部と、前記係合爪が嵌合させられて、その弾性により嵌合方向に係合させられる係止面を有する雌部と、これらの雄部および雌部を前記メインバッグと前記サブバッグとに固定する固定バンドと、を備え
、
前記ワンタッチファスナーは、一端が前記サブバッグに接続され、他端が前記一端より低い位置において前記メインバッグに接続され、前記雄部と前記雌部とが接続された状態において、前記一端側から前記他端側に向かって下り傾斜して延びているキャディバッグ。
【請求項2】
前記サブバッグには、このサブバッグの側面に沿った収納位置と、このサブバッグに対し所定角度で引き出された使用位置との2位置間で揺動可能となされたスタンドが設けられている、請求項1に記載のキャディバッグ。
【請求項3】
前記サブバッグと前記スタンドとの間には、前記スタンドを使用位置に揺動させる押し出し機構が設けられており、この押し出し機構が、前記サブバッグを傾斜させた際にこのサブバッグの上方へ向けて移動させられるプッシュロッドと、このプッシュロッドの上方への移動を、前記スタンドを使用位置に揺動させる動きに変換する運動変換部材と、を備えている請求項2に記載のキャディバッグ。
【請求項4】
前記サブバッグの上部には持ち運び用の取っ手が設けられ、この取っ手が逆U字状に形成されており、前記サブバッグを前記サブバッグ格納部に格納した際に、前記メインバッグの上縁部に係合させられるように構成されている請求項1ないし請求項3の何れかに記載のキャディバッグ。
【請求項5】
前記サブバッグの外周面には、前記サブバッグの接触面に対する接触圧を低減させるサブバッグ用緩衝部材が設けられている請求項1ないし請求項4の何れかに記載のキャディバッグ。
【請求項6】
前記サブバッグ用緩衝部材は、前記サブバッグの上下方向に摺動自在に設けられている請求項5に記載のキャディバッグ。
【請求項7】
前記押し出し機構の外周面には、前記押し出し機構の接触面に対する接触圧を低減させる押し出し機構用緩衝部材が設けられている請求項3に記載のキャディバッグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はキャディバッグに係わり、特に、キャディバッグに収納されているゴルフクラブの数本を小分けして持ち運ぶことを可能にしたキャディバッグに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的なゴルフプレーヤーは、使用するクラブの全てをキャディバッグに収納するとともに、このキャディバッグをカートに積み、プレイ時に、必要なクラブをその都度キャディバッグから抜き取って使用している。
【0003】
一方、特に、2打目以降で必要な飛距離が不確かな場合、あるいは、ボールのライが不確かな場合等には、複数のクラブをキャディバッグから抜き取ってプレイ地点とカート間を往復することが多々ある。
【0004】
そして、プレイを終えてカートに戻る際に、プレイ地点へ携行したクラブをプレイ地点に置き忘れてしまうことがある。
【0005】
このようなクラブの置き忘れを防止するために、たとえば、特許文献1に示されるように、キャディバッグ本体の側面に凹部を形成し、この凹部内に、クラブを小分けするサブバッグを着脱可能に収納するようにしたキャディバッグが提案されている。
【0006】
前記サブバッグは、その下端部においてキャディバッグ本体に係合させ、その上端部を前記キャディバッグ本体の側面に設けた固定バンドで拘束することによって、前記キャディバッグ本体に着脱可能に装着された構成となっている。
【0007】
そして、プレイ時に、前記サブバッグをキャディバッグ本体から取り外しておき、このサブバッグに数本のクラブを入れてプレイ地点へ持ち運ぶようにしている。
【0008】
このようなサブバッグを用いると、使用したクラブをプレイ後にサブバッグに戻す動作が必要となることから、クラブの置き忘れを防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、前述した従来の技術においては、サブバッグとキャディバッグ本体との固定を、サブバッグの下端部をキャディバッグに係合させ、かつ、サブバッグの上端部を前記キャディバッグ本体の側面に設けた固定バンドで拘束する構成としている。
【0011】
このような固定構造であると、サブバッグの固定が不安定で有り、このサブバッグを装着した状態でキャディバッグを持ち運ぶ場合、前記固定バンドが何かに接触して外れてしまい、これによって、前記サブバッグがキャディバッグ本体から離脱してしまう。
【0012】
本発明は、前述した従来の技術において残されている問題点を解決せんとしてなされたもので、サブバッグを備えたキャディバッグにおいて、サブバッグの不用意な脱落を防止することを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のキャディバッグは、前述した課題を解決するために、ゴルフクラブが収納されるメインバッグと、このメインバッグの側部に着脱可能に格納され、前記ゴルフクラブの数本を収納可能なサブバッグとを備えたキャディバッグであって、前記メインバッグには、側方へ開口され前記サブバッグが格納されるサブバッグ格納部が設けられ、前記メインバッグの前記サブバッグ格納部の側部と前記サブバッグとの間に、これらを係脱可能に連結するワンタッチファスナーが設けられ、このワンタッチファスナーが、弾性変形可能な係合爪を備えた雄部と、前記係合爪が嵌合させられて、その弾性により嵌合方向に係合させられる係止面を有する雌部と、これらの雄部および雌部を前記メインバッグと前記サブバッグとに固定する固定バンドと、を備え、前記ワンタッチファスナーは、一端が前記サブバッグに接続され、他端が前記一端より低い位置において前記メインバッグに接続され、前記雄部と前記雌部とが接続された状態において、前記一端側から前記他端側に向かって下り傾斜して延びている。
【0014】
このような構成とすることにより、前記サブバッグを前記メインバッグのサブバッグ格納部に格納し、これらをワンタッチファスナーによって連結することによりキャディバッグが構成される。
【0015】
前記サブバッグを前記メインバッグに装着するには、まず、前記サブバッグを、前記メインバッグに設けられた前記サブバッグ格納部に挿入する。
【0016】
このように前記サブバッグを前記サブバッグ格納部に挿入した状態で、前記サブバッグの外面が、前記サブバッグ格納部の内面に接触させられ、この面接触によって前記サブバッグが保持される。
【0017】
ついで、前記メインバッグとサブバッグとをワンタッチファスナーを用いて連結することにより、前記メインバッグとサブバッグとが前述した接触状態に保持されて、これらが安定した状態に保持される。
【0018】
ここで、前記固定バンドの長さを適宜設定しておくことにより、前記メインバッグとサブバッグとの接触圧が適切に保持され、また、前記メインバッグとサブバッグとの上下方向の位置ずれが防止される。
【0019】
これによって、前記サブバッグがメインバッグにより安定した状態で格納される、前記サブバッグが、前記メインバッグから不用意に脱落してしまうようなことはない。
【0020】
そして、前記サブバッグを前記メインバッグから取り外すには、前述した格納の手順と逆の手順を行なえばよい。
【0021】
前記サブバッグに、このサブバッグの側面に沿った収納位置と、このサブバッグに対し所定角度で引き出された使用位置との2位置間で揺動可能となされたスタンドを設けることができる。
【0022】
このような構成とすることにより、前記スタンドを引き出すことにより、前記サブバッグを傾斜した姿勢で自立させることができる。
【0023】
これによって、たとえば、ゴルフのプレイ中に用いる際に、小分けされたクラブの選択を容易にし、また、これらのクラブを立てた状態とすることにより、これらのクラブの置き忘れを防止することができる。
【0024】
一方、前記スタンドは、前記サブバッグをメインバッグに格納した状態において、前記メインバッグに形成されたサブバッグ格納部から外部へ露出されていることから、サブバッグをメインバッグに格納した状態においても、このメインバッグに対して引き出すことができる。
【0025】
したがって、このスタンドによってキャディバッグも、傾斜して安定した姿勢で自立させることができる。
【0026】
前記サブバッグと前記スタンドとの間に、前記スタンドを使用位置に揺動させる押し出し機構が設け、この押し出し機構を、前記サブバッグを傾斜させた際にこのサブバッグの上方へ向けて移動させられるプッシュロッドと、このプッシュロッドの上方への移動を、前記スタンドを使用位置に揺動させる動きに変換する運動変換部材と、によって構成することができる。
【0027】
このような構成とすることにより、サブスタンドを地面に置いて傾斜させると、前記プッシュロッドが上方へ移動させられるとともに、運動変換部材によって前記スタンドがサブスタンドから自動的に引き出される。
【0028】
これによって、サブスタンドを、傾斜させると入った簡便な操作によって自立させることができる。
このような作用は、サブバッグを格納した状態のメインバッグに対しても同様に得られる。
【0029】
また、前記サブバッグの上部に、持ち運び用の取っ手を設けるとともに、この取っ手を逆U字状に形成しておき、前記サブバッグを前記サブバッグ格納部に格納した際に、前記取っ手を前記メインバッグの上縁部に係合させる構成とすることもできる。
【0030】
このような構成とすることにより、前記サブバッグを単独で用いる際の持ち運びを容易にすることができる。
【0031】
また、収納時における前記サブバッグの上部と前記メインバッグとを係合させることにより、前記サブバッグの、収納時における不要な動きを抑制することができる。
【0032】
また、サブバッグの外周面に、前記サブバッグの接触面に対する接触圧を低減させるサブバッグ用緩衝部材を設ける構成とすることもできる。
【0033】
このような構成とすることにより、例えば接触面がグリーンの場合、繊細なグリーンの芝をサブバッグにより傷つけてしまう恐れがなくなるため、ゴルフ初心者でも、サブバッグを自身の近傍に配置した状態で、安心してプレイを行うことができる。
【0034】
また、サブバッグ用緩衝部材を、前記サブバッグの上下方向に摺動自在に設ける構成とすることもできる。
【0035】
このような構成とすることにより、接触面の表面形状やサブバッグの重量バランス等に合わせて、第一サブバッグ用緩衝部材を適宜摺動させることで、サブバッグを寝かせて使用する際、安定的にサブバッグを接触面に載置することができる。
【0036】
また、前記押し出し機構の外周面に、前記押し出し機構の接触面に対する接触圧を低減させる押し出し機構用緩衝部材を設ける構成とすることもできる。
【0037】
このような構成とすることにより、サブバッグを傾斜した姿勢で自立させて使用する際にも、接触面をサブバッグにより傷つけてしまう恐れがなくなる。
【発明の効果】
【0038】
本発明のキャディバッグによれば、サブバッグを備えたキャディバッグにおいて、サブバッグの不用意な脱落を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図3】本発明の一実施形態を示すもので、メインバッグおよびサブバッグの上端部の概略平面図である。
【
図4】本発明の一実施形態を示すもので、メインバッグおよびサブバッグの上端部の概略平面図である。
【
図5】本発明の一実施形態を示すもので、キャディバッグを自立させた状態を示す側面図である。
【
図6】本発明の一実施形態を示すもので、サブバッグを取り外した状態を示すメインバッグの正面図である。
【
図7】本発明の一実施形態を示すもので、サブバッグの正面図である。
【
図8】本発明の一実施形態を示すもので、サブバッグの左側面図である。
【
図9】本発明の一実施形態を示すもので、サブバッグを自立させた状態を示す左側面図である。
【
図10】本発明の一実施形態にかかるサブバッグの使用に用いられるホルダーの斜視図である。
【
図11】本発明の一実施形態にかかるサブバッグの使用方法を示すゴルフカートの斜視図である。
【
図12】本発明の他の実施形態を示すもので、サブバッグの正面図である。
【
図13】本発明の他の実施形態を示すもので、サブバッグの左側面図である。
【
図14】本発明の他の実施形態を示すもので、(a)サブバッグを自立させた状態を示す左側面図、(b)スタンドを折り畳み、サブバッグを寝かせた状態を示す左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明の一実施形態を、
図1~
図11を参照して説明する。
図1において、符号1は本実施形態に係わるキャディバッグを示す。
【0041】
本実施形態のキャディバッグ1は、ゴルフクラブが収納されるメインバッグ2と、このメインバッグ2の側部に着脱可能に装着され、前記ゴルフクラブの数本を収納可能なサブバッグ3と、を備えている。サブバッグ3には、このサブバッグ3の側面に沿った収納位置と、このサブバッグ3に対し所定角度で引き出された使用位置との2位置間で揺動可能となされたスタンド4が設けられている。メインバッグ2の側面には、上方および側方へ開口され、サブバッグ3が着脱可能に格納されるサブバッグ格納部5が設けられている。そして、このサブバッグ格納部5にサブバッグ3を収納した状態において、スタンド4が、メインバッグ2の側面に露出させられるようになっている。
【0042】
サブバッグ格納部5は、メインバッグ2の側部にその長さ方向に沿って形成された格納凹部Aと、この格納凹部Aの両側縁からこの格納凹部Aの内側へ向けて延設された格納鍔部Bとによって構成され、この格納鍔部B間に所定の隙間Gが形成されている。
【0043】
サブバッグ3には、スタンド4との間に、スタンド4を使用位置に揺動させる押し出し機構6が設けられており、この押し出し機構6が、サブバッグ3をサブバッグ格納部5に収納した際に、格納鍔部B間の隙間Gに位置させられるようになっている。
【0044】
スタンド4は、上端部がサブバッグ3の上端部に揺動可能に連結された一対の支持ロッド7を備え、この支持ロッド7が押し出し機構6によって外側に所定角度揺動させられるようになっている。
【0045】
押し出し機構6は、サブバッグ3の側部に、その長さ方向(図において上下方向)に移動可能に装着されたプッシュロッド6aと、このプッシュロッド6aの上端部と支持ロッド7の上端部との間に介装され、サブバッグ3の側面に固定された運動変換部材6bとによって構成されている。
【0046】
プッシュロッド6aは、その下端が、
図7および
図8に示すように、サブバッグ3の下端より下方へ突出する長さに形成されている。
【0047】
運動変換部材6bは、このプッシュロッド6aの上方への移動により、支持ロッド7を、その上端部を中心としてサブバッグ3の外方へ所定角度揺動させるようになっている。
【0048】
メインバッグ2の上方開口部には、
図3および
図4に示すように、収納される複数のクラブを数本毎に振り分ける仕切り8が設けられている。
【0049】
サブバッグ3の上部には持ち運び用の取っ手9が設けられ、この取っ手9が逆U字状に形成されており、サブバッグ3をサブバッグ格納部5に格納した際に、
図4に示すように、メインバッグ2の上縁部へ係合させられるようになっている。
【0050】
さらに、メインバッグ2の、サブバッグ格納部5の側部とサブバッグ3との間に、これらを係脱可能に連結するワンタッチファスナー10が設けられ、このワンタッチファスナー10が、弾性変形可能な係合爪11aを備えた雄部11と、係合爪11aが嵌合させられて、その弾性により嵌合方向に係合させられる係止面12aを備えた雌部12と、これらの雄部11および雌部12をメインバッグ2とサブバッグ3とに固定する固定バンド13とによって構成されている。
【0051】
このように構成された本実施形態のキャディバッグ1は、サブバッグ3をメインバッグ2のサブバッグ格納部5に格納し、これらをワンタッチファスナー10によって連結することにより構成される。
【0052】
サブバッグ3をメインバッグ2に装着するには、まず、サブバッグ3をメインバッグ2に設けられたサブバッグ格納部5に上方から挿入する。
【0053】
これによって、サブバッグ3を格納凹部A内に位置させるとともに、その略下半分を格納鍔部B内に位置させる。
【0054】
このような状態で、サブバッグ3の裏面側がサブバッグ格納部5の内面に接触させられ、外面側が格納鍔部Bの内面に接触させられ、これらの接触によってサブバッグ3がメインバッグ2に保持される。
【0055】
ついで、メインバッグ2とサブバッグ3とをワンタッチファスナー10を用いて連結することにより、メインバッグ2とサブバッグ3とを連結する。
【0056】
ここで、固定バンド13の長さを適宜設定しておくことにより、メインバッグ2とサブバッグ3との接触圧を適切に保持し、また、メインバッグ2とサブバッグ3との上下方向の位置ずれを防止することができる。
【0057】
これによって、サブバッグ3をメインバッグ2に安定した状態で格納し、サブバッグ3がメインバッグ2から不用意に脱落してしまうことを防止することができる。
【0058】
そして、サブバッグ3をメインバッグ2から取り外すには、前述した格納の手順と逆の手順を行なえばよい。
ここで、サブバッグ3の取り出しや格納動作を、ワンタッチファスナー10の連結やその解除といった簡便な操作で行うことができる。
【0059】
一方、サブバッグ3を
図8に示すように直立状態で地面に立てると、プッシュロッド6aが地面によってサブバッグ3の上方へ押し上げられる。
【0060】
このようなプッシュロッド6aとサブバッグ3の相対移動が、運動変換部材6bにより支持ロッド7に外方へ向かう揺動動作に変換される。
【0061】
これによって、支持ロッド7がサブバッグ3から所定角度突出した状態に保持される。
そして、この状態で、サブバッグ3を傾斜させて支持ロッド7の下端を地面に当接させることにより、
図9に示すように、サブバッグ3を傾斜した姿勢で自立させることができる。
【0062】
これによって、たとえば、ゴルフのプレイ中に用いる際に、小分けされたクラブの選択を容易にし、また、これらのクラブを立てた状態とすることにより、これらのクラブの置き忘れを防止することができる。
【0063】
一方、スタンド4は、サブバッグ3をメインバッグ2に格納した状態において、メインバッグ2に形成されたサブバッグ格納部5から外部へ露出されていることから、サブバッグ3をメインバッグ2に格納した状態においても、このメインバッグ2に対して外部へ引き出すことができる。
【0064】
したがって、このスタンド4によってキャディバッグ1も、安定した傾斜姿勢で自立させることができる。
【0065】
また、サブバッグ3に取っ手9を設けたことにより、サブバッグ3を単独で用いる際の持ち運びを容易にすることができるとともに、サブバッグ3をサブバッグ格納部5に格納した際に、取っ手9をメインバッグ2の上縁部に係合させることにより、サブバッグ3をメインバッグ2に、より安定した状態に保持することができる。
【0066】
一方、プレーヤーは、サブバッグ3を、ショットを終えた後にゴルフカートへ持ち帰るとともに、つぎのショット位置まで抱えた状態で運ぶ。
ここで、プレーヤーは、ゴルフカート上でスコアの記入等の作業を行なうことが多いが、サブバッグ3を抱えた状態では、前述したような作業の邪魔になる。
【0067】
このような不具合を解消するための一例を、
図10および
図11を参照して説明する。
【0068】
本例は、図において符号20で示す補助具を用いるもので、この補助具20は、サブバッグ3が挿入可能な内径を有する円筒状の補助具本体21と、この補助具本体21の側面に固定されたクリップ22とによって構成され、このクリップ22は、図示例では、下方へ向けて開放されている。
【0069】
補助具20は、ゴルフカートCにメインバッグ2を固定するために設けられている固定バンドV、あるいは、ゴルフカートCに設けられているステー(図示略)等に、クリップ22を介して装着される。
【0070】
そして、プレーヤーは、ゴルフカートCに持ち帰ったサブバッグ3を、ゴルフカートCに装着された補助具20の補助具本体21にその上方から挿入してゴルフカートCに収納する。
【0071】
これによって、プレーヤーはサブバッグ3を支える必要がなくなり、ゴルフカートC上での諸作業を容易に行なうことができる。
【0072】
以下、本発明の他の実施形態を、
図12~
図14を参照して説明する。
なお、同実施形態において、先の実施形態と基本的に同一の構成要素については、同一符号を付してその説明を簡略化する。
【0073】
図12及び
図13に示すように、本実施形態に係るサブバッグ3には、先の実施形態と同様に、サブバッグ3の側面に沿った収納位置と、サブバッグ3に対し所定角度で引き出された使用位置との2位置間で揺動可能となされた、スタンド4が設けられている。
【0074】
また、本実施形態に係るサブバッグ3には、先の実施形態と同様に、スタンド4との間に、スタンド4を使用位置に揺動させる押し出し機構6と、メインバッグ2の雄部11と係合する雌部12と、メインバッグ2の上縁部へ係合させられる、持ち運び用の取っ手9と、が設けられている。
【0075】
上記した本実施形態に係るサブバッグ3に設けられた部材は、先の実施形態のサブバッグ3に設けられた部材と同一の構成であるため、その説明を省略する。
【0076】
ここで、本実施形態に係るサブバッグ3の外周面には、サブバッグ3の接触面に対する接触圧を低減させるサブバッグ用緩衝部材SCが設けられている。
また、本実施形態に係る押し出し機構6の外周面には、押し出し機構6の接触面に対する接触圧を低減させる押し出し機構用緩衝部材PCが設けられている。
【0077】
詳述すれば、サブバッグ用緩衝部材SCは、一対の支持ロッド7の上端部の外周面に設けられている第一サブバッグ用緩衝部材SC1と、一対の支持ロッド7の上端部の外周面に設けられている第二サブバッグ用緩衝部材SC2と、により構成されている。
また、押し出し機構用緩衝部材PCは、一対のプッシュロッド6aの下端部の外周面に設けられている。
【0078】
第一サブバッグ用緩衝部材SC1は、
図12~
図14では各支持ロッド7の上端部に設けられているが、無底円筒状に構成され、支持ロッド7に挿通されていることで、支持ロッド7の延びる方向に沿って、サブバッグの上下方向に摺動自在に構成されている。
なお、第二サブバッグ用緩衝部材SC2及び押し出し機構用緩衝部材PCは、それぞれ支持ロッド7及び押し出し機構6に対して着脱可能に設けられていても良い。
【0079】
サブバッグ用緩衝部材SC及び押し出し機構用緩衝部材PCは、その素材として、例えばゴム等の弾性素材や、ポリエチレン等の合成樹脂素材等を用いることが好ましく、これらによりスポンジ等クッション性を有する部材とすることが好ましい。
【0080】
このように構成されたサブバッグ3及び押し出し機構6を用いることで、
図14に示す態様でサブバッグ3を使用することができる。
【0081】
即ち、スタンド4によりサブバッグ3を傾斜した姿勢で自立させて使用する際、
図14(a)に示すように、第二サブバッグ用緩衝部材SC2及び押し出し機構用緩衝部材PCが接触面Xに接触することで、サブバッグ3及び押し出し機構6の接触面Xに対する接触圧が低減される。
【0082】
また、スタンド4を折り畳み、サブバッグ3を寝かせて使用する際、
図14(b)に示すように、第一サブバッグ用緩衝部材SC1及び第二サブバッグ用緩衝部材SC2が接触面Xに接触することで、サブバッグ3の接触面Xに対する接触圧が低減される。
【0083】
本実施形態によれば、例えば接触面Xがグリーンの場合、繊細なグリーンの芝をサブバッグ3により傷つけてしまう恐れがなくなるため、ゴルフの初心者でも、サブバッグ3を自身の近傍に配置した状態で、安心してプレイを行うことができる。
【0084】
また、接触面Xの表面形状やサブバッグ3の重量バランス等に合わせて、第一サブバッグ用緩衝部材SC1を適宜摺動させることで、サブバッグ3を寝かせて使用する際、安定的にサブバッグ3を接触面Xに載置することができる。
【0085】
なお、前記各実施形態において示した各構成部材の諸形状や寸法等は一例であって、設計要求等に基づき種々変更可能である。
【符号の説明】
【0086】
1 キャディバッグ
2 メインバッグ
3 サブバッグ
4 スタンド
5 サブバッグ格納部
6 押し出し機構
6a プッシュロッド
6b 運動変換部材
7 支持ロッド
8 仕切り
9 取っ手
10 ワンタッチファスナー
11 雄部
11a 係合爪
12 雌部
12a係止面
13 固定バンド
20 補助具
21 補助具本体
22 クリップ
A 格納凹部
B 格納鍔部
C ゴルフカート
G 隙間
V 固定バンド
SC サブバッグ用緩衝部材
SC1 第一サブバッグ用緩衝部材
SC2 第二サブバッグ用緩衝部材
PC 押し出し機構用緩衝部材
X 接触面