(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-22
(45)【発行日】2024-01-05
(54)【発明の名称】アロマディフューザー及びアロマ液容器
(51)【国際特許分類】
A61L 9/04 20060101AFI20231225BHJP
B05B 17/06 20060101ALI20231225BHJP
A61L 9/01 20060101ALI20231225BHJP
A61L 9/14 20060101ALI20231225BHJP
【FI】
A61L9/04
B05B17/06
A61L9/01 Q
A61L9/14
(21)【出願番号】P 2020028483
(22)【出願日】2020-02-21
【審査請求日】2022-11-21
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ▲1▼ 2019年7月17日~2019年7月19日 インテリアライフスタイル展にて展示 ▲2▼ 2019年7月17日 アロマディフューザーのカタログ ▲3▼ 2019年7月9日 ウェブサイトにて公開(株式会社カドー) ▲4▼ 2019年7月5日 ウェブサイトにて公開(株式会社 PR TIMES) ▲5▼ 2019年7月4日 メール送信
(73)【特許権者】
【識別番号】512269546
【氏名又は名称】株式会社カドー
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古賀 宣行
【審査官】宮部 裕一
(56)【参考文献】
【文献】実開昭58-028644(JP,U)
【文献】特開2018-090274(JP,A)
【文献】特開2018-090275(JP,A)
【文献】特表2005-516772(JP,A)
【文献】特開2015-097695(JP,A)
【文献】特開2014-113536(JP,A)
【文献】特開2016-043286(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 9/00-9/22
B65D 83/00
C11B 9/00
A61L 2/22
F24F 8/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アロマ液容器を搭載する搭載部と、
霧化実行時に前記搭載部を上段位置に配置させ、前記アロマ液容器の交換時に前記搭載部を下段位置に配置させる昇降機構と、
前記霧化実行時に、前記アロマ液容器の上部から突出している吸水芯の上端部と接触し、振動することにより前記吸水芯に含まれているアロマ液を霧化する振動子と、
前記霧化実行時に、霧化された前記アロマ液を空気中へ拡散させる拡散部と、を具備する、アロマディフューザー。
【請求項2】
前記振動子を上面に備える筐体と、
前記振動子と前記吸水芯とが接触する圧力を安定させるように、前記振動子を前記筐体に対して支持する支持部と、をさらに具備する、請求項1のアロマディフューザー。
【請求項3】
前記筐体の正面プレートは、前記筐体の本体の正面から横方向にスライド可能であり、
前記昇降機構は、前記正面プレートが前記横方向にスライドして前記筐体の本体が開状態となった場合に、前記搭載部を前記下段位置に配置させ、前記正面プレートが前記筐体の本体の正面に位置する閉状態の場合に、前記搭載部を前記上段位置に配置させる、請求項2のアロマディフューザー。
【請求項4】
前記振動子を中心に備える円盤状のフローティングユニットと、
前記フローティングユニットの外周部分と、前記筐体の前記上面に形成された円状孔の内周部分との間に形成される環状の空気排出口と、をさらに具備し、
前記支持部は、前記フローティングユニットと前記筐体との間を接続する弾性部材を含む、請求項2又は請求3のアロマディフューザー。
【請求項5】
前記搭載部が前記上段位置にある場合に、前記アロマ液容器を所定の位置とするための位置決め部をさらに具備する、請求項1乃至請求項4のいずれか1項のアロマディフューザー。
【請求項6】
アロマ液を収容し、上部開口部を備える容器本体と、
一端が前記容器本体の内部に収容され、前記一端が前記容器本体の底面の内側と接触し、他端が前記上部開口部より上に位置する吸水芯と、
前記吸水芯が貫通する孔を備えており、前記吸水芯を支持するとともに前記上部開口部に固定されるホールド部と、
上面内側に形成された凸部を備え、前記容器本体に着脱可能であり、前記容器本体に装着された場合に、前記上部開口部と前記ホールド部から突出している前記吸水芯の前記他端とを覆うキャップと、
前記キャップの内側に配置されており、
垂直方向の断面形状がほぼH状であり、前記キャップが前記容器本体に装着された場合に前記吸水芯の前記他端が挿入される第1凹部と、前記第1凹部の反対側に形成され、前記凸部と嵌合する第2凹部とを備える部材と、を具備する、アロマ液容器。
【請求項7】
前記部材は、前記キャップの円筒部の内周面に接触する第1部分をさらに備える、
請求項6のアロマ液容器。
【請求項8】
前記ホールド部は、前記容器本体の前記上部開口部に対して固定される第2部分をさらに備え、
前記第1部分は、前記キャップが前記容器本体に装着された場合に前記ホールド部の前記第2部分とも接触する、
請求項7のアロマ液容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アロマディフューザー及びアロマ液容器に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波振動を利用して容器内の液体を霧化するアロマディフューザーが、特許文献1(特開2016-153117号公報)及び特許文献2(特開2016-221460号公報)に開示されている。
【0003】
この特許文献1,2では、容器の底部にくぼみ部が設けられており、くぼみ部の底に超音波振動子が設置されている。特許文献1,2のアロマディフューザーでは、容器内の液体に超音波振動が与えられると、液面に液隆起部が形成され、液体が霧化される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-153117号公報
【文献】特開2016-221460号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
アロマディフューザーでは、容器に充填されたアロマ液の成分を変質させることなく効果的に霧化することが望まれる。
また、アロマ液を収容する容器は、容易に交換可能であることが望ましい。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、アロマ液容器に充填されたアロマ液の成分を変質させることなく効果的に霧化可能であり、アロマディフューザーに搭載されるアロマ液容器を容易に交換可能なアロマディフューザー、及び、当該アロマディフューザーに搭載されるアロマ液容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態に係るアロマディフューザーは、搭載部と、昇降機構と、振動子と、拡散部とを備える。搭載部は、アロマ液容器を搭載する。昇降機構は、霧化実行時に搭載部を上段位置に配置させ、アロマ液容器の交換時に搭載部を下段位置に配置させる。振動子は、霧化実行時に、アロマ液容器の上部から突出している吸水芯の上端部と接触し、振動することにより吸水芯に含まれているアロマ液を霧化する。拡散部は、霧化実行時に、霧化されたアロマ液を空気中へ拡散させる。
【0008】
本発明の実施形態に係るアロマ液容器は、容器本体と、吸水芯と、ホールド部と、キャップと、サブキャップとを備える。容器本体は、アロマ液を収容し、上部開口部を備える。吸水芯は、一端が容器本体の内部に収容され、一端が容器本体の底面の内側と接触し、他端が上部開口部より上に位置する。ホールド部は、吸水芯が貫通する孔を備えており、吸水芯を支持するとともに上部開口部に対して固定される。キャップは、上面内側に形成された凸部を備え、容器本体に着脱可能であり、容器本体に装着された場合に、上部開口部とホールド部から突出している吸水芯の他端とを覆う。サブキャップは、キャップの内側に配置されており、垂直方向の断面形状がほぼH状であり、キャップが容器本体に装着された場合に吸水芯の他端が挿入される第1凹部と、第1凹部の反対側に形成され、凸部と嵌合する第2凹部とを備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、アロマ液容器に充填されたアロマ液の成分を変質させることなく効果的に霧化可能であり、アロマ液容器を容易に交換可能なアロマディフューザー、及び、当該アロマディフューザーに搭載されるアロマ液容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態に係るアロマディフューザーの構成の一例を示すブロック図。
【
図2】本発明の実施形態に係るアロマディフューザーの一例を示す斜視外観図。
【
図3】本発明の実施形態に係るアロマディフューザーの一例を示す正面図。
【
図4】正面プレートが開状態のアロマディフューザーの一例を示す正面図。
【
図6】
図3のA-A断面の一例を示す斜視部分断面図。
【
図7】本発明の実施形態に係るアロマ液容器の一例を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。図面において、同一の機能及び構成要素については、同一符号を付して説明を省略するか、又は、簡単に説明を行う。
【0012】
図1は、本実施形態に係るアロマディフューザー1の構成の一例を示すブロック図である。
図2は、本実施形態に係るアロマディフューザー1の一例を示す斜視外観図である。
図3は、本実施形態に係るアロマディフューザー1の一例を示す正面図である。
【0013】
アロマディフューザー1は、バッテリチャージャー2と着脱可能である。アロマディフューザー1は、バッテリチャージャー2の上に設置されることにより充電される。
【0014】
アロマディフューザー1の筐体3は、正面プレート3aと筐体本体3bとを備える。
図4を用いて後で説明するように、正面プレート3aは、筐体本体3bの正面位置から横方向にスライド可能であり、逆に、横方向にスライドした後に、筐体本体3bの正面位置へスライド可能である。
【0015】
アロマディフューザー1は、バッテリ4と、表示部(モニタ)5と、操作部6と、コントローラ7と、拡散部8と、搭載部9と、昇降機構10と、フローティングユニット(浮動部)11A,11Bと、支持部12A,12Bと、位置決め部13A,13Bとを備える。
【0016】
本実施形態では、2つのフローティングユニット11A,11Bがアロマディフューザー1に備えられ、2つのアロマ液容器14A,14Bがアロマディフューザー1の搭載部9に搭載される場合を例として説明する。しかしながら、1つ、又は、3つ以上のフローティングユニットがアロマディフューザー1に備えられ、1つ、又は、3つ以上のアロマ液容器がアロマディフューザー1の搭載部9に搭載されるとしてもよい。
【0017】
バッテリ4は、アロマディフューザー1がバッテリチャージャー2の上に配置された場合に、電力を充電する。バッテリ4に電力が充電された場合、アロマディフューザー1は、バッテリチャージャー2と切り離して使用可能である。
【0018】
バッテリ4は、例えば、表示部5、操作部6、コントローラ7、拡散部8、フローティングユニット11A,11Bに対して、必要な電力を供給する。
【0019】
表示部5は、コントローラ7による制御にしたがって、各種のデータを表示する。表示部5は、例えば、バッテリ4に蓄積されている電力の残量、アロマ噴霧量、動作時間、フローティングユニット11A,11Bの振動強度、コントローラ7のタイマー機能71の設定状態などを表示する。
【0020】
操作部6は、ユーザからの各種の操作を受け付け、受け付けた操作に関する信号をコントローラ7へ送信する。操作部6は、例えば電源ボタン及びタッチパネルを含み、例えば、電源のON/OFF、噴霧量の指定、振動子16A,16Bの振動強度の指定、タイマー機能71の設定などを受け付ける。
【0021】
コントローラ7は、表示部5、操作部6、拡散部8、フローティングユニット11A,11Bの動作を制御する。なお、このコントローラ7は、例えば、メモリに記憶されているプログラムをプロセッサが実行することにより実現されてもよい。本実施形態では、コントローラ7がタイマー機能71を備えているが、コントローラ7とは別にタイマー機能71を実現する構成要素を備えてもよい。
【0022】
より具体的に説明すると、コントローラ7は、例えば、電源ボタンがONされた場合に、バッテリ4に充電されている電力を、表示部5、操作部6、拡散部8のモーター15、フローティングユニット11A,11Bに供給する。
【0023】
コントローラ7は、例えば、電源のON/OFF状態、バッテリ4の充電状態、バッテリ4の残り電力容量、拡散部8による噴霧量、振動子16A,16Bの振動強度、タイマー機能71に関する情報などを表示部5に表示させるための制御を行う。
【0024】
コントローラ7は、例えば、操作部6から受信した操作に関する信号及びタイマー機能71に基づいて、電源のON/OFF、拡散部8のファンモーター15の回転、振動子16A,16Bの振動などを制御する。
【0025】
コントローラ7は、昇降機構10から、正面プレート3aが閉状態か又は開状態かを示す信号、言い換えれば、昇降機構10が上段位置PUにあるか又は下段位置PDにあるかを示す信号、を受信する。そして、コントローラ7は、正面プレート3aが閉状態であることを示す信号を受信している場合、振動子16A,16Bの振動を許可する。一方、コントローラ7は、正面プレート3aが開状態であることを示す信号を受信している場合、振動子16A,16Bの振動を禁止する。
【0026】
コントローラ7は、搭載部9に備えられている容器検出器21Aからアロマ液容器14Aが搭載部9に搭載されているか否かを示す信号を受信する。そして、コントローラ7は、アロマ液容器14Aが搭載部9に搭載されていることを示す信号を受信している場合、アロマ液容器14Aに対応する振動子16Aの振動を許可する。一方、コントローラ7は、アロマ液容器14Aが搭載部9に搭載されていないことを示す信号を受信している場合、アロマ液容器14Aに対応する振動子16Aの振動を禁止する。
【0027】
同様に、コントローラ7は、搭載部9に備えられている容器検出器21Bからアロマ液容器14Bが搭載部9に搭載されているか否かを示す信号を受信する。そして、コントローラ7は、アロマ液容器14Bが搭載部9に搭載されていることを示す信号を受信している場合、アロマ液容器14Bに対応する振動子16Bの振動を許可する。一方、コントローラ7は、アロマ液容器14Bが搭載部9に搭載されていないことを示す信号を受信している場合、アロマ液容器14Bに対応する振動子16Bの振動を禁止する。
【0028】
拡散部8は、霧化実行時に、フローティングユニット11A,11Bによって霧化されたアロマ液Lを空気中へ拡散させる。拡散部8は、例えば、ファンモーター15と、空気経路18と、空気排出口19A,19Bとを含む。
【0029】
ファンモーター15は、コントローラ7による制御にしたがって回転する。このファンモーターの回転動作により、空気が、空気経路18内を流れ、アロマディフューザー1の筐体本体3bの上面3cに形成されている環状の空気排出口19A,19Bから外部へ排出される。
【0030】
搭載部9は、2つのアロマ液容器14A,14Bを搭載し、上段位置PUと下段位置PDとの間で昇降可能な、例えば台又はテーブルである。搭載部9の上面には、2つのアロマ液容器14A,14Bのそれぞれの底面側を適切な位置に設置するための位置決め部22A,22bが形成されている。位置決め部22A,22Bは、搭載部9が下段位置PDにある場合、及び、搭載部9が上段位置PUにある場合の双方において、アロマ液容器14A,14Bを搭載部9の適切な位置に配置する。位置決め部22A,22Bは、例えば、位置決めガイド又は位置決め面により実現されてもよい。
【0031】
搭載部9は、容器検出器21A,21Bを備える。容器検出器21A,21Bのそれぞれは、例えばスイッチとしてもよい。容器検出器21Aは、アロマ液容器14Aが搭載部9の所定の位置に搭載されているか否かを示す信号を、コントローラ7へ送信する。容器検出器21Bは、アロマ液容器14Bが搭載部9の所定の位置に搭載されているか否かを示す信号を、コントローラ7へ送信する。
【0032】
昇降機構10は、霧化実行時に搭載部9を上段位置PUに配置させ、アロマ液容器14A,14Bの少なくとも一方の交換時(筐体3が開状態の場合)に搭載部9を下段位置PDに配置させる。より具体的に説明すると、昇降機構10は、正面プレート3aが筐体本体3bの正面位置から横方向にスライドして筐体3が開状態となった場合に、搭載部9を下段位置PDに配置させ、正面プレート3aが筐体本体3bの正面に位置し筐体3が閉状態の場合に、搭載部9を上段位置PUに配置させる。
【0033】
昇降機構10は、正面プレート3aが閉状態か、又は、開状態か、を示す信号を、コントローラ7へ送信する。
【0034】
フローティングユニット11Aは、筐体本体3bの上面3cに備えられ、例えば、振動子16Aを中心に備える円盤状であるとする。フローティングユニット11Aは、支持部12Aにより、振動子16Aと吸水芯23Aの上端部39とが許容範囲の圧力で接触するように、支持される。
【0035】
振動子16Aは、霧化実行時に、アロマ液容器14Aの円筒状の上部開口部26Aから突出している吸水芯23Aの上端部39と接触し、コントローラ7による制御にしたがって振動する。この振動子16Aの振動により吸水芯23Aに含まれているアロマ液Lが霧化される。吸水芯23Aの外周面と、アロマ液容器14Aの上部開口部26Aの内周面と上面とのうちの少なくとも一方とは、ホールド部29Aにより保持されている。
【0036】
支持部12Aは、フローティングユニット11Aとアロマ液容器14Aの吸水芯23Aの上端部39とが安定した許容範囲の圧力で接触可能なように、筐体本体3bに対してフローティングユニット11Aを支持する。支持部12Aは、例えば、バネ、ゴム、ダンパーなどの弾性を持つ部材である。
【0037】
位置決め部13Aは、搭載部9が上段位置PUに配置されている場合に、吸水芯23Aが安定して振動子16Aと接触するように、アロマ液容器14Aの円筒状の上部開口部26Aの外周面を支持する。位置決め部13Aは、例えばパッキンなどでもよく、アロマ液の液だれを防止するとしてもよい。
【0038】
なお、フローティングユニット11B、支持部12B、位置決め部13B、アロマ液容器14B、上部開口部26B、ホールド部29Bは、それぞれ、フローティングユニット11A、支持部12A、位置決め部13A、アロマ液容器14A、上部開口部26A、ホールド部29Bと同様であるため、説明を省略する。
【0039】
フローティングユニット11A,11Bの外周部分24A,24Bと、筐体本体3bの上面3cに形成された円状孔の内周部分25A,25Bとの間に、環状の空気排出口19A,19Bが形成されている。
【0040】
霧化されたアロマ液Lは、環状の空気排出口19A,19Bから排出される空気とともに筐体3の外部へ拡散される。
【0041】
図2のアロマディフューザー1の斜視外観図では、正面プレート3aが閉状態の場合を図示しており、筐体本体3bの上面3cに、2つのフローティングユニット11A,11Bが備えられている。
【0042】
図3のアロマディフューザー1の正面図においては、アロマディフューザー1の下に、バッテリチャージャー2が備えられている。
図3のA-A断面は、
図5及び
図6で説明する。
【0043】
図4のようにアロマディフューザー1の正面プレート3aが開状態の場合、表示部5と操作部6とが装置内部の左側に現れ、アロマ液容器14A,14Bの搭載空間SPが装置内部の右側に現れる。この搭載空間SPの底面が搭載部9となる。搭載空間SPには、位置決め部22A,22Bが備えられている。
【0044】
図5は、
図3のA-A断面の一例を示す断面図である。
また、
図6は、
図3のA-A断面の一例を示す斜視部分断面図である。この
図6では、フローティングユニット11Aとアロマ液容器14Aの上部開口部26Aとの周辺を図示している。
【0045】
アロマディフューザー1の下には、バッテリチャージャー2が配置されている。
【0046】
アロマディフューザー1の正面側には、正面プレート3aと、この正面プレート3aをスライド可能とするためのガイド機構27が備えられている。
【0047】
搭載部9の上面には容器検出器21Aが備えられている。容器検出器21Aがアロマ液容器14Aの底面と接触した場合、容器検出器21Aは、アロマ液容器14Aが搭載部9に搭載されていることを示す信号をコントローラ7へ送信する。容器検出器21Aがアロマ液容器14Aの底面と接触していない場合、容器検出器21Aは、アロマ液容器14Aが搭載部9に搭載されていないことを示す信号をコントローラ7へ送信する。また、搭載部9には、位置決め部22Aが形成されている。この位置決め部22Aにより、アロマ液容器14Aが搭載部9の適切な位置に配置される。
【0048】
この
図5及び
図6において、搭載部9は上段位置PUにある。アロマ液容器14Aの円筒状の上部開口部26Aから突出している吸水芯23Aの上端部39は、振動子16Aと接触している。
【0049】
搭載部9が上段位置PUにある場合、昇降機構10は、正面プレート3aが閉状態であることを示す信号を、コントローラ7へ送信する。搭載部9が上段位置PUにない場合、昇降機構10は、正面プレート3aが開状態であることを示す信号を、コントローラ7へ送信する。
【0050】
筐体本体3bの上面3cとフローティングユニット11Aとの間には、環状の空気排出口19Aが形成されている。筐体本体3bの上面3cとフローティングユニット11Aとは、支持部12Aにより伸縮可能に接続されている関係にある。アロマ液容器14Aの上部開口部26Aは、位置決め部13Aにより支持されている。これにより、安定的に、吸水芯23Aが振動子16Aと接触するとともに、アロマ液Lがアロマ液容器14Aの外部へたれることを防止することができる。
【0051】
図7は、本実施形態に係るアロマ液容器14Aの一例を示す縦方向の断面図である。
【0052】
アロマ液容器14Aは、容器本体28と、ホールド部29Aと、キャップ30と、サブキャップ31とを備える。
【0053】
容器本体28は、例えば、ボトル形状であり、内部にアロマ液Lを収容し、円筒状の上部開口部26Aを備える。
【0054】
上部開口部26Aの外周面には、ねじ部32が形成されている。
【0055】
吸水芯23Aは、一端が容器本体28の内部に収容され、他端が上部開口部26Aより上に位置する。吸水芯23Aは、アロマ液Lを上方へ吸い上げる。本実施形態において、吸水芯23Aの一端は、容器本体28の底面の内側に接触する。これにより、吸水芯23Aの位置(例えば縦方向の位置)が安定する。
【0056】
ホールド部29Aは、吸水芯23Aが貫通する孔33を備えており、吸水芯23Aを支持する部分34、容器本体28の上部開口部26Aに対して固定される部分35、部分34と部分35とを連結する部分36を備える。
【0057】
キャップ30の円筒部の内周面には、ねじ部37が形成されており、キャップ30は、例えば、ねじ機構により容器本体28の上部開口部26Aに対して着脱可能である。キャップ30は、容器本体28に装着された場合に、容器本体28の上部開口部26Aと、ホールド部29Aから突出している吸水芯23Aの上端部39とを覆う。キャップ30の上面内側40には、サブキャップ31と嵌合する凸部38が形成されている。凸部38は、例えば円筒状であるとする。
【0058】
サブキャップ31の垂直方向の断面は、ほぼH状である。サブキャップ31は、キャップ30の内側に固定的に備えられている。サブキャップ31は、キャップ30の凸部38と嵌合する凹部42Aを持つ部材である。本実施形態において、凹部42Aは、例えば、円筒状である。凹部42Aの内部に、凸部38が挿入されることで、キャップ30にサブキャップ31が固定される。サブキャップ31は、キャップ30が容器本体28に装着された場合に、吸水芯23Aの上端部41が挿入される凹部42Bを備える。キャップ30が容器本体28に装着されると、吸水芯23Aの上端部41がサブキャップ31の凹部42Bに挿入された状態となり、吸水芯23Aからアロマ液Lが気化することを抑制することができる。また、キャップ30が容器本体28に装着された場合に、サブキャップ31が吸水芯23Aの上端部41を覆うことで、吸水芯23Aの上端部41を保護可能であり、吸水芯23Aの上端部41の位置が変化することを防止することができる。さらに、サブキャップ31は、キャップ30の円筒部の内周面に接触するとともに、キャップ30が容器本体28に装着された場合に、ホールド部29Aの部分35と接触する部分43を備える。サブキャップ31は、例えば、キャップ30が容器本体28に装着された場合に、ホールド部29Aと嵌合し、吸水芯23Aからアロマ液Lが気化することを抑制することができ、アロマ液Lがサブキャップ31とホールド部29Aとの嵌合部分よりも外側へ漏れることを防止する。
【0059】
以上説明した本実施形態において、アロマディフューザー1は、専用のアロマ液Lを微細なミスト状にして噴霧させることができる。アロマディフューザー1の正面プレート3aを横にスライドさせ、内部にアロマ液Lの入ったアロマ液容器14A,14Bを搭載部9に搭載可能である。アロマ液容器14A,14B内には、吸水芯23A,23Bが挿入されている。吸水芯23A,23Bは、アロマディフューザー1の筐体本体3bの上面3cに配置された円盤状のフローティングユニット11A,11Bの振動子16A,16Bに密着し、振動子16A,16Bが超音波振動を行うことによりアロマ液Lが微細なミスト状となり、フローティングユニット11A,11Bの中心孔から噴霧される。アロマディフューザー1の内部には、搭載空間SPの横に表示部5及び操作部6が備えられており、ユーザは操作部6により噴霧量の調節及びタイマー機能71の詳細設定などを行うことができる。
【0060】
本実施形態において、アロマディフューザー1の正面プレート3aがスライドすると、アロマ液容器14A,14Bを搭載する搭載空間SPが現れる。正面プレート3aが開状態の場合に、搭載部9は下段位置PDとなる。
これにより、ユーザは、アロマ液容器14A,14Bを容易に交換可能である。
【0061】
本実施形態においては、正面プレート3aが閉状態の場合に、搭載部9が上段位置PUとなり、アロマ液容器14A,14Bの吸水芯23A,23Bの上端部が振動子16A,16Bに安定的に接触し、アロマディフューザー1の筐体本体3bの上面3cに備えられた振動子16A,16Bが超音波振動を行う。
【0062】
これにより、吸水芯23A,23Bに吸水されているアロマ液Lを、このアロマ液の成分を変質させることなく細かい粒子で霧化してアロマディフューザー1の外部へ拡散することができ、香りを効果的に発生させることができる。
【0063】
本実施形態においては、フローティングユニット11A,11Bの振動子16A,16Bと吸水芯23A,23Bとが接触した場合に、支持部12A,12Bの弾性力により振動子16A,16Bと吸水芯23A,23Bとの間に働く力が所定の範囲に保たれる。
【0064】
霧化実行時に、支持部12A,12Bの伸縮により、振動子16A,16Bと吸水芯23A,23Bとを適切に接触させることができる。
【0065】
本実施形態においては、位置決め部22A,22Bがアロマ液容器14A,14Bを適切な位置に配置し、さらに、搭載部9が上段位置PUにある場合に、位置決め部13A,13Bがアロマ液容器14A,14Bの上部開口部26Aの外周面を支持する。
【0066】
これにより、アロマ液容器14A,14Bを搭載部9の適切な位置に搭載することができ、振動子16A,16Bと吸水芯23A,23Bとの接触を安定させることができる。
【0067】
本実施形態において、アロマ液容器14A,14Bの容器本体28にキャップ30が装着されている場合に、キャップ30の内側に設けられたサブキャップ31が、吸水芯23A,23Bを保護する。また、吸水芯23A,23Bの一端は、容器本体28の内部の底面に接触している。
【0068】
したがって、吸水芯23A,23Bの位置がずれることを防止することができる。
【0069】
本実施形態において、キャップ30の内側にサブキャップ31が備えられることにより、キャップの縦方向の長さを長くすることができ、アロマ液容器14A,14Bのデザインの自由度を高くすることができる。また、キャップ30が容器本体28に装着された場合に、ホールド部29A,29Bとサブキャップ31とが嵌合し、容器本体28の内部のアロマ液Lが嵌合部分よりも外へ漏れることを防止することができ、吸水芯23Aからアロマ液Lが気化することを抑制することができる。
【0070】
なお、本願発明は、上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具現化できる。また、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、各実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削減してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組合せてもよい。
【符号の説明】
【0071】
1…アロマディフューザー、2…バッテリチャージャー、3…筐体、3a…正面プレート、3b…筐体本体、4…バッテリ、5…表示部、6…操作部、7…コントローラ、71…タイマー機能、8…拡散部、9…搭載部、10…昇降機構、11A,11B…フローティングユニット、12A,12B…支持部、13A,13B,22A,22B…位置決め部、14A,14B…アロマ液容器、15…ファンモーター、16A,16B…振動子、18…空気経路、19A,19B…空気排出口、21A,21B…容器検出器、23A,23B…吸水芯、26A,26B…上部開口部、28…容器本体、29A,29B…ホールド部、30…キャップ、31…サブキャップ、PU…上段位置、PD…下段位置。